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  • 特開-インクジェットプリンタ 図1
  • 特開-インクジェットプリンタ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168113
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】インクジェットプリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
B41J2/01 301
B41J2/01 125
B41J2/01 401
B41J2/01 451
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079767
(22)【出願日】2022-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100189887
【弁理士】
【氏名又は名称】古市 昭博
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】久米 宏明
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA25
2C056EB06
2C056EB30
2C056EC06
2C056EC29
2C056EC38
2C056FA10
2C056HA47
(57)【要約】
【課題】直流電源で作動するヒーターを備え、かつ、ヒーターの温度が所定温度を越えるとヒーターを停止できるインクジェットプリンタ
【解決手段】インクジェットプリンタは、記録媒体を加熱する加熱装置50を備える。加熱装置50は、第1直流電源DC1と、第1直流電源DC1によって作動するヒーター61と、第1直流電源DC1とヒーター61とを接続する作動回路C1と、第2直流電源DC2と、励磁部73aと接点73bとを備えたリレー73と、第2直流電源DC2と励磁部73aとを接続する制御回路C2と、制御回路C2に設けられヒーター61の温度が所定温度を越えると制御回路C2を遮断する遮断器62と、を備えている。励磁部73aは、第2直流電源DC2によって作動する。接点73bは、励磁部73aの作動によって開閉するように構成され、作動回路C1に設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を支持する支持台と、
前記支持台に支持された前記記録媒体に向かってインクを吐出するプリントヘッドと、
前記支持台に支持された前記記録媒体を加熱する加熱装置と、を備え、
前記加熱装置は、
第1直流電源と、
前記第1直流電源によって作動するヒーターと、
前記第1直流電源と前記ヒーターとを接続する作動回路と、
第2直流電源と、
前記第2直流電源によって作動する励磁部と、前記励磁部の作動によって開閉するように構成され前記作動回路に設けられた接点と、を備えたリレーと、
前記第2直流電源と前記励磁部とを接続する制御回路と、
前記制御回路に設けられ、前記ヒーターの温度が所定温度を越えると前記制御回路を遮断する遮断器と、を備えている、
インクジェットプリンタ。
【請求項2】
前記第2直流電源の電圧は、前記第1直流電源の電圧よりも低い、
請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項3】
前記第1直流電源の電圧は、30ボルト以上である、
請求項1または2に記載のインクジェットプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット方式によって記録媒体に画像を印刷するインクジェットプリンタが従来から知られている。この種のインクジェットプリンタは、例えば、記録媒体が載置されるプラテンと、プラテンに載置された記録媒体にインクを吐出するプリントヘッドとを備えている。また、使用するインクの種類によっては、記録媒体に吐出されたインクの乾燥を促進させるヒーターやファン等の乾燥装置を備えたインクジェットプリンタも存在する。
【0003】
例えば、特許文献1には、記録媒体に吐出されたインクの乾燥を促進する手段として複数のファンを有する乾燥装置を備えたインクジェットプリンタが開示されている。かかる乾燥装置は、記録媒体の上方から記録媒体に向けて風を送るように構成されている。記録媒体のうちインクが吐出された部分は、プラテンから下流側プラテン(フロントエプロン)に搬送され、下流側プラテンに対向する位置に設けられた乾燥装置からは、加熱された空気が記録媒体に向けて送られる。乾燥装置は、加熱された空気を記録媒体に向けて送ることによって、インクの乾燥を促進している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-159482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
記録媒体を加熱する加熱装置は、ヒーターを備えており、好ましくは、ヒーターの温度が所定温度を越えるとヒーターの作動回路を遮断する遮断器(例えば、サーモスタット)をさらに備えている。加熱装置において送電の損失を抑えるためには、ヒーターに印加する電源電圧を高く、ヒーターに流れる電流を低くすることが好ましい。しかし、ヒーターの電源電圧を直流かつ高電圧とすると、適合する遮断器の入手性が極めて悪くなる。そのため、ヒーターの作動回路を遮断する構成を設けることが困難となる。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、直流電源で作動するヒーターを備えた加熱装置を有し、かつ、ヒーターの温度が所定温度を越えるとヒーターを停止できるインクジェットプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここに開示するインクジェットプリンタは、記録媒体を支持する支持台と、前記支持台に支持された前記記録媒体に向かってインクを吐出するプリントヘッドと、前記支持台に支持された前記記録媒体を加熱する加熱装置と、を備える。前記加熱装置は、第1直流電源と、前記第1直流電源によって作動するヒーターと、前記第1直流電源と前記ヒーターとを接続する作動回路と、第2直流電源と、励磁部と接点とを備えたリレーと、前記第2直流電源と前記励磁部とを接続する制御回路と、前記制御回路に設けられ前記ヒーターの温度が所定温度を越えると前記制御回路を遮断する遮断器と、を備えている。前記励磁部は、前記第2直流電源によって作動する。前記接点は、前記励磁部の作動によって開閉するように構成され、前記作動回路に設けられている。
【0008】
上記インクジェットプリンタによれば、ヒーターの温度が所定温度を越えると、制御回路を遮断することによりリレーの励磁部を切り、作動回路の接点を開くことができる。これにより、作動回路が切れ、ヒーターへの電源供給が停止する。よって、上記インクジェットプリンタによれば、直流電源で作動するヒーターを備えた加熱装置を有しつつ、ヒーターの温度が所定温度を越えるとヒーターを停止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係るプリンタの正面図である。
図2】加熱装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタ(以下単に「プリンタ」と称する)について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
【0011】
[プリンタの構成]
図1は、本実施形態に係るプリンタ10の正面図である。以下の説明では、左、右、上、下とは、プリンタ10の正面にいる作業者から見た左、右、上、下をそれぞれ意味することとする。また、作業者がプリンタ10の正面を向いているときにプリンタ10の後部から作業者に向かう方向を前方、作業者からプリンタ10の後部に向かう方向を後方とする。図面中の符号L、R、U、Dは、それぞれ左、右、上、下を表す。
【0012】
プリンタ10は、記録媒体5に印刷を行うものである。記録媒体5は、例えば、記録紙である。ただし、記録媒体5は、記録紙に限定されない。記録媒体5には、普通紙やインクジェット用印刷紙等の紙類以外に、ポリ塩化ビニル(PVC)やポリエステル等の樹脂材料から形成されたものや、アルミや鉄等から形成された金属板、ガラス板、木材板および段ボール等から形成されたものが含まれる。
【0013】
図1に示すように、プリンタ10は、プラテン15と、フロントエプロン16と、キャリッジ20と、キャリッジ20に搭載されたプリントヘッド25と、キャリッジ移動装置30と、記録媒体5の搬送装置40と、記録媒体5を加熱してインクの乾燥を促進する加熱装置50と、を備えている。
【0014】
プラテン15およびフロントエプロン16は、記録媒体5を支持する支持台である。プラテン15は、左右方向および前後方向に延びている。フロントエプロン16は、プラテン15よりも前方に配置され、搬送装置40による記録媒体5の移動をガイドする。フロントエプロン16には、プラテン15上でインクが着弾した後の記録媒体5が搬送される。フロントエプロン16は、前方に向かって凸するような湾曲形状(略円弧状)に構成されている。
【0015】
キャリッジ20は、プラテン15の上方に設けられている。プリントヘッド25は、キャリッジ20に設けられ、下方に向かってインクを吐出する。これにより、インクは、プラテン15に支持された記録媒体5に向かって吐出される。プリントヘッド25から吐出されるインクは、特に限定されない。プリントヘッド25から吐出されるインクは、例えば、ソルベント系(溶剤系)顔料インク、水性インク等であってもよい。
【0016】
キャリッジ移動装置30は、キャリッジ20を左右方向に移動させる。図1に示すように、キャリッジ移動装置30は、ガイドレール31と、左右のプーリ32と、無端状のベルト33と、スキャンモータ34と、を有している。ガイドレール31は、プラテン15の上方に配置されている。ガイドレール31は、左右方向に延びている。キャリッジ20は、ガイドレール31に沿って左右方向に移動可能に構成されている。キャリッジ20には、ベルト33が固定されている。ベルト33は、左右のプーリ32に巻き掛けられている。スキャンモータ34は、一方のプーリ32に接続されている。スキャンモータ34が駆動して、一方のプーリ32が回転することで、ベルト33が走行する。これにより、キャリッジ20が左右方向に移動する。プリントヘッド25は、キャリッジ20とともに左右方向に移動する。
【0017】
搬送装置40は、記録媒体5を前後方向に移動させる。図1に示すように、搬送装置40は、グリットローラ41と、ピンチローラ42と、フィードモータ43と、を有している。グリットローラ41は、プラテン15に埋設されている。各グリットローラ41の一部は、プラテン15に露出している。フィードモータ43は、グリットローラ41を前後方向に回転させる。ピンチローラ42は、記録媒体5を上から押さえつけるものである。ピンチローラ42は、グリットローラ41の上方に配置されている。ピンチローラ42は、グリットローラ41と対向する位置に設けられている。ピンチローラ42は、上下方向に移動可能に構成されている。グリットローラ41とピンチローラ42との間に記録媒体5が挟まれた状態で、フィードモータ43が駆動してグリットローラ41が回転すると、記録媒体5は前後方向に搬送される。
【0018】
加熱装置50は、記録媒体5の支持台、ここではフロントエプロン16に支持された記録媒体5を加熱する。本実施形態では、加熱装置50は、フロントエプロン16に温風を吹きつけることにより、記録媒体5を加熱する。図1に示すように、加熱装置50は、フロントエプロン16の上方(前方)に設けられ、下方(後方)に向かって温風を吹きつける。
【0019】
図2は、加熱装置50の回路図である。図2に示すように、加熱装置50は、作動電源DC1と、制御電源DC2と、ヒーターユニット60と、ヒーターコントローラ70と、作動回路C1と、制御回路C2と、を備えている。加熱装置50は、また、ヒーターユニット60によって加熱された空気をフロントエプロン16に向かって流す図示しないファンを備えている。加熱装置50の一部、例えば、作動電源DC1、制御電源DC2、およびヒーターコントローラ70は、フロントエプロン16の上方に配置されていなくてもよい。作動電源DC1、制御電源DC2、およびヒーターコントローラ70等は、例えば、プリンタ10の本体内に設けられていてもよい。
【0020】
作動電源DC1は、ヒーターユニット60のヒーター61を作動させるための電源である。作動電源DC1は、直流電源である。送電の損失を抑えるためには、ヒーター61に印加する電圧を高くすることが好ましい。作動電源DC1の電圧は、好ましくは、25ボルト以上100ボルト以下である。作動電源DC1の電圧は、さらに好ましくは、30ボルト以上である。作動電源DC1の電圧は、例えば、96ボルトである。ただし、作動電源DC1の電圧は特に限定されるわけではない。
【0021】
制御電源DC2は、ヒーターコントローラ70のコイル73aを励磁するための電源である。制御電源DC2も、直流電源である。制御電源DC2の電圧は、5ボルトや24ボルトのような一般的に利用される制御用の電圧が好ましい。制御電源DC2の電圧は、作動電源DC1の電圧よりも低い。制御電源DC2の電圧は、24ボルト以下であることが好ましい。ただし、制御電源DC2の電圧は特に限定されるわけではない。
【0022】
図2に示すように、ヒーターユニット60は、ヒーター61と、遮断器62と、温度センサ63と、を備えている。ヒーター61は、加熱装置50の温風の熱源であり、作動電源DC1によって作動する。作動回路C1は、作動電源DC1とヒーター61とを接続している。
【0023】
遮断器62は、制御回路C2に設けられ、ヒーター61の温度が所定温度を越えると制御回路C2を遮断する。遮断器62は、例えば、サーモスタットである。ただし、遮断器62の種類は特に限定されない。遮断器62は、例えば、温度ヒューズであってもよい。遮断器62が制御回路C2を遮断する温度は特に限定されないが、例えば、115度以上125度以下の温度に設定されてもよい。遮断器62が制御回路C2を遮断する温度は、保護対象となる周辺部品、例えば、送風ファンやケーブルの耐熱温度に応じて適宜に設定される。
【0024】
温度センサ63は、ヒーター61の温度を測定している。温度センサ63は、温風の温度を測定してもよい。温度センサ63は、ヒーター61または温風の温度を制御するためのセンサである。温度センサ63は、例えば、サーミスタである。ただし、温度センサ63の種類は特に限定されない。温度センサ63は、例えば、熱電対であってもよい。
【0025】
図2に示すように、ヒーターコントローラ70は、温度制御回路71と、スイッチング素子72と、メカニカルリレー73と、を備えている。温度制御回路71は、温度センサ63が測定するヒーター61または温風の温度を取得し、ヒーター61または温風の温度に基づいてヒーター61の出力を演算する。温度制御回路71は、いわゆるフィードバック制御を行う。スイッチング素子72は、作動回路C1に設けられるとともに、温度制御回路71に接続されている。スイッチング素子72は、温度制御回路71の演算結果に基づいてヒーター61の出力を制御している。スイッチング素子の種類は特に限定されないが、例えば、作動回路C1を接続/切断する接点、トランジスタ、サイリスタ等である。
【0026】
メカニカルリレー73は、ヒーター61の温度が所定温度を越えると作動回路C1を遮断するための部材である。図2に示すように、メカニカルリレー73は、制御電源DC2によって作動するコイル73aと、コイル73aの作動によって開閉する接点73bと、を備えている。接点73bは、作動回路C1に設けられている。制御回路C2は、制御電源DC2とコイル73aとを接続している。
【0027】
遮断器62によって制御回路C2が接続されているときには、コイル73aには制御電源DC2が接続されている。このとき、コイル73aは、制御電源DC2から電力の供給を受けている。接点73bは、この状態において作動回路C1を接続している。
【0028】
遮断器62によって制御回路C2が切断されているときには、コイル73aは制御電源DC2に接続されない。このとき、コイル73aは、制御電源DC2から電力の供給を受けない。接点73bは、この状態において作動回路C1を切断する。これにより、作動電源DC1からヒーター61への電力供給が遮断される。
【0029】
[加熱装置の動作]
以下に、加熱装置50の動作を説明する。通常の使用状態においては、ヒーター61は、温度制御回路71とスイッチング素子72とによって制御される。温度センサ63の計測に基づいて温度制御回路71によって演算されるフィードバック出力が、スイッチング素子72を介してヒーター61に供給される。これにより、ヒーター61または温風の温度が予め定められた設定温度に制御される。
【0030】
ヒーター61の温度が何らかの理由によって所定温度を上回ると、遮断器62が作動し、制御回路C2が切断される。これにより、前述したように、作動電源DC1からヒーター61への電力供給が遮断される。本実施形態では、ヒーター61の温度が所定温度以下となるまで、作動電源DC1からヒーター61への電力供給は遮断され続ける。プリンタ10は、このとき異常を知らせる通知を発出してもよい。また、プリンタ10は、ヒーター61の温度が所定温度を越えたことによってヒーター61への電力供給が遮断された場合には、ユーザーが復帰動作を行うまでヒーター61への電力供給を停止し続ける他の回路を備えていてもよい。
【0031】
[実施形態の作用効果]
以下に、本実施形態に係るプリンタ10が奏することができる作用効果について説明する。本実施形態に係るプリンタ10の加熱装置50は、第1の直流電源である作動電源DC1と、作動電源DC1によって作動するヒーター61と、作動電源DC1とヒーター61とを接続する作動回路C1と、第2の直流電源である制御電源DC2と、制御電源DC2によって作動するコイル73aとコイル73aの作動によって開閉するように構成され作動回路C1に設けられた接点73bとを備えたメカニカルリレー73と、制御電源DC2とコイル73aとを接続する制御回路C2と、制御回路C2に設けられヒーター61の温度が所定温度を越えると制御回路C2を遮断する遮断器62と、を備えている。かかる構成によれば、ヒーター61の温度が所定温度を越えると、直流電源である作動電源DC1で作動するヒーター61を停止することができる。
【0032】
ヒーターとして高電力かつ直流電源で駆動するヒーター61を選定する場合、送電の損失を抑えるためには、ヒーター61に印加する電源電圧を高くすることが好ましい。ここでは、作動電源DC1の電源電圧は30ボルト以上である。しかし、電源電圧が直流かつ高電圧となると、適合する遮断器の入手性が極めて悪くなり、ヒーター61の作動回路を遮断する構成を設けることが困難となる。本実施形態に係るプリンタ10によれば、ヒーター61の温度が所定温度を越えると、遮断器62によって制御回路C2を遮断し、メカニカルリレー73のコイル73aへの通電を遮断することができる。これにより、作動回路C1に設けられた接点73bが開き、作動回路C1が切断される。その結果、ヒーター61への電源供給が停止する。よって、プリンタ10によれば、ヒーター61が直流電源で作動するヒーターであるにもかかわらず、ヒーター61の温度が所定温度を越えるとヒーター61を停止する回路を構成することができる。
【0033】
本実施形態では、制御電源DC2の電圧は、作動電源DC1の電圧よりも低い。かかる構成によれば、制御回路C2を遮断する遮断器62の選定の自由度が高いため、制御回路C2の構成が容易である。
【0034】
[他の実施形態]
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
【0035】
例えば上記した実施形態では、加熱装置50はフロントエプロン16上の記録媒体5を加熱するものであったが、加熱装置が加熱する記録媒体は、フロントエプロン上にあるものには限定されない。加熱装置は、例えば、プラテン上の記録媒体を加熱してもよい。また、加熱装置は記録媒体を温風で加熱するものには限定されない。加熱装置は、例えば、支持台を加熱することによって間接的に記録媒体を加熱するように構成されていてもよい。
【0036】
プリンタの構成は特に限定されない。例えば、プリンタは、プラテン上を記録媒体が搬送されるいわゆるロール・トゥー・ロールタイプのプリンタであってもよく、記録媒体が載置されたベッドが動くいわゆるフラットベッドタイプのプリンタであってもよい。
【0037】
その他、特に限定されない限りにおいて、実施形態は本発明を限定しない。
【符号の説明】
【0038】
5 記録媒体
10 プリンタ
15 プラテン(支持台)
16 フロントエプロン(支持台)
25 プリントヘッド
50 加熱装置
61 ヒーター
62 遮断器
73 メカニカルリレー(リレー)
73a コイル(励磁部)
73b 接点
C1 作動回路
C2 制御回路
DC1 作動電源(第1直流電源)
DC2 制御電源(第2直流電源)
図1
図2