(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023016775
(43)【公開日】2023-02-02
(54)【発明の名称】箱型荷台
(51)【国際特許分類】
B60P 3/025 20060101AFI20230126BHJP
B62B 1/12 20060101ALI20230126BHJP
B65D 6/28 20060101ALI20230126BHJP
B65D 6/18 20060101ALI20230126BHJP
【FI】
B60P3/025 Z
B62B1/12
B65D6/28 G
B65D6/18 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116507
(22)【出願日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】P 2021120401
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】513289813
【氏名又は名称】株式会社アカウント・プランニング
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】岡本 達彦
【テーマコード(参考)】
3D050
3E061
【Fターム(参考)】
3D050AA01
3D050BB04
3D050CC04
3D050EE08
3D050EE15
3E061AA05
3E061CA09
3E061DB17
(57)【要約】
【課題】小型であっても多様な用途に対応可能な箱型荷台を提供する。
【解決手段】水平に車両に取り付けられる底面板と、前記底面板における前記車両前側に接続しており、前記底面板に対して略垂直に延在する奥側面板と、前記奥側面板に対して、前記底面板が接続する側とは反対側に回動可能に接続し、前記底面板と平行である第1位置から、前記奥側面板に平行である第2位置まで回動可能である天面板と、前記底面板に対して、前記奥側面板が接続する側とは反対側に回動可能に接続し、前記奥側面板に平行である第3位置から、前記底面板に平行である第4位置まで回動可能である後側面板と、前記底面板に対して、前記奥側面板と前記天面板とが接続する側とは垂直な一対の側にそれぞれ回動可能に接続し、前記底面板に垂直である第5位置から、前記底面板に対して平行である第6位置まで回動可能である一対の横側面板と、を有する箱型荷台。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取り付けられ、少なくとも一部が展開可能な箱型荷台であって、
略水平に前記車両に取り付けられる底面板と、
前記底面板における前記車両前側に接続しており、前記底面板に対して略垂直に延在する奥側面板と、
前記奥側面板に対して、前記底面板が接続する側とは反対側に回動可能に接続し、少なくも前記底面板と略平行である第1位置から、前記奥側面板に略平行である第2位置まで回動可能である天面板と、
前記底面板に対して、前記奥側面板が接続する側とは反対側に回動可能に接続し、少なくとも前記奥側面板に略平行である第3位置から、前記底面板に略平行である第4位置まで回動可能である後側面板と、
前記奥側面板または前記底面板のいずれか一方に対して、前記奥側面板と前記天面板とが接続する側とは垂直な一対の側にそれぞれ回動可能に接続し、少なくとも前記奥側面板および前記底面板に略垂直である第5位置から、前記奥側面板または前記底面板のいずれか一方に対して略平行である第6位置まで回動可能である一対の横側面板と、を有する箱型荷台。
【請求項2】
前記奥側面板は、磁性材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の箱型荷台。
【請求項3】
前記天面板を、前記第2位置に固定する固定構造を有する請求項1に記載の箱型荷台。
【請求項4】
前記奥側面板と前記天面板とを、前記奥側面板および前記天面板の外面または端面を介して接続する第1ヒンジ機構と、
前記底面板と前記後側面板とを、前記底面板および前記後側面板の内面を介して接続する第2ヒンジ機構と、を有する請求項1に記載の箱型荷台。
【請求項5】
前記横側面板は、前記底面板に対して回動可能であり、
前記底面板と前記横側面板とを、前記底面板および前記横側面板の内面を介して接続する第3ヒンジ機構を有する請求項1に記載の箱型荷台。
【請求項6】
前記底面板と前記後側面板とを、前記底面板および前記後側面板の内面を介して接続する第2ヒンジ機構を有し、
前記後側面板は、前記第2ヒンジ機構を介して前記底面板に対して着脱自在であり、
前記横側面板は、前記第3ヒンジ機構を介して前記底面板に対して着脱自在であることを特徴とする請求項5に記載の箱型荷台。
【請求項7】
前記天面板の内面側には、前記第1位置において前記底面板側に突出し、前記第5位置にある前記横側面板が内側に傾くことを防止する突起部が形成されている請求項1に記載の箱型荷台。
【請求項8】
前記奥側面板の内面には、前記奥側面板に対して回動可能に接続し、前記奥側面板に平行である第7位置から、前記底面板に略平行である第8位置まで回動可能な可動板が備えられる請求項1に記載の箱型荷台。
【請求項9】
少なくとも一部が展開可能であって、車輪を有する車両に取り付けられるか又は底部に車輪を備え、前記車輪の回転により動かすことができる箱型荷台であって、
前記車輪を介して車輪接触面より所定距離上方に支持される底面板と、
前記底面板における一方側に接続しており、前記底面板に対して略垂直に延在する奥側面板と、
上下方向に関して前記奥側面板を間に挟んで前記底面板と略平行である天面板と、
前記底面板に対して、前記奥側面板が接続する前記一方側とは反対側に回動可能に接続し、少なくとも前記奥側面板に略平行である第3位置から、前記底面板に略平行である第4位置まで回動可能である後側面板と、
前記底面板に対して、前記奥側面板が接続する前記一方側とは垂直な一対の側にそれぞれ回動可能に接続し、前記底面板に略垂直である第5位置から、前記底面板に対して略平行である第6位置まで回動可能である一対の横側面板と、
前記後側面板に回動可能に接続し、前記後側面板に略平行な第9位置から、前記後側面板に対して略垂直な第10位置まで回動可能であり、前記第10位置において、前記第4位置にある前記後側面板を前記車輪接触面に対して支持する後側脚部と、を有する箱型荷台。
【請求項10】
前記横側面板に回動可能に接続し、前記横側面板に略平行な第11位置から、前記横側面板に対して略垂直な第12位置まで回動可能であり、前記第12位置において、前記第6位置にある前記横側面板を前記車輪接触面に対して支持する横側脚部と、を有する請求項9に記載の箱型荷台。
【請求項11】
前記底面板と前記天面板との各四隅の間に配置され、互いに平行に延びる4本の縦フレーム部を有する請求項9に記載の箱型荷台。
【請求項12】
前記天面板の各辺に沿って延びており、互いに隣接する前記縦フレーム部の上端同士を接続する4本の横フレーム部を有する請求項11に記載の箱型荷台。
【請求項13】
前記天面板に対して、前記奥側面板が接続する側とは垂直な一対の側にそれぞれ回動可能に接続し、前記天面板に略垂直である第13位置から、前記天面板に対して略平行である第14位置まで回動可能である一対の上横側面板を有する請求項9に記載の箱型荷台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多種の用途に対応可能な箱型荷台に関する。
【背景技術】
【0002】
キッチンカーや移動型店舗のように、車両に積載する荷台に、運送以外の機能を付加するアイデアが提案されている。トラックなどに積載し、たとえば、商品展示状として使用できる折りたたみ式箱型の荷台などが提案されている(特許文献1等参照)。
【0003】
一方、自転車やバイクなどの小型の車両は、狭い路地なども通過することが容易であり、このような小型の車両に対して、調理機能などを付加するアイデアも提案されている(特許文献2等参照)。しかしながら、従来の小型の荷台では、搬送機能に加えて、テーブルなどの家具としての機能や、広告機能などを拡張することは難しいという問題があった。また、小型の車両で移動する場合には、立て看板などの広告手段や、現場で使用する家具を持ち運びすることも、積載可能なサイズの制約が厳しいため、難しい場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2596751号明細書
【特許文献2】特開2002-53086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、小型であっても多様な用途に対応可能な荷台に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係る箱型荷台は、
車両に取り付けられ、少なくとも一部が展開可能な箱型荷台であって、
略水平に前記車両に取り付けられる底面板と、
前記底面板における前記車両前側に接続しており、前記底面板に対して略垂直に延在する奥側面板と、
前記奥側面板に対して、前記底面板が接続する側とは反対側に回動可能に接続し、少なくも前記底面板と略平行である第1位置から、前記奥側面板に略平行である第2位置まで回動可能である天面板と、
前記底面板に対して、前記奥側面板が接続する側とは反対側に回動可能に接続し、少なくとも前記奥側面板に略平行である第3位置から、前記底面板に略平行である第4位置まで回動可能である後側面板と、
前記奥側面板または前記底面板のいずれか一方に対して、前記奥側面板と前記天面板とが接続する側とは垂直な一対の側にそれぞれ回動可能に接続し、少なくとも前記奥側面板および前記底面板に略垂直である第5位置から、前記奥側面板または前記底面板のいずれか一方に対して略平行である第6位置まで回動可能である一対の横側面板と、を有する。
【0007】
本発明の第1の観点に係る箱型荷台は、垂直な関係にある奥側面板と底面板の2面の板材に対して、天面板、後側面板および一対の横側面板が可動することにより、箱状の状態から、少なくとも一部が展開した状態に変形可能である。一部の板材が底面板と平行になることにより、これらの板材と底面板とが商品の陳列台や作業台などとして機能する。また、他の一部の板材が奥側面板と平行になることにより、これらの面が看板のような広告面として機能することができる。また、天面板、後側面板および一対の横側面板を独立に動かすことにより、設置場所に応じた最適な形状に変形させて使用することが可能である。
【0008】
また、たとえば、前記奥側面板は、磁性材料を含んでいてもよい。
【0009】
奥側面板が磁性材料を含むことにより、磁石などによる吸着力を利用して、奥側面板に棚を取り付けたり、展示品や広告などを奥側面板に貼り付けたりすることができる。
【0010】
また、たとえば、本発明に係る箱型荷台は、前記天面板を、前記第2位置に固定する固定構造を有してもよい。
【0011】
第2位置にある天面板は、車両の高い位置に配置されるため、広告面として効果的であるが、一方で、屋外では風などを受けやすい。しかし、箱型荷台が固定構造を有することにより、天面板を安定的に第2位置に固定できる。
【0012】
また、たとえば、前記奥側面板と前記天面板とを、前記奥側面板および前記天面板の外面または端面を介して接続する第1ヒンジ機構と、
前記底面板と前記後側面板とを、前記底面板および前記後側面板の内面を介して接続する第2ヒンジ機構と、を有してもよい。
【0013】
このような第1ヒンジ機構を有する箱型荷台は、横側面板や後側面板を展開した状態においても、天面板と奥側面板の厚みと第1ヒンジ機構により、天面板が奥側面板に支えられる。そのため、このような箱型荷台では、横側面板や後側面板を展開した状態においても、天面板を安定的に第1位置に配置することができる。また、このような第2ヒンジ機構を有する箱型荷台によれば、後側面板と底面板の厚みと第2ヒンジ機構により、後側面板を第4位置に安定的に配置することができる。
【0014】
また、たとえば、前記横側面板は、前記底面板に対して回動可能であってもよく、
箱型荷台は、前記底面板と前記横側面板とを、前記底面板および前記横側面板の内面を介して接続する第3ヒンジ機構を有してもよい。
【0015】
このような第3ヒンジ機構を有する箱型荷台によれば、横側面板と底面板との厚みと第3ヒンジ機構により、横側面板を第6位置に安定的に配置することができる。
【0016】
また、たとえば、本発明に係る箱型荷台は、前記底面板と前記後側面板とを、前記底面板および前記後側面板の内面を介して接続する第2ヒンジ機構を有してもよく、
前記後側面板は、前記第2ヒンジ機構を介して前記底面板に対して着脱自在であってもよく、
前記横側面板は、前記第3ヒンジ機構を介して前記底面板に対して着脱自在であってもよい。
【0017】
このような箱型荷台は、必要に応じて後側面板や横側面板を着脱することができるため、シチュエーションに応じて、より自由な形態をとることができる。
【0018】
また、たとえば、前記天面板の内面側には、前記第1位置において前記底面板側に突出し、前記第5位置にある前記横側面板が内側に傾くことを防止する突起部が形成されていてもよい。
【0019】
突起部が形成されていることにより、横側面板を、より安定的に第5位置に配置させることができる。したがって、このような箱型荷台は、箱型の形態をとる搬送時などにおいて、好適な耐衝撃性を有する。
【0020】
また、たとえば、前記奥側面板の内面には、前記奥側面板に対して回動可能に接続し、前記奥側面板に平行である第7位置から、前記底面板に略平行である第8位置まで回動可能な可動板が備えられていてもよい。
【0021】
このような箱型荷台は、可動板を第8位置に配置させることにより、可動板を棚などとして使用することができる。また、可動板は、第7位置に配置させることにより容易に収納できる。
【0022】
また、本発明の第2の観点に係る箱型荷台は、
少なくとも一部が展開可能であって、車輪を有する車両に取り付けられるか又は底部に車輪を備え、前記車輪の回転により動かすことができる箱型荷台であって、
前記車輪を介して車輪接触面より所定距離上方に支持される底面板と、
前記底面板における一方側に接続しており、前記底面板に対して略垂直に延在する奥側面板と、
上下方向に関して前記奥側面板を間に挟んで前記底面板と略平行である天面板と、
前記底面板に対して、前記奥側面板が接続する前記一方側とは反対側に回動可能に接続し、少なくとも前記奥側面板に略平行である第3位置から、前記底面板に略平行である第4位置まで回動可能である後側面板と、
前記底面板に対して、前記奥側面板が接続する前記一方側とは垂直な一対の側にそれぞれ回動可能に接続し、前記底面板に略垂直である第5位置から、前記底面板に対して略平行である第6位置まで回動可能である一対の横側面板と、
前記後側面板に回動可能に接続し、前記後側面板に略平行な第9位置から、前記後側面板に対して略垂直な第10位置まで回動可能であり、前記第10位置において、前記第4位置にある前記後側面板を前記車輪接触面に対して支持する後側脚部と、を有する。
【0023】
本発明の第2の観点に係る箱型荷台は、底面板に対して、後側面板および一対の横側面板が可動することにより、箱状の状態から、少なくとも一部が展開した状態に変形可能である。底面板と略平行となる後側面板および横側面板は、陳列第または作業台やテーブルのようなアウトドア家具として機能する。また、後側面板および一対の横側面板を独立に動かすことにより、設置場所に応じた最適な形状に変形させて使用することが可能である。また、第2の観点に係る箱型荷台では、車輪を有する台車などの車両に取り付けられるか又は底部に車輪を備えることで、荷車として押したり牽引したりすることができ、車輪の回転により容易に移動させることができる。また、後側面板に回動可能に接続する後側脚部が備えられることにより、収納時はコンパクトな形状でありながら、後側面板を展開した状態では、比較的長さの長い後側面板を、車輪接触面に対して、より安定した状態で支持することができる。
【0024】
また、たとえば、箱型荷台は、前記横側面板に回動可能に接続し、前記横側面板に略平行な第11位置から、前記横側面板に対して略垂直な第12位置まで回動可能であり、前記第12位置において、前記第6位置にある前記横側面板を前記車輪接触面に対して支持する横側脚部と、を有してもよい。
【0025】
横側面板に回動可能に接続する横側脚部を有することにより、収納時はコンパクトな形状でありながら、横側面板を展開した状態では、比較的長さの長い横側面板を、車輪接触面に対して、より安定した状態で支持することができる。
【0026】
また、たとえば、箱型荷台は、前記底面板と前記天面板との各四隅の間に配置され、互いに平行に延びる4本の縦フレーム部を有してもよい。
【0027】
縦フレーム部を有することにより、箱型荷台の強度が高まるとともに、横側面板や後側面板を展開した状態でも、天面板が安定した状態で、底面板等に対して支持される。
【0028】
また、たとえば、箱型荷台は、前記天面板の各辺に沿って延びており、互いに隣接する前記縦フレーム部の上端同士を接続する4本の横フレーム部を有してもよい。
【0029】
縦フレーム部に加えて横フレーム部を有する箱型荷台は、フレームにより箱型荷台の強度を高めることができるため、奥側面板、横側面板、後側面板や天面板を、より軽量化することが可能となる。
【0030】
また、たとえば、箱型荷台は、前記天面板に対して、前記奥側面板が接続する側とは垂直な一対の側にそれぞれ回動可能に接続し、前記天面板に略垂直である第13位置から、前記天面板に対して略平行である第14位置まで回動可能である一対の上横側面板を有してもよい。
【0031】
このような箱型荷台は、上横側面板を天面板に対して略平行である第14位置に移動させることにより、箱型荷台の上面に、広い設置スペースを形成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る箱型荷台を搭載する車両を表す外観図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す箱型荷台の第1の展開状態を示す外観図である。
【
図5】
図5は、
図1に示す箱型荷台の第2の展開状態を示す外観図である。
【
図6】
図6は、
図1に示す箱型荷台の第3の展開状態を示す外観図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態に係る箱型荷台を示す外観図である。
【
図8】
図8は、
図7に示す箱型荷台の使用状態の一例を示す外観図である。
【
図9】
図9は、第3実施形態に係る箱型荷台の外観図および部分図である。
【
図10】
図10は、
図9に示す箱型荷台の側面図および一部展開状態を示す概念図である。
【
図13】
図13は、
図12に示す箱型荷台においてヒンジ機構が分離した状態を示す概念図である。
【
図14】
図14は、第4実施形態に係る箱型荷台を側方から見た外観図である。
【
図17】
図17は、第5実施形態に係る箱型荷台を搭載する車両を表す外観図である。
【
図23】
図23は、第6実施形態に係る箱型荷台の非展開状態を示す概念図である。
【
図25】
図25は、第7実施形態に係る箱型荷台の非展開状態を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
第1実施形態
図1は、本発明の一実施形態に係る箱型荷台10を搭載する車両90を示す外観図である。
図1(a)は車両90の正面図であり、
図1(b)は車両90の左側面図であり、
図1(c)は車両90の背面図である。
図1に示すように、箱型荷台10は、車両90のリアフレーム94などに搭載される。
【0034】
箱型荷台10が搭載される車両90としては、特に限定されないが、自転車やバイクのような小型の車両が適しており、
図1に示すような三輪自動車(三輪バイクまたはトライクともいう。)が特に好ましい。ただし、箱型荷台10を搭載する車両90としては、
図1に示すようなルーフ99を装備しており、バイクスタイルの座席92を有するもののみには限定されず、ルーフ99が無いものや、動力として電気モータを使用するものや、4輪自動車なども含まれる。
【0035】
図1に示すように、箱型荷台10は、車両90における座席92より後方に取り付けられる。箱型荷台10は、略直方体の外形状を有しており、内部に荷物などを収容し、車両90により荷物を搬送することが可能である。すなわち、箱型荷台10は、直方体状の非展開状態において、搬送用収容BOXとして機能する。
【0036】
箱型荷台10は、直方体の各面を構成する6枚の板材を含む。
図2は、
図1に示す箱型荷台10の第1の展開状態を示す図面であり、箱型荷台10を移動店舗として使用している状態を示す使用状態図である。
図2(a)は、車両90の正面図であり、
図2(b)は車両90の左側面図であり、
図2(c)は車両90の背面図である。
【0037】
箱型荷台10は、展開状態を示す
図2に示すように、少なくとも一部が展開可能である。すなわち、
図1に示すように、箱型荷台10は、底面板20と、奥側面板30と、天面板40と、後側面板50と、一対の横側面板60、70を有しており、そのうち、天面板40と、後側面板50と、横側面板60、70とが回動し、箱形状から展開可能になっている。
【0038】
図3は、箱型荷台10の天面板40、後側面板50および横側面板60、70を展開した展開状態を示す図面であり、上方(ルーフ99側)から車両90および車両90に搭載される箱型荷台10を見た平面図である。
図3に示すように、箱型荷台10の底面板20は、箱型荷台10の底部分を構成する。
【0039】
図1(a)~
図1(c)に示すように、箱型荷台10の底面板20は、略水平に車両90に取り付けられる。
図3に示すように、底面板20の4つの辺には、それぞれ、奥側面板30、後側面板50、横側面板60、70の4つの板材が接続している。
【0040】
図1(b)および
図2(b)に示すように、奥側面板30は、底面板20に対して車両90前側(車両90の座席92側)に接続している。奥側面板30は、底面板20に対して略垂直に延在する。奥側面板30は、
図1に示すように箱型荷台10が搬送用収容BOXとして機能する際において、荷台の奥(車両90における前側)の側壁を構成する。
【0041】
図1(b)および
図2(b)に示すように、奥側面板30と底面板20とは、
図1に示す展開状態においても、
図2に示す非展開状態においても、車両90の左側面から見てL字状をなす。すなわち、箱型荷台10において、奥側面板30と底面板20は、箱型荷台10を
図1に示す非展開状態から
図2に示す展開状態に変形させる際においても、車両90の本体部に対して相対移動しない。したがって、箱型荷台10は、底面板20をリアフレーム94などに固定したり、奥側面板30を座席92後ろのフレームなどに固定したりすることにより、車両90の本体部に固定することができる。
【0042】
図1(b)および
図2(b)に示すように、天面板40は、奥側面板30に対して、底面板20が接続する側(奥側面板30の下辺)とは反対側(奥側面板30の上辺)に、回動可能に接続する。
図1および
図2に示すように、天面板40は、少なくとも、
図1に示すように底面板20と略平行である第1位置P1から、
図2に示すように奥側面板30に略平行である第2位置P2まで回動可能である。
【0043】
図1に示すように、第1位置P1にある天面板40は、箱型荷台10が非展開状態で、搬送用収容ボックス等として機能する際において、荷台の天井を構成する。一方、
図2に示すように、第2位置P2にある天面板40は、車両90における高い位置において、地面に対して略垂直な姿勢となるため、天面板40の内面40aおよび外面40bが、広告面や告知面として効果的に機能する。したがって、
図2(a)および
図2(c)に示すように、天面板40の内面40aおよび外面40bに店舗名や商品などを記載することにより、車両90を移動店舗などとして使用する場合に、箱型荷台10の天面板40は、効果的な広告効果を奏することができる。
【0044】
なお、
図2(b)に示すように、箱型荷台10は、天面板40を第2位置に固定する固定構造44を有する。固定構造44は、ルーフ99側(車両90の前側)および後方に天面板40が倒れないように支持・固定する構造で構成される。固定構造44は、たとえば、奥側面板30の外面40bの上辺近傍に取り付けられ、天面板40の端面に係合するストッパーや金具などで構成される。
【0045】
また、天面板40は、
図2に示すように車両90を移動店舗として使用する際においても、
図1に示す第1位置(P1)で使用することも可能である。この場合、天面板40は、底面板20の上に置かれる商品84を保護する日除けまたは雨除け等として機能する。
【0046】
図1(c)および
図2(c)に示すように、後側面板50は、底面板20に対して、奥側面板30が接続する側(前側)とは反対側(後側)に回動可能に接続する。
図1および
図2に示すように、後側面板50は、少なくとも、
図1に示すように奥側面板30に略平行である第3位置P3から、
図2に示すように底面板20に略平行である第4位置P4まで回動可能である。
【0047】
図1に示すように、第3位置P3にある後側面板50は、箱型荷台10が非展開状態で、搬送用収容ボックス等として機能する際において、荷台の後方側面を構成する。一方、第4位置P4にある後側面板50は、
図2に示すように、底面板20に繋がる水平面を構成し、車両90を移動店舗等として使用する際に、商品84の設置面として機能する。このように、
図2および
図3に示すように箱型荷台10を展開することにより、底面板20に繋がる広い水平面を形成することができ、車両90を移動店舗などとして使用する場合に、多くの商品84を陳列することができる。
【0048】
図1(b)および
図2(c)に示すように、一対の横側面板60、70は、底面板20に対して、奥側面板30と底面板20とが接続する側(前側)とは垂直な一対の側(両横)に、それぞれ回動可能に接続する。
図1および
図2に示すように、一対の横側面板60、70は、少なくとも、
図1に示すように奥側面板30および底面板20に略垂直である第5位置P5から、
図2に示すように底面板20に対して略平行である第6位置P6まで回動可能である。
【0049】
図1(b)に示すように、第5位置P5に位置する横側面板60、70は、箱型荷台10が非展開状態であり、搬送用収容ボックス等として機能する際において、荷台の横側面を構成する。一方、第6位置P6にある横側面板60、70は、
図2に示すように、第4位置P4にある後側面板50と同様に、底面板20に繋がる水平面を構成する。このように、第6位置P6にある横側面板60、70は、車両90を移動店舗として使用する際に、商品84の設置面として機能し、箱型荷台10は、多くの商品84を陳列可能な移動店舗を実現できる。
【0050】
箱型荷台10の各面を構成する板材を回動可能に連結する機構としては、特に限定されないが、
図3および
図4に示すようなヒンジ機構とすることができる。たとえば、
図3に示す第2ヒンジ機構58は、底面板20と後側面板50とを、底面板20および後側面板50の内面20a、50aを介して接続する。
【0051】
このような第2ヒンジ機構58を介して接続される後側面板50は、
図2(b)に示すように、第4位置P4にある後側面板50と底面板20の端面同士が接触し、かつ、後側面板50と底面板20とを第2ヒンジ機構58が連結していることにより、第4位置P4に安定的に配置される。
【0052】
また、
図3に示すように、底面板20に対して回動可能である横側面板60、70も、後側面板50と底面板20を接続する第2ヒンジ機構58と同様の第3ヒンジ機構68、78により接続される。すなわち、
図3に示す第3ヒンジ機構68は、底面板20と横側面板60とを、底面板20および横側面板60の内面20a、60aを介して接続する。また、
図3に示す第3ヒンジ機構78は、底面板20と横側面板70とを、底面板20および横側面板70の内面20a、70aを介して接続する。
【0053】
このような第3ヒンジ機構68、78を介して接続される横側面板60、70は、
図2(a)、
図2(c)に示すように、第6位置P6にある横側面板60、70と底面板20の端面同士が接触し、かつ、横側面板60、70と底面板20とを第3ヒンジ機構68、78が連結することにより、横側面板60、70を、第6位置P6に安定的に配置することができる。
【0054】
箱型荷台10の展開図である
図4に示すように、奥側面板30と天面板40とを回動可能に接続する第1ヒンジ機構48は、後側面板50と底面板20を接続する第2ヒンジ機構58とは異なり、板材の内面を接続しない。すなわち、
図1(a)に示すように、奥側面板30と天面板40とを回動可能に接続する第1ヒンジ機構48は、奥側面板30と天面板40とを、奥側面板30および天面板40の外面または端面を介して接続する。
【0055】
このような第1ヒンジ機構48によれば、
図1に示す第1位置P1にある天面板40は、横側面板60、70や後側面板50を展開した状態においても、奥側面板40の厚みと第1ヒンジ機構48により、天面板40が奥側面板30に支えられる。このような箱型荷台10では、横側面板60や後側面板50を展開した状態においても、天面板40を安定的に第1位置P1に配置することができる。
【0056】
図4および
図3に示すように、底面板20と奥側面板30とは、連結金具28を介して接続されている。底面板20の内面20aと奥側面板30の内面30aとを接続する連結金具28は、第2ヒンジ機構58と同様の構造であってもよいが、底面板20と奥側面板30とを、互いに略垂直になるように固定するL字金具等であってもよい。
【0057】
箱型荷台10は、
図1に示す非展開状態や、
図2に示す第1の展開状態の他に、他の形態で使用することも可能である。
図5は、箱型荷台10の第2の展開状態を示す外観図である。
図5(a)は車両90の正面図であり、
図5(b)は車両90の左側面図であり、
図5(c)は車両90の背面図である。
【0058】
図5に示す第2の展開状態では、箱型荷台10は、天面板40、後側面板50および横側面板60を展開し、横側面板70については、展開せずに使用される。すなわち、天面板40は第2位置P2に配置され、後側面板50は第4位置P4に配置され、横側面板60は第6位置P6に配置されるが、横側面板70は第5位置P5に配置される。
【0059】
図5に示す第2の展開状態は、たとえば、車両90の右側側面にスペースが無い場所において、車両90を移動店舗として使用したい場合や、底面板20上に陳列される商品84を保護したい場合などに採用することができる。
図5に示す第2の展開状態は、商品84の陳列面積は
図2に示す第1の展開状態より狭いが、より狭いスペースで移動店舗を開くことが可能となる。
【0060】
図6は、箱型荷台10の第3の展開状態を示す外観図である。
図6(a)は車両90の正面図であり、
図6(b)は車両90の左側面図であり、
図6(c)は車両90の背面図である。
図6に示す第3の展開状態では、箱型荷台10は、天面板40および後側面板50を展開し、横側面板60、70については、展開せずに使用される。すなわち、天面板40は第2位置P2に配置され、後側面板50は第4位置P4に配置されるが、横側面板60、70は第5位置P5に配置される。
【0061】
図6に示す第3の展開状態は、たとえば、車両90の左右にスペースが無い場所において、車両90を移動店舗として使用したい場合や、底面板20上に陳列される商品84を両側から保護したい場合などに採用することができる。
図6に示す第3の展開状態は、商品84の陳列面積は
図2に示す第2の展開状態よりさらに狭いが、より狭いスペースで、かつ、商品84を保護しつつ、移動店舗を開くことが可能となる。
【0062】
図1に示す非展開状態から、
図2に示す第1の展開状態、
図5に示す第2の展開状態または
図6に示す第3の展開状態への箱型荷台10の変形は、各面に取り付けられる連結具46、66、67、76,77(
図1参照)の係合を解除して、行うことができる。たとえば、天面板40を第1位置P1(
図1参照)から第2位置P2(
図2参照)に移動させるためには、天面板40と後側面板50とを連結・離間自在に繋ぐ連結具46の係合を解除したのち、天面板40を、第1ヒンジ機構48を中心に回動させることにより、行うことができる。
【0063】
また、
図1(c)に示す後側面板50(第3位置P3)を開くには、上述した連結具46および横側面板60、70と後側面板50とを連結・離間自在に繋ぐ連結具67、77の係合を解除したのち、後側面板50を、第2ヒンジ機構58(
図3参照)を中心に回動させることにより、行うことができる。
【0064】
さらに、
図1に示す横側面板60、70(第5位置P5)を開くには、上述した連結具67、77および横側面板60、70と奥側面板30とを連結・離間自在に繋ぐ連結具66、76の係合を解除したのち、横側面板60、70を第3ヒンジ機構68、78(
図3参照)を中心に回動させることにより、行うことができる。
【0065】
なお、
図2に示す展開状態から、第1に示す非展開状態に箱型荷台10を変形させる場合には、上述した操作と逆の操作を行えばよい。このような箱型荷台10は、垂直な関係にある奥側面板30と底面板20の2面の板材に対して、天面板40、後側面板50および一対の横側面板60、70が可動することにより、
図1に示す箱状の状態から、
図2(b)に示すように側方からL字状になる状態に展開可能である。
【0066】
このような箱型荷台10では、後側面板50および横側面板60が、底面板20と平行になることにより、
図3に示すように、商品の陳列台や作業台などとして有効利用できる広い水平スペースを確保できる。また、天面板40が奥側面板30と平行になることにより、天面板40の面が看板のような広告面として機能することができる。また、天面板40が看板になるため、立看板などを別途搬送する必要がないため、小型の箱型荷台10であっても、より多くの商品83や陳列棚86を搬送するスペースを、荷台内部に確保できる。また、箱型荷台10は、
図3に示すようにL字状に展開することができるため、各板材の内面の清掃も用意かつ効果的に行うことができ、衛生的に使用することが可能であるため、食品を搬送する搬送容器や、食品を扱う移動店舗としての利用にも適している。
【0067】
第2実施形態
図7は、第2実施形態に係る箱型荷台110を搭載する車両190の外観図である。
図7に示す箱型荷台110は、底面板20の内面20aにパラソルスタンド182が設けられていることを除き、
図3に示す箱型荷台10と同様である。箱型荷台110については、箱型荷台10との相違点のみを説明し、共通点については説明を省略する。
【0068】
図8は、
図7に示す車両190を移動店舗として使用する場合の一例を示す概念図である。
図7および
図8に示すように、パラソルスタンド182には、パラソル185の柄の下端が差し込めるようになっている。
図8に示すように、箱型荷台110に設けられるパラソルスタンド182にパラソル185を差し込んで使用することにより、パラソル185によって商品84等を日射や雨から保護しながら、移動店舗を行うことができる。
【0069】
第3実施形態
図9(a)、(b)は、第3実施形態に係る箱型荷台210を、後側面板250側から見た外観図であり、
図9(c)は箱型荷台210の天面板240の外観図である。
図9(a)は、後側面板250が第3位置P3にある状態を表しており、
図9(b)は、後側面板250が第4位置P4にある状態を表している。
【0070】
箱型荷台210は、箱型荷台10に比べて高さが低く、底面板20が脚部224を備えている点や、奥側面板230に可動板232が取り付けられている点や、第2ヒンジ機構258および第3ヒンジ機構268、278(
図12,
図13参照)が分離可能である点で、
図1等に示す箱型荷台10と相違する。しかし、箱型荷台210は、L字状に接続される底面板220と奥側面板230に対して、天面板240、後側面板250および横側面板260、270が回動可能に接続される点などについては、箱型荷台10と同様である。第3実施形態に係る箱型荷台210の説明は、箱型荷台10との相違点を中心に行い、箱型荷台10との共通点については、説明を省略する。
【0071】
図9(a)および
図9(c)に示すように、箱型荷台210の天面板240の外面240bには、取っ手243が設けられている。取っ手243は、天面板240を奥側面板230に対して回動させる場合や、箱型荷台210全体を持ち運ぶ場合の取っ手として機能する。
【0072】
図9(b)および
図9(c)に示すように、天面板240の内面240a側には、第1位置P1において底面板220側(下方側)に突出する突起部242が形成されている。
図9(b)に示すように、突起部242は、第5位置P5にある横側面板260、270が内側に傾くことを防止する。展開図である
図12から理解できるように、箱型荷台210に形成される突起部242は矩形平板状であるが、突起部242の形状は、矩形平板状のみには限定されない。たとえば、突起部242は、天面板240の内面240aに略平行に形成される2つの直線状の突起であってもよい。
【0073】
図10は、箱型荷台210を横側面板260側から見た外観図である。
図10(a)は、箱型荷台210の非展開状態を表しており、
図10(b)は、天面板240、後側面板250および横側面板260を展開した展開状態を表している。
図10(b)に示すように、奥側面板230の内面230aには、奥側面板230に対して回動加納に接続する可動板232が備えられる。
【0074】
可動板232は、奥側面板230に略平行である第7位置P7から、底面220に略平行である第8位置P8まで回動可能である。可動板232を第8位置P8に移動させれば、箱型荷台210を展開して移動店舗として使用するような場合において、可動板232が商品の陳列棚として機能する。また、第7位置P7に可動板232を移動させることにより、箱型荷台210の内部のスペースを広げることができる。
【0075】
なお、奥側面板230に備えられる可動板232の数は2つのみには限定されず、1つまたは3つ以上の可動板232が、奥側面板230の内面230aに備えられていてもよい。また、奥側面板230には、可動板232の代りに、磁石を有する磁気吸着式の棚が設置可能であってもよい。このような場合、奥側面板230は、鉄またはニッケルなどを含む磁性材料を含む。
【0076】
図10(b)に示すように、天面板240は、奥側面板230に略平行である第2位置P2を超えて、天面板240の内面240a側が上方を向く位置まで回動することができる。
図11は、箱型荷台210を奥側面板230側から見た外観図である。
【0077】
非展開状態の箱型荷台210を表す
図11(a)に示されるように、第1ヒンジ機構48は、奥側面板230と天面板240とを、奥側面板230の外面230bと天面板240の端面240cを介して接続する。このように、第1ヒンジ機構48により接続される天面板240は、
図10(a)から理解できるように、第1位置P1に配置される際に、奥側面板230の端面および第1ヒンジ機構48により支えられる。これにより、第1位置P1に配置される天面板240は、後側面板250および横側面板260、270を開いた状態においても、箱型荷台210の内部に倒れ込むことが防止される。また、第1ヒンジ機構48により接続される天面板240は、
図10(b)に示すように、第1位置P1から180度回転することができるため、箱型荷台210の上方から内部へのアクセスが容易である。
【0078】
ただし、第1ヒンジ機構48を介して接続される天面板240は、
図11(b)に示すような第2位置P2では、隣接する奥側面板230に係止されない。したがって、
図11では図示していないが、箱型荷台210も、
図2(b)に示す箱型荷台10と同様に、天面板240を第2位置P2に固定する固定構造44(
図2(b)参照)を有することが好ましい。
【0079】
図10および
図11に示すように、箱型荷台210は、底面板220の外面220bに設けられる脚部224を有する。箱型荷台210は、脚部224を有することにより、
図1に示すような車両90のリアフレーム94等に対して、より安定した状態で取り付けることが可能である。
【0080】
図9(b)および
図10(b)に示すように、底面板220と奥側面板230は、L字状の連結金具228を介して、互いに略垂直になるように連結および固定されている。
図12は、箱型荷台210の内面を示す展開図である。
図12に示すように、底面板220と後側面板250は、第2ヒンジ機構258を介して回動可能に連結されている。また、底面板220と横側面板260、270は、第3ヒンジ機構268、278を介して回動可能に連結されている。
【0081】
箱型荷台210の第2ヒンジ機構258および第3ヒンジ機構268、278は、隣接する2つの板材を回動可能に連結する点では、
図3に示す第2ヒンジ機構58および第3ヒンジ機構68、78と同様である。しかしながら、
図13に示すように、第2ヒンジ機構258および第3ヒンジ機構268、278は、それぞれ2つの部分に分離可能である点で、
図3に示す第2ヒンジ機構58および第3ヒンジ機構68、78とは異なる。
【0082】
図13に示すように、箱型荷台210の後側面板250は、第2ヒンジ機構258を介して底面板220に対して着脱自在である。また、箱型荷台210の横側面板260、270は、第3ヒンジ機構268、278を介して底面板220に対して着脱自在である。
図13に示す第2ヒンジ機構258および第3ヒンジ機構268、278は、通常の状態では
図12に示すように2つの板材を回動可能に連結するが、ヒンジの連結軸を動かす等の所定の操作を行うと、
図13に示すように2つの部分に分離する。このようなヒンジ機構としては、たとえば、ヒンジの連結軸が可動式であってバネで付勢されるものや、ヒンジの連結軸を引き抜くことができるものが挙げられるが、特に限定されない。
【0083】
図13に示すように後側面板250および横側面板260が分離できる箱型荷台210は、箱型荷台210を搭載した車両を移動店舗として使用するような場合において、
図2、
図5、
図6に示すような展開状態以外にも、状況に応じて、様々な形態をとることができる。たとえば、
図10(b)に示すように後側面板250を第4位置P4に展開し、横側面板260、270の両方または一方を取り外して使用することができる。
【0084】
また、
図9~
図13に示す第3実施形態に係る箱型荷台210は、
図1~
図6に示す箱型荷台10との共通点については、箱型荷台10と同様の効果を奏する。
【0085】
第4実施形態
図14は、第4実施形態に係る箱型荷台310を横側面板260側から見た外観図である。
図14は、天面板340が第2位置P2にあり、後側面板250が第4位置P4位置にあり、横側面板260が第6位置(P6)にあり、横側面板270が第5位置P5にある状態を表している。
【0086】
箱型荷台310は、第1ヒンジ機構348が奥側面板330と天面板340の内面を接続している点と、カバー部材349、固定構造344、パラソルスタンド382およびサポート部材327などを有する点、可動板232を有しない点などで、
図10に示す箱型荷台210とは異なる。しかし、箱型荷台310は、L字状に接続される底面板320と奥側面板330に対して、天面板340、後側面板250および横側面板260、270が回動可能に接続される点などについては、箱型荷台210と同様である。第4実施形態に係る箱型荷台310の説明は、箱型荷台210との相違点を中心に行い、箱型荷台210との共通点については、説明を省略する。
【0087】
図14に示すように、箱型荷台310の第1ヒンジ機構348は、奥側面板330と天面板340とを、奥側面板330および天面板340の内面を介して接続する。このような第1ヒンジ機構348によって接続される天面板340は、第2位置P2において、奥側面板330の端面に接触し、第2位置P2よりさらに前方に倒れることが防止される。したがって、天面板340を第2位置P2に固定する固定構造344は、奥側面板330と天面板340の外面同士を接続する接続部材など、
図2に示す固定構造44より単純な構造で構成することができる。
【0088】
図15は、箱型荷台310を奥側面板330側から見た外観図であり、
図16は、箱型荷台310を横側面板260側から見た外観図である。
図15では、天面板340が第2位置P2にあり、横側面板260、270は第5位置P5に配置されている。
図16は、箱型荷台310の非展開状態を表している。
【0089】
図14~
図16に示すように、箱型荷台310は、、奥側面板330と天面板340の可動接続部分を覆うカバー部材349を有する。
図16に示すように、カバー部材349は、天面板340に固定され、奥側面板330の外面に対向する領域まで垂れ下がる布体で構成される。
【0090】
図14に示すような第1ヒンジ機構348で奥側面板330と天面板340とを接続すると、奥側面板330と天面板340との接続部分にわずかな隙間が形成される場合がある。そのため、
図16に示すようなカバー部材349を取り付けることにより、奥側面板330と天面板340との間の隙間から、非展開状態の箱型荷台310の内部に、雨などが侵入する問題を防止できる。なお、カバー部材349の材質としては、特に限定されないが、ゴムやナイロンなどの軟質の樹脂を採用することができる。
【0091】
図14に示すように、箱型荷台310は、第4位置P4に位置する後側面板250を下方から支持するサポート部材327を有する。サポート部材327は、後側面板250および底面板320の外面および端面を接続し、第4位置P4に位置する後側面板250が水平に維持されるようにサポートする。なお、
図14では図示していないが、横側面板260、270についても、後側面板250と同様に、横側面板260、270を水平に維持するサポート部材を有していてもよい。
【0092】
図14~
図16に示すように、箱型荷台310は、奥側面板330の外面に固定されるパラソルスタンド382を有する。パラソルスタンド382は、
図8に示すパラソルスタンド182と同様に、パラソル185の柄を差し込むことができる。
【0093】
図14~
図16に示す第4実施形態に係る箱型荷台310は、
図9~
図13に示す箱型荷台210との共通点については、箱型荷台210と同様の効果を奏する。
【0094】
第5実施形態
図17は、本発明の第5実施形態に係る箱型荷台410を搭載する車両490の外観図であり、
図18は箱型荷台410の展開図である。
図17(a)は、第1の展開状態である箱型荷台410を上方から見た図面であり、
図17(b)は、第1の展開状態である箱型荷台410を後方から見た図面であり、
図17(c)は、第1の展開状態である箱型荷台410を側方から見た図面である。なお、
図17(a)では、底面板420および後側面板450が見えやすいように、商品84および陳列棚を表示していない。
【0095】
図17に示すように、箱型荷台410では、横側面板460、470が、底面板420ではなく、奥側面板430に回動自在に連結している点で、
図2に示す箱型荷台10とは相違する。また、箱型荷台410では、天面板440と奥側面板430とを連結する第1ヒンジ機構348が、天面板440および奥側面板430の内面を介して接続する点で、
図1に示す箱型荷台10とは相違する。第5実施形態に係る箱型荷台410の説明は、箱型荷台10との相違点を中心に行い、箱型荷台10との共通点については、説明を省略する。
【0096】
図17(b)に示すように、箱型荷台410の一対の横側面板460、470は、奥側面板430に対して、奥側面板430と底面板420とが接続する側とは垂直な一対の側(奥側面板430の両側)に、それぞれ回動可能に接続する。横側面板460、470は、少なくとも、奥側面板430および底面板420に略垂直である第5位置P5(
図1(b)参照)から、奥側面板430に対して略平行である第6位置P6(
図17参照)まで回動可能である。
【0097】
図17に示すように、横側面板460、470が、奥側面板430に対して回動可能に接続する箱型荷台410は、天面板440に加えて、横側面板460、470についても、その内面や外面が、広告面や告知面として効果的に機能する。したがって、箱型荷台410を用いることにより、効果的な宣伝を行いながら、車両490において移動店舗販売などを行うことができる。
【0098】
図18に示すように、横側面板460、470は、第3ヒンジ機構468、478を介して、奥側面板430に接続されている。第3ヒンジ機構468、478は、奥側面板430と横側面板460、470とを、奥側面板430および横側面板460、470の内面を介して接続する。なお、奥側面板430と天面板440とを接続する第1ヒンジ機構348と、底面板420と後側面板450とを接続する第2ヒンジ機構58についても、第3ヒンジ機構468、478と同様に、隣接する2つの板材を、互いの内面を介して接続している。
【0099】
図18と
図4との比較から理解できるように、横側面板460、470が奥側面板430に接続する箱型荷台410は、横側面板60、70が底面板20に接続する箱型荷台10に比べて、展開時における商品展示スペースは狭くなる。しかしながら、車両490の設置場所次第では、横側面板460、470を広告面として効果的に機能させることができるため、このような箱型荷台410も、効果的に商品を展示および広告できる移動店舗の展示棚兼看板などとして機能する。
【0100】
その他、
図17および
図18に示す第5実施形態に係る箱型荷台410は、
図1~
図6に示す箱型荷台10との共通点については、箱型荷台10と同様の効果を奏する。
【0101】
以上、実施形態を示しつつ、本発明に係る箱型荷台10、110、210、310、410について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や変形例を含むことは言うまでもない。たとえば、各板材を連結する機構は、実施形態で説明したヒンジ機構のみに限定されず、他の回動機構を採用してもかまわない。また、
図2に示す横側面板60、70および後側面板50についても、
図10(b)に示す第1ヒンジ機構48のように、外面や端面を接続するヒンジ機構によって接続されてもよい。これにより、
図10(b)に示す天面板240と同様に、横側面板60、70および後側面板50についても、非展開状態位置である第5位置P5および第3位置P3から略180度回動することが可能となる。
【0102】
また、箱型荷台10、110、210、310、410を構成する板材の材質についても、特に限定されず、たとえば、鉄、アルミなどの金属や、PP、PETのような樹脂材料や、カーボンファイバーのような樹脂繊維複合材料や、木などが挙げられるが、特に限定されない。また、箱型荷台10、110、210、310、410の展開時の用途も、
図2等で説明した移動店舗のみには限定されず。キャンプや野外バーベキュー用のテーブルなど、移動店舗以外の用途に用いられてもよい。
【0103】
また、
図19(a)に示すように、変形例に係る箱型荷台510は、展開する横側面板60、70の先端と、奥側面板30の上端付近とを接続する接続支持部495を有してもよい。接続支持部495は、たとえば横側面板60、70の先端を支えるチェーンまたは紐で構成され、接続支持部495は、奥側面板30の上端付近を経由して、横側面板60、70の先端と、底面板20とを接続してもよい。また、
図19(b)に示すように、箱型荷台510は、展開する後側面板50の先端と、奥側面板30の上端付近とを接続する接続支持部496を有してもよい。
【0104】
また、
図20(a)に示す変形例に係る箱型荷台610のように、横側面板660、670は、第1の位置P1にある天面板40と同一平面状になるように、展開可能であってもよい。この場合、箱型荷台610は、天面板40と略同一平面を形成するように展開した横側面板660、670を支える展開サポート部697を有してもよい。
【0105】
展開サポート部697は、
図20(a)に示すように、展開した横側面板660、670の端部から垂直に延びて、先端を地面に固定することで、横側面板660、670を支える。また、
図20(b)に示す展開サポート部698のように、天面板40と略同一平面を形成するように展開した横側面板660、670を、奥側面板30に接続して支える構造も考えられる。また、他の展開サポート部としては、横側面板670、680を、底面板20から上方または斜め上方に延びる柱で支える構造や、内側に別の箱を備えて内側の箱から延びるアームでサポートする構造も考えられる。このように、横側面板660、670は、天面板40に対して、天面板と奥側面板とが接続する側とは垂直な一対の側にそれぞれ回動可能に接続し、天面板40に略垂直である第5位置から、天面板40に対して略平行である第6位置まで回動可能であってもよい。
【0106】
また、
図21に示すように、第1の展開状態である箱型荷台710は、L字状の外形状を有する。そのため、車両本体から取り外した複数の箱型荷台710は、
図21に示すように、積み重ねたコンパクトな形態で輸送することが可能である。したがって、箱型荷台710は、輸送コストを削減することが可能である。
【0107】
そのほか、箱型荷台10等は、箱型荷台10を構成する天面板20、奥側面板30、天面板40、後側面板50、横側面板60、70を、2重構造の板材で構成してもよい。板材を二重構造とすることにより、このような箱型荷台は、非展開状態で内部に形成される収容空間の保温および保冷性能を向上させることが可能である。また、箱型荷台10の内部に、他のボックスを配置することも可能である。
【0108】
また、
図22(a)、
図22(b)に示す箱型荷台810のように、底面板820の外面に接続する下部収容ボックス897を有していてもよい。底面板820には、底面板820の一部が開く蓋部827が形成されており、蓋部827を開くことにより、下部収容ボックス897に対して、収容物を出し入れすることができる。このような下部収納ボックス897は、保冷ボックスであってもよい。また、箱型荷台810は、車両本体側の電池部または発電部から電力の供給を受けることが可能であってもよく、箱型荷台810は、車両本体側から電力の供給を受ける配線部899などを有してもよい。なお、下部収容ボックス897は、底面板820より水平方向の面積が広くてもよい。
【0109】
第6実施形態
図23および
図24は、本発明の第6実施形態に係る箱型荷台910の外観図である。
図23は箱型荷台910が箱状である状態を示しており、
図24は、箱型荷台910が展開した状態を示している。
図23と
図24との比較から理解できるように、箱型荷台910は、
図1に示す箱型荷台10と同様に、後側面板950および横側面板960、970を開くことができ、少なくとも一部が展開可能である。
【0110】
箱型荷台910は、底部に車輪998、996を備え、車輪998、996の回転により動かすことができる荷車の一種であるとも言える。ただし、箱型荷台は、車輪998、996を備えず、台車のような車輪を有する他の車両に取付けられるものであってもよい。また、箱型荷台910は、車輪998、996を備えた状態で、車輪を有する他の車両に取付けるものであってもよい(
図29等参照)。
【0111】
箱型荷台910は、略直方体の外形状を有しており、内部に荷物などを収容し、荷物を搬送することが可能である。すなわち、箱型荷台910は、直方体状の非展開状態において、搬送用収容BOXとして機能する。
【0112】
箱型荷台910は、
図1に示す箱型荷台10と同様に、直方体の各面を構成する6枚の板材を含む。すなわち、箱型荷台910は、底面板920と、奥側面板930と、天面板940と、後側面板950と、一対の横側面板960、970を有しており、そのうち、少なくとも後側面板950と、横側面板960、970とが回動し、箱形状から展開可能になっている。
【0113】
図24に示すように、底面板920は、車輪998、996を介して車輪接触面Gより所定距離H上方に支持される。車輪998、996は、底面板920の四隅に対応して、底面板920の下方に配置されている。底面板920において奥側面板930が接続する側の両隅には、回転軸が固定されている車輪996が設けられている。一方、底面板920において後側面板950が接続する側の両隅には、回転軸の向きが360度可変である車輪998が設けられている。
【0114】
図23に示すように、4つの車輪998、996が車輪接触面Gに接触する状態において、底面板920は車輪接触面Gに対して略平行である。箱型荷台910は、
図23に示す姿勢で、箱型荷台910を使用する使用者が、取っ手995を掴んで押すことにより、容易に移動させることができる。また、箱型荷台910は、車両設置面Gが水平であれば、
図23に示す状態で安定して停止および設置される。なお、4つの車輪998、996の一部または全部には、車輪998、996の回転を阻害する状態と、車輪998、996の回転を阻害しない状態とを切り換えられる不図示のストッパー機構が備えられる。ストッパー機構により、車輪998、996の回転を阻害することで、箱型荷台910は、車輪接触面Gが傾いていても、
図23に示す状態で安定して停止および設置される。
【0115】
箱型荷台910の奥側面板930は、底面板920における一方側に接続しており、底面板920に対して略垂直に、底面板920から上方に延在する。箱型荷台910の取っ手995は、奥側面板930の近くに配置されている。
図23および
図24に示すように、箱型荷台910において、奥側面板930は、底面板920に対して位置変化しないようになっているが、奥側面板930としてはこれのみには限定されず、底面板920に対して回動できるものであってもよい。
【0116】
図23および
図24に示すように、天面板940は、上下方向に関して奥側面板930を間に挟んで、底面板920と略平行である。これにより、底面板920は、箱型荷台910の底板を構成し、天面板940は箱型荷台910の天板を構成する。天面板940は、
図2に示す天面板40と同様に、奥側面板930に対して回動可能であってもよいが、天面板940は底面板920に平行な姿勢で位置変化しないものであってもよい。天面板940と底面板920とが平行な姿勢で位置変化しないことにより、天面板940の上面に、様々な物を安定して設置することができる。
【0117】
図23および
図24に示すように、後側面板950は、底面板920に対して、奥側面板930が接続する一方側とは反対側に回動可能に接続する。後側面板950は、
図2に示す後側面板50と同様に、奥側面板930に略平行である第3位置(P3、
図23参照)から、底面板920に略平行である第4位置(P4、
図24参照)まで回動する。
【0118】
図23に示すように、第3位置P3にある後側面板950は、箱型荷台910が非展開状態で、搬送用収容ボックス等として機能する際において、荷台(荷車)の側面を構成する。一方、
図24に示すように、第4位置P4にある後側面板950は、底面板920に繋がる水平面を構成し、箱型荷台910をアウトドア家具等として使用する際に、テーブル等として機能する。
図23および
図24に示すように箱型荷台910を展開することにより、底面板920に繋がる広い水平面を形成することができ、箱型荷台910は、アウトドア家具等として使用する場合に、広い水平面をつくりだすことができる。
【0119】
図24に示すように、箱型荷台910は、第4位置(P4)にある後側面板950を車輪接触面Gに対して支持する後側脚部981を有する。後側脚部981は、後側面板950の外面に回動可能に接続し、後側面板950に略平行な第9位置(P9、
図23参照)から、後側面板950に対して略垂直に突出する第10位置(P10、
図24参照)まで回動可能である。箱型荷台910は、
図24に示すように、後側脚部981を第10位置に位置させることにより、後側面板950が長い場合でも、底面板920に繋がる安定した広い水平面を形成することができる。なお、後側脚部981は、後側脚部981を第10位置に固定するためのストッパーを備えていてもよい。
【0120】
図23および
図24に示すように、一対の横側面板960、970は、底面板920に対して、奥側面板930が接続する側とは垂直な一対の側にそれぞれ回動可能に接続する。一対の横側面板960、970は、底面板920に略垂直である第5位置(P5、
図23参照)から、底面板920に対して略平行である第6位置(P6、
図24参照)まで回動する。
【0121】
図23に示すように、第5位置P5に位置する横側面板960、970は、箱型荷台910が非展開状態であり、搬送用収容ボックス等として機能する際において、荷台の横側面を構成する。一方、第6位置P6にある横側面板960、970は、
図24に示すように、第4位置P4にある後側面板950と同様に、底面板920に繋がる水平面を構成し、箱型荷台910をアウトドア家具等として使用する際に、テーブル等として機能する。
【0122】
図24に示すように、箱型荷台910は、第6位置(P6)にある横側面板960、970を車輪接触面Gに対して支持する横側脚部982、983を有する。横側脚部982、983は、横側面板960、970の外面に回動可能に接続し、横側面板960、970に略平行な第11位置(P11、
図23参照)から、横側面板960、970に対して略垂直に突出する第12位置(P12、
図24参照)まで回動可能である。箱型荷台910は、
図24に示すように、横側脚部982、983を第12位置に位置させることにより、横側面板960、970が長い場合でも、底面板920に繋がる安定した広い水平面を形成することができる。
【0123】
図24に示すように、箱型荷台910は、底面板920と天面板940との各四隅の間に配置され、互いに平行に延びる4本の縦フレーム部985を有する。さらに、箱型荷台910は、天面板940の各辺に沿って延びており、互いに隣接する縦フレーム部985の上端同士を接続する4本の横フレーム部986を有する。このような箱型荷台910は、後側面板950および横側面板960、970とは独立した縦フレーム部985および横フレーム部986を有することにより、荷台の強度を高めることができる。
【0124】
また、箱型荷台910は、縦フレーム部985および横フレーム部986を用いて十分な強度を確保することにより、後側面板950および横側面板960、970等を薄型化および軽量化することができる。なお、箱型荷台910では、底面板920、奥側面板930、天面板940、後側面板950、横側面板960、970は網板状であるが、側面板等は網板状のみには限定されない。たとえば、箱型荷台910に、
図1に示すような箱型荷台10の側面板を使用してもよく、
図1に示す箱型荷台10に網板状の側面板を使用してもよい。
【0125】
図23に示すように、箱型荷台910において、後側面板950および横側面板960、970は、底面板920の各辺に対して、連結部材991を介して回動可能に連結されている。連結部材991は、底面板920と後側面板950および横側面板960、970の枠部を結束するリングやベルト等で構成される。ただし、連結部材991としては、リングやベルト等のみには限定されず、箱型荷台10のようなヒンジ機構を用いることも可能である。
【0126】
第7実施形態
図25および
図26は、本発明の第7実施形態に係る箱型荷台1010の外観図である。
図25は箱型荷台1010が箱状である状態を示しており、
図26は、箱型荷台1010が展開した状態を示している。箱型荷台1010は、車輪1096を2つ備える二輪タイプである点と、底面板1020、奥側面板1030、天面板1040、後側面板1050および横側面板1060、1070が、縁つきの平板状である点を除き、
図23および
図24に示す箱型荷台910と同様である。箱型荷台1010の説明は、箱型荷台910との相違点を中心におこない、箱型荷台910との共通点については、説明を省略する。
【0127】
図25および
図26に示すように、箱型荷台1010の後側面板1050は、奥側面板1030に略平行である第3位置(P3、
図25参照)から、底面板1020に略平行である第4位置(P4、
図26参照)まで回動する。後側面板1050は平板状であるため、テーブルとして使用する際に、物を安定的に設置しやすい利点がある。なお、展開時に後側面板1050を安定的に支持する後側脚部981を有する点は、
図24に示す箱型荷台910と同様である。
【0128】
また、
図25および
図26に示すように、箱型荷台1010の横側面板1060、1070は、底面板1030に略垂直である第5位置(P5、
図25参照)から、底面板1020に対して略平行である第6位置(P6、
図26参照)まで回動する。横側面板1060、1070も、後側面板1050と同様に平板状であるため、テーブルとして使用する際に、物を安定的に置きやすい利点がある。また、展開時に横側面板1060、1070を安定的に支持する横側脚部982、983を有する点は、
図24に示す箱型荷台910と同様である。
【0129】
図25に示すように、箱型荷台1010は、底面板920において奥側面板1030が接続する側の両隅付近に配置される車輪1096を有する。一方、底面板1020において後側面板1050が接続する側には、底面板920から下方に突出するスタンド部1099が設けられている。
図25に示すように、箱型荷台1010は、車輪1096とスタンド部1099とが車輪接触面Gに接触することにより、
図24に示す箱型荷台910と同様に、底面板1020が車輪接触面Gより所定距離上方に位置した状態で、安定して設置される。
【0130】
一方、箱型荷台1010を移動させる際には、奥側面板1030側に設けられる取っ手1095を掴んで箱型荷台1010を傾け、スタンド部1099を車輪接触面Gから上方に浮かせる。これにより、箱型荷台1010は、車輪1096のみが車輪接触面Gに接触する状態となり、取っ手1095を押し引きすることにより、容易に移動させることができる。
【0131】
図27に示すように、箱型荷台1010は、たとえば自転車1091のような車両に連結し、牽引して移動させることも可能である。その他、箱型荷台1010は、箱型荷台910との共通点については、箱型荷台910と同様の効果を奏する。
【0132】
図28は、変形例に係る箱型荷台1110の外観図である。
図28に示す箱型荷台1110は、横側面板1060、1070の外面に小テーブル1176が設けられている点を除き、第7実施形態に係る箱型荷台1010と同様である。
【0133】
図28に示すように、小テーブル1176は、横側面板1060、1070の下辺近傍に、回動可能に接続する。小テーブル1176の横側面板1060、1070に対する接続は、ヒンジ機構であってもよく、差し込み式で小テーブル1176の回転を規制する軸可動式の回転機構であってもよい。
【0134】
小テーブル1176は、横側面板1070に略平行である第15位置(P15、実線)から、横側面板1070に対して略垂直である第16位置(P16、二点鎖線)まで回動可能である。また、小テーブル1176の外面には、横側面板1070の横側脚部983と同様のテーブル脚部1184が設けられている。テーブル脚部1184は、小テーブル1176が第16位置(P16)にある状態において、小テーブル1176に対して略垂直に開くことにより、小テーブル1176を車輪接触面Gに対して支持する。
【0135】
図28に示す箱型荷台1110は、小テーブル1176を有することにより、横側面板1070を閉じた状態であっても、車輪接触面Gに略水平なテーブルを形成することが可能である。その他、箱型荷台1110は、箱型荷台1010との共通点については、箱型荷台1010と同様の効果を奏する。
【0136】
図29は、
図28とは異なる変形例に係る箱型荷台1210の外観図である。
図29に示す箱型荷台1210は、横側面板1260、1270の面積が狭い点と、横側面板1260、1270の上に上横側面板1278が設けられている点を除き、第7実施形態に係る箱型荷台1010と同様である。
【0137】
図29に示すように、箱型荷台1210の横側面には、上横側面板1278と横側面板1260、1270とが上下に並んで配置してある。横側面板1260、1270は、箱型荷台1210の横側面のうち下方部分を構成しており、
図25および
図26に示す横側面板1060、1070より面積が狭い。
【0138】
しかし、横側面板1260、1270は、横側面板1060、1070と同様に、底面板1020(
図26参照)に対して、奥側面板930が接続する側とは垂直な一対の側にそれぞれ回動可能に接続する。一対の横側面板1270、1280は、底面板920に略垂直である第5位置(P5、
図29実線)から、底面板1020に対して略平行である第6位置(P6、
図29二点鎖線)まで回動する。横側面板1260、1270の外面に、横側脚部982、983が備えられる点も、横側面板1060、1070と同様である。
【0139】
上横側面板1278は、箱型荷台1210の横側面のうち上方部分を構成しており、横側面板1260、1270と略同じ面積を有する。一対の上横側面板1278は、天面板1040に対して、奥側面板1030が接続する側とは垂直な一対の側にそれぞれ回動可能に接続している。すなわち、横側面板1060が配置されている横側面は、横側面板1070が配置されている側と対称な構造である。
【0140】
図29に示すように、上横側面板1278は、天面板1040に略垂直である第13位置(P13、
図29実線)から、天面板1040に対して略平行である第14位置(P14、
図29二点鎖線)まで回動可能である。また、上横側面板1278と縦フレーム部985の間には、上横側面板1278を第14位置に固定する固定機構1279が設けられている。
【0141】
このような箱型荷台1210は、上横側面板1278を天面板1040に対して略平行である第14位置(P14)に移動させることにより、箱型荷台1040の上面に、広い設置スペースを形成することが可能である。また、横側面板1260、1270と上横側面板1278とを展開することにより、2段の広い設置面を形成することが可能である。その他、箱型荷台1210は、箱型荷台1010との共通点については、箱型荷台1010と同様の効果を奏する。
【0142】
図30は、
図28、
図29とは異なる変形例に係る箱型荷台1310の外観図である。
図30に示す箱型荷台1310は、横側面板1060、1070の外面に、折り畳みチェアー1377が設けられている点を除き、第7実施形態に係る箱型荷台1010と同様である。箱型荷台1310は、展開時に横側面板1060、1070がテーブルとして機能するだけでなく、折り畳みチェアー1377を開いて椅子を形成することも可能であり、多様なアウトドア家具を形成可能である。
【0143】
なお、
図30に示す例では、横側面板1060、1070の外面に折り畳みチェアー1377が設けられているが、これとは異なり、折り畳みチェアー1377自体が、横側面板1060、1070の換わりに箱型荷台の横側面を構成する態様も考えられる。その他、箱型荷台1310は、箱型荷台1010との共通点については、箱型荷台1010と同様の効果を奏する。
【0144】
本発明に係る箱型荷台は、上述した実施形態や変形例のみには限定されず、他の様々な実施形態や変形例が、本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。また、各実施形態や変形例で示された部分的な構造は、その実施形態のみでなく、他の実施形態の構造と組み合わせたり、他の実施形態の構造と入れ換えたりすることも可能である。
【0145】
たとえば、
図20に示すような横側面板660、670を、
図25および
図26に示す箱型荷台に適用してもよい。また、たとえば、箱型荷台としては、一対の横側面板と後側面板とが全て展開するものだけでなく、一部のみが展開する形態も考えられる。また、たとえば、
図24に示すような箱型荷台910に対して、縦フレーム部985等の無いフレームレス構造(
図2参照)を適用してもよい。
【符号の説明】
【0146】
10、110、210、310、410、910、1010、1110、1210、1310…箱型荷台
20、220、320、420、920、1020…底面板
20a、30a、40a、50a、60a、70a、240a…内面
24…脚部
28、228…連結金具
30、230、330、430、930、1030…奥側面板
40、240、340、440、940、1040…天面板
P1…第1位置
P2…第2位置
44、344…固定構造
46、66、67、76、77…連結具
48、348…第1ヒンジ機構
50、250、450、950、1050…後側面板
P3…第3位置
P4…第4位置
58、258…第2ヒンジ機構
60、70、260、270、460、470、960、970、1060、1070、1260、1270…横側面板
1176…小テーブル
P5…第5位置
P6…第6位置
68、78、268、278、468、478…第3ヒンジ機構
981…後側脚部
982、983…横側脚部
1184…テーブル脚部
86…陳列棚
84…商品
985…縦フレーム部
986…横フレーム部
1278…上横側面板
90、190、490…車両
92…座席
94…リアフレーム
99…ルーフ
182、382…パラソルスタンド
185…パラソル
220b、240b…外面
224…脚部
232…可動板
P7…第7位置
P8…第8位置
P9…第9位置
P10…第10位置
P11…第11位置
P12…第12位置
P13…第13位置
P14…第14位置
P15…第15位置
P16…第16位置
P7…第7位置
P8…第8位置
242…突起部
243…取っ手
327…サポート部材
349…カバー部材
991…連結部材
995、1095…取っ手
996、998、1096…車輪
1099…スタンド部
1279…固定機構
1377…折り畳みチェアー