(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167873
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】建設機械のアタッチメント着脱装置およびそれを備えた建設機械
(51)【国際特許分類】
E02F 3/40 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
E02F3/40 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079400
(22)【出願日】2022-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】米倉 澄
(72)【発明者】
【氏名】宮西 正美
(72)【発明者】
【氏名】槇野 裕太
(72)【発明者】
【氏名】パク ジンファン
【テーマコード(参考)】
2D012
【Fターム(参考)】
2D012HA04
(57)【要約】
【課題】建設機械のアタッチメント着脱装置において、油圧シリンダに対する動力の供給が断たれた場合であっても、アタッチメントの連結状態を保持することを可能とし、高い安全性を得る。
【解決手段】アタッチメント着脱装置30は、第1フック33を有する固定フレーム31と、第2フック34を有し固定フレーム31に回動可能に設けられた可動フレーム32と、固定フレーム31に対して可動フレーム32を回動させる第1油圧シリンダ55と、固定フレーム31に設けられた後ロック部材48と、固定フレーム31に設けられロックばねによりロック位置に付勢された後ロック部材48を非ロック位置まで回動させる第2油圧シリンダ56と、可動フレーム32に設けられロックばねによりロック位置に付勢された前ロック部材58と、可動フレーム32に設けられ前ロック部材58を非ロック位置まで回動させる第3油圧シリンダ57とを備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業用のアタッチメントを作業装置のアームに対して着脱させる建設機械のアタッチメント着脱装置であって、
第1フックを有し、前記アームに連結される第1部材と、
第2フックを有し、前記第1部材に回動支持される第2部材と、
一端が前記第1部材に設けた第1支持軸に連結され、他端が前記第2部材に設けた第2支持軸に連結され、前記第1部材に対して前記第2部材を回動させる第1油圧シリンダと、
前記第1部材に設けられ前記第1フックの上方に配置された第3支持軸に回動支持され、前記第1フックの開口部に突出するように第1付勢部材により付勢される第1抜止め部材と、
前記第1油圧シリンダの動作に連動して、前記第1付勢部材の付勢力に抗して前記第1抜止め部材を前記第1フックの開口部から退くように移動させる第2油圧シリンダと、
前記第2部材に設けられ前記第2フックの上方に配置された第4支持軸に回動支持され、前記第2フックの開口部に突出するように第2付勢部材により付勢される第2抜止め部材と、
前記第1油圧シリンダの動作に連動して、前記第2付勢部材に抗して前記第2抜止め部材を前記第2フックの開口部から退くように移動させる第3油圧シリンダと、
を備えることを特徴とする建設機械のアタッチメント着脱装置。
【請求項2】
前記第2油圧シリンダは、前記第1支持軸と前記第3支持軸との間に配置され、
前記第3油圧シリンダは、前記第2支持軸と前記第4支持軸との間に配置されている、
請求項1に記載の建設機械のアタッチメント着脱装置。
【請求項3】
前記第1支持軸と前記第2支持軸の軸心間の距離が、前記第3支持軸と前記第4支持軸の軸心間の距離よりも短い、
請求項1に記載の建設機械のアタッチメント着脱装置。
【請求項4】
前記第2油圧シリンダを支持する第5支持軸と前記第3油圧シリンダを支持する第6支持軸の軸心間の距離が、前記第3支持軸と前記第4支持軸の軸心間の距離よりも短い、
請求項2に記載の建設機械のアタッチメント着脱装置。
【請求項5】
前記第1油圧シリンダのロッドを最大伸長させたときに、前記第2フックの先端が前記第4支持軸より前方にある、
請求項1に記載の建設機械のアタッチメント着脱装置。
【請求項6】
前記第1油圧シリンダは、複動型の油圧シリンダであり、
前記第2油圧シリンダおよび前記第3油圧シリンダは、単動型の油圧シリンダであり、
前記第1部材の内部には、前記第1油圧シリンダのロッドを収縮させるための圧油をシリンダチューブの一方のシリンダ室に供給すると同時に前記第2油圧シリンダおよび前記第3油圧シリンダにそれぞれのロッドを伸長させるための圧油を供給する経路と、前記第1油圧シリンダのロッドを伸長させるための圧油をシリンダチューブの他方のシリンダ室に供給する経路とを分岐させる分岐ブロックが設けられている、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の建設機械のアタッチメント着脱装置。
【請求項7】
前記分岐ブロックは、前記第1油圧シリンダの前記シリンダチューブの上方に配置されている、
請求項6に記載の建設機械のアタッチメント着脱装置。
【請求項8】
前記第2油圧シリンダおよび前記第3油圧シリンダのそれぞれのロッドの端部が半球状の形状を有し、前記第2油圧シリンダおよび前記第3油圧シリンダの収縮時において、前記ロッドの端部がシリンダチューブの端部よりも突出している、
請求項6に記載の建設機械のアタッチメント着脱装置。
【請求項9】
請求項1に記載の建設機械のアタッチメント着脱装置と、
走行装置と、
前記走行装置の前側に設けられ、前記アタッチメント着脱装置により前記アタッチメントを着脱可能に支持する前記アームを含むフロント作業装置と、を備えた、
建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械の作業用のアタッチメントを作業装置のアームに対して連結させる建設機械のアタッチメント着脱装置およびそれを備えた建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば建設機械の一種である掘削作業機において、フロント作業装置としての掘削装置を構成するアームに対し、作業用のアタッチメントを着脱可能に設けた構成のものがある。アタッチメントとしては、掘削作業用のバケットまたは破砕作業用の破砕装置(ブレーカ)等が作業内容に応じて付け替えられる。アタッチメントは、アームの先端側に設けられたアタッチメント着脱装置を介してアームに連結され、アタッチメント着脱装置を動作させることによってアームに対して着脱される。
【0003】
アタッチメント着脱装置として、所定のフレームに設けられた固定フックおよび可動フックを備え、それぞれのフックを、アタッチメントが被係合部として有する支持ピンに係合させることでアタッチメントに連結される構成を備えたものがある。かかる構成において、可動フックを移動させるための油圧シリンダを備え、油圧シリンダの伸縮によってアタッチメントの着脱動作を行う構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、特許文献1のアタッチメント着脱装置には、アタッチメントの支持ピンがフックから抜けるのを抑制するためのロック部材が設けられており、アタッチメントの着脱時に自動的にロック部材による抜け止め機能の作用と解除が行われるよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のアタッチメント着脱装置では、固定フックと可動フックのそれぞれに設けられたロック部材が、アタッチメントの支持ピンの抜け止めをするロックオン位置と抜け止めを解除するロックオフ位置との間で移動可能であり、可動フック側のロック部材は付勢部材によってロックオン位置に向かって付勢されている。固定フック側のロック部材と可動フック側のロック部材は、可動フックを移動させるための油圧シリンダを介して互いにリンクしているため、可動フック側の付勢部材が破損した場合には、可動フック側だけでなく固定フック側でもロック部材による抜け止め機能が解除されてしまう。このとき油圧シリンダへの油圧供給が切断されると、アタッチメントが脱離する可能性があるという問題が生じる。このように、従来のアタッチメント着脱装置においては、アタッチメントの脱離を防止して安全性を高めるために改善の余地がある。
【0007】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、油圧シリンダに対する動力の供給が断たれた場合であっても、アタッチメントの連結状態を保持することができ、高い安全性を得ることができる建設機械のアタッチメント着脱装置およびそれを備えた建設機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る建設機械のアタッチメント着脱装置は、作業用のアタッチメントを作業装置のアームに対して着脱させる建設機械のアタッチメント着脱装置であって、第1フックを有し、前記アームに連結される第1部材と、第2フックを有し、前記第1部材に回動支持される第2部材と、一端が前記第1部材に設けた第1支持軸に連結され、他端が前記第2部材に設けた第2支持軸に連結され、前記第1部材に対して前記第2部材を回動させる第1油圧シリンダと、前記第1部材に設けられ前記第1フックの上方に配置された第3支持軸に回動支持され、前記第1フックの開口部に突出するように第1付勢部材により付勢される第1抜止め部材と、前記第1油圧シリンダの動作に連動して、前記第1付勢部材の付勢力に抗して前記第1抜止め部材を前記第1フックの開口部から退くように移動させる第2油圧シリンダと、前記第2部材に設けられ前記第2フックの上方に配置された第4支持軸に回動支持され、前記第2フックの開口部に突出するように第2付勢部材により付勢される第2抜止め部材と、前記第1油圧シリンダの動作に連動して、前記第2付勢部材に抗して前記第2抜止め部材を前記第2フックの開口部から退くように移動させる第3油圧シリンダと、を備えることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の他の態様に係る建設機械のアタッチメント着脱装置は、前記建設機械のアタッチメント着脱装置において、前記第2油圧シリンダは、前記第1支持軸と前記第3支持軸との間に配置され、前記第3油圧シリンダは、前記第2支持軸と前記第4支持軸との間に配置されている、ものである。
【0010】
また、本発明の他の態様に係る建設機械のアタッチメント着脱装置は、前記建設機械のアタッチメント着脱装置において、前記第1支持軸と前記第2支持軸の軸心間の距離が、前記第3支持軸と前記第4支持軸の軸心間の距離よりも短い、ものである。
【0011】
また、本発明の他の態様に係る建設機械のアタッチメント着脱装置は、前記建設機械のアタッチメント着脱装置において、前記第2油圧シリンダを支持する第5支持軸と前記第3油圧シリンダを支持する第6支持軸の軸心間の距離が、前記第3支持軸と前記第4支持軸の軸心間の距離よりも短い、ものである。
【0012】
また、本発明の他の態様に係る建設機械のアタッチメント着脱装置は、前記建設機械のアタッチメント着脱装置において、前記第1油圧シリンダのロッドを最大伸長させたときに、前記第2フックの先端が前記第4支持軸より前方にある、ものである。
【0013】
また、本発明の他の態様に係る建設機械のアタッチメント着脱装置は、前記建設機械のアタッチメント着脱装置において、前記第1油圧シリンダは、複動型の油圧シリンダであり、前記第2油圧シリンダおよび前記第3油圧シリンダは、単動型の油圧シリンダであり、前記第1部材の内部には、前記第1油圧シリンダのロッドを収縮させるための圧油をシリンダチューブの一方のシリンダ室に供給すると同時に前記第2油圧シリンダおよび前記第3油圧シリンダにそれぞれのロッドを伸長させるための圧油を供給する経路と、前記第1油圧シリンダのロッドを伸長させるための圧油をシリンダチューブの他方のシリンダ室に供給する経路とを分岐させる分岐ブロックが設けられている、ものである。
【0014】
また、本発明の他の態様に係る建設機械のアタッチメント着脱装置は、前記建設機械のアタッチメント着脱装置において、前記分岐ブロックは、前記第1油圧シリンダの前記シリンダチューブの上方に配置されている、ものである。
【0015】
また、本発明の他の態様に係る建設機械のアタッチメント着脱装置は、前記建設機械のアタッチメント着脱装置において、前記第2油圧シリンダおよび前記第3油圧シリンダのそれぞれのロッドの端部が半球状の形状を有し、前記第2油圧シリンダおよび前記第3油圧シリンダの収縮時において、前記ロッドの端部がシリンダチューブの端部よりも突出している、ものである。
【0016】
本発明に係る建設機械は、前記建設機械のアタッチメント着脱装置と、走行装置と、前記走行装置の前側に設けられ、前記アタッチメント着脱装置により前記アタッチメントを着脱可能に支持する前記アームを含むフロント作業装置と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、油圧シリンダに対する動力の供給が断たれた場合であっても、アタッチメントの連結状態を保持することができ、高い安全性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る掘削作業機の左側面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る掘削装置の一部を示す左側面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るアタッチメント着脱装置およびバケットの取外し状態を示す斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るアタッチメント着脱装置の斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るアタッチメント着脱装置の平面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るアタッチメント着脱装置の底面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るアタッチメント着脱装置の内部の構成を示す斜視図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係るアタッチメント着脱装置のロック部材を拡大して示す斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係るアタッチメント着脱装置の第2油圧シリンダおよび第3油圧シリンダの説明図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係るアタッチメント着脱装置の第2油圧シリンダおよび第3油圧シリンダの説明図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係るアタッチメント着脱装置についての油圧回路構成を示す回路図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係るアタッチメント着脱装置の動作説明図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係るアタッチメント着脱装置の動作説明図である。
【
図14】本発明の一実施形態に係るアタッチメント着脱装置の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、建設機械のフロント作業機において作業用のアタッチメントをアームに対して着脱させるためのアタッチメント着脱装置に関し、可動側のフックを動作させるための構成等を工夫することにより、安全性の向上を図ろうとするものである。以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
本実施形態では、本発明に係る建設機械として、旋回作業車である掘削作業機を例にとって説明する。ただし、本発明に係る建設機械は、掘削作業機に限らず、例えば、クレーン作業機およびホイールローダ等の他の建設機械にも広く適用可能である。
【0021】
まず、本実施形態に係る掘削作業機1の全体構成について、
図1を用いて説明する。なお、以下では、特に方向視を定めない限り、掘削作業機1の運転席に着座したオペレータの位置を基準に、「前側」、「後側」、「左右側」、「平面側」又は「上側」、「底面側」又は「下側」と称する。
【0022】
図1に示すように、掘削作業機1は、自走可能な走行車体としての走行装置2と、走行装置2に取り付けられた作業部としての掘削装置3および排土装置4とを備える。
【0023】
走行装置2は、掘削作業機1の本機をなす部分であり、左右一対のクローラ式の走行部5,5と、左右の走行部5,5間に介設された基台としての機体フレーム6と、機体フレーム6上に設けられた旋回台7とを有する。旋回台7は、平面視略円形状に構成され、機体フレーム6に設けられた旋回支持部6aにより、上下方向の軸線回りに左右いずれの方向にも旋回可能に設けられている。
【0024】
旋回台7上には、運転部8が設けられている。また、旋回台7上の後半部には、エンジン等をボンネット等により被覆した原動機部9が設けられている。
【0025】
運転部8は、走行装置2、掘削装置3、および排土装置4を運転・操作するためのものであり、旋回台7上に設けられたキャビン10内に設けられている。キャビン10は、その外形をなすフレームと、ガラス等の透明部材によって構成された複数の窓部とを有し、全体として略箱状に構成されている。
【0026】
運転部8においては、床部上に運転席支持台が設けられており、運転席支持台上に運転席8aが設けられている。運転部8には、例えば、床部から上方へ向けて延出した左右一対の走行レバー、および、床部上に配設された作業用の操作ペダル等が設けられている。また、運転部8において、運転席8aの周囲には、作業部(掘削装置3または排土装置4)を操作するための作業操作レバー、および、アタッチメント着脱装置30の作動状態を切り換えるスイッチ等の各種操作部を有する操作パネル部等が設けられている。
【0027】
旋回台7の前端の左右中央部には、掘削装置3の基端部が取り付けられている。また、機体フレーム6の前側には、排土装置4が取り付けられている。排土装置4は、左右の走行部5,5間において前後方向に伸延する支持フレーム4aと、支持フレーム4aの先端側に設けられた排土板としてのブレード4bとを有する。排土装置4は、支持フレーム4aと機体フレーム6との間に設けられたシリンダ機構によって昇降回動可能に設けられている。
【0028】
以上のような構成を備えた掘削作業機1においては、運転席8aに着座したオペレータにより走行レバーおよび/または作業操作レバー等が適宜操作されることで、所望の動作・作業が行われる。具体的には、例えば、走行レバーの操作により、走行装置2の前後直進走行または左右旋回走行が行われる。また、作業操作レバーの操作により、掘削装置3による掘削作業、あるいは排土装置4による排土作業および/または整地作業が行われる。
【0029】
図1から
図3を用いて、掘削装置3について説明する。掘削装置3は、走行装置2の前側に設けられたフロント作業装置である。旋回台7の前端の左右中央部には、支持ブラケット15が前方に向けて突設されており、支持ブラケット15に、掘削装置3の基端部が取り付けられている。掘削装置3は、その基端部を構成する部材として、ブーム支持ブラケット16を有する。掘削装置3は、ブーム支持ブラケット16を、本機側の支持ブラケット15に上下方向を回動軸方向として回動可能に支持させている。
【0030】
掘削装置3は、ブーム支持ブラケット16の右側に配置されたスイングシリンダ(図示せず)により、旋回台7に対して左右にスイングするように設けられている。スイングシリンダは、ブーム支持ブラケット16と旋回台7との間に設けられている。
【0031】
掘削装置3は、その基部側の部分を構成するブーム17と、ブーム17の先端側に連結されたアーム18と、アーム18の先端部に取り付けられたバケット20とを有する。掘削装置3は、ブーム17を回動動作させるブームシリンダ21と、アーム18を回動動作させるアームシリンダ22と、バケット20を回動動作させる作業具シリンダ23とを有する。
【0032】
ブーム17は、側面視でブーメラン状に屈曲した形状を有する。ブーム17の基端部が、ブーム支持ブラケット16に対して、左右方向を回動軸方向として回動可能に支持されている。ブームシリンダ21は、起立状態にあるブーム17の前側に配置され、ブーム支持ブラケット16と、ブーム17の屈曲部の内側に突設されたブラケット17aとの間に架設されている。ブームシリンダ21が伸縮することにより、ブーム17がブーム支持ブラケット16に対して回動動作する。
【0033】
ブーム17の先端部に、アーム18の基端部が、左右方向を回動軸方向として回動可能に連結されている。アームシリンダ22は、起立状態にあるブーム17の上側(背側)に配置され、ブーム17の屈曲部の外側に突設されたブラケット17bと、アーム18の後端部に突設された後ブラケット18aの後側の端部との間に架設されている。アームシリンダ22が伸縮することにより、アーム18がブーム17に対して回動動作する。
【0034】
バケット20は、アーム18の先端部に対して、アタッチメント着脱装置30を介して連結されている。つまり、アタッチメント着脱装置30は、アーム18の先端部に連結されるとともに、バケット20に対して着脱可能に連結されている。
【0035】
作業具シリンダ23は、ブーム17の上端から垂下した状態にあるアーム18の前側(背側)に配置されている。作業具シリンダ23は、シリンダ23aと、一端側にピストンを有しシリンダ23a内にピストンを介して摺動可能に設けられたシリンダロッド23bとを有する。作業具シリンダ23は、一側の端部であるボトム側(シリンダ23a側)の端部を、前ブラケット18bに左右方向を回動軸方向として回動可能に支持させている。前ブラケット18bは、アーム18の後端部において後ブラケット18aの前側に突設されている。
【0036】
一方、作業具シリンダ23の他側の端部であるロッド側(シリンダロッド23b側)の端部は、第1リンク26を介して、アタッチメント着脱装置30に連結されている。また、作業具シリンダ23のロッド側の端部は、第2リンク27を介して、アーム18の先端部近傍の部位に対して支持されている。
【0037】
第2リンク27は、左右一対のリンクアーム27aと、一対のリンクアーム27aの一端部間に架設された基部側支持軸27bと、一対のリンクアーム27aの他端部間に架設された先端側支持軸27cとを有する。第2リンク27は、基部側支持軸27bにより、アーム18に対して回動可能に支持されている。
【0038】
リンクアーム27aは、左右方向を板厚方向とするアーム状(長手状)の板状部材により構成されている。一対のリンクアーム27aは、一端側を、アーム18の左右の側面部18cの左右外側に位置させ、アーム18の先端部近傍を左右方向に貫通する基部側支持軸27bにより、アーム18に対して回動可能に支持されている。
【0039】
先端側支持軸27cには、作業具シリンダ23のシリンダロッド23bの先端部が回動可能に支持されている。シリンダロッド23bの先端部には、先端側支持軸27cを貫通させるボス部23cが設けられている。また、先端側支持軸27cには、第1リンク26の一端側(後端側)が回動可能に支持されている。第1リンク26の一端部は左右に分岐しており、左右それぞれの端部に、先端側支持軸27cを貫通させるボス部26aが設けられている。先端側支持軸27c上においては、第1リンク26の左右のボス部26aの間に、シリンダロッド23bのボス部23cが位置している。
【0040】
第1リンク26の他端側(前端側)は、アタッチメント着脱装置30の所定の部位に左右方向を軸方向として設けられたリンク支持軸28により、アタッチメント着脱装置30に対して回動可能に連結されている。アーム18の先端部は、アタッチメント着脱装置30におけるリンク支持軸28の配設部位とは異なる部位に左右方向を軸方向として設けられたアーム支持軸29により、アタッチメント着脱装置30に対して回動可能に連結されている。
【0041】
このような構成において、作業具シリンダ23の伸縮動作により、第1リンク26および第2リンク27の回動動作をともなって、アタッチメント着脱装置30が、アーム支持軸29を回動軸として回動する。これにともない、バケット20がアタッチメント着脱装置30と一体的に回動する。
【0042】
以上のような構成を備えた掘削装置3において、バケット20は、作業用のアタッチメントとしてアーム18に対してアタッチメント着脱装置30により着脱可能に装着されている。そして、掘削作業機1による作業内容に応じて、作業用のアタッチメントとして、バケット20に替えてグラップルまたはブレーカ等の他の装置が装着される。このように、掘削装置3は、アタッチメント着脱装置30により作業用のアタッチメントを着脱可能に支持するアーム18を含み、アーム18は、その先端部に設けられたアタッチメント着脱装置30を介して、作業内容に応じたアタッチメントの装着を受ける。
【0043】
アタッチメント着脱装置30とバケット20の連結について説明する。アタッチメント着脱装置30は、掘削作業機1のバケット20を掘削装置3のアーム18に対して着脱させる装置である。
【0044】
アタッチメント着脱装置30は、
図3に示すように、第1フック33および第2フック34を、それぞれバケット20が有する後支持ピン35および前支持ピン36に係合させることで、バケット20に連結される。
【0045】
前支持ピン36および後支持ピン35は、左右方向を軸方向とする直線棒状の部材であり、それぞれバケット20の背面部20aに左右方向に所定の間隔を隔てて突設された左右一対の支持リブ部37間に架設されている。支持リブ部37は、左右方向を板厚方向とする板状の突片部分である。
【0046】
左右の支持リブ部37は、前支持ピン36および後支持ピン35を所定の間隔をあけた位置に支持している。左右の支持リブ部37は、前支持ピン36および後支持ピン35の両端部を貫通させ、これらの支持ピンを固定状態で支持している。左右の支持リブ部37は、バケット20の背面部20aの基部側(
図3において上側)の部分に設けられている。なお、バケット20の背面部20aの先端部には、左右方向に所定の間隔を隔てて複数の爪部20bが設けられている(
図2参照)。
【0047】
アタッチメント着脱装置30の構成について、
図4から
図13を参照して説明する。アタッチメント着脱装置30は、下方に第1フック33を有する第1部材としての固定フレーム31と、下方に第2フック34を有する第2部材としての可動フレーム32とを備える。アタッチメント着脱装置30は、全体として略左右対称に構成されている。
【0048】
固定フレーム31は、アタッチメント着脱装置30において、掘削装置3のアーム18に連結される部分である。固定フレーム31は、アーム支持軸29により、アーム18に対して回動可能に支持されている。
【0049】
アーム支持軸29は、アーム18の先端部において、アーム18を左右方向に貫通した状態で回動可能に支持されている。
【0050】
固定フレーム31は、左右一対の壁部として側壁フレーム部41と、後壁部44を有する。左右の側壁フレーム部41は、それぞれ左右方向を板厚方向とする板状の部分であり、側面視において、上辺部を凹状とした略逆台形状の外形を有するとともに後側から前側に向けて先細りの形状を有する。後壁部44は、側壁フレーム部41の後端であって左右の側壁フレーム部41間に架設されている。後壁部44の上下方向の長さは、側壁フレーム部41の上下方向の長さより短く、左右の側壁フレーム部41の後端と後壁部44の上端とにより後方側開口が形成されている。左右の側壁フレーム部41の後方には、アタッチメント着脱装置30内への土砂等の流入を防止するためのカバー板51が後方側開口を覆うように設けられている。
【0051】
側壁フレーム部41の後上部には、アーム18の先端部において左右の両側に突出したアーム支持軸29の端部の挿入を受けてこれを支持する孔部が形成されている。側壁フレーム部41は、アーム支持軸29に相対回転不能に連結されており、アーム18に対して、アーム支持軸29と一体的に回動する。アーム支持軸29の挿入を受ける孔部に対して右側の側壁フレーム部41の外側に円筒状のボス部41aが設けられている。固定フレーム31とアーム支持軸29は、ボス部41aおよびアーム支持軸29を径方向に貫通する連結ボルト42およびナット42a等により連結されている。
【0052】
側壁フレーム部41の前上部には、リンク支持軸28の左右の端部の挿入を受けてこれを支持する孔部が形成されている。左右の側壁フレーム部41は、リンク支持軸28に相対回転不能に連結されており、第1リンク26に対して、リンク支持軸28と一体的に回動する。リンク支持軸28の挿入を受ける孔部に対しては、右側の側壁フレーム部41の外側に円筒状のボス部41bが設けられている。側壁フレーム部41とリンク支持軸28は、ボス部41bおよびリンク支持軸28を径方向に貫通する連結ボルト43およびナット43a等により連結されている。
【0053】
側壁フレーム部41の下方には、第1フック33が設けられている。第1フック33は、側壁フレーム部41の左右内側において、左右方向について所定の厚さを有する部分として設けられている。第1フック33は、側面視でフック形状をなすように湾曲状に延出した係止部46を有する。
【0054】
係止部46においては、側面視で後側を開放側とした凹形状をなす係合面46aが形成されている。係止部46において、係合面46aは、バケット20の後支持ピン35の接触を受ける部分となる。
【0055】
第1フック33の係止部46の上方には、係合面46aに対面するように後述する後ロック部材48が設けられている。後ロック部材48は、係止部46の開口部46bに対して進退可能に構成されている。
【0056】
側壁フレーム部41のアーム支持軸29の挿入を受ける孔部と第1フック33との間には、後述するボトム側支持軸81の左右の端部の挿入を受けてこれを支持する孔部が設けられている。ボトム側支持軸81の挿入を受ける孔部に対しては、左右の側壁フレーム部41の内側に円筒状のボス部41cが設けられている。側壁フレーム部41とボトム側支持軸81は、ボス部41cを貫通し、ボトム側支持軸81の周面に設けられたネジ穴81b(
図7参照)に螺合する止めネジ81aによって連結されている。
【0057】
第1フック33は、鋳造等により、左右の側壁フレーム部41、後壁部44およびボス部41cと一体に設けられている。
【0058】
可動フレーム32は、固定フレーム31に回動可能に設けられ、下方にバケット20が有する前支持ピン36に係合する第2フック34を有する。可動フレーム32は、左右一対の壁部として取付フレーム部45と、前壁部47を有する。また、第2フック34は、左右の取付フレーム部45間に架設されている。
【0059】
取付フレーム部45は、固定フレーム31に対して可動フレーム32を回動可能に取り付ける部分である。左右の取付フレーム部45のそれぞれは、左右方向を板厚方向とする板状の壁部分であり、側面視において、略三角形状の外形を有するとともに下側から上側にかけて先細りの形状を有する。取付フレーム部45は左右一対の板状の壁部によるフレーム体を構成する。
【0060】
取付フレーム部45の上部には、リンク支持軸28を挿通可能な孔部が設けられている。取付フレーム部45は、側壁フレーム部41の左右内側に位置しており、側面視において、円周形状に沿う上端部を、側壁フレーム部41の前側の孔部の形成部位に重ねている。
【0061】
図3に示すように、リンク支持軸28は、一端が第2リンク27に接続された第1リンク26の他端部に設けられたボス部26bを左右方向に貫通し、かつ、その左右の端部は側壁フレーム部41の上前側の孔部と取付フレーム部45の上側の孔部とに挿入されている。このように側壁フレーム部41に固定されるリンク支持軸28に取付フレーム部45を回動可能に連結することにより、可動フレーム32が固定フレーム31に対して回動可能に設けられる。
【0062】
第2フック34は、取付フレーム部45の左右内側において、左右方向について所定の厚さを有する部分として設けられている。第2フック34は、第1フック33と同様に側面視でフック形状をなすように湾曲状に延出した係止部49を有する。
【0063】
係止部49においては、側面視で前側を開放側とした凹形状をなす係合面49aが形成されている。係止部49において、係合面49aは、バケット20の前支持ピン36の接触を受ける部分となる。
【0064】
第2フック34の係止部49の上方には、係合面49aに対面するように後述する前ロック部材58が設けられている。前ロック部材58は、前方向きに開放された第2フック34の開口部49bに対して進退可能に構成されている。
【0065】
第2フック34は、鋳造等により、左右の取付フレーム部45および前壁部47と一体に設けられている。
【0066】
取付フレーム部45の上側の孔部と第2フック34との間には、後述するロッド側支持軸82の左右の端部の挿入を受けてこれを支持する孔部が設けられている。ロッド側支持軸82の挿入を受ける孔部に対して、左右の取付フレーム部45の内側に円筒状のボス部45aが設けられている(
図5参照)。取付フレーム部45とロッド側支持軸82は、ボス部45aを貫通し、ロッド側支持軸82の周面に設けられたネジ穴82b(
図7参照)に螺合する止めネジ82aによって連結されている。
【0067】
アタッチメント着脱装置30は、固定フレーム31に対して可動フレーム32を回動させる第1油圧シリンダ55を備える。第1油圧シリンダ55は、伸縮動作することで可動フレーム32をリンク支持軸28の軸回りに前後に回動させる。
【0068】
第1油圧シリンダ55は、アタッチメント着脱装置30において、左右方向の中央部に、平面視で伸縮方向を前後方向とする向きで設けられている。第1油圧シリンダ55は、シリンダチューブ61と、シリンダチューブ61に対して摺動可能に設けられたピストンロッド62とを有し、シリンダチューブ61に対するピストンロッド62の摺動動作によって伸縮する。シリンダチューブ61内に位置するピストンロッド62の一端側には、シリンダチューブ61内を摺動するピストン63が設けられている(
図11参照)。
【0069】
図11に示すように、第1油圧シリンダ55は複動式の油圧シリンダであり、シリンダチューブ61の内部空間は、ピストン63により、シリンダチューブ61側(ボトム側)の空間であるボトム側室61aと、ピストンロッド62側(ロッド側)の空間であるロッド側室61bとに区画されている。第1油圧シリンダ55は、ボトム側室61aおよびロッド側室61bのそれぞれに対する圧油の給排によりシリンダチューブ61に対してピストンロッド62を移動させることで伸縮する。
【0070】
第1油圧シリンダ55の支持構成について説明する。第1油圧シリンダ55は、固定フレーム31の左右の側壁フレーム部41の間、および、可動フレーム32の左右の取付フレーム部45の間に設けられている。第1油圧シリンダ55は、ピストンロッド62側を前側に向けた状態で設けられており、ピストンロッド62側を、可動フレーム32に支持させるとともに、シリンダチューブ61側を、固定フレーム31に支持させている。つまり、第1油圧シリンダ55により、可動フレーム32と固定フレーム31とが互いに連結されている。
【0071】
第1油圧シリンダ55の後側は、第1支持軸であるボトム側支持軸81に対して回動可能に支持されている。ボトム側支持軸81は左右方向を軸方向として左右の側壁フレーム部41間に架設されている。シリンダチューブ61の後端部には、ボトム側支持軸81を貫通させる孔部を有する略円筒状のボス部61dが設けられている。ボス部61dは、ボトム側支持軸81の軸方向の中央部に位置し、ボトム側支持軸81に対して相対回動可能に支持されている。ボトム側支持軸81の左右の端部は、固定フレーム31の左右の側壁フレーム部41のそれぞれに設けられた孔部に挿嵌された状態で支持されている。
【0072】
なお、第1油圧シリンダ55の上側には、分岐ブロック61cが設けられている(
図6及び
図8参照)。さらに、
図4に示すように、分岐ブロック61cの上方はカバー板52で覆われている。
図5の平面図においては、便宜上、前支持ピン36、後支持ピン35およびカバー板52を一点鎖線で示している。
【0073】
ボトム側支持軸81は、ボス部41cを貫通してボトム側支持軸81の径方向に沿って螺挿される止めネジ81a等によって側壁フレーム部41に設けた孔部に固定されることで、固定フレーム31に対して相対回転不能に支持されている。一方で、シリンダチューブ61はボトム側支持軸81に対し、相対回転可能に支持されている。
【0074】
第1油圧シリンダ55の前側は、第2支持軸であるロッド側支持軸82に対して回動可能に支持されている。ロッド側支持軸82は、左右方向を軸方向として左右の取付フレーム部45間に架設されている。すなわち、ロッド側支持軸82は、ボトム側支持軸81に対して平行に設けられている。ピストンロッド62の先端部には、ロッド側支持軸82を貫通させる孔部を有する略円筒状のボス部62aが設けられている。ボス部62aは、ロッド側支持軸82の軸方向の中央部に位置し、ロッド側支持軸82に対して相対回動可能に支持されている。ロッド側支持軸82の左右の端部は、可動フレーム32の左右の取付フレーム部45のそれぞれに設けられた孔部に挿嵌された状態で支持されている。
【0075】
ロッド側支持軸82は、ボス部45aを貫通してロッド側支持軸82の径方向に沿って螺挿される止めネジ82a等によって取付フレーム部45に設けた孔部に固定される。これにより、ロッド側支持軸82が可動フレーム32に対して相対回転不能に支持される。ピストンロッド62は、ボス部62aの孔部に挿通されたロッド側支持軸82に対し相対回転可能に支持されている。
【0076】
以上のような第1油圧シリンダ55の支持構成によれば、第1油圧シリンダ55が伸縮することで、ボトム側支持軸81による第1油圧シリンダ55の回動をともない、シリンダチューブ61に対して移動するピストンロッド62と一体的に、ロッド側支持軸82が移動する。これにより、可動フレーム32が、固定フレーム31に対してリンク支持軸28の軸回りに回動する(
図13参照)。
【0077】
後ロック部材48および前ロック部材58を回動させる構成について説明する。
【0078】
アタッチメント着脱装置30は、固定フレーム31において、第1抜止め部材としての後ロック部材48と、第2油圧シリンダ56と、第1付勢部材としてのロックばね83aを備える。また、アタッチメント着脱装置30は、可動フレーム32において、第2抜止め部材としての前ロック部材58と、第3油圧シリンダ57と、第2付勢部材としてのロックばね83bとを備える。固定フレーム31側の後ロック部材48、第2油圧シリンダ56、ロックばね83a、および、可動フレーム側の前ロック部材58、第3油圧シリンダ57およびロックばね83bとは、アタッチメント着脱装置30の前後方向において略鏡像対称に配置されている。
【0079】
後ロック部材48と前ロック部材58を構成する部材は、同一形状の部材である。第2油圧シリンダ56と第3油圧シリンダ57は、同一仕様の単動シリンダである。また、ロックばね83aとロックばね83bは同一仕様のねじりコイルばねである。以下、各部材の詳細を説明するが、共通の部材については同一の符号を付して説明する。また、ロックばね83aとロックばね83bの別を定めない限り、ロックばね83として説明する。
【0080】
後ロック部材48は、固定フレーム31に回動可能に設けられ、第1フック33の係合を受けた後支持ピン35の第1フック33からの離脱を規制する部材である。後ロック部材48は、固定フレーム31において左右の側壁フレーム部41間に左右方向を軸方向として架設された第3支持軸としての後支持軸91により、固定フレーム31に対して回動可能に支持されている。
【0081】
後支持軸91は、第1フック33の上方に配置されている。後支持軸91は、両端部を左右の側壁フレーム部41の所定の位置に支持されることにより、ボトム側支持軸81と平行に設けられている。このため、左右の側壁フレーム部41には、後支持軸91の両端部を支持する孔部が形成されている。
【0082】
前ロック部材58は、可動フレーム32において、第2フック34の係合を受けた前支持ピン36の第2フック34からの離脱を規制する部材である。前ロック部材58は、可動フレーム32において左右の取付フレーム部45間に左右方向を軸方向として架設された第4支持軸としての前支持軸92により、固定フレーム31に対して回動可能に支持されている。
【0083】
前支持軸92は、第2フック34の上方に配置されている。前支持軸92は、両端部を左右の取付フレーム部45の所定の位置に支持されることにより、ロッド側支持軸82と平行に設けられている。このため、左右の取付フレーム部45には、前支持軸92の両端部を支持する孔部が形成されている。
【0084】
後ロック部材48および前ロック部材58はそれぞれ、左右方向について所定の寸法を有する部分であるロック爪部93と、後支持軸91または前支持軸92に支持される部分である左右の支持部94を有する。ロック爪部93は、側面視において先端先細りの形状を有する。左右の支持部94の一方(右側)には、支持軸の軸方向に沿って、後述する第2油圧シリンダ56または第3油圧シリンダ57のピストンロッド77の押圧を受ける当接部87が設けられている。左右の支持部94の間は、支持部94を側壁としロック爪部93の基端を底面とする凹部95となっている。
【0085】
ロックばね83は、左右の支持部94の間の凹部95に配置されている。ロックばね83は、コイル状の部分の両端側に延出部84,85を有する。ロックばね83は、延出部84,85同士を離間させる方向の付勢力により、ロック爪部93を下側に押し下げる力を作用させる。ロックばね83は、コイル状の部分を左右の支持部94間に位置する後支持軸91または前支持軸92を貫通させた状態で設けられている。
【0086】
当接部87は、ロックばね83の付勢力に抗して後ロック部材48あるいは前ロック部材を回動させる外力を受ける部分である。当接部87は、ロック爪部93が伸びる方向と略90度の角度をなして左右の支持部94の一方に突設されている。
【0087】
後ロック部材48は、各支持部94において、後支持軸91を貫通させる孔部を有する。各支持部94は、後支持軸91に溶接等により固定され、後ロック部材48が、後支持軸91に対して回動する一体的な回動体として構成されている。
【0088】
後ロック部材48の後支持軸91回りの回動動作について、側面視でロック爪部93を側壁フレーム部41の下側から第1フック33の開口部46bに突出させた回動位置を、第1フック33に係合した後支持ピン35の第1フック33からの離脱を規制するロック位置とする(
図13参照)。すなわち、後ロック部材48は、図等に示すように側面視において固定フレーム31の外形の範囲内に隠れた非ロック位置から、ロック位置までの範囲で回動動作する。後ロック部材48は、
図13に示す左側面視で左回り(反時計方向)に回動することで、非ロック位置からロック位置となる。
【0089】
ロックばね83aは、後ロック部材48における左右の支持部94の間の凹部95に配置されている。ロックばね83aは、後ロック部材48を、第1フック33からの後支持ピン35の離脱を規制する位置(ロック位置)となる回動方向に付勢する付勢部材である。つまり、ロックばね83aは、後ロック部材48の後支持軸91回りの回動動作について、後ロック部材48を、非ロック位置からロック位置となる回動方向に付勢している。言い換えると、ロックばね83aは、後ロック部材48を左側面視で左回りの回動方向に付勢している。
【0090】
ロックばね83aは、コイル状の部分の左右外側に位置する一方の延出部84を、固定フレーム31の後壁部44に係止させ、コイル状の部分の左右内側に位置する他方の延出部85を、ロック爪部93に係止させている。すなわち、後ロック部材48が、ロックばね83aにより第1フック33に対して後支持軸91の軸回りに非ロック位置からロック位置となる回動方向に付勢される。
【0091】
後ロック部材48の当接部87が第2油圧シリンダ56のピストンロッド77の押圧を受けて回動すると、後ロック部材48がロック位置となる向きと反対方向に回動する。
【0092】
第2油圧シリンダ56は、固定フレーム31に設けられるとともに、伸縮動作することで、当接部87を介して後ロック部材48を後支持軸91の軸回りに回動させる。
【0093】
前ロック部材58は、前支持軸92と一体回動可能に設けられ、後ロック部材48と同様に、左右方向について所定の寸法を有する部分であるロック爪部93と、前支持軸92に支持される部分である左右の支持部94を有し、左右の支持部94間には、ロックばね83bを配置する凹部95が設けられている。また、左右の支持部94の一方(左側)には、前支持軸92の軸方向に沿って、後述する第3油圧シリンダ57のピストンロッド77の押圧を受ける当接部87が設けられている。
【0094】
ロックばね83bは、コイル状の部分の左右外側に位置する一方の延出部84を、可動フレーム32の前壁部47に係止させ、コイル状の部分の左右内側に位置する他方の延出部85を、ロック爪部93に係止させている。すなわち、前ロック部材58が、ロックばね83bにより第2フック34に対して前支持軸92の軸回りに非ロック位置からロック位置となる回動方向に付勢される。言い換えると、ロックばね83bは、前ロック部材58を左側面視で右回りの回動方向に付勢している。
【0095】
前ロック部材58の前支持軸92回りの回動動作について、側面視でロック爪部93を取付フレーム部45の下側から第2フック34の開口部49bに突出させた回動位置を、第2フック34に係合した前支持ピン36の第2フック34からの離脱を規制するロック位置とする(
図13参照)。すなわち、前ロック部材58は、
図12および
図13に示すように側面視において可動フレーム32の外形の範囲内に隠れた非ロック位置から、ロック位置までの範囲で回動動作する。前ロック部材58は、左側面視で左回り(反時計方向)に回動することで、非ロック位置からロック位置となる。
【0096】
第3油圧シリンダ57は、可動フレーム32に設けられるとともに、伸縮動作することで、当接部87を介して前ロック部材58を前支持軸92の軸回りに回動させる。
【0097】
第2油圧シリンダ56および第3油圧シリンダ57は、
図7および
図12等に示すように、第1油圧シリンダ55に比して小さい油圧シリンダであり、平面視で伸縮方向を前後方向とする向きで設けられている。第2油圧シリンダ56および第3油圧シリンダ57は、シリンダチューブ76と、シリンダチューブ76に対して摺動可能に設けられたピストンロッド77とを有し、シリンダチューブ76に対するピストンロッド77の摺動動作によって伸縮する。ピストンロッド77には、一端側にシリンダチューブ76内を摺動するピストン78が接続され、他端側が後ロック部材48および前ロック部材58のそれぞれの当接部87に当接する当接端77aとなっている。
【0098】
図11に示すように、シリンダチューブ76の内部空間には、ピストン78により、シリンダチューブ76のボトム側の空間であるボトム側室76aが形成されている。
図9および
図10に示すように、シリンダチューブ76のロッド側の端部は、シリンダチューブ76内にピストンロッド77を移動可能に収容するとともにピストンロッド77のピストン78が接続された側とは逆側の端部側をシリンダチューブ76から突出させるために開口されている。シリンダチューブ76から突出するピストンロッド77の端部は、半球状の形状を有し、後ロック部材48および前ロック部材58のそれぞれの当接部87に当接する当接端77aとなっている。ボトム側室76aに対する圧油の給排により、ピストンロッド77は、
図9Aの斜視図および
図9Bの断面図に示す収縮状態から、
図10Aの斜視図および
図10Bの断面図に示す伸長状態との間で移動する。ピストンロッド77が収縮した状態では、半球状の当接端77aはシリンダチューブ76のロッド側の端部から外側に突出している。このため、例えばバケット20を動作させて掘削作業を行うときに、シリンダチューブ76の内側とピストンロッド77の摺動面との間に土砂等が入り込むことを防止することができる。また、本実施形態では、シリンダチューブ76のロッド側の端部にシール部材79を設けることで、土砂等の異物がシリンダチューブ76内に侵入することをより防止している。
【0099】
第2油圧シリンダ56と第3油圧シリンダ57に対しては、ロッド側油圧配管66から分岐した分岐配管80a、80bの一端側が、ボトム側室76aに連通するように接続されている。シリンダチューブ76には、分岐配管80aの接続を受ける接続ポート76cが突設されている。分岐配管80a、80bは、ホース等により構成されいる。分岐配管80の他端側は、ロッド側油圧配管66に連通接続されている。
【0100】
ロッド側油圧配管66からの分岐配管80a、80bへの分岐は、分岐ブロック61cにより実現されている。分岐ブロック61cは、
図11に示すチェック弁65aとともに第1油圧シリンダ55のシリンダチューブ61の上側に配置され、ボトム側油圧配管65およびロッド側油圧配管66の接続を受ける部材である。分岐ブロック61cには、第2油圧シリンダ56および第3油圧シリンダ57に圧油を供給する分岐配管80a、80bが接続されている。分岐ブロック61cは、ロッド側油圧配管66を流れる圧油を分岐配管80a、80bに分岐させている。すなわち、分岐ブロック61cは、第1油圧シリンダ55のピストンロッド62を収縮させるための圧油をシリンダチューブ61の一方のシリンダ室(ロッド側室61b)に供給すると同時に第2油圧シリンダ56および第3油圧シリンダ57にそれぞれのピストンロッド77を伸長させるための圧油を供給する経路と、第1油圧シリンダ55のピストンロッド62を伸長させるための圧油をシリンダチューブ61の他方のシリンダ室(ボトム側室61a)に供給する経路とを分岐させている。
【0101】
また、第2油圧シリンダ56および第3油圧シリンダ57は、分岐配管80によりボトム側室76aに供給される油圧が所定値を上回ると、ピストンロッド77をシリンダチューブ76からさらに突出させて伸長する。一方で、ピストンロッド77の戻りは、荷重戻し型であってもよく、スプリング戻し型であってもよい。例えば、荷重戻し型の場合、ボトム側室76a内の油圧が所定値以下になると、ロックばね83の付勢力により後ロック部材48および前ロック部材58を回動させ、当接部87が回動しピストンロッド77の当接端77aを押圧する外力によりピストンロッド77を収縮させる方向に移動させる。また、スプリング戻し型の場合、シリンダチューブ76のピストン78の背面側にコイルばねを設け、ボトム側室76a内の油圧が所定値以下になると、コイルばねの弾性力によりピストン78を介してピストンロッド77を収縮させる方向に移動させる。
【0102】
アタッチメント着脱装置30における第1油圧シリンダ55、第2油圧シリンダ56および第3油圧シリンダ57の位置関係について説明する。
【0103】
アタッチメント着脱装置30において、第1油圧シリンダ55は、左右の側壁フレーム部41間及び左右の取付フレーム部45間に設けられている。本実施形態では、第1油圧シリンダ55は、左右方向について、左右の側壁フレーム部41の中央部に配置されている。
【0104】
このような構成において、第2油圧シリンダ56は、第1油圧シリンダ55の下側であって、左右の側壁フレーム部41のうち一方の側壁フレーム部41側に第5支持軸としての第2油圧シリンダ支持軸98を介して配置されている。第2油圧シリンダ支持軸98は、上下方向において、第1支持軸であるボトム側支持軸81と第3支持軸である後支持軸91との間に位置し、ボトム側支持軸81および後支持軸91に対して平行に設けられている。本実施形態では、第2油圧シリンダ56は、左右方向について、左右一対の側壁フレーム部41のうちの左側の側壁フレーム部41と、第1油圧シリンダ55との間に配置されている。
【0105】
また、第3油圧シリンダ57は、第1油圧シリンダ55の下側であって、左右の取付フレーム部45のうち一方の取付フレーム部45側に第6支持軸としての第3油圧シリンダ支持軸99を介して配置されている。第3油圧シリンダ支持軸99は、上下方向において、第2支持軸であるロッド側支持軸82と第4支持軸である前支持軸92との間に位置し、ロッド側支持軸82および前支持軸92に対して平行に設けられている。本実施形態では、第3油圧シリンダ57は、左右方向について、左右一対の取付フレーム部45のうちの左側の側壁フレーム部41と、第1油圧シリンダ55との間に配置されている。
【0106】
第1油圧シリンダ55、第2油圧シリンダ56および第3油圧シリンダ57を動作させる油圧回路について、さらに説明する。
【0107】
図11に示すように、第1油圧シリンダ55に対しては、ホース等により構成されたボトム側油圧配管65の一端側が、ボトム側室61aに連通するように接続されている。ボトム側油圧配管65の他端側は、流路を切り換えるための電磁切換弁67のボトム側シリンダポート(A)に接続されている。ボトム側油圧配管65には、チェック弁65aが設けられている。
【0108】
また、第1油圧シリンダ55に対しては、ホース等により構成されたロッド側油圧配管66の一端側が、ロッド側室61bに連通するように接続されている。ロッド側油圧配管66の他端側は、電磁切換弁67のロッド側シリンダポート(B)に接続されている。
【0109】
電磁切換弁67の供給ポート(P)には、供給用配管68の一端側が接続されている。供給用配管68の他端側は、走行装置2側に設けられた油タンク69に臨んで開口している。供給用配管68には、油圧ポンプ64が設けられており、油圧ポンプ64の動作により、油タンク69内の作動油が電磁切換弁67を介して第1油圧シリンダ55に供給される。また、電磁切換弁67の排出ポート(T)には、油タンク69への戻り配管である排出用配管70の一端側が接続されている。排出用配管70の他端側は、油タンク69に臨んで開口している。また、供給用配管68と排出用配管70の間には、油圧ポンプ64から送り出された作動油の圧力を制御するリリーフ弁71が介装されている。
【0110】
アタッチメント着脱装置30によるバケット20の着脱動作について、
図12および
図13を用いて説明する。なお、これらの図においては、便宜上、アタッチメント着脱装置30の一部の構成の図示を省略している。また、これらの図においては、アタッチメント着脱装置30の外観形状を一点鎖線で示し、バケット20の後支持ピン35および前支持ピン36を二点鎖線で示している。
【0111】
以下の説明において、掘削装置3においてバケット20を連結支持した状態であって、アタッチメント着脱装置30がバケット20に対して係合した状態を、「係合状態」とする。係合状態のアタッチメント着脱装置30において、第1油圧シリンダ55は伸長した状態であり、可動フレーム32の第2フック34は固定フレーム31の第1フック33に対して最も離れた状態となる。このとき、
図13に示すように、ボトム側支持軸81およびロッド側支持軸82の軸心間距離L1は、後支持軸91および前支持軸92の軸心間距離M1より短い。また、第2油圧シリンダ支持軸98および第3油圧シリンダ支持軸99の軸心間距離N1は、後支持軸91および前支持軸92の軸心間距離M1より短い。
【0112】
また、掘削装置3においてバケット20を装着する前あるいは取り外し後の状態であって、アタッチメント着脱装置30がバケット20に対する係合を解除した状態を、「非係合状態」とする。非係合状態のアタッチメント着脱装置30において、第1油圧シリンダ55は短縮した状態であり、可動フレーム32の第2フック34は固定フレーム31の第1フック33に対して最も近づいた状態となる。このとき、
図12に示すように、ボトム側支持軸81およびロッド側支持軸82の軸心間距離L2は、後支持軸91および前支持軸92の軸心間距離M2より短い。また、第2油圧シリンダ支持軸98および第3油圧シリンダ支持軸99の軸心間距離N2は、後支持軸91および前支持軸92の軸心間距離M1より短い。
【0113】
すなわち、アタッチメント着脱装置30は、第1フック33および第2フック34をそれぞれバケット20の後支持ピン35および前支持ピン36に係合させた状態を係合状態とし、第1フック33および第2フック34それぞれの支持ピンに対する係合を解除した状態(係合していない状態)を非係合状態とする。係合状態、非係合状態のいずれにおいても、アタッチメント着脱装置30の前後方向において、後支持軸91および前支持軸92の軸心間距離>ボトム側支持軸81およびロッド側支持軸82の軸心間距離>第2油圧シリンダ支持軸98および第3油圧シリンダ支持軸99の軸心間距離、の大小関係が成立する。なお、後支持軸91および前支持軸92の軸心間距離に対する第2油圧シリンダ支持軸98および第3油圧シリンダ支持軸99の軸心間距離の大小は、第1油圧シリンダ55のサイズおよび/または第2油圧シリンダ56および第3油圧シリンダ57のどこに支持軸(98,99)を設けるかにより、変更されてもよい。
【0114】
アタッチメント着脱装置30によるバケット20の着脱作業は、前支持ピン36および後支持ピン35側を上側として地面等に載置された状態のバケット20に対して、キャビン10内に設けられた操作部等の操作により掘削装置3のブーム17およびアーム18を動作させ、アタッチメント着脱装置30を移動させることにより行われる。
【0115】
すなわち、アタッチメント着脱装置30にバケット20を取り付ける際は、地面等に載置された状態のバケット20に対して、キャビン10内に設けられた操作部等の操作によって非係合状態のアタッチメント着脱装置30を近付け、所定の手順でアタッチメント着脱装置30をバケット20に係合させながらアタッチメント着脱装置30を係合状態とすることで、アタッチメント着脱装置30にバケット20が取り付けられる。
【0116】
一方、アタッチメント着脱装置30からバケット20を取り外す際は、キャビン10内に設けられた操作部等の操作によってバケット20を地面等に載置し、所定の手順でバケット20に対するアタッチメント着脱装置30の係合を解除させながらアタッチメント着脱装置30を非係合状態とし、キャビン10内に設けられた操作部等の操作によってバケット20からアタッチメント着脱装置30を離すことで、アタッチメント着脱装置30からバケット20が取り外される。
【0117】
アタッチメント着脱装置30にバケット20を取り付けるとき(バケット装着時)のアタッチメント着脱装置30の動作について説明する。なお、アタッチメント着脱装置30の非係合状態において、アタッチメント着脱装置30に油圧が供給されていない場合には、第1油圧シリンダ55、第2油圧シリンダ56および第3油圧シリンダ57は収縮した状態である。すなわち、第1フック33側の後ロック部材48および第2フック34側の前ロック部材58は、ロック爪部93の先端が下方を向くようにロックばね83により付勢されたロック位置にある。
【0118】
バケット20の装着時においては、非係合状態のアタッチメント着脱装置30が、キャビン10内に設けられた操作部等の操作によってバケット20に近づけられる(
図3及び
図13参照)。非係合状態のアタッチメント着脱装置30では、第1フック33および第2フック34のそれぞれの係止部46、49の先端間の距離が、バケット20の後支持ピン35と前支持ピン36との間の距離よりも短くなっている。
【0119】
次に、キャビン10内の操作部からの動作指令によりアタッチメント着脱装置30の油圧回路を動作させ、後ロック部材48および前ロック部材58を非ロック位置に移動させ、第1フック33および第2フック34を後支持ピン35および前支持ピン36を受け入れ可能な状態とする。このとき、油圧回路において電磁切換弁67は、流路の切換状態として、供給ポート(P)をロッド側シリンダポート(B)に連通させるとともに、排出ポート(T)をボトム側シリンダポート(A)に連通させた状態となっている。したがって、油圧ポンプ64の動作により供給用配管68から電磁切換弁67を介してロッド側油圧配管66から第1油圧シリンダ55のロッド側室61bに圧油が供給されるとともに、ロッド側油圧配管66から分岐した分岐配管80,80a、80bを経由して、第2油圧シリンダ56および第3油圧シリンダ57の各ボトム側室76aに圧油が供給される。
【0120】
すなわち、第1油圧シリンダ55では、ピストンロッド62が収縮した状態が維持されるのに対し、第2油圧シリンダ56および第3油圧シリンダ57では、各ボトム側室76aに圧油が供給され、ピストンロッド77が伸長する。これにより、後ロック部材48の当接部87に押圧力が与えられ、当接部87およびロック爪部93が後支持軸91とともに回動し、ロック爪部93が第1フック33の上方に収容される。同様に、前ロック部材58の当接部87に押圧力が与えられ、当接部87およびロック爪部93が前支持軸92とともに回動し、ロック爪部93が第2フック34の上方に収容される。すなわち、後ロック部材48および前ロック部材58が非ロック位置に移動する。
【0121】
後ロック部材48および前ロック部材58が非ロック位置に移動したことにより、第1フック33の係止部46に後支持ピン35を受け入れることが可能となるとともに、第2フック34の係止部49に前支持ピン36を受け入れることが可能となる。
【0122】
後ロック部材48および前ロック部材58が非ロック位置に移動したら、まず、後支持ピン35を第1フック33に係合させる。続いて、後支持ピン35を第1フック33に係合させた状態で、第1油圧シリンダ55を伸長させる動作が行われる。すなわち、油圧ポンプ64の動作によって、供給用配管68から電磁切換弁67を介してボトム側油圧配管65によりボトム側室61aに圧油が供給され、
図13に示すように、第1油圧シリンダ55が伸長する。ここで、
図11に示す油圧回路において電磁切換弁67は、流路の切換状態として、供給ポート(P)をボトム側シリンダポート(A)に連通させるとともに、排出ポート(T)をロッド側シリンダポート(B)に連通させた状態となっている。
【0123】
第1油圧シリンダ55が伸長することにより、可動フレーム32がリンク支持軸28回りに前側に回動し、第2フック34の係止部46が、前支持ピン36に係合させられる(
図13参照)。ここで、可動フレーム32の回動方向について、第2フック34が前支持ピン36に対して係合する方向は、左側面視で右回りの方向であり、第2フック34が前支持ピン36に対する係合を解除する方向は、左側側面視で左回りの方向である。
【0124】
また、第1油圧シリンダ55の伸長動作中には、ピストン63の移動にともなってロッド側室61bからロッド側油圧配管66に作動油が排出される。しかる後、第2油圧シリンダ56および第3油圧シリンダ57のボトム側室76aの作動油も、分岐配管80a、80b、80からロッド側油圧配管66に排出される。ここで、第2油圧シリンダ56および第3油圧シリンダ57の短縮動作は、第1油圧シリンダ55の伸長動作が行われた後に行われる。これは、第2油圧シリンダ56および第3油圧シリンダ57を短縮させる力が、第1油圧シリンダ55を伸長させる油圧ポンプ64による力に対して十分に小さいため、第2油圧シリンダ56および第3油圧シリンダ57のボトム側室76aの作動油の排出が、第1油圧シリンダ55のロッド側室61bからの作動油の排出より遅れて起きることによる。
【0125】
第2フック34の前支持ピン36への係合により、第1油圧シリンダ55のさらなる伸長が規制されると、油圧ポンプ64から第1油圧シリンダ55のボトム側室61aに至る経路の圧力がリリーフ弁71の作用により所定の値に維持される。すなわち、第1油圧シリンダ55の伸長動作によって生じる第1フック33と第2フック34とを互いに離間させる力により、第1フック33の係合面46aに後支持ピン35が、第2フック34の係合面49aに前支持ピン36が、それぞれ係止される。
【0126】
図13に示すように、第1フック33が後支持ピン35に係合し、第2フック34が前支持ピン36に係合し、第1油圧シリンダ55の伸長が停止すると、第2油圧シリンダ56および第3油圧シリンダ57は、自動的にピストンロッド77をシリンダチューブ76内に引き込んで短縮する。
【0127】
第2油圧シリンダ56が短縮し、当接部87に押圧力がかからなくなることで、ロックばね83aの付勢力が後ロック部材48に作用し、後ロック部材48が後支持軸91とともに回動する。これにより、後ロック部材48は非ロック位置からロック位置に移動(回動)する。同様に、第3油圧シリンダ57が短縮し、当接部87に押圧力がかからなくなることで、ロックばね83の付勢力が前ロック部材58に作用し、前ロック部材58が前支持軸92とともに回動する。これにより、前ロック部材58は非ロック位置からロック位置に移動(回動)する。つまり、後ロック部材48により第1フック33に係合した状態の後支持ピン35の第1フック33からの離脱が規制されたロック状態、および、前ロック部材58により、第2フック34に係合した状態の前支持ピン36の第2フック34からの離脱が規制されたロック状態が得られる。
【0128】
以上のようにして、アタッチメント着脱装置30が係合状態となり、アタッチメント着脱装置30に対するバケット20の装着状態として、前後の支持ピン(35,36)のそれぞれに対して第2フック34および第1フック33が係合した状態、並びに各フック(33,34)の支持ピン(35,36)に対する係合部分における前後のロック部材(58,48)によるロック状態が得られる。
【0129】
前後のロック部材(58,48)によるロック状態は、ロックばね83の付勢力により、第2フック34および第1フック33の各開口部(49b,46b)に前後のロック部材(58,48)を突出させることにより実現されている。
【0130】
次に、アタッチメント着脱装置30からバケット20を取り外すとき(バケット取外し時)のアタッチメント着脱装置30の動作について説明する。バケット取外し時のアタッチメント着脱装置30の動作は、基本的にバケット装着時の動作と逆の手順となる。
【0131】
図13に示すようにアタッチメント着脱装置30が係合状態となっておりバケット20が装着された状態から、第2油圧シリンダ56および第3油圧シリンダ57を伸長させると同時に第1油圧シリンダ55を短縮させる動作が行われる。
【0132】
図11に示すように、油圧ポンプ64の動作によって、供給用配管68から電磁切換弁67を介してロッド側油圧配管66および分岐配管80によりボトム側室76aに圧油が供給され、第2油圧シリンダ56および第3油圧シリンダ57が伸長する。また、第1油圧シリンダ55のロッド側室61bに油圧が供給され、第1油圧シリンダ55は短縮する。ここで、電磁切換弁67は、流路の切換状態として、供給ポート(P)をロッド側シリンダポート(B)に連通させるとともに、排出ポート(T)をボトム側シリンダポート(A)に連通させた状態となっている。
【0133】
第2油圧シリンダ56が伸長することで、ピストンロッド77から当接部87に押圧力が与えられ、ロックばね83aの付勢力に抗して後ロック部材48が、後支持軸91とともに回動する。これにより後ロック部材48は、ロック位置から非ロック位置に移動(回動)する。同様に、第3油圧シリンダ57が伸長することで、ピストンロッド77から当接部87に押圧力が与えられ、ロックばね83aの付勢力に抗して前ロック部材58が、前支持軸92とともに回動する。これにより前ロック部材58は、ロック位置から非ロック位置に移動(回動)する。つまり、後ロック部材48および前ロック部材58により、第1フック33に係合した状態の後支持ピン35の第1フック33からの離脱が可能な非ロック状態、および、第2フック34に係合した状態の前支持ピン36の第2フック34からの離脱が可能な非ロック状態が得られる。
【0134】
ここで、掘削作業機1が備える油圧回路構成(
図11参照)によれば、第1油圧シリンダ55の短縮動作と、第2油圧シリンダ56および第3油圧シリンダ57の伸長動作とは、キャビン10内の操作部からの電磁切換弁67の流路の切り替えに指令により同時に実行されるが、これら2つの動作の開始タイミングには時間差がある。第2油圧シリンダ56および第3油圧シリンダ57は、第1油圧シリンダ55に比して十分に小さい油圧シリンダである。このため、ロッド側油圧配管66から第1油圧シリンダ55のロッド側室61bに圧油が供給される際、ロッド側油圧配管66から分岐した分岐配管80、80a、80bによって第2油圧シリンダ56および第3油圧シリンダ57に供給される圧油により、第1油圧シリンダ55の短縮動作より先に第2油圧シリンダ56および第3油圧シリンダ57が伸長動作を行うことになる。
【0135】
第1油圧シリンダ55が短縮することにより、可動フレーム32がリンク支持軸28回りに後側に回動し、第2フック34の係止部46の前支持ピン36に対する係合が解除させられる。
【0136】
以上のようにして、アタッチメント着脱装置30が非係合状態となる。そして、キャビン10内の操作部からの動作指令により掘削装置3のブーム17および/またはアーム18を動作させ、アタッチメント着脱装置30を移動させることにより、後支持ピン35に対する第1フック33の係合を解除させる。これにより、アタッチメント着脱装置30からバケット20が取り外される。
【0137】
図14に、バケット20の後支持ピン35と前支持ピン36との間の距離よりもピン間距離が長い、後支持ピン35aと前支持ピン36aとを有するアタッチメントを装着した状態を示す。
【0138】
アタッチメント着脱装置30は、第1油圧シリンダ55のピストンロッド62を最小収縮させた状態から最大伸長させた状態までの間で、第1フック33および第2フック34間の距離を変更可能である。第1油圧シリンダ55を最大伸長させた状態では、第2フック34の先端Eが第1油圧シリンダ55の伸縮方向について前支持軸92の位置(軸心位置)より前方となる。可動フレーム32に設けられた第3油圧シリンダ57は、第1油圧シリンダ55のシリンダチューブ61上の分岐ブロック61cに可撓性のある配管により接続されている。このような配管は、第1油圧シリンダ55の伸長にともなう可動フレーム32の回動時に柔軟に変形するため、第1油圧シリンダ55の伸長を規制することがない。このため、第2フック34の先端Eが第1油圧シリンダ55の伸縮方向について前支持軸92より前方となる位置まで、可動フレーム32を固定フレーム31に対して回動させることができる。このように、固定フレーム31に対する可動フレーム32の回動角度を、従来よりも大きくすることができるため、第1フック33と第2フック34の離間距離も従来よりも長くすることが可能となる。このアタッチメント着脱装置30では、支持ピン間距離が異なるより複数のアタッチメントの連結が可能となる。
【0139】
以上のような本実施形態に係るアタッチメント着脱装置30およびそれを備えた掘削作業機1によれば、アタッチメント着脱装置30にバケット20を連結した状態で、第1油圧シリンダ55に対する油圧の供給が断たれた場合であっても、各支持ピンのロック状態の維持に油圧を必要としない後ロック部材48および前ロック部材58により、各支持ピンの第1フック33と第2フック34からの脱落を防ぐことができる。したがって、バケット20の連結状態を保持することができ、高い安全性を得ることができる。
【0140】
本実施形態のアタッチメント着脱装置30は、第1油圧シリンダ55の伸長によりアタッチメントの支持ピン(35,36)を支持し、後ロック部材48および前ロック部材58を、後ロック部材48側および前ロック部材58側のそれぞれに設けたロックばね83の付勢力によりロック位置に保持する。そして、後ロック部材48のロック位置から非ロック位置への移動を、第2油圧シリンダ56の動作によって行い、前ロック部材58のロック位置から非ロック位置への移動を、第3油圧シリンダ57の動作によって行う。このときの第2油圧シリンダ56および第3油圧シリンダ57の動作は、第1油圧シリンダ55の動作に連動させている。
【0141】
このような構成によれば、アタッチメント着脱装置30に対するバケット20の着脱動作について良好な作業性が得られるとともに、例えば油圧機器の破損等によって第2油圧シリンダ56に対する動力の供給が断たれた場合であっても、ロックばね83の付勢力によって、後ロック部材48による後支持ピン35に対する第1フック33のロック状態、および、前ロック部材58による前支持ピン36に対する第2フック34のロック状態が確保される。これにより、安全性を確保することができる。
【0142】
また、アタッチメント着脱装置30は、後ロック部材48をロック位置に保持するための構成および前ロック部材58をロック位置に保持するための構成を、同一の機能・形状の部材により構成し、それらをアタッチメント着脱装置30の左側面視において前後方向に鏡像対称となるように配置している。このような構成によれば、第1フック33と第2フック34とでバケット20の支持ピン(35,36)の抜止め部材を共通化することができるので、アタッチメント着脱装置30の組立効率が向上する。また、ダブルロック構造を容易に実現可能であり、アタッチメント着脱装置30からのバケット20の脱離を効果的に防止することができ、安全性を高めることができる。
【0143】
また、アタッチメント着脱装置30において、第2油圧シリンダ56は、固定フレーム31の左右の側壁フレーム部41間において、第1油圧シリンダ55と右側の側壁フレーム部41との間に配置され、第3油圧シリンダ57は、可動フレーム32の左右の取付フレーム部45間において、第1油圧シリンダ55と右側の取付フレーム部45との間に配置されている。
【0144】
このような構成によれば、第1油圧シリンダ55と側壁フレーム部41との間の空間を、第2油圧シリンダ56の動作スペースとすることができ、第1油圧シリンダ55と可動フレーム32との間の空間を第3油圧シリンダ57の動作スペースとすることができるため、アタッチメント着脱装置30をコンパクトに設計することができる。
【0145】
上述した実施形態の説明は本発明の一例であり、本発明に係るアタッチメント着脱装置および建設機械は上述の実施形態に限定されることはない。このため、上述した実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0146】
例えば、上述した実施形態では、第2油圧シリンダ56は、左右の側壁フレーム部41のうち右側の側壁フレーム部41に第2油圧シリンダ支持軸98を介して配置され、第3油圧シリンダは、左右の取付フレーム部45のうち右側の取付フレーム部45に第3油圧シリンダ支持軸99を介して配置されているが、それぞれ左側の側壁フレーム部41並びに左側の取付フレーム部45に配置されてもよい。
【0147】
また、上述した実施形態において、第1油圧シリンダ55および第2油圧シリンダ56を動作させるための油圧回路構成(
図11参照)は、あくまでも一例である。すなわち、上述したバケット装着時およびバケット取外し時における第1油圧シリンダ55、第2油圧シリンダ56および第3油圧シリンダ57の各油圧シリンダの動作が得られるものであれば、これらの油圧シリンダを動作させるための油圧回路構成は特に限定されない。
【0148】
なお、本発明は、以下の態様をとることができる。
(1)
作業用のアタッチメントを作業装置のアームに対して着脱させる建設機械のアタッチメント着脱装置であって、
第1フックを有し、前記アームに連結される第1部材と、
第2フックを有し、前記第1部材に回動支持される第2部材と、
一端が前記第1部材に設けた第1支持軸に連結され、他端が前記第2部材に設けた第2支持軸に連結され、前記第1部材に対して前記第2部材を回動させる第1油圧シリンダと、
前記第1部材に設けられ前記第1フックの上方に配置された第3支持軸に回動支持され、前記第1フックの開口部に突出するように第1付勢部材により付勢される第1抜止め部材と、
前記第1油圧シリンダの動作に連動して、前記第1付勢部材の付勢力に抗して前記第1抜止め部材を前記第1フックの開口部から退くように移動させる第2油圧シリンダと、
前記第2部材に設けられ前記第2フックの上方に配置された第4支持軸に回動支持され、前記第2フックの開口部に突出するように第2付勢部材により付勢される第2抜止め部材と、
前記第1油圧シリンダの動作に連動して、前記第2付勢部材に抗して前記第2抜止め部材を前記第2フックの開口部から退くように移動させる第3油圧シリンダと、
を備えることを特徴とする建設機械のアタッチメント着脱装置。
(2)
前記第2油圧シリンダは、前記第1支持軸と前記第3支持軸との間に配置され、
前記第3油圧シリンダは、前記第2支持軸と前記第4支持軸との間に配置されている、
(1)に記載の建設機械のアタッチメント着脱装置。
(3)
前記第1支持軸と前記第2支持軸の軸心間の距離が、前記第3支持軸と前記第4支持軸の軸心間の距離よりも短い、
(1)または(2)に記載の建設機械のアタッチメント着脱装置。
(4)
前記第2油圧シリンダを支持する第5支持軸と前記第3油圧シリンダを支持する第6支持軸の軸心間の距離が、前記第3支持軸と前記第4支持軸の軸心間の距離よりも短い、
(2)に記載の建設機械のアタッチメント着脱装置。
(5)
前記第1油圧シリンダのロッドを最大伸長させたときに、前記第2フックの先端が前記第4支持軸より前方にある、
(1)から(4)のいずれかに記載の建設機械のアタッチメント着脱装置。
(6)
前記第1油圧シリンダは、複動型の油圧シリンダであり、
前記第2油圧シリンダおよび前記第3油圧シリンダは、単動型の油圧シリンダであり、
前記第1部材の内部には、前記第1油圧シリンダのロッドを収縮させるための圧油をシリンダチューブの一方のシリンダ室に供給すると同時に前記第2油圧シリンダおよび前記第3油圧シリンダにそれぞれのロッドを伸長させるための圧油を供給する経路と、前記第1油圧シリンダのロッドを伸長させるための圧油をシリンダチューブの他方のシリンダ室に供給する経路とを分岐させる分岐ブロックが設けられている、
(1)から(5)のいずれかに記載の建設機械のアタッチメント着脱装置。
(7)
前記分岐ブロックは、前記第1油圧シリンダの前記シリンダチューブの上方に配置されている、
(6)に記載の建設機械のアタッチメント着脱装置。
(8)
前記第2油圧シリンダおよび前記第3油圧シリンダのそれぞれのロッドの端部が半球状の形状を有し、前記第2油圧シリンダおよび前記第3油圧シリンダの収縮時において、前記ロッドの端部がシリンダチューブの端部よりも突出している、
(6)に記載の建設機械のアタッチメント着脱装置。
(9)
(1)から(8)のいずれかに記載の建設機械のアタッチメント着脱装置と、
走行装置と、
前記走行装置の前側に設けられ、前記アタッチメント着脱装置により前記アタッチメントを着脱可能に支持する前記アームを含むフロント作業装置と、を備えた、
建設機械。
【符号の説明】
【0149】
1 掘削作業機(建設機械)
2 走行装置
3 掘削装置(フロント作業装置)
18 アーム
20 バケット(アタッチメント)
30 アタッチメント着脱装置
31 固定フレーム(第1部材)
32 可動フレーム(第2部材)
33 第1フック
34 第2フック
35 前支持ピン
36 後支持ピン
41 側壁フレーム部(壁部)
44 後壁部
45 取付フレーム部(壁部)
47 前壁部
48 後ロック部材(第1抜止め部材)
55 第1油圧シリンダ
56 第2油圧シリンダ
57 第3油圧シリンダ
58 前ロック部材(第2抜止め部材)
81 ボトム側支持軸(第1支持軸)
82 ロッド側支持軸(第2支持軸)
86 ロックばね(第1付勢部材、第2付勢部材)
87 当接部
77a 当接端(ピストンロッドの端部)
91 後支持軸(第3支持軸)
93 前支持軸(第4支持軸)
98 第2油圧シリンダ支持軸(第5支持軸)
99 第3油圧シリンダ支持軸(第6支持軸)