(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168198
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】プレスフィット端子及び基板用コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/58 20110101AFI20231116BHJP
【FI】
H01R12/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163108
(22)【出願日】2022-10-11
(31)【優先権主張番号】P 2022079443
(32)【優先日】2022-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原 照雄
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AB03
5E223BA07
5E223BA27
5E223BB12
5E223CB64
5E223CD01
5E223DB09
5E223DB13
5E223DB22
(57)【要約】
【課題】狭ピッチで配置しやすいプレスフィット端子を提供する。
【解決手段】プレスフィット端子10は、回路基板20に設けられるスルーホール23に挿入されるプレスフィット端子10であって、プレスフィット端子10の挿入方向に延在する基部11と、基部11よりも挿入方向における先端側に配されるプレスフィット部13と、プレスフィット部13に対して挿入方向と反対側に配されるショルダー部14と、を備え、プレスフィット部13は、一対の弾性接触部15と、一対の弾性接触部15によって囲まれて構成されるスリット16と、を有し、一対の弾性接触部15のそれぞれは、スルーホール23の内壁に接触して弾性変形可能とされ、スリット16は、挿入方向及び基部11の幅方向の双方に直交する基部11の厚さ方向に開口し、ショルダー部14は、挿入方向に交差するとともに基部11の幅方向に交差する方向に基部11から突出している。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板に設けられるスルーホールに挿入されるプレスフィット端子であって、
前記プレスフィット端子の挿入方向に延在する基部と、
前記基部よりも前記挿入方向における先端側に配されるプレスフィット部と、
前記プレスフィット部に対して前記挿入方向と反対側に配されるショルダー部と、を備え、
前記プレスフィット部は、一対の弾性接触部と、前記一対の弾性接触部によって囲まれて構成されるスリットと、を有し、
前記一対の弾性接触部のそれぞれは、前記スルーホールの内壁に接触して弾性変形可能とされ、
前記スリットは、前記挿入方向及び前記基部の幅方向の双方に直交する前記基部の厚さ方向に開口し、
前記ショルダー部は、前記挿入方向に交差するとともに前記基部の幅方向に交差する方向に前記基部から突出している、プレスフィット端子。
【請求項2】
前記一対の弾性接触部のそれぞれは、前記挿入方向に直交する前記基部の幅方向に弾性変形可能とされている、請求項1に記載のプレスフィット端子。
【請求項3】
前記ショルダー部は、第1ショルダー部と、前記第1ショルダー部とは異なる第2ショルダー部と、を備える、請求項1または請求項2に記載のプレスフィット端子。
【請求項4】
前記第1ショルダー部は、前記基部の厚さ方向における一方側に前記基部から突出し、
前記第2ショルダー部は、前記基部の厚さ方向における他方側に前記基部から突出している、請求項3に記載のプレスフィット端子。
【請求項5】
前記第1ショルダー部と前記第2ショルダー部とは、前記基部の幅方向について異なる位置に配されている、請求項3に記載のプレスフィット端子。
【請求項6】
前記第1ショルダー部と前記第2ショルダー部とは、前記挿入方向について異なる位置に配されている、請求項3に記載のプレスフィット端子。
【請求項7】
前記第1ショルダー部と前記第2ショルダー部とは、前記挿入方向について同じ位置に配されている、請求項3に記載のプレスフィット端子。
【請求項8】
前記基部に接続され、前記基部の幅方向に延びる端子接続部をさらに備える、請求項1または請求項2に記載のプレスフィット端子。
【請求項9】
請求項1または請求項2に記載のプレスフィット端子を複数備え、
複数の前記プレスフィット端子は、前記基部の厚さ方向に並んで配置されている、基板用コネクタ。
【請求項10】
複数の前記プレスフィット端子は、前記基部の幅方向に並んで配置されている、請求項9に記載の基板用コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プレスフィット端子及び基板用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特開2004-127610号公報(下記特許文献1)に記載のプレスフィット端子が知られている。プレスフィット端子は、回路基板に設けられたスルーホールに圧入され、回路基板に設けられた導電回路と半田付けを行うことなく導通接続されると共に、回路基板に機械的に接触固定される。プレスフィット端子は、互いに間隔を空けて配された一対の弾性接触部を備える。一対の弾性接触部を互いに接近する方向に弾性変位させつつスルーホールに挿入すると、弾性接触部が弾性復元力によってスルーホールの内周面に形成された導体層に接触し、導通接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなプレスフィット端子は、通常、圧入の際に治具等で押さえられる部分となるショルダー部を備える。ショルダー部は、プレスフィット端子から圧入方向と直交する方向に突出して設けられる。このため、隣接するスルーホール間のピッチを狭めた場合、ショルダー部を含めたプレスフィット端子間の空間距離を確保することが難しくなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のプレスフィット端子は、回路基板に設けられるスルーホールに挿入されるプレスフィット端子であって、前記プレスフィット端子の挿入方向に延在する基部と、前記基部よりも前記挿入方向における先端側に配されるプレスフィット部と、前記プレスフィット部に対して前記挿入方向と反対側に配されるショルダー部と、を備え、前記プレスフィット部は、一対の弾性接触部と、前記一対の弾性接触部によって囲まれて構成されるスリットと、を有し、前記一対の弾性接触部のそれぞれは、前記スルーホールの内壁に接触して弾性変形可能とされ、前記スリットは、前記挿入方向及び前記基部の幅方向の双方に直交する前記基部の厚さ方向に開口し、前記ショルダー部は、前記挿入方向に交差するとともに前記基部の幅方向に交差する方向に前記基部から突出している、プレスフィット端子である。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、狭ピッチで配置しやすいプレスフィット端子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態1にかかる基板用コネクタの斜視図である。
【
図4】
図4は、プレスフィット端子のプレスフィット部及びショルダー部を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、プレスフィット端子のプレスフィット部及びショルダー部を示す背面図である。
【
図6】
図6は、プレスフィット端子のプレスフィット部及びショルダー部を示す側面図である。
【
図7】
図7は、プレスフィット端子のショルダー部を示す平面図である。
【
図8】
図8は、プレスフィット端子をスルーホールに挿入する様子を示す図である。
【
図9】
図9は、スルーホールに挿入されたプレスフィット部を示す図である。
【
図11】
図11は、比較例にかかるプレスフィット端子におけるプレスフィット部及びショルダー部の拡大斜視図である。
【
図12】
図12は、スルーホールに挿入された比較例にかかるプレスフィット端子のプレスフィット部を示す図である。
【
図13】
図13は、比較例にかかる基板用コネクタの断面図であって、
図3に対応する図である。
【
図15】
図15は、実施形態2にかかるプレスフィット端子のプレスフィット部及びショルダー部を示す斜視図である。
【
図16】
図16は、プレスフィット端子のプレスフィット部及びショルダー部を示す背面図である。
【
図17】
図17は、プレスフィット端子のプレスフィット部及びショルダー部を示す側面図である。
【
図18】
図18は、プレスフィット端子のショルダー部を示す平面図である。
【
図19】
図19は、スルーホールに挿入されたプレスフィット部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。
【0009】
(1)本開示のプレスフィット端子は、回路基板に設けられるスルーホールに挿入されるプレスフィット端子であって、前記プレスフィット端子の挿入方向に延在する基部と、前記基部よりも前記挿入方向における先端側に配されるプレスフィット部と、前記プレスフィット部に対して前記挿入方向と反対側に配されるショルダー部と、を備え、前記プレスフィット部は、一対の弾性接触部と、前記一対の弾性接触部によって囲まれて構成されるスリットと、を有し、前記一対の弾性接触部のそれぞれは、前記スルーホールの内壁に接触して弾性変形可能とされ、前記スリットは、前記挿入方向及び前記基部の幅方向の双方に直交する前記基部の厚さ方向に開口し、前記ショルダー部は、前記挿入方向に交差するとともに前記基部の幅方向に交差する方向に前記基部から突出している。
【0010】
このような構成によると、基部の厚さ方向にプレスフィット端子を並べることにより、プレスフィット端子間の空間距離を確保しつつ、狭いピッチでプレスフィット端子を配置することができる。
【0011】
ショルダー部は挿入方向に交差するとともに基部の幅方向に交差する方向に基部から突出しているから、プレスフィット端子を基部の厚さ方向に並べる場合でも、ショルダー部を治具等により押さえることができる。
【0012】
(2)前記一対の弾性接触部のそれぞれは、前記挿入方向に直交する前記基部の幅方向に弾性変形可能とされていることが好ましい。
【0013】
プレスフィット端子をスルーホールに圧入する際、弾性接触部からスルーホールの内壁に対して過大な力が作用して、スルーホールの周縁の回路基板にクラック等が生じる場合がある(回路基板の白化)。隣接するスルーホール間のピッチが狭い場合、回路基板の白化によって、隣接するスルーホール間の絶縁性能が低下することがある。
【0014】
上記の構成によれば、プレスフィット部の各弾性接触部は基部の幅方向に弾性変形可能とされるため、プレスフィット端子をスルーホールに挿入する際、回路基板の白化が生じた場合、基部の幅方向について回路基板が損傷しやすくなっている。よって、プレスフィット端子を、基部の幅方向に直交する基部の厚さ方向に並べることにより、回路基板の白化によるプレスフィット端子間の絶縁性能の低下を抑制しやすくなる。したがって、プレスフィット端子を狭ピッチで配置しやすい。
【0015】
(3)前記ショルダー部は、第1ショルダー部と、前記第1ショルダー部とは異なる第2ショルダー部と、を備えることが好ましい。
【0016】
このような構成によると、第1ショルダー部と第2ショルダー部とが設けられることにより、プレスフィット端子をスルーホールに挿入する際に治具等で押さえる面積を確保しやすい。
【0017】
(4)前記第1ショルダー部は、前記基部の厚さ方向における一方側に前記基部から突出し、前記第2ショルダー部は、前記基部の厚さ方向における他方側に前記基部から突出していることが好ましい。
【0018】
このような構成によると、プレスフィット端子をスルーホールに挿入する際に、治具等により第1ショルダー部及び第2ショルダー部を安定して押さえることができる。
【0019】
(5)前記第1ショルダー部と前記第2ショルダー部とは、前記基部の幅方向について異なる位置に配されていることが好ましい。
【0020】
このような構成によると、第1ショルダー部と第2ショルダー部とは基部の幅方向について異なる位置に配されるため、プレスフィット端子を基部の厚さ方向に並べた場合にプレスフィット端子間の空間距離を確保しやすい。よって、プレスフィット端子をより一層狭ピッチで配置しやすくなる。
【0021】
(6)前記第1ショルダー部と前記第2ショルダー部とは、前記挿入方向について異なる位置に配されていることが好ましい。
【0022】
このような構成によると、第1ショルダー部と第2ショルダー部とは挿入方向について異なる位置に配されるため、プレスフィット端子を基部の厚さ方向に並べた場合にプレスフィット端子間の空間距離を確保しやすい。よって、プレスフィット端子をより一層狭ピッチで配置しやすくなる。
【0023】
(7)前記第1ショルダー部と前記第2ショルダー部とは、前記挿入方向について同じ位置に配されていることが好ましい。
【0024】
このような構成によると、第1ショルダー部と第2ショルダー部とは挿入方向について同じ位置に配されるため、プレスフィット端子を挿入方向について小型化しやすい。
【0025】
(8)前記基部に接続され、前記基部の幅方向に延びる端子接続部をさらに備えることが好ましい。
【0026】
このような構成によると、端子接続部が基部の幅方向に延びて設けられるから、プレスフィット端子を基部の厚さ方向に並べることができる。
【0027】
(9)本開示の基板用コネクタは、上記のプレスフィット端子を複数備え、複数の前記プレスフィット端子は、前記基部の厚さ方向に並んで配置されている。
【0028】
このような構成によると、プレスフィット端子を狭ピッチで配置可能な基板用コネクタを提供することができる。
【0029】
(10)複数の前記プレスフィット端子は、前記基部の幅方向に並んで配置されていることが好ましい。
【0030】
このような構成によると、基板用コネクタにおいて、基部の厚さ方向に並んだプレスフィット端子を多段に配置することができる。
【0031】
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0032】
<実施形態1>
本開示の実施形態1について、
図1から
図10を参照しつつ説明する。以下の説明においては、矢線Zの示す方向を上方、矢線Xの示す方向を前方、矢線Yの示す方向を左方として説明する。なお、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。
【0033】
[基板用コネクタ]
図2及び
図3に示すように、本実施形態の基板用コネクタ1は、例えば自動車等に配設される回路基板20に取り付けられて使用される。
【0034】
[回路基板]
図2に示すように、回路基板20は、ガラス基材、ガラス不織布基材等の絶縁材料からなる絶縁板21の表面に、プリント配線技術により導電路22が形成された、一般的な構成のプリント基板である。回路基板20は複数のスルーホール23を有している。
図8に示すように、各スルーホール23は、回路基板20の一面から他面まで貫通する孔である。スルーホール23の内周面には、メッキ等の公知の手法により、導電路22と電気的に接続された導体層24が形成されている。本実施形態では、回路基板20は水平方向に平行に配され、スルーホール23は絶縁板21を上下方向に貫通している。
【0035】
図1から
図3に示すように、基板用コネクタ1は、複数のプレスフィット端子10と、複数のプレスフィット端子10を保持するハウジング2と、を備える。ハウジング2は絶縁性の合成樹脂から構成されている。
図3に示すように、ハウジング2は、前方に開口するフード部3と、フード部3の奥壁を前後方向に貫通する端子保持孔4と、を有する。フード部3は相手コネクタ(図示せず)に嵌合するようになっている。端子保持孔4には、プレスフィット端子10が圧入されるようになっている。
【0036】
[プレスフィット端子]
基板用コネクタ1が備える複数のプレスフィット端子10には、第1プレスフィット端子10Aと、第1プレスフィット端子10Aとは異なる第2プレスフィット端子10Bと、が含まれる。第1プレスフィット端子10A及び第2プレスフィット端子10Bにおいて、主要な構成は共通している。よって、以下では特に言及しない限り、第1プレスフィット端子10Aと第2プレスフィット端子10Bとを区別せずに単にプレスフィット端子10として説明する。
【0037】
プレスフィット端子10は、金属板材をプレス加工することで形成されている。金属板材としては、銅、銅合金等、任意の金属が選択される。プレスフィット端子10の表面には、スズ、ニッケル等の金属を含むメッキ層が形成されていてもよい。
【0038】
図3に示すように、プレスフィット端子10は、回路基板20のスルーホール23に挿入される。本実施形態では、プレスフィット端子10がスルーホール23に挿入される方向(挿入方向)は下方とされている。
【0039】
プレスフィット端子10は、側面視において略L字状をなしている。プレスフィット端子10は、上下方向に延びる基部11と、基部11の上端部から前方に延びる延設部12と、基部11よりも下方に配されるプレスフィット部13と、基部11におけるプレスフィット部13よりも上方の位置に配されるショルダー部14と、を備える。
【0040】
図4に示すように、基部11は板状をなしている。本実施形態では、基部11の厚さ方向は左右方向とされ、基部11の幅方向は前後方向とされている。基部11の厚さ方向の寸法は、基部11の幅方向の寸法に比べて小さくなっている。
図3に示すように、延設部12の前側部分は端子接続部12Aとされている。端子接続部12Aは、フード部3内において前方に突出して配されている。図示しないが、端子接続部12Aは、相手コネクタの相手端子が有する筒状の接続筒部内に挿入されるようになっている。
【0041】
[プレスフィット部]
図4及び
図6に示すように、プレスフィット部13は、一対の弾性接触部15と、一対の弾性接触部15により囲まれるスリット16と、を有する。各弾性接触部15は、概ね細い角棒状をなしている。一対の弾性接触部15は、挿入方向と直交する基部11の幅方向(前後方向)について互いに離間するように広がっており、山形状に形成されている。スリット16は、基部11の厚さ方向(左右方向)に開口している。スリット16は上下方向に長い長孔とされている。
【0042】
一対の弾性接触部15は、前後方向について互いに近づく方向に弾性変形可能となっている。前後方向における、自然状態の一対の弾性接触部15の最大の差し渡し寸法は、スルーホール23の直径よりも大きく設定されている。
図9に示すように、プレスフィット部13がスルーホール23に挿入された状態では、一対の弾性接触部15は互いに近づくように弾性変形し、スルーホール23の内壁に形成された導体層24に圧接する。これにより、回路基板20に対してプレスフィット端子10が保持されるとともに、回路基板20とプレスフィット端子10とが電気的に接続される。
【0043】
図8及び
図9に示すように、プレスフィット部13の下方には、プレスフィット端子10の挿入方向における端部(下端部)とされる先端部17が設けられている。先端部17は、挿入方向に延びており、プレスフィット部13をスルーホール23へガイドするべく先細状とされている。
【0044】
[ショルダー部]
図5に示すように、本実施形態のショルダー部14は、第1ショルダー部14Aと、第2ショルダー部14Bと、から構成されている。第1ショルダー部14A及び第2ショルダー部14Bは矩形状をなしている。第1ショルダー部14A及び第2ショルダー部14Bは、挿入方向に直交するとともに基部11の幅方向に交差する方向について基部11から突出している。
図7に示すように、第1ショルダー部14Aと基部11とのなす角度A1、及び第2ショルダー部14Bと基部11とのなす角度A2は、180°未満の範囲で規定され、0°及び180°のいずれとも異なる有限の角度となっている。これにより、プレスフィット端子10が基部11の幅方向(前後方向)に延びる延設部12を備える場合でも、ショルダー部14を治具等(図示せず)により押さえることができる。例えば、第1ショルダー部14Aと基部11とのなす角度A1、及び第2ショルダー部14Bと基部11とのなす角度A2は、90°とすることができる。
【0045】
第1ショルダー部14Aは、基部11から右方(基部11の厚さ方向における一方側)に突出している。第2ショルダー部14Bは、基部11から左方(基部11の厚さ方向における他方側)に突出している。
図6に示すように、第1ショルダー部14Aは、基部11の後側かつ下側の端部から延びている。第2ショルダー部14Bは、基部11の前側の端部であって、下側の端部よりも上側の位置から延びている。第1ショルダー部14Aは、第2ショルダー部14Bより下方かつ後方に配されている。
【0046】
プレスフィット端子10をスルーホール23に挿入する際には、
図8に示すように、プレスフィット端子10の先端部17をスルーホール23に位置合わせした状態で、ショルダー部14の上面に治具等(図示せず)を押し当てて、先端部17を上方からスルーホール23の内部に挿入する。
【0047】
図1及び
図10に示すように、本実施形態の基板用コネクタ1では、複数のプレスフィット端子10が基部11の厚さ方向(左右方向)に並んで配置されている。詳細には、複数の第1プレスフィット端子10Aが左右方向に一列に並ぶとともに、複数の第2プレスフィット端子10Bが左右方向に一列に並んでいる。また、第1プレスフィット端子10Aと第2プレスフィット端子10Bとは基部11の幅方向(前後方向)に並んでいる。左右方向に並ぶ第1プレスフィット端子10Aの列は、左右方向に並ぶ第2プレスフィット端子10Bの列より後方に配されている。
【0048】
図3に示すように、第1プレスフィット端子10Aの基部11は、第2プレスフィット端子10Bの基部11よりも上下方向に長い。第1プレスフィット端子10Aの延設部12は、第2プレスフィット端子10Bの延設部12よりも前後方向に長い。その他の部材については、第1プレスフィット端子10Aと第2プレスフィット端子10Bとは同様に構成されている。ハウジング2において、第1プレスフィット端子10Aは上段に配置され、第2プレスフィット端子10Bは下段に配置されている。
【0049】
図10に示すように、本実施形態では、複数のプレスフィット端子10は基部11の厚さ方向(左右方向)に並んで配置されるから、隣接するプレスフィット端子10間の空間距離D1を確保しやすい。よって、プレスフィット端子10を左右方向に狭ピッチで配置することができる。
【0050】
また、基部11から突出する第1ショルダー部14Aと第2ショルダー部14Bとは、挿入方向及び基部11の幅方向についてそれぞれ異なる位置に配されているから、隣接するプレスフィット端子10のショルダー部14同士を離間させやすい。この結果、隣接するプレスフィット端子10間の空間距離D1を確保しやすくなるため、プレスフィット端子10を左右方向により一層狭ピッチで配置しやすくなる。
【0051】
一般にプレスフィット端子10を狭ピッチで配置すると、プレスフィット端子10のスルーホール23への挿入により回路基板20の白化が生じた場合に、隣接するスルーホール23間の絶縁性能が低下して、プレスフィット端子10同士が短絡することがありうる。本実施形態では、プレスフィット端子10のプレスフィット部13は基部11の幅方向(前後方向)について弾性変形する一対の弾性接触部15を備えるため、一対の弾性接触部15は、スルーホール23の孔縁部の回路基板20に対して、前後方向に有限の大きさを持った力を及ぼす(
図9参照)。このため、回路基板20の白化によって回路基板20の絶縁性能が低下する方向は、主として前後方向であると考えられる。基板用コネクタ1において、プレスフィット端子10は、前後方向に直交する方向(左右方向)に狭ピッチで並べられているため、回路基板20の白化に起因して回路基板20の絶縁性能が低下した場合に、プレスフィット端子10間が短絡しにくくなっている(
図10参照)。
【0052】
なお、
図10に示すように、基板用コネクタ1において前後方向(基部11の幅方向)におけるプレスフィット端子10間の間隔S2は、左右方向(基部11の厚さ方向)におけるプレスフィット端子10間の間隔S1よりも大きく設定されている。これにより、回路基板20の白化が生じた場合でも、前後方向に並ぶプレスフィット端子10間での短絡が抑制されるようになっている。
【0053】
<実施形態1と比較例との比較>
次に、本実施形態との比較のために、従来から知られる比較例にかかるプレスフィット端子110及び基板用コネクタ101について
図11から
図14を参照しつつ説明する。基板用コネクタ101は、
図13に示すように、ハウジング102と、複数のプレスフィット端子110と、を備え、実施形態1と同じ回路基板20に接続されるように構成されている。以下、実施形態1と同様の部材、配置については説明を省略する場合がある。
【0054】
図14に示すように、複数のプレスフィット端子110は、複数の第1プレスフィット端子110Aと、複数の第2プレスフィット端子110Bと、を含む。複数の第1プレスフィット端子110Aは左右方向に一列に並んで配置されている。複数の第2プレスフィット端子110Bは左右方向に一列に並んで配置されている。第1プレスフィット端子110Aは第2プレスフィット端子110Bの後方に配されている。
【0055】
図13に示すように、プレスフィット端子110は、基部111と、基部111から前方に延びる延設部112と、プレスフィット部113(
図11参照)と、ショルダー部114(
図11参照)と、を備える。
図11に示すように、比較例では、基部111の厚さ方向は前後方向とされ、基部111の幅方向は左右方向とされている。
【0056】
プレスフィット部113は、一対の弾性接触部115と、スリット116と、を有する。
図12に示すように、プレスフィット部113の一対の弾性接触部115は、左右方向に弾性変形可能とされ、左右方向についてスルーホール23の内壁に圧接する。スリット116は前後方向に開口している。プレスフィット部113の下方には先細状の先端部117が設けられている。
【0057】
図11に示すように、ショルダー部114は、基部111の下端部から右方に突出する第1ショルダー部114Aと、基部111の下端部から左方に突出する第2ショルダー部114Bと、を備える。
【0058】
図14に示すように、比較例にかかる基板用コネクタ101では、左右方向において狭ピッチでプレスフィット端子110を並べる場合、プレスフィット端子110間の空間距離D2が小さくなりやすい。一方、実施形態1によれば、プレスフィット端子10間の空間距離D1(
図10参照)を、比較例にかかるプレスフィット端子110間の空間距離D2の2倍程度とすることができる。
【0059】
比較例においては、弾性接触部115は左右方向について弾性変形するから、弾性接触部115によりスルーホール23の孔縁部の回路基板20にかかる力は左右方向に有限の大きさを持つ(
図12参照)。したがって、回路基板20の白化が生じた場合には回路基板20の絶縁性能が低下する方向は主として左右方向となる。したがって、左右方向に狭ピッチでプレスフィット端子110を並べると、回路基板20の白化が生じた場合に隣接するスルーホール23間の短絡が起きやすい(
図14参照)。一方、実施形態1では、前記したように回路基板20の白化の方向(前後方向)と直交する方向(左右方向)に、プレスフィット端子10が並んでいるから、左右方向におけるプレスフィット端子10間のピッチを狭くしやすくなっている(
図10参照)。
【0060】
[実施形態1の作用効果]
実施形態1によれば、以下の作用、効果を奏する。
実施形態1にかかるプレスフィット端子10は、回路基板20に設けられるスルーホール23に挿入されるプレスフィット端子10であって、プレスフィット端子10の挿入方向(下方)に延在する基部11と、基部11よりも挿入方向における先端側に配されるプレスフィット部13と、プレスフィット部13に対して挿入方向と反対側(上方)に配されるショルダー部14と、を備え、プレスフィット部13は、一対の弾性接触部15と、一対の弾性接触部15によって囲まれて構成されるスリット16と、を有し、一対の弾性接触部15のそれぞれは、スルーホール23の内壁に接触して弾性変形可能とされ、スリット16は、挿入方向及び基部11の幅方向(前後方向)の双方に直交する基部11の厚さ方向(左右方向)に開口し、ショルダー部14は、挿入方向に交差するとともに基部11の幅方向に交差する方向に基部11から突出している。
【0061】
このような構成によると、基部11の厚さ方向にプレスフィット端子10を並べることにより、プレスフィット端子10間の空間距離D1を確保しつつ、狭いピッチでプレスフィット端子10を配置することができる。
【0062】
ショルダー部14は挿入方向に交差するとともに基部11の幅方向に交差する方向に基部11から突出しているから、プレスフィット端子10を基部11の厚さ方向に並べる場合でも、ショルダー部14を治具等により押さえることができる。
【0063】
実施形態1では、一対の弾性接触部15のそれぞれは、挿入方向に直交する基部11の幅方向に弾性変形可能とされている。
【0064】
プレスフィット端子10をスルーホール23に圧入する際、弾性接触部15からスルーホール23の内壁に対して過大な力が作用して、スルーホール23の周縁の回路基板20にクラック等が生じる場合がある(回路基板の白化)。隣接するスルーホール23間のピッチが狭い場合、回路基板20の白化によって、隣接するスルーホール23間の絶縁性能が低下することがある。
【0065】
上記の構成によれば、プレスフィット部13の各弾性接触部15は基部11の幅方向に弾性変形可能とされるため、プレスフィット端子10をスルーホール23に挿入する際、回路基板20の白化が生じた場合、基部11の幅方向について回路基板20が損傷しやすくなっている。よって、プレスフィット端子10を、基部11の幅方向に直交する基部11の厚さ方向に並べることにより、回路基板20の白化によるプレスフィット端子10間の絶縁性能の低下を抑制しやすくなる。したがって、プレスフィット端子10を狭ピッチで配置しやすい。
【0066】
実施形態1では、ショルダー部14は、第1ショルダー部14Aと、第1ショルダー部14Aとは異なる第2ショルダー部14Bと、を備える。
【0067】
このような構成によると、第1ショルダー部14Aと第2ショルダー部14Bとが設けられることにより、プレスフィット端子10をスルーホール23に挿入する際に治具等で押さえる面積を確保しやすい。
【0068】
実施形態1では、第1ショルダー部14Aは、基部11の厚さ方向における一方側(右方)に基部11から突出し、第2ショルダー部14Bは、基部11の厚さ方向における他方側(左方)に基部11から突出している。
【0069】
このような構成によると、プレスフィット端子10をスルーホール23に挿入する際に、治具等により第1ショルダー部14A及び第2ショルダー部14Bを安定して押さえることができる。
【0070】
実施形態1では、第1ショルダー部14Aと第2ショルダー部14Bとは、基部11の幅方向について異なる位置に配されている。
【0071】
このような構成によると、第1ショルダー部14Aと第2ショルダー部14Bとは基部11の幅方向について異なる位置に配されるため、プレスフィット端子10を基部11の厚さ方向に並べた場合にプレスフィット端子10間の空間距離D1を確保しやすい。よって、プレスフィット端子10をより一層狭ピッチで配置しやすくなる。
【0072】
実施形態1では、第1ショルダー部14Aと第2ショルダー部14Bとは、挿入方向について異なる位置に配されている。
【0073】
このような構成によると、第1ショルダー部14Aと第2ショルダー部14Bとは挿入方向について異なる位置に配されるため、プレスフィット端子10を基部11の厚さ方向に並べた場合にプレスフィット端子10間の空間距離D1を確保しやすい。よって、プレスフィット端子10をより一層狭ピッチで配置しやすくなる。
【0074】
実施形態1のプレスフィット端子10は、基部11に接続され、基部11の幅方向に延びる端子接続部12Aをさらに備える。
【0075】
このような構成によると、端子接続部12Aが基部11の幅方向に延びて設けられるから、プレスフィット端子10を基部11の厚さ方向に並べることができる。
【0076】
実施形態1の基板用コネクタ1は、プレスフィット端子10を複数備え、複数のプレスフィット端子10は、基部11の厚さ方向に並んで配置されている。
【0077】
このような構成によると、プレスフィット端子10を狭ピッチで配置可能な基板用コネクタ1を提供することができる。
【0078】
実施形態1では、複数のプレスフィット端子10は、基部11の幅方向に並んで配置されている。
【0079】
このような構成によると、基板用コネクタ1において、基部11の厚さ方向に並んだプレスフィット端子10を多段に配置することができる。
【0080】
<実施形態2>
本開示の実施形態2について、
図15から
図20を参照しつつ説明する。実施形態2では、プレスフィット端子210のプレスフィット部213及びショルダー部214の構成が実施形態1と異なっている。実施形態2のその他の構成、作用効果については、実施形態1と同様であるから、同一の部材に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0081】
プレスフィット端子210は、金属板材をプレス加工することで形成されている。金属板材としては、銅、銅合金等、任意の金属が選択される。
図20に示すように、プレスフィット端子210の表面には、スズ、ニッケル等の金属を含むメッキ層210Cが形成されている。本実施形態では、金属板材がプレス加工される前に、金属板材の裏表両面にメッキ処理が施される。すなわち、プレスフィット端子210は、基部11の厚さ方向両側の面にメッキ層210Cを有する。
【0082】
また、プレス加工時において剪断刃が金属板材の表面から基部11の厚さ方向中央に入り込んでいくことによって、金属板材表面のメッキ層が金属板材の表面から内側に引き込まれることが想定される。このため、プレスフィット端子210のうち、基部11の厚さ方向両側の面に連なる、丸みを帯びた角部にも、メッキ層210Cが存在することが想定される。プレスフィット端子210の切断面となる側面、特に、側面における基部11の厚さ方向中央領域にはメッキ層210Cが無く、母材が露出していることが想定される。
【0083】
[プレスフィット部]
図15及び
図17に示すように、プレスフィット部213は、一対の弾性接触部215と、一対の弾性接触部215により囲まれるスリット16と、を有する。一対の弾性接触部215は、基部11の幅方向(前後方向)及び基部11の厚さ方向(左右方向)について互いに離間するように広がって形成されている。詳細には、一対の弾性接触部215は、
図17に示すように、側面視で全体として前後方向に離間している。さらに、一対の弾性接触部215の上下方向中央部は、
図16に示すように、前後方向から見て左右方向に離間して山形状に広がる突出部215Aとされている。
【0084】
プレスフィット部213は、挿入方向に直交する方向における、自然状態の一対の弾性接触部215の差し渡し寸法が、スルーホール23の直径よりも大きくなる部分を有している。これにより、
図19に示すように、プレスフィット部213がスルーホール23に挿入された状態では、一対の弾性接触部215は互いに近づくように弾性変形し、スルーホール23の内壁に形成された導体層24に圧接する。これにより、回路基板20に対してプレスフィット端子210が保持されるとともに、回路基板20とプレスフィット端子210とが電気的に接続される。
【0085】
前後方向における、自然状態の一対の弾性接触部215の差し渡し寸法は、プレスフィット部213の挿入方向の両端部を除く領域で、スルーホール23の直径よりも大きく設定されている(
図17参照)。このため、プレスフィット部213をスルーホール23に挿入すると、スルーホール23の内壁からプレスフィット部213に、前後方向にプレスフィット部213を圧縮する力が加えられる。
【0086】
また、
図16に示すように、左右方向における、自然状態の一対の弾性接触部215の差し渡し寸法は、突出部215Aの挿入方向中央位置において最大となっている。左右方向における差し渡し寸法の最大値は、スルーホール23の直径よりも大きく設定されている。このため、プレスフィット部213をスルーホール23に挿入すると、スルーホール23の内壁から突出部215Aに、左右方向に突出部215Aを圧縮する力が加えられる。
【0087】
図20は、スルーホール23に挿入されたプレスフィット端子210を、挿入方向における突出部215Aの位置において、挿入方向に直交する方向に切断した断面を示す図である。
図20に示すように、自然状態にある一対の突出部215A(
図20の二点鎖線)は前後方向及び左右方向においてスルーホール23の直径よりも大きい差し渡し寸法を有するため、プレスフィット端子210がスルーホール23に挿入されると、一対の突出部215Aは前後方向及び左右方向の双方と交差する斜め方向に互いに近づくように弾性変形する。よって、突出部215Aの角部とスルーホール23の内壁とを接触させやすい。突出部215Aの角部にはメッキ層210Cが設けられているから、プレスフィット端子210とスルーホール23の内壁の導体層24との電気的な接続を良好にすることができる。
【0088】
図17に示すように、各弾性接触部215は、挿入方向中央部において基部11の幅方向の内方に凹む凹部215Bを有する。換言すると、前後方向における、自然状態の一対の弾性接触部215の差し渡し寸法は、挿入方向中央部よりも先端部17寄りの位置と、挿入方向中央部よりも基部11寄りの位置と、において最大となっており、突出部215Aを含む挿入方向中央部においてやや小さくなっている。凹部215Bが設けられることにより、各弾性変形部215の挿入方向中央部は前後方向(
図17の図示左右方向)に圧縮され、左右方向(
図17の紙面垂直方向)に押し広げられた状態となるから、突出部215Aの左右方向の寸法を大きくすることができる。よって、突出部215Aを左右方向に突出させやすくなる。
【0089】
[ショルダー部]
図15及び
図18に示すように、ショルダー部214は、第1ショルダー部214Aと、第2ショルダー部214Bと、を備える。第1ショルダー部214Aは、基部11から右方(基部11の厚さ方向における一方側)に突出している。第2ショルダー部214Bは、基部11から左方(基部11の厚さ方向における他方側)に突出している。
図15に示すように、第1ショルダー部214Aは、基部11の後側かつ下側の端部から延びている。第2ショルダー部214Bは、基部11の前側かつ下側の端部から延びている。
図16に示すように、第1ショルダー部214Aは、第2ショルダー部214Bと、上下方向(挿入方向)について同じ位置に配されている。
【0090】
[実施形態2の作用効果]
実施形態2では、第1ショルダー部214Aと第2ショルダー部214Bとは、挿入方向について同じ位置に配されている。
【0091】
このような構成によると、第1ショルダー部214Aと第2ショルダー部214Bとは挿入方向について同じ位置に配されるため、プレスフィット端子210を挿入方向について小型化しやすい。
【0092】
<他の実施形態>
(1)上記実施形態1では、基板用コネクタ1は上段に配される複数の第1プレスフィット端子10Aと、下段に配される複数の第2プレスフィット端子10Bと、を備えていたが、これに限られることはなく、基板用コネクタにおける複数のプレスフィット端子の段数は一段でも、三段以上でもよい。
(2)上記実施形態1では、第1ショルダー部14Aと第2ショルダー部14Bとは基部11の幅方向について異なる位置に配されていたが、これに限られることはなく、第1ショルダー部と第2ショルダー部とは基部の幅方向について同じ位置に配されていてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1: 基板用コネクタ
2: ハウジング
3: フード部
4: 端子保持孔
10,210: プレスフィット端子
10A: 第1プレスフィット端子
10B: 第2プレスフィット端子
11: 基部
12: 延設部
12A: 端子接続部
13,213: プレスフィット部
14,214: ショルダー部
14A,214A: 第1ショルダー部
14B,214B: 第2ショルダー部
15,215: 弾性接触部
16: スリット
17: 先端部
20: 回路基板
21: 絶縁板
22: 導電路
23: スルーホール
24: 導体層
101: 比較例にかかる基板用コネクタ
102: ハウジング
110: 比較例にかかるプレスフィット端子
110A: 第1プレスフィット端子
110B: 第2プレスフィット端子
111: 基部
112: 延設部
113: プレスフィット部
114: ショルダー部
114A: 第1ショルダー部
114B: 第2ショルダー部
115: 弾性接触部
116: スリット
117: 先端部
210C: メッキ層
215A: 突出部
215B: 凹部
A1: 第1ショルダー部と基部とのなす角度
A2: 第2ショルダー部と基部とのなす角度
D1: プレスフィット端子間の空間距離
D2: 比較例にかかるプレスフィット端子間の空間距離
S1: 基部の厚さ方向におけるプレスフィット端子間の間隔
S2: 基部の幅方向におけるプレスフィット端子間の間隔