(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168290
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】インダクタにより冷却される電力段を有する電圧レギュレータモジュール
(51)【国際特許分類】
H02M 3/155 20060101AFI20231116BHJP
H01L 25/00 20060101ALI20231116BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
H02M3/155 Y
H01L25/00 B
H01L25/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023078385
(22)【出願日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】17/742,442
(32)【優先日】2022-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516153409
【氏名又は名称】インフィニオン テクノロジーズ オーストリア アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Infineon Technologies Austria AG
【住所又は居所原語表記】Siemensstr. 2, A-9500 Villach, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】コク ヤウ チュア
(72)【発明者】
【氏名】ゲラルト ヨーゼフ デボイ
(72)【発明者】
【氏名】アンゲラ ケスラー
(72)【発明者】
【氏名】ケニス キン レオン
(72)【発明者】
【氏名】チー ヤン ウン
(72)【発明者】
【氏名】ルカ ペルーソ
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AS01
5H730AS05
5H730BB13
5H730DD04
5H730ZZ01
5H730ZZ07
5H730ZZ09
5H730ZZ12
5H730ZZ17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電圧を調整するための改善された電圧レギュレータモジュール、その製造方法及び電子アセンブリを提供する。
【解決手段】電圧レギュレータモジュール100は、電力入力端子102及び電圧レギュレータモジュールの同じ側の電力出力端子104と、第1の電力段108と、第1の金属クリップ120と、を含む。第1の電力段は、電力入力端子から入力電圧を受信し、第1の電力段のスイッチノード110において相電流を出力し、磁気コア114内に埋設される垂直導体113を有するインダクタ112を含む。垂直導体は、スイッチノードに電気的に接続されている第1の端116と、第1の端の反対側の第2の端118と、を有する。第1の金属クリップは、垂直導体の第2の端を電力出力端子に電気的に接続するので、電力は、電圧レギュレータモジュールの同じ側において、電圧レギュレータモジュールに/から供給される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧レギュレータモジュールであって、前記電圧レギュレータモジュールは、
電力入力端子と、
前記電圧レギュレータモジュールの、前記電力入力端子と同じ側の電力出力端子と、
第1の電力段と、
第1の金属クリップと、
を備え、
前記第1の電力段は、前記電力入力端子から入力電圧を受信し、前記第1の電力段のスイッチノードにおいて相電流を出力するように構成され、前記第1の電力段は、磁気コア内に埋設される垂直導体を有するインダクタを含み、前記垂直導体は、前記スイッチノードに電気的に接続されている第1の端と、前記第1の端の反対側の第2の端と、を有し、
前記第1の金属クリップは、前記垂直導体の前記第2の端を前記電力出力端子に電気的に接続するので、電力は、前記電圧レギュレータモジュールの前記同じ側において、前記電圧レギュレータモジュールに/から供給される、
電圧レギュレータモジュール。
【請求項2】
前記第1の電力段の電力スイッチは、基板に取り付けられるかまたは前記基板内に埋設され、前記スイッチノードに直列に電気的に接続され、前記基板の金属導体は、前記スイッチノードを前記インダクタの前記垂直導体の前記第1の端に電気的に接続する、
請求項1に記載の電圧レギュレータモジュール。
【請求項3】
前記第1の電力段の前記電力スイッチは、
前記電圧レギュレータモジュールの前記電力入力端子に電気的に接続されているドレイン端子および前記スイッチノードに電気的に接続されているソース端子を有する第1の電力MOSFETダイと、
前記スイッチノードに電気的に接続されているドレイン端子および前記電圧レギュレータモジュールのグラウンド端子に電気的に接続されているソース端子を有する第2の電力MOSFETダイと、
を含み、
前記金属導体は、前記第1の電力MOSFETダイの前記ソース端子および前記第2の電力MOSFETダイの前記ドレイン端子を前記インダクタの前記垂直導体の前記第1の端に電気的に接続する、
請求項2に記載の電圧レギュレータモジュール。
【請求項4】
前記第1の電力MOSFETダイおよび前記第2の電力MOSFETダイは、両方とも垂直デバイスであり、
前記第1の電力MOSFETダイの前記ドレイン端子および前記第2の電力MOSFETダイの前記ソース端子の両方は、前記インダクタから離れる方を向き、前記第1の電力MOSFETダイの前記ソース端子および前記第2の電力MOSFETダイの前記ドレイン端子は、前記インダクタの方を向く、
請求項3に記載の電圧レギュレータモジュール。
【請求項5】
前記電圧レギュレータモジュールは、前記第1の電力MOSFETダイの前記ドレイン端子に近接して前記基板に取り付けられるかまたは前記基板内に埋設される1つまたは複数の入力コンデンサをさらに備える、
請求項3に記載の電圧レギュレータモジュール。
【請求項6】
前記電圧レギュレータモジュールは、第2の電力段をさらに備え、前記第2の電力段は、前記電力入力端子から前記入力電圧を受信し、前記第2の電力段のスイッチノードにおいて相電流を出力するように構成され、
前記第2の電力段は、前記第1の電力段の前記インダクタの前記垂直導体と同じかまたは異なる磁気コア内に埋設される垂直導体を有する第2のインダクタを含み、
前記第2の電力段の前記第2のインダクタの前記垂直導体は、前記第2の電力段の前記スイッチノードに電気的に接続されている第1の端と、前記第1の端の反対側の第2の端と、を有し、
前記第1の金属クリップは、前記第2のインダクタの前記垂直導体の前記第2の端を前記電力出力端子に電気的に接続するので、前記第1の電力段によって出力される前記相電流および前記第2の電力段によって出力される前記相電流は、前記第1の金属クリップによって結合される、
請求項1に記載の電圧レギュレータモジュール。
【請求項7】
前記第1の金属クリップは、前記第1の電力段をカバーし、前記インダクタおよび前記第1の電力段の電力スイッチのための電磁シールドを形成する、
請求項1に記載の電圧レギュレータモジュール。
【請求項8】
前記電圧レギュレータモジュールは、前記電力入力端子に電気的に接続されている第2の金属クリップをさらに備え、
前記第2の金属クリップは、前記電力入力端子から離れて延在する、
請求項1に記載の電圧レギュレータモジュール。
【請求項9】
前記第2の金属クリップは、前記電力段をカバーし、前記インダクタおよび前記電力段の電力スイッチのための電磁シールドを形成する、
請求項8に記載の電圧レギュレータモジュール。
【請求項10】
前記電圧レギュレータモジュールは、前記電圧レギュレータモジュールのグラウンド端子に電気的に接続されている第2の金属クリップをさらに備え、
前記第2の金属クリップは、前記グラウンド端子から離れて延在する、
請求項1に記載の電圧レギュレータモジュール。
【請求項11】
前記第2の金属クリップは、前記電力段をカバーし、前記インダクタおよび前記電力段の電力スイッチのための電磁シールドを形成する、
請求項10に記載の電圧レギュレータモジュール。
【請求項12】
前記電圧レギュレータモジュールは、前記第1の電力段から離れる方を向く前記第1の金属クリップの側において前記第1の金属クリップに熱的に接触するヒートシンクをさらに備える、
請求項1に記載の電圧レギュレータモジュール。
【請求項13】
前記第1の金属クリップは、
前記インダクタの前記垂直導体の前記第2の端に接続され、前記スイッチノードから離れる方を向く前記磁気コアの第1の側をカバーする第1の部分と、
前記第1の部分を前記電力出力端子に電気的に接続し、前記磁気コアの第1の側面をカバーする第2の部分と、
を備え、
前記第1の金属クリップの前記第2の部分は、前記電力出力端子に接続されている、
請求項1に記載の電圧レギュレータモジュール。
【請求項14】
前記第1の金属クリップは、前記第1の部分の、前記第2の部分とは反対端から延在し、前記第1の側面の反対側の前記磁気コアの第2の側面をカバーする第3の部分を備える、
請求項13に記載の電圧レギュレータモジュール。
【請求項15】
前記第1の金属クリップは、U字型を有し、前記スイッチノードから離れる方を向く前記磁気コアの第1の側と、前記磁気コアの第1の側面と、前記第1の側面の反対側の前記磁気コアの第2の側面と、をカバーする、
請求項1に記載の電圧レギュレータモジュール。
【請求項16】
前記第1の金属クリップは、前記インダクタの前記垂直導体の前記第2の端に接続され、前記スイッチノードから離れる方を向く前記磁気コアの第1の側をカバーする平面部分を備え、
前記電圧レギュレータモジュールは、前記磁気コアの前記第1の側から離れる方を向く前記第1の金属クリップの前記平面部分の側に熱的に接触するヒートシンクをさらに備える、
請求項1に記載の電圧レギュレータモジュール。
【請求項17】
前記インダクタの前記垂直導体は、前記スイッチノードと前記第1の金属クリップとの間に延在する縦軸を有する円柱または立方体の形状を有する、
請求項1に記載の電圧レギュレータモジュール。
【請求項18】
前記スイッチノードは、前記インダクタと、前記第1の電力段の少なくとも1つの電力スイッチと、の間に配置され、
前記少なくとも1つの電力スイッチは、前記スイッチノードと、前記電圧レギュレータモジュールの、前記電力入力端子および前記電力出力端子が配置される側と、の間に配置される、
請求項1に記載の電圧レギュレータモジュール。
【請求項19】
前記第1の金属クリップは、前記インダクタの前記垂直導体の前記第2の端を受け入れるようなサイズおよび形状の開口を有する、
請求項1に記載の電圧レギュレータモジュール。
【請求項20】
前記インダクタの前記垂直導体の前記第2の端は、はんだまたは導電性接着剤によって前記第1の金属クリップ内の前記開口内に固定される、
請求項19に記載の電圧レギュレータモジュール。
【請求項21】
回路基板と、
前記回路基板に実装されるプロセッサ基板と、
前記プロセッサ基板に実装されるプロセッサと、
前記回路基板に実装され、前記プロセッサに電力を供給するように構成される電圧レギュレータモジュールと、
を備える電子アセンブリであって、
前記電圧レギュレータモジュールは、
前記回路基板の第1の側に取り付けられる電力入力端子と、
前記回路基板の、前記電力入力端子と同じ前記第1の側に取り付けられる電力出力端子と、
第1の電力段と、
第1の金属クリップと、
を備え、
前記第1の電力段は、前記電力入力端子から入力電圧を受信し、前記第1の電力段のスイッチノードにおいて相電流を出力するように構成され、前記第1の電力段は、磁気コア内に埋設される垂直導体を有するインダクタを含み、前記垂直導体は、前記スイッチノードに電気的に接続されている第1の端と、前記第1の端の反対側の第2の端と、を有し、
前記第1の金属クリップは、前記垂直導体の前記第2の端を前記電力出力端子に接続するので、電力は、前記回路基板の前記同じ第1の側において、前記電圧レギュレータモジュールに/から供給される、
電子アセンブリ。
【請求項22】
前記第1の電力段の電力スイッチは、別の基板内に埋設されるかまたは前記別の基板に実装され、
前記電圧レギュレータモジュールの前記電力入力端子および前記電力出力端子は、前記回路基板を向く前記別の基板の同じ側に配置される、
請求項21に記載の電子アセンブリ。
【請求項23】
前記電圧レギュレータモジュールおよび前記プロセッサ基板は、前記回路基板の反対側に実装され、前記電圧レギュレータモジュールおよび前記プロセッサ基板は、互いに少なくとも部分的に垂直に重なる、
請求項21に記載の電子アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧レギュレータモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
可変かつ減少する負荷の点電圧と組み合わせた現在のプロセッサの電力需要を増加させることは、負荷電流を非常に高いレベルに至らせ、1000A以上の電流ピークは、一般的になった。加えて、負荷の急増、特に、負荷電流の急増に対する動的要求は、対処するのが非常に困難である。追加の計算を実行する現在のプロセッサの能力は、主に熱的に制限されるので、プロセッサに対するインタフェースでの電圧の正確な調整は、ますます重要になる。入力電圧の二乗に基本的に比例するプロセッサの電力損失を伴い、壊滅的なプロセッサの故障の閾値の近くまで入力電圧が低下すると、プロセッサは、より冷却されて動作し、追加の計算タスクを実行することができ、正確な電圧制御をさらに重要にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、プロセッサに対するインタフェースでの電圧を調整するための改善された電圧レギュレータモジュールの要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
電圧レギュレータモジュールの一実施形態によれば、電圧レギュレータモジュールは、電力入力端子と、電圧レギュレータモジュールの、電力入力端子と同じ側の電力出力端子と、第1の電力段と、第1の金属クリップと、を備え、第1の電力段は、電力入力端子から入力電圧を受信し、第1の電力段のスイッチノードにおいて相電流を出力するように構成され、第1の電力段は、磁気コア内に埋設される垂直導体を有するインダクタを含み、垂直導体は、スイッチノードに電気的に接続されている第1の端と、第1の端の反対側の第2の端と、を有し、第1の金属クリップは、垂直導体の第2の端を電力出力端子に電気的に接続するので、電力は、電圧レギュレータモジュールの同じ側において、電圧レギュレータモジュールに/から供給される。
【0005】
電子アセンブリの一実施形態によれば、電子アセンブリは、プロセッサ基板と、プロセッサ基板上に実装されるプロセッサと、プロセッサ基板上に実装され、プロセッサに電力を供給するように構成される電圧レギュレータモジュールと、を備え、電圧レギュレータモジュールは、プロセッサ基板の第1の側に取り付けられる電力入力端子と、プロセッサ基板の、電力入力端子と同じ側に取り付けられる電力出力端子と、第1の電力段と、第1の金属クリップと、を備え、第1の電力段は、電力入力端子から入力電圧を受信し、第1の電力段のスイッチノードにおいて相電流を出力するように構成され、第1の電力段は、磁気コア内に埋設される垂直導体を有するインダクタを含み、垂直導体は、プロセッサ基板を向き、スイッチノードに電気的に接続されている第1の端と、プロセッサ基板から離れる方を向く第2の端と、を有し、第1の金属クリップは、垂直導体の第2の端を電力出力端子に電気的に接続するので、電力は、プロセッサ基板の同じ側において、電圧レギュレータモジュールに/から供給される。
【0006】
当業者は、以下の詳細な説明を読み、添付の図面を見ると、追加の特徴および利点を認識するものである。
【0007】
図面の要素は、必ずしも、互いに対して一定の比率ではない。類似の参照符号は、対応する類似の部分を示す。さまざまな図示の実施形態の特徴は、特に各々を除外しない限り、組み合わせることができる。実施形態は、図面において描写され、説明において詳述される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】電圧レギュレータモジュールの一実施形態の側面斜視図を示す。
【
図2】
図1のA-A’線に沿った電圧レギュレータモジュールの断面図を、電流フローの重ね合せとともに示す。
【
図3】
図1の配向に対して90°回転させ、金属クリップを有さない電圧レギュレータモジュールの側面斜視図を示す。
【
図4】金属クリップを有する以外、
図3と同じ電圧レギュレータモジュールの側面斜視図を示す。
【
図5】
図2と同じ電圧レギュレータモジュールの断面図を、温度の重ね合せとともに示す。
【
図6】電圧レギュレータモジュールの平面図を示す。
【
図7】他の実施形態に従う電圧レギュレータモジュールの断面図を示す。
【
図8】他の実施形態に従う電圧レギュレータモジュールの断面図を示す。
【
図9】電圧レギュレータモジュールの少なくとも1つを含む電子アセンブリの一実施形態の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願明細書において記載されている実施形態は、電圧レギュレータモジュールの同じ側の入力端子および出力端子を有する電圧レギュレータモジュールを提供する。磁気コア内に埋設されるインダクタは、電圧レギュレータモジュール内に含まれる電力段のスイッチノードに電気的に接続されている第1の端を有する。金属クリップは、インダクタの反対端を電圧レギュレータモジュールの電力出力端子に電気的に接続するので、電力は、電圧レギュレータモジュールの同じ側に、電圧レギュレータモジュールへ/から供給される。インダクタは、有効な冷却および最小の寄生インダクタンスを有する低オームの電流経路を提供する。出力電流は、電圧レギュレータモジュールの第2のインタフェースで電力段から出力され、低オームの経路によって、入力端子および出力端子との第1のインタフェースに送られる。複数の電力段は、電圧レギュレータモジュール内に含まれ、負荷の出力電圧を調整するための多相構成を形成してもよい。
【0010】
次に、図面を参照しながら、電圧レギュレータモジュール、電圧レギュレータモジュールの製造方法および電圧レギュレータモジュールを含む電子アセンブリの例示的な実施形態が記載されている。
【0011】
図1は、電圧レギュレータモジュール100の一実施形態の側面斜視図を示す。
図2は、
図1のA-A’線に沿った電圧レギュレータモジュール100の断面図を、電流フローの重ね合せとともに示す。
図3は、
図1の配向に対して90°回転させ、金属クリップを有さない電圧レギュレータモジュール100の側面斜視図を示す。
図4は、金属クリップを有する以外、
図3と同じ電圧レギュレータモジュール100の側面斜視図を示す。
図5は、
図2と同じ電圧レギュレータモジュール100の断面図を、温度の重ね合せとともに示す。
図6は、電圧レギュレータモジュール100の平面図を示す。
【0012】
電圧レギュレータモジュール100は、電力入力端子102と、電圧レギュレータモジュール100の、電力入力端子102と同じ側106の電力出力端子104と、を含む。したがって、電力は、電圧レギュレータモジュール100の同じ側106において、電圧レギュレータモジュール100に/から供給される。
【0013】
電圧レギュレータモジュール100はまた、少なくとも1つの電力段108を含む。電力段108は、電力入力端子102から入力電圧「Vin」を受信し、電力段108のスイッチノード「SW」110において相電流「Iph」を出力する。
【0014】
第1の電力段108は、磁気コア114内に埋設されるCu(銅)のロッドのような垂直導体113を有するインダクタ112を含む。垂直導体113は、スイッチノード110に電気的に接続されている第1の端116と、第1の端116の反対側の第2の端118と、を有する。
【0015】
金属クリップ120は、インダクタ112の垂直導体113の第2の端118を電力出力端子104に電気的に接続するので、電力は、モジュール100の同じ側106において、電圧レギュレータモジュール100に/から供給される。金属クリップ120は、Cuまたは他の任意の金属または金属合金を備えてもよい。
【0016】
金属クリップ120は、U字型を有してもよく、スイッチノード110から離れる方を向く磁気コア114の上側122、磁気コア114の第1の側面124および第1の側面124の反対側の磁気コア114の第2の側面126をカバーしてもよい。
【0017】
金属クリップ120は、インダクタ112の垂直導体113の第2の端118に接続されかつ磁気コア114の上側122をカバーする第1の部分128と、金属クリップ120の第1の部分128を電力出力端子104に電気的に接続しかつ磁気コア114の第1の側面124をカバーする第2の部分130と、を有してもよい。金属クリップ120はまた、第3の部分132を有してもよく、第3の部分132は、第1の部分128の、第2の部分130とは反対端から延在し、第1の側面124の反対側の磁気コア114の第2の側面126をカバーする。金属クリップ120の第1の部分128、第2の部分130および第3の部分132は、単一の隣接するユニットとして、例えば、スタンピング、ベンディングなどによって形成されてもよい。
【0018】
インダクタ112の垂直導体113の第2の端118に接続されている金属クリップ120の第1の部分128は、平らでもよい。ヒートシンク134は、金属クリップ120の第1の部分128の平面側136に熱的に接触してもよく、平面側136は、磁気コア114の上側122から離れる方を向く。ヒートシンク134は、空冷式でもよいし、または、液体冷却されてもよい。ヒートシンク134は、斜視図または平面図には示されず、金属クリップ120の遮られない視界を提供する。
【0019】
インダクタ112の垂直導体113は、スイッチノード110と金属クリップ120との間に延在する縦軸「L_axis」を有する円柱または立方体の形状を有してもよい。金属クリップ120は、垂直導体113の第2の端118を受け入れるようなサイズおよび形状の開口138を有してもよい。垂直導体113の第2の端118は、はんだ、導電性接着剤、クリップなどのような固定材料140によって、金属クリップ120内の開口138内に固定されてもよい。
図6の右側は、固定材料140_2で充填される金属クリップ120内の開口138_2を示す。
図6の左側は、固定材料140で充填される前の金属クリップ120内の他の開口138を示し、金属クリップ120内の開口138によって受け入れられている垂直導体113の第2の端118を示す。
【0020】
インダクタ112は、冷却および最小の寄生インダクタンスを有する低オームの電流経路を提供する。電力段108のスイッチノード110から電圧レギュレータモジュール100の電力出力端子104への主な電流フローIphは、インダクタ112および金属クリップ120を通る。主な電流フローIphは、上方への垂直成分Iph1、横成分Iph2および下方への垂直成分Iph3を含む。上方への垂直成分Iph1は、長手方向のインダクタ軸L_axisに沿って、インダクタ112の垂直導体113を通り、インダクタ軸L_axisは、電力入力端子102および電力出力端子104を有する電圧レギュレータモジュール100の側106に対して約90°(度)の角度である。横成分Iph2は、金属クリップ120の第1の部分128を通る。下方への垂直成分Iph3は、金属クリップ120の第2の部分130を通る。
【0021】
電圧レギュレータモジュール100のスイッチノード110は、インダクタ112と電力段108の少なくとも1つの電力スイッチ142、144との間に配置されてもよい。1つまたは複数の電力スイッチ142、144は、スイッチノード110と電力入力端子102および電力出力端子104が配置される電圧レギュレータモジュール100の側106との間に配置されてもよい。金属クリップ120は、電力段108をカバーし、インダクタ112および電力段108の電力スイッチ142、144のための電磁シールドを形成してもよい。例えば、金属クリップ120は、例えば、電力段108内に含まれる電力スイッチ142、144のスイッチングからの電磁放射を電位的に(potentially)妨害するためのファラデーケージとして構成されてもよい。
【0022】
電力段108の電力スイッチ142、144は、基板146に取り付けられてもよいかまたは基板146内に埋設されてもよく、スイッチノード110に直列に電気的に接続されてもよい。ドライバ、コントローラ、電圧および/または電流検知素子などのような追加の要素は、基板146に取り付けられてもよいかまたは基板146内に埋設されてもよい。1つの構成において、電力スイッチ142、144は、スイッチノード110にハーフブリッジ構成で接続され、第1の電力スイッチ142は、制御スイッチとして作用するハイサイドスイッチであり、第2のスイッチ144は、同期整流スイッチとして作用するローサイドスイッチである。回路は、入力電圧を受信し、電力段108のスイッチノード110においてインダクタ112に結合されている同期バックコンバータを形成してもよい。
【0023】
基板146の金属導体148は、スイッチノード110をインダクタ112の垂直導体113の第1の端116に接続してもよい。垂直導体113の第1の端116は、例えば、はんだまたは導電性接着剤のような結合材料147によって、金属導体148に取り付けられてもよい。基板146は、例えば、多層PCB(印刷回路基板)でもよい。多層PCBは、パターン化されたメタライゼーション層149および相互接続ビア150を含んでもよい。多層PCBは、他の基板152に取り付けられてもよく、他の基板152もまた、1つまたは複数のパターン化されたメタライゼーション層154および相互接続ビア156を有してもよい。追加の基板152は、システムボード、例えば、マザーボードまたは複数のプロセッサを有する電子アセンブリのアクセラレータカード、または、インターポーザ、例えば、この種のシステムボードに取り付ける成形された相互接続基板でもよい。電力段108は、システムプロセッサ(
図1Aおよび
図1Bには示されない)の1つまたは複数に電流を提供する。
【0024】
電圧レギュレータモジュール100の電力入力端子102および電力出力端子104は、追加の基板152の底側106に配置されてもよい。追加の基板152の底側106は、グラウンド「GND」端子158、I/O(入出力)端子160などのような追加の端子を含んでもよい。金属クリップ120は、金属クリップ120の一端または両端において、追加の基板152の上側162に取り付けられてもよい。1つまたは複数の出力コンデンサ164は、金属クリップ120と追加の基板152との間の接触点166に近接して、追加の基板152の上側162に取り付けられてもよい。1つまたは複数の入力コンデンサ168は、電力スイッチ142、144を有する基板146に取り付けられてもよい。追加の基板152を通る電流流路は、
図1および
図2に示すように、大部分は垂直でもよい。これは、垂直インダクタ112および金属クリップ120と組み合わせて、最小の寄生インダクタンスを有する低オームの電流経路を生ずる。
【0025】
図5に、スイッチノードSW熱流路、入力ノードVin熱流路および基板熱流路が示される。いくつかの場合において、ヒートシンク134は、シリコーン系または合成系の熱化合物またはグリースのような電気絶縁性である熱伝導材料170によって、金属クリップ120から電気的に絶縁されてもよい。電力スイッチ142、144は、スイッチノード110をインダクタ112に結合する金属クリップ120を通して冷却されるとともに、インダクタ112を通してヒートシンク134の方に冷却され、ヒートシンク134は、電圧レギュレータモジュール100の、電力入力端子102および電力出力端子104を有する側とは反対側に取り付けられている。第2の熱流路は、追加の基板152の方に下方に提供される。入力ノードVinは、第2の金属クリップ172を通してヒートシンク134の方に冷却される。
【0026】
第2の金属クリップ172は、電力入力端子102に電気的に接続されている。第1の金属クリップ120の第2の部分130が電力出力端子104から離れて延在するのと同じように、第2の金属クリップ172は、電力入力端子102から離れて延在するが、電圧レギュレータモジュール100の、(第1の金属クリップ120の第2の部分130とは)反対側に存在する。さらに具体的には、第2の金属クリップ172は、U字型の(銅)クリップでもよく、金属クリップ120から電気的に絶縁され、電力入力端子102から金属クリップ120の第1の部分128の平面までの第1の平面に延在し、金属クリップ120の第1の部分128の平面に対して実質的に同一平面上である第2の平面に延在し、かつ、金属クリップ120の第1の部分128の平面から入力コンデンサ168までの第3の平面に延在する。入力コンデンサ168は、基板146に取り付けられてもよいかまたは基板146内に埋設されてもよい。第1の平面および第3の平面は、互いに対して、かつ、金属クリップ120の第2の部分130の平面に対して実質的に平行でもよい。したがって、第2の金属クリップ172は、電力入力端子102から第2の平面を介して入力コンデンサ168まで電流を伝導してもよい。これにより、熱は、第2の平面に取り付けられるヒートシンクへ導かれてもよく、それにより、電力入力端子102を効果的に冷却する。その代わりに、第2の金属クリップ172は、電圧レギュレータモジュール100のグラウンド端子158に電気的に接続されてもよく、グラウンド端子158から離れて延在してもよい。いずれの(VinまたはGND)構成においても、第1の金属クリップ120の代わりに第2の金属クリップ172は、電力段108をカバーし、インダクタ112および電力段108の電力スイッチ142、144のための電磁シールドを形成してもよい。例えば、第2の金属クリップ172は、例えば、電力段108内に含まれる電力スイッチ142、144のスイッチングからの電磁放射を電位的に妨害するためのファラデーケージとして構成されてもよい。
【0027】
図3に示すように、電圧レギュレータモジュール100は、第1の電力段108に類似であるかまたは同一である第2の電力段108_2を含んでもよい。第1の電力段108の対応する構成要素に類似であるかまたは同一である第2の電力段108_2の任意の構成要素は、類似または同一の性質を示す「_2」とラベル付けされる。図示例では、電圧レギュレータモジュール100は、2つの同期バックコンバータ回路と、互いに電気的に結合されない2つの単相のインダクタ112、112_2と、を有する。両方の電力段108、108_2は、同じ入力電圧Vinを受信する。金属クリップ120は、両方の位相の出力電流を合体し、合計電流を、電力入力端子102および電力出力端子104とのモジュールインタフェースに供給する。
【0028】
より詳しくは、第2の電力段108_2は、電力入力端子102から入力電圧Vinを受信し、第2の電力段108_2のスイッチノード110_2において相電流を出力する。第2の電力段108_2は、第1の電力段108のインダクタ112の垂直導体113と同じかまたは異なる磁気コア114_2内に埋設される垂直導体113_2を有するインダクタ112_2を含む。第2の電力段108_2のインダクタ112_2の垂直導体113_2は、第2の電力段108_2のスイッチノード110_2に電気的に接続されている第1の端(図示せず)および第1の端の反対側の第2の端118_2を有する。金属クリップ120は、第2の垂直導体113_2の第2の端118_2を電力出力端子104に電気的に接続するので、電圧レギュレータモジュール100の第1の電力段108によって出力される相電流および第2の電力段108_2によって出力される相電流は、金属クリップ120によって結合される。入力電流経路「Iin」は、
図3に示される。
【0029】
図3において、磁気コア114、114_2は、単相使用のために示される。しかしながら、その代わりに、磁気素子は、2つの別々のハーフブリッジ回路に取り付けられている結合するインダクタを備えてもよい。この場合、少なくとも2つの垂直導体は、共通の磁気コアを貫通する。これらの2つの垂直導体は、2つの独立したハーフブリッジ回路に電気的に結合されてもよく、2つの独立したハーフブリッジ回路は、互いに180°の位相移動で動作し、結合インダクタの十分な利点を有しうる。出力電流は、合体され、各電力段108、108_2を囲み、電磁シールドを提供する金属クリップ120により、電力入力端子102および電力出力端子104とのインタフェースに戻される。いくつかの場合において、金属クリップ120の電流経路は、磁気コア材料の外側に位置してもよく、したがって、磁束を発生させない。その代わりに、金属クリップ120のこの部分は、インダクタ112の磁気コア材料114内に埋設されてもよい。
【0030】
図7は、他の実施形態に従う電圧レギュレータモジュール100の断面図を示す。金属クリップ120および追加の基板152は、少なくとも4つの側で電圧レギュレータモジュール100の各電力段108、108_2を包囲するエンクロージャを形成してもよい。例えば、
図7では、金属クリップ120および追加の基板152は、上側および底側ならびに2つの反対の側面で各電力段108、108_2を集合的に包囲する。エンクロージャ内の開空間174は、シリコーン系または合成系の熱化合物またはグリース、埋め込み用樹脂、ゲルなどのような熱伝導材料176で充填されてもよい。
【0031】
図8は、他の実施形態に従う電圧レギュレータモジュール100の断面図を示す。電力段108の電力スイッチ142、144は、電圧レギュレータモジュール100の電力入力端子102に電気的に接続されているドレイン端子「DH」およびスイッチノード110に電気的に接続されているソース端子「SH」を有するハイサイドSiまたはSiCパワーMOSFETダイ200と、スイッチノード110に電気的に接続されているドレイン端子「DL」および電圧レギュレータモジュール100のグラウンド端子158に電気的に接続されているソース端子「SL」を有するローサイドSiまたはSiCパワーMOSFETダイ202と、を含んでもよい。基板146の金属導体148は、ハイサイドパワーMOSFETダイ200のソース端子SHおよびローサイドパワーMOSFETダイ202のドレイン端子DLを、インダクタ112の垂直導体113の第1の端116に、ハーフブリッジ構成で電気的に接続する。ハイサイドおよびローサイドパワー電力MOSFETダイ200、202のゲート端子は、
図8には示されない。金属クリップ120は、出力電位Voutにおいてであり、出力電位Voutは、電圧レギュレータモジュール100の出力電圧に対応する。
【0032】
電力スイッチ142、144は、垂直電力MOSFET素子として示され、各ダイ200、202のソース端子SH、SLおよびドレイン端子DH、DLは、ダイ200、202の両側に配置されている。ハイサイドパワーMOSFET200のドレイン端子DHおよびローサイドパワーMOSFETダイ202のソース端子SLは、インダクタ112から離れる方を向き、一方、ハイサイドパワーMOSFETダイ200のソース端子SHおよびローサイドパワーMOSFETダイのドレイン端子DLは、インダクタ112の方を向き、電流再分布を最小化し、寄生インダクタンスを回避する。共通のスイッチノード110を有する垂直デバイス200、202は、チップ埋め込み技術、露出端子を有するPQFN(power quad flat no-lead)パッケージなどを用いて実装されてもよい。チップ埋め込みは、最小の厚さ、低重量および良好な熱インタフェースを形成する。その代わりに、電力スイッチ142、144は、電圧レギュレータモジュール100の電力入出力インタフェースの下で、マザーボードに実装されてもよい。しかしながら、これらは、単なる例である。
【0033】
GaN HEMT(高電子移動トランジスタ)のような横方向パワーデバイスの場合、各ダイ200、202のソース端子SH、SLおよびドレイン端子DH、DLは、ダイ200、202の同じ側に配置されている。その代わりに、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)のような他のタイプのパワートランジスタダイが用いられてもよい。いずれの場合においても、電力スイッチ142、144を有する基板146のパターン化されたメタライゼーション層149および相互接続ビア150は、垂直または横方向のパワー半導体ダイ200、202に対する電気接続に適応するように設計されてもよい。
【0034】
図8において、基板146内の入力(Vin)電位、出力(Vout)電位およびグラウンド(GND)電位は、ラベル付けされるが、追加の基板152は示されない。したがって、電圧レギュレータモジュール100の電力入力端子102、電力出力端子104およびグラウンド端子158は、
図8には示されない。
【0035】
例えば、
図8に示すように、金属クリップ120が、電力スイッチ142、144を有する基板146に取り付けられてもよいので、その代わりに、追加の基板152は、電圧レギュレータモジュール100から省略されてもよい。この場合、電圧レギュレータモジュール100の電力入力端子102、電力出力端子104およびグラウンド端子158は、電力スイッチ142、144を有する基板146の底側204に配置されてもよい。露出したVin、VoutおよびGND端子のエンドポイントは、断面の位置のため、
図8には示されない。また、
図8に示すように、電力段108のための入力コンデンサ168および出力コンデンサ164は、電力スイッチ142、144を有する基板146内に埋設されてもよい。電圧レギュレータモジュール100の入力コンデンサ168は、ハイサイドパワーMOSFETダイ200のドレイン端子DHに近接してもよい。電圧レギュレータモジュール100の出力コンデンサ164は、ローサイドパワーMOSFETダイ202のソース端子SLに近接してもよい。
【0036】
図9は、電圧レギュレータモジュール100の少なくとも1つを含む電子アセンブリ300の一実施形態を示す。電子アセンブリ300はまた、回路基板302、例えば、PCBマザーボード、回路基板302に実装される複数のプロセッサ基板304および各プロセッサ基板304に実装されるプロセッサ(チップ)ダイ306を含む。各プロセッサ基板304は、直接取り付けによって、または、ソケットのようなインターポーザ308を通して回路基板302に実装されてもよい。回路基板302は、
図1から
図7に示される追加の基板152でもよいか、または、追加の基板152がインターポーザである場合、別々のシステムボードでもよい。
【0037】
各電圧レギュレータモジュール100は、回路基板302に実装され、電力をプロセッサ306の1つまたは複数に提供する。本願明細書において上述したように、各電圧レギュレータモジュール100は、回路基板302の第1の側310に取り付けられた電力入力端子102と、回路基板302の、電力入力端子102と同じ第1の側310に取り付けられた電力出力端子104と、を含む。各電圧レギュレータモジュール100の少なくとも1つの電力段108は、電力入力端子102から入力電圧を受信し、電力段108のスイッチノード110において相電流を出力する。各電圧レギュレータの電力段108は、磁気コア114内に埋設される垂直導体113を有するインダクタ112を含む。インダクタ112の垂直導体113は、スイッチノード110に電気的に接続されている第1の端116と、第1の端の反対側の第2の端118と、を有する。金属クリップ120は、インダクタ112の垂直導体113の第2の端118を電力出力端子104に接続するので、電力は、回路基板302の同じ第1の側310において、対応する電圧レギュレータモジュール100に/から供給される。
【0038】
各電圧レギュレータ電力段108の電力スイッチ142、144は、別の基板146/152内に埋設されるかまたは別の基板146/152に実装されるので、対応する電圧レギュレータモジュール100の電力入力端子102および電力出力端子104は、回路基板302を向く別の基板146/152の同じ側106/204に配置される。電圧レギュレータモジュール100およびプロセッサ基板304は、回路基板302の反対側310、312に実装されてもよい。各電圧レギュレータモジュール100およびプロセッサ基板304の1つまたは複数は、互いに少なくとも部分的に垂直に重なってもよい。その代わりに、電圧レギュレータモジュール100およびプロセッサ基板304は、回路基板302の同じ側310/312に実装されてもよく、例えば、オープンアクセラレータモジュールカードのようなアクセラレーションカード上で互いに並んで位置決めされてもよい。
【0039】
両方の実装構成において、入力電力、出力電力およびグラウンドは、各電圧レギュレータモジュール100の同じ側106/204に供給される。例えば、
図2および
図8に示すように、入力電流は、第1の電力スイッチ142を通り金属導体148まで垂直に流れ、金属導体148から、磁気コア114を垂直に貫通するインダクタ112の垂直導体113まで横に流れ、電流は、磁気コア114の外側で、金属クリップ120を介して電圧レギュレータモジュール100の同じ側106/204に戻る。フリーホイール(同期)動作の間、電流は、グラウンド端子158から第2の電力スイッチ144を通り垂直に流れ、このローサイド同期FETのドレイン端子DLから磁気コア114を通りインダクタ112の垂直導体113まで流れ、金属クリップ120を介して電圧レギュレータモジュール100の同じ側106/204に戻って流れる。
【0040】
この種のバックコンバータの整流ループは、電力入力端子102および対応する内部基板接続、ハイサイド電力スイッチ142、ローサイド電力スイッチ144ならびにグラウンド端子158および対応する内部基板接続が及ぶ領域である。入力コンデンサ168をこの整流ループに最も近接させて配置することは、結果として、高効率および低寄生につながる。例えば、入力コンデンサ168は、電力段の基板146内に埋設されるハーフブリッジ回路の上に配置されてもよい。入力コンデンサは、その代わりに、電力入力端子102および電力出力端子104を有する電圧レギュレータモジュール100の側106/204の下で、回路基板302の底側に配置されてもよいか、または、例えば、
図8に示すように、電力段基板146内に埋設されてもよい。
【0041】
回路基板302は、パターン化されたメタライゼーション層314と、電圧レギュレータモジュール100とプロセッサ基板304との間で信号、電力およびグラウンド接続をルーティングするための相互接続ビア316と、を含んでもよい。電圧レギュレータモジュール100の詳細は、
図1から
図8に示される。
【0042】
本開示はそのように制限されるものではないが、以下の番号付きの例は、開示の1つまたは複数の態様を示す。
【0043】
例1
電圧レギュレータモジュールであって、前記電圧レギュレータモジュールは、
電力入力端子と、
前記電圧レギュレータモジュールの、前記電力入力端子と同じ側の電力出力端子と、
第1の電力段と、
第1の金属クリップと、
を備え、
前記第1の電力段は、前記電力入力端子から入力電圧を受信し、前記第1の電力段のスイッチノードにおいて相電流を出力するように構成され、前記第1の電力段は、磁気コア内に埋設される垂直導体を有するインダクタを含み、前記垂直導体は、前記スイッチノードに電気的に接続されている第1の端と、前記第1の端の反対側の第2の端と、を有し、
前記第1の金属クリップは、前記垂直導体の前記第2の端を前記電力出力端子に電気的に接続するので、電力は、前記電圧レギュレータモジュールの前記同じ側において、前記電圧レギュレータモジュールに/から供給される、
電圧レギュレータモジュール。
【0044】
例2
前記第1の電力段の電力スイッチは、基板に取り付けられるかまたは前記基板内に埋設され、前記スイッチノードに直列に電気的に接続され、前記基板の金属導体は、前記スイッチノードを前記インダクタの前記垂直導体の前記第1の端に電気的に接続する、
例1に記載の電圧レギュレータモジュール。
【0045】
例3
前記第1の電力段の前記電力スイッチは、
前記電圧レギュレータモジュールの前記電力入力端子に電気的に接続されているドレイン端子および前記スイッチノードに電気的に接続されているソース端子を有する第1の電力MOSFETダイと、
前記スイッチノードに電気的に接続されているドレイン端子および前記電圧レギュレータモジュールのグラウンド端子に電気的に接続されているソース端子を有する第2の電力MOSFETダイと、
を含み、
前記金属導体は、前記第1の電力MOSFETダイの前記ソース端子および前記第2の電力MOSFETダイの前記ドレイン端子を前記インダクタの前記垂直導体の前記第1の端に電気的に接続する、
例2に記載の電圧レギュレータモジュール。
【0046】
例4
前記第1の電力MOSFETダイおよび前記第2の電力MOSFETダイは、両方とも垂直デバイスであり、
前記第1の電力MOSFETダイの前記ドレイン端子および前記第2の電力MOSFETダイの前記ソース端子の両方は、前記インダクタから離れる方を向き、前記第1の電力MOSFETダイの前記ソース端子および前記第2の電力MOSFETダイの前記ドレイン端子は、前記インダクタの方を向く、
例3に記載の電圧レギュレータモジュール。
【0047】
例5
前記電圧レギュレータモジュールは、前記第1の電力MOSFETダイの前記ドレイン端子に近接して前記基板に取り付けられるかまたは前記基板内に埋設される1つまたは複数の入力コンデンサをさらに備える、
例3に記載の電圧レギュレータモジュール。
【0048】
例6
前記電圧レギュレータモジュールは、第2の電力段をさらに備え、前記第2の電力段は、前記電力入力端子から前記入力電圧を受信し、前記第2の電力段のスイッチノードにおいて相電流を出力するように構成され、
前記第2の電力段は、前記第1の電力段の前記インダクタの前記垂直導体と同じかまたは異なる磁気コア内に埋設される垂直導体を有する第2のインダクタを含み、
前記第2の電力段の前記第2のインダクタの前記垂直導体は、前記第2の電力段の前記スイッチノードに電気的に接続されている第1の端と、前記第1の端の反対側の第2の端と、を有し、
前記第1の金属クリップは、前記第2のインダクタの前記垂直導体の前記第2の端を前記電力出力端子に電気的に接続するので、前記第1の電力段によって出力される前記相電流および前記第2の電力段によって出力される前記相電流は、前記第1の金属クリップによって結合される、
例1に記載の電圧レギュレータモジュール。
【0049】
例7
前記第1の金属クリップは、前記第1の電力段をカバーし、前記インダクタおよび前記第1の電力段の電力スイッチのための電磁シールドを形成する、
例1に記載の電圧レギュレータモジュール。
【0050】
例8
前記電圧レギュレータモジュールは、前記電力入力端子に電気的に接続されている第2の金属クリップをさらに備え、
前記第2の金属クリップは、前記電力入力端子から離れて延在する、
例1に記載の電圧レギュレータモジュール。
【0051】
例9
前記第2の金属クリップは、前記電力段をカバーし、前記インダクタおよび前記電力段の電力スイッチのための電磁シールドを形成する、
例8に記載の電圧レギュレータモジュール。
【0052】
例10
前記電圧レギュレータモジュールは、前記電圧レギュレータモジュールのグラウンド端子に電気的に接続されている第2の金属クリップをさらに備え、
前記第2の金属クリップは、前記グラウンド端子から離れて延在する、
例1に記載の電圧レギュレータモジュール。
【0053】
例11
前記第2の金属クリップは、前記電力段をカバーし、前記インダクタおよび前記電力段の電力スイッチのための電磁シールドを形成する、
例10に記載の電圧レギュレータモジュール。
【0054】
例12
前記電圧レギュレータモジュールは、前記第1の電力段から離れる方を向く前記第1の金属クリップの側において前記第1の金属クリップに熱的に接触するヒートシンクをさらに備える、
例1に記載の電圧レギュレータモジュール。
【0055】
例13
前記第1の金属クリップは、
前記インダクタの前記垂直導体の前記第2の端に接続され、前記スイッチノードから離れる方を向く前記磁気コアの第1の側をカバーする第1の部分と、
前記第1の部分を前記電力出力端子に電気的に接続し、前記磁気コアの第1の側面をカバーする第2の部分と、
を備え、
前記第1の金属クリップの前記第2の部分は、前記電力出力端子に接続されている、
例1に記載の電圧レギュレータモジュール。
【0056】
例14
前記第1の金属クリップは、前記第1の部分の、前記第2の部分とは反対端から延在し、前記第1の側面の反対側の前記磁気コアの第2の側面をカバーする第3の部分を備える、
例13に記載の電圧レギュレータモジュール。
【0057】
例15
前記第1の金属クリップは、U字型を有し、前記スイッチノードから離れる方を向く前記磁気コアの第1の側と、前記磁気コアの第1の側面と、前記第1の側面の反対側の前記磁気コアの第2の側面と、をカバーする、
例1に記載の電圧レギュレータモジュール。
【0058】
例16
前記第1の金属クリップは、前記インダクタの前記垂直導体の前記第2の端に接続され、前記スイッチノードから離れる方を向く前記磁気コアの第1の側をカバーする平面部分を備え、
前記電圧レギュレータモジュールは、前記磁気コアの前記第1の側から離れる方を向く前記第1の金属クリップの前記平面部分の側に熱的に接触するヒートシンクをさらに備える、
例1に記載の電圧レギュレータモジュール。
【0059】
例17
前記インダクタの前記垂直導体は、前記スイッチノードと前記第1の金属クリップとの間に延在する縦軸を有する円柱または立方体の形状を有する、
例1に記載の電圧レギュレータモジュール。
【0060】
例18
前記スイッチノードは、前記インダクタと、前記第1の電力段の少なくとも1つの電力スイッチと、の間に配置され、
前記少なくとも1つの電力スイッチは、前記スイッチノードと、前記電圧レギュレータモジュールの、前記電力入力端子および前記電力出力端子が配置される側と、の間に配置される、
例1に記載の電圧レギュレータモジュール。
【0061】
例19
前記第1の金属クリップは、前記インダクタの前記垂直導体の前記第2の端を受け入れるようなサイズおよび形状の開口を有する、
例1に記載の電圧レギュレータモジュール。
【0062】
例20
前記インダクタの前記垂直導体の前記第2の端は、はんだまたは導電性接着剤によって前記第1の金属クリップ内の前記開口内に固定される、
例19に記載の電圧レギュレータモジュール。
【0063】
例21
回路基板と、
前記回路基板に実装されるプロセッサ基板と、
前記プロセッサ基板に実装されるプロセッサと、
前記回路基板に実装され、前記プロセッサに電力を供給するように構成される電圧レギュレータモジュールと、
を備える電子アセンブリであって、
前記電圧レギュレータモジュールは、
前記回路基板の第1の側に取り付けられる電力入力端子と、
前記回路基板の、前記電力入力端子と同じ前記第1の側に取り付けられる電力出力端子と、
第1の電力段と、
第1の金属クリップと、
を備え、
前記第1の電力段は、前記電力入力端子から入力電圧を受信し、前記第1の電力段のスイッチノードにおいて相電流を出力するように構成され、前記第1の電力段は、磁気コア内に埋設される垂直導体を有するインダクタを含み、前記垂直導体は、前記スイッチノードに電気的に接続されている第1の端と、前記第1の端の反対側の第2の端と、を有し、
前記第1の金属クリップは、前記垂直導体の前記第2の端を前記電力出力端子に接続するので、電力は、前記回路基板の前記同じ第1の側において、前記電圧レギュレータモジュールに/から供給される、
電子アセンブリ。
【0064】
例22
前記第1の電力段の電力スイッチは、別の基板内に埋設されるかまたは前記別の基板に実装され、
前記電圧レギュレータモジュールの前記電力入力端子および前記電力出力端子は、前記回路基板を向く前記別の基板の同じ側に配置される、
例21に記載の電子アセンブリ。
【0065】
例23
前記電圧レギュレータモジュールおよび前記プロセッサ基板は、前記回路基板の反対側に実装され、前記電圧レギュレータモジュールおよび前記プロセッサ基板は、互いに少なくとも部分的に垂直に重なる、
例21に記載の電子アセンブリ。
【0066】
「第1」、「第2」などのような用語は、さまざまな要素、領域、セクションなどを記載するために用いられ、限定することを意図するものではない。説明の全体にわたって、類似の用語は、類似の要素を参照する。
【0067】
本願明細書において、「有する」、「含む」、「備える」などの用語は、記載された要素または特徴の存在を示すオープンエンドの用語であるが、追加の要素または特徴を排除するものではない。文脈が別途明らかに指示しない限り、「a」、「an」および「the」という冠詞は、複数および単数を含むことを意図する。
【0068】
特に記載がない限り、本願明細書において記載されているさまざまな実施形態の特徴が互いに組み合わせられてもよいことを理解されたい。
【0069】
本願明細書において、特定の実施形態が示され、記載されていたが、当業者によって、さまざまな代替および/または均等な実施態様が、本発明の範囲を逸脱しない範囲で、図示され、記載される特定の実施形態と置換されてもよいことを認識されたい。この出願は、本願明細書において議論される特定の実施形態のあらゆる適合または変更をカバーすることを意図する。それゆえ、本発明は、請求項およびその均等物のみによって限定されることを意図する。
【外国語明細書】