(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168219
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】掃除機システム
(51)【国際特許分類】
A47L 9/28 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
A47L9/28 E
A47L9/28 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015042
(22)【出願日】2023-02-03
(31)【優先権主張番号】P 2022078832
(32)【優先日】2022-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】本田 廉治
(72)【発明者】
【氏名】中村 智典
(72)【発明者】
【氏名】岡山 雅人
【テーマコード(参考)】
3B057
【Fターム(参考)】
3B057DA01
(57)【要約】
【課題】ユーザの意図に合わせて自律走行型掃除機の掃除強度を適宜変更することができるため、ユーザの好みに応じた掃除を行うことができる掃除機システムを提供する。
【解決手段】掃除機システム400は、掃除エリアの地図を複数のグリッドセルに分割し、自律走行型掃除機100によって吸引されたゴミの量に応じて複数のグリッドセルのそれぞれの色を変化させたマップを表示させる表示部350と、自律走行型掃除機100の掃除強度を切り替える閾値を設定する入力部340と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除対象エリアの地図を複数のグリッドセルに分割し、自律走行型掃除機によって吸引されたゴミの量に応じて前記複数のグリッドセルのそれぞれの色を変化させた前記地図を表示する表示部と、
前記自律走行型掃除機の掃除強度を切り替える閾値を設定する入力操作を受け付ける入力部と、を備える、
掃除機システム。
【請求項2】
前記表示部は、前記ゴミの量に対応する色を量に応じて複数の色を並べて表示し、
前記入力部により、前記複数の色のうちいずれか隣り合う色の間を、前記掃除強度を切り替える閾値として設定する、
請求項1に記載の掃除機システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、掃除機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動的に屋内あるいは屋外を移動して清掃または巡回などの作業を行う自走式機器およびそのプログラムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、例えば、ユーザがマップ情報に走行指定または非走行指定を入力することによりユーザの意図に合わせたマップ情報に書き換えることができるが、ユーザの意図に合わせて自走式機器の掃除強度を変更することができない。
【0005】
そこで、本開示は、ユーザの意図に合わせて自律走行型掃除機の掃除強度を変更することにより、ユーザの好みに応じた掃除を行うことができる掃除機システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る掃除機システムは、掃除対象エリアの地図を複数のグリッドセルに分割し、自律走行型掃除機によって吸引されたゴミの量に応じて前記複数のグリッドセルのそれぞれの色を変化させた前記地図を表示する表示部と、前記自律走行型掃除機の掃除強度を切り替える閾値を設定する入力部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ユーザの意図に合わせて自律走行型掃除機の掃除強度を変更することができるため、ユーザの好みに応じた掃除を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る掃除機システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態における自律走行型掃除機の前方上側から見た斜視図である。
【
図3】
図3は、実施の形態における自律走行型掃除機の上面図である。
【
図4】
図4は、実施の形態における自律走行型掃除機の左側面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態における自律走行型掃除機の正面図である。
【
図6】
図6は、実施の形態における自律走行型掃除機の底面図である。
【
図7】
図7は、実施の形態における自律走行型掃除機の前方下側から見た斜視図である。
【
図8】
図8は、実施の形態における自律走行型掃除機の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、実施の形態におけるサーバの主要構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】
図10は、実施の形態における通信端末の機能構成一例を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、実施の形態に係る掃除機システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図12】
図12は、実施の形態における自律走行型掃除機の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、実施の形態における通信端末の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、掃除レベルの設定画面の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、リアルタイムの掃除状態が表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、リアルタイムの掃除状態が表示される表示画面の他の例を示す図である。
【
図18】
図18は、掃除予約の設定画面の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、自律走行型掃除機の入力部の一例を示す図である。
【
図20】
図20は、実施の形態における自律走行型掃除機の動作の他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、請求の範囲を限定する主旨ではない。また、各図は、必ずしも厳密に図示したものではない。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化する場合がある。
【0010】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略、または、簡略化される場合がある。
【0011】
(実施の形態)
[1.構成]
[掃除機システム]
まず、実施の形態に係る掃除機システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る掃除機システムの構成の一例を示す図である。
【0012】
掃除機システム400は、例えば、自律走行型掃除機100の現在位置、動作の状態、及び、自律走行型掃除機100により吸引されたゴミの量などの情報をサーバ200で記憶し、サーバ200で記憶された情報に基づいて、地図を作成することができる。その地図とは、例えば、自律走行型掃除機100が掃除を行った領域の地図であり、その地図に含まれる情報としては、地図を複数のグリッドセルに分割し、各グリッドセルのゴミの量に関する情報、自律走行型掃除機100の移動履歴の情報、掃除した領域、及び、未掃除の領域などの情報がある。このような地図を作成してユーザに提示する。なお、先ほど説明した地図及び地図に含まれる情報は、以下、地図及び地図情報と称して説明する。
【0013】
また、例えば、掃除機システム400は、提示された地図に基づいて、ユーザにより入力された指示に従って、自律走行型掃除機100の掃除強度を切り替える制御を行う。
【0014】
掃除機システム400は、例えば、自律走行型掃除機100と、サーバ200と、通信端末300とを備える。
【0015】
自律走行型掃除機100は、掃除対象エリアを自律的に走行する掃除機である。自律走行型掃除機100は、例えば、通信を介して、サーバ200および通信端末300と接続する。具体的には、自律走行型掃除機100は、例えば、Bluetooth(登録商標)またはWi‐Fi(登録商標)等の短距離無線通信により、ルーター80と無線接続する。ルーター80は、さらに、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信プロトコルを用いて、通信ネットワーク90に接続する。このように、自律走行型掃除機100は、ルーター80および通信ネットワーク90を介して、サーバ200および通信端末300と接続してもよい。
【0016】
なお、自律走行型掃除機100は、短距離無線接続を行う機能だけでなく、たとえばWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)(登録商標)などの長距離無線通信を行う機能を有していてもよいし、ケーブルを介して通信ネットワークに接続する機能を有していてもよい。
【0017】
サーバ200は、自律走行型掃除機100および通信端末300から送信される各種情報を受信して記憶し、通信端末300から要求された情報を通信端末300へ送信する情報処理装置である。サーバ200は、例えば、通信ネットワーク90を介して自律走行型掃除機100および通信端末300と接続する。
【0018】
通信端末300は、ユーザが使用する携帯型の通信端末であり、例えば、スマートフォン等のようにタッチパネルにより操作が可能な通信端末、携帯電話装置、または、パーソナルコンピュータなどであってもよい。通信端末300は、例えば、通信ネットワーク90を介して、サーバ200および自律走行型掃除機100と接続する。通信端末300には、自律走行型掃除機100の動作状態を確認するためのアプリケーションプログラムがインストールされており、ユーザは、通信端末300にインストールされたアプリケーションを起動させることで、自律走行型掃除機100の動作状態を地図上で確認してもよい。また、通信端末300は、ユーザによって入力された指示を自律走行型掃除機100へ送信してもよい。
【0019】
[自律走行型掃除機]
続いて、自律走行型掃除機100の構成について
図2~
図7を参照しながら具体的に説明する。
図2は、実施の形態における自律走行型掃除機100の前方上側から見た斜視図である。
【0020】
図2に示されるように、自律走行型掃除機100の筐体1は、上ボデー2と下ボデー3とを有しており、筐体1の前方にはバンパ4が配置されている。このバンパ4の内側には1つ以上の衝突検知用のスイッチ(
図2で不図示)が配置されており、バンパ4が障害物に衝突すると、バンパ4が筐体1内側に向けて移動すると共にスイッチがオンし、バンパ4が障害物に衝突したことが検知される。
【0021】
筐体1の上面で、かつ、バンパ4の後方には、カバー5が配置されている。このカバー5内部には集塵容器(
図2で不図示)が配置されており、ユーザがカバー5を押下するとカバー5の前方または後方が外れ、筐体1から集塵容器を取り出すことができる。
【0022】
カバー5の後方には、LiDAR(Light Detection and Ranging)6が配置されている。このLiDAR6は、LiDAR6の中心を軸として発光部と受光部とを回転させることにより、筐体1の周囲の障害物などを検知することができる。また、自律走行型掃除機100は、このLIDAR6を用いることにより、掃除対象エリア(例えば、部屋)の地図を作成することも可能である。
【0023】
図3は、実施の形態における自律走行型掃除機100の上面図である。
図3では、自律走行型掃除機100の前側、後ろ側、左側、および、右側をそれぞれ矢印で図示している。
【0024】
図3に示されるように、筐体1の前方には上から見て略コの字状の形状であるバンパ4が配置され、筐体1の後方には上ボデー2が配置されている。バンパ4と上ボデー2との間には、カバー5が配置されており、カバー5の後方にはLIDAR6が配置されている。
【0025】
バンパ4は、内部に配置されているスプリング(
図3で不図示)により、筐体1の前方へと付勢されており、バンパ4と上ボデー2との間には隙間が存在する。バンパ4が障害物に衝突すると、バンパ4はスプリングの力に抗してこの隙間分、後方へと移動可能である。
【0026】
図4は、実施の形態における自律走行型掃除機100の左側面図である。
図4では、自律走行型掃除機100の前側、後ろ側、上側、および、下側をそれぞれ矢印で図示している。
【0027】
図4に示されるように、筐体1の前方にはバンパ4が配置され、その後方には上ボデー2が配置されている。また、上ボデー2の左右側面には、排気口7が形成されており、上ボデー2の後方上面にはLiDAR6が配置されている。下ボデー3の前方にはサイドブラシ8が配置されており、下ボデー3の後方には後輪9が配置されている。
【0028】
図5は、実施の形態における自律走行型掃除機100の正面図である。
図5では、自律走行型掃除機100の上側、下側、左側、および、右側をそれぞれ矢印で図示している。
【0029】
図5に示されるように、バンパ4の前面には2つの超音波センサ10と、発光素子および受光素子からなる左上センサ11および右上センサ12とを有している。また、下ボデー3には、発光素子および受光素子からなる左下センサ13および右下センサ14を有しており、下ボデー3の前方左右両側には、サイドブラシ8が配置されている。尚、このサイドブラシ8は、下ボデー3の前方右側および左側のいずれか一方に配置されてもよい。
【0030】
左上センサ11および左下センサ13は、筐体1の上下方向において、略同じ位置に(言い換えると、略同一線上に)ある。同様に、右上センサ12と右下センサ14は、筐体1の上下方向において、略同じ位置に(言い換えると、略同一線上に)ある。
【0031】
下ボデー3の前方は、
図4を見ても明らかなように、前方から後方に向けて傾斜した斜面15となっている。この斜面15に2つの凹部16が形成されており、この2つの凹部16のそれぞれに左下センサ13と右下センサ14とが配置されている。
【0032】
また、左下センサ13および右下センサ14は、それぞれ、筐体1を床面に載置した状態で床面と垂直な方面と略平行な面である窓部17が形成されており、この窓部17の内部に発光素子と受光素子とが配置されている。これにより、サイドブラシ8の回転により床面から埃が舞い上がっても、左下センサ13および右下センサ14の発光素子および受光素子が配置された凹部16に埃が堆積するのを低減させることができる。また、この窓部17の近傍にはサイドブラシ8が配置されており、サイドブラシ8が回転するとこのサイドブラシ8の回転により発生した風が窓部17に当たり、窓部17に付いた埃を風により取り去ることが可能である。これにより、窓部17に埃が付着することにより左下センサ13および右下センサ14が誤検知するのを防ぐことができる。
【0033】
図6は、実施の形態における自律走行型掃除機100の底面図である。
図6では、自律走行型掃除機100の前側、後ろ側、左側、および、右側をそれぞれ矢印で図示している。
【0034】
図6に示されるように、下ボデー3の後方には後輪9が配置されており、この後輪9の前方には、例えばリチウムイオン電池等の二次電池からなるバッテリー18が配置されている。また、下ボデー3の略中央には、右駆動輪19および左駆動輪20が配置されており、右駆動輪19および左駆動輪20のそれぞれに車輪支持部材21が接続されている。この車輪支持部材21は、軸Aを軸として、筐体1の上下方向に移動可能である。また、2つの車輪支持部材21は、それぞれ、下ボデー3との間に車輪用のスプリング(
図6で不図示)が配置されており、この車輪用のスプリングにより、車輪支持部材21と、右駆動輪19および左駆動輪20とは、床面に向けて付勢されている。
【0035】
図6の例では、右駆動輪19と左駆動輪20との間にバッテリー18の一部が位置しているが、右駆動輪19および左駆動輪20よりも後方にバッテリー18を配置する構成としてもよい。この例では、バッテリー18を筐体1の後方に配置することにより、筐体1の重心を筐体1の後方に来るように設計している。このため、この例では、2つの車輪支持部材21それぞれの軸Aの間に少なくともバッテリー18の一部が位置することが好ましい。
【0036】
図6に示されるように、バッテリー18よりも前方で、かつ、右駆動輪19および左駆動輪20よりも前方に、集塵を吸い込むための吸込口22が形成されており、この吸込口22の内部には、メインブラシ23が回転可能に軸支されている。
【0037】
このメインブラシ23の左右両側には、それぞれ、段差センサ24が配置されている。この段差センサ24は、発光部と受光部とからなり、筐体1が段差にさしかかったことを検知する。
【0038】
なお、メインブラシ23は筐体の後方に配置してもよい。例えば、
図6に示すバッテリー18を筐体の中央或または前方に移動させ、バッテリー18の後方にメインブラシ23を配置する構成としてもよい。
【0039】
段差センサ24の前方には窪み25があり、この窪み25の略中央を軸にしてサイドブラシ8が配置されている。サイドブラシ8は、吸込口22に向けて回転する。このため、
図6では、左側のサイドブラシ8は時計回りに回転し、右側のサイドブラシ8は反時計回りに回転する。
【0040】
上述したように、
図6の例では、筐体1の重心Gは、本体(いわゆる、筐体1)の中央部分よりも後方に位置する。このため、下ボデー3の前方に段差センサ24を設けなくてもよい。具体的に説明すると、筐体1が、段差がある方向に前進し、サイドブラシ8の後方にある段差センサ24が段差を検知するまで筐体1が前進しても、筐体1の重心Gが右駆動輪19および左駆動輪20よりも後方に位置しているため、自律走行型掃除機100が段差に落ちることがなく、段差ギリギリまで掃除を行うことができる。また、下ボデー3の前方に段差センサ24を設ける必要がないため、製造コストを下げることが可能である。
【0041】
図7は、実施の形態における自律走行型掃除機100の前方下側から見た斜視図である。
図7に示されるように、下ボデー3の前方は斜面15となっており、斜面15の左右側にはそれぞれ凹部16が形成されている。また、これらの凹部16には、それぞれ、左下センサ13と右下センサ14が配置されている。
【0042】
図7に示されるように、下ボデー3の前方の左右側には、それぞれ、サイドブラシ8が配置された窪み25が形成されており、この窪み25は、凹部16近傍まで形成されている。サイドブラシ8の長さは、この窪み25よりも筐体1の外側に突出する長さであり、さらに、窪み25は凹部16近傍に向かって曲面となっている。このため、サイドブラシ8は、吸込口22に向かってスムーズに回転できるだけでなく、サイドブラシ8の回転により発生した風を凹部16の内側の窓部17まで吹き付けることができる。これにより、窓部17についた埃を風で飛ばすことができる。
【0043】
続いて、自律走行型掃除機100の機能構成について
図8を参照しながら説明する。
図8は、実施の形態における自律走行型掃除機100の機能構成の一例を示すブロック図である。なお、本実施の形態の技術に直接関係ない構成は、本図では図示を省略している。
【0044】
図8に示されるように、自律走行型掃除機100は、例えば、通信部30と、制御部40と、記憶部50と、回転検出部60と、超音波センサ10と、段差センサ24と、赤外線センサ61と、ジャイロセンサ62と、ゴミセンサ63と、吸引モータ70と、右駆動部71と、左駆動部72と、を備える。
【0045】
通信部30は、自律走行型掃除機100が通信ネットワーク90を介してサーバ200および通信端末300と通信を行うための通信回路である。通信部30は、例えば、無線通信を行う無線通信回路であり、例えば、Wi-Fi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)などの通信機能を有している。
【0046】
制御部40は、自律走行型掃除機100に関する各種情報処理を行う。制御部40は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ、または、専用回路によって実現される。また、制御部40は、プロセッサ、マイクロコンピュータ、または、専用回路のうちの2つ以上の組み合わせによって実現されてもよい。制御部40は、例えば、地図情報作成部41と、位置情報算出部42と、移動制御部43と、清掃制御部44と、を備える。
【0047】
地図情報作成部41は、例えば、赤外線センサ61および超音波センサ10が検知した障害物に関する情報(障害物の有無および障害物までの距離などの情報)と、LiDAR6が検知した障害物に関する情報(障害物の有無および障害物までの距離などの情報)と、を用いて、掃除対象エリアに関する情報(例えば、部屋の間取りなどの情報)を含む地図情報を作成する。
【0048】
この地図情報には、主に掃除対象エリア(例えば、部屋)の壁の位置および障害物の位置が含まれる。また、地図情報作成部41は、LiDAR6が検知した情報のみを使用して地図情報を作成してもよい。また、地図情報には、掃除対象エリアを複数のグリッドセルに分割し、複数のグリッドセル毎にゴミセンサ63が検知したゴミの量の情報も含まれてもよい。
【0049】
位置情報算出部42は、LiDAR6で検出された情報および回転検出部60で検出された情報から自律走行型掃除機100の本体の現在位置を示す自己位置の情報を算出する。回転検出部60で検出された情報は、例えば、駆動輪(具体的には、右駆動輪19および左駆動輪20)の回転角度および移動量などの情報である。本実施の形態では、位置情報算出部42は、例えば、充電台の位置を初期位置として、この初期位置からLiDAR6で検出された情報と回転検出部60で検出された情報とから自己位置の情報を算出する。自己位置の算出方法としては、例えばオドメトリの手法により算出されてもよい。
【0050】
なお、位置情報算出部42による自己位置の情報の算出は、上記の方法に限られず、他の方法によって行われてもよい。例えば、位置情報算出部42は、赤外線センサ61および超音波センサ10が検知した障害物に関する情報(障害物の有無および障害物までの距離などの情報)と、LiDAR6が検知した障害物に関する情報(障害物の有無および障害物までの距離などの情報)と、回転検出部60が検知した駆動輪(具体的には、右駆動輪19および左駆動輪20)の回転方向、速度、および、回転数などの情報と、を用いて、自律走行型掃除機100が現在どの場所にいるかを示す情報(いわゆる、自己位置の情報)を算出してもよい。
【0051】
なお、位置情報算出部42は、ジャイロセンサ62が検知した、自律走行型掃除機100の走行方向、および、速度などの情報も用いて、自律走行型掃除機100が現在どの場所にいるかを示す情報(いわゆる、自己位置の情報)を算出してもよい。
【0052】
移動制御部43は、右駆動部71および左駆動部72を制御して右駆動輪19および左駆動輪20を駆動させることにより自律走行型掃除機100を移動させる。なお、右駆動部71は、右駆動輪19を駆動するためのモータであり、左駆動部72は、左駆動輪20を駆動するためのモータである。清掃が開始されるとき、移動制御部43は、自律走行型掃除機100をベースステーション(いわゆる、充電台)から離脱させる。移動制御部43は、例えば、記憶部50に格納されている地図(具体的には、掃除対象エリアの地図)を参照しながら、所定の走行計画に従って、または、ランダムに、掃除対象エリア内(例えば、室内)を走行する。清掃が終了すると、移動制御部43は、記憶部50に格納されている地図を参照して、自律走行型掃除機100をベースステーションに帰還させる。
【0053】
清掃制御部44は、清掃計画に従って清掃を実行する。清掃制御部44は、設定された清掃開始時刻が到来したとき、または、ユーザによって清掃開始を指示されたときに、清掃動作を開始する。清掃制御部44は、自律走行型掃除機100の走行中に、メインブラシ23およびサイドブラシ8を駆動させて床面を清掃し、吸引モータ70を駆動させて吸込口22から塵埃を吸引する。なお、吸引モータ70は、吸引風を発生させるためのモータである。吸引モータ70と自律走行型掃除機100の裏面に形成された吸込口22(
図8で不図示)は連通しており、吸引モータ70によって吸込口22から外気と塵埃が吸引される。
【0054】
記憶部50は、例えば、フラッシュメモリのような不揮発性メモリからなり、制御部40が実行する制御プログラムおよび各種パラメータなどを格納する。
【0055】
回転検出部60は、右駆動輪19および左駆動輪20それぞれの回転方向、回転数、および、回転速度などを検知する。
【0056】
LiDAR6は、発光部(発光素子)および受光部(受光素子)と、これらの素子を回転させるための回転機構およびモータとを有している。
【0057】
超音波センサ10は、例えば、超音波を発する出力部と、障害物の表面で反射された超音波を検知する入力部と、を有し、自律走行型掃除機100の側面に複数配置されている。例えば、超音波センサ10は、自律走行型掃除機100の周囲にある障害物の有無および障害物までの距離などを検知する、いわゆる、障害物センサである。
【0058】
段差センサ24は、自律走行型掃除機100の裏面に配置され、床面の段差を検知するセンサである。この段差センサ24は、例えば、発光素子と受光素子とを有する赤外線センサである。
【0059】
赤外線センサ61は、例えば、発光素子と受光素子とを有し、自律走行型掃除機100の側面に複数配置されている。例えば、赤外線センサ61は、自律走行型掃除機100の周囲にある障害物の有無および障害物までの距離などを検知する、いわゆる、障害物センサである。
【0060】
ジャイロセンサ62は、自律走行型掃除機100の移動方向および移動速度などを検知するセンサである。
【0061】
ゴミセンサ63は、発光部と受光部とを有し、例えば、吸込口22から集塵容器までを繋ぐ通路に設置されている。ゴミセンサ63は、発光部と受光部との間を通過するゴミを検知することにより、所定時間内、または、所定領域内で吸引したゴミの量を検知することができる。
【0062】
[サーバ]
続いて、サーバ200の構成について
図9を参照しながら具体的に説明する。
図9は、実施の形態におけるサーバ200の主要構成の一例を示すブロック図である。
【0063】
図9に示されるように、サーバ200は、例えば、通信部210と、制御部220と、記憶部230とを備える。
【0064】
通信部210は、サーバ200が通信ネットワーク90を介して自律走行型掃除機100および通信端末300と通信を行うための通信回路である。通信部210は、例えば、TCP/IPなどの通信プロトコルを用いて、通信ネットワーク90に接続する。通信部210は、無線通信を行ってもよいし、有線通信を行ってもよい。
【0065】
制御部220は、サーバ200に関する各種情報処理を行う。例えば、制御部220は、自律走行型掃除機100から送信された情報を受信して、受信した情報を記憶部230に格納し、通信端末300から情報取得要求を受信すると、要求された情報を記憶部230から読み出して通信端末300へ送信する。制御部220は、具体的には、プロセッサ、または、マイクロコンピュータによって実現される。
【0066】
記憶部230は、制御部220が実行する制御プログラムおよび各種パラメータなどを格納する。また、記憶部230は、自律走行型掃除機100および通信端末300と送受信する各種データ(例えば、地図情報など)を格納している。記憶部230は、具体的には、HDD(Hard Disk Drive)、または、フラッシュメモリ等により実現される。
【0067】
[通信端末]
続いて、通信端末300の構成について
図10を参照しながら具体的に説明する。
図10は、実施の形態における通信端末300の機能構成一例を示すブロック図である。
【0068】
通信端末300は、ユーザが使用する携帯型の通信端末である。
図10に示されるように、通信端末300は、例えば、通信部310と、短距離無線部312と、制御部320と、記憶部330と、入力部340と、表示部350とを備える。
【0069】
通信部310は、通信端末300が通信ネットワーク90を介してサーバ200および自律走行型掃除機100と通信を行うための通信回路である。通信部210は、例えば、無線通信を行う無線通信回路である。通信部210は、例えば、TCP/IPなどの通信プロトコルを用いて、通信ネットワーク90に接続する。
【0070】
短距離無線部312は、ルーター80と無線接続可能であり、例えば、Wi-Fi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)などの通信機能を有している。なお、自律走行型掃除機100も同様に短距離無線部を備える場合、通信端末300は、この短距離無線部312を使用して自律走行型掃除機100と直接接続することも可能である。
【0071】
制御部320は、通信端末300に関する各種情報処理を行う。制御部320は、記憶部330に格納されたアプリケーションプログラムに従って各種演算を行う。制御部320は、例えば、地図作成部321と、移動軌跡作成部322とを備える。図示していないが、制御部320は、所定の時間を計時するタイマー部を備えてもよい。制御部320は、具体的には、プロセッサ、または、マイクロコンピュータによって実現される。
【0072】
制御部230は、地図作成部321が作成した地図を表示部350に表示させる。制御部230は、掃除対象エリアの地図を複数のグリッドセルに分割し、自律走行型掃除機100によって吸引されたゴミの量に応じて複数のグリッドセルのそれぞれの色を変化させて表示部350に表示させる。より具体的には、地図作成部321は、サーバ200から取得した自律走行型掃除機100の位置情報などを含む地図情報を取得すると、複数のグリッドセルのそれぞれの色を変化させた地図を作成する。制御部230は、作成した地図を表示部350に表示させる。
【0073】
複数のグリッドセルは、それぞれ、例えば、所定のサイズであってもよいし、異なるサイズであってもよい。例えば、複数のグリッドセルのサイズは、1m×1mであってもよいし、50cm×50cmであってもよいし、30cm×30cmであってもよい。グリッドセルのサイズの下限値は、吸込口22のサイズによって決定されてもよい。複数のグリッドセルのサイズは、ユーザの指示によって切り替えられてもよい。
【0074】
なお、地図作成部321は、後述する移動軌跡作成部322により作成された自律走行型掃除機100の地図上の移動軌跡の情報を取得すると、移動軌跡を反映した地図を作成してもよい。作成された地図は、表示部350に表示させてもよい。例えば、地図作成部321は、移動軌跡作成部322から自律走行型掃除機100の地図上の移動軌跡の情報を取得すると、地図上に自律走行型掃除機の移動軌跡を示す線を含む地図を作成し、制御部320が、作成された地図を表示してもよい。
【0075】
移動軌跡作成部322は、サーバ200から取得した自律走行型掃除機100の位置情報などを含む地図情報を取得すると、地図上の自律走行型掃除機100の移動軌跡の情報を作成し、地図作成部321へ出力する。
【0076】
記憶部330は、制御部320が実行する制御プログラム、アプリケーションプログラム、および、各種パラメータなどを格納する。また、記憶部330は、サーバ200から取得した地図情報などを格納している。記憶部330は、具体的には、HDD(Hard
Disk Drive)、または、フラッシュメモリ等により実現される。
【0077】
入力部340は、ユーザによる入力操作を受け付け、その入力操作に応じた入力信号をサーバ200または自律走行型掃除機100に出力する。例えば、入力部340は、キーボード、タッチセンサ、タッチパットまたはマウスなどとして構成されていてもよい。例えば、入力部340は、表示部350に搭載された静電式のタッチパネルであってもよい。
【0078】
表示部350は、地図作成部321によって作成された地図の画像を取得し、その画像を表示する。このような表示部350は、例えば、液晶ディスプレイ、または、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどであるが、これらに限定されない。
【0079】
[2.動作例]
続いて、実施の形態に係る掃除機システム400の動作例について説明する。
図11は、実施の形態に係る掃除機システム400の動作の一例を示すシーケンス図である。
図12は、実施の形態における自律走行型掃除機100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0080】
まず、
図12を参照する。例えば、自律走行型掃除機100の制御部40は、通信端末300からユーザによる掃除開始の指示を取得したか否かを判定する(S21)。
【0081】
制御部40は、掃除開始の指示を取得していないと判定した場合(S21でNo)、ステップS21の処理を繰り返す。一方、制御部40は、掃除開始の指示を取得したと判定した場合(S21でYes)、掃除を開始する。言い換えると、
図11に示されるように、自律走行型掃除機100は、掃除中に移行する(S01)。次に、自律走行型掃除機100は、掃除中に移行したことを知らせる通知(例えば、
図11中の、状態通知(掃除中))をサーバに出力する(S02)。
【0082】
サーバ200は、自律走行型掃除機100から状態通知(掃除中)を取得すると、自律走行型掃除機100の状態を掃除中に更新する(S03)。
【0083】
次に、自律走行型掃除機100は、位置情報などを含む地図情報を記憶部50に記憶する(S04)。
【0084】
より具体的には、
図12に示されるように、制御部40は、所定時間毎に自身の周囲にある障害物の位置、自己位置、および、ゴミの量などの情報を地図情報に紐づけて記憶部50に記憶する(S22)。制御部40は、掃除が終了するか否かを判定し(S23)、掃除を終了しない場合(S23でNo)、ステップS22を繰り返す。
【0085】
通信端末300は、掃除開始の指示を出力した後(不図示)、自律走行型掃除機100の状態を示す情報を要求する信号(以下、状態取得要求)をサーバ200に送信する(S05)。サーバ200は、通信端末300から状態取得要求を受信すると、自律走行型掃除機100の状態を示す情報を通信端末300に送信する(S06)。
【0086】
制御部40は、
図12のステップS23で掃除を終了すると判定した場合(S23でYes)、掃除を終了する(
図11のS07)。サーバ200は、自律走行型掃除機100から状態通知(掃除終了)を取得すると、自律走行型掃除機100の状態を掃除終了に更新する(S09)。
【0087】
次に、自律走行型掃除機100は、掃除が終了したことを知らせる通知(例えば、
図11中の状態通知(掃除終了))をサーバに出力する(S08)。
【0088】
次に、制御部40は、ステップS22で所定時間毎に記憶部50に記憶した情報(より詳細には、位置情報などを含む地図情報)を記憶部50から読み出し(S10)、読み出した地図情報をサーバに送信する(
図11のS11、
図12のS24)。
【0089】
サーバ200は、自律走行型掃除機100から送信された地図情報を取得すると、取得した地図情報を記憶部230に記憶する(S12)。
【0090】
続いて、掃除機システム400におけるサーバ200および通信端末300の動作について
図11および
図13を参照しながら具体的に説明する。
図13は、実施の形態における通信端末300の動作の一例を示すフローチャートである。
【0091】
まず、
図13を参照する。通信端末300の制御部320は、地図アプリを起動するか否かを判定し(S31)、地図アプリを起動しないと判定した場合(S31でNo)、ステップS31を繰り返す。一方、制御部320は、地図アプリを起動すると判定した場合(S31でYes)、地図アプリを起動し(
図11のS13)、位置情報などを含む地図情報を要求する信号(以下、位置情報等要求)をサーバ200に送信する(
図11のS14、
図13のS32)。
【0092】
サーバ200は、通信端末300から位置情報等要求を受信すると、記憶部230から自律走行型掃除機100の位置情報などを含む地図情報を読み出し(不図示)、読み出された位置情報などを含む地図情報を通信端末300に送信する(S15)。
【0093】
図13に示されるように、通信端末300の制御部320は、地図情報を受信したか否かを判定し(S33)、地図情報を受信していないと判定した場合(S33でNo)、エラーが発生したと判定し(S34)、ステップS31に戻る。
【0094】
一方、制御部320は、地図情報を受信したと判定した場合(S33でYes、
図11のS16)、受信した地図情報を記憶部330に格納する(S35)。
【0095】
次に、
図11に示されるように、通信端末300は、受信した地図情報に基づいて、掃除対象エリアの地図を複数のグリッドセルに分割し、自律走行型掃除機100によって吸引されたゴミの量に応じて複数のグリッドセルのそれぞれの色を変化させた地図を作成し(S17)、当該地図を表示部350に表示させる(S17、
図13のS36)。
【0096】
次に、
図13に示されるように、制御部320は、ユーザによる入力操作が受け付けられたか否かを判定し(S37)、入力操作が受け付けられていないと判定された場合(S37でNo)、ステップS37を繰り返す。
【0097】
一方、制御部320は、ユーザによる入力操作が受け付けられたと判定された場合(S37でYes)、操作に応じた表示を行う(S38)。以下、具体的な操作および表示例については、図面を参照しながら説明する。
【0098】
[第1例]
第1例では、掃除の終了後、通信端末300の表示部350に、掃除の履歴マップが表示される例を説明する。
図14は、表示画面の一例を示す図である。
【0099】
ユーザが通信端末300でアプリを起動すると、例えば、
図14に示されるように、通信端末300の表示部350には、ステップS17で作成された地図が掃除の履歴マップとして表示される。
【0100】
この地図は、掃除対象エリアの地図を複数のグリッドセルに分割し、自律走行型掃除機100によって吸引されたゴミの量に応じて複数のグリッドセルのそれぞれの色を変化させている。色の変化は、単色の色(グレースケールも含む)のグラデーションであってもよいし、例えばゴミの量が多いほど赤に近づき、ゴミの量が少ないほど青に近づくなど、ゴミの量に応じて異なる色への段階的な変化であってもよい。ユーザは、この色を見ることにより、どの場所にどれくらいの量のゴミが存在していたかを知ることができる。
【0101】
表示部350には、地図を表示している領域より下の領域に複数の棒グラフが表示されている。各棒グラフは、それぞれ1回の掃除で自律走行型掃除機100により吸引されたゴミの総量を示している。棒グラフの横軸は日時を示しており、右側に表示されている棒グラフほど古い棒グラフであり、左に表示されている棒グラフほど最近の棒グラフを示している。掃除機100が掃除を実行すると、自律走行型掃除機100により吸引されたゴミの総量を示す棒グラフが、画面左側に追加されて表示される。また、棒グラフの縦軸はゴミの量を示している。棒グラフの高さが高いほど、1回の掃除で自律走行型掃除機100により吸引されたゴミの総量が多いことを示している。
【0102】
表示部350には、手のアイコンで表現されているカーソルが地図と共に表示されている。ユーザは、このカーソルを移動させることにより、所望の処理を指示することができる。例えば、ユーザがカーソルを移動させることにより、画面下に表示されている棒グラフを選択すると、選択された棒グラフに対応する地図が画面上側に表示される。
【0103】
表示された地図には、掃除した領域の壁、障害物、および、複数のグリッドセルが表示されている。また、各グリッドセルでは先ほど述べたように、自律走行型掃除機100により吸引されたゴミの量に応じて色を異ならせて表示している。なお、各セルの内、白色に表示されたセルは、自律走行型掃除機100により吸引されたゴミの量がなかった(つまり、検出限界以下であった)領域、または、掃除機100が走行しなかった領域を示している。例えば、地図上には、過去に掃除機100が走行した走行軌跡(移動軌跡ともいう)を線等で表示させてもよいし、充電台のアイコンを表示させてもよい。
【0104】
表示部350は、このような履歴マップだけでなく、ゴミ累計マップを表示することも可能である。ゴミ累計マップには、複数回の掃除で自律走行型掃除機100により吸引されたゴミの量の累計を表示される。例えば、ゴミ累計マップは、直近の掃除で自律走行型掃除機100により吸引されたゴミの量の情報と、それ以前の掃除で掃除機100により吸い込まれゴミの量の情報とを、足し合わせて表示することができる。したがって、ゴミ累計マップには、グリッドセル毎に複数回の掃除で自律走行型掃除機100により吸引されたゴミの量の累計が色で表示されることになる。表示部350は、履歴マップとゴミ累計マップとを切り替えて表示するが、これらの2つの地図を同時に表示してもよい。
【0105】
ユーザが「このゴミ分布をゴミ累計マップに加える」を有効にする入力操作を行うと、現在表示されている地図のゴミ分布を既に記憶されているゴミ累計マップの情報に加える。
【0106】
ユーザが、例えば、表示された複数の棒グラフのいずれかをタッチすると、タッチされた棒グラフを選択する指示が入力部340に入力され、当該棒グラフが示すゴミの量がゴミ累計マップに追加されてもよい。
【0107】
ゴミの量をゴミ累計マップに追加する方法は、上記の例に限られない。例えば、ユーザが履歴マップ内の複数の領域のいずれかをタッチすると、タッチされた領域を選択する指示が入力部340に入力され、当該領域で自律走行型掃除機100によって吸引されたゴミの量がゴミ累計マップに追加されてもよい。
【0108】
また、例えば、1週間単位、または、1か月単位でゴミの量をゴミ累計マップに追加する場合、カレンダーを表示して、カレンダー上で累計を開始する日と終了する日とを選択してもよいし、曜日を選択してもよいし、週、または、月を選択してもよい。
【0109】
これにより、ユーザが短期間の累計か長期間の累計かをユーザが選択可能であるため、利便性が向上する。
【0110】
[第2例]
第2例では、通信端末300の表示部350に、自律走行型掃除機100の掃除強度(以下、掃除レベルともいう)を設定する設定画面が表示される例について説明する。
図15は、掃除レベルの設定画面の一例を示す図である。
図15の(a)は、自律走行型掃除機100の掃除レベルを設定する画面の一例である。
【0111】
掃除強度(掃除レベル)とは、掃除をどれくらい念入りに行うかを示すレベルであり、掃除レベルが高い程、自律走行型掃除機100は念入りに掃除を行う。念入りに掃除を行う場合には、例えば、吸引力を上げる動作、走行速度を落とす動作、ブラシの回転速度を上げる動作、または、掃除機を同じ個所を往復させる動作などを実行する。念入りに掃除を行う際には、これらの動作のうち1つの動作を実行してもよいし、いずれか複数の動作を実行してもよい。
【0112】
一方、掃除レベルが低い程、自律走行型掃除機100は簡単に掃除を行う。簡単に掃除を行う場合には、掃除レベルが高い場合に比べ、例えば、吸引力を下げる動作、走行速度を上げる動作、または、ブラシの回転速度を下げる動作などを実行する。簡単に掃除を行う際には、これらの動作のうち1つの動作を実行してもよいし、いずれか複数の動作を実行してもよい。
【0113】
図15の(a)に示されるように、ユーザが設定画面で「掃除レベル」を選択すると、掃除レベルを変える閾値を設定する設定画面が表示部350に表示され、ユーザは、画面上の矢印を右または左に移動させることにより、閾値を設定することが可能である。なお、掃除レベルが中(普通)および強(しっかりめ)の2段階である場合を例に説明する。
【0114】
例えば、
図15の(a)に示すようにゴミ量レベルが6段階で表示され、ゴミ量が多い段階から少ない段階までをそれぞれ6~1とした場合、段階4と段階3の間に矢印を移動させて、段階4と段階3の間を、掃除レベルを切り替える閾値とするように設定することができる。
【0115】
この場合、自律走行型掃除機100が掃除を行っている際に、ゴミセンサ63が検知したゴミの量が、各グリッドセルにおいて段階1~段階3に対応する領域を掃除するときは、掃除レベル「中(普通)」で当該領域の掃除を行う。すなわち、自律走行型掃除機100は、念入りに掃除を行わずに通常の掃除を行う。通常の掃除の動作としては、例えば、吸引モータ70の吸引力を通常のレベルとする。
【0116】
一方、自律走行型掃除機100が掃除を行っている際に、ゴミセンサ63が検知したゴミの量が、各グリッドセルにおいて段階4~段階6に対応する領域を掃除するときは、掃除レベル「強(しっかりめ)」で当該領域の掃除を行うる。すなわち、自律走行型掃除機100は、念入りに掃除を行う。この場合の動作としては、例えば、吸引モータ70の吸引力を通常のレベルよりも高くし、ゴミの吸引力を高める。
【0117】
このように、例えば、ユーザが画面上の矢印をゴミ量レベルが少なくなる方向に移動させると、現在の設定よりも少ないゴミの量で掃除レベルを中から強に切り替えるように設定される。一方、ユーザが画面上の矢印をゴミ量レベルが多くなる方向に移動させると、現在の設定よりも多いゴミの量で掃除レベルを中から強に切り替えるように設定される。
【0118】
第2例では、ユーザが、例えば、ゴミが多少多くても早めに掃除を終わらせたい場合には、地図が表示された画面上のカーソルをゴミ量レベルが多いグリッドセルの位置に移動させることにより、閾値をゴミ量レベルが高いグリッドセルで自律走行型掃除機100に吸引されたゴミの量に設定することが可能である。これにより、ゴミが多少多くても自律走行型掃除機100に通常の掃除を行わせ、早めに掃除を終了させることができる。
【0119】
一方、ユーザが、例えば、ゴミが少なくても自律走行型掃除機100に念入りに掃除をさせたい場合には、地図が表示された画面上のカーソルをゴミ量レベルが少ないグリッドセルに移動させることにより、閾値をゴミ量レベルが低いグリッドセルで自律走行型掃除機100に吸引されたゴミの量に設定することが可能である。これにより、ゴミが少なくても自律走行型掃除機100に掃除機レベル強で掃除を行わせ、念入りに掃除を行わせることができる。
【0120】
このように、ユーザは、簡単な操作で、自律走行型掃除機100に念入りに掃除させること、および、簡単に掃除させることを指示することが可能である。
【0121】
図15の(b)は、ゴミマップ(履歴マップおよびゴミ累計マップ)に表示されるゴミの量と、掃除レベルとの対応関係の一覧を表示する表示画面の一例である。
【0122】
例えば、
図15の(b)に示されるように、掃除レベルが1~3の3段階である場合、掃除レベルの1と2とを切り替える閾値を示す矢印と、掃除レベルの2と3とを切り替える閾値を示す矢印とがゴミ量レベルメータの上方に表示される。なお、掃除レベルの1と2とを切り替える閾値を示す矢印と、掃除レベルの2と3とを切り替える閾値を示す矢印は、同時にゴミ量レベルメータの上方に表示されてもよいし、例えば上下に並ぶ2つのごみ量レベルメータに個別に表示されてもよい。
【0123】
このとき、例えば、
図15の(b)の表示がポップアップ表示として
図15の(a)の表示に重畳されて表示されてもよい。
【0124】
これにより、ユーザは、掃除レベルに対応する自律走行型掃除機100の動作状態(例えば、吸引力、走行速度、走行動作、および、ブラシの回転速度など)を参照しながら、掃除レベルを切り替える閾値を設定することができる。したがって、ユーザが自身の意図にあった掃除レベルを認識しやすくなるため、掃除機システム400は、ユーザの好みに応じた掃除を行うことができる。
【0125】
なお、本実施の形態では、掃除レベルに対応する吸引力、走行速度、および、走行動作は工場出荷時から予め設定されている設定値となっているが、掃除レベルに対応する吸引力、走行速度、および、走行動作をユーザが自由に設定可能な構成としてもよい。また、掃除レベルが2段階または3段階である例で説明したが、掃除レベルは4段階以上であってもよい。
【0126】
また、本実施の形態では、自律走行型掃除機100が掃除を行っている際に、ゴミセンサ63が検知したゴミの量に応じて、掃除レベルを変える構成としているが、過去に作成した地図を参照し、過去に作成した地図の各グリッドセルのゴミ量に応じて掃除レベルを変える構成としてもよい。
【0127】
さらに、掃除レベルを切り替える閾値を設定する方法としては、例えば、
図15(a)において、ゴミ量レベルが6段階中6~4(図中のゴミ量レベルの多いから数えて3つめまで)を掃除レベル「強(しっかりめ)」と設定している状態で、ゴミ量レベルを示すバーに、ゴミ量レベル6~4を囲う枠を表示すると共に、その枠を黒く強調して表示してもよい。具体的には、例えば、ユーザが枠をタッチして左へスワイプすることで、ゴミ量レベル「強(しっかりめ)」の掃除を行う対象の領域(グリッドセル)をゴミ量レベル6および5(ゴミ量レベルを示すバーの左端から2つめまで)に指定することができる。このとき、当該枠は、ゴミ量レベルを示すバーの6および5を囲うように表示される。一方、例えば、ユーザが枠をタッチして右へスワイプすることで、ゴミ量レベル「強(しっかりめ)」の掃除を行う対象の領域(グリッドセル)をゴミ量レベル6~4(ゴミ量レベルを示すバーの左端から3つめまで)に指定することができる。このとき、当該枠は、ゴミ量レベルを示すバーの6~4を囲うように表示される。これにより、ユーザは、ゴミ量レベルの数値を囲う枠を左または右へ移動させることにより掃除レベル「強(しっかりめ)」をどのゴミ量レベルのグリッドセルで実行するかを容易に設定することができる。また、ユーザは、どのゴミ量レベルが枠で囲われているかを見るだけで、掃除レベル「強(しっかりめ)」がどのゴミ量レベルのグリッドセルに指定されているかを容易に認識することができる。
【0128】
また、ゴミ量レベルが6段階中1~3を掃除レベル「中(普通)」と設定している状態で、ゴミ量レベル1~3の3つの枠を囲うように枠を表示すると共に、その枠を黒く強調して表示し、先ほど述べた方法と同様に、ユーザが枠を右または左へ移動する操作を行って、掃除レベル「中(普通)」をどのゴミ量レベルで実行するか選択可能としてもよい。これにより、ユーザは、掃除レベル「中(普通)」をどのゴミ量レベルのグリッドセルで実行するかを容易に設定することができる、また、ユーザは、どのゴミ量レベルが枠で囲われているかを見るだけで、掃除レベル「中(普通)」がどのゴミ量レベルのグリッドセルに指定されているかを容易に認識することができる。
【0129】
なお、掃除レベル「強(しっかりめ)」で指定されたゴミ量レベルのグリッドセルの枠を太く強調して地図上に表示してもよいし、地図上の他のグリッドセルに比べて明るく表示させてもよいし、点滅して表示させてもよい。
【0130】
[第3例]
第3例では、通信端末300の表示部350に、自律走行型掃除機100の現在位置と通過した領域で吸引されたゴミの量とがリアルタイムに履歴マップ上に表示される例を説明する。
図16は、リアルタイムの掃除状態が表示される表示画面の一例を示す図である。
【0131】
上記の動作例では、自律走行型掃除機100は、掃除終了後に、掃除中に記憶部50に記憶した障害物の位置、自己位置、および、ゴミの量などの情報(いわゆる、地図情報)をサーバ200へ送信したが、所定時間毎に当該地図情報をサーバ200へ送信してもよい。
【0132】
これにより、通信端末300は、所定時間毎に自律走行型掃除機100の位置、および、ゴミの量などを履歴マップ上に表示して、ユーザに提示することができる。
【0133】
図16に示されるように、例えば、通信端末300は、自律走行型掃除機100が通過したグリッドセルの色を自律走行型掃除機100によって吸引されたゴミの量に応じて変化させた地図(いわゆる、履歴マップ)上に、自律走行型掃除機100の現在位置を示すアイコンを表示する。
【0134】
このとき、例えば、通信端末300は、自律走行型掃除機100が通過したグリッドセルのそれぞれにおけるゴミの量を示す棒グラフを履歴マップの下方に表示してもよい。掃除機のアイコンが表示されている棒グラフは、自律走行型掃除機100が直前に掃除した領域(より具体的には、履歴マップ上のグリッドセルに対応する領域)で吸引されたゴミの量を示している。なお、掃除機のアイコンは、表示されてもよいし、表示されなくてもよい。
【0135】
図16の例では、右端の棒グラフの下方に掃除機のアイコンが表示されているが、掃除機のアイコンの直上の棒グラフが最も新しく検知したゴミ量である。したがって、画面下の掃除機のアイコン上にある棒グラフのゴミの量と、地図上の掃除機のアイコンが位置するセル、または、掃除機のアイコンが位置するセルより1つ前に掃除機のアイコンが位置したセル)のゴミの量とが対応している。
【0136】
また、画面上に表示される複数の棒グラフは、右から左に向かって、過去に検知されたゴミの量を示しており、自律走行型掃除機100が掃除対象エリアを移動するにつれて、棒グラフが画面左から右へ順に作成されていく。
【0137】
これにより、ユーザは、自律走行型掃除機100により吸引されたゴミの量をリアルタイムに確認することができる。また、棒グラフと共に地図上の掃除機のアイコンが表示されるため、地図上のどの場所にゴミの量がどれくらいあるかをユーザは容易に確認することができる。
【0138】
また、第3例の構成に第2例の構成を適用することにより、ユーザがいつもの掃除よりもゴミの量が多いと感じた場合に、設定画面から掃除レベルを切り替える閾値の設定を変更することもできる。したがって、掃除機システム400は、ユーザの好みに応じた掃除を行うことができる。
【0139】
なお、第3例では、通信端末300は、表示部350にゴミの量を示す棒グラフを表示したが、棒グラフを表示せずに、自律走行型掃除機100の現在位置を示すアイコンの色をゴミの色に応じて変化させてもよい。
【0140】
また、
図16の棒グラフに関して、前回の掃除履歴の棒グラフと現在の掃除の棒グラフを同時に表示させても良い。これにより、前回の掃除結果と現在の掃除結果を比較することができる。
【0141】
[第3例の変形例1]
第3例の変形例1について説明する。
図17は、リアルタイムの掃除状態が表示される表示画面の他の例を示す図である。
【0142】
第3例の変形例1では、自律走行型掃除機100の前面または上面にカメラを搭載させ、自律走行型掃除機100の前方を撮影することが可能である。
【0143】
第3例の変形例1では、ユーザの入力操作に応じて自律走行型掃除機100の前方(つまり、進行方向)を映すカメラ画像が表示される。例えば、ユーザが「カメラ」ボタン(
図16参照)をタッチすると、通信端末300は、自律走行型掃除機100の前方のカメラ画像を履歴マップの下方に表示する。
【0144】
これにより、ユーザは、自律走行型掃除機100の現在位置をより明確に把握することができる。
【0145】
図17において、履歴マップ上に自律走行型掃除機のアイコンを表示させ、さらに、自律走行型掃除機100の向きに応じてアイコンの向きを変化させることにより、ユーザは、表示されているアイコンの向きとカメラ画像により、現在、自律走行型掃除機100がどの方向に向いており、さらに、自律走行型掃除機100が向いている方向には何が存在するか容易に知ることができる。
【0146】
また、
図17の履歴マップ上には障害物が表示されているにも関わらず、カメラ画像には障害物が表示されていない場合には、ユーザが履歴マップ上に表示されている障害物を削除することも可能である。例えば、ユーザが入力部340を操作することにより、履歴マップ上に表示されている障害物を消しゴムアイコンを用いて消去する、或いは、障害物を指で囲って消去する等の操作を行うことにより、消去することが可能である。
【0147】
一方、
図17の履歴マップ上には障害物が表示されていないにも関わらず、カメラ画像には障害物が表示されている場合には、ユーザが履歴マップ上に障害物を追加することも可能である。例えば、ユーザが入力部340を操作することにより、履歴マップ上に障害物のアイコンを置く、或いは、障害物を指で囲って障害物を置く等の操作を行うことにより、障害物を追加することが可能である。
【0148】
更に、障害物の種類に対応するアイコン(例えば、服、コード、テーブル、椅子、椅子等の脚、ゲーム機、アイロン、掃除機等)を複数予め通信端末300の記憶部330内に用意し、ユーザがこれらのアイコンの内、所望のアイコンを履歴マップ上に選択して置くことも可能である。壁や扉等の障害物は移動できないため、これら障害物のアイコンは、ユーザが移動することができるものが考えられる。勿論、壁や扉等の障害物もユーザが履歴マップ上に追加できる構成にしても良い。
【0149】
自律走行型掃除機100が初めてその部屋の履歴マップを作成する場合には、壁や扉等の障害物のアイコンを使用することも考えられるが、同じ部屋を掃除した際に障害物を追加する場合には、恐らくユーザが移動することができる障害物のアイコンが使用される。
【0150】
また、ユーザが、通信端末300の入力部340を操作することにより、今まで自動的に自律走行型掃除機100が掃除を行っていた動作を、強制的に手動で動かすようにしても良い。ユーザがカメラで撮影した画像を見ながら、重点的に掃除を行いたい場所を発見すると、入力部340を操作することにより、自律走行型掃除機100を強制的にユーザの操作により動かし、重点的に掃除を行いたい場所に自律走行型掃除機100を移動させて掃除を行うことができる構成としても良い。この場合、自律走行型掃除機100を強制的に移動させることを開始した地点を記憶しておき、律走行型掃除機100を強制的に移動させる操作が終了すると、記憶させた地点に自律走行型掃除機100を移動させて、再度自律走行型掃除機100を予め設定された走行ルート或いは走行パターンにより掃除を再開させる構成としても良い。
【0151】
このような機能は、カメラで撮影した画像を表示する実施形態に限らず、履歴マップやグラフ等を表示させた実施形態でも実施可能である。履歴マップと自律走行型掃除機100の現在位置を表示する実施形態では、ユーザが履歴マップを見ながら、自律走行型掃除機100の現在位置から、強制的に自律走行型掃除機100を移動させ、障害物等を回避しながら掃除を行うことが可能である。勿論、この時、ユーザの操作に応じて自律走行型掃除機100の現在位置と移動した経路等は履歴マップに表示される。
【0152】
図17において、ユーザの操作に基づいて、履歴マップの表示だけに切り替えるようにしても良いし、カメラで撮影した画像だけに切り替えるようにしても良い。
【0153】
図17に示されるように、ユーザが「戻る」ボタンをタッチすると、
図16に示される棒グラフが表示される画面に切り替わる。
【0154】
これにより、ユーザは、ゴミの量が多い箇所をカメラ画像で確認して、掃除レベルを切り替える閾値の設定を変更するか否かの判断の参考にすることができる。
【0155】
尚、表示されるカメラ画像は、自律走行型掃除機100前方だけではなく、360度表示させる構成としても良いし、複数の角度で撮影した画像を分割或いは合成して表示する構成としても良い。
【0156】
[第3例の変形例2]
第3例および第3例の変形例1では、リアルタイムに掃除状態が表示される例を説明したが、第3例の変形例2では、掃除終了後の掃除状態が表示される例を説明する。
【0157】
図示していないが、例えば、第3例の変形例2では、通信端末300の表示部350に、掃除終了後の履歴マップが表示され、ユーザが履歴マップをタッチすると、タッチした箇所で撮影された自律走行型掃除機100の前方のカメラ画像が表示される。
【0158】
この場合、撮影された画像と各グリッドセルの位置情報とを対応付けて自律走行型掃除機100または通信端末300が保持してもよいし、サーバ300が保持してもよい。例えば、撮影された画像の識別番号と当該画像が撮影された位置情報を地図情報に含めることで、通信端末300は、地図および画像を表示部350に表示する際に、地図上の指定された位置に対応する画像をサーバ300から取得してまたは記憶部330から読み込んで表示する構成としてもよい。
【0159】
これにより、ユーザは、掃除対象エリアにおいてゴミの量が多い場所の状態を、履歴マップに表示される色と、カメラ画像とで確認することで、ゴミの量が多い場所をより明確に把握することができる。
【0160】
なお、上記の全ての表示例において、履歴マップに表示される複数のグリッドセルのサイズは、ユーザの指示に従って、適宜変更されてもよい。例えば、複数のグリッドセルのサイズは、それぞれ所定のサイズであってもよいし、異なるサイズであってもよい。例えば、ユーザは、ゴミの量の分布を詳しく確認したい場合、例えば、複数のグリッドセルのサイズを1m×1mから50cm×50cmに変更する指示を入力してもよい。この場合、通信端末300は、ユーザの指示に従って、履歴マップに表示される複数のグリッドセルのサイズを変更して表示部350に表示してもよい。また、例えば、ユーザが掃除対象エリアの中で特に細かくゴミの量の分布を確認したい場所があれば、その場所を指定して、他の場所よりもグリッドセルのサイズを小さくする指示を入力してもよい。この場合、通信端末300は、ユーザにより指定された場所に位置するグリッドセルのサイズを小さくして表示部350に表示してもよい。
【0161】
これにより、ユーザがゴミの量の分布をどの程度把握したいかのレベルに応じて、表示を変更することができるため、掃除を徹底的に行う場所とそうでない場所とをユーザが判断しやすくなる。したがって、掃除機システム400は、ユーザの好みに応じた掃除を行うことができる。
【0162】
[第3例の変形例3]
変形例3は、自律走行型掃除機100のカメラにより撮影した画像から、動く物体或いは人間等を検知すると、その旨を通信端末300に通知するものである。
【0163】
自律走行型掃除機100の制御部40は、カメラで撮影した画像から、画像解析等により動く物体或いは人間等を検知すると、通信部30を制御することにより、サーバ200を介して通信端末300に動く物体或いは人間等を検知したことを通知する。通信端末300の制御部320は、通信部310からその通知を受信したと判定すると、例えば、表示部に「侵入者有り」といったテキストデータを表示させる。
【0164】
通信端末300が例えば、スマートフォン等の場合には、所謂待ち受け状態でこのような通知を受信すると、表示部350にテキストデータを自動的に表示させる。また、テキストデータの表示による通知に限らず、音声による通知やバイブレータによる筐体の振動による通知を行ってもよい。
【0165】
また、通話中である場合には、制御部320が、通話が終了したと判定すると、自動的に表示部350にテキストデータを表示させても良いし、通話中或いは通話後にバイブレータによる筐体の振動により通知を行う構成としても良い。
【0166】
更に、このような通知と共にカメラで撮影した画像を表示部350に表示させても良いし、通知後にユーザの操作に基づいてカメラで撮影した画像を表示部350に表示させても良い。
【0167】
このような動く物体或いは人間等の検知は、カメラ画像による検知に限らず、例えばLIDAR等の他のセンサを用いても良い。
【0168】
[第4例]
第4例では、通信端末300の表示部350に、自律走行型掃除機100が自動的に掃除を開始する時刻等を設定するための設定画面が表示され、ユーザが設定画面で掃除のスケジュールの予約(いわゆる、掃除予約)を設定する例について説明する。
図18は、掃除予約の設定画面の一例を示す図である。
【0169】
ユーザは、情報端末300の表示画面(表示部350)に表示される設定項目をタッチすることにより、自律走行型掃除機100が自動的に掃除を開始する時刻等を設定することができる。
【0170】
まず、ユーザは、掃除対象エリアの地図を設定した後、例えば、
図18に示されるように、掃除予約を設定する。
【0171】
掃除対象エリアの地図の設定では、ユーザは、掃除対象エリアの地図を選択し、当該地図上に自律走行型掃除機100が掃除するエリア、および、自律走行型掃除機100が掃除しないエリアを指定することで、掃除対象エリアの地図を設定してもよい。また、例えば、ユーザは、掃除対象エリアの地図、または、自律走行型掃除機100が掃除するエリアおよび掃除しないエリアが設定された掃除対象エリアの地図を記憶部50から読み出して選択することで、掃除対象エリアの地図を設定してもよい。
【0172】
掃除予約の設定では、ユーザは、まず、掃除予約の種類を選択する。例えば、
図18に示されるように、掃除予約の種類は、設定した時間に掃除対象エリアの掃除を1回のみ実行する「1回のみの設定」、および、設定した曜日および時間に掃除対象エリアの掃除を繰り返し実行する「くりかえし設定」である。ユーザは、表示画面に表示された矢印をタッチしてスライドさせることで、掃除予約の種別を設定してもよいし、所望の掃除予約の種類を示す項目をタッチすることで、掃除予約の種別を設定してもよい。
図18の例では、ユーザは、掃除予約の種類として、「1回のみの設定」を選択する。
【0173】
次に、ユーザは、自律走行型掃除機100が自動的に掃除を開始する時刻(以下、掃除開始時刻ともいう)を設定する。図中の開始時刻が掃除開始時刻に対応する。例えば、
図18に示されるように、ユーザは、表示画面(表示部350)に表示された開始時刻のプルダウンメニューで所望の時刻(ここでは、14:00)を設定する。
【0174】
このように、ユーザが掃除予約の種類として1回のみの設定を選択し、掃除開始時刻を設定すると、自律走行型掃除機100は、ユーザにより設定された、掃除対象エリアの地図、掃除予約の種類および掃除開始時刻などの設定内容を記憶部50に記憶させる。
【0175】
自律走行型掃除機100は、設定された掃除開始時刻(ここでは、14:00)になると自動的に掃除対象エリアの掃除を開始する。自律走行型掃除機100は、掃除対象エリアの掃除を終了すると、設定内容をリセットする。つまり、自律走行型掃除機100が14:00に掃除対象エリアの掃除を開始する設定をリセットするため、当該設定は自動的に解除される。したがって、1回のみの設定では、自律走行型掃除機100は、ユーザが設定した時刻に1回のみ自動的に掃除を行うことが可能である。
【0176】
なお、「1回のみの設定」では、掃除開始時刻に加えて、日付が設定されてもよい。これにより、ユーザは、掃除の当日よりも前に余裕をもって掃除予約を設定することができるため、利便性が向上する。
【0177】
続いて、「くりかえし設定」について説明する。ユーザは、掃除対象エリアの地図を設定した後に、掃除予約の種類として、「くりかえし設定」を選択すると、自律走行型掃除機100が掃除を行う日と、掃除開始時刻とを設定する。自律走行型掃除機100が掃除を行う日は、具体的な日にちが指定されてもよいが、例えば、平日(例えば、月曜日から金曜日まで)および休日(例えば、土日祝日)、または、平日、土日、および、祝日のように大まかな区分で指定されてもよいし、曜日で指定されてもよい。例えば、
図18に示されるように、ユーザは、「くりかえし設定」を選択して、平日の所定の時刻(例えば、15:00)に自律走行型掃除機100が自動的に掃除対象エリアの掃除を行うように「くりかえし設定」で設定してもよい。
図18では、表示画面(表示部350)に1つの「くりかえし設定」の設定内容が表示されているが、複数の「くりかえし設定」の設定内容が表示されてもよい。つまり、ユーザは、平日と休日とで異なる掃除予約を設定してもよいし、曜日ごとに異なる掃除予約を設定してもよい。この場合、「くりかえし設定1」および「くりかえし設定2」のように、数字が付されることで、個々の設定内容が区分されてもよい。
【0178】
なお、第4例では、ユーザは、掃除開始時刻を設定する例を説明したが、この例に限られない。例えば、ユーザは、自律走行型掃除機100が掃除を開始するまでの時間(以下、掃除開始時間ともいう)を設定してもよい。例えば、ユーザが掃除開始時間を1時間後に設定すると、自律走行型掃除機100は、当該時間が設定されてから1時間後に自動的に掃除を開始する。
【0179】
以上のように、ユーザが通信端末300を用いて、上記の掃除予約の種類、掃除開始時刻(または、掃除開始時間)、および、掃除を行う日等の設定操作を行うと、通信端末300の制御部320は、設定操作により設定された設定内容を、通信部310を介して自律走行型掃除機100に送信する。自律走行型掃除機100の制御部40は、通信端末300から送信された設定内容を、通信部30を介して取得し、取得した設定内容を記憶部50に記憶する。自律走行型掃除機100の制御部40は、記憶部50に記憶された設定内容に基づいて、自律走行型掃除機100が設定された時刻に掃除を開始するように自律走行型掃除機100の動作を制御する。
【0180】
[第4例の変形例1]
なお、第4例では、ユーザが掃除対象エリアの地図を設定した後、掃除予約を設定する例を説明したが、ユーザは、掃除対象エリアの地図を設定せずに、掃除予約を設定してもよい。例えば、掃除対象エリアの地図および地図に含まれる情報(いわゆる、地図情報)が自律走行型掃除機100の記憶部30に保存されていない場合、自律走行型掃除機100は、設定され時刻になると、充電台から離脱して、掃除対象エリアの壁および障害物に沿って走行しながら掃除を行い、充電台に帰着すると、掃除を終了してもよい。
【0181】
[第4例の変形例2]
なお、第4例および第4例の変形例1では、ユーザが通信端末300を用いて掃除予約の設定を行う例を説明したが、ユーザは、自律走行型掃除機100の本体1に搭載された入力部35を用いて掃除予約の設定を行ってもよい。入力部35は、例えば、自律走行型掃除機100の本体1に搭載されたタッチパネル式の液晶表示装置であり、
図18に示されるように、通信端末300の表示部350と同様の構成としてもよい。また、例えば、自律走行型掃除機100の本体1に液晶表示装置を配置するスペースがない場合には、入力部35は、本体1に搭載されたリモコンであってもよいし、本体1に配置された複数のキー(いわゆる、物理ボタン)の集合であってもよい。この場合、入力部35は、ユーザが複数のキーのいずれかを押下する等の入力操作を受け付ける。
【0182】
続いて、
図19を参照しながら、入力部35の構成について説明する。
図19は、自律走行型掃除機100の入力部35の構成の一例を示す図である。
【0183】
予約キーは、自律走行型掃除機100が所定の時刻または所定の時間後に自動的に掃除を行うようにする掃除開始時刻または掃除開始時間を設定するためのキーである。例えば、ユーザが予約キーを3秒以上長押しすると、掃除開始時刻または掃除開始時間の設定が開始される。
【0184】
毎日キーは、自律走行型掃除機100が毎日所定の時刻に掃除を行うように設定するためのキーである。例えば、ユーザが予約キーを3秒以上長押しした後に、掃除開始時刻または掃除開始時間を入力し、毎日キーを押下すると、入力された時刻に毎日掃除を行うように掃除予約が設定される。
【0185】
複数(例えば3つ)の7セグメントLED(Light Emitting Diode)は、自律走行型掃除機100が自動的に掃除を開始する時刻(いわゆる、掃除開始時間)、または、掃除を開始するまでの時間(いわゆる、掃除開始時間)を設定する際に、設定された掃除開始時刻または掃除開始時間等を表示する。
図19の例では、入力部35は、7セグメントのLEDを3つ備えているが、4つ以上備えてもよいし、7セグメントLEDに代わり、液晶表示装置を備えてもよい。設定された掃除開始時刻または掃除開始時間を7セグメントLEDで表示する場合、7セグメントLEDは3つよりも4つ存在した方が時刻を表現し易い。
【0186】
上下キーは、ユーザが掃除開始時刻または掃除開始時間を設定する際に使用される。7セグメントLEDに地図の種類(例えば、M1~M3)が表示される場合、上下キーは、掃除対象エリアの地図の選択に使用され、ユーザが上下キーを操作することで、掃除対象エリアの地図を選択する。
【0187】
マップ作成キーは、ユーザが、自律走行型掃除機100に掃除対象エリアの地図を作成するように指示する際に使用される。
【0188】
遠隔操作キーは、無線通信によりスマートフォン等の通信端末300から自律走行型掃除機100を遠隔操作可能な状態にする際に使用される。
【0189】
リセットキーは、他のキーを押下して設定された設定内容をリセットするためのキーである。設定内容は、例えば、自律走行型掃除機100が所定の時刻等に自動的に掃除を行うように設定された情報等であるが、他に設定されている項目であってもよい。
【0190】
シャットダウンキーは、自律走行型掃除機100の電源を落とすためのキーである。シャットダウンキーとは別に、自律走行型掃除機100の電源を入れるためのキーが設けられているが、1つのキーで、自律走行型掃除機100の電源をオンオフさせるように構成されてもよい。
【0191】
スタートストップキーは、ユーザが自律走行型掃除機100に掃除を開始させる指示と、停止させる指示とを入力するためのキーである。例えば、ユーザがスタートストップキーを1回押下すると、自律走行型掃除機100に掃除を開始させる指示が入力され、ユーザがスタートストップキーをもう1回押下すると、自律走行型掃除機100に掃除を停止させる指示が入力される。
【0192】
続いて、
図19に示される入力部35を用いて、掃除予約を設定する際のユーザの操作について説明する。
【0193】
まず、ユーザが、例えば3秒以上、予約キーを長押しすると、自律走行型掃除機100は掃除予約の設定動作を開始する。
【0194】
次に、ユーザは、7セグメントLEDの右隣に配置された上下キーを操作して、自律走行型掃除機100が掃除を開始する時刻(いわゆる、掃除開始時刻)を設定する。
【0195】
次に、ユーザは、上記の掃除開始時刻に掃除対象エリアを毎日掃除したい場合には、毎日キーを押下する。一方、ユーザが上記の掃除開始時刻に掃除対象エリアを1回のみ掃除したい場合には、毎日キーを押下せず、予約キーを押下する。これにより、掃除予約の設定が完了する。
【0196】
なお、ユーザは、掃除予約の設定を解除したい場合には、リセットボタンを押下することにより、当該設定を解除することができる。
【0197】
以上のように、ユーザは、自律走行型掃除機100の本体1に搭載された入力部35を操作することにより、自律走行型掃除機100が掃除対象エリアの掃除を開始する時刻(いわゆる、掃除開始時刻)または掃除を開始するまでの時間(いわゆる、掃除開始時間)、および、掃除頻度(例えば、毎日または1回のみ)を設定することができる。
【0198】
さらに、ユーザは、入力部35を操作することにより、自律走行型掃除機100が掃除を終了する時刻を設定してもよいし、自律走行型掃除機100が掃除を行う日を設定してもよい。なお、自律走行型掃除機100が掃除を行う日は、平日(月曜日~金曜日)、休日(土日祝日)、土日、祝日、曜日、または、日付で設定されてもよい。
【0199】
なお、この掃除予約の設定が行われた後に、ユーザがスタートストップキーを押下することにより、掃除予約の設定に関係なく自律走行型掃除機100が掃除を開始してもよいし、通信端末300からの遠隔操作により自律走行型掃除機100が掃除を開始してもよい。一方、例えば、オフィスおよび工場等のように人が活動する時間帯が大体決まっている場所では、自律走行型掃除機100が夜中に自動的に掃除を開始するように掃除開始時刻が設定される場合が多い。このような場所で、掃除予約で設定された時刻(例えば夜間)以外にユーザの操作ミス等により自律走行型掃除機100が掃除を開始すると、自律走行型掃除機100が人の移動の妨げになる場合がある。このような理由から、掃除予約が設定された後には、自律走行型掃除機100は、スタートストップキーの操作による掃除開始指示の受け付け、通信端末300からの遠隔操作の受け付け、および、掃除対象エリアの地図の作成等の動作を禁止してもよい。自律走行型掃除機100をこのような構成とすることにより、人が活動する時間帯に自律走行型掃除機100が掃除を行うため、自律走行型掃除機100が人の活動を妨げるといった事態をできるだけ回避することができる。
【0200】
続いて、自律走行型掃除機100の動作について説明する。
図20は、実施の形態における自律走行型掃除機の動作の他の例を示すフローチャートである。
【0201】
ステップS41では、自律走行型掃除機100の制御部40は、掃除予約の設定の指示を取得したか否かを判定し、掃除予約の設定の指示を取得していないと判定すると(ステップS41でNo)、ステップS41の処理に戻る。一方、制御部40は、掃除予約の設定の指示を取得したと判定すると(ステップS41でYes)、設定の指示と共に取得した設定内容を記憶部30に記憶させる(ステップS42)。設定内容は、例えば、掃除予約の種類、自律走行型掃除機100が掃除するエリアおよび自律走行型掃除機100が掃除しないエリアが設定された掃除対象エリアの地図、自律走行型掃除機100が掃除対象エリアを掃除する日、および、掃除開始時刻(または掃除開始時間)等である。なお、掃除予約の設定の指示および設定内容は、通信部30を介して、通信端末300から取得されてもよいし、自律走行型掃除機100の本体1に搭載された入力部35に入力されて取得されてもよい。
【0202】
ステップS42では、自律走行型掃除機100の制御部40は、ステップS41で取得した設定内容を記憶部50に記憶させる。例えば、自律走行型掃除機100の制御部40は、通信部30を介して通信端末300から受信した、掃除を開始する時刻の情報等(いわゆる、設定内容)を記憶部50に記憶させると共に、記憶部50に設定を行ったか否かを示すフラグをオンする。
【0203】
ステップS43では、自律走行型掃除機100の制御部40は、待機状態になる。この状態では、自律走行型掃除機100の制御部40は、入力部35への入力操作および無線の受信等を待っている状態であり、LIDAR6等のセンサおよび駆動部71、72等は停止した状態である。これにより、自律走行型掃除機100は、バッテリーの電力消費をできるだけ抑えることができる。
【0204】
ステップS44では、自律走行型掃除機100の制御部40は、制御部40のタイマー部が計時している時刻が、ステップS41で制御部40により取得され、かつ、ステップS42で記憶部30に保存された掃除開始時刻になると(ステップS44でYes)、ステップS45で掃除対象エリアの掃除を開始し、そうでなければステップS47の処理に進む。
【0205】
ステップS45では、自律走行型掃除機100の制御部40は、設定内容に基づいて、掃除を開始する。例えば、自律走行型掃除機100の制御部40は、吸引モータ70の駆動を開始させ、LIDAR6等の各種センサによる障害物等の検知を開始させ、駆動部71,72を制御することにより自律走行型掃除機100の移動を開始する。なお、このとき、自律走行型掃除機100は、例えば、予め、記憶部50に記憶されている掃除対象エリアの地図に従って掃除を行う。
【0206】
ステップS46では、自律走行型掃除機100の制御部40は、掃除対象エリアの掃除が終了したと判定すると(ステップS46でYes)、ステップS43の処理に戻る。より具体的には、例えば、自律走行型掃除機100の制御部40は、掃除対象エリアの地図に予め設定された、自律走行型掃除機100が掃除するエリア(掃除すべき領域)が全て掃除されたと判定すると、掃除対象エリアの掃除が終了したと判定する。
【0207】
ステップS47では、自律走行型掃除機100の制御部40は、ステップS41で取得され、かつ、ステップ42で記憶部30に記憶された設定内容を解除する指示を取得したと判定した場合(ステップS47でYes)、ステップS48で、記憶部50に記憶されている設定のフラグをオフとし、設定を解除する。一方、ステップS47では、自律走行型掃除機100の制御部40は、ステップS41で取得され、かつ、ステップ42で記憶部30に記憶された設定内容を解除する指示を取得していないと判定した場合(ステップS47でNo)、ステップS44の処理に戻る。
【0208】
なお、自律走行型掃除機100が待機状態から掃除開始時刻の所定の時間前(例えば5分前)に待機状態を解除してLIDAR6等のセンサの駆動を開始してもよい。掃除を開始する前に自律走行型掃除機100自身が現在どの場所に位置するかを確認するために、LIDAR6等のセンサを用いて周囲の障害物の情報を得ることが必要な場合もあるからである。
【0209】
また、自律走行型掃除機100が掃除を完了してから所定の時間後(例えば5分後)に待機状態となってもよい。
【0210】
自律走行型掃除機100は、ユーザにより予め設定された時刻になると、自動的に掃除を開始するため、ユーザの所望の時間帯に自律走行型掃除機100が掃除対象エリアの掃除を行うことができ、利便性が向上する。また、所定の時刻になるまでの待機状態では、LIDAR6等のセンサおよび駆動部71,72等が停止した状態であるため、自律走行型掃除機100は、バッテリーの電力消費をできるだけ抑えることができる。
【0211】
また、上記の待機状態中に、自律走行型掃除機100の電源を落としたとしても、予め設定された所定の時刻になると自動的に電源が入るため、自律走行型掃除機100は、設定された時刻に掃除を開始することができる。さらに、自律走行型掃除機100は、掃除終了後に、自動的に待機状態となる。
【0212】
なお、掃除予約を設定した時間帯が夜間から早朝(例えば、22:00-6:00)である場合には、ユーザは、自律走行型掃除機100のスピーカから出力される音量を低下させるか、スピーカから音を出さないように設定してもよい。これにより、自律走行型掃除機100は、住居内で夜間に自律走行型掃除機100を動かす際に、自律走行型掃除機100のスピーカから出力される音によりユーザの睡眠が妨げられることを極力回避することができる。
【0213】
具体的には、例えば、自律走行型掃除機100の制御部40は、自律走行型掃除機100に搭載された入力部35または通信端末300からの遠隔操作により、夜間または早朝に音を出力しないようにするモード(消音モード)の設定が行われたと判定すると、この設定内容を記憶部50に記憶させ、制御部40のタイマー部が計時している時刻が、夜間または早朝(例えば、22:00-6:00)に掃除を行う場合に、制御部40は、スピーカから音が出力されるのを禁止する。
【0214】
[第5例]
第5例では、自律走行型掃除機100が掃除対象エリアの掃除を開始する時刻と終了する時刻とを設定し、掃除を終了する時刻になると自律走行型掃除機100が充電台に帰着していなくても掃除を終了し、充電台に向かって走行する例を説明する。この場合、自律走行型掃除機100は、次回、所定の時刻になると、前回掃除できなかった領域に向かい、当該領域から掃除を再開してもよい。これにより、自律走行型掃除機100は掃除対象エリア(例えば、部屋)の隅々まで掃除を行うことができる。
【0215】
次に、
図20を参照しながら、自律走行型掃除機100の動作について説明する。
【0216】
ステップS41では、自律走行型掃除機100の制御部40は、掃除予約の設定の指示を取得したか否かを判定し、掃除予約の設定の指示を取得していないと判定すると(ステップS41でNo)、ステップS41の処理に戻る。一方、制御部40は、掃除予約の設定の指示を取得したと判定すると(ステップS41でYes)、設定の指示と共に取得した設定内容を記憶部30に記憶させる(ステップS42)。設定内容は、例えば、掃除予約の種類、自律走行型掃除機100が掃除するエリアおよび自律走行型掃除機100が掃除しないエリアが設定された掃除対象エリアの地図、自律走行型掃除機100が掃除対象エリアを掃除する日、および、掃除開始時刻(または掃除開始時間)等である。なお、掃除予約の設定の指示および設定内容は、通信部30を介して、通信端末300から取得されてもよいし、自律走行型掃除機100の本体1に搭載された入力部35に入力されて取得されてもよい。
【0217】
ステップS42では、自律走行型掃除機100の制御部40は、ステップS41で取得した設定内容を記憶部50に記憶させる。例えば、自律走行型掃除機100の制御部40は、通信部30を介して通信端末300から受信した、掃除を開始する時刻の情報等(いわゆる、設定内容)を記憶部50に記憶させると共に、記憶部50に設定を行ったか否かを示すフラグをオンする。
【0218】
ステップS43では、自律走行型掃除機100の制御部40は、待機状態になる。この状態では、自律走行型掃除機100の制御部40は、入力部35への入力操作および無線の受信等を待っている状態であり、LIDAR6等のセンサおよび駆動部71、72等は停止した状態である。これにより、自律走行型掃除機100は、バッテリーの電力消費をできるだけ抑えることができる。
【0219】
ステップS44では、自律走行型掃除機100の制御部40は、制御部40のタイマー部が計時している時刻が、ステップS41で制御部40により取得され、かつ、ステップS42で記憶部30に保存された掃除開始時刻になると(ステップS44でYes)、ステップS45で掃除対象エリアの掃除を開始し、そうでなければステップS47の処理に進む。
【0220】
ステップS45では、自律走行型掃除機100の制御部40は、設定内容に基づいて、掃除を開始する。例えば、自律走行型掃除機100の制御部40は、吸引モータ70の駆動を開始させ、LIDAR6等の各種センサによる障害物等の検知を開始させ、駆動部71,72を制御することにより自律走行型掃除機100の移動を開始する。なお、このとき、自律走行型掃除機100は、例えば、予め、記憶部50に記憶されている掃除対象エリアの地図に従って掃除を行う。
【0221】
ステップS46では、自律走行型掃除機100の制御部40は、掃除対象エリアの掃除が終了したと判定すると(ステップS46でYes)、掃除を終了してステップS43の処理に戻る。より具体的には、例えば、自律走行型掃除機100の制御部40は、タイマー部が計時している時刻が記憶部50に格納されている掃除を終了する時刻になったと判定すると、掃除対象エリアの掃除が終了したと判定し、充電台に帰還する。
【0222】
ステップS47では、自律走行型掃除機100の制御部40は、ステップS41で取得され、かつ、ステップ42で記憶部30に記憶された設定内容を解除する指示を取得したと判定した場合(ステップS47でYes)、ステップS48で、記憶部50に記憶されている設定のフラグをオフとし、設定を解除する。一方、ステップS47では、自律走行型掃除機100の制御部40は、ステップS41で取得され、かつ、ステップ42で記憶部30に記憶された設定内容を解除する指示を取得していないと判定した場合(ステップS47でNo)、ステップS44の処理に戻る。
【0223】
なお、自律走行型掃除機100が待機状態から掃除開始時刻の所定の時間前(例えば5分前)に待機状態を解除してLIDAR6等のセンサの駆動を開始してもよい。掃除を開始する前に自律走行型掃除機100自身が現在どの場所に位置するかを確認するために、LIDAR6等のセンサを用いて周囲の障害物の情報を得ることが必要な場合もあるからである。
【0224】
また、自律走行型掃除機100が掃除を完了してから所定の時間後(例えば5分後)に待機状態となってもよい。
【0225】
このように、第5例では、自律走行型掃除機100は、掃除対象エリアの掃除を開始する時刻と終了する時刻とを設定することにより、以下のような効果がある。例えば、ユーザが外出中に自律走行型掃除機100に掃除対象エリアの掃除を行わせ、ユーザが帰宅した際に、自律走行型掃除機100が掃除しているとユーザの活動の妨げとなる場合がある。したがって、自律走行型掃除機100が掃除を行う時間帯を設定することにより、ユーザが帰宅するときには既に自律走行型掃除機100は停止した状態であるため、自律走行型掃除機100がユーザの活動の妨げになることをできるだけ回避することができる。
【0226】
[3.効果等]
以上説明したように、実施の形態に係る掃除機システム400は、掃除対象エリアの地図を複数のグリッドセルに分割し、自律走行型掃除機100によって吸引されたゴミの量に応じて複数のグリッドセルのそれぞれの色を変化させた地図を表示する表示部350と、自律走行型掃除機100の掃除強度を切り替える閾値を設定する入力操作を受け付ける入力部340と、を備える。
【0227】
これにより、掃除機システム400は、ユーザの意図に合わせて自律走行型掃除機100の掃除強度を変更することができるため、ユーザの好みに応じた掃除を行うことができる。
【0228】
実施の形態に係る掃除機システム400では、表示部350は、ゴミの量に対応する色を量に応じて複数の色を並べて表示し、入力部340により、複数の色のうちいずれか隣り合う色の間を、掃除強度を切り替える閾値として設定してもよい。
【0229】
これにより、掃除機システム400は、ゴミの量に対応する色のセルと、地図上の複数のグリッドマップの色と対比して掃除強度を設定することができるため、ユーザは、より簡単に掃除強度を設定することができる。
【0230】
(他の実施の形態)
以上、本開示の1つまたは複数の態様に係る掃除機システムについて、上記の実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構成される形態も、本開示の1つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0231】
例えば、実施の形態において、自律走行型掃除機100は、短距離無線部を備えてもよい。この場合、自律走行型掃除機100は、通信端末300と直接無線通信を行うことができるため、通信ネットワーク90の通信状態に応じて、使用するネットワークを切り替えることができる。
【0232】
また、上記実施の形態に係る掃除機システムに含まれるそれぞれの処理部は、典型的に集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0233】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0234】
なお、上記実施の形態において、それぞれの構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、それぞれの構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。それぞれの構成要素は、CPUまたはプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記憶媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0235】
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の実施の形態は例示された数字に制限されない。
【0236】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェアまたはソフトウェアが並列または時分割に処理してもよい。
【0237】
また、フローチャートにおけるそれぞれのステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0238】
本開示は、自律走行型掃除機を備える掃除機システムに広く利用可能である。
【符号の説明】
【0239】
1 筐体
2 上ボデー
3 下ボデー
4 バンパ
5 カバー
6 LiDAR
7 排気口
8 サイドブラシ
9 後輪
10 超音波センサ
11 左上センサ
12 右上センサ
13 左下センサ
14 右下センサ
15 斜面
16 凹部
17 窓部
18 バッテリー
19 右駆動輪
20 左駆動輪
21 車輪支持部材
22 吸込口
23 メインブラシ
24 段差センサ
25 窪み
30 通信部
35 入力部
40 制御部
41 地図情報作成部
42 位置情報算出部
43 移動制御部
44 清掃制御部
50 記憶部
60 回転検出部
61 赤外線センサ
62 ジャイロセンサ
63 ゴミセンサ
70 吸引モータ
71 右駆動部
72 左駆動部
80 ルーター
90 通信ネットワーク
100 自律走行型掃除機
200 サーバ
210 通信部
220 制御部
230 記憶部
300 通信端末
310 通信部
312 短距離無線部
320 制御部
321 地図作成部
322 移動軌跡作成部
330 記憶部
340 入力部
350 表示部
400 掃除機システム