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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168117
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】データ移行方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/60 20180101AFI20231116BHJP
【FI】
G16H10/60
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079773
(22)【出願日】2022-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】521372264
【氏名又は名称】小田 研人
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】小田 研人
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA23
(57)【要約】
【課題】電子カルテシステムからレセプトコンピュータシステムへのデータ移行を実現することが可能なデータ移行方法等を提供すること。
【解決手段】一つの側面に係るデータ移行方法は、電子カルテシステムからレセプトコンピュータシステムへ移行する移行データを取得し、前記電子カルテシステム上で取得した前記移行データをコードに変換し、変換したコードを読み取ることにより前記レセプトコンピュータシステムへ前記移行データを記憶する処理を実行させることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子カルテシステムからレセプトコンピュータシステムへ移行する移行データを取得し、
前記電子カルテシステム上で取得した前記移行データをコードに変換し、
変換したコードを読み取ることにより前記レセプトコンピュータシステムへ前記移行データを記憶する
ことを特徴とするデータ移行方法。
【請求項2】
対象となる患者の診療行為コード、または該診療行為コードに対応する数値データを含む前記移行データをコードに変換し、
前記レセプトコンピュータシステムに接続される撮像装置を通じて、変換したコードを読み取り、
前記コードから読み取った前記移行データを前記レセプトコンピュータシステムに記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ移行方法。
【請求項3】
前記移行データに対応する患者ID及び診療日と一致する患者ID及び診療日の入力を前記レセプトコンピュータシステムで受け付け、
受け付けた患者ID及び診療日に対応付けて、前記コードから読み取った前記移行データを前記レセプトコンピュータシステムで出力する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ移行方法。
【請求項4】
電子カルテシステムからレセプトコンピュータシステムへ移行する移行データを取得し、
前記電子カルテシステム上で取得した前記移行データをコードに変換し、
変換したコードを、前記レセプトコンピュータシステムに接続される撮像装置に読み取らせるべく表示部に出力する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ移行方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、既存のレセプトコンピュータシステムと連携する技術の開発が盛んに進められている。特許文献1には、既存のレセプトコンピュータシステムと協調して、在宅医療又は介護サービスに係る患者負担金額の請求および債権の管理を効率的に実現する管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-177332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に係る発明は、電子カルテシステムからレセプトコンピュータシステムへのデータ移行を実現することができないという問題がある。
【0005】
一つの側面では、電子カルテシステムからレセプトコンピュータシステムへのデータ移行を実現することが可能なデータ移行方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの側面に係るデータ移行方法は、電子カルテシステムからレセプトコンピュータシステムへ移行する移行データを取得し、前記電子カルテシステム上で取得した前記移行データをコードに変換し、変換したコードを読み取ることにより前記レセプトコンピュータシステムへ前記移行データを記憶する処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
一つの側面では、電子カルテシステムからレセプトコンピュータシステムへのデータ移行を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】データ移行システムの概要を示す説明図である。
図2】電子カルテPCの構成例を示すブロック図である。
図3】診療データDBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図4】レセコンPCの構成例を示すブロック図である。
図5】患者DB及び診療行為コードDBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図6】レセプトDBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図7】移行データの読取画面の一例を示す説明図である。
図8】データ移行処理を行う際の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0010】
(実施形態1)
実施形態1は、電子カルテシステムからレセプトコンピュータシステムへのデータを移行する形態に関する。図1は、データ移行システムの概要を示す説明図である。本実施形態のシステムは、情報処理装置1、情報処理装置2及び当該情報処理装置2に接続される撮像装置3を含む。
【0011】
情報処理装置1は、電子カルテシステムを搭載した情報処理装置である。情報処理装置1は、例えばサーバ装置、パーソナルコンピュータまたは汎用のタブレットPC(パソコン)等である。電子カルテシステムは、第1エンティティから提供され、診察記録、検体検査の結果、治療記録、処方情報または会計データ等を含む電子カルテに対する編集、管理及び記録等を行うシステムである。以下では簡潔のために、情報処理装置1を電子カルテPC1と読み替える。
【0012】
情報処理装置2は、レセプトコンピュータシステムを搭載した情報処理装置である。情報処理装置2は、例えばサーバ装置、パーソナルコンピュータまたは汎用のタブレットPC等である。レセプトコンピュータシステムは、第1エンティティとは異なる第2エンティティから提供され、診療または治療内容をもとに算出した診療報酬を記した明細書であるレセプトを作成するためのシステムである。以下では簡潔のために、情報処理装置2をレセコンPC2と読み替える。
【0013】
撮像装置3は、1次元コード若しくは2次元コードを読み込むコードリーダ、非接触型ICカードに記憶された情報を読み込むICカードのリーダ、または、CCD(Charge Coupled Device)カメラ若しくはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ等の撮影装置である。なお、本実施形態では、撮像装置3がコードを読み込むコードリーダである例を説明する。
【0014】
なお、本実施形態のシステムの構成については、図1に示すものに限定されない。例えばレセコンPC2は、撮像装置3が内蔵されて一体型の情報処理装置であっても良い。
【0015】
通常、電子カルテシステムで作成された電子カルテデータをレセプトコンピュータシステムに取り込む場合、医療機関の担当者は、手入力によって電子カルテデータをレセプトコンピュータシステムに入力する。ところが、手入力作業により入力すると、入力漏れまたは誤入力等の入力ミスが発生する可能性がある。本実施形態では、異なるシステム間の手入力作業を不要とし、担当者の作業負担を軽減するとともに、入力ミスの発生を排除するデータ移行方法を提供する。
【0016】
本実施形態に係る電子カルテPC1は、レセプトコンピュータシステムへ移行する移行データを取得する。電子カルテPC1は、取得した移行データをコードに変換する。電子カルテPC1は、変換したコードを画面に表示する。レセコンPC2は、当該レセコンPC2に搭載されたレセプトコンピュータシステムに接続された撮像装置3を通じて、電子カルテPC1上に表示されているコードを読み取る。レセコンPC2は、コードから読み取った移行データをレセプトコンピュータシステムに記憶する。
【0017】
図2は、電子カルテPC1の構成例を示すブロック図である。電子カルテPC1は、制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、表示部15、読取部16及び大容量記憶部17を含む。各構成はバスBで接続されている。
【0018】
制御部11はCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、または量子プロセッサ等の演算処理装置を含む。制御部11は、記憶部12に記憶された制御プログラム1P(プログラム製品)を読み出して実行することにより、電子カルテPC1に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。
【0019】
なお、制御プログラム1Pは、単一のコンピュータ上で、または1つのサイトにおいて配置されるか、もしくは複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。なお、図2では制御部11を単一のプロセッサであるものとして説明するが、マルチプロセッサであっても良い。
【0020】
記憶部12はRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ素子を含み、制御部11が処理を実行するために必要な制御プログラム1P又はデータ等を記憶している。また、記憶部12は、制御部11が演算処理を実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。通信部13は通信に関する処理を行うための通信モジュールである。
【0021】
入力部14は、マウス、キーボード、タッチパネルまたはボタン等の入力デバイスであり、受け付けた操作情報を制御部11へ出力する。表示部15は、液晶ディスプレイ又は有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等であり、制御部11の指示に従い各種情報を表示する。
【0022】
読取部16は、CD(Compact Disc)-ROM又はDVD(Digital Versatile Disc)-ROMを含む可搬型記憶媒体1aを読み取る。制御部11が読取部16を介して、制御プログラム1Pを可搬型記憶媒体1aより読み取り、記憶部12に記憶しても良い。また、ネットワークN等を介して他のコンピュータから制御部11が制御プログラム1Pをダウンロードし、記憶部12に記憶しても良い。さらにまた、半導体メモリ1bから、制御部11が制御プログラム1Pを読み込んでも良い。
【0023】
大容量記憶部17は、例えばHDD(Hard disk drive:ハードディスク)、SSD(Solid State Drive:ソリッドステートドライブ)等の記録媒体を備える。大容量記憶部17は、診療データDB(database)171を含む。診療データDB171は、患者の診療データを記憶している。
【0024】
なお、本実施形態において記憶部12及び大容量記憶部17は一体の記憶装置として構成されていても良い。また、大容量記憶部17は複数の記憶装置により構成されていても良い。更にまた、大容量記憶部17は電子カルテPC1に接続された外部記憶装置であっても良い。
【0025】
電子カルテPC1は、種々の情報処理及び制御処理等をコンピュータ単体で実行しても良いし、複数のコンピュータで分散して実行しても良い。また、電子カルテPC1は、1台のサーバ内に設けられた複数の仮想マシンによって実現されても良いし、クラウドサーバを用いて実現されても良い。
【0026】
図3は、診療データDB171のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。診療データDB171は、患者ID列、診療行為コード列、数量列、点数列及び診療日列を含む。患者ID列は、各患者を識別するために、一意に特定される患者のIDを記憶している。診療行為コード列は、検査または診療等の項目に対応する診療行為コードを記憶している。数量列は、診療行為コードに対応する項目の数量を記憶している。なお、項目が医薬品である場合、数量列には医薬品の投与量等が記憶されても良い。点数列は、診療行為コードに対応する項目の点数を記憶している。診療日列は、患者の診療日を記憶している。
【0027】
図4は、レセコンPC2の構成例を示すブロック図である。レセコンPC2は、例えばUSB(Universal Serial Bus)ケーブルを介して撮像装置3と接続する。なお、本実施形態では、レセコンPC2と撮像装置3とは、USBで直接接続される例を示すが、これに限るものではない。レセコンPC2と撮像装置3とは、無線のネットワークを通じて接続されても良い。
【0028】
レセコンPC2は、制御部21、記憶部22、通信部23、入力部24、表示部25、読取部26及び大容量記憶部27を含む。各構成はバスBで接続されている。なお、レセコンPC2の制御部21、記憶部22、通信部23、入力部24、表示部25及び読取部26に関しては、電子カルテPC1の制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、表示部15及び読取部16と同様であるため、説明を省略する。
【0029】
大容量記憶部27は、例えばHDDまたはSSD等の記録媒体を備える。大容量記憶部27は、患者DB271、診療行為コードDB272及びレセプトDB273を含む。
【0030】
患者DB271は、患者に関する情報を記憶している。診療行為コードDB272は、レセプトコンピュータシステムと電子カルテシステムとの医療用語の統一またはコードの標準化のために定義された医科診療行為マスターを記憶している。レセプトDB273は、診療行為コード及び当該診療行為コードに対応する数値データ等を含むレセプトデータを記憶している。
【0031】
なお、本実施形態において記憶部22及び大容量記憶部27は一体の記憶装置として構成されていても良い。また、大容量記憶部27は複数の記憶装置により構成されていても良い。更にまた、大容量記憶部27はレセコンPC2に接続された外部記憶装置であっても良い。
【0032】
レセコンPC2は、種々の情報処理及び制御処理等をコンピュータ単体で実行しても良いし、複数のコンピュータで分散して実行しても良い。また、レセコンPC2は、1台のサーバ内に設けられた複数の仮想マシンによって実現されても良いし、クラウドサーバを用いて実現されても良い。
【0033】
図5は、患者DB271及び診療行為コードDB272のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
患者DB271は、患者ID列、氏名列、性別列及び生年月日列を含む。患者ID列は、患者を特定する患者IDを記憶している。氏名列は、患者の氏名を記憶している。性別列は、患者の性別を記憶している。生年月日列は、患者の生年月日を記憶している。
【0034】
診療行為コードDB272は、診療行為コード列及び名称列を含む。診療行為コード列は、医科診療行為マスターを記憶している。名称列は、診療行為コードに対応する項目の名称を記憶している。
【0035】
図6は、レセプトDB273のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。なお、レセプトDB273のレコードレイアウトに関しては、診療データDB171のレコードレイアウトと同様であるため、説明を省略する。
【0036】
なお、上述した各DBの記憶形態は一例であり、データ間の関係が維持されていれば、他の記憶形態であっても良い。
【0037】
続いて、電子カルテシステムからレセプトコンピュータシステムへのデータ移行処理を説明する。電子カルテシステムが搭載された電子カルテPC1は、患者が診療を受けた後に、患者ID、診療行為コード、当該診療行為コードに対応する項目の数量及び点数、並びに、診療日を含む診療データの入力を受け付ける。電子カルテPC1は、受け付けた診療データを診療データDB171に記憶する。
【0038】
電子カルテPC1は、電子カルテシステムからレセプトコンピュータシステムへのデータ移行の要求を受け付けた場合、受け付けたデータ移行の要求に応じて、移行データを診療データDB171から取得する。データ移行の要求には、患者ID及び診療日等が含まれる。具体的には、電子カルテPC1は患者ID及び診療日に基づき、診療行為コード、当該診療行為コードに対応する項目の数量及び点数を診療データDB171から取得する。
【0039】
電子カルテPC1は、取得した移行データをコードに変換する。コードは、例えば、2次元コードまたはバーコード等である。2次元コードは、横方向にしか情報を持たない1次元コードに対し、水平方向と垂直方向に情報を持つ表示方式のコードである。代表的な2次元コードは、例えばQRコード(登録商標)、DataMatrix(登録商標)又はVeriCode(登録商標)である。以下では、2次元コードに変換する処理の例を説明するが、バーコード等にも同様に適用することができる。
【0040】
具体的には、先ず、電子カルテPC1は、診療行為コード、当該診療行為コードに対応する項目の数量及び点数を所定の第1区切り文字で連結してなる第1文字列を作成する。第1区切り文字は、診療行為コードと数量と点数との区切りを示す文字であり、例えば、ピリオド「.」、アンダーバー「_」またはカンマ「,」等であっても良い。例えば、診療行為コードが「160046810」であり、数量が「1」であり、且つ、点数が「21」である場合、当該診療行為コードと数量と点数とをカンマ「,」で連結することにより、「160046810,1,21」となった第1文字列を作成する。複数の診療行為コードを有する場合、電子カルテPC1は、それぞれの診療行為コードに対し、上述した第1文字列の作成処理を行う。
【0041】
次に、電子カルテPC1は、作成した複数の第1文字列を所定の第2区切り文字で連結してなる第2文字列を作成する。第2区切り文字は、例えば、ブランクまたはタブキー等であっても良い。例えば、ブランクで複数の第1文字列を連結することにより得られた第2文字列が「160046810,1,21 160008010,1,29」である。そして、電子カルテPC1は、作成した第2文字列の後ろに改行キーを挿入する。なお、改行キーに限らず、第2文字列の後ろにタブキー等が挿入されても良い。
【0042】
電子カルテPC1は、2次元コードの生成ライブラリを利用し、改行キーを挿入した第2文字列の2次元コードを生成する。なお、上述した2次元コードの生成処理は一例であって、様々な変形が可能である。2次元コードの中に埋め込まれる項目、及び各項目の間の区切り文字等を適宜設定することができる。
【0043】
電子カルテPC1は、変換した2次元コードを画面に表示する。
【0044】
レセコンPC2は、当該レセコンPC2に搭載されたレセプトコンピュータシステムに接続された撮像装置3を介して、電子カルテPC1上に表示されている2次元コードを読み取る。レセコンPC2は、2次元コードの解析ライブラリを利用し、読み取った2次元コードから、診療行為コード、当該診療行為コードに対応する項目の数量及び点数を含む移行データを取得する。レセコンPC2は、取得した各診療行為コードに基づき、各診療行為コードに対応する項目の名称を診療行為コードDB272から取得する。
【0045】
レセコンPC2は、患者ID及び診療日に対応付けて、診療行為コード、当該診療行為コードに対応する項目の数量及び点数を一つのレコードとしてレセプトDB273に記憶する。レセコンPC2は、患者IDに基づき、患者の氏名、性別及び生年月日を含む患者情報を患者DB271から取得する。レセコンPC2は、取得した患者情報と、診療行為コード、当該診療行為コードに対応する項目の名称、数量及び点数とを画面に表示する。
【0046】
図7は、移行データの読取画面の一例を示す説明図である。読取画面は、患者情報表示欄11a、レセプト表示欄11b及び移行データ読取ボタン11cを含む。患者情報表示欄11aは、患者情報を表示する表示欄である。レセプト表示欄11bは、診療の明細等を記したレセプトを表示する表示欄である。移行データ読取ボタン11cは、電子カルテシステムからレセプトコンピュータシステムへのデータを移行するボタンである。
【0047】
レセコンPC2は、患者IDに基づき、患者の氏名、性別及び生年月日を含む患者情報を患者DB271から取得する。レセコンPC2は、取得した患者情報を患者情報表示欄11aに表示する。
【0048】
レセコンPC2は、移行データ読取ボタン11cのタッチ(クリック)操作を受け付けた場合、当該レセコンPC2に搭載されたレセプトコンピュータシステムに接続された撮像装置3を介して、電子カルテPC1上に表示されている2次元コードを読み取る。レセコンPC2は、2次元コードの解析ライブラリを利用し、読み取った2次元コードから、診療行為コード、当該診療行為コードに対応する項目の数量及び点数を含む移行データを取得する。
【0049】
具体的には、レセコンPC2は、2次元コードの解析ライブラリを利用し、2次元コードに含まれる文字列を第2文字列として読み出す。例えば、読み出された第2文字列が「160046810,1,21 160008010,1,29」である。
【0050】
レセコンPC2は、読み出した第2文字列の先頭から、当該第2文字列の後ろの改行キーまで、所定の第2区切り文字(例えば、ブランク)を探索する。レセコンPC2は、探索した第2区切り文字で第2文字列を分割して複数の第1文字列を抽出する。例えば、2つの第1文字列「160046810,1,21」及び「160008010,1,29」を抽出する。
【0051】
レセコンPC2は、抽出した各第1文字列に対し、各第1文字列の先頭から最後まで、所定の第1区切り文字(例えば、カンマ)を探索する。レセコンPC2は、探索した第1区切り文字で各第1文字列を分割し、診療行為コード、当該診療行為コードに対応する項目の数量及び点数を抽出する。例えばレセコンPC2は、「診療行為コード:160046810 数量:1 点数:21」及び「診療行為コード:160008010 数量:1 点数29」を抽出する。
【0052】
レセコンPC2は、取得した診療行為コードに基づき、当該診療行為コードに対応する項目(入力コード)の名称を診療行為コードDB272から取得する。レセコンPC2は、診療行為コード、当該診療行為コードに対応する項目の名称、数量及び点数をレセプト表示欄11bに表示する。
【0053】
図8は、データ移行処理を行う際の処理手順を示すフローチャートである。電子カルテPC1の制御部11は、入力部14を介して、電子カルテシステムからレセプトコンピュータシステムへのデータ移行の要求を受け付ける(ステップS101)。データ移行の要求には、例えば患者ID及び診療日等が含まれる。
【0054】
制御部11は、受け付けたデータ移行の要求に含まれる患者ID及び診療日に基づき、当該診療行為コードに対応する項目の数量及び点数を含む移行データを大容量記憶部17の診療データDB171から取得する(ステップS102)。制御部11は、2次元コードの生成ライブラリを利用し、診療行為コード、当該診療行為コードに対応する項目の数量及び点数を含む移行データの2次元コードを生成する(ステップS103)。制御部11は、生成した2次元コードを表示部15により表示する(ステップS104)。
【0055】
レセコンPC2の制御部21は、当該移行データに対応する患者ID及び診療日と一致する患者ID及び診療日の入力を入力部24により受け付ける(ステップS201)。制御部21は、受け付けた患者ID及び診療日に基づき、該当する患者の移行データの読取画面(図7)を表示部25により表示する(ステップS202)。制御部21は、患者IDに基づき、患者の氏名、性別及び生年月日を含む患者情報を大容量記憶部27の患者DB271から取得する(ステップS203)。制御部21は、取得した患者情報を表示部25により表示する(ステップS204)。
【0056】
制御部21は、当該レセコンPC2に搭載されたレセプトコンピュータシステムに接続された撮像装置3を介して、電子カルテPC1上に表示されている2次元コードを読み取る(ステップS205)。制御部21は、2次元コードの解析ライブラリを利用し、読み取った2次元コードから、診療行為コード、当該診療行為コードに対応する項目の数量及び点数を含む移行データを取得する(ステップS206)。
【0057】
制御部21は、取得した診療行為コードに基づき、当該診療行為コードに対応する項目の名称を大容量記憶部27の診療行為コードDB272から取得する(ステップS207)。制御部21は、取得した移行データを大容量記憶部27のレセプトDB273に記憶する(ステップS208)具体的には、制御部21は、患者ID及び診療日に対応付けて、診療行為コード、当該診療行為コードに対応する項目の数量及び点数を一つのレコードとしてレセプトDB273に記憶する。
【0058】
制御部21は、患者情報に対応付けて、取得した移行データを表示部25により表示し(ステップS209)、処理を終了する。
【0059】
本実施形態によると、電子カルテシステムからレセプトコンピュータシステムへのデータを移行することが可能となる。
【0060】
本実施形態によると、コードに基づくデータ移行のため、電子カルテシステムまたはレセプトコンピュータシステムの仕様変更或いは問題発生の場合、データ移行をスムーズに行うことが可能となる。
【0061】
本実施形態によると、コードに基づくデータ移行によって、電子カルテシステムまたはレセプトコンピュータシステムの内部データを保護できるため、セキュリティリスクを低減することが可能となる。
【0062】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0063】
各実施形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載しても良い。
【符号の説明】
【0064】
1 情報処理装置(電子カルテPC)
1 情報処理装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 入力部
15 表示部
16 読取部
17 大容量記憶部
171 診療データDB
1a 可搬型記憶媒体
1b 半導体メモリ
1P 制御プログラム
2 情報処理装置(レセコンPC)
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 入力部
25 表示部
26 読取部
27 大容量記憶部
271 患者DB、
272 診療行為コードDB
273 レセプトDB
3 撮像装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
一つの側面に係るデータ移行方法は、第1コンピュータが、電子カルテシステムからレセプトコンピュータシステムへ移行する移行データを取得し、前記電子カルテシステム上で取得した前記移行データにおける所定の第1区切り文字で連結してなる第1文字列を作成し、作成した複数の第1文字列を所定の第2区切り文字で連結してなる第2文字列を作成し、作成した第2文字列の後ろに所定のキーを挿入し、前記所定のキーを挿入した前記第2文字列をコードに変換する処理を実行し、前記第1コンピュータとは異なる第2コンピュータが、変換したコードを読み取ることにより前記レセプトコンピュータシステムへ前記移行データを記憶する処理を実行ることを特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コンピュータが、
電子カルテシステムからレセプトコンピュータシステムへ移行する移行データを取得し、
前記電子カルテシステム上で取得した前記移行データにおける所定の第1区切り文字で連結してなる第1文字列を作成し、
作成した複数の第1文字列を所定の第2区切り文字で連結してなる第2文字列を作成し、
作成した第2文字列の後ろに所定のキーを挿入し、
前記所定のキーを挿入した前記第2文字列をコードに変換する処理を実行し、
前記第1コンピュータとは異なる第2コンピュータが、
変換したコードを読み取ることにより前記レセプトコンピュータシステムへ前記移行データを記憶する
処理を実行するデータ移行方法。
【請求項2】
対象となる患者の診療行為コード、または該診療行為コードに対応する数値データを含む前記移行データをコードに変換し、
前記レセプトコンピュータシステムに接続される撮像装置を通じて、変換したコードを読み取り、
前記コードから読み取った前記移行データを前記レセプトコンピュータシステムに記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ移行方法。
【請求項3】
前記移行データに対応する患者ID及び診療日と一致する患者ID及び診療日の入力を前記レセプトコンピュータシステムで受け付け、
受け付けた患者ID及び診療日に対応付けて、前記コードから読み取った前記移行データを前記レセプトコンピュータシステムで出力する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ移行方法。
【請求項4】
電子カルテシステムからレセプトコンピュータシステムへ移行する移行データを取得し、
前記電子カルテシステム上で取得した前記移行データにおける所定の第1区切り文字で連結してなる第1文字列を作成し、
作成した複数の第1文字列を所定の第2区切り文字で連結してなる第2文字列を作成し、
作成した第2文字列の後ろに所定のキーを挿入し、
前記所定のキーを挿入した前記第2文字列をコードに変換し、
変換したコードを、前記レセプトコンピュータシステムに接続される撮像装置に読み取らせるべく表示部に出力する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項5】
第1コンピュータが、
電子カルテシステムからレセプトコンピュータシステムへ移行する移行データを取得し、
前記電子カルテシステム上で取得した前記移行データをコードに変換する処理を実行し、
前記第1コンピュータとは異なる第2コンピュータが、
変換したコードを読み取ることにより、前記コードに含まれる前記移行データを第2文字列として読み出し、
読み出した第2文字列の先頭から、当該第2文字列の後ろの所定のキーまで、所定の第2区切り文字を探索し、
探索した第2区切り文字で前記第2文字列を分割して複数の第1文字列を抽出し、
抽出した各第1文字列に対し、各第1文字列の先頭から最後まで、所定の第1区切り文字を探索し、
探索した第1区切り文字で各第1文字列を分割し、
分割した各第1文字列を前記レセプトコンピュータシステムへ記憶する
処理を実行するデータ移行方法。