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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168003
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】保護ケース、及び駆動ユニット
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20231116BHJP
   B62B 3/00 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
B62B3/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079595
(22)【出願日】2022-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】000149033
【氏名又は名称】株式会社エクセディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】大野 太一
(72)【発明者】
【氏名】桂 斉士
【テーマコード(参考)】
3D050
3D235
【Fターム(参考)】
3D050AA01
3D050BB06
3D050DD01
3D050EE08
3D050EE15
3D050KK13
3D235AA21
3D235BB22
3D235CC12
3D235CC15
3D235DD11
3D235DD21
3D235EE63
3D235HH03
(57)【要約】
【課題】塵埃又は雨水の侵入を抑制できる保護ケースを提供する。
【解決手段】保護ケース100は、筐体3と、扉部4とを備える。筐体3は、開口部34を有する。扉部4は、回転軸部41と扉本体部42とを有する。回転軸部41は、筐体3の外側において筐体3と重複するように配置される。扉本体部42は、回転軸部41から開口部34を覆うように延びる。扉部4は、回転軸部41を中心に開閉可能となるように筐体3に取り付けられる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する筐体と、
前記筐体の外側において前記筐体と重複するように配置される回転軸部、及び前記回転軸部から前記開口部を覆うように延びる扉本体部、を有し、前記回転軸部を中心に開閉可能となるように前記筐体に取り付けられる扉部と、
を備える、保護ケース。
【請求項2】
前記回転軸部に対して前記扉本体部と反対側において、前記筐体の外側面から延びる第1ラビリンス部をさらに備える、
請求項1に記載の保護ケース。
【請求項3】
前記筐体との間に前記回転軸部を挟むように前記第1ラビリンス部から延びる第2ラビリンス部をさらに備える、
請求項2に記載の保護ケース。
【請求項4】
前記第1ラビリンス部からの寸法において、前記第2ラビリンス部は、前記筐体のうち前記扉部と重複する部分よりも短い、
請求項3に記載の保護ケース。
【請求項5】
前記筐体は、前記回転軸部を支持する底板部を有し、
前記底板部は、前記筐体のうち前記扉部と重複する部分から前記底板部の端縁まで延びる排出流路を有する、
請求項1から4のいずれかに記載の保護ケース。
【請求項6】
前記筐体は、底板部と、前記底板部の上方に配置される天板部と、前記底板部から前記天板部まで延び且つ前記開口部を含む側板部と、を有し、
前記扉本体部は、その内側面が前記底板部及び前記底板部の少なくとも一方の側面と対向するように配置される、
請求項1に記載の保護ケース。
【請求項7】
前記天板部は、天板本体部と、前記天板本体部の外周縁部から前記底板部に向かって延びる周縁壁部と、を有し、
前記扉本体部は、その内側面が、前記周縁壁部の外側面と対向するように配置される、
請求項6に記載の保護ケース。
【請求項8】
前記天板部は、前記周縁壁部の外側面から延びる第3ラビリンス部を有し、
前記扉本体部は、その上端面が前記第3ラビリンス部と対向するように配置される、
請求項7に記載の保護ケース。
【請求項9】
前記筐体は、底板部と、前記底板部の上方に配置される天板部と、前記底板部から前記天板部まで延び且つ前記開口部を含む側板部と、を有し、
前記回転軸部は、前記底板部に形成された貫通孔に挿入される第1端部と、前記天板部に形成された凹部に挿入される第2端部と、を有する、
請求項1に記載の保護ケース。
【請求項10】
請求項1に記載の保護ケースと、
前記筐体内に配置されるバッテリと、
前記バッテリからの電力で駆動するように構成される電気モータと、
を備える、駆動ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護ケース、及び駆動ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
パレットトラックなどの移動体に駆動ユニットを搭載して、移動体の移動をアシストすることが提案されている(例えば特許文献1)。この駆動ユニットに用いられるバッテリや電子基板などの電子部品は、保護ケース内に収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2014-512307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バッテリを保護ケースから取り出すことができるように、保護ケースは、開閉可能な扉部を有している。この扉部は、一般的に、ヒンジを介して筐体に取り付けられている。しかしながら、このような構成にすると、扉部と筐体との隙間を介して塵埃又は雨水などが筐体内に侵入してくるおそれがある。
【0005】
本発明の課題は、塵埃又は雨水の侵入を抑制できる保護ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様に係る保護ケースは、筐体と、扉部とを備える。筐体は、開口部を有する。扉部は、回転軸部と扉本体部とを有する。回転軸部は、筐体の外側において筐体と重複するように配置される。扉本体部は、回転軸部から開口部を覆うように延びる。扉部は、回転軸部を中心に開閉可能となるように筐体に取り付けられる。
【0007】
この構成によれば、扉部の回転軸部が、筐体の外側に配置されており、筐体と重複している。このように扉部と筐体とが互いに重複しているため、塵埃又は雨水の侵入を抑制することができる。
【0008】
第2態様に係る保護ケースは、第1態様に係る保護ケースにおいて、第1ラビリンス部をさらに備える。第1ラビリンス部は、回転軸部に対して扉本体部と反対側において、筐体の外側面から延びる。
【0009】
第3態様に係る保護ケースは、第2態様に係る保護ケースにおいて、第2ラビリンス部をさらに備える。第2ラビリンス部は、筐体との間に回転軸部を挟むように第1ラビリンス部から延びる。
【0010】
第4態様に係る保護ケースは、第3態様に係る保護ケースにおいて、第1ラビリンス部からの寸法において、第2ラビリンス部が、筐体のうち扉部と重複する部分よりも短い。
【0011】
第5態様に係る保護ケースは、第1から第4態様のいずれかに係る保護ケースにおいて、筐体が回転軸部を支持する底板部を有する。底板部は、筐体のうち扉部と重複する部分から底板部の端縁まで延びる排出流路を有する。
【0012】
第6態様に係る保護ケースは、第1から第5態様のいずれかに係る保護ケースにおいて、筐体が、底板部、天板部、及び側板部を有する。天板部は、底板部の上方に配置される。側板部は、底板部から天板部まで延びる。また、側板部は、開口部を含む。扉本体部は、その内側面が底板部及び底板部の少なくとも一方の側面と対向するように配置される。
【0013】
第7態様に係る保護ケースは、第6態様に係る保護ケースにおいて、天板部が、天板本体部と、周縁壁部とを有する。周縁壁部は、天板本体部の外周縁部から底板部に向かって延びる。扉本体部は、その内側面が、周縁壁部の外側面と対向するように配置される。
【0014】
第8態様に係る保護ケースは、第7態様に係る保護ケースにおいて、天板部が、周縁壁部の外側面から延びる第3ラビリンス部を有する。扉本体部は、その上端面が第3ラビリンス部と対向するように配置される。
【0015】
第9態様に係る保護ケースは、第1態様から第8態様のいずれかに係る保護ケースにおいて、筐体が、底板部と、天板部と、側板部とを有する。天板部は、底板部の上方に配置される。側板部は、底板部から天板部まで延びる。側板部は、開口部を含む。回転軸部は、第1端部と、第2端部とを有する。第1端部は、底板部に形成された貫通孔に挿入される。第2端部は、天板部に形成された凹部に挿入される。
【0016】
第10態様に係る駆動ユニットは、第1態様から第9態様のいずれかに係る保護ケースと、筐体内に配置されるバッテリと、バッテリからの電力で駆動するように構成される電気モータと、を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、塵埃又は雨水の侵入を抑制する保護ケースが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】パレットトラックの側面図。
図2】上方から見た保護ケースの断面図。
図3】上方から見た保護ケースの断面図。
図4】上方から見た保護ケースの拡大断面図。
図5】保護ケースの断面斜視図。
図6】天板部を取り除いた筐体の斜視図。
図7】側方から見た保護ケースの拡大断面図。
図8】保護ケースの側面図。
図9】保護ケースの側面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本実施形態に係る保護ケース及び駆動ユニットについて図面を参照しつつ説明する。なお、図1は、本実施形態に係る駆動ユニットを搭載するパレットトラックの側面図である。なお、この駆動ユニットは、パレットトラック以外の移動体(例えば、ハンドリフトトラック、ハンドトラック、又は車椅子)などにも搭載することができる。また、この保護ケースは、駆動ユニット以外の電気製品にも適用可能である。
【0020】
図1に示すように、パレットトラック200は、パレットトラック本体210と、駆動ユニット20とを有している。パレットトラック本体210は、荷台(一対のフォークアーム)201、操作ハンドル202、複数の車輪204を有している。なお、各車輪204は、非駆動輪である。このパレットトラック本体210に、駆動ユニット20が取り付けられている。
【0021】
<駆動ユニット>
駆動ユニット20は、電気モータ21、バッテリ22、及び保護ケース100を含んでいる。また、駆動ユニット20は、駆動輪24、及び減速機25なども有している。
【0022】
電気モータ21は、使用者が人力によってパレットトラック200を走行させているときに、パレットトラック200の走行をアシストするためのアシスト力を出力する。電気モータ21は、駆動輪24を回転駆動する。
【0023】
バッテリ22は、電気モータ21などに電力を供給するように構成されている。電気モータ21は、このバッテリ22からの電力で駆動するように構成されている。バッテリ22は、後述する筐体3内に取り出し可能に収容されている。
【0024】
減速機25は、電気モータ21の回転数を減速して、駆動輪24へと伝達する。減速機25は、例えば複数の歯車などによって構成されている。
【0025】
[保護ケース]
図2及び図3は、上方から見た保護ケース100の断面図である。なお、図2は、扉部4が閉じた状態の保護ケース100を示し、図3は扉部4が開いた状態の保護ケース100を示している。図2及び図3に示すように、保護ケース100は、内部に収容されるバッテリ22などを保護するように構成されている。保護ケース100は、筐体3と、扉部4と、ラビリンス構造6とを有している。また、第1保護部材5と、ロック機構7と、第2保護部材8とを有している。
【0026】
[筐体]
筐体3は、各種部品を収容するように構成されている。詳細には、筐体3は、バッテリ22を内部に収容している。また、筐体3は、電子基板9を収容している。電子基板9は、バッテリ22と電気的に接続されている。電子基板9には、複数の半導体素子などが半田付けされている。
【0027】
筐体3は、バッテリ22を収容する第1空間31と、電子基板9と収容する第2空間32とを有している。すなわち、筐体3は、隔壁33によって、2つの空間に仕切られている。なお、筐体3は、例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、ASA(アクリロニトリル・スチレン・アクリレート)樹脂、又はPES(ポリエーテルサルフォン)樹脂のような合成樹脂などによって構成されている。
【0028】
筐体3は、開口部34を有している。筐体3は、開口部34を除いて、側方及び上方から塵埃及び雨水などが内部に入らないように気密性を有している。
【0029】
開口部34は、第1方向に向かって開口している。なお、図2及び図3の左右方向が、第1方向に相当する。すなわち、本実施形態では、開口部34は、図2及び図3の左右方向に向かって開口している。開口部34は、第1方向において、筐体3の第1側に配置されている。すなわち、筐体3は、第1方向の第1側に向かって開口している。
【0030】
なお、以下の説明において、第1方向の第1側とは、筐体3の開口部34が形成される側であり、第1方向の第2側は第1側の反対側である。なお、本実施形態では、図2及び図3の左側が第1方向の第1側であり、図2及び図3の右側が第1方向の第2側である。この開口部34を介して、バッテリ22は、筐体3内から取り出される。
【0031】
筐体3は、底板部35と天板部36(図5参照)と側板部37とを有している。底板部35は、排出溝351(排出流路の一例)を有している。天板部36は、底板部35の上方に配置されている。側板部37は、底板部35から上方に延びている。詳細には、側板部37は、底板部35から天板部36まで延びている。開口部34は、この側板部37に形成されている。天板部36は、側板部37の上面を塞ぐように取り付けられている。
【0032】
[扉部]
扉部4は、開口部34を開閉可能に覆うように筐体3に取り付けられている。なお、図2は、扉部4が閉状態であり、図3は扉部4が開状態である。扉部4は、回転軸部41と、扉本体部42とを有している。そして、扉部4は、この回転軸部41を中心に回転することによって、開状態と閉状態とに切り替わる。パレットトラック200の走行時など、通常は、扉部4は閉状態となっている。バッテリ22を取り外したり交換したりする際に、扉部4は開状態となる。
【0033】
図4は、回転軸部41を中心に図2を拡大した図である。なお、図4では、図解を容易にするために、筐体3及び扉部4のみを示している。図4に示すように、回転軸部41は、筐体3の外側において筐体3と重複するように配置されている。回転軸部41は、実質的に円柱状である。
【0034】
図5は、回転軸部を中心とした拡大断面図である。図5に示すように、回転軸部41は、第2方向に沿って延びている。なお、本実施形態では、回転軸部41は、上下方向に沿って延びている。回転軸部41は、第2方向に沿って、第1端部411と第2端部412とを有している。なお、本実施形態では、第1端部411は回転軸部41の下端部であり、第2端部412は、回転軸部41の上端部である。
【0035】
回転軸部41の第1端部411は、筐体3の底板部35によって回転可能に支持されている。詳細には、第1端部411は、底板部35に形成された貫通孔に挿入されている。より詳細には、第1支持部411は、底板部35の支持部352(図6参照)に形成された貫通孔に挿入されている。回転軸部41の第2端部412は、筐体3の天板部36によって回転可能に支持されている。詳細には、第2端部412は、天板部36に形成された凹部に挿入されている。なお、天板部36に形成された凹部は、天板部36を貫通していない。
【0036】
図2に示すように、扉本体部42は、回転軸部41から開口部34を覆うように延びている。扉部4は、第3方向に延びている。また、扉本体部42は、上方から見て、第1方向の第1側に膨らんでいる。扉部4の回転軸部41は、第3方向の第1側に配置されている。扉部4は、扉本体部42の第3方向の第2側にタブ43を有している。使用者は、このタブ43をつまんで扉部4を開閉することができる。なお、第3方向とは、第1方向と交差する方向を意味する。本実施形態では、第3方向は、第1方向と直交している。第3方向の第1側とは、扉部4の回転軸部41が配置される側であり、第3方向の第2側とは第3方向の第1側の反対側である。
【0037】
[ラビリンス構造]
図4に示すように、ラビリンス構造6は、回転軸部41と筐体3との間から塵埃及び雨水などが筐体3内に侵入することをより抑制するように構成されている。ラビリンス構造は、第1ラビリンス部61と第2ラビリンス部62とを有している。
【0038】
第1ラビリンス部61は、回転軸部41に対して、扉本体部42と反対側に配置されている。詳細には、扉部4が閉まっている状態において、回転軸部41を基準に、扉本体部42と回転軸部41との境界部と反対側に配置されている。本実施形態では、第1ラビリンス部61は、第1方向において、回転軸部41に対して第2側に配置されている。
【0039】
第1ラビリンス部61は、筐体3の外側面から延びている。詳細には、第1ラビリンス部61は、筐体3の側板部37から延びている。第1ラビリンス部61は、側板部37から離れる方向に延びている。
【0040】
図6は、天板部36を外した状態の筐体3の斜視図である。図6に示すように、第1ラビリンス部61は、回転軸部41に沿って、第2方向にも延びている。第1ラビリンス部61は、筐体3の底板部35まで延びている。詳細には、底板部35は、側板部37の外側に飛び出る支持部352を有している。そして、第1ラビリンス部61は、この支持部352まで延びている。
【0041】
図4に示すように、第2ラビリンス部62は、第1ラビリンス部61の先端部から延びている、第2ラビリンス部62は、筐体3の側板部37との間で、回転軸部41を挟んでいる。すなわち、第2ラビリンス部62は、間隔をあけて側板部37に沿って延びている。そして、この第2ラビリンス部62と側板部37との間に、回転軸部41が配置されている。
【0042】
第2ラビリンス部62は、第1ラビリンス部61からの寸法において、筐体3のうち、扉部と重複する部分38(以下、「重複部38」とも称する)よりも短い。すなわち、第1ラビリンス部61を基準において、第2ラビリンス部62の長さL1は、重複部38の長さL2よりも短い。
【0043】
重複部38は、回転軸部41と重複するとともに、扉本体部42の一部とも重複している具体的には、重複部38は、扉本体部42のうち回転軸部41側の端部と重複している。一方、第2ラビリンス部62は、回転軸部41と重複しているが、扉本体部42とは重複していない。この構成によれば、筐体3内への塵埃及び雨水の侵入を抑制するとともに、扉部4を開けるときに、扉部4をより大きく広げることができる。
【0044】
この重複部38、第1ラビリンス部61、及び第2ラビリンス部62によって囲まれた空間内に、回転軸部41が収容されている。回転軸部41は、扉本体部42との連結部を除いた三方が覆われている。このように、回転軸部41と筐体3との間は、ラビリンス構造になっているため、塵埃及び雨水の侵入をより抑制することができる。
【0045】
筐体3の底板部35に形成された排出溝351は、重複部38から底板部35の端縁まで延びている。詳細には、排出溝351は、重複部38の下端部と繋がっている。また、排出溝351は、底板部35の端縁のうち、扉部4の扉本体部42と対向する端縁まで延びている。そして、排出溝351は、その底板部35の端縁に沿って延びている。このため、ラビリンス構造を介して筐体3内に雨水が侵入してきても、排出溝351を介して、筐体3の外部へと排出することができる。
【0046】
図7は、側方から見た保護ケース100の断面図である。図7に示すように、扉部4は、筐体3の外側に配置されている。扉部4の扉本体部42は、その内側面が底板部35の側面353と対向するように配置されている。詳細には、扉本体部42の下端部の内側面が、底板部35の側面353と対向している。なお、扉本体部42の内側面とは、筐体3内を向く面である。扉本体部42は、底板部35よりも下方へ延びている。すなわち、扉本体部42の下端面は、底板部35の下面よりも下方に位置している。扉本体部42は、底板部35との間に隙間を有しているが、底板部35と接触していて隙間を有していなくてもよい。
【0047】
扉本体部42は、その内側面が天板部36の側面364と対向するように配置されている。扉本体部42の上端面は、天板部36の上面よりも下方に位置している。
【0048】
天板部36は、天板本体部361と、周縁壁部362と、第3ラビリンス部363とを有している。天板本体部361は、筐体3の上面を画定している。周縁壁部362は、天板本体部361の外周縁部から底板部35に向かって延びている。すなわち、周縁壁部362は、天板本体部361の外周縁部から下方に延びている。扉本体部42は、その内側面が周縁壁部362の外側面と対向するように配置されている。なお、周縁壁部362の外側面は、天板部36の側面364である。
【0049】
第3ラビリンス部363は、周縁壁部362の外側面から延びている。また、第3ラビリンス部363は、周縁壁部362に沿って延びている。第3ラビリンス部363は、扉本体部42と略同じ長さを有している。扉本体部42は、その上端面が第3ラビリンス部363と対向するように配置されている。
【0050】
[第1保護部材]
図2に示すように、第1保護部材5は、扉部4を保護するように構成されている。第1保護部材5は、扉部4の下部に沿って延びている(図8参照)。なお、第1保護部材5は、例えば、鋼材、アルミニウム材、又は樹脂材などによって構成されている。
【0051】
第1保護部材5は、第3方向に延びている。第1保護部材5は、筐体3に対して、第1方向の第1側に配置されている。第1保護部材5は、上方から見て、第1方向の第1側に膨らんでいる。具体的には、第1保護部材5は、上方から見て、半環状に延びている。
【0052】
図8及び図9は、保護ケース100の側面図である。なお、図8は、扉部4が閉じている状態を示し、図9は扉部4が開いている状態を示している。図8及び図9に示すように、第1保護部材5は、第1姿勢と第2姿勢との間で姿勢を切替可能に構成されている。なお、図8では、第1保護部材5は第1姿勢をとっており、図9では第1保護部材5は第2姿勢を取っている。
【0053】
図8に示すように、第1保護部材5が第1姿勢にあるとき、第1保護部材5は、第1方向向視(図8の左側から見た場合)において、扉部4と重複している。このため、走行路面上の障害物が保護ケース100と衝突した場合、第1保護部材5によって、扉部4を保護することができる。
【0054】
一方、図9に示すように、第1保護部材5が第2姿勢にあるとき、第1保護部材5は、第1方向視(図9の左側から見た場合)において、開口部34及び扉部4と重複していない。また、第1保護部材5が第2姿勢にあるとき、第1保護部材5は、扉部4の開閉動作に干渉しない位置に配置されている。このため、第1保護部材5が第2姿勢にあるとき、扉部4を開状態にすることができ、また、開口部34からバッテリ22を容易に取り出すことができる。
【0055】
第1保護部材5は、第1方向に沿ってスライド可能に構成されている。詳細には、第1保護部材5は、筐体3に取り付けられたガイド部材11にスライド可能に取り付けられている。第1保護部材5は、第1姿勢から第2姿勢に切り替わるとき、第1方向に沿って筐体3から離れるように、第1方向の第1側にスライド移動する。また、第1保護部材5は、第2姿勢から第1姿勢に切り替わるとき、第1方向に沿って筐体3に近付くように、第1方向の第2側にスライド移動する。
【0056】
図8に示すように、第1保護部材5は、第1姿勢にあるとき、扉部4が開状態とならないように扉部4の動作を規制している。詳細には、第1保護部材5は、第1姿勢にあるとき、扉部4に対して、第1方向の第1側において、扉部4と隣接している。なお、第1保護部材5は、扉部4を筐体3に向かって押圧していてもよい。なお、第1保護部材5は、扉部4との間に緩衝部材54を有している(図2参照)。
【0057】
[ロック機構]
図2及び図8に示すように、ロック機構7は、第1保護部材5のスライド動作を規制して第1保護部材5に第1姿勢を維持させるように構成されている。このロック機構7は、筐体3に対して、第3方向の第2側に配置されている。ロック機構7は、扉部4の回転軸部41とは反対側に配置されている。なお、ロック機構7は、第3方向の第1側には配置されていない。
【0058】
本実施形態において、ロック機構7は、いわゆるパッチン錠である。ロック機構7は、フック部71と、レバー部72と、引っ掛かり部73とを有している。なお、フック部71及びレバー部72は、筐体3に取り付けられている。詳細には、フック部71及びレバー部72は、第2保護部材8及びガイド部材11を介して、筐体3に取り付けられている。このため、フック部71及びレバー部72は第1方向にスライド移動できず固定されている。引っ掛かり部73は、第1保護部材5に形成されている。このため、引っ掛かり部73は、第1保護部材5とともに第1方向にスライド移動可能である。なお、引っ掛かり部73は、第1保護部材5と一つの部材によって構成されている。
【0059】
フック部71を引っ掛かり部73に引っ掛かけ、レバー部72を第1方向の第2側に倒すことによって、ロック機構7が働き、第1保護部材5のスライド動作が規制される。レバー部72を起こすことによってフック部71と引っ掛かり部73との係合状態が解除可能となり、このフック部71と引っ掛かり部73との係合状態を解除することによって、第1保護部材5は、筐体3から離れるように第1方向の第1側にスライドすることができる。
【0060】
[第2保護部材]
第2保護部材8は、第3方向に延びている。第2保護部材8は、筐体3に対して第1方向の第2側に配置されている。第2保護部材8は、上方から見て、第1方向の第2側に膨らんでいる。具体的には、第2保護部材8は、上方から見て、半環状に延びている。このため、第1保護部材5と第2保護部材8とは互いに協働して、筐体3を環状に囲むように配置されている。
【0061】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、以下の各変形例は、基本的には同時に適用することができる。
【0062】
(a)上記実施形態では、重複部38と第1ラビリンス部61と第2ラビリンス部62とによってラビリンス構造を構成しているが、保護ケース100の構成はこれに限定されない。例えば、保護ケース100は、第2ラビリンス部62を有していなくてもよい。また、保護ケース100は、第1ラビリンス部61と第2ラビリンス部62との両方を有していなくてもよい。
(b)上記実施形態では、保護ケース100は、第1保護部材5及び第2保護部材8を有していたが、これら保護部材5,8を有していなくてもよい。
【符号の説明】
【0063】
3 :筐体
34 :開口部
35 :底板部
351 :排出溝
36 :天板部
361 :天板本体部
362 :周縁壁部
363 :第3ラビリンス部
37 :側板部
38 :重複部
4 :扉部
41 :回転軸部
42 :扉本体部
6 :ラビリンス構造
61 :第1ラビリンス部
62 :第2ラビリンス部
20 :駆動ユニット
21 :電気モータ
22 :バッテリ
100 :保護ケース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9