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特開2023-168256インクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体、インクジェットヘッドのためのメンテナンス方法、及びインクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体を含む基板処理装置
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  • 特開-インクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体、インクジェットヘッドのためのメンテナンス方法、及びインクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体を含む基板処理装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168256
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】インクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体、インクジェットヘッドのためのメンテナンス方法、及びインクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体を含む基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/165 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
B41J2/165 201
B41J2/165 501
B41J2/165 211
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073755
(22)【出願日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】10-2022-0058167
(32)【優先日】2022-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520236767
【氏名又は名称】サムス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チン ワンヨン
(72)【発明者】
【氏名】イ ホサン
(72)【発明者】
【氏名】アン チョン
(72)【発明者】
【氏名】チャン ソクウォン
(72)【発明者】
【氏名】イ チェトゥク
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA14
2C056EB08
2C056EB30
2C056EC08
2C056EC29
2C056EC30
2C056EC53
2C056EC57
2C056EE18
2C056FB01
2C056JA01
2C056JA13
(57)【要約】
【課題】インクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体の提供。
【解決手段】インクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体は、基板上に薬液を吐出するノズルが配列されるノズル面に対向する上面を有する筐体と、前記ノズルの湿度及び前記ノズル面の湿度が設定湿度と異なる場合、前記ノズルの湿度及び前記ノズル面の湿度が前記設定湿度に調節されるように、前記ノズル及び前記ノズル面上に調湿用流体を提供する流体供給部とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体であって、
基板上に薬液を吐出するノズルが配列されるノズル面に対向する上面を有する筐体と、
前記ノズルの湿度及び前記ノズル面の湿度が設定湿度と異なる場合、前記ノズルの湿度及び前記ノズル面の湿度が前記設定湿度に調節されるように、前記ノズル及び前記ノズル面上に調湿用流体を提供する流体供給部とを含むことを特徴とするインクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体。
【請求項2】
前記流体供給部は、外部のソースから前記調湿用流体が供給される流入ラインと、前記調湿用流体が前記設定湿度を有するようにする調湿部と、前記設定湿度を有する調湿用流体を前記ノズル及び前記ノズル面上に提供する供給ラインとを含むことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体。
【請求項3】
前記調湿部は、前記調湿用流体を加熱するヒータを含むことを特徴とする請求項2に記載のインクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体。
【請求項4】
更に、前記ノズルの湿度及び前記ノズル面の湿度を測定する湿度感知部を含み、
前記調湿部は、前記湿度感知部により測定された結果に基づいて、前記調湿用流体の湿度を調節することを特徴とする請求項2に記載のインクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体。
【請求項5】
更に、前記ノズル及び前記ノズル面の上に前記調湿用流体を均一に分布させる流体分配部を含み、
前記流体分配部は、メッシュ構造を有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体。
【請求項6】
更に、前記ノズル面と前記筐体の上面の間に一定の間隔を維持するガイド部を含むことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体。
【請求項7】
更に、前記調湿用流体の圧力を調節する調圧部と、前記ノズル及びノズル面から前記調湿用流体を外部に排出させる流体排出部とを含むことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体。
【請求項8】
前記調湿用流体は、酸素ガス、窒素ガス、清浄乾燥空気、及びこれらの組み合わせから選択され、
前記メンテナンス組立体は、更に、前記ノズル及び前記ノズル面上の前記調湿用内の酸素の量を測定する酸素感知部を含み、
前記酸素感知部により測定された結果に基づいて、前記ノズル及び前記ノズル面上に提供される前記調湿用流体の量が調節されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体。
【請求項9】
更に、前記ノズル及び前記ノズル面から残留する薬液又は滴下する薬液を真空吸引方式で収集する薬液収集部を含むことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体。
【請求項10】
前記薬液収集部は、前記残留する薬液又は前記滴下する薬液を収容する薬液収容部と、前記残留する薬液又は前記滴下する薬液を一時的に貯蔵し排出する薬液排出部と、前記薬液収容部及び前記薬液排出部に連結される連結ラインとを含むことを特徴とする請求項9に記載のインクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体。
【請求項11】
インクジェットヘッドのためのメンテナンス方法であって、
基板上に薬液を吐出するノズルの湿度及び前記ノズルが配列されるノズル面の湿度を測定するステップと、
前記ノズルの測定された湿度及び前記ノズル面の測定された湿度が設定湿度と異なる場合、前記ノズルの湿度及び前記ノズル面の湿度を前記設定湿度に調節するステップとを含むことを特徴とするインクジェットヘッドのためのメンテナンス方法。
【請求項12】
前記ノズルの湿度及び前記ノズル面の湿度を前記設定湿度に調節するステップは、前記ノズル及び前記ノズル面上に調湿用流体を提供するステップを含み、
前記調湿用流体の湿度は、前記調湿用流体を加熱し、及び/又は前記調湿用流体の量を調節して制御され、
前記調湿用流体は、酸素ガス、窒素ガス、清浄乾燥空気、及びこれらの組み合わせから選択されることを特徴とする請求項11に記載のインクジェットヘッドのためのメンテナンス方法。
【請求項13】
更に、前記ノズル及び前記ノズル面から残留する薬液又は滴下する薬液を真空吸引方式で収集するステップを含むことを特徴とする請求項11に記載のインクジェットヘッドのためのメンテナンス方法。
【請求項14】
前記ノズルの湿度及び前記ノズル面の湿度を調節するステップは、前記ノズルが前記基板上に前記薬液を吐出しない場合に行われることを特徴とする請求項11に記載のインクジェットヘッドのためのメンテナンス方法。
【請求項15】
基板処理装置であって、
基板上に薬液を吐出するノズルが配列されるノズル面を有するインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドに対してメンテナンスを行うメンテナンス組立体とを含み、
前記メンテナンス組立体は、前記ノズル面と対向する上面を有する筐体と、前記ノズルの湿度及び前記ノズル面の湿度が設定湿度と異なる場合、前記ノズルの湿度及び前記ノズル面の湿度が前記設定湿度に調節されるように、前記ノズル及び前記ノズル面上に調湿用流体を提供する流体供給部とを含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項16】
前記流体供給部は、外部のソースから前記調湿用流体が供給される流入ラインと、前記調湿用流体が前記設定湿度を有するようにする調湿部と、前記設定湿度を有する調湿用流体を前記ノズル及び前記ノズル面上に提供する供給ラインとを含むことを特徴とする請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項17】
更に、前記ノズルの湿度及び前記ノズル面の湿度を測定する湿度感知部を含み、
前記調湿部は、前記湿度感知部により測定された結果に基づいて、前記調湿用流体の湿度を調節することを特徴とする請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項18】
更に、前記ノズル及び前記ノズル面の上に前記調湿用流体を均一に分布させる流体分配部と、
前記ノズル面と前記筐体の上面の間に一定の間隔を維持するガイド部と、
前記調湿用流体の圧力を調節する調圧部と、
前記ノズル及びノズル面から前記調湿用流体を外部に排出させる流体排出部とを含むことを特徴とする請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記調湿用流体は、酸素ガス、窒素ガス、清浄乾燥空気、及びこれらの組み合わせから選択され、
前記メンテナンス組立体は、更に、前記ノズル及び前記ノズル面の上の前記調湿用内の酸素の量を測定する酸素感知部を含み、前記酸素感知部により測定された結果に基づいて、前記ノズル及び前記ノズル面上に提供される前記調湿用流体の量が調節されることを特徴とする請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項20】
更に、前記ノズル及び前記ノズル面から残留する薬液又は滴下する薬液を真空吸引方式で収集する薬液収集部を含み、
前記薬液収集部は、前記残留する薬液又は前記滴下する薬液を収容する薬液収容部と、前記残留する薬液又は前記滴下する薬液を一時的に貯蔵し排出する薬液排出部と、前記薬液収容部及び前記薬液排出部に連結される連結ラインとを含むことを特徴とする請求項15に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体、インクジェットヘッドのためのメンテナンス方法、及びインクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体を含む基板処理装置に関する。より詳しくは、本発明は、インクジェットヘッドのノズル面が所定の設定条件を満たすようにメンテナンスすることができる、インクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体、このようなメンテナンス組立体を用いたインクジェットヘッドのためのメンテナンス方法、及び該当インクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体を含む基板処理装置に関する。
【0002】
この出願は、2022年5月12日に大韓民国に出願された大韓民国特許出願第10-2022-0058167号を優先権として伴う出願である。
【背景技術】
【0003】
有機発光ダイオード(OLED)装置又は量子ドット発光ダイオード(QLED)装置のようなディスプレイ装置を製造するために、基板上に薬液を吐出する工程が行われ、このような薬液を吐出する工程は、複数のノズルが上部に配列されるノズル面を有するインクジェットヘッドを含む基板処理装置を用いて行われる。
【0004】
前記基板上に前記薬液を吐出する工程において、前記インクジェットヘッドのノズル内又は前記インクジェットヘッドのノズル面上に前記薬液が残留する場合は、前記工程の不良を生じることになる。そこで、前記ノズル内又は前記ノズル面上に残留する薬液を洗浄するためのメンテナンス工程が行われる。また、前記ディスプレイ装置の製造のために用いられる前記薬液は、温度及び/又は湿度を含む周辺環境に非常に敏感であるため、前記薬液の周辺環境を細心に管理する必要があるだけでなく、前記薬液が吐出される前記インクジェットヘッドのノズル内及びノズル面上の温度及び/又は湿度を含む工程条件も管理する必要がある。
【0005】
従来技術によると、前記インクジェットヘッドのノズル内又は前記ノズル面上に残留する前記薬液を除去するためのメンテナンス工程は行われるが、前記ノズル内及び前記ノズル面上の温度及び/又は湿度を含む工程条件を維持するためのメンテナンス工程は、十分行われていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】大韓民国公開特許公報第2018-0098568号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、インクジェットヘッドのノズル及び/又はインクジェットヘッドのノズル面のための温度及び湿度を含む工程条件を有利に維持することができるインクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、インクジェットヘッドのノズル及び/又はインクジェットヘッドのノズル面のための温度及び湿度を含む工程条件を有利に維持することができるインクジェットヘッドのためのメンテナンス方法を提供することである。
【0009】
本発明の更に他の目的は、インクジェットヘッドのノズル及び/又はインクジェットヘッドのノズル面のための温度及び湿度を含む工程条件を有利に維持することができるインクジェットヘッドのメンテナンス組立体を含む基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一様態によると、インクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体が提供される。前記インクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体は、基板上に薬液を吐出するノズルが配列されるノズル面に対向する上面を有する筐体と、前記ノズルの湿度及び前記ノズル面の湿度が設定湿度と異なる場合、前記ノズルの湿度及び前記ノズル面の湿度が前記設定湿度に調節されるように、前記ノズル及び前記ノズル面上に調湿用流体を提供する流体供給部とを含むことを特徴とする。
【0011】
前記流体供給部は、外部のソースから前記調湿用流体が供給される流入ラインと、前記調湿用流体が前記設定湿度を有するようにする調湿部と、前記設定湿度を有する調湿用流体を前記ノズル及び前記ノズル面上に提供する供給ラインとを含む。
【0012】
前記調湿部は、前記調湿用流体を加熱するヒータを含む。
【0013】
前記メンテナンス組立体は、更に、前記ノズルの湿度及び前記ノズル面の湿度を測定する湿度感知部を含み、前記調湿部は、前記湿度感知部により測定された結果に基づいて、前記調湿用流体の湿度を調節する。
【0014】
前記メンテナンス組立体は、更に、前記ノズル及び前記ノズル面の上に前記調湿用流体を均一に分布させる流体分配部を含み、前記流体分配部は、メッシュ構造を有する。
【0015】
前記メンテナンス組立体は、更に、前記ノズル面と前記筐体の上面の間に一定の間隔を維持するガイド部を含む。
【0016】
前記メンテナンス組立体は、更に、前記調湿用流体の圧力を調節する調圧部と、前記ノズル及びノズル面から前記調湿用流体を外部に排出させる流体排出部とを含む。
【0017】
前記調湿用流体は、酸素ガス、窒素ガス、清浄乾燥空気(clean dried air)、及びこれらの組み合わせから選択される。前記メンテナンス組立体は、更に、前記ノズル及び前記ノズル面上の前記調湿用内の酸素の量を測定する酸素感知部を含み、前記酸素感知部により測定された結果に基づいて、前記ノズル及び前記ノズル面上に提供される前記調湿用流体の量が調節される。
【0018】
前記メンテナンス組立体は、更に、前記ノズル及び前記ノズル面から残留する薬液又は滴下する薬液を真空吸引方式で収集する薬液収集部を含む。
【0019】
前記薬液収集部は、前記残留する薬液又は前記滴下する薬液を収容する薬液収容部と、前記残留する薬液又は前記滴下する薬液を一時的に貯蔵し排出する薬液排出部と、前記薬液収容部及び前記薬液排出部に連結される連結ラインとを含む。
【0020】
本発明の他の様態によると、インクジェットヘッドのためのメンテナンス方法が提供される。前記インクジェットヘッドのためのメンテナンス方法は、基板上に薬液を吐出するノズルの湿度及び前記ノズルが配列されるノズル面の湿度を測定するステップと、前記ノズルの測定された湿度及び前記ノズル面の測定された湿度が設定湿度と異なる場合、前記ノズルの湿度及び前記ノズル面の湿度を前記設定湿度に調節するステップとを含むことを特徴とする。
【0021】
前記ノズルの湿度及び前記ノズル面の湿度を前記設定湿度に調節するステップは、前記ノズル及び前記ノズル面上に調湿用流体を提供するステップを含み、前記調湿用流体の湿度は、前記調湿用流体を加熱し、及び/又は前記調湿用流体の量を調節して制御される。前記調湿用流体は、酸素ガス、窒素ガス、清浄乾燥空気、及びこれらの組み合わせから選択される。
【0022】
前記インクジェットヘッドのためのメンテナンス方法は、更に、前記ノズル及び前記ノズル面から残留する薬液又は滴下する薬液を真空吸引方式で収集するステップを含む。
【0023】
前記ノズルの湿度及び前記ノズル面の湿度を調節するステップは、前記ノズルが前記基板上に前記薬液を吐出しない場合に行われる。
【0024】
本発明の他の様態によると、基板処理装置が提供される。前記基板処理装置は、基板上に薬液を吐出するノズルが配列されるノズル面を有するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドに対してメンテナンスを行うメンテナンス組立体とを含む。前記メンテナンス組立体は、前記ノズル面と対向する上面を有する筐体と、前記ノズルの湿度及び前記ノズル面の湿度が設定湿度と異なる場合、前記ノズルの湿度及び前記ノズル面の湿度が前記設定湿度に調節されるように、前記ノズル及び前記ノズル面上に調湿用流体を提供する流体供給部とを含むことを特徴とする。
【0025】
前記流体供給部は、外部のソースから前記調湿用流体が供給される流入ラインと、前記調湿用流体が前記設定湿度を有するようにする調湿部と、前記設定湿度を有する調湿用流体を前記ノズル及び前記ノズル面上に提供する供給ラインとを含む。
【0026】
前記基板処理装置は、更に、前記ノズルの湿度及び前記ノズル面の湿度を測定する湿度感知部を含み、前記調湿部は、前記湿度感知部により測定された結果に基づいて、前記調湿用流体の湿度を調節する。
【0027】
前記基板処理装置は、更に、前記ノズル及び前記ノズル面の上に前記調湿用流体を均一に分布させる流体分配部と、前記ノズル面と前記筐体の上面の間に一定の間隔を維持するガイド部と、前記調湿用流体の圧力を調節する調圧部と、前記ノズル及びノズル面から前記調湿用流体を外部に排出させる流体排出部とを含む。
【0028】
前記調湿用流体は、酸素ガス、窒素ガス、清浄乾燥空気、及びこれらの組み合わせから選択される。前記メンテナンス組立体は、更に、前記ノズル及び前記ノズル面の上の前記調湿用内の酸素の量を測定する酸素感知部を含む。前記酸素感知部により測定された結果に基づいて、前記ノズル及び前記ノズル面上に提供される前記調湿用流体の量が調節される。
【0029】
前記基板処理装置は、更に、前記ノズル及び前記ノズル面から残留する薬液又は滴下する薬液を真空吸引方式で収集する薬液収集部を含む。前記薬液収集部は、前記残留する薬液又は前記滴下する薬液を収容する薬液収容部と、前記残留する薬液又は前記滴下する薬液を一時的に貯蔵し排出する薬液排出部と、前記薬液収容部及び前記薬液排出部に連結される連結ラインとを含む。
【発明の効果】
【0030】
本発明によると、前記インクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体は、前記インクジェットヘッドから前記基板上に前記薬液を吐出する工程が行われない場合、前記ノズル及び/又は前記ノズル面が前記設定湿度を有するように、前記メンテナンスを行うことができる。特に、前記インクジェットヘッドのノズル内及び/又は前記ノズル面上の湿度を測定することができ、測定された結果に基づいて、前記ノズル内及び/又は前記ノズル面上の湿度が前記設定湿度と異なる場合に、前記ノズル内及び/又は前記ノズル面上の湿度を、前記設定湿度に調節することができる。この場合、前記メンテナンス組立体は、前記インクジェットヘッドに容易に着脱可能であるので、前記インクジェットヘッドのためのメンテナンスが容易に行える。また、前記ノズルの温度と湿度及び/又は前記ノズル面の温度と湿度が、前記ノズル及び前記ノズル面上に前記調湿用流体を提供して、有利に調節される。更に、前記ノズル及び前記ノズル面から前記残留する薬液や前記滴下する薬液滴を収集することができるので、前記インクジェットヘッドのためのメンテナンスがより効率よく行われる。
【0031】
本発明の効果が上述した事項に限定されるものではなく、本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲で様々に拡張可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体を含む基板処理装置を説明するための概略断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体を含む基板処理装置を説明するための概略断面図である。
図3】本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッドのノズル面を説明するための概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な形態を有することができ、特定の実施形態を本文に詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の開示形態について限定しようとすることではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むことと理解されるべきである。添付の図面において、同一又は類似した図面符号は、同一又は類似した構成要素を示す。第1、第2のなどの用語は、様々な構成要素を説明することに用いられるが、前記構成要素は、前記用語により限定されることではない。本出願で使用した用語は、単に、特定の実施形態を説明するために使われており、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上、明白に異なることを意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」、「構成される」、「有する」などの用語は、本文に開示される特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、パーツ、又はこれらを組み合わせるものが存在することを指定しようとすることであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、パーツ、又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないことと理解すべきである。
【0034】
異なって定義しない限り、技術的や科学的な用語を含めて、ここで使われる全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって、一般に理解されることと同様な意味を有している。 一般に使われる辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解析されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解析されない。
【0035】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0036】
図1及び図2は、本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体を含む基板処理装置を説明するための断面図である。図3は、本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッドのノズル面を説明するための平面図である。
【0037】
図1乃至図3に示しているように、一実施形態に係る基板処理装置300は、インクジェットヘッド11を有する薬液吐出部100と、前記インクジェットヘッド11のためのメンテナンス組立体200とを含む。
【0038】
前記基板処理装置300において、前記薬液吐出部100のインクジェットヘッド11は、有機発光表示(OLED)装置又は量子ドット発光表示(QLED)のようなディスプレイ装置を製造するために、基板上に、赤色(R)インク、緑色(G)インク、青色(B)インク、又はフォトレジストを含む所定の薬液を吐出する。他の実施形態において、前記基板処理装置300は、パック単位で提供される複数のインクジェットヘッド11を含む薬液吐出部100を備える。
【0039】
前記薬液吐出部100のインクジェットヘッド11は、前記基板上に前記薬液を供給するための複数のノズル13を含む。一実施形態において、前記インクジェットヘッド11は、実質的に一定の間隔で配列される複数のノズル13を含むノズル面15を有する。
【0040】
前記複数のノズル13内に及び/又は前記配列されるノズル13を含む前記ノズル面15上に前記薬液が残留する場合、このような残留する薬液により、前記基板上に前記薬液を吐出する工程の不良が生じることになる。これにより、前記ノズル13内に及び/又は前記ノズル面15上に残留する前記薬液を除去又は洗浄する必要がある。また、前記基板上に前記薬液を露出する工程において、前記薬液が温度及び湿度を含む周辺環境に相対的に敏感であるため、前記薬液の周辺環境が適切にメンテナンスされる必要がある。更に、前記薬液が吐出される前記ノズル13及び/又は前記ノズル面15のために、温度及び湿度を含む工程条件が有利にメンテナンスされる必要がある。
【0041】
一実施形態において、前記インクジェットヘッドのためのメンテナンス組立体200は、前記インクジェットヘッド11のノズル13及び/又は前記インクジェットヘッド11のノズル面15のために、前記温度及び湿度を含む周辺環境と前記温度及び湿度を含む工程条件を有利に管理することができる。
【0042】
一実施形態において、前記インクジェットヘッド11のためのメンテナンス組立体200は、前記ノズル13から前記薬液が前記基板上に吐出されない場合、前記インクジェットヘッド11に対するメンテナンスを行うことができる。例えば、前記メンテナンス組立体200は、前記インクジェットヘッド11に対して周期的にメンテナンスを行うか、前記基板上に前記薬液を供給する工程の前後に行う。
【0043】
他の実施形態において、前記基板処理装置300は、独立した前記インクジェットヘッド11のためのメンテナンス組立体200を含む。例えば、前記メンテナンス組立体200は、前記インクジェットヘッド11に対してメンテナンスを行う場合、前記インクジェットヘッド11に結合される。
【0044】
図1に示しているように、前記インクジェットヘッド11のためのメンテナンス組立体は、筐体21と、流体供給部23と、湿度感知部31と、流体分配部33と、ガイド部35と、調圧部37と、流体排出部39と、酸素感知部41と、薬液収集部50とを含む。
【0045】
前記筐体21は、前記基板上に前記薬液が吐出される前記インクジェットヘッド11のノズル面15と実質的に対向している。つまり、前記筐体21は、前記ノズル13及び前記ノズル面15に対応する上面を有する。例えば、前記筐体21は、実質的にボックス状の構造を有する。
【0046】
前記筐体21の上面は、前記インクジェットヘッド11を部分的に覆うサイズを有してもよく、前記インクジェットヘッド11を全体として覆うサイズを有してもよい。選択的に、前記筐体21の上面は、前記パック単位に提供される複数のインクジェットヘッド11を含む前記薬液吐出部100を全体として覆うサイズを有することもできる。
【0047】
前記筐体21の上面が、前記インクジェットヘッド11を部分的に覆うサイズを有する場合、前記インクジェットヘッド11の一部に対して、前記メンテナンス組立体200により前記メンテナンスが行われるため、前記全体インクジェットヘッド11に対しては、数回の前記メンテナンスが行われる。前記筐体21の上面が、前記インクジェットヘッド11を全体として覆うサイズを有する場合、前記メンテナンス組立体200は、前記全体インクジェットヘッド11に対して、実質的に1回のメンテナンスを行うことができる。
【0048】
前記筐体21の上面が前記インクジェットヘッド11の一部を覆うサイズを有する場合、前記メンテナンス組立体200は、前記全体インクジェットヘッド11又は前記複数のインクジェットヘッド11に対して、繰り返してメンテナンスを行うことができるが、前記全体インクジェットヘッド11又は前記複数のインクジェットヘッド11のためのメンテナンスがより精密に行われる。前記筐体21の上面が、前記全体インクジェットヘッド11又は前記複数のインクジェットヘッド11を覆うサイズを有する場合、前記全体インクジェットヘッド11又は前記複数のインクジェットヘッド11のためのメンテナンスの時間を短縮することができる。
【0049】
上述したように、一実施形態において、前記インクジェットヘッド11のための前記メンテナンス組立体200は、前記メンテナンス組立体200の筐体21の上面サイズを調節して、前記インクジェットヘッド11のサイズ、前記インクジェットヘッド11の数、前記ノズル13の状態及び/又は前記ノズル面15の状態を考えて、前記インクジェットヘッド11に対して有利にメンテナンスを行うことができる。
【0050】
前記流体供給部23は、前記ノズル13及び前記ノズル面15の周囲の温度及び湿度を含む周辺環境を調節する。一実施形態において、前記流体供給部23は、調湿用流体を用いて、前記インクジェットヘッド11のノズル13及びノズル面15の周辺の湿度を調節することができる。前記流体供給部23は、前記筐体21の上面を介して、前記ノズル13及びノズル面15上に、前記調湿用流体を提供する。
【0051】
前記流体供給部23は、前記ノズル13内及び/又は前記ノズル面15上の湿度を、所定の設定湿度に調節する。特に、前記ノズル13内及び/又は前記ノズル面15上の湿度が前記設定湿度と異なる場合、前記流体供給部23は、前記ノズル13内及び/又は前記ノズル面15上の湿度が前記設定湿度と合致するように、前記筐体21の上面を介して、前記ノズル13及び前記ノズル面15上に、前記調湿用流体を提供する。
【0052】
一実施形態において、前記流体供給部23は、流入ライン25と、調湿部27と、供給ライン29とを含む。前記調湿用流体は、前記流入ライン25を介して、外部のソース(図示せず)から前記筐体21内に供給される。前記調湿部27は、前記流入ライン25を介して供給される前記調湿用流体が、前記設定湿度を有するようにする。前記調湿部27により前記設定湿度を有する調湿用流体は、前記供給ライン29を介して、前記ノズル13及び前記ノズル面15上に提供される。前記流入ライン25は、前記筐体21の外に配置され、前記供給ライン29は、前記筐体21内に位置する。前記流入ライン25と前記供給ライン29は、前記筐体21の側部又は前記筐体21の底部において、互いに連結される。
【0053】
一実施形態において、前記調湿部27は、前記流入ライン25を介して供給される前記調湿用流体が前記設定湿度を有するように、前記調湿用流体を加熱するヒータを含む。また、前記調湿部27は、前記調湿用流体が所定の工程条件の温度を有するように、前記調湿用流体を加熱する。すなわち、前記調湿部27は、前記調湿用流体の温度及び湿度が、前記設定温度及び前記設定湿度と合致するように、前記調湿用流体の温度及び湿度を調節する。前記インクジェットヘッド11のためのメンテナンス組立体200は、前記調湿部27を用いて、前記調湿用流体の温度及び湿度を調節することができるので、前記ノズル13及び前記ノズル面15に対して、温度及び湿度を含むメンテナンスを効率よく行うことができる。
【0054】
図1乃至図3を再度参照すると、前記ノズル13内及び/又は前記ノズル面15上の湿度を感知し、測定することができる。この場合、前記湿度感知部31は、前記インクジェットヘッド11のノズル13及びノズル面15に隣接して配置される。
【0055】
一実施形態において、前記調湿部27は、前記湿度感知部31が前記ノズル13の湿度及び/又は前記ノズル面15の湿度を測定した結果に基づいて、前記調湿用流体の量、温度、及び/又は湿度を調節することができる。例えば、前記調湿部27は、前記湿度感知部31による測定結果に基づいて、前記調湿用流体の温度を変えることができる。前記湿度感知部31により測定された前記ノズル13の湿度及び/又は前記ノズル面15の湿度が、前記設定湿度よりも低く又は高い場合、前記調湿部27は、前記ノズル13の湿度及び/又は前記ノズル面15の湿度が、前記設定湿度と実質的に同一となるように、前記ノズル13及び前記ノズル面15の周囲に提供される前記調湿用流体の温度、湿度、及び/又は量を変える。
【0056】
一実施形態において、前記湿度感知部31が、前記インクジェットヘッド11のノズル13及びノズル面15の湿度を継続的に感知し測定し、前記湿度感知部31により測定された結果に基づいて、前記調湿部27が前記ノズル13及び前記ノズル面15の周囲に提供される前記湿度調節流体の温度、湿度、及び/又は量を調節する。これにより、前記インクジェットヘッド11のためのメンテナンス組立体200は、前記ノズル13及び/又は前記ノズル面15に対して、前記設定湿度を実質的に一定に維持することができる。
【0057】
前記流体分配部33は、前記インクジェットヘッド11のノズル13及びノズル面15の周囲に、前記調湿用流体を実質的に均一に分布させる。このために、前記流体供給部23は、前記調湿用流体が通過する前記供給ライン29よりも上に配置される。前記供給ライン29が前記筐体21内に位置する場合、前記流体供給部23は、前記筐体21内において、前記供給ライン29の上に配置される。一実施形態において、前記流体分配部33は、前記供給ライン29から提供される前記調湿用流体が、前記ノズル13及び前記ノズル面15の周囲に実質的に均一に分布されるように、実質的に一定の間隔で孔(pore)が配列されるメッシュ構造を有する。この場合、前記流体分配部33の孔はそれぞれ、前記ノズル13及び/又は前記ノズル面15から滴下する薬液滴が通過できないサイズを有する。前記流体分配部33を用いて、前記インクジェットヘッド11のノズル13及びノズル面15の周囲に、前記調湿用流体を実質的に均一に分布させることができるので、前記メンテナンス組立体200が、前記ノズル13及びノズル面15を有するインクジェットヘッド11を、より効率よくメンテナンスすることができる。
【0058】
前記メンテナンス組立体200を用いて、前記インクジェットヘッド11に対するメンテナンスを行う間、前記筐体21の上面と前記ノズル面15及び/又は前記ノズル13が接触する場合は、前記ノズル13及び前記ノズル面15の周囲に前記調湿用流体が提供されない。また、前記筐体21の上面が前記ノズル面15及び/又は前記ノズル13に非常に近い場合は、前記全体的なノズル13及び前記ノズル面15に対して、前記調湿用流体が均一に分布されないことがある。このような問題点を考えて、前記メンテナンス組立体200は、前記筐体21の上面と前記ノズル13及び/又は前記ノズル面15の間に実質的に一定の距離を維持するガイド部35を含む。前記ガイド部35は、前記筐体21の上面が、前記ノズル13及び前記ノズル面15から実質的に一定の距離離隔するように、前記筐体21の上面を取り囲むフェンス構造を有する。ここで、前記ガイド部35は、前記調湿用流体が、前記筐体21の上面及び前記ノズル面15から漏れないように、前記筐体21の上面を、前記インクジェットヘッド11のノズル面15に十分近く維持する。このようなガイド部35を用いることで、前記メンテナンス組立体200は、前記ノズル13及びノズル面15を有するインクジェットヘッド11を、より効果的にメンテナンスすることができる。
【0059】
前記ガイド部35は、前記筐体21の上面が、前記インクジェットヘッド11のノズル面15に十分近いように維持するため、前記調湿用流体が持続的に前記ノズル13及び前記ノズル面15の周囲に提供される場合は、前記流体供給部23の圧力が増加し続ける。前記インクジェットヘッド11のノズル13及び/又はノズル面15が、前記増加した圧力で損傷することになる。特に、前記インクジェットヘッド11のノズル13及びノズル面15上に、所定の圧力を有する前記調湿用流体が供給される場合は、前記ノズル13及び前記ノズル面15が相当な損傷を負うことになる。前記増加した圧力及び/又は前記調湿用流体による前記ノズル13の損傷及び/又は前記ノズル面15の損傷を防止するために、前記調圧部37は、前記調湿用流体の圧力を調節し、前記流体排出部39は、前記ノズル13及び前記ノズル面15から前記調湿用流体を外部に排出させる。例えば、前記流体排出部39は、真空吸引方式で前記調湿用流体を外部に排出させる。前記調圧部37は、前記調湿用流体が持続的に前記ノズル13及び前記ノズル面15上に提供される間に、前記調湿用流体の圧力を実質的に一定に維持することができる。一実施形態において、前記流体排出部39は、前記インクジェットヘッド11のノズル面15に印加される増加した圧力が減少されるように、前記調湿用流体を部分的に外部に排出することができる。前記インクジェットヘッド11のためのメンテナンス組立体200は、前記ガイド部35を用いて、前記筐体21の上面と前記ノズル面15の間に十分近い距離を維持することができ、前記調圧部37及び前記流体排出部39を用いて、前記ノズル13の損傷及び/又は前記ノズル面15の損傷を防止しつつ、前記ノズル13及び前記ノズル面15上に、前記調湿用流体を継続的に提供することができる。これにより、前記メンテナンス組立体200により行われる前記インクジェットヘッド11のメンテナンスの効率を、更に向上することができる。
【0060】
一実施形態において、前記調湿用流体は、ガスを含む。例えば、前記調湿用流体は、酸素ガス、窒素ガス、清浄乾燥空気、又はこれらの組み合わせを含む。
【0061】
図1乃至図3を再度参照すると、前記メンテナンス組立体200の酸素感知部41は、前記インクジェットヘッド11のノズル13内及び/又はノズル面15上の前記調湿用流体内の酸素の量を感知し、測定する。前記酸素感知部41により測定された結果に基づいて、前記ノズル13及び前記ノズル面15上に提供される前記調湿用流体の量が調節される。前記酸素感知部41は、前記調湿用流体が、前記ノズル13及び前記ノズル面15上に提供される間に、前記測定された酸素の量が所定の設定範囲をずれる場合、前記流体供給部23を用いた前記調湿用流体の量の調節を通じて、前記ノズル13内及び/又は前記ノズル面15上の酸素の量を前記設定範囲内に維持することができる。
【0062】
他の実施形態において、前記窒素ガスを含む前記調湿用流体が、前記ノズル13及び前記ノズル面15上に供給される場合、前記酸素感知部41は、前記調湿用流体内の窒素の量を感知し測定する窒素感知部に入れ替えることができる。しかし、前記前記ノズル13及び/又は前記ノズル面15の周囲に温度及び湿度を含む周辺環境が適切に生成されると、前記調湿用流体は、様々なガスを含むことができる。
【0063】
前記酸素感知部41を用いて、前記ノズル13及び前記ノズル面15上に提供される前記調湿用流体内の前記酸素の量を測定し、このような測定結果に基づいて、前記ノズル13内及び/又は前記ノズル面15上の前記酸素の量を設定範囲内に維持することができるので、前記調湿用流体をより精度高く調節することができる。これにより、前記メンテナンス組立体200により行われる前記インクジェットヘッド11のメンテナンスの効率を更に向上することができる。その結果、前記インクジェットヘッド11のためのメンテナンス組立体200は、湿度を含む周辺環境に敏感で、劣化しやすい薬液、例えば、前記ディスプレイ装置の製造のために用いられる赤色インク、緑色インク、青色インク、又はフォトレジストを含む薬液が用いられる工程条件をより正しく満たすことができる。
【0064】
前記メンテナンス組立体200を用いて、前記インクジェットヘッド11のメンテナンスを行う間、前記インクジェットヘッド11のノズル13及び/又はノズル面15上に残留する薬液滴が頻繁に前記メンテナンス組立体200上に滴下する。前記薬液滴が供給ライン29内に流入する場合は、前記流体供給部23により、前記調湿用流体が適切に前記ノズル13及び前記ノズル面15上に提供されないだけでなく、前記流体供給部23の故障を引き起こす。このような問題点を考えて、前記薬液収集部50は、前記ノズル13内に及び/又は前記ノズル面15上に残留する薬液や、前記インクジェットヘッド11から滴下する薬液滴を収集する。例えば、前記薬液収集部50は、真空吸引方式で前記残留する薬液や前記滴下する薬液滴を収集する。一実施形態において、前記薬液収集部50は、前記残留する薬液や前記滴下する薬液滴が前記調湿用流体により、前記ノズル13及び/又は前記ノズル面15から飛散する場合にも、前記真空吸引方式で前記残留する薬液や前記滴下する薬液滴を容易に収集することができる。
【0065】
前記薬液収集部50は、薬液収容部51と、連結ライン53と、薬液排出部55とを含む。 前記薬液収容部51は、前記ノズル13及び/又は前記ノズル面15から前記残留する薬液や前記滴下する薬液滴を収集する。前記連結ライン53は、前記薬液収容部51及び前記薬液排出部55に連結される。前記薬液排出部55は、前記薬液収容部51から前記薬液を一時的に貯留し、貯留した薬液を外部に排出させる。
【0066】
前記薬液収容部51及び前記連結ライン53は、前記筐体21内に配置され、前記薬液排出部55は、前記筐体21の外に位置する。前記薬液収容部51は、前記ノズル面15のサイズに実質的に対応するサイズを有する。選択的に、前記薬液収容部51は、前記パック単位で提供される複数のインクジェットヘッド11のそれぞれに実質的に対応するサイズを有することもできる。前記基板処理装置300が、前記パック単位で提供される複数のインクジェットヘッド11を含む場合、前記薬液収集部50は、複数の薬液収容部51と、前記複数の薬液収容部51からそれぞれ分岐される複数の分枝連結ラインと、前記分枝連結ラインが連結される1つの連結ラインとを含む。
【0067】
一実施形態において、前記薬液収集部50は、前記ノズル13及び前記ノズル面15から残留する薬液や前記滴下する薬液滴を収集する真空ポンプを含む。この場合、前記真空ポンプは、前記薬液収容部51に隣接するか、前記薬液排出部55に隣接する。前記薬液収容部51の流入口が前記供給ライン29よりも下に配置される場合、前記ノズル13及び前記ノズル面15から滴下する前記薬液滴が、前記薬液収容部51内に直接流入することがある。このような問題点を考えて、前記薬液収容部51の流入口は、前記供給ライン29よりも上に位置する。また、前記薬液収容部51の入口は、前記流体分配部33よりも上に配置される。これにより、前記流体分配部33により前記薬液収容部51内に収集されない前記薬液又は前記薬液滴が、前記供給ライン29内に直接流入することを防止することができる。
【0068】
他の実施形態によると、前記インクジェットヘッド11のためのメンテナンス組立体200は、前記インクジェットヘッド11から前記基板上に前記薬液を吐出する工程が行われない場合、前記ノズル13及び/又は前記ノズル面15が前記設定湿度を有するように、前記メンテナンスを行う。特に、前記インクジェットヘッド11のノズル13内及び/又は前記ノズル面15上の湿度が測定され、測定された結果に基づいて、前記ノズル13内及び/又は前記ノズル面15上の湿度が、前記設定湿度と異なる場合、前記ノズル13内及び/又は前記ノズル面15上の湿度を、前記設定湿度に調節する。この場合、前記メンテナンス組立体200は、前記インクジェットヘッド11に容易に着脱可能であるので、前記インクジェットヘッド11のためのメンテナンスが容易に行える。また、前記ノズル13の温度と湿度、及び/又は前記ノズル面15の温度と湿度が、前記ノズル13及び前記ノズル面15上に前記調湿用流体を提供して、有利に調節される。更に、前記ノズル13及び前記ノズル面15から前記残留する薬液や前記滴下する薬液滴を収集することができるので、前記インクジェットヘッド11のためのメンテナンスがより効率よく行われる。
【0069】
一実施形態に係るメンテナンス組立体200を含む基板処理装置300において、前記インクジェットヘッド11のノズル13及びノズル面15に対する温度及び湿度を含む周辺環境が効果的に管理され、これにより、前記インクジェットヘッド11を用いて、前記基板上に前記薬液を吐出する工程の不良を防止することができる。このようなメンテナンス組立体200を用いたメンテナンス方法及び基板処理装置300は、有機発光ダイオード装置又は量子ドット発光ダイオード装置のようなディスプレイ装置の製造に有利に適用可能である。
【0070】
以上では、本発明の実施形態を説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であると、特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を様々に修正及び変更できることを理解するだろう。
図1
図2
図3