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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167912
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】管理方法および管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20231116BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079455
(22)【出願日】2022-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】岡田 隆
(72)【発明者】
【氏名】許斐 泰志
(72)【発明者】
【氏名】和泉 隆司
(72)【発明者】
【氏名】樋口 覚
(72)【発明者】
【氏名】太田 督
(72)【発明者】
【氏名】山田 篤史
(72)【発明者】
【氏名】松本 一也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】定期点検時に使用する手配部品と、予備のため保管する予備部品とからなる消耗部品の在庫数が過剰とならないように、消耗部品の手配数を適正に管理することができる管理方法を提供する。
【解決手段】管理方法は、設備の定期点検のたびに必要数を発注する手配部品と、前記手配部品とは別に一定の予備数が保管される予備部品とからなる消耗部品を管理する方法であって、前記定期点検前に発注した前記手配部品を荷受けする際に、前記手配部品および前記予備部品との合計数を記録するステップと、前記手配部品および前記予備部品を、前記定期点検において前記合計数から減少した数だけ発注するステップと、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備の定期点検のたびに必要数を発注する手配部品と、前記手配部品とは別に一定の予備数が保管される予備部品とからなる消耗部品を管理する方法であって、
前記定期点検前に発注した前記手配部品を荷受けする際に、前記手配部品および前記予備部品との合計数を記録するステップと、
前記手配部品および前記予備部品を、前記定期点検において前記合計数から減少した数だけ発注するステップと、
を有する管理方法。
【請求項2】
前記手配部品および前記予備部品を発注するステップは、
前記定期点検後、前記手配部品に余剰がある場合に、次の定期点検における使用予定数から余剰数を差し引いた数の前記手配部品が次の定期点検までに入庫するように発注する、
請求項1に記載の管理方法。
【請求項3】
前記手配部品および前記予備部品を発注するステップは、
前記定期点検後、前記手配部品の余剰がない場合に、次の定期点検における使用予定数と同数の前記手配部品が次の定期点検までに入庫するように発注する、
請求項1または2に記載の管理方法。
【請求項4】
前記定期点検において前記手配部品が不足した場合に、前記予備部品を出庫するステップをさらに有し、
前記手配部品および前記予備部品を発注するステップは、前記予備部品を出庫したときに出庫数と同数の前記予備部品を発注し、次の定期点検における使用予定数と同数の前記手配部品が次の定期点検までに入庫するように発注し、
前記合計数を記録するステップは、前記予備部品を荷受けする際に、前記手配部品および前記予備部品との合計数を記録する、
請求項1または2に記載の管理方法。
【請求項5】
荷受けする前記手配部品のケースには、前記手配部品の数を記録する識別タグが取り付けられており、
前記合計数を記録するステップは、前記識別タグから読み取った前記手配部品の数と、前記手配部品および前記予備部品の在庫数とを加算した前記合計数を記憶する、
請求項1または2に記載の管理方法。
【請求項6】
荷受け後に、前記識別タグは前記手配部品のケースまたは前記手配部品の保管場所に取り付けられ、
前記手配部品および前記予備部品を発注するステップは、前記識別タグから読み取った合計数から、前記定期点検後の前記消耗部品の残数を減じて、前記手配部品の使用数または余剰数を特定する、
請求項5に記載の管理方法。
【請求項7】
設備の定期点検のたびに必要数を発注する手配部品と、前記手配部品とは別に常に一定の予備数が保管される予備部品とからなる消耗部品を管理する管理システムであって、
前記定期点検前に発注した前記手配部品を荷受けする際に、前記手配部品および前記予備部品との合計数を記録する記録処理部と、
前記手配部品および前記予備部品を、前記定期点検において前記合計数から減少した数だけ発注する発注処理部と、
を備える管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理方法および管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
発電プラントや工場などでは、設備の定期点検において使用する消耗部品について、定期点検前に入庫するように手配している(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-164268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、消耗部品の在庫管理については、定期点検後などの閑散期に、作業者が作業現場や倉庫内に残っている消耗部品の在庫数を確認し、次回定期点検用に必要な消耗部品の数を特定および手配している。消耗部品の在庫数確認は、数か月間ほどの長時間を要する作業であり、作業者の負担となっている。
【0005】
また、次回定期点検に向けた消耗部品の手配にあたっては、定期点検における使用予定数に、過去の経験から予備数を加算して、実際の使用数よりも多く手配(発注)される場合がある。このため、消耗部品の在庫数が過剰となる可能性がある。
【0006】
本開示の目的は、定期点検時に使用する手配部品と、予備のため保管する予備部品とからなる消耗部品の在庫数が過剰とならないように、消耗部品の手配数を適正に管理することができる管理方法および管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、管理方法は、設備の定期点検のたびに必要数を発注する手配部品と、前記手配部品とは別に一定の予備数が保管される予備部品とからなる消耗部品を管理する方法であって、前記定期点検前に発注した前記手配部品を荷受けする際に、前記手配部品および前記予備部品との合計数を記録するステップと、前記手配部品および前記予備部品を、前記定期点検において前記合計数から減少した数だけ発注するステップと、を有する。
【0008】
本開示の一態様によれば、管理システムは、設備の定期点検のたびに必要数を発注する手配部品と、前記手配部品とは別に常に一定の予備数が保管される予備部品とからなる消耗部品を管理する管理システムであって、前記定期点検前に発注した前記手配部品を荷受けする際に、前記手配部品および前記予備部品との合計数を記録する記録処理部と、前記手配部品および前記予備部品を、前記定期点検において前記合計数から減少した数だけ発注する発注処理部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
上記態様によれば、定期点検時に使用する手配部品と、予備のため保管する予備部品とからなる消耗部品の在庫数が過剰とならないように、消耗部品の手配数を適正に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る管理システムの全体構成を示す図である。
図2】一実施形態に係る端末装置の機能構成を示す図である。
図3】一実施形態に係る管理サーバの機能構成を示す図である。
図4】一実施形態に係る部品情報の一例を示す図である。
図5】一実施形態に係る手配部品の荷受け処理の一例を示す図である。
図6】一実施形態に係る端末装置の機能を説明するための第1の図である。
図7】一実施形態に係る端末装置の機能を説明するための第2の図である。
図8】一実施形態に係る手配部品の発注処理の一例を示す図である。
図9】一実施形態に係る端末装置の機能を説明するための第3の図である。
図10】一実施形態に係る予備部品の発注処理の一例を示す図である。
図11】一実施形態に係る予備部品の荷受け処理の一例を示す図である。
図12】一実施形態に係る消耗部品の在庫数の例を示す第1の図である。
図13】一実施形態に係る消耗部品の在庫数の例を示す第2の図である。
図14】一実施形態に係る消耗部品の在庫数の例を示す第3の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
本実施形態に係る管理システム1は、発電プラントや工場などの設備の定期点検に使用する複数の消耗部品の在庫数や手配(発注)の管理を行うためのシステムである。
【0012】
(管理システムの全体構成)
図1は、一実施形態に係る管理システムの全体構成を示す図である。
図1に示すように、管理システム1は、端末装置10と、管理サーバ20とを備える。
【0013】
端末装置10は、設備が設けられた作業現場において、消耗部品Pの管理を行う作業者が消耗部品Pのケース(運搬用または保管用の箱、袋など)または保管場所(倉庫の棚)に取り付けられた識別タグ30を読み取るために使用する。識別タグ30は、例えば、QRコード(登録商標)などの二次元コードが印刷された荷札などである。識別タグ30には、例えば、消耗部品Pの識別情報(部品名、部品番号など)や、数量などが記録される。端末装置10は二次元コードを読み取り可能な専用端末(二次元コードスキャナ)、スマートフォン、タブレットなどである。
【0014】
消耗部品Pは、定期点検のたびに必要数を発注する手配部品P1と、手配部品P1とは別に一定の予備数が保管される予備部品P2とからなる。
【0015】
管理サーバ20は、端末装置10と通信可能に接続され、各消耗部品Pの在庫数や保管場所などの情報を含む部品情報D1を管理する。また、管理サーバ20は、次の定期点検までに使用予定数分の手配部品P1が作業現場に入庫するように、手配部品P1を発注する。さらに、管理サーバ20は、予備部品P2が使用された場合に、速やかに不足分の予備部品P2を発注する。
【0016】
(端末装置の機能構成)
図2は、一実施形態に係る端末装置の機能構成を示す図である。
図2に示すように、端末装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信インタフェース14と、読取装置15と、表示装置16と、入力装置17とを備える。
【0017】
メモリ12は、プロセッサ11の動作に必要なメモリ領域を有する。
【0018】
ストレージ13は、いわゆる補助記憶装置であって、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。
【0019】
通信インタフェース14は、外部装置(管理サーバ20)との間で各種情報の送受信を行うためのインタフェースである。
【0020】
読取装置15は、識別タグ30を読み取るカメラ等の装置である。
【0021】
表示装置16は、識別タグ30から読み取った情報などを表示する液晶ディスプレイ等の装置である。
【0022】
入力装置17は、作業者の操作を受け付けるための装置である。なお、本実施形態では、表示装置16および入力装置17は、タッチパネルにより一体に構成されているとする。他の実施形態では、入力装置17は、表示装置16とは別に設けられるキーボード等の入力装置であってもよい。
【0023】
プロセッサ11は、所定のプログラムに従って動作することにより、情報取得部110、および送信処理部111としての機能を発揮する。
【0024】
情報取得部110は、読取装置15を介して識別タグ30から消耗部品Pに関する情報を取得する。識別タグ30には、作業現場に入庫する消耗部品P(手配部品P1または予備部品P2)の数量や、消耗部品Pの部品情報D1にアクセスするためのURLなどが記録されている。例えば、情報取得部110は、消耗部品Pの荷受け時に、識別タグ30から読み取った識別情報および消耗部品Pの数量(入庫数)を自動的に取得する。
【0025】
また、情報取得部110は、入力装置17を介して作業者が入力した、消耗部品Pに関する情報を取得する。例えば、情報取得部110は、消耗部品Pの荷受け時に、作業者が入力した消耗部品Pの保管場所の情報(倉庫の棚番号など)を取得する。
【0026】
送信処理部111は、情報取得部110が取得した消耗部品Pに関する情報を管理サーバ20に送信する。例えば、送信処理部111は、消耗部品Pの荷受け時に、識別タグ30から読み取った情報(識別情報、入庫数など)や、作業者が入力した情報(保管場所など)を管理サーバ20に送信する。これらの情報は、管理サーバ20の部品情報D1に記録される。
【0027】
(管理サーバの機能構成)
図3は、一実施形態に係る管理サーバの機能構成を示す図である。
図3に示すように、管理サーバ20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信インタフェース24とを備える。
【0028】
メモリ22は、プロセッサ21の動作に必要なメモリ領域を有する。
【0029】
ストレージ23は、いわゆる補助記憶装置であって、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。ストレージ23には、消耗部品Pの部品情報D1などが記録される。
【0030】
通信インタフェース24は、外部装置(端末装置10)との間で各種情報の送受信を行うためのインタフェースである。
【0031】
プロセッサ21は、所定のプログラムに従って動作することにより、記録処理部210、および発注処理部211としての機能を発揮する。
【0032】
記録処理部210は、定期点検前に発注した手配部品P1を荷受けする際、および、予備部品P2を荷受けする際に、手配部品P1および予備部品P2との合計数を部品情報D1に記録する。
【0033】
発注処理部211は、手配部品P1および予備部品P2を、定期点検において合計数から減少した数だけ発注する。
【0034】
(部品情報の例)
図4は、一実施形態に係る部品情報の一例を示す図である。
図4に示すように、部品情報D1には、各消耗部品Pの識別情報、定期点検時の使用予定数、前回の余剰数、次回の必要数、在庫数、保管場所などがされる。
【0035】
識別情報は、消耗部品Pの部品名、部品番号などである。
【0036】
定期点検時の使用予定数は、定期点検時に使用(交換)する消耗部品Pの最大数である。また、定期点検は、複数の異なる点検A、B、Cを予め定めた順番で実施してもよい。例えば、点検Aでは一部の設備の点検(消耗部品Pの交換)を行う。点検Bでは点検Aとは異なる設備の点検を行う。点検Cでは、全ての設備の点検を行う。
【0037】
前回の余剰数は、前回実施した定期点検において使用しなかった(余った)手配部品P1の数である。
【0038】
次回の必要数は、次に実施する定期点検用に発注すべき手配部品P1の数である。
【0039】
在庫数は、作業現場に保管されている手配部品P1および予備部品P2の合計数である。
【0040】
保管場所は、消耗部品Pの保管場所(倉庫の棚番号など)である。
【0041】
(手配部品の荷受け処理)
図5は、一実施形態に係る手配部品の荷受け処理の一例を示す図である。
ここでは、図5を参照しながら、手配部品P1の荷受け処理の流れについて説明する。
【0042】
まず、作業者は、定期点検前に発注した手配部品P1の荷受けを行う。手配部品P1のケースには、手配部品P1の発送元により、手配部品P1の識別情報、数量(入庫数)などを予め記録した識別タグ30が取り付けられている。例えば、作業者は、端末装置10を荷受けモードにして、識別タグ30を読み取る操作を行う。そうすると、端末装置10の情報取得部110は、識別タグ30から手配部品P1の識別情報および入庫数を取得する(ステップS10)。
【0043】
図6は、一実施形態に係る端末装置の機能を説明するための第1の図である。
図6に示すように、端末装置10の表示装置16には、情報取得部110が読み取った手配部品P1の識別情報および入庫数と、登録ボタン160Aおよびキャンセルボタン160Bが表示される。作業者が登録ボタン160Aを押下すると、端末装置10の送信処理部111は、手配部品P1の識別情報および入庫数ともに、手配部品P1の入庫数登録要求を管理サーバ20に送信する(ステップS11)。なお、作業者がキャンセルボタン160Bを押下した場合、端末装置10はステップS10に戻る。
【0044】
なお、他の実施形態では、端末装置10の送信処理部111は、情報取得部110が入庫数を取得したときに、自動的に管理サーバ20に登録要求を送信するようにしてもよい。このようにすることで、作業者の操作を簡略化することも可能である。
【0045】
次に、管理サーバ20の記録処理部210は、端末装置10から手配部品P1の登録要求を受信すると、作業現場に保管されている消耗部品P(手配部品P1および予備部品P2)と、新たに入庫した手配部品P1との合計数を部品情報D1(図4)に記録する(ステップS12)。例えば、記録処理部210は、ストレージ23に記録された部品情報D1から、登録要求された手配部品P1の識別情報に関連付けられたレコードを抽出する。記録処理部210は、抽出したレコードに記録されている在庫数(手配部品P1および予備部品P2の現在の合計数)を、端末装置10から受信した手配部品P1の入庫数を加算して更新する。
【0046】
図7は、一実施形態に係る端末装置の機能を説明するための第2の図である。
また、端末装置10は、作業者から手配部品P1の保管場所の入力をさらに受け付けてもよい。例えば、作業者は、端末装置10を操作して、部品情報D1の参照、更新を行うモードにする。そうすると、端末装置10の情報取得部110は、管理サーバ20に記録された部品情報D1を読み出して表示装置16に表示する。また、情報取得部110は、作業者が入力装置17に手動入力した識別情報、または、識別タグ30から読み取った識別情報を検索キーとして、部品情報D1から手配部品P1のレコードを検索して表示装置16に表示する。また、作業者が手配部品P1の保管場所を登録する操作を行うと、図7の例のように、端末装置10の表示装置16には、保管場所を入力するための画面が表示される。作業者が保管場所の入力欄161Aに保管場所情報(棚番号)を入力して登録ボタン161Bを押下すると、端末装置10の送信処理部111は、手配部品P1の識別情報および保管場所情報とともに、手配部品P1の保管場所登録要求を管理サーバ20に送信する(ステップS13)。
【0047】
そうすると、管理サーバ20の記録処理部210は、手配部品P1の保管場所を部品情報D1(図4)に追加して記録する(ステップS13)。
【0048】
なお、過去の荷受け時に手配部品P1の保管場所を既に登録済みであり、且つ保管場所の変更が不要な場合には、ステップS13~S14は省略してもよい。
【0049】
次に、作業者は、荷受けした手配部品P1を、保管場所として登録した場所へ棚入れ(入庫)する(ステップS15)。なお、手配部品P1と予備部品P2とは、同一の保管場所に保管されていてもよいし、それぞれ異なる保管場所に保管されてもよい。
【0050】
作業者は、各消耗部品Pの手配部品P1を受け取るたびに、図5に示す一連の処理を行う。
【0051】
(手配部品の発注処理)
図8は、一実施形態に係る手配部品の発注処理の一例を示す図である。
ここでは、図8を参照しながら、手配部品P1の発注処理の流れについて説明する。ここでは、点検Aを実施後に、部品PA(図4)の次の点検B用の発注処理を行う例について説明する。
【0052】
点検Aにおいて部品PAを使用する際、作業者は、部品PAを保管場所から作業フロア(点検Aの実施場所)へ出庫する。このとき、作業者は、識別タグ30が取り付けられたケースごと、部品PAを作業フロアへ出庫していてもよい。また、本実施形態では、作業者は、手配部品P1の出庫時には、部品情報D1を更新する作業を行わなくてもよい。
【0053】
作業者は、点検Aを終えた後に、部品PAについて、手配部品P1及び予備部品P2の残数と、点検Aにおける手配部品P1の使用数を特定する。例えば、作業者は、端末装置10を操作して、部品情報D1の参照、更新を行うモードにする。端末装置10の情報取得部110は、部品PA(手配部品P1)のケースに取り付けられた識別タグ30から読み取った識別情報を検索キーとして、部品情報D1から部品PAのレコードを検索する。なお、情報取得部110は、作業者が入力装置17に手動入力した識別情報を検索キーとして使ってもよい。
【0054】
図9は、一実施形態に係る端末装置の機能を説明するための第3の図である。
図9に示すように、端末装置10の表示装置16には、情報取得部110が検索した部品PAの識別情報と、保管場所と、在庫数(手配部品P1および予備部品P2の合計数)とが表示される。また、表示装置16には、数量入力欄162Aと、Applyボタン162Bと、数量設定ボタン162Cとが表示される。
【0055】
まず、作業者は、部品PAの現在の残数を目視して数える。また、作業者は、部品PAの重量などから残数を算出してもよい。次に、作業者は、表示装置16に表示される部品PAの在庫数から、部品PAの現在の残数を減じて、点検Aにおける部品PAの手配部品P1の使用数を特定する。そして、端末装置10の情報取得部110は、作業者による入力操作を受け付けて、部品PAの手配部品P1の使用数を取得する(ステップS20)。
【0056】
図9の数量入力欄162Aは、作業者による数値(手配部品P1の使用数)の直接入力を受け付ける。入力された数値は、数量入力欄162Aに表示される。手配部品P1の使用数を入力するときは、負の値(在庫数から減じる数)を入力する。数量設定ボタン162Cは、選択したボタンに対応した数値を加算また減算する。
【0057】
数量設定ボタン162Cは、例えば、「-10」、「-」、「+」、「+10」、「予定数使用済み」などのボタンを有している。作業者は、手配部品P1の使用数を入力するときは、「-10」、「-」、および「予定数使用済み」を押下する。「-10」が押下されるたびに、数量入力欄162Aの表示(初期値は0)が10ずつ減算される。また、「-」が押下されるたびに、数量入力欄162Aの表示が1ずつ減算される。なお、作業者は、点検Aで手配部品P1を全数使用した場合には、「予定数使用済み」を押下してもよい。この場合、手配部品P1の点検Aにおける使用予定数を減じた値(図4の例では、「-5」)が数量入力欄162Aに表示される。
【0058】
Applyボタン162Bは、手配部品P1の使用数を確定するためのボタンである。Applyボタン162Bが押下されると、端末装置10の情報取得部110は、数量入力欄162Aに表示された数値を、点検Aにおける部品PAの手配部品P1の使用数として取得する。また、端末装置10の送信処理部111は、部品PAの識別情報および使用数とともに、合計数の更新要求を管理サーバ20に送信する(ステップS21)。
【0059】
また、作業者は、手配部品P1の余剰分を部品PAのケースに収容して、管理場所に棚入れする(ステップS22)。このとき、作業者は、図9に示す端末装置10の画面表示を参照することにより、部品PAの保管場所を容易に特定可能である。
【0060】
次に、管理サーバ20の記録処理部210は、端末装置10から部品PAの合計数の更新要求を受信すると、部品PAの在庫数から使用数を減じた値を、新たな在庫数(部品PAの手配部品P1および予備部品P2の合計数)として部品情報D1に記録して更新する(ステップS23)。
【0061】
また、管理サーバ20の発注処理部211は、端末装置10から受信した部品PAの手配部品P1の使用数、または部品PAの更新後の在庫数に基づいて、次の点検B用の部品PAの手配部品P1の発注数を特定する。まず、発注処理部211は、部品PAの手配部品P1に余剰があるか否かを判断する(ステップS24)。
【0062】
例えば、発注処理部211は、部品PAの点検Aの使用予定数が、実際の使用数よりも大きい場合に、手配部品P1の余剰があると判断する(ステップS24;YES)。また、例えば、発注処理部211は、部品PAの更新後の在庫数が、部品PAの予備部品P2の要求数よりも大きい場合に、手配部品P1の余剰があると判断してもよい。このとき、発注処理部211は、部品情報D1の部品PAの「前回の余剰数」欄に、部品PAの余剰数を記録する。
【0063】
また、発注処理部211は、手配部品P1の余剰がある場合、次の点検Bにおける部品PAの使用予定数から、部品PAの手配部品P1の余剰数を減じた値を、次の点検B用の必要数として決定する(ステップS25)。このとき、発注処理部211は、部品情報D1の部品PAの「次回の必要数」欄に、必要数を記録する。図4の例では、点検Aにおける余剰数は「3」であり、次の点検Bにおける使用数は「5」である。したがって、次の点検Bにおける部品PAの手配部品P1の必要数は「2」である。
【0064】
一方、点検Aにおいて、部品PAの手配部品P1を全数使用しており、余剰がない場合(ステップS24;NO)、発注処理部211は、次の点検Bにおける部品PAの使用予定数を、次の点検B用の必要数として決定する(ステップS26)。
【0065】
次に、発注処理部211は、ステップS24またはステップS25で決定した必要数分の手配部品P1の発注処理を行う(ステップS27)。
【0066】
また、他の消耗部品P(部品PB、PC、…)についても同様に、図8に示す一連の処理が行われる。これにより、各消耗部品Pの手配部品P1について、点検Aで余った分を減じて発注を行うことにより、在庫数が過剰となってしまうことを抑制することができる。
【0067】
(予備部品の発注処理)
図10は、一実施形態に係る予備部品の発注処理の一例を示す図である。
ここでは、図10を参照しながら、予備部品P2の発注処理の流れについて説明する。
【0068】
例えば、点検Aにおいて、部品PCの手配部品P1を全数使用した後、さらに部品PCが必要になったとする。この場合、作業者は、部品PCの予備部品P2の払い出し(出庫)を行う(ステップS30)。
【0069】
また、作業者は、端末装置10を操作して、部品情報D1の参照、更新を行うモードにする。端末装置10の情報取得部110は、部品PC(予備部品P2)のケースに取り付けられた識別タグ30から読み取った識別情報を検索キーとして、部品情報D1から部品PCのレコードを検索する。なお、情報取得部110は、作業者が入力装置17に手動入力した識別情報を検索キーとして使ってもよい。
【0070】
端末装置10の情報取得部110は、部品PCのレコードを検索すると、表示装置16に図9と同様の画面を表示する。表示装置16には、情報取得部110が検索した部品PCの識別情報と、保管場所と、在庫数(手配部品P1および予備部品P2の合計数)とが表示される。また、表示装置16には、数量入力欄162Aと、Applyボタン162Bと、数量設定ボタン162Cとが表示される。
【0071】
次に、作業者は、手配部品P1を全数使用済みであることを端末装置10に入力する。例えば、作業者は、数量設定ボタン162Cの「予定数使用済み」を押下し、さらにApplyボタン162Bを押下する。そうすると、端末装置10の情報取得部110は、手配部品P1の使用数を取得する(ステップS31)。図4の例では、点検Aにおける部品PCの使用予定数は「10」であるので、使用数は「10」となる。また、端末装置10の送信処理部111は、部品PCの識別情報および使用数とともに、合計数の更新要求を管理サーバ20に送信する(ステップS32)。なお、ステップS31~S32の処理は、図8のステップS20~S21と同様である。
【0072】
次に、管理サーバ20の記録処理部210は、端末装置10から部品PCの合計数の更新要求を受信すると、部品PCの在庫数から使用数を減じた値を、新たな在庫数(部品PCの手配部品P1および予備部品P2の合計数)として部品情報D1に記録して更新する(ステップS33)。なお、ステップS33の処理は、図8のステップS23の処理と同様である。
【0073】
部品情報D1が更新されると、端末装置10の表示装置16に表示される部品PCの在庫数は、部品PCの予備部品P2の数となる。作業者は、数量設定ボタン162Cを押下して予備部品P2の使用数をさらに入力し、Applyボタン162Bを押下する。そうすると、端末装置10の情報取得部110は、予備部品P2の使用数を取得する(ステップS34)。また、端末装置10の送信処理部111は、部品PCの識別情報および予備部品P2の使用数とともに、合計数の更新要求を管理サーバ20に送信する(ステップS35)。
【0074】
次に、管理サーバ20の記録処理部210は、端末装置10から部品PCの合計数の更新要求を受信すると、部品PCの在庫数から予備部品P2の使用数を減じた値を、新たな在庫数(部品PCの手配部品P1および予備部品P2の合計数)として部品情報D1に記録して更新する(ステップS36)。
【0075】
また、管理サーバ20の発注処理部211は、不足数分の予備部品P2のを発注する処理を行う(ステップS37)。予備部品P2の不足数は、予備部品P2の要求数から現在の在庫数を減じた数である。
【0076】
(予備部品の荷受け処理)
図11は、一実施形態に係る予備部品の荷受け処理の一例を示す図である。
ここでは、図11を参照しながら、図10のステップS37で発注した部品PCの予備部品P2を荷受けする処理の流れについて説明する。
【0077】
作業者は、部品PCの予備部品P2の荷受けを行う。予備部品P2のケースには、予備部品P2の発送元により、予備部品P2(部品PC)の識別情報、数量(入庫数)などを予め記録した識別タグ30が取り付けられている。作業者は、端末装置10を荷受けモードにして、識別タグ30を読み取る操作を行う。そうすると、端末装置10の情報取得部110は、識別タグ30から予備部品P2の識別情報および入庫数を取得する(ステップS40)。識別タグ30から読み取った予備部品P2の入庫数は、端末装置10の表示装置16(例えば、図9の数量入力欄162A)に表示される。
【0078】
なお、端末装置10の情報取得部110は、作業者による入力操作を受け付けて、部品PCの予備部品P2の入庫数を取得してもよい。この場合、端末装置10の表示装置16には、図9に示す画面が表示される。例えば、作業者は、数量入力欄162Aに入庫数を直接入力する。また、作業者は、数量設定ボタン162Cのを操作して、入庫数を入力してもよい。数量設定ボタン162Cの「+10」が押下されるたびに、数量入力欄162Aの表示(初期値は0)が10ずつ加算される。また、「+」が押下されるたびに、数量入力欄162Aの表示が1ずつ加算される。
【0079】
また、作業者がApplyボタン162Bを押下すると、端末装置10の送信処理部111は、部品PCの識別情報および予備部品P2の入庫数とともに、合計数の更新要求を管理サーバ20に送信する(ステップS41)。
【0080】
また、作業者は、荷受けした予備部品P2を管理場所に棚入れする(ステップS42)。このとき、作業者は、図9に示す端末装置10の表示装置16を参照することにより、部品PCの保管場所を容易に特定可能である。
【0081】
次に、管理サーバ20の記録処理部210は、端末装置10から部品PCの合計数の更新要求を受信すると、部品PCの在庫数に予備部品P2の入庫数を加算した値を、新たな在庫数(部品PAの手配部品P1および予備部品P2の合計数)として部品情報D1に記録して更新する(ステップS43)。
【0082】
管理システム1は、予備部品P2が使用される場合に、図10図11の一連の処理を行うことにより、予備部品P2の不足分を速やかに補充することができる。
【0083】
(作用、効果)
以上のように、本実施形態に係る消耗部品Pの管理方法は、定期点検前に発注し手配部品P1を荷受けする際に、手配部品P1および予備部品P2との合計数を部品情報D1に記録するステップと、手配部品P1および予備部品P2を、定期点検において合計数から減少した数(使用した数)だけ発注するステップ、を有する。
【0084】
このようにすることで、定期点検時に使用する手配部品P1と、予備のため保管する予備部品P2とからなる消耗部品Pの在庫数が過剰とならないように、消耗部品Pの手配数を適正に管理することができる。
【0085】
また、手配部品P1を発注するステップは、定期点検後、手配部品P1に余剰がある場合に、次の定期点検における手配部品P1の使用予定数から手配部品P1の余剰数を差し引いた数の手配部品P1が次の定期点検までに入庫するように発注する(図8のS25、S27)。
【0086】
このようにすることで、手配部品P1を過剰に発注することを抑制することができる。
【0087】
図12は、一実施形態に係る消耗部品の在庫数の例を示す第1の図である。
定期点検で手配部品P1の余剰が生じた場合における在庫数の変化について、図12を参照しながら説明する。図12の棒グラフは、消耗部品P(例えば、部品PA)の手配部品P1および予備部品P2の実際の在庫数の変化を表す。折れ線グラフは、部品情報D1に記録される部品PAの合計数の変化を表す。
【0088】
荷受け前の時点では、部品PAは予備部品P2のみが倉庫に保管されている。また、部品情報D1に記録される部品PAの合計数は、予備部品P2の数と同数である。
【0089】
部品PAの手配部品P1を荷受けすると、部品PAの実際の在庫数は入庫した手配部品P1の数と、予備部品P2の数とを合計した数となる。また、図5の一連の処理を実行することにより、部品情報D1に記録される部品PAの合計数は、部品PAの実際の在庫数と一致する。
【0090】
また、定期点検において、2回に分けて部品PAの手配部品P1を使用(出庫)し、実際の在庫数が減少したとする。なお、本実施形態では、手配部品P1の出庫時には、部品情報D1の更新を行わないため、部品情報D1に記録される合計数は、荷受け時から変化していない。
【0091】
定期点検が終わって余剰の手配部品P1を棚入れ(入庫)する際に、図8の一連の処理を実施する。このとき、部品情報D1に記録される合計数が、実際の在庫数と一致する。また、ここでは、次の定期点検における手配部品P1の使用予定数から、手配部品P1の余剰数を減じた数が、手配部品P1の必要数(発注数)となる。したがって、次の荷受け時には、必要数のみが入庫する。このように、本実施形態に係る管理方法においては、定期点検において手配部品P1の余剰が生じた場合であっても、部品PAの在庫数が定期点検における使用予定数と、予備部品P2の要求数との合計数を超える(過剰な在庫が発生する)ことを抑制することができる。
【0092】
また、手配部品P1を発注するステップは、定期点検後、手配部品P1の余剰がない場合に、次の定期点検における手配部品P1の使用予定数と同数の手配部品P1が次の定期点検までに入庫するように発注する(図8のS26、S27)。
【0093】
このようにすることで、次の定期点検までに、手配部品P1を不足なく手配することができる。
【0094】
図13は、一実施形態に係る消耗部品の在庫数の例を示す第2の図である。
定期点検で手配部品P1をちょうど使い切った場合における在庫数の変化について、図13を参照しながら説明する。図13の棒グラフは、消耗部品P(例えば、部品PA)の手配部品P1および予備部品P2の実際の在庫数の変化を表す。折れ線グラフは、部品情報D1に記録される部品PAの合計数の変化を表す。
【0095】
定期点検において、2回に分けて部品PAの手配部品P1を使用(出庫)し、2回目の出庫で手配部品P1をちょうど使い切ったとする。なお、本実施形態では、手配部品P1の出庫時には、部品情報D1の更新を行わないため、部品情報D1に記録される合計数は、荷受け時から変化していない。
【0096】
定期点検が終わって余剰の手配部品P1を棚入れ(入庫)する際に、図8の一連の処理を実施する。このとき、部品情報D1に記録される合計数が、実際の在庫数と一致する。また、ここでは、手配部品P1の余剰がゼロであるため、次の定期点検における手配部品P1の使用予定数と同数が、手配部品P1の必要数(発注数)となる。したがって、次の荷受け時には、使用予定数分の手配部品P1が入庫する。このように、本実施形態に係る管理方法においては、定期点検において全ての手配部品P1を使い切った場合であっても、次の定期点検で不足が発生しないように、適切な数の手配部品P1を発注することができる。
【0097】
また、本実施形態に係る消耗部品Pの管理方法は、定期点検において手配部品P1が不足した場合に、予備部品P2を出庫するステップをさらに有する(図10のステップS30)。予備部品P2を発注するステップは、予備部品P2を出庫したときに出庫数と同数の予備部品P2を発注する(図10のステップS37)。手配部品P1を発注するステップは、次の定期点検における手配部品P1の使用予定数と同数の手配部品P1が次の定期点検までに入庫するように発注する(図8のステップS26、S27)。
【0098】
このようにすることで、定期点検で予備部品P2を使用した場合には、速やかに予備部品P2を補充することができる。また、次の定期点検までに、手配部品P1を不足なく手配することができる。
【0099】
図14は、一実施形態に係る消耗部品の在庫数の例を示す第3の図である。
定期点検で手配部品P1が不足し、予備部品P2を使用した場合における在庫数の変化について、図14を参照しながら説明する。図14の棒グラフは、消耗部品P(例えば、部品PA)の手配部品P1および予備部品P2の実際の在庫数の変化を表す。折れ線グラフは、部品情報D1に記録される部品PAの合計数の変化を表す。
【0100】
定期点検において、2回に分けて部品PAの手配部品P1を使用(出庫)し、2回目の出庫で手配部品P1が不足し、予備部品P2の一部を使用したとする。なお、本実施形態では、手配部品P1の出庫時には、部品情報D1の更新を行わないため、定期点検時出庫1の時点では、部品情報D1に記録される合計数は、荷受け時から変化していない。しかしながら、予備部品P2の出庫時には、図10の一連の処理を実行することにより、部品情報D1に記録される合計数が更新される。
【0101】
また、予備部品P2を出庫した場合には、速やかに使用(出庫)した分と同数の予備部品P2の発注を行う(図10のステップS37)。このため、図14の例では、次の定期点検用の荷受けよりも前に、予備部品P2の荷受け及び入庫が行われる。このようにすることで、予備部品P2が不足する期間が長期化してしまうことを抑制することができる。これにより、例えば設備の突発的な故障などにより部品PAの交換が必要となった場合に、予備部品P2の不足により設備の復旧が遅延してしまうことを抑制することができる。
【0102】
また、荷受けする手配部品P1のケースには、手配部品P1の数(入庫数)を記録する識別タグ30が取り付けられており、合計数を記録するステップは、識別タグ30から読み取った手配部品P1の数と、部品情報D1に記録されている手配部品P1および予備部品P2の在庫数とを加算した合計数を記憶する。
【0103】
このようにすることで、手配部品P1の入庫数の入力を自動化することができる。これにより、消耗部品Pの在庫管理における作業者の負荷を低減することができる。
【0104】
また、荷受け後に、識別タグ30は手配部品P1のケースまたは手配部品P1の保管場所(棚)に取り付けられ、手配部品P1を発注するステップは、識別タグ30から読み取った合計数から、定期点検後の消耗部品Pの残数を減じて、手配部品P1の使用数または余剰数を特定する。
【0105】
このようにすることで、定期点検後の手配部品P1の使用数または余剰数を容易に特定することができる。これにより、消耗部品Pの在庫管理における作業者の負荷を低減することができる。
【0106】
また、部品情報D1には、消耗部品P(手配部品P1および予備部品P2)の保管場所がさらに記録されてもよい。
【0107】
定期点検で使用される消耗部品Pの種類は膨大であり、広大な保管場所(倉庫)のどこに保管されているか把握することが困難な場合がある。そうすると、定期点検などの必要時に手配部品を倉庫から探して出庫するまでに時間がかかってしまう場合がある。しかしながら、本実施形態では、このように、各手配部品P1の保管場所を予め登録しておくことにより、作業者は、定期点検で使用する手配部品P1がどこに保管されているかを容易且つ迅速に知ることが可能である。
【0108】
以上のとおり、本開示に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0109】
例えば、上述の実施形態では、手配部品P1の発注処理において、端末装置10が手配部品P1の使用数を管理サーバ20に送信して、合計数の更新要求を行う例について説明したが、これに限られることはない。他の実施形態では、端末装置10は、手配部品P1の使用数に代えて、消耗部品Pの現在の残数の入力を受け付けて、現在の残数とともに合計数の更新要求を管理サーバ20に送信してもよい(図8のステップS20~S21)。
【0110】
また、上述の実施形態では、手配部品P1の払い出し時には部品情報D1を更新しない例について説明したが、これに限られることはない。他の実施形態では、手配部品P1の払い出しを行うたびに、図10のステップS31~S33を実行し、部品情報D1に記録される手配部品P1および予備部品P2の合計数が、常に実際の在庫数と一致するように更新してもよい。このようにすることで、部品情報D1には常に現実の在庫数が反映されるため、消耗部品Pの在庫管理をより精密に行うことが可能となる。
【0111】
<付記>
上述の実施形態は、例えば以下のように把握される。
【0112】
(1)第1の態様によれば、管理方法は、設備の定期点検のたびに必要数を発注する手配部品P1と、手配部品P1とは別に一定の予備数が保管される予備部品P2とからなる消耗部品Pを管理する方法であって、定期点検前に発注した手配部品P1を荷受けする際に、手配部品P1および予備部品P2との合計数を記録するステップと、手配部品P1および予備部品P2を、定期点検において合計数から減少した数だけ発注するステップと、を有する。
【0113】
このようにすることで、定期点検時に使用する手配部品P1と、予備のため保管する予備部品P2とからなる消耗部品Pの在庫数が過剰とならないように、消耗部品Pの手配数を適正に管理することができる。
【0114】
(2)第2の態様によれば、第1の態様に係る管理方法において、手配部品P1および予備部品P2を発注するステップは、定期点検後、手配部品P1に余剰がある場合に、次の定期点検における使用予定数から余剰数を差し引いた数の手配部品P1が次の定期点検までに入庫するように発注する。
【0115】
このようにすることで、手配部品P1を過剰に発注することを抑制することができる。
【0116】
(3)第3の態様によれば、第1または第2の態様に係る管理方法において、手配部品P1および予備部品P2を発注するステップは、定期点検後、手配部品P1の余剰がない場合に、次の定期点検における使用予定数と同数の手配部品P1が次の定期点検までに入庫するように発注する。
【0117】
このようにすることで、次の定期点検までに、手配部品P1を不足なく手配することができる。
【0118】
(4)第4の態様によれば、第1から第3の何れか一の態様に係る管理方法は、定期点検において手配部品P1が不足した場合に、予備部品P2を出庫するステップをさらに有し、手配部品P1および予備部品P2を発注するステップは、予備部品P2を出庫したときに出庫数と同数の予備部品P2を発注し、次の定期点検における使用予定数と同数の手配部品P1が次の定期点検までに入庫するように発注し、合計数を記録するステップは、予備部品P2を荷受けする際に、手配部品P1および予備部品P2との合計数を記録する。
【0119】
このようにすることで、定期点検で予備部品P2を使用した場合には、速やかに予備部品P2を補充することができる。また、次の定期点検までに、手配部品P1を不足なく手配することができる。
【0120】
(5)第5の態様によれば、第1から第4の何れか一の態様に係る管理方法において、荷受けする手配部品P1のケースには、手配部品P1の数を記録する識別タグ30が取り付けられており、合計数を記録するステップは、識別タグ30から読み取った手配部品P1の数と、手配部品P1および予備部品P2の在庫数とを加算した合計数を記憶する。
【0121】
このようにすることで、手配部品P1の入庫数の入力を自動化することができる。これにより、消耗部品Pの在庫管理における作業者の負荷を低減することができる。
【0122】
(6)第6の態様によれば、第5の態様に係る管理方法において、荷受け後に、識別タグ30は手配部品P1のケースまたは手配部品P1の保管場所に取り付けられ、手配部品P1および予備部品P2を発注するステップは、識別タグ30から読み取った合計数から、定期点検後の消耗部品Pの残数を減じて、手配部品P1の使用数または余剰数を特定する。
【0123】
このようにすることで、定期点検後の手配部品P1の使用数または余剰数を容易に特定することができる。これにより、消耗部品Pの在庫管理における作業者の負荷を低減することができる。
【0124】
(7)第7の態様によれば、管理システム1は、設備の定期点検のたびに必要数を発注する手配部品P1と、手配部品P1とは別に常に一定の予備数が保管される予備部品P2とからなる消耗部品Pを管理する管理システム1であって、定期点検前に発注した手配部品P1を荷受けする際に、手配部品P1および予備部品P2との合計数を記録する記録処理部210と、手配部品P1および予備部品P2を、定期点検において合計数から減少した数だけ発注する発注処理部211と、を備える。
【符号の説明】
【0125】
1 管理システム
10 端末装置
11 プロセッサ
110 情報取得部
111 送信処理部
12 メモリ
13 ストレージ
14 通信インタフェース
15 読取装置
16 表示装置
17 入力装置
20 管理サーバ
21 プロセッサ
210 記録処理部
211 発注処理部
22 メモリ
23 ストレージ
24 通信インタフェース
30 識別タグ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14