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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168196
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20231116BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20231116BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20231116BHJP
   F21W 131/105 20060101ALN20231116BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231116BHJP
   F21Y 105/10 20160101ALN20231116BHJP
【FI】
F21S2/00 330
F21S2/00 340
F21S2/00 350
F21S2/00 612
F21S2/00 623
F21V5/00 510
F21V5/00 530
F21V5/00 320
F21V5/00 610
F21S8/04 100
F21W131:105
F21Y115:10
F21Y105:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156723
(22)【出願日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】P 2022079771
(32)【優先日】2022-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関井 広行
(57)【要約】
【課題】光の取り出し効率を向上できる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置は、第1レンズ263及び第2レンズ264と、第1発光素子21c及び第2発光素子21dと、を備える。第1レンズ263の表面は、出射面263cと、入射面263aと、反射面263bと、を含む。入射面263aは、第1発光素子21cに対向する。第1の光C1は、第2の光C1を含む。第1の光C1は、第1発光素子21cから第1レンズ263に入射し反射面263bで反射され出射面263cから出射される。第2の光C1は、第1発光素子21cから第1レンズ263に入射する光の50%以上であり、かつ、基板21bの法線方向G1に対して5度以上をなす方向に沿って、照明装置の設置状態における上方側に出射される。第2発光素子21dから出射され第2レンズ264を透過する第3の光C3、C4は、照明装置の設置状態における下方側に出射される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1レンズと、第2レンズと、を含む複数のレンズと、
基板に配置される複数の発光素子と、
を備える照明装置であって、
前記複数の発光素子は、
前記第1レンズに対応する第1発光素子と、
前記第2レンズに対応する第2発光素子と、を含み、
前記第1レンズの表面は、
出射面と、
前記第1発光素子に対向する凹状の入射面と、
前記出射面と前記入射面との間に位置する反射面と、を含み、
前記入射面は、
前記入射面の底面であり、かつ、前記出射面とは反対側に突出する第1入射面と、
前記入射面の内周面である第2入射面と、を含み、
前記第1発光素子から前記第1レンズの前記第2入射面に入射されて前記第1レンズの前記反射面で反射され前記出射面から出射される第1の光は、少なくとも第2の光を含み、
前記第2の光は、
前記第1発光素子から出射されて前記第1レンズに入射する光の50%以上であり、かつ、
前記基板の法線方向に対して所定角度をなす方向に沿って、前記照明装置の設置状態における前記照明装置の上方側に出射され、
前記所定角度は、5度以上であり、
前記第2発光素子から出射されて前記第2レンズを透過する第3の光は、前記照明装置の設置状態における前記照明装置の下方側に出射される、
照明装置。
【請求項2】
前記第1発光素子から前記第1レンズの前記第1入射面に入射されて前記出射面から出射される第4の光は、前記基板の前記法線方向に対して前記所定角度をなす方向に沿って、前記照明装置の設置状態における前記照明装置の上方側に出射される、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記第1発光素子から前記第1レンズの前記第1入射面に入射されて前記出射面から出射される第4の光は、前記照明装置の設置状態における前記照明装置の下方側に出射される、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1の光は、前記第2の光とは異なる第5の光を更に含み、
前記第5の光は、前記照明装置の設置状態における前記照明装置の下方側に出射される、
請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1レンズと前記第2レンズとを連結する連結部と、
前記照明装置の設置状態における前記照明装置の左右方向に光を拡散する拡散プリズムと、を更に備え、
前記拡散プリズムは、前記第1レンズの前記出射面及び前記第2レンズの前記出射面に設けられている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記所定角度は、10度以上である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記所定角度は、40度以下である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記照明装置の設置状態における前記照明装置の上下方向において、前記第1発光素子
の発光部の幅DK1は、前記第1レンズの前記出射面の幅DL1に対して、
DK1/DL1≦0.3
の関係を満たす、
請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置に関し、特に、投光照明として用いられる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、発光素子と、第1レンズと、第2レンズとを有する照明装置が開示されている。特許文献1に開示の照明装置では、第1レンズが、発光素子から出射された光を集光する。また、特許文献1に開示の照明装置では、第2レンズが、第1レンズから出射された光を、一定の範囲に光が照射されるように方向づける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2015/198527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示の照明装置では、発光素子から出射された光が第1レンズを透過した後、さらに第2レンズを透過する。したがって、第1レンズ及び第2レンズと空気との界面で光が反射され、光取り出し効率が低下することがあり得る。
【0005】
本開示は、光の取り出し効率を向上できる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る照明装置は、複数のレンズと、複数の発光素子と、を備える。前記複数のレンズは、第1レンズと、第2レンズと、を含む。前記複数の発光素子は、基板に配置される。前記複数の発光素子は、第1発光素子と、第2発光素子と、を含む。前記第1発光素子は、前記第1レンズに対応する。前記第2発光素子は、前記第2レンズに対応する。前記第1レンズの表面は、出射面と、入射面と、反射面と、を含む。前記入射面は、前記第1発光素子に対向し、凹状である。前記反射面は、前記出射面と前記入射面との間に位置する。前記入射面は、第1入射面と、第2入射面と、を含む。前記第1入射面は、前記入射面の底面であり、かつ、前記出射面とは反対側に突出する。前記第2入射面は、前記入射面の内周面である。第1の光は、少なくとも第2の光を含む。前記第1の光は、前記第1発光素子から前記第1レンズの前記第2入射面に入射されて前記第1レンズの前記反射面で反射され前記出射面から出射される。前記第2の光は、前記第1発光素子から出射されて前記第1レンズに入射する光の50%以上である。前記第2の光は、更に、前記基板の法線方向に対して所定角度をなす方向に沿って、前記照明装置の設置状態における前記照明装置の上方側に出射される。前記所定角度は、5度以上である。前記第2発光素子から出射されて前記第2レンズを透過する第3の光は、前記照明装置の設置状態における前記照明装置の下方側に出射される。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様に係る照明装置によれば、光の取り出し効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態1に係る照明装置を示す斜視図である。
図2図2は、同上の照明装置の照明ユニットを示す斜視図である。
図3図3は、同上の照明装置の照明ユニットを示す分解斜視図である。
図4図4は、同上の照明装置の要部の拡大断面図である。
図5図5は、同上の照明装置の要部の拡大図である。
図6図6Aは、同上の照明装置の第1発光素子から第1レンズを透過して出射する出射光が伝搬する様子を説明する説明図である。図6Bは、同上の照明装置の第2発光素子から第2レンズを透過して出射する出射光が伝搬する様子を説明する説明図である。
図7図7は、同上の照明装置の照明光の配光特性を説明する説明図である。
図8図8は、実施形態1の変形例1に係る照明装置の第1発光素子から第1レンズを透過して出射する出射光が伝搬する様子を説明する説明図である。
図9図9は、実施形態1の変形例2に係る照明装置の第1発光素子から第1レンズを透過して出射する出射光が伝搬する様子を説明する説明図である。
図10図10は、実施形態1の変形例3に係る照明装置の第1発光素子から第1レンズを透過して出射する出射光が伝搬する様子を説明する説明図である。
図11図11は、実施形態2に係る照明装置の要部の拡大断面図である。
図12図12は、同上の照明装置の要部の拡大断面図である。
図13図13は、実施形態2の変形例に係る照明装置のレンズブロックの部分平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態に係る照明装置について図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の各実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例に過ぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0010】
(実施形態1)
(1)全体構成
実施形態1に係る照明装置1について、図面を参照して詳細に説明する。照明装置1は、屋外の領域を照明(投光照明)する用途に用いられる投光器である。より詳細には、照明装置1は、例えば、各種の競技場(サッカースタジアムなど)、学校の運動場、又は、駐車場を照明(投光照明)する用途に用いられる。
【0011】
なお、以下の説明では、特に断りのない限り、図1において、照明装置1の前後、左右、上下の各方向を規定する。すなわち、照明装置1におけるカバー3側を前とし、照明装置1におけるヒートシンク6側を後とする。また、照明装置1の正面(前側)から見て上側を上とし、下側を下とし、左側を左とし、右側を右とする。
【0012】
照明装置1は、図1に示すように、照明装置本体102と、固定部材103と、支持部材104と、電源ボックス105と、結線ボックス106と、を備えている。
【0013】
照明装置本体102は、照明光を出射する。照明装置本体102は、複数(図1では2つ)の照明ユニットSU1と、一対の連結部107とを備えている。複数の照明ユニットSU1は、照明光を出射する。一対の連結部107は、複数の照明ユニットSU1を上下方向に並んだ状態で連結する。より詳細には、一対の連結部107は、複数の照明ユニットSU1の右端同士及び左端同士を連結する。
【0014】
固定部材103は、電源ボックス105を照明装置本体102の裏側に固定する。固定部材103は、左右一対の連結部107に跨って取り付けられている。固定部材103は、左右一対の連結部107から照明装置本体102の後側に回り込むように配置されている。
【0015】
支持部材104は、競技場などの所定場所に設置された状態で、照明装置本体102を、左右方向に延びた回転軸RG1回りに回転可能に支持する。支持部材104は、左右一対の連結部107に跨って取り付けられている。支持部材104は、左右一対の連結部107から照明装置本体102の後方下側に回り込むように配置されている。
【0016】
電源ボックス105は、結線ボックス106を介して供給される交流電力を直流電力に変換して照明装置本体102に供給する電源回路を含む部分である。電源ボックス105は、固定部材103によって照明装置本体102の後側に固定されている。
【0017】
結線ボックス106は、外部の交流電源(例えば、系統電源)からの電源線が接続される部分である。結線ボックス106は、外部の交流電源から供給される交流電力を電源ボックス105の電源回路に供給する。結線ボックス106は、電源ボックス105の後側に固定されている。
【0018】
この照明装置1では、照明装置本体102の前面側から前方に照明光が出射される。照明光は、主に、照明装置1の光軸CG1の方向に出射される。光軸CG1は、照明装置本体102の前面102aの法線に平行である。前面102aは、照明ユニットSU1のカバー3の前面である。この照明装置1では、照明装置本体102が回転軸RG1回りに回転されることで、照明光の出射方向(光軸CG1方向)を上下方向に変更可能である。この照明装置1は、例えば、比較的高い場所に設置されて、上側から斜め下方向に向かって照明光を出射することで、例えば、競技場のグランドを照明する。
【0019】
この照明装置1では、照明光は、光軸CG1の上方側の特定方向(例えば、光軸CG1に対して15度をなす方向)より上方側に出射される光の光度が、特定方向より下方側に出射される光の光度よりも小さくなるように配光されている。これにより、照明光が必要以上に遠くまで届くことを抑制できる。また、照明光は、光軸CG1の上方側に出射される光の光度がある程度の光度(例えば、夜間にボールがグランドの上空に飛んだときそのボールを視認できる程度の光度)を確保するように配光されている。
【0020】
(2)照明ユニット
照明ユニットSU1は、図2及び図3に示すように、光源ユニット2と、カバー3と、防水パッキン4と、押さえ部材5と、ヒートシンク6とを備えている。
【0021】
光源ユニット2は、照明装置1の光源を構成する。光源ユニット2は、ヒートシンク6の前面61sに配置されている。光源ユニット2は、発光モジュール21と、熱伝導シート23と、配光部材24とを備えている。配光部材24は、レンズブロック26と、遮光板25(遮光部材)とで構成されている。
【0022】
発光モジュール21は、複数の発光素子21aと、回路基板21bとを有する。
【0023】
複数の発光素子21aの各々は、例えば、照明光となる白色光を出射する白色発光ダイオードである。回路基板21bは、例えば、矩形平板状である。複数の発光素子21aは、回路基板21bの前面に設けられ、かつ、回路基板21bの前面に形成された配線用導電体によって電気的に接続されている。複数の発光素子21aは、回路基板21bの前面において、間隔を空けて縦横に並んで配置されている。
【0024】
発光モジュール21は、熱伝導シート23を介してヒートシンク6の前面61sに固定される。実施形態1では、複数の固定片が、回路基板21bの周縁の複数箇所に重ねられた状態で、ねじによってヒートシンク6に固定される。このように、回路基板21bの周縁が固定片とヒートシンク6との間に挟まれることで、発光モジュール21は、ヒートシンク6の前面61sに固定される。
【0025】
熱伝導シート23は、発光モジュール21で発生した熱を回路基板21bからヒートシンク6に効率よく伝導させるための部材である。熱伝導シート23は、発光モジュール21とヒートシンク6との間に挟まれて配置される。熱伝導シート23は、例えば、矩形のシート状に形成されている。熱伝導シート23の平面サイズは、例えば、発光モジュール21の平面サイズと同程度である。熱伝導シート23は、電気絶縁性と熱伝導性とを有する部材(例えば、エラストマー材料、シリコーンゲル、又は、フィラーを含有させたアクリル樹脂)で形成される。
【0026】
配光部材24は、発光素子21aからの出射光の配光を制御する部材である。この制御によって、照明装置1の光軸CG1の上方側において、特定方向より上方側に出射される光の光度が、特定方向より下方側に出射される光の光度よりも小さくなるように制御される。配光部材24は、発光モジュール21の前側に(すなわち、発光モジュール21に対向して)配置される。配光部材24は、上述の通り、レンズブロック26と、遮光板25とを有する。レンズブロック26は、発光モジュール21の前面に対向して配置される。遮光板25は、レンズブロック26の出射面に対向して配置される。
【0027】
レンズブロック26は、複数のレンズ261と、連結部262とを有する。複数のレンズ261及び連結部262は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂などの透光性を有する合成樹脂によって一体に成形されている。
【0028】
複数のレンズ261の各々は、複数の発光素子21aと一対一に対応し、対応する発光素子21aの前面に対向して配置されている。複数のレンズ261は、第1レンズ263(図4参照)と、第2レンズ264(図5参照)とを含む。レンズブロック26において、第1レンズ263と第2レンズ264とは、例えば、交互に配置されている。より詳細には、第2レンズ264は、第1レンズ263に対し、上下方向において隣接するように配置されている。また、第1レンズ263は、第2レンズ264に対し、上下方向において隣接するように配置されている。以下、第1レンズ263に対応する発光素子21aを第1発光素子21cといい、第2レンズ264に対応する発光素子21aを第2発光素子21dという。第1レンズ263は、第1発光素子21cが出射した光を照明装置1の光軸CG1の上方側に出射する。第2レンズ264は、第2発光素子21dが出射した光を照明装置1の光軸CG1の下方側に出射する。第1レンズ263及び第2レンズ264の具体的な形状については、後述する。
【0029】
連結部262は、複数のレンズ261を連結する。連結部262は、例えば、矩形の板状である。複数のレンズ261は、連結部262の厚さ方向に貫通した状態で連結部262に連結されている。換言すれば、複数のレンズ261は、例えば、前半部が連結部262の前面から前側に突出すると共に後半部が連結部262の後方から後方に突出するように、連結部262に連結されている。連結部262は、複数の支持部材を介してレンズブロック26がヒートシンク6の前側に配置されるように、ヒートシンク6に固定される。この固定状態で、レンズブロック26は、ヒートシンク6の前面に固定された発光モジュール21の前面に配置される。
【0030】
遮光板25は、発光モジュール21から出射される光のうち、第1レンズ263の出射面263c及び第2レンズ264の出射面264cから出射されない光が出射されることを抑制する部材である。より詳細には、遮光板25は、発光モジュール21から出射され第1レンズ263の入射面263aにも第2レンズ264の入射面264aにも入射しない光の出射を抑制する。
【0031】
遮光板25は、例えば、矩形の板状である。遮光板25は、複数の開口部25aを有する。複数の開口部25aは、複数のレンズ261(第1レンズ263又は第2レンズ264)と一対一に対向し、遮光板25において、対応するレンズ261に対向する位置に配置されている。開口部25aは、レンズ261からの出射光、すなわち第1レンズ263又は第2レンズ264からの出射光を通過させる。遮光板25は、レンズブロック26の前側に配置される。より詳細には、遮光板25は、レンズブロック26の連結部262に固定される。
【0032】
ヒートシンク6は、発光モジュール21で発生した熱を外部に放熱する部材である。ヒートシンク6は、熱伝導性を有する部材(例えば、金属、具体的にはアルミニウム、又はアルミニウム合金)で形成される。ヒートシンク6は、ベース部61と、複数の放熱フィン62とを有する。ベース部61及び複数の放熱フィン62は、一体に成形されている。ベース部61は、例えば、矩形の平板状である。ベース部61は、前面61sと後面61kとを有する。後面61kは、前面61sの反対側の主面である。各放熱フィン62は、例えば、矩形の薄板状に形成されている。複数の放熱フィン62は、ベース部61の後面61kから後方に突出している。複数の放熱フィン62は、それらの厚み方向を左右方向に一致させて、互いに間隔を空けて並んでいる。
【0033】
カバー3は、光源ユニット2を覆う部材である。カバー3は、後面が開口した略直方体形の箱状である。カバー3は、ヒートシンクの前面61sに固定される。カバー3は、発光素子21aからの出射光を透光する透光性を有する樹脂材料(例えば、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂)で形成されている。これにより、光源ユニット2から出射された光を透光可能である。カバー3は、カバー本体31と、鍔部32とを有する。カバー本体31及び鍔部32は、一体に成形されている。カバー本体31は、後面が開口する略直方体形の箱状に形成されている。カバー本体31は、前面102aと上壁31uとを含む。鍔部32は、カバー本体31の後面開口の周縁から全周にわたって外向きに突出している。鍔部32は、ヒートシンク6の前面61s及び周縁と略同形同大の矩形の枠状に形成されている(図3参照)。
【0034】
押さえ部材5は、カバー3をヒートシンク6の前面61sに固定する部材である。押さえ部材5は、カバー3の鍔部32と同程度の大きさの矩形の枠状である(図3参照)。押さえ部材5は、金属板(例えば、ステンレス鋼板)で形成されている。押さえ部材5は、ヒートシンク6の前面61sの周縁との間でカバー3の鍔部32をはさんだ状態で、ヒートシンク6の前面61sにねじ等で固定される。
【0035】
防水パッキン4は、カバー3の鍔部32とヒートシンク6との間、及び、カバー3の鍔部32と押さえ部材5との間を密閉する部材である。防水パッキン4は、電気絶縁性を有する弾性材料(例えば、シリコーンゴム)によって矩形の枠状に形成されている。防水パッキン4は、カバー3の鍔部32とヒートシンク6との間、及び、カバー3の鍔部32と押さえ部材5との間に配置される。
【0036】
(3)第1レンズ、第2レンズの詳細
次に図4及び図5を参照して、第1レンズ263及び第2レンズ264の形状について詳しく説明する。
【0037】
以下の説明では、発光素子21a(第1発光素子21c及び第2発光素子21d)の光軸を光軸G1とする。光軸G1は、発光素子21a(第1発光素子21c及び第2発光素子21d)に固定されている。光軸G1は、回路基板21bの法線方向である前後方向と一致している。
【0038】
第1レンズ263は、図4に示すように、入射面263aと、反射面263bと、出射面263cとを有する。
【0039】
入射面263aは、第1発光素子21cからの出射光が入射する面である。入射面263aは、第1発光素子21cの前方に配置される。入射面263aは、第1レンズ263の後面によって構成されている。入射面263aは、前方(出射面263c側)に窪んだ凹状(例えば、有底の円筒形の凹状)である。すなわち、入射面263aは、内周面と底面とを有する。
【0040】
入射面263aは、第1入射面263dと第2入射面263eとを含む。第1入射面263dは、入射面263aの底面によって構成されており、第1発光素子21cからの出射光を出射面263cに導くように、例えば、後方に突出した凸曲面状に形成されている。第2入射面263eは、入射面263aの内周面によって構成されており、第1発光素子21cからの出射光のうち、第1入射面263dに入射しない光を出射面263cに導くことが可能な入射面である。
【0041】
反射面263bは、第1レンズ263の外周面によって構成されている。反射面263bは、第1レンズ263の後側から前側に向かって上下方向の幅及び左右方向の幅が漸次大きくなるとともに、後方に突出した凸曲面状に形成されている。反射面263bは、第2入射面263eに入射した光を反射して出射面263cに導く反射面である。
【0042】
出射面263cは、第1レンズ263の前面によって構成されている。出射面263cは、第1レンズ263を透過した光を第1レンズ263の外部に出射する面である。出射面263cは、例えば、平面である。
【0043】
また、第1レンズ263の上下方向の幅は、第1発光素子21cの上下方向の幅と比較して十分に大きい。第1発光素子21cの上下方向の幅に対して第1レンズ263の上下方向の幅が大きいことで、第1レンズ263から出射される光を略平行光とする設計が容易となる。その理由は、第1レンズ263の設計において第1発光素子21cの発光面を点とみなして設計しても誤差が小さくなるためである。但し、第1発光素子21cの上下方向の幅に対する第1レンズ263の上下方向の幅の比を無制限に大きくすることは容易ではない。その一つ目の理由は、第1発光素子21cを小さくすると、第1発光素子21cが出射する光の光量が小さくなるためである。その二つ目の理由は、第1レンズ263を大きくすると、第1レンズ263の材料コスト及び加工コストが増加するためである。さらに、第1レンズ263を大きくすると、レンズブロック26の質量が増加するため、照明装置1の質量増加を招き、コストアップの原因となるためである。し、第1レンズ263内の光路長も長くなるため、第1レンズ263の光透過率も低下する。すなわち、第1レンズ263の上下方向の幅に対する第1発光素子21cの上下方向の幅の比は、過度に小さくすると発光効率の低下及び光取り出し効率の低下を招き、また、照明装置1のコストアップの原因ともなる。
【0044】
より詳細には、第1発光素子21cの上下方向の最大幅DK1は、出射面263cの上下方向の最大幅DL1に対し、以下の関係を満たす。
0.05≦DK1/DL1≦0.3 …(式1)
【0045】
なお、第1レンズ263の上下方向の最大幅に対する第1発光素子21cの上下方向の最大幅の比DK1/DL1は、0.2以下がより好ましい。また、第1レンズ263の上下方向の最大幅に対する第1発光素子21cの上下方向の最大幅の比DK1/DL1は、0.15以下がより好ましい。
【0046】
第2レンズ264は、図5に示すように、入射面264aと、反射面264bと、出射面264cとを有する。
【0047】
入射面264aは、第2発光素子21dからの出射光が入射する面である。入射面264aは、第2発光素子21dの前方に配置される。入射面264aは、第2レンズ264の後面によって構成されている。入射面264aは、前方(出射面264c側)に窪んだ凹状(例えば、有底の円筒形の凹状)である。すなわち、入射面264aは、内周面と底面とを有する。
【0048】
入射面264aは、第3入射面264dと第4入射面264eとを含む。第3入射面264dは、入射面264aの底面によって構成されており、第2発光素子21dからの出射光を出射面264cに導くように、例えば、後方に突出した凸曲面状に形成されている。第4入射面264eは、入射面264aの内周面によって形成されており、第2発光素子21dからの出射光のうち、第3入射面264dに入射しない光を出射面264cに導くことが可能な入射面である。
【0049】
反射面264bは、第2レンズ264の外周面によって構成されている。反射面264bは、第2レンズ264の後側から前側に向かって直径が漸次大きくなるとともに、後方に突出した凸曲面状に形成されている。反射面264bは、第4入射面264eに入射した光を反射して出射面264cに導く反射面である。
【0050】
出射面264cは、第2レンズ264の前面によって構成されている。出射面264cは、第2レンズ264を透過した光を第2レンズ264の外部に出射する面である。出射面264cは、例えば、平面である。
【0051】
(4)発光素子からの出射光の伝搬の一例
次に、図6A及び図6Bを参照して、発光素子21aから出射された光が伝搬する様子の一例を説明する。
【0052】
図6Aに示すように、第1発光素子21cからの光は、第1入射面263d及び第2入射面263eに入射する。
【0053】
第1入射面263dに入射した光は、第1レンズ263の出射面263c及びカバー3(図3参照)を透過して光C2として出射される。光C2は、例えば、光軸G1に対して上方側に出射される。
【0054】
第2入射面263eに入射した光は、第1レンズ263の反射面263bで反射され、第1レンズ263の出射面263c及びカバー3(図3参照)を透過して光C1として出射される。光C1の光度は、光C2の光度以上である。言い換えると、光C1は、第1発光素子21cから第1レンズ263に入射する光の50%以上である。光C1は、平行光線である。ここで、光C1が平行光線であるとは、光C1の進行方向と基準となる方向との間の角度が2度以下であることをいう。光C1は、光軸G1に対して上方側に出射される。より詳細には、基準となる方向と光軸G1との間の角度は角度θ1である。角度θ1は、5度以上である。
【0055】
すなわち、光C1は、照明装置1から出射される光のうち、光軸G1より上方側に出射される光である。第1レンズ263の反射面263bを適切に設計することにより、基準となる方向よりも上方側に光C1が漏洩することを容易に抑止することができる。したがって、照明装置1の照明光において、光軸CG1の上方側の特定方向より上方側に出射される光の光度が、特定方向より下方側に出射される光の光度よりも小さくなるように配光することが容易となる。
【0056】
なお、より好ましくは、角度θ1は、10度以上かつ40度以下である。これにより、光軸G1より角度θ1だけ上方側の方向よりも更に上方側で光C1の光度が小さくなるように第1レンズ263の反射面263bの形状を設計することが容易となる。
【0057】
また、図6Bに示すように、第2発光素子21dからの光は、第3入射面264d及び第4入射面264eに入射する。
【0058】
第3入射面264dに入射した光は、第2レンズ264の出射面264c及びカバー3(図3参照)を通過して光C4として出射される。光C4は、例えば、光軸G1に対して下方側に出射される。
【0059】
第4入射面264eに入射した光は、第2レンズ264の反射面264bで反射され、第2レンズ264の出射面264c並びにカバー3(図3参照)を透過して光C3として出射される。光C3は、略平行光線である。光C3は、光軸G1に対して下方側に出射される。
【0060】
すなわち、光C3及び光C4は、照明装置1から出射される光のうち、光軸G1より下方側に出射される光である。したがって、照明装置1において、光軸CG1より下方側について、出射される照明光の光度を十分に多くすることができる。また、第2レンズ264の形状を適切に設計し、光C3及び光C4の各々の進行方向と光度とを制御することにより、照明装置1において、光軸CG1より下方側の配光特性を容易に制御することができる。
【0061】
また、照明装置1では、第1発光素子21cから出射された光は第1レンズ263を透過したあと、カバー3を透過して照明装置1の外に出射する。また、照明装置1では、第2発光素子21dから出射された光は第2レンズ264を透過したあと、カバー3を透過して照明装置1の外に出射する。すなわち、照明装置1では、発光素子21aを出射した光は、1つのレンズ261を透過した後、カバー3を透過して照明装置1の外に出射する。言い換えると、照明装置1では、発光素子21aを出射した光は、互いに異なる2つのレンズを透過しない。
【0062】
(5)照明装置の配光特性
次に、図7を参照して、照明装置1の照明光の配光特性について説明する。
【0063】
図7において、縦軸は、照明装置1の照明光の光度を示し、横軸は、照明装置1の照明光の上下方向の配光角度を示す。縦軸は、対数目盛を採用している。横軸の単位は角度である。横軸は、0度が発光素子21aの光軸G1方向であり、横軸の+側が光軸G1の上方側に対応し、横軸の-側が光軸G1の下方側に対応する。
【0064】
照明光において、光軸G1の下方15度方向に出射される光の光度を光度M1とし、光軸G1の上方15度方向に出射される光の光度を光度M2とし、光軸G1の上方60度方向に出射される光の光度を光度M3とする。
【0065】
照明装置1の照明光は、第1発光素子21cから第1レンズ263を透過して光軸G1の上方側に出射される光C1及び光C2と、第2発光素子21dから第2レンズ264を透過して光軸G1の下方側に出射される光C3及び光C4とが合成されている。より詳細には、光度M1に対する光度M2の比が0.1以下となるように、レンズ261が構成されていることが好ましい。さらに、光度M2に対して光度M3が小さくなるように、レンズ261が構成されていることが好ましい。
【0066】
(6)効果
実施形態1に係る照明装置1では、複数の発光素子21aが第1発光素子21cと第2発光素子21dとを含み、複数のレンズ261が第1レンズ263と第2レンズ264とを含む。第1レンズ263は第1発光素子21cと一対一で対応し、第1発光素子21cから第1レンズ263を透過して出射される光C1及び光C2は、第1発光素子21cの光軸G1に対し、少なくとも上方側に出射される。第2レンズ264は第2発光素子21dと一対一で対応し、第2発光素子21dから第2レンズ264を透過して出射される光C3及び光C4は、第2発光素子21dの光軸G1に対し、少なくとも下方側に出射される。したがって、第1レンズ263及び第2レンズ264の配光特性を適宜設定することで、光軸G1の上方側の配光の制御が容易となる。
【0067】
また、実施形態1に係る照明装置1では、1つのレンズブロック26によって複数の発光素子21a(第1発光素子21c及び第2発光素子21d)からの光の配光を制御できる。したがって、発光素子21a(第1発光素子21c及び第2発光素子21d)から出射された光が透過するレンズの数を少なくすることができる。これにより、発光素子21aから出射された光がレンズと空気との界面で反射し、又は遮光板25に遮られることを抑止できる。そのため、実施形態1に係る照明装置1では、光取り出し効率が向上する。さらに、実施形態1に係る照明装置1では、1つのレンズブロック26が第1レンズ263と第2レンズ264とを含むため、照明装置1の部品の数を減らすことができ、照明装置1の製造コストを低下させることができる。特に、レンズブロック26が金型を用いて形成される樹脂ブロックである場合、1組の金型で2つのレンズ(第1レンズ263及び第2レンズ264)を製造することができ、照明装置1の製造コストを更に低下させることができる。
【0068】
また、実施形態1に係る照明装置1では、第1レンズ263は、入射面263aと、反射面263bと、出射面263cとを有する。入射面263aは、前方に窪んだ凹状である。入射面263aは、第1入射面263dと第2入射面263eとを有する。第1入射面263dは、入射面263aの底面によって構成されており、後方に突出した凸曲面状に形成されている。第2入射面263eは、入射面263aの内周面によって構成されている。第2入射面263eに入射した光は、第1レンズ263の反射面263bで反射され、第1レンズ263の出射面263c並びにカバー3(図3参照)を透過して光C1として出射される。光C1は、略平行光線である。光C1は、光軸G1に対して上方側に出射される。より詳細には、光C1の進行方向と光軸G1との間の角度は角度θ1である。角度θ1は、5度以上である。また、角度θ1は、10度以上かつ40度以下である。
【0069】
上記構成により、光C1の配光の制御によって、光軸G1の上方側において、光C1の進行方向より上方側に出射される光の光度が光C1の進行方向より下方側に出射される光の光度より小さくなるように照明装置1の配光を制御することが可能となる。また、角度θ1が上述の条件を満たすことにより、光C1の進行方向より上方側への光の漏洩を抑止することが容易となる。すなわち、実施形態1に係る照明装置1の配光を、第1レンズ263の形状設計によって容易に制御できる。
【0070】
(変形例1)
変形例1に係る照明装置1では、第1レンズ263の第1入射面263dに入射して第1レンズ263の出射面263cを透過する光C21の配光制御が実施形態1と異なる。
【0071】
図8に示すように、第1発光素子21cからの光は、第1入射面263d及び第2入射面263eに入射する。
【0072】
第2入射面263eに入射した光は、第1レンズ263の反射面263bで反射され、第1レンズ263の出射面263c並びにカバー3(図3参照)を透過して光C1として出射される。光C1は、略平行光線である。光C1は、光軸G1に対して上方側に出射される。より詳細には、光C1の進行方向と光軸G1との間の角度は角度θ1である。角度θ1は、5度以上である。
【0073】
第1入射面263dに入射した光は、第1レンズ263の出射面263c並びにカバー3(図3参照)を透過して光C21として出射される。光C21は、光C1と同一方向に出射される。より詳細には、光C21の進行方向と基準となる方向とがなす角度は2度以下である。基準となる方向と光軸G1との間の角度は角度θ1である。
【0074】
これにより、第1発光素子21cから出射されて第1レンズ263に入射する光C1、光C2は、光軸G1に対して上方側において同一方向に出射される。したがって、光軸G1に対して角度θ1だけ上方側における光の光度を上昇させることができる。すなわち、光軸G1に対して上方側における最大光度値を大きくする設計を行うことができる。
【0075】
(変形例2)
変形例2に係る照明装置1では、第1レンズ263の第1入射面263dに入射して第1レンズ263の出射面263cを透過する光C2の配光制御が実施形態1及び変形例1と異なる。
【0076】
図9に示すように、第1発光素子21cからの光は、第1入射面263d及び第2入射面263eに入射する。
【0077】
第2入射面263eに入射した光は、第1レンズ263の反射面263bで反射され、第1レンズ263の出射面263c並びにカバー3(図3参照)を透過して光C1として出射される。光C1は、平行光線である。光C1は、光軸G1に対して上方側に出射される。より詳細には、光C1の進行方向と光軸G1との間の角度は角度θ1である。角度θ1は、5度以上である。
【0078】
第1入射面263dに入射した光は、第1レンズ263の出射面263c並びにカバー3(図3参照)を透過して光C22として出射される。光C22は、光軸G1に対して下方側に出射される。
【0079】
これにより、第1発光素子21cから出射されて第1レンズ263を透過する光C1及び光C22のうち、光C1は光軸G1に対して上方側に出射され、光C22は光軸G1に対して下方側に出射される。したがって、光軸G1に対して上方側における光の光度を削減させることができ、特に、光軸G1に対して角度θ1だけ上方側の向きよりも上方側に対して光が出射されることを抑制することができる。
【0080】
(変形例3)
変形例3に係る照明装置1では、第1レンズ263の第2入射面263eに入射して反射面263bで反射され出射面263cから出射する光C12の一部の配光制御が実施形態1、変形例1及び変形例2と異なる。
【0081】
図10に示すように、第1発光素子21cからの光は、第1入射面263d及び第2入射面263eに入射する。
【0082】
第1入射面263dに入射した光は、第1レンズ263の出射面263c並びにカバー3(図3参照)を透過して光C2として出射される。光C2は、例えば、光軸G1に対して上方側に出射される。
【0083】
第2入射面263eに入射した光は、第1レンズ263の反射面263bで反射され、第1レンズ263の出射面263c並びにカバー3(図3参照)を透過して光C12として出射される。光C12は、光C1と光C13とを含む。光C1は、光軸G1に対して上方側に出射される。より詳細には、光C1の進行方向と光軸G1との間の角度は角度θ1である。角度θ1は、5度よりも大きい。また、光C1は、第1発光素子21cから第1レンズ263の入射面263aに入射する光の50%以上である。言い換えると、光C1の光度は、光C13の光度と光C2の光度の合計以上である。
【0084】
光C13は、光軸G1に対して下方側に出射される。
【0085】
これにより、第1発光素子21cから出射されて第1レンズ263の第2入射面263eに入射して反射面263bで反射され出射面263cから出射する光C12のうち、光C1は光軸G1に対して上方側に出射され、光C13は光軸G1に対して下方側に出射される。したがって、光軸G1に対して上方側における光の光度を削減させることができ、特に、光軸G1に対して角度θ1だけ上方側の向きよりも上方側に対して光が出射されることを抑制することができる。
【0086】
(実施形態2)
実施形態2に係る照明装置1は、図12に示すように、照明装置1の左右方向に光を拡散する拡散プリズム265を更に備える。実施形態2に係る照明装置1は、図11及び図12に示すように、レンズブロック26に替えて、レンズブロック26aを備える。レンズブロック26aは、複数のレンズ261と、連結部262と、拡散プリズム265とを含む。
【0087】
図11は、実施形態2に係る照明装置1の要部の拡大断面図であり、照明装置1の左右方向に対して直交する面に沿った断面図である。また、図12は、実施形態2に係る照明装置1の要部の拡大断面図であり、照明装置1の上下方向に対して直交する面に沿った断面図である。なお、図11及び図12では、光路を見やすくするために、レンズブロック26aの断面を示すハッチングを省略している。
【0088】
図11及び図12に示すように、レンズブロック26aは、複数のレンズ261と、連結部262とを含む。複数のレンズ261は、2以上の第1レンズ263と2以上の第2レンズ264とを含む。連結部262は、照明装置1の前後方向に互いに対向する第1面262a及び第2面262bを有する。連結部262の第1面262aは、照明装置1の前後方向において、発光モジュール21と対向する。図11に示すように、連結部262の第2面262bは、第1レンズ263の出射面263c及び第2レンズ264の出射面264cと同一平面上に存在する。
【0089】
図12に示すように、複数のレンズ261は、照明装置1の左右方向に第1レンズ263と第2レンズ264とが交互に並んでいる。なお、第1レンズ263及び第2レンズ264の照明装置1の上下方向に対して直交する面に沿った断面は、例えば、照明装置1の前後方向に対して線対称である。
【0090】
拡散プリズム265は、照明装置1の左右方向に光を拡散するプリズムである。拡散プリズム265は、例えば、左右方向に均等に配置された複数の柱状プリズムを含み、柱状プリズムの各々は上下方向に延伸する。柱状プリズムの各々は、例えば、左右方向に線対称の断面形状を有する。
【0091】
照明装置1の左右方向に対して直交する面に沿った拡散プリズム265の断面は、長方形状であるか、又は、断面が存在しない。より詳細には、照明装置1の左右方向に対して直交する面に沿った拡散プリズム265の断面は長方形状となり、前後方向の厚さは、0を含む。したがって、拡散プリズム265は、上下方向の配光には影響を与えない。なお、図11は、拡散プリズム265の断面の前後方向の厚さが0の場合を示している。
【0092】
一方、照明装置1の上下方向に対して直交する面に沿った拡散プリズム265の断面は、例えば、図12に示すように、照明装置1の前側の面が周期的に変化する形状である。したがって、照明装置1における後方から拡散プリズム265に入射した光は、照明装置1における前方に出射する際に左右方向に拡散する。
【0093】
拡散プリズム265は、第1レンズ263の出射面263c及び第2レンズ264の出射面264cに設けられる。これにより、照明装置1の左右方向に広い配光を実現できる。また、実施形態2に係る照明装置1では、拡散プリズム265は、複数のレンズ261の出射面を覆うように拡散プリズム265が設けられる。すなわち、拡散プリズム265は、複数の第1レンズ263の出射面263cと、複数の第2レンズ264の出射面264cとに跨って設けられる。したがって、拡散プリズム265が照明装置1の左右方向及び上下方向に対して偏りなく配置されるため、照明装置1の左右方向における配光制御性が向上する。
【0094】
また、実施形態2に係る照明装置1では、拡散プリズム265は、複数の第1レンズ263の出射面263c、複数の第2レンズ264の出射面264c、連結部262の第2面262bを含む単一の平面上に設けられている。したがって、拡散プリズム265を照明装置1の左右方向及び上下方向に対して偏りなく配置することが容易となる。また、実施形態2に係る照明装置1では、拡散プリズム265を複数の複数の第1レンズ263、複数の第2レンズ264、及び連結部262と一体成型することができる。したがって、実施形態2に係る照明装置1では、拡散プリズム265を含むレンズブロック26aの設計及び製造が容易となる。
【0095】
なお、実施形態2に係る照明装置1では、レンズブロック26aは、図11及び図12に示すように、外周部266を更に備える。レンズブロック26aの外周部266は、枠状の部材であり、ヒートシンク6の前面の外周部と密着する。また、発光モジュール21は、レンズブロック26aとヒートシンク6とに囲まれる密閉空間S1に位置している。したがって、実施形態2に係る照明装置1では、レンズブロック26aによって発光モジュール21が封止されるため、遮光板25及びカバー3(図3参照)を有さない構成としてもよい。これにより、照明装置1の構造が単純化される。また、レンズブロック26aから出射される光が遮られず照明装置1の外部に照射されるため、照明装置1の光取り出し効率を向上させることが可能となる。
【0096】
(変形例)
実施形態2の変形例に係る照明装置1では、レンズブロック26aにおいて、2以上の第1レンズ263及び2以上の第2レンズ264の配置が図13に示すような配置となっている。
【0097】
実施形態2の変形例に係る照明装置1では、レンズブロック26aは、図13に示すように、2以上の第1レンズ263と、2以上の第2レンズ264と、拡散プリズム265と、を含む。レンズブロック26aにおいて、複数の第1レンズ263は、上下方向に列状に配置されている。また、レンズブロック26aにおいて、複数の第2レンズ264は、上下方向に列状に配置されている。第1レンズ263と第2レンズ264とは、左右方向に隣接している。より詳細には、上下方向に隣接する2つの第1レンズ263の間に、第2レンズ264の一部が配置されている。同様に、上下方向に隣接する2つの第2レンズ264の間に、第1レンズ263の一部が配置されている。
【0098】
実施形態2の変形例に係る照明装置1では、複数のレンズ261が千鳥状に配置されることにより、複数のレンズ261が格子状に配置される場合と比較して、レンズ261の密度が高い。したがって、レンズ261の大きさが同一であれば、複数のレンズ261が碁盤の目状に配置される場合と比較して、発光素子21aの密度を向上させることができる。したがって、照明装置1において、単位面積当たりの発光強度を向上させることができる。これにより、例えば、照明装置1を小型化することができる。
【0099】
(実施形態に係るその他の変形例)
実施形態1、2及び変形例1~3では、レンズ261は第1レンズ263と第2レンズ264とを含む。しかしながら、例えば、レンズ261は、第3レンズを更に備えてもよい。第3レンズは、第1レンズ263及び第2レンズ264とは対応していない一部の発光素子21aと、一対一で対応する。発光素子21aから出射されて第3レンズを透過する光は、例えば、光軸G1に沿って出射されてもよいし、光軸G1に対して下方側に出射されてもよい。これにより、配光特性の設計が容易となる。なお、レンズ261は、4種類以上のレンズを備えてもよい。
【0100】
(まとめ)
第1の態様に係る照明装置(1)は、複数のレンズ(261)と、複数の発光素子(21a)と、を備える。複数のレンズ(261)は、第1レンズ(263)と、第2レンズ(264)と、を含む。複数の発光素子(21a)は、基板(21b)に配置される。複数の発光素子(21a)は、第1発光素子(21c)と、第2発光素子(21d)と、を含む。第1発光素子(21c)は、第1レンズ(263)に対応する。第2発光素子(21d)は、第2レンズ(264)に対応する。第1レンズ(263)の表面は、出射面(263c)と、入射面(263a)と、反射面(263b)と、を含む。入射面(263a)は、第1発光素子(21c)に対応し、凹状である。反射面(263b)は、出射面(263c)と入射面(263a)との間に位置する。入射面(263a)は、第1入射面(263d)と、第2入射面(263e)と、を含む。第1入射面(263d)は、入射面(263a)の底面であり、かつ、出射面(263c)とは反対側に突出する。第2入射面(263e)は、入射面(263a)の内周面である。第1の光(C1;C12)は、少なくとも第2の光(C1)を含む。第1の光(C1;C12)は、第1発光素子(21c)から第1レンズ(263)の第2入射面(263e)に入射されて第1レンズ(263)の反射面(263b)で反射され出射面(263c)から出射される。第2の光(C1)は、第1発光素子(21c)から出射されて第1レンズ(263)に入射する光の50%以上である。第2の光(C1)は、更に、基板(21b)の法線方向(G1)に対して所定角度(θ1)を成す方向に沿って、照明装置(1)の設置状態における照明装置(1)の上方側に出射される。所定角度(θ1)は、5度以上である。第2発光素子(21d)から出射されて第2レンズ(264)を透過する第3の光(C3、C4)は、照明装置(1)の設置状態における照明装置(1)の下方側に出射される。
【0101】
上記態様に係る照明装置(1)によれば、第1発光素子(21c)から出射され第1レンズ(263)を透過する光と、第2発光素子(21d)から出射され第2レンズ(264)を透過する第3の光(C3、C4)と、が合成されて照明装置(1)の照明光となる。第3の光(C3、C4)は、照明装置(1)の設置状態における照明装置(1)の下方側に出射される。また、第1発光素子(21c)から出射され第1レンズ(263)を透過する光の50%以上である第2の光(C1)は、照明装置(1)の設置状態における照明装置(1)の上方側に出射される。したがって、照明装置(1)から出射される光について、第2の光(C1)の進行方向より上方側に出射される光の光度が第2の光(C1)の進行方向より下方側に出射される光の光度より小さくなるように照明装置(1)の配光を制御することが容易となる。また、第1発光素子(21c)及び第2発光素子(21d)の各々に対して2つのレンズを必ずしも対応させる必要がないため、レンズと空気との界面による反射及び迷光の発生を抑制することができ、第1発光素子(21c)及び第2発光素子(21d)からの光取り出し効率を向上させることができる。さらに、照明装置(1)では、レンズの数を削減できるため、製造コストを低減させることができる。
【0102】
第2の態様に係る照明装置(1)では、第1の態様において、第4の光(C21)は、基板(21b)の法線方向(G1)に対して所定角度(θ1)を成す方向に沿って、照明装置(1)の設置状態における照明装置(1)の上方側に出射される。第4の光(C21)は、第1発光素子(21c)から第1レンズ(263)の第1入射面(263d)に入射されて出射面(263c)から出射される。
【0103】
上記態様に係る照明装置(1)によれば、第1発光素子(21c)から出射され第1レンズ(263)を透過する光は、第2の光(C1)に加えて第4の光(C21)も照明装置(1)の設置状態における照明装置(1)の上方側に出射される。したがって、照明装置(1)の設置状態における照明装置(1)の上方側に出射される光の光度の最大値を大きくすることができ、そのような配光特性を実現することが容易となる。
【0104】
第3の態様に係る照明装置(1)では、第1の態様において、第4の光(C22)は、照明装置(1)の設置状態における照明装置(1)の下方側に出射される。第4の光(C22)は、第1発光素子(21c)から第1レンズ(263)の第1入射面(263d)に入射されて出射面(263c)から出射される。
【0105】
上記態様に係る照明装置(1)によれば、第1発光素子(21c)から出射され第1レンズ(263)を透過する光は、第2の光(C1)が照明装置(1)の設置状態における照明装置(1)の上方側に出射され、第4の光(C22)が照明装置(1)の設置状態における照明装置(1)の下方側に出射される。したがって、第2の光(C1)の進行方向より上方側に出射される光の光度が第2の光(C1)の進行方向より下方側に出射される光の光度より小さくなるように照明装置(1)の配光を制御することがさらに容易となる。
【0106】
第4の態様に係る照明装置(1)では、第1から第3の態様のいずれかにおいて、第1の光(C12)は、第2の光(C1)とは異なる第5の光(C13)を更に含む。第5の光(C13)は、照明装置(1)の設置状態における照明装置(1)の下方側に出射される。
【0107】
上記態様に係る照明装置(1)によれば、第5の光(C13)は、照明装置(1)の設置状態における照明装置(1)の下方側に出射される。したがって、第1の光(C12)の全てを照明装置(1)の設置状態における照明装置(1)の上方側に配光することが容易でない場合であっても、第2の光(C1)を第1の態様に係る条件を満たすように制御することで、第2の光(C1)の進行方向より上方側に出射される光の光度が第2の光(C1)の進行方向より下方側に出射される光の光度より小さくなるように照明装置(1)の配光を制御することが可能となる。
【0108】
第5の態様に係る照明装置(1)は、第1から第3の態様のいずれかにおいて、連結部(262)と、拡散プリズム(265)と、を更に備える。連結部(262)は、第1レンズ(263)と第2レンズ(264)とを連結する。拡散プリズム(265)は、照明装置(1)の設置状態における照明装置(1)の左右方向に光を拡散する。拡散プリズム(265)は、第1レンズ(263)の出射面(263c)及び第2レンズ(264)の出射面(264c)に設けられている。
【0109】
上記態様に係る照明装置(1)によれば、拡散プリズム(265)によって照明装置(1)の左右方向における配光制御性が向上する。また、上記態様に係る照明装置(1)によれば、拡散プリズム(265)を第1レンズ(263)及び第2レンズ(264)と一体で形成できるため、製造が容易となる。また、拡散プリズム(265)を照明装置(1)の上下方向及び左右方向に偏りなく設置することが容易であるため、照明装置(1)の左右方向における配光制御性がより向上する。
【0110】
第6の態様に係る照明装置(1)では、第1から第5の態様のいずれかにおいて、所定角度(θ1)は、10度以上である。
【0111】
上記態様に係る照明装置(1)によれば、第1の光(C1;C12)について、第2の光(C1)の進行方向より上方側に出射される光の光度が第2の光(C1)の進行方向より下方側に出射される光の光度より小さくなるように照明装置(1)の配光を制御することが容易となる。
【0112】
第7の態様に係る照明装置(1)では、第1から第6の態様のいずれかにおいて、所定角度(θ1)は、40度以下である。
【0113】
上記態様に係る照明装置(1)によれば、第1の光(C1;C12)について、第2の光(C1)の進行方向より上方側に出射される光の光度が第2の光(C1)の進行方向より下方側に出射される光の光度より小さくなるような照明装置(1)の配光の制御が困難となることを抑止できる。
【0114】
第8の態様に係る照明装置(1)では、第1から第7の態様のいずれかにおいて、照明装置(1)の設置状態における照明装置(1)の上下方向において、第1発光素子(21c)の発光部の幅DK1は、第1レンズ(263)の出射面(263c)の幅DL1に対して、DK1/DL1≦0.3の関係を満たす。
【0115】
上記態様に係る照明装置(1)によれば、第1レンズ(263)の出射面(263c)の幅DL1に対して第1発光素子(21c)の発光部の幅DK1が十分に小さくなるため、第1レンズ(263)の光学設計が容易となる。
【符号の説明】
【0116】
1 照明装置
21a 発光素子
21b 回路基板(基板)
21c 第1発光素子
21d 第2発光素子
261 レンズ
262 連結部
263 第1レンズ
263a 入射面
263b 反射面
263c 出射面
263d 第1入射面
263e 第2入射面
264 第2レンズ
264c 出射面
265 拡散プリズム
C1 光(第2の光)
C12 光(第1の光)
C13 光(第5の光)
C21 光(第4の光)
C22 光(第4の光)
C3 光(第3の光)
C4 光(第3の光)
G1 光軸(基板の法線方向)
θ1 角度(所定角度)
図1
図2
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図8
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図10
図11
図12
図13