IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ハシマAITの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168193
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】学習モデル
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20231116BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20231116BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
G06Q50/08
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022145236
(22)【出願日】2022-09-13
(62)【分割の表示】P 2022078745の分割
【原出願日】2022-05-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】522085024
【氏名又は名称】株式会社ハシマAIT
(74)【代理人】
【識別番号】100198317
【弁理士】
【氏名又は名称】横堀 芳徳
(74)【代理人】
【識別番号】100083389
【弁理士】
【氏名又は名称】竹ノ内 勝
(72)【発明者】
【氏名】工藤圭史
(72)【発明者】
【氏名】大塚俊輔
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC28
(57)【要約】      (修正有)
【課題】家屋図面及び家屋情報に基づいて、自動、かつ、高精度で家屋評価関連データを算出するための学習モデル、その生成方法、情報処理装置、情方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】学習モデル62は、建物図面及び建物情報を備える入力データと、建物図面に加工を施した加工建物図面及び建物情報に加工を施した加工建物情報を備える教師データとを入力する入力層と、教師データに基づいて、評価基礎建物図面及び評価基準建物情報を出力する出力層と、建物図面、建物情報、加工建物図面及び加工建物情報に基づいてパラメータが学習される中間層と、を備える。学習モデルの生成方法は、建物構成要素及び建築設備の少なくともいずれかを含む建物図面及び建物情報が入力層に入力された場合、中間層による演算を経て、加工建物図面及び加工建物情報と夫々同一の評価基礎建物図面及び評価基礎建物情報を出力層から出力するようにコンピュータを機能させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物図面および建物情報を備える入力データと、前記建物図面に加工を施した加工建物図面および前記建物情報に加工を施した加工建物情報を備える教師データとを入力する入力層と、
前記教師データに基づいて、評価基礎建物図面および評価基準建物情報を出力する出力層と、
前記入力層に前記建物図面、前記建物情報、前記加工建物図面および前記加工建物情報が入力されると、前記出力層からの出力結果である前記評価基礎建物図面および前記評価基礎建物情報と正解値である前記加工建物図面および前記加工建物情報との損失が小さくなるようパラメータが学習される中間層とを備え、
前記建物図面は、建物構成要素および建築設備の少なくともいずれかを備え、
前記建物情報は、前記建物構成要素および前記建築設備に関する詳細情報であり、
前記加工建物図面は、前記建物構成要素および前記建築設備それぞれに対してラベル付けおよび着色を行う加工を施した加工建物構成要素および加工建築設備の少なくともいずれかを備え、
前記加工建物情報は、前記加工建物構成要素および前記加工建築設備に関する詳細情報であり、
前記建物図面および前記建物情報が入力層に入力された場合に、前記中間層による演算を経て、前記加工建物図面および前記加工建物情報とそれぞれ同一の前記評価基礎建物図面および前記評価基礎建物情報を前記出力層から出力するようにコンピュータを機能させることを特徴とする学習モデル。
【請求項2】
前記評価基礎建物図面および前記評価基礎建物情報と前記加工建物図面および前記加工建物情報との比較は、それぞれの情報において各ピクセルごとのラベル情報および色情報であることを特徴とする請求項1に記載の学習モデル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家屋評価に関し、とくに、家屋図面に基づいて家屋評価計算を行うために必要なデータを算出するための学習モデル、学習モデルの生成方法、情報処理装置、情報処理方法、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
固定資産税の基礎となる家屋の評価方法は、「固定資産(家屋)評価基準」に基づき、再建築価格を基準として評価する方法をとっている。
【0003】
固定資産(家屋)評価基準とは、評価手法の全国的統一を図り、各市町村に適正かつ均衡のとれた評価をさせるための地方税法に基づく総務大臣の告示である。具体的には、土地、家屋、償却資産について、その価格の評価の基準、評価の実施方法、手続きを定めた基準である。 また、再建築価格方式とは、評価の時点において、評価の対象となった家屋と同一のものをその場所に新築するものとした場合に必要とされる建築費(再建築費評点数)を求め、その家屋の建築後の年数の経過によって生じる損耗の状況による減価(経年減点補正率)を考慮し、その家屋の価額(評価額)を求めるものである。
経年減点補正率とは、家屋建築後の年数の経過によって生ずる損耗の状況による減価等をあらわしたもので、種類・構造によって異なり、0.2が下限である。
【0004】
つぎに、家屋の評価額算出方法は、それぞれの家屋について再建築費評点数を付設し、経年(損耗)の状況による減点補正率を乗じ、更に物価水準、設計管理費等を考慮した評点一点当たりの価額を乗じて対象となる家屋の評価額を求めることとされている。
【0005】
家屋調査は、再建築費評点数の付設について、例えば、各戸の家屋に固定資産評価基準に基づく部分別(屋根・外壁等の外部仕上げ、床・壁・天井等の内部仕上げ、建築設備等)による算出方法を採用する。このため、新築・増築された建物については、個別に家屋調査を実施し、評価を行う。すなわち、調査員が現地に赴いてその場で家屋間取り図とその部屋毎の仕上げ種類を調書に記入し、それに基づいて家屋評価の計算処理を行う。実際の計算処理では、仕上げごとに定められた評点数とその仕上げの使用量を用いて、仕上げごとの評点数を求め、それを部分毎に集計し、最終的には部分毎の再建築費評点数を合計して一棟当りの評価を行う。このような家屋評価を行う作業工程は、多くが人手による手作業で行なわれており、非常に効率の悪いものとなっている。
従来、家屋の間取り図を入力して家屋評価計算を行う家屋評価計算処理装置として、例えば以下に示す特許文献1及び特許文献2に記載の発明が知られている。
【0006】
特許文献1に記載の発明は、評点項目とその付加条件、家屋間取り図データ、家屋の各部分別の評点項目や数量などの属性データ等を読み取り装置により入力し、部屋名称ごとの部屋領域の面積と評点項目の入力を行うことで、家屋1棟毎に繰り返される評点項目入力操作を最小限にし、効率的なデータ入力が可能な家屋評価計算用評点付加装置および評点付加方法を提供している。
【0007】
特許文献2に記載の発明は、家屋1棟の各部分毎の仕上げデータなどの評点項目とその付加条件についてそれぞれ異なる評点項目と付加条件を格納した複数種類の評点パターンファイルを選択することにより、家屋1棟毎に繰り返される家屋の評点項目入力操作を最小限にし、効率的なデータ入力が可能な家屋評価計算用評点付加装置および評点付加方法を提供している。
【0008】
一方、特許文献1に記載の発明および特許文献2に記載の発明に対し、本発明の情報処理装置は、原図面および現情報である建物図面および建物情報から、家屋の各部分別の評点項目とその付加条件や数量などの属性データ、家屋間取り図データ等を読み取り、機械学習モデルを利用して、部屋名称ごとの部屋領域の面積と評点項目を算出することで、予め評点パターンファイル等を作成しておく必要もなく、家屋1棟毎に繰り返される評点項目入力操作に関する時間や労力を劇的に低減するものであり、本発明の機能は特許文献1および特許文献2の機能とは大きく異なるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平05-89142号公報
【特許文献2】特許第3177489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このように、従来の家屋評価方法では、多少の効率的なデータ入力が可能となってはいるが、依然として、複数の家屋に対し何度も繰り返される入力作業に対しての効率的なデータ入力方法の提供には至っていないという問題があった。
【0011】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、家屋評価に必要な評価項目に対する評価データを、家屋間取り図、仕上げ表等から自動的に高い精度で家屋評価の計算に必要なデータを取得することができる学習モデル、学習モデルの生成方法、情報処理装置、情報処理方法、コンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一様態に係る学習モデルは、建物図面および建物情報を備える入力データと、建物図面に加工を施した加工建物図面および建物情報に加工を施した加工建物情報を備える教師データとを入力する入力層と、教師データに基づいて、評価基礎建物図面および評価基準建物情報を出力する出力層と、入力層に建物図面、建物情報、加工建物図面および加工建物情報が入力されると、出力層からの出力結果である評価基礎建物図面および評価基礎建物情報と正解値である加工建物図面および加工建物情報との損失が小さくなるようパラメータが学習される中間層とを備え、建物図面は、建物構成要素および建築設備の少なくともいずれかを備え、建物情報は、建物構成要素および建築設備に関する詳細情報であり、加工建物図面は、建物構成要素および建築設備それぞれに対してラベル付けおよび着色を行う加工を施した加工建物構成要素および加工建築設備の少なくともいずれかを備え、加工建物情報は、加工建物構成要素および加工建築設備に関する詳細情報であり、建物図面および建物情報が入力層に入力された場合に、中間層による演算を経て、加工建物図面および加工建物情報とそれぞれ同一の評価基礎建物図面および評価基礎建物情報を出力層から出力するようにコンピュータを機能させる。
【0013】
本発明の一様態に係る学習モデルの生成方法は、少なくとも建物図面および建物に関する詳細情報である建物情報を読み込む建物情報読み込みステップと、建物図面が備える少なくとも建物構成要素および建築設備に対してラベル付けおよび着色を行う加工を施し、加工に関する情報を建物情報に加える加工ステップと、加工ステップにより、建物図面および建物情報に基づいてそれぞれ加工された加工建物図面および加工建物情報の少なくともいずれかを備える加工建物図面と、加工建物構成要素および加工建築設備に関する詳細情報である加工建物情報とを教師データとして取得する教師データとして取得する教師データ取得ステップと、建物図面および建物情報が入力されると、教師データに基づいて、加工建物図面および加工建物情報とそれぞれ同一の評価基礎建物図面および評価基礎建物情報を出力する学習モデルを生成する学習モデル生成ステップとを含む。
【0014】
本発明の一様態に係る情報処理装置は、少なくとも建物構成要素および建築設備のいずれかを備える建物図面と、建物構成要素および建築設備に関する詳細情報である建物情報とを読み込む読み込み部と、建物図面が備える建物構成要素および建築設備に対してラベル付けおよび着色を行う加工を施し、加工に関する情報を建物情報に加える加工部と、加工部により、建物図面および建物情報に基づいてそれぞれ加工された加工建物構成要素および加工建築設備の少なくともいずれかを備える加工建物図面と、加工建物構成要素および加工建築設備に関する詳細情報である加工建物情報とを教師データとして取得する教師データ取得部と、建物図面および建物情報を備える入力データが入力されると教師データに基づいて加工建物図面および加工建物情報とそれぞれ同一の評価基礎建物図面および評価基礎建物情報を出力し、さらに加工建物図面が備える加工建物構成要素および加工建築設備とそれぞれ同一の評価基礎建物図面が備える評価基礎建物構成要素および評価基礎建築設備を出力する学習モデルに、建物図面および建物情報を入力し、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報と、評価基礎建物図面が備える評価基礎建物構成要素および評価基礎建築設備とを取得する評価基礎情報取得部と、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報から外壁、内壁および壁厚に関する情報を抽出し、情報によって構成される建物の輪郭を境界線として特定する境界特定部と、境界線、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報に基づいて、部屋の種類および部屋のサイズを含む部屋の詳細情報を特定する部屋特定部と、境界特定部によって特定された境界線を、建築モジュールの矩形に沿って構成されるように境界線の位置を調整して移動させる補正をする補正部と、補正部によって補正された境界線と、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報とに基づいて、壁の種類および壁のサイズを含む壁の詳細情報を特定する壁特定部と、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報、部屋特定部によって取得した部屋の詳細情報および壁特定部によって取得した壁の詳細情報に基づいて、家屋評価に必要な評価データを出力する出力部とを備える。
【0015】
本発明の一様態に係る情報処理方法は、少なくとも建物構成要素および建築設備のいずれかを備える建物図面と、建物構成要素および建築設備に関する詳細情報である建物情報とを読み込む読み込みステップと、建物図面が備える建物構成要素および建築設備に対してラベル付けおよび着色を行う加工を施し、加工に関する情報を建物情報に加える加工ステップと、加工ステップにより、建物図面および建物情報に基づいてそれぞれ加工された加工建物構成要素および加工建築設備の少なくともいずれかを備える加工建物図面と、加工建物構成要素および加工建築設備に関する詳細情報である加工建物情報とを教師データとして取得する教師データ取得ステップと、建物図面および建物情報を備える入力データが入力されると、教師データに基づいて、加工建物図面および加工建物情報とそれぞれ同一の評価基礎建物図面および評価基礎建物情報を出力し、さらに加工建物図面が備える加工建物構成要素および加工建築設備とそれぞれ同一の評価基礎建物図面が備える評価基礎建物構成要素および評価基礎建築設備を出力する学習モデルに、建物図面と建物情報とを入力し、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報と、評価基礎建物図面が備える評価基礎建物構成要素および評価基礎建築設備とを取得する評価基礎情報取得ステップと、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報から外壁、内壁および壁厚に関する情報を抽出し、情報によって構成される建物の輪郭を境界線として特定する境界特定ステップと、境界線、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報に基づいて、部屋の種類および部屋のサイズを含む部屋の詳細情報を特定する部屋特定ステップと、境界特定ステップによって特定された境界線を、建築モジュールの矩形に沿って構成されるように境界線の位置を調整して移動させる補正をする補正ステップと、補正ステップによって補正された境界線と、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報とに基づいて、壁の種類および壁のサイズを含む壁の詳細情報を特定する壁特定ステップと、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報、部屋特定ステップによって取得した部屋の詳細情報および壁特定ステップによって取得した壁の詳細情報に基づいて、家屋評価に必要な評価データを出力する出力ステップとを含む。
【0016】
本発明の一様態に係るコンピュータプログラムは、少なくとも建物構成要素および建築設備のいずれかを備える建物図面と、建物構成要素および建築設備に関する詳細情報である建物情報とを読み込む読み込みステップと、建物図面が備える建物構成要素および建築設備に対してラベル付けおよび着色を行う加工を施し、加工に関する情報を建物情報に加える加工ステップと、加工ステップにより、建物図面および建物情報に基づいてそれぞれ加工された加工建物構成要素および加工建築設備の少なくともいずれかを備える加工建物図面と、加工建物構成要素および加工建築設備に関する詳細情報である加工建物情報とを教師データとして取得する教師データ取得ステップと、建物図面および建物情報を備える入力データが入力されると、教師データに基づいて、加工建物図面および加工建物情報とそれぞれ同一の評価基礎建物図面および評価基礎建物情報を出力し、さらに加工建物図面が備える加工建物構成要素および加工建築設備とそれぞれ同一の評価基礎建物図面が備える評価基礎建物構成要素および評価基礎建築設備を出力する学習モデルに、建物図面と建物情報とを入力し、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報と、評価基礎建物図面が備える評価基礎建物構成要素および評価基礎建築設備とを取得する評価基礎情報取得ステップと、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報から外壁、内壁および壁厚に関する情報を抽出し、情報によって構成される建物の輪郭を境界線として特定する境界特定ステップと、境界線、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報に基づいて、部屋の種類および部屋のサイズを含む部屋の詳細情報を特定する部屋特定ステップと、境界特定ステップによって特定された境界線を、建築モジュールの矩形に沿って構成されるように境界線の位置を調整して移動させる補正をする補正ステップと、補正ステップによって補正された境界線と、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報とに基づいて、壁の種類および壁のサイズを含む壁の詳細情報を特定する壁特定ステップと、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報、部屋特定ステップによって取得した部屋の詳細情報および壁特定ステップによって取得した壁の詳細情報に基づいて、家屋評価に必要な評価データを出力する出力ステップとを含む処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、家屋評価において、図面の解析処理、評点の付加処理、評点の数計算処理を連続実行することが可能となり、家屋毎に繰り返される評点項目入力操作、評点項目の補正操作等の作業量を大幅に低減することが可能となる。
その結果、評点補正を含めた家屋の評点数計算に必要な作業時間を大幅に短縮できることから、より効率的な処理が実現できる。
【0018】
さらに、一度付加された評点項目や補正項目の部分的な修正が可能であるため、変更、追加、削除の対象となる評点がある場合は柔軟に対応でき、作業の効率化が図れるといった効果がある。
【0019】
なお、本発明により、ユーザは大変な集中力を要する長時間、繰り返しの単純作業から開放され、疲労の軽減や疲労に伴うミス等から開放されること、家屋評価のミスおよびオペレータに依存する評価のゆらぎによって発生する納税者による訴訟等の減少につながることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標8「働きがいも経済成長も」および目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態1に係る学習モデルの生成処理に関する説明図である。
図2】本発明の実施形態1に係る学習モデルの生成処理に関する説明図である。
図3】本発明の実施形態1に係る学習モデルの生成処理に関する説明図である。
図4】本発明の実施形態1に係る建物図面および建物情報の加工に関する概要図である。
図5】本発明の実施形態1に係る建物図面に関する概要図である。
図6】本発明の実施形態1に係る建物情報に関する概要図である。
図7】本発明の実施形態1に係る建物情報に関する概要図である。
図8】本発明の実施形態1に係る建物図面の平面図に関する概要図である。
図9】本発明の実施形態1に係る加工建物図面に関する概要図である。
図10】本発明の実施形態1に係る加工建物図面に関する概要図である。
図11】本発明の実施形態1に係る加工建物図面に関する説明図である。
図12】本発明の実施形態1に係る建物図面および建物情報の加工処理に関するフローチャート図である。
図13】本発明の実施形態1に係る学習モデルの生成処理に関するフローチャート図である。
図14】本発明の実施形態1に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図15】本発明の実施形態1に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図16】本発明の実施形態1に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図17】本発明の実施形態1に係る情報処理装置による家屋評価データ出力の処理手順を示すフローチャート図である。
図18】本発明の実施形態1に係る情報処理装置による家屋評価データ出力の処理手順に関連するフローチャート図である。
図19】本発明の実施形態1に係る情報処理装置による家屋評価データ出力の処理手順を関連するフローチャート図である。
図20】本発明の実施形態1に係る建物図面のアウトラインに関する概要図である。
図21】本発明の実施形態1に係る建物図面のアウトラインを線分の図面に変換した概要図である。
図22】本発明の実施形態1に係る建物図面の線分図面にベクトル量を付加した概要図である。
図23】本発明の実施形態1に係る建物図面の線分図面において外壁および内壁を抽出した説明図である。
図24】本発明の実施形態1に係る建物図面の線分図面において外壁および内壁を抽出した説明図である。
図25】本発明の実施形態1に係る建物図面の線分図面において区画を特定した説明図である。
図26】本発明の実施形態1に係る建物図面の線分図面において境界線を特定した説明図である。
図27】本発明の実施形態1に係る建物図面の線分図面において境界線を特定した説明図である。
図28】本発明の実施形態1に係る建物図面の線分図面において境界線を特定した説明図である。
図29】本発明の実施形態1に係る建物図面において境界線の不備を示す説明図である。
図30】本発明の実施形態1に係る建物図面において境界線の不備を解消した説明図である。
図31】本発明の実施形態1に係る建物図面において境界線で構成した図面の概要図である。
図32】本発明の実施形態1に係る建物図面において境界線で構成した図面にベクトル量を付加した説明図である。
図33】本発明の実施形態1に係る建物図面において境界線で構成した図面にベクトル量を付加する規則を説明した説明図である。
図34】本発明の実施形態1に係る建物図面において境界線で構成した図面にベクトル量を付加した概要図である。
図35】本発明の実施形態1に係る建物図面において境界線で構成した図面の部屋を識別した説明図である。
図36】本発明の実施形態1に係る建物図面において境界線で構成した図面の部屋を識別した概要図である。
図37】本発明の実施形態1に係る建物図面において境界線で構成した図面を補正した説明図である。
図38】本発明の実施形態1に係る建物図面において境界線で構成した図面を補正した説明図である。
図39】本発明の実施形態1に係る建物図面において境界線で構成した図面を補正した概要図である。
図40】本発明の実施形態1に係る建物図面において境界線で構成した図面の壁を識別した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素は単なる例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。なお、本明細書における文言「図」および「図面」は、文脈によって、共に概念を示す場合もあり、具体的なデータを示す場合もある。「図」および「図面」がデータである場合、任意の形式の画像である。
【0022】
なお、説明の便宜上、各図に付与された同一の符号は、特に言及が無い限り同一部分または相当部分を示すものとし、また同様の構造および/または機能を有する要素を意図し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。
さらに、重複する説明は、適宜簡略化あるいは省略する。
また、本実施形態において「~」の記号を用いて数値範囲を表す場合があるが、「~」の前後に記載される数値は当該数値範囲に含まれる。
(実施形態1)
[学習モデル]
【0023】
図1~4は、図14に示される学習モデル62の生成処理に関する説明図である。図1では、機械学習を行って、学習モデル62を生成する処理を概念的に示している。図1に示すように、学習モデル62を生成するニューラルネットワークは、情報を受け取る入力層、入力層から情報を受け継ぎ、多種多様な計算を行うのが中間層、および入力層と中間層で重みをかけ、活性化関数で処理された値が示す出力層を備える。出力層で得られた結果を教師データと照合し、出力層から入力層に向けて誤差の修正や調整を行うことで、多くの中間層をもつ複雑なニューラルネットワークでも、より適切な学習を行うことが可能となる。
【0024】
図2に示すように、入力層は、入力データが備える建物図面および建物情報と、建物図面および建物情報をそれぞれ加工した加工建物図面および加工建物情報であって、教師データが備える加工建物図面に含まれた各画素に関する情報および加工建物情報に関する情報等の入力を受け付ける複数のニューロンを有し、入力された画素に関する情報等を中間層に受け渡す。
中間層は、加工建物図面の画像に関する情報および加工建物情報に関する情報等を抽出する複数のニューロンを有し、抽出した情報を出力層に受け渡す。
【0025】
なお、図1において、中間層の層数は3とされているが、これに限定されない。例えば学習モデル62がCNNである場合、中間層は、入力層から入力された各画素の画素値を畳み込むコンボリューション層と、コンボリューション層で畳み込んだ画素値をマッピングするプーリング層とが交互に連結された構成を有し、加工建物図面の画素情報等を圧縮しながら最終的に画像の特徴量を抽出する。図1において、コンボリューション層、及びプーリング層の記載は省略している。
出力層は、図3に示すように、中間層から出力された画像特徴量等に基づいて、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報を出力する。
【0026】
学習モデル62は、建物図面および建物情報がそれぞれ加工された加工建物図面および加工建物情報が評価基礎建物図面および評価基礎建物情報と一致するよう学習され、建物図面および建物情報を入力した際に、建物図面および建物情報がそれぞれ加工された加工建物図面および加工建物情報が評価基礎建物図面および評価基礎建物情報と一致した評価基礎建物図面および評価基礎建物情報を出力するよう学習される。
【0027】
ここで、加工建物図面とは、建物図面が含む、複数の建物構成要素および建築設備のそれぞれに対し、ラベルおよび色を付加したものである。具体的には、図4に示すように、建築図面のデータにおいて、各建物構成要素および各建築設備に属するピクセルに対し、ラベル情報および色情報を付加し、その付加された情報(加工付加情報)を建物情報に加えて加工建物情報を取得する。
【0028】
建物図面は、配置図、平面図、立面図、電気・暖房配線図、展開図、基礎伏図、基礎断面図、構造伏図、金物伏図、矩計図、電気設備工事特記仕様書、機械設備工事特記仕様書、屋外給排水設備図等を含む。図5では、本発明の実施形態1に係る平面図および立面図を示す。
【0029】
平面図は、建物の形状および敷地との位置関係を示した図面であり、各階の床面から1m程度の高さの水平断面を図面化したものであり、間取図でもあり、建物の間取りや内部構造を知るための図面である。対象物の上面方向からの、投影図、間取り、床高、面積、壁の構造や開口部の開き勝手、建具、作りつけ家具、機器の配置などの平面寸法などを表示しており、細かな寸法が描き込まれている。平面図は設計図書の中でもっとも基本となる図面であり、他の図面の見出しや索引として使われることも多い。建物や土木構造物をある高さで水平に切ったとした切断面を真上から見下ろし、適当な縮尺で描いた図形である。本発明の実施形態1において説明する平面図とは、各階の形状を示し、床面積および求積方法を記載した図面である。
【0030】
立面図は、建物の全体的な外観を示す図であり、隣家と接地しているなどの場合を除き、特に表記する必要がなければ、東西南北の四面の立体図を作成するのが通常である。外壁、扉、窓、出入口の形状や、基準地盤面などを図示し、側斜線や道路斜線などのチェックもこの図で行なわれる。鉛直面への投影で、対象物を正面からみた正面図や側面からみた側面図などが含まれる。縮尺は1/50~1/100程度。立面図は建物の外観意匠図としての性格が強く、細かい寸法などの記入は省かれることが多く、「姿図」とも言われる。各図面の並びを左から右へ、反時計回りの順に書かれるが、最近ではCGやカラーパースを使って、立体画像を作るケースも多い。
【0031】
また、建物構成要素とは、外壁、内壁、建具およびフロア等の建物を構成する要素となるものを示している。建築設備とは、建築物に設ける各種設備のことで、空気・水・電気・ガスなどを選んで使えるようにする機械・配管配線・器具などで構成されるシステムや機器を指している。
【0032】
建物情報とは、各建物構成要素および各建築設備に関する詳細情報であり、各建物構成要素および各建築設備の名称、配置、サイズ等を含んでいる。また、建物情報は、建物各所の仕上げを表にまとめた、図6に示すような仕上表や、基礎、構造体、屋根、外壁といった大きなものからキッチンや洗面台といった設備関係の一覧表である、図7に示すような仕様書等を備える。なお、仕上表は、各部屋の床や壁、天井などの仕上げ材を示した図面である。仕上表および仕様書等は、表と文字で構成される。また、仕上表には、屋根や外壁等の“家の外側”に関する仕上げを示す外部仕上げ表、および各室内の壁・床・天井等の“家の内側(内装)” に関する仕上げを示す内部仕上げ表等が含まれる。
【0033】
つぎに、図9に示す加工建物図面は、図8に示す建物図面が含む各建物構成要素および各建築設備のセグメントのピクセルに対して、建物構成要素名および建築設備名等のラベルの情報等と、それらに関連付けされた色の情報等とが付加されたものである。建物構成要素名等および建築設備名等の情報と、それらに関連付けされた色の情報とは、例えば、外壁=1(黄土色)、内壁=2(青緑色)、リビング=3(黄緑色)のように示される。建物構成要素および建築設備は加工されて、加工建物構成要素および加工建築設備として取得される。
加工建物情報は、加工建物構成要素および加工建築設備に関する詳細情報を含む。
【0034】
加工建物図面は加工によって建物図面が着色され、加工建物情報は加工によって建物情報にラベルおよび色の情報が付加される。ラベルおよび色等の付加された情報を加工付加情報とする。
図9に示す加工建物図面を、加工建物構成要素ごと、加工建築設備ごとに分解したものを図10および図11に示す。
[加工図面生成処理]
図12は、図14に示す情報処理装置1が備える制御部10による建物図面および建物情報の加工処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0035】
例えば、図14に示す情報処理装置1が備える制御部10は、建物図面および建物情報を読み込む(S01)。つぎに、制御部10は、建物図面および建物情報にラベル情報等および色情報等を付加する加工処理を実施する(S02)。つぎに、制御部10は、建物図面および建物情報が加工処理された加工建物図面および加工建物情報を取得する(S03)。
[学習モデル生成方法]
図13は、情報処理装置1が備える制御部10による学習モデル62の生成処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図14に示す制御部10は、建物図面および建物情報をそれぞれ加工処理した加工建物図面および加工建物情報を教師データとして取得する(S11)。
【0036】
つぎに、制御部10は、教師データを入力すると、加工建物図面および加工建物情報とそれぞれ一致するような評価基礎建物図面および評価基礎建物情報を出力する学習モデル62(学習済みモデル)を生成する(S12)。
【0037】
具体的には、制御部10は、入力データが備える建物図面および建物情報と、教師データである建物図面および建物情報を加工処理した加工建物図面および加工建物情報をニューラルネットワークの入力層に入力し、建物図面および建物情報にそれぞれ対応した評価基礎建物図面および評価基礎建物情報を出力層から出力する。制御部10は、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報を教師データの正解値(各ピクセルごとのラベル情報および色情報等)と比較し、出力層から出力される評価基礎建物図面および評価基礎建物情報が正解値に近づくよう、中間層での演算処理に用いるパラメータ(重み等)を最適化する。当該パラメータは、例えばニューロン間の重み(結合係数)、各ニューロンで用いられる活性化関数の係数などである。パラメータの最適化の方法は特に限定されないが、例えば情報処理装置1は誤差逆伝播法を用いて各種パラメータの最適化を行うことできる。
【0038】
なお、加工建物図面および加工建物情報の種類や数を増加させ、学習回数を増やすことでも、学習モデル62は最適化され、精度は向上する。制御部10は、生成した学習モデル62を補助記憶部60に格納し、一連の処理を終了する。
【0039】
なお、本発明の実施形態1に係る学習モデル62の生成に用いられる学習アルゴリズムは、セマンティックセグメンテーションであるものとして説明するが、セマンティックセグメンテーションに限定されず、セマンティックセグメンテーション以外のニューラルネットワーク、SVM(Support Vector Machine)、ベイジアンネットワーク、回帰木など、他の学習アルゴリズムで構築された学習アルゴリズムでも適用可能である。
【0040】
また、本発明の実施形態1に係る画像処理方法には、セマンティックセグメンテーションを利用した学習済モデルによる判別を利用したが、これに限定されず、他の画像処理方法を用いてもよい。例えば、勾配ブースティング、ランダムフォレストなどでモデル化した学習済モデルを用いて加工建物図面および評価基礎建物図面を判別することができる。その場合、制御部10は、判別手段として、例えば、画像をメッシュ分割して各メッシュでのRGBの平均と標準偏差を求め、求めた値を説明変数として用いることができる。すなわち、制御部10は、判別手段として、多数の学習用画像それぞれから求めた説明変数を入力して得られる出力値を当該学習用画像のアノテーションに一致させるようにパラメータを更新した学習済モデルに、画像から求めた説明変数を入力して判別を行う。
[セマンティックセグメンテーション]
本発明の実施形態1に係る機械学習モデルには、セマンティックセグメンテーションを使用することが可能である。
【0041】
ここで、セマンティックセグメンテーション(Semantic Segmentation)は、画像内の全ピクセル(画素)一つ一つに対してラベルやカテゴリを関連付けるディープラーニング(Deep Learning)のアルゴリズムであり、特徴的なカテゴリを形成する画素の集まりを認識するために使用される。
【0042】
セマンティックセグメンテーションで用いられる手法として、例えば、一般的なCNNの全結合層を、領域全体をカバーする1x1の畳み込みを行うと考えることで、全結合層を畳み込み層に置き換えても同じような結果を得ることができるFCN(Fully Convolutional Networks)、Encoder-Decoder型のFCNであるSegNet、Encoder-Decoder型で、低次元の特徴を高次元の特徴へスキップして結合する「スキップ接続」が特徴のU-Net、Encoder-Decoder型で、Spatial Pyramid Poolingを用い、リッチな周辺コンテキストを得ることで高精度のセマンティックセグメンテーションを可能にしたものであるPSPNet、v1では畳み込み層にAtrous convolution(Dilated convolution)を用いる手法を、v2ではSpatial Pyramid Poolingから着想を得た、Atrous Spatial Pyramid Pooling(ASPP)を追加し、v3ではv2で追加したASPPを改良した「改良型ASPP」を用いるとともに、v1、 v2で行っていたCRFによる後処理を廃止して、v2の「画像のマルチスケール処理」を「特徴のマルチスケール処理」に変更し計算効率化して、Batch Normalizationの導入をし、v3+ではv3をさらに改良し、シンプルで効果的なデコーダモジュールを追加、バックボーンにXceptionモデルの導入、Atrous Spatial Pyramid Poolingとデコーダモジュールの両方に深度方向畳み込み分解(depthwise separable convolution)を適用することによる、より高速で強力なネットワークの構築をしているDeepLab(v1~v3+)等がある。
[情報処理装置]
図14は、本発明の実施形態1に係る情報処理装置1の概略構成を示すブロック図である。
【0043】
情報処理装置1は、種々の情報処理、情報の送受信が可能な情報処理装置であり、コンピュータである。コンピュータには、使用目的、仕様、スペック、性能等により、パーソナルコンピュータ(パソコン)、ワークステーション、サーバコンピュータ(サーバ)、メインフレーム、スーパーコンピュータ(スパコン)、ウルトラコンピュータ、ミニコンピュータ(ミニコン)、オフィスコンピュータ(オフコン)、ポケットコンピュータ(ポケコン)、マイクロコンピュータ(マイコン)、携帯情報端末(PDA)およびシーケンサ(PLC:プログラマブルロジックコントローラ)等のように分類されるが、情報処理装置は、これらのすべてが適用可能である。また、インターネット等のネットワークNを介して通信可能に接続されたクラウドコンピュータが、情報処理装置1の処理を実行することも可能である。
本発明の実施形態1に係る情報処理装置1は、パーソナルコンピュータとし、以下に説明する。
【0044】
本発明の実施形態1に係る情報処理装置1は、建物図面および建物情報を読み込み、読み込んだ建物図面および建物情報に基づいて画像処理(加工処理)等された画像等である加工建物図面および加工建物情報を学習モデルに入力し、加工建物図面および加工建物情報とそれぞれ一致する評価基礎建物図面および評価基礎建物情報を出力するよう学習モデルを学習させ、建物図面および建物情報を入力した際に、家屋評価に必要な情報を検出、識別、特定、データ化するための基礎情報となる評価基礎建物図面および評価基礎建物情報を、機械学習により学習済みの学習モデル62を用いて出力し、建物図面および建物情報と、加工付加情報とから家屋評価に必要な評点項目および評点項目に対する評点数を算出する処理を行う。学習モデル62は、人工知能ソフトウェアの一部であるプログラムモジュールとしての利用が想定される。
以下、本発明の実施形態1では、建物図面および建物情報を読み込んだ際に、家屋評価に必要な情報(家屋評価データ)を取得する場合につき説明する。
図14に示すように、情報処理装置1は、制御部10、主記憶部50、通信部30、入力部40、出力部20、補助記憶部60および表示部70を備える。
【0045】
制御部10は、1つまたは複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置を有し、補助記憶部60に記憶されたプログラム63を読み出して実行することにより、情報処理装置1に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。図14の各機能部は、制御部10がプログラム63に基づいて動作することにより実行される。
【0046】
制御部10は、機能部として、読み込み部11、加工部12、教師データ取得部13、評価基礎情報取得部14、境界特定部15、部屋特定部16、補正部17、壁特定部18、評価情報取得部19および出力部20を備える。
【0047】
読み込み部11は、少なくとも建物構成要素および建築設備のいずれかを備える建物図面と、記建物構成要素および建築設備に関する詳細情報である建物情報とを読み込む。
【0048】
加工部12は、読み込んだ建物図面および建物情報等、詳細には、建物図面が備える建物構成要素および建築設備に対して、ラベルや色を付加する加工処理(画像処理)を行い、加工に関する情報を建物情報に加える処理を実行する。
【0049】
教師データ取得部13は、加工部12により建物図面および建物情報に基づいてそれぞれ加工された加工建物構成要素および加工建築設備の少なくともいずれかを備える加工建物図面と、加工建物構成要素および加工建築設備に関する詳細情報である加工建物情報とを教師データとして取得する。
【0050】
評価基礎情報取得部14は、建物図面および建物情報を備える入力データが入力されると教師データに基づいて加工建物図面および加工建物情報とそれぞれ同一の評価基礎建物図面および評価基礎建物情報を出力し、さらに加工建物図面が備える加工建物構成要素および加工建築設備とそれぞれ同一の評価基礎建物図面が備える評価基礎建物構成要素および評価基礎建築設備を出力する学習モデル62に、建物図面および建物情報を入力し、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報と、評価基礎建物図面が備える評価基礎建物構成要素および評価基礎建築設備とを取得する。
【0051】
境界特定部15は、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報から外壁、内壁および壁厚に関する情報を抽出し、情報によって構成される建物の輪郭を境界線として特定する。
部屋特定部16は、境界線、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報に基づいて、部屋の種類および部屋のサイズを含む部屋の詳細情報を特定する。
【0052】
補正部17は、境界特定部15によって特定された境界線を、建築モジュールの矩形に沿って構成されるように前記境界線の位置を調整して移動させる補正をする。
【0053】
壁特定部18は、補正部17によって補正された境界線と、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報とに基づいて、壁の種類および壁のサイズを含む壁の詳細情報を特定する。
【0054】
評価情報取得部19は、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報、部屋特定部16によって取得した部屋の詳細情報および壁特定部18によって取得した壁の詳細情報に基づいて、評価建物図面および評価建物情報を取得する。
【0055】
出力部20は、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報、部屋特定部によって取得した部屋の詳細情報および壁特定部によって取得した壁の詳細情報に基づいて、家屋評価に必要な評価データを出力する。ここで、評価データは、例えば、再建築費評点数の算出に必要な情報であり、評点項目に対する標準評点数、補正係数および計算単位等である。
【0056】
ここで、評点項目は、各部分別に一般に使用されている資材の種類及び品等、施工の態様等の区分によって標準評点数を付設するための項目である。標準評点数は、評点項目の区分に従い、「標準量」に対する工事費を基礎として算出したものである。標準量とは、「再建築費評点基準表」における構造及び用途ごとに標準とされた家屋を新築するとした場合に、家屋の各部分別に必要な単位当たりの施工量をいう。
【0057】
また、標準評点数は、評点項目の区分に従い基準年度に基づいた所定の時期において特別区の区域における物価水準により算定した工事原価に相当する費用に基づき、その費用の一円を一点として表されている。
補正項目及び補正係数は、各部分別に標準とされている施工量等に対し、評価対象家屋の施工量等が相違している場合において、補正係数によって補正する。
【0058】
計算単位は、評点付設の便宜上、単位(m、m、m、t、個など)当たりで示されている。そのため、各部分別の再建築費評点数は、標準評点数に所定の計算単位を乗じて算出する。
【0059】
また、出力部20は、評価情報取得部19が取得した評価建物図面および評価建物情報も出力する。評価建物図面および評価建物情報は、建物図面および建物情報が電子化されたデータをすべて含み、必要に応じてオペレータにより、補正係数や学習モデル62の計算結果に揺らぎが出た際の修正した情報を含む。
【0060】
主記憶部50は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の一時記憶領域であり、制御部10が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。通信部30は、通信に関する処理を行うための通信モジュールであり、外部と建物図面および建物情報等の送受信を行う。入力部40は、文字、記号等の入力を行うキーボード、ポインタの座標指示を行い、位置を制御するための信号を送るマウス等である。表示部70は、キャラクタおよびグラフィックを表示するディスプレイ等であり、読み込んだ建築図面等および算出した家屋評価に必要な評点項目、評点数等を表示する。また、表示部70は、情報処理装置1を構成する各種機能部に対する設定入力情報、設定変更情報および設定確認情報等を表示する。
【0061】
補助記憶部60は、大容量メモリ、ハードディスク等であり、制御部10が処理を実行するために必要なプログラム63、その他のデータを記憶している。また、補助記憶部60は、図面/情報DB61および学習モデル62を記憶している。図面/情報DB61は、建物図面および建物情報、加工建物図面および加工建物情報、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報、線分建物図面および線分建物情報、評価建物図面および評価建物情報等に関するデータを格納したデータベースである。
【0062】
補助記憶部60に記憶されるプログラム63は、プログラム63を読み取り可能に記録した記録媒体より提供されてもよい。記録媒体は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、マイクロSDカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)等の可搬型のメモリである。記録媒体に記録されるプログラム63は、図に示していない読取装置を用いて記録媒体から読み取られ、補助記憶部60に保存される。また、情報処理装置1が外部通信装置と通信可能な通信部を備える場合、補助記憶部60に記憶されるプログラム63は、通信部を介した通信により提供されてもよい。
【0063】
なお、補助記憶部60には、情報処理装置1に接続された外部記憶装置を適用可能である。また、情報処理装置1には、複数のコンピュータからなるマルチコンピュータを適用可能であり、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンも適用可能である。
【0064】
また、制御部10は、補助記憶部60が備える図面/情報DB61、学習モデル62およびプログラム63が有するデータおよびプログラムを追加、削除および編集も実施可能である。
【0065】
つぎに、境界特定部15は、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報に基づいて、壁の構成を壁の輪郭として抽出する壁輪郭抽出部151と、輪郭を線分により構成された図面に変換し、線分建物図面および線分建物情報を取得する線分変換部152と、線分建物図面を直交座標系に適用し、連続した複数の外壁の線分のベクトル方向が同一になるよう複数の外壁の線分に対してベクトル情報を付与し、外壁に該当する線分のベクトル情報および評価基礎建物情報が備える壁厚から内壁を線分として抽出する壁抽出部153と、壁抽出部153が抽出した内壁の線分に外壁の線分とは逆方向のベクトル情報を付与し、外壁のベクトル情報、内壁のベクトル情報および壁厚から、外壁および内壁に挟まれた壁厚の中央の線分である境界線を特定し、境界線によって構成された構成図面を決定する境界決定部154とを備える。
【0066】
部屋特定部16は、境界線に基づいて、境界線によって閉じられた領域を、建物内部の隔てられた空間の区画として特定する区画特定部161と、評価基礎建物構成要素および評価基礎建築設備を備える評価基礎建物図面および評価基礎建物情報が有するラベルおよび色に関する情報を、対応する区画の画素ごとに適用し、区画内で最も多い種類のラベルおよび記色に関する情報を採用することで、区画に対する部屋の種別を識別する部屋識別部162とを備える。
[情報処理方法]
図17は、本発明の実施の形態1に係る情報処理装置1により、家屋評価に必要なデータを出力する処理手順の一例を示すフローチャート図である。
【0067】
まず、読み込み部11は、少なくとも建物構成要素および建築設備のいずれかを備える図5および8に示すような建物図面と、記建物構成要素および建築設備に関する詳細情報である図6および7に示すような建物情報とを読み込む(S21)。
【0068】
つぎに、加工部12は、読み込んだ建物図面および建物情報等、詳細には、建物図面が備える建物構成要素および建築設備に対して、ラベルや色を付加する加工処理(画像処理)を行い、加工に関する情報を建物情報に加える処理を実行する(S22)。
【0069】
つぎに、教師データ取得部13は、加工部12により建物図面および建物情報に基づいてそれぞれ加工された加工建物構成要素および加工建築設備の少なくともいずれかを備える加工建物図面と、加工建物構成要素および加工建築設備に関する詳細情報である図9に示すような加工建物情報とを教師データとして取得する(S23)。
【0070】
評価基礎情報取得部14は、建物図面および建物情報を備える入力データを学習モデル62に入力することで、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報と、評価基礎建物図面が備える評価基礎建物構成要素および評価基礎建築設備とを取得する(S24)。ここで、学習モデル62は、建物図面および建物情報を備える入力データが入力されると教師データに基づいて加工建物図面および加工建物情報とそれぞれ同一の評価基礎建物図面および評価基礎建物情報を出力し、さらに加工建物図面が備える加工建物構成要素および加工建築設備とそれぞれ同一の評価基礎建物図面が備える評価基礎建物構成要素および評価基礎建築設備を出力する機械学習における学習済みモデルである。
【0071】
境界特定部15は、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報から外壁、内壁および壁厚に関する情報を抽出し、これらの情報によって構成される建物の輪郭を、図31に示すような壁厚の中央線であるように定義された境界線として特定する(S25)。
【0072】
詳細には、S25において、壁輪郭抽出部151は、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報に基づいて、評価基礎建物図面が有する壁の構成を図20に示すような壁の輪郭として抽出する(S251)。
【0073】
線分変換部152は、図20に示す図形に最小二乗法等の手法を用いて、輪郭を線分により構成された図面に変換し、図21に示すうような線分建物図面および線分建物情報を取得する(S252)。
【0074】
壁抽出部153は、図22に示すように、線分建物図面を直交座標系に適用し、連続した複数の外壁の線分のベクトル方向が同一になるよう複数の外壁の線分に対してベクトル情報を付与し、外壁に該当する線分のベクトル情報および評価基礎建物情報が備える壁厚から内壁を線分として抽出する(S253)。図23に示すように、本発明の実施の形態1に係る内壁は、壁厚の中央線から所定の壁厚の範囲にあると判断し、その範囲内にある線分を内壁と特定する。特定した内壁には、外壁に付与したベクトルとは逆方向のベクトルを付与する。図24に示すように、内壁とつながっている線分も内壁と判断し、新たな発見した内壁にも、既に発見されている内壁に付与したベクトルと同一方向のベクトルを付与する。図25に示すように、x方向およびy方向について、同様のロジックを使用し、すべての内壁を検出する。
【0075】
境界決定部154は、図26に示すように、壁抽出部153が抽出した内壁の線分に外壁の線分とは逆方向のベクトル情報を付与し、外壁のベクトル情報、内壁のベクトル情報および壁厚から、外壁および内壁に挟まれた壁厚の中央の線分である境界線を特定し、境界線によって構成された構成図面を決定する(S254)。まず、横方向の境界線の検出について、外壁および内壁にそれぞれ付与した逆方向のベクトルをセットにして、その中間線を境界線として決定する。図26に示すように、例えば内壁に付与したベクトルに連続性が損なわれている場合、同一方向ベクトルを有し、図27に示すように誤差が(壁厚/2)の範囲内であれば同一の内壁として判定し、それら不連続の内壁ベクトルを数学的手法により近似をすることで、連続した内壁ベクトルを決定する。縦方向の境界線についても、同様のロジックを適用して決定する。その結果、図28に示すように、すべての外壁および内壁に対して、壁厚の中央線とほぼ等しい境界線を決定する。さらに、図28に示す境界線の構成において、互いに直交する境界線が、図29に示すように突出している場合あるいは分離している場合であって、突出距離または分離距離が壁厚よりも小さい場合は、図30に示すように、境界線の突出および分離が解消するよう境界線を修正する。すべての境界線について、境界線の突出および分離に対する修正処理を実施することで、図31に示すように、建物図面に対応した境界線で構成される境界線図面を得ることができる。
【0076】
つぎに、部屋特定部16は、境界線、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報に基づいて、部屋の種類および部屋のサイズを含む部屋の詳細情報を特定する(S26)。
【0077】
詳細には、S26において、区画特定部161は、境界線に基づいて、境界線によって閉じられた領域を、建物内部の隔てられた空間の区画として特定する(S261)。まず、図32に示すように、境界線図面において、内壁に該当する側面に付与した右方向のベクトルを基準として、すべての内壁に付与されたベクトルを探索する。図33(a)に示すように、内壁ベクトルの探索において、境界線が分岐している場合、ベクトルが時計回りになるよう下方向の探索を選択する。図33(b)に示すように、ベクトルが時計回りになるよう左方向の探索を選択する。図33(c)に示すように、図33(a)および(b)と同様に、ベクトルが時計回りになるよう上方向の探索を選択する。その結果、探索を開始した、基準となるベクトルに連結することで、探索処理を完了し、閉じた区画として特定する。同様にして、図34に示すように、すべての境界線図面の内壁に該当する箇所に付与されるベクトルを探索し、区画を特定する。
【0078】
部屋識別部162は、評価基礎建物構成要素および評価基礎建築設備を備える評価基礎建物図面および評価基礎建物情報が有するラベルおよび色に関する情報を、対応する区画の画素ごとに適用し、区画内で最も多い種類のラベルおよび色に関する情報を採用することで、区画に対する部屋の種別を識別する(S262)。すなわち、例えば、図35(a)に示す評価基礎建物構成要素および評価基礎建築設備を備える評価基礎建物図面の有するラベルおよび色に関する情報を、対応する図35(b)に示す境界線図面の区間に適用し、最も多くの識別情報(ラベルおよび色に関する情報)を、その区間が有する識別情報として採用する。当該区間に採用された識別情報から、部屋に関する情報を識別する。部屋識別部162によって、境界線図面の部屋が識別された図を図36に示す。
【0079】
つづいて、補正部17は、境界特定部15によって特定された境界線を、建築モジュールの矩形に沿って構成されるように前記境界線の位置を調整して移動させる補正をする(S27)。補正部17は、図36に示す境界線図面の境界線を建築モジュールに一致するよう移動させて補正する。ここで、建築モジュールとは、建築において設計上の基準となる基本寸法、基準単位のことであり、建築物における柱と柱の間や、畳の寸法などを指す、メートルや尺や間などの単位のことである。日本の多くの住宅では「910ミリメートル=3尺」単位の「尺モジュール」が使われている。境界線図面の境界線を移動させる補正を実施する例を図37に示す。通常は最も境界線に近い建築モジュールの緯線および経線に移動させる。なお、クローゼットなどの特殊寸法がある場合は、図38に示す破線である補助寸法を追加して、当該補助寸法に移動させて補正する。図36に示す境界線図面を補正した図を図39に示す。
【0080】
つぎに、壁特定部18は、補正部17によって補正された境界線と、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報とに基づいて、壁の種類および壁のサイズを含む壁の詳細情報を特定する(S28)。壁特定部18は、図40(a)に示す評価基礎建物構成要素および評価基礎建築設備を備える評価基礎建物図面と、評価基礎建物情報とに基づいて、図39に示す補正された境界線図面の壁の種別、サイズ等を特定する。
【0081】
評価情報取得部19は、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報、部屋特定部16によって取得した部屋の詳細情報および壁特定部18によって取得した壁の詳細情報に基づいて、図40(a)に示すような境界線図面に対応する取得評価建物図面および評価建物情報を取得する。
【0082】
つづいて、出力部20は、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報、部屋特定部によって取得した部屋の詳細情報および壁特定部によって取得した壁の詳細情報に基づいて、家屋評価に必要な評価データを出力する。また、出力部20は、評価情報取得部19が取得した評価建物図面および評価建物情報も出力する(S29)。
【0083】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0084】
また、以上に説明した処理又は動作において、あるステップにおいて、そのステップではまだ利用することができないはずのデータを利用しているなどの処理又は動作上の矛盾が生じない限りにおいて、処理又は動作を自由に変更することができる。また以上に説明してきた各実施例は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0085】
1 情報処理装置
10 制御部
11 読み込み部
12 加工部
13 教師データ取得部
14 評価基礎情報取得部
15 境界特定部
16 部屋特定部
17 補正部
18 壁特定部
19 評価情報取得部
20 出力部
30 通信部
40 入力部
50 主記憶部
60 補助記憶部
61 図面/情報DB
62 学習モデル
63 プログラム
70 表示部
151 壁輪郭抽出部
152 線分変換部
153 壁抽出部
154 境界決定部
161 区画特定部
162 部屋識別部
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
【手続補正書】
【提出日】2022-12-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物図面および建物情報を備える入力データと、前記建物図面に加工を施した加工建物図面および前記建物情報に加工を施した加工建物情報を備える教師データとを入力する入力層と、
前記教師データに基づいて、評価基礎建物図面および評価基礎建物情報を出力する出力層と、
前記入力層に前記建物図面、前記建物情報、前記加工建物図面および前記加工建物情報が入力されると、前記出力層からの出力結果である前記評価基礎建物図面および前記評価基礎建物情報と正解値である前記加工建物図面および前記加工建物情報との損失が小さくなるよう学習されるパラメータを含む中間層とを備え、
前記建物図面は、建物構成要素および建築設備の少なくともいずれかを備え、
前記建物情報は、前記建物構成要素および前記建築設備に関する詳細情報であり、
前記加工建物図面は、前記建物構成要素および前記建築設備それぞれに対してラベル付けおよび着色を行う加工を施した加工建物構成要素および加工建築設備の少なくともいずれかを備え、
前記加工建物情報は、前記加工建物構成要素および前記加工建築設備に関する詳細情報であり、
前記建物図面および前記建物情報が入力層に入力された場合に、学習されたパラメータを含む前記中間層による演算を経て、前記加工建物図面および前記加工建物情報とそれぞれ同一の前記評価基礎建物図面および前記評価基礎建物情報を前記出力層から出力するようにコンピュータを機能させることを特徴とする学習モデル。
【請求項2】
前記中間層での演算処理に用いる前記パラメータは、前記評価基礎建物図面および前記評価基礎建物情報を前記教師データの正解値と比較し、前記評価基礎建物図面および前記評価基礎建物情報が前記正解値に近づくよう最適化され、
前記比較される情報は、各ピクセルごとのラベル情報および色情報であることを特徴とする請求項1に記載の学習モデル。