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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168030
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】アミダイトモノマー
(51)【国際特許分類】
   C07F 9/24 20060101AFI20231116BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231116BHJP
   C07H 19/10 20060101ALI20231116BHJP
   C07H 21/04 20060101ALI20231116BHJP
   C07H 19/207 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
C07F9/24 F
A61P35/00
C07H19/10 CSP
C07H21/04
C07H19/207
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079640
(22)【出願日】2022-05-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (その1) ウェブサイトの掲載日 2022年1月17日 ウェブサイトのアドレス https://confit.atlas.jp/guide/event/csj102nd/top https://confit.atlas.jp/guide/event/csj102nd/tables https://confit.atlas.jp/guide/event/csj102nd/table/20220324 https://confit.atlas.jp/guide/event/csj102nd/session/2G10109-24/tables?jhFhGgGRJj (その2) ウェブサイトの掲載日 2022年3月9日 ウェブサイトのアドレス https://confit.atlas.jp/guide/event/csj102nd/top https://confit.atlas.jp/guide/event/csj102nd/proceedings/list https://confit.atlas.jp/guide/event-img/csj102nd/csj102nd_APA_all/proceedings (その3) 開催日 2022年3月24日(開催期間:2022年3月23日~2022年3月26日) 集会名、開催場所 日本化学会第102春季年会(2022)(オンライン開催)
(71)【出願人】
【識別番号】399030060
【氏名又は名称】学校法人 関西大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】葛谷 明紀
(72)【発明者】
【氏名】栗本 寛也
【テーマコード(参考)】
4C057
4H050
【Fターム(参考)】
4C057AA03
4C057BB02
4C057BB05
4C057DD03
4C057LL10
4C057LL17
4C057LL19
4C057LL23
4C057LL29
4C057LL40
4C057LL46
4C057MM04
4H050AA01
4H050AB84
4H050AD17
4H050BB21
4H050BC10
4H050WA15
4H050WA23
(57)【要約】
【課題】コルヒチン類似構造を有する化合物を核酸に組込む技術を提供すること。
【解決手段】一般式(1):
[式中:R1は同一又は異なって、アルコキシ基又はリン酸基を示す。R2は同一又は異なって、アルコキシ基又はリン酸基を示す。R3は-N=又は-CH=を示す。R4は=N-又は=CH-を示す。R5はヒドロキシ基の保護基を示す。R6及びR7は同一又は異なって、アルキル基を示す。mは1~5の整数を示す。nは1~4の整数を示す。]
で表される化合物若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1):
【化1】
[式中:R1は同一又は異なって、アルコキシ基又はリン酸基を示す。R2は同一又は異なって、アルコキシ基又はリン酸基を示す。R3は-N=又は-CH=を示す。R4は=N-又は=CH-を示す。R5はヒドロキシ基の保護基を示す。R6及びR7は同一又は異なって、アルキル基を示す。mは1~5の整数を示す。nは1~4の整数を示す。]
で表される化合物若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項2】
前記化合物が一般式(1A):
【化2】
[式中:R1、R2、R3、R4、R5、R6、及びR7は前記に同じである。]
で表される化合物である、請求項1に記載の化合物若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項3】
R1及びR2がアルコキシ基である、請求項1に記載の化合物若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項4】
R5が電子求引基で置換されたアルキル基であり、且つR6及びR7が分岐鎖状アルキル基である、請求項1~3のいずれかに記載の化合物若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項5】
末端のリン酸基が一般式(2):
【化3】
[式中:R1は同一又は異なって、アルコキシ基又はリン酸基を示す。R2は同一又は異なって、アルコキシ基又はリン酸基を示す。R3は-N=又は-CH=を示す。R4は=N-又は=CH-を示す。R8はO又はSを示す。R9はO-又はS-を示す。mは1~5の整数を示す。nは1~4の整数を示す。]
で表される基に置き換えられてなる、ヌクレオチド又はポリヌクレオチド。
【請求項6】
一般式(2A):
【化4】
[式中:R1、R2、R3、R4、R8、R9、m、及びnは前記に同じである。R8Aは同一又は異なって、O又はSを示す。R9Aは同一又は異なって、O-又はS-を示す。R10は同一又は異なってヌクレオシドの糖部から2つのヒドロキシ基が除かれてなる2価の基を示す。R10Aは同一又は異なってヌクレオシドの糖部から2つのヒドロキシ基が除かれてなる2価の基を示す。R11は、ヒドロキシ基、リン酸基、又はチオリン酸基を示す。pは0又は1以上の整数を示す。]
で表される化合物である、請求項5に記載のヌクレオチド又はポリヌクレオチド。
【請求項7】
請求項5に記載のヌクレオチド又はポリヌクレオチドを含む、核酸構造体。
【請求項8】
DNAオリガミである、請求項7に記載の核酸構造体。
【請求項9】
請求項5又は6に記載のヌクレオチド又はポリヌクレオチド、及び請求項7又は8に記載の核酸構造体からなる群より選択される少なくとも1種を含む、医薬。
【請求項10】
抗がん剤である、請求項9に記載の医薬。
【請求項11】
請求項5又は6に記載のヌクレオチド又はポリヌクレオチド、及び請求項7又は8に記載の核酸構造体からなる群より選択される少なくとも1種を含む、試薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミダイトモノマー等に関する。
【背景技術】
【0002】
コルヒチン類似構造を有する抗がん剤及びそのプロドラッグが各種報告されている(例えば、非特許文献1)。この抗がん剤は、コルヒチンと同様に、チューブリンと特異的に結合し、微小管の形成を阻害することによって、がん細胞の細胞分裂を抑制する。このため、ドラッグデリバリー技術、特にがん細胞特異的に輸送し得るドラッグデリバリー技術の開発が望まれる。
【0003】
一般的に、ドラッグデリバリー技術として、リポソーム、重合ナノ粒子、無機ナノ粒子、デンドリマー、ミセル、ナノエマルジョン、高分子薬物のコンジュゲート等が報告されている。しかしながら、その一部には形状的に均質性が欠けていたり、生体適合性も最適でないケースもあり、さらに疾患細胞への選択性も十分でないケースもがしばしば認められている。このため、新たなドラッグデリバリー技術の開発が望まれる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Borowiak et al., 2015, Cell, 162, 403-411.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、ドラッグデリバリー技術としてDNAオリガミ等の核酸構造体に着目した。DNAオリガミは、生体適合性(DNA本来の性質)、生分解性(DNA本来の性質)、及び薬物の取り込み位置の制御性が備わっている。
【0006】
本発明は、コルヒチン類似構造を有する化合物を核酸に組込む技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題に鑑みて鋭意研究を進めた結果、一般式(1)で表されるアミダイトモノマーを用いることにより、コルヒチン類似構造を有する化合物が付加され且つ抗がん活性を有するヌクレオチド又はポリヌクレオチド、さらにはこれらを含む核酸構造体が得られることを見出した。本発明者は、この知見に基づいてさらに研究を進めた結果、本発明を完成させた。即ち、本発明は、下記の態様を包含する。
【0008】
項1. 一般式(1):
【0009】
【化1】
【0010】
[式中:R1は同一又は異なって、アルコキシ基又はリン酸基を示す。R2は同一又は異なって、アルコキシ基又はリン酸基を示す。R3は-N=又は-CH=を示す。R4は=N-又は=CH-を示す。R5はヒドロキシ基の保護基を示す。R6及びR7は同一又は異なって、アルキル基を示す。mは1~5の整数を示す。nは1~4の整数を示す。]
で表される化合物若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
【0011】
項2. 前記化合物が一般式(1A):
【0012】
【化2】
【0013】
[式中:R1、R2、R3、R4、R5、R6、及びR7は前記に同じである。]
で表される化合物である、項1に記載の化合物若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
【0014】
項3. R1及びR2がアルコキシ基である、項1又は2に記載の化合物若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
【0015】
項4. R5が電子求引基で置換されたアルキル基であり、且つR6及びR7が分岐鎖状アルキル基である、項1~3のいずれかに記載の化合物若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
【0016】
項5. 末端のリン酸基が一般式(2):
【0017】
【化3】
【0018】
[式中:R1は同一又は異なって、アルコキシ基又はリン酸基を示す。R2は同一又は異なって、アルコキシ基又はリン酸基を示す。R3は-N=又は-CH=を示す。R4は=N-又は=CH-を示す。R8はO又はSを示す。R9はO-又はS-を示す。mは1~5の整数を示す。nは1~4の整数を示す。]
で表される基に置き換えられてなる、ヌクレオチド又はポリヌクレオチド。
【0019】
項6. 一般式(2A):
【0020】
【化4】
【0021】
[式中:R1、R2、R3、R4、R8、R9、m、及びnは前記に同じである。R8Aは同一又は異なって、O又はSを示す。R9Aは同一又は異なって、O-又はS-を示す。R10は同一又は異なってヌクレオシドの糖部から2つのヒドロキシ基が除かれてなる2価の基を示す。R10Aは同一又は異なってヌクレオシドの糖部から2つのヒドロキシ基が除かれてなる2価の基を示す。R11は、ヒドロキシ基、リン酸基、又はチオリン酸基を示す。pは0又は1以上の整数を示す。]
で表される化合物である、項5に記載のヌクレオチド又はポリヌクレオチド。
【0022】
項7. 項5又は6に記載のヌクレオチド又はポリヌクレオチドを含む、核酸構造体。
【0023】
項8. DNAオリガミである、項7に記載の核酸構造体。
【0024】
項9. 項5又は6に記載のヌクレオチド又はポリヌクレオチド、及び項7又は8に記載の核酸構造体からなる群より選択される少なくとも1種を含む、医薬。
【0025】
項10. 抗がん剤である、項9に記載の医薬。
【0026】
項11. 項5又は6に記載のヌクレオチド又はポリヌクレオチド、及び項7又は8に記載の核酸構造体からなる群より選択される少なくとも1種を含む、試薬。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、コルヒチン類似構造を有する化合物のアミダイトモノマー、当該アミダイトモノマーを用いて得られたヌクレオチド又はポリヌクレオチド、当該ヌクレオチド又はポリヌクレオチドを含む各酸構造体等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】化合物1の1H NMR [CDCl3]のスペクトルと合成スキームをに示す。
図2】化合物2の1H NMR [CDCl3]のスペクトルと合成スキームをに示す。
図3】化合物3の1H NMR [CDCl3]のスペクトルと合成スキームをに示す。
図4】Photostatinの1H NMR [CDCl3]のスペクトルと合成スキームをに示す。
図5】PST-アミダイトモノマーの質量分析のマススペクトルを示す。
図6】PST-A、PST-G、PST-C、PST-T、PST-T9の質量分析のマススペクトルを示す。
図7】PST-TのHPLC精製結果と、回収したピークの質量分析のマススペクトルを示す。
図8】PST-T9のHPLC精製結果を示す。
図9】PST-T9の回収したピークの質量分析のマススペクトルを示す。
図10】実施例3のcis - trans異性化のHPLC測定評価結果を示す。
図11】実施例4のcis - trans異性化のUV測定評価結果を示す。
図12】実施例5のcis - trans異性化のUV測定(時間変化)評価結果を示す。
図13】実施例6のTm測定結果を示す。
図14】実施例7の熱安定性評価結果を示す。
図15】実施例8の抗ガン活性試験の結果を示す。
図16】実施例10で作製したDNAオリガミデンドリマーの全体図を示す。
図17】実施例10で作製したDNAオリガミデンドリマーの一部の先端の拡大図を示す。
図18】実施例10で作製したDNAオリガミデンドリマーの一部の先端の拡大図(左側)及びPST修飾DNAオリガミデンドリマーの一部の先端の拡大図(右側)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
【0030】
1.アミダイトモノマー
本発明は、その一態様において、一般式(1):
【0031】
【化5】
【0032】
で表される化合物若しくはその塩又はそれらの溶媒和物(本明細書において、これらをまとめて「本発明のアミダイトモノマー」と示すこともある。)、に関する。以下に、これについて説明する。
【0033】
R1は同一又は異なって、アルコキシ基又はリン酸基を示す。R1は、好ましくはアルコキシ基である。
【0034】
R1で示されるアルコキシ基には、直鎖状又は分枝鎖状(好ましくは直鎖状)のいずれのものも包含される。該アルコキシ基の炭素数は、特に制限されないが、例えば1~8、好ましくは1~6、より好ましくは1~4、さらに好ましくは1~2、特に好ましくは1である。該アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基等が挙げられる。
【0035】
R1で示されるリン酸基は、H2PO4-で示される基である。
【0036】
mは1~5の整数を示す。mは好ましくは1~4の整数、より好ましくは2~4の整数、さらに好ましくは2~3の整数又は3~4の整数、特に好ましくは3を示す。
【0037】
R1の位置は、特に制限されず、R3に対して、例えばパラ位、メタ位、オルト位であることができる。R1の位置は、好ましくはパラ位、メタ位である。R1が複数存在する場合は、パラ位及び/又はメタ位のR1を含むことが好ましく、パラ位及びメタ位のR1を含むことがより好ましい。
【0038】
R2は同一又は異なって、アルコキシ基又はリン酸基を示す。R2は、好ましくはアルコキシ基である。
【0039】
R2で示されるアルコキシ基の定義は、R1で示されるアルコキシ基の定義と同じである。R2で示されるリン酸基の定義は、R1で示されるリン酸基の定義と同じである。
【0040】
nは1~4の整数を示す。nは好ましくは1~3の整数、より好ましくは1~2の整数、さらに好ましくは1である。
【0041】
R2の位置は、特に制限されず、R4に対して、例えばパラ位、メタ位、オルト位であることができる。R1の位置は、好ましくはパラ位、メタ位、より好ましくはパラ位である。
【0042】
本発明の好ましい一態様において、R1及びR2はアルコキシ基であることができる。
【0043】
R1及びR2の数(m、n)及び位置について、本発明の一態様において、一般式(1)で表される化合物は、特に好ましくは一般式(1A):
【0044】
【化6】
【0045】
で表される化合物であることができる。
【0046】
R3は-N=又は-CH=を示す。R3は好ましくは-N=である。
【0047】
R4は=N-又は=CH-を示す。R4は好ましくは=N-である。
【0048】
本発明の好ましい一態様において、R3が-N=であり且つR4が=N-である、或いはR3が-CH=であり且つR4が=CH-であることができる。
【0049】
R5はヒドロキシ基の保護基を示す。
【0050】
R5で示されるヒドロキシ基の保護基としては、アミダイトモノマーで使用される公知の保護基を広く採用することができる。R5としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、ハロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキルアルキル基、シクリルアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルコキシアルキル基、ヘテロシクリルアルケニル基、ヘテロシクリルアルキル基、ヘテロアリールアルキル基、シリル基、シリルオキシアルキル基、モノ、ジ又はトリアルキルシリル基、モノ、ジ又はトリアルキルシリルオキシアルキル基などが挙げられ、これらは電子求引基で置換されていてもよい。
【0051】
R5として、好ましくは、電子求引基で置換されたアルキル基である。当該電子求引基としては、例えば、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、ハロゲン、アリールスルホニル基、トリハロメチル基、トリアルキルアミノ基などが挙げられ、好ましくはシアノ基である。R5は、特に好ましくは-(CH22-CNである。
【0052】
R6及びR7は同一又は異なって、アルキル基を示す。
【0053】
R6及びR7で示されるアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよく、好ましくは炭素数1~12のアルキル基、より好ましくは炭素数1~6のアルキル基である。アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、及びヘキシルが挙げられる。ここでのアルキル基には、アルコキシ基などのアルキル部分も含まれる。R6及びR7は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
【0054】
R6及びR7は、特に好ましくは共にイソプロピル基である。
【0055】
一般式(1)で表される化合物は、R3=R4の二重結合に対してシス体及びトランス体のいずれも包含する。すなわち、一般式(1)で表される化合物は、一般式(11):
【0056】
【化7】
【0057】
で表される化合物、又は一般式(12):
【0058】
【化8】
【0059】
で表される化合物であることができる。
【0060】
シス体及びトランス体は、光照射によって他方の異性体へ変換することができる。変換は、公知の方法に従って(例えば非特許文献1に記載の方法に従って)行うことができる。
【0061】
一般式(1)で表される化合物の塩としては、特に制限されず、例えば、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩等の無機塩基との塩;メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン等の有機塩基との塩;リジン、オルニチン、アルギニン等の塩基性アミノ酸との塩及びアンモニウム塩が挙げられる。当該塩は、酸付加塩であってもよく、かかる塩としては、具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、マレイン酸、クエン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の有機酸;アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸との酸付加塩が挙げられる。
【0062】
一般式(1)で表される化合物又はその塩の溶媒和物としては、特に制限されず、例えば水、エタノール、グリセロール、酢酸等の溶媒との溶媒和物が挙げられる。
【0063】
本発明のアミダイトモノマーは、様々な方法で製造することができる。
【0064】
一般式(1)で表される化合物は、例えば、以下のスキームに従って又は準じて製造することができる。
【0065】
【化9】
【0066】
Xはハロゲン原子である。Xで示されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。これらの中でもハロゲン原子が好ましい。
【0067】
一般式(101)で表される化合物、一般式(102)で表される化合物としては、市販の化合物をそのまま使用することもできるし、必要に応じて公知の方法に従って又は準じて合成したものを使用することもできる。
【0068】
一般式(102)で表される化合物の使用量は、収率、合成の容易さ等の観点から、通常、一般式(101)で表される化合物1モルに対して、1~3モルが好ましく、1.5~2.5モルがより好ましい。
【0069】
本反応は、通常、反応溶媒の存在下で行われる。反応溶媒としては、特に制限されないが、例えばアセトニトリル、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトン、トルエン、エタノール等が挙げられ、好ましくはアセトニトリル等が挙げられる。溶媒は単独で使用してもよく、また、複数併用してもよい。
【0070】
本反応は、N,N-ジイソプロピルエチルアミン等の塩基(好ましくは非求核塩基)の存在下で行うことが好ましい。塩基の使用量は、収率、合成の容易さ等の観点から、通常、一般式(101)で表される化合物1モルに対して、3~15モルが好ましく、4~10モルがより好ましい。
【0071】
本反応においては、上記成分以外にも、反応の進行を著しく損なわない範囲で、適宜添加剤を使用することもできる。
【0072】
反応温度は、加熱下、常温下及び冷却下のいずれでも行うことができ、通常、10~100℃で行うことが好ましい。反応時間は特に制限されず、通常、30分間~30時間とすることができる。
【0073】
反応の進行は、クロマトグラフィーのような通常の方法で追跡することができる。反応終了後、溶媒を留去し、生成物はクロマトグラフィー法、再結晶法等の通常の方法で単離精製することができる。また、生成物の構造は、元素分析、MS(ESI-MS)分析、IR分析、1H-NMR、13C-NMR等により同定することができる。
【0074】
2.ヌクレオチド又はポリヌクレオチド
本発明は、その一態様において、末端のリン酸基が一般式(2):
【0075】
【化10】
【0076】
に置き換えられてなる、ヌクレオチド又はポリヌクレオチド(本明細書において、「本発明の(ポリ)ヌクレオチド」と示すこともある。)、に関する。以下に、これについて説明する。
【0077】
R1、R2、R3、R4、m、及びnの定義は、上記「1.アミダイトモノマー」で説明したとおりである。
【0078】
R8はO又はSを示す。R8は好ましくはOである。
【0079】
R9はO-又はS-を示す。R9は好ましくはO-である。
【0080】
本発明の(ポリ)ヌクレオチドは、ヌクレオチド又はポリヌクレオチドの末端のリン酸基が、一般式(2)で表される基に置き換えられてなる構造を有する。
【0081】
末端のリン酸基は、5´末端のリン酸基及び3´末端のリン酸基のいずれでもよいが、好ましくは5´末端のリン酸基である。
【0082】
ヌクレオチド及びポリヌクレオチドは、特に制限されず、例えば天然核酸、aTNA及びSNAを含む各種人工核酸の構成単位を採用することができる。採用し得る核酸として、具体的には、DNA、RNA等の他にも、次に例示するように、公知の化学修飾が施されたものであってもよい。ヌクレアーゼなどの加水分解酵素による分解を防ぐために、各ヌクレオチドのリン酸残基(ホスフェート)を、例えば、ホスホロチオエート(PS)、メチルホスホネート、ホスホロジチオネート等の化学修飾リン酸残基に置換することができる。また、各リボヌクレオチドの糖(リボース)の2’位のヒドロキシ基を、-OR(Rは、例えばCH3(2´-O-Me)、CH2CH2OCH3(2´-O-MOE)、CH2CH2NHC(NH)NH2、CH2CONHCH3、CH2CH2CN等を示す)に置換してもよい。さらに、塩基部分(ピリミジン、プリン)に化学修飾を施してもよく、例えば、ピリミジン塩基の5位へのメチル基やカチオン性官能基の導入、あるいは2位のカルボニル基のチオカルボニルへの置換などが挙げられる。さらには、リン酸部分やヒドロキシル部分が、例えば、ビオチン、アミノ基、低級アルキルアミン基、アセチル基等で修飾されたものなどを挙げることができるが、これに限定されない。また、ヌクレオチドの糖部の2´酸素と4´炭素を架橋することにより、糖部のコンフォーメーションをN型に固定したものであるBNA(LNA)等もまた、用いられ得る。
【0083】
本発明の(ポリ)ヌクレオチドは、より具体的には、好ましくは一般式(2A):
【0084】
【化11】
【0085】
で表される化合物である。
【0086】
R8Aは同一又は異なって、O又はSを示す。R8 Aは好ましくはOである。
【0087】
R9Aは同一又は異なって、O-又はS-を示す。R9 Aは好ましくはO-である。
【0088】
R10は同一又は異なってヌクレオシド(リボース、デオキシリボース等の糖部と核酸塩基からなるヌクレオシド)の糖部から2つのヒドロキシ基が除かれてなる2価の基を示す。1つのヒドロキシ基はリボース、デオキシリボースの5´のヒドロキシ基又は他の核酸骨格部において対応するヒドロキシ基であり、もう1つのヒドロキシ基はリボース、デオキシリボースの3´のヒドロキシ基又は他の糖部において対応するヒドロキシ基であることが好ましい。
【0089】
R10Aは同一又は異なってヌクレオシド(リボース、デオキシリボース等の糖部と核酸塩基からなるヌクレオシド)の糖部から2つのヒドロキシ基が除かれてなる2価の基を示す。1つのヒドロキシ基はリボース、デオキシリボースの5´のヒドロキシ基又は他の核酸骨格部において対応するヒドロキシ基であり、もう1つのヒドロキシ基はリボース、デオキシリボースの3´のヒドロキシ基又は他の糖部において対応するヒドロキシ基であることが好ましい。
【0090】
ヌクレオシドの糖部としては、核酸を構成し得るものである限り特に制限されないが、例えばリボース、デオキシリボース、修飾糖などの糖部(例えば、DNA、RNA、BNA、LNA等を構成するの糖部)が挙げられる。
【0091】
ヌクレオシドの核酸塩基としては、核酸を構成する塩基を特に制限無く採用することができる。核酸を構成する塩基には、RNA、DNA等の天然核酸中の典型的な塩基(アデニン(A)、チミン(T)、ウラシル(U)、グアニン(G)、シトシン(C)等)のみならず、これ以外の塩基、例えばヒポキサンチン(I)、修飾塩基等も包含される。修飾塩基としては、例えば、シュードウラシル、3-メチルウラシル、ジヒドロウラシル、5-アルキルシトシン(例えば、5-メチルシトシン)、5-アルキルウラシル(例えば、5-エチルウラシル)、5-ハロウラシル(5-ブロモウラシル)、6-アザピリミジン、6-アルキルピリミジン(6-メチルウラシル)、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5’-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、1-メチルアデニン、1-メチルヒポキサンチン、2,2-ジメチルグアニン、3-メチルシトシン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、N6-メチルアデニン、7-メチルグアニン、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メチルカルボニルメチルウラシル、5-メチルオキシウラシル、5-メチル-2-チオウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸、2-チオシトシン、プリン、2-アミノプリン、イソグアニン、インドール、イミダゾール、キサンチン等が挙げられる。
【0092】
R11は、ヒドロキシ基、リン酸基、又はチオリン酸基を示す。
【0093】
pは0又は1以上の整数を示す。pは、好ましくは1~100000、より好ましくは5~100000、さらに好ましくは10~100000、よりさらに好ましくは15~100000、特に好ましくは20~100000である。pの上限及び/又は下限は、例えば50、100、500、1000、5000、10000、又は50000であることができる。
【0094】
本発明の(ポリ)ヌクレオチドは塩の形態であることができる。塩としては、特に制限されず、例えば、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩等の無機塩基との塩;メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン等の有機塩基との塩;リジン、オルニチン、アルギニン等の塩基性アミノ酸との塩及びアンモニウム塩が挙げられる。当該塩は、酸付加塩であってもよく、かかる塩としては、具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、マレイン酸、クエン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の有機酸;アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸との酸付加塩が挙げられる。
【0095】
本発明の(ポリ)ヌクレオチドは溶媒和物の形態であることができる。溶媒和物としては、特に制限されず、例えば水、エタノール、グリセロール、酢酸等の溶媒との溶媒和物が挙げられる。
【0096】
本発明の(ポリ)ヌクレオチドは、本発明のアミダイトモノマーを使用する、一本鎖ポリヌクレオチドのホスホロアミダイト法による製造方法、により製造することができる。
【0097】
ホスホロアミダイト法は、公知の方法に従って、例えば市販されている核酸の自動合成装置等を用いて実施することができる。具体的には、(A)5’位(或いはそれに相当する位置)の水酸基を脱保護する工程、(B)アミダイトモノマーを縮合させる工程、(C)未反応の化合物の5’位(或いはそれに相当する位置)の水酸基をキャッピングする工程、(D)亜リン酸基をリン酸基又はチオリン酸基に変換する工程、(E)得られた化合物を固相担体から切り出し、リン酸部分及び核酸塩基を脱保護する工程、(F)5’位(或いはそれに相当する位置)の水酸基を脱保護する工程などの工程を含む。(A)~(D)の工程を繰り返すことにより、所望の鎖長のポリヌクレオチド骨格を含有する化合物を製造することができる。(B)工程において、本発明のアミダイトモノマーを使用することにより、本発明の(ポリ)ヌクレオチドを製造することができる。
【0098】
(D)工程においては、酸化剤として、ヨウ素/水を含む溶液を使用することが好ましい。
【0099】
(E)工程における脱保護においては、アンモニア水等の塩基による脱保護が行われる。本発明の(ポリ)ヌクレオチドが有する、リン原子と芳香族性のヒドロキシ基との結合は、塩基に対して不安定であることが予想されたものの、予想外にも、本発明の(ポリ)ヌクレオチドは脱保護において上記結合が切断が抑制されていた。
【0100】
(E)工程後は、(F)工程の前に、5’位の保護基(疎水基)の疎水性を利用してクロマトグラフィー精製(例えば、逆相クロマトグラフィー精製)を行うことが好ましい。これにより、目的の一本鎖ポリヌクレオチドの純度をより高めることができる。
【0101】
得られた一本鎖ポリヌクレオチドは、必要により単離及び精製を行い得る。通常、RNAを沈殿、抽出及び精製する方法を用いることで、単離することができる。具体的には、反応後の溶液にエタノール、イソプロピルアルコールなどのRNAに対して溶解性の低い溶媒を加えることでRNAを沈殿させる方法や、フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコールの溶液を反応溶液に加え、RNAを水層に抽出させる方法が採用される。その後、逆相カラムクロマトグラフィー、陰イオン交換カラムクロマトグラフィー、アフィニティカラムクロマトグラフィー等の公知の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の手法などにより単離、精製することができる。
【0102】
3.核酸構造体
本発明は、その一態様において、本発明の(ポリ)ヌクレオチドを含む、核酸構造体(本明細書において、「本発明の核酸構造体」と示すこともある。)、に関する。以下に、これについて説明する。
【0103】
核酸構造体は、主に核酸を含む構造体である限り、特に制限されない。核酸構造体中の核酸の含有量は、例えば70質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、よりさらに好ましくは98質量%以上、とりわけ好ましくは99質量%以上、特に好ましくは100質量%である。核酸構造体中の核酸以外の物質としては、特に制限されないが、例えばタンパク質、ペプチド、糖、標識物質、金属イオン等が挙げられる。
【0104】
核酸構造体は、三次元構造体であることもできるし、二次元構造体(平面構造体)であることもできるし、これらが組み合わされてなる構造体であることもできる。
【0105】
核酸構造体は、好ましくは、核酸が折り畳まれてなる構造体である。ドラッグデリバリーに適しているという観点から、核酸構造体は、1本鎖環状核酸及び前記1本鎖環状核酸に対する相補配列を含むステープル核酸を含む材料から形成される構造体(DNAオリガミ)であることが好ましい。
【0106】
核酸構造体を構成し得る1本鎖環状核酸としては、折り畳まれてDNAオリガミを形成できる限りにおいて、特に制限されない。1本鎖環状核酸は、どのような塩基配列から構成されていても、それに合わせてステープルDNAの配列を設計することによりDNAオリガミを形成することができる。1本鎖環状核酸の塩基数は、特に制限されないが、例えば500~50000、好ましくは1000~25000、より好ましくは2000~15000、さらに好ましくは3000~12000、よりさらに好ましくは4000~10000である。1本鎖環状核酸の塩基配列としては、特に制限されないが、例えば、M13バクテリオファージDNA配列又は該DNA配列由来の配列を含む塩基配列が挙げられる。
【0107】
核酸構造体を構成し得るステープル核酸としては、1本鎖環状核酸に対する相補配列を含み、1本鎖環状核酸との相補塩基対形成により1本鎖環状核酸を折り畳んでDNAオリガミを形成させることができる限りにおいて、特に制限されない。ステープル核酸の塩基数は、特に制限されないが、例えば10~500、好ましくは20~250、より好ましくは30~100である。ステープル核酸において、1本鎖環状核酸に対する相補配列の塩基数は、特に制限されないが、例えば10~500、好ましくは20~250、より好ましくは30~100である。1つのステープル核酸は、通常、1本鎖環状核酸が折り畳まれた際に隣接して存在する複数の(例えば2~5、好ましくは2~4、より好ましくは2~3)の鎖それぞれに対する相補配列を含む。このような配列的特徴を有するステープル核酸は、1本鎖環状核酸との相補塩基対形成により、1本鎖環状核酸を折り畳まれた状態でより安定化させることができる。これまでに各種DNAオリガミが報告されており、所望の形状及び構造の核酸構造体を形成するためのステープル核酸の配列は、公知の方法及び情報に従って設計することができる。
【0108】
核酸構造体のサイズは、特に制限されず、目的に応じて、適宜調節することができる。核酸構造体はナノサイズ(ナノ構造体)であることが好ましい。例えば核酸構造体は、最も長い径(長径)が1000nm以下である。本発明の一態様において、核酸構造体の長径の上限及び/又は下限は、例えば5nm、20nm、50nm、100nm、200nm、500nm、又は800nmであることができる。本発明の核酸構造体を一定以上の大きさとすることにより、EPR(enhanced permeability and retention)効果に基づいて、がん組織に選択的に送達させることができる。
【0109】
本発明の(ポリ)ヌクレオチドを核酸構造体を構成する核酸の一部として使用することにより、本発明の核酸構造体を得ることができる。より具体的には、本発明の(ポリ)ヌクレオチドを、例えば、ステープル核酸の一部(1本鎖環状核酸とハイブリダイズしていない部分)にハイブリダイズ可能な核酸として使用すること、ステープル核酸として使用すること、1本鎖環状核酸の一部又は全部として使用すること等により、本発明の核酸構造体を得ることができる。或いは、本発明の核酸構造体に本発明の(ポリ)ヌクレオチドを内包させること等により、本発明の核酸構造体を得ることもできる。
【0110】
本発明の核酸構造体は、本発明の(ポリ)ヌクレオチドに由来する抗がん活性を効果的に発揮させるために、複数(例えば、2~1000、10~1000、50~1000、又は100~500)の突出構造を有し、且つ各突出構造が本発明の(ポリ)ヌクレオチドを含むことが好ましい。
【0111】
4.用途
本発明は、その一態様において、本発明の(ポリ)ヌクレオチド、及び本発明の核酸構造体からなる群より選択される少なくとも1種を含む、医薬、試薬等(本明細書において、「本発明の薬剤」と示すこともある。)の有効成分(本発明の有効成分)として、より具体的には、抗がん剤等の有効成分としての利用が可能である。
【0112】
本発明の薬剤は、本発明の有効成分を含有する限りにおいて特に制限されず、必要に応じてさらに他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、薬学的に許容される成分であれば特に限定されるものではない。他の成分としては、薬理作用を有する成分のほか、添加剤も含まれる。添加剤としては、例えば基剤、担体、溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、増粘剤、保湿剤、着色料、香料、キレート剤等が挙げられる。
【0113】
本発明の薬剤の使用態様は、特に制限されず、その種類に応じて適切な使用態様を採ることができる。本発明の薬剤は、その用途に応じて、例えばin vitroで使用する(例えば、培養細胞の培地に添加する。)こともできるし、in vivoで使用する(例えば、動物に投与する。)こともできる。
【0114】
本発明の薬剤の適用対象は特に限定されないが、哺乳動物では、例えば、ヒト、サル、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウサギ、ブタ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、シカ等が挙げられる。また、細胞としては、動物細胞等が挙げられる。細胞の種類も特に制限されず、例えば血液細胞、造血幹細胞・前駆細胞、配偶子(精子、卵子)、線維芽細胞、上皮細胞、血管内皮細胞、神経細胞、肝細胞、ケラチン生成細胞、筋細胞、表皮細胞、内分泌細胞、ES細胞、iPS細胞、組織幹細胞、がん細胞等が挙げられる。
【0115】
本発明の薬剤を抗がん剤として用いる場合、及びがん細胞に用いる場合、対象がんとしては、特に制限されず、例えば肝細胞がん、すい臓がん、腎臓がん、白血病、食道がん、胃がん、大腸がん、肺がん、前立腺がん、皮膚がん、乳がん、子宮頚がん等が挙げられる。これらの中でも、固形がんが好ましく、肝細胞がんがより好ましい。
【0116】
本発明の薬剤は、任意の剤形、例えば錠剤(口腔内側崩壊錠、咀嚼可能錠、発泡錠、トローチ剤、ゼリー状ドロップ剤などを含む)、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、ドライシロップ剤、液剤(ドリンク剤、懸濁剤、シロップ剤を含む)、ゼリー剤などの経口製剤形態、注射用製剤(例えば、点滴注射剤(例えば点滴静注用製剤等)、静脈注射剤、筋肉注射剤、皮下注射剤、皮内注射剤)、外用剤(例えば、軟膏剤、パップ剤、ローション剤)、坐剤吸入剤、眼剤、眼軟膏剤、点鼻剤、点耳剤、リポソーム剤等の非経口製剤形態を採ることができる。
【0117】
本発明の薬剤の投与経路としては、所望の効果が得られる限り特に制限されず、経口投与、経管栄養、注腸投与等の経腸投与; 経静脈投与、経動脈投与、筋肉内投与、心臓内投与、皮下投与、皮内投与、腹腔内投与等の非経口投与等が挙げられる。
【0118】
本発明の薬剤中の有効成分の含有量は、使用態様、適用対象、適用対象の状態等に左右されるものであり、限定はされないが、例えば0.0001~100重量%、好ましくは0.001~50重量%とすることができる。
【0119】
本発明の薬剤を動物に投与する場合の投与量は、薬効を発現する有効量であれば特に限定されず、通常は、有効成分の重量として、一般に経口投与の場合には一日あたり0.1~1000 mg/kg体重、好ましくは一日あたり0.5~500 mg/kg体重であり、非経口投与の場合には一日あたり0.01~100 mg/kg体重、好ましくは0.05~50 mg/kg体重である。上記投与量は、年齢、病態、症状等により適宜増減することもできる。
【実施例0120】
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0121】
実施例1.PST-アミダイトモノマーの合成
PST-アミダイトモノマーを以下のスキームに従って合成した。
【0122】
【化12】
【0123】
<実施例1-1.化合物1の合成>
Cathechol (5.2 g, 47.2 mmol)とK2CO3 (6.3 g, 45.6 mmol)を二口フラスコに秤量し,Acetone (85 mL)で溶解した。その後,還流装置を取り付け還流を開始した。それから,Allyl bromide (4.0 mL, 46.3 mmol)をシリンジでゆっくり滴下し,75℃で4時間還流を行った。溶液の色は白から赤紫色に変化した。TLC(hexane : ethyl acetate = 2 : 1)で反応の進行を確認した。濾過した後,エバポレーターで溶媒を完全に除去し,移動相にhexane : ethyl acetate(0→20 %)を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製した。目的物として,白色固体(4.70 g)を収率66.6 %で得ることができた。化合物1の1H NMR [CDCl3]のスペクトルと合成スキームを図1に示す。
【0124】
<実施例1-2.化合物2の合成>
3,4,5-trimethoxyaniline (0.68 g, 3.7 mmol)をethanol (20 mL)に溶解し,氷冷した。その後,シリンジで3 M HCl (3.0 mL, 9.0 mmol)をゆっくり加え,次いで2.5 M NaNO2 (1.4 mL, 3.6 mmol)を同様にシリンジで滴下した。溶液は,赤紫色から黒色に変化した。45分撹拌した後,化合物1 (0.60 g, 4.0 mmol)を2 M NaOH (3.6 mL, 7.2 mmol)に溶解し滴下した。さらに,常温で2時間撹拌した。3 M HCl (3.0 mL, 9.0 mmol)を加え反応をクエンチした。TLC(hexane : ethyl acetate = 2 : 1)で反応の進行を確認した。濾過し,エバボレーターで溶媒を除去した。その後,Ethyl acetateに溶解し,飽和NaHCO3aqで2回抽出,飽和NaCl aqで洗浄を1回行い,有機層を回収した。Na2SO4を加え30分撹拌することで乾燥した。その後,濾過し,エバポレーターで溶媒を除去した。移動相にhexane : ethyl acetate(0→30 %)を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製した。目的物として,黄色の固体(0.71 g)を収率57.7 %で得ることができた。化合物2の1H NMR [CDCl3]のスペクトルと合成スキームを図2に示す。
【0125】
<実施例1-3.化合物3の合成>
化合物2 (0.30 g, 0.87 mmol)を二口フラスコに秤量し,DMF (50 mL)に溶解した。それから,K2CO3 (0.26 g, 1.88 mmol)を加え,窒素置換を3回行った。その後,MeI (0.14 mL, 2.2 mmol)をシリンジで滴下し,常温で3日撹拌した。2 M NaOH (30 mL)を加え,反応をクエンチした。TLC(hexane : ethyl acetate = 2 : 1)で反応の進行を確認した後,濾過し,エバポレーターで溶媒を除去した。その後,Ethyl acetateに溶解し,飽和NaHCO3aqで2回抽出,飽和NaCl aqで1回洗浄を行い有機層を回収した。Na2SO4を加え30分撹拌することで乾燥した。その後,濾過し,エバポレーターで溶媒を除去した。Ethyl acetateに溶解し,移動相にhexane : ethyl acetate(0→30 %)を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製した。目的物として,薄い黄色固体(0.28 g)を収率93.3 %で得ることができた。化合物3の1H NMR [CDCl3]のスペクトルと合成スキームを図3に示す。
【0126】
<実施例1-4.PST(Photostatin)の合成>
化合物3 (0.28 g, 0.45 mmol)を二口フラスコに秤量し,5 : 3 MeOH : CH2Cl2混合溶液(40 mL)に溶解した。窒素置換を行い,Pd (PPh3)4(0.011 g, 0.0095 mmol)を加えた。室温で5分撹拌した後,K2CO3 (0.53 g, 3.8 mmol)を加え,室温で90分撹拌した。溶液の色は,黄色から赤橙色に変化した。90分後,TLC(hexane : ethyl acetate = 2 : 1)で反応の進行を確認した後,濾過し,エバポレーターで溶媒を除去した。その後,Ethyl acetateに溶解し,飽和NaHCO3aqで2回抽出,飽和NaCl aqで1回洗浄を行い有機層を回収した。Na2SO4を加え30分撹拌することで乾燥した。その後,濾過し,エバポレーターで溶媒を除去した。Ethyl acetateに溶解し,移動相にhexane : ethyl acetate(0→30 %)を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製した。目的物として,赤橙色油状固体(0.17 g)を 70.8 %の収率で得ることができた。PSTの1H NMR [CDCl3]のスペクトルと合成スキームを図4に示す。
【0127】
<実施例1-5.PST-アミダイトモノマーの合成>
Photostatin (0.08 g, 0.25 mmol)をAcetonitrile (5 mL)に溶解し,二口フラスコに移し,窒素下で,dry acetonitrile(2 mL)で共沸乾燥を3回行った。その後,Acetonitrile (5 mL)を滴下した。次いで,氷冷しながらDIPEA (348 μL, 2.0 mmol, 8 eq) , 2 - CyanoethylDiisopropylchlorophosphoramidite (111 μL, 0.50 mmol, 2 eq)をピペットでゆっくり滴下した。これら一連の手順は,常に窒素下で行った。室温で90分撹拌した。溶液の色は,赤橙色から鮮やかなオレンジに変化した。90分後,TLC(hexane : ethyl acetate triethylamine= 60 : 40 : 3)で反応の進行を確認した後,飽和NH4Claqで2回抽出,飽和NaCl aqで1回洗浄を行い有機層を回収した。Na2SO4を加え30分撹拌することで乾燥した。その後,濾過し,エバポレーターで溶媒を除去した。このとき,湯浴に浸さずにエバポレートした。Ethyl acetateに溶解し,移動相にhexane with triethylamine : ethyl acetate : (0→40 %)を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製した。目的物として,橙色油状固体(0.12 g)を75.2 %の収率で得ることができた。
【0128】
得られた物質をTLC(展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル:トリエチルアミン = 50:50:3 )で確認したところ、反応前はRf値0.57のスポットのみであったが、反応後にはRf値0.57のスポットに加え、Rf値0.65のスポットが認められた(スポットはこの2つのみであった)。さらに、得られた物質をHPLCで分取精製し、質量分析で確認した。質量分析のマススペクトルを図5に示す。PST-アミダイトモノマーが得られたことが確認できた。
【0129】
実施例2.PST修飾核酸の合成
PhotostatinにT9,A,T,G,C計5種類のDNA修飾を行った。目的物の構造式を以下に示す。
【0130】
【化13】
【0131】
PST-アミダイトモノマーをdry acetonitrile(2 mL)で共沸乾燥を3回行った。dry acetonitrileに溶解し,シリンジで褐色ビンに移しDNA自動合成機へ導入した。DNA合成後,スクリューチューブに移し,アンモニア水溶液500 μLを加えて,室温で1時間静置することによってT,T9の,37℃で8時間静置することでA,C,65℃で8時間静置することでGの核酸塩基部およびリン酸基部の保護基の脱保護を行った。その後,MALDI-TOF/MSによって質量分析を行った(図6)。またPST-T9, PST-Tに関してはHPLC精製を行ってから質量分析を行った(図7図9)。
【0132】
実施例3.cis - trans異性化の評価
HPLCによって評価を行った。精製したPST-T9を最終濃度5 μMになるように滅菌水を加えサンプルを調製した。visible lightを50 %で30秒照射した系と,ultra violet lightを50 %で30秒照射した系をそれぞれ10 μLずつシリンジでHPLCインジェクターに注入し,ピークの変化を調べた。結果を図10に示す。UV照射により、cis体由来のピーク割合が大きくなった。PST修飾核酸においても、UVによって構造の制御が可能であることが分かった。
【0133】
実施例4.UV測定
Photostatinのcis体とtrans体で吸収波長がどのように変化するか調べた。精製後のPST-T9を最終濃度5 μMになるように滅菌水と10×PBSで調整した。まずvisible lightを50 %で30秒照射しtrans体におけるUV測定を行った。その後,暗所にてultra violet lightを50 %で30秒照射しcis体におけるUV測定を行った。結果を図11に示す。cis-trans異性化することが分かった。
【0134】
実施例5.時間変化測定
時間変化における可逆性を調べるため,時間変化測定を行った。同様のサンプルを,暗所にてultra violet lightを50 %で30秒照射し,cis体へと変化させた。10分毎に測定を自動で行えるよう設定し,吸収波長と吸光度から可逆性の有無を調べた。結果を図12に示す。cis、trans可逆性を示すことが分かった。
【0135】
実施例6.Tm測定
PST-T9と相補な一本鎖(A9)を混ぜることで二本鎖を組ませ,その融点測定を行った。それぞれ10 μMに調整したPST-T9とA9を混合し,最終濃度5 μMになるよう10×PBSでサンプル調製を行った。まず初めに,装置の内部温度を80℃まで上昇させた。そこから10℃まで下降させた(-1℃ /min)。その状態で5分保持した。次に,10℃から80℃まで上昇させた(1℃ /min)。最後に,暗所でultra violet lightを50 %で30秒照射することでcis体へと変化させ,10℃→60℃ (1℃ /min)で測定を行った。なお,この手順はすべて結露による影響を抑えるため、窒素ガスを流しながら行った。結果を図13に示す。cis体にすると、Tmがわずかに減少した。
【0136】
実施例7.熱安定性の評価
高温域におけるPST-T9の構造確認をHPLCにより行った。精製後のPSR-T9を最終濃度5 μMとなるよう滅菌水と10×PBSでサンプル調製を行った。サーマルサイクラーで80℃まで加熱し,その状態を10分間保持した。次に,加熱したサンプルをシリンジでHPLCインジェクターに注入し,溶出ピークを調べた。結果を図14に示す。温度を上昇させるとtrans体によるピークのみとなった。
【0137】
実施例8.抗ガン活性試験
PST-Tを用いて,HeLa cellに対する抗ガン活性を調べた。サンプル準備として精製後のPST-Tを最終濃度20 μMになるように滅菌水で調製した。96 wellプレートにHeLa cellを播種し,2日間前培養を行った。2日後,培地を取り除いた。PST-T溶液を濾過滅菌した後,50 μLずつ2本のエッペンに分注した。その後,片方にはUVを50%で30秒間照射することでcis体へ変化させ,もう片方にはvisを50%で30秒間照射することでtrans体へ変化させた。その後,それぞれを2×E-MEM(50 μL)とともに培地の最終濃度1×E-MEM,サンプルの最終濃度10 μMとなるよう96 wellプレートに添加し8日間インキュベートした。8日後,溶液を取り除きLive/Dead試薬を加え,37℃でインキュベートした。30分後,共焦点レーザー顕微鏡で細胞の様子を観察した。コントロールとして,1×E-MEMのみのwellを用意した。結果を図15に示す。cis体とすることにより、より強い抗ガン活性が発揮された。
【0138】
実施例9.CA4-アミダイトモノマーの合成
【0139】
【化14】
【0140】
CA4 (0.10 g, 0.31 mmol)をAcetonitrile (5 mL)に溶解し,二口フラスコに移し,窒素下で,dry acetonitrile(2 mL)で共沸乾燥を3回行った。その後,Acetonitrile (5 mL)を滴下した。次いで,氷冷しながらDIPEA (431 μL, 2.48 mmol, 8 eq) , 2 - CyanoethylDiisopropylchlorophosphoramidite (137 μL, 0.62 mmol, 2 eq)をピペットでゆっくり滴下した。これら一連の手順は,常に窒素下で行った。室温で90分撹拌した。溶液の色は,白色から薄い黄色に変化した。90分後,TLC(hexane : ethyl acetate triethylamine= 60 : 40 : 3)で反応の進行を確認した後,飽和NH4Claqで2回抽出,飽和NaCl aqで1回洗浄を行い有機層を回収した。Na2SO4を加え30分撹拌することで乾燥した。その後,濾過し,エバポレーターで溶媒を除去した。このとき,湯浴に浸さずにエバポレートした。Ethyl acetateに溶解し,移動相にhexane with triethylamine : ethyl acetate : (0→30 %)を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーにて精製した。目的物として,白色固体(0.10 g)を63.2 %の収率で得ることができた。得られた物質をTLC(展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル:トリエチルアミン = 50:50:3)で確認したところ、反応前はRf値0.34のスポットのみであったが、反応後にはRf値0.34のスポットに加え、Rf値0.47のスポットが認められた(スポットはこの2つのみであった)。さらに、得られた物質をHPLCで分取精製し、CA4-アミダイトモノマーが得られたことを確認した。
【0141】
実施例10.PST修飾DNAオリガミデンドリマーの作製
PST修飾したDNAオリガミデンドリマーを作製した。具体的には以下のようにして行った。
【0142】
DNAオリガミデンドリマー(全体図:図16、デンドリマーの一部の先端の拡大図:図17)を形成するためのstaple DNA mixを調製し,これとM13mp18 ssDNA,および10× TAE/Mg2+bufferを混合した。この時staple DNA mixが20 nM,M13mp18 ssDNAが4 nMとなるよう滅菌水でメスアップした。その後サーマルサイクラーを用いて,アニーリング (90℃ for 10 min, 90℃→25℃, -1℃ /min) を行い、DNAオリガミデンドリマーを形成させた。なお、先端に配置されるstaple DNAは、図18の左側に示されるように、M13mp18 ssDNAとアニールしない部分(フリー鎖)を有する。このフリー鎖に相補的な配列からなるDNAの5´末端にPSTが修飾されてなるstaple DNA(PST- staple DNA 1及びPST- staple DNA 2:)を、フリー鎖にアニールさせる(図18の右側)ことにより、PST修飾したDNAオリガミデンドリマーを得ることができる。
【0143】
【表1】
【0144】
DNAオリガミデンドリマーを形成させた後、67.3 μM PST- staple DNA 1と49.6 μM PST- staple DNA 2をそれぞれ1.1 μL,1.3 μL加えて,冷蔵庫内で一晩静置した。その後,限外ろ過 (Amicon Ultra 50K) で過剰のstaple DNAを除去した。精製後,溶液を50倍に濃縮した後にNanodropでUV吸収測定を行い、PSTの吸収(375 nm)が存在することを確認した。
図1
図2
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図5
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図16
図17
図18