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特開2023-168106情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168106
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20230101AFI20231116BHJP
【FI】
G06Q30/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079760
(22)【出願日】2022-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】515236503
【氏名又は名称】ベジタブルテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 真宏
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB01
(57)【要約】
【課題】青果物の販売についての処理を行う情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、第1ユーザから青果物の価値に関する価値情報を受け付ける受付部と、受付部によって受け付けた価値情報に対応する青果物についての、第1ユーザとは異なる第2ユーザに対する売買を制御する売買制御部と、売買制御部によって制御に基づいて青果物が第2ユーザに買われた場合、その第2ユーザに対してトークンを発行する発行制御部と、売買制御部によって制御される青果物の売買内容、及び、発行制御部によって発行されるトークンの発行内容のうち少なくとも一方の取引記録を記憶する記憶部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ユーザから青果物の価値に関する価値情報を受け付ける受付部と、
前記受付部によって受け付けた価値情報に対応する青果物についての、第1ユーザとは異なる第2ユーザに対する売買を制御する売買制御部と、
前記売買制御部によって制御に基づいて青果物が第2ユーザに買われた場合、当該第2ユーザに対してトークンを発行する発行制御部と、
前記売買制御部によって制御される青果物の売買内容、及び、前記発行制御部によって発行されるトークンの発行内容のうち少なくとも一方の取引記録を記憶する記憶部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記売買制御部は、単位重さに対する価格を1単位として青果物の売買を制御し、
前記発行制御部は、前記売買制御部によって売買が制御される青果物の単位数に応じて発行するトークン量を制御する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記売買制御部は、売買を制御する際に、1つの価値情報に応じた青果物を買う第2ユーザの数が相対的に多い場合には、当該青果物の価格をより高く設定し、前記青果物を買う第2ユーザの数が相対的に少ない場合には、前記青果物の価格をより低く設定する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記発行制御部は、第2ユーザによって購入された青果物が当該第2ユーザに届いた場合、前記第2ユーザに対して発行されたトークンを失効させるよう制御する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記売買制御部は、前記発行制御部によって発行されたトークンを、複数の第2ユーザ間で売買するよう制御する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記売買制御部は、青果物が第2ユーザによって売買される場合の売買価格を出力するよう制御する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記売買制御部は、青果物が第2ユーザに買われた際の価格の少なくとも一部に応じた金銭情報を第1ユーザに提供するよう制御する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが、
第1ユーザから青果物の価値に関する価値情報を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップによって受け付けた価値情報に対応する青果物についての、第1ユーザとは異なる第2ユーザに対する売買を制御する売買制御ステップと、
前記売買制御ステップによって制御に基づいて青果物が第2ユーザに買われた場合、当該第2ユーザに対してトークンを発行する発行制御ステップと、
前記売買制御ステップによって制御される青果物の売買内容、及び、前記発行制御ステップによって発行されるトークンの発行内容のうち少なくとも一方の取引記録を記憶部に記憶する記憶ステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
第1ユーザから青果物の価値に関する価値情報を受け付ける受付機能と、
前記受付機能によって受け付けた価値情報に対応する青果物についての、第1ユーザとは異なる第2ユーザに対する売買を制御する売買制御機能と、
前記売買制御機能によって制御に基づいて青果物が第2ユーザに買われた場合、当該第2ユーザに対してトークンを発行する発行制御機能と、
前記売買制御機能によって制御される青果物の売買内容、及び、前記発行制御機能によって発行されるトークンの発行内容のうち少なくとも一方の取引記録を記憶する記憶機能と、
を実現させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ウイスキーの熟成を早めるための加工度に応じて価格を算出し、その価格をブロックチェーンに含めて証券化するウイスキーの販売方法がある(特許文献1参照)。その販売方法は、ウイスキーの熟成度を、樽年数で除算して得る加工係数と、所定の単位価格及び追加価格とに基づいて、ウイスキーの価格を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-189881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、青果物等については、青果市場において取扱専門業者が青果物を査定して、その青果物の価格が設定される場合がある。そのような青果物の価値を市場で決める方法では、消費者がより求める青果物であっても市場での価格が相対的に低く抑えられ、生産者は自身の労力等にかかわらず十分な収入を得ることができないおそれがあった。すなわち、生産者は、より多くの消費者が青果物を求める場合には、その青果物の価格をより高くして青果物の価値を高め、自身の収入もより多く得ることを望む場合があった。
特許文献1に記載される販売方法は、所定の算出式に基づいてウイスキーの価格を算出しているため、需要に応じてウイスキーの価格を変動させることができず、青果物の売買については適用できない可能性ある。
【0005】
本開示は、青果物の販売についての処理を行う情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様の情報処理装置は、第1ユーザから青果物の価値に関する価値情報を受け付ける受付部と、受付部によって受け付けた価値情報に対応する青果物についての、第1ユーザとは異なる第2ユーザに対する売買を制御する売買制御部と、売買制御部によって制御に基づいて青果物が第2ユーザに買われた場合、その第2ユーザに対してトークンを発行する発行制御部と、売買制御部によって制御される青果物の売買内容、及び、発行制御部によって発行されるトークンの発行内容のうち少なくとも一方の取引記録を記憶する記憶部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
一態様によれば、第1ユーザから受け付ける価値情報に対応する青果物についての、第2ユーザに対する売買を制御し、青果物が第2ユーザに買われた場合、その第2ユーザに対してトークンを発行し、青果物の売買内容及びトークンの発行内容のうち少なくとも一方の取引記録を記憶するので、青果物の販売についての処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る情報処理装置について説明するための図である。
図2】一実施形態に係る情報処理装置について説明するためのブロック図である。
図3】一実施形態に係る情報処理方法について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について説明する。
【0010】
[情報処理装置1の概要]
まず、一実施形態に係る情報処理装置1の概要について説明する。
図1は、一実施形態に係る情報処理装置1について説明するための図である。
【0011】
情報処理装置1は、例えば、青果物に関する取引装置等として構成されてもよい。情報処理装置1は、例えば、青果物に関する販売装置等として構成されてもよい。情報処理装置1は、例えば、青果物の生産者を取引面から支援する支援装置等として構成されてもよい。
情報処理装置1は、上述した一例の装置に限らず、種々の装置等を構成してもよい。
情報処理装置1は、例えば、サーバ、デスクトップ、ラップトップ、タブレット及びスマートフォン等のコンピュータであってもよい。
【0012】
情報処理装置1は、第1ユーザ101から青果物の価値に関する価値情報を受け付ける。第1ユーザ101は、例えば、青果物を生産する生産者等であってもよい。価値情報は、第1ユーザ101が生産する青果物がどれくらいの価値が有るかを示す情報である。青果物の価値は、例えば、青果物を生産する土壌及び環境、青果物の生育状況、並びに、生産方法等に基づいて、第1ユーザ101によって設定されるものであってもよい。
【0013】
情報処理装置1は、価値情報に基づく青果物について、第2ユーザ102への売買を制御する。第2ユーザ102は、例えば、青果物の購入希望者及び青果物の消費者等であってもよい。情報処理装置1は、例えば、第2ユーザ102への青果物の売買として、第2ユーザ102が青果物を購入する権利の販売等をしてもよい。この場合、情報処理装置1は、例えば、青果物を購入する権利をトークンとして発行してもよい。
【0014】
情報処理装置1は、例えば、青果物を購入する権利(青果物購入権(トークン))を、複数の第2ユーザ102間で売買できるようにしてもよい。一例として、情報処理装置1は、一方の第2ユーザ102Aが青果物購入権Bを購入した場合、その後、第2ユーザ102Aから他方の第2ユーザ102Cへの青果物購入権(トークン)Bの売買を可能にしてもよい。この場合、情報処理装置1は、青果物購入権B(B1,B2)が有る場合、第2ユーザ102Aから、一部の青果物購入権(一例として、B2)を第2ユーザ102Cに取引できるようにしてもよい。
【0015】
情報処理装置1は、青果物(例えば、トークン等)の売買内容、及び、トークンの発行内容のうち少なくとも一方を記憶部22に記憶してもよい。ここで、その記憶部22は、例えば、分散型台帳(ブロックチェーン)等であってもよい。
【0016】
[情報処理装置1の詳細]
次に、一実施形態に係る情報処理装置1の詳細に説明する。
図2は、一実施形態に係る情報処理装置1について説明するためのブロック図である。
【0017】
情報処理装置1は、例えば、通信部21、記憶部22、表示部23及び制御部11等を備える。通信部21、記憶部22及び表示部23は、出力部の一実施形態であってもよい。制御部11は、例えば、受付部12、売買制御部13及び発行制御部14等を備える。制御部11は、例えば、情報処理装置1の演算処理装置等によって構成されてもよい。制御部11(例えば、演算処理装置等)は、例えば、記憶部22等に記憶される各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、各部(例えば、受付部12、売買制御部13及び発行制御部14等)の機能を実現してもよい。
【0018】
通信部21は、例えば、情報処理装置1の外部にある装置(外部装置)等との間で種々の情報の送受信が可能な通信インターフェースである。
【0019】
記憶部22は、例えば、種々の情報及びプログラムを記憶してもよい。記憶部22の一例は、メモリ、ソリッドステートドライブ及びハードディスクドライブ等であってもよい。なお、記憶部22は、例えば、クラウド上にある記憶領域及びサーバ等であってもよい。
【0020】
記憶部22は、後述する売買制御部13によって制御される青果物の売買内容、及び、後述する発行制御部14によって発行されるトークンの発行内容のうち少なくとも一方の取引記録を記憶する。取引記録は、例えば、取引の履歴等のログであってもよい。取引記録を記憶する記憶部22と、上述したプログラム等を記憶する記憶部22は、同一の記憶部であってもよく、又は、異なる記憶部であってもよい。取引記録を記憶する記憶部22は、例えば、分散型台帳(ブロックチェーン)等であってもよい。
【0021】
表示部23は、例えば、種々の文字、記号及び画像等を表示することが可能なディスプレイである。
【0022】
受付部12は、第1ユーザ101から青果物の価値に関する価値情報を受け付ける。受付部12は、例えば、第1ユーザ101が使用する第1ユーザ端末(図示せず)から価値情報を受け付けてもよい。又は、受付部12は、例えば、第1ユーザ101が第1ユーザ端末を操作することに基づいて青果物の価値の内容を入力した場合、その入力内容(価値の内容)を受け付けてもよい。本開示の受付部12が価値情報を受け付けることについては、価値の内容を受け付けることも含まれてもよい。この場合、情報処理装置1(例えば、制御部11等)は、受付部12によって受け付けた価値の内容に基づいて価値情報を生成してもよい。
【0023】
価値情報は、第1ユーザ101が生産する青果物がどれくらいの価値が有るかを示す情報である。換言すると、価値情報は、例えば、青果物の価値の内容を示す情報であってもよい。青果物の価値は、例えば、青果物を生産する生産者、青果物を生産する土壌及び環境、青果物の栄養成分、並びに、生産方法(農法)等に基づいて、第1ユーザ101によって設定されるものであってもよい。すなわち、青果物の価値は、例えば、青果物を生産する際の状況に応じてどれくらいその青果物が評価されるか等の指標であってもよい。
【0024】
一例として、青果物の価値は、無農薬栽培及び有機栽培等が行われる場合に、相対的に高く設定されてもよい。また一例として、青果物の価値は、糖度が相対的に高い場合及び希少品種の場合に、相対的に高く設定されてもよい。青果物の価値は、上述した一例に限らず、種々の状況に応じて第1ユーザ101等によって設定されてもよい。
【0025】
第1ユーザ101は、例えば、青果物を生産する生産者等であってもよい。又は、第1ユーザ101は、例えば、青果物の取引を取り扱う専門者等であってもよい。
第1ユーザ端末は、例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレット及びスマートフォン等であってもよい。
【0026】
売買制御部13は、受付部12によって受け付けた価値情報に対応する青果物についての、第1ユーザ101とは異なる第2ユーザ102に対する売買を制御する。売買制御部13は、価値情報に対応する青果物について第2ユーザ102が購入を希望する場合には、その第2ユーザ102に対する売りを制御する。この場合、売買制御部13は、第2ユーザ102が青果物を購入する際の金銭を得た場合、その第2ユーザ102に対して青果物を売ると制御してもよい。すなわち、第2ユーザ102は、青果物を前払い購入し、数日~数か月後に青果物を受け取ることになる。第2ユーザ102は、例えば、青果物の購入希望者及び青果物の消費者等であってもよい。
【0027】
売買制御部13は、例えば、青果物の価値情報(青果価値)を第2ユーザ102が閲覧できるように、その価値情報を出力するよう出力部を制御してもよい。出力部は、例えば、通信部21、記憶部22及び表示部23等であってもよい。
すなわち、売買制御部13は、例えば、価値情報を外部装置(図示せず)に送信するよう通信部21を制御してもよい。外部装置は、例えば、第1ユーザ端末、後述する第2ユーザ端末、第1,2ユーザ端末とは異なる他の端末、及び、サーバ等であってもよい。他の端末は、例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレット及びスマートフォン等であってもよい。
売買制御部13は、例えば、価格情報を記憶するよう記憶部22を制御してもよい。
売買制御部13は、例えば、価値情報に基づく画像等を表示するよう表示部23を制御してもよい。
第2ユーザ端末は、第2ユーザ102が使用する端末等であってもよい。第2ユーザ端末は、例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレット及びスマートフォン等であってもよい。
【0028】
売買制御部13は、単位重さに対する価格を1単位として青果物の売買を制御してもよい。1単位は、例えば、1kg当たりの値段(円/kg)、及び、100g当たりの値段(円/100g)等を単位としてもよい。1単位は、上述した一例に限定されることはなく、上述した一例とは異なる他の重さを基準とする価格であってもよく、青果物の数量を基準とする価格等であってもよく、それら以外の他の基準に対する価格であってもよい。この場合、1単位は、例えば、「1セリ」と言うことも可能である。
【0029】
売買制御部13は、例えば、青果物が第2ユーザ102によって売買される際の売買価格を、リアルタイムで変動させるよう制御してもよく、リアルタイムで変動しないように制御してもよい。売買制御部13は、例えば、売買価格をリアルタイムで変動させる場合、第2ユーザ102からリアルタイムで青果物の購入希望を受け付けてもよい。
【0030】
売買制御部13は、例えば、第2ユーザ102によって後述する第2ユーザ端末(図示せず)が操作されることに基づいて、青果物の分類毎に青果物及びその青果物の売買価格等を絞り込めるよう制御してもよい。売買制御部13は、例えば、複数の第2ユーザ102毎に自身が売買を行う際に利用するページ(マイページ)を通信ネットワーク上で閲覧可能に作成し、第2ユーザ端末から自身のマイページにアクセスすることが可能なようにしてもよい。売買制御部13は、例えば、マイページ上において、青果物の売買取引を可能にしてもよく、また青果物の種類(例えば、銘柄等)及び保有セリ価等を始めとする種々の内容の管理が可能なようにしてもよい。
【0031】
売買制御部13は、売買を制御する際に、1つの価値情報に応じた青果物を買う第2ユーザ102の数が相対的に多い場合には、その青果物の価格をより高く設定してもよい。また、売買制御部13は、青果物を買う第2ユーザ102の数が相対的に少ない場合には、青果物の価格をより低く設定してもよい。売買制御部13は、一例として青果市場及び株式市場等と同様に、ある青果物についてより多くの第2ユーザ102が購入を希望する場合には、その青果物の価値を高めるために取引価格をより高くしてもよい。また、売買制御部13は、例えば、ある青果物についての購入希望者(第2ユーザ102)がより少ない場合には、その青果物をより多く売るために、その青果物の取引価格をより低くしてもよい。
具体的な一例として、売買制御部13は、無農薬栽培及び有機栽培等の青果物は、価格(青果価格)が相対的に高くなり、同時にその青果物の需要がより高くなればその価格(青果価格)が相対的にさらに高くなるよう設定してもよい。
また、一例として、売買制御部13は、各青果物及び各農家等に応じて青果物の価格(セリ価)を設定してもよい。
【0032】
売買制御部13は、後述する発行制御部14によって発行されたトークンを、複数の第2ユーザ102間で売買するよう制御してもよい。一例として、複数の第2ユーザ102として、第2ユーザ102A及び第2ユーザ102Cが居る場合を考える。この場合、売買制御部13は、例えば、後述する発行制御部14によって第2ユーザ102AにトークンBが発行されると、第2ユーザ102Aから第2ユーザ102CへのトークンBの売買が可能なように制御してもよい。さらに、売買制御部13は、例えば、第2ユーザ102Aに複数のトークン(一例として、トークンB1,B2等)が発行される場合、その複数のトークンのうち一部のトークン(一例として、トークンB2等)を第2ユーザ102Aから第2ユーザ102Cへ売買が可能なように制御してもよい。
【0033】
売買制御部13は、青果物が第2ユーザ102によって売買される場合の売買価格を出力するよう出力部を制御してもよい。ここで、出力部は、通信部21、記憶部22及び表示部23等であってもよい。
すなわち、売買制御部13は、例えば、売買価格に関する情報を外部装置(図示せず)に送信するよう通信部21を制御してもよい。外部装置は、例えば、第1ユーザ端末、第2ユーザ端末、第1,2ユーザ端末とは異なる他の端末、及び、サーバ等であってもよい。他の端末は、例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレット及びスマートフォン等であってもよい。
売買制御部13は、例えば、売買価格に関する情報を記憶するよう記憶部22を制御してもよい。
売買制御部13は、例えば、売買価格を表示するよう表示部23を制御してもよい。
【0034】
この場合、売買制御部13は、複数の青果物の平均売買価格(青果平均セリ価)を出力するよう出力部を制御してもよい。複数の青果物の平均売買価格は、例えば、青果物の種類毎、青果物の産地毎、及び、青果物の生産者毎等の平均売買価格であってもよく、それ以外の青果物を種々のグループに分けたそのグループ毎の平均売買価格等であってもよい。
また、売買制御部13は、例えば、価値情報(又は、青果物等)毎に、売買価格、平均売買価格、1日の取引の最高値及び最安値、並びに、1日の取引の始値及び終値等の動きの推移を示すグラフ(チャート)を出力するよう出力部を制御してもよい。
【0035】
売買制御部13は、青果物が第2ユーザ102に買われた際の価格の少なくとも一部に応じた金銭情報を第1ユーザ101に提供するよう制御してもよい。すなわち、売買制御部13は、例えば、第2ユーザ102にトークンを発行するのに応じてその第2ユーザ102から青果物の売買価格の金銭を得た場合、その売買価格の少なくとも一部の金銭を第1ユーザ101に提供してもよい。売買価格は、例えば、青果物の価値及び第2ユーザ102に対するトークンの発行量に応じた価格であってもよい。金銭は、例えば、現金、電子マネー及び仮想通貨等を始めとする種々の金銭的な価値を有するものであってもよい。金銭情報は、例えば、上述した金銭に関する情報であってもよい。
【0036】
発行制御部14は、売買制御部13によって制御に基づいて青果物が第2ユーザ102に買われた場合、その第2ユーザ102に対してトークンを発行する。トークンは、例えば、第2ユーザ102が青果物を購入する権利等であってもよい。また、トークンは、例えば、ブロックチェーン技術を利用して発行された権利等であってもよい。発行制御部14は、例えば、青果物の生産が終わっていない段階、すなわち、その青果物の育成段階でも青果物が収穫された後に第2ユーザ102に提供されるため、青果物の育成段階でもその青果物の売買ができるように、青果物の購入を予約する権利としてトークンを発行してもよい。
ここで、一例として、発行制御部14は、第2ユーザ102が使用する第2ユーザ端末(図示せず)に対して、トークンを送信するよう通信部21を制御してもよい。
【0037】
発行制御部14は、売買制御部13によって売買が制御される青果物の単位数に応じて発行するトークン量を制御してもよい。発行制御部14は、売買制御部13によって売買される青果物の単位数に応じた量のトークンを第2ユーザ102に対して発行してもよい。具体的な一例として、発行制御部14は、青果物の売買の1単位につき1つの量のトークンを発行してもよい。なお、発行制御部14は、上述した一例に限らず、青果物の単位数に応じて種々の量のトークンを発行してもよい。
【0038】
発行制御部14は、第2ユーザ102によって購入された青果物がその第2ユーザ102に届いた場合、第2ユーザ102に対して発行されたトークンを失効させるよう制御してもよい。すなわち、発行制御部14は、例えば、青果物の収穫の時点、又は、青果物の発送の時点等の種々の時点(所定の時点)において、その青果物に対応するトークンを有する第2ユーザ102に対してその青果物が発送された場合、そのトークンを失効するよう制御してもよい。一例として、発行制御部14は、所定の時点においてトークンを有する第2ユーザ102に青果物が発送された場合、第1ユーザ101が第1ユーザ端末を操作することによりトークンを失効させる消込操作が行われると、通信部21を介して、消込操作に基づく消込情報を取得する。発行制御部14は、例えば、消込情報に基づいて、トークンを失効させるよう制御する。
【0039】
換言すると、発行制御部14は、第2ユーザ102に対してトークンが発行されてから青果物が届くまでは、その第2ユーザ102がトークンを保有するよう制御することが可能である。第2ユーザ102は、トークンの保有期間において、そのトークンを他の第2ユーザ102に対して売ることが可能である。
すなわち、第2ユーザ102は、青果物の売買価格が相対的に安いときに時にその青果物のトークンを購入することにより、その青果物の売買価格(青果価値等のセリ価)が相対的に高くなっても、そのトークンの購入時点の価値で同量の青果物を得ることが可能になる。
また、第2ユーザ102は、売買価格(セリ価)が相対的に高くなる前にトークンを購入し、そのトークンを相対的に長期間保有していれば、相対的に長期的に見てリーズナブルに青果物を得ることが可能になる。
【0040】
[情報処理方法]
次に、一実施形態に係る情報処理方法について説明する。
図3は、一実施形態に係る情報処理方法について説明するためのフローチャートである。
【0041】
ステップST101において、受付部12は、第1ユーザ101(第1ユーザ端末(図示せず))から青果物の価値に関する価値情報を受け付ける。
【0042】
ステップST102において、売買制御部13は、ステップST101で受け付けた価値情報に対応する青果物について、第2ユーザ102に対する売買を制御する。売買制御部13は、単位重さに対する価格を1単位(例えば、1セリ等)として青果物の売買を制御してもよい。
売買制御部13は、売買を制御する際に、1つの価値情報に応じた青果物を買う第2ユーザ102の数が相対的に多い場合には、その第2ユーザ102の価格をより高く設定してもよい。また、売買制御部13は、青果物を買う第2ユーザ102の数が相対的に少ない場合には、青果物の価格をより低く設定してもよい。
売買制御部13は、青果物が第2ユーザ102によって売買される場合の売買価格を出力するよう出力部を制御してもよい。ここで、出力部は、通信部21、記憶部22及び表示部23等であってもよい。
売買制御部13は、青果物が第2ユーザ102に買われた際の価格の少なくとも一部に応じた金銭情報を第1ユーザ101に提供するよう制御してもよい。
【0043】
ステップST103において、発行制御部14は、ステップST102で青果物が第2ユーザ102に買われた場合、その第2ユーザ102に対してトークンを発行する。発行制御部14は、ステップST102で売買される青果物の単位数に応じて発行するトークン量を制御してもよい。
【0044】
この場合、売買制御部13は、発行制御部14によって発行されたトークンを、複数の第2ユーザ102間で売買するよう制御してもよい。
売買制御部13は、青果物が第2ユーザ102に買われた際の価格の少なくとも一部に応じた金銭情報を第1ユーザ101に提供するよう制御してもよい。
【0045】
ステップST104において、記憶部22は、制御部11の制御に基づいて、売買制御部13によって制御される青果物の売買内容、及び、発行制御部14によって発行されるトークンの発行内容のうち少なくとも一方の取引記録を記憶する。
【0046】
ステップST105において、発行制御部14は、ステップST103で発行されたトークンに基づき第2ユーザ102によって購入された青果物がその第2ユーザ102に届いた場合、第2ユーザ102に対して発行されたトークンを失効させるよう制御してもよい。すなわち、発行制御部14は、例えば、ステップST103でトークンを発行した後、青果物の収穫の時点、又は、青果物の発送の時点等の種々の時点(所定の時点)において、そのトークンを有する第2ユーザ102に対してその青果物が生産者等(例えば、第1ユーザ101等)によって発送された場合、そのトークンを失効するよう制御してもよい。
【0047】
上述した実施形態では、取引の対象として青果物を挙げて説明したが、本開示の取引対象は青果物に限定されることはない。一例として、取引対象は、農産物、畜産物、水産物、林産物、工芸品及び民芸品等を始めとする種々の物品等であってもよい。
【0048】
上述した情報処理装置1の各部は、コンピュータの演算処理装置等の機能として実現されてもよい。すなわち、情報処理装置1の受付部12、売買制御部13及び発行制御部14(制御部11)は、コンピュータの演算処理装置等による受付機能、売買制御機能及び発行制御機能(制御機能)としてそれぞれ実現されてもよい。
情報処理プログラムは、上述した各機能をコンピュータに実現させることができる。情報処理プログラムは、例えば、メモリ、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ又は光ディスク等の、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体等に記録されていてもよい。記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体と言い換えてもよい。
また、上述したように、情報処理装置1の各部は、コンピュータの演算処理装置等で実現されてもよい。その演算処理装置等は、例えば、集積回路等によって構成される。このため、情報処理装置1の各部は、演算処理装置等を構成する回路として実現されてもよい。すなわち、情報処理装置1の受付部12、売買制御部13及び発行制御部14(制御部11)は、コンピュータの演算処理装置等を構成する受付回路、売買制御回路及び発行制御回路(制御回路)として実現されてもよい。
また、情報処理装置1の通信部21、記憶部22及び表示部23(出力部)は、例えば、演算処理装置等の機能を含む通信機能、記憶機能及び表示機能(出力機能)として実現されもよい。また、情報処理装置1の通信部21、記憶部22及び表示部23(出力部)は、例えば、集積回路等によって構成されることにより通信回路、記憶回路及び表示回路(出力回路)として実現されてもよい。また、情報処理装置1の通信部21、記憶部22及び表示部23(出力部)は、例えば、複数のデバイスによって構成されることにより通信装置、記憶装置及び表示装置(出力装置)として構成されてもよい。
【0049】
情報処理装置1は、上述した複数の各部のうち1又は任意の複数を組み合わせることが可能である。
本開示では、「情報」の文言を使用しているが、「情報」の文言は「データ」と言い換えることができ、「データ」の文言は「情報」と言い換えることができる。
【0050】
[本実施形態の態様及び効果]
次に、本実施形態の一態様及び各態様が奏する効果について説明する。なお、以下に記載する各態様は出願時の一例であり、本実施形態は以下に記載する態様に限定されることはない。すなわち、本実施形態は以下に記載する各態様に限定されることはなく、上述した各部を適宜組み合わせて実現されてもよい。また、下位の態様は、それよりも上位の態様のいずれでも引用できる場合がある。
また、以下に記載する効果は一例であり、各態様が奏する効果は以下に記載するものに限定されることはない。また、各態様は、例えば、以下に記載する少なくとも1つの効果を奏してもよい。
【0051】
(態様1)
一態様の情報処理装置は、第1ユーザから青果物の価値に関する価値情報を受け付ける受付部と、受付部によって受け付けた価値情報に対応する青果物についての、第1ユーザとは異なる第2ユーザに対する売買を制御する売買制御部と、売買制御部によって制御に基づいて青果物が第2ユーザに買われた場合、その第2ユーザに対してトークンを発行する発行制御部と、売買制御部によって制御される青果物の売買内容、及び、発行制御部によって発行されるトークンの発行内容のうち少なくとも一方の取引記録を記憶する記憶部と、を備える。
これにより、情報処理装置は、青果物の販売についての処理を行うことができる。
情報処理装置は、直売形式で生産者から第2ユーザに青果物を届けることができるため、卸売市場を介して青果物を届ける場合に比べて安く青果物を第2ユーザに届けることができる。
また、情報処理装置は、生産者の努力に応じて青果物の価値を上げることができるため、生産者の収入を相対的に上げることができる。
また一般的に、天候等が良く青果物の生産量が多くなった場合には、青果物の取引量が相対的に多くなりその青果物の価格が相対的に安くなることが見込まれるため、市場等の判断に基づいて、収穫された全ての青果物が出荷されることがなく、青果物を廃棄する場合がある。この点、情報処理装置は、農家と第2ユーザとの直売形式となるため、市場等の判断には影響されず、収穫された全ての青果物を販売することが可能なる。したがって、情報処理装置では、廃棄青果物の削減を見込むことができる。
【0052】
(態様2)
一態様の情報処理装置では、売買制御部は、単位重さに対する価格を1単位として青果物の売買を制御し、発行制御部は、売買制御部によって売買が制御される青果物の単位数に応じて発行するトークン量を制御することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、トークンを利用して、青果物を販売することができる。
【0053】
(態様3)
一態様の情報処理装置では、売買制御部は、売買を制御する際に、1つの価値情報に応じた青果物を買う第2ユーザの数が相対的に多い場合には、その青果物の価格をより高く設定し、青果物を買う第2ユーザの数が相対的に少ない場合には、青果物の価格をより低く設定することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、第2ユーザがより良いと考える青果物については、より高く販売することができる。
【0054】
(態様4)
一態様の情報処理装置では、発行制御部は、第2ユーザによって購入された青果物がその第2ユーザに届いた場合、第2ユーザに対して発行されたトークンを失効させるよう制御することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、トークンを利用して、青果物を販売することができる。
【0055】
(態様5)
一態様の情報処理装置では、売買制御部は、発行制御部によって発行されたトークンを、複数の第2ユーザ間で売買するよう制御することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、複数の第2ユーザ間でトークンの売買を可能にすることにより、より多くの第2ユーザが購入を希望する青果物については価格及び青果価値をより高めることができる。
【0056】
(態様6)
一態様の情報処理装置では、売買制御部は、青果物が第2ユーザによって売買される場合の売買価格を出力するよう制御することとしてもよい。
情報処理装置は、売買価格(青果価格)を第2ユーザに提供できる。このため、第2ユーザは、売買価格を閲覧することにより、青果物を購入する際の選択肢を広げることができる。
【0057】
(態様7)
一態様の情報処理装置では、売買制御部は、青果物が第2ユーザに買われた際の価格の少なくとも一部に応じた金銭情報を第1ユーザに提供するよう制御することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、より多くの第2ユーザが購入を希望する青果物については価格を高めることができるため、第1ユーザ(例えば、生産者等)の収入をより高めることができる。
【0058】
(態様8)
一態様の情報処理方法では、コンピュータが、第1ユーザから青果物の価値に関する価値情報を受け付ける受付ステップと、受付ステップによって受け付けた価値情報に対応する青果物についての、第1ユーザとは異なる第2ユーザに対する売買を制御する売買制御ステップと、売買制御ステップによって制御に基づいて青果物が第2ユーザに買われた場合、その第2ユーザに対してトークンを発行する発行制御ステップと、売買制御ステップによって制御される青果物の売買内容、及び、発行制御ステップによって発行されるトークンの発行内容のうち少なくとも一方の取引記録を記憶部に記憶する記憶ステップと、を実行する。
これにより、情報処理方法は、上述した一態様の情報処理装置と同様の効果を奏してもよい。
【0059】
(態様9)
一態様の情報処理プログラムは、コンピュータに、第1ユーザから青果物の価値に関する価値情報を受け付ける受付機能と、受付機能によって受け付けた価値情報に対応する青果物についての、第1ユーザとは異なる第2ユーザに対する売買を制御する売買制御機能と、売買制御機能によって制御に基づいて青果物が第2ユーザに買われた場合、その第2ユーザに対してトークンを発行する発行制御機能と、売買制御機能によって制御される青果物の売買内容、及び、発行制御機能によって発行されるトークンの発行内容のうち少なくとも一方の取引記録を記憶する記憶機能と、を実現させる。
これにより、情報処理プログラムは、上述した一態様の情報処理装置と同様の効果を奏してもよい。
【0060】
(態様10)
一態様の情報処理装置は、第1ユーザから物品の価値に関する価値情報を受け付ける受付部と、受付部によって受け付けた価値情報に対応する物品についての、第1ユーザとは異なる第2ユーザに対する売買を制御する売買制御部と、売買制御部によって制御に基づいて物品が第2ユーザに買われた場合、その第2ユーザに対してトークンを発行する発行制御部と、売買制御部によって制御される物品の売買内容、及び、発行制御部によって発行されるトークンの発行内容のうち少なくとも一方の取引記録を記憶する記憶部と、を備える。
この場合、情報処理方法及び情報処理方法についても情報処理装置と同様に、物品の販売についての処理を行うことができる。
本態様においても、上述した一態様の情報処理装置と同様の効果を奏してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 情報処理装置
11 制御部
12 受付部
13 売買制御部
14 発行制御部
21 通信部
22 記憶部
23 表示部
101 第1ユーザ
102 第2ユーザ
図1
図2
図3