(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168247
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】枢動装置
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20231116BHJP
F16C 11/04 20060101ALI20231116BHJP
F16C 11/10 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
G06F1/16 312J
G06F1/16 312G
G06F1/16 312F
F16C11/04 F
F16C11/10 D
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070110
(22)【出願日】2023-04-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-16
(31)【優先権主張番号】111204901
(32)【優先日】2022-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】503036313
【氏名又は名称】▲きん▼禾科技股▲ふん▼有限公司
【住所又は居所原語表記】No. 27-1, Lane 169, Kangning St., Xizhi District, New Taipei City 221, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鍾 鳳玉
(72)【発明者】
【氏名】彭 志煌
(72)【発明者】
【氏名】頼 南海
【テーマコード(参考)】
3J105
【Fターム(参考)】
3J105AA05
3J105AB02
3J105AB22
3J105AB24
3J105AC07
3J105BB54
3J105BC02
3J105DA13
3J105DA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】可撓性ディスプレイの枢動装置を提供する。
【解決手段】ヒンジセット10と、少なくとも2つの支持プレート20とを含む枢動装置100であって、ヒンジセットは、ベース11と、ベースに設けられる2つの可動部品12と、2つの可動部品に接続される少なくとも2つの固定部品13と、ベースに設けられ2つの固定部品によって駆動される2つの被駆動ロッド14とを含む。ベースには、それぞれ2つの可動部品を設けることができる少なくとも2つの軌道が成形される。2つの可動部品は、円弧状の軌跡変位を行う間に可撓性ディスプレイが折り畳まれる。2つの固定部品には、それぞれ2つの被駆動ロッドの一方を中で可動とすることができる斜め槽が成形される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、前記ベースに設けられる2つの可動部品と、前記2つの可動部品に接続され可撓性ディスプレイを上に固定することができる固定部品と、前記ベースに設けられ前記2つの固定部品によって駆動される2つの被駆動ロッドとを含み、前記ベースには、それぞれ、前記2つの可動部品が円弧状の運動軌跡でしか移動しないよう制限する少なくとも2つの軌道が成形され、前記2つの可動部品は、円弧状の軌跡変位を行う間に前記2つの固定部品を駆動して前記可撓性ディスプレイを折り畳み、前記2つの固定部品には、それぞれ、前記2つの被駆動ロッドの一方を中で可動とすることができる斜め槽が成形されるヒンジセットと、
少なくとも2つの支持プレートであって、前記ヒンジセットにおいて並列され、前記可撓性ディスプレイと協働の関係をなし、前記2つの支持プレートには、それぞれ、前記2つの支持プレートのそれぞれの末端に位置し前記2つの被駆動ロッドの一方が中でスライドすることができるスライドレール部が成形され、前記2つの被駆動ロッドが前記スライドレール部に沿ってスライドしていない時に、前記2つの支持プレートは前記可撓性ディスプレイを支持できるよう水平に配置され、前記2つの被駆動ロッドが駆動されて前記スライドレール部と前記斜め槽の両方に沿ってスライドする時に、前記2つの支持プレートは相対的に持ち上げられ、外向きに傾斜する支持プレートとを含むことを特徴とする枢動装置。
【請求項2】
前記2つの被駆動ロッドのそれぞれは、前記ベースに接続される第1組立て区間と、前記2つの固定部品の一方に接続される第2組立て区間と、前記第1組立て区間及び前記第2組立て区間に接続される屈曲区間とを含むことを特徴とする請求項1に記載の枢動装置。
【請求項3】
前記2つの被駆動ロッドのそれぞれには、前記ベースに組み付けられない端において、前記斜め槽に入り込む第1組付けアームと、前記第1組付けアームの反対側に位置し前記スライドレール部に入り込む第2組付けアームとがそれぞれ成形されることを特徴とする請求項2に記載の枢動装置。
【請求項4】
前記2つの支持プレートは、前記可動部品と前記被駆動ロッドの上に積み重ねられる第1部分と、前記第1部分に垂直であり前記被駆動ロッドの前記固定部品から離れた側に組み付けられる第2部分とを含むことを特徴とする請求項3に記載の枢動装置。
【請求項5】
前記ヒンジセットは、ベースに接続され前記2つの可動部品の回転時に必要なねじり力を提供するねじり力提供部を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の枢動装置。
【請求項6】
前記ねじり力提供部は、サポートフレームと、前記サポートフレームに平行に設けられる2つの回転軸と、前記2つの回転軸の間に設けられる遊び歯車とを含み、前記2つの回転軸のそれぞれは、2つの前記可動部品の一方に組み付けられて前記ねじり力提供部が前記2つの可動部品と協働するようにする接続部品と、前記遊び歯車に噛み合う歯車とを備え、2つの前記歯車及び前記遊び歯車は、交差軸はすば歯車構造であることを特徴とする請求項5に記載の枢動装置。
【請求項7】
前記遊び歯車は、位置決め穴を備え、前記サポートフレームは、第1プレートと、前記第1プレートに垂直であり前記遊び歯車を上に載せる第2プレートとを備え、前記第2プレートは、前記遊び歯車が前記第2プレートに設けられる時に前記位置決め穴と連通して組立て部品を設けることができる遊び歯車固定穴を備えることを特徴とする請求項6に記載の枢動装置。
【請求項8】
前記ねじり力提供部は、それぞれ前記2つの回転軸の片端に設けられる複数のねじりばねを含むことを特徴とする請求項7に記載の枢動装置。
【請求項9】
前記2つの軌道のそれぞれは、その属する2つの内壁のそれぞれにおいて円弧状のリブが設けられ、前記2つの可動部品のそれぞれは、その属する2つの側壁のそれぞれにおいて、前記円弧状のリブを中に設けることができる円弧状の溝を備えることを特徴とする請求項1に記載の枢動装置。
【請求項10】
前記2つの軌道は、それぞれ、開放端を備え、前記2つの軌道に属する2つの前記開放端は、前記ベースの2つの側縁に位置することを特徴とする請求項9に記載の枢動装置。
【請求項11】
前記2つの可動部品の一方には、前記2つの可動部品の他方に面する位置決め溝が成形され、前記2つの可動部品の他方には、前記位置決め溝に入り込む位置決め凸部が成形されることを特徴とする請求項10に記載の枢動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枢動装置に関し、特に、可撓性ディスプレイに用いる枢動装置である。
【背景技術】
【0002】
ヒンジ技術分野では、可撓性ディスプレイに用いる実施形態が多いことが調査で分かり、例えば、特許文献1~9である。
【0003】
しかしながら、従来のヒンジには、電子機器を折り畳んだ後に可撓性ディスプレイの折り畳んだ後の長さを満たすために、構造が複雑になるという課題がある。枢動装置にある数多くの部品で組み立てが難しくなり、それを採用する実施対象の薄型化にも影響が出る。出願人は、この課題を解決するために、従来とは異なるヒンジ構造を採用し、本発明に至っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許公開第CN114046313A号
【特許文献2】台湾実用新案公告第TW M575953号
【特許文献3】台湾実用新案公告第TW M614799号
【特許文献4】台湾特許公告第TW I695666号
【特許文献5】台湾実用新案公告第TW M586375号
【特許文献6】台湾実用新案公告第TW M601843号
【特許文献7】台湾特許公開第TW 202132878号
【特許文献8】台湾特許公開第TW 202132941号
【特許文献9】台湾特許公告第TW I682261号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、可撓性ディスプレイに用いる従来のヒンジは、実施対象の薄型化に影響を与えるという課題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するために、ヒンジセットと、少なくとも2つの支持プレートとを含む枢動装置を提供する。当該ヒンジセットは、ベースと、当該ベースに設けられる2つの可動部品と、当該2つの可動部品に接続され可撓性ディスプレイを上に固定することができる固定部品と、当該ベースに設けられ当該2つの固定部品によって駆動される2つの被駆動ロッドとを含み、当該ベースには、それぞれ、当該2つの可動部品が円弧状の運動軌跡でしか移動しないよう制限する少なくとも2つの軌道が成形され、当該2つの可動部品は、円弧状の軌跡変位を行う間に当該2つの固定部品を駆動して当該可撓性ディスプレイを折り畳み、当該2つの固定部品には、それぞれ、当該2つの被駆動ロッドの一方を中で可動とすることができる斜め槽が成形される。当該2つの支持プレートは、当該ヒンジセットにおいて並列され、当該可撓性ディスプレイと協働の関係をなし、当該2つの支持プレートには、それぞれ、当該2つの支持プレートのそれぞれの末端に位置し当該2つの被駆動ロッドの一方が中でスライドすることができるスライドレール部が成形され、当該2つの被駆動ロッドが当該スライドレール部に沿ってスライドしていない時に、当該2つの支持プレートは当該可撓性ディスプレイを支持できるよう水平に配置され、当該2つの被駆動ロッドが駆動されて当該スライドレール部と当該斜め槽の両方に沿ってスライドする時に、当該2つの支持プレートは相対的に持ち上げられ、外向きに傾斜する。
【0007】
一実施例において、当該2つの被駆動ロッドのそれぞれは、当該ベースに接続される第1組立て区間と、当該2つの固定部品の一方に接続される第2組立て区間と、当該第1組立て区間及び当該第2組立て区間に接続される屈曲区間とを含む。
【0008】
一実施例において、当該2つの被駆動ロッドのそれぞれには、当該ベースに組み付けられない端において、当該斜め槽に入り込む第1組付けアームと、当該第1組付けアームの反対側に位置し当該スライドレール部に入り込む第2組付けアームとがそれぞれ成形される。
【0009】
一実施例において、当該2つの支持プレートのそれぞれは、当該可動部品と当該被駆動ロッドの上に積み重ねられる第1部分と、当該第1部分に垂直であり当該被駆動ロッドの当該固定部品から離れた側に組み付けられる第2部分とを含む。
【0010】
一実施例において、当該ヒンジセットは、ベースに接続され当該2つの可動部品の回転時に必要なねじり力を提供するねじり力提供部を含む。
【0011】
一実施例において、当該ねじり力提供部は、サポートフレームと、当該サポートフレームに平行に設けられる2つの回転軸と、当該2つの回転軸の間に設けられる遊び歯車とを含み、当該2つの回転軸のそれぞれは、2つの当該可動部品の一方に組み付けられて当該ねじり力提供部が当該2つの可動部品と協働するようにする接続部品と、当該遊び歯車に噛み合う歯車とを備え、2つの当該歯車及び当該遊び歯車は、交差軸はすば歯車構造である。
【0012】
一実施例において、当該遊び歯車は、位置決め穴を備え、当該サポートフレームは、第1プレートと、当該第1プレートに垂直であり当該遊び歯車を上に載せる第2プレートとを備え、当該第2プレートは、当該遊び歯車が当該第2プレートに設けられる時に当該位置決め穴と連通して組立て部品を設けることができる遊び歯車固定穴を備える。
【0013】
一実施例において、当該ねじり力提供部は、それぞれ当該2つの回転軸の片端に設けられる複数のねじりばねを含む。
【0014】
一実施例において、当該2つの軌道のそれぞれは、その属する2つの内壁のそれぞれにおいて円弧状のリブが設けられ、当該2つの可動部品のそれぞれは、その属する2つの側壁のそれぞれにおいて、当該円弧状のリブを中に設けることができる円弧状の溝を備える。
【0015】
一実施例において、当該2つの軌道は、それぞれ、開放端を備え、当該2つの軌道に属する2つの当該開放端は、当該ベースの2つの側縁に位置する。
【0016】
一実施例において、当該2つの可動部品の一方には、当該2つの可動部品の他方に面する位置決め溝が成形され、当該2つの可動部品の他方には、当該位置決め溝に入り込む位置決め凸部が成形される。
【発明の効果】
【0017】
発明の概要の記載から分かるように、本発明は、従来の技術と比べて、次の特徴を有する。本発明は、ヒンジセット及び2つの支持プレートを設けることにより、2つの支持プレートが駆動されていない時に可撓性ディスプレイを支持することができ、2つの支持プレートが相対的に持ち上げられる時に外向きに傾斜することができ、これによって可撓性ディスプレイは枢動装置を採用する実施対象の長さを満たしやすくなる。また、本発明は、従来の構成よりも構造がシンプルで、実施対象の薄型化に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例の立体構造の模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施例の構造分解の模式図その1である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施例の構造分解の模式図その2である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施例の構造断面の模式図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施例の実施の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の技術内容を、図面を参照して詳細に説明する。
図1から
図5が参照されるとおり、本発明は、ヒンジセット10と、ヒンジセット10において並列される少なくとも2つの支持プレート20とを含む枢動装置100を提供し、ヒンジセット10は、ベース11と、ベース11に設けられる2つの可動部品12と、2つの可動部品12に接続される少なくとも2つの固定部品13と、ベース11に設けられる2つの被駆動ロッド14とを含む。ベース11には、可動部品12を上に設けることができる少なくとも2つの軌道111が成形され、2つの軌道111は、2つの可動部品12が円弧状の運動軌跡121でしか移動しないよう制限し、2つの可動部品12が推し進められると2つの軌道111に沿って可動となり、円弧状の運動軌跡121での変位プロセスを行う間に相対的に開閉するとともに、2つの固定部品13を駆動する。2つの固定部品13が2つの可動部品12に組み立てられると可撓性ディスプレイ300をその上に固定することができ、これによって可撓性ディスプレイ300は2つの固定部品13に従って可動となって折り畳まれていく。また、2つの被駆動ロッド14は2つの固定部品13に接続されかつ2つの固定部品13によって駆動されることが可能であり、2つの固定部品13には、それぞれ、2つの被駆動ロッド14の一方が中に設けることができる斜め槽131が成形され、2つの固定部品13が2つの可動部品12によって駆動される時に、斜め槽131により2つの被駆動ロッド14は駆動され、その中で可動となる。また、2つの支持プレート20はヒンジセット10に組み付けられかつ可撓性ディスプレイ300と協働の関係をなし、2つの支持プレート20には、それぞれ、2つの支持プレート20のそれぞれの末端に位置するスライドレール部21が成形され、スライドレール部21は、2つの被駆動ロッド14の一方をその中に設けることができ、これによって2つの被駆動ロッド14が2つの支持プレート20に組み立てられるという関係性になり、2つの被駆動ロッド14が駆動される時にその中でスライドする。
【0020】
以下、
図1から
図5を参照して、枢動装置100の実施形態について説明する。初期には可撓性ディスプレイ300が折り畳まれていないとし、この時に、2つの可動部品12が2つの固定部品13を駆動しないため、2つの被駆動ロッド14は2つのスライドレール部21に沿ってスライドせず、そして2つの支持プレート20は可撓性ディスプレイ300を支持できるよう水平に配置される。可撓性ディスプレイ300が折り畳まれようとする時に、2つの可動部品12は円弧状の運動軌跡121で運動して2つの固定部品13を駆動し、2つの被駆動ロッド14が2つの固定部品13に従って動く間に、2つの被駆動ロッド14が2つのスライドレール部21及び2つの斜め槽131の両方に沿ってスライドし、これによって2つの支持プレート20が2つの固定部品13に駆動されて持ち上げられる時に、2つの支持プレート20は水平に配置される状態から立ち上がる状態になって外向きに傾斜するようになり、2つの支持プレート20の動く軌跡は記号201で示すとおりである。可撓性ディスプレイ300が折り畳まれた後、2つの支持プレート20の2つの表面の延長線22が鋭角23を形成し、可撓性ディスプレイ300のベース11に面する側は湾曲して水滴のようになり、2つの支持プレート20によって画定されたくさび形の空間24内に収容され、そして枢動装置100は可撓性ディスプレイ300の長さに適合する。可撓性ディスプレイ300が再び開けられる時に、2つの可動部品12は円弧状の運動軌跡121と逆の軌跡で運動して2つの固定部品13を駆動して復帰させ、2つの被駆動ロッド14は2つの固定部品13に駆動されて、2つのスライドレール部21及び2つの斜め槽131に沿って逆にスライドすることにより、2つの支持プレート20は立ち上がる状態から水平に配置される状態に戻る。
【0021】
上記で分かるように、本発明は、ヒンジセット10及び2つの支持プレート20を設けることにより、2つの支持プレート20が駆動されていない時に可撓性ディスプレイ300を支持することができ、2つの支持プレート20が相対的に持ち上げられる時に外向きに傾斜することができ、これによって可撓性ディスプレイ300は枢動装置100を採用する実施対象の長さを満たしやすくなる。また、本発明は、従来の構成よりも構造がシンプルで、実施対象の薄型化に役立つ。
【0022】
さらに、
図1から
図5が参照されるとおり、2つの被駆動ロッド14のそれぞれは、ベース11に接続される第1組立て区間141と、2つの固定部品13の一方に接続される第2組立て区間142と、第1組立て区間141及び第2組立て区間142に接続される屈曲区間143とを含む。本発明では、可撓性ディスプレイ300を収容するために、第1組立て区間141と第2組立て区間142が異なる延長線上に位置し、2つの第2組立て区間142の間の距離が2つの第1組立て区間141の間の距離より大きいことで、2つの被駆動ロッド14がベース11の上に立つ時に、2つの第2組立て区間142の間に可撓性ディスプレイ300の湾曲する部分を収容できる。
【0023】
さらに、2つの被駆動ロッド14は2つの固定部品13と2つの支持プレート20に組み付けられ、2つの被駆動ロッド14のそれぞれは、ベース11に組み付けられない端に第1組付けアーム144及び第2組付けアーム145がそれぞれ成形され、第1組付けアーム144は斜め槽131に入り込み、斜め槽131に沿って可動であり、第2組付けアーム145は、その属する被駆動ロッド14の中で第1組付けアーム144に対向する位置に位置し、第2組付けアーム145はスライドレール部21に入り込み、スライドレール部21に沿って可動である。一実施例において、スライドレール部21は、その属する支持プレート20に成形される穴であり、第2組付けアーム145のサイズは当該穴から決定される。また、2つの支持プレート20のそれぞれは、2つの可動部品12の一方に積み重ねられる第1部分25と、2つの被駆動ロッド14の一方の固定部品13から離れた側に組み付けられる第2部分26とを含み、第1部分25は2つの被駆動ロッド14の一方に位置し、第2部分26は第1部分25に接続され且つ第1部分25に垂直であり、第2部分26が2つの被駆動ロッド14の一方から作用されて第1部分25に従動することで、第1部分25は2つの被駆動ロッド14のスライドレール部21に沿って移動しない時にベース11に水平に配置され、2つの被駆動ロッド14がスライドレール部21に沿って移動するようになった後にベース11の上に立つ。
【0024】
また、本発明では、2つの軌道111のそれぞれは、その属する2つの内壁にそれぞれ円弧状のリブ112が設けられ、2つの可動部品12のそれぞれは、その属する2つの側壁にそれぞれ、円弧状のリブ112を中に設けることができる円弧状の溝122を備え、円弧状の溝122は、円弧状のリブ112の移動を制限して、2つの可動部品12が円弧状の運動軌跡121でしか運動することができない。また、別の実施例において、2つの軌道111は、それぞれ、開放端113を備え、2つの軌道111に属する2つの開放端113は、ベース11の2つの側縁に位置し、2つの開放端113は、それぞれ、2つの可動部品12を中に設けることができ、2つの可動部品12がベース11の上に展開された時に、2つの開放端113には2つの可動部品12を2つの軌道111内に収容できるため、ヒンジセット10の薄型化の効果を向上させる。さらに、別の実施例において、2つの可動部品12の一方には、2つの可動部品12の他方に面する位置決め溝123が成形され、2つの可動部品12の他方には、位置決め溝123に入り込むことができる位置決め凸部124が成形され、位置決め凸部124が位置決め溝123に適合し、2つの可動部品12が円弧状の運動軌跡121に沿って変位していない時に、位置決め凸部124が位置決め溝123に入り込んで、2つの可動部品12の位置を制限する。
【0025】
また、一実施例において、ヒンジセット10は、ベース11に接続されるねじり力提供部15を含み、ねじり力提供部15は、2つの可動部品12の回転時に必要なねじり力を提供し、具体的には、ねじり力提供部15は、2つの可動部品12の動作時にねじり力を生じることができ、生じられたねじり力で2つの可動部品12の動作はよりスムーズになる。ねじり力提供部15は、サポートフレーム151と、サポートフレーム151に平行に設けられる2つの回転軸152と、2つの回転軸152の間に設けられる遊び歯車153とを含む。サポートフレーム151はベース11に接続され、2つの回転軸152のそれぞれは、2つの可動部品12の一方に組み付けられる接続部品154と、遊び歯車153に噛み合う歯車155とを備え、2つの接続部品154は2つの回転軸152によって駆動されることで、ねじり力提供部15と2つの可動部品12が協働の関係をなし、2つの歯車155及び遊び歯車153は交差軸はすば歯車構造であり、本発明は、2つの歯車155と遊び歯車153が噛み合うことで2つの可動部品12の回転に必要なねじり力を提供する。
【0026】
さらに、一実施例において、遊び歯車153は、位置決め穴156を備え、サポートフレーム151は、第1プレート157と、第1プレート157に垂直である第2プレート158とを備え、第2プレート158は、遊び歯車153をその上に載せ、第2プレート158は、遊び歯車153が第2プレート158に設けられる時に位置決め穴156と連通する遊び歯車固定穴160を備え、遊び歯車固定穴160は、遊び歯車153の組立て位置を固定するよう、組立て部品161をその中に設けることができる。
【0027】
また、別の実施例において、ねじり力提供部15は、それぞれ2つの回転軸152の片端に設けられる2つのねじりばね162を含み、2つのねじりばね162は、2つの可動部品12の回転時に必要なねじり力を提供するための手助けをする。
【0028】
別の実施例において、枢動装置100は、ヒンジセット10の可撓性ディスプレイ300に面しない側に位置するカバー30を備え、カバー30はヒンジセット10を覆って、ヒンジセット10を保護する。
【符号の説明】
【0029】
100 枢動装置
10 ヒンジセット
11 ベース
111 軌道
112 円弧状のリブ
113 開放端
12 可動部品
121 円弧状の運動軌跡
122 円弧状の溝
123 位置決め溝
124 位置決め凸部
13 固定部品
131 斜め槽
14 被駆動ロッド
141 第1組立て区間
142 第2組立て区間
143 屈曲区間
144 第1組付けアーム
145 第2組付けアーム
15 ねじり力提供部
151 サポートフレーム
152 回転軸
153 遊び歯車
154 接続部品
155 歯車
156 位置決め穴
157 第1プレート
158 第2プレート
160 遊び歯車固定穴
161 組立て部品
162 ねじりばね
20 支持プレート
201 記号
21 スライドレール部
22 表面の延長線
23 鋭角
24 くさび形の空間
25 第1部分
26 第2部分
30 カバー
300 可撓性ディスプレイ
【手続補正書】
【提出日】2023-08-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、前記ベースに設けられる2つの可動部品と、前記2つの可動部品に接続され可撓性ディスプレイを上に固定することができる固定部品と、前記ベースに設けられ前記2つの固定部品によって駆動される2つの被駆動ロッドとを含み、前記ベースには、それぞれ、前記2つの可動部品が円弧状の運動軌跡でしか移動しないよう制限する少なくとも2つの軌道が成形され、前記2つの可動部品は、円弧状の軌跡変位を行う間に前記2つの固定部品を駆動して前記可撓性ディスプレイを折り畳み、前記2つの固定部品には、それぞれ、前記2つの被駆動ロッドの一方を中で可動とすることができる斜め槽が成形されるヒンジセットと、
少なくとも2つの支持プレートであって、前記ヒンジセットにおいて並列され、前記可撓性ディスプレイと協働の関係をなし、前記2つの支持プレートには、それぞれ、前記2つの支持プレートのそれぞれの末端に位置し前記2つの被駆動ロッドの一方が中でスライドすることができるスライドレール部が成形され、前記可撓性ディスプレイが折り畳まれていない時、前記2つの被駆動ロッドが前記スライドレール部に沿ってスライドせず、前記2つの支持プレートは前記可撓性ディスプレイを支持できるよう水平に配置され、前記可撓性ディスプレイが折り畳まれている過程において、前記2つの被駆動ロッドが駆動されて前記スライドレール部と前記斜め槽の両方に沿ってスライドし、前記2つの支持プレートは相対的に持ち上げられ、外向きに傾斜する支持プレートとを含むことを特徴とする枢動装置。
【請求項2】
前記2つの被駆動ロッドのそれぞれは、前記ベースに接続される第1組立て区間と、前記2つの固定部品の一方に接続される第2組立て区間と、前記第1組立て区間及び前記第2組立て区間に接続される屈曲区間とを含むことを特徴とする請求項1に記載の枢動装置。
【請求項3】
前記2つの被駆動ロッドのそれぞれには、前記ベースに組み付けられない端において、前記斜め槽に入り込む第1組付けアームと、前記第1組付けアームの反対側に位置し前記スライドレール部に入り込む第2組付けアームとがそれぞれ成形されることを特徴とする請求項2に記載の枢動装置。
【請求項4】
前記2つの支持プレートは、前記可動部品と前記被駆動ロッドの上に積み重ねられる第1部分と、前記第1部分に垂直であり前記被駆動ロッドの前記固定部品から離れた側に組み付けられる第2部分とを含むことを特徴とする請求項3に記載の枢動装置。
【請求項5】
前記ヒンジセットは、ベースに接続され前記2つの可動部品の回転時に必要なねじり力を提供するねじり力提供部を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の枢動装置。
【請求項6】
前記ねじり力提供部は、サポートフレームと、前記サポートフレームに平行に設けられる2つの回転軸と、前記2つの回転軸の間に設けられる遊び歯車とを含み、前記2つの回転軸のそれぞれは、前記2つ固定部品のうちの1つを介して2つの前記可動部品の一方に組み付けられて前記ねじり力提供部が前記2つの可動部品と協働するようにする接続部品と、前記遊び歯車に噛み合う歯車とを備え、2つの前記歯車及び前記遊び歯車は、交差軸はすば歯車構造であることを特徴とする請求項5に記載の枢動装置。
【請求項7】
前記遊び歯車は、位置決め穴を備え、前記サポートフレームは、第1プレートと、前記第1プレートに垂直であり前記遊び歯車をはめ込む第2プレートとを備え、前記第2プレートは、前記遊び歯車が前記第2プレートにはめ込まれる時に前記位置決め穴と連通して組立て部品を設けることができる遊び歯車固定穴を備えることを特徴とする請求項6に記載の枢動装置。
【請求項8】
前記ねじり力提供部は、それぞれ前記2つの回転軸の片端に設けられる複数のねじりばねを含むことを特徴とする請求項7に記載の枢動装置。
【請求項9】
前記2つの軌道のそれぞれは、その属する2つの内壁のそれぞれにおいて円弧状のリブが設けられ、前記2つの可動部品のそれぞれは、その属する2つの側壁のそれぞれにおいて、前記円弧状のリブを中に設けることができる円弧状の溝を備えることを特徴とする請求項1に記載の枢動装置。
【請求項10】
前記2つの軌道は、それぞれ、開放端を備え、前記2つの軌道に属する2つの前記開放端は、前記ベースの2つの側縁に位置することを特徴とする請求項9に記載の枢動装置。
【請求項11】
前記2つの可動部品の一方には、前記2つの可動部品の他方に面する位置決め溝が成形され、前記2つの可動部品の他方には、前記位置決め溝に入り込む位置決め凸部が成形されることを特徴とする請求項10に記載の枢動装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
さらに、一実施例において、遊び歯車153は、位置決め穴156を備え、サポートフレーム151は、第1プレート157と、第1プレート157に垂直である第2プレート158とを備え、第2プレート158に、遊び歯車153をはめ込み、第2プレート158は、遊び歯車153が第2プレート158にはめ込まれる時に位置決め穴156と連通する遊び歯車固定穴160を備え、遊び歯車固定穴160は、遊び歯車153の組立て位置を固定するよう、組立て部品161をその中に設けることができる。