(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168255
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】メディア配信のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G10K 15/02 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
G10K15/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023073278
(22)【出願日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】22172829
(32)【優先日】2022-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】502208205
【氏名又は名称】アクシス アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ノーマン, フレドリック
(72)【発明者】
【氏名】ロルフ, マグヌス
(72)【発明者】
【氏名】ローゼル, マグナス
【テーマコード(参考)】
5D208
【Fターム(参考)】
5D208BA02
5D208BB11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】クライアントサイトで管理者サイトからのオーディオ命令を配信する方法及びシステムを提供する。
【解決手段】方法は、複数のラベルを、夫々タイムスケジュール、オーディオゾーン及びオーディオソースのクライアントサイト固有識別子と関連付ける所定の情報が、1つ又は複数のクライアントサイトの各々についてアクセスされ、一般化されたオーディオ命令は、所定の情報を使用して、1つ又は複数のクライアントサイトの各々のための専用化されたオーディオ命令を生成するように適合され、クライアントサイトのための専用化されたオーディオ命令は、一般化されたオーディオ命令内の複数のラベルに関連付けられたクライアントサイト固有識別子を含む。1つまたは複数のクライアントサイトの各々でオーディオ命令を配信する際の最後の手段として、クライアントサイトのために生成された専用化されたオーディオ命令が実行される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のクライアントサイトを有する配信オーディオシステムにおいて、管理者サイトからクライアントサイトにオーディオ命令を配信するための方法であって、
前記管理者サイトにおけるユーザ入力を介して、1つまたは複数のクライアントサイトにおけるオーディオの再生のための一般化されたオーディオ命令を受信することであって、前記一般化されたオーディオ命令は、前記オーディオシステムにおいてグローバルであり、タイムスケジュールカテゴリ、オーディオゾーンカテゴリ、およびオーディオソースカテゴリを示す複数のラベルを含む、受信することと、
前記1つまたは複数のクライアントサイトの各々について、タイムスケジュールカテゴリ、オーディオゾーンカテゴリ、およびオーディオソースカテゴリを示す前記複数のラベルを、それぞれタイムスケジュール、オーディオゾーン、およびオーディオソースのクライアントサイト固有識別子と関連付ける所定の情報にアクセスすることと、
前記1つまたは複数のクライアントサイトの各々のための専用化されたオーディオ命令を生成するように、前記所定の情報を使用して、前記一般化されたオーディオ命令を適合させることであって、クライアントサイトのための前記専用化されたオーディオ命令が、前記一般化されたオーディオ命令内の前記複数のラベルに関連付けられた前記クライアントサイト固有識別子を含む、適合させることと、
前記1つまたは複数のクライアントサイトの各々において、前記クライアントサイトのために生成された前記専用化されたオーディオ命令を実施することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記一般化されたオーディオ命令内の前記複数のラベルが、クライアントサイトカテゴリを示すラベルをさらに含み、前記所定の情報が、クライアントサイトカテゴリを示す前記ラベルを、前記1つまたは複数のクライアントサイトと関連付け、前記方法が、
前記所定の情報を使用することによって、クライアントサイトカテゴリを示す前記ラベルに関連付けられた前記1つまたは複数のクライアントサイトでオーディオが再生されることを識別すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記所定の情報が、共通のパラメータに基づいて、クライアントサイトカテゴリを示す前記ラベルをいくつかのクライアントサイトと関連付ける、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記専用化されたオーディオ命令の前記生成が、前記管理者サイトで実行される、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記専用化されたオーディオ命令の前記生成が、前記クライアントサイトで完全にまたは部分的に実行される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
オーディオゾーンの前記クライアントサイト固有識別子が、各々が複数のスピーカグループへのローカルアドレスを含むいくつかのオーディオゾーンを含み、各オーディオゾーンが、オーディオゾーンカテゴリを示すラベルに関連付けられている、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記オーディオシステムにおいてグローバルであるラベルのセットを定義することであって、前記ラベルのセット内の前記ラベルが、タイムスケジュールカテゴリ、オーディオゾーンカテゴリ、およびオーディオソースカテゴリを示し、前記一般化されたオーディオ命令内の前記複数のラベルが、前記ラベルのセットのサブセットである、定義することと、
前記オーディオシステム内の各クライアントサイトについて、タイムスケジュールカテゴリ、オーディオゾーンカテゴリ、オーディオソースカテゴリを示す前記ラベルを、それぞれタイムスケジュール、オーディオゾーン、およびオーディオソースのクライアントサイト固有識別子と関連付けることによって、前記所定の情報を生成することと
をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ラベルのセット内の前記ラベルが、クライアントサイトカテゴリをさらに示し、前記所定の情報を生成するステップにおいて、クライアントサイトカテゴリを示す各ラベルが、1つまたは複数のクライアントサイト識別子に関連付けられる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ラベルのセットが前記管理者サイトで定義される、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
複数のクライアントサイトを有する配信オーディオシステムにおいて、管理者サイトからクライアントサイトにオーディオ命令を配信するためのデバイスであって、
回路であって、
前記複数のクライアントサイトのうちの1つまたは複数のクライアントサイトでオーディオを再生するための一般化されたオーディオ命令を受信し、
前記一般化されたオーディオ命令が、前記オーディオシステムにおいてグローバルであり、タイムスケジュールカテゴリ、オーディオゾーンカテゴリ、およびオーディオソースカテゴリを示す複数のラベルを含み、
前記1つまたは複数のクライアントサイトの各々について、タイムスケジュールカテゴリ、オーディオゾーンカテゴリ、およびオーディオソースカテゴリを示す前記複数のラベルを、それぞれタイムスケジュール、オーディオゾーン、およびオーディオソースのクライアントサイト固有識別子と関連付ける所定の情報にアクセスし、
前記1つまたは複数のクライアントサイトの各々のための専用化されたオーディオ命令を生成するように、前記所定の情報を使用して、前記一般化されたオーディオ命令を適合させ、クライアントサイトのための前記専用化されたオーディオ命令が、前記一般化されたオーディオ命令内の前記複数のラベルに関連付けられた前記クライアントサイト固有識別子を含み、
前記1つまたは複数のクライアントサイトの各々に、前記クライアントサイトのために生成された前記専用化されたオーディオ命令を送信する
ように構成された、回路
を備える、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、メディア配信の分野に関し、特に、管理者サイトからクライアントサイトへのオーディオ命令の配信のための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
小売における背景音楽およびオーディオアナウンスの使用は、十分に確立されている。音楽ストリーミングにおける現在の最先端技術により、ほとんどの人々が、少なくとも私的領域において比較的容易にプレイリストを生成することが可能になっている。しかしながら、小売チェーンの場合、および商業環境では、状況はわずかに複雑になる場合がある。小売チェーンは、国の異なる部分に、または異なる国にさえも支店を含む場合があり、支店内の店舗は、異なる顧客層に向けられているか、または異なる部門を含む場合がある。簡単な例は、衣類の小売チェーンである。チェーンは、異なる大陸の異なる国に店舗を有し得る。各店舗は、店舗の異なる部分に配置された、男性、女性、10代、および子供用の衣類を含み得る。音楽の好みは、国、大陸および世代間で異なり、小売チェーンは、この異なる好みに対応し、予想される聴者のすべてまたは一部に向けられるべき混交したパブリックアナウンスを追加することを望む。音楽の種類およびそれが伝達する内容は、小売チェーンの価値の範囲内であるべきであり、ロイヤルティに関するローカルの規則および規制が遵守されるべきである。
【0003】
これは、中央店がすべての店舗のオーディオリストを手配することを困難にし、すなわち、ほとんどが個々の店舗で行われ、ローカルスタッフの裁量に従うことを意味する。これはローカルスタッフにとって時間がかかり、例えば企業の価値やロイヤルティに関して、小売チェーンがすべての条件を確実に満たすことを困難にする。
【0004】
問題の一部および解決策の一部は、米国特許第7945636号明細書に提示されており、これは、カスタマイズ可能な音楽および広告を遠隔小売店に届けるための「多業種企業レベルアプリケーション」に関する。しかしながら、提示された解決策は、所望される柔軟性および適応性をいくらか欠いており、したがって、本発明は、方法の提供および改善を目的とする。
【発明の概要】
【0005】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の特許請求の範囲および以下の説明を検討すれば明らかになるであろう。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の異なる特徴を組み合わせて、以下で説明されるもの以外の実施形態を作成することができることを理解する。
【0006】
その第1の態様によれば、本発明は、請求項1に記載の方法を提供する。第2の態様によれば、本発明は、請求項10に記載のデバイスを提供する。本発明のさらなる実施形態は、従属請求項に開示されている。
【0007】
本発明の様々な態様は、その特定の特徴および利点を含めて、以下の詳細な説明および添付の図面から容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態による、管理者サイトと複数のクライアントサイトとを含む配信オーディオシステムを概念的に示す。
【
図3】本発明の別の実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を理解するための良好な出発点は、まず、達成されるべき目的の観点からそれを観察することである。それに続いて、結節点、例えば管理者サイトおよびクライアントサイトが説明され、続いて管理者サイトからクライアントサイトへのフローが説明される。通常通り、以下の説明は、本発明の1つまたは複数の特定の実施形態に関連しており、いくつかの代替形態または一般化は、進歩性なしに行うことができる。
【0010】
図1は、本発明の実施形態が動作可能であり得るシステム100を示す。
図1は、管理者サイト102、および管理者サイト102にインターネットなどのネットワーク106を介して接続された3つのクライアントサイト104A、104B、104Cの概略図である。システム100は、管理者サイト102のデバイスから管理することができる。説明されるように、これは、クライアントサイト104A~104Cの設定を行うことと、オーディオシステムにおいてグローバルであるラベルを定義することと、クライアントサイト104A~104Cのうちの1つまたは複数においてオーディオを再生するためのオーディオ命令を生成することとを含む。各クライアントサイト104A~104Cは、管理者サイト102がクライアントサイト104A~104Cに対処することができるサイト識別子に関連付けられている。識別子は、例えば、クライアントサイトの番号または名前の形式であり得る。クライアントサイト104A~104Cは、管理者サイト102から離れており、国の異なる部分、異なる国、または異なる大陸に位置し得る。しかしながら、典型的には、それらは、同じ店舗チェーン、または同じ組織など、すなわち、例えば背景技術のセクションで述べた理由のために、オーディオの配信を合理化することに利益があり得る境遇に属する。各クライアントサイトはいくつかのオーディオゾーン108、110、112、114(それぞれA、BおよびCの符号が付けられている)を含み、各スピーカシンボルは個々のオーディオゾーンを示す。クライアントサイトの各オーディオゾーン108、110、112、114は、例えばオーディオゾーンで音楽を再生するために、クライアントサイトのローカル制御ユニット(
図2のCU)がオーディオゾーン108、110、112に対処することができるローカル識別子に関連付けられている。オーディオゾーンは、典型的には、1つまたは複数の(アクティブなIP)スピーカからなり、MACアドレスの集合によって表され得る。オーディオゾーンの識別子は、MACアドレスの集合の一意の識別子(UID)であり得る。
【0011】
本発明によって達成される目的は、管理サイト102のオペレータが、必要な労力を最小限に抑えながら、各クライアントサイト104A~104Cに合わせたテーラーメイドのオーディオまたはむしろオーディオ命令を配信することを可能にすることである。
【0012】
これは、以下の段落で詳述されるように、オペレータが管理者サイト102において一般化されたオーディオ命令を構築することによって実現され、一般化されたオーディオ命令は、一般化されたオーディオ命令をクライアントサイト104A~104Cのためのテーラーメイドの専用化オーディオ命令に調整するローカルフィルタを介してふるいにかけられる。その結果、特定のオーディオが、各標的個別サイトの標的個別ゾーン108~114で再生される。以下で説明されるように、結果として、オーディオ命令に含まれるスケジュールは、ローカルの営業時間、ならびに他のローカルに定義される優先事項に適合されることにもなる。オーディオ命令が「専用化」されているとは、特定のクライアントサイトで直接適用可能な命令を含むことを意味する。具体的には、命令は、クライアントサイトに対して解釈可能であり、それによって命令を実行させることを可能にする。オーディオ命令が「一般化」されているとは、オーディオ命令が1つまたは複数のクライアントサイトに関係する命令を含むが、命令が特定のクライアントサイトで直接適用可能ではないか、または解釈可能ではないことを意味する。具体的には、一般化されたオーディオ命令内の命令は、専用化されたオーディオ命令内の命令よりも高いレベルの一般性で表現され、したがって、命令がクライアントサイトで解釈可能であるように、クライアントサイトごとに適合される必要がある。一例として、一般化されたオーディオ命令は、オーディオゾーンまたはオーディオソースのカテゴリに関して表現されてもよく、専用化されたオーディオ命令は、クライアントサイトにおけるオーディオゾーンまたはオーディオソースの識別子を含み得る。
【0013】
特に、
図1に示すように、異なるクライアントサイトは、様々な数のゾーン108~114を含む。クライアントサイトが何らかの組織的なやり方で関連付けられている実際の状況では、異なるクライアントサイトの少なくともいくつかのゾーンが、同様のタイプのサイトエリアなどの同じオーディオゾーンカテゴリに対応するという意味で、いくつかのゾーンは重複する。背景技術のセクションからの例は、異なる年齢または性別の衣類が含まれるサイトエリアがゾーンであり得る小売チェーンに関係するものであり、把握しやすい一例である。これは、本明細書で例として使用される例であるが、当業者は、各サイトが複数のゾーンを有する複数のサイトがある限り、本発明が有用であり得ることを間違いなく理解するであろう。
【0014】
以下では、システムのフレームワークが制御される管理者サイト102から出発して、本発明の詳細を少し深く掘り下げる。以下の表と併せて読むべきである
図2を参照すると、管理者サイト102は、ラベル120のいくつかのセットを含むように構成される。これらのラベルは、オーディオシステムにおいてグローバルであり、オーディオシステム100全体に共通であることを意味する。いくつかのラベルはソフトウェアに既存のものであり得るが、原則として、ユーザインターフェースは、オペレータがラベル(またはタグ)を追加する可能性、ならびにラベル(ラベルのグループを含む)の様々な論理的抽出を含む。この例を以下の表1~4に記載する。
【0015】
タイムスケジュールカテゴリを示し、タイムスケジュールの作成を可能にする時間ラベル(表1)がある。タイムスケジュールは、典型的には、オーディオがいつ再生されるべきかを定義し、一般的な用語で定義される。一例として、異なるクライアントサイト間では営業時間が異なり得るが、この一般的な命令は後から指定される。
【0016】
また、クライアントサイトの場所を示すラベル、すなわち表2に示す「サイトラベル」がある。各サイトラベルの最小ビルディングブロックは、個々のクライアントサイトの名前または識別子である。しかしながら、これらのビルディングブロックは、クライアントサイトのカテゴリのサイトラベルを形成するために異なる基準に従って組み立てられ得る。この例は、表2において、ストックホルム市の2つの異なる場所にある店舗を表す、ストックホルムの2つのサイトが定義されていることである。これら2つの店舗は、ストックホルムに位置することが共通しているため、ストックホルムのすべてのサイトを含むラベルを有することは、組織的観点から理に適い得る(表2の#ストックホルムを参照)。別個のラベルとして見つけられるイェーテボリの店舗と共に、それらはスウェーデンで利用可能な店舗を表し、スウェーデンのすべての店舗を選択することができることを目的として、それらはすべてラベル#スウェーデンの下に収集される(表2にも示す)。
【0017】
抽出レベルは地理によって指定される必要はない。ニューヨークおよびロンドンのサイトは、ヨーロッパの様々な国のサイトが#フランス語の話者、#ドイツ語の話者などの下に、および基本的にオーディオ配信の文脈内で組織的な意味を成す任意の組み合わせの下にクラスタリングされ得るのと同じように、#英語の話者というラベルの下にクラスタリングされ得る。したがって、クライアントサイトは、地域、国、大陸、言語、組織の支店などの異なるパラメータに応じて、サイトカテゴリにグループ化され得る。
【0018】
管理者サイト102では、オーディオゾーンカテゴリ(表3)およびオーディオソースカテゴリ(表4)を参照したラベルも管理される。ゾーンラベルは、ビジネス関連およびサイト関連であり、クライアントサイトに存在する異なるエリアなど、オーディオゾーンの異なるカテゴリを反映する。ソースラベルは、異なるジャンルの音楽など、オーディオの異なるカテゴリまたはタイプを表す。使用を容易にするために、これらのゾーンラベルおよびソースラベルは自明であるべきである。
【0019】
ここで、クライアントサイト104A~104Cの観点から見ると、管理者サイト102で定義されたラベル120(表1~表4)は、クライアントサイト140A~140Cでの選択に利用可能になる。ここで説明するように、ラベル120を、ローカルに定義されたタイムスケジュール、オーディオゾーン、およびオーディオソースの識別子に関してクライアントサイト固有データと関連付ける情報を、各クライアントサイト104A~104Cについて生成することができる。
【0020】
設置段階では、クライアントサイトのオペレータは、利用可能なスピーカをゾーン(
図1の108~114)にクラスタリングする。各ゾーンは、例えば、番号または名前の形式であり得るローカル識別子を有し得る。しかし、「顧客用カフェテリア」は、その後、クライアントサイトのオペレータによって利用可能なゾーンラベル、例えば「#レストラン」に関連付けられる。
【0021】
クライアントサイトのオペレータはまた、利用可能なソースラベルを事前設定する、すなわち、例えば、言語またはスタイルなどに関してローカルクライアントサイトに適した、自分の好みのオーディオソースの識別子に#環境を関連付ける。したがって、クライアント側のオペレータは、ラベル#環境にどのオーディオソース識別子を関連付けるかを定義することができる。オーディオソースは、ストリーミングサービス、デジタル音楽サービス、ラジオ局、リモートまたはローカル音楽ライブラリなどへのリンクなど、ローカル122またはリモート124に格納されたユーザ定義プレイリストのうちの1つまたは複数であってもよい。したがって、ソースラベルは、異なるクライアントサイト104A~104Cで異なるオーディオソースに関連付けられ得る。このようにして、オーディオは、意図されたオーディエンスに合わせてテーラーメイドにローカルに調整され、これは、関連する国または地域または年齢カテゴリなどのトップリストに対応し得る。
【0022】
クライアントサイト104では、営業時間(すなわち、営業時間の週または年のスケジュール)、ローカル時間などのローカルのタイムスケジュールに関する情報が、クライアントサイトのオペレータによって追加されてもよく、またはクライアントサイトデータからシステムによって自動的に組み立てられてもよく、どちらがより便利であるかによる。この情報項目は、識別子を用いて(ローカルに)命名されてもよく、また、中央的に定義されたラベル、すなわち時間ラベルに関連付けられてもよい。このようにして、管理者サイト102で定義された時間ラベルの範囲のチェーンは、個々のクライアントサイト104A~104Cで適用される特定のローカルのタイムスケジュールに関連付けられ得る。ローカルのタイムスケジュールはそれぞれ、タイムスケジュールのローカル名などの識別子によって表され得る。管理者サイト102からクライアントサイト104がシステムに追加されるときに設定される可能性が最も高いサイトラベルについても同様である。ラベルの抽出は、一般に、管理者サイトでのみ利用可能であり得る。
【0023】
説明を目的として、2つのクライアントサイトについて生成された情報の一例を以下の表5および表6に示す。ここで、2つのストックホルムのサイトの設定を要約する。特に、他のすべての例に関して、表は情報を提示するための単に便利な様式である。情報を収集するための実際のインターフェース、または情報を格納および転送するためのシステムは、任意の適切なやり方で具現化され得る。典型的には、クライアントサイトインターフェースは、クライアントサイト管理者アプリケーションの形態であり、中央管理者サイトとは独立してローカルにサイトを管理するためのすべての必要なツールを含み、また、管理者サイトから詳細な命令を受信して実装し、それによってオーディオ命令を実行することもできる。
【0024】
「時間」という見出しの下のローカルの営業時間に関する情報は、カレンダー形式のユーザインターフェースを使用することによってクライアントサイトで便利に入力することができる。これは、1週間の各曜日、曜日のグループ(月~金、週末など)の開店時間および閉店時間を追加するために、ならびに、ローカルもしくは国民の祝日、または営業時間がずれている他の日に関する情報を追加するために、簡単で認識可能な様式である。(「ゾーン」という見出しの下の)ゾーン識別子は、クライアントサイトのオペレータに馴染みのある名前を有する単なるテキスト文字列であり、クライアントサイトのスピーカグループに関連付けられる。また、「ソース」という見出しの下で命名されたオーディオソースは、最終的に、クライアントサイトオペレータによって追加されたオーディオソースへの関連付けを含む。
【0025】
ラベル120とクライアントサイト固有データとの間の関連付けに関する情報がクライアントサイト140A~140Cで組み立てられたとき、それは、所定の情報としてオーディオシステム100に格納されてもよい。例えば、それは、管理者サイト102にアップロードされてもよく、クライアントサイト104A~104Cにローカルに、またはリモートサーバに格納されてもよい。本明細書の目的のために、所定の情報は、ローカル適合126を可能にするために管理者サイト102(または管理者サイト制御アプリケーション)にアップロードされる。ローカル適合は、クライアントサイト102(またはクライアントサイト制御アプリケーション)で実行することもできるが、管理者サイト102でローカル適合を利用可能にすることは、一般化されたオーディオ命令から専用化されたオーディオ命令を生成するために必要なすべての情報が単一の場所または少なくとも単一のアプリケーション内で利用可能であることを意味するので、より便利であると考えられる。
【0026】
再び
図2を参照すると、管理者サイト102に接続されたオペレータは、一般化されたオーディオ命令128を入力する準備をすることができる。一般化されたオーディオ命令は、ラベルのセット120から選択された複数のラベルに関して表現される。具体的には、一般化されたオーディオ命令128は、サイトラベル、時間ラベル、オーディオゾーンラベル、およびオーディオソースラベルを含み得る。上記で説明したように、これらは、それぞれ、クライアントサイトカテゴリ、タイムスケジュールカテゴリ、オーディオゾーンカテゴリ、およびオーディオソースカテゴリを示す。したがって、一般的なオーディオ命令は、一般に、オーディオをいつ再生するか、オーディオをどこで再生するか、およびどのオーディオを再生するかを定義する。上記の例に続いて、一般化されたオーディオ命令128は、以下のように要約することができる:
【0027】
この一般化されたオーディオ命令128は、ローカル適合126を受け、専用化されたオーディオ命令を生成するために、ローカルの優先事項、すなわち所定の情報と共に処理される。この処理中、一般化されたオーディオ命令128内の各ラベルは、表5および表6に例示されるように、所定の情報内の関連付けを使用して、ローカルのクライアント固有の識別子に処理(または変換)される。その効果は、各クライアントサイトが、テーラーメイドの(または専用化された)オーディオ命令を受信し、その後、それをクライアントサイトで実施することができることである。図示の例の詳細を使用した結果、都心部サイトは、子供部門で「ベスト・オブ・アストリッド・リンドグレン」を再生し、女性部門で「スウェーデントップ50」を演奏し、これは規定の営業時間中に実行される。海岸部サイトでは、大人エリアで「Ultimate Jazz Radio」が再生され、若者エリアではプレイリスト「子供用ヒット」が聴かれる。特に、管理者サイトのオペレータは、ローカルの優先事項または詳細なプレイリストはクライアントサイトで考慮されるため、ローカルの優先事項について心配する必要も、詳細なプレイリストを準備する必要もない。
【0028】
クライアントサイト104A~104Cのいずれにおいても、スケジュールは、定期的または不定期に広告の追加を含むことができる。#ADVラベルはまた、所定の情報にローカルで事前設定されてもよく、または連動したキャンペーンに関連する場合には中央ストレージから転送(例えば、ダウンロードまたはストリーミング)されてもよい。さらに、スケジュールは、閉店アナウンス(「店舗は15分後に閉まります」)などのパブリックアナウンスを含むことができ、その場合、アナウンスは、一般的なオーディオ命令128内の時間ラベルに関連付けられているタイムスケジュールに関連してスケジュールされ得る。例えば、一般的なオーディオ命令128は、オーディオが「閉店時間マイナス15分」に再生されるべきであると指定することができる。閉店アナウンス、ならびに任意の他のパブリックアナウンスは、所定の情報内でローカルに選択されてもよく、それによって特定のクライアントサイトに固有であり得る。開店時間および閉店時間の両方は、(「営業時間」の下の)クライアントサイトの優先事項で指定されるため、相対時間「閉店時間マイナス15分」は、クライアントサイトのオペレータによって行われる追加の労働を含まない絶対時間に変換される。スケジュール全体には、クライアントサイトの営業時間に関連してタイムスタンプも付与され、このようにして、異なる営業時間およびタイムゾーンが便利に扱われる。
【0029】
図3は、本発明の方法の実施形態による本発明の方法を示す概略フローチャートである。ステップ140において、ラベルのセットが管理者サイト102で定義され、ステップ150において、定義されたラベルのセットからの複数のラベルを含む一般化されたオーディオ命令が、ユーザ入力を介して受信される。ステップ160において、ラベルをクライアントサイト固有データと関連付ける所定の情報がアクセスされ、一般化されたオーディオ命令は、クライアントサイトのための専用化されたオーディオ命令を生成するために所定の情報を使用して適合または調整される。その後、ステップ170において、専用化されたオーディオ命令がクライアントサイト104に送信される。特に、各専用化されたオーディオ命令は、専用化されたオーディオ命令において識別されたクライアントサイトに送信されてもよい。クライアントサイト104におけるフローは、ステップ180およびサイトのセットアップから出発する。セットアップでは、ステップ140で定義されたラベルの選択が、所定の情報を生成するためにローカルデータおよび優先事項と共に事前設定され、したがって、ステップ190として示されるサイトが定義される。所定の情報は、ステップ160に伝達され、上述したように、一般化されたオーディオ命令を適合させるときに入力として使用される。クライアントサイト104は、専用化されたオーディオ命令を受信し、ステップ200においてそれを実施する、すなわち、専用化されたオーディオ命令に従ってオーディオを再生する。これは、識別されたオーディオソース210からオーディオファイルを収集することと、識別されたタイムスケジュールに従って識別されたオーディオゾーンにおいて収集されたオーディオファイルを再生することとを含む。上述したように、異なるサイトでの一連のイベントを示すこととは別に、
図3は、いくつかの関係性、すなわち、ラベル割り当てがサイトセットアップにおいてどのように利用されるか、および定義されたサイトの詳細がローカル適合が実行される場所、すなわち専用化されたオーディオ命令が生成される場所にどのように伝達されるかも示す。命令を適合させるステップは、フロー内のその場所が必ずしも図面内で配置されている場所ではないため、ハッチング線で描かれている。また、定められたスケジュール(一般的なスケジュール)の送信後に実行することもできる。また、ラベルを割り当てるステップは、ラベルがセットアップのために所定の位置にある必要がある特徴であるため、ハッチング線で示されているが、実際のオーディオ配信で実行する必要があるステップではない。
【0030】
ステップ140、150、160、170は、管理者サイト102のデバイスによって実行することができることを理解されたい。そのデバイスは、これらのステップを実施するように適合された回路を含み得る。ソフトウェア実装形態では、回路は、非一時的コンピュータ可読媒体に格納されたコンピュータコード命令を実行するように適合された中央処理装置の形態であってもよい。これらのコンピュータコード命令は、中央処理装置に方法ステップ140、150、160、170を実行させるように適合され得る。デバイスのハードウェア実装も可能である。その場合、デバイスは、ステップ140、150、160、170の各々を実施するための特定用途向け集積回路などの専用回路を含み得る。ソフトウェア実装とハードウェア実装との組み合わせも想定することができ、ステップの一部はソフトウェアで実施され、他のステップはハードウェアで実施される。
【0031】
サイトのグループのための一般化されたオーディオ命令を準備することができ、その一般化された命令をテーラーメイドのプレイリストに変換できるようにすることには、いくつかの利点がある。しかしながら、対処する必要がある潜在的な問題もあるが、これらの問題に対する簡単な回避策がある。
【外国語明細書】