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特開2023-168047ビル設備の保全システム及びビル設備の保全方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168047
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】ビル設備の保全システム及びビル設備の保全方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231116BHJP
   G06Q 50/16 20120101ALI20231116BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/16 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079666
(22)【出願日】2022-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大野 航
(72)【発明者】
【氏名】大塚 憲治
(72)【発明者】
【氏名】岡本 雅幸
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
5L049CC29
(57)【要約】
【課題】ビル設備の保全作業を行う場合に、保全作業だけでなく様々な保全業務全般を支援できる保全システムを得る。
【解決手段】ビル設備からのアラート情報又はビル設備が設置されたビル関係者からのアラートの通報を受付け、受付けたアラートのビル設備種別及びアラート種別をビル設備テーブルから求め、求めたビル設備種別とアラート種別に基づいて対応依頼先を求める。また、受付けたアラートに基づいてビル設備の設置場所をビル設備管理テーブルから求める。さらに、対応依頼先への連絡を含む対応方針と、対応方針の承認処理を含むビル設備保全ワークフローを生成する。そして、生成したビル設備保全ワークフローをビル設備の担当者端末へ送付する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビル設備の保全作業を支援するビル設備の保全システムであって、
ビル設備からのアラート又は前記ビル設備が設置されたビルの関係者からのアラートを受付け、受付けたアラートのビル設備種別及びアラート種別をビル設備テーブルから求め、求めた前記ビル設備種別と前記アラート種別に基づいて対応依頼先を求める対応依頼先選定部と、
受付けたアラートに基づいてビル設備の設置場所をビル設備管理テーブルから求めるビル設備特定部と、
前記依頼先選定部が求めた対応依頼先への連絡を含む対応方針と、前記対応方針の承認処理を含むビル設備保全ワークフローを生成するワークフロー生成部と、
ワークフロー生成部が生成したワークフローを前記ビル設備の担当者端末へ送付するワークフロー管理部と、を備える
ビル設備の保全システム。
【請求項2】
さらに、前記ビル設備保全ワークフローは、前記ビル設備特定部が求めたビル設備の設置場所を確認する現場確認処理を含む
請求項1に記載のビル設備の保全システム。
【請求項3】
前記ワークフロー管理部は、ワークフローの前記現場確認処理が選択されたとき、少なくとも前記ビル設備のビル内での設置位置を示すマップと、前記ビル設備の画像を出力する
請求項2に記載のビル設備の保全システム。
【請求項4】
前記ワークフロー管理部は、ワークフローの対応依頼先が選択されたとき、少なくとも前記ビル設備に対応したメーカーの連絡先を出力する
請求項2に記載のビル設備の保全システム。
【請求項5】
さらに、前記ビル設備保全ワークフローは、前記ビル設備特定部が求めた顧客連絡先への連絡を行う顧客連絡処理を含む
請求項1に記載のビル設備の保全システム。
【請求項6】
前記ワークフロー管理部は、ワークフローの前記顧客連絡処理が選択されたとき、少なくとも前記ビル設備のアラート発生時に連絡する必要のある顧客連絡先を出力する
請求項5に記載のビル設備の保全システム。
【請求項7】
前記ワークフロー管理部は、担当者端末からの入力完了指示を受付けたとき、ビル設備識別子に基づいてビル設備のデータから前記ビル設備の保守スケジュールシステムへのリンクを求め、求めたリンクを追加した対応方針承認処理の依頼を承認者端末へ送付し、
前記承認者端末に前記保守スケジュールシステムへのリンクを含む対応方針承認処理画面を出力し、前記承認者端末から承認の可否を受け付ける
請求項1に記載のビル設備の保全システム。
【請求項8】
前記担当者端末又は前記承認者端末からメーカーの連絡先の入力を受付けたとき、前記ビル設備の対応依頼先を更新する
請求項7に記載のビル設備の保全システム。
【請求項9】
前記担当者端末又は前記承認者端末から保守スケジュールシステムへのリンク入力を受付けたとき、前記保守スケジュールシステムへのリンクの情報を更新する
請求項7に記載のビル設備の保全システム。
【請求項10】
ビル設備の保全作業を支援するビル設備保全ワークフローを作成して、前記ビル設備の担当者端末へ送付するビル設備の保全方法であって、
ビル設備からのアラート又は前記ビル設備が設置されたビルの関係者からのアラートを受付け、受付けたアラートのビル設備種別及びアラート種別をビル設備テーブルから求め、求めた前記ビル設備種別と前記アラート種別に基づいて対応依頼先を求める対応依頼先選定処理と、
受付けたアラートに基づいてビル設備の設置場所をビル設備管理テーブルから求めるビル設備特定処理と、
前記依頼先選定処理により求めた対応依頼先への連絡を含む対応方針と、前記対応方針の承認処理を含むビル設備保全ワークフローを生成するワークフロー生成処理と、
ワークフロー生成処理により生成したワークフローを前記ビル設備の担当者端末へ送付するワークフロー管理処理と、を含む
ビル設備の保全方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル設備の保全システム及びビル設備の保全方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昇降機や空調設備などのビル設備の高性能化などに伴ってビル設備の保全作業が高度化している。そんな中で、近年の人手不足の状況もあって、ビル設備を監視する各サイトに、経験を積んだ熟練者を配置するのが困難になっている。このため、ビル設備の故障などの不具合が発生した際には、迅速な対応が取れず、長期間サービス停止などの問題が発生している。
【0003】
特許文献1には、昇降機の保守作業を支援する際に、復旧作業の手順や復旧作業の実績情報などが記録されたデータベースを用意し、そのデータベースから対象設備のワークフローを抽出して、復旧作業を行う作業員に提示する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-134023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されるように、作業手順などを示すワークフローを保全作業員などに提示することで、経験が少ない作業員であっても、どのような保全作業を行えばよいか分かるので、ビル設備の故障時の対応を適切に行うことができる。
しかしながら、特許文献1に記載されたシステムは、主として、故障時の復旧作業を行う作業員にワークフローを提示して作業を支援するものであり、そのワークフローが本当に適切なものであるのかをサポートする等の保全業務全般の支援をするものではなかった。
【0006】
すなわち、通常、ビル設備についての何らかの作業を行う際には、該当するビルの管理者から、ビル設備の保全作業を行う保守サービス事業者に連絡が入り、その保守サービス事業者が必要な作業を判断して見積書を作成して、作業に必要な部品の発注などを行う。そして、ビル管理者側で保守サービス事業者が作成した見積書を確認した上で、保守サービス事業者が実際の保全作業を行うのが一般的であった。
また、保守サービス事業者は、保全作業を開始する前にビル管理者側と作業内容が適切かどうかに関する打合せを行う必要があった。
このように、保全作業を開始する前には様々な保全業務が必要であるが、従来技術では、このような保全業務全般を支援することは行われていなかった。
【0007】
本発明は、ビル設備の保全作業を行う場合に、保全作業だけでなく様々な保全業務全般を支援できるビル設備の保全システム及びビル設備の保全方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、
ビル設備の保全作業を支援するビル設備の保全システムであって、
ビル設備からのアラート又はビル設備が設置されたビルの関係者からのアラートを受付け、受付けたアラートのビル設備種別及びアラート種別をビル設備テーブルから求め、求めたビル設備種別とアラート種別に基づいて対応依頼先を求める対応依頼先選定部と、
受付けたアラートに基づいてビル設備の設置場所をビル設備管理テーブルから求めるビル設備特定部と、
依頼先選定部が求めた対応依頼先への連絡を含む対応方針と、対応方針の承認処理を含むビル設備保全ワークフローを生成するワークフロー生成部と、
ワークフロー生成部が生成したワークフローを前記ビル設備の担当者端末へ送付するワークフロー管理部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ビル設備のアラート発生時に、適切なビル設備保全ワークフローを作成することができる。特に、本発明によれば、ビル設備のアラートの情報に基づいた対応方針の作成、その対応方針の承認、その承認処理結果の確認、及び顧客との連絡を含めたワークフローが作成されるので、承認処理によるサポートが行われ、適切にビル設備の保全業務を行うことが可能になる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施の形態例による保全システムで行われる保全作業の概略を示す図である。
図2】本発明の一実施の形態例による保全システムの全体構成例を示す図である。
図3】本発明の一実施の形態例によるビル設備管理装置の例を示す構成図である。
図4】本発明の一実施の形態例によるビル保全システムの例を示す構成図である。
図5】本発明の一実施の形態例によるビル設備データベースのデータ構造の例を示す図である。
図6】本発明の一実施の形態例によるワークフロー記録データベースのデータ構造の例を示す図である。
図7】本発明の一実施の形態例による保全作業の流れの一例を示す図である。
図8】本発明の一実施の形態例によるワークフロー作成処理の例を示す図である。
図9】本発明の一実施の形態例によるアラート情報の表示及び確認処理の例を示す図である。
図10】本発明の一実施の形態例によるワークフロー実行処理の例を示す図である。
図11】本発明の一実施の形態例によるユーザ画面の例(現場確認・一次対応)を示す図である。
図12】本発明の一実施の形態例によるユーザ画面の例(現場確認・一次対応の続き)を示す図である。
図13】本発明の一実施の形態例によるユーザ画面の例(対応内容を策定・承認依頼時)を示す図である。
図14】本発明の一実施の形態例によるユーザ画面の例(対応内容の承認時)を示す図である。
図15】本発明の一実施の形態例によるユーザ画面の例(修理・交換の対応時)を示す図である。
図16】本発明の一実施の形態例によるユーザ画面の例(報告書作成時)を示す図である。
図17】本発明の一実施の形態例によるユーザ画面の例(報告書承認時)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態例(以下、「本例」と称する)による保全システムを、添付図面を参照して説明する。
【0012】
[保全システムで行われる保全作業の概略]
図1は、本例の保全システム200を使って行われる保全作業全体の概略を示す。
ビル300aに設置されたビル設備301で何らかの不具合が発生すると、ビル300aでは、その不具合を警告するアラート通知S1が発生する。
このアラート通知S1は、ビル設備管理装置100に届き、ビル設備管理装置100では、アラート情報に基づいたビル設備アラート画面S2が表示される。このビル設備アラート画面S2は、ビル300aの責任者11の端末に表示される。責任者11は、例えばビル300aのコマンドセンタや防災センタの担当者である。
【0013】
例えば、このビル設備アラート画面S2には、アラート情報に基づいた不具合の詳細や、該当するビル設備の詳細などが表示される。
また、ビル設備アラート画面S2では、責任者11の操作によって表示される連携サブメニューとして、以下の表示を行うことが可能である。
・アラートを発したビル設備の台帳表示
・該当するビル設備の修繕予定表示
・該当するビル設備の修理履歴表示
・該当するビル設備の点検履歴表示
・該当するビル設備が設置された場所のフロアマップ表示
・該当するビル設備のアラート履歴表示
・該当するビル設備の生データ表示
・保全作業のワークフロー表示
【0014】
これらの表示の内で、保全作業のワークフロー表示S3は、ビル保全システム200によって作成されるものである。その他の表示は、ビル設備管理装置100からの情報に基づいて作成される。
そして、保全作業のワークフロー表示S3を行った状態で、保全作業のワークフローに基づいた指示通知S4が、ビル設備301の保全作業を担当する担当者12の端末に送られる。
担当者12は、ワークフローに基づいた指示で、ビル設備301の保全作業などの実施S5を行う。ここでの実施S5には、修理作業前の現場確認作業も含まれる。
【0015】
担当者12が、修理作業前に現場確認作業を行った場合には、自身の端末でビル保全システム200に保全作業の承認依頼S6を送る。この承認依頼S6を受信したビル保全システム200は、ワークフローに基づいて、特定の承認者の端末(図1では不図示)に対して保全作業の承認を求める処理を行う。そして、承認者の端末で保全作業の承認が行われると、担当者12によるビル設備301の修理などの保全作業が実行される。
【0016】
[保全システムを含む全体構成]
図2は、本例の保全システム200を含むシステム全体を示す構成図である。
ネットワークNWには、ビル設備管理装置100と、ビル保全システム200と、管理対象のビル300a~300zが接続されている。例えば、ビル300aには、ビル設備301,302,・・・が設置されている。ここで、ビル設備301,302,・・・としては、昇降機、空調機などが含まれる。また、ネットワークNWとしては、インターネットや電話回線などが使用される。
【0017】
ビル設備管理装置100はビル設備記録データベース131を持ち、ビル保全システム200はワークフロー記録データベース231を持つ。なお、図面ではデータベースは「DB」と略記している。
さらに、ネットワークNWには、保全作業を行う担当者の端末である担当者端末400と、保全作業を管理する責任者(承認者)の端末である承認者端末500が接続されている。
【0018】
[ビル設備管理装置の構成]
図3は、ビル設備管理装置100の構成を示す。
ビル設備管理装置100は、CPU(中央処理ユニット:Central Processing Unit)110と主記憶部120と記憶部130とネットワークインタフェース(I/F)140とを備える。
CPU110は、主記憶部120に記憶されたプログラム(ソフトウェア)を実行させて、主記憶部120に次に述べる各処理部を構成させる制御を行う。
主記憶部120は、ビル設備管理装置100としてのプログラムを記憶すると共に、そのプログラムをCPU110の制御で実行するワークエリアを有する。このプログラムの実行により、主記憶部120には、アラート送受信部121、ワークフロー連携部122、ビル設備情報管理部123、連携サブメニュー管理部124、及び出力部125が構成される。
【0019】
アラート送受信部121は、ビル設備管理装置100が管理するビル設備からのアラート情報を受信し、受信したアラート情報を保全システム200に送信する。なお、このアラート情報には、ビル設備(図2でのビル設備300a~300zなど)の故障時などにビル設備から自動的に送信されるアラート情報の他、そのビル設備が設置されたビルの防災センタなどの端末から送信されるアラート情報も含まれる。さらに、防災センタの担当者などの電話による通報もアラート情報に含まれる。
【0020】
ワークフロー連携部122は、保全システム200が作成した保全作業のワークフローの連携処理を行う。このワークフロー連携処理により、ビル設備管理装置100に接続された端末におけるワークフローの表示や、ワークフローに基づいた処理の実行が可能である。
ビル設備情報管理部123は、ビル設備管理装置100が管理するビル設備の状態を管理するビル設備情報管理処理を行う。また、ビル設備情報管理部123は、アラート送受信部121が受信した際の受信処理も行う。
【0021】
連携サブメニュー管理部124は、連携サブメニューの管理処理を行う。連携サブメニューには、図1で説明したように、ビル設備の修繕予定表示、修理履歴表示、点検履歴表示、フロアマップ表示、アラート履歴表示、生データ表示、ワークフロー表示などが含まれる。
出力部125は、ビル設備管理装置100での管理処理で生成した管理情報を、保全システム200や他の端末に出力する。
【0022】
記憶部130は、大容量記憶媒体で構成される。記憶部130には、ビル設備の管理処理に必要な情報が記憶される。ビル設備の管理処理に必要な情報の一つとして、記憶部130にビル設備記録データベース131に保存されている情報がある。また、記憶部130には、プログラムを記憶するようにしてもよい。また、記憶部130は、ビル設備がビル内で設置された位置を示す地図であるフロアマップや、ビル設備が設置された状況を示すビル設備の画像についても記憶する。さらに、記憶部130は、ビル設備の保守スケジュールも記憶する。但し、ビル設備の保守スケジュールについては、ビル設備管理装置100とは別の保守スケジュールシステムに記憶させて、その保守スケジュールシステムへのリンクデータを記憶して、各表示時に示すようにしてもよい。この場合のリンクデータは、担当者端末400や承認者端末500によって更新が可能である。
ネットワークインタフェース140は、ネットワークNW(図2)へのデータ送信と、ネットワークNWからのデータ受信とを行う。
【0023】
[保全システムの構成]
図4は、保全システム200の構成を示す。
保全システム200は、CPU210と主記憶部220と記憶部230とネットワークインタフェース(I/F)140とを備える。
CPU210は、主記憶部220に記憶されたプログラム(ソフトウェア)を実行して、主記憶部220に、以下に述べる各処理部を構成する制御を行う。
また、主記憶部220は、保全システム200としてのプログラムを記憶するエリアと、そのプログラムをCPU210の制御で実行するワークエリアを有する。
CPU210がこのプログラムの実行することにより、主記憶部220には、ワークフロー生成部221、ワークフロー管理部222、ビル設備管理装置連携部223、及び出力部224が構成される。
【0024】
ワークフロー生成部221は、ビル設備のアラート時に、ビル設備保全用のワークフローを生成するワークフロー生成処理を実行する。
ワークフロー管理部222は、ワークフロー生成部221におけるワークフロー生成処理を管理する。
ビル設備管理装置連携部223は、ワークフロー生成部221がワークフローを生成する際に、ビル設備管理装置100との連携処理を行うビル設備管理装置連携処理を実行する。ここでのビル設備管理装置連携部223が行うビル設備管理装置連携処理には、ビル設備管理装置100のビル設備記録データベース131(ビル設備管理テーブル)から、ビル設備の設置場所と顧客連絡先を求めるビル設備特定部としての処理(ビル設備特定処理)が含まれる。また、ビル設備管理装置連携部223が行うビル設備管理装置連携処理には、ビル設備種別とアラート種別に基づいて対応依頼先をビル設備保全テーブルから求める対応依頼先選定部としての処理(対応依頼先選定処理)が含まれる。
出力部224は、ワークフロー生成部221が生成したワークフローを出力する。
【0025】
記憶部230は、大容量記憶媒体で構成される。記憶部230には、ワークフロー記録データベース231が保存される。また、記憶部230にプログラムを記憶するようにしてもよい。
ネットワークインタフェース240は、ネットワークNW(図2)へのデータ送信と、ネットワークNWからのデータ受信とを行う。
【0026】
[ビル設備データベース]
図5は、ビル設備管理装置100の記憶部130が持つビル設備記録データベース131のデータ構造の例を示す。
ビル設備記録データベース131は、ビル設備管理テーブルとしての情報を記憶し、ビル設備ID、対象設備名、ビル名、フロア、アラートフラグ、設備管理アラート条件、及び対象ワークフロー番号の各フィールドを有する。ビル設備管理装置100やビル保全システム200は、このビル設備管理テーブルとしてのビル設備記録データベース131から、少なくともアラート受信時のビル設備の設置場所を求めることができる。
【0027】
ビル設備IDは、ビル設備の固有の識別番号を示す。
対象設備名は、空調、電気設備、照明、昇降機などの設備名称を示す。この対象設備名には、設備の形式名などの詳細を付加してもよい。
ビル名は、ビル設備が設置されたビル名やビルの識別番号を示す。
フロアは、設備が設置された階床を示す。
アラートフラグは、故障時にアラート情報の送信が可能か否かを示す。
設備管理アラート条件は、該当するビル設備がアラートを出力する条件を示す。例えば、設備管理アラート条件には、空調機で電流値がX値以上のときアラートを出力する等の条件が示される。
【0028】
対象ワークフロー番号は、該当するアラートが発せられた際のワークフロー番号を示す。このワークフロー番号は、保全システム200で生成される保全用のワークフローの番号である。
なお、図5の1段目と2段目に示すように、同じビル設備に対して、設備管理アラート条件を変えて、情報を記録するようにしてもよい。この場合、設備管理アラート条件によって、保全用のワークフローの番号は異なるものになる。
なお、ビル設備管理テーブルとしてのビル設備記録データベース131には、ビル設備の設置場所などの情報の他に、ビルを管理する顧客連絡先などの情報を含むようにしてもよい。
【0029】
[ワークフロー記録データベース]
図6は、ビル保全システム200の記憶部230が持つワークフロー記録データベース231のデータ構造の例を示す。
ワークフロー記録データベース231は、ビル設備保全テーブルとしての情報を記憶し、案件番号、ワークフロー名、ステータス、ワークフロー属性情報、担当者、及び責任者の各フィールドを有する。ビル保全システム200は、このビル設備保全テーブルとしてのワークフロー記録データベース231から、アラート受信時の保全作業であるビル設備保全ワークフローを得ることができる。また、ビル設備保全テーブルとしてのワークフロー記録データベース231には、ビル設備の担当者や、保全作業の責任者などの連絡先の情報が記録されている。
案件番号は、ワークフローを生成させた案件の個別番号である。
ワークフロー名は、該当するワークフローの名称を示す。例えば、「A空調異常対応」のようにアラートを発したビル設備名とそのアラートの内容を示す。
ステータスは、該当するワークフローに基づいた処理について、完了、対応中、未(対応)などの現在の状態を示す。
【0030】
ワークフロー属性情報は、ワークフローの属性の詳細を示す。ワークフローの属性としては、対象となるビル設備のメーカー、メーカー担当者、ホームページアドレスなどの参考情報1、2が考えられる。参考情報のホームページアドレスは、複数のホームページアドレスを記録可能である。参考情報のホームページアドレスには、該当するビル設備の修理の詳細が掲載されたホームページアドレスや、修理部品の発注ができるサイトのアドレスなどが考えられる。
担当者は、該当するビル設備のビル側の管理者と連絡する担当者、責任者はワークフローを承認する責任者である。
【0031】
[保全作業の流れ]
図7は、本例のビル設備管理装置100とビル保全システム200とにより、ビル設備からアラートが発生した際の保全作業が行われる流れを示す。なお、以下に説明する図7の流れでは、それぞれの処理について、ビル設備管理装置100とビル保全システム200のいずれかで行うように設定しているが、実際には、それぞれの処理は、ビル設備管理装置100とビル保全システム200のいずれで行うようにしてもよい。
図7では、ビル設備の状態、ビル設備管理装置100の状態、ビル保全システム200の状態、担当者端末400の状態、承認者端末500の状態が、それぞれ時系列で上から順に示されている。
【0032】
まず、事前準備として、ビル保全システム200では、ワークフロー管理部222の管理下で、ワークフロー生成部221が、ビル設備の保全作業の流れを示すワークフローを作成しておく(ステップS101)。
このとき、保全作業の流れを示すワークフローだけでなく、図6に示すようなワークフロー属性や、担当者や責任者についても決めておく。
【0033】
そして、ワークフロー生成部221が作成したワークフローは、ビル設備管理装置100のワークフロー連携部122で、各ビルのビル設備ごとに関連付けされる(ステップS102)。すなわち、各ビルのビル設備でアラートが発報された際に、いずれのワークフローを使用するのかを、ワークフロー連携部122で設定しておく。ここまでが事前準備である。
【0034】
次に、ビル設備で故障などの不具合が発生して、その不具合に対処する保全作業の流れを説明する
まず、ビル設備で故障などの不具合が発生すると、そのビル設備からアラートが発報される(ステップS103)。ここでのアラートには、ビル設備そのものから発報される場合の他、ビル設備を有するビルの管理担当者端末からの発報、あるいは、ビルの管理担当者からの電話やメールなどによる通知も含まれる。
アラート情報は、ビル設備管理装置100に届き、ビル設備管理装置100に接続された端末の表示部で、アラート情報が表示される(ステップS104)。
【0035】
そして、ビル設備管理装置100におけるアラート情報の受信により、承認者端末500でもアラート画面が表示され、承認者端末500を操作する承認者(責任者)によってアラート画面が確認される(ステップS105)。このアラート画面には、故障などが発生したビル設備やビル名と故障状況が表示される。また、承認者端末500では、該当するビル設備に割り当てられた連携サブメニューも表示され、承認者が連携サブメニューを確認する(ステップS106)。なお、連携サブメニューが適切でない場合には、承認者は、承認者端末500で修正することができる。
【0036】
続いて、ビル設備管理装置100に接続された端末で、アラート関連情報が表示される(ステップS107)。さらに、承認者端末500は、アラート情報に対する対応の要否を確認する(ステップS108)。このステップS108で、アラートが対応不要な軽微な内容で、保全作業が不要である場合には、承認者端末500からの入力に基づいて、ビル設備管理装置100でアラート無視に変更される(ステップS109)。
【0037】
また、ステップS108で、承認者端末500において、アラート情報に対する対応が必要と入力された場合には、承認者端末500は、該当するアラート情報の対処を行う担当者を割り当てる(ステップS110)。ここで割り当てた担当者の情報は、ビル保全システム200のワークフロー記録データベース231(図6)に記録される。
【0038】
そして、ステップS110で割り当てられた担当者の端末(担当者端末)400に、アラート情報などが届き、その情報を確認した担当者は現場確認などの一次対応を行う(ステップS111)。この一次対応は、必要に応じて行われる。
また、現場確認などに基づいて、担当者端末400で、保全作業で必要な部品の発注などのためにメーカーへの連絡が行われる(ステップS113)と共に、ビル側である顧客への連絡が行われる(ステップS114)。
ビル設備管理装置100に接続された端末では、これらの対応の進行状況を含めたアラート関連情報が表示される(ステップS112)。
【0039】
そして、担当者端末400は、アラートの対応内容を策定して、承認者端末500に対して対応内容の承認依頼を行う(ステップS115)。ステップS115の承認依頼を受信した承認者端末500では、承認者の操作でアラートの対応内容の承認又は却下が行われる(ステップS116)。ステップS116で却下が行われた際には、ステップS115に戻り、担当者端末400による承認依頼が修正される。
ステップS116で承認が行われると、担当者端末400で承認されたことが表示され、担当者によるビル設備の修理・交換が行われる(ステップS118,S119)。また、ビル設備管理装置100に接続された端末では、これらの修理・交換の進行状況を含めたアラート関連情報が表示される(ステップS117)。
【0040】
さらに、担当者端末400は、ビル設備の修理・交換後に、その修理・交換についての報告書を作成し、承認者端末500に送信する(ステップS120)。ステップS120で作成された報告書は、受信した承認者端末500において、承認者の操作で報告書の承認又は却下が行われる(ステップS121)。ステップS121で却下が行われた際には、ステップS120の担当者端末400による報告書作成に戻され、報告が修正される。
【0041】
ステップS121で報告書の承認が行われた場合には、承認者端末500での処理が完了する(ステップS122)。この処理完了を受信したビル設備管理装置100は、ビル保全システム200のワークフロー記録データベース231のステータスをアラート対応済みに変更する(ステップS123)。
【0042】
[ワークフロー作成処理]
図8は、本例のシステムで行われるワークフロー作成処理の例を示す。
ビル保全システム200のワークフロー生成部221は、ビル設備の保守点検についての手順書のデータと、ビル設備記録データベース131と、顧客情報マスタとを参照して、ワークフローを作成し、ワークフロー記録データベース231に記録する(ステップS201)。このとき、図6に示す各種ワークフロー属性情報や担当者及び承認者が付与されて記録される。但し、担当者などの一部の情報は、アラート発生後に記録されるようにしてもよい。
ワークフロー生成部221が作成したワークフローは、ビル保全システム200やビル設備管理装置100においても、表示及び確認が可能である。
ビル設備管理装置100は、作成したワークフローを識別する番号を付与して、ビル設備記録データベース131に記録する情報記録処理を実行する(ステップS202)。
【0043】
[アラート情報の表示・確認処理]
図9は、本例のシステムで行われるアラート情報の表示・確認処理の例を示す。
まず、アラート情報が発報されると、ビル設備管理装置100は、ビル設備記録データベース131を参照して、アラートに関する情報の表示処理を行う(ステップS211)。このとき、ビル設備管理装置100は、指定した条件に当てはまるアラートを参照して表示処理を行う。
そして、ビル設備管理装置100は、連携サブメニューに基づいて、該当するビル設備の設備台帳や修繕計画を参照して、連携サブメニューの表示処理を行う(ステップS212)。
さらに、ビル設備管理装置100では、ビル設備記録データベース131で示されたワークフローが、ワークフロー記録データベース231から読み出されて表示される(ステップS213)。ここで、ビル設備管理装置100あるいは承認者端末500により担当者情報が入力され、ワークフロー記録データベース231に記録される。
【0044】
[ワークフロー実行処理]
図10は、本例のシステムによるワークフロー実行処理の例を示す。このワークフロー実行時には、ビル設備管理装置100においてワークフローや属性情報が表示されると共に、担当者端末400でもワークフローや属性情報が表示され、担当者端末400を操作する担当者によって保全作業が実行される。
まず、担当者端末400は、ワークフロー記録データベース231の情報に基づいて、ワークフローの表示処理を行い(ステップS221)、さらに属性情報についても表示処理を行う(ステップS222)。
【0045】
この表示を確認した担当者は、アラートに対する対応内容の策定処理を行う(ステップS223)。この対応内容の策定処理により、見積情報などが更新される。
アラートの対応内容が策定されると、承認者端末500は、承認処理を行う(ステップS224)。このとき、承認者端末500は、対応内容や見積情報を参照して、承認の可否に基づいてステータスを更新する。
【0046】
担当者は、担当者端末400において、承認者端末500による承認が行われたことを確認した上で、該当するビル設備の保全作業を実行する。
保全作業の実行後、担当者は、担当者端末400により、対応内容の報告書作成処理を行う(ステップS225)。作成された報告書は、ワークフロー記録データベース231に保存される。
報告書が作成されると、承認者端末500は、ワークフロー記録データベース231に保存された報告書の承認処理を行う(ステップS226)。この報告書の承認処理が完了すると、ワークフロー記録データベース231のステータスが完了に更新され、ビル設備記録データベース131は、アラート対応済みに更新される。
【0047】
[ワークフローの表示画面の例]
図11図17は、担当者端末400や承認者端末500におけるワークフローなどを示すユーザ画面の例を示す。
図11図17に示すワークフロー画面では、例えば図11に示すように、画面の左側にワークフローをフローチャート化したワークフロー表示910が行われ、画面の右側に、各段階での処理に関連した内容が表示される。
【0048】
ワークフロー表示910は、現場確認・一次対応911、その現場確認・一次対応911の詳細912、対応内容を策定と承認依頼913、内容確認914、修理・交換915、報告書作成916、内容確認917、及び完了918の各処理の流れを矢印で接続して示す。ここでの現場確認・一次対応の詳細912には、現場確認、メーカーへの連絡、顧客への連絡が考えられる。
また、ワークフロー表示910として、それぞれの段階での表示時には、各段階の処理の箱の表示色や輝度を変えて、目立つ表示を行ってもよい。例えば、次に説明する図11図12の表示時には、ワークフロー表示910内の現場確認・一次対応911や現場確認・一次対応の詳細912の箇所を、他の表示とは異なる目立った色や輝度で表示させるようにしてもよい。
【0049】
また、図11の右側には、現場確認・一次対応911の段階での担当者端末400の表示900が示されている。
すなわち、図11の右側には、現場確認・一次対応911の詳細の表示としてのアラートを発報したビル設備が設置されたビルの該当フロアのフロアマップ表示921と、アラートを発報したビル設備の写真922とが示される。フロアマップやビル設備の写真は、ビル設備管理装置100から取得される。
【0050】
図12は、現場確認・一次対応911の詳細の続きを示す。この図12の画面は、図11の画面から下にスクロールする操作で表示される。
図12の画面には、確認項目931と、メーカーへの連絡事項932と、顧客への連絡事項933と、完了ボタン934とが表示される。
確認項目931の欄には、電力メーターの値や、異音の有無などが登録される。
メーカーへの連絡事項932の欄には、該当するビル設備のメーカー名、電話番号、担当者名、連絡内容などが記載される。
顧客への連絡事項933の欄には、該当するビル設備が設置されたビルの管理会社の会社名、担当者名、連絡内容などが記載される。
【0051】
図13は、対応内容の策定と承認依頼913の段階での担当者端末400の表示画面を示す。
図13の画面の右側の対応内容の策定と承認依頼913の詳細の表示941としては、対応内容、見積(必要な場合)、その他特記事項、承認者からの連絡事項、承認依頼ボタン943などが表示される。対応内容としては、故障原因、部品交換の有無、部品在庫の有無、その他が考えられる。見積(必要な場合)には、見積金額、見積資料のアドレスとそのアドレスを参照するボタン942が付加されている。
承認者からの連絡事項には、承認者によるコメントが表示される。
担当者は、図13に示す対応内容の策定と承認依頼の表示941で必要な情報を入力した上で、承認依頼ボタン943をタッチする。
【0052】
図14は、対応内容確認914の段階における承認者端末500の表示画面を示す。
図14の画面の右側の対応内容確認914の詳細の表示951としては、図13に示す対応内容の策定と承認依頼913で入力された情報、並びに承認者から担当者への連絡事項の入力欄が表示され、承認ボタン952と却下ボタン953が表示される。
【0053】
図15は、修理・交換915の段階での担当者端末400の表示を示す。
図15の画面の右側の修理・交換915の詳細の表示961としては、対応者、作業予定日、停電の有無、駐車場の有無、作業者の名前、対応内容入力欄が表示される。
【0054】
図16は、報告書作成916の段階における担当者端末400の表示画面を示す。
図16の画面の右側の報告書作成916の詳細の表示971としては、作業日、作業者、作業内容、補足資料、特記事項が表示され、承認依頼ボタン972が表示される。
【0055】
図17は、内容確認917の段階での承認者端末500の表示画面を示す。
図17の画面の右側の内容確認917の詳細の表示981としては、図16に示す報告書作成916で入力された情報、並びに承認者から担当者への連絡事項の入力欄が表示される。また、承認ボタン982と却下ボタン983が表示される。
【0056】
[本例のシステムによる効果]
以上説明した本例のビル保全システム200によると、ビル設備のアラート発生時に、保全作業の内容だけでなく、現場の確認から作業前の承認、作業後の報告書の作成並びにその報告書の確認がワークフローに基づいて行われ、適切なビル設備の保全業務が行える。
すなわち、責任者である承認者で、保全作業の内容を事前に確認できるため、担当者の経験が不足している場合であっても、承認者による承認時にサポートすることができ、ビル設備の保全品質を保つことが可能になる。
【0057】
また、図11に示すように、ワークフローの現場確認処理が選択されたとき、少なくともビル設備の設置位置を示すフロアマップ(地図)と、ビル設備の画像を出力するようにしたことで、担当者が現場の状況を把握しやすくなる。
さらに、図12に示すように、ワークフローの対応依頼先が選択されたとき、少なくともビル設備に対応した保守担当メーカーの連絡先を出力するようにしたことで、保全作業の担当者は、部品の注文などの保全作業前の処理を迅速に実行できるようになる。
【0058】
また、図12に示すように、ワークフローの顧客連絡処理が選択されたとき、少なくともビル設備のアラート発生時に連絡する必要のある顧客連絡先を出力するようにしたことで、ビル管理を行う顧客への連絡についても迅速に実行できるようになる。
【0059】
[変形例]
なお、ここまで説明した実施の形態例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0060】
例えば、各段階において、作業予定日などのスケジュールの入力完了指示を受付けたときには、ビル設備識別子に基づいてビル設備のデータからビル設備の保守スケジュールシステムへのリンクを求め、求めたリンクを追加した対応方針承認処理の依頼を承認者端末へ送付し、承認者端末に保守スケジュールシステムへのリンクを含む対応方針承認処理画面を出力し、承認者端末から承認の可否を受け付けるようにしてもよい。
これにより、ビル設備の保守スケジュールシステムとの連携が可能になる。
また、担当者端末又は承認者端末から保守スケジュールシステムへのリンク入力を受付けたとき、保守スケジュールシステムへのリンクの情報を更新して、保守スケジュールシステムの閲覧を適切に行えるようにしてもよい。
【0061】
また、担当者端末又は承認者端末から保守担当メーカーの連絡先の入力を受付けたとき、ビル設備の対応依頼先を更新してもよい。
これにより、保守担当メーカーの連絡先などを随時、適切なものにできる。
【0062】
また、図2に示す構成では、ビル設備管理装置100とビル保全システム200は、それぞれ別の装置として構成したが、ビル設備管理装置100がビル保全システム200としての機能を内蔵してもよい。また、ビル設備管理装置100やビル保全システム200は、図2の構成で示すようにネットワークNWに接続されて処理を行うものであるため、既存のサーバに、ビル設備管理装置100やビル保全システム200としての処理を行うプログラムを実装して、ビル設備管理装置100やビル保全システム200として機能させてもよい。この場合のプログラムについては、コンピュータ内の不揮発性ストレージやメモリに用意する他に、外部のメモリ、ICカード、SDカード、光ディスク等の記録媒体に置いて、転送してもよい。
さらに、ビル設備管理装置100とビル保全システム200が行う機能の一部又は全部を、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの専用のハードウェアによって実現してもよい。
【0063】
また、図2図4に示す構成図では、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものだけを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0064】
100…ビル設備管理装置、110…CPU、120…主記憶部、121…アラート送受信部、122…ワークフロー連携部、123…ビル設備情報管理部、124…連携サブメニュー管理部、125…出力部、130…記憶部、131…ビル設備記録データベース、140…ネットワークインタフェース、200…ビル保全システム、210…CPU、220…主記憶部、221…ワークフロー生成部、222…ワークフロー管理部、223…ビル設備管理装置連携部、224…出力部、230…記憶部、231…ワークフロー記録データベース、240…ネットワークインタフェース、300a~300z…ビル設備、301…ビル設備、400…担当者端末、500…承認者端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
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