(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167875
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】電池パック
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20231116BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20231116BHJP
H01M 10/0562 20100101ALI20231116BHJP
【FI】
H01M50/204 401D
H01M50/249
H01M10/0562
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079402
(22)【出願日】2022-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀 陽祐
(72)【発明者】
【氏名】青谷 幸一郎
【テーマコード(参考)】
5H029
5H040
【Fターム(参考)】
5H029AJ12
5H029AK03
5H029AL03
5H029AL07
5H029AL08
5H040AA33
5H040AS04
5H040AT06
5H040DD26
(57)【要約】
【課題】電池パック内の硫化水素ガスを迅速に検知できる電池パックを提供する。
【解決手段】電池パック1は、自動車等の移動体に搭載される電池パック1である。電池パック1は、硫黄系材料を含む全固体電池3を内部に格納するバッテリケース10と、バッテリケース10内部の角部14に設けられ、硫化水素ガスを検出する硫化水素センサ15と、を備えている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載される電池パックであって、
正極及び/又は固体電解質に硫黄系材料を含む全固体電池を内部に格納するバッテリケースと、
前記バッテリケース内部の角部に設けられ、硫化水素ガスを検出する硫化水素センサと、を備える電池パック。
【請求項2】
請求項1に記載の電池パックであって、
前記硫化水素センサは、前記角部において、前記バッテリケースの下部に設けられている電池パック。
【請求項3】
請求項2に記載の電池パックであって、
前記バッテリケースの底面は、前記底面に設けられ、前記角部に近づくに従って高さが低くなるように傾斜する傾斜面を含んでいる電池パック。
【請求項4】
請求項2に記載の電池パックであって、
前記バッテリケースの底面は、
前記全固体電池が載置される載置部と、
前記底面の外周部に設けられ、前記載置部よりも高さが低い段差部と、を有する電池パック。
【請求項5】
請求項4に記載の電池パックであって、
前記段差部は、前記角部に設けられている電池パック。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の電池パックであって、
前記電池パックは、前記角部に設けられ、前記硫化水素センサを収容しているセンサ収容部をさらに備え、
前記センサ収容部は、制御部によって前記移動体の動作に応じて開閉制御される扉部を有している電池パック。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載の電池パックであって、
前記電池パックは、複数の前記硫化水素センサを備えており、
前記移動体の動作と、前記複数の硫化水素センサによって検知された硫化水素ガスの濃度から算出された濃度差と、に基づいて、硫化水素ガスを発生させている前記全固体電池を推定する電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池パックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車室内に搭載された電池パックと、電池パックから車外に連通し電池設置位置より上方に延びる上方排気経路と、電池パックから車外に連通し電池設置位置より下方に延びる下方排気経路と、を有するガス排出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。電池パックから発生した空気より比重の大きいガスは、上方排気経路を介して排出され、一方、電池パックから発生した空気より比重の小さいガスは、下方排気経路を介して排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のガス排出装置では、上方排気経路及び下方排気経路のぞれぞれにガス濃度検出器が配置されている。このガス排出装置では、重力のみを利用して、比重に応じてガス濃度検出器付近にガスが流れるようにしているため、迅速な検知が必要な場合等には、検知速度が不十分となってしまう場合がある、という問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、電池パック内の硫化水素ガスを迅速に検知できる電池パックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、バッテリケース内部の角部に硫化水素センサを設けることによって上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電池パック内の硫化水素を迅速に検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態における電池パックを自動車ボディの床裏に取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態における電池パックを示す平面図である。
【
図3】
図3は、
図2におけるIII-III線に沿った断面図である。
【
図4】
図4(a)は本発明の実施形態に係るバッテリを構成する全固体電池の平面図であり、
図4(b)は
図4(a)のIV-IV線に沿った断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態における電池パックの変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における電池パックを自動車ボディの床裏に取り付けた状態を示す斜視図である。
図2は、本実施形態における電池パックを示す平面図である。
図3は、
図2におけるIII-III線に沿った断面図である。なお、図中のFrは自動車2の前側方向、UPRは自動車2の上側方向、RHは自動車2の右側方向、LHは自動車2の左側方向を示している。
【0010】
本実施形態の電池パックは、自動車等の移動体に搭載されるものである。
図1に示すように、本実施形態の電池パック1は、自動車2の自動車ボディ20の床裏面21のフロントフロアパネル23の前部からリヤフロアパネル24に至る範囲の、ほぼ全面にわたって取り付けられる。なお、符号22はダッシュパネル、25はシルをそれぞれ示す。
【0011】
図2及び
図3に示すように、本実施形態の電池パック1は、複数のバッテリ3を内部に格納するバッテリケース10と、複数(本例では4個)の硫化水素センサ15と、複数(本例では4個)のセンサ収容ケース16と、を備えている。本実施形態におけるバッテリ3(組電池とも称される)は、複数のバッテリモジュールを含み、それぞれのバッテリモジュールは、モジュールケースに収納されている。モジュールケースの内部には、複数の薄型電池(単電池とも称される)が積層した状態で収納されている。
【0012】
本実施形態の単電池は、全固体電池(全固体リチウムイオン二次電池)である。即ち、全固体電池は、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質を含有する正極活物質層を含む正極と、リチウムイオンを吸蔵放出可能な負極活物質を含有する負極活物質層を含む負極と、正極活物質層および負極活物質層との間に介在する固体電解質層と、を有する発電要素を備える。全固体電池は、発電要素の他に、電極タブと、電極タブ及び発電要素を収容する外装部材を有している。また、全固体電池は、少なくとも硫黄系材料を使用した電池であって、正極用の材料及び/又は固体電解質の材料として、硫黄成分を含有している。
【0013】
ここで、
図4(a)及び
図4(b)を参照して、バッテリ3を構成する全固体電池30の構造を説明する。
図4(a)は本実施形態に係る全固体電池30の平面図であり、
図4(b)は
図4(a)のIV-線IVに沿った断面図である。なお、全固体電池30の構造は、
図4(a)及び
図4(b)に示す構造に限らず、その他の構造でもよい。
【0014】
全固体電池30は、3つの正極層302、7つの電解質層303、3つの負極層304を有する発電要素301と、3つの正極層302にそれぞれ接続された正極タブ305と、3つの負極層304にそれぞれ接続された負極タブ306と、これら発電要素301および正極タブ305、負極タブ306を収容して封止している上部外装部材307および下部外装部材308とから構成されている。
【0015】
なお、正極層302、電解質層303、負極層304の数は特に限定されず、1つの正極層302、3つの電解質層303、1つの負極層304で、発電要素301を構成してもよいし、また、必要に応じて正極層302、電解質層303および負極層304の枚数を適宜選択してもよい。
【0016】
発電要素301を構成する正極層302は、正極タブ305まで伸びている正極側集電体302a、および正極側集電体302aの一部の両主面にそれぞれ形成された正極活物質層を有している。正極層302を構成する正極側集電体302aとしては、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、銅チタン箔、または、ステンレス箔等の電気化学的に安定した金属箔で構成することができる。正極側集電体302aには、金属としては、ニッケル、鉄、銅などが用いられてもよい。これらのほか、ニッケルとアルミニウムとのクラッド材、銅とアルミニウムとのクラッド材などが用いられてもよい。
【0017】
正極側集電体302aには、金属の代わりに、導電性を有した樹脂を用いてもよい。導電性を有する樹脂は、非導電性高分子材料に必要に応じて導電性フィラーを添加された樹脂で構成することができる。非導電性高分子材料としては、例えば、ポリエチレン(PE;高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)など)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等、優れた耐電位性を有した材料が用いられる。導電性フィラーは、導電性を有する物質であれば特に制限なく用いることができる。例えば、導電性、耐電位性、またはリチウムイオン遮断性に優れた材料として、金属および導電性カーボンなどが挙げられる。金属としては、特に制限はないが、Ni、Ti、Al、Cu、Pt、Fe、Cr、Sn、Zn、In、およびSbからなる群から選択される少なくとも1種の金属もしくはこれらの金属を含む合金または金属酸化物が挙げられる。
【0018】
正極層302を構成する正極活物質層としては、特に制限されないが、LiCoO2、LiMnO2、LiNiO2、LiVO2、Li(Ni-Mn-Co)O2等の層状岩塩型活物質、LiMn2O4、LiNi0.5Mn1.5O4等のスピネル型活物質、LiFePO4、LiMnPO4等のオリビン型活物質、Li2FeSiO4、Li2MnSiO4等のSi含有活物質等が挙げられる。また上記以外の酸化物活物質としては、例えば、Li4Ti5O12が挙げられる。リチウムとニッケルとを含有する複合酸化物が好ましく用いられ、さらに好ましくはLi(Ni-Mn-Co)O2およびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの(以下、単に「NMC複合酸化物」とも称する)が用いられる。NMC複合酸化物は、上述したように、遷移金属元素の一部が他の金属元素により置換されている複合酸化物も含む。その場合の他の元素としては、Ti、Zr、Nb、W、Pなどが挙げられる。
【0019】
正極活物質層には、硫黄系正極活物質が用いられてもよい。硫黄系正極活物質としては、有機硫黄化合物または無機硫黄化合物の粒子または薄膜が挙げられ、硫黄の酸化還元反応を利用して、充電時にリチウムイオンを放出し、放電時にリチウムイオンを吸蔵することができる物質であればよい。有機硫黄化合物としては、ジスルフィド化合物、硫黄変性ポリアクリロニトリルなどが挙げられる。無機硫黄化合物としては、硫黄(S)、S-カーボンコンポジット、TiS2、TiS3、TiS4、NiS、NiS2、CuS、FeS2、Li2S、MoS2、MoS3等が挙げられる。
【0020】
なお、上記以外の正極活物質が用いられてもよい。正極活物質の形状は、例えば、粒子状(球状、繊維状)、薄膜状等が挙げられる。正極活物質層における正極活物質の含有量は、特に限定されない。正極活物質層は、必要に応じて、固体電解質、導電助剤、バインダの少なくとも1つをさらに含有してもよい。正極活物質の形状は、例えば、粒子状(球状、繊維状)、薄膜状等が挙げられる。正極活物質層における正極活物質の含有量は、特に限定されない。正極活物質層は、必要に応じて、固体電解質、導電助剤、バインダの少なくとも1つをさらに含有してもよい。固体電解質としては、例えば、硫化物固体電解質や酸化物固体電解質が挙げられ、後述する電解質層303を構成可能な固体電解質として例示されたものなどを用いることができる。
【0021】
導電助剤としては、特に限定されないが、その形状が、粒子状または繊維状であるものであることが好ましい。導電助剤が粒子状である場合、粒子の形状は特に限定されず、粉末状、球状、棒状、針状、板状、柱状、不定形状、燐片状、紡錘状等、いずれの形状であっても構わない。導電助剤が粒子状である場合の平均粒子径(一次粒子径)は、特に限定されるものではないが、電池の電気特性の観点から、0.01~10μmであることが好ましい。
【0022】
バインダとしては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)(水素原子が他のハロゲン元素にて置換された化合物を含む)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、ポリエーテルニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物などの熱可塑性高分子;テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂;ビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF-HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF-HFP-TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド-ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF-PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド-ペンタフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF-PFP-TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド-パーフルオロメチルビニルエーテル-テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF-PFMVE-TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド-クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF-CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴム;エポキシ樹脂;等が挙げられる。中でも、ポリイミド、スチレン・ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミドであることがより好ましい。
【0023】
そして、これら3枚の正極層302を構成する各正極側集電体302aが、正極タブ305に接合されている。正極タブ305としては、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、銅箔、または、ニッケル箔等を用いることができる。
【0024】
発電要素301を構成する負極層304は、負極タブ306まで伸びている負極側集電体304aと、当該負極側集電体304aの一部の両主面にそれぞれ形成された負極活物質層とを有している。負極層304の負極側集電体304aは、例えば、ニッケル箔、銅箔、ステンレス箔、または、鉄箔等の電気化学的に安定した金属箔である。
【0025】
負極層304は、負極活物質を含有する層で形成されている。負極活物質の種類としては、特に制限されないが、炭素材料、金属酸化物および金属活物質が挙げられる。炭素材料としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン等が挙げられる。また、金属酸化物としては、例えば、Nb2O5、Li4Ti5O12、SiO等が挙げられる。さらに、金属活物質としては、例えば、In、Al、SiおよびSn等の金属単体や、TiSi、La3Ni2Sn7等の合金が挙げられる。
【0026】
また、負極活物質は、Liを含有する金属でもよく、このような負極活物質は、Liを含有する活物質であれば特に限定されず、Li金属のほか、Liを含有するリチウム合金でもよい。リチウム合金としては、たとえば、リチウムと、金(Au)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、及びビスマス(Bi)から選択される少なくとも1種の金属との合金が挙げられる。また、リチウム合金としては、リチウムと、上述した金属のうち2種以上の金属との合金であってもよい。リチウム合金の具体例としては、例えば、リチウム-金合金(Li-Au)、リチウム-マグネシウム合金(Li-Mg)、リチウム-アルミニウム合金(Li-Al)、リチウム-カルシウム合金(Li-Ca)、リチウム-亜鉛合金(Li-Zn)、リチウム-スズ合金(Li-Sn)、リチウム-ビスマス合金(Li-Bi)などが挙げられる。
【0027】
なお、負極活物質層としては、リチウム合金を含有するものであればよく、その構成は、特に限定されないが、たとえば、リチウム合金を構成するリチウム以外の金属を「Me」とした場合に、次の(1)~(3)のいずれかの態様とすることができる。(1)リチウム合金のみからなる単一の層からなるもの(すなわち、Li-Me層)。(2)リチウム金属からなる層と、リチウム合金からなる層とを備えるもの(すなわち、Li層/Li-Me層)。(3)リチウム金属からなる層と、リチウム合金からなる層と、リチウム以外の金属からなる層とを備えるもの(すなわち、Li層/Li-Me層/Me層)。上記(2)の態様においては、リチウム合金からなる層(Li-Me層)を電解質層103側の層(電解質層103との界面を形成する層)とすることが望ましく、また、上記(3)の態様においては、リチウム以外の金属からなる層(Me層)を電解質層103側の層(電解質層103との界面を形成する層)とすることが望ましい。リチウム金属を含むリチウム金属層と、リチウム金属とは異なる金属を含む層(中間層)とする場合には、中間層は、リチウム金属層と固体電解質の間の層であり、リチウム金属のうち少なくとも一部と、中間層を形成する金属のうち少なくとも一部とが、合金化することが望ましい。
【0028】
例えば、負極を、上記(3)の態様、すなわち、リチウム金属からなる層と、リチウム合金からなる層と、リチウム以外の金属からなる層とを備える態様(すなわち、Li層/Li-Me層/Me層)とする場合には、リチウム金属と、リチウム以外の金属とを積層することで、これらの界面部分を合金化し、これにより、これらの界面にリチウム合金からなる層を形成することができる。なお、リチウム金属と、リチウム以外の金属とを積層する方法としては、特に限定されないが、リチウム金属からなる層の上に、リチウム以外の金属を真空蒸着などにより蒸着させることにより、リチウム金属からなる層の上に、リチウム以外の金属からなる層を形成しつつ、これらの界面を合金化させる方法が挙げられる。あるいは、リチウム以外の金属からなる層上に、リチウム金属を真空蒸着などにより蒸着させ、リチウム以外の金属からなる層の上に、リチウム金属からなる層を形成しつつ、これらの界面を合金化させる方法などが挙げられる。
【0029】
なお、本実施形態の全固体電池30では、3枚の負極層304は、負極層304を構成する各負極側集電体304aが、単一の負極タブ306に接合されるような構成となっている。すなわち、本実施形態の全固体電池30では、各負極層304は、単一の共通の負極タブ306に接合された構成となっている。
【0030】
発電要素301の電解質層303は、上述した正極層302と負極層304との短絡を防止するものであり、固体電解質を主成分として含有し、上述した正極活物質層と負極活物質層との間に介在する層である。固体電解質としては、例えば、硫化物固体電解質や酸化物固体電解質、高分子固体電解質などが挙げられるが、硫化物固体電解質であることが好ましい。
【0031】
硫化物固体電解質としては、例えば、LiI-Li2S-SiS2、LiI-Li2S-P2O5、LiI-Li3PO4-P2S5、Li2S-P2S5、LiI-Li3PS4、LiI-LiBr-Li3PS4、Li3PS4、Li6PS5Cl、Li2S-P2S5、Li2S-P2S5-LiI、Li2S-P2S5-Li2O、Li2S-P2S5-Li2OLiI、Li2S-SiS2、Li2S-SiS2-LiI、Li2S-SiS2-LiBr、Li2S-SiS2-LiCl、Li2S-SiS2-B2S3-LiI、Li2S-SiS2-P2S5-LiI、Li2S-B2S3、Li2S-P2S5-ZmSn(ただし、m、nは正の数であり、Zは、Ge、Zn、Gaのいずれかである)、Li2S-GeS2、Li2S-SiS2-Li3PO4、Li2S-SiS2-LixMOy(ただし、x、yは正の数であり、Mは、P、Si、Ge、B、Al、Ga、Inのいずれかである)等が挙げられる。なお、「Li2S-P2S5」の記載は、Li2SおよびP2S5を含む原料組成物を用いてなる硫化物固体電解質を意味し、他の記載についても同様である。
【0032】
硫化物固体電解質は、例えば、Li3PS4骨格を有していてもよく、Li4P2S7骨格を有していてもよく、Li4P2S6骨格を有していてもよい。Li3PS4骨格を有する硫化物固体電解質としては、例えば、LiI-Li3PS4、LiI-LiBr-Li3PS4、Li3PS4が挙げられる。また、Li4P2S7骨格を有する硫化物固体電解質としては、例えば、LPSと称されるLi-P-S系固体電解質(例えば、Li7P3S11)が挙げられる。また、硫化物固体電解質として、例えば、Li(4-x)Ge(1-x)PxS4(xは、0<x<1を満たす)で表されるLGPS等を用いてもよい。なかでも、硫化物固体電解質は、P元素を含む硫化物固体電解質であることが好ましく、硫化物固体電解質は、Li2S-P2S5を主成分とする材料であることがより好ましい。さらに、硫化物固体電解質は、ハロゲン(F、Cl、Br、I)を含有していてもよい。
【0033】
また、硫化物固体電解質がLi2S-P2S5系である場合、Li2SおよびP2S5の割合は、モル比で、Li2S:P2S5=50:50~100:0の範囲内であることが好ましく、なかでもLi2S:P2S5=70:30~80:20であることが好ましい。また、硫化物固体電解質は、硫化物ガラスであってもよく、結晶化硫化物ガラスであってもよく、固相法により得られる結晶質材料であってもよい。なお、硫化物ガラスは、例えば原料組成物に対してメカニカルミリング(ボールミル等)を行うことにより得ることができる。また、結晶化硫化物ガラスは、例えば硫化物ガラスを結晶化温度以上の温度で熱処理を行うことにより得ることができる。また、硫化物固体電解質の常温(25℃)におけるイオン伝導度(例えば、Liイオン伝導度)は、例えば、1×10-5S/cm以上であることが好ましく、1×10-4S/cm以上であることがより好ましい。なお、固体電解質のイオン伝導度の値は、交流インピーダンス法により測定することができる。
【0034】
酸化物固体電解質としては、例えば、NASICON型構造を有する化合物等が挙げられる。NASICON型構造を有する化合物の一例としては、一般式Li1+xAlxGe2-x(PO4)3(0≦x≦2)で表される化合物(LAGP)、一般式Li1+xAlxTi2-x(PO4)3(0≦x≦2)で表される化合物(LATP)等が挙げられる。また、酸化物固体電解質の他の例としては、LiLaTiO(例えば、Li0.34La0.51TiO3)、LiPON(例えば、Li2.9PO3.3N0.46)、LiLaZrO(例えば、Li7La3Zr2O12)等が挙げられる。電解質層303は、上述した固体電解質に加えて、バインダをさらに含有していてもよい。バインダとしては、特に限定されないが、例えば、上述したものを用いることができる。
【0035】
固体電解質の含有量は、例えば、10~100質量%の範囲内であることが好ましく、50~100質量%の範囲内であることがより好ましく、90~100質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
【0036】
以上のように、本実施形態に用いられる正極層302は、正極活物質として硫黄化合物を含むことで、硫黄系材料を使用し、電解質層303が、硫化物固体電解質を主成分として含むことで、硫黄材料を使用する。なお、硫黄系材料は、正極層302及び電解質層303のうち、いずれか一方の層に使用すればよい。
【0037】
そして、
図4(b)に示すように、正極層302と負極層304とは、電解質層303を介して、交互に積層され、さらに、その最上層および最下層に電解質層303がそれぞれ積層されており、これにより、発電要素301が形成されている。
【0038】
以上のように構成されている発電要素301は、上部外装部材307および下部外装部材308に収容されて封止されている。発電要素301を封止するための上部外装部材307および下部外装部材308は、たとえば、ポリエチレンやポリプロピレンなどの樹脂フィルムや、アルミニウムなどの金属箔の両面をポリエチレンやポリプロピレンなどの樹脂でラミネートした、樹脂-金属薄膜ラミネート材など、柔軟性を有する材料で形成されており、これら上部外装部材307及び下部外装部材308を熱融着することにより、正極タブ305および負極タブ306を外部に導出させた状態で、発電要素301が封止されることとなる。
【0039】
なお、正極タブ305および負極タブ306には、上部外装部材307および下部外装部材308と接触する部分に、上部外装部材307および下部外装部材308との密着性を確保するために、シールフィルム309が設けられている。シールフィルム309としては、特に限定されないが、たとえば、ポリエチレン、変性ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、または、アイオノマー等の耐電解液性及び熱融着性に優れた合成樹脂材料から構成することができる。
【0040】
上記のように、本実施形態のバッテリ3を構成する全固体電池30は硫黄系材料を含んでいる。何らかの原因で、硫黄と水分が反応した場合には硫化水素ガスが発生する。そして、硫化水素ガスが、バッテリ3外に流出した場合には、バッテリケース10内の部品を腐食させる可能性がある。そのため、たとえ少量の硫化水素ガスが発生した場合であっても、発生した硫化水素を迅速に検知することが求められる。これに対して、本実施形態では、バッテリケース10の角部14に硫化水素センサ15を設けることで、硫化水素ガスを検知する。
【0041】
図2及び
図3に示すように、バッテリケース10は、底面フレーム11と、この底面フレーム11の外周部に固定された複数(本例では4枚)の板状の側面フレーム12a~12dと、側面フレーム12a~12dを覆うカバー部材13と、を備えている。これら底面フレーム11、側面フレーム12a~12d、及びカバー部材13は、特に限定されないが、アルミニウムの押出成形品で構成することができる。
【0042】
図2に示すように、底面フレーム11は、矩形の平面形状を有する板状部材である。この底面フレーム11は、
図3に示すように、第1の主面11aと、これとは反対側の第2の主面11bを有しており、自動車ボディ20に組付けられた状態において、第1の主面11aは上側の面に相当し、第2の主面11bは下側の面に相当する。底面フレーム11は、バッテリ3が載置される載置部111と、載置部111よりも低い位置に設けられた段差部112と、を有している。
【0043】
図2及び
図3に示すように、段差部112は、矩形枠状の平面形状を有しており、底面フレーム11の外周部に設けられ、載置部111よりも外側に位置している。この段差部112における第1の主面11aが、載置部111における第1の主面11aよりも、カバー部材13から離れる方向に向かって凹んでいることにより、段差部112の高さは載置部111の高さよりも低くなっている。
【0044】
段差部112は、バッテリケース10の角部14に位置する複数(本例では4か所)の平坦部113と、平坦部113の間に位置する複数(本例では4か所)の傾斜部114と、を有している。平坦部113は、段差部112の四隅に配置されており、平坦な第1の主面11aを有している。一方で、傾斜部114は、段差部112の四辺上に配置されており、傾斜した第1の主面11aを有している。この傾斜部114は、第1の主面11aにおいて、頂部114aと、頂部114aから平坦部113に近づくに従って高さが連続的に低くなるように傾斜する2つの傾斜面114b,114cと、を有している。
【0045】
段差部112において、このような傾斜面114b,114cが形成されていることで、バッテリ3から発生した硫化水素ガスが、硫化水素センサ15が設けられた平坦部113に導かれやすくなる。このため、平坦部113において硫化水素ガスの濃度が高くなるので、硫化水素ガスの検出速度を向上させることができる。
【0046】
角部14に硫化水素センサ15が配置されている。本実施形態における硫化水素センサ15は、底面フレーム11の平坦部113上に配置されている。この硫化水素センサ15は、硫化水素ガスの濃度を検出し、検出結果をBMS4に出力する。硫化水素センサ15としては、特に限定されることはないが、例えば、定電位電解式センサ等を用いることができる。
【0047】
硫化水素ガスは、空気よりも比重が大きいので、バッテリケース10内の下部に滞留し易く硫化水素濃度が高くなり易い。本実施形態では、硫化水素センサ15を角部14の下部(段差部112)に設けることにより、硫化水素ガスを迅速に検出することができる。
【0048】
このように、硫化水素センサ15を角部14の底面(底面フレーム11の第1の主面11a)に設けているがこれに限定されない。例えば、硫化水素センサ15を角部14の側面(側面フレーム12a~12b)に設けてもよい。但し、硫化水素ガスの検出速度の観点から、本実施形態のように硫化水素センサ15を角部14の下部に設けることが好ましい。ここで、バッテリケース10の下部とは、側面フレーム12a~12bの高さHの半分以下(H/2以下)の領域に位置する部分であり、本実施形態の側面フレーム12a~12dの下半分と底面フレーム11が当該領域に含まれる部分である。
【0049】
硫化水素センサ15は、角部14に設けられたセンサ収容部16に収容されている。センサ収容部16は、中空のケースであり、内部空間に硫化水素センサ15を収容している。このセンサ収容部16は、ケース部161と、上方扉部163と、側方扉部165と、を備えている。
【0050】
ケース部161は、センサ収容部16の本体部分であり、本実施形態では、側面フレーム12b及び底面フレーム11とに固定されている。このケース部161は、硫化水素センサ15の側面及び上面に対向しており、硫化水素センサ15を覆っている。
【0051】
ケース部161は、上方開口162と、複数(本例では2個)の側方開口163と、を有している。上方開口162は、ケース部161の上面に形成されている貫通孔であり、ケース部161の内部空間をケース部161の外部と接続している。一方で、側方開口163は、ケース部161の側面に形成されている貫通孔であり、ケース部161の内部空間をケース部161の外部と接続している。
【0052】
上方開口162に対応する位置に上方扉部164が設けられている。この上方扉部164は、上方開口162を開閉するように動作することができる。特に限定されないが、本実施形態では、上方扉部164は、上方扉部164が上方開口162の全体を覆う位置である開位置と、上方扉部164が上方開口162の少なくとも一部を覆っていない位置である閉位置と、の間を移動することができる。
【0053】
側方開口163に対応する位置に側方扉部165が設けられている。この側方扉部165は、側方開口163を開閉するように動作することができる。特に限定されないが、本実施形態では、側方扉部165は、側方扉部165が側方開口163の全体を覆う位置である開位置と、側方扉部165が側方開口163の少なくとも一部を覆っていない位置である閉位置と、の間を移動することができる。
【0054】
上方扉部164及び側方扉部165を閉じることで、ケース部161の内部空間は密閉状態とされ、一方で、上方扉部164及び側方扉部165を開けることで、ケース部161の内部空間は開放状態とされる。
【0055】
本実施形態の上方扉部164及び側方扉部165は、特に限定されないが、バッテリマネージメントシステム(BMS)4により開閉制御されている。このBMS4は、CPU及びメモリ等を有している。BMS4は、これらの扉部164,165を自動車2の動作(移動)に応じて開閉制御している。本実施形態におけるBMS4は、本発明における「制御部」の一例に相当する。
【0056】
上記の通り、硫化水素ガスは空気よりも比重が大きい。このため、自動車2が動作する際の硫化水素ガスに対する慣性力は空気に対する慣性力よりも相対的に大きくなる。従って、自動車2が動作する場合、空気に比べて硫化水素ガスが移動し易い。例えば、自動車2が旋回する場合に、硫化水素ガスは、底面フレーム11の外周部112a上を流れることとなる。
【0057】
具体的には、例えば、自動車2が右前方向に旋回する場合、硫化水素ガスは、外周部112aにおいて、側面フレーム12a,12bに沿って左後方向に向かって流れ、バッテリケース10内の左後の角部14に向かって移動する。よって、BMS4は、自動車2が右前方向に旋回していると判断した場合に、バッテリケース10内の左後の角部14に配置されているセンサ収容部16の上方扉部164及び側方扉部165を開ける制御を行う。そして、当該右前方向への旋回が終了したと判断した場合に、当該上方扉部164及び側方扉部165を閉める制御を行う。これにより、電池パック1の内部に発生した硫化水素ガスがバッテリケース10内の左後のセンサ収容部16の内部に集められ、当該内部の硫化水素濃度が高くなるため、硫化水素ガスの発生を迅速に検知することが可能となる。
【0058】
同様に、自動車2が右前方向以外に旋回する場合、外周部112aにおいて、右前、左前、及び右後の角部14に向かって硫化水素ガスは移動する。これらの場合においても、BMS4は、上記と同様に、硫化水素ガスが自動車2の動作に伴う慣性力によって移動する方向に配置されているセンサ収容部16の扉部164,165を開状態とする制御を行う。このようにして、硫化水素ガスが硫化水素センサ15に向かって流れるような自動車2の動作の時にのみ扉部164,165を開くことで、硫化水素センサ15付近に硫化水素ガスが溜まりやすくなる。
【0059】
また、本実施形態における電池パック1のBMS4は、自動車2の動作と、複数の硫化水素センサ15によって検知された硫化水素ガスの濃度から算出された濃度差と、に基づいて、硫化水素ガスを発生させている全固体電池3を推定する。上記のように、硫化水素ガスは、自動車2の動作に起因する慣性力によって移動し易いため、硫化水素ガスの検出濃度を単純に使用するのではなく、各硫化水素センサ15が検出した濃度の濃度差と、自動車2の動作と、を考慮することで、硫化水素ガスを発生させている全固体電池3を推定することができる。上記濃度差及び動作と、硫化水素ガスを発生させている全固体電池の位置と、の相関関係は、特に限定されないが、例えば、実験やシミュレーション等により予め測定しておくことができる。
【0060】
このように、硫化水素ガスを発生させている全固体電池3を推定することで、電池パック1の検査等の際に全ての全固体電池3を検査するのではなく、推定により特定された全固体電池3を検査すれば、全固体電池3を容易に発見できる可能性が高くなる。よって、電池パック1の検査工程等に要する時間や費用を低減することができる。
【0061】
以上のような電池パック1であれば、硫化水素ガスが溜まり易い角部14に硫化水素センサ15を配置することにより、硫化水素ガスを迅速に検知することができる。また、電池パック1に送風用のファン等を設置して電池パック1内の特定の位置に硫化水素ガスを流れやすくする場合と比較して、本実施形態における電池パック1であればコストを低減することができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0063】
例えば、上記実施形態のバッテリーケース10では、環状の段差部112が載置部111の全周に設けられているがこれに限定されない。段差部112は、少なくとも角部14
に設けられていればよい。
図5は、本実施形態における電池パック1の変形例を示す断面図である。
【0064】
図5に示すように、この変形例では段差部112bが角部14にのみ設けられている。つまり、4個の角部14においてのみ、第1の主面11aが下方に凹んで段差部112bを形成しており、この段差部112bに上述の硫化水素センサ15とセンサ収容部16が配置されている。この変形例においても、硫化水素ガスが段差部112bに集まりやすいため、迅速に硫化水素ガスを検知することができる。
【符号の説明】
【0065】
1…電池パック
10…バッテリケース
11…底面フレーム
11a…第1の主面
11b…第2の主面
111…載置部
112…段差部
113…平坦部
114…傾斜部
114a…頂部
114b,114c…傾斜面
12a~12d…側面フレーム
13…カバー部材
14…角部
15…硫化水素センサ
16…センサ収容部
161…ケース部
162…上方開口
163…側方開口
164…上方扉部
165…側方扉部
2…自動車
20…自動車ボディ
21…床裏面
22…ダッシュパネル
23…フロントフロアパネル
24…リヤフロアパネル
25…シル
3…バッテリ
30…全固体電池
4…バッテリーマネジメントシステム(BMS)