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特開2023-167784経営状況管理装置、経営状況管理方法及び経営状況管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167784
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】経営状況管理装置、経営状況管理方法及び経営状況管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20231116BHJP
   G06Q 20/20 20120101ALI20231116BHJP
【FI】
G06Q10/00
G06Q20/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079243
(22)【出願日】2022-05-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3(2021)年11月10日付けで、株式会社リクルートがウェブサイトにて、影山丈士及び笠井光が発明した経営状況管理装置に関する製品について公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】518135412
【氏名又は名称】株式会社リクルート
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】影山 丈士
(72)【発明者】
【氏名】笠井 光
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049AA01
5L055AA42
(57)【要約】
【課題】POSレジの導入有無にかかわらず、複数の店舗の経営状況を管理することができる経営状況管理装置を提供する。
【解決手段】経営状況管理装置1は、複数の店舗の経営状況に関するデータを管理する制御部を備え、制御部は、対象となる店舗がPOSレジ6と連携する店舗である場合に、所定の期間単位に経営状況を報告するために用いる売上に関するデータを、POSレジ6を管理するPOSシステム7から取得する一方、対象となる店舗がPOSレジ6と連携しない店舗である場合に、売上に関するデータを、ユーザにより入力されるデータとして管理する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の店舗の経営状況に関するデータを管理する制御部を備え、
前記制御部は、
対象となる店舗がPOSレジと連携する店舗である場合に、所定の期間単位に経営状況を報告するために用いる売上に関するデータを、前記POSレジを管理するPOSシステムから取得する一方、
対象となる店舗が前記POSレジと連携しない店舗である場合に、前記売上に関するデータを、ユーザにより入力されるデータとして管理する、
経営状況管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記POSレジと連携しない店舗が、前記POSレジと連携した場合に、当該連携する前に前記ユーザにより入力された前記売上に関するデータをそのまま引き継ぎ、引き継いだ後は前記POSシステムから取得する、
請求項1記載の経営状況管理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記売上に関するデータを入力するためのデータ項目を店舗ごとに表示する画面において、少なくとも前記POSレジと連携する店舗及び前記POSレジと連携しない店舗のいずれかを判別可能に表示する、
請求項1又は2記載の経営状況管理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記データ項目をどのように分解するのかを設定する画面を表示し、当該設定する画面において、少なくとも店外対応の有無及びランチ営業の有無のいずれかを設定する入力欄を店舗ごとに表示する、
請求項3記載の経営状況管理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記データ項目にデータを入力するための画面を店舗ごとに表示する、
請求項4記載の経営状況管理装置。
【請求項6】
プロセッサにより実行される方法であって、
複数の店舗の経営状況に関するデータを管理する制御ステップを含み、
前記制御ステップは、
対象となる店舗がPOSレジと連携する店舗である場合に、所定の期間単位に経営状況を報告するために用いる売上に関するデータを、前記POSレジを管理するPOSシステムから取得する一方、
対象となる店舗が前記POSレジと連携しない店舗である場合に、前記売上に関するデータを、ユーザにより入力されるデータとして管理する、
経営状況管理方法。
【請求項7】
コンピュータを、
複数の店舗の経営状況に関するデータを管理する制御部として機能させ、
前記制御部は、
対象となる店舗がPOSレジと連携する店舗である場合に、所定の期間単位に経営状況を報告するために用いる売上に関するデータを、前記POSレジを管理するPOSシステムから取得する一方、
対象となる店舗が前記POSレジと連携しない店舗である場合に、前記売上に関するデータを、ユーザにより入力されるデータとして管理する、
経営状況管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経営状況管理装置、経営状況管理方法及び経営状況管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、販売時点情報管理(Point of Sale)機能を有するレジスタ(以下「POSレジ」という。)を小売店舗等に配置し、そのPOSレジのデータを収集し、売上分析や経営分析等を行うシステム(以下「POSシステム」という。)が開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、POSレジの会計処理情報に基づいて、予測対象日の客数を予測するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-242839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複数の店舗を経営する場合、一部の店舗のみに、POSレジを導入することもある。このような場合、特許文献1のシステムでは、POSレジを導入した店舗の客数を予測することはできるが、POSレジを導入していない店舗の客数を予測することはできない。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、POSレジの導入有無にかかわらず、複数の店舗の経営状況を管理することができる経営状況管理装置、経営状況管理方法及び経営状況管理プログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る経営状況管理装置は、複数の店舗の経営状況に関するデータを管理する制御部を備え、制御部は、対象となる店舗がPOSレジと連携する店舗である場合に、所定の期間単位に経営状況を報告するために用いる売上に関するデータを、POSレジを管理するPOSシステムから取得する一方、対象となる店舗がPOSレジと連携しない店舗である場合に、売上に関するデータを、ユーザにより入力されるデータとして管理する。
【0008】
上記態様において、制御部は、POSレジと連携しない店舗が、POSレジと連携した場合に、当該連携する前にユーザにより入力された売上に関するデータをそのまま引き継ぎ、引き継いだ後は前記POSシステムから取得してもよい。
【0009】
上記態様において、制御部は、売上に関するデータを入力するためのデータ項目を店舗ごとに表示する画面において、少なくともPOSレジと連携する店舗及びPOSレジと連携しない店舗のいずれかを判別可能に表示してもよい。
【0010】
上記態様において、制御部は、データ項目をどのように分解するのかを設定する画面を表示し、当該設定する画面において、少なくとも店外対応の有無及びランチ営業の有無のいずれかを設定する入力欄を店舗ごとに表示してもよい。
【0011】
上記態様において、制御部は、データ項目にデータを入力するための画面を店舗ごとに表示してもよい。
【0012】
本発明の他の態様に係る経営状況管理方法は、プロセッサにより実行される方法であって、複数の店舗の経営状況に関するデータを管理する制御ステップを含み、制御ステップは、対象となる店舗がPOSレジと連携する店舗である場合に、所定の期間単位に経営状況を報告するために用いる売上に関するデータを、POSレジを管理するPOSシステムから取得する一方、対象となる店舗が前記POSレジと連携しない店舗である場合に、売上に関するデータを、ユーザにより入力されるデータとして管理する。
【0013】
本発明の他の態様に係る経営状況管理プログラムは、コンピュータを、複数の店舗の経営状況に関するデータを管理する制御部として機能させ、制御部は、対象となる店舗がPOSレジと連携する店舗である場合に、所定の期間単位に経営状況を報告するために用いる売上に関するデータを、POSレジを管理するPOSシステムから取得する一方、対象となる店舗がPOSレジと連携しない店舗である場合に、売上に関するデータを、ユーザにより入力されるデータとして管理する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、POSレジの導入有無にかかわらず、複数の店舗の経営状況を管理することができる経営状況管理装置、経営状況管理方法及び経営状況管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る経営状況管理装置を含む情報処理システムのシステム構成を例示する図である。
図2図1に示す経営状況管理装置の概略構成図である。
図3図1に示すユーザ端末に表示される画面の一例である。
図4図1に示すPOSレジに表示される画面の一例である。
図5図1に示すユーザ端末に表示される画面の一例である。
図6図1に示すユーザ端末に表示される画面の一例である。
図7】店外対応の有無及びランチ営業の有無の組み合わせと、日報に表示されるデータ項目との対応関係を説明するための図である。
図8図1に示すユーザ端末に表示される画面の一例である。
図9図1に示す経営状況管理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
[情報処理システムの概要]
図1を参照して、実施形態に係る経営状況管理装置1を含む情報処理システムの構成について説明する。情報処理システムは、例えば、経営状況管理装置1及びユーザ端末2を有する経営状況管理システム3と、POS管理装置5及びPOSレジ6を有するPOSシステム7と、を含む。
【0018】
ユーザ端末2は、例えば、タブレット端末であり、主に飲食店の店長や管理者等(ユーザ)が利用する。ユーザ端末2は、ネットワークNを介して経営状況管理装置1と通信できるように構成される。なお、ユーザ端末2は、タブレット端末に限定されず、例えば、PC(Personal Computer)端末、ノートPC、スマートフォン、その他の端末装置であってもよい。
【0019】
POSレジ6は、例えば、POSレジスタ機能を有するタブレット端末であり、主に飲食店の店員等(ユーザ)が利用する。POSレジ6は、ネットワークNを介してPOS管理装置5と通信できるように構成される。なお、POSレジ6は、タブレット端末に限定されず、例えば、POSレジスタの専用デバイス、PC端末、ノートPC、スマートフォン、その他の端末装置であってもよい。
【0020】
なお、ユーザ端末2の機能とPOSレジ6の機能とを1台の端末で実現させてもよい。1台の端末で実現させる場合には、例えば、それぞれのアプリケーションを端末にインストールし、インストールしたアプリケーションをそれぞれ起動させることで、ユーザ端末2としての機能やPOSレジ6としての機能を実現させる。また、インストールしたアプリケーションではなく、Webアプリケーションにより実現してもよい。
【0021】
経営状況管理装置1は、各店舗の売上に関するデータ等に基づいて、各店舗の経営状況を分析する等して各店舗の経営状況に関する情報を管理する機能を有するサーバ装置である。売上に関するデータは、例えば、POSシステム7から取得することや、ユーザが入力することで取得する。売上に関するデータの詳細は後述する。経営状況管理装置1は、ネットワークNを介してユーザ端末2やPOSシステム7のPOS管理装置5と通信できるように構成される。
【0022】
POS管理装置5は、各店舗のPOSレジ6が収集した店舗の販売情報を蓄積及び分析する機能を有するサーバ装置である。販売情報には、例えば、店舗名、日時、商品名、個数、単価、客数等が含まれる。POS管理装置5は、ネットワークNを介してPOSレジ6や経営状況管理システム3の経営状況管理装置1と通信できるように構成される。
【0023】
ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0024】
[経営状況管理装置1の構成]
図2に示すように、経営状況管理装置1は、物理的な構成として、例えば、プロセッサ11と、通信部12と、記憶装置13とを備える。
【0025】
プロセッサ11は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット及び各種レジスタから構成される。このプロセッサ11は、記憶装置13に格納されているプログラム131を実行することで、後述する各種機能を実現する制御部111として動作する。
【0026】
通信部12は、ネットワークNに接続し、ネットワークN上の他の装置と通信するハードウェアモジュールである。
【0027】
記憶装置13は、例えば、ディスクドライブ又は半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。この記憶装置13は、例えば、プログラム131や、データベース132、そのデータベース132に登録される各種データ等を記憶する記憶部として機能する。
【0028】
プログラム131は、所定の処理を行うためのコンピュータプログラムであり、経営状況管理装置1のメインプログラムや、そのメインプログラムの動作中に適宜呼び出されて実行される複数のソフトウェアモジュールを有する。ソフトウェアモジュールは、それぞれ特定の処理を実行するためにモジュール化されたサブプログラムであり、例えば、プロシージャ、サブルーチン、メソッド、関数及びデータ構造等を用いて作成される。
【0029】
[経営状況管理装置1の機能]
経営状況管理装置1の制御部111により実現される各種機能について、以下に説明する。
【0030】
制御部111は、処理対象の店舗がPOSレジ6と連携する店舗であるかどうかにより、売上に関するデータをどのように取得するのかを制御する。以下(1)、(2)にわけて説明する。
【0031】
(1)POSレジ6と連携している店舗
制御部111は、所定の期間単位に経営状況を報告するために用いる売上に関するデータを、POSレジ6を管理するPOSシステム7から取得する。所定の期間単位に経営状況を報告するものとして、例えば、日報、週報、月報、年報等がある。
【0032】
売上に関するデータは、日毎に集計されるデータである。売上に関するデータには、例えば、店舗名、売上日、売上、客数等を含むことができる。売上及び客数は、合計の他に、売上種別単位に集計したデータを含めてもよい。売上種別として、例えば、ランチ、ディナー、店内、店外等を設けることができる。店外には、例えば、テイクアウトやデリバリー、出前等を含むことができる。なお、売上種別は、飲食店の営業形態等に応じて適宜設定することができる。
【0033】
POSシステム7から取得する売上に関するデータは、日毎に集計されるデータに限定されず、例えば、個々の売上に関するデータであってもよい。その場合、取得した個々の売上に関するデータを、日報や月報等の用途に合わせて集計すればよい。個々の売上に関するデータとして、例えば、店舗名、売上日時、商品名、個数、単価、客数、売上種別等を含むことができる。
【0034】
(2)POSレジ6と連携していない店舗
制御部111は、売上に関するデータを、ユーザにより入力されるデータとして管理する。つまり、売上に関するデータは、ユーザが入力することになる。図3に、売上に関するデータを入力するための画面の一例を示す。同図の画面は、日報の作成に必要なデータを入力するための画面の一例である。この画面では、売上に関するデータに含まれる売上及び客数に加え、人件費等を含むコスト項目、銀行入金等を含む追加集計項目、並びにコメントを、日報の作成に必要なデータとして入力する。この画面に設けられた各項目にデータを入力して保存ボタンB3を押下すると、入力したデータが日報に反映される。
【0035】
図3の画面には、例えば、店舗選択欄F31、日付指定欄F32、各売上の入力欄F33a~F33cを含む売上エリアA33、各客数の入力欄F34a~F34cを含む客数エリアA34、各コスト項目の入力欄F35a、F35bを含むコスト項目エリアA35、各追加集計項目の入力欄F36を含む追加集計項目エリアA36、及びコメント入力欄F37を含むコメントエリアA37が設けられる。
【0036】
売上エリアA33には、売上の合計表示に加え、例えば、ランチ売上の入力欄F33a、ディナー売上の入力欄F33b及び店外売上の入力欄F33cが設けられる。客数エリアA34には、客数の合計表示に加え、例えば、ランチ客数の入力欄F34a、ディナー客数の入力欄F34b及び店外客数の入力欄F34cが設けられる。
【0037】
売上に関するデータを入力する際に、ユーザは、店舗選択欄F31で対象の店舗を選択し、日付指定欄F32で対象の日付を指定し、ランチ売上、ディナー売上及び店外売上の各売上データと、ランチ客数、ディナー客数及び店外客数の各客数データとをそれぞれの入力欄に入力する。
【0038】
POSレジ6と連携している店舗であるかどうかは、例えば、POSレジ6を使用している店舗であるかどうかを示すデータと連動させて管理することができる。つまり、POSレジ6を使用している店舗は、POSレジ6と連携している店舗として管理し、POSレジ6を使用していない店舗は、POSレジ6と連携していない店舗として管理する。
【0039】
図4に、店舗でPOSレジ6の使用を開始させるときに用いる画面の一例を示す。同図の画面は、POSレジ6の表示部に表示される画面である。この画面には、POSレジ6にログインしているユーザが経営する複数の店舗を表示させることができる。同図に示す、B店、C店、D店及びE店が、既にPOSレジ6を使用している店舗であり、A店、F店、G店及びH店が、まだPOSレジ6を使用していない店舗となる。
【0040】
A店、F店、G店及びH店の各表示欄F41には、“POSレジを使用していません。開始する場合はこちら”とのメッセージがそれぞれ表示されている。ユーザがPOSレジ6の使用を開始させる店舗に対応する“こちら”部分をクリックやタップ等により選択すると、その店舗でPOSレジ6が使用できるようになる。これにより、POSレジ6と連携していない店舗を、POSレジ6と連携している店舗に変更させることができる。
【0041】
図2示す制御部111は、売上に関するデータに含まれる売上及び客数をどのように入力するのかを設定する画面を、POSレジ6と連携していない店舗のユーザ端末2に表示させる。その画面の一例を図5に示す。同図に示す画面は、“売上取込設定”を行うための画面の一部を構成する“日報での売上入力設定”を行う画面である。同図には、経営状況管理システム3にログインしているユーザが経営する店舗が、一覧表示される。
【0042】
一覧表示されている各店舗名の右側に“POSレジ未連携”と表示されている店舗が、POSレジ6と連携していない店舗である一方、各店舗名の右側に“POSレジ未連携”との表示がない店舗が、POSレジ6と連携している店舗である。具体的に、“A店”、“F店”、“G店”及び“H店”は、POSレジ6と連携していない店舗であり、“B店”、“C店”、“D店”及び“E店”は、POSレジ6と連携している店舗である。
【0043】
POSレジ6と連携していない店舗は、図5の“日報に売上入力項目を表示”欄にある切替スイッチがONに初期設定される一方、POSレジ6と連携している店舗は、図5の“日報に売上入力項目を表示”欄にある切替スイッチがOFFに初期設定される。具体的に、POSレジ6と連携していない“A店”、“F店”、“G店”及び“H店”は、切替スイッチがONに初期設定され、POSレジ6と連携している“B店”、“C店”、“D店”及び“E店”は、切替スイッチがOFFに初期設定される。
【0044】
切替スイッチがONの場合、切替スイッチの右側に、日報に表示されるデータ項目が表示される。具体的に、切替スイッチがONに設定されている“A店”の日報には、“ランチ売上、ディナー売上、店外売上、ランチ客数、ディナー客数、店外客数”が表示され、“F店”の日報には、“ランチ売上、ディナー売上、ランチ客数、ディナー客数”が表示される。
【0045】
同様に“G店”の日報には、“店内売上、店外売上、店内客数、店外客数”が表示され、“H店”の日報には、“売上、客数”が表示される。
【0046】
他方、切替スイッチがOFFの場合には、切替スイッチの右側にデータ項目は表示されない。
【0047】
上記日報に表示されるデータ項目は、例えば、図6に示す画面で設定することができる。同図に示す画面は、“基本設定”を行うための画面の一部を構成する“売上の分解方法”を設定する画面である。“売上の分解方法”を設定する画面は、売上に関するデータを入力するためのデータ項目をどのように分解するのかを設定する画面となる、同図には、経営状況管理システム3にログインしているユーザが経営する店舗が、一覧表示される。
【0048】
一覧表示されている店舗ごとに、店外対応の有無を設定する切替スイッチと、ランチ営業の有無を設定する切替スイッチとが設けられている。ランチ営業の切替スイッチをONにすると、ランチ営業の終了時間を設定できるようになる。
【0049】
図6では、“A店”が、店外あり、かつ14時までのランチ営業ありとして設定され、“F店”が、店外なし、かつ15時までのランチ営業ありとして設定され、“G店”が、店外あり、かつランチ営業なしとして設定され、“H店”が、店外なし、かつランチ営業なしとして設定されている。この設定により、図5で切替スイッチがONに設定されている、“A店”、“F店”、“G店”及び“H店”の“日報に売上入力項目を表示”欄に表示されるデータ項目が定まる。
【0050】
図7を参照して、店外対応の有無及びランチ営業の有無の組み合わせと、日報に表示されるデータ項目との対応関係について説明する。
【0051】
同図に示すように、“店外あり”かつ“ランチ営業あり”の場合、日報には、“ランチ売上、ディナー売上、店外売上、ランチ客数、ディナー客数、店外客数”が表示される。“店外なし”かつ“ランチ営業あり”の場合、日報には、“ランチ売上、ディナー売上、ランチ客数、ディナー客数”が表示される。“店外あり”かつ“ランチ営業なし”の場合、日報には、“店内売上、店外売上、店内客数、店外客数”が表示される。“店外なし”かつ“ランチ営業なし”の場合、日報には、“売上、客数”が表示される。
【0052】
図2示す制御部111は、POSレジ6と連携していない店舗が、POSレジ6と連携した場合、連携する前にユーザにより入力された売上に関するデータを、そのまま引き継いで管理する。その後、図5に示す画面で、その店舗に対応する切替スイッチがONからOFFに切り替えられると、日報等に用いる売上に関するデータが、POSレジ6を管理するPOSシステム7から制御部111によって取得されるようになる。
【0053】
制御部111は、POSレジ6と連携していた店舗が、POSレジ6との連携をやめた場合、連携していたときに取得した売上に関するデータを、そのまま引き継いで管理する。その後、図5に示す画面で、その店舗に対応する切替スイッチがOFFからONに切り替えられると、日報等に用いる売上に関するデータを、図3に示す画面からユーザが入力し、日報に反映できるようになる。
【0054】
図8を参照して、日報画面について説明する。日報画面は、メニューMから日報M8を選択することで表示される。日報画面には、例えば、対象指定欄F8、“日報を書く”ボタンB81、各売上を表示する売上表示エリアA81、人件費率を表示する人件費率表示エリアA82、原価率を表示する原価率表示エリアA83、コメントを表示するコメント表示エリアA84、及び送信ボタンB82が含まれる。
【0055】
対象となる日報を表示する場合、ユーザは、対象指定欄F8において、対象の日付及び対象の店舗を指定する。売上表示エリアA81、人件費率表示エリアA82、原価率表示エリアA83及びコメント表示エリアA84に表示されるデータを入力又は変更したい場合、“日報を書く”ボタンB81を押下する。これにより、上述した図3の画面が表示され、各データを入力又は変更することが可能となる。図3の画面に設けられた各項目にデータを入力して保存ボタンB3を押下すると、図8の日報画面に戻り、図3の画面で入力したデータが日報画面に反映される。
【0056】
売上表示エリアA81には、例えば、当日の売上総額、日別目標に対する達成率、月別目標に対する達成率(月累計)、当日のランチ売上、当日のランチ客数、当日のランチ客単価、当日のディナー売上、当日のディナー客数、当日のディナー客単価、当日の店外売上、当日の店外客数、当日の店外客単価が表示される。
【0057】
人件費率表示エリアA82には、例えば、当日の人件費率、当月の人件費率(月累計)、人件費率の目標が表示される。
【0058】
原価率表示エリアA83には、例えば、当日の原価率、当月の原価率(月累計)、原価率の目標が表示される。
【0059】
コメント表示エリアA84には、例えば、良かった点や悪かった点等を含む振り返りのコメントが表示される。
【0060】
送信ボタンB82を押下すると、日報が所定の送信先に送信される。
【0061】
[経営状況管理装置1の動作]
図9を参照し、経営状況管理装置1において売上に関するデータを取得する際の動作の一例について説明する。
【0062】
最初に、経営状況管理装置1の制御部111は、処理対象の店舗がPOSレジ6と連携する店舗であるかどうかを判定する(ステップS101)。この判定がNOである場合(ステップS101;NO)に、制御部111は、売上に関するデータを、ユーザにより入力されるデータとして管理する(ステップS103)。そして、この動作を終了する。
【0063】
上記ステップS101において、処理対象の店舗がPOSレジ6と連携する店舗であると判定された場合(ステップS101;YES)に、制御部111は、日報に用いる売上に関するデータを、POSレジ6を管理するPOSシステム7から取得する(ステップS102)。そして、この動作を終了する。
【0064】
上述したように、実施形態に係る経営状況管理装置1によれば、ユーザが経営する複数の店舗のうち、POSレジ6と連携する店舗については、例えば日報の作成に用いる売上に関するデータを、POSレジ6を管理するPOSシステム7から取得できる一方、POSレジ6と連携しない店舗については、日報の作成に用いる売上に関するデータを、ユーザにより入力されるデータとして管理することができる。
【0065】
これにより、ユーザが経営する複数の店舗の日報を、POSシステム7から取得した売上に関するデータ、又はユーザが入力した売上に関するデータのいずれかにより作成することができる。
【0066】
それゆえ、実施形態に係る経営状況管理装置1によれば、POSレジの導入有無にかかわらず、複数の店舗の経営状況を管理することができる。
【0067】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。
【0068】
例えば、上述した実施形態では、図5の画面でPOSレジ6と連携していない店舗に対して“POSレジ未連携”と表示させているが、これに限定されない。例えば、POSレジ6と連携している店舗に対して“POSレジ連携”と表示させることとしてもよいし、POSレジ6と連携していない店舗に対して“POSレジ未連携”と表示させつつ、POSレジ6と連携している店舗に対して“POSレジ連携”と表示させることにしてもよい。
【0069】
また、上述した実施形態では、日報に表示されるデータ項目を定める際に、図7に例示するように店外対応の有無及びランチ営業の有無の組み合わせに基づいて定めているが、データ項目を定める際に用いる組み合わせは、これに限定されず、飲食店の営業形態等に応じて適宜定めることができる。例えば、店外対応の有無及びランチ営業の有無のいずれか一方と、朝食営業の有無や深夜営業の有無等との組み合わせに基づいて定めることとしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…経営状況管理装置、2…ユーザ端末、3…経営状況管理システム、5…管理装置、6…POSレジ、7…POSシステム、11…プロセッサ、12…通信部、13…記憶装置、111…制御部、131…プログラム、132…データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9