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特開2023-168278高電圧不可逆エレクトロポレーション(IRE)コネクタ
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  • 特開-高電圧不可逆エレクトロポレーション(IRE)コネクタ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168278
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】高電圧不可逆エレクトロポレーション(IRE)コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 24/86 20110101AFI20231116BHJP
   A61B 18/14 20060101ALN20231116BHJP
【FI】
H01R24/86
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023077724
(22)【出願日】2023-05-10
(31)【優先権主張番号】17/741,537
(32)【優先日】2022-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シャローナ・ベン・ショシャン
(72)【発明者】
【氏名】ヤロン・ワイズマン
【テーマコード(参考)】
4C160
5E223
【Fターム(参考)】
4C160KK01
5E223AA14
5E223AB51
5E223AB63
5E223AB64
5E223AC50
5E223BA01
5E223BA06
5E223BA08
5E223BB01
5E223CD02
5E223EA01
5E223EC07
(57)【要約】
【課題】電気コネクタアセンブリを提供すること。
【解決手段】不可逆エレクトロポレーション(IRE)用の高電圧を伝えるための電気コネクタは、コネクタ本体上の2つ以上の異なる高さで電気接点を支持する主コネクタを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気コネクタアセンブリであって、
第1のコネクタであって、前記第1のコネクタの近位端と遠位端との間に延びる長手方向軸と、前記長手方向軸に実質的に垂直に延びる横軸とを有し、
ベースと、
前記ベースから長手方向に延び、周囲に対して横方向に延びる第1のプラットフォームと、
前記第1のプラットフォームから長手方向に延び、周囲に対して横方向に延びる第2のプラットフォームであって、前記第2のプラットフォームの前記周囲が、前記第1のプラットフォームの前記周囲内にある、第2のプラットフォームと、
前記第1のプラットフォームの前記周囲に沿って分布する複数の第1の電気接点と、
前記第2のプラットフォームの前記周囲に沿って分布する複数の第2の電気接点と、
を備える、第1のコネクタ、
を備える、電気コネクタアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のコネクタが、前記第2のプラットフォームから長手方向に延び、周囲に対して横方向に延びる第3のプラットフォームを更に備え、前記第3のプラットフォームの前記周囲が、前記第2のプラットフォームの前記周囲内にあり、前記第3のプラットフォームが、複数の第3の電気接点を支持する、請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項3】
前記第1のプラットフォームの前記周囲に沿って分布する前記複数の第1の電気接点が、第1の所定の距離で互いに離間しており、
前記第2のプラットフォームの前記周囲に沿って分布する前記複数の第2の電気接点が、第2の所定の距離で互いに離間しており、
前記第3の電気接点が、第3のプラットフォームの表面から延び、かつフラットプリント回路と電気的に通信するためのピンを含む、
請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項4】
前記ベースが、実質的に円筒形であり、前記横軸に沿った断面において円形であり、
前記第1のプラットフォーム及び前記第2のプラットフォームが、前記横軸に沿った断面において円形であり、同心であり、
1)前記複数の第1の電気接点が、外側リングに配置され、
2)前記複数の第2の電気接点が、前記外側リングに対して内側リングに配置されている、
請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の電気接点及び前記第2の電気接点が、はんだカップを含む、請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項6】
前記ベース内に複数のピンを更に備え、前記複数のピンのうちの各ピンが、前記第1の電気接点又は前記第2の電気接点のうちの対応する1つと電気通信する、請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の電気接点に対応する前記ピンが、第1のリングとして前記ベース上に配置され、前記第2の電気接点に対応する前記ピンが、前記第1のリングの内側の第2のリングになって前記ベース上に配置されている、請求項6に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項8】
前記第2のリング内で前記ベースによって支持された複数のピンであって、前記ピンの各々が、対応する第3の電気接点と電気通信する、複数のピンと、
前記第1のコネクタと電気的に結合するために、前記第1の電気接点、前記第2の電気接点、及び前記第3の電気接点の各々の前記ピンに対応し、前記ピンを受け入れるための開口部を含む第2のコネクタと、
を更に備える、請求項6に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項9】
前記第1の電気接点及び前記第2の電気接点が、少なくとも約4KVの高電圧を伝えるためのものである、請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【請求項10】
前記第3の電気接点が、約1KV以下の低電圧を伝えるためのものである、請求項1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、医療用途のための電気コネクタに関し、具体的には、不可逆エレクトロポレーション(Irreversible Electroporation、IRE)処置において使用されるカテーテルのための高電圧電気コネクタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
不可逆エレクトロポレーション(IRE)カテーテルは、所望の場を生成するための電極のアレイを含む。典型的には、各電極は、個々に制御することができるように、チャネルと関連付けられている。IREカテーテルの電極は、典型的にはコンソール内の発電器又はIRE発生器から高電圧を受け取るように構成されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
開示される主題は、不可逆エレクトロポレーション(IRE)用途で使用される高電圧及び高電圧信号を伝えるのに必要な多数のチャネルを支持するように配置された電気接点及びチャネルを有する、第1のコネクタ及び第2のコネクタから形成されたコネクタアセンブリを提供する。第1のキャリア又は主キャリアは、高電圧電気接点を担持するための少なくとも2つのレベルを含む、レベルの各々において電気接点を担持するための水平構造を提供する。この構成により、主コネクタの直径をその現在のサイズに保ちながら、したがってコネクタアセンブリの直径を増加させずに、高電圧電気接点を担持するために主コネクタ上で利用可能な面積が最大化される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
以下の本開示の実施例の詳細な説明を添付の図面と一緒に読むことで、本開示のより完全な理解が得られるであろう。図面では、2つ以上の図に現れる同一又は類似の構造、要素、又は部品は、概して、それらが現れる全ての図面において同じ数字及び/又は文字でラベル付けされ、図面内の所与の特徴を表すアイコンをラベル付けする数字及び/又は文字は、所与の特徴を参照するために使用することができる。図面に示される構成要素及び特徴の寸法は、提示の便宜及び明確さのために選択されており、必ずしも縮尺通りに示されていない。図面は以下のとおりである。
図1】本開示の一実施例による接合されたコネクタから形成されたコネクタアセンブリの斜視図である。
図2】コネクタが分離された図1のコネクタアセンブリの斜視図である。
図3A図1及び図2のコネクタアセンブリの主コネクタの正面斜視図である。
図3B】フラットプリント回路が詳細に取り付けられた主コネクタ及び電気接点の正面斜視図である。
図4図1及び図2のコネクタアセンブリの主コネクタの背面図である。
図5図1及び図2のコネクタアセンブリの嵌合コネクタの正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
概説
不可逆エレクトロポレーション(IRE)カテーテルは、IRE発生器に関連付けられた嵌合コネクタと接続するためのコネクタに収まる必要がある複数の高電圧チャネルを有する。チャネルは、手動プロセスでコネクタにはんだ付けされ、チャネルは、接点、すなわち電気接点で終端する。はんだ付け後、残留はんだ付けフラックスは、洗浄プロセスで除去される。コネクタの設置面積が比較的小さいため、少量のはんだ付けフラックスであっても、チャネル(ライン)の接点間に短絡を引き起こす場合がある。電気接点及び対応するチャネルの数が増加するにつれて、接点及び対応するチャネルの各々の間の距離又はピッチ、例えば、各1KVに対して約1mmの距離が、安全性のために維持される必要がある。
【0006】
2KVに適したコネクタアセンブリは、チャネルの各々の間の各1KVに対して約1mmの距離の間隔で離れて広がる複数のチャネル(ライン)とともに所望される場合、ハンドヘルドカテーテル、特にIREカテーテルとともに使用するのに便利でない又は実用的でない非常に大きなコネクタアセンブリとなる。更に、非常に多くのラインを小さな設置面積にはんだ付けすることは、困難であり、不便であり、したがって製造コストもかかる。
【0007】
本開示は、約2~4KVのIREの高電圧を伝えるための、現在の数及び増え続ける数の電気接点(例えば、電極を含む)及び対応するチャネルを取り扱うことができるコネクタを提供する。
【0008】
本開示は、2つ以上の異なる高さで電気接点を支持するコネクタ構造を提供する。この構造は、コネクタの直径を増加させることなく、電気接点及び対応するチャネルのための面積を最大化する一方で、電気接点及び対応するチャネルの各々の間の必要な距離を維持して、チャネル間の電気的短絡及び電圧クリーページを回避する。結果として得られるコネクタは、開示されるコネクタを通してIRE発生器からカテーテルに伝送される高電圧IREパルスの安全な動作を可能にする。
【0009】
システムの説明
最初に図1及び図2を参照すると、これらの図は、第2のコネクタ又は嵌合コネクタ22に電気的に結合され、かつ機械的に結合された、第1のコネクタ又は主コネクタ20から形成された、コネクタアセンブリ10を示す。主コネクタ20は、IREカテーテルと通信し、一方、嵌合コネクタ22は、IRE発生器と通信する。主コネクタ20は、嵌合コネクタ22と電気的に結合されると、電気接点及び対応するチャネルを互いに安全な(所定の)距離に維持しながら、IREに必要な2~4KVの高電圧、並びに約1キロボルト(KV)以下の低電圧を伝えることができる。電気接点及び対応するチャネルを互いに安全な距離又はピッチで離して維持することによって、物理的接触及び/又はクリーページ(互いに短距離であるが物理的に接触していない2つの接点又はチャネル間の電圧のブレークスルー)による潜在的な短絡が回避される。これにより、電圧及び信号がIRE発生器からカテーテルに、最終的には患者に安全に伝送されることが可能になり、患者を害する可能性があるIREシステムの誤動作が回避される。
【0010】
主コネクタ20は、可撓性アーム28を受け入れる孔26を含み、可撓性アーム28は、肩部29を有し、肩部29は、コネクタ20、22の結合又は接続及び互いからの分離又は切断が所望されるとき、孔26の内外に移動可能である。図3A及び図3Bも参照すると、主コネクタ20は、ベース44から延びるヘッド42によって形成された本体40を含む。ヘッド42は、長手方向寸法において(長手方向軸LAに沿って)ベース44から外向きに延びる。本明細書で使用されるとき、「長手方向」という用語は、主コネクタ20の本体40の近位端46と遠位端48との間を通る方向を指す。ヘッド42及びベース44は、例えば、互いに同心及び同軸(長手方向軸LAを中心として)である。横軸TAは、長手方向軸LAに対して垂直に向けられ、本体40に対する横断方向を表す。
【0011】
本体40は、典型的には、ポリマーなどの絶縁材料で形成されている。絶縁は、例えば、最大約6KVの、電気接点及び/又はチャネル(及びワイヤなどのその構成要素)の各々の間のクリーページを防止する。
【0012】
本体40は、例えば、ヘッド42において、本体40の遠位端48に向かって遠位に入れ子式に延びる、複数の同心及び同軸プラットフォーム50(例えば、第1)、52(例えば、第2)、54(例えば、第3)を含む。例えば、3つのプラットフォーム50、52、54が示されているが、他の数の複数のプラットフォームも可能である。プラットフォーム50、52、54は、遠位に移動するにつれて狭くなっている。各プラットフォーム50、52、54は、例えば、形状が円筒形であり、円形又は丸みを帯びた断面を有し、周囲50a、52a、54aに対して横方向に延びる。円筒形部分50b、52b、54bは、周面50c、52c、54cで終端し、各面は、例えば、長手方向軸LAに実質的に平行に延びる。各連続するプラットフォーム50、52、54は、ヘッド42に沿って遠位に移動するにつれて、例えば、前のプラットフォームよりも(例えば、横断方向の直径が)狭く、前のプラットフォーム(例えば、長手方向にそのプラットフォームの近位にある前のプラットフォーム)の周囲内に収まる。
【0013】
最も幅の広い2つのプラットフォーム50、52では、電気接点60、62は、例えば、切欠き50x、52x(例えば、丸みを帯びた形状の)内にあり、周面50c、52c内に延び、例えば、接点60、62のリング(例えば、円形の形状)として配置され、それにより、外側リングを形成する第1のプラットフォーム50の電気接点60が、内側リングを形成する第2のプラットフォーム52の電気接点62とは異なる高さ、例えば、より低い高さにある。電気接点60、62のリングは、例えば、長手方向軸LAを中心として同心かつ同軸である。
【0014】
電気接点60、62は、例えば、物理的接触及び/又はクリープを排除するために所定の距離で互いに離間した又はピッチにされた、例えば、ニッケル上に金の、はんだカップを含む。空間距離又はピッチは、例えば、少なくとも4mmであり、接点60、62及び対応するチャネルが最大約4KVの負荷の高電圧を伝えることを可能にする。例えば、両方のプラットフォーム50、52は、はんだカップの形態の12個の高電圧電気接点60、62を支持する。はんだカップは、ワイヤ(図示せず)に接合されており、ワイヤは、IREカテーテルの電気接点に接続する。第1のプラットフォーム50の電気接点60及び第2のプラットフォーム52の電気接点62の各々の間の間隔距離は、例えば、少なくとも4mmの最小間隔距離が維持されるならば、同じであってもよく、又は異なっていてもよい。
【0015】
最も狭く、かつ最も遠位のプラットフォーム54は、例えば、ピンの形態の、電気接点64を支持する。ピンは、プラットフォーム表面54dから突出し、例えば、1KV以下の低電圧(低電圧信号)を伝えるように設計されている。したがって、(電気接点64を形成する)ピン間の空間距離又はピッチは、少なくとも1mmである。(電気接点64を形成する)ピンは、例えば、ニッケル上に金で作製されている。例えば、16個のピンがある。
【0016】
また、例えば、電気接点64は、フラットプリント回路(flat printed circuit、FPC)66と通信する。FPC66は、可撓性(非剛性)材料であり、プリント回路基板と通信し、例えばプリント回路基板に接続する。FPC66は、例えば、Molex(登録商標)(16ポジション)P/N 5051101692 FPCであってもよい。キャップ68は、典型的には、図3Bに示されるように、最遠位プラットフォーム54上の電気接点64を覆う。
【0017】
図4に示すように、主コネクタ20の本体40の近位端46において、ベース44には、本体40のヘッド42におけるそれぞれの電気接点60、62、64に対応する電気接点70、72、74がある。電気接点70、72、74は、例えば、導電性金属を含む導電性材料のピンであり、円筒セグメント79の内側でベース面78から外向きに延びる。
【0018】
電気接点70、72は、高電圧電気接点であり、チャネル(図示せず)を介して、それぞれの第1のプラットフォーム50及び第2のプラットフォーム52の電気接点60、62と通信する。チャネル(図示せず)は、例えば、導電性ワイヤ(図示せず)から形成されており、それぞれの電気接点60、62、70、72の間で本体40を通って整列して延びる。例えば、各チャネル間の分離距離又はピッチは、高電圧、例えば高電圧信号に対応するために、少なくとも約4mmである。
【0019】
第1の(第1又はより低い高さの外側リング)プラットフォーム50の電気接点60に対応するベース44における電気接点70は、例えば、外側リング80(例えば、円形の形状の)として配置されている。同様に、例えば、第2の(より高い高さの第2の内側リング)プラットフォーム52の電気接点62に対応するベース44における電気接点72は、外側リング80内に内側リング82(例えば、円形の形状の)として配置されている。例えば、内側リング80及び外側リング82は、形状が円形であるが、電気接点70、72の各々の間の分離距離又はピッチが高電圧、例えば、高電圧信号に対応するために少なくとも約4mmであるならば、他の形状であってもよい。
【0020】
加えて、外側リング80及び内側リング82の両方は、それぞれ、より低い高さのプラットフォーム50(例えば、プラットフォーム50の周面50cに沿って外側リングとして配置された電気接点60)及びより高い高さのプラットフォーム52(例えば、プラットフォーム52の周面52cに沿って内側リングとして配置された電気接点62)における電気接点に対応する12個の電気接点を各々が含む。それぞれのチャネルは、プラットフォーム50のそれぞれの外側リング及び外側リング80、並びにプラットフォーム52の内側リング及び内側リング82上の電気接点60、62、70、72の位置に従って整列している。
【0021】
ベース面78において、内側リング82内には、電気接点74、例えば、ピンが、最遠位プラットフォーム54上に配置されているような電気接点64のピン配置と同一又は類似のパターンで配置されている領域79がある。ワイヤで形成されたチャネルは、整列して対になった電気接点64と74との間で本体40を通って延びる。これらの電気接点64、74及び対応するチャネルは、例えば、約1KV以下の低電圧を処理し、したがって、接触及び/又はクリーページを回避するのに十分な距離、例えば、少なくとも1mmで互いに離間している又はピッチにされている。加えて、低電圧電気接点74は、円形壁86によって高電圧電気接点70、72から分離されている。円形壁86内には領域88があり、そこでは、電気接点74が、壁86のすぐ内側の、例えば、主ベース面78であるベース面78xから外向きに延びる。円形壁86は、例えば、高電圧電気接点72の内側リング82の内側にある。
【0022】
例えば、コネクタ本体40を有する例示的なコネクタ20は、合計40個のチャネル、すなわち、対になった電気接点60と70、62と72の間の24個の高電圧チャネルと、対になった電気接点64と74の間の16個の低電圧チャネルとを支持する。
【0023】
図5は、嵌合又は第2のコネクタ22を示す。嵌合コネクタ22は、主コネクタ20の電気接点70、72、74を受け入れて係合するように、ベース44及びベース面78、78xに対して対応して構成されており、主コネクタ20と嵌合コネクタ22との間の電気的結合をもたらし、結合されたコネクタは、コネクタアセンブリ10(図1及び図2)を形成する。
【0024】
嵌合コネクタ22は、ベース44(図4)の円筒セグメント79内に受け入れられる本体セグメント100を含む。本体セグメント100は、主コネクタ20の高電圧電気接点70、72、例えば、ピンを受け入れるためのスロット110(外側リング)、112(内側リング)と、主コネクタ20の低電圧電気接点74を受け入れるための第2のスロット114とを含む、内面102を収容する。スロット110、112、114は、主コネクタ20のベース面78、78x上の電気接点70、72、74の位置に対応する位置で内面100上に配置されている。加えて、主コネクタ20の壁86に対応する形状及び深さで内面102内に延びる溝116は、主コネクタ20の壁86を受け入れて、主コネクタ20と嵌合コネクタ22との間の電気的結合中の物理的係合を強化する働きをする。結合されると、例えば、コネクタ20、22は、図1及び図2に示されるように、同軸である整列で、それらのそれぞれの長手方向軸LA、LA’に沿って整列する。
【0025】
主コネクタ20は、円形の断面形状を有する円筒形であるプラットフォーム50、52、54を有するものとして示されているが、円筒はまた、楕円形などの丸みを帯びた形状、並びに長方形、正方形、及び三角形、並びにそれらの組合せを含む他の断面形状であってもよい。同様に、主コネクタ20の近位46は、他の形状であってもよく、また、例えば、楕円形などの丸みを帯びた形状、並びに長方形、正方形、及び三角形、並びにそれらの組み合わせを含む他の断面形状であってもよい。嵌合コネクタ22は、主コネクタ20の近位端46の形状に対応する同一又は類似の形状であり、主コネクタ20の近位端46において、主コネクタ20と電気的に結合するとともに、主コネクタ20と物理的に結合するように、主コネクタ20の近位端46の形状に対応して寸法決めされている。
【0026】
本明細書で説明される実施例は、主に、IREシステム、コンソール、及びカテーテルのための電気コネクタに対処するが、本明細書で説明される方法及びシステムはまた、例えば、最大約4KVの高電圧を伝える電気コネクタ及びコネクタアセンブリ、並びに高電圧及び低電圧の両方、例えば、最大約4KVの高電圧及び最大約±10Vの低電圧を伝えるものなどの他の用途においても使用することができる。
【実施例0027】
(実施例1)
第1のコネクタ(20)であって、第1のコネクタの近位端(46)と遠位端(48)との間に延びる長手方向軸(LA)と、長手方向軸(LA)に実質的に垂直に延びる横軸(TA)とを有する、第1のコネクタ(20)を備える、電気コネクタアセンブリ(10)。第1のコネクタ(20)は、ベース(44)と、ベース(44)から長手方向に延び、周囲(50a)に対して横方向に延びる第1のプラットフォーム(50)と、第1のプラットフォーム(50)から長手方向に延び、周囲(52a)に対して横方向に延びる第2のプラットフォーム(52)であって、第2のプラットフォーム(52)の周囲(52a)が、第1のプラットフォーム(50)の周囲(50a)内にある、第2のプラットフォーム(52)と、第1のプラットフォーム(50)の周囲(50a)に沿って分布する複数の第1の電気接点(60)と、第2のプラットフォーム(52)の周囲(52a)に沿って分布する複数の第2の電気接点(62)と、を備える。
【0028】
(実施例2)
第1のコネクタ(20)が、第2のプラットフォーム(52)から長手方向に延び、周囲(54a)に対して横方向に延びる第3のプラットフォーム(54)であって、第3のプラットフォーム(54)の周囲(54a)が、第2のプラットフォーム(52)の周囲(52a)内にあり、第3のプラットフォーム(54)が、複数の第3の電気接点(64)を支持する、第3のプラットフォーム(54)を更に備える、実施例1に記載の電気コネクタアセンブリ(10)。
【0029】
(実施例3)
第1のプラットフォーム(50)の周囲(50a)に沿って分布する複数の第1の電気接点(60)が、第1の所定の距離で互いに離間しており、第2のプラットフォーム(52)の周囲(52a)に沿って分布する複数の第2の電気接点(62)が、第2の所定の距離で互いに離間している、実施例1又は実施例2に記載の電気コネクタ(10)。
【0030】
(実施例4)
第1の所定の距離及び第2の所定の距離が同じである、実施例1~実施例3のいずれか1つに記載の電気コネクタアセンブリ(10)。
【0031】
(実施例5)
第1の所定の距離及び第2の所定の距離が異なる、実施例1~実施例4のいずれか1つに記載の電気コネクタアセンブリ(10)。
【0032】
(実施例6)
第3の電気接点(64)が、第3のプラットフォーム(54)の表面(54d)から延び、かつフラットプリント回路(66)と電気的に通信するためのピンを含む、実施例1~実施例5のいずれか1つに記載の電気コネクタアセンブリ(10)。
【0033】
(実施例7)
第1のプラットフォーム(50)及び第2のプラットフォーム(52)が、横軸(TA)に沿った断面において円形であり、同心であり、1)複数の第1の電気接点(60)が、外側リングに配置され、2)複数の第2の電気接点(62)が、外側リングに対して内側リングに配置されている、実施例1~実施例6のいずれか1つに記載の電気コネクタアセンブリ(10)。
【0034】
(実施例8)
第1のプラットフォーム(50)、第2のプラットフォーム(52)、及び第3のプラットフォーム(54)が、横軸(TA)に沿った断面において円形であり、同心である、実施例1~実施例7のいずれか1つに記載の電気コネクタアセンブリ(10)。
【0035】
(実施例9)
第1の電気接点(60)及び第2の電気接点(62)が、はんだカップを含む、実施例1~実施例8のいずれか1つに記載の電気コネクタアセンブリ(10)。
【0036】
(実施例10)
ベース(44)内に複数のピン(70、72)を更に備え、複数のピン(70、72)のうちの各ピンが、第1の電気接点(60)又は第2の電気接点(62)のうちの対応する1つと電気通信する、実施例1~実施例9のいずれか1つに記載の電気コネクタアセンブリ(10)。
【0037】
(実施例11)
ベース(44)が、実質的に円筒形であり、横軸(TA)に沿った断面において円形である、実施例1~実施例10のいずれか1つに記載の電気コネクタアセンブリ(10)。
【0038】
(実施例12)
第1の電気接点(60)に対応するピン(70)が、第1のリング(80)としてベース(44)上に配置され、第2の電気接点(62)に対応するピン(72)が、第1のリング(80)の内側の第2のリング(82)にベース(44)上に配置されている、実施例1から実施例11のいずれか1つに記載の電気コネクタアセンブリ(10)。
【0039】
(実施例13)
第2のリング(82)内でベース(44)によって支持された複数のピン(74)を更に備え、ピン(74)の各々が、対応する第3の電気接点(64)と電気通信する、実施例1~実施例12のいずれか1つに記載の電気コネクタアセンブリ(10)。
【0040】
(実施例14)
第1の電気接点(60)及び第2の電気接点(62)が、少なくとも約4KVの高電圧を伝えるためのものである、実施例1~実施例13のいずれか1つに記載の電気コネクタアセンブリ(10)。
【0041】
(実施例15)
第3の電気接点(64)が、約1KV以下の低電圧を伝えるためのものである、実施例1~実施例14のいずれか1つに記載の電気コネクタアセンブリ(10)。
【0042】
(実施例16)
第1のコネクタ(20)と電気的に結合するために、第1の電気接点、第2の電気接点、及び第3の電気接点の各々1つのピン(70、72、74)に対応し、それらを受け入れるための開口部を含む第2のコネクタ(22)を更に備える、実施例1~実施例15のいずれかに記載の電気コネクタアセンブリ(10)。
【0043】
(実施例17)
電気コネクタ(20)を製造する方法であって、ベース(44)と、ベース(44)から長手方向に延び、周囲(50a)に対して横方向に延びる第1のプラットフォーム(50)と、第1のプラットフォーム(50)から長手方向に延び、周囲(52a)に対して横方向に延びる第2のプラットフォーム(52)であって、第2のプラットフォーム(52)の周囲(52a)が、第1のプラットフォーム(50)の周囲(50a)内にある、第2のプラットフォーム(52)と、を提供することを含む方法。この方法は、複数の第1の電気接点(60)が第1のプラットフォーム(50)の周囲(50a)に沿って分布し、複数の第2の電気接点(62)が第2のプラットフォーム(52)の周囲(52a)に沿って分布するようになっている。
【0044】
(実施例18)
提供することが、第2のプラットフォーム(52)から長手方向に延び、周囲(54a)に対して横方向に延びる第3のプラットフォーム(54)であって、第3のプラットフォーム(54)の周囲(54a)が、第2のプラットフォーム(52)の周囲(52a)内にある、第3のプラットフォーム(54)を提供することと、第3のプラットフォーム(54)の横方向に延びる表面(54d)に沿って複数の第3の電気接点(64)を分布させることと、を更に含む、実施例17に記載の方法。
【0045】
(実施例19)
複数の第1の電気接点(60)を第1のプラットフォーム(50)の周囲(50a)に沿って分布させることが、第1の電気接点(60)の各々を第1の所定の距離で互いに離間させることを含み、複数の第2の電気接点(62)を第2のプラットフォーム(52)の周囲(52a)に沿って分布させることが、第2の電気接点(62)の各々を第2の所定の距離で互いに離間させることを含む、実施例17又は18に記載の方法。
【0046】
(実施例20)
第1の所定の距離及び第2の所定の距離が同じである、実施例17~実施例19のいずれか1つに記載の方法。
【0047】
(実施例21)
第1の所定の距離及び第2の所定の距離が異なる、実施例17~実施例20のいずれか1つに記載の方法。
【0048】
(実施例22)
第1の電気接点(60)及び第2の電気接点(62)が、少なくとも約4KVの高電圧を伝えるためのものである、実施例17~実施例21のいずれか1つに記載の方法。
【0049】
(実施例23)
第3の電気接点(64)が、約1KV以下の低電圧を伝えるためのものである、実施例17~実施例23のいずれか1つに記載の方法。
【0050】
したがって、本開示の実施例は、上記で具体的に図示及び記載されたものに限定されないことが理解されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、本明細書の上に説明されている様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの双方、並びに前述の説明を一読すると当業者に想到されるであろう、先行技術において開示されていないそれらの変形例及び変更例を含むものである。参照により本特許出願に援用される文献は、これらの援用文献において、いずれかの用語が本明細書において明示的又は暗示的になされた定義と矛盾して定義されている場合には、本明細書における定義のみを考慮するものとする点を除き、本出願の一部とみなすものとする。
【0051】
〔実施の態様〕
(1) 電気コネクタアセンブリであって、
第1のコネクタであって、前記第1のコネクタの近位端と遠位端との間に延びる長手方向軸と、前記長手方向軸に実質的に垂直に延びる横軸とを有し、
ベースと、
前記ベースから長手方向に延び、周囲に対して横方向に延びる第1のプラットフォームと、
前記第1のプラットフォームから長手方向に延び、周囲に対して横方向に延びる第2のプラットフォームであって、前記第2のプラットフォームの前記周囲が、前記第1のプラットフォームの前記周囲内にある、第2のプラットフォームと、
前記第1のプラットフォームの前記周囲に沿って分布する複数の第1の電気接点と、
前記第2のプラットフォームの前記周囲に沿って分布する複数の第2の電気接点と、
を備える、第1のコネクタ、
を備える、電気コネクタアセンブリ。
(2) 前記第1のコネクタが、前記第2のプラットフォームから長手方向に延び、周囲に対して横方向に延びる第3のプラットフォームを更に備え、前記第3のプラットフォームの前記周囲が、前記第2のプラットフォームの前記周囲内にあり、前記第3のプラットフォームが、複数の第3の電気接点を支持する、実施態様1に記載の電気コネクタアセンブリ。
(3) 前記第1のプラットフォームの前記周囲に沿って分布する前記複数の第1の電気接点が、第1の所定の距離で互いに離間しており、
前記第2のプラットフォームの前記周囲に沿って分布する前記複数の第2の電気接点が、第2の所定の距離で互いに離間しており、
前記第3の電気接点が、第3のプラットフォームの表面から延び、かつフラットプリント回路と電気的に通信するためのピンを含む、
実施態様1に記載の電気コネクタアセンブリ。
(4) 前記ベースが、実質的に円筒形であり、前記横軸に沿った断面において円形であり、
前記第1のプラットフォーム及び前記第2のプラットフォームが、前記横軸に沿った断面において円形であり、同心であり、
1)前記複数の第1の電気接点が、外側リングに配置され、
2)前記複数の第2の電気接点が、前記外側リングに対して内側リングに配置されている、
実施態様1に記載の電気コネクタアセンブリ。
(5) 前記第1の電気接点及び前記第2の電気接点が、はんだカップを含む、実施態様1に記載の電気コネクタアセンブリ。
【0052】
(6) 前記ベース内に複数のピンを更に備え、前記複数のピンのうちの各ピンが、前記第1の電気接点又は前記第2の電気接点のうちの対応する1つと電気通信する、実施態様1に記載の電気コネクタアセンブリ。
(7) 前記第1の電気接点に対応する前記ピンが、第1のリングとして前記ベース上に配置され、前記第2の電気接点に対応する前記ピンが、前記第1のリングの内側の第2のリングになって前記ベース上に配置されている、実施態様6に記載の電気コネクタアセンブリ。
(8) 前記第2のリング内で前記ベースによって支持された複数のピンであって、前記ピンの各々が、対応する第3の電気接点と電気通信する、複数のピンと、
前記第1のコネクタと電気的に結合するために、前記第1の電気接点、前記第2の電気接点、及び前記第3の電気接点の各々の前記ピンに対応し、前記ピンを受け入れるための開口部を含む第2のコネクタと、
を更に備える、実施態様6に記載の電気コネクタアセンブリ。
(9) 前記第1の電気接点及び前記第2の電気接点が、少なくとも約4KVの高電圧を伝えるためのものである、実施態様1に記載の電気コネクタアセンブリ。
(10) 前記第3の電気接点が、約1KV以下の低電圧を伝えるためのものである、実施態様1に記載の電気コネクタアセンブリ。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
【外国語明細書】