(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167872
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】移植機
(51)【国際特許分類】
A01C 11/02 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
A01C11/02 342S
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079399
(22)【出願日】2022-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱マヒンドラ農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100141483
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 生吾
(72)【発明者】
【氏名】木下 竣貴
(72)【発明者】
【氏名】渡里 圭介
【テーマコード(参考)】
2B063
【Fターム(参考)】
2B063AA14
2B063AB01
2B063AB08
2B063BA01
2B063BA02
2B063BB08
2B063BB09
2B063BB21
2B063BB45
2B063CA04
2B063CA12
2B063CB01
2B063CB14
(57)【要約】
【課題】前記センサフロートの姿勢を検出することにより前記植付作業機の圃場面に対する高さ位置を検出する高さ検出装置の構成をより簡易且つコンパクトに構成した移植機を提供することを課題とする。
【解決手段】走行機体と、前記走行機体の後方で昇降作動可能に連結された植付作業機と、前記植付作業機の圃場面に対する高さ位置を検出する高さ検出装置とを備え、前記高さ検出装置は、センサフロートと、前記センサフロートの前部が圃場面に対して上下揺動可能となるように支持するリンク機構と、前記センサフロートの揺動姿勢を検出する検出手段と、前記センサフロートの前部を下方側に付勢する弾性部材と、前記センサフロートの上方揺動と下方揺動を所定の揺動位置で規制する規制部材とを有し、前記リンク機構の側方側に、前記弾性部材と前記規制部材とを左右に並べて配置した。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体と、
前記走行機体の後方で昇降装置を介して昇降作動可能に連結された植付作業機と、
前記植付作業機の圃場面に対する高さ位置を検出する高さ検出装置とを備え、
前記高さ検出装置は、
圃場面に接地するように前記植付作業機の下部側に支持されるセンサフロートと、
前記センサフロートの前部が圃場面に対して上下揺動可能となるように支持するリンク機構と、
前記センサフロートの揺動姿勢を検出する検出手段と、
前記センサフロートの前部を下方側に付勢する弾性部材と、
前記センサフロートの上方揺動と下方揺動を所定の揺動位置で規制する規制部材とを有し、
前記リンク機構の側方側に、前記弾性部材と前記規制部材とを左右に並べて配置した
移植機。
【請求項2】
前記リンク機構の左右一方側に前記弾性部材を配置し、左右他方側に前記規制部材を配置した
請求項1に記載の移植機。
【請求項3】
前記弾性部材は、前記リンク機構の移動方向に沿って弾性変形するように設けられた
請求項1又は2に記載の移植機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対地高さを検出可能なセンタフロートを備えた移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
走行機体と、前記走行機体の後方で昇降装置を介して昇降作動可能に連結された植付作業機と、前記植付作業機の圃場面に対する高さ位置を検出する高さ検出装置とを備え、前記高さ検出装置は、圃場面に接地するように前記植付作業機の下部側に支持されるセンサフロートと、前記センサフロートの前部が圃場面に対して上下揺動可能となるように支持するリンク機構と、前記センサフロートの揺動姿勢を検出する検出手段と、前記センサフロートの前部を下方側に付勢する弾性部材と、前記センサフロートの上方揺動と下方揺動を所定の揺動位置で規制する規制部材と特許文献1に記載の移植機が従来公知である。
【0003】
上記文献によれば、前記高さ検出装置は、前記センサフロートの姿勢を検出することによって圃場面に対する前記植付作業機の高さ位置や、圃場面の硬さを検出することができるものであるが、前記リンク機構の上方側に前記弾性部材が配置されるため、前記高さ検出装置全体の配置構成が複雑且つ、大型化するという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記センサフロートの姿勢を検出することにより前記植付作業機の圃場面に対する高さ位置を検出する高さ検出装置の構成をより簡易且つコンパクトに構成した移植機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、第1に、走行機体と、前記走行機体の後方で昇降装置を介して昇降作動可能に連結された植付作業機と、前記植付作業機の圃場面に対する高さ位置を検出する高さ検出装置とを備え、前記高さ検出装置は、圃場面に接地するように前記植付作業機の下部側に支持されるセンサフロートと、前記センサフロートの前部が圃場面に対して上下揺動可能となるように支持するリンク機構と、前記センサフロートの揺動姿勢を検出する検出手段と、前記センサフロートの前部を下方側に付勢する弾性部材と、前記センサフロートの上方揺動と下方揺動を所定の揺動位置で規制する規制部材とを有し、前記リンク機構の側方側に、前記弾性部材と前記規制部材とを左右に並べて配置したことを特徴とする。
【0007】
第2に、前記リンク機構の左右一方側に前記弾性部材を配置し、左右他方側に前記規制部材を配置したことを特徴とする。
【0008】
第3に、前記弾性部材は、前記リンク機構の移動方向に沿って弾性変形するように設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
前記弾性部材と前記規制部材とを、前記リンク機構の側方側で左右に並べて配置したことによって、前記高さ検出装置を構成する部材を前記センサフロートの近傍に集中配置することができるため、装置全体の上下方向をよりコンパクトに構成することができる。
【0010】
また、前記リンク機構の左右一方側に前記弾性部材を配置し、左右他方側に前記規制部材を配置したものによれば、前記リンク機構の構成が目視で確認し易くなるとともに、前記弾性部材と前記規制部材のメンテナンス性も向上する。
【0011】
なお、前記弾性部材は、前記リンク機構の移動方向に沿って弾性変形するように設けられたものによれば、前記センサフロートの作動方向に対して前記弾性部材の付勢力を効率的に作用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明を適用した乗用田植機(移植機)の全体側面図である。
【
図2】本発明を適用した乗用田植機(移植機)の全体平面図である。
【
図6】高さ検出装置を示した要部拡大平面図である。
【
図7】センタフロートの前下がり姿勢を示した要部側面図である。
【
図8】センタフロートの前上がり姿勢を示した要部側面図である。
【
図9】センタフロートの水平姿勢を示した要部側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1及び
図2は、本発明を適用した乗用田植機(移植機)の全体側面図及び全体平面図である。本乗用田植機は、左右一対の前輪1,1及び後輪2,2によって支持される走行機体3と、前記走行機体3の後方に昇降リンク4を介して昇降自在に連結された植付作業機6とを備えている。
【0014】
前記走行機体3を支持する機体フレーム7は、前方にボンネット8で囲繞されたエンジン(図示しない)が搭載されており、該エンジンの後方側には、オペレータ(作業者)が乗り込んで操行操作等を行う操縦部9が設けられている。
【0015】
前記操縦部9は、オペレータが着座する座席11と、操舵機構を介して前記走行機体3の操行操作を行うステアリングハンドル12と、前記ステアリングハンドル12の左右一方(図示する例では左)側に設けられた主変速レバー13と、前記ステアリングハンドル12の左右他方(図示する例では右)側に設けられた作業機レバー14と、前記ステアリングハンドル12の下側に配置されたフロアステップ17とを備えている。また、前記座席11の真下側には、マイコン等から構成される制御部(図示しない)が配設されている。
【0016】
上記作業機レバー14は、上下方向及び左右方向に揺動操作可能に構成され、図示しない付勢部材によって中立位置に付勢され、上下方向又は左右方向に揺動操作された後は中立位置に復帰するように構成されている。これにより、前記制御部は、前記作業機レバー14の上方揺動操作により前記植付作業機6の上昇作動・植付クラッチの切断を操作し、前記作業機レバー14の下方揺動操作により前記植付作業機6の下降作動・植付クラッチの接続を操作する作業機操作制御を実行できるよう構成されている。
【0017】
上記主変速レバー13は、前後揺動操作されることにより、走行HST(図示しない)を介して主変速操作をすることができるように構成されている。具体的には、前記主変速レバー13は、前後方向中途部のニュートラル位置から前方に揺動操作されることにより、走行HSTが前進方向に増速操作され、ニュートラル位置から後方に揺動操作されることにより、走行HSTが後進方向に増速操作されるように構成されている。
【0018】
前記植付作業機6は、左右方向に沿って延設される四角筒(柱)状の横フレーム21と、該横フレーム21側から前方に向かって上方に急傾斜して背面(上面)側に苗が載置される苗載台22と、前記横フレーム21から上方に向けて縦方向に延設されて前記苗載台22を支持する苗載台支持フレーム23と、前記横フレーム21から前方に向けて延設された複数のプランタケース24と、前記苗載台22上の苗を掻き取って圃場への植付作業を行う植付部26と、前記プランタケース24の下方側で左右に並べて配置されて圃場を均すフロート27とを備え、前記植付部26は、前記苗載台22上から掻き取った苗を圃場へと植え付ける植付作業を行うことができるように構成されている。
【0019】
該横フレーム21は、左右中央の前面側にボルト固定されたフランジ部材33を介して、前方に突出するように支持されたローリング軸32が設けられており、該ローリング軸32を介して、前記横フレーム21(植付作業機6)が前記昇降リンク3の後端側に左右ローリング自在に支持されるように構成されている(
図1乃至3等参照)。
【0020】
また、該横フレーム21は、その下部側に前記走行機体3側のエンジン動力が伝動されるPTO軸28が接続されるドライブケース29と、該ドライブケース29に伝動された動力を各プランタケース24側に伝動する伝動軸ケース31とを有し、前記走行機体側から伝動された動力が前記プランタケース24を介して前記植付部26側に伝動するように構成されている。
【0021】
また、前記植付作業機6は、前記昇降リンク4と、油圧式アクチュエータである昇降シリンダ10によって走行機体3の後部側に昇降作動可能に設けられており、前記作業機レバー14により制御される昇降装置を介して、前記植付作業機6が上昇作動する上昇状態と、前記植付作業機6が自重によって下降作動する下降状態(又は下端側の植付高さ(植付位置)で下降停止した下降停止状態)と、前記植付作業機6を所定の昇降位置で固定する固定状態と、前記植付部26による植付作業を実行する植付状態とに切換えることができるように構成されている。
【0022】
左右方向に並べられた上記フロート27のうち、中央に配置されたセンタフロート(センサフロート)27Aは、植付高さまで下降した前記植付作業機6の圃場面からの昇降位置(対地高さ)や、圃場面の状態(硬さ等)を検出する高さ検出装置30の感知体として機能するように構成されている(
図3等参照)。高さ検出装置30の具体的な構成については後述する。
【0023】
これにより、前記制御部は、前記植付作業機6が植付高さまで下降作動された場合に、前記植付作業機6の圃場面に対する高さ位置(対地高さ)を植付作業に適した昇降位置(作業高さ)に自動調整する対地高さ制御が実行可能に構成されている。詳しくは後述する。なお、前記植付作業機6は、前記センタフロート27Aの姿勢と油圧バルブとを機械的構成によって連係する連係機構を設けて対地高さを制御する構成としても良い。
【0024】
次に、
図3乃至9に基づいて、高さ検出装置の具体的な構成について説明する。
図3乃至6は、高さ検出装置を示した要部斜視図、要部正面図、要部平面図、要部拡大平面図であり、
図7乃至9は、センタフロートの前下がり姿勢と、前上がり姿勢と、水平姿勢とを示した要部側面図である。
【0025】
前記高さ検出装置30は、前記センタフロート27Aと、前記センタフロート27Aの前部を前記横フレーム21側に上下揺動可能に支持する前部支持機構(リンク機構)36と、前記センタフロート27Aの後部を前記横フレーム21側に軸支する後部支持機構37と、前記センタフロート27Aの上下揺動を検出するポテンショメータからなる検出センサ(検出手段)38と、前記センタフロート27Aが上下揺動する範囲を定める規制機構39とを備え、前記検出センサ38により前記センタフロート27Aの姿勢を検出することによって、前記植付作業機6の対地高さを検出(調整・制御)することができるように構成されている。詳しくは以下説明する。
【0026】
前記後部支持機構37は、前記プランタケース24の下面側に固定支持された左右方向の後部支持軸41と、該後部支持軸41から後方に延設された後部支持部材42と、前記センタフロート27Aの後部上面側に取付固定されるとともに前記後部支持部材42の後端側に固定ピンを用いて揺動可能にピン固定された後部固定片43とを備え、前記固定ピンを軸として前記センタフロート27Aの後部を軸支している(
図7乃至9等参照)。
【0027】
前記前部支持機構36は、前記センタフロート27Aの前部上面側に取付固定される前部固定片44と、該前部固定片44から上方に延設された上下方向のリンク部材46と、前後方向に延設されてその前端(揺動端)側が左右方向の連結片47を介して前記リンク部材46の上端側と連結される揺動支持部材48と、該揺動支持部材48の基端(後端)側を軸支する前部支持軸49と、前記横フレーム21の上面側に取付固定されて前記前部支持軸49を前記横フレーム21の上方後側に支持する第1支持ブラケット51と、前記センタフロート27Aの前部を下方に付勢する弾性機構50とを備えている。
【0028】
該構成によれば、前記センタフロート27Aの前部が上下動されて該センタフロート27Aの姿勢が変化すると、前記リンク部材46の上下動を介して、前記揺動支持部材48が前記前部支持軸49を軸に上下揺動する。すなわち、前記センタフロート27Aは、前記前部支持機構36によって前記センタフロート27Aの前部が上下方向に揺動可能に支持されることにより、前方が下側を向いた前下がり姿勢(植付上昇状態)と、前方が上側を向いた前上がり姿勢(植付下降状態)と、前後方向が略水平となる水平姿勢とに連続的に切り換えることができるように支持されている(
図3乃至9等参照)。
【0029】
上記弾性機構50は、前記リンク部材46に沿うように配置された上下方向の圧縮コイルスプリングである弾性部材52と、前記弾性部材52の下端側を前記横フレーム21側に係止するための弾性支持部材53とを有し、前記弾性部材52の上端側は前記リンク部材46の上端側に設けた前記連結片47側に係止されている。
【0030】
該弾性支持部材52は、後端(基端)側が前記横フレーム21の前面側にボルト固定されて前方下側に向けてクランク状に延設されることにより、その前端側が側面視で前記リンク部材46の下部側に配置され、前記弾性部材52の下端側が係止可能に形成されている(
図3等参照)。これにより、前記弾性部材52は、伸縮方向を前記リンク部材46の延設方向に沿う上下方向となるように設けることができる(
図7乃至9参照)。
【0031】
該構成により、前記センタフロート27Aは、前記弾性部材52によって前記リンク部材46の上端を下方に向けて引っ張ることができるため、前記弾性部材52の付勢力を、該センタフロート27Aの前部を下方揺動させる方向に作用させて、該センタフロート27Aを前下がり姿勢で保持することができる。
【0032】
これによれば、前記センタフロート27Aは、対地高さを検出する検知体として用いられる他、柔らかい圃場面に接触した場合には圃場面を均したり、圃場面が硬い場合に前記センタフロート27A前部が圃場面に接触した際の反発力により必要以上に浮き上がることを効率的に防止したりすることもできる。
【0033】
前記検出センサ38は、揺動量を検出可能な検出アーム38aを備えたポテンショメータであって、前記第1支持ブラケット51の左右方向に並べて設けられた第2支持ブラケット54に取付固定されることにより、前記前部支持軸49の同一軸心上に配置されている。
【0034】
なお、前記第1支持ブラケット51と、前記第2支持ブラケット54とを、U字状に形成された単一の支持ブラケット(図示しない)に代えた構成としても良い。該構成によれば、部品点数を削減するとともに、前記前部支持機構36や前記検出センサ38の取付強度を向上させることができる。また、支持ブラケットと、該支持ブラケットに取付けられる部品をアッセンブリ化することができるため、組付作業やメンテナンス作業も容易になる。
【0035】
上記検出アーム38aは、前記検出センサ38の本体から前記揺動支持部材48に沿うように前方に向けて延設されるように設けられており、該検出アーム38aが前記揺動支持部材48の前後方向中途部に形成された左右方向の係止片48aの下側に係止するとともに、該検出アーム38aが常時係止片48a側に付勢されるように構成されている(
図3等参照)。
【0036】
該構成により、前記検出センサ38は、前記センタフロート27Aの上下揺動に応じて上下動する揺動支持部材48の揺動位置を検出することによって、前記センタフロート27Aの姿勢を検出することができる。
【0037】
前記規制機構39は、前記センタフロート27Aの前部上面側に取付固定されて上方に向けて延設された板状の規制部材56と、該規制部材56の延設方向に沿って形成された上下方向の規制孔56aと、該規制孔56aに挿通される棒状の規制体57とを備えている。
【0038】
上記規制体57は、下部側が後方に向けて屈曲形成された上下方向の棒状部材であって、その上端側が前記ローリング軸32を横フレーム21側に支持する前記フランジ33側に固着されることによって、前後方向に延設された下部側が前記規制孔56a内に挿通されるように構成されている(
図3等参照)。
【0039】
該構成によれば、前記規制体57が前記規制孔56aの下端に当接することによって前記センタフロート27Aの所定の上限揺動位置以上の上方揺動が規制され、前記規制体57が前記規制孔56aの上端に当接することによって前記センタフロートの所定の下限揺動位置以上の下方揺動が規制される。言い換えると、前記規制体57が前記規制孔56内を移動可能な範囲が、前記センタフロート27Aの前部が上下揺動可能となるため、前記規制機構39は、前記センタフロート27Aの前部の上下揺動可能な範囲を規定(設定)することができる。
【0040】
上述のように構成された高さ検出装置30によれば、前記センタフロート27Aの前部に配置された上下方向の前記リンク部材46の左右一方側に、上下方向の前記弾性部材52と、上下方向の前記規制機構39とを並べて集中配置することができるため、装置全体(前後・左右・上下方向)をよりコンパクトに構成することができる。また、前記弾性機構50と、前記規制機構39とは、前記リンク部材46を左右方向で挟むように配置されることにより、前記弾性機構50と前記規制機構39とが目視し易くなるとともに、組付作業やメンテナンス作業をスムーズ且つ容易に行うことができる。
【0041】
また、前記弾性部材52は、前記リンク部材46の側方側で、前記リンク部材46の移動(延設)方向に沿って設けられることにより、前記弾性部材52がコンパクト且つスペース効率良く設置されるとともに、該弾性部材52の付勢力を前記センタフロート27Aの前部に効率的に作用させることができる。
【0042】
さらに、前記検出センサ38は、前記センタフロート27Aの上方となる前記横フレーム21の上方側に配置されるため、泥や小石が前記検出センサ38に飛散・接触する事態を効率的に低減することができる。
【0043】
次に、
図7乃至9に基づいて、センタフロートの各姿勢と、前記制御部による対地高さ制御について説明する。
植付高さまで下降した前記植付作業機6の対地高さが所定の作業高さよりも高い場合には、前記センタフロート27Aの前部が圃場面に十分接触しておらず、前記センタフロート27Aの前部が圃場面から適正な作業高さ以上離れた状態となるため、前記弾性部材52の弾性力によって前記センタフロート27Aが前方に向けて下方に傾斜した前下り姿勢となる(
図7参照)。
【0044】
すなわち、前記制御部による対地高さ制御は、前記植付作業機6が植付高さまで下降作動された状態で、前記高さ検出装置30(検出センサ38)によって前記センタフロート27Aの前下がり姿勢を検出した場合には、前記植付作業機6が植付作業に適した作業高さとなるように(センタフロート27Aが水平姿勢となるように)下降作動して対地高さを自動的に調整するように構成されている。
【0045】
なお、前記センタフロート27Aは、圃場面が柔らかい(軟弱な)場合、その前部が圃場面側に十分接触している状態であっても、前記弾性部材52の付勢力によって前記センタフロート27Aの前下がり姿勢が維持される。すなわち、前記制御部は、前記植付作業機の昇降位置が所定以上に下降された状態で、前記センタフロート27Aの前下がり姿勢が検出された場合には、圃場面の状態が非常に柔らかい状態であることを検知することもできる。
【0046】
植付高さまで下降した前記植付作業機6の対地高さが所定の作業高さよりも低い場合には、前記センタフロート27Aの前部が圃場面に近づきすぎて圃場面に強く接触することにより、前記センタフロート27Aの前部が前記弾性部材52の付勢力に抗して上方に揺動作動する状態となるため、前記センタフロート27Aが前方に向かって上方に傾斜した前上がり姿勢となる(
図8参照)。
【0047】
すなわち、前記制御部による対地高さ制御は、前記植付作業機6が植付高さまで下降作動された状態で、前記高さ検出装置30(検出センサ38)によって前記センタフロート27Aの前上がり姿勢を検出した場合には、前記植付作業機6が植付作業に適した作業高さとなるように(センタフロート27Aが水平姿勢となるように)上昇作動して対地高さを自動的に調整するように構成されている。
【0048】
植付高さまで下降作動した前記植付作業機6の対地高さが所定の作業高さ(から所定の閾値内)である場合には、前記センタフロート27Aが圃場面に対して略水平となる水平姿勢となる(
図9参照)。
【0049】
すなわち、前記制御部による対地高さ制御は、前記植付作業機が植付高さまで下降作動された状態で、前記高さ検出装置(検出センサ)によって前記センタフロートの水平姿勢を検出した場合には、前記植付作業機が植付作業に適した作業高さとなっているため、該作業高さを維持するように構成されている。
【符号の説明】
【0050】
3 走行機体
6 植付作業機
27A センタフロート(センサフロート)
30 高さ検出装置
36 前部支持機構(リンク機構)
38 検出センサ、ポテンショメータ(検出手段)
39 規制機構(規制部材)
52 弾性部材