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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168078
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】開閉支持装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 27/62 20060101AFI20231116BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
G03B27/62
H04N1/00 519
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079720
(22)【出願日】2022-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】513014628
【氏名又は名称】株式会社ナチュラレーザ・ワン
(74)【代理人】
【識別番号】100076831
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 捷雄
(72)【発明者】
【氏名】小川 覚司
【テーマコード(参考)】
2H012
5C062
【Fターム(参考)】
2H012CA02
2H012CB01
2H012CB12
5C062AA02
5C062AA05
5C062AD02
5C062AD06
(57)【要約】
【課題】開放時、閉時問わず弾性部材及び受圧カム部の露出を防ぐことができ、弾性部材及び受圧カム部のオイルやグリスの原稿等への落下を防止できる開閉支持装置を提供することを目的とする。
【解決手段】装置本体2の上面を開閉する原稿圧着板3を有する事務機器1において装置本体2と原稿圧着板3とを連結する開閉支持装置10であって、装置本体側に取り付けられる取付部材11と、原稿圧着板側へ取り付けられる支持部材12と、受圧カム部34と、支持部材内部にスライド可能に設けられた第1スライダー14と、支持部材内部にスライド可能に設けられた第2スライダー15と、第1スライダー14と第2スライダー15の間に弾設された弾性部材16と、を有し、第1スライダー14の側に受圧カム部側と弾性部材側を同時に覆うことのできるオイル汚れ防止板14cを設けた、開閉支持装置。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体の上面を開閉する原稿圧着板を有する事務機器において、前記装置本体と前記原稿圧着板とを連結する開閉支持装置であって、
前記装置本体側に取り付けられる取付板とこの取付板の両側部から立ち上げた両側板を有する取付部材と、
背板とこの背板の両側部から垂下させた両側板を有し、この両側板を前記取付部材の前記両側板へヒンジシャフトを介して回転可能に取り付けた前記原稿圧着板側へ取り付けられる支持部材と、
前記取付部材の前記両側板の前記ヒンジシャフトの位置より前方下方に取り付けられた受圧カム部と、
この受圧カム部に接して前記支持部材内部にスライド可能に設けられた第1スライダーと、
前記支持部材の自由端側に接して当該支持部材内部にスライド可能に設けられた第2スライダーと、
前記第1スライダーと前記第2スライダーの間に弾設された弾性部材と、を有し、
前記第1スライダーの側に前記受圧カム部側と前記弾性部材側を同時に覆うことのできるオイル汚れ防止板を設けたことを特徴とする、開閉支持装置。
【請求項2】
前記開閉支持装置は、さらに前記支持部材の自由端側に背板とこの背板の両側部から垂下させた両側板を有すると共に、この両側板を前記支持部材の自由端側の前記両側板に第2ヒンジシャフトを介して回転可能に取り付けたリフト部材を有し、前記第2スライダーは、前記リフト部材の前記第2ヒンジシャフトの側に設けた作動部材と当接していることを特徴とする、請求項1に記載の開閉支持装置。
【請求項3】
前記オイル汚れ防止板には、前記第2スライダーの両側を覆うカバー部がさらに設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の開閉支持装置。
【請求項4】
前記支持部材の前記背板には、フリクション機構を有し、このフリクション機構は、所定間隔を開けて一対のフリクション用の長い凸状部と、この一対の長い凸状部の間の各先端側に位置して前記一対のフリクション用の長い凸状部よりも短い凸状部を有し、前記各凸状部は、前記原稿圧着板の開閉時にその開閉角度によって前記第1スライダーの背部に圧接することを特徴とする、請求項1に記載の開閉支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉支持装置に関する。特に、原稿圧着板を有する複写機などの事務機器に用いられる開閉支持装置であって、従来公知のものに比べてさらに工夫を加えた開閉支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、スキャナー或いは印刷機等の事務機器においては、コンタクトガラス上に原稿を圧着し、外光が装置本体内の露出系に侵入するのを防止するために原稿圧着板が用いられている。そして、この原稿圧着板を装置本体に対し開閉するために様々な構成の開閉支持装置が公知である。
【0003】
その中で、原稿をコンタクトガラス上へ載置する際に開閉支持装置に用いられている潤滑油等のオイルによって原稿が汚れるのを防止するために、下記特許文献1に記載されているものが公知である。
【0004】
さらに、従来公知の開閉支持装置は、原稿圧着板が、その閉成時に急激に落下したり、また原稿圧着板をその開成状態で支持するために、弾性部材を用いている。それでもコンタクトガラス上に原稿を載置、撤去する際に開閉する原稿圧着板が、その閉成時に急速に落下したり、開成時に急激に開くのを防止できないことから、これを防止するためにフリクション機構を用いたものとして、下記特許文献2に記載されたものが公知である。
【0005】
下記特許文献1には、カム部材とスライド部材の当接部分の近傍外側に配置され、第二ウイング部材の閉状態から開状態まで、スライド部材及びカム部材の外側から、スライド部材とカム部材の当接部分側に異物が入り込むことを防止するオイルフェンスを具備するヒンジが記載されている。
このヒンジでは、受圧部材のオイルが原稿に付着するのを防止できないし、オイルフェンスの両側からオイルが漏れるのも防止できないし、オイルフェンスが別部品であるために、製造工程の煩雑化、コストの増大という問題がある。また、原稿圧着板が、閉成時に急速に落下したり、開成時に急激に開くのを防止できない。
【0006】
下記特許文献2には、第一ウイング部材と、カム部材と、第二ウイング部材と、受圧部材と、第一スライド部材、第二スライド部材と、バネ部材と、を具備するヒンジであって、前記第二スライド部材には、前記第二ウイング部材が前記第一ウイング部材に対して閉状態である際の下部において、前記第一スライド部材の側に延出される板状のカバー部が形成され、前記第二スライド部材における前記第一スライド部材側の面には、前記バネ部材の一端部が挿入される孔部が形成されるとともに、前記孔部における前記回動軸の軸方向近傍には、挿入孔部が前記回動軸の軸方向視で前記孔部と重なるように形成され、前記第一スライド部材における前記第二スライド部材と対向する面には、前記第二スライド部材の側に突出する突起部が形成され、前記第二ウイング部材を前記第一ウイング部材に対して閉状態とした際に、前記突起部が前記第二スライド部材の前記挿入孔部に挿入され、前記第二ウイング部材を前記第一ウイング部材に対して開状態とした際に、前記突起部と前記カバー部の先端部とが重なるものであるヒンジが記載されている。
このヒンジでは、受圧部材のオイルが原稿に付着するのを防止できないし、カバー部の両側からオイルが漏れるのも防止できないし、カバー部の先端部と突起部の間に下向きの隙間があることが把握でき、コイルばねのオイルやグリスがこの隙間から下の原稿等に落下する問題がある。
【0007】
その結果、第1スライダーの側に受圧カム部側と弾性部材側を同時に覆うことのできるオイル汚れ防止板を設けたことにより、開放時、閉時問わず弾性部材(コイルばね)及び受圧カム部の露出を防ぐことができ、弾性部材(コイルばね)及び受圧カム部のオイルやグリスの下の原稿等への落下を防止できること、オイル汚れ防止板には、前記第2スライダーの両側を覆うカバー部がさらに設けられていることにより、オイル汚れ防止板の両側からオイルが漏れるのも防止できること、フリクション機構を有することにより、原稿圧着板が、その閉成時に急速に落下したり、開成時に急激に開くのを防止できることを見出し、本出願をすることとした。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2019-105775号公報
【特許文献2】特許第6642885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
開放時、閉時問わず弾性部材(コイルばね)及び受圧カム部の露出を防ぐことができ、弾性部材(コイルばね)のオイルやグリスの下の原稿等への落下を防止できる開閉支持装置を提供することを目的とする。また、原稿圧着板が、その閉成時に急速に落下したり、開成時に急激に開くのを防止できる開閉支持装置を提供することも従たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明は以下の構成を有する。
(1)装置本体の上面を開閉する原稿圧着板を有する事務機器において、前記装置本体と前記原稿圧着板とを連結する開閉支持装置であって、前記装置本体側に取り付けられる取付板とこの取付板の両側部から立ち上げた両側板を有する取付部材と、背板とこの背板の両側部から垂下させた両側板を有し、この両側板を前記取付部材の前記両側板へヒンジシャフトを介して回転可能に取り付けた前記原稿圧着板側へ取り付けられる支持部材と、前記取付部材の前記両側板の前記ヒンジシャフトの位置より前方下方に取り付けられた受圧カム部と、この受圧カム部に接して前記支持部材内部にスライド可能に設けられた第1スライダーと、前記支持部材の自由端側に接して当該支持部材内部にスライド可能に設けられた第2スライダーと、前記第1スライダーと前記第2スライダーの間に弾設された弾性部材と、を有し、前記第1スライダーの側に前記受圧カム部側と前記弾性部材側を同時に覆うことのできるオイル汚れ防止板を設けたことを特徴とする、開閉支持装置。

(2)前記開閉支持装置は、さらに前記支持部材の自由端側に背板とこの背板の両側部から垂下させた両側板を有すると共に、この両側板を前記支持部材の自由端側の前記両側板に第2ヒンジシャフトを介して回転可能に取り付けたリフト部材を有し、前記第2スライダーは、前記リフト部材の前記第2ヒンジシャフトの側に設けた作動部材と当接していることを特徴とする、(1)に記載の開閉支持装置。

(3)前記オイル汚れ防止板には、前記第2スライダーの両側を覆うカバー部がさらに設けられていることを特徴とする、(1)に記載の開閉支持装置。

(4)前記支持部材の前記背板には、フリクション機構を有し、このフリクション機構は、所定間隔を開けて一対のフリクション用の長い凸状部と、この一対の長い凸状部の間の各先端側に位置して前記一対のフリクション用の長い凸状部よりも短い凸状部を有し、前記各凸状部は、前記原稿圧着板の開閉時にその開閉角度によって前記第1スライダーの背部に圧接することを特徴とする、(1)に記載の開閉支持装置。
【発明の効果】
【0011】
本発明の開閉支持装置は、(1)に記載の構成を備え、特に、第1スライダーの側に受圧カム部側と弾性部材側を同時に覆うことのできるオイル汚れ防止板を設けたことにより、開放時、閉時問わず弾性部材(コイルばね)及び受圧カム部の露出を防ぐことができ、弾性部材(コイルばね)及び受圧カム部のオイルやグリスの下の原稿等への落下を防止できる。
【0012】
本発明の開閉支持装置は、(2)に記載の構成を備えることにより、原稿圧着板を取り付けたリフト部材の動きに連動させて第2スライダーを摺動できる。
【0013】
本発明の開閉支持装置は、(3)に記載の構成を備えることにより、2本の線状のカバー部(リブ)により、オイル汚れ防止板の横からオイルやグリスが漏れるのを防止できる。
【0014】
本発明の開閉支持装置は、(4)に記載の構成を備えることにより、原稿圧着板が、その閉成時に急速に落下したり、開成時に急激に開くのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の開閉支持装置を用いた事務機器の一例を示す斜視図である。
図2】本発明の開閉支持装置の一例を示す斜視図であって、開状態を示す図である。
図3】本発明の開閉支持装置の一例を示す斜視図であって、閉状態を示す図である。
図4】本発明の開閉支持装置の一例を示す斜視分解図である。
図5】本発明の開閉支持装置の取付部材の一例を示す図であって、(a)平面図、(b)正面図、(c)左側面図である。
図6】本発明の開閉支持装置の支持部材の一例を示す図であって、(a)正面図、(b)底面図、(c)左側面図である。
図7】本発明の開閉支持装置の第1スライダーの一例を示す図であって、(a)平面図、(b)正面図、(c)A-A線における断面図である。
図8】本発明の開閉支持装置の第2スライダーの一例を示す図であって、(a)平面図、(b)斜視図、(c)B-B線における断面図である。
図9】本発明の開閉支持装置の一例を示す正面図であって、閉状態を示す図である。
図10】本発明の開閉支持装の一例を示すC-C線における断面図であって、閉状態を示す図である。
図11】本発明の開閉支持装の一例を示すC-C線における断面図であって、開状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の好適な実施の形態に係る開閉支持装置、及びこの開閉支持装置を備えた事務機器について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下の説明にあたり、図1で示す直交座標系で示した前後、左右、及び上下の方向を適宜参照する。
なお、本発明において、事務機器には、複写機や複合機等のコピー機、印刷機、ファクシミリ、スキャナー等が含まれるが、これらのものに限定されない。
【0017】
(実施形態1)
図1において、符号1で示したものは事務機器の一例である複写機である。事務機器としては、他にも複合機、印刷機は、ファクシミリ、スキャナーなどが考えられる。
事務機器1は、略立法体状の装置本体2と、装置本体2の上面2aのコンタクトガラス4と、上面2aの右下の操作部5と、装置本体2の上面2aを開閉する原稿圧着板3と、を有する。原稿圧着板3は、自動原稿送り装置付きのものと、そうでない軽量のものとがあり、本実施の形態では、原稿自動送り装置付きのものを示している、この原稿自動送り装置付きのものは、向かって左側の方が重量があるので、左側の開閉支持装置と右側の開閉支持装置は、構成が異なるのが通常である。本実施の形態では、左側の重量のある側に取り付けられる符号10で示されたものについて説明する。符号10Aで示された開閉支持装置は説明を省略する。
開閉支持装置10と10Aには原稿圧着板3が開閉可能に取り付けられ、図1では、原稿圧着板3は開状態とされている。なお、閉状態とは、装置本体2の上面2aに原稿圧着板3の下側の面3aが当接している状態をいう。
【0018】
図2~4、9~11に示すように、本発明の開閉支持装置10は、取付部材11と、支持部材12と、リフト部材13と、第1スライダー14と、第2スライダー15と、弾性部材(コイルばね)16と、ダンパー17と、ヒンジシャフト21と、第2ヒンジシャフト22と、作動部材31、受圧カム部34と、第2弾性部材(コイルばね)36と、を有している。
【0019】
「取付部材」
図5に示すように、取付部材11は、装置本体2に取り付けられる取付板(底板)11aと、この取付板(底板)11aの両側端部から上方へ立ち上げた対の側板11b、11bと、取付板(底板)11aの一端部(後端部)から当該取付板(底板)11aに対して直交する方向に延びる略矩形状の後板11cとで構成されている。
取付板(底板)11aは平面略矩形状に形成され、取付ネジ40(図10参照。)が挿通係止される平面鍵孔形状の取付孔11gと、取付ネジ40(図10参照。)が取り付けられる取付孔11fとを有し、取付ネジ40によって装置本体2の後部上端に取り付けられている。
取付部材11は、所定外形に加工した1枚の金属板を折り曲げて形成される。
【0020】
取付部材11の対の側板11b、11bには孔部11d、11eが設けられ、ヒンジシャフト21及び受圧カム部34が取り付けられている。ヒンジシャフト21は取付部材11の後側上部の孔部11dに取り付けられており、取付部材11は、このヒンジシャフト21を介して支持部材12を回転可能に支持する。
このように、装置本体側に取り付けられる取付板(底板)11aとこの取付板(底板)11aの両側部から立ち上げた両側板11b、11bを有する取付部材11を有する。
【0021】
受圧カム部34は、受圧シャフト33と、受圧シャフト33が着脱可能に挿通されるローラ部材32とを有する。受圧シャフト33は、断面が円形の棒状部材であり、対の側板11b、11bに形成された挿通孔11eに挿通される。
【0022】
ローラ部材32は、長手方向に円形状の空洞32aを有する円筒状の形状に形成されている。この空洞32aの内径は受圧シャフト33の外径よりも大きく、かつ、ローラ部材32の外径は挿通孔11eの孔径よりも大きい。また、ローラ部材32の長さは、対の側板11b、11bの内面間の距離よりも小さい。このような寸法で形成されたローラ部材32は、取付部材11が組み立てられる際、まず対の側板11b、11bの間に、空洞32aの位置が挿通孔11e、11eに一致するように配置される。そして、受圧シャフト33が挿通孔11e、11e及び空洞32aに挿通される。これにより、ローラ部材32は、貫通した受圧シャフト33によって回転可能に支持される。
【0023】
「支持部材」
図6に示したように、支持部材12は、背板(上板)12aと、この背板(上板)12aの両側端部からそれぞれ当該背板(上板)12aに対して直交する方向に垂下させた対の側板12b、12bと、この対の側板12b、12bの下端部側から内側へ折り曲げた抱持片12c、12cとで構成されている。これにより支持部材12の内部には、各種部品を収容するための収容空間12fが形成されている。支持部材12は、対の側板12b、12bに孔部12dが設けられ、対の側板12b、12bの後部が、取付部材11の対の側板11b、11bにヒンジシャフト21を介して取り付けられている。これにより、支持部材12は、取付部材11により回転可能に支持される。
背板(上板)12aの内面にはライン状の長い凸状部12eが2本、短い凸状部12kが1本設けられている。
このように、背板12aとこの背板の両側部から垂下させた両側板12b、12bを有し、この両側板12b、12bを取付部材11の両側板11b、11bへヒンジシャフト21を介して回転可能に取り付けた原稿圧着板側へ取り付けられる支持部材12を有する。
【0024】
「リフト部材」
リフト部材13は、所定外形に加工した1枚の金属板を折り曲げて形成される。
リフト部材13は、背板(上板)13aと、この背板(上板)13aの両側部より下方へ垂下させた対の側板13b、13bと、この対の側板13b、13bの下端部より外側へ折り曲げた取付板13c、13cとで構成されている。
リフト部材13は、対の側板13b、13bに孔部13dが設けられ、その対の側板13b、13bが、支持部材12の対の側板12b、12bの自由端側(前部側)に第2ヒンジシャフト22を介し、Eリング42を挟んで、取り付けられる。これにより、リフト部材13は、支持部材12により回転可能に支持される。
リフト部材13は、対の側板13b、13bに孔部13fが設けられ、作動部材31が、取り付けられる。
なお、支持部材12は、閉じた状態から、ヒンジシャフト21を中心に時計回りに回転する。一方、リフト部材13は、閉じた状態から、第2ヒンジシャフト22を中心に反時計回りに回転する。このように、リフト部材13は、支持部材12とは逆方向へ回転可能に取り付けられている。
このリフト部材13は、対の側板13c、13cに孔部13eが設けられ、取付板13c、13cに原稿圧着板3の後部が取り付けられる。
【0025】
「高さ調節手段」
リフト部材13には、原稿圧着板3の高さ調節手段7を構成する高さ調節ネジ47及びナット48が、その背板(上板)13aに設けた雌ネジ部46に取り付けられている。調節ネジ47は、その先端を支持部材12の背板(上板)12aに当接させている。
【0026】
リフト部材13にはさらに、対の側板13b、13bを左右方向に沿って貫く作動部材31が取り付けられている。作動部材31は、断面が円形の棒状部材であり、第2ヒンジシャフト22に隣接する位置であり対の側板13b、13bの前部に設けられている。
【0027】
支持部材12の収容空間12fには、抱持片12c、12cに抱えられた一対の第1スライダー14及び第2スライダー15が摺動可能に収容されている。対向する第1スライダー14及び第2スライダー15との間には、弾性部材としての圧縮弾性部材(コイルばね)16が設けられている。圧縮弾性部材(コイルばね)16の一端は第1スライダー14の第1ばね収容部14bに収容され、圧縮弾性部材(コイルばね)16の他端は第2スライダー15の第2ばね収容部15bに収容されている。そして、第1スライダー14の一端側頂面14kはカム部とされ、取付部材11の対の側板11b、11bの間に設けられた受圧カム部34のローラ部材32と圧接している。
また、第2スライダー15の他端側頂面15eは、支持部材12の第2ヒンジシャフト22側(前部側)に取り付けた作動部材31に圧接している。
このように、取付部材11の両側板のヒンジシャフト21の位置より前方下方に取り付けられた受圧カム部34を有する。
【0028】
「第1スライダー」
図7に示したように、第1スライダー14は、支持部材12の収容空間12f内でヒンジシャフト21側に収容されている。
第1スライダー14は、第1ばね受部14aとオイル汚れ防止板14cを備える。
オイル汚れ防止板14cは、第1ばね受部14aの一側面に一体化され、第1ばね受部14a側から第2ヒンジシャフト22側に延びており、第2ヒンジシャフト22側に延びた先端側部分14hを有するとともに、第1ばね受部14a側からヒンジシャフト21側に延びており、ヒンジシャフト21側に延びた後端側部分14iを有する。
第1ばね受部14aには第1ばね収容部14bと2つの切欠部14jが設けられている。第1ばね収容部14bには弾性部材(コイルばね)16の一端が嵌合され、切欠部14jには、閉状態のとき、第2スライダー15の突出部15cが嵌合される。
オイル汚れ防止板14cは、表面14fと裏面14gを有する。表面14fには、垂直に突出し、平行にかつ等間隔に走る6本の線状のリブ14dが形成され、裏面14gには、垂直に突出し、オイル汚れ防止板14cの縁を走る2本の線状のカバー部(リブ)14eが形成されている。6本の線状のリブ14dを備えることにより、オイル汚れ防止板14cの水平性を担保でき、移動する機構の動きを担保できる。2本の線状のカバー部(リブ)14eにより、オイル汚れ防止板14cの横からオイルやグリスが漏れるのを防止できる。
このように、オイル汚れ防止板14cには、第2スライダー14の両側を覆うカバー部(リブ)14eがさらに設けられている。
第1ばね受部14aの一端側頂面14kはカム部とされ、受圧カム部34を圧接する。
第1ばね受部14aの上面は背部14mとされている。
このように、第1スライダー14の側に受圧カム部側と弾性部材側を同時に覆うことのできるオイル汚れ防止板14cを設けた。また、受圧カム部34に接して支持部材内部にスライド可能に設けられた第1スライダー14を有する。
【0029】
「第2スライダー」
図8に示したように、第2スライダー15は、支持部材12の収容空間12f内で第2ヒンジシャフト22側に収容されている。
第2スライダー15は、第2ばね受部15aを備えており、第2ばね受部15aには、第2ばね収容部15bと、2つの突出部15cが設けられている。第2ばね収容部15bには弾性部材(コイルばね)16の他端側16bが嵌合され、突出部15cは、閉状態のとき、第1スライダー14の切欠部14jに嵌合される。
第2スライダー15の他端側頂面15eは、支持部材12の第2ヒンジシャフト22側(前部側)に取り付けた作動部材31に圧接する。
このように、支持部材12の自由端側に接して当該支持部材内部にスライド可能に設けられた第2スライダー15を有する。
【0030】
「弾性部材(コイルばね)」
弾性部材(コイルばね)16は、第1ばね受部14aの第1ばね収容部14bに一端側16aが嵌合され、第2ばね受部15aの第2ばね収容部15bに他端側16bが嵌合されている。
図4、10、11に示すように、本実施形態では、第2スライダー15から第1スライダー14に向けて、右巻きの弾性部材(コイルばね)16とダンパー17の間に、左巻きの第2弾性部材(コイルばね)36も挿入配備されている。弾性部材(コイルばね)16と第2弾性部材(コイルばね)36の巻き方向を逆にすることが好ましい。これにより弾性力の調整をより細かくできる。
弾性部材(コイルばね)16を左巻きとし、第2弾性部材(コイルばね)36を右巻きとしても良い。
弾性力の調整がそれほど必要でない場合は、第2弾性部材(コイルばね)36がない構成としても良い。
このように、第1スライダー14と第2スライダー15の間に弾設された弾性部材16を有する。
【0031】
「ダンパー」
ダンパー17は、弾性部材(コイルばね)16の螺旋内に同軸方向に配置された第2弾性部材(コイルばね)36の螺旋内に同軸方向に配置されている。
【0032】
「作動部材、受圧カム部」
作動部材31は、リフト部材13に取り付けられている。
受圧カム部34は、軸となる受圧シャフト33と、ローラ部材32とからなり、取付部材11に取り付けられている。
閉状態から開状態としたとき、作動部材31が第2スライダーの他端側頂面15eを押圧し、受圧カム部34が第1スライダー14の一端側頂面14kで受圧する。
開閉支持装置1は、さらに支持部材12の自由端側に背板13aとこの背板13aの両側部から垂下させた両側板13b、13bを有すると共に、この両側板13b、13bを支持部材12の自由端側の両側板12b、12bに第2ヒンジシャフト22を介して回転可能に取り付けたリフト部材13を有し、第2スライダー15は、リフト部材13の第2ヒンジシャフト22の側に設けた作動部材31と当接している。
【0033】
「第1スライダーの側に受圧カム部側と弾性部材側を同時に覆うことのできる機構」
図10、11に示すように、原稿圧着板3を閉状態から開状態としたときに、第2スライダー15が第1スライダー14から離間する方向に移動する。
閉状態でも開状態でも、オイル汚れ防止板14cの表面14fに垂直な方向から見たときに、オイル汚れ防止板14cの第2ヒンジシャフト22側に延びた先端側部分14hが第2スライダー15の開口先端部分15dを覆っている。これにより、開放時、閉時問わず弾性部材(コイルばね)16の露出を防ぎ、弾性部材(コイルばね)のオイルやグリスの下の原稿等への落下をすくい上げるようにカバーし、弾性部材(コイルばね)16のオイルやグリスの原稿等への落下を防止できる。
また、オイル汚れ防止板14cのヒンジシャフト21側に延びた後端側部分14iが受圧カム部34の軸中心Oを覆っている。これにより、開放時、閉時問わず受圧カム部34の露出を防ぎ、受圧カム部32のオイルやグリスの原稿等への落下を防止できる。
つまり、第1スライダーの側に受圧カム部側と弾性部材側を同時に覆うことのできる機構により、開放時、閉時問わず弾性部材(コイルばね)及び受圧カム部の露出を防ぐことができ、弾性部材(コイルばね)及び受圧カム部のオイルやグリスの下の原稿等への落下を防止できる。
【0034】
「フリクション機構」
支持部材12の背板12aには、フリクション機構を有し、このフリクション機構は、所定間隔を開けて一対のフリクション用の長い凸状部12eと、この一対の長い凸状部12eの間の各先端側に位置して前記一対のフリクション用の長い凸状部12eよりも短い凸状部12kを有し、各凸状部は、原稿圧着板3の開閉時にその開閉角度によって第1スライダー14の背部14mに圧接する。
2本の長い凸状部12e、短い凸状部12kは、第1スライダー14の背部14mの3本の凹部14lに圧接し、フリクションを生じさせる。
フリクション機構を有することにより、原稿圧着板が、その閉成時に急速に落下したり、開成時に急激に開くのを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の開閉支持装置は、第1スライダーの側に受圧カム部側と弾性部材側を同時に覆うことのできるオイル汚れ防止板を設けたことにより、開放時、閉時問わず弾性部材(コイルばね)及び受圧カム部の露出を防ぐことができ、弾性部材(コイルばね)及び受圧カム部のオイルやグリスの下の原稿等への落下を防止できること、オイル汚れ防止板の一部は、その両側に前記第2スライダーの両側部を覆うカバー部が設けられていることにより、オイル汚れ防止板の両側からオイルが漏れるのも防止できること、フリクション機構を有することにより、原稿圧着板が、その閉成時に急速に落下したり、開成時に急激に開くのを防止できるので、原稿読み取りのコンタクトガラスを備える事務機器の開閉支持装置として活用が期待できる。
【符号の説明】
【0036】
1 事務機器(複合機)
2 装置本体
2a 上面
3 原稿圧着板
3a 下側の面
4 コンタクトガラス
5 操作部
7 高さ調節手段
10 開閉支持装置
10A 開閉支持装置
11 取付部材
11a 取付板(底板)
11b 側板
11c 後板
11d 孔部
11e 孔部
11f 取付孔
11g 取付孔
11h 孔部
11i 凸部
11j 孔部
11k 凸部
12 支持部材
12a 背板(上板)
12b 側板
12c 抱持片
12d 孔部
12e (長い)凸状部
12f 収容空間
12g 孔部
12h 孔部
12i 孔部
12j 孔部
12k (短い)凸状部
12l 凸部
13 リフト部材
13a 背板(上板)
13b 側板
13c 取付板
13d 孔部
13e 孔部
13f 孔部
14 第1スライダー
14a 第1ばね受部
14b 第1ばね収容部
14c オイル汚れ防止板
14d リブ
14e カバー部(リブ)
14f 表面
14g 裏面
14h 先端側部分
14i 後端側部分
14j 切欠部
14k 一端側頂面
14l 凹部
14m 背部
15 第2スライダー
15a 第2ばね受部
15b 第2ばね収容部
15c 突出部
15d 開口先端部分
15e 他端側頂面
16 弾性部材(コイルばね)
16a 一端側
16b 他端側
17 ダンパー
21 ヒンジシャフト
22 第2ヒンジシャフト
31 作動部材
32 ローラ部材
32a 空洞
33 受圧シャフト
34 受圧カム部
36 第2弾性部材(コイルばね)
40 取付ネジ
46 雌ネジ部
47 高さ調節ネジ
48 ナット
50 リング状部材
51 リング状部材
52 リング状部材
53 円板部材
O 軸中心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11