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特開2023-168053施工管理システム、施工管理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168053
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】施工管理システム、施工管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   E02D 3/02 20060101AFI20231116BHJP
   G01C 15/00 20060101ALN20231116BHJP
【FI】
E02D3/02
G01C15/00 103E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079674
(22)【出願日】2022-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003333
【氏名又は名称】ボッシュ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】平田 弘達
(72)【発明者】
【氏名】宮下 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】山本 真哉
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 正憲
(72)【発明者】
【氏名】中里 研一
【テーマコード(参考)】
2D043
【Fターム(参考)】
2D043CA00
2D043CB00
(57)【要約】
【課題】施工現場において置き土が配置される位置が適切に決定されるようにする。
【解決手段】置き土の敷均をする施工対象領域において敷均しが完了した完了領域と完了していない未完領域とを判定する領域判定部と、施工対象領域に置き土を配置可能な複数の配置可能位置のうちで、完了領域の外縁に対して所定以内の距離にある配置可能位置を基準配置候補位置として選択し、選択された基準配置候補位置のそれぞれを基準として所定の位置関係にある配置可能位置を含めた配置候補位置群を形成し、配置候補位置群のうちで、敷均しを行った場合の土砂分布についての、施工対象区画に設定した施工順との合致度合いに基づいて、土砂運搬車両が置き土を配置すべき配置候補位置群を特定し、特定された配置候補位置群に含まれる配置可能位置を置き土指定位置として決定する位置指定部とを備えて施工管理システムを構成する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土砂運搬車両が置き土を配置し、ブルドーザーが配置された置き土の敷均しをする施工が行われる施工対象領域において前記敷均しが完了した完了領域と前記敷均しが完了していない未完領域とを判定する領域判定部と、
前記施工対象領域に対して置き土を配置する位置として指定可能な複数の配置可能位置のうちで、前記領域判定部により判定された完了領域の外縁に対して所定以内の距離にある配置可能位置を基準配置候補位置として選択し、
選択された前記基準配置候補位置のそれぞれを基準として所定の位置関係にある配置可能位置を含めた配置候補位置群を形成し、
前記配置候補位置群のうちで、敷均しを行ったとした場合の土砂分布についての、前記施工対象領域を区分した施工対象区画に設定した施工順との合致度合いに基づいて、土砂運搬車両が置き土を配置すべき配置候補位置群を特定し、
特定された配置候補位置群に含まれる配置可能位置を置き土指定位置として決定する位置指定部と
を備える施工管理システム。
【請求項2】
1の前記配置候補位置群は、1の前記基準配置候補位置と、当該基準配置候補位置に隣接する配置候補位置とを含む
請求項1に記載の施工管理システム。
【請求項3】
前記位置指定部は、前記施工順との合致度合いと、前記施工対象領域の所定の状況に応じて配置候補位置群ごとに設定した重み付け値とに基づいて、土砂運搬車両が置き土を配置すべき配置候補位置群を決定する
請求項1または2に記載の施工管理システム。
【請求項4】
土砂運搬車両が置き土を配置し、ブルドーザーが配置された置き土の敷均しをする施工が行われる施工対象領域において前記敷均しが完了した完了領域と前記敷均しが完了していない未完領域とを判定する領域判定ステップと、
前記施工対象領域に対して置き土を配置する位置として指定可能な複数の配置可能位置のうちで、前記領域判定ステップにより判定された完了領域の外縁に対して所定以内の距離にある配置可能位置を基準配置候補位置として選択し、
選択された前記基準配置候補位置のそれぞれを基準として所定の位置関係にある配置可能位置を含めた配置候補位置群を形成し、
前記配置候補位置群のうちで、敷均しを行ったとした場合の土砂分布についての、前記施工対象領域を区分した施工対象区画に設定した施工順との合致度合いに基づいて、土砂運搬車両が置き土を配置すべき配置候補位置群を特定し、
特定された配置候補位置群に含まれる配置可能位置を置き土指定位置として決定する位置指定ステップと
を含む施工管理方法。
【請求項5】
施工管理システムにおいて備えられるコンピュータを、
土砂運搬車両が置き土を配置し、ブルドーザーが配置された置き土の敷均しをする施工が行われる施工対象領域において前記敷均しが完了した完了領域と前記敷均しが完了していない未完領域とを判定する領域判定部、
前記施工対象領域に対して置き土を配置する位置として指定可能な複数の配置可能位置のうちで、前記領域判定部により判定された完了領域の外縁に対して所定以内の距離にある配置可能位置を基準配置候補位置として選択し、
選択された前記基準配置候補位置のそれぞれを基準として所定の位置関係にある配置可能位置を含めた配置候補位置群を形成し、
前記配置候補位置群のうちで、敷均しを行ったとした場合の土砂分布についての、前記施工対象領域を区分した施工対象区画に設定した施工順との合致度合いに基づいて、土砂運搬車両が置き土を配置すべき配置候補位置群を特定し、
特定された配置候補位置群に含まれる配置可能位置を置き土指定位置として決定する位置指定部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施工管理システム、施工管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械に備えられたステレオカメラを用いて施工現場の画像データを取得し、取得された画像データを用いて施工現場の地形の三次元データを生成する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-44480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
施工現場において、土砂運搬車両が運搬して配置した置き土をブルドーザーにより撒き出し、敷均する盛土工と呼ばれる施工を行うにあたっては、施工現場において置き土が配置される位置を適切に決定することが求められる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、施工現場において置き土が配置される位置が適切に決定されるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する本発明の一態様は、土砂運搬車両が置き土を配置し、ブルドーザーが配置された置き土の敷均しをする施工が行われる施工対象領域において前記敷均しが完了した完了領域と前記敷均しが完了していない未完領域とを判定する領域判定部と、前記施工対象領域に対して置き土を配置する位置として指定可能な複数の配置可能位置のうちで、前記領域判定部により判定された完了領域の外縁に対して所定以内の距離にある配置可能位置を基準配置候補位置として選択し、選択された前記基準配置候補位置のそれぞれを基準として所定の位置関係にある配置可能位置を含めた配置候補位置群を形成し、前記配置候補位置群のうちで、敷均しを行ったとした場合の土砂分布についての、前記施工対象領域を区分した施工対象区画に設定した施工順との合致度合いに基づいて、土砂運搬車両が置き土を配置すべき配置候補位置群を特定し、特定された配置候補位置群に含まれる配置可能位置を置き土指定位置として決定する位置指定部とを備える施工管理システムである。
【0007】
本発明の一態様は、土砂運搬車両が置き土を配置し、ブルドーザーが配置された置き土の敷均しをする施工が行われる施工対象領域において前記敷均しが完了した完了領域と前記敷均しが完了していない未完領域とを判定する領域判定ステップと、前記施工対象領域に対して置き土を配置する位置として指定可能な複数の配置可能位置のうちで、前記領域判定ステップにより判定された完了領域の外縁に対して所定以内の距離にある配置可能位置を基準配置候補位置として選択し、選択された前記基準配置候補位置のそれぞれを基準として所定の位置関係にある配置可能位置を含めた配置候補位置群を形成し、前記配置候補位置群のうちで、敷均しを行ったとした場合の土砂分布についての、前記施工対象領域を区分した施工対象区画に設定した施工順との合致度合いに基づいて、土砂運搬車両が置き土を配置すべき配置候補位置群を特定し、特定された配置候補位置群に含まれる配置可能位置を置き土指定位置として決定する位置指定ステップとを含む施工管理方法である。
【0008】
本発明の一態様は、施工管理システムにおいて備えられるコンピュータを、土砂運搬車両が置き土を配置し、ブルドーザーが配置された置き土の敷均しをする施工が行われる施工対象領域において前記敷均しが完了した完了領域と前記敷均しが完了していない未完領域とを判定する領域判定部、前記施工対象領域に対して置き土を配置する位置として指定可能な複数の配置可能位置のうちで、前記領域判定部により判定された完了領域の外縁に対して所定以内の距離にある配置可能位置を基準配置候補位置として選択し、選択された前記基準配置候補位置のそれぞれを基準として所定の位置関係にある配置可能位置を含めた配置候補位置群を形成し、前記配置候補位置群のうちで、敷均しを行ったとした場合の土砂分布についての、前記施工対象領域を区分した施工対象区画に設定した施工順との合致度合いに基づいて、土砂運搬車両が置き土を配置すべき配置候補位置群を特定し、特定された配置候補位置群に含まれる配置可能位置を置き土指定位置として決定する位置指定部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明によれば、施工現場において置き土が配置される位置が適切に決定されるようにすることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態における施工管理システムの構成例を示す図である。
図2】本実施形態におけるブルドーザーの機能構成例を示す図である。
図3】本実施形態における土砂運搬車両の機能構成例を示す図である。
図4】本実施形態における施工管理サーバの機能構成例を示す図である。
図5】本実施形態における施工管理サーバによる置き土指定位置の決定手順例を説明する図である。
図6】本実施形態における施工管理サーバによる置き土指定位置の決定手順例を説明する図である。
図7】本実施形態における施工管理サーバによる置き土指定位置の決定手順例を説明する図である。
図8】本実施形態における施工管理サーバによる置き土指定位置の決定手順例を説明する図である。
図9】本実施形態における施工管理サーバによる置き土指定位置の決定手順例を説明する図である。
図10】本実施形態におけるブルドーザーと施工管理サーバとが置き土指定位置の決定に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施形態の施工管理システムの構成例を示している。同図に示されるように、本実施形態の施工管理システムは、ブルドーザー100、土砂運搬車両200、及び施工管理サーバ300を備える。
【0012】
ブルドーザー100は、施工現場FLにおいて、盛土工としての施工における撒き出し・敷均し(以下、「敷均し」を、撒き出しも含む工程として記載する)を行うように稼働する重機である。ブルドーザー100は、自律運転により施工現場FLにおいて移動し、敷均しを行うことが可能とされる。
盛土工は、施工現場FLを所定の高さにまで嵩上げするように盛り土を行う工程である。盛土工において、土砂運搬車両200は、施工現場FLにまで土砂を運搬し、施工現場FLにおけるしかるべき位置に、積載していたひとまとまりの土砂を配置する。ブルドーザー100は、配置されたひとまとまりの土砂を均して拡げていくことで、施工現場FLにおける地面の高さが目標の高さで平坦となるようにする。このようにブルドーザー100が土砂を均す工程が敷均しと呼ばれる。このような工程を繰り返すことにより、施工現場FLに対応する領域全体を目標高さまで嵩上げされていく。なお、盛土工において、ブルドーザー100により敷均しが完了した領域を、ローラー(転圧機)により締め固めする工程が含まれてよい。
【0013】
ブルドーザー100の自律運転を実現する技術については特に限定されないが、例えば自律運転のために周囲形状を把握する技術としてはLiDAR(Light Detection and Ranging)が採用されてよい。LiDARは、パルス状のレーザ光を周囲に照射してから反射光が受光されるまでの時間に基づいて距離を計測することにより周囲環境の形状を示す周囲環境データを生成し、自己位置を推定するようにされた技術である。
【0014】
土砂運搬車両200は、盛土工に用いられる土砂を積載して施工現場FLに入場し、施工現場FLにおいて指定された位置(置き土指定位置)に土砂EBを荷下ろしするようにして配置する。以降の説明において、施工現場FLにて土砂運搬車両200が荷下ろしして配置するひとまとまりの土砂EBについて「置き土」とも呼ぶ。
土砂運搬車両200は、人が操縦するようにされてもよいし、自律運転により動作するようにされてもよい。以降の説明においては、土砂運搬車両200が自律運転するようにされている場合を例に説明を行う。
【0015】
ブルドーザー100と土砂運搬車両200は、施工管理サーバ300と通信可能に接続される。また、ブルドーザー100と土砂運搬車両200とは相互に通信可能とされてよい。
【0016】
ブルドーザー100は、施工現場FLにて敷均しを行いながら施工現場FLの地面の高さを測定することで、所定の領域範囲の敷均しが完了したか否かを判定可能とされる。ブルドーザー100は、所定の領域範囲の敷均しが完了したと判定するごとに、当該所定の領域範囲について敷均しとしての施工が完了した旨を示す情報(施工完了情報)を施工管理サーバ300に送信する。
【0017】
施工管理サーバ300は、ブルドーザー100から敷均し完了通知を受信したことに応じて、以降の敷均しにあたって、土砂運搬車両200が敷均し対象の土砂を配置すべき位置(置き土指定位置)を決定する。
施工管理サーバ300は、決定した置き土指定位置の情報を土砂運搬車両200に送信する。土砂運搬車両200は、受信した置き土指定位置に置き土を配置するように稼働する。
【0018】
ブルドーザー100が敷均しとしての施工を効率良く行っていくにあたっては、土砂運搬車両200により置き土が配置される位置が適切に定められることが求められる。そこで、本実施形態の施工管理システムは、以下に説明するようにして置き土の配置される位置を指定可能なように構成されることで、ブルドーザー100による敷均しの施工の効率の最大化が図られるようにする。
【0019】
図2は、ブルドーザー100の機能構成例を示している。ブルドーザー100は、通信部101、センサ部102、測位部103、車両機構部104、ブレード機構部105、制御部106、及び記憶部107を備える。
【0020】
通信部101は、無線による通信経由で施工管理サーバ300と通信を行う。
センサ部102は、ブルドーザー100が備える各種のセンサを包括して示す部位である。本実施形態のセンサ部102は、例えばLiDARによる自律運転を行う場合には、周囲環境データの生成と自己位置推定を行うためにレーザ光を照射し、反射されたレーザ光を受光するセンサを含む。また、本実施形態のセンサ部102は、施工現場FLの高さを測定するセンサも含む。なお、施工現場FLの高さを測定にあたり、LiDARにより生成される周囲環境データが用いられてもよい。
測位部103は、例えばGPS(Grobal Positioning System)等に対応するデバイスを備え、自己位置を測定する。
【0021】
車両機構部104は、ブルドーザー100における車両に相当する機構部である。車両機構部104が自律運転制御部161の制御により駆動されることで、ブルドーザー100は、自律運転のもとで移動することができる。
ブレード機構部105は、ブレードを動かすことのできる機構部である。ブレード機構部105が自律運転制御部161の制御により駆動されることで、ブルドーザー100は、自律運転のもとでブレードを適切に動かすことができる。
【0022】
制御部106は、ブルドーザー100における制御を行う。制御部106としての機能は、ブルドーザー100において備えられるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現される。制御部106は、自律運転制御部161と施工完了判定部162とを備える。
自律運転制御部161は、ブルドーザー100の自律運転に関する制御を実行する。自律運転制御部161は、例えばセンサ部102におけるカメラ、レーザスキャナ等のセンサの出力に基づいて施工現場FLにおける自己位置を推定する、また、自律運転制御部161は、自己位置の推定結果に基づいてブルドーザー100が移動するように車両機構部104を制御する。また、自律運転制御部161は、ブルドーザー100が対象の領域範囲にて適切に敷均しを行うように車両機構部104、ブレード機構部105を制御する。
施工完了判定部162は、センサ部102において備えられる所定のセンサの出力を用いて施工現場FLにおいて自己が行った敷均しが完了したか否かを判定する。施工完了判定部162は、例えばひとまとまりの領域範囲を対象として配置された1以上の置き土群に対応して、当該配置された置き土群の単位で敷均しが完了したか否かを判定するようにされてよい。
記憶部107は、ブルドーザー100に関連する所定の情報を記憶する。
【0023】
図3は、土砂運搬車両200の機能構成例を示している。土砂運搬車両200は、通信部201、センサ部202、測位部203、車両機構部204、荷台機構部205、制御部206、及び記憶部207を備える。
【0024】
通信部201は、無線による通信経由で施工管理サーバ300と通信を行う。
センサ部202は、土砂運搬車両200が備える各種のセンサを包括して示す部位である。センサ部202は、自律運転に対応して周囲環境データの生成と自己位置推定を行うためのセンサを含む。
測位部203は、例えばGPS等に対応するデバイスを備え、自己位置を測定する。
【0025】
車両機構部204は、土砂運搬車両200における車両に相当する機構部である。車両機構部204が自律運転制御部261の制御により駆動されることで、土砂運搬車両200は、自律運転のもとで移動することができる。
荷台機構部205は、荷台を動かすことのできる機構部である。荷台機構部205が自律運転制御部261の制御により駆動されることで、土砂運搬車両200は、自律運転のもとで荷台に積載された土砂を置き土として配置するように荷下ろしすることができる。
【0026】
制御部206は、土砂運搬車両200における制御を行う。制御部206としての機能は、土砂運搬車両200において備えられるCPUがプログラムを実行することにより実現される。制御部206は、自律運転制御部261を備える。
自律運転制御部261は、土砂運搬車両200の自律運転に関する制御を実行する。自律運転制御部261は、例えばセンサ部202におけるカメラ、レーダー等のセンサの出力に基づいて道路は施工現場FLにおける自己位置を推定し、移動を行うようにされる。
記憶部207は、土砂運搬車両200に関連する所定の情報を記憶する。
【0027】
図4は、施工管理サーバ300の機能構成例を示している。施工管理サーバ300は、通信部301、制御部302、及び記憶部303を備える。同図に示される施工管理サーバ300としての機能は、施工管理サーバ300が備えるCPUがプログラムを実行することにより実現される。
通信部301は、無線による通信経由でブルドーザー100、土砂運搬車両200のそれぞれと通信を行う。
【0028】
制御部302は、施工管理サーバ300における各種の制御を実行する。制御部302は、情報取得部321、領域判定部322、位置指定部323、及び情報送信部324を備える。
【0029】
情報取得部321は、ブルドーザー100から施工管理サーバ300に送信される情報を取得する。情報取得部321がブルドーザー100から取得する情報には、施工完了情報が含まれる。また、情報取得部321は、土砂運搬車両200から施工管理サーバ300に送信される情報も取得可能とされてよい。
【0030】
領域判定部322は、情報取得部321により取得された施工完了情報に基づいて、施工現場FLが対応する施工対象領域においてブルドーザー100による敷均しが完了した完了領域と、敷均しが完了していない未完領域とを判定する。
【0031】
位置指定部323は、施工現場FLに対して予め設定された置き土候補位置のうちから、現時点の敷均しの進捗状況に応じて次に置き土を配置すべき置き土候補位置を特定し、特定した置き土候補位置を置き土指定位置として決定する。位置指定部323は、決定した置き土指定位置を示す情報(置き土指定位置情報)を位置指定部323に送信させる。
情報送信部324は、ブルドーザー100と土砂運搬車両200とに対して所定の情報を送信する。情報送信部324が土砂運搬車両200に送信する情報には、位置指定部323により決定された置き土指定位置情報が含まれる。
【0032】
記憶部303は、施工管理サーバ300が対応する各種の情報を記憶する。記憶部303は、施工状況データ記憶部331を備える。
施工状況データ記憶部331は、施工状況データを記憶する。施工状況データは、施工現場FLに対応する施工領域のマップ上に、領域判定部322により判定された完了領域と未完領域との分布を示したデータである。
【0033】
図5図9を参照して、施工管理サーバ300による置き土指定位置の決定手順例について説明する。
図5において、施工領域AR1(施工対象領域の一例)は、施工現場FLにおいて敷均しの施工が行われる領域を平面方向からみた状態を示す。同図の施工領域AR1は、敷均しが完了している完了領域AR11と敷均しが完了していない未完領域AR12とに区分されている。施工領域AR1は、敷均しが開始される前の段階では、全てが未完領域AR12となっている状態である。この状態から施工領域AR1の外縁の或る位置を基点として、土砂運搬車両200による置き土の配置と配置された置き土のブルドーザー100による敷均しとが繰り返されることで、敷均しの完了した完了領域AR11の範囲が拡大されていき、代わりに未完領域AR12が縮小されていくようにして、施工が進捗していく。
また、施工現場FLに対しては、施工順に対応付けられた複数の施工対象区画AR21が設定される。同図においては、7つの施工対象区画AR21-1~AR21-7が設定された例が示されている。同図の施工対象区画AR21-1~AR21-7においては、それぞれ丸印で囲われた1~7の数字が示されている。施工対象区画AR21-1~AR21-7において示される数字は、敷均しを行っていく区画の順序(施工順)を示す。
なお、同図の施工対象区画AR21の形状・サイズから理解されるように、施工対象区画AR21のそれぞれは、同じ形状・サイズでなくともよく、例えば施工現場FLの地形等の条件に応じて適宜設定されよい。
施工領域に対する施工対象区画AR21の区分設定と、施工対象区画AR21のそれぞれに対応付けられる施工順の設定は、施工現場FLの状況等に応じて予め定められてよい。
【0034】
施工状況データ記憶部331が記憶する施工状況データは、施工領域AR1における完了領域AR11と未完領域AR12との分布を示すものであってよい。また、施工状況データは、施工領域AR1に対して設定された施工対象区画AR21も示すようにされてよい。
【0035】
施工現場FLにおいて敷均しを行っているブルドーザー100の施工完了判定部162は、或る領域における敷均しが完了したか否かを判定する。具体的に、施工完了判定部162は、最後にひとまとまりの範囲に配置された置き土の敷均しが完了したか否かを判定してよい。このために、施工完了判定部162は、最後にひとまとまりの範囲に配置された置き土が敷均しによって拡げられた領域範囲についての高さをセンサ120における高さの測定が可能なセンサの検出出力を用いて随時測定する。施工完了判定部162は、測定された領域範囲の高さと目標高さとの差分とを比較し、差分が一定以上の領域部分のあるうちは敷均しが完了していないと判定し、領域範囲の全域について差分が一定未満となったことに応じて敷均しが完了したと判定してよい。
【0036】
施工完了判定部162は、敷均しが完了したと判定した場合には、施工完了情報を施工管理サーバ300に送信する。施工完了情報は、今回において敷均しが完了したと判定された領域範囲に対応する座標範囲の情報を含む。
【0037】
ブルドーザー100の記憶部107は、施工状況データ記憶部331が施工状況データとして記憶するのと同じ施工領域AR1のマップを記憶してよい。そのうえで、ブルドーザー100の施工完了判定部162は、敷均しが完了したと判定された領域範囲の座標範囲を、記憶部107が記憶する施工領域AR1のマップから取得してよい。
【0038】
施工管理サーバ300において、情報取得部321は、ブルドーザー100から送信された施工完了情報を取得する。
施工管理サーバ300において、領域判定部322は、情報取得部321が取得した施工完了情報から、施工(敷均し)の完了した領域範囲に対応する座標範囲を取得する。領域判定部322は、施工状況データ記憶部331が記憶する施工状況データにおける施工領域AR1のマップ上で、施工完了情報から取得した座標範囲に応じて完了領域AR11を拡大し、完了領域AR11の拡大に応じて未完領域AR12を縮小するようにして更新する。このようにして施工状況データの施工領域AR1のマップは、ブルドーザー100から施工完了情報を受信するごとに完了領域AR11が拡大し、未完領域AR12が縮小するようにして変化する。図5は、施工領域AR1に対する敷均しとしての施工が開始された後において或る段階で上記のように施工完了情報の受信に応じて完了領域AR11を拡大させたときの進捗状況を示すものとなる。
【0039】
上記のように施工完了情報の受信に応じて施工領域AR1のマップが更新されると、施工管理サーバ300における位置指定部323は、さらに敷均しを進行させるにあたって置き土を配置すべき位置(置き土指定位置)を以下の手順により決定する。
まず、位置指定部323は、施工状況データのマップ上で、施工領域AR1に対して水平仮想線Lhと垂直仮想線Lvとによるメッシュを設定する。図6は、施工対象区画AR21の配置に対応させてメッシュが設定された例が示されている。つまり、同図では、水平仮想線Lhと垂直仮想線Lvとのそれぞれについて、施工対象区画AR21間の境界と、施工対象区画AR21の辺の中間を通過する線として配置した例が示されている。
なお、水平仮想線Lhと垂直仮想線Lvとの配置の態様は、特に限定されるものではない。一例として、水平仮想線Lhと垂直仮想線Lvは、施工対象区画AR21とは無関係に、例えば置き土の配置にあたり適切であるとして定められた配置間隔に応じた一定の間隔により配置してもよい。
【0040】
位置指定部323は、メッシュにおける水平仮想線Lhと垂直仮想線Lvとの交点のうち、施工領域AR1内に存在する交点を配置可能位置Pとして規定する。置き土可能位置は、施工領域AR1において置き土指定位置となり得る位置(置き土を配置する位置として指定可能な位置)である。
位置指定部323は、図7に示すように、配置可能位置Pのうちで予め定めた所定の領域範囲による置き土S1を配置するとした場合に、配置された置き土S1の領域範囲と完了領域AR11との距離が一定以内となる配置可能位置Pを、基準配置候補位置Prとして選択する。具体的に、図8においては、配置された置き土S1の領域範囲が完了領域AR11と接するあるいは重複する配置可能位置Pを基準配置候補位置Prとして選択した例が示されている。
【0041】
次に、位置指定部323は、選択された基準配置候補位置Prごとに対応する配置候補位置群を形成する。図7のように7つの基準配置候補位置Prが選択された場合、配置候補位置群は、7つの基準配置候補位置Prごとに対応して7つが形成される。
1の配置候補位置群は、図8に示されるように、1の基準配置候補位置Prに隣接する配置候補位置(従属配置候補位置Ps)を含んで形成される。図8は、配置候補位置群に含まれる基準配置候補位置Prと従属配置候補位置Psのそれぞれに置き土S1を配置した場合の状態を示ししている。
【0042】
位置指定部323は、上記のように基準配置候補位置Prごとに対応して配置候補位置群を形成すると、形成した配置候補位置群ごとに置き土を敷均しした場合の敷均し後の土砂分布を計算する。図9は、図8に示した基準配置候補位置Prに対応する配置候補位置群を対象として敷均し後の土砂分布Dsを計算した結果が示されている。
【0043】
位置指定部323は、配置候補位置群ごとに計算した土砂分布Dsのうちで、施工対象区画AR21に設定した施工順との合致度合いが最も高いものを特定する。
位置指定部323は、施工順との合致度合いが最も高い土砂分布Dsとしては、例えば、未完領域AR12が存在する施工対象区画AR21のうちで施工順の早い施工対象区画AR21を占有する度合いが最も高い土砂分布Dsを特定してよい。
位置指定部323は、施工順との合致度合いが最も高いと特定された土砂分布Dsが対応する配置候補位置群に含まれる配置可能位置Pのそれぞれを、次に土砂運搬車両200が置き土を配置すべき置き土指定位置として決定する。
【0044】
図10のフローチャートを参照して、ブルドーザー100と施工管理サーバ300とが置き土指定位置の決定に関連して実行する処理手順例について説明する。
まず、ブルドーザー100が実行する処理手順例について説明する。
ステップS100:ブルドーザー100の施工完了判定部162は、施工現場FLにおいて現段階にて施工対象としている領域範囲の敷均しが完了したか否かを判定する。ステップS100による判定にあたり、施工完了判定部162は、前述のように、センサ120を用いて測定した施工対象の領域範囲の高さと目標高さとの差分が一定未満であるか否かを判定してよい。
敷均しが完了していない判定された場合、施工完了判定部162は、当該ステップS100の処理を所定のタイミングで再度実行するようにされる。
【0045】
ステップS102:ステップS100にて敷均しが完了したと判定された場合、施工完了判定部162は、施工完了情報を施工管理サーバ300に送信する。施工完了情報は、前述のように敷均しが完了した領域範囲に対応する座標範囲を含み、当該領域範囲の敷均しが完了したことを通知する情報である。
【0046】
次に、施工管理サーバ300が実行する処理手順例について説明する。
ステップS200:施工管理サーバ300において情報取得部321は、ステップS102によりブルドーザー100から送信された施工完了情報を取得する。
【0047】
ステップS202:領域判定部322は、ステップS200により取得された施工完了情報から、敷均しが完了した領域範囲の座標範囲を取得する。領域判定部322は、施工状況データ記憶部331が記憶する施工状況データのマップについて、取得した座標範囲を未完領域AR12から完了領域AR11に変更するようにして更新を行う。これにより、施工完了情報の受信に応じて完了領域AR11が拡大された後の施工領域AR1について、完了領域AR11と未完領域AR12との区分判定(領域区分判定)が行われたこととなる。
【0048】
ステップS204:位置指定部323は、図7を参照して説明したように、更新後のマップ上で、配置可能位置Pのうちから基準配置候補位置Prを選択する。
【0049】
ステップS206:位置指定部323は、ステップS204により選択した基準配置候補位置Prごとに対応する配置候補位置群を形成する。
【0050】
ステップS208:位置指定部323は、ステップS206により形成された配置候補位置群ごとに、施工順との合致度合いを評価する。つまり、位置指定部323は、前述のように、配置候補位置群ごとに敷均し後の土砂分布Dsを計算する。位置指定部323は、計算した敷均し後の土砂分布Dsのうちで、施工対象区画AR21に設定した施工順との合致度合いが最も高いものを特定するようにされてよい。より具体的には、例えば位置指定部323は、配置候補位置群ごとに計算した土砂分布Dsの施工対象区画AR21ごとにおける占有率を算出し、施工順の早い施工対象区画AR21における占有率が最も高い土砂分布Dsがいずれであるのかを特定するようにされてよい。
【0051】
ステップS210:位置指定部323は、置き土指定位置を決定する。つまり、位置指定部323は、ステップS208により施工順との合致度合いが最も高い土砂分布に対応する配置候補位置群に含まれる基準配置候補位置Prと従属配置候補位置Psとが対応する配置可能位置Pを、それぞれ置き土指定位置とする。
【0052】
ステップS212:情報送信部324は、ステップS210により決定された置き土指定位置を示す置き土指定位置情報を、土砂運搬車両200に送信する。
【0053】
置き土指定位置情報を受信した土砂運搬車両200は、土砂を積載して施工現場FLに移動し、受信した置き土指定位置情報が示す配置可能位置Pのそれぞれに置き土を配置するように動作する。ここで、土砂運搬車両200の記憶部207は、施工状況データ記憶部331が記憶する施工状況データと同じ施工領域AR1のマップを記憶してよい。土砂運搬車両200は、置き土を配置する際に、記憶部207が記憶するマップを参照することで、現実の施工現場FLにおいて置き土指定位置情報が示す配置可能位置Pを特定し、適切に置き土を配置することができる。
【0054】
また、土砂運搬車両200は、受信した置き土指定位置情報に従って置き土の配置を行うにあたり、例えば施工現場FLにおけるブルドーザー100との通信により、土砂運搬車両200が置き土の配置を行う時間においては、当該置き土の配置を行う配置可能位置Pから一定以内の距離に接近しないように制御してよい。
【0055】
以下、本実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態において置き土指定位置を決定するにあたっては、位置指定部323が形成した配置候補位置群のそれぞれを対象として、置き土を配置して敷均しをした場合の土砂分布の施工順との合致度合いを利用するようにされていた。そのうえで、変形例としては、置き土指定位置の決定にあたり、さらに施工現場FLにおける所定の状況に応じて配置候補位置群ごとに重み付けを行い(基準配置候補位置Prごとに重み付けしてもよい)、上記の施工順との合致度と重み付け値とを用いた演算の結果に基づいて置き土指定位置を決定してもよい。
重み付け値は、例えば、施工現場FLにおける配置候補位置群(あるいは基準配置候補位置Pr)のそれぞれとブルドーザー100の距離とに応じて、配置候補位置群ごとに設定されてよい。また、重み付け値は、施工現場FLにおける作業路の位置、設備の設置、施工現場FLの地形等の環境条件に基づいて、配置候補位置群ごとに設定されてもよい。
【0056】
例えば、施工領域AR1の面積が広いような場合には、施工領域AR1において離間した位置のそれぞれにて敷均しを開始することで、複数の離間した完了領域AR11を形成するようにされてよい。そのうえで、複数の完了領域AR11のそれぞれについて個別に置き土指定位置を決定して敷均しを行っていくことで、最終的に施工領域AR1に対応する1の完了領域AR11が得られるような工程としてもよい。
【0057】
上記実施形態においてはブルドーザー100が施工現場FLの高さを測定したうえで、所定の領域範囲について敷均しが完了したか否かを判定するようにされている。しかしながら、例えばブルドーザー100は、敷均しに応じた動作を行いながら施工現場FLの高さを測定し、測定した高さと測定対象とした位置の座標を示す高さ測定情報を施工管理サーバ300に送信する。一方、施工管理サーバ300が、受信した高さ測定情報に基づいて、敷均しが完了したか否かを判定したうえで、施工領域AR1における完了領域AR11と未完領域AR12との区分を判定するようにしてもよい。つまり、施工管理サーバ300が施工完了判定部162としての機能を有するようにされてよい。
あるいは、ブルドーザー100が図10のステップS202からS210までによる置き土指定位置決定に関する処理のうち、所定の段階までの処理を実行するようにされてもよい。
【0058】
上記実施形態では、土砂を敷均していくようにされた施工現場FLを例に挙げた。しかしながら、例えばダムなどのようにコンクリートをブルドーザーにより敷均していくような施工現場にも本実施形態の施工管理システムを適用することができる。
【0059】
上記実施形態において、ブルドーザー100と土砂運搬車両200は、それぞれが自律運転をするように構成された例を挙げた。しかしながら、ブルドーザー100と土砂運搬車両200の少なくともいずれか一方が人により運転(操縦)されるものであってもよい。
例えば土砂運搬車両200が人により操縦される場合には、土砂運搬車両200は、施工管理サーバ300から受信した置き土指定位置情報が示す位置を施工現場FLの地図上で示すように表示してよい。土砂運搬車両200の操縦者は、表示された位置を確認して置き土の配置を行うように土砂運搬車両200を操縦することができる。
【0060】
なお、上述のブルドーザー100、土砂運搬車両200、及び施工管理サーバ300等としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述のブルドーザー100、土砂運搬車両200、及び施工管理サーバ300等としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。
【符号の説明】
【0061】
100 ブルドーザー、101 通信部、102 センサ部、103 測位部、104 車両機構部、105 ブレード機構部、106 制御部、107 記憶部、120 センサ、161 自律運転制御部、162 施工完了判定部、200 土砂運搬車両、201 通信部、202 センサ部、203 測位部、204 車両機構部、205 荷台機構部、206 制御部、207 記憶部、261 自律運転制御部、300 施工管理サーバ、301 通信部、302 制御部、303 記憶部、321 情報取得部、322 領域判定部、323 位置指定部、324 情報送信部、331 施工状況データ記憶部
図1
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図10