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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168147
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20231116BHJP
   H05K 5/00 20060101ALI20231116BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
G06F1/16 312U
G06F1/16 312E
G06F1/16 312M
H05K5/00 A
H05K5/02 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079819
(22)【出願日】2022-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木下 宏晃
(72)【発明者】
【氏名】佐野 哲也
(72)【発明者】
【氏名】坂東 正明
【テーマコード(参考)】
4E360
【Fターム(参考)】
4E360AA02
4E360AB04
4E360AB05
4E360AB08
4E360AB17
4E360AB18
4E360AB42
4E360BA01
4E360BA11
4E360BB12
4E360BB22
4E360BD05
4E360CA02
4E360EA14
4E360EA18
4E360EA24
4E360EA28
4E360EC05
4E360EC12
4E360EC16
4E360ED02
4E360ED03
4E360ED28
4E360FA02
4E360FA12
4E360FA13
4E360GA08
4E360GA47
4E360GA52
4E360GB46
4E360GC02
4E360GC04
4E360GC08
(57)【要約】
【課題】筐体とキーボードとのレイアウトによらず電子基板を支持することのできる電子機器を提供する。
【解決手段】
【請求項1】電子機器10は、本体筐体12にキーボード24およびマザーボード26を備える。電子機器10は、本体筐体12の内面20aからキーボード24の孔24cまたは切欠24dの内部に突出するボス56と、ボス56に対してビスB2,B3によりキーボード24と共締されるブラケット40と、ブラケット40におけるキーボード24に対面する側と反対側面に設けられたスタッド48とを有する。マザーボード26はスタッド48に対してビスB1で固定されている。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体にキーボードおよび電子基板を備える電子機器であって、
前記筐体の内面から前記キーボードの孔または切欠の内部に突出するボスと、
前記ボスに対してビスにより前記キーボードと共締されるブラケットと、
前記ブラケットにおける前記キーボードに対面する側と反対側面に設けられたスタッドと、
を有し、
前記電子基板は前記スタッドに対してビスで固定される
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記ブラケットは前記キーボードの長手方向両端に設けられている
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1に記載の電子機器において、
前記キーボードの端から前記筐体の縁までの隙間は、前記スタッドの外径よりも小さい
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1に記載の電子機器において、
前記キーボードの端から前記筐体の縁までの隙間に前記筐体の内面から突出する位置決めピンを有し、
前記位置決めピンは前記ブラケットに形成された位置決め孔に挿入されている
ことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項1に記載の電子機器において、
前記スタッドに対応するビスは、前記ボスに対応するビスより呼び径が大きいものであり、
前記ブラケットは、前記ボスによる固定箇所の方が前記スタッドによる固定箇所より数が多い
ことを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体にキーボードおよび電子基板を備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ノート型PCのような電子機器はヒンジによって回動可能に連結された本体筐体とディスプレイ筐体とを有している。本体筐体はキーが表面に露呈されたキーボードと、内部に収納された電子基板とを有しており、キーボードと電子基板とは積層形態となっていることが多い(特許文献1参照)。キーボードの端から本体筐体の縁までは多少のスペースが確保されている。そのため、本体筐体の内部ではこのスペースに電子基板を支持するためのボスを設けることが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-089481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ノート型PCはコンパクト化の要請があることから、キーボードの端から本体筐体の縁までのスペースについても狭くすることが検討されている。しかしながらこのスペースを狭くすると上記のようなボスを設けることが困難となる。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、筐体とキーボードとのレイアウトによらず電子基板を支持することのできる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の実施態様に係る電子機器は、 筐体にキーボードおよび電子基板を備える電子機器であって、前記筐体の内面から前記キーボードの孔または切欠の内部に突出するボスと、前記ボスに対してビスにより前記キーボードと共締されるブラケットと、前記ブラケットにおける前記キーボードに対面する側と反対側面に設けられたスタッドと、を有し、前記電子基板は前記スタッドに対してビスで固定されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の上記態様は、ボスに対してビスによりキーボードと共締されるブラケットを有しており、電子基板はブラケットにおけるキーボードに対面する側と反対側面に設けられたスタッドに対してビスで固定することとしている。これにより、筐体とキーボードとのレイアウトによらず、電子基板を支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施形態に係る電子機器を上から見下ろした模式的な平面図である。
図2図2は、下カバー材およびサーマルモジュールを取り外した状態の本体筐体の底面図である。
図3図3は、下カバー材およびマザーボードを取り外した状態の本体筐体の底面図である。
図4図4は、下カバー材およびマザーボードを取り外した状態の本体筐体における左側部分を下方から見た斜視図である。
図5図5は、下カバー材、ブラケットおよびマザーボードを取り外した状態の本体筐体における左側部分を下方から見た斜視図である。
図6図6は、下カバー材およびマザーボードを取り外した状態の本体筐体における右側部分を下方から見た斜視図である。
図7図7は、下カバー材、ブラケットおよびマザーボードを取り外した状態の本体筐体における右側部分を下方から見た斜視図である。
図8図8は、右側のブラケットの斜視図である。
図9図9は、左側のブラケットの斜視図である。
図10図10は、図4におけるX~X線視による断面側面図である。
図11図11は、図4におけるXI~XI線視による断面側面図である。
図12図12は、図2におけるXII~XII線視による断面側面図である。
図13図13は、図2におけるXIII~XIII線視による断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明にかかる電子機器の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る電子機器10を上から見下ろした模式的な平面図である。図1に示すように、電子機器10は、本体筐体(筐体)12とディスプレイ筐体14とをヒンジ16で相対的に回動可能に連結したクラムシェル型のノート型PCである。本発明に係る電子機器は、ノート型PC以外にも筐体にキーボードおよび電子基板を備えるものであればよい。
【0011】
本体筐体12は、扁平な箱体である。本体筐体12については、図1の図中の下側を「前」7、その反対側でヒンジ16に近い側を「後」とする。「左」、「右」に関しては図1を基準とする。したがって底面側から見ると左右は逆になる。図1を基準とした左右方向を横方向とも呼ぶ。一般的なキーボード24は横方向に長いことから、横方向とはキーボード24の長手方向とも呼び得る。
【0012】
本体筐体12は、上面12aを形成する上カバー材20と、下面12b(図12参照)を形成する下カバー材21(図12参照)とを有する。本体筐体12の前後左右の側壁12cは、上カバー材20の四周縁部から起立した壁部によって形成されている。上面12aには、キーボード24及びタッチパッド25が設けられている。キーボード24は本体筐体12の横方向のほぼ全幅に亘って設けられている。つまり、上カバー材20はキーボード24とほぼ同じ幅となっていて、本体筐体12がコンパクトに構成されている。上カバー材20は樹脂材、またはマグネシウムやアルミニウムの合金材などである。
【0013】
ディスプレイ筐体14は薄い扁平な箱体である。ディスプレイ18は、ディスプレイ筐体14の正面14aに設けられている。ディスプレイ筐体14は、背面14bを形成する背面カバー材28を有する。ディスプレイ筐体14の前後左右の側面14cは、背面カバー材28の四周縁部から起立した壁部によって形成されている。ディスプレイ18は、例えば有機EL(OLED:Organic Light Emitting Diode)や液晶で構成される。ディスプレイ18はタッチパネル式であってもよい。ディスプレイ筐体14は、図1中の下側面14dにヒンジ16が取り付けられている。ヒンジ16は、筐体12,14の対向している側面12d,14d間を連結している。本実施形態のヒンジ16は左右一対設けられているが、1本の長尺な構造であってもよい。
【0014】
図2は、下カバー材21およびサーマルモジュールを取り外した状態の本体筐体12の底面図である。図3は、下カバーおよびマザーボード26を取り外した状態の本体筐体12の底面図である。図4は、下カバー材21およびマザーボード26を取り外した状態の本体筐体12における左側部分を下方から見た斜視図である。図5は、下カバー材21、ブラケット40,42,44およびマザーボード26を取り外した状態の本体筐体12における左側部分を下方から見た斜視図である。図6は、下カバー材21およびマザーボード26を取り外した状態の本体筐体12における右側部分を下方から見た斜視図である。図7は、下カバー材21、ブラケット40,42,44およびマザーボード26を取り外した状態の本体筐体12における右側部分を下方から見た斜視図である。
【0015】
本体筐体12の内部には、電子基板であるマザーボード26、バッテリ装置32やアンテナ装置等の各種電子部品およびヒートスプレッダなどのサーマルモジュールなどが収容されている。マザーボード26にはSSD(Solid State Drive)34、ワイヤレスモジュール36などがビスB0によって固定されている。マザーボードにはCPU38やメモリなどの電子素子が実装されている。CPU38は電子機器10を制御する。
【0016】
キーボード24は、本体筐体12の内部においても横方向のほぼ全幅に亘って設けられている。また、マザーボード26の横方向長さもキーボード24とほぼ同じであり、マザーボード26とキーボード24とは積層状態になっている。マザーボード26は分散配置された8つのビスB1によって固定されている。キーボード24は多数のビスB2によって固定されている。
【0017】
キーボード24の横方向両端にはブラケット40,42が設けられ、さらに略中央の手前側部分にはブラケット44が設けられている。ブラケット40は右側端部近傍に設けられ、ブラケット42は左側端部近傍に設けられている。ブラケット40,42,44は金属板である。
【0018】
図8は、ブラケット40の斜視図である。ブラケット40は概略的に、横方向に平行で長さの異なる3つの平行部40a,40b,40cと、これらをつなぐ接続片40d,40eと、平行部40aから斜めに突出する小さい突出部40fと、平行部40cから斜めに突出するやや大きい突出部40gとを有する形状である。平行部40a,40b,40cおよび突出部40f,40gの各角部にはビス孔46が形成されている。このように、ブラケット40は必要な箇所のみに板片が存在している変則形状であって無駄がなく軽量となっている。後述するブラケット42も同様である。
【0019】
平行部40a,40b,40cの各端部近傍にはそれぞれスタッド48が設けられている。つまり、ブラケット40のビス孔46は5つであり、スタッド48は3つである。スタッド48はやや大径の基台部48aと、該基台部48aから僅かに突出する凸部48bとを有する。凸部48bは基台部48aより小径であり、例えば1/2程度の径である。スタッド48の中央には凸部48bから基台部48aに亘って雌ねじ部48cが形成されている。基台部48aはブラケット40に対して溶接などにより強固に固定されている。3つのスタッド48はほぼ直線状に並んでいる。なお、本願における「スタッド」とは、基本的にビスと組み合わせて被支持材を支持する凸状部材であり、予めビス止めの雌ねじ部が形成されているものとする。スタッドは、基本的には金属材であり、ブラケットなどに固定されるものである。
【0020】
平行部40aには位置決め孔50aが形成され、平行部40bには位置決め孔50bが形成されている。位置決め孔50aは円形であり、位置決め孔50bは前後方向にやや長い長孔である。位置決め孔50a,50bは小さい。突出部40gの略中央にはスペーサ52が設けられている。平行部40aにおけるスタッド48の近傍には遮光壁54が設けられている。
【0021】
図9は、ブラケット42の斜視図である。ブラケット42は概略的に、前後方向に長い主片42aと該主片42aから側方に突出する2つの突出片42b,42cと、主片42aの一方の端部から斜めに突出する小さい突出部42dと、主片42aの他方の端部が折り曲げられた電線ガイド42eとを有する形状である。ブラケット42には6つのビス孔46が形成されている。このうち3つは主片42aの縁に沿って略等間隔に形成され、1つは突出片42bの端部近傍に形成され、1つは突出片42cの端部近傍に形成され、残る1つは突出部42dに形成されている。主片42aにおける略中央部と、一方の端部近傍にはスタッド48が設けられている。つまり、ブラケット42におけるスタッド48は2つである。
【0022】
主片42aには突出片42b,42cと反対方向に小さく突出する2つの部分に、位置決め孔50a,50bが形成されている。突出片42cの端部近傍にはスペーサ52が設けられている。ブラケット42におけるビス孔46、スタッド48、位置決め孔50a,50bおよびスペーサ52は、それぞれブラケット40におけるものと同じである。
【0023】
図10は、図4におけるX~X線視による断面側面図である。図10に示すように、キーボード24は、ベースプレート24aと、導光体24bとを有している。ベースプレート24aは上カバー材20の内面20aに接している。導光体24bはベースプレート24aに積層されている。導光体24bは被覆24eで覆われている。キーボード24には複数の孔24cおよび切欠24d(図5参照)が形成されている。ベースプレート24aは、キーボード24のほぼ全面に亘って設けられている。導光体24bおよび被覆24eは、ベースプレート24aのほぼ全面に亘って設けられているが孔24c,切欠24dの周囲には設けられていない。なお、キーボード24のキートップ24f(図1参照)は上カバー材20に形成された孔から上方に突出している。
【0024】
上カバー材20の内面20aからは孔24cまたは切欠24dの内部にボス56が突出している。ボス56は上カバー材20と一体成型されている。ボス56はベースプレート24aより僅かに低い。ボス56は平面視面積が小さく、3つのキートップ24f同士のキー隙間24g(図1参照)に相当する位置に配置されている。ボス56は多数が分散配置されている。キーボード24は、ボス56に対してビスB2が螺合することによりそのヘッド部がベースプレート24aに当接して固定されている。ビスB2のヘッド部は、孔24cの縁に掛かる程度の面積を有している。なお、本願における「ボス」とは、基本的にビスと組み合わせて被支持材を支持する凸状部材であり、基本的には母材(この場合上カバー材20)と一体的に成型される。本実施例におけるボス56にはビスB2を螺合させる雌ねじ部56aが形成されており、繰り返しのビス留めが可能である。
【0025】
図11は、図4におけるXI~XI線視による断面側面図である。ブラケット40の範囲に形成された孔24cには内面20aからボス56が突出している。ボス56は図10のボス56と同様であるが図10のものよりやや高く、ベースプレート24aと導光体24bとの合計高さより僅かに低くなっている。ビスB3はブラケット40のビス孔46を通りボス56に対して螺合しており、これによりキーボード24とブラケット40とが共締めされている。ビスB3はビスB2と同じ呼び径であるが、ヘッド部はビス孔46の縁に掛かる程度となっている。
【0026】
図12は、図2におけるXII~XII線視による断面側面図である。図12に示すように、切欠24dがブラケット40の範囲に形成されている。ブラケットの範囲に形成された切欠24dには内面からボス56が突出しており、図11に示す例と同様にビスB2によってキーボード24とブラケット40とが共締めされている。この箇所におけるボス56は台部60を介して側壁12cとつながっている。ボス56と台部60とは同じ高さになっている。
【0027】
台部60は上カバー材20の内面20aの一部を形成する。台部60からは細い位置決めピン62が突出している。位置決めピン62はブラケット40の位置決め孔50bに対して横方向にほぼ隙間なく挿入されており、該ブラケット40を位置決めしている。なお、上記の位置決め孔50a(図4参照)に対しても上カバー材20の内面から突出する位置決めピン62が挿入されており、ブラケット40の位置決めをしている。位置決め孔50aではブラケット40が一点で位置決めされ、位置決め孔50bではブラケット40が相対的に回転しないように位置決めがなされる。なお、ボス56と位置決めピン62とは前後方向にややずれているが、図12ではボス56の中央および位置決めピン62の中央を通る断面としている。
【0028】
図13は、図2におけるXIII~XIII線視による断面側面図である。図12図13に示すように、スタッド48は、ブラケット40におけるキーボード24に対面する側(図13における下側)と反対側(同上側)の面に設けられている。マザーボード26には孔26aが形成されている。マザーボード26はスタッド48の基台部48aに当接して支持される。凸部48bは孔26aに嵌り込む。凸部48bはマザーボード26の厚みより僅かに低い。マザーボード26は、スタッド48の雌ねじ部48cに対してビスB1が螺合することによりそのヘッド部がマザーボードの表面に当接することによって固定されている。ビスB1のヘッド部は、孔26aの縁に掛かる程度の面積を有している。ビスB1は上記のビスB2、B3よりも呼び径が大きい。
【0029】
ここまで主に右側のブラケット40を例にしてキーボード24およびマザーボード26の固定態様について説明したが、左側のブラケット42は、ブラケット40に対して配置、形状およびビス孔46、スタッド48の数が異なるだけで基本的構成は同様であることから詳細な説明は省略する。ブラケット44についても概ね同様構成であり、詳細な説明は省略する。
【0030】
ブラケット40,42におけるスペーサ52は、SSD34およびワイヤレスモジュール36をマザーボード26に固定するビスB0(図2参照)の下に配置され、該ビスB0の締結作業時にマザーボード26を裏面側から支持することができる。側壁12cにおけるブラケット40で囲まれた箇所には照光式の電源ボタン64(図4参照)が設けられている。ブラケット40に設けられた遮光壁54は電源ボタン64の光が他のコネクタ孔などに漏れるのを防止する。ブラケット42に形成された電線ガイド42eは、電線66(図6参照)をガイドする。
【0031】
図2図3とを対比して了解されるように、8つのビスB1のうち右端の3つはブラケット40に設けられたスタッド48に固定されており、左端の2つはブラケット42に設けられたスタッド48に固定されており、中央の1つはブラケット44に設けられたスタッド48に固定されている。そして残る2つのビスB1はブラケットを介さないスタッドに固定されている。これらの2つのビスB1に対応している2つのスタッドは、いずれかのキー隙間24g(図1参照)に対応する箇所に設けられている。
【0032】
ところで、キーボード24はユーザーによってキートップ24fの押圧操作がなされることから、ほぼ全面に亘って万遍なく固定されていることが望ましい。そのため、キーボード24は分散配置された多数のボス56によって固定されている。また、ボス56は多数設けられることから1つあたりが分担する支持強度は小さく、そのためキー隙間24g(図1参照)に対応する程度に小さくて足りる。ボス56は多数設けられているがキーボード24は着脱の機会が少ないため支障はほとんどない。
【0033】
これに対して、マザーボード26はメンテナンスなどにより着脱する機会があり、作業の利便性を考慮すると固定箇所の数は少ないことが望ましい。そのため、マザーボード26は、キーボード24の固定箇所であるスタッド48はボス56よりは相当に少なくなっている。また、固定箇所が少ないためその分1つあたりのスタッド48は、ボス56に対応するビスB2,B3より呼び径の大きいビスB1に対応している。スタッド48は雌ねじ部48cを有していることから繰り返しの螺合に好適である。
【0034】
マザーボード26は安定化のために左右の端部を固定することが望ましい。電子機器10では、キーボード24の端から筐体の縁までの隙間G(図3参照)は、スタッド48の外径Dよりも小さくなっており、該スタッド48を設けることはできない。ただし、上記の位置決めピン62は十分に細いため隙間Gに設けられている。
【0035】
また、キーボード24におけるキートップ24f(図1参照)は、中央部分がアルファベットや数字に対応した小さい形状であるのに対し、左右端の近傍ではエンターキー、タブキー、シフトキーなど大きい形状となっている。そのため、3つのキートップ24fの間に形成されるキー隙間24gがなく、スタッド48を設けることができない。
【0036】
そのため、電子機器10は、ボス56に対してビスB2,B3によりキーボード24と共締されるブラケット40,42,44を有しており、マザーボード26はブラケット40,42,44におけるキーボード24に対面する側と反対側面に設けられたスタッド48に対してビスB1で固定することとしている。これにより、本体筐体12の側壁12cとキーボード24とのレイアウトによらず、マザーボード26を支持することができる。
【0037】
ブラケット40,42はキーボード24の横方向両端に設けられており、マザーボード26が安定する。ブラケット40はボス56による固定箇所が5箇所で、スタッド48の3か所よりも数が多い。ブラケット42はボス56による固定箇所が6箇所で、スタッド48の2か所よりも数が多い。このように、ブラケット40,42は、呼び径の大きいビスB1に対応したスタッド48でマザーボード26を支持するのに対し、対応するビスB2,B3は呼び径が小さいが数の多いボス56により本体筐体12に固定されており、バランスがとれている。
【0038】
ブラケット40,42は、それぞれ本体筐体12の側壁12cに沿う3か所でボス56に支持されているが、この3か所のボス56は、キーボード24の切欠24dの内部に突出している。これに対して、ブラケット40,42を支持する他のボス56は側壁12cから適度に離れた位置にあって、キーボード24の孔24cの内部に突出している。このようにブラケット40,42は適度に離れた複数のボス56によって支持されており安定している。
【0039】
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【符号の説明】
【0040】
10 電子機器
12 本体筐体
20 上カバー材
20a 内面
24 キーボード
24a ベースプレート
24c 孔
24d 切欠
24f キートップ
24g キー隙間
40,42,44 ブラケット
46 ビス孔
48 スタッド
48c 雌ねじ部
50a,50b 位置決め孔
56 ボス
62 位置決めピン
B0,B1,B2,B3 ビス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13