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特開2023-168295評価装置、評価システム、評価方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168295
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】評価装置、評価システム、評価方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/47 20060101AFI20231116BHJP
   G01N 21/33 20060101ALI20231116BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20231116BHJP
【FI】
G01N21/47 B
G01N21/33
G06T7/00 350B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078559
(22)【出願日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】P 2022078057
(32)【優先日】2022-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】針生 泰史
(72)【発明者】
【氏名】岡田 智成
(72)【発明者】
【氏名】武田 勝也
(72)【発明者】
【氏名】張 凡
【テーマコード(参考)】
2G059
5L096
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB08
2G059BB10
2G059BB12
2G059DD13
2G059EE02
2G059FF01
2G059FF04
2G059HH03
2G059KK04
2G059MM01
2G059MM05
2G059MM09
2G059MM10
5L096AA06
5L096CA02
5L096DA01
5L096HA11
(57)【要約】
【課題】紫外線防御剤に関する各種評価を手軽に行う技術を提供する。
【解決手段】本発明は、紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像を取得する取得部11と、正反射光の成分を紫外線画像から除去した加工画像を、学習モデルを用いて生成する画像加工部12と、加工画像に基づき紫外線防御剤に関する評価の結果を示す評価結果データを生成する評価部13と、評価結果データを出力する出力部14と、を有する評価装置10を提供する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像を取得する取得部と、
正反射光の成分を前記紫外線画像から除去した加工画像を、学習モデルを用いて生成する画像加工部と、
前記加工画像に基づき前記紫外線防御剤に関する評価の結果を示す評価結果データを生成する評価部と、
前記評価結果データを出力する出力部と、
を有する評価装置。
【請求項2】
前記評価部は、前記紫外線防御剤に関する評価として、前記紫外線防御剤の塗りむら評価を行う請求項1に記載の評価装置。
【請求項3】
前記評価部は、前記評価結果データとして、前記対象物を示す画像上に、前記紫外線防御剤の塗りむら評価の結果を重畳した画像を生成する請求項2に記載の評価装置。
【請求項4】
前記評価部は、前記紫外線防御剤の塗布量が第1の基準より少ない箇所、及び前記紫外線防御剤の塗布量が第2の基準より多い箇所の一方、又は両方を識別表示した前記画像を生成する請求項3に記載の評価装置。
【請求項5】
前記評価部は、評価時の日付、時刻、及び紫外線量の予報の中の少なくとも1つに基づき、前記第1の基準及び前記第2の基準の少なくとも一方を決定する請求項4に記載の評価装置。
【請求項6】
前記評価部は、
ユーザが入力した行動予定を示す情報を取得し、
前記行動予定に基づき、前記第1の基準及び前記第2の基準の少なくとも一方を決定する請求項4又は5に記載の評価装置。
【請求項7】
前記評価部は、前記紫外線防御剤に関する評価として、前記紫外線防御剤の性能評価を行う請求項1に記載の評価装置。
【請求項8】
前記評価部は、前記紫外線防御剤に関する評価として、前記紫外線防御剤の塗りむら評価、及び記紫外線防御剤の性能評価を行う請求項1に記載の評価装置。
【請求項9】
前記取得部は、偏光板を用いた正反射光の成分を除去する処理がなされていない前記紫外線画像を取得し、
前記画像加工部は、前記紫外線画像から前記加工画像を生成する請求項1に記載の評価装置。
【請求項10】
前記評価装置は、ユーザ端末である請求項1に記載の評価装置。
【請求項11】
紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像を取得する取得部と、
正反射光の成分を前記紫外線画像から除去した加工画像を、学習モデルを用いて生成する画像加工部と、
前記加工画像に基づき前記紫外線防御剤に関する評価の結果を示す評価結果データを生成する評価部と、
前記評価結果データを出力する出力部と、
を有する評価システム。
【請求項12】
コンピュータが、
紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像を取得し、
正反射光の成分を前記紫外線画像から除去した加工画像を、学習モデルを用いて生成し、
前記加工画像に基づき前記紫外線防御剤に関する評価の結果を示す評価結果データを生成し、
前記評価結果データを出力する、
評価方法。
【請求項13】
コンピュータを、
紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像を取得する取得手段、
正反射光の成分を前記紫外線画像から除去した加工画像を、学習モデルを用いて生成する画像加工手段、
前記加工画像に基づき前記紫外線防御剤に関する評価の結果を示す評価結果データを生成する評価手段、
前記評価結果データを出力する出力手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、評価装置、評価システム、評価方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明関連する技術が、特許文献1及び2に開示されている。
【0003】
特許文献1には、照明部と、検出部と、分析部とを有する評価装置が開示されている。照明部は、所定の波長帯域の光を透過させる第1のフィルターを有し、紫外線防御剤を塗布した被検体に所定の波長帯域の紫外線光を照射する。検出部は、所定の波長帯域の光を透過させる第2のフィルターを有し、所定の波長帯域の反射光を検出する。分析部は、検出結果に基づき紫外線防御剤の紫外線光の透過率を推定する。
【0004】
特許文献2には、機械学習をさせた学習モデルに画像ファイル(対象情報)を入力し、対象物の反射特性(光沢を表す鏡面反射成分等)を算出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6742108号
【特許文献2】特許第6982910号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
紫外線防御剤に関する各種評価(塗りむら評価、性能評価等)を手軽に行う技術が望まれている。特許文献1に開示の技術の場合、紫外線防御剤に関する各種評価を行うユーザ各々が、特許文献1に開示のような大掛かりな装置を備える必要がある。特許文献2に開示の技術は、紫外線防御剤に関する各種評価を直接的に行うものではない。
【0007】
本発明の課題は、紫外線防御剤に関する各種評価を手軽に行う技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、
紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像を取得する取得部と、
正反射光の成分を前記紫外線画像から除去した加工画像を、学習モデルを用いて生成する画像加工部と、
前記加工画像に基づき前記紫外線防御剤に関する評価の結果を示す評価結果データを生成する評価部と、
前記評価結果データを出力する出力部と、
を有する評価装置が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、
紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像を取得する取得部と、
正反射光の成分を前記紫外線画像から除去した加工画像を、学習モデルを用いて生成する画像加工部と、
前記加工画像に基づき前記紫外線防御剤に関する評価の結果を示す評価結果データを生成する評価部と、
前記評価結果データを出力する出力部と、
を有する評価システムが提供される。
【0010】
また、本発明によれば、
コンピュータが、
紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像を取得し、
正反射光の成分を前記紫外線画像から除去した加工画像を、学習モデルを用いて生成し、
前記加工画像に基づき前記紫外線防御剤に関する評価の結果を示す評価結果データを生成し、
前記評価結果データを出力する、
評価方法が提供される。
【0011】
また、本発明によれば、
コンピュータを、
紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像を取得する取得手段、
正反射光の成分を前記紫外線画像から除去した加工画像を、学習モデルを用いて生成する画像加工手段、
前記加工画像に基づき前記紫外線防御剤に関する評価の結果を示す評価結果データを生成する評価手段、
前記評価結果データを出力する出力手段、
として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、紫外線防御剤に関する各種評価を手軽に行う技術が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】評価装置の1つ実施形態を示すブロック図である。
図2】評価装置の処理を説明するための図である。
図3】評価装置のハードウエア構成の一例を説明するための図である。
図4】評価装置の機能ブロック図の一例である。
図5】教師データを説明するための図である。
図6】評価装置が出力する画像の一例を示す図である。
図7】評価装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】評価装置の他の1つ実施形態を示すブロック図である。
図9】撮影時にユーザ端末が表示する画像の一例を示す図である。
図10】評価システムの機能ブロック図の一例である。
図11】評価基準を説明するための図である。
図12】「紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像であって、正反射光の成分を含まない画像」と「紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像であって、正反射光の成分を除去した画像(生成器が生成した画像)」の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1の実施形態>
「概要」
本実施形態の評価装置の概要を説明する。図1に示すように、本実施形態の評価装置10は、サーバ1である。評価装置10は、ユーザ端末20と連携して、紫外線防御剤に関する各種評価を行い、結果を提供するサービス(以下、「評価サービス」という場合がある)を提供する。各種評価は、紫外線防御剤の塗りむら評価や性能評価等である。例えば、ユーザは、紫外線防御剤をきちんと塗布できているか(すなわち、塗りむらがないか)確認するため、当該評価サービスを利用することができる。また、ユーザは、所定の紫外線防御剤の性能を確認するため、当該評価サービスを利用することができる。
【0015】
ユーザは、紫外線防御剤を塗布した自身の顔等を紫外線カメラで撮影する。そして、ユーザは、ユーザ端末20を介して、紫外線カメラで生成された紫外線画像を評価装置10に送信する。評価装置10は、受信した紫外線画像に基づき上記各種評価を行い、評価の結果をユーザ端末20に送信する。
【0016】
ところで、紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物に紫外線を照射した場合、図2に示すように、紫外線防御剤の塗膜の表面で正反射する正反射光(1)と、紫外線防御剤の中に進入した後、対象物の表面で正反射する正反射光(2)と、対象物の内部で散乱する内部散乱光の成分が発生し得る。そして、当該対象物を撮影した紫外線画像の中には、上記3つの成分が含まれ得る。本実施形態の評価装置10は、内部散乱光の強さの程度に基づき塗りむら評価や性能評価等の各種評価を行うものであり、正反射光(1)及び正反射光(2)は不要な成分となる。そこで、評価装置10は、予め用意された学習モデルを用いて紫外線画像の中から正反射光(1)及び正反射光(2)の成分を除去し、これらの成分を除去した後の紫外線画像に基づき上記各種評価を行う。
【0017】
このような処理装置10とユーザ端末20とを備えるシステムによれば、ユーザは、紫外線防御剤に関する各種評価を手軽に行うことが可能となる。
【0018】
「ハードウエア構成」
次に、評価装置10のハードウエア構成の一例を説明する。評価装置10の各機能部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記録媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0019】
図3は、評価装置10のハードウエア構成を例示するブロック図である。図3に示すように、評価装置10は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。評価装置10は周辺回路4Aを有さなくてもよい。なお、評価装置10は物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよい。この場合、複数の装置各々が上記ハードウエア構成を備えることができる。
【0020】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサ、カメラ(通常のカメラ、紫外線カメラ等)等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク、物理ボタン、タッチパネル等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0021】
「機能構成」
次に、本実施形態の評価装置10の機能構成を詳細に説明する。図4に、評価装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、評価装置10は、取得部11と、画像加工部12と、評価部13と、出力部14とを有する。
【0022】
取得部11は、紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像を取得する。取得部11は、上述した評価サービスのユーザがユーザ端末20を用いて送信してきた紫外線画像を取得する。なお、当該評価サービスにおいて、ユーザは、紫外線画像を撮影する際等に、正反射光(1)及び正反射光(2)の成分を除去するための操作を行う必要がない。すなわち、ユーザは、特許文献1に開示されている偏光板を用いた正反射光(1)及び正反射光(2)の成分を除去する処理等を行う必要がない。このため、ユーザは、当該評価サービスを手軽に利用することができる。このような前提のため、取得部11が取得する紫外線画像は、内部散乱光の成分のみならず、正反射光(1)及び正反射光(2)の成分も含み得る。
【0023】
「紫外線防御剤」は、紫外線吸収剤(パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン等)及び/又は紫外線散乱剤(微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等)を含有する製剤が挙げられる。製剤としては、液状、ゲル状、半固形状、固形状、泡状、ミスト状及びシート状などの形態が挙げられる。本発明は、紫外線防御剤全般に適用できるが、特に、紫外線吸収剤を含有する紫外線防御剤を対象物の表面に配置した場合に好ましく適用できる。
【0024】
「対象物」は、人体等の生体が例示されるが、これに限定されず、その他の物体でもよい。
【0025】
「対象物の表面」は、皮膚、毛髪、爪、目等の生体の外表面が例示されるが、これに限定されず、その他の物体の外表面でもよい。
【0026】
「配置」は、対象物の表面に紫外線防御剤の塗膜が接して位置する状態をいう。配置方法は、塗布、貼り付け、付着等のあらゆる手段を採用できる。
【0027】
取得部11は、ユーザ端末20が送信してきた紫外線画像を取得する。
【0028】
「ユーザ端末20」は、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、携帯ゲーム、パーソナルコンピュータ、スマートウォッチ、スマートミラー、デジタルカメラ等が例示されるが、これらに限定されない。
【0029】
「紫外線画像」は、紫外線を検出するセンサを備えた紫外線カメラで撮影・生成された画像である。
【0030】
ユーザ端末20が、紫外線画像を撮影する紫外線カメラ機能を備えてもよい。当該機能は、ユーザ端末20に所定の機器を接続したり所定のソフトウエアをインストールしたりすることで実現されてもよいし、予め出荷段階からユーザ端末20に備わっていてもよい。ユーザは、ユーザ端末20を使って紫外線画像を撮影した後、当該紫外線画像をユーザ端末20から評価装置10に送信してもよい。なお、室内照明には、一般には紫外線が含まれないものが多いので、室内での撮影では紫外線が含まれる光源を利用する。例えば、ユーザ端末20に紫外線を含むLEDを取り付けて利用することもできる。
【0031】
その他、ユーザは、ユーザ端末20と論理的及び/又は物理的に分離した外部装置である紫外線カメラを使って紫外線画像を撮影してもよい。そして、ユーザは、任意の手段で当該紫外線画像をユーザ端末20に入力し、当該紫外線画像をユーザ端末20から評価装置10に送信してもよい。室内での撮影では紫外線が含まれる光源を利用する。例えば、紫外線カメラに紫外線を含むLEDを取り付けて利用することもできる。
【0032】
図1に示すように、評価装置10及びユーザ端末20はインターネット等の通信ネットワーク30に接続されている。ユーザ端末20と評価装置10との間の紫外線画像の送受信は通信ネットワーク30を介して実現される。例えば、ユーザ端末20には、評価サービス専用のアプリケーションプログラム(ソフトウエア)がインストールされていてもよい。そして、当該アプリケーションプログラムに搭載された機能を介して、ユーザ端末20から評価装置10への紫外線画像の送信(アップロード)が実現されてもよい。その他、評価サービス専用のウェブページが用意されてもよい。そして、ユーザ端末20にインストールされたウェブブラウザを介して当該ウェブページにアクセスした後、当該ウェブページに搭載された機能を介して、ユーザ端末20から評価装置10への紫外線画像の送信(アップロード)が実現されてもよい。なお、電子メールの添付ファイルとしての送受信等、その他の手段で紫外線画像の送受信が実現されてもよい。
【0033】
画像加工部12は、正反射光の成分を紫外線画像から除去した加工画像を、学習モデルを用いて生成する。除去する正反射光の成分は、図2を用いて説明した正反射光(1)及び正反射光(2)の成分である。
【0034】
予め、「紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像」から「正反射光の成分を除去した画像」を生成する学習モデルが用意される。
【0035】
学習モデルの生成手段は特段制限されず、あらゆる手段を採用できる。例えば、特許文献2に開示の技術を利用してもよい。以下、学習モデルの生成手段の一例を説明する。
【0036】
学習モデルは、「紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像であって、正反射光の成分を含む画像」と、「紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像であって、正反射光の成分を含まない画像」とをペアとする複数の教師データに基づく機械学習で生成される。
【0037】
図5に、教師データの一例を示す。(A)の画像が、「紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像であって、正反射光の成分を含む画像」である。そして、(B)の画像が、「紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像であって、正反射光の成分を含まない画像」である。この画像は市販のO/W型の紫外線防止剤を顔に1.0mg/cmの塗布量で塗布した時の状態であり、光源には紫外線を含む一般的なキセノン光源を使用し、カメラは紫外線領域の315nm~325nmのバンドバスフィルターが搭載された一般的な紫外線カメラで撮影したものである。
【0038】
当該教師データを生成する手段は特段制限されないが、通常、光源と紫外線カメラ、偏光板を使用することで生成することができる。例えば特許文献1に開示の技術を利用することができる。特許文献1に開示の技術における第1の偏光板及び第2の偏光板を適切に調整することで、正反射光の成分を透過させたり、除去したりできる。正反射光の成分を透過させるように調整した場合、「紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像であって、正反射光の成分を含む画像」を撮影することができる。一方、正反射光の成分を除去するように調整した場合、「紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像であって、正反射光の成分を含まない画像」を撮影することができる。
【0039】
なお、教師データとして「紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像であって、正反射光の成分を含まない画像」を使用するときは、生成された「紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像であって、正反射光の成分を含まない画像」の明るさを調整して使用することもできる。
【0040】
学習の手段の一例として、生成器と識別器を用いる場合について説明する。
【0041】
生成器は、教師データである「紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像であって、正反射光の成分を含む画像」から「紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像であって、正反射光の成分を除去した画像」を生成するように、例えば多段の畳み込みニューラルネットワーク(CCN)で構成される。
【0042】
識別器は、教師データである「紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像であって、正反射光の成分を含まない画像」と、生成器が生成した「紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像であって、正反射光の成分を除去した画像」との差分画像を求めて、差が大きいと判断されるルール、例えば一致度が所定の割合以上である、を満たさないとき、2つの画像が異なると識別するように構成される。
【0043】
そして、上記2つの画像を識別できるように識別器のパラメータ、すなわち差分の所定値を調整し、識別器が正しく識別できない画像を生成できるように生成器のパラメータを調整する。調整を終えた結果のパラメータを備えた生成器が、本発明で用いる学習モデルとなる。
【0044】
なお、紫外線防御剤として紫外線吸収剤が配合されている市販品A(花王株式会社製エビータ モイストウォーターシールド UV)を顔の一部の4cm四方に1mg/cm2で塗布した。この塗布した領域と、塗布していない領域を含む条件で、「紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像であって、正反射光の成分を含まない画像」と「紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像であって、正反射光の成分を除去した画像(生成器が生成した画像)」とを取得し、計3枚の画像を用いてその一致度を確認したところ一致度は約80.0%であった。一致度が約80.0%となった2つの画像の一例を、図12に示す。図示する「偏光板で正反射光を含まないようにした画像」が「紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像であって、正反射光の成分を含まない画像」である。そして、図示する「機械学習で正反射光を除去した画像」が「紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像であって、正反射光の成分を除去した画像(生成器が生成した画像)」である。一致度は以下の手順で算出した。
【0045】
(1)「紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像であって、正反射光の成分を含まない画像」の中から塗りむらのある範囲(塗布されていない部分を含む)をImageJを使って80×80ピクセルの範囲の輝度値データを抽出する。
(2)横軸を輝度値、縦軸をピクセル数としたグラフをエクセルで作成し、近傍5点移動平均値を算出し、隣接セルとの差分が負から正に切り替わる点を極小値とする。
(3)輝度値0から輝度値の極小値までの積分値を塗布されている領域とし(積分値1)、ヒストグラム全体の積分値(積分値2)の比率(積分値1/積分値2)を求める。
(4)「紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像であって、正反射光の成分を除去した画像(生成器が生成した画像)」の上記(1)で抽出した範囲について、同様に(2)から(4)を行い比率を求める。なお、上記(1)で任意に抽出した範囲は画像1枚に対して3箇所である。
(5)「紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像であって、正反射光の成分を含まない画像」から算出した比率と、「紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像であって、正反射光の成分を除去した画像(生成器が生成した画像)」から算出した比率を比較し、その一致度を計算した。
【0046】
また同様に、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤が配合されている市販品B(花王株式会社製センサイ シルキィ ブロンズ セルラー プロテクティブ クリーム フォー ボディ)を使用した場合の一致度は約70.0%であった。
【0047】
画像加工部12は、取得部11が取得した紫外線画像を上記学習モデルに入力し、当該学習モデルから出力される「正反射光の成分を紫外線画像から除去した加工画像」を取得する。
【0048】
評価部13は、画像加工部12が生成した加工画像に基づき紫外線防御剤に関する評価を行い、当該評価の結果を示す評価結果データを生成する。
【0049】
評価部13は、紫外線防御剤に関する評価として、紫外線防御剤の塗りむら評価、及び紫外線防御剤の性能評価の少なくとも一方を実行する。評価部13は、紫外線防御剤の塗りむら評価、及び紫外線防御剤の性能評価のいずれか一方のみを行うように構成されてもよいし、両方を行うように構成されてもよい。以下、各々について説明する。
【0050】
-紫外線防御剤の塗りむら評価-
本実施形態の塗りむら評価では、
・塗られているところと、塗られていないところを識別する評価、及び、
・塗られているところの中で、塗布量が適切(多すぎず、かつ少なすぎず)なところと、塗布量が不適切(多すぎ、又は少なすぎ)なところを識別する評価、
を行うことができる。
【0051】
正反射光の成分を紫外線画像から除去した加工画像においては、加工画像で示される対象物の表面の各箇所の状態は、各箇所で反射した内部散乱光の強さの程度を示す。各箇所で反射した内部散乱光の強さの程度は、各箇所における紫外線防御剤の塗布量に応じたものとなる。紫外線防御剤の塗布量が増えるほど、反射した内部散乱光の強さは弱くなる。なお、各箇所で反射した紫外線(内部散乱光)の強さの程度、すなわち各箇所における紫外線防御剤の塗布量の程度は、加工画像の輝度値で評価できる。図11に示すように、紫外線防御剤の塗布量が少ないと、内部散乱光の強さは強くなり、輝度値が大きくなる。一方、紫外線防御剤の塗布量が多いと、内部散乱光の強さは弱くなり、輝度値が小さくなる。適切な量の紫外線防御剤を塗布した箇所の加工画像の輝度値に基づき適切な閾値を設定し、加工画像の各箇所の輝度値とこの閾値との比較により、各箇所における紫外線防御剤の塗布量が適切か否かを判定することができる。
【0052】
図11に示すように、適切な量の紫外線防御剤を塗布した箇所の輝度値の上限値を第1の閾値と設定した場合、検出された内部散乱光の強さの程度(輝度値)が第1の閾値より大きい箇所は、紫外線防御剤が全く塗布されていないか、又は塗布されているが塗布量が不適切(少なすぎ)な箇所である。また、適切な量の紫外線防御剤を塗布した部分の輝度値の下限値を第2の閾値と設定した場合、検出された内部散乱光の強さの程度(輝度値)が第2の閾値より小さい箇所は、紫外線防御剤が塗布されているが、塗布量が不適切(多すぎ)な箇所である。検出された内部散乱光の強さの程度(輝度値)が第1の閾値と第2の閾値との間である箇所は、紫外線防御剤が塗布され、塗布量が適切な箇所である。
【0053】
評価部13は、対象物の中で散乱した紫外線(内部散乱光)の強さの程度(輝度値)が第1の閾値より大きい箇所を、紫外線防御剤の塗布量が第1の基準より少ない箇所として検出することができる。そして、評価部13は、当該検出結果を示す評価結果データを生成することができる。
【0054】
「第1の基準」は、紫外線防御剤の塗布量の合否(塗布量が少ない部分)を判定する基準である。第1の基準は、第1の閾値を基準に判定される。第1の閾値は加工画像の輝度値で定義される。第1の閾値は、適切な量の範囲の下限量の紫外線防御剤を塗布した箇所の加工画像の輝度値である。図11に示すように、第1の閾値は、塗布量が不適切(少なすぎる)と判断される不合格レベルの上限値である。換言すれば、第1の閾値が、塗布量が適切と判断される合格レベルの下限値である。加工画像の中で第1の閾値(輝度値)より大きい輝度値の箇所は、紫外線防御剤の塗布量が不適切(少ない)と判断される。塗布量が少なすぎる部分は充分な紫外線防御効果を得られない。
【0055】
評価部13は、評価結果データとして、対象物を示す画像上に、紫外線防御剤の塗りむら評価の結果を重畳した画像を生成することができる。具体的には、評価部13は、対象物を示す画像上に、紫外線防御剤の塗布量が第1の基準より少ない箇所(輝度値が第1の閾値より大きい箇所)を示す情報を重畳し、当該箇所を目立つように識別表示した画像を生成することができる。
【0056】
図6に、評価部13が生成した画像の一例を模式的に示す。図6では、評価部13が生成した画像がユーザ端末20のディスプレイDに表示されている様子が示されている。図示する例では、対象物は人体である。そして、対象物を示す画像上に、点線で一部領域を囲む枠Mが重畳表示されている。枠Mで囲まれた箇所が、紫外線防御剤の塗布量が第1の基準より少ない箇所である。図示する例では、枠Mで囲まれた部分にもう少し紫外線防御剤を塗布することを提案するアドバイスがさらに表示されている。
【0057】
なお、図示する例では、枠Mで囲むことで所定箇所を目立つように識別表示しているが、その他、所定箇所を着色したり、所定箇所にアイコンやスタンプを表示することで目立つような識別表示を実現してもよい。
【0058】
「対象物を示す画像」は、取得部11が取得した紫外線画像であってもよいし、画像加工部12が生成した加工画像であってもよい。その他、取得部11は、紫外線画像に加えて、通常のカメラ(可視光域の光を検出するセンサを備えたカメラ)で対象物を撮影した画像をユーザ端末20から取得してもよい。そして、当該画像を上記「対象物を示す画像」として利用してもよい。また、カメラ機能起動時にユーザ端末20のファインダー(ディスプレイ)に表示される画像を、上記「対象物を示す画像」として利用してもよい。
【0059】
他の例として、図11に示すように、評価部13は、対象物の中で散乱した紫外線(内部散乱光)の強さの程度(輝度値)が第2の閾値より小さい箇所を、紫外線防御剤の塗布量が第2の基準より多い箇所として検出することができる。そして、評価部13は、当該検出結果を示す評価結果データを生成することができる。
【0060】
「第2の基準」は、紫外線防御剤の塗布量の合否(塗布量が多い部分)を判定するもう1つの基準である。第2の基準は、第2の閾値を基準に判定される。第2の閾値は加工画像の輝度値で定義される。第2の閾値は、適切な量の範囲の上限量の紫外線防御剤を塗布した箇所の加工画像の輝度値である。図11に示すように、第2の閾値は、塗布量が不適切(多い)と判断される不合格レベルの下限値である。換言すれば、第2の閾値が、塗布量が適切と判断される合格レベルの上限値である。加工画像の中で第2の閾値(輝度値)より小さい輝度値の箇所は、紫外線防御剤の塗布量が不適切(多すぎる)と判断される。塗布量が多すぎる部分は、使用感の悪化を引き起こす原因になる。また、過剰量の消費により必要以上の紫外線防御剤の購入につながったり(無駄使い)、過剰量の塗布により過剰量の紫外線防御剤を洗い流すことにもなり環境負荷を高める原因にもなり、SDGsの観点から好ましくない。
【0061】
評価部13は、図6に示す手法と同様の手法で、当該検出結果を示す評価結果データを生成することができる。当該例の場合、評価部13は、対象物を示す画像上に、紫外線防御剤の塗布量が第2の基準より多い箇所を示す情報(枠M)を重畳し、当該箇所を目立つように識別表示した画像を生成することができる。この例の場合、枠Mで囲まれた部分には過剰な紫外線防御剤が塗布されていることの通知とともに、それ以外の箇所にもう少し紫外線防御剤を塗布することを提案するアドバイスがさらに表示されてもよい。なお、評価部13は、図6に示す手法と同様の手法で、紫外線防御剤の塗布量が第1の基準より少ない箇所(不合格:少なすぎ)、及び紫外線防御剤の塗布量が第2の基準より多い箇所(不合格:多すぎ)の両方を目立つように識別表示した画像を生成し、出力してもよい。例えば、評価部13は、紫外線防御剤の塗布量が第1の基準より少ない箇所(不合格:少なすぎ)、及び紫外線防御剤の塗布量が第2の基準より多い箇所(不合格:多すぎ)の両方を同じ画面上で各々を識別可能に識別表示した画像を生成し、出力してもよい。
【0062】
評価部13は、検出された紫外線(内部散乱光)の強さの程度(輝度値)が第1の閾値より小さく(紫外線防御剤の塗布量が第1の基準より多い)、かつ第2の閾値より大きい(紫外線防御剤の塗布量が第2の基準より少ない)箇所を、紫外線防御剤の塗布量が適切(合格:多すぎず、少なすぎず)と判断する。
【0063】
-性能評価-
評価部13は、検出された紫外線を任意の値で除算し、紫外線反射率として検出することができる。紫外線反射率は低いほど紫外線防止効果が高いことを意味する。評価部13は、紫外線反射率を示す評価結果データを生成することができる。そして、紫外線反射率に基づいて紫外線防御剤の紫外線防御効果を評価することができる。なお、任意の値としては人の素肌などの平均的な紫外線反射強度でもよいし、紫外線防御剤を塗布する前の対象物の紫外線反射強度でもよい。例えば、以下の式のいずれかで計算できる。
(紫外線反射率)=(紫外線防御剤を塗布した肌の紫外線反射強度)/(紫外線防御剤を塗布していない素肌の平均的な紫外線反射強度)
(紫外線反射率)=(紫外線防御剤を塗布した対象物の紫外線反射強度)/(紫外線防御剤を塗布する前の対象物の紫外線反射強度)
【0064】
図4に戻り、出力部14は、評価部13が生成した評価結果データを出力する。出力部14は、ユーザ端末20に評価結果データを送信する。ユーザ端末20は、受信した評価結果データを、ディスプレイ、投影装置、プリンター等の出力装置を介して出力する。
【0065】
次に、図7のフローチャートを用いて、評価装置10の処理の流れの一例を説明する。
【0066】
まず、評価装置10は、紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像を取得する(S10)。評価装置10は、ユーザ端末20が送信してきた紫外線画像を取得する。
【0067】
次いで、評価装置10は、正反射光の成分を紫外線画像から除去した加工画像を、学習モデルを用いて生成する(S11)。次いで、評価装置10は、加工画像に基づき紫外線防御剤に関する評価を行い、評価の結果を示す評価結果データを生成する(S12)。
【0068】
そして、評価装置10は、S12で生成した評価結果データを出力する(S13)。評価装置10は、評価結果データをユーザ端末20に送信する。ユーザ端末20は、受信した評価結果データを、ディスプレイ、投影装置、プリンター等の出力装置を介して出力する(図6参照)。
【0069】
「作用効果」
本実施形態の評価装置10によれば、ユーザは、自身で紫外線画像を撮影し、当該紫外線画像を評価装置10に送信する操作を行うことで、紫外線防御剤に関する各種評価、具体的には塗りむら評価や性能評価を行うことができる。このように、本実施形態の評価装置10によれば、ユーザは手軽に紫外線防御剤に関する各種評価を行うことが可能となる。
【0070】
また、本実施形態の評価装置10によれば、図6に示すように、紫外線防御剤の塗布量が第1の基準より少ない箇所、及び紫外線防御剤の塗布量が第2の基準より多い箇所の少なくとも一方を目立つように識別表示した画像を生成し、出力することができる。ユーザは、当該画像に基づき、紫外線防御剤の塗布が足りていない箇所や多すぎる箇所を直感的に把握することができる。そして、塗りむらの少ない理想的な塗布状態を獲得することができる。
【0071】
また、学習モデルを用いて「正反射光の成分を紫外線画像から除去した加工画像」を生成し、当該加工画像に基づき紫外線防御剤に関する評価を行う評価装置10によれば、偏光板を用いずに正反射光の成分を除去した紫外線画像を生成し、その紫外線画像に基づき紫外線防御剤に関する評価を行うことができる。
【0072】
<第2の実施形態>
本実施形態の評価装置10は、第1の実施形態で説明した通り、対象物の中で散乱した紫外線(内部散乱光)の強さの程度(輝度値)が第1の閾値より大きい箇所を、紫外線防御剤の塗布量が第1の基準より少ない箇所(塗布量が少なすぎる箇所)として検出する。また、評価装置10は、対象物の中で散乱した紫外線(内部散乱光)の強さの程度(輝度値)が第2の閾値より小さい箇所を、紫外線防御剤の塗布量が第2の基準より多い箇所(塗布量が多すぎる箇所)として検出する。そして、評価装置は、第1の閾値及び第2の閾値を動的に変更することができる。以下、詳細に説明する。
【0073】
第1の実施形態で説明した通り、評価部13は、対象物の中で散乱した紫外線(内部散乱光)の強さの程度(輝度値)が第1の閾値より大きい箇所を、紫外線防御剤の塗布量が第1の基準より少ない箇所(塗布量が少なすぎる箇所)として検出することができる。
【0074】
そして、評価部13は、評価時の日付、時刻、及び紫外線量の予報の中の少なくとも1つに基づき第1の閾値を決定する。すなわち、評価時の日付、時刻、及び紫外線量の予報の中の少なくとも1つに基づき、塗布量が「適切」か「不足している(少なすぎる)」かを判断するための第1の閾値を決定する。
【0075】
また、第1の実施形態で説明した通り、評価部13は、対象物の中で散乱した紫外線(内部散乱光)の強さの程度(輝度値)が第2の閾値より小さい箇所を、紫外線防御剤の塗布量が第2の基準より多い箇所(塗布量が多すぎる箇所)として検出することができる。
【0076】
そして、評価部13は、評価時の日付、時刻、及び紫外線量の予報の中の少なくとも1つに基づき第2の閾値を決定する。すなわち、評価時の日付、時刻、及び紫外線量の予報の中の少なくとも1つに基づき、塗布量が多すぎると判断するための第2の閾値を決定する。
【0077】
地上に降りかかる紫外線の量は、季節に応じて異なり得る。このため、紫外線対策として人体等に塗布すべき紫外線防御剤の塗布量も、季節に応じて異なり得る。評価時の季節に応じた適切な基準で第1の実施形態で説明した塗りむら評価を行うことで、季節に応じた適切な評価結果をユーザに提供することが可能となる。
【0078】
予め、日付と第1の閾値及び第2の閾値の少なくとも一方とを対応付けた対応情報が生成され、評価装置10に登録されている。当該対応情報においては、紫外線量が多い季節ほど第1の閾値が小さくなり、紫外線量が少ない季節ほど第1の閾値が大きくなっている。また、当該対応情報においては、紫外線量が多い季節ほど第2の閾値が小さくなり、紫外線量が少ない季節ほど第2の閾値が大きくなっている。
【0079】
評価部13は、評価時の日付を任意の手段で取得した後、取得した日付に対応する第1の閾値及び第2の閾値の少なくとも一方を当該対応情報の中から取得し、取得した第1の閾値及び第2の閾値の少なくとも一方を用いて第1の実施形態で説明した評価を行う。
【0080】
また、地上に降りかかる紫外線の量は、時刻に応じて異なり得る。このため、紫外線対策として人体等に塗布すべき紫外線防御剤の塗布量も、時刻に応じて異なり得る。評価時の時刻に応じた適切な基準で第1の実施形態で説明した塗りむら評価を行うことで、適切な評価結果をユーザに提供することが可能となる。
【0081】
予め、時刻と第1の閾値及び第2の閾値の少なくとも一方とを対応付けた対応情報が生成され、評価装置10に登録されている。当該対応情報においては、紫外線量が多い時刻ほど第1の閾値が小さくなり、紫外線量が少ない時刻ほど第1の閾値が大きくなっている。また、当該対応情報においては、紫外線量が多い時刻ほど第2の閾値が小さくなり、紫外線量が少ない時刻ほど第2の閾値が大きくなっている。
【0082】
評価部13は、評価時の時刻を任意の手段で取得した後、取得した時刻に対応する第1の閾値及び第2の閾値の少なくとも一方を当該対応情報の中から取得し、取得した第1の閾値及び第2の閾値の少なくとも一方を用いて第1の実施形態で説明した評価を行う。
【0083】
また、近年、紫外線量の予報(紫外線指数と呼んだりする)が発表されている。この予報の内容に応じた適切な基準で第1の実施形態で説明した塗りむら評価を行うことで、適切な評価結果をユーザに提供することが可能となる。
【0084】
予め、予報で示される紫外線量と第1の閾値及び第2の閾値の少なくとも一方とを対応付けた対応情報が生成され、評価装置10に登録されている。当該対応情報においては、予測される紫外線量が多いほど第1の閾値が小さくなり、予測される紫外線量が少ないほど第1の閾値が大きくなっている。また、当該対応情報においては、予測される紫外線量が多いほど第2の閾値が小さくなり、予測される紫外線量が少ないほど第2の閾値が大きくなっている。
【0085】
評価部13は、評価時の予報の内容を任意の手段で取得した後、取得した予報の内容に対応する第1の閾値及び第2の閾値の少なくとも一方を当該対応情報の中から取得し、取得した第1の閾値及び第2の閾値の少なくとも一方を用いて第1の実施形態で説明した評価を行う。なお、予報で示される紫外線量は、「mW/cm」等の単位で示される紫外線強度であってもよいし、「強い、やや強い、普通、やや弱い、弱い」等のように上記紫外線強度を任意の手法で表現した値であってもよい。
【0086】
上述したように、評価部13は、第1の閾値及び第2の閾値の少なくとも一方を決定し、決定した内容に基づき紫外線防御剤の塗りむら評価を行うことができる。本実施形態の評価装置10のその他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0087】
本実施形態の評価装置10によれば、第1の実施形態の評価装置10と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の評価装置10によれば、季節、時刻、紫外線量の予報の内容等に応じた適切な基準で、塗りむら評価を行うことができる。結果、その時の状況に応じた適切な評価結果をユーザに提供することが可能となる。
【0088】
<第3の実施形態>
本実施形態の評価装置10は、第1の実施形態で説明した「検出された紫外線(内部散乱光)の強さ」の程度(輝度値)に関する第1の閾値及び第2の閾値を、第2の実施形態と異なる手法で動的に変更することができる。以下、詳細に説明する。
【0089】
評価部13は、ユーザが入力した行動予定を示す情報を取得する。当該情報では、外出する時間の長さ、及び外出している時刻の少なくとも一方が示される。ユーザは、ユーザ端末20を操作して当該情報を入力する。そして、ユーザ端末20から評価装置10に当該情報が送信される。
【0090】
当該ユーザ入力を受付ける手段は、あらゆる技術を用いて実現される。例えば、ユーザ端末20にインストールされている評価サービス専用のアプリケーションプログラム(ソフトウエア)を用いて実現されてもよい。その他、評価サービス専用のウェブページ上で当該情報の入力を受付ける入力フォームが設けられていてもよい。
【0091】
予め、外出している時間の長さと第1の閾値及び第2の閾値の少なくとも一方とを対応付けた対応情報が生成され、評価装置10に登録されている。当該対応情報においては、外出している時間が長いほど第1の閾値が小さくなり、外出している時間が短いほど第1の閾値が大きくなっている。また、当該対応情報においては、外出している時間が長いほど第2の閾値が小さくなり、外出している時間が短いほど第2の閾値が大きくなっている。
【0092】
評価部13は、ユーザが入力した行動予定を示す情報に基づき外出する時間の長さを特定した後、特定した時間の長さに対応する第1の閾値及び第2の閾値の少なくとも一方を当該対応情報の中から取得し、取得した第1の閾値及び第2の閾値の少なくとも一方を用いて第1の実施形態で説明した評価を行う。
【0093】
また、予め、外出している時刻と第1の閾値及び第2の閾値の少なくとも一方とを対応付けた対応情報が生成され、評価装置10に登録されている。当該対応情報においては、紫外線量が多い時刻ほど第1の閾値が小さくなり、紫外線量が少ない時刻ほど第1の閾値が大きくなっている。また、当該対応情報においては、紫外線量が多い時刻ほど第2の閾値が小さくなり、紫外線量が少ない時刻ほど第2の閾値が大きくなっている。
【0094】
評価部13は、ユーザが入力した行動予定を示す情報に基づき外出する時刻を特定した後、特定した時刻に対応する第1の閾値及び第2の閾値の少なくとも一方を当該対応情報の中から取得する。なお、外出する時間が長く、外出する時刻が多岐に渡る場合、それら時刻に対応する複数の第1の閾値の中の最小値を取得してもよい。また、外出する時間が長く、外出する時刻が多岐に渡る場合、それら時刻に対応する複数の第2の閾値の中の最小値を取得してもよい。そして、評価部13は、取得した第1の閾値及び第2の閾値の少なくとも一方を用いて第1の実施形態で説明した評価を行う。
【0095】
本実施形態の評価装置10のその他の構成は、第1及び第2の実施形態と同様である。
【0096】
本実施形態の評価装置10によれば、第1及び第2の実施形態の評価装置10と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の評価装置10によれば、ユーザの行動予定に応じた適切な基準で、塗りむら評価を行うことができる。結果、状況に応じた適切な評価結果をユーザに提供することが可能となる。
【0097】
<第4の実施形態>
本実施形態の評価装置10は、図8に示すように、サーバ1でなく、ユーザ端末20である点で、第1乃至第3の実施形態と異なる。
【0098】
ユーザ端末20に評価サービス専用のアプリケーションプログラム(ソフトウエア)をインストールすることで、ユーザ端末20内に、取得部11、画像加工部12、評価部13及び出力部14を有する評価装置10が実現される。
【0099】
本実施形態の取得部11は、ユーザ端末20(評価装置10)が備える紫外線カメラ機能を利用して紫外線画像を撮影することで、紫外線画像の取得を実現する。画像加工部12及び評価部13の機能は、第1乃至第3の実施形態で説明した通りである。出力部14は、評価結果データを、ディスプレイ、投影装置、プリンター等の出力装置を介して出力する(図6参照)。なお、室内照明には、一般には紫外線が含まれないものが多いので、室内での撮影では紫外線が含まれる光源を利用する。例えば、ユーザ端末20(評価装置10)に紫外線を含むLEDを取り付けて利用することもできる。
【0100】
本実施形態の評価装置10のその他の構成は、第1乃至第3の実施形態と同様である。
【0101】
本実施形態の評価装置10によれば、第1乃至第3の実施形態の評価装置10と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の評価装置10によれば、評価装置10内ですべての処理を完結することができる。このため、外部装置と通信できない状況下でも、ユーザは、当該評価サービスを利用することができる。
【0102】
<第5の実施形態>
図10に示すように、本実施形態では、本発明の評価装置が評価システム100として構成され取得部11と、画像加工部12と、評価部13と、出力部14とを有する。評価システム100は、専用回線もしくは公衆回線で構成される通信ネットワーク30を介して互いに通信可能に接続された複数の装置で構成される。一例として、評価システム100は、サーバ1と、少なくとも1台、好ましくは複数台のユーザ端末20とで構成される。
【0103】
評価システム100が備える複数の機能部(取得部11、画像加工部12、評価部13、及び出力部14)は、複数の装置の中の任意の装置が備える。一例として、複数台のユーザ端末20が各々取得部11及び出力部14を備え、サーバ1が画像加工部12及び評価部13を備えてもよい。他の例として、複数台のユーザ端末20が各々取得部11、画像加工部12及び出力部14を備え、サーバ1が評価部13を備えてもよい。他の例として、複数台のユーザ端末20が各々取得部11、評価部13及び出力部14を備え、サーバ1が画像加工部12を備えてもよい。なお、ここで例示した組み合わせはあくまで一例であり、評価システム100は、あらゆる組み合わせを採用することができる。学習モデルを入れ替えることの容易さから、サーバ1は、少なくとも学習モデルを含む画像加工部12を備えるのが好ましい。なお、室内照明には、一般には紫外線が含まれないものが多いので、室内での撮影では紫外線が含まれる光源を利用する。例えば、ユーザ端末20(評価装置10)に紫外線を含む LEDを取り付けて利用することもできる。
【0104】
本実施形態の取得部11、画像加工部12、評価部13及び出力部14の構成および作用は、第1乃至第4の実施形態と同様である。
【0105】
本実施形態の評価システム100によれば、第1乃至第4の実施形態の評価装置10と同様の作用効果が実現される。
【0106】
<変形例>
以下、第1乃至第5の実施形態に適用可能な変形例を説明する。
【0107】
「変形例1」
ユーザ端末20が備える紫外線カメラ機能を利用して紫外線画像を撮影する際、図9に示すように、ファインダー(ディスプレイ)に表示される画像上に、顔の位置や大きさを適切に導くための枠Wが重畳表示されてもよい。
【0108】
この枠W内に顔が収まるように撮影することで、カメラと顔との距離や画角を自然に適切な状態に合わせることができる。結果、評価部13による評価を高精度に行うことが可能な紫外線画像を撮影することが可能となる。
【0109】
例えば、ユーザ端末20にインストールされた評価サービス専用のアプリケーションプログラム(ソフトウエア)内で、紫外線画像を撮影する機能が提供されてもよい。そして、評価サービス専用のアプリケーションプログラムを起動し、紫外線画像を撮影する機能を立ち上げると、ユーザ端末20のディスプレイがファインダーとなり、当該ファインダーにリアルタイムな撮影画像が表示されるとともに、ファインダーに表示された画像上に上記枠Wが重畳表示されてもよい。
【0110】
その他、評価サービス専用のウェブページ内で、紫外線画像を撮影する機能が提供されてもよい。そして、評価サービス専用のウェブページにアクセスし、紫外線画像を撮影する機能を立ち上げると、ユーザ端末20のディスプレイがファインダーとなり、当該ファインダーにリアルタイムな撮影画像が表示されるとともに、ファインダーに表示された画像上に上記枠Wが重畳表示されてもよい。
【0111】
「変形例2」
ユーザは、対象物と標準パッチが紫外線画像に含まれるように撮影する。例えば、標準パッチを対象物の表面に貼付した状態で撮影してもよいし、標準パッチを手に持ったり、所定の物体に貼付して撮影してもよい。標準パッチは、紫外線に対する反射率が既知のものである。
【0112】
そして、ユーザは紫外線防御剤を塗布した後の紫外線画像の明るさが標準パッチよりも暗くなるまで、紫外線防御剤を塗布する。たとえば標準パッチとして紫外線防御剤を推奨使用量塗布した状態と同じ反射率となるものを用意すれば、上述のように紫外線画像の明るさが標準パッチよりも暗くなるまで紫外線防御剤を塗布することで、ユーザは推奨使用量以上の紫外線防御剤を塗布することができる。
【0113】
「変形例3」
ユーザ端末20を利用して紫外線画像を撮影する際に、ファインダー(ディスプレイ)に表示される画像上に、目標となる色をガイドとして表示してもよい。
【0114】
そして、変形例2と同様に、ユーザは紫外線防御剤を塗布した後の紫外線画像の色が色ガイドと同様の色調になるまで、紫外線防御剤を塗布する。たとえば色ガイドとして紫外線防御剤を推奨使用量塗布した状態と同じ色となるものをあらかじめ用意すれば、上述のように紫外線画像の色が標準パッチよりと同様の色調になるまで紫外線防御剤を塗布することで、ユーザは推奨使用量以上の紫外線防御剤を塗布することができる。
【0115】
「変形例4」
ユーザ端末20を利用して紫外線画像を撮影する際に、紫外線画像に含まれる複数の画像の中で飽和画素が占める割合が既定の値(例:50%、40%、30%、20%等)以下になるように調整してもよい。例えば画像の明るさが、0~255の範囲で表現される場合(なお、0が最も暗く、255が最も明るい)、255以上の明るさの画素が飽和画素となる。このようにすることで、紫外線画像の明るさが調整され、視認しやすくなる。上記飽和画素が占める割合は、光源が写り込んでいるか否か、カメラと被写体の距離、カメラの角度等に起因して変化する。例えば、光源が存在している場合、またカメラが被写体に近い場合、また、正反射光が多く検出されるカメラの角度である場合に、飽和画素が発生しやすくなる。ユーザ自身が、上記飽和画素が占める割合が既定の値以下になるように、撮影環境を調整する。
【0116】
例えば、サーバ1又はユーザ端末20が、紫外線画像を解析し、飽和画素が占める割合が既定の値以下になっているか判断してもよい。そして、飽和画素が占める割合が既定の値以下になっていないと判断した場合、ユーザ端末20は、「光源が写り込まないようにしてください」、「カメラを被写体から離してください」、「カメラの角度を変えてください」等のアドバイスをユーザに向けて出力してもよい。
【0117】
「変形例5」
出力部14は、評価結果に基づいて決定した商品紹介情報を出力してもよい。例えば、「こすれで取れてしまう」という評価結果となった場合、出力部14は、こすれで取れにくい商品を紹介する商品紹介情報を出力することができる。当該評価は、例えば紫外線防御剤が塗布された対象物に対して摩擦前後の加工画像を取得し、摩擦前後の加工画像の明るさの変化率に基づき行われる。変化率が閾値(予め設定した数値)以上である場合、こすれで取れてしまうと評価できる。
【0118】
予め、評価部13が算出し得る複数の評価結果各々と、各評価結果時に推奨される商品とを対応付けた対応情報が評価装置10又は評価システム100に記憶されている。出力部14は、当該対応情報に基づき、各評価結果となった場合に紹介する商品を特定する。
【0119】
「変形例6」
出力部14は、評価時の季節に応じたケア情報を出力してもよい。予め、複数の季節各々と、各季節の時に推奨される肌ケアの内容を示すケア情報とを対応付けた対応情報が評価装置10又は評価システム100に記憶されている。出力部14は、当該対応情報に基づき、評価時に紹介するケア情報を特定する。
【0120】
「変形例7」
評価装置10又は評価システム100が紫外線量の予報を任意の手段で取得してもよい。そして、出力部14は、その予報の内容を示す情報を出力してもよい。
【0121】
「変形例8」
取得部11は、紫外線防御剤の塗膜を表面に配置していない対象物を通常のカメラ(可視光域の光を検出するセンサを備えたカメラ)で撮影した画像を取得してもよい。評価部13は、当該画像を利用してメラニンを目立つように可視化してもよい。
【0122】
メラニンは素肌に対して輝度値が低く撮影される。すなわち、画像内のメラニンの領域の輝度値は、周辺の素肌の領域よりも輝度値が低くなる。素肌(=紫外線防御剤の塗膜を表面に配置していない対象物)の撮影時にはある一定の輝度値以下の領域をメラニンの領域と定義し、そのメラニンの領域の内部やメラニンの領域の外縁を画像上で着色等することで、目立つように可視化することが可能である。
【0123】
メラニンは紫外線を吸収する生体色素であるため、メラニンが多い領域(例えば、顔の中でシミのある領域)はメラニンの少ない周辺領域と比較して紫外線画像の輝度値は低くなる。すなわち、紫外線画像内のメラニンの多い領域の輝度値は、メラニンの少ない周辺の素肌の領域よりも輝度値が低くなる。撮影された紫外線画像のある一定の輝度値以下の領域をメラニンの多い領域と設定し、その領域やその領域の外縁を紫外線画像上もしくは可視光画像上で着色などすることで、目立つように可視化することが可能である。
【0124】
「変形例9」
評価部13は、加工画像に基づき紫外線防御剤に関する評価の結果を示す評価結果データを生成することができる。具体的には、評価部13は、加工画像自体を評価結果データとすることができる。当該変形例では、出力部14は、評価結果データとして加工画像を出力する。
【0125】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。上述した実施形態の構成は、互いに組み合わせたり、一部の構成を他の構成に入れ替えたりしてもよい。また、上述した実施形態の構成は、趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもよい。また、上述した各実施形態や変形例に開示される構成や処理を互いに組み合わせてもよい。
【0126】
また、上述の説明で用いたフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施の形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施の形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施の形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0127】
上記の実施の形態の一部または全部は、以下のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. 紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像を取得する取得部と、
正反射光の成分を前記紫外線画像から除去した加工画像を、学習モデルを用いて生成する画像加工部と、
前記加工画像に基づき前記紫外線防御剤に関する評価の結果を示す評価結果データを生成する評価部と、
前記評価結果データを出力する出力部と、
を有する評価装置。
2. 前記評価部は、前記紫外線防御剤に関する評価として、前記紫外線防御剤の塗りむら評価を行う1に記載の評価装置。
3. 前記評価部は、前記評価結果データとして、前記対象物を示す画像上に、前記紫外線防御剤の塗りむら評価の結果を重畳した画像を生成する2に記載の評価装置。
4. 前記評価部は、前記紫外線防御剤の塗布量が第1の基準より少ない箇所、及び前記紫外線防御剤の塗布量が第2の基準より多い箇所の一方、又は両方を識別表示した前記画像を生成する3に記載の評価装置。
5. 前記評価部は、評価時の日付、時刻、及び紫外線量の予報の中の少なくとも1つに基づき、前記第1の基準及び前記第2の基準の少なくとも一方を決定する4に記載の評価装置。
6. 前記評価部は、
ユーザが入力した行動予定を示す情報を取得し、
前記行動予定に基づき、前記第1の基準及び前記第2の基準の少なくとも一方を決定する4又は5に記載の評価装置。
7. 前記評価部は、前記紫外線防御剤に関する評価として、前記紫外線防御剤の性能評価を行う1から6のいずれかに記載の評価装置。
8. 前記評価部は、前記紫外線防御剤に関する評価として、前記紫外線防御剤の塗りむら評価、及び記紫外線防御剤の性能評価を行う1に記載の評価装置。
9. 前記取得部は、偏光板を用いた正反射光の成分を除去する処理がなされていない前記紫外線画像を取得し、
前記画像加工部は、前記紫外線画像から前記加工画像を生成する1に記載の評価装置。
10. 前記評価装置は、ユーザ端末である1に記載の評価装置。
11. 紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像を取得する取得部と、
反射光の成分を前記紫外線画像から除去した加工画像を、学習モデルを用いて生成する画像加工部と、
前記加工画像に基づき前記紫外線防御剤に関する評価の結果を示す評価結果データを生成する評価部と、
前記評価結果データを出力する出力部と、
を有する評価システム。
12. コンピュータが、
紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像を取得し、
正反射光の成分を前記紫外線画像から除去した加工画像を、学習モデルを用いて生成し、
前記加工画像に基づき前記紫外線防御剤に関する評価の結果を示す評価結果データを生成し、
前記評価結果データを出力する、
評価方法。
13.コンピュータを、
紫外線防御剤の塗膜を表面に配置した対象物を撮影した紫外線画像を取得する取得手段、
正反射光の成分を前記紫外線画像から除去した加工画像を、学習モデルを用いて生成する画像加工手段、
前記加工画像に基づき前記紫外線防御剤に関する評価の結果を示す評価結果データを生成する評価手段、
前記評価結果データを出力する出力手段、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0128】
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
4A 周辺回路
5A バス
1 サーバ
10 評価装置
11 取得部
12 画像加工部
13 評価部
14 出力部
20 ユーザ端末
30 通信ネットワーク
100 評価システム
図1
図2
図3
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図12