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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168094
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】回収装置、回収方法
(51)【国際特許分類】
   B65F 1/00 20060101AFI20231116BHJP
   B65F 1/16 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
B65F1/00 A
B65F1/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079743
(22)【出願日】2022-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】000004330
【氏名又は名称】日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100206391
【弁理士】
【氏名又は名称】柏野 由布子
(72)【発明者】
【氏名】久野 航輝
(72)【発明者】
【氏名】清水 直樹
(72)【発明者】
【氏名】後藤 幹博
(72)【発明者】
【氏名】大西 喬之
【テーマコード(参考)】
3E023
【Fターム(参考)】
3E023AA06
3E023MA02
3E023MC02
(57)【要約】
【課題】回収する前に、容器の種別を把握することが可能な回収装置を提供する。
【解決手段】投入口から収容部までの経路を通過する容器に接触することで前記容器から音を発生させる打音器と、前記音を収音して音信号を生成する収音部と、前記生成された音信号に基づく容器データを外部に出力する出力部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入口から収容部までの経路を通過する容器に接触することで前記容器から音を発生させる打音器と、
前記音を収音して音信号を生成する収音部と、
前記生成された音信号に基づく容器データを外部に出力する出力部と、
を有する回収装置。
【請求項2】
前記打音器は、
前記容器に当接することで打撃を与えるハンマー部と、
前記容器に打撃を与えた後に前記ハンマー部を打撃位置まで戻すアーム部と
を有する請求項1に記載の回収装置。
【請求項3】
前記音信号に基づいて、前記容器の素材を推定する素材判別部を有し、
前記出力部は、前記推定された結果を容器データとして外部に出力する
請求項1に記載の回収装置。
【請求項4】
投入口から容器が投入されたことを検出する投入検出部を有し、
前記素材判別部は、
前記投入検出部によって容器の投入が検知された時刻よりも後の一定期間において得られる音信号に基づいて、前記素材を推定する
請求項3に記載の回収装置。
【請求項5】
投入口から容器が投入されたことを検出する投入検出部と、
前記投入口から収容部までの経路において前記投入検出部よりも前記収容部側に設けられ、前記経路を通過する容器に接触することで前記容器から音を発生させる打音器と、
前記音を収音して音信号を生成する収音部と、
前記投入口から収容部までの経路において前記投入検出部よりも前記収容部側に設けられ、前記投入検出部によって容器の投入が検知された時刻よりも後の一定期間において前記経路を通過する容器の外面を撮像して画像データを取り込む撮像部と、
前記投入口から収容部までの経路において前記投入検出部よりも前記収容部側に設けられ、前記投入検出部によって容器の投入が検知された時刻よりも後の一定期間において前記経路を通過する容器からバーコードを読み取るバーコードリーダと、
前記収容部に収容された容器の蓄積量を検出する蓄積量検出部と、
前記音信号、前記画像データ、前記バーコードの読み取り結果、前記検出された蓄積量をそれぞれ外部に出力する出力部と、
を有する回収装置。
【請求項6】
投入口から投入される容器が収容部に収容されるまでの間に、前記容器の外面を撮像する撮像部と、
前記撮像された画像データに基づく容器データを外部に出力する出力部と、
を有する回収装置。
【請求項7】
前記撮像部から得られる撮像結果に基づいて、前記容器を資源として用いる場合の価値を表す評価レベルを生成する評価部
を有し、
前記出力部は、前記評価レベルを前記容器データとして出力する
請求項6に記載の回収装置。
【請求項8】
投入口から容器が投入されたことを検出する投入検出部を有し、
前記撮像部は、
前記投入検出部によって容器の投入が検知された時刻よりも後の一定期間において撮像された画像データを取り込み、
前記評価部は、前記撮像部が取り込んだ画像データに基づいて、前記評価レベルを生成する
請求項7に記載の回収装置。
【請求項9】
投入口から収容部までの経路を通過する容器からバーコードを読み取るバーコードリーダと、
前記バーコードの読み取り結果に基づく容器データを外部に出力する出力部と、
を有する回収装置。
【請求項10】
前記バーコードリーダは、前記経路の周方向に沿って複数設けられる
請求項9記載の回収装置。
【請求項11】
前記バーコードリーダの読み取り結果に基づいて、バーコードに対応する商品情報を取得する商品情報取得部を有し、
前記出力部は、前記取得された商品情報を前記容器データとして出力する
請求項10に記載の回収装置。
【請求項12】
前記収容部に収容された容器の蓄積量を検出する蓄積量検出部
を有する請求項1から請求項4、請求項6から請求項11のうちいずれか1項に記載の回収装置。
【請求項13】
打音器が、投入口から収容部までの経路を通過する容器に接触することで前記容器から音を発生させ、
収音部が、前記音を収音して音信号を生成し、
出力部が、前記生成された音信号に基づく容器データを外部に出力する
回収方法。
【請求項14】
投入検出部が、投入口から容器が投入されたことを検出し、
打音器が、前記投入口から収容部までの経路において前記投入検出部よりも前記収容部側に設けられ、前記経路を通過する容器に接触することで前記容器から音を発生させ、
収音部が、前記音を収音して音信号を生成し、
撮像部が、前記投入口から収容部までの経路において前記投入検出部よりも前記収容部側に設けられ、前記投入検出部によって容器の投入が検知された時刻よりも後の一定期間において前記経路を通過する容器の外面を撮像して画像データを取り込み、
バーコードリーダが、前記投入口から収容部までの経路において前記投入検出部よりも前記収容部側に設けられ、前記投入検出部によって容器の投入が検知された時刻よりも後の一定期間において前記経路を通過する容器からバーコードを読み取り、
蓄積量検出部が、前記収容部に収容された容器の蓄積量を検出し、
出力部が、前記音信号、前記画像データ、前記バーコードの読み取り結果、前記検出された蓄積量をそれぞれ外部に出力する
回収方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回収装置、回収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ペットボトルやアルミ缶などの飲料容器は、回収され、資源として再利用されている。このような容器を回収する場合、自治体が決められた曜日に、回収場所に集められた容器を回収する方法や、駅の構内や自動販売機の近傍に回収箱(リサイクルボックスとも呼ばれることがある)を設置し、消費者に容器を投入してもらい、蓄積された容器を回収する方法等がある。
回収箱には、投入口を2つ設け、一方からペットボトルを投入してもらい、もう一方から缶を投入してもらうことで、分別して蓄積できる回収箱がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-098570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、容器を回収することでリサイクルすることは可能であるが、回収箱において、どのような種別の容器が投入されたかについて把握することができない。なお、素材に応じて異なる投入口から投入してもらう場合であっても、実際に投入された容器がそのような種別の容器であるかについては、実際に回収された後に容器をそれぞれ確認しなければ、把握することができない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、回収する前に、容器の種別を把握することが可能な回収装置、回収方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、投入口から収容部までの経路を通過する容器に接触することで前記容器から音を発生させる打音器と、前記音を収音して音信号を生成する収音部と、前記生成された音信号に基づく容器データを外部に出力する出力部と、を有する回収装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、打音器が、投入口から収容部までの経路を通過する容器に接触することで前記容器から音を発生させ、収音部が、前記音を収音して音信号を生成し、
出力部が、前記生成された音信号に基づく容器データを外部に出力する回収方法である。
【0008】
また、本発明の一態様は、投入口から容器が投入されたことを検出する投入検出部と、前記投入口から収容部までの経路において前記投入検出部よりも前記収容部側に設けられ、前記経路を通過する容器に接触することで前記容器から音を発生させる打音器と、前記音を収音して音信号を生成する収音部と、前記投入口から収容部までの経路において前記投入検出部よりも前記収容部側に設けられ、前記投入検出部によって容器の投入が検知された時刻よりも後の一定期間において前記経路を通過する容器の外面を撮像して画像データを取り込む撮像部と、前記投入口から収容部までの経路において前記投入検出部よりも前記収容部側に設けられ、前記投入検出部によって容器の投入が検知された時刻よりも後の一定期間において前記経路を通過する容器からバーコードを読み取るバーコードリーダと、前記収容部に収容された容器の蓄積量を検出する蓄積量検出部と、前記音信号、前記画像データ、前記バーコードの読み取り結果、前記検出された蓄積量をそれぞれ外部に出力する出力部と、を有する回収装置である。
【0009】
また、本発明の一態様は、投入口から投入される容器が収容部に収容されるまでの間に、前記容器の外面を撮像する撮像部と、前記撮像された画像データに基づく容器データを外部に出力する出力部と、を有する回収装置である。
【0010】
また、本発明の一態様は、投入口から収容部までの経路を通過する容器からバーコードを読み取るバーコードリーダと、前記バーコードの読み取り結果に基づく容器データを外部に出力する出力部と、を有する回収装置である。
【0011】
また、本発明の一態様は、打音器が、投入口から収容部までの経路を通過する容器に接触することで前記容器から音を発生させ、収音部が、前記音を収音して音信号を生成し、
出力部が、前記生成された音信号に基づく容器データを外部に出力する回収方法である。
【0012】
また、本発明の一態様は、投入検出部が、投入口から容器が投入されたことを検出し、打音器が、前記投入口から収容部までの経路において前記投入検出部よりも前記収容部側に設けられ、前記経路を通過する容器に接触することで前記容器から音を発生させ、収音部が、前記音を収音して音信号を生成し、撮像部が、前記投入口から収容部までの経路において前記投入検出部よりも前記収容部側に設けられ、前記投入検出部によって容器の投入が検知された時刻よりも後の一定期間において前記経路を通過する容器の外面を撮像して画像データを取り込み、バーコードリーダが、前記投入口から収容部までの経路において前記投入検出部よりも前記収容部側に設けられ、前記投入検出部によって容器の投入が検知された時刻よりも後の一定期間において前記経路を通過する容器からバーコードを読み取り、蓄積量検出部が、前記収容部に収容された容器の蓄積量を検出し、出力部が、前記音信号、前記画像データ、前記バーコードの読み取り結果、前記検出された蓄積量をそれぞれ外部に出力する回収方法である。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、この発明によれば、回収する前に、容器の種別を把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明の一実施形態による回収装置1の外観を示す斜視図である。
図2】回収装置1の上部において投入口10を通る位置であって垂直方向における断面を表す断面図である。
図3】回収装置1の機能を表す概略機能ブロック図である。
図4】素材別音データ記憶部1821に記憶されるデータの一例を示す図である。
図5】商品データの一例を示す図である。
図6】評価基準データ記憶部1823に記憶される評価基準データの一例を示す図である。
図7】回収システムSの概略の構成を表すシステム構成図である。
図8】回収装置1の各部の動作を説明するフローチャートである。
図9】回収装置1から外部の機器に送信された容器データの一例を示す図である。
図10】回収装置1の他の実施形態に基づく回収システムSの動作を説明するフローチャートである。
図11】打音器12の設置位置の第2の実施形態を示す図である。
図12】打音器12の設置位置の第3の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態による回収装置について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施形態による回収装置1の外観を示す斜視図である。
回収装置1は、複数であり、駅の構内、自動販売機の近傍、公共施設、オフィス等の様々が拠点のうち少なくとも1つの拠点に設置される。
回収装置1は、投入される容器を収容して蓄積する。回収担当者が、回収装置1に蓄積された容器を回収する。容器は、例えば、飲料等が入れられる容器である。飲料等が入れられる容器には、ペットボトル、アルミ缶、スチール缶等、容器の素材に応じて分類される種別がある。また、種別としては、素材の他には、製造メーカー毎に分類した種別、炭酸飲料、清涼飲料等のように、成分に基づく分類等がある。
【0016】
回収装置1の上部には、投入口10が設けられている、投入口10には、回収装置1を利用する消費者等の人物によって容器が投入される。投入口10の形状は、略円形である。投入口10の大きさは、一般的に流通しているペットボトルの直径や、アルミ缶、スチール缶の直径に応じた、容器を投入可能なサイズに設定されている。これにより、ペットボトル、アルミ缶、スチール缶等の種々の容器を回収装置1に投入可能となっている。
【0017】
回収装置1において、投入口10よりも下部の内周側には、収容部20が設けられる。収容部20は、投入口10から投入された容器を収容する。収容部20は、少なくとも一部において、透明な素材によって構成されていてもよい。これにより、回収装置1の外部から、容器の蓄積量を視認することができる。
回収装置1の投入口の下方には、扉1aが設けられている。扉1aを開くことで、回収装置1の内部に設けられた収容部20が露出するようになっている。
投入口10と収容部20との間には、収容枠30が設けられる。収容枠30の主面は、水平方向に平行となるようにして設けられる。また、収容枠30には、開口部30aが設けられている。開口部30aには、袋25をひっかけることができるようになっている。袋25は、収容部20の内周側に沿うように設けられる。これにより、収容部内20の内側に袋25が設けられ、投入口10から投入された容器は、収容部20内の袋25に収容される。容器を回収する場合、回収する担当者は、扉1aを開き、袋25が引っかけられた状態のまま収容枠30を手前に引き出し、その後、収容枠30を上に持ち上げることで、袋25を収容枠30から外し、袋25を引き出すことで、袋25に収容された容器を回収することができる。
【0018】
図2は、回収装置1の上部において投入口10を通る位置であって垂直方向における断面を表す断面図である。
投入口10には、ガイド部材11が取り付けられている。ガイド部材11の一方の端部は、投入口10に取り付けられ、もう一方の端部は、投入口10から斜め下方に向かって(図2に向かって斜め右下)設けられている。このもう一方の端部は、回収装置1のいずれの部位にも当接していない。ここで、ガイド部材11の端部ともう一方の端部との間において、回収装置1の上部の内周面の一部からアーム部材等によって、回収装置1に対して固定されてもよい。
このようなガイド部材11は、投入口10から収容部20までの経路(搬送経路)に沿って、設けられている。すなわち、ガイド部材11は、容器を搬送経路に沿って搬送させるガイドとして機能する。ここで、ガイド部材11は、略円筒状である。ガイド部材11の断面形状は、円形であってもよいし、四角形や六角形等の多角形であってもよい。また、ガイド部材11は、容器を周方向に沿って取り囲む形状であってもよいが、容器を搬送経路に沿って搬送させることができれば、断面形状が、半円等の弧状であってもよいし、棒状部材が平行に並べられるようにしてもよい。
ガイド部材11は、筒状の容器の上部と底部とを結ぶ方向である長手方向が、搬送方向に沿うように案内しつつ、投入口10から収容部20に搬送させる。これにより、容器が回収装置1に投入されてから収容部20に収容されるまでの間において、容器の長手方向が搬送方向に沿うように姿勢を規制することができる。すなわち、容器の底部が下になるように投入されるか、飲み口(上部)が下になるように投入してもらい、搬送するように規制することができる。ここで、消費者は、容器を回収装置1等の回収箱に投入する場合、容器の飲み口がある方を手に持ち、容器の底部を投入口に入れたあとに手を離す傾向があるため、ほとんどの場合において、底部が下になるように搬送される。これにより、後述するバーコードリーダ15によるバーコードの読み取り、撮像部16による外観の撮像、打音器12による打撃等を行いやすくすることができる。
【0019】
打音器12は、ガイド部材11の投入口10に取り付けられた端部とは反対側の端部に取り付けられる。
打音器12は、投入口10から収容部20までの経路を通過する容器に接触することで容器から音を発生させる。
打音器12は、容器に当接することで打撃を与えるハンマー部12aと、容器に打撃を与えた後にハンマー部を打撃位置まで戻すアーム部12bとを含む。
ハンマー部12aの素材は、容器Cに打撃を与えることで音を発生させることができれば、金属、樹脂等であってもよい。ハンマー部12aが容器に打撃を与える位置は、容器の底部が下になるように投入口10から投入された場合に、容器の底部に当接する位置に設定される。ハンマー部12aが容器に打撃を与える位置は、容器底部の略中央の位置に設定されることが、より好ましい。
アーム部12bの一方の端部は、ガイド部材11の投入口10に取り付けられた端部とは反対側の端部に取り付けられ、もう一方の端部は、ハンマー部12aに取り付けられる。アーム部12bは、ハンマー部12aによって容器に打撃を与えた後、搬送された容器によってハンマー部12aが当該容器の搬送方向に沿って跳ね上げられ、当該容器がガイド部材11から収容部20に向かって落下した後、容器に打撃を与えた位置まで、ハンマー部12aを戻す。アーム部12bは、ハンマー部12aを元の打撃位置まで戻すことができればよく、例えば、アーム部12bの一方の端部を基点としてハンマー部12aについて弧を描くように可動させる機構を備えていればよい。アーム部12bの少なくとも一部に、弾性部材を備え、ハンマー部12aを元の位置まで戻すようにしてもよい。弾性部材としては、例えば、板ばね、コイルばね等であってもよい。
【0020】
打音器12によって容器に打撃を与え、音を生じさせるようにしたので、容器単体の音を収音することが可能となる。例えば、投入された容器が落下し、収容部20に収容されたときの音を収音すると、投入された容器と、既に投入された容器または収容部20とが衝突したときの音が収音されることになり、既に投入された容器の種類や蓄積量によっては、得られる音の特性が異なり、素材の判別が難しい場合がある。そのため、打音器12を用いることで、投入された容器単体の音を発生させ、これを収音することができるようになり、容器の素材の判別精度を向上させることができる。
【0021】
収音部13は、打音器12が容器に打撃を与えたことにより生じる音を収音して音信号を生成する。収音部13は、例えば、マイクロフォンである。
収音部13は、回収装置1の内周側であって、打音器12が設けられた位置の近傍に設けられる。
【0022】
投入検出部14は、投入口10の近傍に設けられ、投入口10から容器が投入されたことを検出する。
投入検出部14は、例えば超音波センサであり、投入口10の径方向の一方側から、投入口10の径方向の中心を通るようにして超音波を出射し、その反射波を受信する。投入検出部14は、超音波を出射してから反射波が受信されるまでの時間を計測することで、容器が投入されたか否かを検出する。投入検出部14は、計測された時間が、容器が投入されていない場合における計測時間よりも短い計測時間が得られた場合に、容器が投入されたことを検出する。
投入検出部14は、容器が投入されたことを検出し、投入個数をカウントし、そのカウント結果を出力することもできる。
【0023】
バーコードリーダ15は、投入口10から収容部20までの経路を通過する容器からバーコードを読み取る。
バーコードリーダ15は、1台設けられてもよい。また、バーコードリーダ15は、投入口10から収容部20までの経路の周方向に沿って複数設けられてもよい。これにより、容器が投入口10から投入される際に、容器のバーコードが搬送経路の周方向におけるいずれの向きにあったとしても、バーコードリーダ15が当該容器のバーコードを読み取ることができる。バーコードリーダ15を複数設ける場合、搬送経路の周方向に沿って等間隔に設けることで、読み取り範囲に偏りがないようにすることができる。例えば、バーコードリーダ15は4台または8台設けられる。これにより、バーコードリーダの読み取り範囲の特性にもよるが、バーコードの読み取り漏れがないようにすることができる。
このバーコードリーダ15は、搬送経路に沿って、投入検出部14よりも後段(投入口10から離れる方向)に設けられるが、投入検出部14よりも前段側に設けられてもよい。
【0024】
撮像部16は、投入口10から投入される容器が収容部20に収容されるまでの間に、容器の外面を撮像する。
撮像部16は、例えば、搬送経路において、ガイド部材11よりも後段に設けられ、ハンマー部12aに当接した後であって、収容部20に収容される前(落下途中)の容器を撮影する。
撮像部16は、容器を撮像することによって、容器の外観に基づく容器の状態を把握することが可能となる。容器の状態としては、容器のキャップが取り付けられているか外されているか、容器のラベル(フィルム)が取り付けられているか外されているか等の状態を把握することが可能となる。また、容器が透明である場合には、容器に飲料等の内容物があるか否かを把握することも可能である。
この撮像部16は、搬送経路に沿って、投入検出部14よりも後段(投入口10から離れる方向)に設けられるが、投入検出部14よりも前段側に設けられてもよい。
また、撮像部16は、1台のみ設置されてもよいし、複数台設置されてもよい。撮像部16が複数台設置される場合、搬送される容器を上方から撮像可能な位置と、下方から撮像する位置とのそれぞれに1台ずつ設けるようにしてもよいし、搬送される容器の周方向にそって3台以上設けられるようにしてもよい。
【0025】
蓄積量検出部17は、収容部20に収容された容器の蓄積量を検出する。
蓄積量検出部17として、例えば、超音波センサが用いられる。蓄積量検出部17は、収容部20の上部の内周側に設けられる。より具体的に、蓄積量検出部17は、収容装置1の上部カバーの下面であって、水平方向における略中央に設けられる。これにより、蓄積量検出部17は、収容部20の上方側から俯瞰するような位置から、収容部20の内周側において、収容部20の底面方向の距離を測定することで、容器の蓄積量(収容部20の底面からどの程度の高さまで容器が蓄積されているか)を検出する。例えば、蓄積量検出部17は、底面方向の距離が長いほど、収容部20に蓄積された容器の量が少ないと検出し、底面方向の距離が短いほど、収容部20に蓄積された容器の量が多いと検出する。例えば、蓄積量検出部17は、収容部20に蓄積された少なくとも1つの容器である容器群40の上面側までの距離を測定することができる。蓄積量検出部17の検出結果は、収容部20に容器群40が蓄積されていない場合には、最も距離が長く、収容部20に容器群40が蓄積され容器群40の高さが高くなるほど、距離が短い。
蓄積量検出部17は、超音波センサではなく、重量センサであってもよい。蓄積量検出部17として、重量センサを用いる場合、重量センサは、収容部20の底部に設けられ、収容部20に収容された容器の重さを検出する。この場合、蓄積量検出部17は、検出された重さが重いほど、収容部20に蓄積された容器の量が多いと検出し、検出された重さが軽いほど、収容部20に蓄積された容器の量が少ないと検出する。
【0026】
制御ユニット18は、回収装置1の内周側において、いずれかの位置に設けられる。制御ユニット18は、収音部13、投入検出部14、バーコードリーダ15、撮像部16、蓄積量検出部17に対して、無線または有線によって通信可能に接続される。
【0027】
図3は、回収装置1の機能を表す概略機能ブロック図である。この図では、回収装置1のうち、電気信号のやり取りを行われる機能について図示されている。
この図において、回収装置1は、収音部13、投入検出部14、バーコードリーダ15、撮像部16、蓄積量検出部17、制御ユニット18がバス19を介して接続されており、信号の送受信が可能である。
収音部13は、収音した音に応じた音信号を制御ユニット18に出力する。
投入検出部14は、投入口10から容器が投入されたか否かを検出した検出結果を制御ユニット18に出力する。
バーコードリーダ15は、読み取り結果に基づいて、容器から読み取ったバーコードに応じたバーコードデータを制御ユニット18に出力する。
撮像部16は、撮像結果を表す画像データを制御ユニット18に出力する。撮像部16は、予め定められたフレームレートに従って撮像をし、投入検出部14によって容器の投入が検知された時刻よりも後の一定期間において撮像された画像データ(フレーム)を取り込み、制御ユニット18に出力するようにしてもよい。また、撮像部16は、画像データ(フレーム)が得られる毎に制御ユニット18に出力し、制御ユニット18の制御部186は、容器が撮像されたフレームを抽出し、評価部185に出力するようにしてもよい。
蓄積量検出部17は、蓄積量を検出した検出結果を制御ユニット18に出力する。
【0028】
制御ユニット18は、通信部181、記憶部182、素材判別部183、商品情報取得部184、評価部185、制御部186、出力部187を有する。
通信部181は、収音部13、投入検出部14、バーコードリーダ15、撮像部16、蓄積量検出部17と通信する。
また、通信部181は、回収装置1の外部の機器と通信を行う。この外部の機器としては、ネットワークを介して接続される各種機器であり、例えば、サーバ装置、スマートフォン等のコンピュータである。サーバ装置は、クラウドサーバであってもよい。ネットワークは、インターネット、LAN(Local Area Network)等を用いることができる。また、通信部181は、外部の機器と無線または有線によって通信可能に接続されてもよいし、有線と無線の組み合わせによって通信可能に接続されてもよい。通信部181は、外部の機器と通信をする場合の通信規格としては、LTE(Long Term Evolution)、4G、5G、wi-fi(登録商標)等のいずれかを用いてもよい。
記憶部182は、各種データを記憶する。例えば、記憶部182は、素材別音データ記憶部1821、商品データ記憶部1822、評価基準データ記憶部1823を有する。
記憶部182は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
この記憶部182は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。
【0029】
素材別音データ記憶部1821は、容器の素材に応じた音特性データを記憶する。
図4は、素材別音データ記憶部1821に記憶されるデータの一例を示す図である。素材別音データ記憶部1821は、素材名と音特性データとを対応づけて記憶する。素材名は、容器の素材として用いられる素材の名称を表す。素材名は、例えば、ペットボトル、アルミ缶、スチール缶等がある。音特性データは、打音器12によって容器に打撃が与えられた場合に発生する音の特徴を表すデータである。音特性データは、例えば、容器に打撃が与えられたときに発生する音の音信号であってもよいし、音信号について周波数分析をし、その分析された周波数成分のうち、素材毎に異なる周波数成分を表す周波数データであってもよい。周波数データは、容器の異なる素材毎にそれぞれ予め打音器12によって発生された音を収音し、その収音された音信号を周波数分析し、特徴的な周波数成分を特定し、周波数データとして素材別音データ記憶部1821に記憶される。
例えば、ハンマー部12aの素材や形状等によって得られる音信号は異なるが、打音器12によってペットボトルから得られた音信号の周波数分析を行った場合、周波数f1(例えば、800Hz付近)の信号強度が他の帯域よりも強く、アルミ缶から得られた音信号の周波数分析を行った場合、周波数f2(例えば、3300Hz付近)の信号強度が他の帯域よりも強く、スチール缶から得られた音信号の周波数分析を行った場合、周波数f3(例えば、2200Hz付近)の信号強度が他の帯域よりも強い結果が得られた。このように、音信号に含まれる周波数成分によって、素材を識別することが可能である。
【0030】
商品データ記憶部1822は、バーコードデータと商品情報とを含む商品データを記憶する。
図5は、商品データの一例を示す図である。
商品データは、バーコードデータと商品情報とが対応づけられたデータである。
バーコードデータは、異なる商品にそれぞれ個別に割り当てられた識別情報である。この識別情報は、商品に付される場合に、一次元バーコードとして表現されてフィルムに印刷されて容器にラベルとして付帯されたり、あるいは、容器に直接印刷されることで付帯される。
商品情報は、商品に関する情報であり、例えば、容器に入れられた飲料の商品に関する情報である。より具体的に、商品情報は、JAN(Japanese Article Number)コード(バーコードの識別情報に相当)、飲料の名称(製品名等)、製造メーカー、容器の素材、内容量等を含む。
【0031】
評価基準データ記憶部1823は、評価基準データを記憶する。評価基準データは、評価項目と評価レベルとが対応付けられたデータである。
図6は、評価基準データ記憶部1823に記憶される評価基準データの一例を示す図である。
評価項目は、素材名、ラベル、キャップ等がある。素材名は、ペットボトル、アルミ缶、スチール缶等がある。「ラベル」の項目には、容器にラベル(フィルム)が取り付けられた状態を示す「有り」、ラベル(フィルム)が取り外された状態または、ラベルとしてのフィルムがなく容器そのものにラベルが印刷されたタイプを示す「無し」の状態がある。「キャップ」の項目には、容器にキャップが取り付けられた状態を示す「有り」、キャップが取り外された状態または、プルタブなどのキャップがないタイプを示す「無し」の状態がある。
評価項目は、これら以外に、内容物の有無、汚れの度合い、容器のつぶれ度合い等を用いてもよい。
評価レベルは、容器を資源として用いる場合の価値の高さを表す。評価レベルは、複数のレベルがあり、例えば、2種類の評価項目「ラベル」と「キャップ」とを用いる場合、「A」から「D」の4種類に分けることができ、「A」の評価レベルが最も高く、「D」の評価レベルが最も低くなるような順に設定されている。また、さらに素材毎に評価レベルを分けるようにしてもよい。ここでは、素材名「ペットボトル」について、「ラベル」が「有り」であって、「キャップ」が「有り」の場合の評価レベルは「D1」であり、「ラベル」が「無し」であって、「キャップ」が「無し」の場合の評価レベルは「A1」である。この場合、「A1」の評価レベルが最も高く、「D1」の評価レベルが最も低くなるような順に設定されている。
また、素材によっては、評価レベルが異なるようにしてもよい。例えば、アルミ缶の評価レベル「A2」は、スチール缶の評価レベル「A3」よりも高いレベルであるように設定してもよい。素材によっては、リサイクルする際に、リサイクル業者に買い取りしてもらう際の買い取り価格が異なるため、買い取り価格に応じた評価レベルを設定するようにしてもよい。
【0032】
素材判別部183は、収音部13から得られる音信号に基づいて、容器の素材を推定する。素材判別部183は、投入検出部14によって容器の投入が検知された時刻よりも後の一定期間において得られる音信号に基づいて、素材を推定する。
素材判別部183は、収音部13から得られる音信号を周波数分析し、素材別音データ記憶部1821に記憶された音特性データの素材毎に、分析結果が一致するか否かを判定し、一致度合いが最も高い音特性データを特定し、その特定された音特性データに対応する素材名を読み出すことで、容器の素材を推定する。
【0033】
商品情報取得部184は、バーコードリーダ15の読み取り結果に基づいて、バーコードに対応する商品情報を取得する。例えば、商品情報取得部184は、バーコードリーダ15から得られたバーコードデータに対応する商品情報を、商品データ記憶部1822を参照して読み出すことで取得する。
【0034】
評価部185は、撮像部16から得られる撮像結果に基づいて、容器を資源として用いる場合の価値を表す評価レベルを生成する。資源として用いる場合の価値は、リサイクルのし易さ、容器をリサイクルする原料としての価値等があり、少なくともこれらの1つの項目に基づいて定められる。
評価部185は、撮像部16が取り込んだ画像データに基づいて、評価レベルを生成する。評価部185は、画像データを解析する画像解析機能を有しており、画像解析処理をすることによって、商品名、ラベルの有無、キャップの有無などの解析結果を得る。
評価部185は、商品名について、例えば、容器の外周に印刷された文字列をOCR(Optical character recognition)処理することで、商品名、製造メーカー等を表す文字列を抽出する。また、評価部185は、画像解析処理をすることで、バーコードに該当する画像を抽出する。
評価部185は、画像解析処理をすることによって、容器の外観形状に基づいて、ラベルの有無、キャップの有無を判定する。ここでは、画像データを解析することで、ラベルの有無、キャップの有無を判定してもよいし、学習済みモデルを用いて、ラベルの有無、キャップの有無、また、素材の判別を行うようにしてもよい。
学習済みモデルを用いる場合、各種容器について、キャップの有無、ラベル(フィルム)の有無、素材の種類を表すラベルデータと、容器の外観が撮像された画像データ、評価レベルとの組み合わせを教師データとしてコンピュータ(学習装置)によって学習し、学習済みモデルを予め生成し、この学習済みモデルを評価部185内に記憶しておく。この学習は、機械学習であってもよいし、ディープラーニングによる学習であってもよい。
なお、評価部185が画像解析処理をする機能を有する場合について説明するが、画像解析処理機能を評価部185とは別の独立したモジュールとして構成し、画像解析処理モジュールにおいて解析された結果を評価部185が取得するようにしてもよい。
【0035】
制御部186は、制御ユニット18の各部を制御する。
制御部186は、容器が投入されたことを表す検出結果を投入検出部14から得られたことに応じて、容器の投入個数をカウントし、カウント結果を容器データとして出力部187に出力する。
制御部186は、蓄積量検出部17の検出結果が、予め決められた基準となる蓄積量あまで到達した場合に、予め定められた通知先に、蓄積量が一定まで到達したことを示す通知を、回収装置1に割り当てられた識別情報ともに、通信部181を介して送信する。この通知は、例えば、電子メールが用いられる。通知先は、回収装置1を管理する管理会社が利用する端末装置であってもよいし、回収装置1を巡回して容器を回収する回収業者の端末装置であってもよい。このような通知を送信することで、回収効率を向上させることができる。
【0036】
出力部187は、制御ユニット18内において用いられた各種データを、通信部181を介して外部の機器に容器データとして送信する。制御ユニット18には、複数の回収装置1を識別するための識別IDが予め付与されている。そのため、出力部187は、容器データを識別IDとともに送信する。これによりいずれの回収装置1から送信された容器データであるかを識別できるようになっている。
例えば、出力部187は、生成された音信号に基づく容器データを外部に出力する。この場合における容器データは、音信号そのものであってもよいし、音信号について周波数分析をした結果である周波数成分を示すデータであってもよいし、素材判別部183によって音信号に基づいて推定された素材を示すデータであってもよい。音信号または周波数成分を示すデータを外部の機器に送信することで、外部の機器において、音信号または周波数成分を示すデータに基づいて素材を特定するようにしてもよい。
【0037】
出力部187は、撮像された画像データに基づく容器データを外部に出力する。画像データに基づく容器データは、撮像部16によって容器の外観が撮像された画像データであってもよいし、画像データに基づいて評価部185によって評価された評価レベルであってもよい。画像データを外部の機器に送信することで、外部の機器が、画像データに基づいて評価レベルを推定するようにしてもよい。
【0038】
出力部187は、バーコードの読み取り結果に基づく容器データを外部に出力する。バーコードの読み取り結果は、バーコードリーダ15によって容器から読み取られたバーコードデータであってもよいし、バーコードデータに基づいて商品情報取得部184によって得られた商品情報であってもよい。バーコードデータを外部の機器に送信することで、外部の機器が、バーコードデータに基づいて商品情報を取得するようにしてもよい。
【0039】
出力部187は、投入検出部14から得られる、容器が投入されたことを表す検出結果に基づく容器データとして外部に出力する。容器が投入されたことを表す検出結果に基づく容器データは、投入検出部14によって、容器が投入されたことを表す検出結果そのものであってもよいし、容器が投入されたことを表す検出結果に基づいて、制御部186によってカウントされた容器の投入個数であってもよい。容器が投入されたことを表す検出結果を外部の機器に送信することで、外部の機器が、投入個数をカウントするようにしてもよい。
【0040】
出力部187は、音信号に基づく容器データ、画像データに基づく容器データ、バーコードの読み取り結果に基づく容器データについて、それぞれ、各部から得られた段階で、個別に送信してもよいし、同一の容器から得られたデータである場合には、これらのデータを1つのレコードとしてまとめて容器データとして送信するようにしてもよい。容器データを一つのレコードに纏めずに、個別に外部の機器に送信した場合であっても、容器データとともに送信される識別IDと、送信時刻または、受信時刻に基づいて、同じ容器から得られた容器データであることを把握できる。ここでは、送信時刻または受信時刻が一定時間以内であれば、同じ容器であると推定することができる。
出力部187は、1つの容器から得られた容器データを都度外部の機器に送信してもよいし、定期的に、取り纏めて送信してもよい。
【0041】
なお、制御ユニット18において、通信部181、素材判別部183、商品情報取得部184、評価部185、制御部186、出力部187は、例えばCPU(中央処理装置)等の処理装置若しくは専用の電子回路で構成されてよい。
【0042】
図7は、回収システムSの概略の構成を表すシステム構成図である。
改修システムSは、少なくとも1つの回収装置1(回収装置1Aと回収装置1B)とサーバ装置300と、端末装置400とがネットワークNWを介して通信可能に接続される。回収装置1は、3台以上であってもよい。サーバ装置300は、1台のコンピュータであってもよいし、クラウド上に構成されたクラウドサーバであってもよい。端末装置400は、2台以上であってもよい。
【0043】
図8は、回収装置1の各部の動作を説明するフローチャートである。
制御ユニット18において、制御部186は、投入検出部14から得られる検出結果に基づいて、容器が投入されたか否かを判定する(ステップS101)。制御部186は、投入検出部14から、容器が投入されたことを表す検出結果が得られた場合には、容器が投入されたと判定し(ステップS101-YES)、処理をステップS102に進め、容器が投入されたことを表す検出結果が得られていない場合には、容器が投入されていないと判定し(ステップS101-NO)、一定のウエイト時間が経過した後、再度、ステップS101を実行する。
【0044】
制御部186は、容器の投入が検出されると、バーコードリーダ15に、バーコードの読み取り処理を行わせる。バーコードリーダ15は、容器からバーコードを読み取り、読み取り結果に応じたバーコードデータを商品情報取得部184に出力する。ここでは、容器が投入され、ガイド部材11の上を滑るように搬送される途中の段階において、バーコードリーダ15が、容器からバーコードを読み取る。商品情報取得部184は、バーコードリーダ15から、バーコードデータを取得すると、バーコードデータに応じた商品情報を、商品データ記憶部1822から読み出す(ステップS102)。
【0045】
次に制御部186は、容器の投入が検出されたことに応じたタイミングに基づいて、素材判別部183に素材の判別処理を指示する。素材判別部183は、判別処理の指示を受けると、収音部13によって収音されたことに応じて生成される音信号を取得し、周波数分析を行い、分析結果に応じた素材名を素材別音データ記憶部1821から読み出すことで、素材データを生成する(ステップS103)。ここでは、容器がガイド部材11から収容部20に落下する際に、打音器12によって容器に打撃が与えられ、この打撃によって生じる音が、収音部13によって収音され、音信号が生成される。
【0046】
次に、制御部186は、容器の投入が検出されたことに応じたタイミングに基づいて、評価部185に、評価レベルの生成を指示する。評価部185は、評価レベル生成の指示を受けると、撮像部16によって撮像された画像データを取り込み、取り込まれた画像データの画像解析をし、容器の外観に基づいて、ラベルに印字された商品名等に応じた素材を推定し、キャップの有無、ラベルの有無を推定する。そして、評価部185は、推定された素材、キャップの有無、ラベルの有無に基づいて、評価基準データ記憶部1823から読み出す(ステップS104)。ここでは、容器がガイド部材11から収容部20に落下する際に、撮像部16によって容器の外観が撮像され、画像データが生成される。
【0047】
次に、制御部186は、容器の投入が検出されたことに応じたタイミングに基づいて、蓄積量検出部17によって検出された蓄積量を取得する(ステップS105)。
【0048】
次に、制御部186は、バーコードの読み取り結果に基づく商品情報、音信号に基づく素材データ、画像データに基づく評価レベル、蓄積量検出部17から得られる蓄積量を容器データとし(ステップS106)、出力部187によって、通信部181を介して外部の機器へ送信する(ステップS107)。このとき、制御部186は、蓄積量が規定値に到達しているか否かを判定し、規定値に到達している場合に、予め決められた通知先の端末装置に、通知を送信してもよい。
その後、制御部186は、処理を終了するか否かを判定し(ステップS108)、処理を終了する指示を外部の機器等から得られていない場合には(ステップS108-NO)、処理をステップS101に移行し、処理を終了する指示を外部の機器等から得られた場合には(ステップS108-YES)、処理を終了する。
【0049】
図9は、回収装置1から外部の機器に送信された容器データの一例を示す図である。
この容器データには、日時、JANコード、製品名、メーカー、素材判別A、素材判別B、蓄積量(本数)、蓄積量(蓄積レベル)、場所、評価レベルの項目が含まれる。
日時は、容器データの送信時刻を表す。JANコードはバーコードリーダ15によって読み取られたバーコードデータを表す、製品名はバーコードデータに基づいて得られた商品情報に含まれる製品名を表す。メーカーはバーコードデータに基づいて得られた商品情報に含まれる製品名を表す。素材判別Aは、バーコードデータに基づいて得られた商品情報に含まれる素材名を表す。素材判別Bは、音信号に基づいて得られる素材データを表す。蓄積量(本数)は投入検出部14によって検出された容器のカウント結果である本数を表す。蓄積量(蓄積レベル)は、蓄積量検出部17によって検出された蓄積量を表す。場所は、回収装置1が設置された場所を表す。ここでは、回収装置1に割り当てられた識別IDと、回収装置1が設置された拠点の名称とが対応付けられた拠点データを参照することで、場所を割り出すことが可能である。評価レベルは、画像データに基づいて評価部185によって得られた評価レベルを表す。
このような容器データが、外部の機器の記憶装置に記憶される。また、このような容器データは、外部の機器の表示画面に表示されてもよい。
【0050】
ここで、容器からラベルが取り外された状態で回収装置1に投入された場合、バーコードがラベルに印刷されていた場合には、バーコードリーダ15によってバーコードを読み取ることができない。このような場合であっても、打音器12によって容器から音を発生させ、音信号に基づいて、素材を判別し、容器データとして得ることができる。また、ラベルが取り外されていても、容器の形状によっては商品名が容器の外面に凹凸形状によって表されていたり、外観の意匠によっては商品固有の意匠である場合もある。このような場合には、画像データから商品を特定することができる場合がある。そのため、バーコードリーダ15によってバーコードを読み取ることができない場合であっても、商品を特定し、その商品の容器の素材が何であるかを特定することができる。
また、音信号に基づく素材データの判別、バーコードリーダ15によって容器から読み取ったバーコードに基づく商品データからの素材の特定、画像データに基づく素材の特定、のうち、いずれか2つ以上から素材を特定するデータが得られる場合には、それらのデータを突合することで、判別された素材が正しいか否かの確認をすることができ、素材の判別精度を向上させることができる。
【0051】
図10は、回収装置1の他の実施形態に基づく回収システムSの動作を説明するフローチャートである。上述の実施形態においては、評価部185が、評価レベルを判定する場合について説明したが、評価部185が評価レベルを求めるのではなく、制御部186が画像データを外部の機器(例えばサーバ装置300)に送信し、外部機器が評価レベルを判定する場合について説明する。
回収装置1において、容器の投入が検出されると(ステップS201)、制御部186は、投入された容器が撮像部16によって撮像された画像データを取り込み(ステップS202)、出力部187によって、通信部181を介してサーバ装置300に送信する(ステップS203)。
【0052】
サーバ装置300は、各種容器について、キャップの有無、ラベル(フィルム)の有無、素材の種類を表すラベルデータと、容器の外観が撮像された画像データ、評価レベルとの組み合わせを教師データとして学習し、学習済みモデルを予め生成し、この学習済みモデルを記憶しておく(ステップS251)。この学習は、機械学習であってもよいし、ディープラーニングによる学習であってもよい。
サーバ装置300は、回収装置1から画像データを受信すると、画像データを学習済みモデルに入力することで、素材の種別、キャップの有無、ラベルの有無に応じた容器の状態を判別し(ステップS252)、学習済みモデルから得られる評価レベルを得る(ステップS253)。
【0053】
この実施形態によれば、評価レベルを回収装置1ではなく、サーバ装置300が行うようにしたので、回収装置1における制御ユニット18において、画像処理をしたり、評価レベルの判定を行うことがなくなるため、制御ユニット18の構成を簡略化することができる。
【0054】
図11は、打音器12の設置位置の第2の実施形態を示す図である。図11は、回収装置1の上部において投入口10を通る位置であって垂直方向における断面を表す断面図である。ここでは、図の簡略化のために、図2において図示されていた各部のうち、ガイド部材11、打音器12(ここで打音器12A)、収音部13以外の構成については、図示を省略している。
この図において、打音器12Aは、打音器12と概ね同様の構造であるが、設置位置が異なる。打音器12Aのアーム部12b1の一方の端部は、ガイド部材11ではなく、回収装置1の上部カバー1bの下部(収容部20に近い位置)に取り付けられる。アーム部12b1のもう一方の端部は、ハンマー部12a1に取り付けられる。アーム部12b1は、容器Cがガイド部材11から落下する際の軌道上であって、容器Cの底部に当接するようにハンマー部12a1が位置するように支持する。この場合、打音器12Aをガイド部材11に取り付けなくてもよいため、回収装置1の内部形状等によっては、上部カバー1bに取り付けることができる。そのため回収装置1において打音器12(打音器12A)を配置する設計の自由度が向上する。
【0055】
図12は、打音器12の設置位置の第3の実施形態を示す図である。図12は、回収装置1の上部において投入口10を通る位置であって垂直方向における断面を表す断面図である。ここでは、図の簡略化のために、図2において図示されていた各部のうち、ガイド部材11、打音器12(ここで打音器12A)、収音部13以外の構成については、図示を省略している。
この図において、打音器12Bは、打音器12と概ね同様の構造であるが、設置位置が異なる。打音器12Bのアーム部12b2の一方の端部は、ガイド部材11ではなく、回収装置1の上部カバー1bの底部におけるガイド部材11に対向する面に取り付けられる。アーム部12b2のもう一方の端部は、ハンマー部12a2に取り付けられる。アーム部12b2は、容器Cがガイド部材11から落下する際の軌道上であって、容器Cの底部に当接するようにハンマー部12a1が位置するように支持する。容器Cがガイド部材11から落下する際、容器Cの底部は、ハンマー部12a2に当接し、その際に音が発生する。容器Cは、ガイド部材11の傾斜に沿って搬送され、ハンマー部12a2を乗り越えるようにして進み、収容部20に落下する。ここで、容器Cがハンマー部12a2に当接した際に音を発生させることができ、かつ、容器Cをガイド部材11から収容部20に落下させることができれば、弾性変形することなく姿勢を維持するような素材が用いられていてもよいし、弾性変形する素材が用いられてもよい。
この場合、打音器12Bをガイド部材11に取り付けなくてもよいため、打音器12(打音器12B)を配置する設計の自由度が向上する。
【0056】
以上説明した実施形態において、評価部185は、撮像部16から得られる画像データに基づいて評価レベルを得る場合について説明したが、評価部185が、収音部13から音信号を取得し、その音信号に基づいて、容器が空であるか、内容物が入っているかに基づく評価項目も含めて、評価レベルを求めるようにしてもよい。例えば、容器が空である場合と、内容物が残っている場合とにおいては、音信号に含まれる周波数成分が異なるため、評価部185が、この周波数成分に基づいて、容器が空であるか、内容物が残留しているかを判別し、空である場合に評価レベルを高くし、内容物がある場合に評価レベルを低くするようにしてもよい。
【0057】
以上説明した容器は、ペットボトル、アルミ缶、スチール缶等である場合について説明したが、びん、紙容器等であってもよい。
【0058】
以上説明した実施形態によれば、回収装置1は、各種データを外部の機器に送信するようにしたので、例えば、外部機器が、蓄積量の時間変化に基づいて、蓄積量の基準値(規定量)に到達するタイミング(3時間後に規定量に達する、2日後に規定量に達する等)を予測することができる。これにより、予測結果に基づいて、回収装置1を巡回するタイミングを計画し、容器を回収することができ、回収効率を向上させることができる。
【0059】
以上説明した実施形態によれば、回収装置1に投入された容器の量を個数または蓄積量として数値化することができ、また、回収装置1において蓄積可能な量の最大値までの残量を数値化することができる。これにより、回収担当者が、回収装置1が設置された各拠点を巡回して容器を回収する際にある程度の蓄積量まで蓄積された回収装置1を巡回することができる。これにより、蓄積量がほとんどない回収装置1を巡回してしまうことを回避することができ、回収効率を向上させることができる。
また、上述した回収装置1によれば、商品データ、素材データ、資源の評価レベルを得ることができるため、容器を資源として再利用する価値の向上を見込める。
【0060】
また、上述した実施形態において、投入された容器毎に素材を判別するとともに評価レベルを得ることができる。そのため、袋25が収容部20に取り付けられた時点から、回収される時点までの容器データを集計することで、回収される袋25毎に、その袋25の中に、どのような種別の素材の容器がどの程度の量が蓄積されているかを把握することができ、また、その袋25に収容された容器毎の評価レベルを集計することで、袋25に蓄積された各容器を総合的に考慮し、袋25の単位で集計された集計評価レベルを得ることができる。これにより、袋25の単位で、リサイクルのし易さや、容器をリサイクルする原料としての価値等を把握することができる。
【0061】
上述した実施形態における制御ユニット18をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0062】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0063】
1,1A,1B…回収装置、1a…扉、1b…上部カバー、10…投入口、11…ガイド部材、12,12A,12B…打音器、12a,12a1,12a2…ハンマー部、12b,12b1,12a2…アーム部、13…収音部、14…投入検出部、15…バーコードリーダ、16…撮像部、17…蓄積量検出部、18…制御ユニット、19…バス、20…収容部、25…袋、30…収容枠、30a…開口部、40…容器群、181…通信部、182…記憶部、183…素材判別部、184…商品情報取得部、185…評価部、186…制御部、187…出力部、300…サーバ装置、400…端末装置、1821…素材別音データ記憶部、1822…商品データ記憶部、1823…評価基準データ記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12