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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168431
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】二尖弁切離デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/3209 20060101AFI20231116BHJP
   A61F 2/24 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
A61B17/3209
A61F2/24
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023163695
(22)【出願日】2023-09-26
(62)【分割の表示】P 2020505207の分割
【原出願日】2018-07-27
(31)【優先権主張番号】62/538,976
(32)【優先日】2017-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/045,116
(32)【優先日】2018-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・バク-ボイチュク
(72)【発明者】
【氏名】ミン・エイチ・ウ
(57)【要約】
【課題】切断要素を有するカテーテルを使用して心臓弁尖を二分するための方法および装置を提供する。
【解決手段】本発明は、天然弁輪内における人工心臓弁の展開を改善するために天然弁尖を二分することを含み得る、心臓弁機能を修復するためのデバイス、システム、および方法である。本発明は、弁尖を穿孔するおよび/または弁尖に制御的な切断を行うように構成された切断要素を有する切断要素シャフトを有するカテーテルを含み得る。このデバイスは、切断要素シャフトから弁尖の対向側部上に位置決めされるように構成された延在可能フットを有し得る。デバイスは、延在可能フットとの適切な整列状態に切断要素および/または切断要素シャフトを案内するために、ならびに弁尖の二分中にこれらの要素を定位置に保持するために、磁石を備え得る。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書及び添付図面に関連付けて実質的に説明された心臓弁尖を二分するためのデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心臓弁の修復および/または置換に関し、より詳細には切断要素を有するカテーテルを使用して心臓弁尖を二分するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
脊椎動物において、心臓は、4つのポンプ腔、すなわち左心房および右心房ならびに左心室および右心室を有する中空筋器官であり、これらはそれぞれ、固有の一方向流出弁を備える。天然の心臓弁は、大動脈弁、僧房弁(または二尖弁)、三尖弁、および肺動脈弁として識別される。これらの弁は、心臓の心腔同士を分離し、心腔同士の間の弁輪中にそれぞれ備わっている。これらの弁輪は、心房筋線維および心室筋線維に対して直接的または間接的のいずれかで装着された高密度線維輪を備える。弁尖は、可撓性の膠原質構造体であり、これらの膠原質構造体は、弁輪に対して付着し弁輪から内方に延在して、接合縁にて合流する。大動脈弁、三尖弁、および肺動脈弁は、3つの弁尖を通常有し、僧房弁は、2つの弁尖を通常有する。
【0003】
心臓の動作およびしたがって患者の健康は、これらの心臓弁のいずれかが適切に機能していない場合には重度に損なわれ得る。心臓弁に関する様々な問題が、複数の臨床的原因により展開し得る。心臓弁における狭窄症は、弁が適切に開かないという症状である。閉鎖不全は、弁が適切に閉じないという症状である。大動脈弁または僧房弁の修復または置換は、それらの弁が圧力および応力が最大となる心臓の左側に位置するため最も一般的なものである。弁置換手術では、置換人工弁が、天然弁輪中に植え込まれ、これは天然弁尖の切除を伴う場合がある。
【0004】
心臓弁は、弁または弛緩性の逸脱弁尖の周囲における弁輪拡張により適切に閉じる能力を喪失する場合がある。また、弁尖は、リウマチ性疾患などの疾患により収縮する場合があり、これにより弁尖同士の間において弁中に間隙が残る。心臓弁の閉鎖能力の欠如により、血液は、逆方向(正常な血流とは反対の方向)に漏れ、これは一般的に逆流と呼ばれる。かかる逆流の一般的な例としては、僧房弁逆流(すなわち僧房弁を通り左心房内へと戻る血液の漏れ)、および大動脈弁逆流(すなわち大動脈弁を通り左心室内へと戻る血液の漏れ)が含まれる。逆流は、十分な循環を維持するために逆流を引き起こしている弁を介してより多くの血液を送給しなければならないため、心臓の機能を重度に損なう場合がある。初期段階では、心臓弁逆流は疲労感および息切れをもたらす。検査されないままにおかれた場合には、この問題は鬱血性心不全、不整脈、または死に至る可能性がある。
【0005】
心臓弁逆流は、心臓弁輪の形状における変化、1つまたは複数の心臓弁尖に対する損傷、および/または腱索に対する損傷により引き起こされ得る。かかる逆流では、心臓弁尖は、弁を封止するように適切に共に接合しないため、弁尖は、収縮期中に弁輪を完全に閉じるようには接合せず、開口が弁尖の縁部同士の間に残る。
【0006】
弁尖同士が収縮期中に適切な封止のために接合しないような機能不全心臓弁は、修復するまたは人工弁などの人工デバイスと置換することが可能である。場合によっては、人工弁を天然弁輪内に適切に植え込むために、弁尖などの天然の構造体を除去することが望ましい場合がある。例えば、従来の開心外科手技においては、外科医は、外科用メスを使用して天然心臓弁尖を手作業で切断する。場合によっては、置換弁が、弁尖などの天然構造体を除去または切断する必要性を伴わずに天然弁の上に直接的に設置され得る。例えば、経カテーテル大動脈弁置換(TAVR)手技では、人工弁は、カテーテルを通して送達され、天然弁尖を側方に押すことにより天然弁輪内に展開される。場合によっては、人工弁を天然弁輪内において適切に展開するために、天然弁尖を切断する(例えば二分する)ことが望ましいこともある。天然弁尖の二分が望ましいであろう状況の例としては、天然弁尖が人工弁を望ましくない形状へと変形させている(例えば人工弁を楕円形状へと変形させている)(またはさせることになる)状況が含まれる。例えば、高度石灰化天然弁尖が、弁輪中に展開された人工弁を共同的に歪ませる複数部分を有する場合がある。
【0007】
天然弁尖の二分が望ましいであろうもう1つの状況は、いわゆる大動脈弁二尖弁(BAV)の場合である。BAVでは、大動脈弁は、(通常の3つの弁尖とは対照的に)2つのみの弁尖を有する、または大動脈弁は、隣接し合う弁尖が融合して(例えば隣接し合う弁尖間の縫線/融合部に沿った縁部間整列状態で)単一の弁尖構造体となったものを有し、それにより、弁は、2つまたはさらには1つの有効な弁尖しか有さない。かかる弁内での人工弁の展開前に、弁尖を2つの別個の弁尖構造体へと二分する、または2つの融合した弁尖を分離することが望ましい場合がある(縫線に沿った融合弁尖の二分によってなど)。
【0008】
弁尖の二分および除去のための技術において、様々なデバイスおよび方法が知られている。カテーテルベース弁尖二分のために、カテーテル経由で送達され得る切断デバイスが知られている。
【0009】
弁尖の二分が弁修復および弁置換を容易にするための望ましい場合に、従来の切断デバイスは、切断要素を弁尖に通して前進させることが困難である場合がある(例えば石灰化した弁尖などの損傷を被った弁尖にしばしば伴う硬い組織/沈着物質に起因して)。
【0010】
現在、心臓弁修復および心臓弁置換を実施するための改良された手段が必要とされている。本発明は、この必要性を満たす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、弁尖を切断(例えば二分)するための複数のデバイスおよび方法を提供する。本明細書のデバイスおよび方法は、周囲組織に損傷を与えることなく経皮手技または他の手技の最中に弁尖を正確に切断することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書において開示される各要素は、具体的な要素組合せが本明細書の図面内に明示されない場合でも、本明細書において開示されるあらゆる要素と共に使用され得る点を理解されたい。換言すれば、特定のデバイスの説明に基づき、当業者は、2つのかかるデバイスの中のいくつかの特徴を組み合わせることに殆ど問題を伴わないはずである。したがって、これらの要素の多くは互換性を有し、本発明はそれらのあらゆる置換を範囲に含む点を理解されたい。
【0013】
本発明のデバイスは、標準的な開腹外科手技、低侵襲手技、または皮下手技において使用可能である。一実施形態では、これらのデバイスは、小さな胸部切開部を介して経心尖的に送達され得る。別の実施形態では、デバイスは、左心房または右心房の上壁に対して形成される切開部を介して経心房的に導入され得る。さらに別の実施形態では、デバイスは、胸腔鏡により胸部を通り左心室または右心室内に送達することが可能であり、これは経心尖的に実施され得る。また、これらのデバイスは、カテーテルを介して患者の心房系内へなど(例えば大腿動脈または上腕動脈を経由してなど)、経皮的に送達され得る。
【0014】
このデバイスの利点としては、低送達プロファイルが含まれ、これは、低侵襲的な送達方法および経皮的な送達方法に寄与する。デバイスは、心室、心房、および弁下集合体などの周辺組織に対する干渉を最小限に抑えつつ天然弁尖を切断するために、天然弁尖との間で適切に連携するように構成される。
【0015】
本開示の実施形態は、大動脈弁または僧房弁などの弁尖を切断するためのデバイスおよび方法を提供する。本明細書において開示されるこれらのデバイスおよび方法は、経皮的外科方法または低侵襲性外科方法を利用して被験体の心臓内へ望ましい様式で送達される。したがって、本明細書において説明される望ましい方法は、体外循環(例えば被験体の循環系からの血液が、被験体の循環系に対して適用され次いでこの循環系へと戻されるプロセスを行うために体外に送られる)を必要としなくてもよい。例えば、一実施形態では、切除カテーテル(または同様のデバイス)が、胸壁中の切開部に挿通され、次いで心臓組織を通り(例えば心臓の心尖を通り)患者の拍動中の心臓の心腔内へと挿入される。かかる方法は、体外循環を必要としなくてもよいため、従来の開心外科手術と比較した場合に合併症が大幅に減少し得る。
【0016】
本発明の一実施形態によるデバイスは、操縦可能カテーテルシャフトと、操縦可能カテーテルシャフト内に摺動的に配設されたフットシースと、フットシースの遠位端部に位置するフット要素であって、弁尖の下方から弁尖に係合するように構成されたフット要素とを有する。フット要素は、フット開口を有し得る。切断要素シースが、操縦可能カテーテル内に摺動的に配設され得る。切断要素が、切断要素シース遠位端部からフット開口内へ選択的に延在可能であり得る。アライメント磁石(選択的に作動される電磁石など)が、フット要素および/または切断ブレードシース遠位端部内に設けられ得る。フットは、カテーテルシャフトから遠位方向に延在した場合に、フットシースから側方に延在するように構成されてもよく、0.5~2.0センチメートルの間の全長および/または0.3~0.8センチメートルの間、最大で1.0cmまで、最大で1.5cmまで、最大で2cmまで、1.0~2.0cmの全幅を有してもよい。フットは、カテーテルシャフトから延在した場合に自己拡張してもよく、ニチノールまたは同様の記憶材料から形成されてもよい。単純な切断ブレード、研磨表面を有するモータ駆動回転ロッド、電気メスデバイス、湾曲状ブレード、および/またははさみなどの様々な切断要素が、本発明の範囲内に含まれる。デバイスは、操縦可能カテーテルから延在されるように構成された塞栓フィルタを備えてもよい。
【0017】
本発明の一実施形態による心臓弁を治療するためのシステムは、天然心臓弁を二分するためのデバイスと、人工心臓弁を送達するための送達カテーテルであって、送達シャフト遠位端部を有する可撓性細長送達シャフトを備え、送達シャフト遠位端部上に人工心臓弁保持部分をさらに備える、送達カテーテルと、径方向拡張可能な人工心臓弁とを有し得る。径方向拡張可能な人工心臓弁は、送達カテーテルの人工心臓弁保持部分により保持され得る。人工心臓弁は、径方向自己拡張性またはバルーン拡張性など、径方向に拡張可能であってもよい。送達カテーテルは、送達シャフト遠位端部に拡張可能バルーンを有するバルーンカテーテルであってもよい。
【0018】
本発明による心臓弁尖を二分するための方法は、弁輪を有する天然心臓弁付近の位置まで患者の解剖学的構造体を通り操縦可能カテーテルシャフトを前進させるステップと、操縦可能カテーテルシャフトから出て天然心臓弁の弁尖を遠位方向に越えるようにフットを前進させるステップと、弁尖の遠位側部に対接してフットを位置決めするステップと、操縦可能カテーテルシャフトから外にカッターシースを前進させるステップであって、カッターシースがカッターシース遠位端部を備える、ステップと、弁尖の近位側部に対接してカッターシース遠位端部を位置決めするステップと、フットとカッターシースの遠位端部との間に弁尖を保持するステップと、カッターシースから出て弁尖上の選択された進入位置にて弁尖内に切断要素を前進させるステップとを含んでもよい。切断要素は、弁尖を横断するように移動されて、それにより弁尖の少なくとも一部分にわたり延在する切断部を形成してもよい。弁尖中の選択された進入位置は、弁輪に隣接する位置であってもよく、弁尖を横断するように切断要素を移動させるステップは、切断部が所望の進入位置から弁尖の自由縁部まで延在するように、弁輪に隣接する選択された進入位置から自由縁部まで切断要素を移動させるステップを含んでもよい。代替的には、進入点は、自由縁部に沿った位置であることが可能であり、切断は、選択された経路に沿って弁尖中へと進む。弁尖が石灰化沈着物を有する場合には、弁尖を横断するように切断要素を移動させるステップは、切断により石灰化沈着物が外れないように、切断要素と石灰化沈着物との接触を回避するステップを含み得る。カッターシース遠位端部は、第1の磁石を有してもよく、フットは、第2の磁石を有してもよく、弁尖の近位側部に対接してカッターシース遠位端部を位置決めするステップは、それぞれの磁石の磁気引力により第2の磁石に第1の磁石を整列させるステップを含み得る。第1の磁石または第2の磁石の少なくとも一方が、選択的に作動される電磁石であってもよく、弁尖の近位側部に対接してカッターシース遠位端部を位置決めするステップは、電磁石を作動させるステップを含んでもよい。
【0019】
大動脈弁、僧房弁、三尖弁、および肺動脈弁を含む様々な弁が、本発明のデバイスおよび方法を使用して治療され得る。患者の解剖学的構造体を通りデバイスを前進させるための具体的なアプローチは、治療対象の特定の弁に依存し得る。例えば、大動脈弁の場合には、アプローチは、大腿動脈を通り大動脈内におよび患者の大動脈弓の周囲に操縦可能カテーテルシャフトを前進させることを含め、天然心臓弁付近の位置まで患者の解剖学的構造体を通り操縦可能カテーテルシャフトを前進させることを伴い得る。
【0020】
本発明は、1つまたは複数の塞栓フィルタ要素を備え得る。例えば、カッターシースから出て弁尖内に切断要素を前進させるステップの前に、塞栓フィルタが、操縦可能カテーテルシャフトから、弁尖を通り流れる実質的にすべての血液が患者の肺または脳を通過する前に塞栓フィルタを通過するような位置へと展開され得る。
【0021】
デバイスは、被験体の血管を経由して経皮的または経心尖的を含む様々なアプローチを利用して送達され得る。
【0022】
本発明の他の目的、特徴、および利点が、以下の詳細な説明を考慮することにより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態によるデバイスが中に前進された心臓の断面図である。
図2図2A図2Eは、本発明の実施形態による治療前の心臓弁の上面図である。
図3図3A図3Eは、本発明の実施形態による治療後の心臓弁の上面図である。
図4図4A図4Bは、本発明の一実施形態による治療前の心臓弁の上面図である。
図5図5A図5Dは、本発明の一実施形態によるデバイスの側面図である。
図6図6A図6Dは、本発明の一実施形態によるデバイスを用いて治療される心臓弁の側面図(断面図)である。
図7図7A図7Bは、本発明の一実施形態によるデバイスの斜視図であり、図7C図7Dは、デバイスの斜視図(拡大図)である。
図8】本発明の一実施形態によるデバイスの斜視図である。
図9】本発明の一実施形態によるデバイスの斜視図である。
図10】本発明の一実施形態によるデバイスの斜視図である。
図11】本発明の一実施形態によるデバイスの斜視図である。
図12図12A図12Fは、本発明の一実施形態によるデバイスの側面図、側面図、上面図(破断図)、側面図、上面図(破断図)、側面図である。
図13図13A図13Fは、本発明の一実施形態によるデバイスの側面図、側面図、上面図(破断図)、側面図、上面図(破断図)、側面図、上面図(破断図)、側面図である。
図14】本発明の一実施形態によるデバイスが中で動作中である心臓の側面図である。
図15】本発明の一実施形態によるシステムの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1では、ヒト心臓10の断面図が示される。心臓10は、心筋壁11、心尖19、ならびに4つの心腔、すなわち右心房12、右心室14、左心房16、および左心室18を有する。血流は、4つの主要弁、すなわち三尖弁20、肺動脈弁22、僧房弁24、および大動脈弁26により制御される。血液は、上大静脈28および下大静脈30を通り心臓10の右心房12内に流れる。右心房12は、三尖弁20を通り(開構成において)右心室14内に血液を送給する。次いで、右心室14は、右心室14から右心房内への血液の逆流を防ぐために三尖弁20が閉じられた状態において、肺動脈弁22を通り肺動脈32(肺に続く動脈へと分岐する)内へと血液を送出する。三尖弁20の弁尖の自由縁部は、三尖弁20の移動を制御するために右心室腱索34により右心室14中の右心室乳頭筋36に対して連結される。
【0025】
肺を出た後に、酸素を多く含む血液は、肺静脈38を通り流れ、心臓10の左心房16に進入する。僧房弁24は、左心房16と左心室18との間の血流を制御する。僧房弁24は、血液が左心室18から大動脈40内に放出される心室収縮期の最中には閉じられる。その後、僧房弁24は、左心房16からの血液で左心室18を再充填するように開かれる。僧房弁24の弁尖自由縁部42a、42pは、僧房弁24を制御するために左心室腱索44により左心室18中の左心室乳頭筋46に対して連結される。左心室18からの血液は、大動脈弁26を通り大動脈40内に送給され、この大動脈40は、肺を除く身体の全部分に至る動脈へと分岐する。大動脈弁26は、3つの弁尖48(または大動脈弁が二尖形である場合には2つの弁尖)を備え、これらの弁尖48は、心臓が拍動するときに心臓の左心室18から大動脈40内への血流を制御するために開閉する。本発明によるデバイス50は、細長シャフト52が、大動脈弁26の弁尖48を二分するために大動脈弁26に隣接してデバイスの遠位端部54を位置決めするように患者の血管系を通り前進された状態で示される。
【0026】
図2A図2Eは、提案される二分ラインを伴いつつ、様々な欠陥を有する大動脈弁の上面図を示す。図2Aは、大動脈弁の正常な3つの弁尖とは対照的に2つのみの弁尖48L(左)、48R(右)が存在するType0大動脈弁二尖弁26a、すなわち「完全な」大動脈弁二尖弁を示す。弁26aは、弁狭窄/機能不全に関与し得る石灰沈着物60を備え得る。かかる大動脈弁26aは、人工心臓弁が弁輪62a内で径方向に拡張された場合など、径方向に拡張された場合に楕円形状を形成する傾向を有し得る。図2Bは、隣接し合う左弁尖48Lおよび右弁尖48Rが縫線64によりそれらの縁部にて固定されるが、無中隔(後方)弁尖48Nが融合されていない、Type1大動脈弁二尖弁26bを示す。図2Cは、隣接し合う弁尖48R、48Lが縫線64によりそれらの縁部にて固定される別のTayp1大動脈弁二尖弁26cを示す。図2Dは、隣接し合う弁尖48N、48Lが縫線64によりそれらの縁部にて固定される別のType1大動脈弁二尖弁26dを示す。図2Eは、隣接し合う弁尖48L、48N、48Rが複数の縫線64によりそれらの縁部にて固定されるType2大動脈弁二尖弁26eを示す。
【0027】
かかる大動脈弁二尖弁の場合に、天然弁尖が天然弁輪のある側部または領域において他の側部/領域よりも人工弁拡張に対して強く抵抗することにより、二尖弁の弁尖が弁輪内における人工心臓弁の望ましい円形拡張に対して抵抗する場合があるため、天然弁尖内における拡張可能な経カテーテル人工心臓弁の適切な展開が困難となる場合がある。例えば、図2Aの完全な二尖弁26aでは、弁尖48L、48Rは、天然弁26aの交連部分よりもより強力に人工弁拡張に対して抵抗するため、中で展開される人工弁は、所望の円形形状とは対照的に天然弁尖48L、48Rにより楕円形状へと付勢され得る。
【0028】
天然弁尖の中の1つまたは複数に1つまたは複数の二分切断部を切り通すことにより、天然弁尖が天然弁輪を変形させるおよび/またはその天然弁尖内における人工心臓弁の適切な円形拡張に対して抵抗する傾向は、大幅に軽減され得る。好ましくは、かかる二分切断部は、石灰化領域を回避することおよび弁尖組織が天然弁から切り離される結果をもたらす切断を回避することなどにより弁尖組織の塞栓を防止するために実施され得る。好ましくは、特定の切断経路が、天然弁尖組織の塞栓の回避を目的として、所望の成果および特定の天然弁構造体に基づきユーザ(例えば医師)により選択され得る。図3A図3Eは、本発明の実施形態による、二分切断部66が形成された心臓弁の上面図を示す。好ましくは、二分切断部66は、弁輪に隣接する弁尖の一部分から起始し、次いで弁輪の中心に向かう位置にて弁尖から出るように切り通される。隣接し合う弁尖が縫線にて融合される場合には、二分切断部66は縫線64に沿ってまたは縫線64に対して平行に形成され得る点に留意されたい。二分切断部は、個々の弁尖(図3A)または2つの接合された弁尖(図3B図3D)または3つの接合された弁尖(図3E)を2つ以上の別個の弁尖構造体へと切断することにより弁尖の個数を効果的に増加させる。
【0029】
図4Aおよび図4Bは、本発明の一実施形態による切断方法を示す。図4Aに示すように、初期穿孔68が、弁輪62に隣接して形成され、次いで弁尖自由縁部および弁開口中心に向かって切断経路70が走り得る。結果として、左弁尖48Lは、図4Bに示すように切断部66により2つの別個の弁尖構造体72へと二分される。
【0030】
図5A図5Dでは、細長操縦可能シース52、遠位端部54、および近位端部56を有する本発明によるデバイス50が示される。デバイス50は、切断ブレード部材80が摺動的に中に配設された切断ブレードシース78を有する。切断ブレードシース78およびフットシャフト82は、操縦可能外方シース52内に摺動的に配設される。切断ブレードシース78、切断ブレード部材80、およびフットシャフト82は、相互に対して遠位方向および近位方向に移動されるように構成される。近位端部56に位置する制御ハンドル84が、操縦可能シースを操縦するための操縦制御部86、切断ブレードシース78およびフットシャフト82を前進および後退させるように構成された摺動制御部88、90、ならびにブレード部材80を介してブレード92を前進および後退させるように構成されたブレード制御部91などの様々な制御部を備える。
【0031】
切断ブレード部材80は、遠位端部に切断ブレード92を有し、フットシャフト82は、遠位端部にブレード受け開口96を有するフット94を有する。図5A図5Cに示すように、弁尖を穿孔する前に、切断ブレード92はフット開口96の近位に位置する。図5Dに示すような切断構成では、切断ブレード92は、切断ブレード92の一部分がフット開口96内に位置するまで、フット94に対して遠位方向に前進される。送達構成では、切断ブレードシース78、切断ブレード部材80、切断ブレード92、およびフット94は、操縦可能カテーテル52内で後退される、または完全に患者外に位置する点に留意されたい。
【0032】
フット94は、展開された場合に、フットシャフト82から横に延在することにより、弁尖の下方に延在し、デバイスが近位側から弁尖に接近する場合に遠位側から弁尖の少なくとも一部分を支持するように構成される。フット94は、展開された場合に、全幅95(例えば0.3~0.8cm、1.0~2.0cm、最大で1.0cmまで、最大で1.5cmまで、または最大で2cmまで)、および/または全長97(例えば0.5~2.0センチメートル)を有し得る。フット94は、開口96を超えて延在する遠位リップ98を有してもよく、この遠位リップ98は、大動脈構造体および心室構造体などの隣接する心臓構造体をブレード92により過って切断するのを防止するために十分な距離100(例えば0.1~0.5センチメートル)だけ、遠位リップ先端部102からブレード92を離間させる。
【0033】
切断ブレード92は、組織を穿孔するための先鋭先端部104と、組織をスライスするための切断エッジ106とを有し、切断エッジ106は、フットシャフト82に向かって配向される。先鋭先端部104が材料層(弁組織など)を通過して駆動され、さらにフット開口96内に位置決めされた状態において、この材料層からデバイス50を後退させる(例えば材料層から近位方向にデバイスを引くことにより)ことによって、切断エッジ106は、材料層に対して係合しこの材料層を切り通す。
【0034】
磁石110、112が、切断ブレードシース78および/または切断ブレード92をフット94およびフット開口96との適切な整列状態に案内するのを支援するために、および/またはフット94に対して切断ブレードシース78の遠位端部を対接状態に保持して弁尖に対してデバイスを保持するために、備えられ得る。1つまたは複数の磁石が、ブレードまたはブレードシースの上にまたは隣接して位置してもよく、ブレード自体またはブレードシース自体が、磁性を有してもよい。1つまたは複数の磁石が、フットの上にまたは隣接して位置してもよく、フット自体が、磁性を有してもよい。これらの磁石は、永久磁石であってもよく、またはフット94との間で切断ブレードシース78を定位置に前進および保持することが望まれる場合にユーザにより選択的に作動されるように構成された電磁石であってもよい。
【0035】
デバイスは、様々な材料から形成され得る。例えば、フット94および/またはブレードシース78が、ニチノールから形成されてもよい。
【0036】
デバイス50は、放射線不透過性要素および/または他の可視化強化要素を備えてもよい。例えば、放射線不透過性マーカが、磁石110、112の位置にてまたはそれに隣接してなど、ブレードシース78および/またはブレード92および/またはフット94の上に備えられてもよい。
【0037】
弁尖を二分するための位置へとデバイスを前進させるための様々なアプローチが、本発明の範囲内に含まれる。動脈弁を治療する場合の1つの好ましいアプローチは、大腿動脈を介した経カテーテルアプローチである。この方法は、経カテーテル大動脈弁置換(TAVR)の展開を含んでもよく、これは、同一の経カテーテルアプローチを使用して実施され得る。例えば、本明細書において開示されるものなどのブレード二分カテーテルが、天然弁の弁尖を二分するために使用され得る。切断手技が最初に実施され、その後に経カテーテル人工弁の展開が続き得る。切断手技が、天然弁の能力を低下させ得る一方で、天然弁の能力における一時的な低下は、経カテーテル人工弁が弁尖の二分の直後に展開されることになるため、手技の成果に対して有害とはならない。
【0038】
本発明による天然弁尖を二分するための手技の一例では、大腿動脈アクセスが、TAVR手技のために利用されるタイプのアクセスシースを介して実現される。このアクセスシースは、アクセス部位に位置決めされる。ガイドワイヤが、大腿アクセス部位から大動脈弓を通り患者の左心室内に前進される。操縦可能シャフトは、標準的なオーバーザワイヤ技術などによりガイドワイヤ上を前進されて、標的位置までデバイスの遠位端部を前進させることが可能である。例えば、デバイスは、ガイドワイヤルーメンを有し得る。エコーおよび蛍光透視可視化技術が利用され得る。
【0039】
操縦可能シャフト52が標的位置に位置決めされた状態で、フット94は、操縦可能シャフト52から出て遠位方向へと左心室18内に、二分されることになる大動脈弁尖48の下方の位置まで延在される。次いで、フット94は、図6Aに示すように心室側から弁尖48に係合するように近位方向に後退される。フット94の位置は、エコーおよび/または蛍光透視技術などにより可視化され得る。
【0040】
フット94の適切な位置が確認されると、ブレードシース78は、図6Bに示すように弁尖48およびフット94に向かって遠位方向に前進され得る。磁石110、112は、フット94にブレードシース78を整列させるのを補助する。エコーおよび/または蛍光透視技術などによる可視化は、フット94とのブレードシース78の整列を確認するために利用され得る。ブレードシース78およびフット94は整列されると、シース78が大動脈側から弁尖48に係合し、フット94が心室側から弁尖48に係合し、磁石110、112がそれぞれの位置にシース78およびフット94を保持する状態で、ブレードシース78とフット94との間に標的弁尖48を保持するために相互に向かって押圧され得る。ブレードシース78およびフット94の整列および位置決めが実現されると、ブレード92は、ブレードシース78から遠位方向に前進されて、図6Cに示すように弁尖48を貫通しフット開口96に進入し得る。ブレード92が弁尖48を通り前進され、フット開口96内に固定されると、フット94は近位方向に引かれ、それによりブレードエッジ106が近位方向に牽引される状態でブレード92が遠位方向に引っ張られて、ブレードエッジ106は、弁尖48をスライスして通る。好ましくは、ブレードシース78、ブレード部材80、およびフット94は、フット94が引かれるときのブレード切断エッジ106の引張方向が、図6Dに示すように大動脈壁部から離れる方向であり大動脈弁軸に対して大体において軸方向となるように、可撓性であってもよい(ニチノールからそれらが形成されることを含み得る)。この手技は、複数の切断部が単一の弁尖中に望ましい場合には、異なる弁尖に対しておよび/または同一の弁尖に対して繰り返され得る。
【0041】
図7A図7Dには、本発明によるデバイス120の代替的な実施形態が示される。デバイス120は、操縦可能カテーテル122、遠位方向延在可能フット124、ブレードシース126、およびブレード128を備える。操縦可能カテーテル122は、ブレードシース126、フット124、およびブレード128を収容するように構成され、これらはいずれも、操縦可能カテーテルの遠位端部が所望の治療位置に位置した場合に操縦可能カテーテル122から遠位方向に延在し得る。フット124は、フット124の近位側部130が弁尖の遠位側部の方向を向くように、弁尖の遠位側の位置まで遠位方向に延在されるように構成される。次いで、フット124は、弁尖が圧縮されそれによりフット近位側部130と操縦可能カテーテル122の遠位端部132との間に保持されるまで後退され得る。操縦可能カテーテルの遠位端部132は、フット124の近位側部130と同様に把持表面を有してもよく、それにより、遠位端部132および近位側部130は、一体になると、間に弁尖を物理的に拘束することが可能な牽引クランプを形成する。フット近位面132およびフット124の近位側部130は、インターロック表面を有し得る。フット124は、ブレード128を中に受けるように構成されたポケット134または他の開口を有し得る。
【0042】
弁尖が牽引クランプ内に固定されると、ブレード128は、ブレードシース126から弁尖組織中におよびポケット134内へと遠位方向に前進され得る。ブレード128は、最適な切断のための輪郭を有してもよく、他の実施形態に関して前述したものなどの切断方法としての引戻しを可能にするものであってもよい。ブレード128は、先鋭切断エッジ136を有してもよく、この先鋭切断エッジ136は、底部側および両側部側においてブレード128の周囲に沿って湾曲してもよく、それによりデバイス120は、弁尖縁部に向かう方向および弁尖縁部から離れる方向の両方における切断が可能となる。ブレード128は、前述のものなどの摺動制御によりユーザによって手動的に作動されてもよく、または鋸引き動作での反復ストロークのために駆動(例えば電気モータを介して)されてもよい。
【0043】
図8では、本発明によるデバイス140の別の実施形態が示される。デバイス140は、操縦可能カテーテル142、フットシース144、およびフット開口148を有するフット146を有する。カッターシース150が、操縦可能カテーテル142から摺動的に延在可能であり、カッターシース150から遠位方向に前進および後退され得る回転可能切断要素152を有する。回転可能切断要素152は、高速で切断要素152を旋回させ得る小型電気モータ(図示せず)または同様の電源により遠位方向に駆動され得る。切断要素152は、高速旋回される場合の切断能力を改善するための研磨表面(ダイヤモンドコーティングなど)を有し得る。フット146が弁尖の遠方側に位置決めされた状態で、切断要素152は、弁尖中におよびフット開口148中に駆動される。モータは、弁尖中に穿孔が形成される前または後のいずれかにおいて切断要素152を回転させるように作動され得る点に留意されたい。モータが作動し、切断要素152が旋回している状態で、切断要素152は、弁尖中の所望の切断経路を通り引かれる(および切断する)。
【0044】
デバイス160のさらなる実施形態は、図9に示すように、操縦可能カテーテル162、遠位方向延在可能フットシース164、およびフット開口168を有するフット166を有する。カッターシース170が、操縦可能カテーテル162から遠位方向に延在可能であり、このカッターシース170は、カッターシース170から遠位方向に延在および後退され得る電気メス先端部172を有する。この電気メス先端部172は、弁尖組織を切断するのに十分なDC電力またはAC電力により駆動され得る。使用時に、フット166は、弁尖の遠方側に位置決めされる。カッターシース170は、弁尖の近辺側のある位置まで前進され、これはフットとカッターシース遠位端部との間に弁尖を把持することを伴い得る。電力が電気メス先端部172に対して供給された状態において、先端部172は、所望の穿孔部位にて弁尖を貫通して駆動される。電力が印加された状態で、先端部172は、弁尖を貫通して引っ張られて、所望の切断経路に沿って弁尖を切断する。
【0045】
図10は、操縦可能カテーテル182を伴う、本発明によるデバイス180の別の実施形態を示す。遠位方向延在可能フットシース184が、フット開口188を有するフット186を有する。カッターシース190は、導波レーザファイバなどのレーザ切断要素192を備える。レーザエネルギーは、ツリウムYAGレーザなどの様々なレーザ源から供給され得る。
【0046】
図11に示すように、デバイス200が、はさみ状切断要素212を有し得る。図示する例では、フットシース204および切断シース210が、操縦可能カテーテル202から摺動的に延在可能である。フット開口208を有するフット206が、弁尖の遠方側まで前進され、はさみ状切断要素212は、カッターシース190から出て弁組織を切断するように前進され得る。このとき、下方切断ブレード214bは、フット開口208内におよび弁尖の下方に延在し、上方切断ブレード214aは、弁尖の上方に延在する。はさみ状切断要素212は、手動により(例えばデバイスの近位端部上の要素の操作により)または電気モータにより(デバイスの近位端部上に制御部を有し得る)駆動され得る。
【0047】
フット要素に関する多数の変形例が、本発明の範囲内に含まれる。フット要素は、弁尖間の空間を進むことを含めて患者の解剖学的構造体をより良好に進むために、縮小された直径および/または長さ方向構成で天然心臓弁尖までおよびそれを通過して前進されるように構成され得る。図12A図12Eは、操縦可能カテーテル222、切断要素シース224、および切断要素226を有する、ならびにその構成において機械的に操縦され得るフットベース要素230を有するデバイス220を示す。ヒンジ状連結部234を介して可撓性細長フット制御ロッド228の遠位端部に固定されたフットベース要素230。フットベース要素230は、切断要素226を受けるように構成されたフットホール232を有する。図12Aに示すように、操縦可能カテーテル222は、治療対象の心臓弁尖236に隣接する位置まで患者の解剖学的構造体内に前進される。ベースフット要素230は、図12B図12Cに示すように、長さ方向構成で(すなわち操縦可能カテーテル222の遠位部分と整列された状態で)操縦可能カテーテル222から弁尖縁部238を越える位置まで遠位方向に前進される。次いで、ベースフット要素230は、図12Dおよび図12Eに示すように、例えばヒンジ状連結部234を中心とした回転などにより、弁尖236の下方に位置する位置にて横向き構成へと移動される。この横向き構成では、フットベース要素230は、細長フット制御ロッド228の遠位部分から45~135度の間の角度235に位置し得る点に留意されたい。次いで、フットベース要素230は、近位方向に(例えば細長フットロッド228の近位方向後退により)および弁尖236の遠位表面と接触状態へと移動され、切断要素シース224は、図12Fに示すように、弁尖236の近位表面との係合状態へと遠位方向に前進され得る。したがって、弁尖236は、フットベース要素230と切断シース224との間に保持され得る。次いで、切断要素226は、所望の切断部を形成するために弁尖236を通り移動され得る。
【0048】
図12A図12Fの実施形態と同様の他の実施形態では、フットホール232は、フットベース要素230が遠位端部にて開口するように、フットベース要素230がフットホール232の各側部において遠位端部が相互に連結されない2つのストリップ状形状部から形成されるなど、フットベース要素230により完全に拘束されなければならないとはかぎらない点に留意されたい。
【0049】
フット要素が、ニチノールなどの記憶材料から形成され、所望のフット形状を取るように事前設定されてもよい(例えば心臓内の血流にさらされた場合などヒト温度にさらされた場合に)。図13A図13Hでは、かかる一実施形態が示され、デバイス240が、操縦可能カテーテル242、切断要素シース244、および切断要素246を有し、ならびに事前設定された記憶フォーム形状を有するフットベース要素252を有する。フットベース要素252は、拡張された場合に切断要素246を受けるように構成されたフットホール254を囲むおよび画定する記憶形状ループ253を備える。フットベース要素252は、可撓性細長フット制御ロッド250の遠位端部に位置決めされ、フットベース要素252およびフット制御ロッド250は、ニチノールまたは他の材料の単片として形成され得る。図13Aに示される送達構成の最中に、フットベース要素252は、中空シース248により径方向圧縮構成に機械的に保持される。操縦可能カテーテル242は、治療対象の心臓弁尖256に隣接する位置へと前進され、中空シース248は、図13B図13Cに示すような弁尖縁部258に隣接する位置などの所望の位置へと操縦可能カテーテル242から前進される。フットベース要素252が、中空シース248から遠位方向に前進されると、ベースフット要素252は、図13D図13Eに示すように、事前設定された記憶形状を取るように拡張を開始する。フットベース要素252が中空シース248から完全に前進された状態で、ループ253は、図13F図13Gに示すように、フットホール254を画定し所望の弁尖256と連携し得る形状を形成するためにその事前設定された記憶形状を取る。ベースフット要素252の事前設定された拡張形状は、細長フットロッド250に対して垂直であり、弁尖256の遠位側部の下方に延在する点に留意されたい。次いで、図13Hに示すように、フットベース要素252は、近位方向に(例えば細長フットロッド250の近位方向後退により)および弁尖256の遠位表面と接触状態へと移動され、切断要素シース244は、弁尖256の近位表面と係合状態へと遠位方向に前進され得る。したがって、弁尖256は、フットベース要素252と切断シース244との間に保持され得る。次いで、切断要素246は、所望の切断部を形成するために弁尖236を通り移動され得る。
【0050】
図13A図13Hの実施形態と同様の実施形態が、ステンレス鋼などの非記憶材料から作製されてもよい、および/または図13A図13Hの閉ループ253とは対照的な開形状部であってもよい(例えばフットホールの各側に延在するがフットホールを完全には囲まないストリップ状要素の対により形成され得る)点に留意されたい。
【0051】
本発明のデバイスのフットベース要素の所望の寸法(例えば長さおよび/または幅および/または形状)は、天然弁輪の寸法および二分される天然弁尖の寸法ならびに天然弁尖に対して形成される特定の切断部などの要素を含む、特定の用途に依存する。例えば、フット長さが過度に短い場合には、デバイスが形成し得る切断部の長さは相対的に短いものとなる。フットが過度に長い場合には、動作空間(例えば天然弁輪)内におけるデバイスの可動性は低減され得る。
【0052】
本発明によるシステムは、塞栓防止要素を備え得る。例えば、図14に示すように、デバイス260が、大動脈弁26に隣接する位置までガイドワイヤ263に沿って大動脈40内へと前進された操縦可能カテーテル262を有し、切断要素266が切断要素シース264から延在可能であり、フットシース268上のフット270がカテーテル262から出て延在する。デバイス260は、カテーテル262から摺動的に前進および後退され得る塞栓防止フィルタ272を備える。塞栓防止フィルタ272は、カテーテル262から延在された場合に、弁尖の切断中に外され得る遊離材料を捕獲するために血管壁および/または器官壁(例えば動脈壁)に対して外方に拡張され得る。
【0053】
塞栓防止フィルタ272は、天然弁尖の切断前に展開され得る。天然弁尖の切断が完了すると、フィルタ272は、塞栓がフィルタ272内に保持された状態において、カテーテル262内で後退されることなどにより後退され得る。図14に示すものなどの塞栓防止フィルタは、切断要素およびフットと同一のデバイス/カテーテルに組み込まれ得る、および/または別個のカテーテルであってもよい点に留意されたい。
【0054】
図15は、本発明の一実施形態による患者内で人工心臓弁286を展開するためのシステム280を示し、弁尖切断カテーテル282(例えば図5図14に示すものなど)が、カテーテル284の弁保持部分288に位置決めされた人工心臓弁286を有する心臓弁展開カテーテル284と共に使用される。人工心臓弁286は、径方向自己拡張性(例えばニチノール支持フレームを有する)または径方向バルーン拡張性(例えばステンレス鋼もしくはコバルト-クロム支持フレーム)など、径方向拡張性を有してもよい。カテーテル284は、例えば人工心臓弁286を径方向に拡張させるために弁保持部分288にバルーンを有するなどのバルーンカテーテルであってもよい。
【0055】
本明細書において開示される各実施形態の各要素は、本明細書において開示される任意の他の実施形態と共に使用することが可能である点に留意されたい。例えば、図5A図5Dの実施形態に関連して論じた磁石(110、112)などのアライメント磁石が、本発明の他の実施形態のそれぞれに組み込まれてもよい。放射線不透過性マーカまたは他の可視化強化マーカが、デバイスが蛍光透視技術または他の可視化技術を利用して展開または検査される場合にデバイスおよびその重要な要素をより明確に可視化するために、デバイスに備えられてもよい。例えば、放射線不透過性マーカなどの強化型可視化マーカが、封止要素および/またはアンカー要素等の部分に対して固定され得る。
【0056】
デバイスおよびその要素の寸法および形状は、特定の用途に依存する点に留意されたい。例えば、フットの寸法および形状は、関係する特定のフット設計および切断要素に依存する。比較的幅細のおよび長いフット(例えば0.3~0.8cm/1cm未満の全幅、および0.5~2.0cmの全長)が、フットが図12A図12Fに示すものなどの機械的に拡張されるフットである場合に使用され得る一方で、より幅広のフット(例えば1.0~2.0cm、最大で1.5cm、最大で2.0cmの全幅)が、ニチノールまたは同様の拡張可能なワイヤ状フット(図13A図13Hに示すものなど)に対して使用され得る。また、ブレードおよび回転ロッドなどの機械的切断要素に関して、より小さなフット幅(例えば0.3~0.8cm/最大で1.0cmの全幅)が、より良好な安定性をもたらし、組織伸張を回避させ得る。しかし、レーザおよび電気メス切断に関しては、より幅広のフット(例えば1.0~2.0cm、最大で1.5cm、または最大で2cmの全幅)が、切断中の弁尖保持の改善のために弁尖のより広い表面積に対して係合することが望ましい場合がある。
【0057】
挙げられた寸法はいずれも例示であり、本発明によるデバイスは、それらの具体的な数値および範囲以外の寸法を有してもよい。具体的な実施形態を動脈弁弁尖を二分するための使用に関して上記で論じたが、本発明の実施形態は、僧房弁、三尖弁、および肺動脈弁を含む他の心臓弁の弁尖を二分する際の使用に対しても適用可能である場合もある。
【0058】
別様のことが特に述べられないかぎり、本明細書において使用される技術用語および科学用語はいずれも、本開示が属する技術の当業者により一般的に理解されるものと同一の意味を有する。本開示の様々な実施形態の精査を容易にするために、以下に用語説明を示しておく。
【0059】
単数形「1つの(a、an)」および「それ(the)」は、文脈が別様のことを明示しないかぎり、複数への言及を含む。「または」という用語は、文脈が別様のことを明示しないかぎり、述べられた選択要素の中の単一の要素をまたは2つ以上の要素の組合せを示す。
【0060】
「含む」という用語は、「備える」を意味する。例えば、AおよびBを含むまたは備えるデバイスは、AおよびBを包含するが、CまたはAおよびB以外の他の構成要素を任意に包含し得る。さらに、AまたはBを含むまたは備えるデバイスは、AまたはBあるいはAおよびBを包含し得る、ならびにCなどの1つまたは複数の他の構成要素を任意に包含し得る。
【0061】
「被験体」という用語は、ヒトおよび他の動物の被験体の両方を示す。特定の実施形態では、被験体は、ヒト、または霊長類、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、齧歯類、ヒツジ、ヤギ、もしくはブタなどの他の哺乳類である。ある特定の実施形態では、被験体は、ヒト患者である。
【0062】
本明細書において説明されるものと同様または均等な方法および材料を、本開示の実施または試験において使用することが可能であるが、適切な方法および材料は、以下において説明される。矛盾する場合には、用語を含む本明細書が優先される。さらに、材料、方法、および例は、例示に過ぎず、限定的なものとして意図されない。
【0063】
開示される発明の原理が適用され得る多数の可能な実施形態に鑑みて、例示の実施形態は、本発明の例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない点を理解されたい。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲により定義される。したがって、それらの請求項の範囲および趣旨の範囲内に含まれるあらゆるものが、本発明として特許請求される。
【符号の説明】
【0064】
10 ヒト心臓
11 心筋壁
12 右心房
14 右心室
16 左心房
18 左心室
19 心尖
20 三尖弁
22 肺動脈弁
24 僧房弁
26 大動脈弁
28 上大静脈
30 下大静脈
32 肺動脈
34 右心室腱索
36 右心室乳頭筋
38 肺静脈
40 大動脈
42a 弁尖自由縁部
42p 弁尖自由縁部
44 左心室腱索
46 左心室乳頭筋
48 大動脈弁尖
48L 左弁尖
48R 右弁尖
48N 無中隔後方弁尖
50 デバイス
52 細長シャフト
78 切断ブレードシース
80 切断ブレード部材
82 フットシャフト
84 制御ハンドル
86 操縦制御部
88 摺動制御部
90 摺動制御部
91 ブレード制御部
92 切断ブレード
94 フット
96 ブレード受け開口
98 遠位リップ
102 遠位リップ先端部
104 先鋭先端部
106 ブレードエッジ
110 磁石
120 デバイス
122 操縦可能カテーテル
124 遠位方向延在可能フット
126 ブレードシース
128 ブレード
130 フット近位側部
132 操縦カテーテルの遠位端部、フット近位面
134 ポケット
136 先鋭切断エッジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-10-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓弁尖を二分するためのシステムであって、
人体の外側から弁尖を有する心臓弁まで到達する長さを有する細長い操縦可能なカテーテルシースと、
前記カテーテルシース内に引き込み可能であり、前記カテーテルシース内にスライド可能に配置された切断要素シースであって、前記切断要素シースは、遠位端を備え、前記切断要素シースは、前記遠位端内で、および前記遠位端から直線的に変位可能な切断要素を収容する、切断要素シースと、
前記カテーテルシース内にスライド可能に配置され、その遠位端にフット要素を有するフットシャフトであって、前記フット要素は、前記フットシャフトの隣接部分に対して横方向に延在または旋回するように構成され、かつ弁尖に係合するサイズに構成され、前記フット要素は、前記切断要素シースの遠位端から前進する場合に前記切断要素を受け入れるように整列可能なフットポケットまたは開口部を備える、フットシャフトと、
前記カテーテルシースの近位端にある制御ハンドルであって、前記カテーテルシースの操縦、前記フットシャフトの前進および後退、前記切断要素シースの前進および後退、および前記切断要素の前進および後退を行うための制御部を有する、制御ハンドルと、
を備え、
前記カテーテルシースを心臓弁尖の近傍まで前進させ、前記フットシャフトを延ばして前記フット要素を弁尖の遠位側に配置し、その後、前記切断要素が前記弁尖を突き刺し、前記フットポケットまたは開口部と係合するまで、前記切断要素シースおよび切断要素を前進させることができ、前記切断要素は、弁尖を通って相対的に変位されると、前記弁尖を貫通して切断するように適合されている、システム。
【請求項2】
前記フット要素に配置されたフットアライメント磁石と、前記切断要素シースの遠位端にある切断要素アライメント磁石とをさらに含み、前記磁石は、前記切断要素とフットポケットまたは開口部との位置合わせを確実にする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記フットアライメント磁石および前記切断要素アライメント磁石は、1つまたは複数の電磁石を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記切断要素シースおよび前記フット要素は、嵌合把持面を有し、それにより弁尖の反対側で一緒にされた場合に、間に弁尖を物理的に拘束することができる牽引クランプを形成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記フットの近位面および前記切断要素シースの遠位端が、インターロック係止面を有する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記フット要素が、0.5センチメートル~2センチメートルの全長および最大で1.0cmの幅を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記フット要素が、前記切断要素を受け入れるための開口部と、前記開口部に挿入された場合に前記切断要素を遠位リップ先端部から0.1cm~0.5cm離間させる遠位リップとを有する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記フットシャフトおよび前記フット要素は、ニチノールを含み、前記フット要素は、ループ状に形成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記切断要素は、
研磨表面を有するモーター駆動の回転ロッド、
電気メスデバイス、
湾曲状ブレード、および
はさみ
からなる群から選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記切断要素は、組織を穿孔するための先鋭先端部と、組織をスライスするための切断エッジとを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
心臓弁尖を二分するためのシステムであって、
人体の外側から弁尖を有する心臓弁まで到達する長さを有する細長い操縦可能なカテーテルシースであって、遠位端を備えるカテーテルシースと、
前記カテーテルシースの前記遠位端内で、および前記遠位端を越えて直線的に変位可能な切断要素と、
前記カテーテルシース内にスライド可能に配置され、その遠位端にフット要素を有するフットシャフトであって、前記フット要素は、前記フット要素が前記カテーテルシースから遠位方向に延びる場合に、前記フットシャフトの隣接部分に対して横方向に延在または旋回するように構成され、前記フット要素は、前記切断要素が前記カテーテルシースから前進する場合に、前記切断要素を受け入れるように整列可能なフットポケットまたは開口部を備える、フットシャフトと、
前記カテーテルシースの近位端にある制御ハンドルであって、前記カテーテルシースの操縦、前記フットシャフトの前進および後退、および前記切断要素の前進および後退を行うための制御部を有する、制御ハンドルと、
を備え、
前記カテーテルシースを心臓弁尖の近傍まで前進させ、前記フットシャフトを延ばして前記フット要素を弁尖の遠位側に配置し、その後、前記切断要素が前記弁尖を突き刺し、前記フットポケットまたは開口部と係合するまで、前記切断要素を前進させることができ、前記切断要素は、弁尖を通って相対的に変位されると、前記弁尖を貫通して切断するように適合されている、システム。
【請求項12】
前記フット要素が、0.5センチメートル~2センチメートルの全長および最大で1.0cmの幅を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記フット要素が、前記切断要素を受け入れるための開口部と、前記開口部に挿入された場合に前記切断要素を遠位リップ先端部から0.1cm~0.5cm離間させる遠位リップとを有する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記フットシャフトおよび前記フット要素は、ニチノールを含み、前記フット要素は、ループ状に形成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記切断要素は、
研磨表面を有するモーター駆動の回転ロッド、
電気メスデバイス、
湾曲状ブレード、および
はさみ
からなる群から選択される、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記切断要素は、組織を穿孔するための先鋭先端部と、組織をスライスするための切断エッジとを有する、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記切断要素が前記フットポケットまたは開口部と係合する場合に、前記切断エッジが前記フットシャフトに向かって配向される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記フットシャフトは、可撓性の近位制御ロッドを有し、前記制御ロッドに対する前記フット要素の旋回を可能にするヒンジ状連結部を介して前記フット要素が前記制御ロッドに固定されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記フット要素は、前記制御ロッドに対して45~135度の角度で旋回することができる、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記フット要素に配置されたフットアライメント磁石と、切断要素シースの遠位端にある切断要素アライメント磁石とをさらに含み、前記磁石は、前記切断要素とフットポケットまたは開口部との位置合わせを確実にする、請求項11に記載のシステム。
【外国語明細書】