(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168124
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】X線CT装置および断層画像の再構成方法
(51)【国際特許分類】
G01N 23/046 20180101AFI20231116BHJP
A61B 6/03 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
G01N23/046
A61B6/03 350V
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079781
(22)【出願日】2022-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】欅 泰行
(72)【発明者】
【氏名】高橋 亮
【テーマコード(参考)】
2G001
4C093
【Fターム(参考)】
2G001AA01
2G001BA11
2G001CA01
2G001GA06
2G001GA08
2G001HA08
2G001HA14
2G001JA08
2G001PA12
4C093AA22
4C093BA03
4C093CA13
4C093FE01
4C093FF28
(57)【要約】
【課題】被写体の回転軸方向における関心領域の設定または調整を適切かつ容易に行うことが可能なX線CT装置を提供する。
【解決手段】このX線CT装置100は、X線照射部11と、X線検出部12と、投影データに基づいて、被写体200の断層画像52を構築する断層画像構築処理を行うとともに、ヒルベルト変換を実行して、関心領域210内における被写体の断層画像52を再構成する関心領域再構成処理を行う処理部21とを備える。処理部21は、投影データに基づくX線投影画像51を表示部42に表示させ、かつ、関心領域再構成処理時において、断層画像52の再構成が行われる被写体200の回転軸方向における関心領域210を設定または調整するためのGUIを表示する処理を行う。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線を照射するX線照射部と、
前記X線照射部から照射され、被写体を透過したX線を検出するX線検出部と、
前記被写体を回転させながら、前記被写体に複数の角度からX線を照射して取得した投影データに基づいて、前記被写体の断層画像を構築する断層画像構築処理を行うとともに、ヒルベルト変換を実行して、関心領域内における前記被写体の前記断層画像を再構成する関心領域再構成処理を行う処理部とを備え、
前記処理部は、前記投影データに基づくX線投影画像を表示部に表示させ、かつ、前記関心領域再構成処理時において、前記断層画像の再構成が行われる前記被写体の回転軸方向における関心領域を設定または調整するためのグラフィカルユーザインタフェースであるGUIを表示する処理を行うように構成されている、X線CT装置。
【請求項2】
前記GUIは、前記被写体の回転軸方向における前記関心領域を示す回転軸方向関心領域GUIを含み、
前記処理部は、前記表示部において、前記回転軸方向関心領域GUIを前記X線投影画像に重畳して表示させる処理を行う、請求項1に記載のX線CT装置。
【請求項3】
前記GUIに対する入力を行うための入力部をさらに備え、
前記処理部は、前記入力部による前記GUIに対する入力に応じて、前記被写体の回転軸方向における前記関心領域を設定または調整する処理を行う、請求項2に記載のX線CT装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記入力部による前記回転軸方向関心領域GUIに対する入力に応じて、前記被写体の回転軸方向における前記関心領域の少なくとも位置を調整する処理を行う、請求項3に記載のX線CT装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記被写体の回転軸方向における前記関心領域を自動的に設定する処理を行う、請求項1に記載のX線CT装置。
【請求項6】
前記GUIは、前記処理部が前記被写体の回転軸方向における前記関心領域を自動的に設定するための関心領域自動設定GUIをさらに含み、
前記処理部は、前記関心領域自動設定GUIに対する入力に基づいて、前記被写体の回転軸方向における前記関心領域を自動的に設定する処理を行う、請求項5に記載のX線CT装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記X線検出部の検出結果に基づいて、前記被写体の回転軸方向における大きさに対応した前記被写体の回転軸方向における前記関心領域を自動的に設定する処理を行う、請求項5に記載のX線CT装置。
【請求項8】
前記処理部は、
前記X線検出部の検出結果としての前記X線投影画像の前記被写体の回転軸方向における輝度値の変化に基づいて、前記被写体の回転軸方向における端部の位置を取得して、
取得した前記被写体の回転軸方向における端部の位置に基づいて、前記被写体の回転軸方向における前記関心領域の位置を自動的に設定する処理を行う、請求項7に記載のX線CT装置。
【請求項9】
前記処理部は、
前記X線検出部の検出結果としての前記断層画像の回転軸方向における変化に基づいて、前記被写体の回転軸方向における端部の位置を取得して、
取得した前記被写体の回転軸方向における端部の位置に基づいて、前記被写体の回転軸方向における前記関心領域の位置を自動的に設定する処理を行う、請求項7に記載のX線CT装置。
【請求項10】
前記GUIは、前記被写体の回転軸方向における前記関心領域を示す回転軸方向関心領域GUIを含み、
前記処理部は、前記処理部によって自動的に設定された前記回転軸方向関心領域GUIを前記表示部に表示する処理を行う、請求項5から9までのいずれか1項に記載のX線CT装置。
【請求項11】
被写体に複数の角度からX線を照射して取得した投影データに基づいて、前記被写体の断層画像を構築する断層画像構築処理を行う断層画像構築処理ステップと、
前記投影データに基づくX線投影画像を表示する投影画像表示ステップと、
ヒルベルト変換を実行して、関心領域内における前記被写体の前記断層画像を再構成する関心領域再構成処理の際に、前記断層画像の再構成が行われる前記被写体の回転軸方向における前記関心領域を設定または調整するためのグラフィカルユーザインタフェースであるGUIを表示するGUI表示ステップと、
前記GUIを用いて設定または調整された前記被写体の回転軸方向における前記関心領域に基づいて、関心領域再構成処理を行う関心領域再構成処理ステップと、を備える、断層画像の再構成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線CT装置および断層画像の再構成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
X線CT装置による撮影において、拡大率を上げて、被写体の一部を撮影する場合には、被写体の一部をX線照射領域内に収めて、他の部分をX線照射領域からはみ出させた状態で、被写体を回転させながら投影データを取得する。このような場合には、断層画像を構築する際に、被写体のはみ出し部分の情報矛盾に起因して、X線照射領域内の被写体の部分と、被写体のはみ出し部分との境界にアーティファクト(ノイズ)が発生してしまうという不都合がある。
【0003】
このような不都合を解消するために、X線CT装置による断層画像の再構成において、ヒルベルト変換を実行して、関心領域内における被写体の断層画像を再構成する断層画像の再構成方法を利用することが検討されている(たとえば、特許文献1参照)。この断層画像の再構成方法では、関心領域内の被写体を透過した投影データに対して、ヒルベルト変換による処理を行い、関心領域内における被写体の断層画像の再構築を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載されるような断層画像の再構成方法では、上記特許文献1には開示されていないが、被写体の領域と被写体が存在しない領域との境界など、被写体の回転軸方向において投影データの変化が大きい箇所では、アーティファクト(ノイズ)が発生する場合がある。したがって、アーティファクト(ノイズ)の発生を抑制するために、被写体に合わせて、被写体の回転軸方向における関心領域の設定または調整を、適切に設定または調整する必要がある。すなわち、上記特許文献1に記載されるような断層画像の再構成方法を用いて、関心領域内の断層画像の再構成を行う場合には、ユーザは、被写体の回転軸方向における関心領域の設定または調整を行う際に、回転軸方向における被写体の位置を正確に把握しなければ、ヒルベルト変換領域の設定または調整を適切かつ容易に行うことはできない。そのため、被写体に合わせて、被写体の回転軸方向における関心領域の設定または調整を適切かつ容易に行うことが可能なX線CT装置および断層画像の再構成方法が望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、被写体に合わせて、被写体の回転軸方向における関心領域の設定または調整を適切かつ容易に行うことが可能なX線CT装置および断層画像の再構成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面におけるX線CT装置は、X線を照射するX線照射部と、X線照射部から照射され、被写体を透過したX線を検出するX線検出部と、被写体を回転させながら、被写体に複数の角度からX線を照射して取得した投影データに基づいて、被写体の断層画像を構築する断層画像構築処理を行うとともに、ヒルベルト変換を実行して、関心領域内における被写体の断層画像を再構成する関心領域再構成処理を行う処理部とを備え、処理部は、投影データに基づくX線投影画像を表示部に表示させ、かつ、関心領域再構成処理時において、断層画像の再構成が行われる被写体の回転軸方向における関心領域を設定または調整するためのグラフィカルユーザインタフェースであるGUIを表示する処理を行うように構成されている。なお、グラフィカルユーザインタフェースであるGUIは、コンピュータに対する命令を、ユーザが画面上において視覚的に捉えて行うために用いられるものである。GUIは、コンピュータに対する命令を入力するためのアイコンおよびボタンなどを含むとともに、ウィンドウおよびテキストボックスなどのウィジェット、ユーザに情報を通知するための表示(画像)なども含む広い概念である。
【0008】
この発明の第2の局面における断層画像の再構成方法は、被写体に複数の角度からX線を照射して取得した投影データに基づいて、被写体の断層画像を構築する断層画像構築処理を行う断層画像構築処理ステップと、投影データに基づくX線投影画像を表示する投影画像表示ステップと、ヒルベルト変換を実行して、関心領域内における被写体の断層画像を再構成する関心領域再構成処理の際に、断層画像の再構成が行われる被写体の回転軸方向における関心領域を設定または調整するためのグラフィカルユーザインタフェースであるGUIを表示するGUI表示ステップと、GUIを用いて設定または調整された被写体の回転軸方向における関心領域に基づいて、関心領域再構成処理を行う関心領域再構成処理ステップと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の第1の局面におけるX線CT装置および第2の局面における断層画像の再構成方法によれば、投影データに基づくX線投影画像が表示されるとともに、被写体の回転軸方向における関心領域を設定または調整するためのGUIが表示されるので、ユーザは、被写体の投影データに基づくX線投影画像を視認して、回転軸方向における被写体の位置を正確に把握しながら、GUIを用いて被写体の回転軸方向における関心領域を適切に設定または調整することができる。これにより、被写体に合わせて、被写体の回転軸方向における関心領域の設定または調整を適切かつ容易に行うことが可能なX線CT装置および断層画像の再構成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態によるX線CT装置の全体構成を示した模式図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるX線CT装置の全体構成を示したブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるX線CT装置の関心領域再構成処理について説明するための第1図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるX線CT装置の関心領域再構成処理について説明するための第2図である。
【
図5】コードおよびヒルベルト変換領域について説明するための図である。
【
図6】被写体、関心領域およびヒルベルトラインの関係を示した図である。
【
図7】表示部に表示されるGUIおよび断層画像を示した図である。
【
図8】関心領域GUIおよび変換領域GUIを示した図である。
【
図9】関心領域GUIを用いた断面方向における関心領域の調整を示した図である。
【
図10】変換領域GUIを用いたヒルベルト変換領域の調整を示した第1図である。
【
図11】変換領域GUIを用いたヒルベルト変換領域の調整を示した第2図である。
【
図12】変換領域GUIを用いたヒルベルト変換領域の調整を示した第3図である。
【
図13】関心領域GUIを用いた回転軸方向における関心領域の調整を示した図である。
【
図14】X線投影画像に基づく関心領域の自動設定処理の一例について説明するための図である。
【
図15】本発明の一実施形態によるX線CT装置による関心領域再構成処理の一例を示したフローチャートである。
【
図16】変形例によるX線投影画像に基づく関心領域の自動設定の処理の他の一例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1に示すように、X線CT装置100は、産業用のX線CT装置である。X線CT装置100は、被写体200(ワーク)を中心とした360°方向から、被写体200の投影データ(X線投影データ)を取得して、取得した投影データに基づいて、断層画像52(
図7参照)を構築する装置である。なお、本実施形態では、被写体200の一例として、リチウムイオン電池を例として説明するが、被写体200は、これに限られない。
【0013】
図1に示すように、X線CT装置100は、撮影部10を備える。X線CT装置100の撮影部10は、X線照射部11と、X線検出部12と、被写体200が載置される回転ステージ13とを備える。
【0014】
X線照射部11は、X線を照射する。X線照射部11は、図示しないX線源を含む。X線照射部11は、被写体200に対して、X線を照射する。X線検出部12は、X線照射部11から照射され、被写体200を透過したX線を検出する。X線照射部11およびX線検出部12は、互いに対向するように配置されている。X線照射部11とX線検出部12とは、X方向(
図1参照)において、対向するように配置されている。
【0015】
回転ステージ13は、X方向においてX線照射部11とX線検出部12との間に配置されている。そして、回転ステージ13は、X線照射部11とX線検出部12との間において、X方向およびY方向に直交するZ方向に延びるR軸線回り(
図1参照)に回転することによって、載置された被写体200を回転させる。なお、回転ステージ13は、X方向に移動可能に構成されている。
【0016】
X線CT装置100は、回転ステージ13によって、被写体200を360°回転させながら、被写体200の投影データを取得する。そして、X線CT装置100は、取得した投影データに基づいて、断層画像52(
図7参照)を構築する。これにより、被写体200の内部構造が三次元的に捉えられる。
【0017】
また、X線CT装置100は、
図1および
図2に示すように、PC(Personal Computer)20と、X線照射部11によるX線の照射を制御するX線制御部31と、回転ステージ13の回転を制御するステージ制御部32とを備える。X線制御部31は、PC20による制御に基づいて、X線照射部11によるX線の照射を制御する。また、ステージ制御部32は、PC20による制御に基づいて、回転ステージ13の回転を制御する。
【0018】
また、PC20は、
図2に示すように、処理部21と、記憶部22と、通信部23とを備える。
【0019】
処理部21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などを含む。処理部21は、たとえば、プロセッサである。処理部21は、X線制御部31およびステージ制御部32を介して、それぞれX線照射部11および回転ステージ13の動作を制御している。
【0020】
記憶部22には、X線CT装置100を制御するためのソフトウェア、投影データに基づいて断層画像52(
図7参照)を構築するための処理(断層画像構築処理)を実行するためのソフトウェア、および、後述するヒルベルト変換に基づいた断層画像52の再構成の処理(関心領域再構成処理)を実行するためのソフトウェアが記憶(格納)されている。記憶部22は、不揮発性のメモリ、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、または、SSD(Solid State Drive)などを含む。
【0021】
処理部21は、記憶部22に記憶されたソフトウェアのプログラムを実行することによって、X線CT装置100全体の制御を行っている。また、断層画像構築処理、関心領域再構成処理、および、各種GUI(Graphical User Interface)に関する処理なども、処理部21によって対応するプログラムが実行されることによって行われる。
【0022】
通信部23は、通信用のインターフェースである。PC20は、通信部23によって、X線検出部12、X線制御部31、および、ステージ制御部32の各々に対して通信可能に接続される。
【0023】
また、X線CT装置100は、
図1および
図2に示すように、入力部41と、表示部42とを備える。入力部41および表示部42は、PC20の通信部23に対して通信可能に接続されている。
【0024】
入力部41は、GUIに対する入力を行うための入力機器である。入力部41は、マウス41a、および、キーボード41bを含む。また、入力部41は、トラックボール、または、タッチパネルなどを含んでもよい。入力部41は、ユーザによる入力操作を受け付け、受け付けた入力操作に基づく信号をPC20に出力する。
【0025】
表示部42は、たとえば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイを含む。表示部42には、PC20から出力される画像が表示される。なお、表示部42は、タッチパネルが設けられたタッチパネルディスプレイであってもよい。
【0026】
処理部21は、被写体200を回転させながら、被写体200に複数の角度からX線を照射して取得した投影データに基づいて、被写体200の断層画像52を構築する断層画像構築処理を行う。
【0027】
また、処理部21は、ヒルベルト変換を実行して、関心領域(ROI Region Of Interest)210(
図4参照)内における被写体200の断層画像52を再構成する関心領域再構成処理を行う。
【0028】
処理部21は、関心領域再構成処理時において、断層画像52の再構成が行われる被写体200の回転軸方向(Z方向)における関心領域210を設定または調整するためのGUIを、表示部42に表示する処理を行う。また、処理部21は、関心領域再構成処理時において、ヒルベルト変換による処理を行うヒルベルト変換領域220(
図5参照)を設定または調整するためのGUIを、表示部42に表示する処理を行う。なお、ヒルベルト変換領域220を設定または調整するためのGUI、および、被写体200の回転軸方向における関心領域210を設定または調整するためのGUIの詳細については、後述する。
【0029】
(関心領域再構成処理)
ここで、
図3~
図6を参照して、本実施形態によるX線CT装置100(処理部21)によって実行される関心領域再構成処理について説明する。関心領域再構成処理では、ヒルベルト変換を実行して、関心領域210内における被写体200の断層画像52が再構成される。なお、関心領域210は、Z方向に伸びる円柱状の領域である。
【0030】
被写体200とX線照射部11とを近づけて、拡大率を上げて、被写体200の一部を撮影する場合には、
図3に示すように、被写体200の一部をX線照射領域110内に収めて、他の部分をX線照射領域110からはみ出させた状態で、被写体200を回転させながら投影データが取得される。このような場合において、X線検出部12によって取得される投影データのうち、関心領域210内の空気など被写体200以外の領域を透過した投影データ、および、関心領域210外にはみ出した被写体200のはみ出し部分(トランケーション部分)を透過した投影データは、断層画像52の再構築において、不要なデータである。特に、関心領域210外にはみ出した被写体200のはみ出し部分の投影データは、断層画像52を構築する際に、情報矛盾の原因となり、結果としてアーティファクト(ノイズ)を発生させてしまう。
【0031】
処理部21によって行われるヒルベルト変換は、下記のような式(1)~式(3)を用いて行われる。下記の式(1)~式(3)を用いて実行されるヒルベルト変換により、被写体200のはみだし部分に起因するアーティファクト(ノイズ)が低減される。
【数1】
【数2】
【数3】
【0032】
ここで、処理部21は、ヒルベルト変換によって、データを変換する領域を設定するために、コード222(
図4および
図5参照)を設定する必要がある。コード222は、関心領域210内において、ヒルベルト変換を行う領域に対応する。なお、
図4では、簡略化のために、被写体200の一方端部、中央部および他方端部のみにコード222を示しているが、実際には関心領域210内の被写体200の一方端から他方端まで、コード222が複数設定される。処理部21は、断層画像52の再構築に際して、投影データに基づく断層画像52のデータをヒルベルト変換するために、断層画像52のデータのボクセル221(
図5参照)の集合であるコード(πライン)222の位置、コード222の幅、および、コード222の角度を設定する。なお、ボクセル221は、3次元空間での正規格子単位の値である。また、コード222は、
図6に示すヒルベルトライン上の点аと点fとを結ぶ線分(線分af)に対応している。本実施形態では、処理部21は、コード222の集合であるヒルベルト変換領域220(
図5参照)によって、コード222の位置、コード222の幅、および、コード222の角度を設定している。すなわち、ヒルベルト変換領域220は、ヒルベルトライン上の点аと点fとを結ぶ線分(線分af)の集合である。なお、
図5においては、複数のコード222の幅が全て等しい例を示しているが、コード222の幅はそれぞれ異なってもよい。すなわち、コード222の集合であるヒルベルト変換領域220は、
図5に示したような長方形形状に限られない。
【0033】
(GUI)
表示部42には、処理部21による制御によって、各種GUIを含む画像が表示される。具体的には、表示部42には、ウィンドウ50(
図7参照)が表示される。そして、
図7~
図13に示すように、表示部42に表示されるウィンドウ50には、投影データに基づくX線投影画像51、および、処理部21が構築した断層画像52とともに、各種GUIが表示される。具体的には、表示部42には、チェックボックス71(
図7参照)、関心領域GUI72(
図8参照)および変換領域GUI73(
図8参照)が、X線投影画像51および断層画像52とともに、ウィンドウ50上に表示される。また、表示部42には、断層画像位置GUI81(
図7参照)および関心領域GUI82(
図8参照)も、ウィンドウ50上に表示される。なお、チェックボックス71および関心領域GUI82は、特許請求の範囲の「グラフィカルユーザインタフェースであるGUI」の一例である。また、チェックボックス71は、特許請求の範囲の「関心領域自動設定GUI」の一例である。なお、関心領域GUI82は、特許請求の範囲の「回転軸方向関心領域GUI」の一例である。
【0034】
処理部21は、入力部41によるGUIに対する入力に応じて、ヒルベルト変換領域220を設定または調整する処理を行う。具体的には、処理部21は、マウス41aおよびキーボード41bを介して、GUIに対するユーザからの入力を受け付けて、受け付けた入力に応じて、ヒルベルト変換領域220の設定または調整を行う。
【0035】
チェックボックス71は、ヒルベルト変換領域220を設定するためのGUIである。また、チェックボックス71は、被写体200の回転軸方向(Z方向)における関心領域210を設定するためのGUIである。また、チェックボックス71は、関心領域再構成処理を実行する関心領域210およびヒルベルト変換領域220を設定するモード(
図8~
図13参照)への切り替えの際に用いられるGUIである。ユーザが、マウス41aを用いてカーソル60を操作して、チェックボックス71にチェックを入れる操作を行うことにより、処理部21は、関心領域再構成処理を実行する関心領域210およびヒルベルト変換領域220を設定するモードに切り替える処理を行う。なお、カーソル60は、X線投影画像51および断層画像52に重畳して表示されるGUI(関心領域GUI72、変換領域GUI73、断層画像位置GUI81および関心領域GUI82)と重なる際には、カーソル形状が矢印形状(
図7参照)から、手を模した形状(
図8参照)に変更される。
【0036】
そして、チェックボックス71は、処理部21がヒルベルト変換領域220を自動的に設定するためのGUIである。本実施形態では、
図8に示すように、チェックボックス71にチェックを入れ、関心領域210およびヒルベルト変換領域220を設定するモードに切り替えた際には、処理部21によって自動的に設定されたヒルベルト変換領域220に対応する変換領域GUI73が表示部42に表示される。すなわち、処理部21は、処理部21によって自動的に設定されたヒルベルト変換領域220を示す変換領域GUI73を表示部42に表示する処理を行う。なお、処理部21によるヒルベルト変換領域220の自動設定の詳細については、後述する。
【0037】
また、チェックボックス71は、処理部21が被写体200の回転軸方向(Z方向)における関心領域210を自動的に設定するためのGUIである。本実施形態では、
図8に示すように、チェックボックス71にチェックを入れ、関心領域210およびヒルベルト変換領域220を設定するモードに切り替えた際には、処理部21によって自動的に設定された被写体200の回転軸方向(Z方向)における関心領域210に対応する関心領域GUI82が表示部42に表示される。すなわち、処理部21は、処理部21によって自動的に設定された被写体200の回転軸方向(Z方向)における関心領域210に対応する関心領域GUI82を表示部42に表示する処理を行う。なお、処理部21による被写体200の回転軸方向(Z方向)における関心領域210の自動設定の詳細については、後述する。
【0038】
処理部21は、表示部42において、断層画像位置GUI81をX線投影画像51に重畳して表示部42に表示する処理を行う。断層画像位置GUI81は、ウィンドウ50内に表示される断層画像52の被写体200の回転軸方向(Z方向)における位置を示している。具体的には、断層画像位置GUI81の一方端の位置に対応する断層画像52が、ウィンドウ50内の中央上側(
図7の中央の上)に表示される。また、断層画像位置GUI81の他方端の位置に対応する断層画像52が、ウィンドウ50内の中央下側(
図7の中央の下)に表示される。そして、断層画像位置GUI81の中央の位置に対応する断層画像52が、ウィンドウ50内の左側(
図7の左)に表示される。
【0039】
関心領域GUI72(
図8参照)は、回転軸方向(Z方向)に直交するXY面に沿った方向における関心領域210を示している。また、関心領域GUI72は、回転軸方向(Z方向)に直交するXY面に沿った方向における関心領域210を調整するためのGUIである。なお、関心領域GUI72は、枠状に表示されている。
【0040】
また、変換領域GUI73は、ヒルベルト変換領域220を示すGUIである。そして、変換領域GUI73は、ヒルベルト変換領域220を調整するためのGUIである。変換領域GUI73は、回転軸方向(Z方向)に直交するXY面に沿った方向におけるヒルベルト変換領域220を示している。すなわち、変換領域GUI73は、被写体200の断面(XY面)方向におけるヒルベルト変換領域220を示している。また、変換領域GUI73は、ヒルベルト変換領域220の幅方向の一方端を示すバー73aと、ヒルベルト変換領域220の幅方向の他方端を示すバー73bと、ヒルベルト変換領域220におけるコード222(
図5参照)の方向を示す矢印73cとを含む。すなわち、矢印73cの傾きは、ヒルベルト変換領域220におけるコード222の角度を示す。
【0041】
処理部21は、
図8に示すように、関心領域GUI72および変換領域GUI73を断層画像52に重畳して表示部42に表示する処理を行う。関心領域GUI72および変換領域GUI73は、白黒の断層画像52に重畳した際に、視認性が比較的高い色によって表示される。たとえば、関心領域GUI72は、緑色の枠によって表示され、変換領域GUI73のバー73a、73bおよび矢印73cは、赤色の線によって表示される。
【0042】
そして、処理部21は、断層画像52に重畳される関心領域GUI72の領域が変更される場合には、断層画像52に対するヒルベルト変換領域220を示す変換領域GUI73が、関心領域GUI72の内側に収まるように、ヒルベルト変換領域220を調整する処理を行う。
【0043】
具体的には、
図8に示すように、ユーザが、マウス41aを用いて、関心領域GUI72の枠をカーソル60によってマウスドラッグして、関心領域GUI72の枠のサイズを変更する操作を行うことにより、処理部21は、被写体200の断面(XY面)方向における関心領域210を調整する処理を行う。本実施形態では、
図9に示すように、関心領域GUI72のサイズの変更前におけるヒルベルト変換領域220のうち、関心領域GUI72のサイズの変更に伴って、関心領域210に収まらなくなった部分は、ヒルベルト変換領域220から除外され、ヒルベルト変換領域220が変更される。そして、ヒルベルト変換領域220の変更に対応して、変換領域GUI73の表示も、関心領域GUI72の内側に収まるように、処理部21によって変更される。
【0044】
処理部21は、入力部41による変換領域GUI73に対する入力に応じて、ヒルベルト変換領域220の位置、ヒルベルト変換領域220の幅、および、断層画像52に対するヒルベルト変換領域220の角度を調整する処理を行う。
【0045】
具体的には、処理部21は、
図10に示すように、ユーザが、マウス41aを用いてカーソル60を操作して、変換領域GUI73をマウスドラッグして、移動させることにより、ヒルベルト変換領域220の位置を調整する処理を行う。
【0046】
また、処理部21は、
図11に示すように、ユーザが、マウス41aを用いてカーソル60を操作して、ヒルベルト変換領域220の幅方向の一方端を示すバー73aまたは73bをマウスドラッグして、スライドさせることにより、ヒルベルト変換領域220の幅を調整する処理を行う。
【0047】
また、処理部21は、
図12に示すように、ユーザが、マウス41aを用いてカーソル60を操作して、ヒルベルト変換領域220におけるコード222の角度を示す矢印73cなど、コード222の角度を変更する領域をマウスドラッグして、変換領域GUI73を、表示部42の画面に対して直交する軸線回りに回転させる操作を行うことにより、断層画像52に対するヒルベルト変換領域220の角度(コード222の角度)を調整する処理を行う。
【0048】
また、処理部21は、ユーザが、ウィンドウ50上に表示される「画像再構成中心(X)」、「画像再構成中心(Y)」、「画像再構成中心(Z)」および「画像回転角度」の各々の値(パラメータ)を、マウス41aおよびキーボード41bを用いて、直接入力することにより、ヒルベルト変換領域220を変更する処理を行うことも可能である。
【0049】
また、変換領域GUI73を用いたヒルベルト変換領域220の調整(設定)が行われた際には、ウィンドウ50上に表示される「画像再構成中心(X)」、「画像再構成中心(Y)」、「画像再構成中心(Z)」および「画像回転角度」の各々の値(パラメータ)は、処理部21により、調整(設定)後の値に連動して変更される。
【0050】
(Z方向における関心領域の設定に関するGUI)
また、処理部21は、
図8~
図13に示すように、表示部42において、関心領域GUI82をX線投影画像51に重畳して表示させる処理を行う。関心領域GUI82は、被写体200の回転軸方向における関心領域210を示している。また、関心領域GUI82は、被写体200の回転軸方向(Z方向)における関心領域210を調整するためのGUIである。また、関心領域GUI82は、白黒のX線投影画像51に重畳した際に、視認性が比較的高い色によって表示される。たとえば、関心領域GUI82は、赤色の線で表示される。
【0051】
処理部21は、入力部41による関心領域GUI82に対する入力に応じて、被写体200の回転軸方向(Z方向)における関心領域210を設定または調整する処理を行う。処理部21は、入力部41による関心領域GUI82に対する入力に応じて、被写体200の回転軸方向における関心領域210の少なくとも位置を調整する処理を行う。
【0052】
本実施形態では、関心領域GUI82は、
図13に示すように、関心領域210のZ方向における一方端を示すバー82aと、関心領域210のZ方向における他方端を示すバー82bと、関心領域210のZ方向における中央位置を示すバー82cとを含む。
【0053】
図13に示すように、ユーザが、マウス41aを用いてカーソル60を操作して、バー82aまたは82bをマウスドラッグして、スライドさせることにより、処理部21は、回転軸方向(Z方向)における関心領域210の端部の位置、および、関心領域210の幅を調整する処理を行う。
【0054】
また、関心領域GUI82によって示される回転軸方向(Z方向)における関心領域210の全体の位置についても、ユーザの操作に基づいて調整することが可能である。たとえば、ユーザが、マウス41aを用いてカーソル60を操作して、バー82cをマウスドラッグして、スライドさせることにより、処理部21は、関心領域GUI82によって示される回転軸方向(Z方向)における関心領域210の全体の位置を調整する処理を行う。
【0055】
また、処理部21は、ユーザが、ウィンドウ50上に表示される「FOV(Z)」の値(パラメータ)を、マウス41aおよびキーボード41bを介して、直接入力することにより、被写体200の回転軸方向(Z方向)における関心領域210を変更する処理を行うことも可能である。
【0056】
また、関心領域GUI82を用いた被写体200の回転軸方向(Z方向)における関心領域210の調整(設定)が行われた際には、ウィンドウ50上に表示される「FOV(Z)」の値は、処理部21により、調整(設定)後の値に連動して変更される。
【0057】
そして、処理部21は、入力部41(マウス41aおよびキーボード41b)によって、画像再構成開始ボタン74に対する入力が行われた場合には、各種GUIを用いて設定または調整された関心領域210、および、ヒルベルト変換領域220に応じて、断層画像52の再構成を行う関心領域再構成処理が実行される。
【0058】
(ヒルベルト変換領域の自動設定に関する構成)
本実施形態において、処理部21は、X線検出部12の検出結果に基づいて、被写体200の形状に対応したヒルベルト変換領域220を自動的に設定する処理を行う。
【0059】
処理部21は、入力部41によるチェックボックス71に対する入力に基づいて、ヒルベルト変換領域220を自動的に設定する処理を行う。具体的には、チェックボックス71にチェックが入れられた場合には、関心領域再構成処理を実行する関心領域210およびヒルベルト変換領域220を設定するモードへの切り替えの処理と同時に、ヒルベルト変換領域220を自動的に設定する処理が、処理部21によって実行される。
【0060】
(関心領域の自動設定に関する構成)
本実施形態において、処理部21は、X線検出部12の検出結果に基づいて、被写体200の回転軸方向における大きさに対応した被写体200の回転軸方向における関心領域210を自動的に設定する処理を行う。
【0061】
処理部21は、チェックボックス71に対する入力に基づいて、被写体200の回転軸方向(Z方向)における関心領域210を自動的に設定する処理を行う。具体的には、チェックボックス71にチェックが入れられた場合には、関心領域再構成処理を実行する関心領域210およびヒルベルト変換領域220を設定するモードへの切り替えの処理と同時に、被写体200の回転軸方向における関心領域210を自動的に設定する処理が、処理部21によって実行される。すなわち、チェックボックス71にチェックが入れられた場合には、関心領域210およびヒルベルト変換領域220を設定するモードへの切り替えの処理と同時に、ヒルベルト変換領域220を自動的に設定する処理、および、被写体200の回転軸方向における関心領域210を自動的に設定する処理が、処理部21によって実行される。
【0062】
本実施形態では、処理部21は、
図14に示すように、X線検出部12の検出結果としてのX線投影画像51の被写体200の回転軸方向における輝度値の変化に基づいて、被写体200の回転軸方向における端部200aの位置を取得する処理を行う。そして、処理部21は、取得した被写体200の回転軸方向における端部200aの位置に基づいて、被写体200の回転軸方向における関心領域210の位置を自動的に設定する処理を行う。
【0063】
処理部21は、
図14に示すように、被写体200の回転軸方向に直交する横方向に積算したX線投影画像51(投影データ)の輝度値の回転軸方向(Z方向)における変化のプロファイルを作成する。処理部21は、作成したプロファイルにおいて輝度値が一定の領域を検出する。そして、処理部21は、作成したプロファイルにおいて輝度値が一定の領域から、被写体200の領域(被写体領域)との被写体200以外の領域(空気領域)との輝度値の大小関係に基づいて、被写体200の領域(被写体領域)および被写体200以外の領域(空気領域)の各々を検出する。さらに、処理部21は、被写体領域と空気領域との境界を検出して、被写体領域の端部の位置を、回転軸方向(Z方向)における被写体200の端部200aの位置として取得する。
【0064】
なお、本実施形態では、処理部21は、
図14に示すように、被写体領域と空気領域との間において輝度値の変化が終わった位置を、被写体領域と空気領域との境界として検出している。なお、処理部21は、被写体領域と空気領域との間において輝度値の変化が始まった位置を、被写体領域と空気領域との境界として検出してもよい。また、処理部21は、被写体領域と空気領域との間において輝度値の変化が始まった位置と、被写体領域と空気領域との間において輝度値の変化が終わった位置との中間の位置を、被写体領域と空気領域との境界として検出してもよい。
【0065】
そして、処理部21は、取得した被写体200の回転軸方向(Z方向)における端部200aの位置から、被写体200の回転軸方向における関心領域210の位置を自動的に設定する処理を行う。
【0066】
また、処理部21は、X線投影画像51の被写体200の回転軸方向における輝度値の変化に基づいて、処理部21により自動的に設定された被写体200の回転軸方向における関心領域210を示す関心領域GUI82を表示部42に表示する処理を行う。前述したように、チェックボックス71にチェックを入れる操作が行われた際には、X線投影画像51の被写体200の回転軸方向における輝度値の変化に基づいて、処理部21により自動的に設定された被写体200の回転軸方向における関心領域210を示す関心領域GUI82(
図8参照)が表示部42のウィンドウ50内に表示される。
【0067】
(関心領域再構成処理)
次に、
図15を参照して、本実施形態のX線CT装置100による関心領域再構成処理の処理フローについて説明する。
【0068】
まず、ステップ901において、投影データが取得される。ステップ901では、被写体200を回転させながら、複数の角度からX線を照射して取得した投影データが取得される。ステップ901の完了後、処理ステップは、ステップ902に移行する。
【0069】
ステップ902において、断層画像構築処理が行われる。ステップ902では、処理部21によって、被写体200に複数の角度からX線を照射して取得した投影データに基づいて、被写体200の断層画像52を構築する断層画像構築処理が行われる。なお、ステップ902は、特許請求の範囲の「断層画像構築処理ステップ」の一例である。ステップ902の完了後、処理ステップは、ステップ903に移行する。
【0070】
ステップ903において、X線投影画像51、断層画像52およびGUIが表示される。ステップ903では、前述したように、X線投影画像51および断層画像52とともに、被写体200の回転軸方向における関心領域210を、設定または調整するためのGUIが表示される。ステップ903では、処理部21は、ヒルベルト変換を実行して、関心領域210内における被写体200の断層画像52を再構成する関心領域再構成処理の際に、断層画像52の再構成が行われる被写体200の回転軸方向における関心領域210を、設定または調整するためのGUI(チェックボックス71および関心領域GUI82)を表示する。なお、ステップ903は、特許請求の範囲の「投影画像表示ステップ」および「GUI表示ステップ」の一例である。ステップ903の完了後、処理ステップは、ステップ904に移行する。
【0071】
ステップ904において、関心領域210およびヒルベルト変換領域220の各々の領域が、設定または調整される。前述したように、ユーザは、GUIを用いて、関心領域210およびヒルベルト変換領域220の各々の領域を、設定または調整する。そして、関心領域210およびヒルベルト変換領域220の各々の領域が、設定または調整された後、画像再構成開始ボタン74が押されることによって、処理ステップは、ステップ905に移行する。
【0072】
ステップ905において、関心領域再構成処理が行われる。ステップ905では、処理部21は、ステップ904において、GUIを用いて設定または調整された被写体200の回転軸方向における関心領域210に基づいて、関心領域再構成処理を行う。なお、ステップ905は、特許請求の範囲の「関心領域再構成処理ステップ」の一例である。ステップ905の完了後、処理ステップは、ステップ906に移行する。
【0073】
そして、ステップ906において、断層画像52を再構成した再構成画像が表示される。ステップ906では、処理部21の関心領域再構成処理によって作成され再構成画像が表示される。
【0074】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0075】
本実施形態では、投影データに基づくX線投影画像51が表示されるとともに、被写体200の回転軸方向(Z方向)における関心領域210を設定または調整するためのGUIが表示されるので、ユーザは、被写体200の投影データに基づくX線投影画像51を視認して、回転軸方向における被写体200の位置を正確に把握しながら、GUIを用いて被写体200の回転軸方向における関心領域210を適切に設定または調整することができる。これにより、被写体200に合わせて、被写体200の回転軸方向における関心領域210の設定または調整を適切かつ容易に行うことが可能なX線CT装置100および断層画像52の再構成方法を提供することができる。
【0076】
また、上記実施形態によるX線CT装置100では、以下のように構成したことによって、下記のような更なる効果が得られる。
【0077】
また、本実施形態のX線CT装置100では、処理部21は、表示部42において、関心領域GUI82(回転軸方向関心領域GUI)をX線投影画像51に重畳して表示させる処理を行う。これにより、関心領域GUI82がX線投影画像51に重畳して表示されるので、ユーザは、被写体200の回転軸方向における関心領域210を示す関心領域GUI82がX線投影画像51中の被写体200に重なるように、関心領域210をより適切、かつ、より容易に設定または調整することができる。その結果、ユーザは、被写体200に合わせて、被写体200の回転軸方向における関心領域210の設定または調整をより適切、かつ、より容易に行うことができる。
【0078】
また、本実施形態のX線CT装置100は、GUIに対する入力を行うための入力部41を備える。そして、処理部21は、入力部41によるGUIに対する入力に応じて、被写体200の回転軸方向(Z方向)における関心領域210を設定または調整する処理を行う。これにより、ユーザは、入力部41を用いて、GUIに対する入力を行うことにより、被写体200の回転軸方向における関心領域210を容易に設定または調整することができる。その結果、被写体200の回転軸方向における関心領域210を、ユーザが所望する領域の範囲内に容易に設定または調整することができる。
【0079】
また、本実施形態のX線CT装置100では、処理部21は、入力部41による関心領域GUI82(回転軸方向関心領域GUI)に対する入力に応じて、被写体200の回転軸方向(Z方向)における関心領域210の少なくとも位置を調整する処理を行う。これにより、ユーザは、関心領域GUI82に対する入力により、被写体200の回転軸方向における関心領域210の位置を調整することができる。その結果、ユーザは、関心領域GUI82に対する入力によって、被写体200の回転軸方向における関心領域210の位置を被写体200に合わせて調整することができる。
【0080】
また、本実施形態のX線CT装置100では、処理部21は、チェックボックス71(関心領域自動設定GUI)に対する入力に基づいて、被写体200の回転軸方向(Z方向)における関心領域210を自動的に設定する処理を行う。これにより、被写体200の回転軸方向における関心領域210が、処理部21によって自動的に設定されるので、ユーザからの手動入力のみにより、被写体200の回転軸方向における関心領域210を設定(調整)する場合に比べて、被写体200の回転軸方向における関心領域210の設定をより容易に行うことができる。
【0081】
また、本実施形態のX線CT装置100では、処理部21は、X線検出部12の検出結果に基づいて、被写体200の回転軸方向(Z方向)における大きさに対応した被写体200の回転軸方向における関心領域210を自動的に設定する処理を行う。これにより、被写体200の回転軸方向における大きさに対応した関心領域210が、処理部21によって自動的に設定されるので、ユーザからの手動入力のみにより関心領域210を設定(調整)する場合に比べて、被写体200の回転軸方向における大きさに対応した関心領域210の設定をより容易に行うことができる。また、処理部21は、処理部21によって自動的に設定された被写体200の回転軸方向における関心領域210を示す関心領域GUI82(回転軸方向関心領域GUI)を表示部42に表示する処理を行う。これにより、ユーザは、関心領域210を示す関心領域GUI82を視認することによって、X線検出部12の検出結果に基づいて処理部21により自動的に設定された、被写体200の回転軸方向における関心領域210を把握することができる。その結果、ユーザは、自動的に設定された被写体200の回転軸方向における関心領域210を示す関心領域GUI82と、X線投影画像51中の被写体200とを比較して、自動的に設定された被写体200の回転軸方向における関心領域210が、ユーザの所望の領域であるか否かを視覚的に容易に判断することができる。
【0082】
また、本実施形態のX線CT装置100では、処理部21は、X線検出部12の検出結果としてのX線投影画像51の被写体200の回転軸方向(Z方向)における輝度値の変化に基づいて、被写体200の回転軸方向における端部200aの位置を取得する。そして、処理部21は、取得した被写体200の回転軸方向における端部200aの位置に基づいて、被写体200の回転軸方向における関心領域210の位置を自動的に設定する処理を行う。これにより、端部200aの位置に基づいて、関心領域210の位置が処理部21によって自動的に設定されるので、ユーザの手動入力のみにより関心領域210の位置を設定する場合に比べて、端部200aの位置に基づく関心領域210の位置の設定をより容易に行うことができる。また、処理部21は、X線投影画像51の被写体200の回転軸方向における輝度値の変化に基づいて、処理部21により自動的に設定された被写体200の回転軸方向における関心領域210を示す関心領域GUI82(回転軸方向関心領域GUI)を表示部42に表示する処理を行う。これにより、ユーザは、関心領域GUI82を視認することによって、X線投影画像51の被写体200の回転軸方向における輝度値の変化に基づいて処理部21により自動的に設定された、被写体200の回転軸方向における関心領域210の位置を把握することができる。その結果、ユーザは、関心領域GUI82と、X線投影画像51中の被写体200とを比較して、輝度値の変化に基づいて自動的に設定された、被写体200の回転軸方向における関心領域210の位置が、ユーザの所望の位置であるか否かを視覚的に容易に判断することができる。
【0083】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0084】
たとえば、上記実施形態では、X線投影画像51の被写体200の回転軸方向(Z方向)における輝度値の変化に基づいて、被写体200の回転軸方向における端部200aの位置に対応した被写体200の回転軸方向における関心領域210が、処理部21により自動的に設定される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、
図16に示す変形例のように、断層画像52の回転軸方向における変化に基づいて、被写体200の回転軸方向における端部200aの位置に対応した被写体200の回転軸方向における関心領域210が、処理部21により自動的に設定されてもよい。具体的には、
図16に示す変形例では、処理部21は、構築した複数の断層画像52の中から、被写体200の回転軸方向における端部200aの位置に相当する断層画像52aを検出する。そして、処理部21は、断層画像52aに対応する被写体200の回転軸方向における端部200aの位置に基づいて、被写体200の回転軸方向における関心領域210の位置を自動的に設定する処理を行う。
【0085】
図16に示す変形例では、処理部21は、X線検出部12の検出結果としての断層画像52の回転軸方向における変化に基づいて、被写体200の回転軸方向における端部200aの位置を取得する処理を行う。そして、処理部21は、取得した被写体200の回転軸方向における端部200aの位置に基づいて、被写体200の回転軸方向における関心領域210の位置を自動的に設定する処理を行う。これにより、端部200aの位置に基づいて、関心領域210の位置が処理部21によって自動的に設定されるので、ユーザの手動入力のみにより関心領域210の位置を設定する場合に比べて、端部200aの位置に基づく関心領域210の位置の設定をより容易に行うことができる。また、処理部21は、断層画像52の回転軸方向における変化に基づいて、処理部21により自動的に設定された被写体200の回転軸方向における関心領域210を示す関心領域GUI82を表示部42に表示する処理を行う。これにより、ユーザは、関心領域GUI82を視認することによって、断層画像52の回転軸方向における変化に基づいて処理部21により自動的に設定された、被写体200の回転軸方向における関心領域210の位置を把握することができる。その結果、ユーザは、関心領域GUI82と、X線投影画像51中の被写体200とを比較して、断層画像52の回転軸方向における変化に基づいて自動的に設定された、被写体200の回転軸方向における関心領域210の位置が、ユーザの所望の位置であるか否かを視覚的に容易に判断することができる。
【0086】
また、上記実施形態では、チェックボックス71(関心領域自動設定GUI)にチェックが入れられた場合には、関心領域再構成処理を実行する関心領域210およびヒルベルト変換領域220を設定するモードへの切り替えの処理と同時に、被写体200の回転軸方向における関心領域210を自動的に設定する処理が、処理部21によって実行される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、関心領域再構成処理を実行する関心領域およびヒルベルト変換領域を設定するモードへの切り替えの処理と、被写体の回転軸方向における関心領域を自動的に設定する処理とが別々のタイミングにおいて行われてもよい。また、本発明では、関心領域再構成処理を実行する関心領域およびヒルベルト変換領域を設定するモードへの切り替えるためのGUIと、関心領域自動設定GUIとが異なるGUIであってもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、チェックボックス71(関心領域自動設定GUI)にチェックが入れられた場合には、関心領域再構成処理を実行する関心領域210およびヒルベルト変換領域220を設定するモードへの切り替えの処理と同時に、被写体200の回転軸方向における関心領域210を自動的に設定する処理、および、ヒルベルト変換領域220を自動的に設定する処理が、処理部21によって実行される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、被写体の回転軸方向における関心領域を自動的に設定する処理と、ヒルベルト変換領域を自動的に設定する処理とが別々のタイミングにおいて行われてもよい。また、本発明では、関心領域自動設定GUIと、ヒルベルト変換領域を自動的に設定する処理を行うためのGUIとが異なるGUIであってもよい。また、本発明では、自動設定処理は、被写体の回転軸方向における関心領域に対してのみ行われてもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、表示部42において、関心領域GUI82(回転軸方向関心領域GUI)をX線投影画像51に重畳して表示させる処理を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、回転軸方向関心領域GUIは、表示部において、断層画像と重ならない領域において、表示されてもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、処理部21は、入力部41によるGUIに対する入力に応じて被写体200の回転軸方向(Z方向)における関心領域210を設定(自動設定)する処理を行うとともに、入力部41によるGUIに対する入力に応じて被写体200の回転軸方向(Z方向)における関心領域210を調整(手動調整)する処理を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、処理部により、入力部によるGUIに対する入力に応じて被写体の回転軸方向(Z方向)における関心領域を設定(自動設定)する処理、および、入力部によるGUIに対する入力に応じて被写体の回転軸方向(Z方向)における関心領域を調整(手動調整)する処理のうち、いずれか一方のみが行われてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、処理部21は、入力部41による関心領域GUI82(回転軸方向関心領域GUI)に対する入力に応じて、被写体200の回転軸方向(Z方向)における関心領域210の位置および幅を調整する処理を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、処理部は、入力部による回転軸方向関心領域GUIに対する入力に応じて、被写体の回転軸方向(Z方向)における関心領域の位置のみを調整可能に構成してもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、処理部21は、入力部41によるチェックボックス71(関心領域自動設定GUI)に対する入力に基づいて、被写体200の回転軸方向(Z方向)における関心領域210を自動的に設定する処理を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、処理部は、被写体の回転軸方向における関心領域を自動的に設定する処理を行わずに、入力部による関心領域自動設定GUIに対する入力(ユーザによる手動入力)に応じて、被写体の回転軸方向における関心領域を調整する処理を行うだけでもよい。また、X線投影画像上に、被写体の回転軸方向における関心領域を示す図形を描画するようにして、被写体の回転軸方向における関心領域を設定または調整してもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、回転軸方向(Z方向)に直交するXY面に沿った方向における関心領域210、および、回転軸方向(Z方向)における関心領域210、をそれぞれ、関心領域GUI72および関心領域GUI82によって調整可能な例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、GUIによって、回転軸方向(Z方向)における関心領域のみが調整可能であってもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、処理部21は、断層画像52に重畳される関心領域GUI72の領域が変更される場合には、断層画像52に対するヒルベルト変換領域220を示す変換領域GUI73が、関心領域GUI72の内側に収まるように、ヒルベルト変換領域220を調整する処理を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ヒルベルト変換領域の調整は、関心領域GUIの領域の変更とは個別に行われてもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、本発明の関心領域再構成処理を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、関心領域再構成処理における処理動作は、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行われてもよい。この場合、関心領域再構成処理における処理動作は、完全なイベント駆動型により行われてもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行われてもよい。
【0095】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0096】
(項目1)
X線を照射するX線照射部と、
前記X線照射部から照射され、被写体を透過したX線を検出するX線検出部と、
前記被写体を回転させながら、前記被写体に複数の角度からX線を照射して取得した投影データに基づいて、前記被写体の断層画像を構築する断層画像構築処理を行うとともに、ヒルベルト変換を実行して、関心領域内における前記被写体の前記断層画像を再構成する関心領域再構成処理を行う処理部とを備え、
前記処理部は、前記投影データに基づくX線投影画像を表示部に表示させ、かつ、前記関心領域再構成処理時において、前記断層画像の再構成が行われる前記被写体の回転軸方向における関心領域を設定または調整するためのグラフィカルユーザインタフェースであるGUIを表示する処理を行うように構成されている、X線CT装置。
【0097】
(項目2)
前記GUIは、前記被写体の回転軸方向における前記関心領域を示す回転軸方向関心領域GUIを含み、
前記処理部は、前記表示部において、前記回転軸方向関心領域GUIを前記X線投影画像に重畳して表示させる処理を行う、項目1に記載のX線CT装置。
【0098】
(項目3)
前記GUIに対する入力を行うための入力部をさらに備え、
前記処理部は、前記入力部による前記GUIに対する入力に応じて、前記被写体の回転軸方向における前記関心領域を設定または調整する処理を行う、項目2に記載のX線CT装置。
【0099】
(項目4)
前記処理部は、前記入力部による前記回転軸方向関心領域GUIに対する入力に応じて、前記被写体の回転軸方向における前記関心領域の少なくとも位置を調整する処理を行う、項目3に記載のX線CT装置。
【0100】
(項目5)
前記処理部は、前記被写体の回転軸方向における前記関心領域を自動的に設定する処理を行う、項目1に記載のX線CT装置。
【0101】
(項目6)
前記GUIは、前記処理部が前記被写体の回転軸方向における前記関心領域を自動的に設定するための関心領域自動設定GUIをさらに含み、
前記処理部は、前記関心領域自動設定GUIに対する入力に基づいて、前記被写体の回転軸方向における前記関心領域を自動的に設定する処理を行う、項目5に記載のX線CT装置。
【0102】
(項目7)
前記処理部は、前記X線検出部の検出結果に基づいて、前記被写体の回転軸方向における大きさに対応した前記被写体の回転軸方向における前記関心領域を自動的に設定する処理を行う、項目5に記載のX線CT装置。
【0103】
(項目8)
前記処理部は、
前記X線検出部の検出結果としての前記X線投影画像の前記被写体の回転軸方向における輝度値の変化に基づいて、前記被写体の回転軸方向における端部の位置を取得して、
取得した前記被写体の回転軸方向における端部の位置に基づいて、前記被写体の回転軸方向における前記関心領域の位置を自動的に設定する処理を行う、項目7に記載のX線CT装置。
【0104】
(項目9)
前記処理部は、
前記X線検出部の検出結果としての前記断層画像の回転軸方向における変化に基づいて、前記被写体の回転軸方向における端部の位置を取得して、
取得した前記被写体の回転軸方向における端部の位置に基づいて、前記被写体の回転軸方向における前記関心領域の位置を自動的に設定する処理を行う、項目7に記載のX線CT装置。
【0105】
(項目10)
前記GUIは、前記被写体の回転軸方向における前記関心領域を示す回転軸方向関心領域GUIを含み、
前記処理部は、前記処理部によって自動的に設定された前記回転軸方向関心領域GUIを前記表示部に表示する処理を行う、項目5から9までのいずれか1項に記載のX線CT装置。
【0106】
(項目11)
被写体に複数の角度からX線を照射して取得した投影データに基づいて、前記被写体の断層画像を構築する断層画像構築処理を行う断層画像構築処理ステップと、
前記投影データに基づくX線投影画像を表示する投影画像表示ステップと、
ヒルベルト変換を実行して、関心領域内における前記被写体の前記断層画像を再構成する関心領域再構成処理の際に、前記断層画像の再構成が行われる前記被写体の回転軸方向における前記関心領域を設定または調整するためのグラフィカルユーザインタフェースであるGUIを表示するGUI表示ステップと、
前記GUIを用いて設定または調整された前記被写体の回転軸方向における前記関心領域に基づいて、関心領域再構成処理を行う関心領域再構成処理ステップと、を備える、断層画像の再構成方法。
【符号の説明】
【0107】
11 X線照射部
12 X線検出部
21 処理部
41 入力部
42 表示部
51 X線投影画像
52 断層画像
71 チェックボックス(関心領域自動設定GUI)
82 関心領域GUI(回転軸方向関心領域GUI)
100 X線CT装置
200 被写体
200a 端部
210 関心領域
220 ヒルベルト変換領域