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特開2023-168203アルミ電解コンデンサの負圧パッケージング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168203
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】アルミ電解コンデンサの負圧パッケージング方法
(51)【国際特許分類】
   H01G 9/00 20060101AFI20231116BHJP
   H01G 9/10 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
H01G9/00 290L
H01G9/10 D
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169894
(22)【出願日】2022-10-24
(31)【優先権主張番号】202210509505.5
(32)【優先日】2022-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522416206
【氏名又は名称】豊賓電子科技股▲フェン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 啓瑞
(72)【発明者】
【氏名】林 ▲イ▼竹
(72)【発明者】
【氏名】羅 甲顕
(57)【要約】      (修正有)
【課題】封口体の外径が縮むことで外殻と封口体との気密封に影響を与える問題を解決し、アルミ電界コンデンサの安定性及び使用寿命を改善する負圧パッケージング方法を提供する。
【解決手段】アルミ電解コンデンサの負圧パッケージング方法は、素子コアを封口体に挿設し、素子コア、封口体及び外殻を収容機構のチャンバーに置き、収容機構を密封し、収容機構のチャンバーを真空引きして収容機構のチャンバーを負圧状態にし、封口体と外殻をパッケージングして封口体を外殻の第1深さに位置させ、封口体と外殻をプレスして封口体を外殻の第2深さに位置させる。このとき第2深さは、第1深さよりも外殻の底端に近い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のステップS100からS420を含むアルミ電解コンデンサの負圧パッケージング方法であって、
S100において、素子コアを封口体に挿設し、
S200において、前記素子コア、前記封口体及び外殻を収容機構のチャンバーに置き、前記収容機構を密封し、
S300において、前記収容機構のチャンバーが負圧状態となるように前記収容機構のチャンバーを真空引きし、
S400において、前記封口体が前記外殻の第1深さに位置するように前記封口体と前記外殻とをパッケージングし、
S500において、前記封口体が外殻の第2深さに位置するように前記封口体と外殻をプレスし、前記第2深さは、前記第1深さよりも前記外殻の底端に近いことを特徴とする、負圧パッケージング方法。
【請求項2】
前記素子コア、前記封口体及び外殻を収容機構のチャンバーに置き、前記収容機構を密閉するステップは、以下のステップS210及びS220を含み、
S210において、前記封口体及び前記外殻を前記収容機構のチャンバーに置き、前記収容機構は第1開口端と、前記第1開口端に対向する第2開口端とを含み、
S220において、第1蓋板を前記第1開口端の方向に向かって近づけて前記第1開口端に対応する開口を密閉し、第2蓋板を前記第2開口端の方向に向かって近づけて前記第2開口端に対応する開口を密閉することにより前記収容機構を密封することを特徴とする、請求項1に記載の負圧パッケージング方法。
【請求項3】
前記封口体が前記外殻の第1深さに位置するように前記封口体と前記外殻をパッケージングするステップは、以下のステップS410及びS420を含み、
S410において、第1押圧ロッドは前記第1蓋板に挿設され、前記第1押圧ロッドは前記封口体を前記外殻の方向に向かって押圧し、
S420において、第2押圧ロッドは前記第2蓋板に挿設され、前記第2押圧ロッドは前記封口体が前記外殻の第1深さに位置するように前記外殻を前記封口体の方向に向かって押圧することを特徴とする、請求項2に記載の負圧パッケージング方法。
【請求項4】
前記第1押圧ロッドは前記第1蓋板に挿設され、前記第1押圧ロッドは前記封口体を前記外殻の方向に向かって押圧するステップは、以下のステップS411からS413を含み、
S411において、前記第1押圧ロッドは前記第1蓋板に挿設され、前記第1押圧ロッドは、前記封口体が前記外殻を密封するように前記封口体を前記外殻の方向に向かって近づけ、
S412において、前記収容機構のチャンバーの負圧状態を大気圧状態に切り替え、
S413において、前記第1押圧ロッドは、前記封口体に対して前記外殻の底部に向かう作用力を加えることで前記封口体を前記外殻の第1深さに位置させることを特徴とする、請求項3に記載の負圧パッケージング方法。
【請求項5】
前記封口体が前記外殻の第2深さに位置するように前記封口体と外殻をプレスし、前記第2深さは前記第1深さよりも外殻の底端に近いステップは、以下のステップS501及びS502を含み、
S501において、前記封口体が前記外殻の第1深さに位置する場合、前記第1押圧ロッド及び第1蓋板は前記封口体から離れる方向に向かって移動し、前記第2押圧ロッド及び前記第2蓋板は前記外殻から離れる方向に向かって移動し、
S502において、前記収容機構を次のプレス場所に送達することを特徴とする、請求項3に記載の負圧パッケージング方法。
【請求項6】
前記封口体が前記外殻の第2深さに位置するように前記封口体と前記外殻をプレスし、前記第2深さは前記第1深さよりも外殻の底端に近いステップは、以下のステップS510からS530を含み、
S510において、第3蓋板は前記収容機構の第1開口端に対応する開口を密封し、第4蓋板は前記収容機構の第2開口端に対応する開口を密封することで前記収容機構を密閉し、
S520において、第3押圧ロッドは前記第3蓋板に挿設され、前記第3押圧ロッドは前記封口体を前記外殻の方向に向かって押圧し、
S530において、第4押圧ロッドは前記第4蓋板に挿設され、前記第4押圧ロッドは、前記封口体が前記外殻の第2深さに位置するように前記外殻を前記封口体の方向に向かって押圧することを特徴とする、請求項1に記載の負圧パッケージング方法。
【請求項7】
前記第3押圧ロッドは前記第3蓋板に挿設され、前記第3押圧ロッドは前記封口体を前記外殻の方向に向かって押圧するステップは、
前記収容機構のチャンバーの負圧状態を大気圧状態に切り替えるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の負圧パッケージング方法。
【請求項8】
前記封口体が外殻の第2深さに位置するように前記封口体と外殻をプレスし、前記第2深さは前記第1深さよりも前記外殻の底端に近いステップは、
前記封口体が前記外殻の第3深さに位置するように前記封口体と前記外殻を再度プレスし、前記第3深さは前記第2深さよりも前記外殻の底端に近いステップをさらに含む、ことを特徴とする、請求項1に記載の負圧パッケージング方法。
【請求項9】
前記封口体が外殻の第3深さに位置するように前記封口体と外殻を再度プレスし、前記第3深さは第2深さよりも外殻の底端に近いステップは、以下のステップS610からS630を含み、
S610において、第5蓋板は前記収容機構の第1開口端に対応する開口を密閉し、第6蓋板は前記収容機構の第2開口端に対応する開口を密閉することで前記収容機構を密閉し、
S620において、第5押圧ロッドは前記第5蓋板に挿設され、前記第5押圧ロッドは前記封口体を前記外殻の方向に向かって押圧し、
S630において、第6押圧ロッドは前記第6蓋板に挿設され、前記第6押圧ロッドは、前記封口体が前記外殻の第3深さに位置するように前記外殻を前記封口体の方向に向かって押圧することを特徴とする、請求項8に記載の負圧パッケージング方法。
【請求項10】
前記封口体が外殻の第3深さに位置するように前記封口体と外殻を再度プレスし、前記第3深さは第2深さよりも外殻の底端に近いステップは、
前記外殻の密封箇所を縮径処理するステップをさらに含む、ことを特徴とする、請求項8に記載の負圧パッケージング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンデンサ技術分野に関し、特にアルミ電解コンデンサの負圧パッケージング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のアルミ電解コンデンサは、常圧状態下でパッケージングされている。しかし、アルミ電解コンデンサが常圧下でパッケージングされると製品の使用寿命が減少し、現在の電子製品に適用できない。アルミ電解コンデンサの実際の生産中で、封口体が外殻開口を密封することで外殻のチャンバーが密封状態にあり、封口体が外殻開口に入ると、封口体は非常に大きな張力を有し、外殻に対して摺動すると非常に大きな摩擦力が発生する。従来技術において、封口体を外殻開口まで1回で直接摺動させるため、封口体が外殻開口の内壁を摺動する距離が長すぎ、外殻開口の内壁と封口体との摩擦により大量の熱が発生し、大量の熱により封口体が微細に融化し、封口体の外径が縮み、外殻と封口体の気密性に影響を与え、外部が高気密性で内部が負圧であるアルミ電解コンデンサを得ることができない。
【発明の概要】
【0003】
上記の事情を鑑み、従来技術において封口体の外径が縮むことで外殻と封口体との気密封に影響を与えるという技術問題を解決するために、アルミ電解コンデンサの負圧パッケージング方法を提供する必要がある。
【0004】
本発明が提供するアルミ電解コンデンサの負圧パッケージング方法は、以下のステップを含む。
素子コアを封口体に挿設し、
前記素子コア、前記封口体及び外殻を収容機構のチャンバーに置き、前記収容機構を密封し、
前記収容機構のチャンバーが負圧状態となるように前記収容機構のチャンバーを真空引きし、
前記封口体が前記外殻の第1深さに位置するように前記封口体と前記外殻とをパッケージングし、
前記封口体が外殻の第2深さに位置するように前記封口体と外殻をプレスし、前記第2深さは、前記第1深さよりも前記外殻の底端に近い。
【0005】
さらに、前記素子コア、前記封口体及び外殻を収容機構のチャンバーに置き、前記収容機構を密閉するステップは、以下のステップを含み、
前記封口体及び前記外殻を前記収容機構のチャンバーに置き、前記収容機構は第1開口端と、前記第1開口端に対向する第2開口端とを含み、
第1蓋板を前記第1開口端の方向に向かって近づけて前記第1開口端に対応する開口を密閉し、第2蓋板を前記第2開口端の方向に向かって近づけて前記第2開口端に対応する開口を密閉することにより前記収容機構を密封する。
【0006】
さらに、前記封口体が前記外殻の第1深さに位置するように前記封口体と前記外殻をパッケージングするステップは、以下のステップを含み、
第1押圧ロッドは前記第1蓋板に挿設され、前記第1押圧ロッドは前記封口体を前記外殻の方向に向かって押圧し、
第2押圧ロッドは前記第2蓋板に挿設され、前記第2押圧ロッドは前記封口体が前記外殻の第1深さに位置するように前記外殻を前記封口体の方向に向かって押圧する。
【0007】
さらに、前記第1押圧ロッドは前記第1蓋板に挿設され、前記第1押圧ロッドは前記封口体を前記外殻の方向に向かって押圧するステップは、以下のステップを含み、
前記第1押圧ロッドは前記第1蓋板に挿設され、前記第1押圧ロッドは、前記封口体が前記外殻を密封するように前記封口体を前記外殻の方向に向かって近づけ、
前記収容機構のチャンバーの負圧状態を大気圧状態に切り替え、
前記第1押圧ロッドは、前記封口体に対して前記外殻の底部に向かう作用力を加えることで前記封口体を前記外殻の第1深さに位置させる。
【0008】
さらに、前記封口体が前記外殻の第2深さに位置するように前記封口体と外殻をプレスし、前記第2深さは前記第1深さよりも外殻の底端に近いステップは、以下のステップを含み、
前記封口体が前記外殻の第1深さに位置する場合、前記第1押圧ロッド及び第1蓋板は前記封口体から離れる方向に向かって移動し、前記第2押圧ロッド及び前記第2蓋板は前記外殻から離れる方向に向かって移動し、
前記収容機構を次のプレス場所に送達する。
【0009】
さらに、前記封口体が前記外殻の第2深さに位置するように前記封口体と前記外殻をプレスし、前記第2深さは前記第1深さよりも外殻の底端に近いステップは、以下のステップを含み、
第3蓋板は前記収容機構の第1開口端に対応する開口を密封し、第4蓋板は前記収容機構の第2開口端に対応する開口を密封することで前記収容機構を密閉し、
第3押圧ロッドは前記第3蓋板に挿設され、前記第3押圧ロッドは前記封口体を前記外殻の方向に向かって押圧し、
第4押圧ロッドは前記第4蓋板に挿設され、前記第4押圧ロッドは、前記封口体が前記外殻の第2深さに位置するように前記外殻を前記封口体の方向に向かって押圧する。
【0010】
さらに、前記第3押圧ロッドは前記第3蓋板に挿設され、前記第3押圧ロッドは前記封口体を前記外殻の方向に向かって押圧するステップは、
前記収容機構のチャンバーの負圧状態を大気圧状態に切り替えるステップをさらに含む。
【0011】
さらに、前記封口体が外殻の第2深さに位置するように前記封口体と外殻をプレスし、前記第2深さは前記第1深さよりも前記外殻の底端に近いステップは、
前記封口体が前記外殻の第3深さに位置するように前記封口体と前記外殻を再度プレスし、前記第3深さは前記第2深さよりも前記外殻の底端に近いステップをさらに含む。
【0012】
さらに、前記封口体が外殻の第3深さに位置するように前記封口体と外殻を再度プレスし、前記第3深さは第2深さよりも外殻の底端に近いステップは、以下のステップを含み、
第5蓋板は前記収容機構の第1開口端に対応する開口を密閉し、第6蓋板は前記収容機構の第2開口端に対応する開口を密閉することで前記収容機構を密閉し、
第5押圧ロッドは前記第5蓋板に挿設され、前記第5押圧ロッドは前記封口体を前記外殻の方向に向かって押圧し、
第6押圧ロッドは前記第6蓋板に挿設され、前記第6押圧ロッドは、前記封口体が前記外殻の第3深さに位置するように前記外殻を前記封口体の方向に向かって押圧する。
【0013】
さらに、前記封口体が外殻の第3深さに位置するように前記封口体と外殻を再度プレスし、前記第3深さは第2深さよりも外殻の底端に近いステップは、
前記外殻の密封箇所を縮径処理するステップをさらに含む。
【0014】
本発明が提供するアルミ電解コンデンサの負圧パッケージング方法では、素子コア封口体を挿設にして封口体を形成し、封口体と外殻を負圧状態下でパッケージングし、まず封口体と外殻をパッケージングして封口体を外殻の第1深さに位置させ、そして封口体をプレスして封口体を外殻の第2深さに位置させる。第2深さは第1深さよりも外殻の底端に近い。この方法により封口体を外殻の第1深さにした後、さらに外殻の第2深さまでプレスすることにより、従来技術において封口体が外殻の内壁での摺動距離が長すぎるという問題が解決され、封口体の摩擦面が熱くなりすぎることによる微細な融解が回避され、封口体の外径が縮まないことが確保されることで外殻と封口体の気密性が確保される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の実施例又は従来技術における技術的手段をより明確に説明するために、以下実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかなように、以下の説明に係る図面は本発明のいくつかの実施例にすぎず、当業者が創造的な労力なしでこれらの図面に基づいて示す構造から他の図面を得ることができる。
【0016】
図1】本発明の実施例におけるアルミ電解コンデンサの負圧パッケージング方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施例における封口体及び外殻のプレスステップのフローチャートである。
図3】本発明の実施例における封口体及び外殻の再度プレスステップのフローチャートである。
図4】本発明の実施例における封口体及び外殻のパッケージング前の構造模式図である。
図5】本発明の実施例における封口体が外殻の第1深さに位置する場合の構造模式図である。
図6】本発明の実施例における封口体が外殻の第2深さに位置する場の構造模式図である。
図7】本発明の実施例における封口体が外殻の第3深さに位置する場の構造模式図である。
図8】本発明の実施例における負圧パッケージング設備の構造模式図である。
【0017】
主な素子
1、収容機構;2、第1押圧ロッド;3、第1蓋板;4、第2押圧ロッド;5、第2蓋板;6、第3押圧ロッド;7、第3蓋板;8、第4押圧ロッド;9、第4蓋板;10、第5押圧ロッド;11、第5蓋板;12、第6押圧ロッド;13、第6蓋板;14、素子コア;15、封口体;16、外殻。
【0018】
実施例を用い、附図を参照しながら本発明の目的の実現、機能特徴及び利点をさらに説明する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例における図面により本発明の実施例における技術的手段を完全で明確に説明する。明らかなように、以下の実施例は本発明の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的労力なしで得た全ての他の実施例はいずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0020】
なお、本発明の実施例における全ての方向的指示(例えば、上、下、左、右、前、後など)は、特定の姿勢(図面に示すように)で各部品の相対位置関係、運動状況などを解釈するものであり、この特定の姿勢が変化すると、この方向的指示も対応して変化する。
【0021】
また、本発明において「第1」、「第2」などの用語は目的のみを説明するものであり、重要性又は技術的特徴の数を示唆すると理解すべきではない。そのため、「第1」、「第2」で限定される特徴は、少なくとも1つのこの特徴を示すか又は示唆することができる。また、本明細書において、「及び/又は」は3つの技術案を含む。A及び/又はBを例とすると、A技術案、B技術案、及びAとBを同時に満たす技術案を含む。また、各実施例の技術案は、当業者によって実現され得る限り互いに組み合わせることができる。技術案の組み合わせに矛盾があるか又は実現できない場合、この技術案の組み合わせが存在せず、本発明の保護範囲内に含まれないと理解され得る。
【0022】
図1に示すように、いくつかの実施例において、アルミ電解コンデンサの負圧パッケージング方法は、以下のステップを含む。
S100:素子コア14を封口体15挿設する。
S200:素子コア14、封口体15及び外殻16を収容機構1のチャンバーに置き、収容機構1を密封する。
S300:収容機構1のチャンバーが負圧状態となるように、収容機構1のチャンバーを真空引きする。
S400:封口体15が外殻16の第1深さに位置するように、封口体15及び外殻16をパッケージングする。
S500:封口体15が外殻16の第2深さに位置するように、封口体15と外殻16をプレスする。第2深さは、第1深さよりも外殻16の底端に近い。
【0023】
この方法により封口体15を外殻16の第1深さにした後、さらに外殻16の第2深さまでプレスすることにより、従来技術において封口体15が外殻16の内壁での摺動距離が長すぎるという問題が解決され、封口体15の摩擦面が熱くなりすぎることによる微細な融解が回避され、封口体15の外径が縮まないことが確保されることで外殻16と封口体15の気密性が確保される。
【0024】
アルミ電解コンデンサの動作中で熱が発生する。アルミ電解コンデンサの封口体15は、熱の影響を長時間受けると、僅かに収縮することで封口体15と外殻16との間には隙間ができる。その結果、アルミ電解コンデンサの内部にある誘電体は揮発してアルミ電解コンデンサの外部に逸脱し、電解液の質量が少なくなり、電解コンデンサの使用寿命が大幅に短くなる。アルミ電解コンデンサの素子コア14の動作中で熱が発生し、常圧状態下では熱により気体が膨張する一方、負圧状態では気体が膨張しないため、アルミ電解コンデンサの使用寿命が長くなる。常圧下でパッケージングすると使用寿命が短縮するが、負圧下でパッケージングすることにより使用寿命が長くなる。本方法では、負圧状態下で封口体15と外殻16をパッケージングすることにより、外殻16内も負圧状態であるため、電解液の質量が減少することがなく、アルミ電解コンデンサの使用寿命が大幅に延長する。
【0025】
具体的には、外殻16は、アルミ製外殻、即ち、アルミニウム材質を用いて鋳造又はプレス加工により形成された円柱状カップ状体であってもよい。封口体15はゴム栓である。封口体15の形状は円柱体である。封口体15の外径は、外殻16の内径よりも大きい。封口体15と素子コア14は段差面が形成されるように固定して接続される。段差面は外殻16に当接することにより、外殻16と封口体15は負圧密封チャンバーを形成する。素子コア14は、電解アルミ箔、ガイド針及び電解紙から構成される円柱状である。
【0026】
いくつかの実施例において、アルミ電解コンデンサは、外殻16と、素子コア14と、封口体15と、誘電体とを含む。封口体15と素子コア14は固定して接続されて段差面を形成する。段差面は、外殻16に当接することで外殻16と封口体15は密封チャンバーを形成する。誘電体は、密封チャンバー内に設けられ、素子コア14は、誘電体に収容される。具体的には、段差面が外殻16に当接する前に、密封チャンバー内の空気を抽出して密封チャンバーを負圧密封チャンバーにする。負圧密封チャンバーは、大気圧より低い気圧の状態にある。さらに、外殻16及び封口体15はいずれも円柱体であり、封口体15の外径は外殻16の内径よりも大きい。
【0027】
いくつかの実施例において、S200:素子コア14、封口体15及び外殻16を収容機構1のチャンバーに置き、収容機構1を密封するステップは、以下のステップを含む。
S210:素子コア14、封口体15及び外殻16を収容機構1のチャンバーに置き、収容機構1は第1開口端と、第1開口端に対向する第2開口端とを含む。
S220:第1蓋板3を第1開口端の方向に近づけて第1開口端に対応する開口を密封し、第2蓋板5を第2開口端の方向に近づけて第2開口端に対応する開口を密封することにより収容機構1を密封する。
【0028】
具体的には、S400:封口体15が外殻16の第1深さに位置するように封口体15と外殻16をパッケージングするステップは、以下のステップを含む。
S410:第1押圧ロッド2は第1蓋板3に挿設され、第1押圧ロッド2は、封口体15を外殻16の方向に向かって押圧する。
S420:第2押圧ロッド4は第2蓋板5に挿設され、第2押圧ロッド4は、封口体15が外殻16の第1深さに位置するように外殻16を封口体15の方向に向かって押圧する。
【0029】
より具体的には、S410:第1押圧ロッド2は第1蓋板3に挿設され、第1押圧ロッド2は封口体15を外殻16の方向に向かって押圧するステップは、以下のステップを含む。
S411:第1押圧ロッド2は第1蓋板3に挿設され、第1押圧ロッド2は、封口体15が外殻16を密封するように封口体15を外殻16の方向に近づける。
S412:収容機構1のチャンバーの負圧状態を大気圧状態に切り替える。
S413:第1押圧ロッド2は、封口体15に対して外殻16の底部に向かう作用力を加え、封口体15を外殻16の第1深さに位置するように移動させる。
【0030】
負圧状態下で封口体15と外殻16をパッケージングする。つまり、封口体15が部分的に外殻16に入り、外殻16のチャンバーが密封した負圧状態にあり、この場合、収容部材のチャンバーに空気を導入して収容機構1のチャンバーの負圧状態を大気圧状態に切り替えて収容機構1のチャンバーの気圧を外殻16のチャンバーの気圧よりも大きくすることによって、外殻16の底部に向かって封口体15を押圧する。収容機構1のチャンバーの負圧状態を大気圧状態に切り替えることによって、封口体15を外殻16の第1深さまでより容易に押圧することができる。
【0031】
さらに、S500:封口体15が外殻16の第2深さに位置するように封口体15と外殻16をプレスし、第2深さは第1深さよりも外殻16の底端に近いステップの前は、以下のステップを含む。
S501:封口体15が外殻16の第1深さに位置する場合、第1押圧ロッド2及び第1蓋板3は封口体15から離間する方向へ移動し、第2押圧ロッド4及び第2蓋板5は外殻16から離間する方向へ移動する。
S502:収容機構1を次のプレス場所に送達する。
【0032】
封口体15が外殻16の第1深さに位置する場合、次のプレス場所に到達するために、第1押圧ロッド2、第1蓋板3、第2押圧ロッド4及び第2蓋板5を収容機構1から取り出す必要がある。
【0033】
さらに、図2に示すように、S500:封口体15が外殻16の第2深さに位置するように封口体15と外殻16をプレスし、第2深さは第1深さよりも外殻16の底端に近いステップは、以下のステップを含む。
S510:3蓋板7により収容機構1の第1開口端に対応する開口を密封し、第4蓋板9により収容機構1の第2開口端に対応する開口を密封することで収容機構1を密封する。
S520:第3押圧ロッド6は第3蓋板7に挿設され、第3押圧ロッド6は封口体15を外殻16の方向に向かって押圧する。
S530:第4押圧ロッド8は第4蓋板9に挿設され、第4押圧ロッド8は、封口体15が外殻16の第2深さに位置するように外殻16を封口体15の方向に向かって押圧する。
【0034】
好ましくは、S520:第3押圧ロッド6は第3蓋板7に挿設され、第3押圧ロッド6は封口体15を外殻16の方向に向かって押圧するステップは、以下のステップをさらに含む。
S521:収容機構1のチャンバーの負圧状態を大気圧状態に切り替える。このステップの効果は、上記と同様であるため、説明を省略する。
【0035】
いくつかの実施例において、S500:封口体15が外殻16の第2深さに位置するように封口体15と外殻16をプレスし、第2深さは第1深さよりも外殻16の底端に近いステップは、以下のステップをさらに含む。
S600:封口体15が外殻16の第3深さが位置するように封口体15と外殻16を再度プレスし、第3深さは第2深さよりも外殻16の底端に近い。
【0036】
図4から図8に示すように、封口体15が外殻16に対して移動する総長さはLであり、パッケージングの際に、封口体15は1回で押圧されてL摩擦移動する。摩擦システムが比較的大きい場合、1回でL摩擦移動すると、摩擦熱により封口体15は瞬時に熱くなりすぎて損壊し、封口体15と外殻16の気密性が破壊される。第1プレス装置と第2プレス装置を設けることにより、パッケージング装置で処理した後、封口体15は外殻16に対してL1移動し(即ち、封口体15は外殻16の第1深さに位置し)、第1プレス装置で処理した後、封口体15は外殻16に対してL2移動し(即ち、封口体15は外殻16の第2深さに位置し)、第2プレス装置で処理した後、封口体15は外殻16に対してL3移動し(即ち、封口体15は外殻16の第3深さに位置し)、LはL1と、L2と、L3との和である。封口体15は3回に分けて外殻16内を移動することで毎回の摩擦距離が短くなることによって、長距離の摩擦発熱による封口体15の破損が回避され、パッケージング後の封口体15と外殻16の気密性が高くなる。
【0037】
図3に示すように、S600:封口体15が外殻16の第3深さに位置するように封口体15と外殻16を再度プレスし、第3深さは第2深さよりも外殻16の底端に近いステップは、以下のステップを含む。
S610:第5蓋板11は収容機構1の第1開口端に対応する開口を密封し、第6蓋板13は収容機構1の第2開口端に対応する開口を密封することにより収容機構1は密封される。
S620:第5押圧ロッド10は第5蓋板11に挿設され、第5押圧ロッド10は封口体15を外殻16の方向に向かって押圧する。
S630:第6押圧ロッド12は第6蓋板13に挿設され、第6押圧ロッド12は、封口体15が外殻16の第3深さに位置するように外殻16を封口体15の方向に向かって押圧する。
【0038】
動作する際に、第1蓋板3は収容機構1の第1開口端に対する開口を密封し、第2蓋板9は収容機構1の第2開口端に対応する開口を密封することにより収容機構1は密封される。収容機構1が負圧状態になるように収容機構1に対して1回目の真空引きを行い、第1押圧ロッド2は封口体15を外殻16の方向に向かって押圧し、第2押圧ロッド4は外殻16を封口体15の方向に向かって押圧することで封口体15は外殻16のチャンバーを密封し、収容機構1のチャンバーの負圧状態を大気圧状態に切り替え、この場合、外殻16のチャンバーは負圧状態であり、大気圧及び第1押圧ロッド2は封口体15を外殻16の底部へ押圧することができ、封口体15が外殻16の第1深さに到達すると、第1押圧ロッド2、第1蓋板3、第2押圧ロッド4及び第2蓋板9は外殻16から離れ、収容機構1を次のプレス場所に送達する。
【0039】
第3蓋板7は収容機構1の第1開口端に対応する開口を密封し、第4蓋板9は収容機構1の第2開口端に対応する開口を密封することで収容機構1は密封され、収容機構1が再度負圧状態になるように収容機構1に対して2回目の真空引きを行い、第3押圧ロッド6が封口体15を外殻16の方向に向かって押圧するときに、収容機構1のチャンバーを大気圧に切り替え、大気圧及び第3押圧ロッド6は封口体15を外殻16の底部へ押圧することができ、封口体15が外殻16の第2深さに位置すると、第3押圧ロッド6、第3蓋板7及び第4蓋板9はいずれも外殻16から離れ、収容機構1を再度プレスの場所に送達する。
【0040】
第5蓋板11は、収容機構1の第1開口端に対応する開口を密封し、第6蓋板13は、収容機構1の第2開口端に対応する開口を密封することにより、収容機構1が密封される。収容機構1に対して3回目の真空引きを行い、収容機構1を再度負圧状態にする。第5押圧ロッド10が封口体15を外殻16の方向に向かって押圧する際に、収容機構1のチャンバーを大気圧に切り替える。大気圧及び第5押圧ロッド10は封口体15を外殻16の底部に向かって押圧することができる。封口体15が外殻16の第3深さに位置した後、第5蓋板11、第5押圧ロッド10及び第6蓋板13はいずれも外殻16から離れ、アルミ電解コンデンサの負圧パッケージングが完成し、内部が負圧状態であるアルミ電解コンデンサが得られる。
【0041】
さらに、S600:封口体15が外殻16の第3深さに位置するように封口体15と外殻16を再度プレスし、第3深さは第2深さよりも外殻16の底端に近いステップは、以下のステップを更に含む。
S700:外殻16の密封箇所を縮径処理し、縮径処理により外殻16の密封箇所の口径を減少させ、封口体15と外殻16との間の気密性を向上させる。
【0042】
以上の説明は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の思想から逸脱することがなく、本発明の明細書及び図面に基づいて行う同等構造変換或いは他の関連技術分野への直接/間接適用は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8