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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168249
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】半導体光素子
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/227 20060101AFI20231116BHJP
   H01S 5/042 20060101ALI20231116BHJP
   H01S 5/223 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
H01S5/227
H01S5/042 612
H01S5/223
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070872
(22)【出願日】2023-04-24
(31)【優先権主張番号】P 2022077986
(32)【優先日】2022-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023043774
(32)【優先日】2023-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】301005371
【氏名又は名称】日本ルメンタム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼群 哲義
(72)【発明者】
【氏名】鷲野 隆
(72)【発明者】
【氏名】小島 義博
(72)【発明者】
【氏名】日極 さおり
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173AA03
5F173AA42
5F173AF92
5F173AH14
5F173AK21
5F173AL07
5F173AL21
5F173AP71
5F173AR62
5F173AR72
(57)【要約】
【課題】特性低下の防止を目的とする。
【解決手段】半導体光素子は、メサストライプ構造12の上端面に隣接して上端面から斜めに傾斜して上がる第1傾斜面30を有し、第1傾斜面30の上端から直立する第1直立面32を有し、メサストライプ構造12の上端面よりも高い上面34を有する一対の埋め込み層24と、メサストライプ構造12の上端面の上を避けて埋め込み層24の上面34の上にある絶縁膜54と、メサストライプ構造12の上端面、埋め込み層24の第1傾斜面30および絶縁膜54の上で拡がる電極膜58と、を有する。第1直立面32の上端は、第1方向D1に沿って延び、一対の埋め込み層24の少なくとも一方の上面34は、複数の凹部42を有し、凹部42は、上面34から斜めに傾斜して下がる第2傾斜面48を有し、第2傾斜面48の上端は、第1方向D1に直交する第2方向D2に沿って延びる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びるメサストライプ構造と、
前記メサストライプ構造を両側で埋め込み、それぞれが前記メサストライプ構造の上端面に隣接して前記上端面から斜めに傾斜して上がる第1傾斜面を有し、それぞれが前記第1傾斜面の上端から直立する第1直立面を有し、それぞれが前記メサストライプ構造の前記上端面よりも高い上面を有する一対の埋め込み層と、
前記メサストライプ構造の前記上端面の上を避けて前記一対の埋め込み層のそれぞれの前記上面の上にある絶縁膜と、
前記メサストライプ構造の前記上端面、前記第1傾斜面および前記絶縁膜の上で拡がる電極膜と、
を有し、
前記第1直立面の上端は、前記第1方向に沿って延び、
前記一対の埋め込み層の少なくとも一方の前記上面は、複数の凹部を有し、
前記複数の凹部のそれぞれは、前記上面から斜めに傾斜して下がる第2傾斜面を有し、
前記第2傾斜面の上端は、前記第1方向に直交する第2方向に沿って延びる半導体光素子。
【請求項2】
請求項1に記載された半導体光素子であって、
前記電極膜は、前記第1傾斜面の上にある第1部分と、前記第2傾斜面の上にある第2部分と、前記第1直立面の前方にある第1接続部と、を含み、
前記第1接続部は、前記第1部分および前記第2部分のいずれよりも薄い半導体光素子。
【請求項3】
請求項2に記載された半導体光素子であって、
前記第1接続部と前記第1直立面の間には隙間がある半導体光素子。
【請求項4】
請求項3に記載された半導体光素子であって、
前記絶縁膜は、前記第1直立面の上でオーバーハングしている半導体光素子。
【請求項5】
請求項2に記載された半導体光素子であって、
前記複数の凹部のそれぞれは、直立する第2直立面をさらに有し、
前記第2直立面の上端は、前記第1方向に沿って延び、
前記電極膜は、前記第2直立面の前方にある第2接続部をさらに含み、
前記第2接続部は、前記第1部分および前記第2部分のいずれよりも薄い半導体光素子。
【請求項6】
請求項5に記載された半導体光素子であって、
前記第2接続部と前記第2直立面の間には隙間がある半導体光素子。
【請求項7】
請求項6に記載された半導体光素子であって、
前記絶縁膜は、前記第2直立面の上でオーバーハングしている半導体光素子。
【請求項8】
請求項1に記載された半導体光素子であって、
前記複数の凹部のそれぞれは、前記第2傾斜面の下端から前記第1方向に拡がる底面を有し、
前記底面は、平坦であり、前記第1傾斜面に接続する半導体光素子。
【請求項9】
請求項1に記載された半導体光素子であって、
前記一対の埋め込み層は、前記複数の凹部をそれぞれが有する第1埋め込み層および第2埋め込み層であり、
前記第1埋め込み層の前記複数の凹部は、前記第1方向に並ぶ複数の第1凹部であり、
前記第2埋め込み層の前記複数の凹部は、前記第1方向に並ぶ複数の第2凹部である半導体光素子。
【請求項10】
請求項9に記載された半導体光素子であって、
前記第1埋め込み層および前記第2埋め込み層は、前記第2方向の幅において等しい半導体光素子。
【請求項11】
請求項9に記載された半導体光素子であって、
前記複数の第1凹部および前記複数の第2凹部は、線対称であり、
前記メサストライプ構造の上で前記第1方向に延びる直線が対称軸である半導体光素子。
【請求項12】
請求項11に記載された半導体光素子であって、
前記複数の第1凹部のそれぞれと前記複数の第2凹部の対応する一つは、前記第2方向に隣り合う半導体光素子。
【請求項13】
請求項9に記載された半導体光素子であって、
前記複数の第1凹部および前記複数の第2凹部は、非線対称である半導体光素子。
【請求項14】
請求項13に記載された半導体光素子であって、
前記複数の第1凹部および前記複数の第2凹部は、前記第1方向に千鳥状に配列されている半導体光素子。
【請求項15】
請求項13に記載された半導体光素子であって、
前記複数の第1凹部は、前記第1方向に隣同士の一対の第1凹部を含み、
前記一対の第1凹部の間にある領域が、前記第2方向に、前記複数の第2凹部の対応する1つの隣にあり、
前記複数の第2凹部は、前記第1方向に隣同士の一対の第2凹部を含み、
前記一対の第2凹部の間にある領域が、前記第2方向に、前記複数の第1凹部の対応する1つの隣にある半導体光素子。
【請求項16】
請求項13に記載された半導体光素子であって、
前記複数の第1凹部は、前記第1埋め込み層の前記上面の第1領域にあり、
前記複数の第2凹部は、前記第2埋め込み層の前記上面の第2領域にあり、
前記第1領域と前記第2領域は、前記第2方向に隣り合わない半導体光素子。
【請求項17】
請求項1に記載された半導体光素子であって、
前記一対の埋め込み層は、前記複数の凹部を有する第1埋め込み層および前記複数の凹部を有しない第2埋め込み層であり、
前記第1埋め込み層は、前記第2方向の幅において、前記第2埋め込み層よりも大きい半導体光素子。
【請求項18】
請求項17に記載された半導体光素子であって、
前記第1埋め込み層の前記複数の凹部は、一対の凹部であり、
前記一対の凹部の間の間隔は、前記第1埋め込み層の、前記第1方向の長さの2分の1より大きい半導体光素子。
【請求項19】
請求項1に記載された半導体光素子であって、
前記第2傾斜面は、対向する一対の第2傾斜面である半導体光素子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
埋め込みヘテロ構造(Buried Hetero-structure:BH構造)を有する半導体光素子が知られている(特許文献1)。BH構造では、多重量子井戸層を含むメサストライプ構造の両側を、半導体層(埋め込み層)で埋め込むようになっている。埋め込み層の上面には絶縁膜があり、絶縁膜の上に電極が配置される(特許文献2)。絶縁膜は、メサストライプ構造の上面を内側に含むスルーホールを有し、スルーホールの内側で電極がメサストライプ構造に電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-151088公報
【特許文献2】特開2010-271667公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
絶縁膜の上面および埋め込み層の上面は、高低差(段差)がある。大きな段差に載る電極は、平坦な面上の電極の厚さと比較して薄くなる。電極が薄い場合、抵抗の増加や放熱性の低下を招き、半導体光素子の特性が低下する可能性がある。
【0005】
本発明は、特性の低下を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
半導体光素子は、第1方向に延びるメサストライプ構造と、前記メサストライプ構造を両側で埋め込み、それぞれが前記メサストライプ構造の上端面に隣接して前記上端面から斜めに傾斜して上がる第1傾斜面を有し、それぞれが前記第1傾斜面の上端から直立する第1直立面を有し、それぞれが前記メサストライプ構造の前記上端面よりも高い上面を有する一対の埋め込み層と、前記メサストライプ構造の前記上端面の上を避けて前記一対の埋め込み層のそれぞれの前記上面の上にある絶縁膜と、前記メサストライプ構造の前記上端面、前記第1傾斜面および前記絶縁膜の上で拡がる電極膜と、を有し、前記第1直立面の上端は、前記第1方向に沿って延び、前記一対の埋め込み層の少なくとも一方の前記上面は、複数の凹部を有し、前記複数の凹部のそれぞれは、前記上面から斜めに傾斜して下がる第2傾斜面を有し、前記第2傾斜面の上端は、前記第1方向に直交する第2方向に沿って延びる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係る半導体光素子の平面図である。
図2図2は、図1に示す半導体光素子のII-II線断面図である。
図3図3は、図1に示す半導体光素子のIII-III線断面図である。
図4図4は、図1に示す半導体光素子のIV-IV線断面図である。
図5図5は、図1に示す半導体光素子の、絶縁膜の切り欠きを含む領域の拡大平面図である。
図6図6は、図5に示す半導体光素子のVI-VI線断面図である。
図7図7は、図5に示す半導体光素子のVII-VII線断面図である。
図8図8は、図5に示す半導体光素子のVIII-VIII線断面図である。
図9図9は、変形例1に係る半導体光素子の絶縁膜の切り欠きの平面図である。
図10図10は、変形例2に係る半導体光素子の絶縁膜の切り欠きの平面図である。
図11図11は、第2の実施形態に係る半導体光素子の平面図である。
図12図12は、第3の実施形態に係る半導体光素子の平面図である。
図13図13は、第4の実施形態に係る半導体光素子の平面図である。
図14図14は、第5の実施形態に係る半導体光素子の平面図である。
図15図15は、第6の実施形態に係る半導体光素子の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を具体的かつ詳細に説明する。全図において同一の符号を付した部材は同一又は同等の機能を有するものであり、その繰り返しの説明を省略する。なお、図形の大きさは倍率に必ずしも一致するものではない。
【0009】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る半導体光素子の平面図である。図2は、図1に示す半導体光素子のII-II線断面図である。図3は、図1に示す半導体光素子のIII-III線断面図である。図4は、図1に示す半導体光素子のIV-IV線断面図である。
【0010】
半導体光素子は、半導体レーザ、半導体光増幅器、電界吸収変調器(EA変調器)、および受光素子のいずれであっても構わない。半導体光素子には、埋め込みヘテロ構造(Buried Hetero-structure:BH構造)が適用されている。BH構造とは、多重量子井戸層を含むメサストライプ構造の両側を、半絶縁性半導体層やPN接合された複数の半導体層などの半導体で埋め込む構造であり、高信頼性のみならず、放熱性に優れた構造である。
【0011】
[メサストライプ構造]
半導体光素子は、第1方向D1に延びるメサストライプ構造12を有する。半導体基板14(例えばn-InP基板)は、凸部16を有する。凸部16は、メサストライプ構造12の下端部を構成する。凸部16(半導体基板14)はn型クラッド層として機能する。ここでn型は第1導電型とする。
【0012】
半導体光素子は、多重量子井戸層18を有する。多重量子井戸層18は、凸部16の上で第1方向D1にストライプ状に延びる。半導体光素子は、p型クラッド層20を有する。p型クラッド層20(例えばp-InP層)は、多重量子井戸層18の上で第1方向D1にストライプ状に伸びる。ここで、p型は第2導電型とする。半導体光素子は、p型コンタクト層22を有する。p型コンタクト層22(例えばp-InGaAs層)は、p型クラッド層20上で第1方向D1にストライプ状に伸びる。p型コンタクト層22は、メサストライプ構造12の最上層である。
【0013】
なお、多重量子井戸層18と凸部16との間および多重量子井戸層18とp型クラッド層20との間に、図示しない光閉じ込め層または回折格子層など他の層が配置されてもよい。本実施形態では、第1導電型をn型、第2導電型をp型として説明するが、これは逆であっても構わない。
【0014】
[埋め込み層]
半導体光素子は、一対の埋め込み層24(例えば半絶縁性のFe-InP層)を有する。一対の埋め込み層24は、第1方向D1に直交する第2方向D2の両側で、メサストライプ構造12を両側で埋め込む。埋め込み層24は、単結晶層であり、メサストライプ構造12に接触する。埋め込み層24の側面は、メサストライプ構造12の上端面を避けて側面に対向する。一対の埋め込み層24は、第1埋め込み層26および第2埋め込み層28であり、第2方向D2の幅において等しい。
【0015】
[第1傾斜面]
それぞれの埋め込み層24は、第1傾斜面30を有する。第1傾斜面30は、メサストライプ構造12の上端面に隣接して上端面から斜めに傾斜して上がる。第1傾斜面30は、結晶面である。
【0016】
[第1直立面]
それぞれの埋め込み層24は、第1直立面32を有する。第1直立面32は、第1傾斜面30の上端から直立する。第1直立面32の上端は、第1方向D1に沿って延びる。第1直立面32は、結晶面である。
【0017】
[上面]
それぞれの埋め込み層24は、上面34を有する。上面34は、メサストライプ構造12の上端面よりも高い。埋め込み層24が複数層で構成されている場合は、第1傾斜面30から上面34までの領域が単結晶となっている。
【0018】
上面34の外縁は、第1方向D1に沿って延びる複数の第1エッジ36を含む。複数の第1エッジ36は、間隔をあけて一直線に並ぶ。第1直立面32は、第1エッジ36に隣接している。上面34の外縁は、第2方向D2に沿って延びる第2エッジ38を含む。第2エッジ38は、第1方向D1に間隔をあけて平行に並ぶ一対の第2エッジ38から構成される。隣同士の一対の第1エッジ36の相互に対向する先端が、それぞれ、一対の第2エッジ38の先端に接続される。上面34の外縁は、一対の第2エッジ38の間に、第2方向D2に第1エッジ36よりも側面から離れて第1方向D1に沿った第3エッジ40(図3)を含む。
【0019】
[凹部]
一対の埋め込み層24の少なくとも一方(例えば、第1埋め込み層26および第2埋め込み層28のそれぞれ)の上面34は、複数の凹部42を有する。それぞれの凹部42は、第2エッジ38および第3エッジ40で囲まれる。第1埋め込み層26の複数の凹部42は、第1方向D1に並ぶ複数の第1凹部44である。第2埋め込み層28の複数の凹部42は、第1方向D1に並ぶ複数の第2凹部46である。
【0020】
複数の第1凹部44および複数の第2凹部46は、線対称に配列されている。メサストライプ構造12の上で第1方向D1に延びる直線Lが対称軸である。複数の第1凹部44のそれぞれと複数の第2凹部46の対応する一つは、第2方向D2に隣り合う。
【0021】
[第2傾斜面]
それぞれの凹部42は、第2傾斜面48を有する。第2傾斜面48は、上面34から斜めに傾斜して下がる。第2傾斜面48は、第1直立面32よりも緩やかに傾斜して第2エッジ38から下がる。すなわち、第2傾斜面48の上端は第2エッジ38であり、第2方向D2に沿って延びる。第2傾斜面48は、対向する一対の第2傾斜面48である。第2傾斜面48は、結晶面である。
【0022】
[第2直立面]
それぞれの凹部42は、直立する第2直立面50を有する。第2直立面50の上端は、第1方向D1に沿って延びる。第2直立面50は、第3エッジ40から下がる。すなわち、第2直立面50の上端は第3エッジ40である。第2直立面50は、結晶面である。
【0023】
[底面]
それぞれの凹部42は、底面52を有する。底面52は、第2傾斜面48の下端から第1方向D1に拡がる。底面52は、平坦であり、第1傾斜面30に接続する。
【0024】
[絶縁膜]
半導体光素子は、絶縁膜54を有する。絶縁膜54は、一対の埋め込み層24のそれぞれの上面34の上にある。絶縁膜54は、第1直立面32の上でオーバーハングしている。絶縁膜54は、第2直立面50の上でオーバーハングしている。埋め込み層24は、絶縁膜54が接する部分では、単結晶となっている。
【0025】
絶縁膜54は、メサストライプ構造12の上端面の上を避けており、これにより一対の部分に分離されている。あるいは、絶縁膜54は、分離されずに繋がっていてもよい。例えば、メサストライプ構造12の上端面で、第1方向D1の端部には、絶縁膜54の一部があり、これにより絶縁膜54の一対の部分が繋がっていてもよい。
【0026】
絶縁膜54は、平面形状において、メサストライプ構造12から第2エッジ38に沿って第2方向D2に窪む複数の切り欠き56を含む。複数の凹部42がそれぞれ複数の切り欠き56の内側にある。切り欠き56は、第1方向D1の幅において、メサストライプ構造12からの距離にかかわらず均等である。複数の切り欠き56は、メサストライプ構造12を通る直線Lを中心に線対称に配置されている。
【0027】
[電極膜]
半導体光素子は、電極膜58を有する。電極膜58は、メサストライプ構造12の上端面、埋め込み層24の第1傾斜面30および絶縁膜54の上で拡がる。埋め込み層24は、電極膜58が接する部分で、単結晶となっている。電極膜58は、第1傾斜面30の上にある第1部分60を含む。電極膜58は、第2傾斜面48の上にある第2部分62を含む。
【0028】
電極膜58は、第1直立面32の前方にある第1接続部64を含む。第1接続部64と第1直立面32の間には隙間がある。第1接続部64は、第1部分60および第2部分62のいずれよりも薄い。電極膜58は、第2直立面50の前方にある第2接続部66を含む。第2接続部66と第2直立面50の間には隙間がある。第2接続部66は、第1部分60および第2部分62のいずれよりも薄い。
【0029】
電極膜58は、全体的に同じ材料及び同じ構造で構成してもよい。電極膜58は、絶縁膜54の上にある上面電極68を含む。上面電極68は外部との電気的な接続領域として機能する。上面電極68の全体が絶縁膜54の上にある。埋め込み層24と上面電極68の間には絶縁膜54が配置されている。上面電極68は、第2方向D2に半導体光素子の端部には至らず、絶縁膜54の端部が露出しているが、半導体光素子の上面34全体に配置されてもよい。
【0030】
電極膜58は、メサストライプ構造12の上端面にあるメサ電極70を含む。メサ電極70は、長方形状になっている。メサ電極70は、p型コンタクト層22と電気的かつ物理的に接続されて、同電位となっている。他の層が両者間に介在しても、それがp型コンタクト層22およびp型クラッド層20と同じ導電型の半導体であればよい。メサ電極70は、第1部分60および第1接続部64を介して、上面電極68に接続する。第1接続部64は、上面電極68より薄い。
【0031】
電極膜58は、第1部分60から第2方向D2に延びる引出電極72を含む。引出電極72は、絶縁膜54の切り欠き56の内側にある。埋め込み層24は、引出電極72の直下にも位置している。引出電極72は、第2部分62を介して、上面電極68に接続されている。第2部分62は、第1接続部64および第2接続部66のいずれよりも厚いので、電気的接続を確保することができる。
【0032】
半導体光素子は、対向電極74を有する。対向電極74は、半導体基板14の、凸部16とは反対の面(裏面)に位置する。対向電極74は、半導体基板14の裏面に、ほぼ全面を覆うように設けられている。対向電極74は、半導体基板14と同電位になり、他の層が両者間に介在しても、それが半導体基板14と同じ導電型の半導体であればよい。半導体光素子が半導体レーザであれば、電極膜58と対向電極74との間に電流を注入することで、多重量子井戸層18で光が生成され、発振される。
【0033】
図5は、図1に示す半導体光素子の、絶縁膜54の切り欠き56を含む領域の拡大平面図である。図6は、図5に示す半導体光素子のVI-VI線断面図である。図7は、図5に示す半導体光素子のVII-VII線断面図である。図8は、図5に示す半導体光素子のVIII-VIII線断面図である。
【0034】
切り欠き56は、絶縁膜54を、部分的にマスクで覆って部分的に除去することで形成される。除去はエッチングで行う。マスクの形状が多角形であっても、その尖った角にかかわらず、絶縁膜54は角丸形状にエッチングされる。あるいは、角丸形状のマスクを使用してもよい。
【0035】
切り欠き56は、スルーホール76の一部である。スルーホール76は、絶縁膜54に設けられる、または絶縁膜54を分離する開口であり、電極膜58とメサストライプ構造12を物理的に接続させるために設けられる。スルーホール76は、メサストライプ構造12の上端面および埋め込み層24の第1傾斜面30を囲むメサ開口を含み、メサ開口は長方形状になっていてもよい。
【0036】
絶縁膜54を部分的に除去する工程から電極膜58の形成までの工程で、絶縁膜54の下にある埋め込み層24もエッチングされ得る。その結果、絶縁膜54の表面と埋め込み層24の表面との高低差(段差)が大きくなる。しかも、埋め込み層24をエッチングすると、絶縁膜54の第1方向D1に沿った先端の下ではサイドエッチングが生じる(図2および図6)。そのため、絶縁膜54が、第1エッジ36(図2)および第3エッジ40(図6)からオーバーハングする。この形状の埋め込み層24および絶縁膜54の上に電極膜58を形成すると、電極膜58の第1接続部64および第2接続部66は、上面電極68と比較して薄く(例えば1/5以下)なる。最悪のケースとして、不連続になる(断線する)場合もある。
【0037】
図7に示すように、絶縁膜54の、第1方向D1および第2方向D2のいずれにも交差する方向に延びる先端の下でも、埋め込み層24に対するサイドエッチングが入る。しかも、そのエッチング面は、結晶面に起因して、上方に向けて前傾するオーバーハング面になっている。したがって、ここでも、上面電極68と引出電極72を接続する部分において、電極膜58は薄くなる。引出電極72の厚さや段差の大きさによっては断線する場合もある。
【0038】
これに対して、図8に示すように、絶縁膜54は、第2エッジ38から突出しない。これは、埋め込み層24が、結晶面に起因して、第2傾斜面48を有しているからである。第2傾斜面48は、第1直立面32よりも緩やかに傾斜して第2エッジ38から下がる。そのため、絶縁膜54の表面と埋め込み層24の表面(第2傾斜面48)の上端との高低差(段差)が小さい。これにより、電極膜58は、第2傾斜面48を通って滑らかに延びて連続する。そして、第2傾斜面48に重なる第2部分62は、厚さにおいて、上面電極68や引出電極72の半分以上となる。
【0039】
切り欠き56がない領域では、図2に示す第1接続部64のように、上面電極68とメサ電極70との間で電極膜58は薄くなるので、抵抗が高くなり、半導体光素子の駆動のための消費電力が大きくなる要因となる。さらに、メサストライプ構造12で発生した熱は、メサ電極70を介して上面電極68に伝わることで放熱されるが、電極膜58の薄い領域(例えば第1接続部64)は、熱伝導性を低下させる要因となる。
【0040】
しかし、実施形態によれば、上面電極68は、第2部分62を介してメサ電極70に接続されており、第2部分62は、第2傾斜面48の存在により厚くなっているので、電気的接続を確保することができる。さらに、複数の切り欠き56を形成することで、上面電極68とメサ電極70間の抵抗を下げるとともに、放熱経路を確保することができる。また、仮に第1接続部64または第2接続部66が不連続となったとしても、第2部分62を介して電極膜58の連続性が確保される。
【0041】
[変形例1]
図9は、変形例1に係る半導体光素子の絶縁膜の切り欠きの平面図である。図9の切り欠き56Aは、図5の切り欠き56よりも、第2方向D2において短い。そのため、切り欠き56Aの、第2方向D2に沿った直線状の縁78Aが短くなり、これに伴って埋め込み層24の第2傾斜面48Aが狭くなる。しかしながら、第2傾斜面48Aがある程度の幅を有していれば、電極膜58の抵抗が大きくなることはなく、第1の実施形態の効果が得られる。切り欠き56A(第2方向D2に沿った直線状の縁78A)は、第2方向D2において、3μm以上の長さを有することが好ましい。
【0042】
[変形例2]
図10は、変形例2に係る半導体光素子の絶縁膜の切り欠きの平面図である。切り欠き56Bは、第1方向D1の幅において、メサストライプ構造12から離れるほど小さくなっている。切り欠き56Bは、第2方向D2に沿った直線状の縁78Bと、第1方向D1および第2方向D2のいずれにも交差する斜めの縁78Cと、を含む。埋め込み層24は、直線状の縁78Bに隣接して第2傾斜面48Bを有するが、斜めの縁78Cに隣接して傾斜面を有するとは限らない。したがって、電極膜は、直線状の縁78Bを通る部分においてのみ厚い接続部で接続することがあり得る。
【0043】
図10では、一対の切り欠き56Bが非線対称に配置されている。つまり、右側の切り欠き56Bは、直線状の縁78Bを上側に有し、斜めの縁78Cを下側に有するのに対して、左側の切り欠き56Bは、直線状の縁78Bを下側に有し、斜めの縁78Cを上側に有する。変形例として、一対の切り欠き56Bが線対称に配置されてもよい。
【0044】
[第2の実施形態]
図11は、第2の実施形態に係る半導体光素子の平面図である。複数の第1凹部244および複数の第2凹部246は、非線対称である。複数の切り欠き256も、メサストライプ構造212に沿った直線を中心とした線対称にはなっていない。
【0045】
複数の第1凹部244および複数の第2凹部246は、第1方向D1に千鳥状に配列されている。複数の第1凹部244は、第1方向D1に隣同士の一対の第1凹部244を含む。一対の第1凹部244の間にある領域が、第2方向D2に、複数の第2凹部246の対応する1つの隣にある。複数の第2凹部246は、第1方向D1に隣同士の一対の第2凹部246を含む。一対の第2凹部246の間にある領域が、第2方向D2に、複数の第1凹部244の対応する1つの隣にある。その他の点には、第1の実施形態で説明した内容を適用可能である。
【0046】
[第3の実施形態]
図12は、第3の実施形態に係る半導体光素子の平面図である。複数の第1凹部344および複数の第2凹部346は、非線対称である。複数の第1凹部344は、第1埋め込み層326の上面の第1領域388にある。複数の第2凹部346は、第2埋め込み層328の上面の第2領域390にある。第1領域388と第2領域390は、第2方向D2に隣り合わない。複数の切り欠き356も、非線対称である。
【0047】
半導体光素子を小型化するために、埋め込み層は、第2方向D2の幅において狭くなっている。切り欠き356は、左上の領域と右下の領域に配置されている。
【0048】
電極膜358には、外部との接続用のワイヤが接続される。ワイヤは、先端部において径が広くなっているが、その先端部が切り欠き356と重畳することは好ましくない。切り欠き356で、絶縁膜354と埋め込み層との間に段差が生じており、このような段差のある領域でのワイヤボンディングは、ワイヤの接続強度を低下させる。
【0049】
本実施形態では、埋め込み層の幅が第2方向D2に狭くなっているために、ワイヤが配置される領域が狭くなっているが、右上と左下には切り欠き356が無いので、ワイヤボンディングの領域を確保することができる。その他の点には、第1の実施形態で説明した内容を適用可能である。
【0050】
[第4の実施形態]
図13は、第4の実施形態に係る半導体光素子の平面図である。一対の埋め込み層は、複数の凹部442を有する第1埋め込み層426および複数の凹部442を有しない第2埋め込み層428である。第1埋め込み層426は、第2方向D2の幅において、第2埋め込み層428よりも大きい。
【0051】
メサストライプ構造412は、第2方向D2において、半導体光素子の中心からずれている。切り欠き456は、メサストライプ構造412の片側のみに配置されている。メサストライプ構造412が中心からずれることで、広いワイヤボンディング領域を確保することができる。そして、ワイヤボンディングがされる側に切り欠き456が配置されていることで、電気的接続が確保され、ワイヤを介して入力される電気信号がメサストライプ構造412に伝達される。その他の点には、第1の実施形態で説明した内容を適用可能である。
【0052】
[第5の実施形態]
図14は、第5の実施形態に係る半導体光素子の平面図である。一対の埋め込み層は、複数の凹部542を有する第1埋め込み層526および複数の凹部を有しない第2埋め込み層528である。第1埋め込み層526は、第2方向D2の幅において、第2埋め込み層528よりも大きい。第1埋め込み層526の複数の凹部542は、一対の凹部542である。一対の凹部542の間の間隔は、第1埋め込み層526の、第1方向D1の長さの2分の1より大きい。
【0053】
メサストライプ構造512は、第2方向D2において、半導体光素子の中心からずれている。切り欠き556は、メサストライプ構造512の片側のみに配置されている。切り欠き556は、半導体光素子の二つの端面の近くに配置され、他の実施形態と比較して第2方向D2に長い。一対の切り欠き556で挟まれた領域にワイヤがボンディングされる。その他の点には、第1の実施形態で説明した内容を適用可能である。
【0054】
[第6の実施形態]
図15は、第6の実施形態に係る半導体光素子の平面図である。半導体光素子は、変調器集積型半導体レーザであり、半導体レーザ680、電界吸収型変調器682、そして両者の間に配置された導波路684を有し、それぞれは一体的に集積されている。半導体光素子は、半導体レーザ680、導波路684および電界吸収型変調器682に跨るメサストライプ構造612を有する。
【0055】
半導体レーザ680は、メサストライプ構造612の一部を含む。半導体レーザ680は、導波路684に向けて連続光を出射するようになっている。半導体レーザ680は、DFB(Distributed Feedback)レーザ、FP(Fabry-Perot)レーザ、DBR(Distributed Bragg Reflector)レーザおよびDR(Distributed Reflector)レーザのいずれであってもよく、1.3μm帯または1.55μm帯で発振するようになっている。ただし、波長帯はこれに限定されず他の波長帯であっても構わない。
【0056】
半導体レーザ680では、絶縁膜654は、メサストライプ構造612が延伸する方向に沿ったスルーホール676を有する。電極膜658が、絶縁膜654の上にある。電極膜658は、スルーホール676内ではメサストライプ構造612の上端面に接触している。
【0057】
電界吸収型変調器682は、メサストライプ構造612の他の一部を含む。電界吸収型変調器682は、導波路684を介して伝達された連続光を変調光に変換できるようになっている。電界吸収型変調器682は、変調器電極692を有する。電界吸収型変調器682では、絶縁膜654は、メサストライプ構造612が延伸する方向に沿ったスルーホール694を有する。ここではスルーホール694は矩形であるが、半導体レーザ680と同様に、絶縁膜654が切り欠き656を有してもよい。
【0058】
導波路684は、メサストライプ構造612のさらに他の一部を含む。導波路684は、半導体レーザ680が出射した光を電界吸収型変調器682に向けて伝達できるようになっている。導波路684は全体的に絶縁膜654で覆われている。
【0059】
電極膜658の、第1方向D1で導波路684に近い端部は、絶縁膜654のスルーホール676を超えて配置される。電極膜658の端部とスルーホール676の端をそろえても構わないが、製造のばらつきにより、電極膜658の端部がスルーホール676の外側に至らずに配置されると、メサストライプ構造612の上端面であるコンタクト層が露出する。コンタクト層は半導体層であるため、外環境の影響を受けて変質しやいので、信頼性に影響を及ぼすおそれがある。そのため、製造ばらつきを加味し、確実に電極膜658がスルーホール676を覆うように構成してある。
【0060】
本実施形態は、埋め込みヘテロ構造を有する半導体光素子の電極膜658の連続性を向上させる。これは、絶縁膜654のスルーホール676が複数の切り欠き656を備えることで実現される。詳しくは、埋め込み層は、切り欠き656の内側で、メサストライプ構造612が延伸する第1方向D1に傾斜する第2傾斜面を有する。電極膜658の、第2傾斜面に配置される部分は、埋め込み層の上面に配置される部分の半分以上の厚さを有する。したがって、電極膜658は、第2傾斜面を通る部分は、埋め込み層の上面にある部分と、切り欠き656の内側にある部分を確実に接続する。
【0061】
複数の切り欠き656が、メサストライプ構造612に沿って配置される。複数の切り欠き656は、線対称に配置されてもよいし、非線対称に配置されてもよい。また、切り欠き656は、メサストライプ構造612の片側のみに配置されてもよい。その他の点には、第1の実施形態で説明した内容を適用可能である。
【0062】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態を説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【0063】
[実施形態の概要]
(1)第1方向D1に延びるメサストライプ構造12と、前記メサストライプ構造12を両側で埋め込み、それぞれが前記メサストライプ構造12の上端面に隣接して前記上端面から斜めに傾斜して上がる第1傾斜面30を有し、それぞれが前記第1傾斜面30の上端から直立する第1直立面32を有し、それぞれが前記メサストライプ構造12の前記上端面よりも高い上面34を有する一対の埋め込み層24と、前記メサストライプ構造12の前記上端面の上を避けて前記一対の埋め込み層24のそれぞれの前記上面34の上にある絶縁膜54と、前記メサストライプ構造12の前記上端面、前記第1傾斜面30および前記絶縁膜54の上で拡がる電極膜58と、を有し、前記第1直立面32の上端は、前記第1方向D1に沿って延び、前記一対の埋め込み層24の少なくとも一方の前記上面34は、複数の凹部42を有し、前記複数の凹部42のそれぞれは、前記上面34から斜めに傾斜して下がる第2傾斜面48を有し、前記第2傾斜面48の上端は、前記第1方向D1に直交する第2方向D2に沿って延びる半導体光素子。電極膜58は、埋め込み層24の第1直立面32の前方では薄くなっても、上面34から第2傾斜面48の上では厚みが確保されるので、抵抗の増加や放熱性の低下を抑え、特性の低下を防止することができる。
【0064】
(2)(1)に記載された半導体光素子であって、前記電極膜58は、前記第1傾斜面30の上にある第1部分60と、前記第2傾斜面48の上にある第2部分62と、前記第1直立面32の前方にある第1接続部64と、を含み、前記第1接続部64は、前記第1部分60および前記第2部分62のいずれよりも薄い半導体光素子。
【0065】
(3)(2)に記載された半導体光素子であって、前記第1接続部64と前記第1直立面32の間には隙間がある半導体光素子。
【0066】
(4)(3)に記載された半導体光素子であって、前記絶縁膜54は、前記第1直立面32の上でオーバーハングしている半導体光素子。
【0067】
(5)(2)から(4)のいずれか1項に記載された半導体光素子であって、前記複数の凹部42のそれぞれは、直立する第2直立面50をさらに有し、前記第2直立面50の上端は、前記第1方向D1に沿って延び、前記電極膜58は、前記第2直立面50の前方にある第2接続部66をさらに含み、前記第2接続部66は、前記第1部分60および前記第2部分62のいずれよりも薄い半導体光素子。
【0068】
(6)(5)に記載された半導体光素子であって、前記第2接続部66と前記第2直立面50の間には隙間がある半導体光素子。
【0069】
(7)(6)に記載された半導体光素子であって、前記絶縁膜54は、前記第2直立面50の上でオーバーハングしている半導体光素子。
【0070】
(8)(1)から(7)のいずれか1項に記載された半導体光素子であって、前記複数の凹部42のそれぞれは、前記第2傾斜面48の下端から前記第1方向D1に拡がる底面52を有し、前記底面52は、平坦であり、前記第1傾斜面30に接続する半導体光素子。
【0071】
(9)(1)から(8)のいずれか1項に記載された半導体光素子であって、前記一対の埋め込み層24は、前記複数の凹部42をそれぞれが有する第1埋め込み層26および第2埋め込み層28であり、前記第1埋め込み層26の前記複数の凹部42は、前記第1方向D1に並ぶ複数の第1凹部44であり、前記第2埋め込み層28の前記複数の凹部42は、前記第1方向D1に並ぶ複数の第2凹部46である半導体光素子。
【0072】
(10)(9)に記載された半導体光素子であって、前記第1埋め込み層26および前記第2埋め込み層28は、前記第2方向D2の幅において等しい半導体光素子。
【0073】
(11)(9)又は(10)に記載された半導体光素子であって、前記複数の第1凹部44および前記複数の第2凹部46は、線対称であり、前記メサストライプ構造12の上で前記第1方向D1に延びる直線Lが対称軸である半導体光素子。
【0074】
(12)(11)に記載された半導体光素子であって、前記複数の第1凹部44のそれぞれと前記複数の第2凹部46の対応する一つは、前記第2方向D2に隣り合う半導体光素子。
【0075】
(13)(9)又は(10)に記載された半導体光素子であって、前記複数の第1凹部244および前記複数の第2凹部246は、非線対称である半導体光素子。
【0076】
(14)(13)に記載された半導体光素子であって、前記複数の第1凹部244および前記複数の第2凹部246は、前記第1方向D1に千鳥状に配列されている半導体光素子。
【0077】
(15)(13)に記載された半導体光素子であって、前記複数の第1凹部244は、前記第1方向D1に隣同士の一対の第1凹部244を含み、前記一対の第1凹部244の間にある領域が、前記第2方向D2に、前記複数の第2凹部246の対応する1つの隣にあり、前記複数の第2凹部246は、前記第1方向D1に隣同士の一対の第2凹部246を含み、前記一対の第2凹部246の間にある領域が、前記第2方向D2に、前記複数の第1凹部244の対応する1つの隣にある半導体光素子。
【0078】
(16)(13)に記載された半導体光素子であって、前記複数の第1凹部344は、前記第1埋め込み層326の前記上面の第1領域388にあり、前記複数の第2凹部346は、前記第2埋め込み層328の前記上面の第2領域390にあり、前記第1領域388と前記第2領域390は、前記第2方向D2に隣り合わない半導体光素子。
【0079】
(17)(1)から(8)のいずれか1項に記載された半導体光素子であって、前記一対の埋め込み層は、前記複数の凹部442を有する第1埋め込み層426および前記複数の凹部442を有しない第2埋め込み層428であり、前記第1埋め込み層426は、前記第2方向D2の幅において、前記第2埋め込み層428よりも大きい半導体光素子。
【0080】
(18)(17)に記載された半導体光素子であって、前記第1埋め込み層526の前記複数の凹部542は、一対の凹部542であり、前記一対の凹部542の間の間隔は、前記第1埋め込み層526の、前記第1方向D1の長さの2分の1より大きい半導体光素子。
【0081】
(19)(1)から(18)のいずれか1項に記載された半導体光素子であって、前記第2傾斜面48は、対向する一対の第2傾斜面48である半導体光素子。
【符号の説明】
【0082】
12 メサストライプ構造、14 半導体基板、16 凸部、18 多重量子井戸層、20 p型クラッド層、22 p型コンタクト層、24 埋め込み層、26 第1埋め込み層、28 第2埋め込み層、30 第1傾斜面、32 第1直立面、34 上面、36 第1エッジ、38 第2エッジ、40 第3エッジ、42 凹部、44 第1凹部、46 第2凹部、48 第2傾斜面、48A 第2傾斜面、48B 第2傾斜面、50 第2直立面、52 底面、54 絶縁膜、56 切り欠き、56A 切り欠き、56B 切り欠き、58 電極膜、60 第1部分、62 第2部分、64 第1接続部、66 第2接続部、68 上面電極、70 メサ電極、72 引出電極、74 対向電極、76 スルーホール、78A 縁、78B 縁、78C 縁、212 メサストライプ構造、244 第1凹部、246 第2凹部、256 切り欠き、344 第1凹部、346 第2凹部354 絶縁膜、356 切り欠き、358 電極膜、388 第1領域、390 第2領域、412 メサストライプ構造、426 第1埋め込み層、428 第2埋め込み層、442 凹部、456 切り欠き、512 メサストライプ構造、526 第1埋め込み層、528 第2埋め込み層、542 凹部、556 切り欠き、612 メサストライプ構造、654 絶縁膜、656 切り欠き、658 電極膜、676 スルーホール、680 半導体レーザ、682 電界吸収型変調器、684 導波路、692 変調器電極、694 スルーホール、D1 第1方向、D2 第2方向、L 直線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15