(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168303
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】コンバーチブル自動車用ルーフアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B60J 7/19 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
B60J7/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023078801
(22)【出願日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】102022000009812
(32)【優先日】2022-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】519463178
【氏名又は名称】フェラーリ エッセ.ピー.アー.
【氏名又は名称原語表記】FERRARI S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Emilia Est, 1163, 41100 MODENA, Italy
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダニエーレ チェルヴェッリ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡単かつ信頼性のあるコンバーチブルルーフのロック装置を提供する。
【解決手段】コンバーチブル自動車用のルーフアセンブリは、閉ルーフ位置で自動車のフレームと接触して配置されるルーフと、ルーフを閉ルーフ位置でフレームに固定するために、手動ロック装置がフレームと協働して第1の拘束作用を実行する第1の動作モードと、ロック装置がフレームと協働することをやめ、第1の拘束作用を除去する第2の動作モードとに従って、手動で操作可能な手動ロック装置を含み、少なくともルーフの閉ルーフ位置における位置決め、又は閉ルーフ位置への移動に応答して、ルーフをフレームに固定するために第2の拘束作用を自動的に及ぼすように、ルーフによって保持された追加のロック装置(40)を更に含み、追加のロック装置(40)は、前記第2の拘束作用を除去するために手動で操作することができる、解除手段(54)を有することを特徴とする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンバーチブル自動車(1)用のルーフアセンブリ(3)であって、
前記自動車(1)の車室を上部から閉鎖するように、閉ルーフ位置において前記自動車(1)のフレーム(2)と接触して配置されるように構成された、ルーフ(4)と、
前記ルーフ(4)によって保持された手動ロック装置(5)であって、前記ルーフ(4)が前記閉ルーフ位置にあるときに、前記閉ルーフ位置において前記ルーフ(4)を前記フレーム(2)に固定するために、前記手動ロック装置(5)が、前記フレーム(2)と協働して第1の拘束作用を果たす第1の動作モードに従って、手動で操作されるように構成され、かつ、前記ロック装置(5)が、前記フレーム(2)と協働することをやめ、したがって前記第1の拘束作用を除去する第2の動作モードに従って、手動で操作されるように構成された、手動ロック装置(5)と
を備え、
前記ルーフ(4)によって保持され、少なくとも前記ルーフ(4)の前記閉ルーフ位置における位置決め、又は前記閉ルーフ位置への移動に応答して、前記ルーフ(4)を前記フレーム(2)に固定するための第2の拘束作用を自動的に及ぼすように構成された、追加のロック装置(40)であって、前記第2の拘束作用を除去するために手動で操作されるように構成された解除手段(54)を有する、前記追加のロック装置(40)を更に備えることを特徴とする、コンバーチブル自動車(1)用のルーフアセンブリ(3)。
【請求項2】
前記追加のロック装置(40)が、前記ルーフ(4)の前記閉ルーフ位置における前記位置決め、又は前記閉ルーフ位置への前記移動に応答して、前記ルーフ(4)を前記フレーム(2)に固定し、それによって前記第2の拘束作用を及ぼすように構成されたスナップ結合機構を備える、請求項1に記載のルーフアセンブリ。
【請求項3】
前記追加のロック装置(40)が、前記フレーム(2)に引っ掛けられるように構成されたフック端部(42)を有する第1のアーム(41)を備えることによって、前記第2の拘束作用を及ぼす、請求項1又は2に記載のルーフアセンブリ。
【請求項4】
前記ルーフ(4)を前記閉ルーフ位置に配置することのできる第1の位置と、前記フック端部(42)を前記フレーム(2)に引っ掛ける第2の位置との間で、前記ルーフ(4)に対して移動可能であるように、前記第1のアーム(41)が前記ルーフ(4)に結合され、前記追加のロック装置(40)が、前記第1のアーム(41)を前記ルーフ(4)に結合し、前記第1のアーム(41)が前記第2の位置から前記第1の位置に向かって移動することに応答して、前記第2の位置に向かって弾性反力を及ぼすように構成された、弾性手段(48)を更に備える、請求項3に記載のルーフアセンブリ。
【請求項5】
前記手動ロック装置(5)が、少なくとも1つのロックボルト(8)を備え、前記ロックボルト(8)が、
前記ルーフ(4)に対して固定され、直線の軸線(A)に沿って延在し、前記直線の軸線(A)に沿って孔(14)を有する、ガイド体(12)と、
2つのロックボルト位置の間で、前記孔(14)の内側で前記直線の軸線(A)に沿って摺動するように、前記ガイド体(12)に結合されたピン(16)であって、前記2つのロックボルト位置の一方にあるときに、前記フレーム(2)上に得られたピン座(39)に係合し、かつ、前記2つのロックボルト位置の他方にあるときに、前記ピン座(39)から分離するように構成され、前記ピン座(39)に係合することが第1の拘束作用を果たす、ピン(16)と、
前記ピン(16)に対して固定され、前記ガイド体(12)上に得られたスロット(15)を通って、前記直線の軸線(A)を横切る第1の横方向軸線(B)に沿って前記ガイド体(12)に対して突出し、孔(14)と連通するノブ(21)であって、前記ピン(16)を前記2つのロックボルト位置の間で移動させるために、ユーザが把持するのに適しているノブ(21)とを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のルーフアセンブリ。
【請求項6】
前記ロックボルト(8)がブッシング(25)を備え、前記ブッシング(25)によって、前記ピン(16)が前記直線の軸線(A)に沿って前記孔(14)を通って摺動するように、前記ガイド体(12)に対して支持される、請求項5に記載のルーフアセンブリ。
【請求項7】
前記ガイド体(12)が単一部品として製造される、請求項5又は6に記載のルーフアセンブリ。
【請求項8】
前記ガイド体(12)が押出成形によって製造される、請求項7に記載のルーフアセンブリ。
【請求項9】
前記ピン(16)が、前記直線の軸線(A)を中心とする2つの溝(32)を有する、前記直線の軸線(A)を中心とする外側面を有し、前記ガイド体(12)が、前記孔(14)と連通し、前記直線の軸線(A)を横切る第2の軸線(C)に沿って延在する、更なる穴(33)を有し、前記ロックボルト(8)が、前記2つの溝(32)のそれぞれに係合するように構成された係合要素(35)と、前記更なる穴(33)の内側で前記係合要素(35)に固定され、前記係合要素(35)を前記直線の軸線(A)に向かって押し進めるように荷重されたばね(34)を更に備え、前記ピン(16)が前記ロックボルト(8)の2つ位置のうちの対応する一方にあるときに、前記ばね(34)が前記係合要素(35)を前記2つの溝(32)のうちの一方に係合させ、前記ピン(16)が前記2つのロックボルト位置の他方にあるときに、前記ばね(34)が前記係合要素(35)を前記2つの溝(32)のうちの他方に係合させるように、前記更なる穴(33)が配置されている、請求項5から8のいずれか一項に記載のルーフアセンブリ。
【請求項10】
フレーム(2)と、請求項1から9のいずれか一項に記載のルーフアセンブリ(3)とを備える、コンバーチブル自動車(1)。
【請求項11】
前記ルーフアセンブリ(3)が、請求項4から9のいずれか一項に記載のものであり、前記フレーム(2)が、前記位置決め又は前記移動に応答して、前記第2の位置から前記第1の位置の前記第1のアーム(41)の移動に伴って、又はこの移動を決定するように成形されたガイド面(50)を有する、結合インタフェース(38)を備え、前記結合インタフェース(38)が凹部(44)を備え、前記凹部(44)は、前記ガイド面(50)に隣接して前記フック端部(42)を前記結合インタフェース(38)に引っ掛けることを可能にし、前記弾性手段(48)によって引き起こされる前記第1の位置から前記第2の位置への前記第1のアーム(41)の更なる移動を通じて前記フック端部(42)が前記凹部(44)へ入り込む、請求項10に記載の自動車。
【請求項12】
前記ルーフアセンブリ(3)が、請求項5から9のいずれか一項に記載のものでもあり、前記結合インタフェース(38)が、前記凹部(44)に向かう更なる直線の軸線(A)に沿って延在する、前記ピン座(39)を備える、請求項11に記載の自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本特許出願は、2022年5月12日に出願されたイタリア特許出願第102022000009812号の優先権を主張し、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、コンバーチブル自動車用のルーフアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
知られているように、コンバーチブル自動車は、車室を覆うルーフを開閉して運転することができる自動車である。
【0004】
言い換えれば、この自動車のルーフは、ルーフが車室を覆う閉ルーフ位置から移動させることができる。
【0005】
コンバーチブル自動車のユーザが車室をルーフで覆いたい場合、ユーザはルーフを閉ルーフ位置に移動させ、ルーフを自動車のフレーム部に固定しなければならない。
【0006】
特に、コンバーチブル自動車は、1つ又はそれ以上の固定装置を有し、ルーフが閉ルーフ位置に移動した後に、ユーザがルーフをフレーム部に固定するために、この固定装置を使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの固定装置は、専ら手動で作動することが多い。
【0008】
一般的に言えば、ルーフをフレーム部に固定する安全性を高める必要がある。
【0009】
実際、フレーム部へ固定することに失敗すると、コンバーチブル自動車の使用中に重大な損傷を引き起こす可能性がある。
【0010】
例えば、コンバーチブル自動車の他の部分からルーフが分離し、近傍の人及び物体の両方に対して極めて危険な形で、空中を飛び跳ねるおそれがある。
【0011】
本発明の目的は、好ましくは簡単かつ信頼性のある方法で、上述した必要性を満たすことである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、請求項1に記載のルーフアセンブリによって達成される。
【0013】
各従属請求項は、本発明の特別な実施形態を定義するものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
以下、本発明をよりよく理解できるように、非限定的な実施例として、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態の説明を行う。
【0015】
【
図1】本発明によるルーフアセンブリを備える、コンバーチブル自動車の斜視図である。
【
図3】ルーフアセンブリの内側部分の斜視図である。
【
図4】ルーフアセンブリの一部である、ロックアセンブリの斜視図である。
【
図6】ロックアセンブリによって、コンバーチブル自動車のフレーム部にルーフアセンブリが引っ掛けられる、各段階を示す側面図である。
【
図7】ロックアセンブリによって、コンバーチブル自動車のフレーム部にルーフアセンブリが引っ掛けられる、各段階を示す側面図である。
【
図8】ロックアセンブリによって、コンバーチブル自動車のフレーム部にルーフアセンブリが引っ掛けられる、各段階を示す側面図である。
【
図9】第1の断面平面に沿って切断したロックアセンブリの切断図である。
【
図10】第1の断面平面に沿った、ロックアセンブリの断面図である。
【
図11】第2の断面平面に沿って切断した、ロックアセンブリの更なる切断図である。
【
図12】第2の断面平面に沿った、ロックアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1において、参照番号1は、全体としてコンバーチブル自動車を示すために使用される。
【0017】
あらゆる自動車と同様に、自動車1は、通常の前進方向を有し、少なくとも1人の運転者、及び、場合によって1人又はそれ以上の乗員を収容する車室を含む。
【0018】
自動車1は、車室を画定する、又は取り囲む、フレーム2を備える。
【0019】
更に、自動車1は、フレーム2に固定することができる、ルーフアセンブリ3を備える。
【0020】
アセンブリ3は、ルーフ4、すなわち、より正確には、閉ルーフ位置において車室を上から覆うような形状及び寸法を有する、パネル又は板金を備える。知られているように、ルーフ4は、パネル又は板金とは異なり、むしろ可撓性である、又は布を含むことができ、それによって一般性を失うことはない。
【0021】
閉ルーフ位置において、ルーフ4はフレーム2と接触して配置される。フレーム2は、ルーフ4を閉ルーフ位置で支持することができる。
【0022】
しかしながら、ルーフ4を閉ルーフ位置に配置することは、ルーフ4をフレームに固定するのに十分ではない。実際のところ、ルーフ4を閉ルーフ位置に移動させることは、ルーフ4とフレーム2との間の接触を確定するものにすぎず、ルーフ4は摩擦によって少なくとも閉ルーフ位置に保持され得るが、この摩擦は実際の安定した拘束を確定するものではない。
【0023】
自動車1の使用中に起こる突風は、実際には、ルーフ4とフレーム2との間の摩擦によって引き起こされた結合を断つのに十分であり得るため、ルーフ4がフレーム2から分離し、近傍の物体又は人への損傷を引き起こす。
【0024】
したがって、本明細書では、「拘束」という用語及び「拘束する」という動詞は、安定した拘束、及び安定した拘束を生成する、という意味で使用される。すなわち、その結合を生成する構成要素を破壊することによってのみ、断つことができる結合を生成する、という意味である。
【0025】
ルーフ4をフレーム2に拘束又は固定するために、アセンブリ3は、ルーフ4が閉ルーフ位置にあるときに手動で操作されるように構成された、少なくとも1つの手動ロック装置5を備える。
【0026】
装置5は、ルーフ4によって支持される。より詳細には、装置5は、ルーフ4によって固定位置に支持される、少なくとも1つの構造体6を有する。すなわち、構造体6はルーフ4に対して固定される。
【0027】
装置5は、2つの動作モードを有する。第1の動作モードは、閉ルーフ位置で、ルーフ4をフレーム2に手動で固定又は拘束することを含む。
【0028】
この動作モードでは、装置5は、フレーム2と協働する、すなわち、より具体的には、フレーム2と接触する、又は手動で接触させられ、したがって、第1の拘束作用を果たす、又は拘束作用を及ぼして、閉ルーフ位置でルーフ4をフレーム2に固定又は拘束する。
【0029】
一方、第2の動作モードは、第1の動作モードの逆であり、第1の拘束作用を取り除くものである。言い換えれば、装置5が第1の拘束作用を及ぼすことになる、フレーム2との協働、又はより具体的にはフレーム2との接触を、装置5がやめる、又は手動でやめさせられるものである。
【0030】
より詳細には、装置5は、少なくとも1つのロックボルト8、この場合にはルーフ4の前端9及び後端10、より正確にはルーフ4の四隅に対で配置された複数のロックボルト8、特に、少なくとも4つのロックボルト8を備える。
【0031】
以下、「前方」及び「後方」などの用語は、自動車1の前進方向に関連して、又は、自動車1に対する位置決め及び/又は設置のための適切な向きを特定することに関連して、解釈することができる。
【0032】
各ロックボルト8は、好ましくは同一のものであり、1つのロックボルト8について説明した特徴は、他のすべてにも適用されることを意味する。したがって、1つのロックボルト8のみに関して説明を行う。
【0033】
ロックボルト8は、ガイド体12を備える。このガイド体12はルーフ4に対して固定され、具体的にはルーフ4に締結され、より具体的には公知のねじ部材13によって締結される(
図4)。
【0034】
ガイド体12は、直線の軸線Aに沿って延在する。この直線の軸線Aは、特に、自動車1の前進方向、又はルーフ4が端部9と10との間に延在する方向Xに平行である。
【0035】
更に、ガイド体12は、軸線Aに沿って延在する孔14を有する。具体的には、孔14は貫通孔である。
【0036】
各ガイド体12は、具体的には、押出成形によって単一部品として製造される。より具体的には、ガイド体12は、押し出された後に材料を除去することによって加工される。
【0037】
更に、ガイド体12は、特に、軸線Xに対して横方向に、又はより正確には、直交する軸線Bに沿って、孔14と連通する深さで得られるスロット15を有する。
【0038】
ロックボルト8は、孔14の内側で、軸線Aに沿って摺動するようにガイド体12に結合された、ピン16を更に備える。言い換えれば、ピン16を孔14に挿入することによって、ピン16が軸線Aに沿ってガイド体12に対して摺動することができる。したがって、ガイド体12は、軸線Aに沿ったピン16の摺動をガイドする機能を有する。
【0039】
より具体的には、ピン16は、ロックボルト8のブッシング25によってガイド体12に対して摺動するように、支持されている。
【0040】
特に、ブッシング25は、軸線A及びピン16の外側面の周りで、ピン16に対して固定される。
【0041】
ピン16は、軸線Aに沿ってブッシング25に挿入される。
【0042】
ブッシング25は、孔14の内側でガイド体12に沿って摺動する。
【0043】
例えば、ブッシング25は、ピン16に干渉して嵌合させることによって、ピン16に結合される。
【0044】
本明細書に示す実施形態では、ガイド体12はまた、軸線Aに沿ってスライド部17が摺動することをガイドする機能を有する。実際、ガイド体12は、具体的には軸線Aに平行なそれぞれの軸の周りでフックのように曲げられた、付属物18a、18bによって形成されたガイド部18を画定する。例えば、付属物18a、18bは可撓性であり得る。
【0045】
スライド部17は、ロックボルト8の一部であり、特に、軸線Aに平行なそれぞれの軸に沿って摺動するように、付属物18a、18bによって包囲され、したがって支持される、スライド要素17a、17bを有する。
【0046】
スライド部17は、ガイド体の外面20に面する、内面19を更に有する。特に、内面19は、軸線Aに対して凹状であり、外面20と同様の形状である。
【0047】
スロット15は、外面20に対応する開口部を形成する。この開口部は、内面19によって部分的に覆われる。
【0048】
更に、ロックボルト8は、ピン16に対して固定され、スロット15を通って、軸線Bに沿ってガイド体12に対して突出する、ノブ21を備える。
【0049】
具体的には、ピン16は、軸線Bに沿って穴22を有する。より具体的には、スライド部17はまた、軸線Bに沿って孔23を有し、したがって、孔23は穴22と位置合わせされる。孔23は、貫通孔である。
【0050】
ノブ21は、ユーザが把持するのに適した部分24、及びピン24aを備え、ピン24aは、孔23を完全に貫通し、例えば干渉によって穴22に挿入され、ノブ21がピン16に対して固定される。このため、ピン24aは、スロット15を貫通して孔14内で終了する。
【0051】
このようにして、ユーザは、ノブ21を使用して、少なくとも2つのロックボルト位置の間で、軸線Aに沿ってピン16を移動させることができる。
【0052】
ロックボルトの位置は、ルーフ4がフレーム2に固定される閉位置、並びに、ルーフ4とフレーム2との間にロックボルト8が拘束作用を及ぼさない開位置を含む。
【0053】
したがって、概して、ピン16は、各ロックボルトの位置の間で、軸線Aに沿って孔14の内側を摺動するように、ガイド体12に連結される。
【0054】
ピン16は、穴39、すなわちピン座と、閉位置にあるときには係合し、かつ、開位置にあるときには分離されるように構成される。
【0055】
穴39、すなわちピン座においてピン16が係合することは、第1の拘束作用を果たす。
【0056】
スロット15の周囲長は、ノブ21、したがってスライド部17及びピン16が軸線Aに沿って移動する各限度を画定する。これらの限度は、それぞれ開位置及び閉位置に対応する。
【0057】
スライド部17は、好ましくは、軸線Bに対して内面19の反対側の表面27を有する。
【0058】
言い換えれば、表面27は、自動車1の車室に面する。
【0059】
表面27は、軸線Aに従って、ノブ21の両側に2つの名標28、29を有する。名標28、29は、それぞれ閉位置及び開位置に明確に関連付けられる。例えば、名標28、29には、閉位置及び開位置を明確に想起させる、2つの別個の表記(例えば、「ロック」及び「ロック解除」)を含めることができる。
【0060】
ロックボルト8は、ルーフ4に対して固定されたカバー要素30によって、ユーザの視界から部分的に隠される。アセンブリ3の一部であるカバー要素30は、ピン16が閉位置に移動したときに窓31が名標28、29のうち名標28だけを車室に露出させ、ピン16が開位置に移動したときに名標28、29のうち名標29だけを車室に露出させるように、軸線Aに沿って配置された、少なくとも1つの窓31を有する。
【0061】
ノブ21は明らかに窓31を貫通しているため、ユーザはノブ21を使用することができる。更に、上記のことから直接導き出せるように、ノブ21のピン24aは孔23を完全に貫通しているため、スライド部17はピン16の並進に追従する。したがって、ピン16は、孔23の周囲でスライド部17を押し進める。
【0062】
ピン16は、好都合には、軸線Aを中心とする2つの径方向溝32のある、軸線Aを中心とする外側面を有する。
【0063】
したがって、ガイド体12は、軸線Aの横方向に、又はより正確には直交する、軸線Cに沿って延在し、孔14と連通する、更なる穴33を有する。軸線Cは、軸線Bと平行であってもよいが、このことは必須ではない。
【0064】
穴33は止まり穴であり、軸線Cを横切り孔14に向く、底壁によって区切られる。
【0065】
穴33には、係合要素35、具体的には球形又は半球形の本体が固定される、ばね34が収容される。
【0066】
係合要素35は、それぞれの溝32に、具体的にはわずかな干渉によって係合するのに適している。
【0067】
ばね34は、係合要素35を軸線Cに沿って軸線Aに向かって押し進めるように構成、又は予荷重される。
【0068】
より詳細には、ばね34は、軸線Cに沿って荷重され、穴33を画定する底壁によって支持された、軸ばねである。
【0069】
正確には、ばね34の端部は底壁に固定されているが、ばね34の反対側の端部は、ばね34自体の頭部であるような、係合要素35を保持する。
【0070】
ばね34及び係合要素35は、ロックボルト8の一部である。
【0071】
穴33に対する、軸線Aに沿った溝32の相対位置は、ピン16が閉位置にあるときに軸線Cが溝32の一方を通り、ピン16が開位置にあるときに軸線Cが溝32の他方を通るようなものである。
【0072】
このようにして、係合要素35は、2つのロックボルト位置において、ばね34の弾性反力又は推力によってピン16のそれぞれの溝32に係合する。
【0073】
そうすることで、ピン16をロックボルト位置の一方から取り外し、ピン16を軸線Aに沿って移動させるために必要となる、軸線Aに沿ってユーザが加える力は、係合要素35と溝32内のピン16との間の相互作用によって、わずかに増加する。
【0074】
実際、軸線Aに沿ってピン16に加えられた力に応答して、係合要素35が穴33の内側に向かって後退することが、ばね34の弾性によって可能となる。このようにして、係合要素35は溝32の外で突き出ることができ、したがって、ばね34の推力によって、引き続きピン16の外側面上を摺動することができる。
【0075】
溝32は、軸線Aに沿ってノブ21の両側に配置される。
【0076】
本明細書に示される実施形態のように、ロックボルト8は、好ましくは、軸線Aの横方向、又はより正確には直交するそれぞれの軸線Cに沿って、いくつかの穴33、並びに、穴33にそれぞれ収容され、それぞれの係合要素35を保持して溝32のそれぞれに係合する、同数のばね34を備えることができる。
【0077】
フレーム2は、第1の動作モードにおいて装置5と接触して協働するように構成された、結合インタフェース38を備える。
【0078】
場合によっては、結合インタフェース38は、フレーム2に属する残りの部分の有無にかかわらず、アセンブリ3の一部と考えることができる。
【0079】
より正確には、結合インタフェース38は、各ロックボルト8に対して、少なくとも1つの穴39を有する。
【0080】
穴39は、軸線Aに沿って延在し、軸線Aに沿ってピン16と位置合わせされ、その結果、ピン16が閉位置にあるとき、ピン16は穴39に挿入される。
【0081】
したがって、穴39は、ピン16が閉位置にあるときに、内側でピン16を受け入れるような、位置及び寸法を有するように構成される。
【0082】
言い換えれば、穴39は、フレーム2上に、より正確には、結合インタフェース38上に得られた、ピン座を画定するものである。
【0083】
特に、穴39は、わずかな干渉を伴ってピン16によって係合されるように、すなわち、穴39を画定する壁部とピン16との間に摩擦が生じるように構成されるが、ただし、ピン16は、いずれにせよ損傷することなく穴39から引き抜くことができ、それによって開位置に戻ることができる。
【0084】
穴39とピン16との間の干渉結合は非常に有利であるが、クリアランス、特にわずかなクリアランスを有する結合も、同様に第1の拘束作用をもたらす装置5とフレーム2との間の協働を得ることに適し得るため、干渉結合が絶対に必要なわけではない。
【0085】
穴39は、軸線Aに沿って孔14と位置合わせされる。
【0086】
開位置では、ピン16は穴39から外れているため、第1の拘束作用を果たすために協働しない、又は協働することをやめる。
【0087】
有利には、アセンブリ3は、ルーフ4によって保持され、少なくともルーフ4の閉ルーフ位置での位置決め、又はルーフ4の閉ルーフ位置で終わる移動に応答して、自動的に、すなわち、ユーザの更なる手動操作なしに、ルーフ4をフレーム2に固定するための第2の拘束作用を及ぼす、又は果たすように構成された、追加のロック装置40を更に備える。
【0088】
ルーフ4の位置決め又は移動は、ユーザの手動操作によって行うことができる。
【0089】
例えば、閉ルーフ位置の上方の位置からルーフ4を解放することによって、この移動を行うことができ、その結果、ルーフ4は、重力によって、フレーム2上に、より具体的には、結合インタフェース38上に落下する。
【0090】
あるいは、別の実施例によれば、フレーム2に対して、又はより正確には結合インタフェース38に対して、閉ルーフ位置に向かってルーフ4を手動で下方に押し進めることができる。
【0091】
又は、別の実施例によれば、ルーフ4は、ルーフの閉ルーフ位置に伴うことさえできる。
【0092】
いずれにせよ、装置40は、位置決め又は移動のために実行される操作、すなわちルーフ4を閉ルーフ位置に導くことに加えて、ユーザの更なる操作を必要とすることなく、第2の拘束作用を実行するように構成される。
【0093】
言い換えれば、この移動は、装置40がそれに応じて動作又は作動するために十分なものであり、したがって第2の拘束作用を実行する。
【0094】
装置40は、構造的及び機能的に装置5から独立していてもよく、その結果、装置5、40のいずれかを無くすことができ、そのために装置5、40の他方の動作に影響を及ぼすことはない。
【0095】
この場合、アセンブリ3は、ルーフ4の端部9、特に角部分、より具体的にはロックボルト8の近くに配置された、2つの装置40を備える。
【0096】
装置40は、好ましくは、ロックボルト8に結合されるか、又は端部9でロックボルト8によって保持される。具体的には、各装置40は、それぞれのガイド体12によって支持される。
【0097】
一方の装置40の各特徴は、他方の装置40に適用することができるため、一方の装置のみについて詳細な説明を行う。
【0098】
一実施例によれば、装置40は、前述した移動に応答して、フレーム2に、又はより正確には、結合インタフェース38に、ルーフ4を固定するように構成された、スナップ結合機構を備えることができる。
【0099】
例えば、このスナップ結合機構は、ルーフ4の重量に起因して、又はルーフ4の重量を用いて、スナップ結合を実行することができる。言い換えれば、重力をスナップ結合の開始に役立てることができる。
【0100】
スナップ結合の開始は、第2の拘束作用の生成に対応する、又は、第2の拘束作用の生成をもたらす。
【0101】
具体的には、装置40、より具体的にはスナップ結合装置は、例えばルーフ4の移動に応答して、フレーム2、より正確には結合インタフェース38に引っ掛かるように構成された、フック端部42を有するアーム41を備え、したがって第2の拘束作用を及ぼす。
【0102】
アーム41は、ルーフ4によって、より正確にはロックボルト8によって、更により正確には、ガイド体12によって保持される。
【0103】
特に、結合インタフェース38は、フック端部42を受け入れるような形状及び位置を有するように構成された、凹部44を有する。
【0104】
より具体的には、凹部44は、軸線Aに沿って穴39の前に配置される。言い換えれば、穴39がそれに沿って延在する軸線Aは、凹部44に向けられている。
【0105】
凹部44は、それ自体の軸線Dを有し、軸線Dは、軸線Aと同一平面上にあり得るが、必ずしも軸線Aと平行ではない。
図6では、軸線Dは軸線Aに入射している。明らかに、本明細書に示されていない変形例によれば、軸線Dは、その代わりに軸線Aに平行であってもよい。
【0106】
図6は、凹部44の内側のフック端部42を示す。ここで、フック端部42は、特にその上部に、凹部44を画定する面46に面する、面45、具体的には上部の面を有する。
【0107】
図6によれば、面45に直交する方向は軸線Dを横切るものである。
【0108】
フック端部42が凹部44の内側にある状態で、ルーフ4が何らかの理由で持ち上げられるか、又は上方に動かされると、面45は面46にぶつかる。これにより、ルーフ4が持ち上げられる、又は上方に移動することが防止される。したがって、第2の拘束作用は、面45が面46に衝突することを含む、又は、面45が面46に衝突することによって果たされる。
【0109】
本明細書に示す実施形態では、結合インタフェース38は、軸線D又は軸線Aに従って、具体的には穴39と凹部44との間に配置された、空洞47を有する。空洞47は、少なくとも凹部44と連通している。
【0110】
特に、空洞47は、穴39とも連通している。
【0111】
空洞47は、アーム41を収容するのに適するように成形される。
【0112】
閉ルーフ位置において、アーム41は空洞47内に挿入される。したがって、閉ルーフ位置においてルーフ4を位置決めすることは、空洞47内へアーム41を挿入することに相当する。
【0113】
アーム41は、好ましくは、ヒンジ軸線Hを中心として、具体的には軸線D、軸線Aを含む平面に直交して、したがって、より一般的には、軸線A又は自動車1の前進方向に直交して、ルーフ4に、より正確にはガイド体12にヒンジ止めされる。
【0114】
軸線Hはまた、ルーフが端部9と10との間に延在する方向に直交する。
【0115】
更に、軸線Hは、ルーフ4に直交する軸を横切る。
【0116】
この場合、アーム41は、ヒンジ軸を中心に回転することができる。
【0117】
特に、アーム41又は軸線Hは、ルーフ4の移動に応答してアーム41が回転し、閉ルーフ位置で終了するような位置に配置される。より具体的には、この回転は、第1の回転方向に従って行われる。
【0118】
あるいは、本明細書に示されていない変形例によれば、アーム41は、例えば直動関節によって、異なる方法でルーフ4に結合することができる。
【0119】
概して、アーム41は、例えば手動で、第1の位置と第2の位置との間でガイド体12に対して移動することができるように、ルーフ4に、又はより正確には、ガイド体12に結合される。アーム41が第1の位置にあるとき、ルーフ4は、閉ルーフ位置に配置することができ、アーム41がフレーム2に接触するおそれがある閉ルーフ位置に達する瞬間まで、アーム41がフレーム2又は結合インタフェース38に接触することはない。
【0120】
言い換えれば、アーム41は、第1の位置において、空洞47内に挿入することができ、アーム41は結合インタフェース38と直ちに接触しないが、ただしそれは、空洞47内へ単に部分的に挿入した後、又は場合によっては、閉ルーフ位置に達する瞬間までである。
【0121】
ルーフ4が閉ルーフ位置にあるときに、アーム41が第1の位置から第2の位置へ移動することは、凹部44内へフック端部42を導入することに相当し、したがって第2の拘束作用を生成することに相当する。
【0122】
したがって、上述したスナップ結合は、この移動によって設定される。したがって、特に、このスナップ結合は、空洞47内のアーム41によって行われる。
【0123】
この場合、第2の位置から第1の位置への移動は、前述した第1の回転方向に従った、軸線Hを中心としたアーム41の回転に対応する。アーム41の第2の回転方向は、第1の回転方向と反対のものである。
【0124】
図6及び
図7に示すように、第1の回転方向に従ってアーム41が回転することは、フック端部42をフレーム2から、より正確には、結合インタフェース38から解放するのに適している。
【0125】
より広くは、アーム41が第2の位置から第1の位置へ移動することは、フック端部42をフレーム2から、より正確には、結合インタフェース38から解放するのに適している。
【0126】
装置40は、アーム41をルーフ4に結合する、弾性部材48を備える。具体的には、弾性部材48は、アーム41をガイド体12に連結する。
【0127】
弾性部材48は、アーム41が第2の位置から第1の位置へ移動することに応答して、弾性反力を発揮するように構成される。
【0128】
この弾性反力は、第2の位置、すなわちアーム41の移動に対して反対方向に向けられる。
【0129】
したがって、アーム41の第2の位置は、アーム41の均衡する位置である。
【0130】
この場合、弾性部材48は、少なくとも第1の回転方向に従ってアーム41が回転することに応答して、より正確には、第2の位置を起点として、弾性反力を発揮するように構成される。
【0131】
ここで、弾性反力は、第2の回転方向に従った、軸線H周りの弾性反力トルクである。
【0132】
第1の回転方向に従ってアーム41が回転することは、ルーフ4の移動が閉ルーフ位置で終了することから生じ得る。
【0133】
したがって、前述したスナップ結合は、ルーフ4が閉ルーフ位置にあり、アーム41が第1の位置、すなわち、より正確には、空洞47の内側にあるとき、弾性部材48によって引き起こされる。
【0134】
特に、アーム41は、第1の位置でのみ空洞47に入ることができる。言い換えれば、ルーフ4は、アーム41が第1の位置にある場合にのみ、閉ルーフ位置に到達することができる。
【0135】
空洞47の内側へ挿入すること、すなわちルーフ4を閉ルーフ位置に位置決めすることは、例えばアーム41を第1の位置へと手動で移動させる、空洞47内に導入するなど、多くの方法で行うことができる。
【0136】
あるいは、弾性部材48が撓んでいるので、アーム41は、それを押すことによって、又はより正確には、フック端部42をフレーム2に対して、又はより正確には、結合インタフェース38に対して空洞47に向かって押し進めることによって、空洞47の内側に挿入することができる。アーム41が第2の位置にある場合でも、空洞47に向かうアーム41の推力に対する、フレーム2又は結合インタフェース38の反力によって、弾性部材48の弾性反力に対抗して、第1の位置に向かうアーム41の移動が引き起こされる。
【0137】
この推力がアーム41を第1の位置に移動させるのに十分であるとき、アーム41は、その推力自体によって空洞47内に滑り込む。
【0138】
空洞47の内側では、フック端部42は凹部44に直面する。
【0139】
言い換えれば、アーム41が空洞47の内側にあるときに、凹部44は、アーム41、より正確にはフック端部42を移動させる空間を提供する。
【0140】
したがって、フレーム2又は結合インタフェース38は、凹部44の領域内では弾性部材48の反力に対抗して反応せず、その結果、フック端部42は、弾性部材48の反力によって引き起こされる、アーム41の第1の位置から第2の位置への移動によって、凹部44に入る。つまり、スナップ結合が行われる。
【0141】
面45は、好ましくは、軸線Hに対して横方向の、又は直交する、少なくとも一部分を有する。したがって、面45が面46に衝突すると、面45は、軸線Hに直交する反力を受ける。したがって、この反力によって生成される、軸線Hを中心とするトルクは、明らかに0である。このようにして、フック端部42は、凹部44内に係止されたままである。
【0142】
この推力には、明らかに重力の寄与を含めることができ、又は、例えば、重力によって閉ルーフ位置に移動することができた、ルーフ4の重量によってこの推力を定義することさえできる。
【0143】
したがって、空洞47へアーム41を挿入することは、ルーフ4の重量によっても行うことができる。この重量は、推力を構成する、又は推力に寄与するものである。
【0144】
結合インタフェース38は、好ましくは、特に空洞47の口部に、ガイド面50を備える。
【0145】
より具体的には、ガイド面50は、凹部44、より具体的には面46と隣接している。
【0146】
ガイド面50は、具体的には、凹部44又は空洞47に向かう、ガイド面50に対するフック端部42の背部51の推力に応じて、空洞47内におけるアーム41、より正確にはフック端部42の挿入を導く、又は伴うように成形される。
【0147】
ガイド面50は、閉ルーフ位置における位置決め、又はそこで終了する移動に応答した、第2の位置から第1の位置へのアーム41の移動に付随する、又はそれを決定する。
【0148】
具体的には、ガイド面50は、特に弾性部材48の弾性反力に対抗して、アーム41の第1の回転方向への回転に付随する。
【0149】
ガイド面50によってアーム41が第1の位置になると、アーム41を空洞47内により深く挿入することができる。
【0150】
ここで、弾性部材48は、アーム41を第1の位置から第2の位置に移動させ、その結果、フック端部42は凹部44に入り、結合インタフェース38に引っ掛けられる。
【0151】
空洞47へのアーム41の挿入を容易にするために、装置40は、ルーフ4に固定され、軸線Hに沿ってアーム41に隣接し、軸線Hに直交して延出する、ロッド52を備える。空洞47は、特に摺動式に、空洞47内へのロッド52の挿入を導くための、挿入座を画定する。
【0152】
したがって、ロッド52の挿入を導くことは、結果として、アーム41の挿入を導くことも意味する。
【0153】
装置40、より具体的にはスナップ機構はまた、図示された有利なものとは異なっていてもよい。
【0154】
例えば、装置40は、ルーフ4の閉ルーフ位置における位置決めを検出するように構成されたセンサ、並びに、センサがルーフ4の閉ルーフ位置における位置決めを検出した場合に、ルーフ4をフレーム2に固定するように構成されたアクチュエータを含む、自動装置であってもよい。
【0155】
一方、本明細書に示す特定の装置40は完全に機械式のものであり、すなわち、電力又は流体を供給する必要がなく、又はより一般的には、アクチュエータを必要とするものではない。
【0156】
このことは、単純さ、有効性、及び信頼性の点で好都合である。
【0157】
装置40は、装置40によって及ぼされる第2の拘束作用を除去するために手動で作動させることができる、解除部材54を更に備える。
【0158】
この場合、解除部材54は、アーム56に固定されたレバー55を備え、このレバーはアーム41に対して固定される。
【0159】
アーム56は、アーム41と単一部品を形成することが好ましい。
【0160】
アーム56は、アーム41とは異なるように、軸線Hから径方向に延在する。
【0161】
特に、レバー55は、アーム56に対して固定され、より具体的には、例えば、ねじ、ピン、リベットなどの、1つ又はそれ以上の公知の固定要素によって、アーム56に固定される。
【0162】
更に、装置40は、特に、アーム56に対して固定され、軸線Hに平行な軸線Kに沿ってアーム56に対して突出する、ボールグリップ又はピン57を備える。
【0163】
より具体的には、弾性要素48は、アーム56及び/又はアーム41に対して固定されたピン57を、更にガイド体12に結合する。
図6によれば、例えば、弾性要素48は、ピン57に形成された孔65を貫通する、部分48aを有する。この部分を孔65に挿入することにより、ピン57と弾性要素48との間の結合が形成される。
【0164】
より詳細には、孔65は、軸線Kに対して径方向に延在し、弾性要素48に面する。
【0165】
具体的には、孔65は貫通孔である。
【0166】
より具体的には、弾性要素48は、孔65を完全に貫通する、すなわちピン57を左右に横切る。
【0167】
本明細書に示す実施形態では、弾性要素48は、ガイド体12の孔66の内側に固定される端部48b、ピン67に巻き付けられる中間部48c、及び、孔65を通ってピン57を貫通する部分48aによって画定された別の端部を有する、ねじりばねを含む。
【0168】
ピン67は、装置40の一部とすることができる。
【0169】
ピン67は、軸線H、Kと平行な軸線Wに沿って延在し、ガイド体12に固定される。
【0170】
レバー55は、ユーザが利用し、操作できるように配置される。
【0171】
より詳細には、カバー要素30は、ユーザの視界から装置40を部分的に隠すが、レバー55を収容するハウジングと連通する、開口部58を有する。
【0172】
このハウジングは、特にカバー要素30によって画定される。
【0173】
開口部58によって、例えば自動車1の車室からハウジングを利用できるようになる。このようにして、ユーザがレバー55を利用することができる。
【0174】
レバー55は、特に弾性部材48の弾性反力に対抗して、第2の位置から第1の位置へのアーム41の移動を引き起こすように、ユーザが操作することができる。
【0175】
より正確には、第1の回転方向に従ってアーム41を回転させるように、レバー55を操作することができる。
【0176】
この回転を使用して、フック端部42を結合インタフェース38から解放することができる。
【0177】
好ましくは、レバー55、又はより正確にはその部分60の移動は、ルーフ4に対して固定されたガイド部によって導かれる。例えば、このガイド部は、カバー要素30によって、より正確には、レバー55のハウジングを画定するその壁部によって画定される。
【0178】
部分60は、特に開口部58を通してレバー55のハウジング内に指を差し込むことによって、ユーザが押すことができるボタンを、実質的に形成又は画定する。
【0179】
より具体的には、ユーザが部分60を上方に押圧することができる。
【0180】
このように、ユーザが部分60を上方に押すことができ、したがって、第1の位置に向かうアーム41の移動が決定される。
【0181】
この場合、部分60の上方への推力によって、第1の回転方向に従ってアーム41が回転する。
【0182】
実際、
図7に示すように、この推力はレバー55からアーム56に転送される。アーム56は軸線Hに対して径方向であり、この推力は軸線Hに対して横方向であるため、弾性部材48の弾性反力トルクとは反対に、第1の回転方向に向かうトルクが発生する。
【0183】
このトルクによって、第1の回転方向に従った回転が起こり、アーム41が凹部44から抜け出る。
【0184】
このようにして、ボタンを押圧することで、アーム41を空洞47から引き抜くことができる(
図8)。
【0185】
したがって、ルーフ4は、第2の拘束作用から解放される。第1の拘束作用も除去された場合、ルーフ4はフレーム2に対して自由であり、移動させることができる。
【0186】
ボタンを離すことで、弾性部材48によってアーム41が第2の位置に戻る。
【0187】
上記により、本発明によるアセンブリ3の利点は明らかである。
【0188】
追加のロック装置40は、ルーフ4を閉ルーフ位置に単に位置決めすることの他に、ユーザの更なる操作を必要とせずに、第2の拘束作用を果たす。
【0189】
このようにして、たとえユーザがロックボルト8を使用して第1の拘束作用を加えることを忘れたとしても、ルーフ4はいずれにせよフレーム2に固定される。
【0190】
これにより、ユーザが自動車1の使用中にルーフ4を誤って失うことが防止される。
【0191】
装置40は、構造的にコンパクトであり、使用が簡単であり、かつ信頼性が高い。したがって、アセンブリ3が過度に複雑化し、又は大型化することによって、自動車1の安全性が向上することの利点が損なわれることはない。
【0192】
更に、ロックボルト8は、従来技術と比較していくつかの改善点を特徴とする。
【0193】
例えば、ガイド体12が単一部品として、より正確には押出成形によって製造されるため、品質又は動作の有効性に関して大きな損失を伴わないことによって、アセンブリ3の製造コストが低減される。
【0194】
設計条件と比較して、孔14の直径の精度がより低い場合も、それらのクリアランスは、必要に応じてブッシング25によって補償される。
【0195】
更に、係合要素35と溝32が協働することによってもたらされる抵抗感を通じて、ユーザは、ピン16の位置をよりよく認識することができる。
【0196】
最後に、本発明によるアセンブリ3には、変更及び変形を施すことができるが、そのために、添付の特許請求の範囲に記載された保護の範囲を超えることはない。
【0197】
特に、本明細書に記載及び図示されている、構成要素の数及び形状は異なっていてもよく、特に、最大限の自由度をもって変更することができる。
【0198】
更に、「第1」及び「第2」などの用語は、単に明確にするために使用されており、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0199】
装置40は、端部10の領域に配置することもできる。あるいは、単一の装置40で第2の拘束作用を果たすのに十分であり得る。
【外国語明細書】