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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168396
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】ケーブルカバー
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/00 20060101AFI20231116BHJP
   H02G 3/04 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
H05K7/00 Q
H02G3/04 018
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023154057
(22)【出願日】2023-09-21
(62)【分割の表示】P 2020186503の分割
【原出願日】2020-11-09
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】小田 和彦
(57)【要約】
【課題】ケーブルの最小曲率半径を保証しながらケーブルを確実に固定する汎用性が高いケーブルカバーを提供する。
【解決手段】ケーブルカバーは、上部から見て半円周形状を有する半円部と、それぞれ上部から見て扇形状を有する第1の扇形部及び第2の扇形部を備え、半円部の円周部の側面と、第1の扇形部の円周部の側面とが対向し、半円部の円周部の側面と、第2の扇形部の円周部の側面とが対向し、対向する2か所の側面の円周部においてケーブルの一部を挟持し、ケーブルを屈曲させて保持すると共に、ケーブルの延伸方向を制限することが可能な溝部を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部から見て半円周形状を有する半円部と、
それぞれ上部から見て扇形状を有する第1の扇形部及び第2の扇形部を備え、
前記半円部の円周部の側面と、前記第1の扇形部の円周部の側面とが対向し、
前記半円部の円周部の側面と、前記第2の扇形部の円周部の側面とが対向し、
前記対向する2か所の側面の円周部においてケーブルの一部を挟持し、
前記ケーブルを屈曲させて保持すると共に、ケーブルの延伸方向を制限することが可能な溝部を備えるケーブルカバー。
【請求項2】
前記半円部、前記第1の扇形部及び前記第2の扇形部によって形成される前記ケーブルの経路の曲率は前記ケーブルの最小曲率半径以上である、請求項1に記載されたケーブルカバー。
【請求項3】
前記半円部の円周部の曲率は、前記第1の扇形部の円周部の曲率及び前記第2の扇形部の円周部の曲率よりも小さい、請求項1又は2に記載されたケーブルカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルを固定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ある種の装置の実装では、装置の内部でケーブルと内部ユニットとがコネクタ等で結線され、そのケーブルが装置の外部に引き出されて他の装置又は外部ユニット等と接続されることがある。このような実装において、外部に引き出されたケーブルに対して、引っ張る外力若しくは押し込む外力が加わったときに、装置の内部でケーブルと内部ユニットとの結線部に外力が伝播し、結線部の外れや破損が発生するという問題があった。そこで、装置の外部に引き出されたケーブルに対する外力がケーブルと内部ユニットとの結線部に伝播することを防止するために、ケーブルの途中を装置の内部に固定し、固定されたケーブルの一端を内部ユニットに接続することがある。この際、実装の容易性等の理由から、ケーブルの固定は、装置の内部にケーブルを屈曲して固定することによって実装されることが多い。
【0003】
ケーブルを固定する技術の一例が、特許文献1に開示されている。特許文献1に記載のコードホルダ3は、C字状の外側パネル3aと、外側パネル3aの内側に形成された中芯3bとを有する。電源コード6は、外側パネル3aと中芯3bとの間の溝に蛇行状に装着される。コードホルダ3は、取付片21に一体に形成される。アンテナ端子板2は、縁部に取付片21を有する。上記構成の結果、特許文献1に記載のコードホルダ3では、コードホルダ3の取付が容易である。
【0004】
ケーブルを固定する技術の別の一例が、特許文献2に開示されている。特許文献2に記載のケーブル固定具100は、ケーブル120を巻き付けるための円筒状の胴部101と、胴部101の上端部を塞ぐ蓋部102と、連結凸部103と、ツバ部104とを有する。連結凸部103は、蓋部102に固定されており、胴部101の下方向へ、胴部101の下端部よりも突き出している。ツバ部104は、胴部101の上端部から、胴部101の半径方向の外方へ延びる。蓋部102は、他のケーブル固定具100が有する連結凸部103と連結するための孔が形成されている連結孔部107を有する。上記構成の結果、特許文献2に記載のケーブル固定具100は、ケーブル120に過剰な力が加わらないようにしながらケーブルを収容する。
【0005】
ケーブルを固定する技術の更に別の一例が、特許文献3に開示されている。特許文献3に記載のケーブル固定構造では、機器筐体の下ケース1のケーブル出口2の近傍に、ケーブル5が巻き付けられるボス3を設ける。そして、ボス3とボス3に対向するリブ4との間にケーブル5の径よりも広い収容幅を持つケーブル収容部6を形成する。そして、ケーブル収容部6にケーブル5の巻き付き部分を収容する。又、ボス3の外周面とリブ4の内周面とにそれぞれ複数の突起3a、4aを設け、これによって外部からのケーブル引っ張り力及びケーブル押し込み力に対する抵抗力をケーブル5に付与する。上記構成の結果、特許文献3に記載のケーブル固定構造では、ケーブル5の無理な曲げによる断線不良や、ケーブル5の被覆の損傷を抑制しながら、ケーブル5の固定状態を保持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭62-186481号公報
【特許文献2】特開2019-013065号公報
【特許文献3】特開平11-075315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、電源コード6がコードホルダ3から外部に引き出される方向と電源コード6が延伸される方向とが必ずしも一致しない。そのため、電源コード6を屈曲して装置内部に固定する際に、ケーブルの最小曲率半径が保証されず、ケーブルが損傷しやすいという問題があった。尚、以下の説明では、ケーブルの最小曲率半径は、曲線状(直線状を含む)に配置されたケーブルにおける、曲線の最小の曲率半径であることとする。そして、「最小曲率半径を保証する」とは、曲線の曲率半径を最小曲率半径以上にすることとする。
【0008】
又、特許文献2に記載の技術では、ケーブル固定具100が、ケーブル120の胴部101に対する巻き付けられたケーブル120の延伸方向を制限しないので、ケーブル120がケーブル固定具100から外れ易いという問題があった。尚、以下の説明では、ケーブルの延伸方向は、ケーブルを固定する箇所から見たケーブルの両端それぞれの延伸方向であることとする。即ち、ケーブルが直線状に固定されていても、一端の延伸方向(例えば、ある平面座標系における延伸方向が0度)と他端の延伸方向(例えば、その平面座標系における延伸方向が180度)は異なることとする。
【0009】
又、特許文献3に記載の技術では、ケーブル固定構造が機器筐体の下ケース1と一体に形成されるので、ケーブル5の延伸方向毎にケーブル固定構造を用意する必要がある(汎用性が低い)という問題があった。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、ケーブルの最小曲率半径を保証しながらケーブルを確実に固定する汎用性が高いケーブルカバーを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様において、ケーブルカバーは、互いに略平行に対向する2つの側面でケーブルの一部を挟持することによって、曲率半径が所定の値以上である少なくとも2つの所定の経路のそれぞれに沿うように、ケーブルを屈曲させて保持すると共に、ケーブルの延伸方向を制限することが可能な溝部を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ケーブルの最小曲率半径を保証しながらケーブルを確実に固定する汎用性が高いケーブルカバーを提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態におけるケーブルカバーの構成の一例を示す2面図である。
図2】本発明の第2実施形態におけるケーブルカバーの構成の一例を示す斜視図である。
図3】本発明の第2実施形態におけるケーブルカバーの構成の一例を示す斜視図である。
図4】本発明の第2実施形態におけるケーブルカバーの組み立て動作の一例を示す斜視図である。
図5】本発明の第2実施形態におけるケーブルカバーの組み立て動作の一例を示す斜視図である。
図6】本発明の第2実施形態におけるケーブルカバーの組み立て動作の一例を示す斜視図である。
図7】本発明の第2実施形態におけるケーブルカバーの組み立て動作の一例を示す斜視図である。
図8】本発明の第2実施形態におけるケーブルカバーの組み立て動作の一例を示す斜視図である。
図9】本発明の第2実施形態におけるケーブルカバーの組み立て動作の一例を示す斜視図である。
図10】本発明の第2実施形態におけるケーブルカバーの構成の一例を示す上面図である。
図11】本発明の第2実施形態におけるケーブルカバーの構成の一例を示す断面図である。
図12】本発明の第2実施形態におけるケーブルカバーの構成の一例を示す断面図である。
図13】本発明の第2実施形態におけるケーブルカバーの変形例を示す断面図である。
図14】本発明の第2実施形態におけるケーブルカバーの構成の一例を示す透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。尚、全ての図面において、同等の構成要素には同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の各実施形態の基本である第1実施形態について説明する。
【0015】
本実施形態における構成について説明する。
【0016】
図1は、本発明の第1実施形態におけるケーブルカバー100の構成の一例を示す2面図である。図1以降の図、及び以降の説明において、ケーブルカバーが設置される向きは一例であり、実際にケーブルカバーが設置される向きは、任意の向きであってよい。図1以降の図、及び以降の説明において、ある方向から見て、ケーブルカバーの、幅(左右)方向を「X」で示し、奥行き(前後)方向を「Y」で示し、高さ(上下)方向を「Z」で示すこととする。即ち、X方向、Y方向、Z方向は互いに直交する方向である。X方向、Y方向、Z方向それぞれにおいて、右方向、奥方向、上方向を「正方向」と称し、左方向、手前方向、下方向を「負方向」と称することとする。又、以降の説明において、X方向における正方向側を「X+」側と、X方向における負方向側を「X-」側と、Y方向における正方向側を「Y+」側と、Y方向における負方向側を「Y-」側と、Z方向における正方向側を「Z+」側と、Z方向における負方向側を「Z-」側とも称することとする。図1では、左側にZ+側から見た上面図(X-Y面図)を示し、右側にX+側から見た側面図(Y-Z面図)を示している。
【0017】
ケーブルカバー100は、溝部110を含む。
【0018】
溝部110は、互いに略平行に対向する2つの側面170でケーブル200の一部を挟持することによって、少なくとも2つの所定の経路(例えば、経路410及び420)のそれぞれに沿うように、ケーブル200を屈曲させて保持することが可能である。又、溝部110は、少なくとも2つの所定の経路のそれぞれに沿うように、ケーブル200の延伸方向を制限することが可能である。ここで、各経路の曲率半径は、所定の値以上であることとする。尚、以下の説明では、ケーブル又は経路の最小曲率半径は、曲線状(直線状を含む)のケーブル又は経路における、曲線の最小の曲率半径であることとする。又、ケーブル又は経路の最小曲率半径は無限大ではない(ケーブル又は経路の全体が直線ではない)こととする。又、以下の説明では、ケーブル又は経路の延伸方向は、ケーブルを固定する箇所から見たケーブル又は経路の両端それぞれの延伸方向であることとする。即ち、ケーブル又は経路が直線状であっても、一端の延伸方向(例えば、ある平面座標系における延伸方向が0度)と他端の延伸方向(例えば、その平面座標系における延伸方向が180度)は異なることとする。
【0019】
図1では、例えば、溝部110は、X-Y平面上の経路410又は420の何れか一方に沿ってケーブル200を保持可能な、X-Y平面に平行な板(側面図における薄い網掛け部分)に形成されたZ方向の深さを有する溝である(上面図における薄い網掛け部分)。又、図1では、例えば、経路410は中央でX+側に一旦屈曲し、Y-側及びY+側へ延伸する経路であり、経路420は中央で屈曲してY-側及びX+側へ延伸する経路である。尚、経路410が途中で屈曲すると、ケーブル200の弾性、及び溝部110の互いに略平行に対向する2つの側面170とケーブル200の間の摩擦力等に起因して、ケーブル200が溝部110によってより強固に挟持される。
【0020】
以上説明したように、本実施形態のケーブルカバー100では、溝部110が互いに略平行に対向する2つの側面170でケーブル200の一部を挟持することによって、所定の経路に沿うように、ケーブル200を屈曲させて保持すると共に、ケーブル200の延伸方向を制限する。そして、通常、ケーブル200は弾性を有する。そのため、ケーブル200を押し引きする外力が加わっても、ケーブル200は所定の経路から外れ難いので、ケーブルの曲率半径は変化し難い。又、ケーブルカバー100では、溝部110は互いに略平行に対向する2つの側面170でケーブル200を挟持するので、ケーブル200を押し引きする外力が加わっても、ケーブル200がケーブルカバー100から外れ難い。又、ケーブルカバー100では、1つのケーブルカバー100が少なくとも2つの経路についてケーブル200を保持可能である。従って、本実施形態のケーブルカバー100には、ケーブルの最小曲率半径を保証しながらケーブルを確実に固定する汎用性が高いケーブルカバーを提供することができるという効果がある。
【0021】
尚、ケーブルカバー100は、固定部(不図示;第2実施形態を参照)を更に含んでもよい。固定部は、溝部110をケーブルカバー100の外部(例えば、装置の筐体)に固定する。固定部は、例えば、ケーブルカバー100の外部に形成された穴に係止される突起であってよい。あるいは、固定部は、例えば、ケーブルカバー100の外部に形成されたネジ穴に螺合されるネジであってよい。
【0022】
又、ケーブル200は、溝部110に外側から隣接する位置においてケーブル200を束線バンド(不図示)で束線することによって、ケーブルカバー100に係止されてもよい。溝部110に外側から隣接する位置は、図1では、例えば、Y-側におけるケーブル200の引出部分のY-側に隣接する位置、及びY+側におけるケーブル200の引出部分のY+側に隣接する位置である。あるいは、溝部110に外側から隣接する位置は、図1では、例えば、Y-側におけるケーブル200の引出部分のY-側に隣接する位置、及びX+側におけるケーブル200の引出部分のX+側に隣接する位置である。
【0023】
又、ケーブル200は、溝部110の互いに略平行に対向する2つの側面170との間の摩擦力によってケーブルカバー100に保持されてもよい。
【0024】
又、溝部110の互いに略平行に対向する2つの側面170にケーブル200を押圧する突起(不図示;第2実施形態を参照)が形成され、ケーブル200は、突起との間の摩擦力によってケーブルカバー100に保持されてもよい。
【0025】
又、各経路の両端の延伸方向は、例えば、互いに、90度、180度、又は270度だけ異なってもよい。
(第2実施形態)
本発明の第1実施形態を基本とする、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態におけるケーブルカバーは、6つの所定の経路のそれぞれに沿うように、ケーブルを保持することが可能である。
【0026】
本実施形態における構成について説明する。
【0027】
図2及び3は、本発明の第2実施形態におけるケーブルカバー105の構成の一例を示す斜視図である。図2はZ+側から見た斜視図であり、図3はZ-側から見た斜視図である。
【0028】
ケーブルカバー105は、溝部115と、固定部125とを含む。
【0029】
溝部115は、複数の経路に沿って、ケーブル200を屈曲させて保持する。溝部115は、芯部135と、カバー部145と、4つの引出部155とを含む。
【0030】
芯部135は、曲率半径が所定の値以上である略円筒形状を成す外周でケーブル200に接する。
【0031】
カバー部145は、曲率半径が所定の値以上である略円筒形状を成す内周でケーブル200に接する。芯部135とカバー部145は、X-Y平面に平行な面によってZ+側において連結されている。
【0032】
引出部155は、ケーブル200をカバー部145の内側から外側へ引き出すことが可能である。
【0033】
固定部125は、溝部115をベース板305に対して固定する。固定部125は、ベース板305に形成された穴315に係止される突起である。図2及び3では、4つの穴315に係止される4つの突起を例示している。
【0034】
溝部115は、互いに略平行に対向する2つの側面175(芯部135、カバー部145、又は引出部155の側面175)でケーブル200の一部を挟持することによって、6つの所定の経路のそれぞれに沿うように、ケーブル200を屈曲させて保持することが可能である。図2及び3では、6つの所定の経路は、Y-側及びY+側へ延伸する経路(経路Y-/Y+と称す;以下同様)、経路Y-/X+、経路Y-/X-、経路X-/X+、経路X-/Y+、及び経路X+/Y+である。図2及び3では、ケーブル200の経路Y-/Y+に沿った配置を例示している。図2及び3では、各経路の両端の延伸方向は、互いに、90度、180度、又は270度だけ異なる。又、溝部115は、6つの所定の経路のそれぞれに沿うように、ケーブル200の延伸方向を制限することが可能である。図2及び3では、6つの所定の経路の延伸方向は、Y-方向、Y+方向、X-方向、又はX+方向に制限される。尚、各経路の最小曲率半径は、芯部135、カバー部145、又は引出部155とケーブル200とが接触する面における最も小さい曲率半径に一致する。図2及び3では、溝部115は、X-Y平面上の6つの経路の何れかに沿ってケーブル200を保持可能な、X-Y平面に平行な板に形成されたZ方向の深さを有する溝である。又、図2及び3では、各経路は、芯部135の外周に沿って屈曲して、カバー部145及び引出部155の内周に沿って各方向へ延伸する。
【0035】
本実施形態における動作について説明する。
【0036】
図4乃至9は、本発明の第2実施形態におけるケーブルカバー105の組み立て動作を示す斜視図である。図4、6、及び8はZ+側から見た斜視図であり、図5、7、及び9はZ-側から見た斜視図である。図4及び5は、ケーブル200をケーブルカバー105に嵌合する前の状態を示す。図6及び7は、ケーブル200をケーブルカバー105に嵌合した後且つケーブルカバー105をベース板305に嵌合する前の状態を示す。図8及び9は、ケーブルカバー105をベース板305に嵌合した後の状態を示す。
【0037】
まず、図4乃至7に示すように、選択した経路に沿って、ケーブル200をケーブルカバー105の溝部115に嵌合する。
【0038】
次に、図6乃至9に示すように、ケーブルカバー105の4つの突起をベース板305の4つの穴315に嵌合する。
【0039】
ケーブルカバー105が経路Y-/Y+に沿ってケーブル200を保持している状態の詳細について説明する。
【0040】
図10は、本発明の第2実施形態におけるケーブルカバー105の構成の一例を示す上面図である。図10は、ケーブル200及びベース板305をケーブルカバー105に嵌合した後の状態を示す。
【0041】
図11は、本発明の第2実施形態におけるケーブルカバー105の構成の一例を示す断面図である。図11は、図10におけるA-A断面における断面図を示す。図11に示すように、引出部155においてケーブル200をケーブルカバー105から引き出すことができる。又、ケーブル200のZ+方向への移動は、芯部135とカバー部145を連結するX-Y平面に平行な面によって制限される。
【0042】
図12は、本発明の第2実施形態におけるケーブルカバー105の構成の一例を示す断面図である。図12は、図10におけるB-B断面における断面図を示す。図12に示すように、溝部115は、互いに略平行に対向する2つの側面175(芯部135及びカバー部145の側面175)でケーブル200の一部を挟持する。又、ケーブル200のZ+方向への移動は、芯部135とカバー部145を連結するX-Y平面に平行な面によって制限される。
【0043】
以上説明したように、本実施形態のケーブルカバー105では、溝部115が互いに略平行に対向する2つの側面175でケーブル200の一部を挟持することによって、所定の経路に沿うように、ケーブル200を屈曲させて保持すると共に、ケーブル200の延伸方向を制限する。そして、通常、ケーブル200は弾性を有する。そのため、ケーブル200を押し引きする外力が加わっても、ケーブル200は所定の経路から外れ難いので、ケーブルの曲率半径は変化し難い。又、ケーブルカバー105では、溝部115は互いに略平行に対向する2つの側面175でケーブル200を挟持するので、ケーブル200を押し引きする外力が加わっても、ケーブル200がケーブルカバー105から外れ難い。又、ケーブルカバー105では、1つのケーブルカバー105が6つの経路についてケーブル200を保持可能である。従って、本実施形態のケーブルカバー105には、ケーブルの最小曲率半径を保証しながらケーブルを確実に固定する汎用性が高いケーブルカバーを提供することができるという効果がある。
【0044】
本実施形態における変形例について説明する。
【0045】
図13は、本発明の第2実施形態におけるケーブルカバー105の変形例を示す断面図である。図13は、X-Y平面に平行な断面における断面図を示す。
【0046】
図13に示すように、本変形例のケーブルカバー106では、溝部115の互いに略平行に対向する2つの側面175にケーブル200を押圧する突起166が形成される。その結果、本変形例のケーブルカバー106は、突起166との間の摩擦力によって、ケーブル200をより強固に保持できる。図13では、経路Y-/Y+について詳細を例示しているが、他の経路についても同様である。
【0047】
図14は、本発明の第2実施形態におけるケーブルカバー105の構成の一例を示す透視図(上面図)である。図14は、ケーブルカバー105を含む装置345の構成の一例を示している。
【0048】
図14に示すように、ケーブル200は、装置345の内部のベース板305に設置された内部ユニット325にコネクタ335を介して接続されている。そして、ケーブル200はベース板305に設置されたケーブルカバー105によって経路Y+/Y-に沿って保持されている。ケーブルカバー105を用いてケーブル200を経路Y+/X-や経路Y+/X+等に沿って保持するように変更することも容易である。
【0049】
以上、本発明を、上述した各実施形態およびその変形例によって例示的に説明した。しかしながら、本発明の技術的範囲は、上述した各実施形態およびその変形例に記載した範囲に限定されない。当業者には、係る実施形態に対して多様な変更又は改良を加えることが可能であることは明らかである。そのような場合、係る変更又は改良を加えた新たな実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれ得る。そしてこのことは、特許請求の範囲に記載した事項から明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、装置又は装置の内部ユニット同士を互いに接続する用途において利用できる。
【符号の説明】
【0051】
100、105、106 ケーブルカバー
110、115 溝部
125 固定部
135 芯部
145 カバー部
155 引出部
166 突起
170、175 側面
200 ケーブル
305 ベース板
315 穴
325 内部ユニット
335 コネクタ
345 装置
410、420 経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14