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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168302
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】仕切り構造体
(51)【国際特許分類】
   E04H 17/16 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
E04H17/16 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078660
(22)【出願日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】P 2022078691
(32)【優先日】2022-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】相澤 雅也
(72)【発明者】
【氏名】永田 幸自
(72)【発明者】
【氏名】桑本 護
(72)【発明者】
【氏名】野崎 吉紀
(72)【発明者】
【氏名】山崎 隆
【テーマコード(参考)】
2E142
【Fターム(参考)】
2E142DD02
2E142DD06
2E142DD13
2E142DD23
2E142HH03
2E142HH13
2E142HH22
2E142HH25
(57)【要約】
【課題】組み立て性及び製造性に優れた仕切り構造体を提供する。
【解決手段】長手方向に沿う中空部を有し、前記中空部と外部とを連通するスリットを備えた胴縁と、空間を仕切る仕切り面を形成し、端部が前記中空部に収容され前記スリットを通して配置される仕切り部材と、を備え、前記仕切り部材は、長手方向に沿って設けられ前記中空部内にて前記仕切り面の面外方向における両側に張り出す張出部と、前記中空部内にて前記張出部と交差する方向に突出する突出部と、を有しており、前記胴縁は、前記張出部により前記面外方向の移動が規制され、前記張出部と前記突出部とにより上下方向の移動が規制された状態で前記長手方向にスライド可能であることを特徴とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に沿う中空部を有し、前記中空部と外部とを連通するスリットを備えた胴縁と、
空間を仕切る仕切り面を形成し、端部が前記中空部に収容され前記スリットを通して配置される仕切り部材と、
を備え、
前記仕切り部材は、長手方向に沿って設けられ前記中空部内にて前記仕切り面の面外方向における両側に張り出す張出部と、前記中空部内にて前記張出部と交差する方向に突出する突出部と、を有しており、
前記胴縁は、前記張出部により前記面外方向の移動が規制され、
前記張出部と前記突出部とにより上下方向の移動が規制された状態で前記長手方向にスライド可能であることを特徴とする仕切り構造体。
【請求項2】
請求項1に記載の仕切り構造体であって、
前記胴縁は、面外方向に間隔を空けて対向する一対の壁部と、前記一対の壁部の端から互いに対向する側に延出され、互いの間に前記スリットを形成する延出部と、前記一対の壁部間を繋ぎ、前記面外方向と交差する方向に間隔を空けて設けられ前記延出部と対向する対向部と、を有し、
前記張出部は、張り出している先端が前記一対の壁部と対向すると共に、上側または下側のいずれか一方が前記延出部と対向し、
前記突出部は、突出している先端が前記対向部と対向していることを特徴とする仕切り構造体。
【請求項3】
請求項2に記載の仕切り構造体であって、
両側の前記張出部の先端の間隔は、前記スリットの幅より広いことを特徴とする仕切り構造体。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の仕切り構造体であって、
前記仕切り部材は、上下方向に沿って配置され端部が前記中空部に収容される縦材を有し、
前記縦材に取り付けられ、前記張出部と前記突出部とを備えた取付部材と、
を有することを特徴とする仕切り構造体。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の仕切り構造体であって、
前記張出部の長手方向における少なくとも一方の端部に、前記突出部とは反対側にて前記胴縁を押圧する押圧部を備えていることを特徴とする仕切り構造体。
【請求項6】
請求項5に記載の仕切り構造体であって、
前記押圧部は、前記突出部とは反対側に突出して設けられており、
前記押圧部の突出量は、前記突出部の先端と前記胴縁との間隔より大きいことを特徴とする仕切り構造体。
【請求項7】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の仕切り構造体であって、
前記胴縁は、長手方向における少なくとも一方の端部に、前記中空部内にて前記突出部に当接し、前記仕切り部材を前記スリットの外方向に押圧する押圧部を備えていることを特徴とする仕切り構造体。
【請求項8】
長手方向に沿う中空部を有し、前記中空部と外部とを連通するスリットを備えた胴縁と、
空間を仕切る仕切り面を形成し、端部が前記中空部に収容され前記スリットを通して配置される仕切り部材と、
を備え、
前記仕切り部材は、長手方向に沿って設けられ前記中空部内にて前記仕切り面の面外方向における両側に張り出す張出部と、前記中空部内にて前記張出部と交差する方向に突出する突出部と、を有し、
前記張出部は、その一部から面外方向に突出して前記胴縁と対向する突出対向部を有しており、
前記胴縁は、前記突出対向部により前記面外方向の移動が規制され、
前記張出部と前記突出部とにより上下方向の移動が規制された状態で前記長手方向にスライド可能であることを特徴とする仕切り構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間を仕切る仕切り面を形成する仕切り部材を有する仕切り構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、上桟、下桟、縦桟、小桟および上下枠により構成される本体部が、支柱およびブラケットで支持されたフェンスは、知られている(例えば、特許文献1参照)。このフェンスは、一対の縦桟と一対の上下枠及び小桟とがそれぞれ連結され上下枠が上下桟に組み付けられた本体部が、地面等に立設された支柱に本体部がブラケットにより支持されている。そして、上下枠は、フェンスの面外方向に張り出す張出部を有しており、断面が略U字状をなす上桟および下桟の内面に対向させて設けられているスライドガイドに、張出部がスライド可能に把持されて連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-85301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記フェンスのような従来の仕切り構造体は、本体部が有する上下枠の張出部が、上桟及び下桟のスライドガイドに把持されているが、スライドガイドは、薄い略板状の張出部を上下から挟むように設けられており、張出部を上下に挟む部位の間隔は狭く形成されている。このため、上下枠を、上桟及び下桟の長手方向にスライドさせて取り付ける際には、上下枠と上桟及び下桟とが、ほぼ水平な状態を保ちつつスライドさせる必要があり、作業が繁雑であり組み立て性が悪い。
【0005】
また、スライドガイド及び張出部の形状が複雑であると共に、滑らかにスライドさせるためには、長手方向に沿って設けられ狭い隙間のスライドガイド及び薄い略板状の張出部を、各々高い精度で製造する必要があり、製造性が悪いという課題があった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、組み立て性及び製造性に優れた仕切り構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するための主たる発明は、長手方向に沿う中空部を有し、前記中空部と外部とを連通するスリットを備えた胴縁と、空間を仕切る仕切り面を形成し、端部が前記中空部に収容され前記スリットを通して配置される仕切り部材と、を備え、前記仕切り部材は、長手方向に沿って設けられ前記中空部内にて前記仕切り面の面外方向における両側に張り出す張出部と、前記中空部内にて前記張出部と交差する方向に突出する突出部と、を有しており、前記胴縁は、前記張出部により前記面外方向の移動が規制され、前記張出部と前記突出部とにより上下方向の移動が規制された状態で前記長手方向にスライド可能であることを特徴とする仕切り構造体である。
本発明の他の特徴については、本明細書および添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、組み立て性及び製造性に優れた仕切り構造体を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る格子ユニットを示す外観図である。
図2】本実施形態に係る格子ユニットを示す縦断面図である。
図3】上胴縁及び取付部材を示す斜視図である。
図4】パネル体の上部を上胴縁の長手方向に沿う方向から見た図である。
図5】取付部材が取り付けられた格子体に胴縁をスライドする様子を示す斜視図である。
図6】取付部材に設けられた押圧部を示す図である。
図7】押圧部の変形例を示す図である。
図8】格子ユニットの変形例における上胴縁及び取付部材を示す斜視図である。
図9】格子ユニットの変形例における取付部材を上胴縁の長手方向に沿う方向から見た図である。
図10】突出対向部を上方から見た図である。
図11】突出対向部の変形例を上方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る仕切り構造体について図面を参照して説明する。
本実施形態においては、図1図2に示すように、例えばブロック塀などに設けられ建物側となる内側と道路などの外側との境界に設けられて空間を仕切る仕切り構造体としての格子ユニットを例に挙げて説明する。
【0010】
本実施形態の格子ユニット1は、互いに間隔を隔てて立設された2本の柱2と、柱2に取り付けられるパネル体3と、を備えている。
以下の説明においては、立設されている状態の格子ユニット1を外側(道路側)から見たときに、上下となる方向を上下方向、左右となり格子ユニット1の幅方向を左右方向、左右方向と直交する方向を奥行き方向として示す。格子ユニット1の各部位であっても、また、格子ユニット1を構成する各部材については単体の状態であっても、立設されている状態にて上下方向、左右方向、奥行き方向となる方向にて方向を特定して説明する。
【0011】
柱2は、長手方向に貫通する中空部を有する角パイプ状の部材である。パネル体3は、図2に示すように、柱2の外側(道路側)に臨む側面2aに当接され、柱2の下部に固定された支持部材4に支持されると共に、上端が連結部材5により柱2に取り付けられている。
【0012】
パネル体3は、上胴縁6及び下胴縁7と、上胴縁6と下胴縁7との間に設けられ、仕切り部材としてのパネル本体10と、を有している。パネル本体10は、後述する格子体8と、格子体8の上端部及び下端部をそれぞれ上胴縁6または下胴縁7に取り付ける取付部材9と、を有している。
【0013】
上胴縁6及び下胴縁7は、いずれも長手方向を押し出し方向として成形された押出成形材であり、断面形状が略矩形状をなし、長手方向に貫通する中空部6a、7aを有している。上胴縁6及び下胴縁7は、上下に間隔を空けて配置されて互いに対向する面に、長手方向に沿ってスリット6b、7bが設けられている。上胴縁6及び下胴縁7の中空部6a、7aには、取付部材9が取り付けられた格子体8、すなわち格子本体10の、後述する縦材80の上端部80aが上胴縁6に収容され、下端部80bが下胴縁7に収容されて、格子体8はスリット6b、7bを通して上胴縁6及び下胴縁7に亘るように配置されている。
【0014】
上胴縁6及び下胴縁7において、格子体8の縦材80の上端部80a及び下端部80bと取付部材9が、中空部6a、7aに収容される部位の構成は、同一であって上下が反転している。このため、胴縁6、7の構成について上胴縁6を例に挙げて説明する。
【0015】
上胴縁6は、図3図4に示すように、奥行き方向に間隔を空けて対向する一対の壁部6cと、一対の壁部6cの下端から各々、対向する側に延出された一対の延出部6dと、一対の壁部6c間を繋ぎ、延出部6dの上方に間隔を空けて設けられ、延出部6dと対向する対向部6eと、を有している。奥行き方向に対向する一対の延出部6dの延出された先端の間がスリット6bをなし長手方向に沿って設けられている。対向部6eは、上胴縁6内の中空部6aを上下に区画しており、中空部6aの下側部分は、スリット6bを通して外部と連通している。
【0016】
格子体8は、図1図5に示すように、左右方向に間隔を空けて配置される4本の縦材80と、隣り合う縦材80の対向する側面間に設けられる複数の横格子材82とが格子状に連結されている。格子体8の縦材80と横格子材82により仕切り面8aが形成され、仕切り面8aの面外方向が奥行き方向となる。
【0017】
4本の縦材80は、上胴縁6と下胴縁7との間隔よりも長く形成されている。各縦材80は、上端部80aが上胴縁6の中空部6aに、また、下端部80bが下胴縁7の中空部7aに収容される。
【0018】
取付部材9は、長手方向を押し出し方向として成形された押出成形材であり、格子体8の上端と下端とにそれぞれ配置されて、各縦材80に取り付けられている。取付部材9は、図3に示すように、水平に配置される水平板部9aと、水平板部9aと交差する直交方向、すなわち垂直に立設された鉛直板部9bと、を有している。取付部材9は、上胴縁6及び下胴縁7とほぼ同じ長さを有している。
【0019】
水平板部9aには、長手方向において、縦材80が配置される位置に、格子体8の縦材80の上端部80aまたは下端部80bが突出される切り欠き部9cが設けられている。切り欠き部9cは、内側が開放されたコ字状をなしており、長手方向の幅は、縦材80の幅より僅かに広く形成されている。水平板部9aは、切り欠き部9cに上端部80aまたは下端部80bが配置されたときに、縦材80の内側に臨む側面及び外側に臨む側面よりも奥行き方向にそれぞれ張り出す張出部9dを有している。すなわち、水平板部9aにおいて縦材80の上端部80aまたは下端部80bよりも奥行き方向に張り出している部位が張出部9dに相当し、張出部9dと交差する直交方向に突出する鉛直板部9bが突出部に相当する。上端部80aまたは下端部80bの内側に張り出す張出部9dと外側に張り出す張出部9dの張り出し量はほぼ等しく形成されている。
【0020】
鉛直板部9bは、切り欠き部9cにおける長手方向に沿う縁の位置に配置されており、長手方向の全長に亘って設けられている。鉛直板部9bは、切り欠き部9cに配置されて水平板部9aよりも突出する上端部80aまたは下端部80bの外側に臨む側面と対面して当接するように配置される。取付部材9は、鉛直板部9bが縦材80にビスやクリンチング接合などにより固定されている。取付部材9が縦材80に固定された状態では、鉛直板部9bの先端と縦材80の先端の位置はほぼ一致している。
【0021】
格子体8は、取付部材9が上下の端部に取り付けられたパネル本体10の状態で、図4に示すように、取付部材9及び上端部80aまたは下端部80bが、上胴縁6及び下胴縁7の、スリット6b、7bにより外部と連通する中空部6a、7aに収容される。縦材80に取り付けられた取付部材9が、上胴縁6及び下胴縁7に収容された状態は、上下の方向が相違するだけなので、ここでは上胴縁6側を例に挙げて、取付部材9及び上端部80aが上胴縁6の中空部6aに収容された状態について説明する。
【0022】
取付部材9及び上端部80aが上胴縁6の中空部6aに収容された状態では、図4に示すように、上胴縁6の一対の延出部6dの上面と、取付部材9の張出部9dの下面とが対面し、上胴縁6の対向部6eの下面と鉛直板部9bの上端と縦材80の上端とが近接して対向している。また、上胴縁6の一対の壁部6cの内面と、取付部材9の張出部9dの先端9eとが近接して対向している。
【0023】
上胴縁6の延出部6dの上面と対向部6eの下面との間隔W1は、張出部9dの下面から鉛直板部9bの先端9fまでの高さH1より僅かに広く、上胴縁6の一対の壁部6cの内面間の間隔W2は、水平板部9aの奥行き方向の幅、すなわち両側の張出部9dの先端9eの間隔W3より僅かに広く形成されている。このため、上胴縁6の延出部6dの上面と張出部9dの下面、及び、鉛直板部9bの先端9fと対向部6eの少なくとも一方は、僅かな隙間を有して近接しており、上胴縁6の一対の壁部6cの内面と水平板部9aの先端の少なくとも一方は、僅かな隙間を有して近接している。
【0024】
これらの隙間は、例えば、製造公差及び組み立て公差を積み上げたときに、格子体8に取り付けられた取付部材9の水平板部9aの先端が上胴縁6の一対の壁部6cの内面と干渉しないように、また、鉛直板部9bの先端9fが対向部6eと干渉しないように、設けられる僅かな隙間である。このため、取付部材9が取り付けられた格子体8の上端部が、上胴縁6の中空部6aに収容されると、僅かな隙間を有しつつも、上胴縁6内における取付部材9及び格子体8の上端部80aの上下方向及び奥行き方向の移動が規制される。
【0025】
また、取付部材9が取り付けられた格子体8の上端部が、上胴縁6の中空部6aに収容されるように、上胴縁6を長手方向に沿ってスライドさせて、格子体8に上胴縁6を取り付けることが可能であり、スライドする際には、取付部材9の張出部9d及び鉛直板部9bの先端9fが上胴縁6を案内するガイドとなる。
【0026】
また、取付部材9には、図6に示すように、長手方向における一方の端側の水平板部9aの張出部9dに、対向する延出部6d側に突出する押圧部9gが設けられている。押圧部9gは、例えばプレス加工などにより張出部9dを窪ませて形成されている。押圧部9gの突出量L1は、延出部6dの上面に張出部9dの下面が当接する状態における鉛直板部9bの先端9fと対向部6eとの間に生じる隙間よりも大きく設定されている。このため、押圧部9gは、取付部材9の他方の端側から上胴縁6をスライドしたときに、上胴縁6のスライド方向における先端が、押圧部9gが設けられている位置に移動すると、対向する延出部6dを下方に押圧する。そして、格子体8に上胴縁6が取り付けられた状態では、押圧部9gが延出部6dを押圧しているので、上胴縁6のスライド移動が抑制されて固定される。
【0027】
本実施形態の格子ユニット1によれば、上胴縁6及び下胴縁7は、格子体8に取り付けられた取付部材9により、仕切り面8aの面外方向及び上下方向の移動が規制された状態で長手方向にスライド可能なので、上胴縁6及び下胴縁7を、容易にスライドさせることが可能であり、上胴縁6及び下胴縁7の中空部6a、7aに、格子体8が有する縦材80の上端部80a及び下端部80bを挿通して、格子体8の端部に上胴縁6及び下胴縁7を容易に備えることが可能である。
【0028】
このとき、上胴縁6及び下胴縁7の面外方向の規制は、上胴縁6及び下胴縁7内に配置されて面外方向における両側に張り出す張出部9dにより規制され、上下方向における規制は、胴縁6、7内に配置される張出部9dと、張出部9dと交差する方向に突出する鉛直板部9bとにより規制される。このため、規制される部位は、面外方向及び上下方向においていずれも離れているので、例えば、間隔の狭い部位に把持または挟持されることにより規制される場合よりも、僅かな傾きが許容されやすく自由度が高い。このため、間隔の狭い部位に把持または挟持されてスライドする場合よりも滑らかにスライドさせることが可能であり組み立て性に優れている。
【0029】
また、胴縁6、7の面外方向及び上下方向の規制をする部位として、間隔が狭い部位を設ける必要がないので、製造及び加工において高い精度が要求されない。このため、製造性に優れている。
【0030】
また、面外方向を規制する部位は、上胴縁6において面外方向に間隔を空けて対向する一対の壁部6cと、各々の壁部6cと対向する張出部9dの先端9eなので、例え接触しても接触面積が小さいため、摩擦による負荷は小さい。また、上下方向の規制は、上胴縁6の延出部6d及び延出部6dと間隔を空けて対向する対向部6eと、延出部6dと対向する張出部9dの上側または下側のいずれか一方及び対向部6eと対向する鉛直板部9bの先端9fなので、鉛直板部9bの先端9fが例え接触したとしても摩擦による負荷は小さく、また、張出部9dが接触したとしても上側または下側のいずれか一方だけなので、上下が挟持されている場合よりも摩擦により負荷は小さい。このため、面外方向及び上下方向を規制している部位が接触したとしても、容易にスライドすることが可能である。
【0031】
また、水平板部9aの面外方向の幅W3は、スリット6b、7bの幅W4より広いので、スライドする際に、胴縁6、7が格子体8から外れることを防止することが可能である。
【0032】
また、張出部9dと鉛直板部9bとは、格子体8が有する縦材80に取付られる別体の取付部材9に設けられているので、格子体8の縦材80及び取付部材9が複雑な形状とならず製造が容易である。また、張出部9dと鉛直板部9bのサイズが互いに異なる取付部材9を縦材80に付け替えることにより、例えば、格子体8に対する胴縁6、7の位置を変更するなど、仕様を変えることができるので、汎用性が高い格子ユニット1を実現することが可能である。また、縦材80の形状及び取付部材9の形状が単純なので、生産性の向上に寄与することが可能であり、また、組み立ての自動化も実現可能となる。
【0033】
また、取付部材9の長手方向における一方の端部に、水平板部9aから鉛直板部9bとは反対側にて上胴縁6の延出部6dを押圧する押圧部9gを備えているので、取付部材9が取り付けられた格子体8の長手方向における他方の端部側から上胴縁6をスライドさせて、格子体8及び取付部材9の端部を上胴縁6の中空部6a内に挿入すると、一方の端部が上胴縁6内に進入したときには、押圧部9gが上胴縁6の延出部6dに接触し、押圧部9gが上胴縁6の延出部6dを押圧する。このため、取付部材9が取り付けられた格子体8の一方の端部が上胴縁6に収容された状態では、安定した状態で格子体8に上胴縁6を備えることが可能である。
【0034】
また、張出部9dにおいて鉛直板部9bとは反対側に突出している押圧部9gの突出量L1は、鉛直板部9bの先端9fと上胴縁6との間隔W5より大きいので、押圧部9gが上胴縁6を押圧する際には、押圧部9gとは反対側にて鉛直板部9bの先端9fが対向部6eを押圧する。このため、押圧部9gと鉛直板部9bとが上胴縁6の内側にて上下方向に突っ張るので、より確実に上胴縁6を安定させることが可能である。
【0035】
上記実施形態においては、取付部材9の鉛直板部9bの先端9fと対向部6eとが僅かな隙間を有して対向する例について説明したが、これに限らず、例えば、縦材80の上端が対向部6eと僅かな隙間を有して対向している構成であっても構わない。この場合には、取付部材9の鉛直板部9bは取付部材9を縦材80に固定可能な高さを有していればよい。
【0036】
また、上記実施形態においては、取付部材9の張出部9dにプレス加工などにより押圧部9gを設ける例について説明したが、これに限らず、例えば、弾性部材を取り付けても構わない。
【0037】
また、押圧部9gを取付部材9側に設ける例について説明したが、これに限るものではない。例えば、図7に示すように、上胴縁6の対向部6eの長手方向における一方の端部に、上胴縁6の中空部6a内にて鉛直板部9bの先端9fに当接し、パネル本体10をスリット6bの外方向に向かって押圧する押圧部6fを設けても構わない。この場合には、上胴縁6をスライドさせて、一方の端部が上胴縁6内に進入したときには、押圧部6fが、取付部材9の鉛直板部9bの先端9fに接触し、押圧部6fが鉛直板部9bを押圧するので、安定した状態でパネル本体10に上胴縁6を備えることが可能となる。
【0038】
また、上記実施形態においては、押圧部9g、6fを長手方向における一方側のみに備えた構成を例に挙げて説明したが、押圧部9g、6fは長手方向の両側に設けられていても構わない。この場合には、長手方向における両側で、上胴縁6とパネル本体10とが接触するので、より安定した状態でパネル本体10に上胴縁6を備えることが可能となる。
【0039】
次に、格子ユニット1の変形例について説明する。
変形例の格子ユニット11は、上述した格子ユニット1と、取付部材12のみが相違し、その他の部位は同一である。このため、格子ユニット1と同一構成については図中で同符号を付して示し、その説明については省略する。変形例においても取付部材12は、上胴縁6及び下胴縁7に収容された状態では、格子ユニット1の取付部材9と同様に上下の方向が相違するだけなので、ここでも上胴縁6側を例に挙げて説明する。
【0040】
格子ユニット11の取付部材12は、図8図9に示すように、格子ユニット1の取付部材9と同様に、水平板部12aと鉛直板部12bを有し、水平板部12aは、切り欠き部12c、張出部12d及び押圧部12gを有しているが、取付部材12は、張出部12dに突出対向部12hを有している点で、取付部材9と相違している。
【0041】
突出対向部12hは、張出部12dの先端12eより、図10に示すように、上方から見て円弧状に奥行き方向に突出するように形成されている。そして、取付部材12が上胴縁6に収容された状態で上胴縁6が有する一対の壁部6cに、突出対向部12hの先端が近接して対向する、或いは当接する。すなわち、突出対向部12hは、上胴縁6の一対の壁部6cの内面間の間隔W2と、奥行き方向における両側の張出部12dの先端12eの間隔W3との差のほぼ半分となる突出量L2に形成されている。
【0042】
突出対向部12hの先端が近接して対向する場合とは、設計上は突出対向部12hの先端が上胴縁6の一対の壁部6cに当接するように設定された突出対向部12hが、部品の加工精度及び製造誤差などにより当接せず近接して対向する場合である。このため、突出対向部12hの先端が近接して対向する場合であっても、突出対向部12hの先端と上胴縁6の一対の壁部6cとの間隔は、突出対向部12hが設けられていない上述した張出部9dの先端9eと一対の壁部6cとの間隔よりも狭い。
【0043】
突出対向部12hは、長手方向において、一方側に押圧部12gが設けられている場合には、押圧部12gが設けられている端部とは、反対側の端部近傍と、中央近傍とに設けられ、それぞれ奥行き方向における両側に突出させて設けられている。突出対向部12hを設ける位置は、端部近傍及び中央近傍に限らず、また、長手方向における2箇所に限らず、1箇所または3箇所以上であっても構わない。また、突出対向部12hは、奥行き方向における片側のみに設けられていても構わない。
【0044】
突出対向部12hは、例えばプレス加工などにより張出部12dを上方から円弧状をなす圧縮部により圧縮し、張出部12dの長手方向における一部を奥行き方向に僅かに突出させて形成されている。取付部材12おいて、奥行き方向の両側に設けられた張出部12dの先端12eの間隔W3は、取付部材9と同様に上胴縁6の一対の壁部6cの内面間の間隔W2より僅かに狭く形成されており、奥行き方向の両側に突出する突出対向部12hの先端の間隔W6は、上胴縁6の一対の壁部6cの内面間の間隔W2とほぼ同じか、僅かに広くなるように設定されている。
【0045】
取付部材12が取り付けられた格子体8の上端部が、上胴縁6の中空部6aに収容されるように、上胴縁6を長手方向に沿ってスライドさせる際には、まず取付部材12の張出部12d及び鉛直板部12bの先端12fが上胴縁6を案内するガイドとなる。このとき、張出部12dと一対の壁部6cとの間に僅かな隙間を有している。
【0046】
スライドされて中空部6a内に進入する取付部材12の突出対向部12hが、中空部6a内に進入する際に、長手方向の2箇所に設けられた突出対向部12hが一対の壁部6cに当接し、一対の壁部6cの間隔を僅かに広げつつ進入する。このとき、取付部材12は一対の壁部6cに挟持されつつ長手方向に進入する。
【0047】
そして、上胴縁6のスライド方向における先端が、押圧部12gが設けられている位置に移動すると、対向する延出部6dを下方に押圧する。そして、格子体8に上胴縁6が取り付けられた状態では、押圧部12gが延出部6dを押圧し、取付部材12が一対の壁部6cに挟持されているので、上胴縁6のスライド移動が抑制され、奥行き方向のがたつきも生じることなく固定される。
【0048】
変形例の仕切り構造体によれば、上胴縁6及び下胴縁7は、格子体8に取り付けられた取付部材12の突出対向部12hにより面外方向が規制され、張出部12d及び鉛直板部12bにより上下方向の移動が規制された状態で長手方向にスライド可能なので、上胴縁6及び下胴縁7を容易にスライドさせることが可能であり、上胴縁6及び下胴縁7の中空部6a、7aに格子体8の端部を挿通して、格子体8の端部に上胴縁6及び下胴縁7を容易に備えることが可能である。
【0049】
このとき、上胴縁6及び下胴縁7と対向する突出対向部12hは、張出部12dから面外方向に突出して上胴縁6及び下胴縁7と対向しているので、張出部12dと対向している部位よりも上胴縁6及び下胴縁7との間隔が狭い。このため、上胴縁6及び下胴縁7の面外方向の移動をより小さく規制することが可能である。また、突出対向部12hが一対の壁部6cに当接する場合には、取付部材12が一対の壁部6cに挟持されるので、上胴縁6及び下胴縁7の面外方向の移動を防止することが可能となる。そして、突出対向部12hは、張出部12dの一部が突出しているので、例え一対の壁部6cに当接したとしても、張出部12dが全長にわたって当接する場合よりも、スライドする際の摩擦は小さい。このため、スライドさせやすい構成としつつも格子体8をより安定させて保持することが可能となる。
【0050】
また、上胴縁6及び下胴縁7の面外方向及び上下方向の規制をする部位として間隔が狭い部位を設ける必要がないので、製造及び加工に高い精度が要求されない。このため、製造性に優れている。
【0051】
上記実施形態においては、突出対向部12hが、上方から見て円弧状に奥行き方向に突出するように形成されている例について説明したがこれに限るものではない。例えば、図11(a)、図11(b)に示すように、上方から見て三角形状の部位または矩形状の部位が突出する、或いは、図11(c)に示すように、突出した先端が張出部12dの先端12eとほぼ平行になる部位を有し、円弧状の部位にて張出部12dと繋がる形態であっても構わない。
【0052】
上記実施形態においては、格子をなす格子体3を用いた例について説明したが、これに限らず、面材、フェンスなど、空間を仕切る部材であれば構わない。
【0053】
また、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
本実施形態には、少なくとも以下の態様の発明が含まれる。
【0054】
態様1:長手方向に沿う中空部を有し、前記中空部と外部とを連通するスリットを備えた胴縁と、空間を仕切る仕切り面を形成し、端部が前記中空部に収容され前記スリットを通して配置される仕切り部材と、を備え、前記仕切り部材は、長手方向に沿って設けられ前記中空部内にて前記仕切り面の面外方向における両側に張り出す張出部と、前記中空部内にて前記張出部と交差する方向に突出する突出部と、を有しており、前記胴縁は、前記張出部により前記面外方向の移動が規制され、前記張出部と前記突出部とにより上下方向の移動が規制された状態で前記長手方向にスライド可能であることを特徴とする仕切り構造体である。
【0055】
態様1の仕切り構造体によれば、胴縁は、仕切り部材の張出部及び突出部により仕切り面の面外方向及び上下方向の移動が規制された状態で長手方向にスライド可能なので、胴縁を容易にスライドさせることが可能であり、胴縁の中空部に仕切り部材の端部を挿通して、仕切り部位の端部に胴縁を容易に備えることが可能である。
【0056】
このとき、面外方向の規制は、胴縁内に配置されて面外方向における両側に張り出す張出部により胴縁が規制され、上下方向における規制は、胴縁内に配置される張出部と、張出部と交差する方向に突出する突出部とにより胴縁が規制される。このため、規制される部位は、面外方向及び上下方向においていずれも離れているので、例えば、間隔の狭い部位に把持または挟持されることにより規制される場合よりも、僅かな傾きが許容されやすく、僅かに姿勢を変えつつスライドすることが可能となる。このため、間隔の狭い部位に把持または挟持されてスライドする場合よりも、僅かに姿勢を変えつつ滑らかにスライドさせることが可能であり組み立て性に優れている。
【0057】
また、胴縁の面外方向及び上下方向の規制をする部位として間隔が狭い部位を設ける必要がないので、製造及び加工に高い精度が要求されない。このため、製造性に優れている。
【0058】
態様2:態様1に記載の仕切り構造体であって、前記胴縁は、面外方向に間隔を空けて対向する一対の壁部と、前記一対の壁部の端から互いに対向する側に延出され、互いの間に前記スリットを形成する延出部と、前記一対の壁部間を繋ぎ、前記面外方向と交差する方向に間隔を空けて設けられ前記延出部と対向する対向部と、を有し、前記張出部は、張り出している先端が前記一対の壁部と対向すると共に、上側または下側のいずれか一方が前記延出部と対向し、前記突出部は、突出している先端が前記対向部と対向していることを特徴とする。
【0059】
態様2の仕切り構造体によれば、面外方向の規制は、胴縁において面外方向に間隔を空けて対向する一対の壁部と、各々の壁部と対向する張出部の先端なので、例え接触しても接触面積が小さいため摩擦による負荷は小さい。また、上下方向の規制は、胴縁の延出部及び延出部と間隔を空けて対向する対向部と、延出部と対向する張出部の上側または下側のいずれか一方及び対向部と対向する突出部の先端なので、突出部の先端が例え接触したとしても摩擦による負荷は小さく、また、張出部が接触したとしても上側または下側のいずれかだけなので、上下が挟持されている場合よりも摩擦による負荷は小さい。このため、面外方向及び上下方向を規制している部位が接触したとしても、容易にスライドすることが可能である。
【0060】
態様3:態様2に記載の仕切り構造体であって、両側の前記張出部の先端の間隔は、前記スリットの幅より広いことを特徴とする。
【0061】
態様3の仕切り構造体によれば、張出部の面外方向の幅は、前記スリットの幅より広いので、スライドする際に、胴縁が仕切り部材から外れることを防止することが可能である。
【0062】
態様4:態様1乃至態様3のいずれかに記載の仕切り構造体であって、前記仕切り部材は、上下方向に沿って配置され端部が前記中空部に収容される縦材を有し、前記縦材に取り付けられ、前記張出部と前記突出部とを備えた取付部材と、を有することを特徴とする。
【0063】
態様4の仕切り構造体によれば、張出部と突出部とは、仕切り部材が有する縦材に取付られる別体の取付部材に設けられているので、仕切り部材及び取付部材が複雑な形状とならず製造が容易である。また、張出部及び突出部のサイズが互いに異なる取付部材を縦材に付け替えることにより、例えば、仕切り部材に対する胴縁の位置を変更するなど、仕様を変えることができるので、汎用性が高い仕切り構造体を実現することが可能である。また、仕切り部材の形状及び取付部材の形状が単純なので、生産性の向上に寄与することが可能であり、また、組み立ての自動化も実現可能となる。
【0064】
態様5:態様1乃至態様4のいずれかに記載の仕切り構造体であって、前記張出部の長手方向における少なくとも一方の端部に、前記突出部とは反対側にて前記胴縁を押圧する押圧部を備えていることを特徴とする。
【0065】
態様5の仕切り構造体によれば、仕切り部材の長手方向における他方の端部側からスライドさせて、仕切り部材の端部を胴縁の中空部内に挿入すると、一方の端部が胴縁内に進入したときには、押圧部が胴縁に接触し、張出部が胴縁を押圧する。このため、仕切り部材の一方の端部が胴縁に収容された状態では、安定した状態で仕切り部材に胴縁を備えることが可能である。
【0066】
態様6:態様5に記載の仕切り構造体であって、前記押圧部は、前記突出部とは反対側に突出して設けられており、前記押圧部の突出量は、前記突出部の先端と前記胴縁との間隔より大きいことを特徴とする。
【0067】
態様6の仕切り構造体によれば、張出部において突出部とは反対側に突出している押圧部の突出量は、突出部の先端と胴縁との間隔より大きいので、押圧部が胴縁を押圧する際には、押圧部とは反対側にて突出部の先端が胴縁を押圧する。このため、押圧部と突出部とが胴縁の内側にて上下方向に突っ張るので、より確実に胴縁を安定させることが可能である。
【0068】
態様7:態様1乃至態様4のいずれかに記載の仕切り構造体であって、前記胴縁は、長手方向における少なくとも一方の端部に、前記中空部内にて前記突出部に当接し、前記仕切り部材を前記スリットの外方向に押圧する押圧部を備えていることを特徴とする。
【0069】
態様7の仕切り構造体によれば、仕切り部材の長手方向における他方の端部側からスライドさせて、仕切り部材の端部を胴縁の中空部内に挿入すると、仕切り部材が胴縁内にて一方の端部に進入したときには、押圧部が突出部に接触し、突出部がスリット側に押圧されて張出部が胴縁を押圧する。このため、仕切り部材の一方の端部が胴縁に収容された状態では、安定した状態で仕切り部材に胴縁を備えることが可能である。
【0070】
態様8:長手方向に沿う中空部を有し、前記中空部と外部とを連通するスリットを備えた胴縁と、空間を仕切る仕切り面を形成し、端部が前記中空部に収容され前記スリットを通して配置される仕切り部材と、を備え、前記仕切り部材は、長手方向に沿って設けられ前記中空部内にて前記仕切り面の面外方向における両側に張り出す張出部と、前記中空部内にて前記張出部と交差する方向に突出する突出部と、を有し、前記張出部は、その一部から面外方向に突出して前記胴縁と対向する突出対向部を有しており、前記胴縁は、前記突出対向部により前記面外方向の移動が規制され、前記張出部と前記突出部とにより上下方向の移動が規制された状態で前記長手方向にスライド可能であることを特徴とする仕切り構造体である。
【0071】
態様8の仕切り構造体によれば、胴縁は、仕切り部材の突出対向部により面外方向が規制され、張出部及び突出部により仕切り面の上下方向の移動が規制された状態で長手方向にスライド可能なので、胴縁を容易にスライドさせることが可能であり、胴縁の中空部に仕切り部材の端部を挿通して、仕切り部位の端部に胴縁を容易に備えることが可能である。
【0072】
このとき、胴縁と対向する突出対向部は、張出部から面外方向に突出して胴縁と対向しているので、張出部と対向している部位よりも胴縁との間隔が狭い。このため、胴縁の面外方向の移動をより小さく規制することが可能である。そして,突出対向部は、張出部の一部が突出して胴縁に当接するので、張出部が全長にわたって当接する場合よりも、スライドする際の摩擦は小さい。このため、スライドさせやすい構成としつつも仕切り部材をより安定させて保持することが可能となる。
【0073】
また、胴縁の面外方向及び上下方向の規制をする部位として間隔が狭い部位を設ける必要がないので、製造及び加工に高い精度が要求されない。このため、製造性に優れている。
【符号の説明】
【0074】
1 格子ユニット、6 上胴縁、6a 中空部、6b スリット、
6c 壁部、6d 延出部、6e 対向部、6f 押圧部、7 下胴縁、
7a 中空部、7b スリット、8 格子体、8a 仕切り面、
9 取付部材、9a 水平板部、9b 鉛直板部、9d 張出部、
9g 押圧部、10 パネル本体、80 縦材、80a 上端部、80b 下端部、
12 取付部材、12a 水平板部、12b 鉛直板部、12d 張出部、
12g 押圧部、12h 突出対向部、
L1 押圧部の突出量、W3 水平板部の奥行き方向の幅、
W4 スリットの幅、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11