(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168231
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】メモリセレクタ
(51)【国際特許分類】
H10B 63/10 20230101AFI20231116BHJP
H10N 70/20 20230101ALI20231116BHJP
【FI】
H10B63/10
H10N70/20
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023048807
(22)【出願日】2023-03-24
(31)【優先権主張番号】63/364,501
(32)【優先日】2022-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/889,043
(32)【優先日】2022-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500262038
【氏名又は名称】台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.8, Li-Hsin Rd.6, Hsinchu Science Park, Hsinchu, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100182143
【弁理士】
【氏名又は名称】赤川 誠一
(72)【発明者】
【氏名】呉 政憲
(72)【発明者】
【氏名】鮑 新宇
(72)【発明者】
【氏名】アンブロシ エリア
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083FZ10
5F083GA10
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA38
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA60
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA11
5F083LA12
5F083LA16
5F083LA20
5F083MA06
5F083MA16
5F083PR21
5F083PR22
(57)【要約】
【課題】メモリセレクタ及びある方法を提供する。
【解決手段】メモリセルのメモリ構造を形成し、メモリ構造が上部電極と下部電極との間に挿入されることと、メモリセルのセレクタ構造を形成し、セレクタ構造が上部電極と下部電極との間に挿入され、第1層に設けられる第1の材料及び第2層に設けられる第2の材料を含み、第1の材料が第2の材料及び付加エレメントを含み、第1の材料が双方向閾値スイッチング材料を含むことと、セレクタ構造の上方にワード線を形成し、ワード線がセレクタ構造の下方に設けられるビット線に縦方向に垂直となる縦方向を有することと、を備える方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリセルのメモリ構造を形成し、前記メモリ構造が上部電極と下部電極との間に挿入されることと、
前記メモリセルのセレクタ構造を形成し、前記セレクタ構造が前記上部電極と前記下部電極との間に挿入され、第1層に設けられる第1の材料及び第2層に設けられる第2の材料を含み、前記第1の材料が前記第2の材料及び付加エレメントを含み、前記第1の材料が双方向閾値スイッチング材料を含むことと、
前記セレクタ構造の上方にワード線を形成し、前記ワード線がビット線に縦方向に垂直となる縦方向を有し、前記ビット線が前記セレクタ構造の下方に設けられることと、
を備える方法。
【請求項2】
前記第2層における前記第2の材料が前記第2層の厚さを貫通する濃度は、グラデーションの濃度変化を有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グラデーションの濃度変化は、2種類の異なる傾きを含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ビット線金属を形成することと、
ボトム電極金属を堆積することと、
前記ボトム電極金属の上方に複数のメモリ層を堆積することと、
前記ボトム電極金属の上方に複数のセレクタ層を堆積することと、
前記セレクタ層の上方にトップ電極金属を堆積することと、
前記トップ電極金属の上方に第1のマスクを形成し、且つ前記トップ電極金属、前記セレクタ層、前記メモリ層及び前記ボトム電極金属を、前記ビット線金属に対応するストライプ状のグループにパターニングすることと、
前記ストライプ状のグループを横方向に取り囲むように絶縁層を堆積することと、
前記絶縁層及び前記トップ電極金属の上方にワード線金属を形成することと、
前記ワード線金属の上方に第2のマスクを形成することと、
前記第2のマスクにより前記ワード線金属並びに前記トップ電極金属、前記セレクタ層、前記メモリ層及び前記ボトム電極金属を1組のポストにパターニングし、各ポストがメモリセルに対応することと、
を備える方法。
【請求項5】
前記セレクタ層を堆積することは、
第1の双方向閾値スイッチング材料を含む第1のセレクタ層を堆積することと、
第2の双方向閾値スイッチング材料を含む第2のセレクタ層を堆積することと、
を更に備え、
前記第2の双方向閾値スイッチング材料は前記第1の双方向閾値スイッチング材料のサブセットを含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記セレクタ層を堆積することは、
第3の双方向閾値スイッチング材料を含む第3のセレクタ層を堆積することを更に備え、
前記第1のセレクタ層は前記第2のセレクタ層と前記第3のセレクタ層との間に挿入され、前記第1のセレクタ層と前記第2のセレクタ層は第1の共有界面を有し、前記第1のセレクタ層と前記第3のセレクタ層は第2の共有界面を有し、前記第3の双方向閾値スイッチング材料は前記第1の双方向閾値スイッチング材料のサブセットを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
メモリ構造、セレクタ構造、トップ電極及びボトム電極を含み、前記セレクタ構造が第1の材料層及び第2の材料層を含み、前記第2の材料層が前記第1の材料層の材料のサブセットを含み、前記メモリ構造及び前記セレクタ構造が前記トップ電極と前記ボトム電極との間に挿入されるメモリセルと、
前記ボトム電極に結合されるビット線と、
前記トップ電極に結合されるソース線と、
を備える装置。
【請求項8】
前記第1の材料層の厚さ全体において、前記第1の材料層における第1の材料の第1の濃度は、実質的に安定した濃度プロファイルを有する請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の材料層に固有の材料の第1の濃度パーセントは、前記第1の材料層及び前記第2の材料層の両方にも有する材料の第2の濃度パーセントよりも大きい請求項7~8の何れか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記第2の材料層は、グラデーションのパーセント濃度を有する前記第1の材料層の材料を更に備える請求項7~8の何れか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
メモリセレクタに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体メモリは、電子応用の集積回路に用いられ、例えば、ラジオ、テレビ、携帯電話、パソコン装置を含む。半導体メモリの1つのタイプは、カルコゲナイド(chalcogenide)材料などの相変化材料に数値を保存することに関連する相変化ランダムアクセスメモリ(phase-change random access memory;PCRAM)である。相変化材料は、バイナリコードを表すために、非晶質状態(高抵抗を有する)と結晶状態(低抵抗を有する)との間に切り替えることができる。相変化ランダムアクセスメモリセルは、通常、2つの電極間の相変化材料(phase change material;PCM)素子を含む。
【発明の概要】
【0003】
本開示に係るいくつかの実施例によれば、方法は、メモリセルのメモリ構造を形成し、メモリ構造が上部電極と下部電極との間に挿入されることと、メモリセルのセレクタ構造を形成し、セレクタ構造が上部電極と下部電極との間に挿入され、第1層に設けられる第1の材料及び第2層に設けられる第2の材料を含み、第1の材料が第2の材料及び付加エレメントを含み、第1の材料が双方向閾値スイッチング材料を含むことと、セレクタ構造の上方にワード線を形成し、ワード線がビット線に縦方向に垂直となる縦方向を有し、ビット線がセレクタ構造の下方に設けられることと、を備える。
本開示に係るいくつかの実施例によれば、方法は、ビット線金属を形成することと、ボトム電極金属を堆積することと、ボトム電極金属の上方に複数のメモリ層を堆積することと、ボトム電極金属の上方に複数のセレクタ層を堆積することと、セレクタ層の上方にトップ電極金属を堆積することと、トップ電極金属の上方に第1のマスクを形成し、且つトップ電極金属、セレクタ層、メモリ層及びボトム電極金属を、ビット線金属に対応するストライプ状のグループにパターニングすることと、ストライプ状のグループを横方向に取り囲むように絶縁層を堆積することと、絶縁層及びトップ電極金属の上方にワード線金属を形成することと、ワード線金属の上方に第2のマスクを形成することと、第2のマスクによりワード線金属並びにトップ電極金属、セレクタ層、メモリ層及びボトム電極金属を1組のポストにパターニングし、各ポストがメモリセルに対応することと、を備える。
本開示に係るいくつかの実施例によれば、装置は、メモリ構造、セレクタ構造、トップ電極及びボトム電極を含み、セレクタ構造が第1の材料層及び第2の材料層を含み、第2の材料層が第1の材料層の材料のサブセットを含み、メモリ構造及びセレクタ構造がトップ電極とボトム電極との間に挿入されるメモリセルと、ボトム電極に結合されるビット線と、トップ電極に結合されるソース線と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0004】
添付図面を参照しながら読むと、以下の詳細な記述から本開示の各態様を最適に理解することができる。産業上の標準的な慣行によれば、各種の特徴は縮尺通りに描かれていないことを強調すべきである。実は、明らかに記述するために、各種の特徴の寸法を任意に拡大又は縮小してよい。
【0005】
【
図1】いくつかの実施例によるメモリアレイにおけるクロスポイント(cross-point)又はクロスバー(crossbar)メモリセルを示すアレイ透視図である。
【
図2A】いくつかの実施例によるメモリセルを示す簡略図である。
【
図2B】いくつかの実施例によるセレクタ切り替え構造の特性を示す。
【
図3】いくつかの実施例によるメモリアレイを示す回路模式図である。
【
図4】いくつかの実施例によるメモリセルの様々な配置を示す。
【
図5】いくつかの実施例によるメモリセルのメモリ素子の様々な配置を示す。
【
図6】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図7】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図8】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図9】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図10A】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図10B】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図11】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図12A】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図12B】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図13】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図14A】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図14B】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図15】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図16A】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図16B】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図17】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図18A】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図18B】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図19】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図20A】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図20B】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図21】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図22A】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図22B】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図23】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図24A】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図24B】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図25】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図26A】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図26B】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図27A】いくつかの実施例による様々な配置を示す。
【
図27B】いくつかの実施例による様々な配置を示す。
【
図28】いくつかの実施例による濃度プロファイルを示す。
【
図29】いくつかの実施例による濃度プロファイルを示す。
【
図30A】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図30B】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図31A】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【
図31B】いくつかの実施例によるメモリアレイ300を形成する中間ビューである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の開示は、本開示の異なる特徴を実施するための多くの異なる実施例又は実例を提供する。以下、本開示を簡略化するように、部材や配置などの具体的な実例を記述する。勿論、これらは単に実例に過ぎず、制限しようとするものではない。例えば、以下の記述では、第2の特徴上又はその上に第1の特徴を形成することは、第1の特徴と第2の特徴を直接接触させるように形成する実施例を含んでもよく、第1の特徴と第2の特徴との間に付加の特徴を形成して第1の特徴と第2の特徴が直接接触しないことを可能にする実施例を含んでもよい。また、本開示において、各種の実例において数字及び/又はアルファベットを繰り返し参照してよい。この繰り返しは、簡単且つ明瞭にするためであり、それ自身は、説明される各種の実施例及び/又は配置の間の関係を指示しない。
【0007】
また、本明細書において、「~の下」、「~の下方」、「下部」、「~の上」、「~の上方」、「上部」などの空間相対用語を使用してよく、これらによって、1つの素子(要素)又は特徴と図示するようなもう1つの素子又は特徴との関係を記述しやすくする。図面に示す方向以外に、空間相対用語は、装置の使用中又は操作中の異なる方向を含むことを図る。装置に他の配向(90度回転又は他の方向)がある可能性もあるし、且つここで使用される空間相対説明符号も対応して解釈されることがある。
【0008】
実施例に用いられるメモリセルは、複数層のセレクタ層構造を有する。切り替え材料は、外から内へ徐々に濃度パーセントを増加させて、より優れた切り替え表現をもたらす。切り替え層と隣接する金属層との間に低い干渉を有する。また、切り替え表現の改善は、単層セレクタ構造よりも感度の高いスイッチ(on/off)切り替えプロファイル、より小さなサイクル間閾値電圧変化(VTH variation)及びより小さな装置間(device-to-device)閾値電圧変化)を含む。複数層のセレクタ構造及びメモリ素子の多様な配置を用いてメモリセルを形成することができる。
【0009】
図1は、いくつかの実施例によるメモリアレイ300におけるクロスポイント(cross-point)又はクロスバー(crossbar)メモリセル200を示すアレイ透視図である。メモリアレイ300は、ビット線12、ワード線112及びメモリセル200がクロスポイントとなるように接続された配置を含み、特定のビット線12及び特定のワード線112の位置が共に特定のメモリセル200を選択する。いくつかの実施例において、メモリアレイ300をスタックして三次元(three dimensional;3D)メモリアレイ(未図示)を製造することができる。メモリアレイ300は、半導体基板又は別のタイプの基板であってよい基板(例えば、
図6の基板2を参照する)に形成してよい。いくつかの実施例において、基板は、能動及び/又は受動装置(例えば、トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、抵抗器又は類似的なもの)を含んでよい。適用する製造プロセスに応じて装置を形成することができる。いくつかの実施例において、基板形成される装置がない。いくつかの実施例において、メモリアレイ300は、基板の上方の相互接続構造の金属化層に形成される。メモリアレイ300は、1つ又は複数の金属化層に電気的接続されてよい。例えば、いくつかの実施例において、ワード線112及び/又はビット線12は、金属化層の導線であってよい。
【0010】
図1に示す実施例において、各メモリセル200は、ボトム電極24、メモリ記憶構造34、中間層44、セレクタ構造54及びトップ電極64を含む。トップ電極64とボトム電極24との間の素子(例えばメモリ記憶構造34、中間層44及びセレクタ構造54を含む)は、メモリ素子76と称されてよい。ビット線12は、メモリアレイ300におけるメモリセル200の対応する行のボトム電極24に電気的接続される。メモリアレイ300の各行は、関連するビット線12(例えば、ビット線12A、ビット線12B又はビット線12C)を有し、且つ1行におけるメモリセル200が同じ行のビット線12に接続される。ワード線112は、メモリアレイ300におけるメモリセル200の対応する列のトップ電極64に接続される。メモリアレイ300の各列は、関連するワード線112(例えば、ワード線112A、ワード線112B、ワード線112C)を有し、且つ1列におけるメモリセル200が同じ列のワード線112に接続される。このような配置によれば、適切なワード線112及びビット線12の組み合わせは、メモリアレイ300の各メモリセル200を選択してよい。例えば、メモリセル200Bに接続される単一のワード線112Bにアクセスし且つメモリセル200に接続される単一のビット線12Bにアクセスすることで(例えば、読み出しや書き込みのために)特定のメモリセル200Bを選択することができる。
図1において具体的に示す他のメモリセルは、メモリセル200A、メモリセル200C、メモリセル200D及びメモリセル200Eを含み、これらのメモリセルが、いくつかの以降の図面で断面基準線として用いるリファレンス切断線A-A(メモリセル200A、メモリセル200B、メモリセル200C)及び切断線B-B(メモリセル200D、メモリセル200B、メモリセル200E)に沿う。
【0011】
いくつかの実施例において、各メモリセル200のメモリ記憶構造34の電気抵抗はプログラム可能であり、且つ高電気抵抗状態と低電気抵抗状態との間に変化でき、高電気抵抗状態及び低電気抵抗状態がバイナリコード(binary code)という2つの状態に対応することができる。メモリ記憶構造34は、任意の適切な技術を利用でき、且つ本開示は任意の特定のメモリ記憶技術タイプに限定されない。例えば、メモリ記憶構造34は、相変化ランダムアクセスメモリ(phase-change random access memory;PCRAM)装置の相変化材料(phase-change material;PCM)、可変抵抗アクセスメモリ(resistive random access memory;RRAM)装置の2つの抵抗状態の抵抗材料、磁気ランダムアクセスメモリ(magnetic random access memory;MRAM)装置の磁気トンネル接合(magnetic tunnel junction;MTJ)を含んでよい。他のメモリタイプを利用してもよい。
【0012】
いくつかの実施例において、メモリセル200にまたがる適切な電流パルスを印加して対応するメモリ記憶構造34にまたがる電流パルスを発生させることにより、メモリセル200のメモリ記憶構造34の電気抵抗状態をプログラムする(例えば、書き込む)ことができる。メモリ記憶構造34の電気抵抗状態を変えるための必要な電流は、特定して設計される。メモリセル200の抵抗の大きなパーセントがメモリ記憶構造34によって提供されるため、使用される電流パルスはメモリ記憶構造34の抵抗に依存する。例えば、いくつかの実施例において、プログラム電流パルス強度は、約50μA~約800μAの範囲であってよいが、他の電流であってもよい。印加されるプログラム電圧もメモリ記憶構造34に依存する。例えば、特定のメモリセル200を読み出すと順方向にバイアス電圧を印加してもよく、書き込むと逆方向にバイアス電圧を印加してもよく、逆も同様である。いくつかの例示において、プログラム電圧パルス強度は、約1V~約2Vの範囲であってよいが、他の電圧であってもよい。いくつかの実施例において、メモリセル200にまたがる比較的に小さい電流を印加してメモリ記憶構造34の電気抵抗状態を邪魔せずにメモリセル200の抵抗を測定することにより、メモリセル200の状態を読み出すことができる。他のタイプのメモリ又はメモリ構造は、本例示と異なる読み出しポリシー又は強度を使用してよい。
【0013】
各メモリセル200のセレクタ構造54は、セレクタとして用いられて、独立して対応するメモリセル200にアクセスする(例えば、書き込む又は読み出す)。このような方式で、メモリセル200のセレクタ構造54は本文において、セレクタ(selector)と称されてよい。セレクタ構造54は、双方向閾値スイッチ(ovonic threshold switching;OTS)又はその変化、例えば混合イオン電子伝導(mixed-ionic-electronic conduction;MIEC)及び類似的なものを使用してよい。説明を簡単にするため、これらの変化は双方向閾値スイッチとも呼ばれる。
【0014】
図2A及び
図2Bを参照されたく、双方向閾値スイッチセレクタ材料は、閾値電圧(V
TH)と呼ばれる特性を有する。印加される電圧が閾値電圧(例えば、印加されるサブ閾値電圧)よりも小さい場合、双方向閾値スイッチセレクタ材料は高電気抵抗状態にあり、双方向閾値スイッチセレクタ材料を流れる電流を制限する。印加される電圧が閾値電圧よりも大きい場合、双方向閾値スイッチセレクタ材料は低電気抵抗状態にあり、双方向閾値スイッチセレクタ材料を流れる電流経路を形成する。メモリセル200のメモリ素子76において双方向閾値スイッチセレクタ材料を使用する場合、双方向閾値スイッチセレクタ材料のこれらの性質は、隣接するメモリセルに影響を与えることなく、特定のメモリセル200の書き込み又は読み出し動作の起動に利用することができる。このような方式で、セレクタ構造54にまたがる電圧が閾値電圧よりも大きい場合だけで、メモリセル200に書き込み操作を行うことができる。
【0015】
図2Aは、メモリアレイ300の(例えば
図1に示す)簡略化のものである。
図2Aにおけるメモリアレイ300は、ビット線12(BL
(1)~BL
(n)と表記する)及びワード線112(WL
(1)~WL
(m)と表記する)を含み、nはメモリアレイ300におけるビット線の総数であり且つmはワード線の総数であり、これによりメモリアレイ300におけるメモリセル200の数はm × nである。
図2Aに示すように、セレクタ構造54により特定のメモリセル200
(m,n)を選択することは、電圧V
appliedをワード線WL
(m)に印加し且つビット線BL
(n)を接地させてよく、電圧V
appliedがメモリセル200
(m,n)のセレクタ構造54の閾値電圧V
THよりも大きい。他のビット線12及びワード線112に対して1/2電圧V
appliedに等しいリファレンス電圧、又はセレクタ構造54を高電気抵抗状態にする他の電圧を印加してよい。
【0016】
図2Bにおいて、上記のセレクタ構造54の表現を模擬する。リファレンス電圧V
refは、
図2Aの電圧V
appliedに等しくてよい。閾値電圧V
THに達する場合、セレクタ構造54はオン状態(on)にあり且つこれで低電気抵抗状態を呈して、電流がセレクタ構造54を流れるようにする。これに対して、閾値電圧V
THに達しない場合、セレクタ構造54はオフ状態(off)にあり且つこれで高電気抵抗状態を呈して、セレクタ構造54を流れる電流を少なくする。リファレンス電圧V
refは閾値電圧V
THよりも高く、1/2リファレンス電圧V
refは閾値電圧V
THよりも低い。
【0017】
いくつかの実施例において、閾値電圧VTHの強度は、約1V~約2Vの範囲であるが、他の電圧であってもよい。いくつかの例示において、例えば複数層の材料又は厚さを調整することにより閾値電圧VTHを制御することができる。
【0018】
図3は、メモリアレイ300を示す回路模式図である。明らかにするために、いくつかの素子は取り除かれた。ビット線ドライバは複数の導電性ビット線12に到達する電圧信号を制御し、ワード線ドライバは複数の導電性ワード線112に到達する電圧信号を制御する。メモリセル200は、メモリ記憶構造34及びセレクタ構造54を含む。メモリ記憶構造34及びセレクタ構造54は、任意の順序であってよい。リファレンス電圧を提供してメモリセル200をオンにする場合、読み込み操作で発生した電流応答を読み込んでその数値が「1」又は「0」であるかを定義することができる。書き込み操作は、使用されるメモリ記憶構造34のタイプに依存してよい。例えば、いくつかの実施例において、大きなバイアス電圧を印加してもよいし、他の実施例では逆方向にバイアス電圧を印加してもよい。
【0019】
図4(
図4A、
図4B、
図4C及び
図4D)は、メモリセル200の様々な配置を示す。様々な配置は、メモリセル200に対応するポストを形成するパターニングプロセスに由来する。
図4Aにおいて、メモリセル200は、長方柱に類似した形状を有する。いくつかの実施例においてコーナーは円弧であってもよく、又は他の実施例において比較的正方形である。
図4Bにおいて、メモリセル200は円筒形を有する。
図4Cにおいて、メモリセル200はピラミッド型を有する。
図4Dにおいて、メモリセル200はテーパ形状を有する。
図7に示すメモリセルの各層を堆積し且つマスクにより許容可能なマイクロシェーディングプロセスによりメモリセル200をパターニングして、
図4A、
図4B、
図4C及び
図4Dのメモリセル200のこれらの形状を実現することができる。このような実施例において、メモリセル200の複数層を堆積する前にビット線12を形成して分離し、許容可能なマイクロシェーディングプロセス及び堆積技術を再び利用する。メモリセル200をパターニングしてから、インナーライナー層を含む周囲誘電体層を堆積してよく、メモリセル200を横方向に取り囲み、且つ次にワード線112を形成しパターニングすることに用いられる。
図4A及び
図4Cのメモリセル200は、代替して下記の
図6~
図21のプロセスにより形成されることができ、エッチングプロセスにより例えばメモリセル200の側壁が
図4Cに示すように傾いたり又は
図4Aに示すようにまっすぐになったりすることができる。
【0020】
図5(
図5A、
図5B、
図5C及び
図5D)は、メモリ素子76の様々な配置を示す。理解すべきなのは、これらの配置はそれぞれ下記の実施例に用いられてよい。特に説明するために、
図5Aに示すメモリ素子76のレイアウトは残りの図面で使用されるが、
図5A、
図5B、
図5C及び
図5Dに示す任意のレイアウトは置き換えられてよい。また、理解すべきなのは、具体的に示されていない可変配置が使用されてもよい。例えば、メモリ記憶構造34、中間層44及びセレクタ構造54の各々は、一連に形成する抵抗素子を構成している。このような場合、上記の素子(使用する場合)の順序はメモリセル200の操作及び本開示に検討される原則に大きな影響を与えない。
図5Aは、メモリ記憶構造34がメモリ素子76のベース部に形成され、セレクタ構造54がメモリ素子76のトップ部に形成され、且つ中間層44が両者の間に挿入されることを示す。
図5Bは、メモリ記憶構造34がメモリ素子76のベース部に形成され、中間層44がメモリ素子76のトップ部に形成され、且つセレクタ構造54が両者の間に挿入されることを示す。
図5C及び
図5Dは、中間層44を省略する。
図5Cにおいて、メモリ記憶構造34がメモリ素子76のベース部に形成され、且つセレクタ構造54がメモリ素子76のトップ部に形成される。
図5Dにおいて、反転動作によりセレクタ構造54がメモリ素子76のベース部に形成され、且つメモリ記憶構造34がメモリ素子76のトップに形成される。
【0021】
いくつかの実施例によれば、
図6~
図26B及び
図30A~
図31Bは、メモリアレイ300を形成する中間ビューである。
図6、
図9、
図11、
図13、
図15の各々は、メモリアレイ300の中間プロセスを形成する三次元ビューを示す。明らかに示すために、いくつかの特徴を省略または簡略化した。これらの図の各々は、上記の
図1に関するリファレンス切断線A-A及び切断線B-Bに対応するものを提供する。特に明記しない限り、図番がAで終わるものはリファレンス切断線A-Aに沿うものを示し、図番がBで終わるものはリファレンス切断線B-Bに沿うものを示す。
【0022】
図6及び
図7は、メモリアレイ300の複数層を形成して、これらの複数層がそれからメモリセル200としてパターニングされることを示す。この例示において、
図7は、
図6のリファレンス切断線A-A及びリファレンス切断線B-Bという両者を代表する断面図を示す。
【0023】
まず基板2を提供する。基板2は、任意の層数又は層の組み合わせであってよく、メモリアレイが形成される位置に依存する。例として、上記のように、メモリアレイは相互接続構造に形成されてよい。このような実施例において、基板2は、半導体基板とその中の装置の組み合わせであってよく又はその中に形成される装置を有しなくてよく、且つ上方に形成される任意の数の金属化層を有する。いくつかの実施例において、基板2は、半導体材料、例えばシリコン、シリコンゲルマニウム又は類似的なものを含んでよい。いくつかの実施例において、基板2は、結晶半導体基板、例えば格子状シリコン基板、格子状シリコンカーボン基板、格子状シリコンゲルマニウム基板、III-V族化合物半導体基板又は類似的なものを含む。一実施例において、基板2は、ドープ又はアンドープのバルクシリコン、又は絶縁体上シリコン(silicon-on-insulator;SOI)基板の能動層を含んでよい。一般的に、絶縁体上シリコン基板は、例えばシリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム又は絶縁体上シリコンゲルマニウム(silicon germanium on insulator;SGOI)のような上記の組み合わせの半導体材料層を含む。使用可能な他の基板は、多層基板、グラデーション基板又はハイブリッド結晶相(hybrid orientation)基板を含む。
【0024】
他の実施例において、基板2は、支持基板、例えばガラスキャリア基板、セラミックキャリア基板又は類似的なものであってよく、且つメモリアレイ300が支持基板に形成される。
【0025】
ビット線層10は基板2の上方に形成される。任意の数の介在層及び構造が基板2とビット線層10との間に形成されてよく、例えばビット線層10がその上部の金属化層に位置する相互接続部材を含む。いくつかの実施例において、これらの介在層は、能動及び/又は受動装置を含んでよい。
【0026】
ビット線層10は、任意の適切な導電性材料によって形成されてよい。例えば、いくつかの実施例において、ビット線層10は、銅、金、アルミニウム、ルテニウム、ニッケル、コバルト、チタン、タングステン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、類似的なもの及び上記の組み合わせによって形成されてよい。いくつかの実施例において、ビット線層10は、複数の分離層によって形成されてよい。例えば物理的気相成長(physical vapor deposition;PVD)、化学的気相成長(chemical vapor deposition;CVD)、電気めっき、原子層成長(atomic layer deposition;ALD)、スパッタリング及び類似的なことのような任意の適切なプロセスによりビット線層10を形成してよい。ビット線層10は、ブランケット堆積として描かれているが、モザイク、デュアルダマシン、又は他の適切なプロセスなど、他のプロセスを使用してビット線層10を形成することができる。
【0027】
ボトム電極層20は、ビット線層10の上に堆積する。ボトム電極層20は、ビット線層10と異なる材料又は同じ材料で形成し、同様のプロセスを用いることができる。その後のプロセスでは、ボトム電極層20がメモリセル200のボトム電極としてパターニングされる。
【0028】
次に、メモリスタック層70がボトム電極層20の上方に形成される。それからのプロセスにおいて、これらの層はメモリセル200のポスト74としてパターニングされる。
図6及び
図7に関する検討のために、示されるメモリスタック層70は、メモリ構造層30、界面層40及びセレクタ構造層50を含むが、理解すべきなのは、これらの層の順序及び/又は存在は具体的に使用する実施形態に依存する。例えば、上記の
図5A、
図5B、
図5C及び
図5Dについて示されるように、メモリスタック層70をポスト74としてパターニングしてから、対応するメモリ記憶構造34、中間層44及びセレクタ構造54は異なる順序に配置されてよく、且ついくつかの実施例において中間層44を略してよい。簡略化するために、図面は
図5Aによる配置のみを示すが、他の配置により取り換えてよい。
【0029】
メモリ構造層30は、任意の用いられるメモリ技術に適する層を含んでよい。例えば、メモリ技術が相変化ランダムアクセスメモリである場合、メモリ構造層30は、バリア層及びカルコゲナイド(chalcogenide)材料層を含んでよい。メモリ技術が磁気ランダムアクセスメモリである場合、メモリ構造層30は、フリー層の磁気ランダムアクセスメモリの磁気モーメントを切り替えるためのフリー層(free layer)、リファレンス層及びピン止め層(pinned layer)を含んでよい。適切な他の層又は他のメモリ技術を使用してよい。これらの層は、例えば物理的気相成長、原子層成長、化学的気相成長、スピンコート及び類似的なことのようなこれらの層に適するプロセスを使用してよい。
【0030】
中間層40はメモリ構造層30の上に形成される。中間層40は、ボトム電極層20に記載の材料又は技術と類似しているものにより形成することができる。セレクタ構造層50は中間層40の上に形成される。下文において、
図8(
図8A、
図8B、
図8C及び
図8D)を参照してセレクタ構造層50の形成及び材料を更に詳しく説明する。
【0031】
セレクタ構造層50を形成してから、トップ電極層60を形成する。ボトム電極層20のプロセス及び材料と類似しているものによりトップ電極層60を形成することができる。
【0032】
図8A、
図8B、
図8C及び
図8Dは、セレクタ構造層50の様々な配置を示し、その後セレクタ構造54としてパターニングされる。
図8A、
図8B、
図8C及び
図8Dに示すように、セレクタ構造層50の各配置は、第1の双方向閾値スイッチング材料層55及び第2の双方向閾値スイッチング材料層57を含む少なくとも両層を備える。
図8Aは、第1の双方向閾値スイッチング材料層55が2つの第2の双方向閾値スイッチング材料層57の間に挟まれていることを示す。
図8Aにおいて、2つの第2の双方向閾値スイッチング材料層57は同じ材料からなる。
図8Bは、第1の双方向閾値スイッチング材料層55が第2の双方向閾値スイッチング材料層57と第3の双方向閾値スイッチング材料層59との間に挟まれていることを示す。
図8C及び
図8Dの各々は、第1の双方向閾値スイッチング材料層55及びただ1つの第2の双方向閾値スイッチング材料層57を含み、第2の双方向閾値スイッチング材料層57が第1の双方向閾値スイッチング材料層55の上(
図8C)又は下(
図8D)に設けられる。
【0033】
二層又はサンドイッチ層セレクタ構造により複数層の間のグラデーション成分プロファイルを提供して、より安定した装置の表現を提供する。単層双方向閾値スイッチング材料層は、大きなサイクル間及び装置間の閾値電圧変化を有する可能があり、且つ感度の低い切り替え動作がある。これに対して、実施例のセレクタ構造54の複数層構造は、低い閾値電圧変化及び感度が高い切り替え動作の改善表現を提供する。切り替え動作は、主に第1の双方向閾値スイッチング材料層55に依存し、それが第2の双方向閾値スイッチング材料層57及び(使用する場合)第3の双方向閾値スイッチング材料層59よりも高い抵抗を有する。したがって、電圧を印加する場合、大部分の電圧降下は第1の双方向閾値スイッチング材料層55にまたがる。第2の双方向閾値スイッチング材料層57(及び使用する場合の第3の双方向閾値スイッチング材料層59)が徐々に少なくなり又は干渉を除くことにより、駆動が切り替える時に上方又は下方の金属層の間に位置する界面の干渉を改善する。例えば感度が高いオン/オフ、より小さなサイクル間の閾値電圧変化及びより小さな装置間の閾値電圧変化のようなより優れた切り替え動作にする。下文において、
図28及び
図29を参照してセレクタ構造54の成分プロファイルをより詳しく検討する。
【0034】
第1の双方向閾値スイッチング材料層55は、例えばSiGeCTe、NSiGeCTe、NSnZnTe、SiSnTe、SiZnTe、NSiZnSnTe、類似的なもの又は上記の組み合わせのような合金又は任意の適切な双方向材料成分によって形成されてよい。第2の双方向閾値スイッチング材料層57(及び使用する場合の第3の双方向閾値スイッチング材料層59)は、例えばCTe、GeCTe、SiCTe、ZnTe、SnTe、類似的なもの又は上記の組み合わせのような合金又は任意の適切な双方向材料成分によって形成されてよい。理解すべきなのは、挙げられた各双方向閾値スイッチング材料は、適切且つ適当な挙げられた各エレメント比率を含み、且つ特定の比率を表すことを意図していない。
【0035】
いくつかの実施例において、第2の双方向閾値スイッチング材料層57(及び/又は使用する場合の第3の双方向閾値スイッチング材料層59)は、第1の双方向閾値スイッチング材料層55に用いられる材料のサブセットを含んでよい。例えば、第2の双方向閾値スイッチング材料層57又は第3の双方向閾値スイッチング材料層59がCTeである場合、第1の双方向閾値スイッチング材料層55は、GeCTe、SiGeCTe又はNSiGeCTeであってよい。第2の双方向閾値スイッチング材料層57又は第3の双方向閾値スイッチング材料層59がGCTeである場合、第1の双方向閾値スイッチング材料層55は、SiGeCTe又はNSiGeCTeであってよい。第2の双方向閾値スイッチング材料層57又は第3の双方向閾値スイッチング材料層59がSiCTeである場合、第1の双方向閾値スイッチング材料層55は、SiGeCTe又はNSiGeCTeであってよい。第2の双方向閾値スイッチング材料層57又は第3の双方向閾値スイッチング材料層59がZnTeである場合、第1の双方向閾値スイッチング材料層55は、NSnZnTe、SiZnTe又はNSiZnSnTeであってよい。第2の双方向閾値スイッチング材料層57又は第3の双方向閾値スイッチング材料層59がSnTeである場合、第1の双方向閾値スイッチング材料層55は、NSnZnTe、SiSnTe又はNSiZnSnTeであってよい。
【0036】
第2の双方向閾値スイッチング材料層57及び第3の双方向閾値スイッチング材料層59の両者を使う実施例において、両者は何れも第1の双方向閾値スイッチング材料層55のサブセットであり、又は少なくとも一方は第1の双方向閾値スイッチング材料層55のサブセットであってよい。例えば、第2の双方向閾値スイッチング材料層57及び第3の双方向閾値スイッチング材料層59の両者が第1の双方向閾値スイッチング材料層55のサブセットである実施例において、第1の双方向閾値スイッチング材料層5がNSiGeCTe又はSiGeCTeである場合、第2の双方向閾値スイッチング材料層57及び第3の双方向閾値スイッチング材料層59は、GeCTe、CTe又はSiCTeのうちの一方であってよい。第1の双方向閾値スイッチング材料層55がNSnZnTe、SiZnTe、NSiZnSnTeである場合、第2の双方向閾値スイッチング材料層57及び第3の双方向閾値スイッチング材料層59は、ZnTe又はSnTeであってよい。第2の双方向閾値スイッチング材料層57又は第3の双方向閾値スイッチング材料層59のうちの一方だけが第1の双方向閾値スイッチング材料層55のサブセットであり、且つ他方が1つ又は複数の付加エレメントを有する実施例において、第1の双方向閾値スイッチング材料層55がNSiGeCTe又はSiGeCTeである場合、第2の双方向閾値スイッチング材料層57又は第3の双方向閾値スイッチング材料層59のうちの一方は、ZnTe、SnTe、GeCTe、CTe又はSiCTeであってよく、他方は、GeCTe、CTe又はSiCTeであってよい。第1の双方向閾値スイッチング材料層55がNSnZnTe、SiZnTe、NSiZnSnTeである場合、第2の双方向閾値スイッチング材料層57又は第3の双方向閾値スイッチング材料層59のうちの一方は、ZnTe、SnTe、GeCTe、CTe又はSiCTeであってよく、他方は、ZnTe又はSnTeであってよい。第1の双方向閾値スイッチング材料層55がSiSnTeである場合、第2の双方向閾値スイッチング材料層57又は第3の双方向閾値スイッチング材料層59のうちの一方は、ZnTe、SnTe、GeCTe、CTe又はSiCTeであってよく、他方は、SnTeであってよい。いくつかの実施例において、第2の双方向閾値スイッチング材料層57及び第3の双方向閾値スイッチング材料層59の両者は、第1の双方向閾値スイッチング材料層55に現れない付加エレメントを有してよい。
【0037】
任意の適切な技術及び形成順序(例えば、
図8A、
図8B、
図8C及び
図8Dを参照する)により第1の双方向閾値スイッチング材料層55、第2の双方向閾値スイッチング材料層57及び第3の双方向閾値スイッチング材料層59(使用する場合)を堆積することができる。例として、例えば物理的気相成長、化学的気相成長、プラズマ励起化学的気相成長(plasma-enhanced CVD;PECVD)、原子層成長又は類似的なことのような適切な堆積プロセスによりこれらの層を堆積することができる。
【0038】
第1の双方向閾値スイッチング材料層55は、約5nm~15nmの間の厚さに堆積することができる。第2の双方向閾値スイッチング材料層57は、約2.5nm~5nmの間の厚さに堆積することができる。第1の双方向閾値スイッチング材料層55の両側に共に両層の第2の双方向閾値スイッチング材料層57(
図8Aに示される)を使用する場合、両層の第2の双方向閾値スイッチング材料層57は、同じ厚さ又は異なる厚さを有してよい。第3の双方向閾値スイッチング材料層59(
図8Bに示される)は、約2.5nm~5nmの間の厚さに堆積することができる。
図8Bにおいて、第2の双方向閾値スイッチング材料層57の厚さ及び第3の双方向閾値スイッチング材料層59の厚さは、同じであってもよく異なってもよい。
【0039】
図9、
図10A及び
図10Bにおいて、ハードマスク層84はメモリスタック層70の上方に形成される。ハードマスク層84は、例えばドープ又はアンドープの酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭化ケイ素、ドープの珪酸塩ガラス、流動性酸化物、他の高誘電率材料、低誘電率材料、類似的なもの又は上記の組み合わせのような任意の適切な材料によって形成されてよい。例えば流動性化学的気相成長(flowable CVD)、スピンコート、物理的気相成長及び類似的なことのような任意の適切なプロセスによりハードマスク層84を形成することができる。ハードマスク層84を形成した後、フォトマスク88がハードマスク層84の上方に堆積され、且つ許容可能なマイクロシェーディング技術によりフォトマスク88をパターニングする。
【0040】
図11、
図12A及び
図12Bにおいて、フォトマスク88のパターンはハードマスク層84のパターニングに用いられて、ハードマスク86を形成する。そしてハードマスク86をマスクとして使用して順次にメモリスタック層70の各層をエッチングし及びビット線層10をエッチングし続ける。各層のエッチングに用いられるエッチングプロセスは、各層の材料に適するエッチング技術を使用してよい。例えば、いくつかの実施例において、エッチング剤に適するドライエッチングを使用して各層のエッチングに用いられてよい。他の実施例において、反応性イオンエッチングを使用してよい。他の実施例において、エッチング剤に適するウェットエッチングを使用してよい。他の実施例において、エッチング技術の組み合わせを使用する。エッチングにより、ビット線層10はビット線12となり、ボトム電極層20はボトム電極層22となり、メモリ構造層30はメモリ構造層32となり、界面層40は界面層42となり、セレクタ構造層50はセレクタ構造層52となり、トップ電極層60はトップ電極層62となり、且つメモリスタック層70は共にメモリスタック層72となる。メモリスタック層70をパターニングした後、メモリセル200を部分的にエッチングすることにより、メモリセル200をアライメント根拠の列に分離する。
【0041】
図13、
図14A及び
図14Bにおいて、保護層90はパターニングされたメモリスタック層72の上方にコンフォーマルに形成することができ、及び堆積された充填誘電体100は横方向にメモリスタックスタック層72を取り囲んでパッケージする。保護層90は、任意の適切な絶縁材料を含んでよい。いくつかの実施例において、保護層90は、例えば約4.0未満の誘電率(k value)を有する極低誘電率材料を含んでよい。いくつかの実施例において、保護層90は、極低誘電率材料及び低誘電率材料に対する保護に寄与する被覆層を含有する複数層構造を含んでよい。例えば、いくつかの実施例において、低誘電率材料は、酸炭窒化ケイ素又は酸窒化ケイ素を含んでよく、被覆層は、炭化ケイ素又は窒化ケイ素を含んでよい。これらは例示だけであり、他の適切な材料を代用することができる。充填誘電体100は任意の適切なプロセスにより任意の適切な絶縁材料を使用して形成することができる。いくつかの実施例において、充填誘電体100は、酸化ケイ素又は絶縁ポリマーであってよい。充填誘電体100は、例えばスピンコート、化学的気相成長、物理的気相成長、類似的なもの又は上記の組み合わせのような任意の適切なプロセスにより形成することができる。充填誘電体100が酸化ケイ素を含む場合、充填誘電体100の形成は、テトラエトキシシラン(tetraethyl orthosilicate;TEOS)の堆積プロセスを使用することもできる。
【0042】
図15、
図16A及び
図16Bにおいて、平坦化プロセス(例えば化学機械研磨(chemical mechanical polishing;CMP)プロセス)により充填誘電体100の上表面とトップ電極層62の上表面を面一に充填する。
【0043】
図17、
図18A及び
図18Bにおいて、ワード線層110は、充填誘電体100及びメモリスタック層72の上方にブランケット堆積することができる。ビット線層10を形成するプロセス及び材料と類似するものによりワード線層110を形成することができる。
【0044】
図19、
図20A及び
図20Bにおいて、ハードマスク層114はワード線層110の上方に形成される。上記のハードマスク層84と類似しているプロセス及び材料によりハードマスク層114を形成することができる。ハードマスク層114を形成した後、フォトマスク118をハードマスク層114の上方に堆積し、且つ使用許容可能なマイクロシェーディング技術によりフォトマスク118をパターニングする。
【0045】
図21、
図22A及び
図22Bにおいて、フォトマスク118のパターンはハードマスク層114のパターニングに用いられて、ハードマスク116を形成する。そしてハードマスク116をマスクとして使用してワード線層110をエッチングし順次にメモリスタック層72の各層をエッチングし続ける。各層のエッチングに用いられるエッチングプロセスは、各層の材料に適するエッチング技術を使用してよい。例えば、いくつかの実施例において、エッチング剤に適するドライエッチングを使用して各層のエッチングに用いられてよい。他の実施例において、反応性イオンエッチングを使用してよい。他の実施例において、エッチング剤に適するウェットエッチングを使用してよい。他の実施例において、エッチング技術の組み合わせを使用する。エッチングにより、ワード線層110はワード線112となり、トップ電極層62はトップ電極64となり、セレクタ層52はセレクタ構造54となり、界面層42は界面層44となり、メモリ構造層32はメモリ記憶構造34となり、ボトム電極層22はボトム電極24となり、且つメモリスタック層72は共にポスト74となる。ポスト74をパターニングし続けてから、メモリセル200は既に完全にエッチングされる。ビット線12を形成する場合、メモリセル200は列として分離され、ワード線112をエッチングする場合、メモリセル200は更に行として分離されて、完全的なメモリセル200を形成し、メモリセル200はトップ電極64とボトム電極24との間(
図4A、
図4B、
図4C及び
図4Dを参照する)に挿入されるメモリ素子76を含む。
【0046】
いくつかの実施例において、
図21、
図22A及び
図22Bのエッチングプロセスにより完全に充填誘電体100の露出領域を除去して充填誘電体100bを形成することができるが、いくつかの実施例において、充填誘電体100の残部100aはエッチングプロセスで保留でき、残部100aの上表面がビット線12の上表面とほぼ面一となる。
【0047】
図23、
図24A及び
図24Bにおいて、保護層120は、パターニングされたポスト74の上方にコンフォーマルに形成することができ、及び堆積された充填誘電体130は横方向にポスト74を取り囲んでパッケージする。保護層90を形成するプロセス及び材料と類似しているものにより保護層120を形成し、且つ充填誘電体100を形成するプロセス及び材料と類似しているものにより充填誘電体130を形成することができる。
【0048】
パターニングし続けて保護層120を形成した後、保護層90及び保護層120の組み合わせは横方向に各ポスト74をパッケージする。また、充填誘電体100及び充填誘電体130の組み合わせは、横方向に各ポスト74をパッケージする。
【0049】
図25、
図26A及び
図26Bにおいて、平坦化プロセス(例えば化学機械研磨プロセス)は、充填誘電体130の上表面とワード線112の上表面を面一にすることに用いられる。したがって、
図25、
図26A及び
図26Bに示すように、例えばメモリセル200A、メモリセル200B、メモリセル200C、メモリセル200D及びメモリセル200Eを含むメモリセル200を形成する。
【0050】
理解すべきなのは、他のプロセスは、メモリセルの形成に用いられてよい。例えば、誘電体層と面一となるビット線12は誘電体層(例えば、残部100a)に形成されてよい。次に、各メモリスタック層70を形成する。次に、ポスト74を形成するように各メモリスタック層70をパターニングしてよい。次に例えば保護層90又は保護層120のような保護層は、ポスト74を覆うことができる。次に、例えば充填誘電体100又は充填誘電体130のような充填誘電体は、横方向にポスト74をパッケージすることができる。次に、充填誘電体を平坦化し且つ充填誘電体をポスト74のトップ部と面一にし、及び次にワード線112形成することができる。
【0051】
図27A及び
図27Bにおいて、
図26A及び
図26Bと同じ構造を示し、ポスト74を除いて、傾斜又はテーパ状(tapered)の側壁を有するように示される。いくつかの実施例において、ポスト74は、例えば
図4A、
図4B、
図4C及び
図4Dに示される異なる形状であってよい。
図27A及び
図27Bにおいて、複数層(ボトム電極24、メモリ記憶構造34、界面層44、セレクタ構造54及びトップ電極64)エッチングしてポストを形成する時、エッチングにより非垂直な側壁が発生することができる。いくつかの実施例において、側壁は外へ傾斜(
図27A及び
図27Bに示される)し、他の実施例において、側壁は内へ傾斜(例えば反転ポスト74の形状)してよい。他の例示においてこれらの変化を取り換えることができるが、図面を簡略化するために具体的に示されない。
【0052】
図28及び
図29は、第1の双方向閾値スイッチング材料層55及び第2の双方向閾値スイッチング材料層57のグラデーションプロファイルの様々な変化を示す。各図面の左側は、
図8Aのレイアウトを含むセレクタ構造54を表し、第1の双方向閾値スイッチング材料層55が2つの第2の双方向閾値スイッチング材料層57の間に挟まれている。これらの層はポスト74の一部であり、ポスト74がセレクタ構造54の上方層及びセレクタ構造54の下方層を含む。これらの上方層及び下方層は、例えば上記の
図5A、
図5B、
図5C及び
図5Dのようにレイアウトに応じて変化することができる。
【0053】
各図面の右側には、セレクタ構造54の深さプロファイルを一方の軸とし、セレクタ構造54における材料の原子濃度パーセントを他方の軸としたグラフが示されている。第1の双方向閾値スイッチング材料層55と第2の双方向閾値スイッチング材料層57との間の層と層の境界線は、左側から延出しグラフを貫通する。
【0054】
表記されるライン250A、ライン250B及びライン250Cは、第1の双方向閾値スイッチング材料層55及び第2の双方向閾値スイッチング材料層57で共有されるエレメントの原子濃度パーセントを示している。表記されるライン260A及びライン260Bは、第1の双方向閾値スイッチング材料層55に固有のエレメントの原子濃度の百分率を示している。上述したように、第1の双方向閾値スイッチング材料層55は、第2の双方向閾値スイッチング材料層57(及び第3の双方向閾値スイッチング材料層59)と同じエレメントのサブセットと、第1の双方向閾値スイッチング材料層55に固有の付加エレメントと、を含む。
【0055】
図28において、共有エレメントは、非共有エレメントよりも高い濃度を有する。したがって、共有エレメントの濃度パーセントは、第1の双方向閾値スイッチング材料層55に固有のエレメントの濃度パーセントよりも大きい。
図29において、第1の双方向閾値スイッチング材料層55に固有のエレメントは、共有エレメントよりも高い濃度パーセントを有する。したがって、第1の双方向閾値スイッチング材料層55における固有のエレメントの濃度パーセントは、第2の双方向閾値スイッチング材料層57よりも大きくなるように示される。
【0056】
図28において、第1のグラフのライン250Aは、第1の双方向閾値スイッチング材料層55及び第2の双方向閾値スイッチング材料層57における共有エレメントが下部の第2の双方向閾値スイッチング材料層57から第1の双方向閾値スイッチング材料層55へ徐々に増加し、第1の双方向閾値スイッチング材料層55の厚さを貫通する濃度が穏やかで均一であることを説明する。次に、共有エレメントは、上部の第2の双方向閾値スイッチング材料層57を貫通する時に徐々に減少する。第2のグラフのライン250Bにより、第1の双方向閾値スイッチング材料層55及び第2の双方向閾値スイッチング材料層57における共有エレメントは、下部の第2の双方向閾値スイッチング材料層57を貫通し第1の双方向閾値スイッチング材料層55に入る2つの増加勾配を有することを説明する。第1の双方向閾値スイッチング材料層55の厚さを貫通する濃度が穏やかで均一である。次に、共有エレメントは、第2の双方向閾値スイッチング材料層57を貫通する2つの減少勾配を有する。第3のグラフのライン250Cにより、第1の双方向閾値スイッチング材料層55及び第2の双方向閾値スイッチング材料層57における共有エレメントは、下部の第2の双方向閾値スイッチング材料層57を貫通し第1の双方向閾値スイッチング材料層55に入る時に増加することを説明する。次に、共有エレメントは第1の双方向閾値スイッチング材料層55に入る時に減少する。次に、第1の双方向閾値スイッチング材料層55の厚さを貫通する濃度が穏やかで均一である。次に、共有エレメントは上部の第2の双方向閾値スイッチング材料層57に入る時に増加し、且つ引き続き上部第2の双方向閾値スイッチング材料層57の残部を貫通する時に減少する。
【0057】
図28の第1のグラフ、第2のグラフ及び第3のグラフのライン260Aにより、第1の双方向閾値スイッチング材料層55に固有のエレメントは、実質的に下部の第2の双方向閾値スイッチング材料層57の厚さを貫通する時に徐々に増加することを説明する。例えば、堆積した後、第1の双方向閾値スイッチング材料層55に固有のエレメントは、隣接する第2の双方向閾値スイッチング材料層57に拡散していてもよい。第1の双方向閾値スイッチング材料層55の厚さについて、固有のエレメントの濃度は実質的に安定であってよい。次に、上部の第2の双方向閾値スイッチング材料層57について、固有のエレメントの濃度(ライン260A)は上部第2の双方向閾値スイッチング材料層57の厚さを貫通する時に減少してよい。
【0058】
図29において、ライン250A、ライン250B及びライン250Cに対して、共有エレメントの濃度は、上方の
図28に記載の性質及び特徴と類似しているものを有してよい。ライン260Bは、ライン260Aと類似している濃度特徴を有するが、第1の双方向閾値スイッチング材料層55に固有のエレメント濃度は、第1の双方向閾値スイッチング材料層55及び第2の双方向閾値スイッチング材料層57の共有エレメント濃度よりも大きい。
【0059】
図28及び
図29は、第2の双方向閾値スイッチング材料層57が第1の双方向閾値スイッチング材料層55の上方及び下方に用いられることを示す。いくつかの実施例において、第3の双方向閾値スイッチング材料層59は、第1の双方向閾値スイッチング材料層55の上方又は下方に用いられてよい。このような実施例において、濃度曲線は、
図28及び
図29に示すようなものと同じであってよく、第2の双方向閾値スイッチング材料層57及び第3の双方向閾値スイッチング材料層59の各々は、第1の双方向閾値スイッチング材料層55との共有エレメントを有するが、第2の双方向閾値スイッチング材料層57及び第3の双方向閾値スイッチング材料層59のエレメントが共有しない。いくつかの実施例において、第1の双方向閾値スイッチング材料層55の上方又は下方の第2の双方向閾値スイッチング材料層57を使用しなくてもよい。このような実施例において、示される曲線は、第1の双方向閾値スイッチング材料層55と第2の双方向閾値スイッチング材料層57との間の側/界面のグラデーション濃度を含む。第1の双方向閾値スイッチング材料層55は、第2の双方向閾値スイッチング材料層57の別の側の曲線に対して、示されるものと類似しているが更に圧縮される。このような実施例において、隣接層が第2の双方向閾値スイッチング材料層57である場合と比べると、第1の双方向閾値スイッチング材料層55の材料はより浅く拡散する。代わりに、曲線は約10%~25%で示される深さの深さ距離内に圧縮される。
【0060】
図30A及び
図30Bは、ワード線112及びビット線を金属化層に結合させるように貫通孔150を形成することを示す。いくつかの実施例において、充填誘電体130は、平坦化せずに且つ貫通孔150を形成するように保留してよい。他の実施例において、誘電体層140は、ワード線112の上方に堆積され且つ充填誘電体130を覆う。次に、貫通孔150に対応して誘電体層140及び充填誘電体130を貫通して開口を形成する。次に、開口の中に導電性材料を堆積して貫通孔150を形成してよい。例えば原子層成長、化学的気相成長、電気めっき又は類似的なことのような任意の適切なプロセスにより、貫通孔150を堆積してよい。いくつかの実施例において、バリア層を誘電体層140と貫通孔150との間に形成してよい。
【0061】
図31A及び
図31Bにおいて、貫通孔150の上方のメタルバックを形成するように金属化層170を形成してよい。金属化層170の形成は、まず例えば層間誘電体(inter-layer dielectric;ILD)のような誘電体層140の上方に絶縁層160を堆積して、且つ絶縁層160に形成される金属化層パターンに対応する開口を形成してよい。次に、例えば原子層成長、化学的気相成長、電気めっき又は類似的なことのような任意の適切なプロセスにより金属化層170を形成してよい。いくつかの実施例において、バリア層を絶縁層160と金属化層170との間に形成してよい。
【0062】
本開示の実施例は、いくつかのメリットが達成される。複数層セレクタ構造により、単層セレクタ構造よりも感度が高いスイッチ切り替えプロファイル、並びにより小さなサイクル間の閾値電圧変化及び装置間の閾値電圧変化を含む切り替え表現に対する改善を提供する。グラデーション成分を有する双方向閾値スイッチ切り替えは、隣接金属層の干渉を減少し又は除くことにより、更に装置セレクタの表現を強化することができる。複数層のセレクタ構造及びメモリ素子の多様化配置によりメモリセルを形成することができる。
【0063】
本開示の実施例は、メモリセルのメモリ構造を形成し、メモリ構造が上部電極と下部電極との間に挿入されることと、メモリセルのセレクタ構造を形成し、セレクタ構造が上部電極と下部電極との間に挿入され、セレクタ構造が第1層に設けられる第1の材料及び第2層に設けられる第2の材料を含み、第1の材料が第2の材料及び付加エレメントを含んでよく、第1の材料が双方向閾値スイッチング材料を含んでよいことと、セレクタ構造の上方にワード線を形成し、ワード線がビット線に縦方向に垂直となる縦方向を有し、ビット線がセレクタ構造の下方に設けられることと、を備える方法である。
【0064】
一実施例において、第1層における第1の材料が第1層の厚さ全体を貫通する濃度は、実質的に均一である。一実施例において、第2層における第2の材料が第2層の厚さを貫通する濃度は、グラデーションの濃度変化を有する。一実施例において、グラデーションの濃度変化は、2種類の異なる傾きを含む。一実施例において、第1の勾配は第2層における第2の材料の濃度を増加させ、且つ第2の勾配は第2層における第2の材料の濃度を減少させる。一実施例において、第2層はグラデーション濃度を持つ第1層における付加エレメントを含み、グラデーション濃度が第1層と第2層との間の界面へ増加する。一実施例において、セレクタ構造は、メモリ構造の上方に設けられる。一実施例において、方法は、メモリ構造とセレクタ構造との間の界面層を形成することを含んでよい。一実施例において、セレクタ構造は、第3の材料を含んでよい第3層を備え、第1層が第2層と第3層との間に挿入される。一実施例において、第3の材料は第2層の第2の材料と異なり、第1層は第3の材料を更に含んでよい。
【0065】
本開示の別の実施例は、ビット線金属を形成することと、ボトム電極金属を堆積することと、ボトム電極金属の上方に複数のメモリ層を堆積することと、ボトム電極金属の上方に複数のセレクタ層を堆積することと、セレクタ層の上方にトップ電極金属を堆積することと、トップ電極金属の上方に第1のマスクを形成し、且つトップ電極金属、セレクタ層、メモリ層及びボトム電極金属を、ビット線金属に対応するストライプ状のグループにパターニングすることと、ストライプ状のグループを横方向に取り囲むように絶縁層を堆積することと、絶縁層及びトップ電極金属の上方にワード線金属を形成することと、ワード線金属の上方に第2のマスクを形成することと、第2のマスクによりワード線金属並びにトップ電極金属、セレクタ層、メモリ層及びボトム電極金属を1組のポストにパターニングし、各ポストがメモリセルに対応することと、を備える方法である。
【0066】
一実施例において、方法は、第1の双方向閾値スイッチング材料を含んでよい第1のセレクタ層を堆積することと、及び第2の双方向閾値スイッチング材料を含んでよい第2のセレクタ層を堆積することと、を備え、第2の双方向閾値スイッチング材料が第1の双方向閾値スイッチング材料のサブセットを含む。一実施例において、セレクタ層を堆積することは、第3の双方向閾値スイッチング材料の第3のセレクタを堆積することを更に含んでよく、第1のセレクタ層は第2のセレクタ層と第3のセレクタ層との間に挿入され、第1のセレクタ層と第2のセレクタ層は第1の共有界面を有し、第1のセレクタ層と第3のセレクタ層は第2の共有界面を有し、第3の双方向閾値スイッチング材料は第1の双方向閾値スイッチング材料のサブセットを含んでよい。一実施例において、第3の双方向閾値スイッチング材料は、第2の双方向閾値スイッチング材料と異なる。
【0067】
本開示の別の実施例は、メモリ構造、セレクタ構造、トップ電極及びボトム電極を含んでよく、セレクタ構造が第1の材料層及び第2の材料層を含んでよく、第2の材料層が第1の材料層の材料のサブセットを含んでよく、メモリ構造及びセレクタ構造がトップ電極とボトム電極との間に挿入されるメモリセルと、ボトム電極に結合されるビット線と、トップ電極に結合されるソース線と、を備える装置である。
【0068】
一実施例において、セレクタ構造は、第1の材料層の材料のサブセットを含んでよい第3の材料層を更に備えてよい。一実施例において、第3の材料層及び第2の材料層は同じ材料成分を有する。一実施例において、第1の材料層の厚さ全体において、第1の材料層における第1の材料の第1の濃度は、実質的に安定した濃度プロファイルを有する。一実施例において、第1の材料層に固有の材料の第1の濃度パーセントは、第1の材料層及び第2の材料層の両方にも有する材料の第2の濃度パーセントよりも大きい。一実施例において、第2の材料層は、グラデーションパーセント濃度を持つ第1の材料層の材料を更に含んでよい。
【0069】
上記内容はいくつかの実施例の特徴を概括し、これにより当業者が本開示の態様をよりよく理解することができる。当業者は、同じ目的を実現し及び/又は本明細書に組み込まれた実施例の同じ利点を達成するように、他のプロセス及び構造を設計又は修正するための基礎として本開示を容易に使用することができることを理解すべきである。当業者は、このような等価構造は本開示の精神及び範囲から逸脱せず、且つ本開示の精神及び範囲から逸脱せずに様々な変更、置換、及び代替を行うことができることを認識すべきである。
【符号の説明】
【0070】
2:基板
10:ビット線層
12、12A、12B、12C:ビット線
20:ボトム電極層
22:ボトム電極層
24:ボトム電極
30:メモリ構造層
32:メモリ構造層
34:メモリ記憶構造
40:界面層
42:界面層
44:中間層/界面層
50:セレクタ構造層
52:セレクタ構造層
54:セレクタ構造
55:第1の双方向閾値スイッチング材料層
57:第2の双方向閾値スイッチング材料層
59:第3の双方向閾値スイッチング材料層
60:トップ電極層
62:トップ電極層
64:トップ電極
70:メモリスタック層
72:メモリスタック層
74:ポスト
76:メモリ素子
84:ハードマスク層
86:ハードマスク
88:フォトマスク
90:保護層
100:充填誘電体
100a:残部
100b:充填誘電体
110:ワード線層
112、112A、112B、112C:ワード線
114:ハードマスク層
116:ハードマスク
118:フォトマスク
120:保護層
130:充填誘電体
140:誘電体層
150:貫通孔
160:絶縁層
170:金属化層
200、200A、200B、200C、200D、200E、200(m,n):メモリセル
250A、250B、250C:ライン
260A、260B:ライン
300:メモリアレイ
A-A、B-B:切断線
BL(1)、BL(2)、BL(n):ビット線
GND:接地端
Vapplied:電圧
VTH:閾値電圧
Vref:リファレンス電圧
WL(1)、WL(2)、WL(n):ワード線
x、y、z:軸