(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167768
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】店舗支援装置、プログラム及び店舗支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20231116BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079219
(22)【出願日】2022-05-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4(2022)年1月27日付けで、株式会社リクルートがウェブサイトにて、影山丈士及び笠井光が発明した店舗支援装置に関する製品について公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】518135412
【氏名又は名称】株式会社リクルート
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】影山 丈士
(72)【発明者】
【氏名】笠井 光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】適切な売上目標の設定などを支援することが可能な店舗支援装置、プログラム及び店舗支援方法を提供する。
【解決手段】各店舗の運営者や従業員等が操作する店舗端末10と、各店舗の経営を支援する店舗支援サーバ(店舗支援装置)20とが、通信ネットワークNを介して接続されるシステム1において、店舗支援サーバ20は、店舗端末10から受け付けた月間売上目標や休日設定に基づいて、各営業日の売上目標を自動生成し、これを日別売上目標として各営業日に割り振り、割り振り結果を店舗端末10に表示する。店舗関係者は、月間の売上目標や休日設定という簡易な操作により、各営業日の売上目標を直ちに把握することができ、適切な経営計画を策定することが可能となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗の売上目標の入力を受け付ける第1受付部と、
休日の設定を受け付ける第2受付部と、
設定された前記休日に基づいて、各営業日に対して前記売上目標を割り振る割振部と、
を具備する店舗支援装置。
【請求項2】
前記売上目標の割り振り結果を、表示装置に表示する表示制御部をさらに具備する、請求項1に記載の店舗支援装置。
【請求項3】
前記割振部は、曜日ごとに、各営業日に対して前記売上目標を割り振る、請求項2に記載の店舗支援装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、各曜日に前記休日を設定するための操作子を、前記表示装置に表示する、請求項2に記載の店舗支援装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、各営業日に前記休日を設定するための操作子を、前記表示装置に表示する、請求項2に記載の店舗支援装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、各営業日に割り振られた前記売上目標を合計した合計売上目標を、前記表示装置に表示する、請求項2に記載の店舗支援装置。
【請求項7】
前記第1受付部は、前記店舗の特定月の売上目標の入力を受け付け、
前記表示制御部は、前記店舗の特定月の売上目標と、前記合計売上目標との差分を前記表示装置に表示する、請求項6に記載の店舗支援装置。
【請求項8】
前記第2受付部は、前記休日の変更の受け付けが可能となっており、
前記表示制御部は、前記第2受付部によって前記休日の変更が受け付けられた場合に、変更後の前記休日に基づいて各営業日に前記売上目標を割り振り直すための操作子を、前記表示装置に表示する、請求項2に記載の店舗支援装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記第2受付部によって前記休日の設定が受け付けられた場合に、設定された前記休日の売上を0円にして、前記表示装置に表示する、請求項2に記載の店舗支援装置。
【請求項10】
前記売上目標は、月間の売上目標である、請求項2に記載の店舗支援装置。
【請求項11】
前記第1受付部は、前記月間の売上目標と客単価の入力の受け付けが可能となっている、請求項10に記載の店舗支援装置。
【請求項12】
前記第1受付部は、客単価と月間の客数の入力を受け付けることで、前記月間の売上目標の受け付けが可能となっている、請求項10に記載の店舗支援装置。
【請求項13】
前記表示制御部は、月ごとの売上目標が一覧表示されている目標リストを、前記表示装置に表示し、
前記表示制御部は、前記目標リストの各月の下に、それぞれ目標設定の操作子を表示する、請求項2に記載の店舗支援装置。
【請求項14】
前記第1受付部は、前記店舗の売上目標のほか、コスト目標の入力を受け付けることが可能となっている、請求項2に記載の店舗支援装置。
【請求項15】
前記第1受付部は、ランチの有無、店外売上の有無の選択を受け付け、受付結果に基づいて対応する項目の売上目標を選択可能とする、請求項2に記載の店舗支援装置。
【請求項16】
コンピュータに、
店舗の売上目標の入力を受け付けるステップと、
休日の設定を受け付けるステップと、
設定された前記休日に基づいて、各営業日に前記売上目標を割り振るステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項17】
コンピュータにより実行される店舗支援方法であって、
店舗の売上目標の入力を受け付けるステップと、
休日の設定を受け付けるステップと、
設定された前記休日に基づいて、各営業日に前記売上目標を割り振るステップと、
を含む店舗支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗支援装置、プログラム及び店舗支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
来店する客数を精度よく予測することで、店舗における適切な人員配置や将来の販売予測を可能とする店舗管理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、効果的な店舗経営を行うためには、適切な人員配置や将来の販売予測を行うだけでなく、適切な売上目標やコスト目標の設定を支援することが求められるが、このような支援を実現する技術は未だ存在しない。
【0005】
本発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、適切な売上目標の設定などを支援することが可能な店舗支援装置等を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様である店舗支援装置は、店舗の売上目標の入力を受け付ける第1受付部と、休日の設定を受け付ける第2受付部と、設定された休日に基づいて、各営業日に売上目標を割り振る割振部と、を具備することを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、適切な売上目標の設定などを支援することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係るシステムの概略構成を示す図である。
【
図2】売上目標設定支援機能を実現するための機能ブロック図である。
【
図5】コスト目標設定支援機能を実現するための機能ブロック図である。
【
図7】店舗処理支援処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
A.本実施形態
図1は、本実施形態に係るシステム1の概略構成を示す図である。
システム1は、各店舗の運営者や従業員等(以下、「店舗関係者」と総称)が操作する店舗端末10と、各店舗の経営を支援する店舗支援サーバ(店舗支援装置)20とを備えて構成される。
【0011】
店舗端末10と店舗支援サーバ20とは、通信ネットワークNを介して接続される。なお、店舗端末10の数は、システム設計などに応じて任意に設定することが可能である。
【0012】
通信ネットワークNは、店舗端末10と店舗支援サーバ20との間で相互に情報を送受信可能な通信網を含む。通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0013】
店舗端末10は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、タブレット端末、ハンドヘルドコンピュータデバイス、ウェアラブル端末、携帯電話、スマートフォンなどによって構成され、本システム1を利用するために必要なソフトウェアやブラウザ等を備えている。店舗端末10は、店舗関係者の指示に従ってソフトウェアやブラウザ等を動作させることで、本システム1が提供する各種サービスを享受する。例えば、店舗の経営に関わる様々なデータを店舗支援サーバ20に送信したり、店舗支援サーバ20から提供されるページ(例えば、ウェブページ)をディスプレイ上に表示したりすることが可能となっている。なお、ソフトウェアは、店舗端末10にインストールする構成であってもよいが、店舗支援サーバ20等から通信ネットワークNを介してソフトウェアの一部または全部の機能が提供される構成(いわゆるSaaS(Software as a Service)など)であってもよい。
【0014】
店舗支援サーバ20は、汎用的なコンピュータであり、1台のコンピュータで構成されていてもよいし、通信ネットワーク上に分散する複数のコンピュータから構成されてもよい。店舗支援サーバ20は、制御装置21と記憶装置22を備えている。制御装置21は、ハードウェアとして、CPU、ROMやRAM等のメモリ、入力インタフェース、出力インタフェース、通信インタフェース及びこれらを結ぶバス等を備えている。制御装置21は、CPUがROM等に格納されたプログラムを実行することにより、以下に示す売上目標設定支援機能(第1実施例)や、コスト目標設定支援機能(第2実施例)など、店舗経営に関わる様々な支援機能を提供する。記憶装置22は、ハードディスクドライブ等である。
【0015】
(第1実施例;売上目標設定支援機能)
図2は、売上目標設定支援機能を実現するための機能ブロック図である。
図2に示すように、機能モジュールには、アカウント管理部211、受付部212、表示制御部213、割振部214が含まれる。
【0016】
アカウント管理部211は、店舗関係者が利用するアカウント(例えば、ID、パスワードを含むユニークな情報など)を管理するとともに、各アカウントでのログインを受け付ける。
【0017】
受付部(第1受付部、第2受付部)212は、各店舗端末10から、売上目標に関わる様々なデータ(売上目標や休日の設定(変更を含む)など)を受け付ける。
表示制御部213は、各店舗端末(表示装置)10への表示内容を制御する。
割振部214は、店舗端末10から受け付けた売上目標や設定された休日に基づいて、各営業日の売上目標を自動生成し、これを日別売上目標として各営業日に割り振る(後述)。以下、店舗関係者による売上目標の設定動作について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
<売上目標の設定>
店舗関係者は、店舗端末10を利用して店舗支援サーバ20へのログインを試みる。ログインに成功すると、店舗端末10には、ホーム画面が表示される。売上目標の設定を希望する店舗関係者は、ホーム画面のサイドバーに表示される[目標設定]をクリックする。
【0019】
サイドバーに表示される[目標設定]がクリックされると、売上目標やコスト目標を設定するための目標設定画面が店舗端末10に表示される。
【0020】
図3A及び
図3Bは、目標設定画面P1を例示した図である。
目標設定画面P1には、設定された年度の各月の売上目標やコスト目標を設定するための目標リストTLが表示される。店舗関係者は、売上目標やコスト目標を設定する月(例えば、8月など)の下に表示される[目標設定](操作子)IT1をクリックする(
図3A参照)。ここで、売上目標やコスト目標を設定する店舗STや、設定する年度(ここでは、今年度または翌年度にするか)FYは、プルダウン選択が可能となっている。
【0021】
店舗関係者が[目標設定]IT1をクリックすると、売上目標の種類やコスト目標を選択するためのポップアップウィンドウW1が表示される(
図3B参照)。
図3Bに示す例では、選択可能な売上目標の種類として、「ランチ売上目標」、「ディナー売上目標」、「店外売上目標」の3種類が示されている。なお、選択可能な売上目標の種類は、店舗の営業形態に応じて以下に示す第1~第4パターンに分岐(区分)される。
第1パターン・・・ランチ/ディナー/店外(3種類)
第2パターン・・・店内/店外(2種類)
第3パターン・・・ランチ/ディナー(2種類)
第4パターン・・・売上(1種類)
【0022】
一例を挙げて説明すると、例えば、ランチ、ディナー、店外(例えば、テイクアウトなど)がいずれも“あり”の店舗であれば、「ランチ売上目標」、「ディナー売上目標」、「店外売上目標」のそれぞれに設定が可能な第1パターンに分岐され、ランチが“なし”で店外が“あり”の店舗であれば、「店内売上目標」と「店外売上目標」に設定が可能な第2パターンに分岐される。また、ランチが“あり”で店外が“なし”の店舗であれば、「ランチ売上目標」と「ディナー売上目標」に設定が可能な第3パターンに分岐され、ランチ及び店外のいずれも“なし”の場合には、店舗全体の「売上目標」に設定が可能な第4パターンに分岐される。もっとも、これらのパターンは例示にすぎず、どのようなパターンを採用するかは設計等に応じて任意に設定可能である。なお、店舗関係者は、ホーム画面のサイドバーに表示される[基本設定]をクリックし、操作画面に従って操作することで、上述した年度設定や、店舗の営業形態を選択することが可能となっている。
【0023】
店舗関係者によって売上目標の種類が選択されると(例えば、「ランチ売上目標」)、選択された種類の売上目標を設定するための設定詳細画面が表示される。
【0024】
図4A~
図4Cは、設定詳細画面P2を例示した図である。
店舗関係者は、まず、対応月の月間の売上目標(月間売上目標)を設定する(
図4Aに示すα1参照)。本実施形態では、売上目標を設定する方法として、「売上」と「客単価」を入力する第1入力パターンと、「客数」と「客単価」を入力する第2入力パターンのいずれかを選択することが可能となっている。具体的には、設定詳細画面P2の右上方に表示される[入力項目を切り替え]IT2をクリックすることで、第1入力パターンと第2入力パターンの切り替えが可能となっている。
【0025】
例えば、第1入力パターンが選択され、店舗関係者によって「売上」と「客単価」の各項目の入力が行われると、店舗支援サーバ20は、入力された「売上」と「客単価」に基づいて残り1つの項目(ここでは「客数」)を自動計算し、計算結果を設定詳細画面P2に表示する。
【0026】
同様に、第2入力パターンが選択され、店舗関係者によって「客数」と「客単価」の項目が入力されると、店舗支援サーバ20は、入力された「客数」と「客単価」に基づいて残り1つの項目(ここでは「売上」)を自動計算し、計算結果を設定詳細画面P2に表示する。
【0027】
なお、選択された店舗に関して、店舗支援サーバ20の記憶装置に前年の売上データが保存されている場合には、店舗支援サーバ20は、前年の売上データ(例えば、「前年差 ¥+〇×・・・」や「前年比 〇△・・・%」など)を設定詳細画面P2に表示する。
【0028】
次に、店舗関係者は、営業日別の売上目標(日別売上目標)を設定する(
図4Bに示すα2参照)。本実施形態では、日ごと及び/又は曜日ごとに休日を設定することが可能となっている。例えば、特定の曜日(月曜日など)に休日を設定する場合には、対応する曜日の隣に表示される休日チェックボックス(操作子)CXにチェックを入れる。一方、特定の日(10日、17日など)に休日を設定する場合には、対応する日の隣に表示される休日チェックボックス(操作子)CXにチェックを入れる。なお、設定詳細画面P2の中段には、日別売上目標の合計SMと、先に設定した月間売上目標との差分DMが表示される。
【0029】
店舗関係者によって休日の設定が行われると、月間売上目標を日別売上目標に割り振ることが可能となる。具体的には、店舗関係者は、休日を新たに設定する、またはすでに設定されている休日を変更する操作を行うと、設定詳細画面P2に表示される[月間目標を日別に割り振る](操作子)IT3のクリックが可能となる。店舗関係者によって[月間目標を日別に割り振る]IT3がクリックされると、店舗支援サーバ20は、設定された休日を除いた部分で、月間売上目標を日別売上目標に新たに割り振り(または割り振り直して)、割り振り結果を設定詳細画面P2に表示する(
図4C参照)。
【0030】
図4Cに示す例では、月曜日と、10日及び17日が休日に設定されている。
図4Cに示すように、休日に設定された日の売上は「¥0」とされ、休日を除いた部分で日別売上目標の割り振りが行われる。本実施形態では、日別売上目標の割り振りロジックとして以下に示すロジックを採用するが、どのようなロジックを採用するかは任意である。
【0031】
<<日別売上目標の割り振りロジック>>
(1)過去の売上データがある場合
店舗支援サーバ20の記憶装置22に過去の売上データが保存されている場合には、過去の売上データを利用して日別売上目標の割り振りを行う。
一例として、店舗支援サーバ20は、入力支援対象月の直近12ヶ月で、売り上げが1円以上の日が21日以上ある場合に過去の売上データを利用する。具体的には、店舗支援サーバ20は、まず、直近12ヶ月の曜日売上合計から、直近12ヶ月の曜日ごとの売上割合(過去の曜日ごとの売上割合)を算出する。次いで、店舗支援サーバ20は、月間売上目標に、過去の曜日ごとの売上割合を乗じた後、月の曜日数で除するなどして日別売上目標を導出する。そして、店舗支援サーバ20は、導出した日別売上目標を、割り振り結果RAとして設定詳細画面P2に表示する。
【0032】
(2)過去の売上データがない場合
店舗支援サーバ20の記憶装置22に過去の売上データが保存されていない場合には、設定された固定の基準割合を利用して日別売上目標の割り振りを行う。固定の基準割合が曜日ごとに異なる場合であれば、店舗支援サーバ20は、曜日ごとに、日別売上目標を割り振る。もっとも、固定の基準割合は、曜日ごとに異なる場合に限定されず、すべての曜日で同じ割合であってもよい。また、曜日ではなく日ごとに異なる割合などでもよい。さらに固定の基準割合は、システムの担当者などが自由に設定・変更可能な構成としてもよい。
【0033】
店舗支援サーバ20は、月間売上目標に、曜日ごとに設定された固定の基準割合を乗じた後、月の曜日数で除するなどして日別売上目標を導出する。そして、店舗支援サーバ20は、導出した日別売上目標を、割り振り結果RAとして設定詳細画面P2に表示する。
【0034】
店舗関係者は、割り振り結果RAに問題ないことを確認すると、設定詳細画面P2に表示される[設定を保存する]IT4をクリックする。店舗支援サーバ20は、かかる操作に基づき、売上目標に関する様々な設定を記憶装置22に保存する。
【0035】
かかる構成によれば、店舗支援サーバ20は、店舗端末10から受け付けた月間売上目標や休日設定に基づいて、各営業日の売上目標を自動生成し、これを日別売上目標として各営業日に割り振り、割り振り結果を店舗端末10に表示する。店舗関係者は、月間の売上目標や休日を設定するという簡易な操作により、各営業日の売上目標を速やかに把握することができ、適切な経営計画を策定することが可能となる。
【0036】
(第2実施例;コスト目標設定支援機能)
図5は、コスト目標設定支援機能を実現するための機能ブロック図である。
図5に示す機能モジュールは、算出部215及び判定部216を備えている。その他は、前掲
図2に示す機能モジュールと同様であるため、対応する部分には同一符号を付し、詳細な説明は割愛する。
【0037】
受付部212は、各店舗端末10から、売上目標に関わる様々なデータ(売上目標や休日の設定(変更を含む)など)を受け付けるほか、コスト目標に関わる様々なデータ(例えば、人件費や減価、その他のコストなど)を受け付ける。
【0038】
算出部215は、第1算出部215A及び第2算出部215Bを備える。
第1算出部215Aは、店舗端末10から受け付けた売上目標及びコスト目標に基づいて、当該店舗の想定利益額や想定利益率を算出する(後述)。
【0039】
第2算出部215Bは、コスト目標が実額(¥)で入力された場合に、売上目標及びコスト目標(¥)に基づいてコスト目標の割合(%)を算出する一方、コスト目標が割合(%)で入力された場合に、売上目標及びコスト目標(%)に基づいてコスト目標の実額(¥)を算出する(後述)。
【0040】
判定部216は、算出された想定利益率が、適切な利益率であるか否かを判定する。本実施形態では、適切な利益率として、設定された基準利益率(例えば、5~20%など)を想定するが、適切な利益率をどのように設定するかは任意である。
【0041】
以下、店舗関係者によるコスト目標の設定動作について、図面を参照しながら説明する。なお、前掲
図3Bに示すポップアップウィンドウW1が表示されるまでの動作は、第1実施例と共通するため、以下では、ポップアップウィンドウW1の表示後の動作を中心に説明する。
【0042】
<コスト目標の設定>
ポップアップウィンドウW1には、3種類の売上目標(ランチ売上目標、ディナー売上目標、店外売上目標)のほか、コスト目標が表示される。
店舗関係者によってコスト目標が選択されると、選択されたコスト目標を設定するための設定詳細画面が表示される。
【0043】
図6は、設定詳細画面P3を例示した図である。
設定詳細画面P3には、売上(目標)、3種類のコスト(「人件費」、「原価」、「その他コスト」)、想定利益の各項目について、目標額と目標比率が表示される。第1実施例において説明したように、売上目標は、店舗関係者によって設定される。
【0044】
本実施形態では、3種類のコストのそれぞれのコスト目標について、実額(¥)または割合(%)で入力することが可能となっている。具体的には、各コスト項目の下に表示される[実額(¥)で入力]IT5または[割合(%)で入力]IT6をクリックすることで、コスト目標を実額(¥)で入力するか、割合(%)で入力するかを切り替えることが可能となっている。なお、「その他コスト」は、例えば家賃や光熱費、消耗品費など、「人件費」、「原価」以外のすべてのコストの合計を意味する。
【0045】
図6では、「人件費」と「原価」が割合(%)で入力され、「その他コスト」が実額(¥)で入力された場合を示している。
図6に示す例では、数値を直接入力する以外に、「+」ボタン(操作子)B1や「-」ボタン(操作子)B2をクリックすることでコスト目標の割合(%)を入力することが可能となっているが、どのような入力方法を採用するかは任意である。
【0046】
ここで、店舗支援サーバ20は、コスト目標が実額(¥)で入力された場合には、設定されている売上目標を、入力されたコスト目標の実額(¥)で除するなどしてコスト目標の割合(%)を算出する。一方、店舗支援サーバ20は、コスト目標が割合(%)で入力された場合には、設定されている売上目標に、入力されたコスト目標の割合(%)を乗ずるなどしてコスト目標の実額(¥)を算出する。
【0047】
なお、選択された店舗に関して、店舗支援サーバ20の記憶装置に前年のコストデータが保存されている場合には、店舗支援サーバ20は、前年のコストデータ(例えば、「前年差 ¥+〇×・・・」や「前年差〇△・・・%」、「前年比△×・・・%」など)を設定詳細画面P3に表示する。
【0048】
店舗関係者によって各コスト目標が入力されると、店舗支援サーバ20は、売上目標やコスト目標に基づいて、当該店舗の想定利益額や想定利益率を算出する。一例を挙げて説明すると、店舗支援サーバ20は、売上目標額から各コスト目標の実額(¥)を減じることで、想定利益額を算出するとともに、売上目標率(100%)から、各コスト目標の割合(%)を減じることで、想定利益率を算出する。店舗支援サーバ20は、算出した想定利益額PA及び想定利益率PRを設定詳細画面P3に表示する。
【0049】
さらに、店舗支援サーバ20は、算出した想定利益率PRが、設定された基準利益率(ここでは、5~20%を想定)に収まっているか否かを判定する。店舗支援サーバ20は、想定利益率PRが高すぎたり、低すぎたりすることで、想定利益率PRが基準利益率SRに収まっていないと判定すると、店舗関係者にコスト目標の設定の見直しを促す警告メッセージ(例えば、「想定利益率は適切ですか?一般的な利益率の目安は5~20%です。」)WMを設定詳細画面P3に表示する。
【0050】
なお、店舗支援サーバ20は、想定利益率PRが、設定された基準利益率SRに収まっている場合には、メッセージを表示しなくてもよいが、適切な利益率である旨のメッセージ(例えば、「想定利益率〇×%は、適切です。」)を表示してもよい。また、想定利益率に代えて(または加えて)、想定利益額が適切な利益額であるか否かを判定し、適切な利益額でないと判定した場合に警告メッセージを表示してもよい。
【0051】
店舗関係者は、想定利益率PRなどに問題ないことを確認すると、設定詳細画面P3に表示される[設定を保存する]IT5をクリックする。店舗支援サーバ20は、かかる操作に基づき、コスト目標に関する様々な設定を記憶装置22に保存する。
【0052】
かかる構成によれば、店舗支援サーバ20は、店舗端末10から受け付けた売上目標やコスト目標に基づいて、当該店舗の想定利益率を算出し、算出された想定利益率が、適切な利益率であるか否か(すなわち、設定された基準利益率に収まっているか否か)を判定する。適切な利益率に収まっていない場合には、店舗端末10に警告メッセージが表示されるため、店舗関係者は、適切なコスト目標を、簡易かつ速やかに設定することが可能となる。
【0053】
<店舗支援処理の説明(第1実施例及び第2実施例に共通)>
図7は、店舗支援サーバ20によって実施される店舗処理支援処理を示すフローチャートである。なお、以下の説明は、店舗関係者が店舗支援サーバ20にログインしている場合を想定する。
【0054】
(ステップS1)
店舗支援サーバ20は、ホーム画面のサイドバーに表示される[目標設定]のクリック操作を検知する。店舗支援サーバ20は、かかる操作に応じて売上目標やコスト目標を設定するための目標設定画面を店舗端末10に表示する。
【0055】
(ステップS2)
店舗支援サーバ20は、目標設定画面の各月の下に表示される[目標設定]IT1のうち、店舗関係者によって指定された月(特定月)の[目標設定]IT1のクリック操作を検知する。店舗支援サーバ20は、かかる操作に応じて売上目標の種類やコスト目標を選択するためのポップアップウィンドウW1を店舗端末10に表示する。
【0056】
(ステップS3~ステップS6)
店舗支援サーバ20は、店舗関係者による売上目標の種類の選択を検知する。第1実施例において説明したように、店舗関係者が選択可能な売上目標の種類は、店舗の営業形態に応じて第1パターン(ステップS3)~第4パターン(ステップS6)に分岐される。店舗支援サーバ20は、売上目標の種類の選択を受け付けると、選択された種類の売上目標(詳細には、選択された種類の月間の売上目標)を設定するための設定詳細画面P2を店舗端末10に表示する。
【0057】
(ステップS7)
店舗支援サーバ20は、売上目標を設定する方法として、「売上」と「客単価」を入力する第1入力パターン、または「客数」と「客単価」を入力する第2入力パターンのいずれが選択されたかを判断する。
【0058】
(ステップS8)
第1入力パターンが選択されると、店舗支援サーバ20は、店舗関係者によって入力される「売上」と「客単価」を受け付ける。そして、店舗支援サーバ20は、入力された「売上」と「客単価」に基づいて残り1つの項目(ここでは「客数」)を自動計算し、計算結果を設定詳細画面P2に表示する。
【0059】
(ステップS9)
第2入力パターンが選択されると、店舗支援サーバ20は、店舗関係者によって入力される「客数」と「客単価」を受け付ける。そして、店舗支援サーバ20は、入力された「客数」と「客単価」に基づいて残り1つの項目(ここでは「売上」)を自動計算し、計算結果を設定詳細画面P2に表示する。
【0060】
(ステップS10)
店舗支援サーバ20は、店舗関係者による操作に休日チェックボックスCXへのチェック入力に基づき、休日設定を行う。第1実施例において説明したように、日ごと及び/又は曜日ごとに休日を設定することが可能となっている。
【0061】
(ステップS11)
店舗支援サーバ20は、店舗関係者による[月間目標を日別に割り振る]IT3のクリック操作に基づき、月間売上目標を日別売上目標に割り振り、割り振り結果を設定詳細画面P2に表示する。第1実施例において説明したように、休日設定された日の売上は「¥0」に設定され、休日を除いた部分で日別売上目標の割り振りが行われる。
【0062】
(ステップS12)
店舗支援サーバ20は、店舗関係者による[設定を保存する]IT4のクリック操作に基づき、以上説明した売上目標に関する様々な設定を記憶装置22に保存する。
【0063】
(ステップS13)
店舗支援サーバ20は、コスト目標の選択を検知する。店舗支援サーバ20は、コスト目標の選択を受け付けると、選択されたコスト目標(詳細には、月間のコスト目標)を設定するための設定詳細画面P3を店舗端末10に表示する。
【0064】
(ステップS14)
店舗支援サーバ20は、3種類のコスト(「人件費」、「原価」、「その他コスト」)のそれぞれのコスト目標について、実額(¥)または割合(%)での入力を受け付ける。第2実施例において説明したように、コスト目標を実額(¥)で入力するか、割合(%)で入力するかは、店舗関係者の操作に基づいて切り替えることが可能となっている。店舗支援サーバ20は、コスト目標が実額(¥)で入力された場合には、設定されている売上目標を、入力されたコスト目標の実額(¥)で除するなどしてコスト目標の割合(%)を算出する。一方、店舗支援サーバ20は、コスト目標が割合(%)で入力された場合には、設定されている売上目標に、入力されたコスト目標の割合(%)を乗ずるなどしてコスト目標の実額(¥)を算出する。
【0065】
(ステップS15)
店舗支援サーバ20は、売上目標やコスト目標に基づいて、当該店舗の想定利益額PAや想定利益率PRを算出する。そして、店舗支援サーバ20は、算出した想定利益額PA及び想定利益率PRを設定詳細画面P3に表示する。
【0066】
(ステップS16)
店舗支援サーバ20は、算出した想定利益率PRが、設定された基準利益率(ここでは、5~20%を想定)に収まっているか否かを判定する。
【0067】
(ステップS17)
店舗支援サーバ20は、想定利益率PRが基準利益率に収まっていないと判定すると(ステップS16;NO)、店舗関係者にコスト目標の設定の見直しを促す警告メッセージ(例えば、「想定利益率は適切ですか?一般的な利益率の目安は5~20%です。」)WMを設定詳細画面P3に表示する。一方、店舗支援サーバ20は、想定利益率PRが基準利益率に収まっていると判定すると(ステップS16;YES)、ステップS17をスキップしてステップS18に進む。
【0068】
(ステップS18)
店舗支援サーバ20は、店舗関係者による[設定を保存する]IT5のクリック操作に基づき、コスト目標に関する様々な設定を記憶装置22に保存する。
【0069】
B.その他
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【符号の説明】
【0070】
1…システム、10…店舗端末、20…店舗支援サーバ、21…制御装置、22…記憶装置、211…アカウント管理部、212…受付部、213…表示制御部、214…割振部、215…算出部、215A…第1算出部、215B…第2算出部、216…判定部。