(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023167939
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】集塵装置
(51)【国際特許分類】
B01D 46/00 20220101AFI20231116BHJP
B01D 46/02 20060101ALI20231116BHJP
B01D 50/00 20220101ALI20231116BHJP
B01D 50/20 20220101ALI20231116BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20231116BHJP
B24B 55/06 20060101ALI20231116BHJP
B23K 9/32 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
B01D46/00 F
B01D46/02 B
B01D50/00 501C
B01D50/00 501G
B01D50/00 502A
B01D50/20
F24F7/06 B
B24B55/06
B23K9/32 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079498
(22)【出願日】2022-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】522066492
【氏名又は名称】徳永 恒光
(74)【代理人】
【識別番号】100165423
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 雅久
(72)【発明者】
【氏名】徳永 恒光
【テーマコード(参考)】
3C047
3L058
4D058
【Fターム(参考)】
3C047HH12
3L058BE02
3L058BF09
3L058BG03
3L058BG05
4D058JA04
4D058KB01
4D058KB11
4D058QA01
4D058QA03
4D058QA07
4D058QA11
4D058QA17
4D058QA21
4D058UA10
4D058UA25
4D058UA30
(57)【要約】
【課題】加工作業で発生する粉塵等を安全に除去することができ、清浄されたクリーンな空気を工場等の室内に供給することができる空気清浄機能を有する集塵装置を提供する。
【解決手段】室内の空気がハウジング10の内部に吸い込まれる吸込口12と、吸込口の内側で吸込口から吸い込まれた空気を下方に導く仕切板15と、仕切板の後方に設けられ仕切板に導かれた空気に含まれる粉塵を捕捉するフィルタと、空気を送る送風ファンと、送風ファンで送られた空気が室内に吹き出される吹出口と、空気配管が着脱自在に接続される配管接続部を有し吸込口から吸い込まれた空気に合流する空気を吸い込む高温ダスト吸込口60と、高温ダスト吸込口の内側に設けられ高温ダスト吸込口から吸い込まれる空気に含まれる溶接ヒュームを捕捉するスパッタボックス63と、を具備する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングの前面に形成され室内の空気が前記ハウジングの内部に吸い込まれる吸込口と、
前記ハウジングの前記吸込口の内側に設けられ前記吸込口から吸い込まれた空気を下方に導く仕切板と、
前記ハウジングの内部の前記仕切板の後方に設けられ前記仕切板に導かれた空気が通過し該空気に含まれる粉塵を捕捉するフィルタと、
前記フィルタを通過した空気を送る送風ファンと、
前記ハウジングに形成され前記送風ファンによって送られた空気が前記室内に吹き出される吹出口と、
空気配管が着脱自在に接続される配管接続部を有し前記吸込口から吸い込まれた空気に合流する空気を前記空気配管から吸い込む高温ダスト吸込口と、
前記高温ダスト吸込口の内側に設けられ前記高温ダスト吸込口から吸い込まれる空気に含まれる溶接ヒュームを捕捉するスパッタボックスと、を具備することを特徴とする集塵装置。
【請求項2】
前記スパッタボックスには、前記溶接ヒュームに含まれる高温の粒子を受け入れて消火する取り外し自在な水槽が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の集塵装置。
【請求項3】
前記ハウジングの内部には、前記フィルタを保護する濾過助剤を供給する濾過助剤供給器が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の集塵装置。
【請求項4】
前記ハウジングには、前記送風ファンによって送られた空気が通過し該空気に含まれる粒子を捕集する空気清浄フィルタを有する空気清浄ボックスが設けられ、
前記吹出口は、前記吸込口よりも上方の前記空気清浄ボックスの前面に形成されており、
前記空気清浄フィルタを通過して清浄された空気は、前記吹出口から前記ハウジングの前方に向かって吹き出されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の集塵装置。
【請求項5】
前記ハウジングの側方には、前記ハウジングの内部に連通する内部空間を有するサイドハウジングが設けられ、
前記高温ダスト吸込口は、前記サイドハウジングの前面に形成され、
前記スパッタボックスは、前記サイドハウジングの内部に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の集塵装置。
【請求項6】
前記ハウジングの側方には、前記ハウジングの内部に連通する内部空間を有するサイドハウジングが設けられ、
前記サイドハウジングの前面には、前記室内の空気が前記サイドハウジングの内部に吸い込まれる空気吸込口が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の集塵装置。
【請求項7】
前記ハウジングの前面に対向し前記ハウジングとの間に作業場所を挟むようにして設けられ前記作業場所に向かって前記室内の空気を送る送風手段を有し、
前記吹出口は、前記送風手段から送られる空気よりも上方に前記ハウジング内からの空気が吹き出されるよう形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の集塵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集塵装置に関し、特に、製造工場、作業場等において、加工作業等で発生する粉塵等を除去すると共に、清浄されたクリーンな空気を工場等の内部に供給することができる空気清浄機能を有する集塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハウジングの内部にフィルタを備え、当該フィルタを利用して、製造工場、作業場等において研削、研磨、切削、溶接等の作業によって発生する粉塵等を捕集する集塵装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、本体の内部に送風機及び円筒フィルタを備える集塵機が開示されている。同文献に開示された集塵機では、送風機による空気の吸引により集塵機本体の空気吸気口から本体内部の集塵室に空気が流れ込み、その空気が円筒フィルタを通過する。これにより、円筒フィルタで、空気中に含まれる溶接スパッタや溶接ヒューム等の粉塵が捕捉される。
【0004】
また従来、医薬品、化粧品、半導体デバイス等の製造工場等において、高粒子捕集効率のエアフィルタ等で空気中の粒子を捕集してクリーンルーム等の内部の空気を清浄化する空気清浄装置が知られている。
【0005】
例えば、特許文献2には、クリーンルーム等の室内から流入する空気をHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)により清浄化して排気する空気清浄化装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-58841号公報
【特許文献2】特開2019-5713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
各種の製造工場等において、粉塵、化学物質等による作業者のがん、皮膚炎、神経障害その他の健康障害を防止するため、作業によって発生する粉塵等を除去し、作業者に対して清浄化された空気を供給することが求められている。
【0008】
しかしながら、上記した従来技術の集塵装置は、粉塵等を除去して空気を清浄化する性能を高め、作業環境を更に安全なものとするために改善すべき点があった。
【0009】
具体的には、特許文献1に開示された集塵機のように、フィルタで粉塵等を捕捉する方式の集塵装置では、粉塵等が発生する加工点の近傍にフードが設けられ、そのフードがホース等によって集塵装置に接続される。加工点近傍の空気は、フード及びホースを介して集塵装置に吸引され、その空気に含まれる粉塵等がフィルタに捕捉されて除去される。
【0010】
しかしながら、フィルタで粉塵等が捕捉された後の空気は、工場等の室内に供給する空気としては清浄化が不十分な場合もあり、一般的に、工場等の外部に排気されることもあった。そのため、従来技術の集塵装置は、作業者が作業を行う工場等の内部の空気を高精度に清浄化するために、空気清浄の性能を向上させる改善が必要であった。
【0011】
また、特許文献2に開示された従来技術のように、高粒子捕集効率のエアフィルタ等を利用した空気清浄装置では、エアフィルタで空気中の粒子を捕集して高精度な空気清浄を行うことができる。しかしながら、加工によって発生する粉塵等を効率良く除去するためには、エアフィルタで捕捉した粉塵等の処理が容易ではなく、例えば、エアフィルタの頻繁な交換が必要になるという問題点がある。
【0012】
また、金属アーク溶接等で発生する溶接ヒューム等は、作業者に神経障害等の健康障害を及ぼす恐れがあり、作業者のばく露を防止する措置が求められている。しかしながら、溶接ヒュームには高温のスパッタが含まれているので、一般的な集塵装置では、粉塵の爆発やフィルタ等の燃焼による火災発生の危険性がある。そのため、粉塵やフィルタ等の着火を防止して高温のスパッタを安全に捕捉できる集塵装置が求められる。
【0013】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、加工作業等によって発生する粉塵等を安全に除去することができ、且つ、空気中の有害物質等を高性能に除去して清浄されたクリーンな空気を工場等の室内に供給することができる優れた空気清浄機能を有する集塵装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の集塵装置は、ハウジングと、前記ハウジングの前面に形成され室内の空気が前記ハウジングの内部に吸い込まれる吸込口と、前記ハウジングの前記吸込口の内側に設けられ前記吸込口から吸い込まれた空気を下方に導く仕切板と、前記ハウジングの内部の前記仕切板の後方に設けられ前記仕切板に導かれた空気が通過し該空気に含まれる粉塵を捕捉するフィルタと、前記フィルタを通過した空気を送る送風ファンと、前記ハウジングに形成され前記送風ファンによって送られた空気が前記室内に吹き出される吹出口と、空気配管が着脱自在に接続される配管接続部を有し前記吸込口から吸い込まれた空気に合流する空気を前記空気配管から吸い込む高温ダスト吸込口と、前記高温ダスト吸込口の内側に設けられ前記高温ダスト吸込口から吸い込まれる空気に含まれる溶接ヒュームを捕捉するスパッタボックスと、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の集塵装置によれば、ハウジングの前面に、室内の空気がハウジングの内部に吸い込まれる吸込口が形成されている。これにより本発明の集塵装置は、従来技術の集塵装置のように集塵装置に接続されたホース等を介して加工点近傍の空気のみをハウジングの内部に吸い込むのではなく、工場等の室内の広範囲からハウジングの内部に効率良く空気を吸い込むことができる。よって、高効率な空気清浄を行うことができる。
【0016】
また、本発明の集塵装置は、ハウジングの吸込口の内側に設けられ吸込口から吸い込まれた空気を下方に導く仕切板を有する。これにより、ハウジングに吸い込まれた空気が加工作業等により発生した粉塵等を含んでいても、その粉塵等を下方に落下させることができる。よって、吸い込まれた空気から粉塵等を好適に除去することができる。
【0017】
また、本発明の集塵装置は、ハウジングの内部の仕切板の後方に設けられ仕切板に導かれた空気が通過し空気に含まれる粉塵等を捕捉するフィルタを備えている。これにより、該フィルタによって空気中に含まれる粉塵等を効率良く捕捉して除去することができると共に高精度な空気清浄を行うことができる。
【0018】
また、仕切板に衝突して落下する粉塵等及びフィルタに捕捉され落下する粉塵等を、下方に設けられたダストボックスに収容して、または、ロータリバルブ等の粉塵排出装置を介してハウジングの外部に排出して、効率良く廃棄することができる。よって、粉塵等の発生量が多い作業現場等においても、高効率な集塵と空気清浄を行うことができる。
【0019】
また、本発明の集塵装置は、フィルタを通過した空気を送る送風ファンを有し、ハウジングには、送風ファンによって送られた空気が室内に吹き出される吹出口が形成されている。これにより、粉塵等が除去され清浄化された空気を、室外に排出することなく、工場等の室内に供給することができる。
【0020】
また、本発明の集塵装置は、ハウジングに高温ダスト吸込口が形成されており、高温ダスト吸込口は、空気配管が着脱自在に接続される配管接続部を有し吸込口から吸い込まれた空気に合流する空気を空気配管から吸い込む。これにより、吸込口から工場等の室内の空気を吸い込むと共に、高温ダスト吸込口からは、配管接続部に接続されたパイプ等の空気配管を介して加工点近傍の粉塵等を多く含む空気をハウジングの内部に吸い込むことができる。よって、集塵と空気清浄を効率良く実行することができる。
【0021】
また、本発明の集塵装置は、高温ダスト吸込口の内側に設けられ高温ダスト吸込口から吸い込まれる空気に含まれる溶接ヒュームを捕捉するスパッタボックスを具備する。これにより、アーク溶接作業等で発生する高温のスパッタ等をスパッタボックスで捕捉して、粉塵等が集まる集塵室に高温のスパッタ等が吸い込まれることのない安全な集塵及び空気清浄を行うことができる。また、本発明の集塵装置は、ハウジングの内部にスパッタボックスを備えているので、溶接ヒュームを除去する装置を別途設ける必要がない。よって、集塵のための装置の設置面積を狭くすることができ、工場等の作業場所等を広く確保することができる。
【0022】
また、本発明の集塵装置は、前記スパッタボックスには、前記溶接ヒュームに含まれる高温の粒子を受け入れて消火する取り外し自在な水槽が設けられても良い。これにより、水槽内の水で高温の火花を消火することができ、フィルタ火災等が発生しない安全な集塵及び空気清浄を行うことができる。
【0023】
また、本発明の集塵装置は、前記ハウジングの内部には、前記フィルタを保護する濾過助剤を供給する濾過助剤供給器が設けられても良い。これにより、粉塵等の付着によるフィルタの性能劣化を抑制することができ、フィルタは、長時間に亘って高性能な粉塵除去性能を維持することができる。
【0024】
また、本発明の集塵装置は、前記ハウジングには、前記送風ファンによって送られた空気が通過し該空気に含まれる粒子を捕集する空気清浄フィルタを有する空気清浄ボックスが設けられ、前記吹出口は、前記吸込口よりも上方の前記空気清浄ボックスの前面に形成されており、前記空気清浄フィルタを通過して清浄された空気は、前記吹出口から前記ハウジングの前方に向かって吹き出されても良い。このような構成により、空気清浄フィルタで清浄されたクリーンな空気を、吹出口から工場等の室内に広く供給することができる。
【0025】
また、本発明の集塵装置は、前記ハウジングの側方には、前記ハウジングの内部に連通する内部空間を有するサイドハウジングが設けられ、前記高温ダスト吸込口は、前記サイドハウジングの前面に形成され、前記スパッタボックスは、前記サイドハウジングの内部に設けられても良い。これにより、サイドハウジングの前面に形成された高温ダスト吸込口から、加工点近傍の空気をハウジングの内部に吸い込むことができ、スパッタボックスで高温のスパッタを除去して安全な集塵及び空気清浄を行うことができる。
【0026】
また、本発明の集塵装置は、前記ハウジングの側方には、前記ハウジングの内部に連通する内部空間を有するサイドハウジングが設けられ、前記サイドハウジングの前面には、前記室内の空気が前記サイドハウジングの内部に吸い込まれる空気吸込口が形成されても良い。このような構成により、ハウジングの前面に形成された吸込口及びサイドハウジングの前面に形成された空気吸込口から、工場等の室内の空気をハウジングの内部に吸い込むことができ、室内の広い範囲の空気を好適に清浄化することができる。
【0027】
また、本発明の集塵装置は、前記ハウジングの前面に対向し前記ハウジングとの間に作業場所を挟むようにして設けられ前記作業場所に向かって前記室内の空気を送る送風手段を有し、前記吹出口は、前記送風手段から送られる空気よりも上方に前記ハウジング内からの空気が吹き出されるよう形成されても良い。このような構成により、作業場所で発生する粉塵等が室内に拡散することが抑制され、粉塵等を含む空気を効率良くハウジングの内部に吸い込むことができると共に、集塵装置で清浄化された空気を作業者等の近傍に好適に供給することができる。よって、粉塵、化学物質等による作業者の健康障害を防止することができる安全な作業環境を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の実施形態に係る集塵装置の概略を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る集塵装置の内部構造の概略を示す側面断面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る集塵装置の概略を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る集塵装置の内部構造の概略を示す正面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る集塵装置のスパッタボックス近傍の概略を示す側面断面図である。
【
図6】本発明の他の実施形態に係る集塵装置の概略を示す斜視図である。
【
図7】本発明の更に他の実施形態に係る集塵装置の概略を示す斜視図である。
【
図8】本発明の更に他の実施形態に係る集塵装置の概略を示す斜視図である。
【
図9】本発明の他の実施形態に係る集塵装置の空気清浄ボックス近傍の内部構造の概略を示す側面断面図である。
【
図10】本発明の更に他の実施形態に係る集塵装置の空気清浄ボックスの内部構造の概略を示す側面断面図である。
【
図11】本発明の更に他の実施形態に係る集塵装置の内部構造の概略を示す正面断面図である。
【
図12】本発明の更に他の実施形態に係る集塵装置の概略を示す斜視図である。
【
図13】本発明の更に他の実施形態に係る集塵装置の内部構造の概略を示す正面断面図である。
【
図14】本発明の更に他の実施形態に係る集塵装置の概略を示す斜視図である。
【
図15】本発明の更に他の実施形態に係る集塵装置の概略を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態に係る集塵装置1を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る集塵装置1の概略を示す図であり、集塵装置1を、前面11に向かって右斜め上から見た斜視図である。なお、各図面において、空気の流れを各種矢印で示している。
【0030】
図1を参照して、集塵装置1は、各種の加工工場、製造工場等で、研削、研磨、切削、溶接等の作業によって発生する粉塵等を捕集すると共に、粉塵等が除去されたクリーンな空気を工場等の室内に供給して室内の空気を清浄化する装置である。
【0031】
集塵装置1は、粉塵等を捕捉するための機器を内部に収納するハウジング10を有する。ハウジング10は、複数枚の鋼板等のパネル部材から形成された筐体である。ハウジング10には、ハウジング10の内部に空気を吸い込む吸込口12と、内部から空気を吹き出す吹出口13が形成されており、ハウジング10の内部には、粉塵等を捕捉するフィルタ17(
図2参照)と、スパッタボックス63(
図4参照)と、が設けられている。
【0032】
ハウジング10の前面11には、開閉自在な扉14が設けられている。扉14は、ハウジング10の内部の点検、捕集された粉塵等の取り出し、フィルタ17の交換等のために利用される。ハウジング10の前面11、詳しくは、前面11の扉14には、吸込口12及び高温ダスト吸込口60が形成されている。
【0033】
吸込口12は、ハウジング10の前面11に形成された正面視略四角形状の開口である。吸込口12には、通風可能に羽板が並べられたルーバが設けられている。吸込口12からは、工場等の室内の空気がハウジング10の内部に吸い込まれる。
【0034】
図2は、集塵装置1の内部構造の概略を示す側面断面図である。なお、
図2において、吸込口12及び高温ダスト吸込口60近傍の風路については、後述するスパッタボックス63(
図4参照)の左右両側の風路を示している。
【0035】
図1及び
図2を参照して、ハウジング10の内部、詳しくは吸込口12及び高温ダスト吸込口60の後方には、吸込口12から吸い込まれた空気を下方に導く仕切板15が設けられている。仕切板15は、鋼板等からなる略板状の部材であり、ハウジング10の前面11と略平行に設けられている。
【0036】
仕切板15は、例えば、上辺近傍及び左右両辺近傍がハウジング10に固定されている。ハウジング10と仕切板15との間には、仕切板15の前方から下方に向かって、吸込口12から吸い込まれた空気が流通可能な風路が形成されている。
【0037】
詳しくは、ハウジング10と仕切板15との間には、スパッタボックス63が設けられている。吸込口12から吸い込まれた空気を下方に導く風路は、スパッタボックス63の左右両側に形成されている。
【0038】
ハウジング10の内部の仕切板15の後方には、空気に含まれる粉塵等を捕捉するためのフィルタ17が設けられている。具体的には、仕切板15の後方には、フィルタ17が設けられる集塵室16が形成されており、フィルタ17は、フィルタ支持板18に支持され集塵室16の内部に設けられている。
【0039】
仕切板15の下方には、仕切板15に導かれた空気が集塵室16の下部に流れ込むよう風路が形成されている。よって、吸込口12から吸い込まれる空気は、仕切板15に衝突して下方に導かれ集塵室16の内部に流入する。
【0040】
フィルタ17は、略円筒状の濾布式のフィルタ部材であり、例えば、フッ素樹脂微孔膜ラミネートや、ポリエステル繊維等の各種合成繊維等から形成される。なお、フィルタ17は、除去する対象の粉塵等に応じて、それぞれの用途に適する各種材質及び形態を採用し得る。例えば、フィルタ17は、略平板状の形態をなすフィルタ部材から構成されても良い。また例えば、フィルタ17は、着脱自在なカートリッジ式のフィルタ17でも良い。
【0041】
フィルタ支持板18は、例えば、鋼板等から形成された略板状の部材であり、ハウジング10の内部の上部に略水平に取り付けられ、ハウジング10の内部を下方の集塵室16と上方の清浄室21に画成する。
【0042】
フィルタ支持板18には、上下方向に貫通する孔が形成されており、その孔の下部近傍にフィルタ17が取り付けられる。フィルタ17は、フィルタ支持板18によって上部を支持され、ハウジング10の集塵室16の内部に吊り下げられた状態で固定される。
【0043】
仕切板15及びフィルタ17の下方には、仕切板15及びフィルタ17から落下する粉塵等を収集するホッパ19が設けられている。ホッパ19は、上部が広く下部が狭い略漏斗状に形成されている。ホッパ19の下方には、仕切板15及びフィルタ17から落下してホッパ19で収集された粉塵等を受け止めるよう、例えばダストボックス20が設けられても良い。なお、仕切板15及びフィルタ17から落下する粉塵等をハウジング10の外部に排出するよう、ホッパ19の下方には、図示しないロータリバルブ、バタフライバルブ、スクリューコンベア等の粉塵排出装置が設けられても良い。
【0044】
フィルタ支持板18の上方に形成された清浄室21には、空気噴射ノズル24と、空気噴射ノズル24に取り付けられるバルブ23と、が設けられている。空気噴射ノズル24は、例えば、鋼管等であり、空気噴射ノズル24の下部には、フィルタ17に向かって空気を噴出するノズル孔が形成されている。
【0045】
空気噴射ノズル24は、バルブ23を介して、ハウジング10の内部または外部に設けられた空気供給源22に接続されている。バルブ23は、例えば、ダイヤフラムバルブ等であり、バルブ23を開くことにより、空気供給源22から空気噴射ノズル24内に空気が供給され、空気噴射ノズル24からフィルタ17に向かって空気が噴射される。
【0046】
また、集塵装置1は、バルブ23の開閉を制御する図示しない制御装置を有する。制御装置は、バルブ23に接続されており、例えば、バルブ23を開閉する図示しないパイロットバルブ等を駆動するためのパルス信号を発生する。
【0047】
清浄室21の上方には、フィルタ17を通過した空気を送る送風ファン25と、送風ファン25を駆動するモータ26が設けられている。具体的には、清浄室21の上方には、送風ファン25に連通するファン入口28が形成されたファン入口板27が設けられている。ファン入口板27は、清浄室21と、送風ファン25から吹出口13までの風路30と、を区画している。
【0048】
送風ファン25は、給気口がファン入口28につながるようファン入口板27の上方に設けられている。送風ファン25は、例えば、ターボファン、シロッコファン等である。送風ファン25は、モータ26に駆動され回転する羽根を有し、フィルタ17を通過した清浄室21内の空気を吸引して吹出口13に送る。
【0049】
送風ファン25の下方には、上方の風路29と下方の風路30を画成する防音板31が設けられている。防音板31は、例えば、鋼板等から形成された略板状の部材であり、略水平に設けられている。防音板31の前辺近傍は、ハウジング10の前面11から離れている。よって、防音板31の上方に形成された風路29と、下方に形成された風路30は、ハウジング10の前面11近傍で連通している。このような防音板31が設けられることにより、送風ファン25によって発生する騒音を抑制することができる。
【0050】
風路30は、送風ファン25に送られた空気を室内に吹き出すための吹出口13に連通している。吹出口13は、ハウジング10の上部、例えば、後面または上面に形成されている。これにより、粉塵等が除去され清浄化された空気を工場等の室内に供給することができる。
【0051】
図3は、集塵装置1の概略を示す斜視図であり、高温ダスト吸込口60の使用例を示している。
図3に示すように、集塵装置1は、ハウジング10の前面11の吸込口12の下方に、高温ダスト吸込口60が形成されている。
【0052】
なお、図示を省略するが、高温ダスト吸込口60は、ハウジング10の側面または後面に形成されても良い。また、高温ダスト吸込口60の個数についても特に限定されるものではない。
【0053】
高温ダスト吸込口60は、作業者81が加工作業等を行う作業場所80の加工点近傍の空気をハウジング10の内部のスパッタボックス63(
図4参照)に吸い込む開口である。高温ダスト吸込口60は、特に、アーク溶接等で発生する溶接ヒュームや、サンダー加工等の研磨屑、研削屑等、高温の粒子状物質を含む空気を吸引する。
【0054】
高温ダスト吸込口60には、空気配管として例えば可撓性のパイプ37等が着脱自在に接続される配管接続部61が設けられている。また、配管接続部61には、風量調整用の手動ダンパ62が設けられている。
【0055】
このような構成により、配管接続部61にパイプ37が接続され、パイプ37は、作業場所80のアーク溶接等の加工点近傍に設けられたフード38に接続される。これにより、研削や溶接等の加工点近傍からパイプ37、高温ダスト吸込口60を介して、研削屑や溶接ヒューム等の高温の有害物質を多く含む空気をハウジング10の内部に吸い込むことができる。
【0056】
即ち、集塵装置1は、吸込口12から工場等の室内の空気を吸い込むと共に、高温ダスト吸込口60からは、作業場所80の加工点近傍の高温の粉塵等を吸い込むことができる。よって、作業場所80近傍の集塵と工場内広範囲の空気清浄とを効率良く安全に実行することができる。
【0057】
図4は、集塵装置1の内部構造の概略を示す部分断面正面図であり、スパッタボックス63近傍ではハウジング10の前面11の内側を示している。
図4に示すように、ハウジング10の内部、詳しくは高温ダスト吸込口60の後方には、高温のスパッタ、即ちアーク溶接等で発生する高温のスラグや金属粒等、を除去するスパッタボックス63が設けられている。スパッタボックス63の詳細については後述する。
【0058】
ハウジング10の例えば側面には、ダスト吸込口32が形成されても良い。ダスト吸込口32は、作業者81(
図3参照)が加工作業等を行う作業場所80(
図3参照)の加工点近傍の空気をハウジング10の内部に吸い込む開口である。
【0059】
なお、図示を省略するが、ダスト吸込口32は、ハウジング10の前面11または後面に形成されても良い。また、ダスト吸込口32の個数についても特に限定されるものではない。
【0060】
ダスト吸込口32には、空気配管として例えば可撓性のパイプ37(
図3参照)等が着脱自在に接続される配管接続部33が設けられている。また、配管接続部33には、風量調整用の手動ダンパ34が設けられている。
【0061】
ダスト吸込口32は、高温の粒子状物質を含まずスパッタボックス63による処理が必要でない一般的な工作粉塵等を吸引するための開口である。配管接続部33には、パイプ37が接続され、パイプ37は、作業場所80の近傍に設けられたフード38等に接続される。
【0062】
これにより、一般的な加工作業が行われる作業場所80近傍等からパイプ37、ダスト吸込口32を介して、粉塵等を多く含む空気をハウジング10の内部に吸い込むことができる。ダスト吸込口32から吸い込まれた空気は、スパッタボックス63に送られず、吸込口12から吸い込まれた空気に合流して下方に送られる。
【0063】
また、ダスト吸込口32は、作業場所80等を掃除するために使用されても良い。即ち、ダスト吸込口32に掃除用の配管が接続され、ダスト吸込口32からハウジング10の内部に清浄空気が吸い込まれても良い。
【0064】
また、ハウジング10の内部には、濾過助剤を供給する濾過助剤供給器70が設けられている。濾過助剤は、フィルタ17(
図2参照)を保護するものであり、例えば、炭酸カルシウム、珪藻土、パーライト、セルロース等を含む。
【0065】
濾過助剤供給器70には、高圧の空気を供給する図示しない空気供給装置が接続されている。この空気供給装置から供給される高圧空気によって、濾過助剤供給器70は、濾過助剤に向かって高圧の空気を噴射し、ハウジング10の内部に濾過助剤が舞い上がる。これにより、粉塵等の付着によるフィルタ17の集塵能力の低下を抑制することができ、フィルタ17は、長時間に亘って高性能な粉塵除去性能を維持することができる。
【0066】
図5は、集塵装置1のスパッタボックス近傍の概略を示す側面断面図である。
図5を参照して、ハウジング10の内部、詳しくは吸込口12の内側であって吸込口12と仕切板15の間には、吸込口12から吸い込まれた空気を下方に導く衝突板35が設けられている。衝突板35は、鋼板等からなる略板状の部材であり、ハウジング10の前面11と略平行に設けられている。
【0067】
衝突板35は、例えば、上辺近傍がハウジング10に固定されている。ハウジング10と衝突板35との間には、衝突板35の前方から下方及び左右両側に向かって、吸込口12から吸い込まれた空気が流通可能な風路が形成されている。
【0068】
このような衝突板35が設けられることにより、吸込口12から吸い込まれる空気と、高温ダスト吸込口60から吸い込まれスパッタボックス63で処理された空気と、を好適に合流させることができる。
【0069】
ハウジング10の内部、詳しくは、高温ダスト吸込口60の内側であってハウジング10の前面11と仕切板15との間には、スパッタボックス63が設けられている。スパッタボックス63は、アーク溶接等で発生する溶接ヒュームに含まれる高温のスパッタを消火して受け止める装置である。
【0070】
スパッタボックス63は、高温ダスト吸込口60に連通している。前述のとおり、高温ダスト吸込口60の配管接続部61には、作業場所80のアーク溶接等の加工点近傍につながるパイプ37が接続される。よって、アーク溶接加工等によって発生する溶接ヒューム等がスパッタボックス63の内部に吸引される。
【0071】
スパッタボックス63の内部、詳しくは高温ダスト吸込口60の後方には、高温ダスト吸込口60から吸い込まれた空気を下方に導くと共に、吸い込まれた空気に含まれる高温の粒子を衝突させて下方に落下させるスパッタ衝突板64が設けられている。スパッタ衝突板64は、鋼板等からなる略板状の部材であり、ハウジング10の前面11と略平行に設けられている。
【0072】
スパッタ衝突板64は、例えば、上辺近傍及び左右両辺近傍がスパッタボックス63を構成する外周板に固定されている。ハウジング10とスパッタ衝突板64との間には、スパッタ衝突板64の前方から下方に向かって、高温ダスト吸込口60から吸い込まれた空気が流通可能な下降風路68が形成されている。
【0073】
図4に示すように、スパッタ衝突板64の前方には、左右逆方向に傾斜する複数の衝突ガイド板65が設けられている。衝突ガイド板65は、高温ダスト吸込口60から吸い込まれた空気を好適な速度及び流れ方向で下方に導くと共に、空気に含まれる高温の粒子を衝突させて下方に落下させる部材である。
【0074】
衝突ガイド板65は、鋼板等からなる略板状の部材であり、例えば、右方向に傾斜する衝突ガイド板65と、左方向に傾斜する衝突ガイド板65と、が略ヘリンボーン状に配列されている。詳しくは、一方の方向に傾斜する衝突ガイド板65の下方延長線上に、所定の間隔を置いて、他方の方向に傾斜する他の衝突ガイド板65が配設されている。
【0075】
下降風路68に、このような配列の衝突ガイド板65が設けられることにより、高温ダスト吸込口60から吸い込まれた空気が好適な速度で蛇行するよう下方に流れる。具体的には、高温ダスト吸込口60から吸い込まれた空気は、平均流速が4から10メートル毎秒、好ましくは、5から6メートル毎秒、で下方に送られる。これにより、空気に含まれる高温のスパッタを、スパッタ衝突板64及び衝突ガイド板65に衝突させて火花を落とし、下方に送ることができる。
【0076】
図4及び
図5を参照して、スパッタボックス63のスパッタ衝突板64の下方には、溶接ヒューム等に含まれる高温の粒子を受け入れて消火する水槽66が設けられている。水槽66には、消火水67が入れられており、下降風路68から落下する高温の火花を消火水67で消火することができる。よって、フィルタ火災等が発生しない安全な集塵及び空気清浄を行うことができる。
【0077】
水槽66は、スパッタボックス63の内部に取り外し自在に設けられている。よって、水槽66を取り出して、消火水67を交換し、水槽66の内部に溜まった金属粒等を回収することができる。
【0078】
スパッタ衝突板64の後方、詳しくはスパッタ衝突板64と仕切板15の間には、スパッタ衝突板64の前方を下降した空気を上方に送る上昇風路69が形成されている。即ち、高温ダスト吸込口60からスパッタボックス63の内部に吸い込まれた空気は、下降風路68に導かれて下方に流れ、水槽66の近傍で流れの向きを下降から上昇に転じて、上昇風路69内を上昇する。
【0079】
上昇風路69の上方は、吸込口12から吸引された空気が流れる衝突板35下方の風路に連通している。よって、高温ダスト吸込口60から流入する空気は、スパッタボックス63を通過して高温のスパッタが除去され、上昇風路69の上方において、吸込口12から吸引された空気と合流する。
【0080】
ここで、上昇風路69は、下降風路68よりも空気の速度が低くなるような流路面積で形成されている。具体的には、上昇風路69を上昇する空気は、平均流速が4メートル毎秒以下、好ましくは、2から4メートル毎秒、で送られる。これにより、下降風路68及び水槽66で捕捉できなかった火花や高温の微粒子が集塵室16に流入することを防止することができる。よって、フィルタ17(
図2参照)等の発火リスクが低減され集塵装置1の安全性を更に高めることができる。
【0081】
次に、集塵装置1の集塵及び空気清浄方法について詳細に説明する。初めに、
図4を参照して、粉塵等を含む室内の空気は、吸込口12から集塵装置1のハウジング10の内部に取り込まれる。集塵装置1は、金属アーク溶接等の加工点近傍の空気のみをハウジング10の内部に吸い込むのではなく、吸込口12によって、工場等の室内の広範囲からハウジング10の内部に効率良く空気を吸い込むことができる。
【0082】
吸込口12から取り込まれた空気は、吸込口12近傍に設けられた衝突板35に衝突して下方及び側方に流れる。吸込口12の内側に衝突板35が設けられていることにより、ハウジング10に吸い込まれた空気が研削や溶接等の加工作業によって発生した粉塵等を含んでいても、その粉塵等を衝突板35への衝突または衝突板35及び仕切板15に沿った空気の流れによって下方に落下させることができる。
【0083】
一方、高温ダスト吸込口60の配管接続部61には、作業場所80の加工点近傍につながるパイプ37が接続され、高温ダスト吸込口60からは、アーク溶接等で発生する溶接ヒュームを含む空気が吸い込まれる。
【0084】
高温ダスト吸込口60から吸い込まれた空気は、スパッタ衝突板64及び衝突ガイド板65に衝突しながら、下降風路68を下方に流れる。これにより、高温のスパッタは、下方に設けられた水槽66に落とされ、消火水67によって消火され捕捉される。
【0085】
下降風路68を下降した空気は、方向を転じて上昇風路69を流れる。前述のとおり、上昇風路69は、下降風路68よりも空気の流速が低くなるよう形成されている。これにより、捕捉できなかった火花がスパッタボックス63を通過して集塵室16に流れることが抑制される。よって、火災等の発生を防止して安全な集塵を行うことができる。
【0086】
なお、集塵装置1は、ハウジング10の内部にスパッタボックス63が設けられているので、溶接ヒュームを除去する装置を別途設ける必要がない。よって、集塵のための装置の設置面積を狭くすることができ、工場等の内部に作業場所80等を広く確保することができる。
【0087】
上昇風路69を通過した空気は、上昇風路69の上方において、吸込口12から吸い込まれ衝突板35に導かれた空気と合流する。即ち、吸込口12から吸い込まれた室内の空気と、高温ダスト吸込口60から吸い込まれてスパッタボックス63を通過した空気と、が合流する。ここでは、衝突板35の存在により、空気の好適な合流が可能となっている。
【0088】
次に、合流した空気は、仕切板15に沿って、
図4に示すように、スパッタボックス63の左右両側を下方に流れる。具体的には、合流した空気は、仕切板15、ハウジング10の内面及びスパッタボックス63の左右側面に沿って下方に流れる。
【0089】
仕切板15、ハウジング10の内面及びスパッタボックス63の左右側面は、衝突板35と同様に、空気の流れをガイドする機能を有すると共に、空気に含まれる粉塵等を衝突により落下させる機能を有する。即ち、空気に含まれる粉塵等が下方に落とされる。
【0090】
また、仕切板15等に沿って流れる空気には、濾過助剤供給器70から、例えば、炭酸カルシウム等の濾過助剤が噴霧される。これにより、粉塵等の付着によるフィルタ17(
図2参照)の性能劣化が抑制され、長時間に亘って高性能な粉塵除去性能を維持することができる。
【0091】
仕切板15等によって落下した粉塵等は、下方に設けられたダストボックス20に収容される。また、仕切板15等によって落下した粉塵等は、図示しない粉塵排出装置を介してハウジング10の外部に排出されても良い。よって、粉塵等の発生量が多い作業現場等においても、高効率な集塵と空気清浄を行うことができる。
【0092】
そして、
図2を参照して、仕切板15等によって下方に導かれた空気は、仕切板15の下方を後方に向かって通過して、集塵室16の内部に流れ込み、上方へと向きを変え、集塵室16に設けられたフィルタ17を通過して上昇する。
【0093】
即ち、空気は、フィルタ17を経由して集塵室16から清浄室21に流れる。このとき、空気に含まれる粉塵等は、フィルタ17を通過することができず、フィルタ17の表面に付着する。これにより、フィルタ17によって、空気中に含まれる粉塵等を効率良く捕捉して除去することができると共に高性能な空気清浄を行うことができる。
【0094】
そして、フィルタ17を通過した空気は、ハウジング10の上部の清浄室21から送風ファン25によって送られ、風路29、30を経由して、吹出口13から工場等の室内に吹き出される。これにより、粉塵等が除去され清浄化されたクリーンな空気を、室外に排出することなく、工場等の室内に供給することができる。よって、工場等の室内の空気を、広範囲に亘って効率良く且つ安全に清浄することができる。
【0095】
また、空気噴射ノズル24からフィルタ17の内側に空気が噴射されることにより、その空気がフィルタ17を逆流すると共にフィルタ17の表面が振動し、フィルタ17の表面に付着した粉塵等が払い落とされる。これにより、フィルタ17の表面に付着して堆積する粉塵等によって空気の流れが阻害されることを回避し、フィルタ17の集塵性能を維持することができる。よって、高性能な集塵及び空気清浄が可能となる。
【0096】
空気噴射ノズル24から噴出される空気によってフィルタ17から払い落とされた粉塵等は、下方に落下し、ダストボックス20に収容される。また、フィルタ17から払い落とされた粉塵等は、図示しない粉塵排出装置を介してハウジング10の外部に排出されても良い。これにより、仕切板15に衝突する等によって落下する粉塵等及びフィルタ17に捕捉され落下する粉塵等を、ダストボックス20に収容して、または、粉塵排出装置を介して、効率良く廃棄することができる。よって、粉塵等の発生量が多い作業現場等においても、高効率な集塵と空気清浄を行うことができる。
【0097】
次に、
図6ないし
図15を参照して、集塵装置1の実施形態を変形した例について詳細に説明する。なお、
図6ないし
図15において、既に説明した実施形態と同一若しくは同様の作用、効果を奏する構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0098】
図6は、本発明の他の実施形態に係る集塵装置1の概略を示す斜視図である。
図6に示すように、集塵装置1の前面11に、左右一対の吸込口12が形成され、背面に左右一対の吹出口13が形成されている。
【0099】
具体的には、
図6に示す集塵装置1は、
図1に示す集塵装置1が2つ接合されたような形態をなす。このような構成により、面積の広い大規模な工場内等において、優れた集塵能力及び空気清浄能力を発揮することができる。
【0100】
図7は、本発明の他の実施形態に係る集塵装置1の概略を示す斜視図である。
図7に示すように、集塵装置1は、ハウジング10の前面11に、複数の高温ダスト吸込口60及びダスト吸込口32が形成されている。なお、前述のとおり、ハウジング10の前面11、側面及び背面に、更に多くの高温ダスト吸込口60及びダスト吸込口32が形成されても良い。
【0101】
また、
図7に示す集塵装置1は、ハウジング10の側面に設けられたサイドハウジング52に、アーク溶接等で発生する溶接ヒュームに含まれる高温のスパッタを消火して受け止めるスパッタボックス63が設けられている。
【0102】
スパッタボックス63の構成は、
図4及び
図5を参照して既に説明した構成と同等であり、サイドハウジング52の内部には、火花を消火して受け止める取り外し自在な水槽66(
図4参照)が設けられている。
【0103】
サイドハウジング52の例えば上面には、空気を吸い込む高温ダスト吸込口60が形成されており、高温ダスト吸込口60には、空気配管であるパイプ37等が着脱自在に接続される配管接続部61が設けられている。配管接続部61には、作業場所80のアーク溶接等の加工点近傍につながるパイプ37が接続され、溶接ヒューム等がスパッタボックス63の内部に吸引される。
【0104】
サイドハウジング52の内部は、ハウジング10に連通しており、スパッタボックス63で高温のスパッタが除去された空気は、ハウジング10の内部に吸い込まれ、吸込口12から吸い込まれる空気と合流して、既に説明した如く高精度に清浄される。これにより、集塵装置1の発火リスクが低減され、安全な集塵、空気清浄を行うことができる。
【0105】
図8は、本発明の更に他の実施形態に係る集塵装置1の概略を示す斜視図である。
図8に示すように、集塵装置1のハウジング10の上部には、空気清浄ボックス39が設けられても良い。
【0106】
図9は、空気清浄ボックス39近傍の内部構造を示す側面断面図である。
図8及び
図9を参照して、ハウジング10の上部に設けられた空気清浄ボックス39の内部には、フィルタ17によって集塵等が除去された空気を更にクリーンな空気にするための空気清浄フィルタ48が設けられている。
【0107】
空気清浄フィルタ48は、例えば、略平板状の形態をなすフィルタ部材であって、プレフィルタ49と、脱臭フィルタ50と、高性能フィルタ51と、を有する。プレフィルタ49は、フィルタ17を通過した空気から、空気中に残された微細粉塵を捕捉する。
【0108】
脱臭フィルタ50は、プレフィルタ49を通過した空気から臭気ガス等を除去する。脱臭フィルタ50は、例えば、活性炭繊維を含む活性炭シート等を利用したフィルタでも良い。
【0109】
高性能フィルタ51は、脱臭フィルタ50を通過した空気に含まれる更に細かな粒子を捕捉する。高性能フィルタ51は、例えば、HEPAフィルタである。このような空気清浄フィルタ48が設けられることにより、高性能な空気清浄が可能となる。
【0110】
なお、空気清浄フィルタ48として、捕捉性能の異なる複数種類の空気フィルタを更に多く積層する構成が採用されても良い。このような構成により、空気清浄の性能を更に高めることができる。
【0111】
空気清浄ボックス39の前面40には、開閉自在な扉42が設けられている。扉42を開くことにより、空気清浄ボックス39の内部の点検、捕集された粉塵等の取り出し、空気清浄フィルタ48の交換等を行うことができる。
【0112】
また、空気清浄ボックス39の前面40には、清浄化された空気が吹き出される吹出口41が形成されている。清浄化された空気を送り出す吹出口41は、室内の空気を吸い込む吸込口12よりも上方に形成されている。
【0113】
このような構成により、空気清浄フィルタ48を通過したクリーンな空気は、ハウジング10の上部の吹出口41からハウジング10の前方に向かって吹き出される。これにより、空気清浄フィルタ48で清浄されたクリーンな空気を、吹出口41から工場等の室内に広く供給することができる。よって、集塵装置1は、工場等の室内の空気を広範囲に清浄化できる。
【0114】
図10は、本発明の更に他の実施形態に係る集塵装置1の空気清浄ボックス39の内部構造の概略を示す側面断面図である。
図10に示すように、空気清浄ボックス39には、略円筒状の形態をなす濾布式の空気清浄フィルタ148が設けられても良い。
【0115】
具体的には、空気清浄フィルタ148は、例えば、フッ素樹脂微孔膜ラミネートや、ポリエステル繊維等の各種合成繊維等から形成された濾布式の高性能フィルタである。空気清浄フィルタ148は、図示を省略するが、プレフィルタ、活性炭繊維を含む活性炭脱臭フィルタ、高性能HEPAフィルタ等を含む構成でも良い。これにより高性能な空気清浄を行うことができる。
【0116】
空気清浄ボックス39には、空気清浄フィルタ148を支持する空気清浄フィルタ支持板43が設けられている。空気清浄フィルタ支持板43は、例えば、鋼板等から形成された略板状の部材であり、空気清浄ボックス39の内部の上部に略水平に取り付けられ、空気清浄ボックス39の内部を下方の空気清浄室44と上方の吹出風路45に画成する。
【0117】
空気清浄フィルタ支持板43には、上下方向に貫通する孔が形成されており、その孔の下部近傍に空気清浄フィルタ148が取り付けられる。空気清浄フィルタ148は、空気清浄フィルタ支持板43によって上部を支持され、空気清浄ボックス39の空気清浄室44の内部に吊り下げられる。
【0118】
空気清浄フィルタ支持板43の上方に形成された吹出風路45には、空気清浄フィルタ148に向かって空気を吹き付ける空気噴射ノズル24が設けられている。これにより、フィルタ17(
図2参照)と同様に、空気清浄フィルタ148を清浄することができる。そして、作業者は、扉42を開けて、空気清浄フィルタ148から落とされた粉塵等を除去し、空気清浄室44の内部を清掃することができる。
【0119】
図11は、本発明の更に他の実施形態に係る集塵装置1の内部構造の概略を示す正面断面図である。
図11に示すように、空気清浄ボックス39は、ハウジング10の側方に設けられても良い。なお、前述のとおり、空気清浄ボックス39に設けられるフィルタ部材は、略平板状の空気清浄フィルタ48(
図9参照)でも良いし、略円筒状の空気清浄フィルタ148でも良い。
【0120】
具体的には、空気清浄ボックス39は、送風ファン25で送られた空気が空気清浄室44の内部に流れ込むように設けられ、吹出口41(
図10参照)が吸込口12(
図8参照)よりも高い位置となるようハウジング10の側面に固定されている。
【0121】
このような構成によっても、粉塵等が除去され清浄化されたクリーンな空気を工場等の室内に広く供給することができる。また、集塵装置1は、空気清浄ボックス39を、作業者が点検や清浄作業を行い易い高さに設けることができるので、点検、清掃等の作業効率を高めることができる。
【0122】
また、ハウジング10からの空気が空気清浄ボックス39の内部に吹き出される空気口46近傍には、空気口46を塞いで空気の流れを止めることが可能な開閉自在な逆止弁47が設けられている。
【0123】
逆止弁47が設けられていることにより、空気噴射ノズル24で空気を噴射して空気清浄フィルタ148に捕捉されている粉塵等を除去する際、空気清浄ボックス39の空気清浄室44からハウジング10の風路30への逆流を防止することができる。
【0124】
これにより、空気清浄フィルタ148から落下する粉塵等がハウジング10の内部に逆流することが抑制され、粉塵等を空気清浄室44の内部下方に残留させることができる。よって、扉42(
図10参照)を開けて粉塵等を外部に取り出し、空気清浄ボックス39の内部を綺麗に清浄することができ、その結果、高性能な空気清浄能力を維持することができる。
【0125】
図12は、本発明の更に他の実施形態に係る集塵装置1の概略を示す斜視図である。
図12に示すように、ハウジング10の側方には、空気吸込口54が形成されたサイドハウジング52が設けられている。
【0126】
サイドハウジング52は、鋼板等から形成された筐体であり、その内部空間は、ハウジング10の内部に連通している。サイドハウジング52の前面53には、工場等の室内からサイドハウジング52の内部空間に空気を吸い込む開口である空気吸込口54が形成されている。
【0127】
従って、サイドハウジング52の前面53に形成された空気吸込口54を介して、室内の空気をハウジング10の内部に吸い込むことができる。即ち、
図12に示す集塵装置1は、ハウジング10の前面11に形成された吸込口12及びサイドハウジング52の前面53に形成された空気吸込口54から、工場等の室内の空気をハウジング10の内部に吸い込むことができる。これにより、室内の広い範囲の空気を好適に清浄化することができる。
【0128】
また、サイドハウジング52の下方には、鋼板等から形成されたサイド壁板55が設けられても良い。サイド壁板55は、ハウジング10の前面11やサイドハウジング52の前面53等に対して略平行となるよう立設されており、ハウジング10及びサイドハウジング52に支持されている。サイド壁板55によって、サイドハウジング52の下方の空気が上方の空気吸込口54に導かれる。
【0129】
このようなサイド壁板55が設けられることにより、工場等の室内の下方にある粉塵等を含む空気は、サイド壁板55に導かれてサイドハウジング52の内部に好適に吸い込まれる。よって、室内の下方にある粉塵等を好適に除去し、室内の空気を清浄化することができる。
【0130】
また、サイドハウジング52の上前方には、空気の流れをガイドする天板56が設けられても良い。天板56は、鋼板等から形成され、ハウジング10及びサイドハウジング52の上部に固定され、サイドハウジング52の前方の空間を上方から覆うように略水平に設けられている。
【0131】
このような天板56が設けられることにより、室内の下方の粉塵等を含む空気が上方に流れることを抑制し、その粉塵等を含む空気を空気吸込口54に導いて好適に吸い込むことができる。よって、集塵及び空気清浄の効率を向上させることができる。
【0132】
図13は、本発明の更に他の実施形態に係る集塵装置1の内部構造の概略を示す正面断面図である。
図13に示すように、集塵装置1のサイドハウジング52には、スパッタボックス63、空気清浄フィルタ148及び空気清浄フィルタ48が設けられても良い。
【0133】
即ち、
図13に示す集塵装置1は、スパッタボックス63と、第1のフィルタとしてのフィルタ17と、第2のフィルタとしての空気清浄フィルタ148と、第3のフィルタとしての空気清浄フィルタ48と、を有する。
【0134】
具体的には、サイドハウジング52の前面53(
図12参照)下部に、溶接ヒューム等を吸い込む空気を吸引する高温ダスト吸込口60が形成され、高温ダスト吸込口60の内側となるサイドハウジング52の下部に、高温のスパッタを除去するスパッタボックス63が設けられている。また、サイドハウジング52の下部には、濾過助剤供給器70が設けられている。
【0135】
高温ダスト吸込口60の上方には、サイドハウジング52の前面53に、室内の空気を吸い込む空気吸込口54が形成されている。空気吸込口54から吸い込まれる空気が流れるサイドハウジング52の内部は、ハウジング10の集塵室16に連通している。
【0136】
集塵室16には、第1のフィルタとしてのフィルタ17が設けられている。フィルタ17は、既に説明したとおり、例えば、フッ素樹脂微孔膜ラミネート等から形成された略円筒状または略平板状の濾布式のフィルタ部材である。
【0137】
サイドハウジング52の内部には、スパッタボックス63よりも上方に、第2のフィルタとしての空気清浄フィルタ148が設けられている。空気清浄フィルタ148は、既に説明したとおり、例えば、フッ素樹脂微孔膜ラミネート等から形成された略円筒状の形態をなす濾布式のフィルタ部材である。なお、第2のフィルタとして、略平板状の形態をなす空気清浄フィルタ48が採用されても良い。空気清浄フィルタ148が設けられたサイドハウジング52内部の空気清浄室44は、ハウジング10の風路30に連通している。
【0138】
空気清浄フィルタ148の上方には、第3のフィルタとしての空気清浄フィルタ48が設けられている。空気清浄フィルタ48は、既に説明したとおり、プレフィルタ49、脱臭フィルタ50、及びHEPAフィルタ等の高性能フィルタ51の少なくとも1つを有する。なお、第3のフィルタとして、略円筒状の形態をなす空気清浄フィルタ148が採用されても良い。空気清浄フィルタ48の上方のサイドハウジング52の前面53には、清浄されたクリーンな空気を室内に吹き出す吹出口41が形成されている。
【0139】
このような構成により、高温ダスト吸込口60から吸い込まれる溶接ヒューム等を含む空気は、スパッタボックス63で高温のスパッタが除去され、空気吸込口54から吸い込まれた室内の空気と合流する。
【0140】
そして、サイドハウジング52内で合流した空気吸込口54からの空気と高温ダスト吸込口60からの空気は、ハウジング10の側面の後部近傍から集塵室16に流れ込む。そして、集塵室16に流れ込んだ合流空気は、ハウジング10の前面11(
図12参照)にある吸込口12から吸い込まれた室内の空気と合流する。
【0141】
吸込口12、空気吸込口54及び高温ダスト吸込口60から吸い込まれ合流した空気は、第1のフィルタとしてのフィルタ17を通過して空気に含まれる粉塵等が除去される。
【0142】
フィルタ17で清浄化された空気は、次いで、第2のフィルタとしての空気清浄フィルタ148を通過して更に微細な粉塵等が捕捉された後、第3のフィルタとしての空気清浄フィルタ48を通過して空気中に残された微細粉塵が除去される。
【0143】
そして、サイドハウジング52の上部にある吹出口41から、クリーンな空気が室内に供給される。このように、スパッタボックス63を有し、且つ第1から第3のフィルタとしてフィルタ17、空気清浄フィルタ148及び空気清浄フィルタ48を有する集塵装置1によって、高性能な集塵及び空気清浄が安全に行われる。
【0144】
図14は、本発明の更に他の実施形態に係る集塵装置1の概略及び使用状態を示す斜視図である。
図14を参照して、集塵装置1は、作業者81が加工作業等を行う作業場所80近傍に向かって室内の空気を送る送風手段としての送風機59を有する。
【0145】
送風機59は、図示を省略するが、送風用のファンとそのファンを駆動するモータ等を有する送風手段である。送風機59は、送風口がハウジング10の前面11に対向し、ハウジング10との間に作業場所80を挟むようにして設けられている。
【0146】
送風機59は、空気を吹き出す送風口が作業場所80の加工点近傍より高い位置になるよう設けられ、送風機59の送風口からは、作業場所80の加工点近傍に向かって空気が吹き出される。詳しくは、送風機59からは、作業場所80及びハウジング10の方向に向かい、且つ、やや斜め下方に向かう風が送り出される。
【0147】
このような構成により、作業場所80で発生する粉塵等が室内に拡散することが抑制され、粉塵等を含む空気を効率良くハウジング10の内部に吸い込むことができる。よって、集塵装置1は、作業場所80で発生する粉塵、化学物質等を効率良く除去することができる。
【0148】
図15は、本発明の更に他の実施形態に係る集塵装置1の概略及び使用状態を示す斜視図である。
図15に示すように、集塵装置1は、ハウジング10に向かって空気を送る送風機59を有すると共に、ハウジング10の前面11の吸込口12よりも上方に設けられ清浄された空気を吹き出す吹出口41を有する。
【0149】
ハウジング10と送風機59は、作業場所80を挟み、ハウジング10の吹出口41と送風機59の送風口が対向するよう設けられている。送風機59は、作業場所80に向かいやや斜め下方に流れる空気を吹き出すよう設けられており、ハウジング10の吹出口41は、ハウジング10内からの空気が送風機59から送られる空気よりも上方に吹き出されるよう形成されている。
【0150】
このような構成により、作業場所80で発生する粉塵等が室内に拡散することが抑制され、粉塵等を含む空気を効率良くハウジング10の内部に吸い込むことができると共に、集塵装置1で清浄化された空気を作業者81等の近傍に好適に供給することができる。よって、粉塵、化学物質等による作業者81の健康障害を防止することができる安全な作業環境を提供することができる。
【0151】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。
【符号の説明】
【0152】
1 集塵装置
10 ハウジング
11 前面
12 吸込口
13 吹出口
14 扉
15 仕切板
16 集塵室
17 フィルタ
18 フィルタ支持板
19 ホッパ
20 ダストボックス
21 清浄室
22 空気供給源
23 バルブ
24 空気噴射ノズル
25 送風ファン
26 モータ
27 ファン入口板
28 ファン入口
29 風路
30 風路
31 防音板
32 ダスト吸込口
33 配管接続部
34 手動ダンパ
35 衝突板
37 パイプ
38 フード
39 空気清浄ボックス
40 前面
41 吹出口
42 扉
43 空気清浄フィルタ支持板
44 空気清浄室
45 吹出風路
46 空気口
47 逆止弁
48、148 空気清浄フィルタ
49 プレフィルタ
50 脱臭フィルタ
51 高性能フィルタ
52 サイドハウジング
53 前面
54 空気吸込口
55 サイド壁板
56 天坂
59 送風機
60 高温ダスト吸込口
61 配管接続部
62 手動ダンパ
63 スパッタボックス
64 スパッタ衝突板
65 衝突ガイド板
66 水槽
67 消火水
68 下降風路
69 上昇風路
70 濾過助剤供給器
80 作業場所
81 作業者