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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168197
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】乗物用シート組立体
(51)【国際特許分類】
   B62J 1/12 20060101AFI20231116BHJP
   B62J 43/20 20200101ALI20231116BHJP
【FI】
B62J1/12 A
B62J43/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157057
(22)【出願日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】63/341,506
(32)【優先日】2022-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【弁理士】
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】三好 晃
(57)【要約】
【課題】下方にバッテリを設けてもシートの位置が高くなることが抑制された乗物用シート組立体を提供する。
【解決手段】乗物用シート組立体1は、乗員が着座するシート10と、シート10の下方に配置されるバッテリ20と、シート10とバッテリ20との間において、バッテリ20を支持するバッテリ支持部材21と、を備え、シート10のバッテリ20と対向する下面には第一凹部14が形成されており、バッテリ支持部材21の少なくとも一部が、第一凹部14に入り込むよう構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員が着座するシートと、
該シートの下方に配置されるバッテリと、
前記シートと前記バッテリとの間において、前記バッテリを支持するバッテリ支持部材と、を備え、
前記シートの前記バッテリと対向する下面には凹部が形成されており、
前記バッテリ支持部材の少なくとも一部が、前記凹部に入り込むことを特徴とする乗物用シート組立体。
【請求項2】
前記バッテリ支持部材は、シート前後方向又はシート幅方向に延びて設けられており、
前記シートの下面に形成される前記凹部は、前記バッテリ支持部材が延びる方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート組立体。
【請求項3】
前記シートの下面には、前記シートの位置を変更するシート可動機構が設けられており、
前記シート可動機構は、前記シートに形成された前記凹部を避けた位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の乗物用シート組立体。
【請求項4】
前記シートの下面には、前記シートの位置を変更するシート可動機構が複数設けられており、
前記複数の前記シート可動機構は、前記凹部が延びる方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項2に記載の乗物用シート組立体。
【請求項5】
前記複数の前記シート可動機構は、前記シートの下面において左右対称の位置に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の乗物用シート組立体。
【請求項6】
前記シート可動機構は、空気の給排により膨縮するエアセルであることを特徴とする請求項3に記載の乗物用シート組立体。
【請求項7】
前記エアセルは複数設けられ、
前記複数の前記エアセルは、前記シートの下面において左右対称の位置に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の乗物用シート組立体。
【請求項8】
前記凹部は、前記シートの下面においてシート幅方向の中央に形成されることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート組立体。
【請求項9】
前記凹部の長手方向の長さは、前記バッテリ支持部材の長手方向の長さより長いことを特徴とする請求項2に記載の乗物用シート組立体。
【請求項10】
前記凹部の短手方向の長さは、前記バッテリ支持部材の短手方向の長さより長いことを特徴とする請求項2に記載の乗物用シート組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗物用シート組立体に係り、特に、シートとバッテリとを備える乗物用シート組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
より多くのバッテリを搭載するために、シートの下方にバッテリが搭載された鞍乗型の二輪車が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-20603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、バッテリをシートの下方に設けると、例えばバッテリを交換する際に使用されるバッテリ支持部材がバッテリとシートとの間に配置されるため、シートの位置がバッテリ支持部材により高くなるおそれがあった。シートの形状を変えずに位置を低くするには、バッテリの高さを低くしなくてはならず、その場合、バッテリ容量が小さくなる。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、下方にバッテリを設けてもシートの位置が高くなることが抑制される乗物用シート組立体を提供することにある。
【0006】
上記課題は、本発明の乗物用シート組立体によれば、乗員が着座するシートと、該シートの下方に配置されるバッテリと、前記シートと前記バッテリとの間において、前記バッテリを支持するバッテリ支持部材と、を備え、前記シートの前記バッテリと対向する下面には凹部が形成されており、前記バッテリ支持部材の少なくとも一部が、前記凹部に入り込むことにより解決される。
シートの下面に凹部が形成されることから、バッテリを支持するバッテリ支持部材の少なくとも一部がその凹部に入り込みむ。そのため、シートの下方にバッテリを設けても位置が高くなることが抑制される。また、バッテリの高さを低くしていないため、バッテリ容量が小さくなることが抑制される。
【0007】
また、上記の乗物用シート組立体において、前記バッテリ支持部材は、シート前後方向又はシート幅方向に延びて設けられており、前記シートの下面に形成される前記凹部は、前記バッテリ支持部材が延びる方向に沿って形成されているとよい。
バッテリ支持部材の延びる方向に合わせて、シートの下面に凹部を形成するため、効率よくバッテリ支持部材凹部に収容することができ、よりシートの位置が高くなることを抑制することができる。
【0008】
また、上記の乗物用シート組立体において、前記シートの下面には、前記シートの位置を変更するシート可動機構が設けられており、前記シート可動機構は、前記シートに形成された前記凹部を避けた位置に配置されているとよい。
シート可動機構が凹部を避けた位置に配置されるため、シートの大型化、特に、高さ方向の大型化を抑制することができる。
【0009】
また、上記の乗物用シート組立体において、前記シートの下面には、前記シートの位置を変更するシート可動機構が複数設けられており、前記複数の前記シート可動機構は、前記凹部が延びる方向に沿って配置されているとよい。
凹部により剛性向上することに加え、複数のシート可動機構が、凹部が延びる方向に沿って配置されることで、シート可動機構による安定した支持が可能になる。
【0010】
また、上記の乗物用シート組立体において、前記複数の前記シート可動機構は、前記シートの下面において左右対称の位置に配置されているとよい。
シート可動機構を左右対称の位置に配置することで、シートを安定して動かすことができる。
【0011】
また、上記の乗物用シート組立体において、前記シート可動機構は、空気の給排により膨縮するエアセルであるとよい。
シート可動機構がエアセルであることで、シートの動きを緻密に制御することができる。
【0012】
また、上記の乗物用シート組立体において、前記エアセルは複数設けられ、前記複数の前記エアセルは、前記シートの下面において左右対称の位置に配置されているとよい。
複数のエアセルが左右対称の位置に配置されることで、シートを安定して動かすことができる。
【0013】
また、上記の乗物用シート組立体において、前記凹部は、前記シートの下面においてシート幅方向の中央に形成されるとよい。
凹部がシート幅方向の中央に形成されることで、シート剛性の左右バランスをよくすることができる。
【0014】
また、上記の乗物用シート組立体において、前記凹部の長手方向の長さは、前記バッテリ支持部材の長手方向の長さより長いとよい。
凹部の長手方向の長さを、バッテリ支持部材の長手方向の長さより長くすることで、バッテリ支持部を凹部に入れ込みやすくなる。
【0015】
また、上記の乗物用シート組立体において、前記凹部の短手方向の長さは、前記バッテリ支持部材の短手方向の長さより長いとよい。
凹部の短手方向の長さを、バッテリ支持部材の短手方向の長さより長くすることで、バッテリ支持部を凹部に入れ込みやすくなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の乗物用シート組立体によれば、シートの下面に凹部が形成されることから、バッテリを支持するバッテリ支持部材の少なくとも一部がその凹部に入り込みむ。そのため、シートの下方にバッテリを設けても位置が高くなることが抑制される。また、バッテリの高さを低くしていないため、バッテリ容量が小さくなることが抑制される。
また、バッテリ支持部材の延びる方向に合わせて、シートの下面に凹部を形成するため、効率よくバッテリ支持部材凹部に収容することができ、よりシートの位置が高くなることを抑制することができる。
また、シート可動機構が凹部を避けた位置に配置されるため、シートの大型化、特に、高さ方向の大型化を抑制することができる。
また、凹部により剛性向上することに加え、複数のシート可動機構が、凹部が延びる方向に沿って配置されることで、シート可動機構による安定した支持が可能になる。
また、シート可動機構を左右対称の位置に配置することで、シートを安定して動かすことができる。
また、シート可動機構がエアセルであることで、シートの動きを緻密に制御することができる。
また、複数のエアセルが左右対称の位置に配置されることで、シートを安定して動かすことができる。
また、凹部がシート幅方向の中央に形成されることで、シート剛性の左右バランスをよくすることができる。
また、凹部の長手方向の長さを、バッテリ支持部材の長手方向の長さより長くすることで、バッテリ支持部を凹部に入れ込みやすくなる。
また、凹部の短手方向の長さを、バッテリ支持部材の短手方向の長さより長くすることで、バッテリ支持部を凹部に入れ込みやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る自動二輪車の左側側面図である。
図2】自動二輪車に設けられる乗物用シート組立体を側方から見た概略構成図である。
図3】乗物用シート組立体を上方から見た概略構成図である。
図4】乗物用シート組立体のシートの裏面を示す斜視図である。
図5】第二実施例の乗物用シート組立体を側方から見た概略構成図である。
図6】第二実施例の乗物用シート組立体を上方から見た概略構成図である。
図7】第二実施例の乗物用シート組立体のシートの裏面を示す斜視図である。
図8】第三実施例の乗物用シート組立体を側方から見た概略構成図である。
図9】第三実施例の乗物用シート組立体を上方から見た概略構成図である。
図10】第三実施例の乗物用シート組立体のシートの裏面を示す斜視図である。
図11】第四実施例の乗物用シート組立体を側方から見た概略構成図である。
図12】第四実施例の乗物用シート組立体を上方から見た概略構成図である。
図13】第四実施例の乗物用シート組立体のシートの裏面を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第一実施例>
以下、本実施形態に係る乗物用シート組立体の構成について図面を参照しながら説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例であり、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【0019】
なお、以下では、乗物用シート組立体の一例として二輪車に搭載される乗物用シートとバッテリとの組立体(乗物用シート組立体)を挙げ、その構成例について説明することとする。
【0020】
また、以下の説明において、「前後方向」とは、二輪車用シートの前後方向であり、二輪車が走行時の進行方向と一致する方向である。また、「シート幅方向」とは、二輪車用シートの幅方向であり、シートに着座した乗員から見た左右方向と一致する方向である。また、「上下方向」とは、二輪車用シートの上下方向であり、二輪車が水平面を走行しているときには鉛直方向と一致する方向である。
【0021】
<乗物用シート組立体1の基本構成>
本実施形態の乗物用シート組立体1は、図1に示すように、自動二輪車の車体Bに設けられる乗物用シート組立体1であり、着座部を構成する乗物用シート10と、乗物用シート10の下方に配置されるバッテリ20と、バッテリ20を支持するバッテリ支持部材21とから構成されている。
【0022】
乗物用シート10は、車体B上にベース基板となるボトムプレート11と、ボトムプレート11上に載置されるクッション材(不図示)と、ボトムプレート11及びクッション材を被覆する表皮材13と、から主に構成されている。
乗物用シート10では、図4に示すように、表皮材13の端末部に設けられた係合孔を、ボトムプレート11の裏面に設けられた係合爪16に取り付けることで、表皮端末処理が行われており、タッカー針等を用いない取付方法が採用されている。
【0023】
ボトムプレート11は、図2に示すように、シート前後方向に長尺なプレートであって、車体Bの外形に合わせて湾曲形状に形成された乗物用シート10のベース基板である。
ボトムプレート11は、ガラス繊維強化ポリプロピレン(GFPP)等の曲げ弾性率が比較的高い樹脂材料を原材料とする合成樹脂成形品として形成されている。
なお、ボトムプレート11は、比較的剛性の高い樹脂材料を用いることが好ましいが、特に限定されることなく、ポリプロピレンやポリエチレン等の従来の原材料を用いてもよい。
【0024】
ボトムプレート11の外周部の裏面には、ボトムプレート11の外周部分の略全体にわたって所定の間隔を空けながら、当該裏面から突出する係合爪16が複数形成されている。
クッション材は発泡ウレタン等を用いた弾性部材からなり、シート前後方向に長尺なクッションパッドであって、ボトムプレート11の外形よりもやや大きく形成されている。
【0025】
表皮材13は、図4に示すように、乗物用シート10の外観を構成する被覆材であって、表面側表皮材13aと、表面側表皮材13aの端末部に取り付けられる裏面側表皮材13bとを備えている。
表面側表皮材13aは、ポリ塩化ビニル系レザー等を用いた被覆材からなり、詳しく述べると、編み物等の生地の表面に軟質ポリ塩化ビニル層を貼り合わせて形成されている。
裏面側表皮材13bは、表面側表皮材13aよりも伸縮性の低い被覆材からなり、例えば、クイーンズコート等のメッシュ状の生地から形成されている。詳しく述べると、編み物等の生地の表面に軟質ポリ塩化ビニル層を貼り合わせて形成されている。
上記構成において、表面側表皮材13aの材料としてポリ塩化ビニル系レザー等を採用することで、直接風雨に曝される自動二輪車用の表皮材として好適な材料となる。
また、裏面側表皮材13bをメッシュ状の材料から形成することで、表皮材の軽量化、排水性、通気性を向上させることができる。
【0026】
車体Bにおいて、乗物用シート10の下方には、バッテリ収容部22が設けられており、バッテリ収容部22には、交換可能なバッテリ20が収容されている。電気二輪車である場合、バッテリを交換可能に収容することで、バッテリの充電量が少なくなった場合、満充電されたバッテリと交換することで、直ぐに走行することが可能となる。
【0027】
バッテリ20の上面には、バッテリ20をバッテリ収容部22に固定するためのバッテリ支持部材21が設けられている。バッテリ支持部材21は、バッテリ20をバッテリ収容部22に固定するだけでなく、バッテリを交換する際の持ち手として使用されてもよい。
【0028】
乗物の使用者(乗員)は、バッテリ20を交換する際、乗物用シート10を上げ、バッテリの固定を解除し、バッテリに設けられたバッテリ支持部材21を持ち上げて、バッテリ収容部22から取り出す。バッテリ20を交換した後、新しいバッテリをバッテリ収容部22に挿入し、バッテリ支持部材21により固定する。
電動二輪車の場合は、このバッテリ20が、大型化すると共に、交換も頻繁に行われることから、バッテリ支持部材21等も大きくなり、乗物用シートの下方に、バッテリ支持部材21等のバッテリ関連部材を配置されるため、乗物用シートの位置が、従来のシートの位置より高くなる傾向がある。
【0029】
本実施形態の、乗物用シート10は、バッテリ20と対向する面、より詳細には図4に示すように、ボトムプレート11の下面に、シート前後方向に延びる第一凹部14が形成し、その第一凹部14に、図2及び図3に示すように、バッテリ支持部材21の少なくとも一部が収容されるように構成されている。
【0030】
本実施形態において形成される第一凹部14の構成について説明すると、バッテリ支持部材21がシート前後方向に延びるように設けられていることから、バッテリ支持部材21を収容するために、乗物用シート10の下面に形成される第一凹部14も、その方向に合わせて前後方向に延び方向に沿って形成されている。これにより容易に挿入することができる。また、第一凹部14は、シート幅方向において略中央の位置に形成されている。シート剛性の左右バランスを良くすることができる。
【0031】
また、第一凹部14の長手方向の長さL1(前後方向の長さ)は、バッテリ支持部材21の長手方向の長さL2よりも長くなるよう形成されている。第一凹部14の長手方向の長さを、バッテリ支持部材21の長手方向の長さより長くすることで、バッテリ支持部材21を第一凹部14に入れ込みやすくなる。
また、図3に示すように、第一凹部14の短手方向(シート幅方向)の長さW1は、バッテリ支持部材21の短手方向(シート幅方向)の長さW2より長くなるように形成されている。第一凹部14の短手方向の長さW1を、バッテリ支持部材21の短手方向の長さW2おり長くすることで、バッテリ支持部材21を第一凹部14に入れ込みやすくなる。
【0032】
<第二実施例>
図5から図7を用いて、第二実施例について説明する。バッテリ支持部材21が延びる方向は、乗物用シートの前後方向だけでない。図5図7に示す乗物用シート組立体101のように、そのバッテリ支持部材121がシート幅方向に沿って延びるように設けられる場合がある。
このような場合、更に、シート幅方向に沿って形成される第二凹部15を形成されるとよい。バッテリ支持部材121の形状に合わせて、第一凹部14、第二凹部15を形成することで、凹部にバッテリ支持部材を入れ込みやすくなり、シートの位置が高くなることを抑制することができる。
他の構成については、第一実施例と同様であるため同じ符号を付け、その詳細な説明は省略する。
【0033】
シート幅方向に沿って、バッテリ支持部材121が設けられた場合、図6に示すように、収容される第二凹部15の長手方向(シート幅方向)の長さL101は、バッテリ支持部材121の長手方向(シート幅方向、左右方向)の長さL102よりも長くなるよう形成されている。
シート幅方向に沿って、バッテリ支持部材121が設けられた場合、図6に示すように、収容される第二凹部15の短手方向(シート前後方向)の長さW101は、バッテリ支持部材121の短手方向(シート前後方向)の長さW102よりも長くなるよう形成されている。このように形成することで、バッテリ支持部材121を第一凹部14に入れ込みやすくなる。
なお、図5~8に示す実施例では、前後方向に延びる第一凹部14も形成されているが、凹部はシート幅方向にのみ形成されてもよい。前後方向に延びる第一凹部14とシート幅方向に延びる第二凹部15とを組み合わせることにより強度を向上させることができる。
【0034】
<第三実施例>
図8から図10を用いて、第三実施例について説明する。第三実施例の乗物用シート組立体201は、乗物用シート210と、バッテリ20とからなる組立体であり、乗物用シート210と、バッテリ20との間には、バッテリ20を取り付けるバッテリ支持部材21が設けられている。更に、乗物用シート210とバッテリ20との間に、複数のエアセル30が設けれている。エアセル30は、乗物用シート210の位置を変更するシート可動機構として機能する。エアセル30には、不図示の空気を送り込む管が連結されており、空気を供給したり、排出したりすることにより膨縮し、それにより乗物用シート210の位置を調整することが可能となっている。
他の構成については、第一実施例、第二実施例と同様であるため同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0035】
図10に示すように、乗物用シート210下面には、第一凹部14が形成されている。シート可動機構であるエアセル30は、この第一凹部14を避けた位置に配置されている。このように配置することで、バッテリ支持部材21と上下方向で重なることがなく、乗物用シートの大型化、特に、高さ方向の大型化を抑制することができる。
【0036】
また、複数のエアセル30は、第一凹部14が延びる方向(前後方向)に沿って並ぶよう配置されている。このように配置することで、エアセル30による安定した支持が可能になる。
また、エアセル30は、乗物用シート210の下面において、第一凹部14を挟んで、左右対称の位置に配置されている。エアセル30を左右対称の位置に配置することで、シートを安定して動かすことができる。
図10に示す例では、前後に三つ並ぶエアセル30が二列に平行して設けられているが、これは一例であり、エアセルは三つ以上並べられてもよく、また、二列以上でもよい。
また、シート可動機構としてエアセル30を設けることは、一例であり、これに限定されない。例えば、機械的に位置を変更する構造をもうけてもよい。エアセル30を用いることで、シートの位置を緻密に制御することが可能である。
【0037】
<第四実施例>
図11から図13を用いて第四実施例である乗物用シート組立体301について説明する。第四実施例の乗物用シート組立体301は、乗物用シート310と、バッテリ20とからなる組立体であり、乗物用シート310と、バッテリ20との間には、シート幅方向に延びるバッテリ支持部材121が設けられている。また、第三実施例と同様に、乗物用シート310とバッテリ20との間に、シート可動機構であるエアセル30が複数個、並んで設けられている。
【0038】
第二実施例の乗物用シート組立体101と同様に、シートの下面には前後方向に延びる第一凹部14と、シート幅方向に延びる第二凹部15が形成されており、第二凹部15に、バッテリ支持部材121が収容されるように構成されている。他の構成については、第一実施例から第二実施例と同様であるため、同一の符号を付し、その説明については省略するものとする。
【0039】
図13に示すように、エアセル30は、乗物用シート310の下面において、第一凹部14及び第二凹部15を避けた位置に配置されている。これにより、バッテリ支持部材121と上下方向で重なることがなく、シートの大型化、特に、高さ方向の大型化を抑制することができる。
また、複数のエアセル30は、第一凹部14が延びる方向(前後方向)に沿って並ぶよう配置されている。このように配置することで、エアセル30による安定した支持が可能になる。
また、図13に示す例では、エアセル30は、乗物用シート310の下面において、第一凹部14を挟んで、左右対称の位置に配置されている。また、前後方向に並ぶ四つのエアセル30が二列平行して設けられている。このように、エアセル30を左右対称の位置に複数個配置することで、シートを安定して動かすことができる。
【0040】
以上、図を用いて、本発明の実施形態について説明した。本発明の乗物用シート組立体は、二輪車に搭載されたものであるが、本発明は、二輪車用の乗物用シート組立体に限定されるものではない。乗物用シート組立体は、自動車・鉄道など車輪を有する地上走行用乗物に搭載される、四輪又は三輪の車両用の乗物用シート組立体であってもよい。また、地上以外を移動する航空機や船舶などに搭載される乗物用シート組立体であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
B 車体(乗物)
1、101、201、301 乗物用シート組立体
10、110、210、310 乗物用シート(シート)
11、111、211、311 ボトムプレート
13 表皮材
13a 表面側表皮材
13b 裏面側表皮材
14 第一凹部
15 第二凹部
16 係合爪
20 バッテリ
21、121 バッテリ支持部材
22 バッテリ収容部
30 エアセル(シート可動機構)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13