(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168439
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】ボタンの変位、強度、又は局所組織特性化に基づくエネルギーの選択的印加を伴うモジュール電池式手持ち型外科用器具
(51)【国際特許分類】
A61B 18/12 20060101AFI20231116BHJP
A61B 18/14 20060101ALI20231116BHJP
A61B 17/00 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
A61B18/12
A61B18/14
A61B17/00 700
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023167629
(22)【出願日】2023-09-28
(62)【分割の表示】P 2021173024の分割
【原出願日】2017-01-13
(31)【優先権主張番号】62/279,635
(32)【優先日】2016-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/330,669
(32)【優先日】2016-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/382,246
(32)【優先日】2016-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】イェイツ・デビッド・シー
(72)【発明者】
【氏名】ハウザー・ケビン・エル
(72)【発明者】
【氏名】メサーリー・ジェフリー・ディー
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
(57)【要約】
【課題】外科用器具を提供すること。
【解決手段】外科用器具は、ボタンの変位又は強度が第1の閾値を上回るが第1の閾値より高い第2の閾値を下回るときに、RFエネルギー出力を制御してRFエネルギーを印加するか、又は超音波エネルギー出力を制御して超音波エネルギーを印加し、かつボタンの変位又は強度が第2の閾値を上回るときに、RFエネルギー出力を制御してRFエネルギーを印加し、超音波エネルギー出力を制御して超音波エネルギーを印加するように構成されたコントローラ、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具であって、
シャフト及び前記シャフトの遠位端に連結されたエンドエフェクタを含むシャフトアセンブリであって、前記エンドエフェクタが、閉鎖位置と開放位置との間で枢動するように構成された第1のジョー及び第2のジョーを含み、前記第1又は第2のジョーが、
第1の位置で組織特性を測定するように構成された第1のセンサと、
第2の位置で前記組織特性を測定するように構成された第2のセンサと、を備える、シャフトアセンブリと、
前記シャフトの近位端に連結されたハンドルアセンブリと、
前記ハンドルアセンブリに連結された電池アセンブリと、
前記電池アセンブリによって通電され、組織に無線周波数(RF)エネルギーを印加するように構成されたRFエネルギー出力と、
前記電池アセンブリによって通電され、前記組織に超音波エネルギーを印加するように構成された超音波エネルギー出力と、
前記第1の位置及び前記第2の位置で測定された前記組織特性に少なくとも部分的に基づいて、前記RFエネルギー出力を制御してRFエネルギーを印加するか、又は前記超音波エネルギー出力を制御して超音波エネルギーを印加するように構成されたコントローラと、を備える、外科用器具。
【請求項2】
前記第1及び第2のセンサが、垂直圧センサである、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記コントローラが、
センサ出力の高い位置で高エネルギーを印加し、かつ
センサ出力の低い位置で低エネルギーを印加するように更に構成されている、請求項2に記載の外科用器具。
【請求項4】
前記第1及び第2のセンサが、横方向圧センサである、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項5】
前記第1及び第2のセンサが、温度センサである、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項6】
前記第1及び第2のセンサが、前記第1の位置及び前記第2の位置における組織の有無を感知するように構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項7】
前記コントローラが、
第1のインピーダンス閾値であって、前記第1の位置及び前記第2の位置の両方に組織が存在するとき、前記第1のインピーダンス閾値を下回るとRFエネルギーが超音波エネルギーに切り替えられる、第1のインピーダンス閾値を設定し、かつ
第2のインピーダンス閾値であって、前記第1の位置及び前記第2の位置の一方のみに組織が存在するとき、前記第2のインピーダンス閾値を下回るとRFエネルギーが超音波エネルギーに切り替えられる、第2のインピーダンス閾値を設定するように更に構成され、前記第1及び第2のインピーダンス閾値が異なる、請求項6に記載の外科用器具。
【請求項8】
前記コントローラが、
前記第1の位置及び前記第2の位置の両方に組織が存在するとき、エネルギーの印加を制御するために使用される第1の力閾値を設定し、かつ
前記第1の位置及び前記第2の位置の一方のみに組織が存在するとき、エネルギーの印加を制御するために使用される第2の力閾値を設定するように更に構成され、前記第1及び第2の力閾値が異なる、請求項6に記載の外科用器具。
【請求項9】
前記コントローラが、
組織が存在する位置にエネルギーを印加し、かつ
組織が存在しない位置にエネルギーを印加しないように更に構成されている、請求項6に記載の外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連技術の相互参照)
本願は、2016年1月15日出願の米国仮出願第62/279,635号及び2016年5月2日出願の米国仮出願第62/330,669号の利益を主張するものであり、これらの仮出願の各々の内容は、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、概して、外科用器具及び関連する外科技術に関する。より具体的には、本開示は、外科医が切断及び凝固を行い、処置される組織の種類に基づいて、そのような手技を適合、及びカスタマイズすることを可能にする超音波及び電気外科用システムに関する。
【0003】
超音波外科用器具は、このような器具の特殊な性能特性によって、外科手技におけるますます広範囲にわたる用途が見出されている。特定の器具構成及び動作パラメータに応じて、超音波外科用器具は、組織の切断及び凝固による止血を同時又はほぼ同時にもたらし、望ましくは、患者の外傷を最小限に抑えることができる。切断行為は、典型的には、器具の遠位端にあるエンドエフェクタ又はブレード先端によって実現され、これにより、エンドエフェクタと接触した組織に超音波エネルギーが伝送される。このような性質の超音波器具は、切開外科用用途、ロボット支援処置を含む腹腔鏡又は内視鏡の外科手技用に構成することができる。
【0004】
いくつかの外科用器具は、超音波エネルギーを正確な切断及び凝固の調節の両方の目的で利用する。超音波エネルギーは、組織と接触しているブレードを振動させることによって切断かつ凝固させる。高周波(例えば、毎秒55,500回)で振動する超音波ブレードは、組織内のタンパク質を変性して、粘着性の凝塊を形成する。ブレード表面が組織に及ぼす圧力により血管が崩壊され、凝塊が止血封止を形成することを可能にする。切断及び凝固の精度は、外科医の技術、並びに電力レベル、ブレードエッジ、組織牽引、及びブレード圧力の調整によって制御される。
【0005】
組織を処置及び/又は破壊するために組織に電気エネルギーを印加するための電気外科用器具はまた、外科手技において、ますます広範囲にわたる用途が見出されている。電気外科用器具は、典型的に、遠位に取り付けられたエンドエフェクタ(例えば、1つ又は2つ以上の電極)を有する器具であるハンドピースを含む。エンドエフェクタは、電流が組織内に導入されるように、組織に対して位置決めすることができる。電気外科用器具は、バイポーラ又はモノポーラ動作用に構成することができる。バイポーラ動作中、電流は、エンドエフェクタの活性電極によって組織に導入され、エンドエフェクタの戻り電極によって組織から戻される。モノポーラ動作中、電流は、エンドエフェクタの活性電極によって組織内に導入され、患者の身体上に別個に位置する戻り電極(例えば、接地パッド)を通じて戻される。組織を流れる電流によって生成される熱は、組織内及び/又は組織間の止血封止を形成してもよく、したがって、例えば、血管を封止するために特に有用であってもよい。電気外科用器具のエンドエフェクタは、組織を切除するための、組織及び電極に対して移動可能な切断部材も含み得る。
【0006】
電気外科用器具によって印加される電気エネルギーは、ハンドピースと連通している発生器によって、器具へと伝送され得る。電気エネルギーは、無線周波数(radio frequency、「RF」)エネルギーの形態であってもよい。RFエネルギーは、200キロヘルツ(kHz)~1メガヘルツ(MHz)の周波数範囲であり得る電気エネルギーの一形態である。印加中、電気外科用器具は、組織を通じて低周波数RFエネルギーを伝送することができ、これはイオン撹拌又は摩擦、すなわち抵抗加熱を生じさせ、これによって組織の温度を増加させることができる。罹患組織と周囲組織との間にはっきりとした境界が形成されるため、外科医は、隣接する非標的組織を犠牲にすることなく、高度な正確性及び制御で手術することができる。RFエネルギーの低動作温度は、軟組織を除去、収縮、又は成形しながら、同時に血管を封止するために有用である。RFエネルギーは、主にコラーゲンから構成され、かつ熱に接触した際に収縮する結合組織に特に良好に作用する。
【0007】
RFエネルギーは、EN 60601-2-2:2009+A11:2011,Definition 201.3.218-HIGH FREQUENCYに記載される周波数範囲であり得る。例えば、モノポーラRF用途における周波数は、典型的には、5MHz未満に制限され得る。しかしながら、バイポーラRF用途においては、周波数は、ほぼどのような周波数であってもよい。200kHz超の周波数は、典型的には、低周波数の電流の使用から生じる神経及び筋肉の不必要な刺激を避けるために、モノポーラ用途に使用され得る。神経筋刺激の可能性が許容可能なレベルにまで緩和されたことをリスク分析が示す場合、より低い周波数がバイポーラ用途に使用され得る。高周波数漏洩電流に関連する問題を最小限に抑えるために、5MHz超の周波数は、通常使用されない。しかしながら、より高い周波数は、バイポーラ用途の場合には使用され得る。一般に、10mAが、組織への熱効果のより低い閾値であると認識されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの医療装置を使用するときの課題は、外科用器具の機能を十分に制御かつカスタマイズできないことである。現在の器具の欠点のうちのいくつかを克服する外科用器具を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様では、本開示は、外科用器具であって、シャフトと及びそのシャフトの遠位端に連結されたエンドエフェクタを含むシャフトアセンブリであって、エンドエフェクタが、閉鎖位置と開放位置との間で枢動するように構成された第1のジョー及び第2のジョーを含む、シャフトアセンブリと、シャフトの近位端に連結されたハンドルアセンブリであって、ユーザによって押されたときに変位するように構成されたボタンを含む、ハンドルアセンブリと、ハンドルアセンブリに連結された電池アセンブリと、ボタンの変位又は強度を測定するように構成されたセンサと、電池アセンブリによって通電され、組織に無線周波数(RF)エネルギーを印加するように構成されたRFエネルギー出力と、電池アセンブリによって通電され、組織に超音波エネルギーを印加するように構成された超音波エネルギー出力と、センサによって測定された変位又は強度が第1の閾値を上回るが第1の閾値より高い第2の閾値を下回るときに、RFエネルギー出力を制御してRFエネルギーを低レベルで印加するか、又は超音波エネルギー出力を制御して超音波エネルギーを低レベルで印加し、かつセンサによって測定された変位又は強度が第2の閾値を上回るときに、RFエネルギー出力を制御してRFエネルギーを高レベルで印加するか、又は超音波エネルギー出力を制御して超音波エネルギーを高レベルで印加するように構成されたコントローラと、を備える、外科用器具を提供する。
【0010】
別の態様では、本開示は、外科用器具であって、シャフト及びそのシャフトの遠位端に連結されたエンドエフェクタを含むシャフトアセンブリであって、エンドエフェクタが、閉鎖位置と開放位置との間で枢動するように構成された第1のジョー及び第2のジョーを含む、シャフトアセンブリと、シャフトの近位端に連結されたハンドルアセンブリであって、ユーザによって押されたときに変位するように構成されたボタンを含む、ハンドルアセンブリと、ハンドルアセンブリに連結された電池アセンブリと、ボタンの変位又は強度を測定するように構成されたセンサと、電池アセンブリによって通電され、組織に無線周波数(RF)エネルギーを印加するように構成されたRFエネルギー出力と、電池アセンブリによって通電され、組織に超音波エネルギーを印加するように構成された超音波エネルギー出力と、センサによって測定された変位又は強度が第1の閾値を上回るが第1の閾値より高い第2の閾値を下回るときに、RFエネルギー出力を制御してRFエネルギーを印加するか、又は超音波エネルギー出力を制御して超音波エネルギーを印加し、かつセンサによって測定された変位又は強度が第2の閾値を上回るときに、RFエネルギー出力を制御してRFエネルギーを印加し、超音波エネルギー出力を制御して超音波エネルギーを印加するように構成されたコントローラと、を備える、外科用器具を提供する。
【0011】
別の態様では、本開示は、外科用器具であって、シャフト及びそのシャフトの遠位端に連結されたエンドエフェクタを含むシャフトアセンブリであって、エンドエフェクタが、閉鎖位置と開放位置との間で枢動するように構成された第1のジョー及び第2のジョーを含み、第1又は第2のジョーが、第1の位置で組織特性を測定するように構成された第1のセンサと、第2の位置で組織特性を測定するように構成された第2のセンサとを備える、シャフトアセンブリと、シャフトの近位端に連結されたハンドルアセンブリと、ハンドルアセンブリに連結された電池アセンブリと、電池アセンブリによって通電され、組織に無線周波数(RF)エネルギーを印加するように構成されたRFエネルギー出力と、電池アセンブリによって通電され、超音波エネルギーを組織に適用するように構成された超音波エネルギー出力と、第1の位置及び第2の位置で測定された組織特性に少なくとも部分的に基づいて、RFエネルギー出力を制御してRFエネルギーを印加するか、又は超音波エネルギー出力を制御して超音波エネルギーを印加するように構成されたコントローラと、を備える、外科用器具を提供する。
【0012】
前述のものに加えて、様々な他の方法、並びに/又はシステム、及び/若しくはプログラム製品の態様が、本開示の文中(例えば、「特許請求の範囲」及び/若しくは詳細な説明)並びに/又は図面などの教示で記載かつ説明される。
【0013】
前述のものは概要であり、したがって、詳細の単純化、一般化、包括及び/又は省略を含んでもよく、それゆえに、当業者であれば、本「発明の概要」が単に例示的なものに過ぎず、いかなる形であれ限定する意図はないことを、理解するであろう。本明細書に記載される装置並びに/又はプロセス及び/若しくは他の主題の他の態様、特徴及び利点は、本明細書に記載される教示において明らかになるであろう。
【0014】
1つ又は2つ以上の様々な態様では、関連するシステムには、本明細書で参照する方法の態様に作用するための回路及び/又はプログラミングが挙げられるが、これらに限定されず、その回路及び/又はプログラミングは、本質的に、システム設計者の設計選択に応じて、本明細書で参照する方法の態様に影響するように構成されたハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアの任意の組み合わせであり得る。前述のものに加えて、様々な他の方法及び/又はシステム態様が、本開示の文中(例えば、「特許請求の範囲」及び/若しくは「発明を実施するための形態」)並びに/又は図面などの本教示に記載及び説明される。
【0015】
更に、以下で記述する形態、形態の具現、実施例のうちの任意の1つ又は2つ以上を、以下で記述する他の形態、形態の具現、実施例のうちの任意の1つ又は2つ以上と組み合わせることができるものと理解されたい。
【0016】
上記の「発明の概要」はあくまで例示的なものに過ぎず、いかなる意味においても限定を目的としたものではない。上記に述べた例示的な態様及び特徴に加えて、更なる態様及び特徴が、図面及び以下の詳細な説明を参照することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本明細書に記載される様々な態様の新規特徴は、添付の「特許請求の範囲」に具体的に記載される。しかしながら、様々な態様は、構成及び動作方法のいずれに関しても、以下の説明文を、以下のような添付の図面と併せて参照することによってより深い理解を得ることができる。
【
図1】本開示の態様による、モジュール電池式手持ち型超音波外科用器具の図である。
【
図2】本開示の態様による、
図1に示す外科用器具の分解図である。
【
図3】本開示の態様による、
図1に示す外科用器具のモジュールシャフトアセンブリの分解図である。
【
図4】本開示の態様による、
図1に示す外科用器具の超音波変換器/発生器アセンブリの斜視透視図である。
【
図5】本開示の態様による、超音波変換器/発生器アセンブリの端面図である。
【
図6】本開示の態様による、超音波発生器を露出するように上部ハウジング部分が取り除かれた、超音波変換器/発生器アセンブリの斜視図である。
【
図7】本開示の態様による、超音波変換器/発生器アセンブリの断面図である。
【
図8】本開示の一態様による、31kHz共振周波数で動作するように構成された超音波変換器/発生器アセンブリの立面図である。
【
図9】本開示の一態様による、55kHz共振周波数で動作するように構成された超音波変換器/発生器アセンブリの立面図である。
【
図10A】本開示の一態様による、超音波変換器に対して超音波伝送導波管を選択的に回転させ、それらを互いに向かって付勢するシフトアセンブリを示す。
【
図10B】本開示の一態様による、超音波変換器に対して超音波伝送導波管を選択的に回転させ、それらを互いに向かって付勢するシフトアセンブリを示す。
【
図11】本開示の一態様による、超音波変換器を駆動するために好適な
図4に示す超音波駆動回路の一態様の概略図である。
【
図12】本開示の一態様による、
図11に示す超音波駆動回路に連結された変圧器の概略図である。
【
図13】本開示の一態様による、テスト回路に連結された、
図12に示す変圧器の概略図である。
【
図14】本発明の一態様による、制御回路の概略図である。
【
図15】本開示の一態様による、モジュール超音波外科用器具内に含まれる別の電気回路を示す、簡略化したブロック回路図を示す。
【
図16】本開示の一態様による、外科用器具と共に使用するための電池アセンブリを示す。
【
図17】本開示の一態様による、外科用器具と共に使用するための使い捨て電池アセンブリを示す。
【
図18】本開示の一態様による、外科用器具と共に使用するための再利用可能な電池アセンブリを示す。
【
図19】本開示の一態様による、マルチリード電池端子に連結された複数の回路基板に連結された電池セルを露出するようにハウジングシェルの両半分が取り除かれた、電池アセンブリの立面斜視図である。
【
図20】本発明の一態様による、電池テスト回路を示す。
【
図21】本開示の一態様による、最小出力電圧を維持するための補助電源回路を示す。
【
図22】本開示の一態様による、外科用器具にエネルギーを供給するためのスイッチモード電源回路を示す。
【
図23】本開示の一態様による、外科用器具にエネルギーを供給するための
図22に示すスイッチングレギュレータの別個のバージョンを示す。
【
図24】本開示の一態様による、外科用器具にエネルギーを供給するための線形電源回路を示す。
【
図25】本開示の一態様による、マルチリードハンドル端子アセンブリに通信可能に連結された装置識別子を露出するように、左シェル半分がハンドルアセンブリから取り除かれた、モジュール手持ち型超音波外科用器具の立面分解図である。
【
図26】本開示の一態様による、
図25に示す超音波外科用器具のトリガ部及びスイッチの詳細図である。
【
図27】本開示の一態様による、ジョー部材が開放位置にある遠位端からのエンドエフェクタの断片的な拡大斜視図である。
【
図28】本開示の一態様による、外科用器具のモジュールシャフトアセンブリ及びエンドエフェクタ部分を示す。
【
図29】本開示の一態様による、内管/ばねアセンブリの詳細図である。
【
図30】本開示の一態様による、モジュール電池式手持ち型組み合わせ超音波/電気外科用器具を示す。
【
図31】本開示の一態様による、
図30に示す外科用器具の分解図である。
【
図32】本開示の一態様による、モジュール電池式手持ち型組み合わせ超音波/RF外科用器具の部分斜視図である。
【
図33】本開示の一態様による、
図30~
図32に関して記載された外科用器具のノズル部分を示す。
【
図34】本開示の一態様による、高周波電流(RF)を駆動するために構成された駆動回路の一態様の概略図である。
【
図35】本開示の一態様による、
図34に示すRF駆動回路に連結された変圧器の概略図である。
【
図36】憤る(resent)開示の一態様による、高電力エネルギー/駆動回路及び低電力回路のための別個の電源を含む回路の概略図である。
【
図37】
図30及び
図31に示す外科用器具の、デュアル発生器システムがRF発生器エネルギーモダリティと超音波発生器エネルギーモダリティとの間で切り替えることを可能にする制御回路を示す。
【
図38】本開示の一態様による、エンドエフェクタの断面図である。
【
図39】本開示の一態様による、エンドエフェクタの断面図である。
【
図40】本開示の一態様による、閉鎖状態にある遠位ジョー部を示す部分的な長手方向側断面図である。
【
図41】本開示の一態様による、開放状態にある遠位ジョー部を示す部分的な長手方向側断面図である。
【
図42】本開示の一態様による、ジョー部材を示す部分的な長手方向側断面図である。
【
図43】本開示の一態様による、正常状態にある遠位ジョー部を示す断面図である。
【
図44】本開示の一態様による、摩耗状態にある遠位ジョー部を示す断面図である。
【
図45】本開示の一態様による、遠位関節接合を有するモジュール電池式手持ち型電気外科用器具を示す。
【
図46】本開示の一態様による、
図45に示す外科用器具の分解図である。
【
図47】本開示の一態様による、ディスプレイがハンドルアセンブリ上に位置している、
図45及び
図46に示す外科用器具の斜視図である。
【
図48】本開示の一態様による、ディスプレイがハンドルアセンブリ上に位置していない、
図45及び
図46に示す器具の斜視図である。
【
図49】本開示の一態様による、外科用器具と共に使用してナイフを駆動することができるモータアセンブリである。
【
図50】本開示の一態様による、モータ駆動回路の図である。
【
図51】本開示の一態様による、遠位ヘッド回転、関節接合、及びジョー閉鎖を駆動するための回転駆動機構を示す。
【
図52】本開示の一態様による、開放構成で示されるジョー部材を有する、エンドエフェクタアセンブリの拡大された左斜視図である。
【
図53】本開示の一態様による、
図52のエンドエフェクタアセンブリの拡大された右側面図である。
【
図54】本開示の一態様による、遠位関節接合を有するモジュール電池式手持ち型電気外科用器具を示す。
【
図55】本開示の一態様による、
図54に示す外科用器具の分解図である。
【
図56】本開示の一態様による、電気的接続を含む、
図54に示す関節接合部の拡大領域詳細図である。
【
図57】本開示の一態様による、電気的接続を含む、
図56に示す関節接合部の拡大領域詳細図である。
【
図58】本開示の一態様による、
図54の外科用器具のシャフトアセンブリ、エンドエフェクタ、及び切断部材の構成要素の斜視図を示す。
【
図59】本開示の一態様による、関節接合の第2段にある関節接合部を示す。
【
図60】本開示の一態様による、開放構成にある、
図54~
図59の装置のエンドエフェクタの斜視図を示す。
【
図61】本開示の一態様による、閉鎖構成にあり、かつブレードが遠位位置にある、
図60のエンドエフェクタの断面端面図を示す。
【
図62】本開示の一態様による、外科用器具の制御回路の構成要素を示す。
【
図63】本開示の一態様による、独立して動作する複数の回路セグメントを含むセグメント化回路のシステム図である。
図63は直接デジタル合成回路の一形態の図である。
【
図64】本明細書に記載される特徴部の多くを含み得るか、又は実装することができる、
図1~
図61に関して本明細書に記載される外科用器具のうちのいずれか1つと共に使用するためのフィードバックシステムを含む外科用器具の一態様の図を示す。
【
図65】本開示の一態様による、
図1~
図61に関して本明細書に記載される外科用器具のうちのいずれかにおいて使用するための電気信号波形の複数の波形を生成するように構成された直接デジタル合成(direct digital synthesis、DDS)回路などのデジタル合成回路の基本構造の一態様を示す。
【
図66】本開示の一態様による、
図1~
図61に関して本明細書に記載される外科用器具のうちのいずれかにおいて使用するための電気信号波形の複数の波形を生成するように構成された直接デジタル合成(DDS)回路の一態様を示す。
【
図67】本開示の一態様による、アナログ波形の本開示の一態様による(比較目的のために離散時間デジタル電気信号波形に重ね合わされて示される)離散時間デジタル電気信号波形の1サイクルを示す。
【
図68A】本開示の一態様による、
図1~
図61に関して本明細書に記載される外科用器具のうちのいずれかにおいて使用するための少なくとも1つのメモリ回路に連結された1つ又は2つ以上のプロセッサを含むコントローラを備える回路を示す。
【
図68B】本開示の一態様による、本明細書に記載されるアルゴリズム、プロセス又は技術のうちのいずれかを実装するように構成された組み合わせ論理回路を含む有限状態マシンを備える回路を示す。
【
図68C】本開示の一態様による、本明細書に記載されるアルゴリズム、プロセス又は技術のうちのいずれかを実装するように構成された順序論理回路を含む有限状態マシンを備える回路を示す。
【
図69】本開示の一態様による、モータ制御機能を有する外科用器具の様々な構成要素の回路図である。
【
図70】本開示の一態様による、ハンドルアセンブリの内部構成要素を示すように取り外し可能なサービスパネルが取り除かれた、ハンドルアセンブリを示す。
【
図71】本開示の一態様による、組織厚さに基づいて待機時間を決定することのグラフ表示である。
【
図72】本開示の一態様による、薄い、中程度、及び厚い組織の種類に関する、力対時間のグラフである。
【
図73】本開示の一態様による、異なる組織の種類に関する、モータ電流対時間のグラフである。
【
図74】本開示の一態様による、インピーダンスバスタブのグラフ描写である。
【
図75】本開示の一態様による、二次組織パラメータの測定に起因するエネルギー切り替え閾値の調整の一態様を描写するグラフである。
【
図76】本開示の一態様による、測定された組織特性に基づく、無線周波数エネルギー又は超音波処置エネルギーの選択的印加を示すプロセスの図である。
【
図77】本開示の一態様による、トリガボタン変位とセンサ出力との間の関係を描写するグラフである。
【
図78】本開示の一態様による、トリガボタン変位とセンサ出力との間の異常な関係を描写するグラフである。
【
図79】本開示の一態様による、トリガボタン変位とセンサ出力との間の許容される関係を描写するグラフである。
【
図80】本開示の一態様による、左右セグメント化フレキシブル回路の一態様を示す。
【
図81】本開示の一態様による、RF電極及びデータセンサが内部に埋め込まれたフレキシブル回路の一態様の断面図である。
【
図82】本開示の一態様による、ジョー部材、フレキシブル回路、及びセグメント化電極を備えるエンドエフェクタの断面図である。
【
図83】本開示の一態様による、
図82に示されるエンドエフェクタの詳細図である。
【
図84A】本開示の一態様による、ジョー部材と超音波ブレードとの間に組織が位置していない状態で、回転可能なジョー部材、フレキシブル回路及びジョー部材に対して垂直方向に位置決めされた超音波ブレードを備えるエンドエフェクタの断面図である。
【
図84B】本開示の一態様による、ジョー部材と超音波ブレードとの間に組織が位置している、
図84Aに示すエンドエフェクタの断面図である。
【
図85A】本開示の一態様による、ジョー部材と超音波ブレードとの間に組織が位置していない状態で、超音波ブレードがジョー部材に対して水平方向に位置決めされた
図84A及び
図84Bに示すエンドエフェクタの断面図である。
【
図85B】本開示の一態様による、ジョー部材と超音波ブレードとの間に組織が位置している、
図85Aに示すエンドエフェクタの断面図である。
【
図86】本開示の一態様による、ジョー部材上に位置するRFデータセンサを備えるエンドエフェクタの一態様を示す。
【
図87】本開示の一態様による、センサがフレキシブル回路に取り付けられ得るか、又はフレキシブル回路と一体に形成され得る、
図86に示すフレキシブル回路の一態様を示す。
【
図88】本開示の一態様による、
図87に示すフレキシブル回路の断面図である。
【
図89】本開示の一態様による、エンドエフェクタのジョー部材に固定的に取設されるように構成されたセグメント化フレキシブル回路の一態様を示す。
【
図90】本開示の一態様による、エンドエフェクタのジョー部材に取り付けられるように構成されたセグメント化フレキシブル回路の一態様を示す。
【
図91】本開示の一態様による、組織間隙G
Tを測定するように構成されたエンドエフェクタの一態様を示す。
【
図92】本開示の一態様による、セグメント化フレキシブル回路を備えるエンドエフェクタの一態様を示す。
【
図93】本開示の一態様による、ジョー部材と超音波ブレードとの間に組織をクランプするジョー部材を有する、
図92に示すエンドエフェクタを示す。
【
図94】本開示の一態様による、局所的に感知された組織パラメータに基づいて、エンドエフェクタの右側及び左側によって印加されたエネルギーのグラフを示す。
【
図95】本開示の一態様による、ジョー部材と超音波ブレードとの間に位置する組織に加えられた力又は圧力を感知するように構成されたエンドエフェクタの一態様の断面図である。
【
図96】本開示の一態様による、フレキシブル回路の信号層の一態様の概略図である。
【
図97】本開示の一態様による、
図96に示すフレキシブル回路のセンサ配線の概略図である。
【
図98A】本開示の一態様による、組織を囲む医療用装置の一態様のグラフ表示である。
【
図98B】本開示の一態様による、組織を圧縮する医療用装置の一態様のグラフ表示である。
【
図99A】本開示の一態様による、組織を圧縮する医療用装置の一態様のグラフ表示である。
【
図99B】本開示の一態様による、組織を圧縮する医療用装置のエンドエフェクタの一態様によって及ぼされる例示的な力も描写する。
【
図100】本開示の一態様による、フィードバックシステムの一態様の論理図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本出願は、本出願と同時に出願された以下の共同所有の特許出願に関し、各々の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0019】
代理人整理番号END7911USNP/160006、2016年12月16日出願の発明者Frederick E.Shelton,IVらによる表題MODULAR BATTERY POWERED HANDHELD SURGICAL INSTRUMENT AND METHODS THEREFOR。
【0020】
代理人整理番号END7911USNP1/160006-1、2016年12月16日出願の発明者Frederick E.Shelton,IVらによる表題MODULAR BATTERY POWERED HANDHELD SURGICAL INSTRUMENT WITH SELECTIVE APPLICATION OF ENERGY BASED ON TISSUE CHARACTERIZATION。
【0021】
代理人整理番号END7911USNP3/160006-3、2016年12月16日出願の発明者Frederick E.Shelton,IVらによる表題MODULAR BATTERY POWERED HANDHELD SURGICAL INSTRUMENT WITH VARIABLE MOTOR CONTROL LIMITS。
【0022】
代理人整理番号END7911USNP4/160006-4、2016年12月16日出願の発明者Frederick E.Shelton,IVらによるMODULAR BATTERY POWERED HANDHELD SURGICAL INSTRUMENT WITH MOTOR CONTROL LIMIT PROFILE。
【0023】
代理人整理番号END7911USNP5/160006-5、2016年12月16日出願の発明者Frederick E.Shelton,IVらによるMODULAR BATTERY POWERED HANDHELD SURGICAL INSTRUMENT WITH MOTOR CONTROL LIMITS BASED ON TISSUE CHARACTERIZATION。
【0024】
代理人整理番号END7911USNP6/160006-6、2016年12月16日出願の発明者Frederick E.Shelton,IVらによる表題MODULAR BATTERY POWERED HANDHELD SURGICAL INSTRUMENT WITH MULTI-FUNCTION MOTOR VIA SHIFTING GEAR ASSEMBLY。
【0025】
代理人整理番号END7911USNP7/160006-7、2016年12月16日出願の発明者Frederick E.Shelton,IVらによる表題MODULAR BATTERY POWERED HANDHELD SURGICAL INSTRUMENT WITH A PLURALITY OF CONTROL PROGRAMS。
【0026】
代理人整理番号END7911USNP8/160006-8、2016年12月16日出願の発明者Frederick E.Shelton,IVらによる表題MODULAR BATTERY POWERED HANDHELD SURGICAL INSTRUMENT WITH ENERGY CONSERVATION TECHNIQUES。
【0027】
代理人整理番号END7911USNP9/160006-9、2016年12月16日出願の発明者Frederick E.Shelton,IVらによる表題MODULAR BATTERY POWERED HANDHELD SURGICAL INSTRUMENT WITH VOLTAGE SAG RESISTANT BATTERY PACK。
【0028】
代理人整理番号END7911USNP10/160006-10、2016年12月16日出願の発明者Frederick E.Shelton,IVらによる表題MODULAR BATTERY POWERED HANDHELD SURGICAL INSTRUMENT WITH MULTISTAGE GENERATOR CIRCUITS。
【0029】
代理人整理番号END7911USNP11/160006-11、2016年12月16日出願の発明者Frederick E.Shelton,IVらによる表題MODULAR BATTERY POWERED HANDHELD SURGICAL INSTRUMENT WITH MULTIPLE MAGNETIC POSITION SENSORS。
【0030】
代理人整理番号END7911USNP12/160006-12、2016年12月16日出願の発明者Frederick E.Shelton,IVらによる表題MODULAR BATTERY POWERED HANDHELD SURGICAL INSTRUMENT CONTAINING ELONGATED MULTI-LAYERED SHAFT。
【0031】
代理人整理番号END7911USNP13/160006-13、2016年12月16日出願の発明者Frederick E.Shelton,IVらによる表題MODULAR BATTERY POWERED HANDHELD SURGICAL INSTRUMENT WITH MOTOR DRIVE。
【0032】
代理人整理番号END7911USNP14/160006-14、2016年12月16日出願の発明者Frederick E.Shelton,IVらによる表題MODULAR BATTERY POWERED HANDHELD SURGICAL INSTRUMENT WITH SELF-DIAGNOSING CONTROL SWITCHES FOR REUSABLE HANDLE ASSEMBLY。
【0033】
代理人整理番号END7911USNP15/160006-15、2016年12月16日出願の発明者Frederick E.Shelton,IVらによる表題MODULAR BATTERY POWERED HANDHELD SURGICAL INSTRUMENT WITH REUSABLE ASYMMETRIC HANDLE HOUSING。
【0034】
代理人整理番号END7911USNP16/160006-16、2016年12月16日出願の発明者Frederick E.Shelton,IVらによる表題MODULAR BATTERY POWERED HANDHELD SURGICAL INSTRUMENT WITH CURVED END EFFECTORS HAVING ASYMMETRIC ENGAGEMENT BETWEEN JAW AND BLADE。
【0035】
以下の「発明を実施するための形態」では、本明細書の一部を構成する添付の図面を参照する。図中、一般的に、同様の記号及び参照符合は、内容によりそうでない旨が断られない限り、複数の図を通じて同様の要素を示す。「発明を実施するための形態」、「図面」、及び「特許請求の範囲」に記載される例示的な態様は、限定を目的としたものではない。本明細書に提示される主題の範囲から逸脱することなく、他の態様を使用することが可能であり、他の変更を行うことが可能である。
【0036】
本開示の様々な態様を詳細に説明する前に、本明細書に開示された様々な態様は、それらの用途又は使用において、添付の図面及び説明に例示される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに留意すべきである。むしろ、開示された態様は、他の態様、その変形及び改変として位置決めするか、又はこれらに組み込むことが可能であり、様々な方法で実施又は実行してもよい。したがって、本明細書に開示された態様は、例示的な性質のものであり、その範囲又は用途を限定することを目的としたものではない。更に、別途記載のない限り、本明細書で用いる用語及び表現は、読者の便宜のために態様を説明する目的で選択されるものであって、それらの範囲を限定しようとするものではない。更に、開示された態様、態様の表現及び/又はその実施例のうちの任意の1つ又は2つ以上を、限定することなく、他の開示された態様、態様の表現及び/又はその実施例のうちの任意の1つ又は2つ以上と組み合わせることができる点を理解されたい。
【0037】
また、以下の説明において、前、後、内側、外側、上部、下部といった用語は便宜的に用いられる語であると理解するべきであり、限定的な用語として解釈されるべきではない。本明細書で使用される用語は、本明細書に述べられる装置、又はその部分を他の配向に取設されるか又は用いられることが可能である限り、限定的なものではない。図面を参照しながら、様々な態様をより詳細に説明する。
【0038】
様々な態様では、本開示は、超音波エネルギーモダリティ及びRFエネルギーモダリティの両方を利用する混合エネルギー外科用器具を対象とする。混合エネルギー外科用器具は、米国特許第9,107,690号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示される超音波機能などの既存のエンドエフェクタ機能、米国特許第8,696,666号及び同第8,663,223号(両方が参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる)に開示される組み合わせ装置機能、米国特許第9,028,478号及び同第9,113,907号(両方が参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる)に開示されるRF対向電極機能、並びに米国特許出願公開第2013/0023868号(参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる)に開示されるRF I-ブレードオフセット電極機能を達成するものを使用するモジュールシャフトを私の使用する(my use)。
【0039】
様々な態様では、本開示は、第1の発生器、第2の発生器及び外科用器具によって適用されるエネルギーモダリティを制御するための制御回路を備える、モジュール電池式手持ち型超音波外科用器具を対象とする。外科用器具は、超音波エネルギーモダリティ、無線周波数(RF)エネルギーモダリティ、又は超音波エネルギーモダリティ及びRFエネルギーモダリティの組み合わせを含む、少なくとも1つのエネルギーモダリティを適用するように構成される。
【0040】
別の態様では、本開示は、超音波エネルギーモダリティ、RFモダリティ、又は超音波エネルギーモダリティ及びRFエネルギーモダリティの組み合わせのために構成することができるモジュール電池式手持ち型外科用器具を対象とする。混合エネルギー外科用器具は、超音波エネルギーモダリティ及びRFエネルギーモダリティの両方を利用する。混合エネルギー外科用器具は、エンドエフェクタ機能を達成するモジュールシャフトを使用することができる。エネルギーモダリティは、外科用器具によって特定される測定された組織パラメータに基づいて、超音波振動及び/又は電気外科用高周波電流を用いるために好適なエネルギーモダリティアルゴリズムを決定して、生組織に対して外科的凝固/切断処理を実行するために、例えば、他のパラメータの中でも特に、電気インピーダンス、組織インピーダンス、電気モータ電流、ジョー間隙、組織厚さ、組織圧縮、組織の種類、温度又はそれらの組み合わせなどの特定の測定された組織及び装置パラメータの測定値に基づいて選択可能であり得る。一旦組織パラメータが識別されると、外科用器具は、特定の組織/装置パラメータの測定を通して、単一の又はセグメント化されたRF電極構成又は超音波装置において組織に適用される処置エネルギーを制御するように構成され得る。組織処置アルゴリズムは、共同所有の米国特許出願第15/177,430号、表題SURGICAL INSTRUMENT WITH USER ADAPTABLE TECHNIQUESに記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0041】
別の態様では、本開示は、モータ及びコントローラとを有するモジュール電池式手持ち型外科用器具を対象とし、第1の制限閾値は、モジュールアセンブリを取設する目的のためにモータに使用され、また第2の閾値は、モータに使用され、かつ第2のアセンブリ工程又は外科用器具の機能性と関連付けられる。外科用器具は、モータ電流又はモータ電流に関するパラメータの測定を通してモータ速度又はトルクの制御を利用するモータ駆動作動機構を備えてもよく、モータ制御は、位置、慣性、速度、加速度、又はそれらの組み合わせに基づいて異なる大きさでモータ調整をトリガするために非線形閾値を介して調整される。移動機構及びモータコントローラのモータ駆動作動を用いて、モータ速度又はトルクを制御することができる。移動機構の物理的特性に関連するセンサは、モータコントローラにフィードバックを提供する。一態様では、センサを用いて、モータコントローラの動作の変化をトリガする、既定の閾値を調整する。モータを利用して、シャフト回転及びジョー閉鎖などのシャフト機能を駆動することができ、そのモータを切り替えて、変換器に対するトルク制限導波管の取設も提供する。モータ制御アルゴリズムを利用して、装置状態及び/又は動力式作動の制限の表示のために、モータ駆動トレインを通してユーザに触覚フィードバックを生成することができる。モータ動力式モジュール高度エネルギーベースの外科用器具は、一連の異なるシャフトモジュール及び変換器を動作させる一連の制御プログラム又はアルゴリズムを含むことができる。一態様では、プログラム又はアルゴリズムは、モジュール内に存在し、取設されるときに制御ハンドルにアップロードされる。モータ駆動モジュール電池式手持ち型外科用器具は、少なくとも2つの独立した作動機能(第1、第2、両方、どちらもない)に選択的に連結可能な一次回転駆動を備えてよく、遠位モジュール細長チューブ内に位置するクラッチ機構を利用することができる。
【0042】
別の態様では、本開示は、エネルギー保存回路と、短絡を有するセグメント化回路のスリープモード非通電を使用して、不使用電力ドレイン及びスリープシーケンスの順序とは異なるウエイクアップシーケンス順序を最小限に抑える技術とを備える、モジュール電池式手持ち型外科用器具を対象とする。使い捨て一次電池パックは、電池式モジュール手持ち型外科用器具と共に利用され得る。使い捨て一次電池は、電池出力電圧を追加の電圧で補償して、負荷下での電圧サグを相殺するため、かつ負荷下での動作中に電池パック出力電圧が所定のレベルを下回ることを防ぐために、電力管理回路を備えてもよい。外科用器具の回路は、耐放射線構成要素を含み、電気信号の増幅は、複数段に分割され得る。超音波変換器ハウジング又はRFハウジングは、最終的な増幅段を含んでよく、かつ超音波変換器又はRFモジュールに関連するエネルギーモダリティに応じて異なる比率を含み得る。
【0043】
別の態様では、本開示は、シャフトの長さに沿って複数の磁気位置センサを備え、固定基準面からシャフトの作動構成要素の3次元位置を決定すると同時に、外部源からの任意のエラーを診断するために、複数のセンサが同じ磁石を検出することを可能にする異なる構成で対合されたモジュール電池式手持ち型外科用器具を対象とする。制御及び感知エレクトロニクスが、シャフトに組み込まれてもよい。シャフト制御エレクトロニクスの部分は、移動シャフト構成要素の内側に沿って配設されてよく、移動シャフト構成要素の外側に沿って配設された他のシャフト制御エレクトロニクスから分離される。制御及び感知エレクトロニクスは、それらが装置内のシャフト封止として作用するように配置及び設計されてもよい。
【0044】
別の態様では、本開示は、電池式モジュール再利用可能なハンドル内に自己診断制御スイッチを備える、モジュール電池式手持ち型外科用器具を対象とする。制御スイッチは、イベントをトリガするためにそれらの閾値を調整することができるだけでなく、制御に対する外部の影響を示すか、又は交換が必要とされるまでの時間を予測することができる。再利用可能なハンドルハウジングは、モジュール使い捨てシャフト及び少なくとも1つの制御及び配線ハーネスと共に使用するために構成される。ハンドルは、開いたときに非対称に分かれるように構成され、それによりスイッチ、配線ハーネス及び/又は制御エレクトロニクスは、片側に支持可能に収容することができ、それにより反対側が、一次ハウジングを被覆するように取り外し可能に取設される。
【0045】
図1は、本開示の態様による、モジュール電池式手持ち型超音波外科用器具100の図である。
図2は、本開示の態様による、
図1に示す外科用器具100の分解図である。ここで
図1及び
図2を参照して、外科用器具100は、ハンドルアセンブリ102、超音波変換器/発生器アセンブリ104、電池アセンブリ106、シャフトアセンブリ110、及びエンドエフェクタ112を備える。超音波変換器/発生器アセンブリ104、電池アセンブリ106、及びシャフトアセンブリ110は、ハンドルアセンブリ102に取り外し可能に接続可能なモジュール構成要素である。ハンドルアセンブリ102は、モータアセンブリ160を備える。更に、外科用器具100のいくつかの態様は、超音波発生器及びモータ制御回路を含む電池アセンブリ106を含む。電池アセンブリ106は、第1段発生器機能を含み、55kHz及び33.1Khzの超音波変換器を駆動するために、最終段が超音波変換器/発生器アセンブリ104の一部として存在する。電池アセンブリ106、共通の発生器構成要素及びセグメント化回路と互換可能に使用するための異なる最終段発生器は、電池アセンブリ106が駆動回路の部分を制御的に電源投入し、それらに電源投入する前に回路の段をチェックすることを可能にし、かつ電力管理モードを可能にする。更に、多目的制御は、専用シャフトアセンブリ110制御がそのような機能を有するシャフト上に位置するハンドルアセンブリ102において提供され得る。例えば、エンドエフェクタ112モジュールは、遠位回転エレクトロニクスを含むことができ、シャフトアセンブリ110は、関節接合スイッチと共に回転シャフト制御を含むことができ、ハンドルアセンブリ102は、エネルギー起動制御及びジョー部材114トリガ108制御を含み、エンドエフェクタ112をクランプ及びアンクランプすることができる。
【0046】
超音波変換器/発生器アセンブリ104は、ハウジング148、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)などのディスプレイ176、例えば超音波変換器130、及び超音波発生器162を備える(
図4)。シャフトアセンブリ110は、外管144、超音波伝送導波管145、及び内管(図示せず)を備える。エンドエフェクタ112は、ジョー部材114及び超音波ブレード116を備える。以下に記載のように、トリガ108によって動作されるモータ又は他の機構を用いて、ジョー部材114を閉じることができる。超音波ブレード116は、超音波伝送導波管145の遠位端である。ジョー部材114は、ジョー部材と超音波ブレード116との間の組織を把持するように枢動的に回転可能である。ジョー部材114は、トリガ108に動作可能に連結され、それによりトリガ108を握ったときに、ジョー部材114が閉じて組織を把持し、トリガ108を解放したときに、ジョー部材114が開いて組織を解放する。1段トリガ構成では、トリガ108は、トリガ108を握ったときにジョー部材114を閉じるように、またトリガ108を解放したときにジョー部材114を開くように機能する。一旦ジョー部材114が閉じると、スイッチ120が起動され、超音波発生器に通電して組織を封止及び切断する。2段トリガ構成では、第1段の間、ジョー部材114を閉じる途中でトリガ108を握り、第2段の間、超音波発生器に通電して組織を封止及び切断する途中でトリガ108を握る。ジョー部材114aは、トリガ108を解放することによって開き、組織を解放する。他の態様では、超音波変換器103は、ジョー部材114を閉じることなく起動することができることが理解されよう。
【0047】
電池アセンブリ106は、電気コネクタ132によってハンドルアセンブリ102に電気的に接続される。ハンドルアセンブリ102には、スイッチ120が設けられている。超音波ブレード116は、スイッチ120を作動させることによって超音波変換器/発生器回路に通電することにより起動される。一態様による電池アセンブリ106は、出力が調整された再充電可能、再利用可能な電池パックである。場合によって、下述のように、電池アセンブリ106は、ユーザインターフェース機能を容易にする。ハンドルアセンブリ102は、電池アセンブリ106、超音波変換器/発生器アセンブリ104及びシャフトアセンブリ110に取設するためのベイ又はドックを有する使い捨てユニットである。ハンドルアセンブリ102はまた、例えば、スピーカ/ブザー及び起動スイッチを含む様々なインジケータを収容する。一態様では、電池アセンブリは、ハンドルアセンブリのハウジングによって定義されるドア又は他の開口を通してハンドルアセンブリのハウジング内に挿入される、別個の構成要素である。
【0048】
超音波変換器/発生器アセンブリ104は、遠位出力において高周波機械運動を生じる再利用可能なユニットである。超音波変換器/発生器アセンブリ104は、シャフトアセンブリ110及び超音波ブレード116に機械的に連結され、装置の動作中に、超音波ブレード116の遠位出力において運動を生じる。一態様では、超音波変換器/発生器アセンブリ104はまた、例えば赤色/緑色/青色(red/green/blue、RGB)発光ダイオード(light-emitting diode、LED)、LCD、又は他のディスプレイを通して視覚的ユーザインターフェースを提供する。そのようなものとして、電池状態の視覚的インジケータは、電池上に一意に位置していないため、電池から離れている。
【0049】
本開示の様々な態様によれば、外科用器具100の3つの構成要素、例えば、超音波変換器/発生器アセンブリ104、電池アセンブリ106及びシャフトアセンブリ110は、他のうちの1つ又は2つ以上から有利に迅速に接続を外すことができる。外科用器具100の3つの構成要素の各々は無菌であり、使用中に無菌フィールド内で全体的に維持され得る。外科用器具100の構成要素は分離可能であるため、外科用器具100は、単回使用品目(例えば、使い捨て)である1つ又は2つ以上の部分、及び多回使用品目(例えば、複数の外科手技で使用するために滅菌可能)である他の部分から構成され得る。構成要素の態様は、外科用器具100の一部として分離する。本開示の追加の態様によれば、ハンドルアセンブリ102、電池アセンブリ106、及びシャフトアセンブリ110構成要素は、全体の重量に相当し、ハンドルアセンブリ102、電池アセンブリ106、及びシャフトアセンブリ110構成要素の各々は、同じ又は実質的に同じ重量であるように平衡される。ハンドルアセンブリ102は、支持のためにオペレータの手の上に張り出し、ユーザの手が、重みに耐えることなく外科用器具100の制御をより自由に動作させることを可能にする。この張り出しは、重心の非常に近くに設定される。三角形のアセンブリ構成と組み合わせることにより、有利に外科用器具100に重心が設けられ、これが装置を動作させるユーザに非常に自然で快適な感触をもたらす。すなわち、ユーザの手に保持されたとき、外科用器具100は、前後左右に傾く傾向を有しないが、ユーザがほとんど努力せずに導波管が地面に平行に保持されるように相対的かつ動的に平衡されたままである。当然のことながら、この器具は、地面に対して非平行角度で容易に配置され得る。
【0050】
回転ノブ118は、シャフトアセンブリ110に動作可能に連結される。矢印126によって示される方向に±360°の回転ノブ118の回転は、外管144を矢印128のそれぞれの方向に±360°回転させる。一態様では、回転ノブ118は、ジョー部材114を回転させるように構成され得るが、超音波ブレード116は、静止したままであり、別個のシャフト回転ノブが、外管144を±360°回転させるように設けられてもよい。様々な態様では、超音波ブレード116は、±360°で停止する必要がなく、±360°よりも大きい回転角度で回転することができる。外管144は、例えば、5mm~10mmの範囲の直径D1を有してよい。
【0051】
超音波ブレード116は、シャフトアセンブリ110内に位置する超音波伝送導波管によって超音波変換器/発生器アセンブリ104の超音波変換器130(
図2)部分に連結される。超音波ブレード116及び超音波伝送導波管は、超音波エネルギーの伝送に好適な材料からユニット構造として形成され得る。かかる材料の例としては、Ti6Al4V(アルミニウム及びバナジウムを含むチタンの合金)、アルミニウム、ステンレス鋼、又は他の好適な材料が挙げられる。あるいは、超音波ブレード116は、超音波伝送導波管から分離可能(かつ異なる組成のもの)であって、例えば、スタッド、溶接、接着剤、急速接続、又は他の好適な既知の方法によって連結されてもよい。超音波伝送導波管の長さは、例えば整数の2分の1波長(nλ/2)であってもよい。超音波伝送導波管は、好ましくは、超音波エネルギーを効率的に伝播するために好適な材料、例えば上述のチタン合金(すなわち、Ti6Al4V)若しくは任意の好適なアルミニウム合金、又は他の合金、又はサファイアなどの他の材料から構築された中実コアシャフトから製造され得る。
【0052】
超音波変換器/発生器アセンブリ104はまた、超音波変換器130を駆動するための電子回路を備える。超音波ブレード116は、約20Hz~120kHzであり得る好適な振動周波数範囲で動作することができ、より好適な振動周波数範囲は、約30~100kHzであり得る。好適な動作振動周波数は、例えば約55.5kHzであってもよい。超音波変換器130は、スイッチ120の作動によって通電される。
【0053】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書において、ハンドルアセンブリ102を把持している臨床医を基準として用いられることが理解されるであろう。したがって、超音波ブレード116は、より近位のハンドルアセンブリ102を基準として遠位である。便宜上及び明確性のために、「上部」及び「下部」などの空間に関する用語もまた、本明細書において、ハンドルアセンブリ102を把持している臨床医を基準として用いられている点も更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的かつ絶対的なものであることを意図するものではない。
【0054】
図3は、本開示の態様による、
図1に示す外科用器具100のモジュールシャフトアセンブリ110の分解図である。外科用器具100は、超音波振動を用いて生体組織上で外科処置を実行する。シャフトアセンブリ110は、ハンドルアセンブリ102上に形成されたスロット142a、142b、及びシャフトアセンブリ110上のタブ134a、134bを介してハンドルアセンブリ102に連結する。ハンドルアセンブリ102は、138シャフトアセンブリ110内の対応する雌型連結部材(corresponding female coupling member in the 138 shaft assembly 110)に受容される雄型連結部材136を含む。雄型連結部材136は、トリガ108に動作可能に連結され、それによりトリガ108が握られると、雄型連結部材136が遠位方向に並進して、シャフトアセンブリ110の外管部分を並進させてジョー部材114を閉じる閉鎖管機構140を駆動する。前述のように、トリガ108が解放されると、ジョー部材114が開く。雄型連結部材136はまた、シャフトアセンブリ110の外管144内に位置する超音波伝送導波管145に連結し(
図2)、ハンドルアセンブリ102のノズル146内に受容される、超音波変換器130に連結する(
図2)。シャフトアセンブリ110は、電気的接触137を介してハンドルアセンブリ102に電気的に連結される。
【0055】
図4は、本開示の態様による、
図1に示す外科用器具100の超音波変換器/発生器アセンブリ104の斜視透視図である。
図5は、超音波変換器/発生器アセンブリ104の端面図であり、
図6は、超音波発生器162を露出するように上部ハウジング部分が取り除かれた、超音波変換器/発生器アセンブリ104の斜視図であり、
図7は、超音波変換器/発生器アセンブリ104の断面図である。ここで
図4~
図7を参照して、超音波変換器/発生器アセンブリ104は、超音波変換器130と、超音波変換器130及びハウジング148を駆動するための超音波発生器162とを備える。第1の電気コネクタ158は、超音波発生器162を電池アセンブリ106に連結し(
図1及び
図2)、第2の電気コネクタ161は、超音波発生器162をノズルに連結する(
図3)。一態様では、ディスプレイ176は、超音波変換器/発生器アセンブリ104ハウジング148の片側に設けられてもよい。
【0056】
超音波発生器162は、
図11に示す電気回路177などの超音波駆動回路を備え、またいくつかの態様では、第2段増幅器回路178を備える。電気回路177は、超音波変換器130を駆動するために構成され、超音波変換器回路の部分を形成する。電気回路177は、他の構成要素の中でも特に、変圧器166及びブロッキングキャパシタ168を備える。変圧器166は、超音波変換器130の圧電素子150a、150b、150c、150dに電気的に連結される。電気回路177は、第1のケーブル179を介して第1の電気コネクタ158に電気的に連結される。第1の電気コネクタ158は、電池アセンブリ106(
図1及び
図2)に電気的に連結される。電気回路177は、第2のケーブル183を介して第2の電気コネクタ160に電気的に連結される。第2の電気コネクタ160は、ノズル146(
図3)に電気的に連結される。一態様では、第2段増幅器回路178は、2段増幅システムで用いられてもよい。
【0057】
超音波変換器130は、「ランジュバンスタック(Langevin stack)」として既知であるが、一般に、圧電素子150a~150dを含む変換部分、第1の共振器部分又はエンドベル164、並びに第2の共振器部分又はフォアベル152及び付属構成要素を含む。これらの構成要素の全体の構造は共振器である。磁歪変換器などの他の形態の変換器があり、それらを使用することもできる。超音波変換器130は、好ましくは、より詳細に後述されるように、整数の2分の1システム波長(nλ/2、式中、「n」は任意の正の整数、例えば、n=1、2、3...である)の長さである。音響アセンブリは、エンドベル164、超音波変換器130、フォアベル152及び変速器154を含む。
【0058】
エンドベル164の遠位端は、圧電素子150aの近位端に音響的に連結され、フォアベル152の近位端は、圧電素子150dの遠位端に音響的に連結される。フォアベル152及びエンドベル164は、変換部分の厚さ、エンドベル164及びフォアベル152を製造するために使用される材料の密度及び弾性率、並びに超音波変換器130の共振周波数を含む、多くの変数によって決定される長さを有する。フォアベル152は、変速器154において超音波振動の振幅を増幅するようにその近位端からその遠位端へと内側に細くなっていてもよく、あるいは増幅を持たなくてもよい。好適な振動の周波数範囲は約20Hz~120kHzであってもよく、より好適な振動の周波数範囲は約30~100kHzであってもよい。好適な動作振動周波数は、例えば約55.5kHzであってもよい。
【0059】
超音波変換器130は、音響的に連結又はスタックされて、変換部分を形成するいくつかの圧電素子150a~150dを含む。圧電素子150a~150dは、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、又は他の圧電セラミック材料など、任意の好適な材料から製造されてもよい。導電素子170a、170b、170c、170dを、圧電素子150a~150dの間に挿入して、電気回路177を圧電素子150a~150dに電気的に連結する。圧電素子150a、150bの間に位置する導電素子170a及び圧電素子150dとフォアベル152との間に位置する導電素子170dは、電気回路177の正電極174aに電気的に連結されている。圧電素子150b、150cの間に位置する導電素子170b及び圧電素子150c、150dの間に位置する導電素子170cは、電気回路177の負電極174bに電気的に連結されている。正及び負の電極174a、174bは、導電体により電気回路177に電気的に連結されている。
【0060】
超音波変換器130は、電気回路177からの電気駆動信号を機械エネルギーに変換し、これが主に超音波周波数で超音波変換器130及び超音波ブレード116(
図1及び
図3)の長手方向の振動運動の定在音波を生じる。別の態様では、超音波変換器130の振動運動は、異なる方向に作用し得る。例えば、振動運動は、超音波ブレード116のより複雑な運動の局所的な長手方向の構成要素を含むことができる。音響アセンブリが通電されると、定在波の形態の振動運動が、種々の電気的及び幾何学的パラメータによって決定される共振及び振幅で、超音波変換器130を通して超音波ブレード116に生成される。音響アセンブリに沿った任意の点での振動運動の振幅は、振動運動が測定される音響アセンブリに沿った場所に依存する。振動運動定常波内の最小又はゼロ交差は、一般に波節点(すなわち、運動が最小である箇所)と称され、定常波内の局所的最大絶対値又はピークは、一般に波腹点(すなわち、局所運動が最大である箇所)と称される。波腹点とそれに最も近い波節点との間の距離は4分の1波長(λ/4)である。
【0061】
ワイヤは、電気回路177から正電極170a及び負電極170bに電気駆動信号を伝送する。圧電素子150a~150dは、例えば、音響アセンブリにおいて音響定在波を生み出すために、スイッチ120などのアクチュエータに応答して、電気回路177から供給される電気信号によって通電される。電気信号は、圧電素子150a~150d中に、繰り返される小変位形態の乱れを起こし、材料中に大きな交互の圧縮及び伸張力をもたらす。繰り返される小変位は、圧電素子150a~150dを連続的に電圧勾配の軸に沿って伸縮させ、超音波エネルギーの長手方向の波を生成する。超音波エネルギーは、シャフトアセンブリ110(
図1~
図3)を通る伝送構成要素又は超音波伝送導波管を介して、音響アセンブリを通して超音波ブレード116(
図1及び
図3)に伝送される。
【0062】
音響アセンブリが超音波ブレード116(
図1及び
図3)にエネルギーを送達するために、音響アセンブリの構成要素は、超音波ブレード116に音響的に連結される。超音波変換器130の連結スタッド156は、スタッドなどのねじ接続によって超音波伝送導波管145に音響的に連結される。一態様では、超音波変換器130は、
図10A及び
図10Bに示すように、超音波伝送導波管145に音響的に連結されてもよい。
【0063】
音響アセンブリの構成要素は、好ましくは、任意のアセンブリの長さが整数の2分の1波長(nλ/2)であるように音響的に調整され、その場合、波長λは、音響アセンブリの予め選択された、又は作動中の長手方向の振動駆動周波数fdの波長である。また、音響アセンブリは、いずれかの好適な音響要素の配設を組み込んでもよいことが熟慮される。
【0064】
超音波ブレード116(
図1及び
図3)は、2分の1システム波長(nλ/2)の整数倍の長さを有してもよい。超音波ブレード116の遠位端は、遠位端の最大長手方向可動域をもたらすために、波腹点付近に配設されてもよい。超音波変換器130が通電されると、超音波ブレード116の遠位端は、例えば、55kHzの所定の振動周波数において、例えば、およそ10~500ミクロンのピーク・トゥ・ピークの範囲で、また好ましくは約30~150ミクロンの範囲で、またいくつかの態様では100ミクロン付近に移動するように構成されてもよい。
【0065】
図8は、本開示の一態様による、31kHzの共振周波数で動作するように構成された超音波変換器/発生器アセンブリ104の立面図である。
図9は、本開示の一態様による、55kHzの共振周波数で動作するように構成された超音波変換器/発生器アセンブリ104’の立面図である。図に見られるように、超音波変換器/発生器アセンブリ104、104’、ハウジング148は、
図3に示す外科用器具100のノズル146に嵌合するように同じサイズである。それにもかかわらず、個々の超音波変換器130、130’は、所望の共振周波数に応じてサイズが変化する。例えば、
図8に示す超音波変換器130は、31kHzの共振周波数で調整され、55kHzの共振周波数で調整される、
図9に示す超音波変換器130’より物理的に大きい。超音波変換器130、130’の連結スタッド156、156’は、スタッドなどのねじ接続によって超音波伝送導波管145に音響的に連結されてもよい。
【0066】
図10A及び
図10Bは、本開示の一態様による、超音波変換器130に対して超音波伝送導波管145を選択的に回転させ、それらを互いに向かって付勢するシフトアセンブリ200を示す。
図10Aは、係合解除構成にある超音波伝送導波管145及び超音波変換器130を有するシフトアセンブリ200を示し、
図10Bは、係合構成にある超音波伝送導波管145及び超音波変換器130を有するシフトアセンブリ200を示す。ここで
図10A及び
図10Bの両方を参照して、シフトアセンブリ200は、外科用器具100のハンドルアセンブリ102内に位置する。1つ又は2つ以上のスリーブ204は、ハウジング148内の定位置に超音波変換器130を保持する。超音波変換器130の遠位端は、ウォームギヤ206によって係合されるねじ山202を含む。ウォームギヤ206が回転すると、超音波変換器130は、矢印208によって示される方向に付勢されて、ねじ付き連結スタッド156を超音波伝送導波管145のねじ付き端部にねじ込む。ウォームギヤ206は、外科用器具100のハンドルアセンブリ102内に位置するモータによって駆動され得る。
【0067】
一態様では、シフトアセンブリ200は、クランプ、回転及び関節接合のシャフト作動を制御するハンドルアセンブリ102内に位置するモータを介した、超音波伝送導波管145のトルク制限モータ駆動の取設を含み得る。ハンドルアセンブリ102内のシフトアセンブリ200は、所定の最小トルクを有する場所への超音波伝送導波管145に適切なトルクを印加する。例えば、ハンドルアセンブリ102は、一次駆動シャフトスパーギヤを長手方向に連結解除し、かつシャフト及びノズルを回転させる変換器トルクギヤを連結することにより、導波管を変換器にねじ込む一次モータをシフトさせる、変換器トルク機構を含むことができる。
【0068】
図11は、本開示の一態様による、超音波変換器130を駆動するために好適な
図4に示す電気回路177の一態様の概略図である。電気回路177は、アナログマルチプレクサ180を備える。アナログマルチプレクサ180は、超音波、電池及び電力制御回路などの上流チャネルSCL-A/SDA-Aからの様々な信号を多重化する。電流センサ182は、電源回路の戻り又は接地区間と直列に連結され、電源により供給される電流を測定する。電界効果トランジスタ(field effect transistor、FET)温度センサ184は、周囲温度を提供する。パルス幅変調(pulse width modulation、PWM)ウォッチドッグタイマ188は、主プログラムが定期的なサービス提供を怠る場合にシステムリセットを自動的に生じさせる。これは、ソフトウェア又はハードウェアの故障のため、これがハング又はフリーズすると、電気回路177を自動的にリセットするように設けられている。電気回路177は、超音波変換器130を駆動するため、又は例えば
図34に示す電気回路702などのRF電極を駆動するためのRF駆動回路として構成され得ることが理解されるであろう。したがって、ここで
図11に戻って参照すると、電気回路177を使用して、超音波変換器及びRF電極の両方を交換可能に駆動することができる。同時に駆動する場合、対応する第1段回路5504内にフィルタ回路を設けて、超音波波形又はRF波形のいずれかを選択するようにしてもよい。かかるフィルタリング技術は、共同所有の米国特許出願第15/265,293号、表題TECHNIQUES FOR CIRCUIT TOPOLOGIES FOR COMBINED GENERATORに記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0069】
駆動回路186は、左右の超音波エネルギー出力を提供する。デジタル信号は、信号波形が、制御回路210(
図14)などの制御回路からのアナログマルチプレクサ180のSCL-A/SDA-A入力に提供されることを表す。デジタル・アナログ変換器190(digital-to-analog converter、DAC)は、デジタル入力をアナログ出力に変換して、発振器194に連結されたPWM回路192を駆動する。PWM回路192は、第1のトランジスタ出力段198aに連結された第1のゲート駆動回路196aに第1の信号を提供して、第1の超音波(左側)エネルギー出力を駆動する。PWM回路192はまた、第2のトランジスタ出力段198bに連結された第2のゲート駆動回路196bに第2の信号を提供して、第2の超音波(右側)エネルギー出力を駆動する。電圧センサ199を、超音波左/右出力端子間に連結して、出力電圧を測定する。駆動回路186、第1及び第2の駆動回路196a、196b、並びに第1及び第2のトランジスタ出力段198a、198bは、第1段増幅器回路を定義する。動作中、制御回路210(
図14)は、直接デジタル合成(direct digital synthesis、DDS)回路1500、1600(
図65及び
図66)などの回路を用いるデジタル波形1800(
図67)を生成する。DAC 190は、デジタル波形1800を受容し、それをアナログ波形に変換し、これが第1段増幅器回路によって受容及び増幅される。
【0070】
図12は、本開示の一態様による、
図11に示す電気回路177に連結された変圧器166の概略図である。変圧器166の超音波左/右入力端子(一次巻線)は、電気回路177の超音波左/右出力端子に電気的に連結されている。変圧器166の二次巻線は、正及び負の電極174a、174bに連結されている。変圧器166の正及び負の電極174a、174bは、超音波変換器130の陽端子170a(スタック1)及び陰端子170b(スタック2)に連結されている(
図4)。一態様では、変圧器166は、n1:n2が1:50の巻数比を有する。
【0071】
図13は、本開示の一態様による、テスト回路165に連結された
図12に示す変圧器166の概略図である。テスト回路165は、正及び負の電極174a、174bに連結されている。スイッチ167は、超音波変換器の負荷をシミュレートするインダクタ/キャパシタ/レジスタ(LCR)負荷と直列に配置される。
【0072】
図14は、本開示の一態様による、制御回路210の概略図である。制御回路210は、電池アセンブリ106のハウジング内に位置する。電池アセンブリ106は、様々な局所電源215のためのエネルギー源である。制御回路は、例えば、出力SCL-A/SDA-A、SCL-B/SDA-B、SCL-C/SDA-Cによって、様々な下流回路にインターフェースマスタ218を介して連結された主プロセッサ214を備える。一態様では、インターフェースマスタ218は、I
2Cシリアルインターフェースなどの汎用シリアルインターフェースである。主プロセッサ214はまた、汎用入出力220(general purposes input output、GPIO)を通してスイッチ224、ディスプレイ226(例えば、及びLCDディスプレイ)、並びにGPIO 222を通して様々なインジケータ228を駆動するように構成される。ウォッチドッグプロセッサ216は、主プロセッサ214を制御するために設けられている。スイッチ230は、ハンドルアセンブリ102(
図1~
図3)への電池アセンブリ106の挿入時に制御回路212を起動するために、電池211と直列に設けられている。
【0073】
一態様では、主プロセッサ214は、出力端子SCL-A/SDA-Aによって電気回路177(
図4及び
図11)に連結されている。主プロセッサ214は、例えば、超音波変換器130(
図4~
図8)を駆動するために、電気回路177に伝送されるデジタル化された駆動信号又は波形のテーブルを記憶するためのメモリを備える。他の態様では、主プロセッサ214は、デジタル波形を生成し、それを電気回路177に伝送し得るか、又は電気回路177へ後に伝送するためにデジタル波形を記憶し得る。主プロセッサ214はまた、出力端子SCL-B/SDA-BによってRF駆動及び出力端子SCL-C/SDA-Cによって様々なセンサ(例えば、ホール効果センサ、磁気粘性流体(magnetorheological fluid、MRF)センサなど)を提供してもよい。一態様では、主プロセッサ214は、適切なソフトウェア及びユーザインターフェース機能を可能にするために、超音波駆動回路及び/又はRF駆動回路の存在を感知するように構成される。
【0074】
一態様では、主プロセッサ214は、例えば、Texas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってもよい。少なくとも一例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、製品データシートから容易に入手可能な他の機構の中でも、最大40MHz、256KBの単一サイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリと、40MHz超の性能を改善するためのプリフェッチバッファと、32KBの単一サイクルシリアルランダムアクセスメモリ(serial random access memory、SRAM)と、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み取り専用メモリ(ROM)と、2KBの電気的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)と、1つ又は2つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュールと、1つ又は2つ以上の直交エンコーダ入力(quadrature encoder imput、QED)アナログと、12個のアナログ入力チャネルを備えた、1つ又は2つ以上の12ビットアナログデジタル変換器(ADC)と、を備えたARM Cortex-M4Fプロセッサコアである。他のプロセッサが容易に代用されてもよく、したがって、本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
【0075】
図15は、本開示の一態様による、モジュール超音波外科用器具334内に含まれる別の電気回路300を示す簡略化したブロック回路図を示す。電気回路300は、プロセッサ302、クロック330、メモリ326、電源304(例えば、電池)、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(metal-oxide semiconductor field effect transistor、MOSFET)電源スイッチなどのスイッチ306、駆動回路308(PLL)、変圧器310、信号平滑化回路312(整合回路とも呼ばれる、例えば、タンク回路であり得る)、感知回路314、変換器130及び超音波ブレード116で終端する超音波伝送導波管(本明細書では簡単に導波管と呼ばれ得る)を備えるシャフトアセンブリ110を含む。
【0076】
高電圧(120VAC)入力電力への依存性(一般的な超音波切断装置の特性)を断つ本開示の1つの特徴は、波形成プロセスの全体にわたる低電圧スイッチングの利用及び変圧器の段の直前に限った駆動信号の増幅である。この理由のため、本開示の一態様では、電力は、ハンドルアセンブリ102(
図1~
図3)内でいずれかを適合させるのに十分に小さい、たった1つの電池又は電池群から導出される。現況技術の電池技術は、高さ及び幅が数センチメートル、奥行きが数ミリメートルの強力な電池を提供する。本開示の特徴を組み合わせて、自己完結型及び自己動力式超音波装置を提供することによって、製造コストの低減を達成することができる。
【0077】
電源304の出力は、プロセッサ302に供給され、電力供給する。プロセッサ302は、信号を受信及び出力し、以下に説明するように、プロセッサ302によって実行されるカスタムロジックに従って、又はコンピュータプログラムに従って機能する。電気回路300はまた、コンピュータ読み取り可能な命令及びデータを記憶するメモリ326、好ましくはランダムアクセスメモリ(RAM)を含むことができる。
【0078】
電源304の出力はまた、プロセッサ302によって制御されるデューティサイクルを有するスイッチ306に指向される。スイッチ306のオン時間を制御することにより、プロセッサ302は、最終的に変換器316に送達される総電力量を決定することができる。一態様では、スイッチ306はMOSFETであるが、他のスイッチ及びスイッチング構成も同様に適応可能である。スイッチ306の出力は、例えば、位相検出位相同期ループ(phase-locked loop、PLL)及び/又はローパスフィルタ及び/又は電圧制御発振器を含む駆動回路308に供給される。スイッチ306の出力は、プロセッサ302によってサンプリングされ、出力信号の電圧及び電流(それぞれV IN及びI IN)を決定する。これらの値は、フィードバックアーキテクチャにおいて使用され、スイッチ306のパルス幅変調を調整する。例えば、スイッチ306のデューティサイクルは、スイッチ306からの所望される実際の出力に応じて約20%~約80%まで変化し得る。
【0079】
スイッチ306からの信号を受信する駆動回路308は、スイッチ306の出力を超音波周波数、例えば55kHz(VCO)の電気信号に変換する発振回路を含む。上述のように、この超音波波形の平滑化バージョンが、最終的に超音波変換器130に供給され、超音波伝送導波管145(
図2)に沿って共振正弦波を生成する。
【0080】
駆動回路308の出力には、低電圧信号(複数可)からより高い電圧に昇圧させることができる変圧器310がある。変圧器310の前に、低い(例えば、電池駆動)電圧で上流スイッチングが実施されることが指摘され、これは今まで超音波切断及び焼灼装置には可能でなかった。これは、装置が、低オン抵抗MOSFETスイッチング装置を有利に使用するという事実に少なくとも部分的に起因する。低オン抵抗MOSFETスイッチは、従来のMOSFET装置よりも低いスイッチング損失及び低い熱を生じ、より高い電流を通過させることができるため有利である。したがって、スイッチング段(プレトランスフォーマ)は、低電圧/高電流として特徴付けられ得る。増幅器MOSFET(複数可)のより低いオン抵抗を保証するために、MOSFET(複数可)は、例えば10Vで稼働される。そのような場合、別個の10VDC電源を使用して、MOSFETゲートに供給することができ、MOSFETが完全にオンであり、合理的に低いオン抵抗が達成されることを保証する。本開示の一態様では、変圧器310は、電池電圧を120Vの二乗平均平方根(root-mean-square、RMS)に昇圧させる。変圧器は、当該技術分野で既知であるため、ここでは詳細に説明されていない。
【0081】
記載の回路構成において、回路構成要素の劣化は、回路の回路性能に負の影響を及ぼし得る。構成要素の性能に直接影響する1つの要因は熱である。既知の回路は、一般にスイッチング温度(例えば、MOSFET温度)を監視する。しかしながら、MOSFET設計における技術的進歩及び対応するサイズの低減により、MOSFET温度は、もはや回路負荷及び熱の有効なインジケータではない。この理由のため、本開示の一態様により、感知回路314は、変圧器310の温度を感知する。この温度感知は、変圧器310が装置の使用中にその最高温度又はその付近で稼働されるため有利である。追加の温度は、コア材料、例えばフェライトを破壊することになり、永久的な損傷が起こり得る。本開示は、例えば、変圧器310内の駆動電力を低減すること、ユーザに信号伝達すること、電源をオフにすること、電力をパルスすること又は他の適切な応答によって、変圧器310の最高温度に応答することができる。
【0082】
本開示の一態様では、プロセッサ302は、エンドエフェクタ112に通信可能に連結され、これを使用して、材料を超音波ブレード116、例えば、
図1に示すクランプ機構と物理的に接触させる。エンドエフェクタ112において、クランプ力値(既知の範囲内に存在する)を測定するセンサが提供され、受信されたクランプ力値に基づいて、プロセッサ302は、運動電圧VMを変化させる。設定された運動速度と組み合わされた高い力値は、高いブレード温度をもたらし得るため、温度センサ336は、プロセッサ302に通信可能に連結され、プロセッサ302は、温度センサ336からブレードの現在の温度を示す信号を受信及び解釈するように、また受信した温度に基づいてブレード移動の目標周波数を決定するように動作可能である。別の態様では、歪ゲージ又は圧力センサなどの力センサが、トリガ108に連結され、ユーザによってトリガ108に加えられた力を測定することができる。別の態様では、歪ゲージ又は圧力センサなどの力センサが、スイッチ120ボタンに連結されてもよく、それにより変位強度が、ユーザによってスイッチ120ボタンに加えられた力に対応する。
【0083】
本開示の一態様によれば、プロセッサ302に連結された駆動回路308のPLL部分は、導波管移動の周波数を決定し、その周波数をプロセッサ302に伝達することができる。プロセッサ302は、装置がオフにされたときに、この周波数値をメモリ326に記憶する。クロック330を読み取ることによって、プロセッサ302は、装置が遮断された後に経過した時間を決定し、その経過した時間が所定の値未満である場合、導波管移動の最後の周波数を検索することができる。次いで、装置は、推定可能に現在の負荷に対して最適な周波数である最後の周波数で起動することができる。
【0084】
図16は、本開示の一態様による、外科用器具100と共に使用するための電池アセンブリ400を示す。電池アセンブリ400は、様々なエネルギーセルを含むようにサイズ決定及び構成されたハウジング402を備える。エネルギーセルは、再充電式及び非再充電式電池を含むことができる。一態様では、電池アセンブリ400は、4つのLiイオン非再充電式電池404a、404b、404c、404d及び2つのニッケル金属水素化物(NiMH)再充電式電池406a(第2の電池は図示せず)を含む。ハウジング402は、電池アセンブリ400を外科用器具100(
図1及び
図2)のハンドルアセンブリ102に取り外し可能に接続するためのタブ408a、408bを備える。
【0085】
図17は、本開示の一態様による、外科用器具100と共に使用するための使い捨て電池アセンブリ410を示す。一態様では、使い捨て電池アセンブリ410は、外科用器具100(
図1及び
図2)などの電池式高度エネルギー器具と共に使用するための一次セル電池パックを備え、使い捨て電池アセンブリ410からの電圧サグを相殺して、負荷下での動作中に出力電圧が所定のレベルを下回るのを防ぐために、エレクトロニクスを追加の電圧で補償することを含む。この使い捨て電池アセンブリ410は、様々なエネルギーセルを含むようにサイズ決定及び構成されたハウジング412を備える。エネルギーセルは、再充電式及び非再充電式電池を含むことができる。一態様では、使い捨て電池アセンブリ410は、4つの一次リチウムイオン(Liイオン)非再充電式電池414a、414b、414c、414d及び2つの二次NiMH又はニッケルカドミウム(NiCd)再充電式電池416a、416bを含む。ハウジング412は、使い捨て電池アセンブリ410を外科用器具100のハンドルアセンブリ102に電気的に連結するための電気接点418を含む。図示した例では、電気接点418は、4つの金属接点を含む。使い捨て電池アセンブリ410はまた、制御回路210(
図14)及び/又は電気回路300(
図15)などの電気回路419を含む。電気回路419は、放射硬化される。
【0086】
一態様では、使い捨て電池アセンブリ410は、電池414a~d、電気回路419及びガンマ又は他の放射線滅菌に耐性のある他の構成要素を含む。例えば、スイッチングモード電源460(
図22)又は線形電源470(
図24)及び任意の充電回路は、使い捨て電池アセンブリ410のハウジング412内に組み込まれて、一次Liイオン電池414a~dの電圧サグを低減し、二次NiMH電池416a、416bを使用して電圧サグを低減することを可能にすることができる。これにより、無菌フィールドへの導入が容易な各手術の開始時の満充電セルが保証される。一次Liイオン電池414a~d及び二次NiMH電池416a~bを含むデュアルタイプの電池アセンブリを、専用エネルギーセル416a~bと共に使用して、発生器及びモータ制御回路を稼働させる専用エネルギーセル414a~dからエレクトロニクスを制御することができる。一態様では、関与する電池が低下した場合、システムは、エレクトロニクス回路の駆動に必要とされる電池から引き込む。一態様では、システムは、反対方向に、例えば、エネルギー及び/又はモータ制御回路の駆動に関与する電池から電子回路の駆動に関与する電池に電流を流すことを可能にしない一方向ダイオードシステムを含む。追加の一態様では、システムは、所定のレベルにおける瞬低を最小限に抑えるダイオード及び真空管構成要素を使用する、ガンマフレンドリー充電回路及びスイッチモード電源を備えることができる。スイッチモード電源は、NiMH電圧(例えば、3つのNiMHセル)の分割である最小瞬低電圧を含めることによって省略することができる。別の側面では、放射線硬化した構成要素がモジュール内に位置するモジュールシステムを作製することができ、このモジュールを、放射線滅菌によって滅菌可能にする。他の放射線硬化していない構成要素は、他のモジュール構成要素に含まれ、構成要素が同じ回路基板上に一緒に位置しているかのように構成要素が一緒に動作するように、モジュール構成要素の間に接続が作製される。二次NiMH電池416a~bの2つのセルのみが所望される場合、ダイオード及び真空管に基づくスイッチモード電源は、使い捨て一次Liイオン電池414a~d内の滅菌可能なエレクトロニクスを可能にする。
【0087】
図18は、本開示の一態様による、外科用器具100と共に使用するための再利用可能な電池アセンブリ420を示す。この再利用可能な電池アセンブリ420は、様々な再充電可能エネルギーセルを含むようにサイズ決定及び構成されたハウジング422を備える。エネルギーセルは、再充電可能電池を含むことができる。一態様では、再利用可能な電池アセンブリ420は、5つの積層されたNiMH再充電可能電池424a、424b、424c、424d、424eを含む。ハウジング422は、再利用可能な電池アセンブリ420を外科用器具100(
図1及び
図2)のハンドルアセンブリ102に電気的に連結するための電気接点428を含む。図示した例では、電気接点428は、6つの金属接点を含む。再利用可能な電池アセンブリ420はまた、制御回路210(
図14)及び/又は電気回路300(
図15)などの電気回路を含み得る、最大6つの回路基板429a、429b、429c、429d、429e、429fを含む。一態様では、再利用可能な電池アセンブリ420は、容易な交換のためにハウジング422内に駆動FETトランジスタ及び関連回路429a~fを備え、エネルギー送達を伴う再利用可能な電池アセンブリ420を置き換えるために、外科用器具100(
図1及び
図2)を遮断する必要がない。
【0088】
再利用可能な電池アセンブリ420は、電池テストスイッチ426及び最大3つのLEDインジケータ427a、427b、427cを備え、再利用可能な電池アセンブリ420内の電池424a~eの劣化を決定する。第1のLEDインジケータ427aは、使用する準備ができている満充電電池424a~eを示し得る。第2のLEDインジケータ427bは、電池を再充電する必要があることを示し得る。第3のLEDインジケータ427cは、電池が不良品であり、廃棄することを示し得る。再利用可能な電池アセンブリ420の劣化表示は、ユーザがそれを挿入及び使用する前に電池424a~eの特定の劣化及び能力を決定することを可能にする。例えば、再充電可能二次セルの充電状態、瞬低電圧、一次セル電圧は、無負荷状態で又はシステムに既定の抵抗負荷を加えた状態でこれらを測定することができる電池テストスイッチ426の起動によってチェックされる。電圧は、結果として得られた電圧チェックを比較するために、少なくとも1つであるが、より好ましくは3つの閾値を有し得る。第1のインジケータ427aの場合、電池424a~eは、それらが使用に適しているか否かを示す。3つのレベルで、再利用可能な電池アセンブリ420は、満充電、最小充電、及びある程度限界であるが、制限された充電状態を表示することができる。この電池424a~e劣化モニタは、使い捨て電池アセンブリ410(
図17)又は再利用可能な電池アセンブリ420のいずれかに有用である。使い捨て電池アセンブリ410の場合は、準備完了/損傷インジケータである。再利用可能な電池アセンブリ420の場合、準備完了/準備未完了に加えて、寿命残量、再充電容量、更には故障前の年数を示すことができる。
【0089】
図19は、本開示の一態様による、マルチリード電池端子に連結された複数の回路基板に連結された電池セルを露出するようにハウジングシェルの両半分が取り除かれた、取り外し可能な電池アセンブリ430の立面斜視図である。更に、3つを超える、又は3つ未満の回路基板が、拡大又は制限された機能性を提供することが可能である。
図19に示すように、複数の回路基板432、434、436は、積層アーキテクチャに位置決めされてよく、これが多くの利点を提供する。例えば、より小さいレイアウトサイズに起因して、回路基板は、取り外し可能な電池アセンブリ430内の設置面積が小さくなり、それによってより小型の電池を可能にする。加えて、この構成では、電源基板に由来するあらゆる雑音がデジタル基板に害を及ぼすことを防止するために、電力基板をデジタル基板から容易に隔離することが可能である。また、積層構成は、基板間の特徴部を直接接続することを可能にし、それによって配線の存在を低減する。更に、回路基板は、リジッド・フレックス・リジッド回路の一部として構成され、リジッド部品がより小さい体積測定領域に「ファン(fanned)」されることを可能にし得る。
【0090】
本開示の態様によれば、回路基板432、434、436は、特定の機能を提供する。例えば、1つの回路基板を432は、電池保護回路を実行するための構成要素を提供することができる。同様に、別の回路基板434は、電池コントローラを実行するための構成要素を提供することができる。別の回路基板436は、例えば、高電力バックコントローラ構成要素を提供することができる。最後に、電池保護回路は、電池セル438a~nを連結するための接続経路を提供することができる。回路基板を積層構成で配置し、基板をそれぞれの機能により分離することによって、基板を、個々の雑音及び発熱を最良に扱う特定の順序で戦略的に配置することができる。例えば、高電力バックコントローラ構成要素を有する回路基板が最も発熱するため、それを他の基板から隔離し、積層体の中心に配置することができる。このようにして、医師又は装置のオペレータが熱を感じないようにする努力において、装置の外表面から熱から遠ざけることが可能である。加えて、電池基板接地は、接地ループによってもたらされる雑音を低減するために中心がバックコントローラ基板に位置する、スタートポロジーで構成されてもよい。
【0091】
戦略的に積層された回路基板、回路基板からマルチリード電池端子アセンブリへの低熱伝導経路及びフレックス回路3516は、装置の外表面に熱が到達しないように補助する特徴部である。電池セル及びバック構成要素は、セル及びバック構成要素によって生成された熱が、医師の手から離れた部分に入るように、ハンドルアセンブリ102(
図1及び
図2)内のフレックス回路に熱的に接続される。フレックス回路は、その露出基盤領域及び熱を再指向し、吸収し、かつ/又はより広い領域に放散する、銅の有利な伝導特性に起因して、比較的高い熱質量を提示し、それによって熱の集中を減速させ、装置の外表面上の高スポット温度を制限する。より大きな熱ウェル、シンク又は絶縁体、金属コネクタキャップ、及び装置のフレックス回路又はハンドルアセンブリ102におけるより重い銅含有量を含むが、これらに限定されない他の技術も同様に実装され得る。
【0092】
取り外し可能な電池アセンブリ430の別の利点は、Liイオン電池が使用されるときに認識される。前述のように、Liイオン電池は、複数セルの並列構成で充電すべきではない。これは、電圧が特定のセルにおいて上昇するため、他のより低い電圧のセルよりも速く追加充電を許容し始めるからである。したがって、そのセルに対する充電を個別に制御することができるように、セルを監視する。Liイオン電池がセル438a~nの群から形成されるとき、装置の外部から電池438a~nに延在する多数の導線(第1のセルを超える各電池セルに少なくとも1つの追加の導線)が必要とされる。取り外し可能な電池アセンブリ430を有することにより、電池セル438a~nは、一態様では、それ自体が露出した接点の組を有し、取り外し可能な電池アセンブリ430がハンドルアセンブリ102(
図1及び
図2)内に存在しないとき、接点のセットを、外部の非滅菌充電器における対応する接点のセットに連結することができる。別の態様では、電池セル438a~nは、電池保護回路に電気的に接続されて、電池保護回路がセル438a~nの再充電を制御及び調整することを可能にする。取り外し可能な電池アセンブリ430には、予想される寿命を過ぎた取り外し可能な電池アセンブリ430の使用を防止するための回路が設けられている。この用語は、セルを示すだけでなく、電池ケーシング又はシェル及び上方接点アセンブリを含む外表面も示す。そのような回路は、下で更に詳細に説明され、例えば、使用カウント、再充電カウント及び製造カウントからの絶対時間を含む。
【0093】
図19はまた、取り外し可能な電池アセンブリ430内の構成要素を、ハンドルアセンブリ102(
図1及び
図2)の電気的インターフェースに電気的に連結するインターフェースである、マルチリード電池端子アセンブリ433を示す。取り外し可能な電池アセンブリ430は、ハンドルアセンブリ102を通して、超音波変換器/発生器アセンブリ104(
図4)と電気的に(かつ機械的に)連結することができる。上述のように、取り外し可能な電池アセンブリ430は、マルチリード電池端子アセンブリ433を通して、外科用器具100(
図1及び
図2)に電力を供給すると共に、本明細書に記載の他の機能性を提供する。マルチリード電池端子アセンブリ433は、取り外し可能な電池アセンブリ430内の端子をハンドルアセンブリ102のドッキングベイによって提供される別の端子と別個に電気的に接続することができる複数の接触パッド435a~nを含む。そのような電気的接続の一例は、電力及び通信信号経路として複数の接触パッド435a~nに連結される。マルチリード電池端子アセンブリ433の態様では、16個の異なる接触パッド435a~nが示される。この数は、単に例示的である。態様では、電池端子アセンブリ433の内側は、気密封止をもたらすようにポッティング材料で充填され得る成形端子ホルダ上に形成されたウェルを有する。接触パッド435a~nは、リッド内にオーバーモールドされ、ポッティングウェルを通して電池430の内部に延在する。ここでフレックス回路を使用して、ピンの配列を再配置し、回路基板への電気的接続を提供することができる。一実施例では、4×4アレイが2×8アレイに変換される。マルチリード電池端子アセンブリ433の一実施例では、マルチリード電池端子アセンブリ2804の複数の接触パッド435a~nは、対応する複数の内部接触ピン437a~nを含む。接触ピン437aは、接触パッド435aのうちの対応するものへの直接電気的連結を提供する。
【0094】
図20は、本発明の一態様による、電池テスト回路440を示す。電池テスト回路440は、
図18に記載される電池テストスイッチ426を含む。電池テストスイッチ426は、変換器又はシャフトアセンブリエレクトロニクスをシミュレートするLCR疑似負荷に係合するスイッチである。
図18に記載のように、追加のインジケータ回路が電池テスト回路440に連結されて、再利用可能な電池アセンブリ420内の電池の容量の適切な表示を提供することができる。図示した電池テスト回路440は、それぞれ
図16~
図19に関して記載される電池アセンブリ400、410、420、430のうちのいずれかに用いられてもよい。
【0095】
図21は、本開示の一態様による、最小出力電圧を維持するための補助電源回路450を示す。補助電源回路450は、
図16~
図19に関して記載される電池アセンブリ400、410、420、430のうちのいずれかに含まれてもよい。補助電源回路450は、出力電圧V
Oが高負荷条件下で瞬低するのを防ぐ。補助電源回路450は、電池アセンブリ400、410、420、430の、外科用器具100(
図1及び
図2)のハンドルアセンブリ102への挿入時にスイッチ453が閉じると起動される、4つの一次電池452a~b、452c~dのセット(最大n個の電池が使用されてもよい)を含む。一次電池452a~dは、CR123A Liイオン電池などのLiイオン電池であり得る。負荷下で、一次電池452a~dは、出力電圧V
Oを提供し、一方で二次再充電可能電池454は、充電器455によって充電される。一態様では、NiMH電池内の二次再充電可能電池454及び充電器455は、好適なNiMH充電器である。出力電圧V
Oが高負荷条件に起因して瞬低又はドループするとき、電圧V
Xはスイッチモード電源456を動作させて、追加の電流を負荷に供給することによって出力電圧V
Oを回復する。ダイオード458は、スイッチモード電源456の出力に電流が流入するのを防ぐように設けられている。したがって、スイッチモード電源456の出力電圧V
bは、補助電流が負荷に流入し得る前に、ダイオード458(約0.7V)にわたる電圧降下を超えなければならない。任意に、電池テストスイッチ459及びテストレジスタR
Testを設けて、負荷条件下で補助電源回路450をテストすることができる。特に、
図21を考慮して、電池アセンブリ400、410、420、430は、スイッチ457b及びレジスタ457cを含むテスト回路457aを備えてもよく、それによりスイッチ457bが閉じたとき(例えば、テストボタン426を介して)、レジスタ457cは、一次電池452a~dが出力電圧V
Oを送達可能であるか否かをテストする。そうでなければ、レジスタ457は、二次電池454が、スイッチモード電源456の動作を介して、V
bを送達することができ、それによりダイオード458を通過する補助電流は、出力電圧V
Oを回復する。
【0096】
図22は、本開示の一態様による、外科用器具100にエネルギーを供給するためのスイッチモード電源回路460を示す。スイッチモード電源回路460は、それぞれ
図16、
図17及び
図19に関して記載される電池アセンブリ400、410、430のうちのいずれか1つに配設されてもよい。図示した例では、スイッチモード電源回路460は、一次Liセル電池429a~dを備え、正(+)出力電圧が、スイッチングレギュレータ464の入力端子V
INに連結される。任意の好適な数の一次セルを用いてもよいことが理解されるであろう。スイッチモード電源回路460は、遠隔オン/オフスイッチを含む。スイッチングレギュレータ464の入力V
INはまた、キャパシタC
iにより表わされる入力フィルタを含む。スイッチングレギュレータ464の出力V
outは、インダクタL及びキャパシタC
Oにより表わされる出力フィルタに連結される。キャッチダイオードDは、V
outと地面との間に配設される。フィードバック信号は、出力フィルタC
Oからスイッチングレギュレータ464のFB入力に提供される。負荷レジスタR
Lは、負荷を表す。一態様では、最小負荷、は約200mAである。一態様では、出力電圧V
OUTは、800mAで3.3VDCである。
【0097】
図23は、本開示の一態様による、外科用器具100にエネルギーを供給するための
図22に示すスイッチングレギュレータ464の別個のバージョンを示す。スイッチングレギュレータ464は、V
IN端子における電池アセンブリ400、410、420、430から入力電圧を受信する。オン/オフ入力での信号は、スイッチ471の状態を制御することによって、スイッチングレギュレータ464の動作を有効又は無効にする。フィードバック信号は、分圧器回路463によって分割されたFB入力時の負荷から受信される。分圧器463からの電圧は、固定利得増幅器465の正入力に印加される。固定利得増幅器465の負入力は、バンドギャップ基準ダイオード469(例えば、1.23V)に連結される。固定利得増幅器465の増幅出力は、コンパレータ466の正入力に印加される。コンパレータ466の負入力は、50kHz発振器467の入力を受信する。コンパレータ466の出力は、駆動するドライバ468及び出力トランジスタ461に印加される。出力トランジスタ461は、V
OUT端子を介して、電圧及び電流を負荷に供給する。
【0098】
図24は、本開示の一態様による、外科用器具100にエネルギーを供給するための線形電源回路470を示す。線形電源回路470は、それぞれ
図16、
図17、
図18及び
図19に関して記載される電池アセンブリ400、410、420、430のうちのいずれか1つに配設されてもよい。図示した例では、線形電源回路470は、一次Liセル電池462a~dを備え、正(+)出力電圧が、トランジスタ472のV
IN端子に連結される。トランジスタ472の出力は、線形電源回路470のV
OUT端子を介して、負荷に電流及び電圧を供給する。入力フィルタC
iは、入力側に設けられ、出力フィルタC
Oは、出力側に設けられる。ツェナーダイオードD
Zは、トランジスタ472の基部に調整電圧を印加する。バイアス抵抗は、ツェナーダイオードD
Z及びトランジスタ472をバイアスする。
【0099】
図25は、本開示の一態様による、マルチリードハンドル端子アセンブリに通信可能に連結された装置識別子を露出するように、左シェル半分がハンドルアセンブリ482から取り除かれた、モジュール手持ち型超音波外科用器具480の立面分解図である。本開示の追加の態様では、インテリジェント又はスマート電池を使用して、モジュール手持ち型超音波外科用器具480に通電する。しかしながら、スマート電池は、モジュール手持ち型超音波外科用器具480に限定されず、説明されるように、互いに異なる電力要件(例えば、電流及び電圧)を有していてもいなくてもよい、種々の装置で使用することができる。スマート電池アセンブリ486は、本開示の一態様により、電気的に連結される特定の装置を有利に識別することができる。暗号化又は非暗号化された識別方法によってこれを行う。例えば、スマート電池アセンブリ486は、接続部分488などの接続部分を有し得る。ハンドルアセンブリ482はまた、マルチリードハンドル端子アセンブリ491に通信可能に連結され、ハンドルアセンブリ482に関する少なくとも1つの情報を通信するように動作可能な装置識別子が設けられ得る。この情報は、ハンドルアセンブリ482が使用された回数、超音波変換器/発生器アセンブリ484(現在、ハンドルアセンブリ482から切断されている)が使用された回数、導波管シャフトアセンブリ490(現在、ハンドルアセンブリ482に接続されている)が使用された回数、現在ハンドルアセンブリ482に接続されている導波管シャフトアセンブリ490の種類、現在ハンドルアセンブリ482に接続されている超音波変換器/発生器アセンブリ484の種類若しくは識別、及び/又は多くの他の特性に関し得る。スマート電池アセンブリ486が、ハンドルアセンブリ482に挿入されると、スマート電池アセンブリ486内の接続部分488は、ハンドルアセンブリ482の装置識別子と通信接触する。ハンドルアセンブリ482は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせを通して、スマート電池アセンブリ486に情報を送信することができる(自己起動によるか、又はスマート電池アセンブリ486からの要求に応答して)。この通信された識別子は、スマート電池アセンブリ486の接続部分488によって受信される。一態様では、一旦スマート電池アセンブリ486が情報を受信すると、通信部分は、スマート電池アセンブリ486の出力を制御して、装置の特定の電力要件に応じるように動作可能である。
【0100】
一態様では、通信部分は、別個又は単一の構成要素であり得る、プロセッサ493及びメモリ497を含む。プロセッサ493は、メモリと組み合わせて、モジュール手持ち型超音波外科用器具480のためのインテリジェントな電力管理を提供することができる。この態様は、モジュール手持ち型超音波外科用器具480などの超音波装置が、モジュール手持ち型超音波外科用器具480に固有であり得る電力要件(周波数、電流及び電圧)を有するため、特に有利である。実際に、モジュール手持ち型超音波外科用器具480は、外管494の1つの寸法又は種類に対する特定の電力要件又は制限、並びに異なる寸法、形状及び/又は構成を有する第2の種類の導波管に対する第2の異なる電力要件を有し得る。
【0101】
したがって、本開示の一態様による、スマート電池アセンブリ486は、電池アセンブリがいくつかの外科用器具の間で使用されることを可能にする。スマート電池アセンブリ486は、それが取設された装置を識別することができ、またそれに従ってその出力を変更することができるため、スマート電池アセンブリ486を利用する様々な異なる外科用器具のオペレータは、使用されるエレクトロニクス装置内に設置しようとしている電源について懸念する必要がなくなる。これは、複雑な外科手技の途中で、電池アセンブリが、別の外科用器具と置換又は交換される必要がある動作環境において特に有利である。
【0102】
本開示の更なる態様では、スマート電池アセンブリ486は、特定の装置が使用される毎に記録をメモリ497に記憶する。この記録は、装置の有用な又は許容される寿命の終了を評価するために有用である。例えば、装置が20回使用されると、その装置は、「もはや信頼できない」外科用器具として定義されるため、装置に接続されるスマート電池アセンブリ486内のそのような電池は、それに電力を供給することを拒否する。信頼性は、多くの因子に基づいて決定される。1つの因子は摩耗であり得、これは装置が使用された又は起動された回数を含む、多くの方法で推定され得る。ある特定の使用回数後に、装置の部品は摩耗し、部品間の許容範囲を超え得る。例えば、スマート電池アセンブリ486は、ハンドルアセンブリ482によって受信されるボタンを押した回数を感知することができ、ボタンを押した回数がいつ最大になったか、又はそれを超えたかを決定することができる。スマート電池アセンブリ486はまた、例えば、ハンドルが例えば塩水で汚染された場合に変化し得る、ボタン機構のインピーダンスを監視することができる。
【0103】
この摩耗は、手技中に許容できない故障につながり得る。いくつかの態様では、スマート電池アセンブリ486は、どの部品が装置内で一緒に組み合わされたか、更には部品が経験した使用回数を認識することができる。例えば、スマート電池アセンブリ486が、本開示によるスマート電池である場合、ユーザが複合装置の使用を試みる前に、ハンドルアセンブリ482、導波管シャフトアセンブリ490、並びに超音波変換器/発生器アセンブリ484を識別することができる。スマート電池アセンブリ486内のメモリ497は、例えば、超音波変換器/発生器アセンブリ484が動作している時間及びいつ、どのように、どれだけの期間にわたって動作しているかを記録することができる。超音波変換器/発生器アセンブリ484が個々の識別子を有する場合、スマート電池アセンブリ486は、超音波変換器/発生器アセンブリ484の使用を追跡し、一旦ハンドルアセンブリ482又は超音波変換器/発生器アセンブリ484がその最大使用回数を超えると、その超音波変換器/発生器アセンブリ484への電力供給を拒否することができる。超音波変換器/発生器アセンブリ484、ハンドルアセンブリ482、導波管シャフトアセンブリ490又は他の構成要素は、この情報も同様に記録するメモリチップを含むことができる。このようにして、スマート電池アセンブリ486内の任意の数のスマート電池は、任意の数の超音波変換器/発生器アセンブリ484、ステープラ、導管シーラなどと共に使用することができ、依然として超音波変換器/発生器アセンブリ484、ステープラ、導管シーラなどの合計使用回数、又は合計使用時間(クロックの使用を通して)、又は合計作動回数など、又は充電若しくは放電サイクルを決定することができる。スマート機能性は、電池アセンブリ486の外部に存在してもよく、例えば、ハンドルアセンブリ482、超音波変換器/発生器アセンブリ484及び/又はシャフトアセンブリ490内に存在してもよい。
【0104】
超音波変換器/発生器アセンブリ484の使用をカウントして、超音波変換器/発生器アセンブリ484の寿命をインテリジェントに終了すると、外科用器具は、外科手技における超音波変換器/発生器アセンブリ484の実際の使用の完了と、例えば電池交換又は外科手技における一時的遅延に起因する超音波変換器/発生器アセンブリ484の作動の瞬間的喪失とを正確に区別する。したがって、超音波変換器/発生器アセンブリ484の起動回数を簡単にカウントするための代替として、リアルタイムクロック(RTC)回路を実装して、超音波変換器/発生器アセンブリ484が実際にシャットダウンされた時間の量を追跡することができる。測定された時間の長さから、シャットダウンが、実際の1回の使用の終了とみなすのに十分に重大であったか、又はシャットダウンが、短すぎて1回の使用の終了とみなすことができなかったかを決定することができる。したがって、いくつかの用途では、この方法は、例えば、外科手技中に10回「起動」が発生すると、それによって10回の起動は、カウンタが1ずつ増分されることを示すはずであるとする、簡単な「起動ベースの」アルゴリズムよりも超音波変換器/発生器アセンブリ484の有用な寿命をより正確に決定することができる。一般に、この内部クロック同期の種類及びシステムは、簡単な「起動ベースの」アルゴリズムを欺くように設計された装置の誤用を防ぎ、また正当な理由で必要とされた超音波変換器/発生器アセンブリ484又はスマート電池アセンブリ486の簡単な切り離しのみが存在していた場合に完全な使用の不正なログを防ぐであろう。
【0105】
外科用器具480の超音波変換器/発生器アセンブリ484は再利用可能であるが、一態様では、外科用器具480が洗浄及び滅菌中に過酷な条件に曝されるため、有限の使用回数を設定することができる。より具体的には、電池パックは、滅菌されるように構成される。外表面に用いられる材料にかかわらず、使用される実際の材料について限られた予想寿命がある。この寿命は、例えば、ほんの数例を挙げれば、パックが実際に滅菌された時間の量、パックが製造されてからの時間、パックが再充電された回数を含み得る、様々な特性によって決定される。また、電池セル自体の寿命が限定される。本開示のソフトウェアは、超音波変換器/発生器アセンブリ484及びスマート電池アセンブリ486の使用回数を検証し、この使用回数に達したか、又は超えたときに装置を無効にする、本発明のアルゴリズムを組み込んでいる。考えられる滅菌方法の各々における電池パック外部の分析を行うことができる。最も過酷な滅菌手技に基づいて、最大数の許可された滅菌を定義することができ、その数をスマート電池アセンブリ486のメモリに記憶することができる。充電器が非無菌であり、スマート電池アセンブリ486が充電後に使用されると想定される場合、充電カウントは、特定のパックが遭遇する滅菌回数に等しいと定義され得る。
【0106】
一態様では、電池パック内のハードウェアは、パックがソフトウェアによって無効にされた後に、電池セルからの連続的なドレインに起因する安全性の懸念を最小化又は排除することができる。電池の内部ハードウェアが、ある特定の低電圧条件下で電池を無効にすることができない状況が存在し得る。そのような状況において、一態様では、充電器を使用して電池を「止める」ことができる。電池がその充電器に入っている間、電池マイクロコントローラはオフであるという事実に起因して、不揮発性のシステム管理バス(SMB)ベースの電気的に消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)を使用して、電池マイクロコントローラと充電器との間で情報を交換することができる。したがって、一連のEEPROMを使用して、電池マイクロコントローラがオフであるときでも書き込み及び読み出し可能な情報を記憶することができ、これは充電器又は他の周辺装置と情報を交換しようするときに非常に有益である。この例のEEPROMは、ほんの数例を挙げれば、少なくとも(a)電池が無効にされるべき時点の使用カウント限界(電池使用カウント)、(b)電池が経験する手技の数(電池使用カウント)及び/又は(c)電池が経験する充電の回数(充電カウント)を記憶するのに十分なメモリレジスタを含むように構成され得る。使用カウントレジスタ及び充電カウントレジスタなどのEEPROMに記憶される情報のうちのいくつかは、EEPROMの書き込み禁止部分に記憶され、ユーザが情報を変更するのを防ぐ。一態様では、使用及びカウンタは、データ破壊を検出するために対応するビット反転小レジスタと共に記憶される。
【0107】
SMBusライン中の任意の残留電圧は、マイクロコントローラを損傷し、SMBus信号を破壊することがある。したがって、マイクロコントローラがオフの間に、電池コントローラ703のSMBusラインが電圧を搬送しないことを保証するために、外部SMBusラインと電池マイクロコントローラ基板との間にリレーが設けられている。
【0108】
スマート電池アセンブリ486の充電中、例えば、定電流/定電圧充電スキームを用いるとき、電池への電流の流入が、漸減様式で所与の閾値を下回ると、スマート電池アセンブリ486内の電池の「充電終了」状態が決定される。この「充電終了」状態を正確に検出するために、電池マイクロコントローラ及びバック基板は、電池の充電中に電源が切られてオフになり、基板によって引き起こされ得、かつ漸減電流検出を干渉し得る任意の電流ドレインを低減する。更に、マイクロコントローラ及びバック基板は、充電中にパワーダウンされ、結果として生じる任意のSMBus信号の破壊を防ぐ。
【0109】
充電器に関して、一態様では、スマート電池のアセンブリ486が、正しい挿入位置以外の任意の方法で充電器に挿入されることを防ぐ。したがって、スマート電池アセンブリ486の外部には、充電器を保持する特徴部が設けられている。スマート電池アセンブリ486を充電器内に確実に保持するためのカップは、スマート電池アセンブリ486が正しい(意図された)方法以外の任意の方法で偶発的に挿入されることを防ぐために、輪郭に一致する先細形状で構成される。スマート電池のアセンブリ486の存在が、充電器自体によって検出可能であり得ることが更に企図される。例えば、充電器は、電池保護回路からのSMBus伝送の存在、並びに保護基板内に位置するレジスタを検出するように構成されてもよい。そのような場合、充電器は、スマート電池アセンブリ486が正しく着座するまで、又は充電器の定位置になるまで、充電器のピンにおいて露出される電圧を制御することが可能になる。これは、充電器のピンにおける露出電圧が、ピンにわたって電気的短絡が起こり、充電器が不用意に充電を開始するというハザード及び危険性を提示するためである。
【0110】
いくつかの態様では、スマート電池アセンブリ486は、音響及び/又は視覚フィードバックを通してユーザに通信することができる。例えば、スマート電池アセンブリ486は、LEDを事前に設定された方法で点灯させることができる。そのような場合、超音波変換器/発生器アセンブリ484内のマイクロコントローラがLEDを制御するが、マイクロコントローラは、スマート電池アセンブリ486から直接実行される命令を受信する。
【0111】
本開示のなおも更なる態様では、超音波変換器/発生器アセンブリ484内のマイクロコントローラは、所定の期間にわたって使用されないとき、スリープモードに移行する。有利に、スリープモードのとき、マイクロコントローラのクロックスピードが低減され、電流ドレインを大幅に削減する。プロセッサは、ピンギングを継続して入力を感知するために待機するため、いくらかの電流が消費され続ける。有利に、マイクロコントローラがこの省電力スリープモードにあるとき、マイクロコントローラ及び電池コントローラは、LEDを直接制御することができる。例えば、デコーダ回路は、超音波変換器/発生器アセンブリ484に内蔵され、通信ラインに接続され得、それにより超音波変換器/発生器アセンブリ484マイクロコントローラが「オフ」であるか、又は「スリープモード」にある間、LEDは、プロセッサ493によって独立して制御され得る。これは、超音波変換器/発生器アセンブリ484内のマイクロコントローラをウェイクアップさせる必要を排除する、省電力特徴部である。電力は、発生器をオフにする一方で、依然としてユーザインターフェースインジケータを能動的に制御可能にすることによって保存される。
【0112】
別の態様は、使用中でないとき、マイクロコントローラのうちの1つ又は2つ以上を減速して、電力を保存する。例えば、両方のマイクロコントローラのクロック周波数を低減して、節電することができる。同期運転を維持するために、マイクロコントローラは、ほぼ同時に発生するそれぞれのクロック周波数の変更、及び全速動作が必要とされるときの低減、次いでその後の周波数の増加の両方を調整する。例えば、アイドルモードに入ると、クロック周波数は減少し、アイドルモードを出ると、周波数は増加する。
【0113】
追加の態様では、スマート電池アセンブリ486は、そのセル内に残存する使用可能な電力量を決定することができ、予想される手技全体で装置を予測可能に動作させるのに十分な電力が残っていると判断した場合にのみ、取設された外科用器具を動作させるようにプログラムされている。例えば、スマート電池アセンブリ486は、外科用器具を20秒間動作させるのに十分な電力がセル内にない場合、非動作状態のままである。一態様により、スマート電池アセンブリ486は、その最も最近の先行機能、例えば外科的切断の終了時にセル内に残存する電力量を決定する。この態様では、したがって、スマート電池アセンブリ486は、例えば、その手技の間、セルが電力不足であると判断した場合に、その後の機能を実行しないようにする。代替として、スマート電池アセンブリ486が、手技の間、その後の手技のために十分な電力があり、その閾値を下回ると判断した場合には、進行中の手技を中断せず、代わりにそれを終了させ、その後に追加の手技が発生するのを防ぐ。
【0114】
下記は、本開示のスマート電池アセンブリ486を備える装置の使用を最大化する利点を説明する。この例では、異なる装置のセットは、異なる超音波伝送導波管を有する。定義により、導波管は、それぞれの最大許容電力限界を有し得、その電力限界を超えると、導波管に過剰なストレスをかけ、最終的にそれを破断させる。導波管のセットからの1つの導波管は、本来、最小の最大電力許容範囲を有する。従来技術の電池は、インテリジェントな電池電力管理を欠いているため、従来技術の電池の出力は、装置/電池と共に使用されるように想定されているセットの最小/最も薄い/最も壊れやすい導波管に対する、最大許容電力入力の最小値によって制限されなければならない。より大きく厚い導波管がそのハンドルに後で取設され、定義上、より大きな力が加えられることを可能にするにもかかわらず、これは真である。この制限はまた、最大電池電力についても真である。例えば、1つの電池が複数の装置で使用されるように設計される場合、その最大出力電力は、それが使用される装置のうちのいずれかの最低最大電力定格に制限される。そのような構成により、1つ又は2つ以上の装置又は装置構成は、電池が特定の装置の特定の制限を知らないため、電池の使用を最大化することができない。
【0115】
一態様では、スマート電池アセンブリ486を用いて、上述の超音波装置の制限をインテリジェントに回避することができる。スマート電池アセンブリ486は、1つの装置又は特定の装置構成に対して1つの出力を生成することができ、同じスマート電池アセンブリ486は、第2の装置又は装置構成に対して異なる出力を後に生成することができる。このユニバーサルスマート電池外科用システムは、空間及び時間が重要である現代の手術室にふさわしい。スマート電池パックに多くの異なる装置を動作させることによって、看護師は、これらのパックの記憶、検索及び在庫を容易に管理することができる。有利に、一態様では、本開示によるスマート電池は、1つのタイプの充電ステーションを用いることができ、したがって使用の容易性及び効率性を増加させ、手術室充電機器のコストを減少させる。
【0116】
加えて、電気ステープラなどの他の外科用器具は、モジュール手持ち型超音波外科用器具480のものとは異なる電力要件を有し得る。本開示の様々な態様によれば、スマート電池アセンブリ486は、一連の外科用器具のうちのいずれか1つと共に使用することができ、それが設置されている特定の装置にそれ自体の電力出力を適合させるように作製され得る。一態様では、この電力適合は、スマート電池アセンブリ486と一体であるか、又は他の方法で連結される、バックブースト、ブースト又は他の構成などのスイッチモード電源のデューティサイクルを制御することによって実施される。他の態様では、スマート電池アセンブリ486は、装置動作中にその電力出力を動的に変化させることができる。例えば、導管封止装置において、電力管理は、改善された組織封止を提供する。これらの装置では、大きな定電流値が必要となる。組織が封止されると、そのインピーダンスが変化するため、総電力出力を動的に調整する必要がある。本開示の態様は、スマート電池アセンブリ486に可変最大電流制限を提供する。電流制限は、用途又は装置の要件に基づいて、用途(又は装置)毎に異なり得る。
【0117】
図26は、本開示の一態様による、
図25に示す超音波外科用器具480のトリガ483部分及びスイッチの詳細図である。トリガ483は、エンドエフェクタ492のジョー部材495に動作可能に連結される。超音波ブレード496は、起動スイッチ485の起動時に、超音波変換器/発生器アセンブリ484によって通電される。ここで引き続き
図25、及び
図26も見ると、トリガ483及び起動スイッチ485は、ハンドルアセンブリ482の構成要素として示される。トリガ483は、導波管シャフトアセンブリ490の超音波ブレード496と協働関係を有するエンドエフェクタ492を起動して、エンドエフェクタジョー部材495及び超音波ブレード496と組織及び/又は他の物質との種々の接触を可能にする。エンドエフェクタ492のジョー部材495は、通常は、ジョーと超音波ブレード496との間に配設された組織の上に把持又はクランプするように作用する枢動ジョーである。一態様では、可聴フィードバックが、トリガが完全に押下されるとクリックするトリガ内に提供される。雑音は、トリガが閉じながらスナップする薄い金属部品よって生成され得る。この特徴部は、可聴構成要素を、導波管に対してジョーが完全に圧縮されること、及び導管封止を達成するために十分なクランピング圧が印加されていることをユーザに通知するユーザフィードバックに追加する。別の態様では、歪ゲージ又は圧力センサなどの力センサが、トリガ483に連結されて、ユーザによってトリガ483に加えられた力を測定することができる。別の態様では、歪ゲージ又は圧力センサなどの力センサが、スイッチ485ボタンに連結されてもよく、それにより変位強度が、ユーザによってスイッチ485ボタンに加えられた力に対応する。
【0118】
起動スイッチ485は、押下されると、モジュール手持ち型超音波外科用器具480を超音波動作モードにして、導波管シャフトアセンブリ490に超音波運動を生じさせる。一態様では、起動スイッチ485の押下により、スイッチ内の電気接点が閉じ、それによってスマート電池アセンブリ486と超音波変換器/発生器アセンブリ484との間の回路が完了し、前述のように、超音波変換器に電力が印加される。別の態様では、活性化スイッチ485の押下は、スマート電池アセンブリ486への電気接点を閉じる。当然のことながら、回路内の電気接点を閉じることに関する説明は、ここでは、スイッチ動作に関する単なる例示の一般的な説明である。スイッチから情報を受信し、その情報に基づいて対応する回路反応を指向する開放接点又はプロセッサ制御された電力送達を含むことができる代替的な態様が多く存在する。
【0119】
図27は、本開示の一態様による、開放位置にあるジョー部材495を有する遠位端からの、エンドエフェクタ492の断片的に拡大された斜視図である。
図27を参照して、導波管シャフトアセンブリ490の遠位端498の斜視部分図を示す。導波管シャフトアセンブリ490は、導波管の部分を囲む外管494を含む。導波管499の超音波ブレード496部分は、外管494の遠位端498から突出している。それは、医療手技中に組織に接触し、その超音波エネルギーを組織に伝達する超音波ブレード496部分である。導波管シャフトアセンブリ490はまた、外管494及び内管(この図では見えない)に連結されたジョー部材495を含む。ジョー部材495は、導波管499の内管及び外管、並びに超音波ブレード496部分と共に、エンドエフェクタ492と称され得る。下で説明されるように、外管494及び図示されていない内管が、互いに対して長手方向にスライドする。外管494と図示されていない内管との相対移動が生じると、ジョー部材495は、枢動点上で旋回し、それによりジョー部材495を開閉させる。閉じたとき、ジョー部材495は、ジョー部材495と超音波ブレード496との間に位置する組織に挟持力を与え、正の効率的なブレードと組織との接触を保証する。
【0120】
図28は、本開示の一態様による、外科用器具100のモジュールシャフトアセンブリ110及びエンドエフェクタ112部分を示す。シャフトアセンブリ110は、外管144、内管147及び超音波伝送導波管145を備える。シャフトアセンブリ110は、ハンドル102に取り外し可能に取り付けられている。内管147は、外管144内に摺動自在に受容されている。超音波伝送導波管145は、内管147内に位置決めされている。エンドエフェクタ112のジョー部材114は、枢動点151において外管144に枢動的に連結されている。ジョー部材114はまた、ピン153によって内管147に連結され、それにより内管147がスロット155内を摺動し、ジョー部材が開閉する。図示した構成において、内管147はその遠位位置にあり、ジョー部材114は開いている。ジョー部材114を閉じるために、内管147を近位方向157に後退させ、ジョー部材を開くために、遠位方向159に前進させる。シャフトアセンブリ110の近位端部は、ジョー部材管(例えば、内管)/ばねアセンブリ141を含む。ばね139は、異なるシャフトアセンブリと共に使用するための一定力制御機構、一定力閉鎖を制御するためのモータ閉鎖、閉鎖システムを駆動するための2つのバー機構、閉鎖システムを押し引きするためのカムローブ、一定力を制御するための閉鎖又は波ばね設計を駆動するための駆動ねじ設計を適用するために設けられている。
【0121】
図29は、内管/ばねアセンブリ141の詳細図である。閉鎖機構149は、トリガ108(
図1~
図3)に動作可能に連結されている。したがって、トリガ108が握られると、内管143が近位方向157に後退してジョー部材114を閉じる。したがって、トリガ108が解放されると、内管143が遠位方向159に前進してジョー部材114を開く。
【0122】
複合超音波/電気外科用器具のより詳細な説明については、米国特許第9,107,690号が参照され、参照により本明細書に組み込まれる。
【0123】
図30は、本開示の一態様による、モジュール電池式手持ち型複合超音波/電気外科用器具500を示す。
図31は、本開示の一態様による、
図30に示す外科用器具500の分解図である。ここで
図30及び
図31を参照して、外科用器具500は、ハンドルアセンブリ502、超音波変換器/RF発生器アセンブリ504、電池アセンブリ506、シャフトアセンブリ510及びエンドエフェクタ512を備える。超音波変換器/RF発生器アセンブリ504、電池アセンブリ506及びシャフトアセンブリ510は、ハンドルアセンブリ502に取り外し可能に接続可能なモジュール構成要素である。ハンドルアセンブリ502はまた、モータアセンブリ560を備えている。外科用器具500は、超音波振動及び電気外科用高周波電流の両方を用いて生体組織上で外科的凝固/切断処置を行い、高周波電流を用いて生体組織上で外科的凝固処置を行うように構成されている。超音波振動及び高周波(例えば、RF)電流は、アルゴリズム又はユーザ入力制御に応じて独立に又は組み合わせて適用することができる。
【0124】
超音波変換器/RF発生器アセンブリ504は、ハウジング548、LCDディスプレイなどのディスプレイ576、例えば、超音波変換器530、電気回路177(
図4、
図10及び/又は
図14の電気回路300)及びRF電極を駆動し、RF発生器回路の部分を形成するように構成された電気回路702(
図34)を備える。シャフトアセンブリ510は、外管544、超音波伝送導波管545及び内管(図示せず)を備える。エンドエフェクタ512は、ジョー部材514及び超音波ブレード516を備える。ジョー部材514は、RF発生器回路に連結された電極515を備える。超音波ブレード516は、超音波伝送導波管545の遠位端である。ジョー部材514は、ジョー部材514と超音波ブレード516との間の組織を把持するように枢動的に回転可能である。ジョー部材514は、トリガ508に動作可能に連結されている。トリガ508は、トリガ508を握ったときにジョー部材514を閉じるように、またトリガ508を解放して組織を解放したときにジョー部材514を開くように機能する。1段トリガ構成では、トリガ508を握ってジョー部材514を閉じ、一旦ジョー部材514が閉じると、スイッチ部の第1のスイッチ521aを起動して、RF発生器に通電して組織を封止する。組織を封止した後、スイッチ部520の第2のスイッチ521bを起動して、超音波発生器に通電して組織を切断する。様々な態様では、トリガ508は、2段又は多段トリガであってよい。2段トリガ構成では、第1段の間、ジョー部材514を閉じる途中でトリガ508を握り、第2段の間、RF発生器回路に通電して組織を封止する途中でトリガ508を握る。組織を封止した後、スイッチ521a、521bのうちの1つを起動して、超音波発生器に通電して組織を切断することができる。組織を切断した後、トリガ508を解放することによってジョー部材514を開き、組織を解放する。別の態様では、歪ゲージ又は圧力センサなどの力センサが、トリガ508に連結されて、ユーザによってトリガ508に加えられた力を測定することができる。別の態様では、歪ゲージ又は圧力センサなどの力センサが、スイッチ520ボタンに連結されてもよく、それにより変位強度が、ユーザによってスイッチ520ボタンに加えられた力に対応する。
【0125】
電池アセンブリ506は、電気コネクタ532によってハンドルアセンブリ502に電気的に接続される。ハンドルアセンブリ502には、スイッチ部520が設けられている。第1のスイッチ520a及び第2のスイッチ520bは、スイッチ部520内に設けられている。RF発生器は、第1のスイッチ520aを作動させることによって起動され、超音波ブレード516は、第2のスイッチ520bを作動させることによって起動される。したがって、第1のスイッチ520aは、RF回路に通電して、組織を通して高周波電流を駆動して封止を形成し、第2のスイッチ520bは、超音波変換器530に通電して、超音波ブレード516を振動させ、組織を切断する。
【0126】
回転ノブ518は、シャフトアセンブリ510に動作可能に連結されている。矢印526によって示される方向に±360°の回転ノブ518の回転は、外管544を矢印528のそれぞれの方向に±360°回転させる。一態様では、別の回転ノブ522は、ジョー部材514を回転させるように構成され得るが、超音波ブレード516は、静止したままであり、回転ノブ518が、外管144を±360°回転させる。外管144は、例えば、5mm~10mmの範囲の直径D1を有し得る。
【0127】
図32は、本開示の一態様による、モジュール電池式手持ち型組み合わせ超音波/RF外科用器具600の部分斜視図である。外科用器具600は、超音波振動及び高周波電流の両方を用いて生体組織上で外科的凝固/切断処置を行い、高周波電流を用いて生体組織上で外科的凝固処置を行うように構成されている。超音波振動及び高周波(例えば、RF)電流は、アルゴリズム又はユーザ入力制御に応じて独立に又は組み合わせて適用することができる。外科用器具600は、ハンドルアセンブリ602、超音波変換器/RF発生器アセンブリ604、電池アセンブリ606、シャフトアセンブリ(図示せず)及びエンドエフェクタ(図示せず)を備える。超音波変換器/RF発生器アセンブリ604、電池アセンブリ606及びシャフトアセンブリは、ハンドルアセンブリ602に取り外し可能に接続可能なモジュール構成要素である。トリガ608は、ハンドルアセンブリ602に動作可能に連結されている。前述のように、トリガは、エンドエフェクタを動作させる。
【0128】
超音波変換器/RF発生器アセンブリ604は、ハウジング648、例えばLCDディスプレイなどのディスプレイ676を備える。ディスプレイ676は、他のパラメータの中でも特に、組織の厚さ、封止の状態、切断の状態、組織の厚さ、組織インピーダンス、実行中のアルゴリズム、電池容量、印加されるエネルギー(超音波振動又はRF電流のいずれか)などの外科手技パラメータの視覚ディスプレイを提供する。超音波変換器/RF発生器アセンブリ604はまた、外科手技において現在適用されているエネルギーモダリティを示すための2つの視覚フィードバックインジケータ678、679を備える。例えば、1つのインジケータ678は、RFエネルギーが使用されているときを示し、別のインジケータ679は、超音波エネルギーが使用されているときを示す。エネルギーモダリティRF及び超音波の両方が適用されているときには、両方のインジケータがこの状態を示すことが理解されるであろう。外科用器具600はまた、超音波変換器、超音波発生器回路及び/又は電気回路、シャフトアセンブリ、並びにジョー部材及び超音波ブレードを含むエンドエフェクタを備え、モジュール構成要素は、
図30及び
図31に関して記載されるものと同様であり、この記載は、開示の簡潔性及び明確性のためにここでは繰り返されない。
【0129】
電池アセンブリ606は、電気コネクタによってハンドルアセンブリ602に電気的に接続される。ハンドルアセンブリ602には、スイッチ部620が設けられている。第1のスイッチ620a及び第2のスイッチ620bは、スイッチ部620内に設けられている。超音波ブレードは、第1のスイッチ620aを作動させることによって起動され、RF発生器は、第2のスイッチ620bを作動させることによって起動される。別の態様では、歪ゲージ又は圧力センサなどの力センサは、トリガ608に連結され、ユーザによってトリガ608に加えられる力を測定することができる。別の態様では、歪ゲージ又は圧力センサなどの力センサが、スイッチ620ボタンに連結されてもよく、それにより変位強度が、ユーザによってスイッチ620ボタンに加えられた力に対応する。
【0130】
回転ノブ618は、シャフトアセンブリに動作可能に連結される。回転ノブ618の±360°の回転は、
図30及び
図31に関して本明細書に記載されるように、外管をそれぞれの方向に±360°回転させる。一態様では、別の回転ノブは、ジョー部材を回転させるように構成され得るが、超音波ブレードは、静止したままであり、回転ノブ618が、外管を±360°回転させる。ボタン673は、シャフトアセンブリをハンドルアセンブリ602に連結し、かつ保持するために使用される。別のスライドスイッチ675を使用して、超音波変換器/RF発生器アセンブリ604をロックイン及び解放する。
【0131】
一態様では、外科用器具500、600は、電池式高度エネルギー(超音波振動+高周波電流)を含み、駆動増幅が複数段に分割されている。異なる増幅の段は、ハンドルアセンブリ502、602、超音波変換器/RF発生器アセンブリ504、604、電池アセンブリ506、606、シャフトアセンブリ510及び/又はエンドエフェクタ112などの外科用器具500、600の異なるモジュール構成要素内に存在し得る。一態様では、超音波変換器/RF発生器アセンブリ504、604は、ハウジング548、648内の超音波変換器及び/又はRF電子回路内の増幅段と、特定のエネルギーモードに関連付けられたエネルギーモダリティに基づく異なる増幅率とを含むことができる。最終段は、前述のように、I
2Cなどのバス構造を通してハンドルアセンブリ502、602及び/又は電池アセンブリ506、606内に位置する外科用器具100の電子システムからの信号を介して制御され得る。最終段スイッチシステムは、変圧器及びブロッキングキャパシタに電力を印加して、RF波形を形成するために用いられてもよい。電圧及び電流などのRF出力の測定値は、バスを介して電子システムにフィードバックされる。ハンドルアセンブリ502、602及び/又は電池アセンブリ506、606は、任意の電気分離構成要素、モータ制御及び波形発生器を含む一次増幅器回路の大部分を含むことができる。2つの異なる超音波変換器(例えば、
図8及び
図9に示す超音波変換器130、130’)及びRF変換器は、事前条件発生器信号を利用し、最終条件づけを実施して、所望の周波数範囲及び増幅のRF信号の異なる周波数変換器に動力を供給する。これが、変換器自体にのみ存在するエレクトロニクスの重量サイズ及びコストを最小化する。また、一次プロセッサ基板が、そのサイズに起因して、変換器がほとんど存在しない最も有用なスペースを有するハンドルの領域を占有することを可能にする。また、高摩耗高デューティサイクル素子は、システムが廃棄前に高い繰り返し使用のために設計されているため、より実用的かつ修理可能にする一次エレクトロニクスに接続的に取設されるだけで済むように、エレクトロニクスを分割することができる。
【0132】
図30~
図32に関して記載される外科用器具500、600は、高周波電流を使用して、生体組織上で外科的凝固/切断処置を行い、高周波電流を使用して生体組織上で外科的凝固処置を行うように構成されている。したがって、この追加の機能性を実行するための追加の構造的及び機能的構成要素を、
図33~
図44に関して以下に説明する。
【0133】
電池アセンブリ506、606の構造的かつ機能的態様は、
図1、
図2、及び
図16~
図24に関して記載される外科用器具100の電池アセンブリ106のものと同様であり、
図20~
図24に関して記載される電池回路を含む。したがって、開示の簡潔性及び明確性のために、そのような電池アセンブリ106の構造的かつ機能的態様は、参照により本明細書に組み込まれ、ここでは繰り返さない。同様に、特に明記しない限り、シャフトアセンブリ510の構造的かつ機能的態様は、
図1~
図3に関して記載される外科用器具100のシャフトアセンブリ110のものと同様である。したがって、開示の簡潔性及び明確性のために、そのようなシャフトアセンブリ110の構造的かつ機能的態様は、参照により本明細書に組み込まれ、ここでは繰り返さない。更に、超音波変換器530発生器回路の構造的かつ機能的態様は、
図1、
図2、及び
図4~
図15に関して記載される外科用器具100の超音波変換器130発生器回路のものと同様である。したがって、開示の簡潔性及び明確性のために、そのような超音波変換器130の構造的かつ機能的態様は、参照により本明細書に組み込まれ、ここでは繰り返さない。更に、外科用器具500、600は、
図12~
図15に関して記載される回路を含み、例えば、
図14に関して記載される制御回路210及び
図15に関して記載される電気回路300を含む。したがって、開示の簡潔性及び明確性のために、
図12~
図15に関して記載される回路の説明は、参照により本明細書に組み込まれ、ここでは繰り返さない。
【0134】
ここで
図33を参照して、本開示の一態様による、
図30~
図32に関して記載された外科用器具500、600のノズル700部分を示す。ノズル700は、
図38~
図44に関して以下に記載されるとおり、エンドエフェクタ内に位置する電極に高周波RF電流を駆動するように構成された電気回路702を含む。電気回路702は、変圧器704の一次巻線に連結されている。変圧器704の二次巻線の正側は、直列に接続された第1及び第2のブロッキングキャパシタ706、708に連結されている。第2のブロッキングキャパシタ708の負荷側は、エンドエフェクタ電極の正側に連結された正のRF(+)端子に連結されている。変圧器704の2次側巻線の負側は、負のRF(-)端子に連結され、そうでなければ接地と呼ばれる。RFエネルギー回路のRF(-)又は接地端子は、導電性金属で形成された外管744に連結されていることが理解されるであろう。したがって、使用時には、高周波電流は、エンドエフェクタ電極RF(+)から組織を通して伝導され、負電極RF(-)を通して戻る。
【0135】
ここでまた
図30、
図31を参照して、一態様では、外管744がエンドエフェクタ512のジョー部材514に動作可能に連結され、それにより外管744が遠位方向722に前進するとジョー部材514が開き、外管744が近位方向724に後退するとジョー部材514が閉じる。
図33に示されていないが、外管744は、トリガ508に動作可能に連結され、これを使用して、エンドエフェクタ512のジョー部材514部分を開閉する。本明細書に記載される超音波外科用器具と共に使用するための作動機構の例は、米国公開第2006/0079879号及び米国公開第2015/0164532号に開示されており、各々が参照により本明細書に組み込まれる。
【0136】
依然として
図30、
図31、及び
図33を参照して、一態様では、内管714は、外管744内に摺動可能に配設される。内管714は、超音波ブレード516を静止状態で維持しながら、ジョー部材514に動作可能に連結されてジョー部材514を回転させる。
図30及び
図31に示す態様では、内管714は、回転ノブ522によって回転される。
図33に示す態様では、モータ719は、ハンドルアセンブリ502内に提供され、任意にアイドラギヤ725を通して外管744の近位端上のギヤ721に係合することができる。
【0137】
依然として
図30、
図31及び
図33を参照して、一態様では、電気絶縁(例えば、ゴム、プラスチック)内管716は、内管714内に摺動可能に配設される。フレックス回路728は、エネルギー及びセンサ回路をエンドエフェクタ512に電気的に連結するために、電気絶縁内管716内に配設されてもよい。例えば、ジョー部材514は、フレックス回路728内の導体に連結された電極を含むことができる。他の態様では、エンドエフェクタ512、ジョー部材514又は超音波ブレード516は、例えば、シャフトアセンブリ510、ハンドルアセンブリ502、超音波変換器/RF発生器アセンブリ504及び/又は電池アセンブリ506内の電気回路及び構成要素に相互接続され得る、種々のセンサ又は他の電気要素を含むことができる。
【0138】
依然として
図30、
図31及び
図33を参照して、一態様では、超音波伝送導波管545(
図32のみに示し、明確性のために
図33には示していない)は、電気絶縁内管716内に配設されている。一態様では、電気回路702の正電極RF(+)は、超音波伝送導波管545に電気的に連結され、電気回路702の負電極RF(-)は、ジョー部材514に配設された電極に電気的に連結され、これが外管744に電気的に連結される。動作中、組織が超音波ブレード516とジョー部材514との間に把持された後、外科用器具500の制御回路は、様々なアルゴリズムを実行して、組織を封止及び切断することができる。超音波振動及び高周波エネルギーは、例えば組織インピーダンス、摩擦などの監視された組織状態に従って、組織に印加されてもよい。状況によっては、高周波電流は、超音波ブレード516を通して組織に印加され、外管744戻り経路に戻される。組織インピーダンスを監視して、組織封止が形成されると、組織インピーダンスによって決定され得るように、超音波ブレード516が、機械的に通電され、振動エネルギーを組織に誘導して組織を切断する。他の態様では、超音波振動及び高周波は、これらのエネルギーモダリティをパルスすることによって印加されてもよく、エネルギーモダリティを交互に又は同時に印加する。ある程度固有の状況では、アルゴリズムは、組織インピーダンスが組織にエネルギーを送達するために極めて低いときを検出することができる。これに応答して、アルゴリズムは、インピーダンスが高周波電流の印加に好適な閾値より上に上昇するような時まで、超音波ブレード516に機械的に通電して組織に振動エネルギーを印加する。この閾値に達すると、アルゴリズムは、エネルギー送達モードを高周波電流に切り換えて組織を封止する。
【0139】
図34は、本開示の一態様によれば、高周波電流(RF)を駆動するように構成された電気回路702の一態様の概略図である。電気回路702は、アナログマルチプレクサ580を備える。アナログマルチプレクサ580は、RF、電池及び電力制御回路などの上流チャネルSCL-A/SDA-Aからの様々な信号を多重化する。電流センサ582は、電源回路の戻り脚又は接地脚と直列に連結され、電源により供給される電流を測定する。電界効果トランジスタ(FET)温度センサ584は、周囲温度を提供する。パルス幅変調(PWM)ウォッチドッグタイマ588は、主プログラムが定期的なサービス提供を怠る場合にシステムリセットを自動的に生じさせる。これは、ソフトウェア又はハードウェアの故障のため、これがハング又はフリーズすると、電気回路702を自動的にリセットするように設けられている。電気回路702は、例えば、
図11に関して記載されるように、RF電極を駆動するため又は超音波変換器130を駆動するために構成され得ることが理解されるであろう。したがって、ここで
図34に戻って参照すると、電気回路702を使用して、超音波及びRF電極の両方を交互に駆動することができる。
【0140】
駆動回路586は、左右のRFエネルギー出力を提供する。信号波形を表すデジタル信号は、制御回路210(
図14)などの制御回路からアナログマルチプレクサ580のSCL-A/SDA-A入力に供給される。デジタル・アナログ変換器590(DAC)は、デジタル入力をアナログ出力に変換して、発振器594に連結されたPWM回路592を駆動する。PWM回路592は、第1のトランジスタ出力段598aに連結された第1のゲート駆動回路596aに第1の信号を提供して、第1のRF+(左側)エネルギー出力を駆動する。PWM回路592はまた、第2のトランジスタ出力段598bに連結された第2のゲート駆動回路596bに第2の信号を提供して、第2のRF-(右側)エネルギー出力を駆動する。電圧センサ599を、RF左/RF出力端子間に連結して、出力電圧を測定する。駆動回路586、第1及び第2の駆動回路596a、596b並びに第1及び第2のトランジスタ出力段598a、598bは、第1段増幅器回路を定義する。動作中、制御回路210(
図14)は、直接デジタル合成(DDS)回路1500、1600(
図65及び
図66)などの回路を用いるデジタル波形1800(
図67)を生成する。DAC 590は、デジタル波形1800を受容し、それをアナログ波形に変換し、これが第1段増幅器回路によって受容及び増幅される。
【0141】
図35は、本開示の一態様による、
図34に示す電気回路702に連結された変圧器704の概略図である。変圧器704のRF左/RF入力端子(一次巻線)は、電気回路702のRF左/RF出力端子に電気的に連結されている。二次巻線の一方の側は、第1及び第2のブロッキングキャパシタ706、708と直列に連結されている。第2のブロッキングキャパシタは、RF+574a端子に連結されている。二次巻線の他方の側は、RF-574b端子に連結されている。前述のように、RF+574a出力は、超音波ブレード516(
図30)に連結され、RF-574b接地端子は、外管544(
図30)に連結されている。一態様では、変圧器166は、n1:n2が1:50の巻数比を有する。
【0142】
図36は、本開示の一態様による、高電力エネルギー/駆動回路及び低電力回路のための別個の電源を含む回路710の概略図である。電源装置712は、電源712が電池アセンブリに挿入されるとき、スイッチ718によって回路710に接続される第1及び第2の一次電池715、717(例えば、Liイオン電池)を含む一次電池パックと、スイッチ723によって回路に接続される二次電池720を含む二次電池パックとを含む。二次電池720は、ガンマ又は他の放射線滅菌に耐性のある構成要素を有する瞬低防止電池である。例えば、電池アセンブリ内のスイッチモード電源727及び任意の充電回路は、二次電池720が一次電池715、717の瞬低を低減することを可能にするように組み込まれ得る。これにより、無菌フィールドへの導入が容易な手術の開始時の満充電セルが保証される。一次電池715、717を使用して、モータ制御回路726及びエネルギー回路732に直接電力供給することができる。電源/電池パック712は、モータ制御回路726及びエネルギー回路732を稼働させるための専用エネルギーセル715、717からハンドルエレクトロニクス回路730を制御する専用エネルギーセル720を有する、一次Liイオン電池715、717と、二次NiMH電池720とを含むデュアルタイプ電池アセンブリを備えてよい。この場合、エネルギー回路732及び/又はモータ制御回路726の駆動に関与する一次電池715、717が低下したときに、回路710は、ハンドルエレクトロニクス回路730の駆動に関与する二次電池720から引き出す。様々な一態様では、回路710は、電流を反対方向(例えば、エネルギー及び/又はモータ制御回路の駆動に関与する電池からエレクトロニクス回路の駆動に関与する電池へ)に流すことを可能にしない一方向ダイオードを含み得る。
【0143】
更に、所定のレベルで電圧サグを最小限に抑えるために、ダイオード及び真空管構成要素を使用するスイッチモード電源727を含む、ガンマフレンドリー充電回路を設けることができる。NiMH電圧(3 NiMHセル)の分割である最小サグ電圧の包含により、スイッチモード電源727を排除することができる。更に、放射線硬化した構成要素がモジュール内に位置するモジュールシステムを提供することができ、このモジュールを、放射線滅菌によって滅菌可能にする。他の放射線硬化していない構成要素は、モジュール構成要素の間に作製された他のモジュール構成要素及び接続に含まれ得、それにより構成要素が同じ回路基板上に一緒に位置しているかのように、構成要素が一緒に動作する。2つのNiMHセルのみが所望される場合、ダイオード及び真空管に基づくスイッチモード電源727は、使い捨て一次電池パック内の滅菌可能なエレクトロニクスを可能にする。
【0144】
ここで
図37を参照して、本開示の一態様による、
図30及び
図31に示す外科用器具500と共に使用するために、電池801で動力供給されたRF発生器回路802を動作させるための制御回路800を示す。外科用器具500は、超音波振動及び高周波電流の両方を用いて生体組織上で外科的凝固/切断処置を行い、高周波電流を用いて生体組織上で外科的凝固処置を行うように構成されている。
【0145】
図37は、
図30及び
図31に示す外科用器具500の、デュアル発生器システムがRF発生器回路802と超音波発生器回路820(
図11及び
図12に示す電気回路177と同様)エネルギーモダリティを切り替えることを可能にする制御回路800を示す。一態様では、RF信号における現在の閾値が検出される。組織のインピーダンスが低い場合、RFエネルギーが組織の処置源として使用されるとき、組織を通る高周波電流は高い。一態様によれば、外科用器具500上に位置する視覚インジケータ812又は光が、この高電流期間中にオン状態となるように構成されてもよい。電流が閾値を下回ると、視覚インジケータ812はオフ状態になる。したがって、フォトトランジスタ814は、
図37に示す制御回路800に示すように、オン状態からオフ状態への遷移を検出し、RFエネルギーを解放するように構成することができる。このため、エネルギーボタンが解放され、エネルギースイッチ826が開かれると、制御回路800がリセットされ、RF及び超音波発生器回路802、820の両方がオフ状態で保持される。
【0146】
図30~
図33及び
図37を参照して、一態様では、RF発生器回路802及び超音波発生器回路820を管理する方法が提供される。前述のように、RF発生器回路802及び/又は超音波発生器回路820は、ハンドルアセンブリ502、超音波変換器/RF発生器アセンブリ504、電池アセンブリ506、シャフトアセンブリ510及び/又はノズル700内に位置してもよい。制御回路800は、エネルギースイッチ826がオフ(例えば、開く)の場合にリセット状態で保持される。したがって、エネルギースイッチ826が開かれると、制御回路800がリセットされ、RF及び超音波発生器回路802、820の両方がオフにされる。エネルギースイッチ826が押され、エネルギースイッチ826が係合されると(例えば、閉じる)、RFエネルギーが組織に送達され、電流感知昇圧変圧器804によって動作される視覚インジケータ812は、組織インピーダンスが低い間に点灯する。視覚インジケータ812からの光は、超音波発生器回路820をオフ状態で維持するための論理信号を提供する。一旦組織インピーダンスが閾値より上に増加し、組織を通る高周波電流が閾値より下に減少すると、視覚インジケータ812がオフになり、光がオフ状態に遷移する。この遷移により発生した論理信号は、リレー808をオフにすることにより、RF発生器回路802がオフになり、超音波発生器回路820がオンになって凝固及び切断サイクルが完了する。
【0147】
依然として
図30~
図33及び
図37を参照して、一態様では、デュアル発生器回路802、820構成は、1つのモダリティに対して、電池801により電力供給されるオンボードRF発生器回路802を用い、ハンドルアセンブリ502、電池アセンブリ506、シャフトアセンブリ510、ノズル700及び/又は超音波変換器/RF発生器アセンブリ504内でオンボードであり得る、第2のオンボード超音波発生器回路820を用いる。超音波発生器回路820はまた、電池801により動作される。様々な態様では、RF発生器回路802及び超音波発生器回路820は、ハンドルアセンブリ502の一体型又は分離可能な構成要素であり得る。様々な態様によれば、デュアルRF/超音波発生器回路802、820をハンドルアセンブリ502の一部として有することにより、外科用器具500の環境における複雑な配線の必要性を排除し得る。RF/超音波発生器回路802、820は、コードレス発生器システムの能力を同時に利用しながら、既存の発生器の全能力を提供するように構成されてもよい。
【0148】
いずれかのタイプのシステムは、互いに通信していないモダリティに対して別個の制御を有することができる。外科医は、RF及び超音波を別々にかつ随意に活性化する。別のアプローチは、ボタン、組織の状態、器具作動パラメータ(例えばジョー閉鎖、力など)及び組織の処置を管理するためのアルゴリズムを共有する、完全に一体化された通信スキームを提供することである。この一体化の様々な組み合わせは、適切なレベルの機能及び性能を提供するために実装され得る。
【0149】
一態様では、制御回路800は、電池をエネルギー源として備える、電池801により電力供給されるRF発生器回路802を含む。図示のように、RF発生器回路802は、本明細書において電極806a、806bと称される2つの導電表面に連結され、電極806a、806bをRFエネルギー(例えば、高周波電流)で駆動するように構成される。昇圧変圧器804の第1の巻線810aは、バイポーラRF発生器回路802及び戻り電極806bの一方の極に直列に接続されている。一態様では、第1の巻線810a及び戻り電極806bは、バイポーラRF発生器回路802の負極に接続されている。バイポーラRF発生器回路802の他の極は、リレー808のスイッチ接点809を通して活性電極806aに接続されるか、又は電磁石836によって移動されてスイッチ接点809を動作させる可動鉄片を含む任意の適切な電磁石切り替え装置に接続されている。電磁石836が通電されるとスイッチ接点809は閉じ、電磁石836が非通電されるとスイッチ接点809は開く。スイッチ接点が閉じると、RF電流は、電極806a、806bの間に位置する導電組織(図示せず)を通って流れる。一態様では、活性電極806aが、バイポーラRF発生器回路802の正極に接続されていることが理解されるであろう。
【0150】
視覚インジケータ回路805は、昇圧変圧器804、直列レジスタR2及び視覚インジケータ812を備える。視覚インジケータ812は、外科用器具500並びに本明細書に記載されるものなどの他の電気外科システム及びツールと共に使用するために適合され得る。昇圧変圧器804の第1の巻線810aは、戻り電極806bと直列に接続され、昇圧変圧器804の第2の巻線810bは、レジスタR2及び例えばNE-2型ネオンバルブを含む視覚インジケータ812と直列に接続されている。
【0151】
動作時に、リレー808のスイッチ接点809が開くと、活性電極806aは、バイポーラRF発生器回路802の正極から切り離され、組織、戻り電極806b及び昇圧変圧器804の第1の巻線810aを通って電流が流れなくなる。したがって、視覚インジケータ812は通電されず、発光しない。リレー808のスイッチ接点809が閉じると、活性電極806aは、バイポーラRF発生器回路802の正極に接続され、組織、戻り電極806b及び昇圧変圧器804の第1の巻線810aを通って電流が流れるようにして、組織上で動作する、例えば、組織を切断し焼灼する。
【0152】
第1の電流は、活性電極と戻り電極806a、806bとの間に位置する組織のインピーダンスの機能として、第1の巻線810aを通って流れ、昇圧変圧器804の第1の巻線810aにわたって第1の電圧をする。昇圧した第2の電圧は、昇圧変圧器804の第2の巻線810bにわたって誘導される。二次電圧は、レジスタR2にわたって現れ、組織を通る電流が所定の閾値よりも大きいとき、ネオンバルブを点灯させる視覚インジケータ812に通電する。回路及び構成要素の値は例示的であり、それに限定されないことが理解されるであろう。リレー808のスイッチ接点809が閉じると、電流が組織を通って流れ、視覚インジケータ812がオンになる。
【0153】
ここで制御回路800のエネルギースイッチ826部分を参照して、エネルギースイッチ826が開放位置であるとき、論理高が第1のインバータ828の入力に適用され、論理低がANDゲート832の2つの入力のうちの1つに適用される。したがって、ANDゲート832の出力は低く、トランジスタ834はオフになり、電流が電磁石836の巻線を通って流れるのを防ぐ。非通電状態の電磁石836を備え、リレー808のスイッチ接点809は開いたままであり、電流が電極806a、806bを通って流れるのを防ぐ。第1のインバータ828の論理低出力もまた、第2のインバータ830に適用され、出力を高くし、フリップ・フロップ818(例えば、D型フリップ・フロップ)をリセットする。このとき、Q出力は低くなり、超音波発生器回路820回路をオフにし、かつ
【0154】
【数1】
出力は高くなり、ANDゲート832の他の入力に適用される。
【0155】
ユーザが器具ハンドル上のエネルギースイッチ826を押して、電極806a、806b間の組織にエネルギーを印加すると、エネルギースイッチ826は閉じ、第1のインバータ828の入力に論理低を適用し、これがANDゲート832の他の入力に論理高を適用し、ANDゲート832の出力を高くし、トランジスタ834をオンにする。オン状態では、トランジスタ834は、電磁石836の巻線を通して電流を導通及びシンクして電磁石836に通電し、リレー808のスイッチ接点809を閉じる。上述のように、スイッチ接点809が閉じると、組織が電極806a、806bの間に位置するとき、電流は、電極806a、806b及び昇圧変圧器804の第1の巻線810aを通って流れることができる。
【0156】
上述のように、電極806a、806bを通って流れる電流の大きさは、電極806a、806bの間に位置する組織のインピーダンスに依存する。最初に、組織インピーダンスは低く、組織及び第1の巻線810aを通る電流の大きさは高い。それゆえに、第2の巻線810bに印加される電圧は、視覚インジケータ812をオンにするために十分に高い。視覚インジケータ812が発する光は、フォトトランジスタ814をオンにし、これがインバータ816の入力を低くして、インバータ816の出力を高くする。フリップ・フロップ818のCLKに適用される高入力は、フリップ・フロップ818のQ又は
【0157】
【数2】
出力に影響を与えず、Q出力は低いままであり、
【0158】
【数3】
出力は高いままである。したがって、視覚インジケータ812は、通電されたままであり、超音波発生器回路820がオフとなり、超音波変換器822及び超音波ブレード824は起動しなくなる。
【0159】
組織を通って流れる電流によって発生した熱に起因して、電極806a、806bの間の組織が乾燥すると、組織のインピーダンスは増加し、そこを通る電流は減少する。第1の巻線810aを通る電流が減少すると、第2の巻線810bにわたる電圧も減少し、電圧が、視覚インジケータ812を動作させるために必要な最小閾値を下回ると、視覚インジケータ812及びフォトトランジスタ814はオフになる。フォトトランジスタ814がオフになると、論理高がインバータ816の入力に適用され、論理低がフリップ・フロップ818のCLK入力に適用されて論理高をQ出力にクロックし、論理低が
【0160】
【数4】
出力に適用される。Q出力時の論理高は、超音波発生器回路820をオンして、超音波変換器822及び超音波ブレード824を起動させて、電極806a、806aの間に位置する組織の切断を開始する。超音波発生器回路820がオンになるのと同時に又はほぼ同時に、フリップ・フロップ818の
【0161】
【数5】
出力は低くなり、ANDゲート832の出力を低くして、トランジスタ834をオフにすることにより、電磁石836を非通電し、リレー808のスイッチ接点809を開いて電極806a、806bを通る電流の流れを遮断する。
【0162】
リレー808のスイッチ接点809が開いている間、電極806a、806b、組織及び昇圧変圧器804の第1の巻線810aを通って電流が流れない。このため、第2の巻線810bにわたって電圧は発生せず、視覚インジケータ812を通って電流が流れない。
【0163】
ユーザが器具ハンドル上のエネルギースイッチ826を握り、エネルギースイッチ826を閉じたままにする間、フリップ・フロップ818のQ及び
【0164】
【数6】
出力の状態は同じままである。したがって、バイポーラRF発生器回路802から電極806a、806bを通って電流が流れていない間、超音波ブレード824は、活性化したままであり、エンドエフェクタのジョーの間の組織を切断し続ける。ユーザが器具ハンドルのエネルギースイッチ826を解放すると、エネルギースイッチ826が開き、第1のインバータ828の出力が低くなり、第2のインバータ830の出力が高くなり、フリップ・フロップ818をリセットして、Q出力を低くし、超音波発生器回路820をオフにする。同時に、この
【0165】
【数7】
出力は高くなり、ここで回路はオフ状態になり、ユーザが器具ハンドル上のエネルギースイッチ826を作動させて、エネルギースイッチ826を閉じ、電極806a、806bの間に位置する組織に電流を印加し、上述のように組織にRFエネルギーを印加し、組織に超音波エネルギーを印加するサイクルを繰り返す準備ができる。
【0166】
図38は、本開示の一態様による、エンドエフェクタ900の断面図である。エンドエフェクタ900は、超音波ブレード902及びジョー部材904を備える。ジョー部材904は、軸方向に沿って、エンドエフェクタ900の一部が係合するチャネル形状の溝906を有する。チャネル形状の溝906は、ジョー部材904の軸に直交する部分に広い開口を有する広いチャネル形状を有する。ジョー部材904は、導電性材料で作製され、超音波ブレード902がチャネル形状の底面部分912上で軸方向に沿って接する範囲に絶縁部材910が提供される。
【0167】
超音波ブレード902は、軸方向と直交する断面において部分的に切り取られた菱形形状を有している。超音波ブレード902の断面形状は、
図38に示すように、菱形形状の長い対角線に直交する方向に切り取られた形状である。断面形状が切り取られた菱形形状の部分を有する超音波ブレード902は、ジョー部材904のチャネル形状の溝906内で係合する台形部分914を有する。菱形形状の一部が断面形状において切り取られていない部分は、超音波ブレード902の二等辺三角形部分916である。
【0168】
ハンドルアセンブリのトリガが閉じると、超音波ブレード902及びジョー部材904は互いに嵌合する。それらが嵌合すると、チャネル形状の溝906の底面部分912は、超音波ブレード902の台形部分914の上面部分918に当接し、チャネル形状の溝906の2つの内壁部分920は、台形部分914の傾斜表面部分922に当接する。
【0169】
更に、超音波ブレード902の二等辺三角形部分916の頂点部分924は、丸く形成されるが、この頂点部分924は、僅かに鋭い角度を有する。
【0170】
外科用器具がスパチュラ超音波処置具として使用される場合、超音波ブレード902は、超音波振動処置部分として作用し、頂点部分924及びその周辺部分(破線で示される)は特に、処置対象の組織に対してメスナイフとして作用する。
【0171】
更に、外科用器具がスパチュラ高周波処置具として使用される場合、頂点部分924及びその周辺部分(破線で示される)は、処置対象の組織に対する電気メスナイフとして作用する。
【0172】
一態様では、底面部分912及び内壁部分920及び上面部分918及び傾斜面部分922は、超音波振動の作用面として作用する。
【0173】
更に、一態様では、内壁部分920及び傾斜面部分922が、バイポーラ高周波電流の作用面として作用する。
【0174】
一態様では、外科用器具は、超音波及び高周波電流の同時出力のスパチュラ処置具として使用することができ、超音波ブレード902は、超音波振動処置部分として作用し、頂点部分924及びその周辺部分(破線で示される)は特に、処置対象の組織に対して電気メスナイフとして作用する。
【0175】
更に、外科用器具が超音波及び高周波電流の同時出力を提供する場合、底面部分912及び上面部分918は、超音波振動の作用面として作用し、内壁部分920及び傾斜面部分922が、バイポーラ高周波電流の作用面として作用する。
【0176】
それゆえに、
図37に示す処置部分の構成により、外科用器具を超音波処置具又は高周波処置具として使用する場合だけでなく、外科用器具を超音波処置具又は高周波電流処置具として使用する場合、更に超音波及び高周波の同時出力の時間に外科用器具を使用する場合に、優れた操作性が提供される。
【0177】
外科用器具が高周波電流出力又は高周波電流及び超音波の同時出力を実施する場合、モノポーラ出力を、高周波出力としてバイポーラ出力の代わりに可能にしてもよい。
【0178】
図39は、本開示の一態様による、エンドエフェクタ930の断面図である。ジョー部材932は、導電性材料で作製され、絶縁部材934が、チャネル形状の底面部分936上で軸方向に沿って設けられている。
【0179】
超音波ブレード938は、軸方向と直交する断面において部分的に切り取られた菱形形状を有している。超音波ブレード938の断面形状は、
図39に示すように、菱形形状の一部が対角線と直交する方向に切り取られた形状である。断面形状が切り取られた菱形形状の部分を有する超音波ブレード938は、ジョー部材932のチャネル形状の溝942内で係合する台形部分940を有する。菱形形状の一部が断面形状において切り取られていない部分は、エンドエフェクタ900の二等辺三角形部分944である。
【0180】
ハンドルアセンブリのトリガが閉じると、超音波ブレード938及びジョー部材906は互いに嵌合する。それらが嵌合すると、チャネル形状の溝942の底面部分936は、超音波ブレード938の台形部分940の上面部分946に当接し、チャネル形状の溝932の2つの内壁部分954は、台形部分940の傾斜面部分948に当接する。
【0181】
更に、超音波ブレード938の二等辺三角形部分944の頂点部分950は、丸く形成されるが、フック形状の内側の頂点部分952は、僅かに鋭い角度を有する。頂点部分952の角度θは、好ましくは45°~100°である。45°は、超音波ブレード938の強度限界である。このように、超音波ブレード938の先端部分952は、フック形状部分の内側、すなわちエッジ部分に所定の角度を有する突出部分を構成している。
【0182】
フック形状の処置部分は、切開のために使用されることが多い。エンドエフェクタ930の頂点部分952は、切開時に作用部分となる。頂点部分952は僅かに鋭い角度θを有するため、頂点部分952は切開処置に有効である。
【0183】
図39に示す超音波ブレード938及びジョー部材932は、切開時の前述の動作を除いて、超音波出力時、高周波出力時、超音波及び高周波それぞれの同時出力時に、
図38に示す超音波ブレード938及びジョー部材932と同じ動作を行う。
【0184】
ここで
図40~
図43を参照すると、外側シース1002及び内側シース1004によって形成された挿入シース1001に動作可能に連結されたエンドエフェクタ1000が示されている。エンドエフェクタ1000は、超音波ブレード1006及びジョー部材1014を備える。外側シース1002において、導電性金属パイプの外側が絶縁性樹脂管で被覆されている。内側シース1004は、導電性金属パイプである。内側シース1004は、外側シース1002に対して前後軸方向に移動することができる。
【0185】
超音波ブレード1006は、高い音響効果及び生体適合性を有する導電性材料、例えば、Ti-6AI-4V合金などのチタン合金から作製される。超音波ブレード1006において、絶縁性かつ弾性のゴムライニング1008は、超音波振動のノードの位置に外部から備えられている。ゴムライニング1008は、内側シース1004と超音波ブレード1006との間に圧縮状態で配設されている。超音波ブレード1006は、ゴムライニング1008によって内側シース1004に保持されている。内側シース1004と超音波ブレード1006との間に隙間が維持される。
【0186】
当接部分1010は、超音波ブレード1006の遠位端部分において、ジョー部材1014に面する超音波ブレード1012の一部によって形成される。ここで、超音波ブレード1012は、超音波ブレード1006の軸方向に垂直な断面が八角形である。当接面1016は、ジョー部材1014に面する当接部分1010の一面によって形成されている。一対の電極面1018は、当接面1016の両側に設けられた表面によって形成される。
【0187】
ジョー部材1014は、本体部材1020、電極部材1022、パッド部材1024及び規制部としての規制部材1026によって形成される。
【0188】
本体部材1020は、硬質かつ導電性の材料から作製される。本体部材1020の近位端部分は、ピボット接続部分1028を構成している。ピボット接続部分1028は、ピボット接続シャフト1030を介して外側シース1002の遠位端部分に枢動的に接続されている。ピボット接続シャフト1030は、軸方向及び開閉方向に垂直な幅方向に延在している。本体部材1020は、ピボット接続シャフト1030を中心として外側シース1002に対して開閉方向に回転することができる。内側シース1004の遠位端部分は、ピボット接続シャフト1030の遠位側及び開口方向側に設けられた位置で、本体部材1020のピボット接続部分1028に枢動的に接続される。ハンドルユニット内の固定ハンドルに対して可動ハンドルを回動させると、内側シース1004が、外側シース1002に対して前後に移動し、本体部材1020は、内側シース1004によって、外側シース1002に対して開閉方向にピボット接続シャフト1030を中心として回転するように駆動される。一態様では、本体部材1020の遠位部は、一対のピボット軸受1032を構成する。一対のピボット軸受1032は、軸方向に延在し、幅方向に垂直な平板の形態であり、幅方向に互いに離間して配設されている。
【0189】
電極部材1022は、硬質かつ導電性の材料から作製される。開口方向側に設けられた電極部材1022の一部は、ピボット支持部1034を構成している。挿入穴1036は、ピボット支持部1034を通して幅方向に形成されている。ピボット支持部シャフト1038は、挿入穴1036を通して挿入され、幅方向に延在する。ピボット支持部1034は、本体部材1020の一対のピボット軸受1032の間に配設され、ピボット支持シャフト1038を介して一対のピボット軸受1032に枢動的に支持されている。電極部材1022は、本体部材1020に対してピボット支持シャフト1038を中心に振動させることができる。更に、閉鎖方向側に設けられた電極部材1022の一部は、電極部1040を構成している。電極部1040は、軸方向に延在し、幅方向の両側に突出している。閉鎖方向に向かって開いている凹形溝1042は、閉鎖方向側に設けられた電極部1040の一部において軸方向に延在している。閉鎖方向側に設けられた溝1042の一部に軸方向に歯が設けられ、これにより歯部分1044を形成する。溝1042を定義する側面は、閉方向から幅方向の両側に向かって傾斜した一対の電極受け面1046を構成している。閉鎖方向に向かって開いている凹形嵌合レセプタクル1048は、溝1042を定義する底部分において軸方向に延在している。挿入穴1036に垂直な開閉方向に、電極部材1022のピボット支持部1034を通して埋設穴1050が形成されている。埋込穴1050は、嵌合レセプタクル1048に対して開口している。
【0190】
パッド部材1024は、超音波ブレード1006よりも軟質であり、ポリテトラフルオロエチレンなどの生体適合性を有する絶縁材料から作製される。パッド部材1024は、電極部材1022の嵌合レセプタクル1048と嵌合される。閉鎖方向側に設けられたパッド部材1024の一部は、電極部材1022から閉鎖方向に突出し、したがって当接レセプタクル1052を形成する。軸方向に垂直な断面において、当接レセプタクル1052は、超音波ブレード1012の当接部分1010の突出形状に対応する凹形状である。ジョー部材1014が超音波ブレード1012に対して閉じられると、超音波ブレード1012の当接部分1010は、パッド部材1024の当接レセプタクル1052の上に当接し、係合する。超音波ブレード1012の一対の電極面1018は、電極部1040の一対の電極受け面1046と平行に配置され、電極部1040と超音波ブレード1012との間には隙間が維持されている。
【0191】
規制部材1026は、超音波ブレード1006よりも硬質であり、セラミックスなどの絶縁性の高強度材料から作製される。規制パッド部材1024は、ピン形状である。規制パッド部材1024は、電極部材1022のピボット支持部1034の埋設穴1050に挿入され、電極部1040の嵌合レセプタクル1048に向かって突出し、嵌合レセプタクル1048内のパッド部材1024の当接レセプタクル1052に埋設される。規制部材1026の閉鎖方向端部は、規制端部1054を構成する。規制端部1054は、当接レセプタクル1052から閉鎖方向に突出せず、当接レセプタクル1052内に収容される。挿入穴1036もまた、規制部材1026を通して形成され、ピボット支持シャフト1038は、既製部材1026の挿入穴1036を通して挿入される。
【0192】
ここで、内側シース1004、本体部材1020及び電極部材1022は、互いに電気的に接続されており、高周波外科処置で使用される第1の電気経路1056を構成する。電極部材1022の電極部1040は、高周波外科処置で使用されるバイポーラ電極の一方として機能する。一態様では、超音波ブレード1006は、高周波処置で使用される第2の電気経路1058を構成する。超音波ブレード1006の遠位端部分に設けられた超音波ブレード1012は、高周波処置で使用されるバイポーラ電極の他方として機能する。上述のように、超音波ブレード1006は、絶縁ゴムライニング1008によって内側シース1004に保持され、内側シース1004と超音波ブレード1006との間の間隙が維持される。これにより、内側シース1004と超音波ブレード1006との間の短絡が防止される。ジョー部材1014が超音波ブレード1012に対して閉じられると、超音波ブレード1012の当接部分1010は、パッド部材1024の当接レセプタクル1052の上に当接し、係合する。したがって、超音波ブレード1012の一対の電極面1018は、電極部1040の一対の電極受け面1046と平行に配置され、電極部1040と超音波ブレード1012との間に隙間が維持される。これにより、電極部1040と超音波ブレード1012との間の短絡が防止される。
【0193】
図44を参照すると、パッド部材1024は、超音波ブレード1006よりも軟質である。そのため、ジョー部材1014が超音波ブレード1012に対して閉じるときに、超音波ブレード1012が超音波振動する場合、当接レセプタクル1052は、超音波ブレード1012によって摩耗され、超音波ブレード1012の当接部分1010は、パッド部材1024の当接レセプタクル1052の上に当接し、係合する。当接レセプタクル1052が摩耗すると、電極部1040と超音波ブレード1012との間の隙間は、当接部分1010が当接レセプタクル1052と摩擦係合しているときに徐々に低減する。当接レセプタクル1052が所定の量を超えて摩耗すると、規制部材1026の規制端部1054が、当接レセプタクル1052から閉鎖方向に露出する。規制端部1054が当接レセプタクル1052から閉鎖方向に露出すると、ジョー部材1014が超音波ブレード1012に対して閉じられた場合、電極部1040が超音波ブレード1012に接触する前に、規制端部1054が超音波ブレード1012に接触する。結果として、超音波ブレード1012と電極部1040との接触が規制される。ここで、電極部1040及び超音波ブレード1012は、硬質である。そのため、超音波振動した超音波ブレード1012が電極部1040に接触すると、超音波ブレード1012は、電極部58に速やかにかつ繰り返し接離する。電極部1040と超音波ブレード1012との間に高周波電圧が印加されると、超音波ブレード1012と電極部1040との間にスパークが発生する。一態様では、超音波ブレード1012と電極部1040との間の接触は、規制部材1026の規制端部1054によって規制され、それによりスパークが防止される。規制部材1026は、絶縁性材料から作製され、電極部材1022に対して電気的に絶縁されている。したがって、超音波振動した超音波ブレード1012が、規制部材1026の規制端部1054に接触した場合、超音波ブレード1012が規制端部1054に速やかにかつ繰り返し離接しても、規制端部1054と超音波ブレード1012との間でスパークが発生しない。これにより、超音波ブレード1012とジョー部材1014との間でスパークが防止される。
【0194】
規制部材1026は、超音波ブレード1006よりも硬質な高強度材料から作製される。そのため、規制端部1054が超音波振動した超音波ブレード1012に接触すると、規制部材1026は摩耗せず、超音波ブレード1006が割れる。一態様による外科用処置システムでは、当接レセプタクル1052が所定の量を超えて摩耗すると、規制端部1054が超音波ブレード1012に接触し、意図的に超音波ブレード1006を割る。この割れを検出することにより、外科用処置具の寿命の終了が検出される。このため、超音波ブレード1012と規制端部1054との接触位置が、超音波ブレード1012における応力集中領域に設定され、規制端部1054が超音波ブレード1012に接触したときに超音波ブレード1006が割れるように保証する。線形超音波ブレード1006において、超音波振動のノード位置に応力が集中し、応力集中領域が超音波ブレード1012の近位端部分に位置している。
【0195】
複合超音波/電気外科用器具のより詳細な説明については、米国特許第8,696,666号及び米国特許第8,663,223号が参照され、各々が参照により本明細書に組み込まれる。
【0196】
図45は、本開示の一態様による、遠位関節接合を有するモジュール電池式手持ち型電気外科用器具1100を示す。外科用器具1100は、ハンドルアセンブリ1102、ナイフ駆動アセンブリ1104、電池アセンブリ1106、シャフトアセンブリ1110及びエンドエフェクタ1112を備える。エンドエフェクタ1112は、その遠位端に固着された対向関係の一対のジョー部材1114a、1114bを備える。エンドエフェクタ1112は、関節接合及び回転するように構成される。
図46は、本開示の一態様による、
図45に示す外科用器具1100の分解図である。組織を封止及び切断するための外科用器具1100と共に使用するためのエンドエフェクタ1112は、対向関係であり、互いに対して移動可能であり、それらの間に組織を把持する一対のジョー部材1114a、1114bを含む。ジョー部材1114a、1114bは、電気外科用エネルギー源(RF源)に接続するように適合されたジョーハウジング及び導電表面1116a、1116b、例えば、電極を含み、それにより導電表面は、その間に保持された組織を通して電気外科用エネルギーを導電して組織封止をもたらすことができる。導電表面1116bのうちの1つは、ナイフ駆動アセンブリ1104内に配設置されたモータに接続された駆動ロッド1145と連通する、その中で定義され、その長さに沿って延在するチャネルを含む。ナイフは、チャネルに沿って並進及び往復運動して、ジョー部材1114a、1114bの間に把持された組織を切断するように構成されている。
【0197】
図47は、本開示の一態様による、ディスプレイがハンドルアセンブリ1102上に位置している、
図45及び
図46に示す外科用器具1100の斜視図である。
図45~
図47に示す外科用器具のハンドルアセンブリ1102は、モータアセンブリ1160及び表示アセンブリを備える。ディスプレイアセンブリは、例えば、ハンドルアセンブリ1102のハウジング1148部分に取り外し可能に接続可能なLCDディスプレイなどのディスプレイ1176を備える。ディスプレイ1176は、他のパラメータの中でも特に、組織の厚さ、封止の状態、切断の状態、組織の厚さ、組織インピーダンス、実行中のアルゴリズム、電池容量などの外科手技パラメータの視覚ディスプレイを提供する。
【0198】
図48は、本開示の一態様による、ディスプレイがハンドルアセンブリ1102上に位置していない、
図45及び
図46に示す器具の斜視図である。
図48に示す外科用器具1150のハンドルアセンブリ1102は、別個のハウジング1156上に異なるディスプレイアセンブリ1154を含む。ここで
図45~
図48を参照すると、外科用器具1100、1150は、高周波(RF)電流及びナイフを用いて生体組織上で外科的凝固/切断処置を行い、高周波電流を用いて生体組織上で外科的凝固処置を行うように構成されている。高周波(RF)電流は、独立して又はアルゴリズム若しくはユーザ入力制御と組み合わせて印加され得る。ディスプレイアセンブリ、電池アセンブリ1106及びシャフトアセンブリ1110は、ハンドルアセンブリ1102に取り外し可能に接続可能なモジュール構成要素である。モータ1140は、ハンドルアセンブリ1102内に位置している。例えば、
図34~
図37及び
図50に関して本明細書に記載されるRF発生器回路及びモータ駆動回路は、ハウジング1148内に位置している。
【0199】
シャフトアセンブリ1110は、外管1144、ナイフ駆動ロッド1145及び内管(図示せず)を備えている。シャフトアセンブリ1110は、関節接合部1130及び遠位回転部1134を備える。エンドエフェクタ1112は、対向関係にあるジョー部材1114a、1114b及びモータ駆動ナイフを備える。ジョー部材1114a、1114bは、対向するジョー部材1114a、1114bの間に把持された組織に高周波電流を送達するために、RF発生器回路に連結された導電表面1116a、1116bを含む。ジョー部材1114a、1114bは、ピボットピン1136を中心として枢動的に回転可能であり、ジョー部材1114a、1114bの間に組織を把持する。ジョー部材1114a、1114bは、トリガ1108に動作可能に連結され、それによりトリガ1108を握るとジョー部材1114a、1114bが閉じて組織を把持し、トリガ1108を解放するとジョー部材1114a、1114bが開いて組織を解放する。
【0200】
ジョー部材1114a、1114bは、トリガ1108に動作可能に連結され、それによりトリガ1108を握るとジョー部材1114a、1114bが閉じて組織を把持し、トリガ1108を解放するとジョー部材1114a、1114bが開いて組織を解放する。1段トリガ構成では、トリガ1108を握ってジョー部材1114a、1114bを閉じ、一旦ジョー部材1114a、1114bが閉じると、スイッチ部1121の第1のスイッチ1121aを起動して、RF発生器に通電して組織を封止する。組織を封止した後に、スイッチ部1120の第2のスイッチ1121bを起動して、ナイフを前進させて組織を切断する。様々な態様では、トリガ1108は、2段又は多段トリガであってよい。2段トリガ構成では、第1段の間、ジョー部材1114a、1114bを閉じる途中でトリガ1108を握り、第2段の間、RF発生器回路に通電して組織を封止する途中でトリガ1108を握る。組織を封止した後に、第1及び第2のスイッチ1121a、1121bのうちの1つ起動して、ナイフを前進させて組織を切断する。組織を切断した後、トリガ1108を解放することによって、ジョー部材1114a、1114bを開き、組織を解放する。別の態様では、歪ゲージ又は圧力センサなどの力センサは、トリガ1108に連結され、ユーザによってトリガ1108に加えられる力を測定することができる。別の態様では、歪ゲージ又は圧力センサなどの力センサが、スイッチ部1120の第1及び第2のスイッチ1121a、1121bボタンに連結されてもよく、それにより変位強度が、ユーザによってスイッチ部1120の第1及び第2のスイッチ1121a、1121bボタンに加えられ得た力に対応する。
【0201】
電池アセンブリ1106は、電気コネクタ1132によってハンドルアセンブリ1102に電気的に接続される。ハンドルアセンブリ1102には、スイッチ部1120が設けられている。第1のスイッチ1121a及び第2のスイッチ1121bは、スイッチ部1120内に設けられている。RF発生器は、第1のスイッチ1121aを作動させることによって通電され、ナイフは、第2のスイッチ1121bを作動させることによってモータ1140に通電することにより起動される。したがって、第1のスイッチ1121aは、RF回路に通電して、組織を通して高周波電流を駆動して封止を形成し、第2のスイッチ1121bは、モータに通電して、ナイフを駆動して組織を切断する。電池アセンブリ1106の構造的及び機能的な態様は、
図1、
図2及び
図16~
図24に関して記載された外科用器具100のための電池アセンブリ106のものと同様である。したがって、開示の簡潔性及び明確性のために、そのような電池アセンブリ106の構造的かつ機能的態様は、参照により本明細書に組み込まれ、ここでは繰り返さない。
【0202】
回転ノブ1118は、シャフトアセンブリ1110に動作可能に連結される。矢印1126によって示される方向に±360°の回転ノブ1118の回転は、外管1144を矢印1119のそれぞれの方向に±360°回転させる。一態様では、別の回転ノブ1122は、外管1144の回転とは独立して、矢印1128によって示される方向にエンドエフェクタ1112を±360°回転させるように構成されてもよい。エンドエフェクタ1112は、第1及び第2の制御スイッチ1124a、1124bによって関節接合されてもよく、それにより第1の制御スイッチ1124aの作動は、矢印1132aによって示される方向に、ピボット1138を中心にエンドエフェクタ1112を関節接合し、第2の制御スイッチ1124bの作動は、矢印1132bによって示される方向に、ピボット1138を中心にエンドエフェクタ1112を関節接合する。更に、外管1144は、例えば、5mm~10mmの範囲の直径D3を有し得る。
【0203】
図49は、本開示の一態様による、ナイフを駆動するために外科用器具1100、1150と共に使用され得るモータアセンブリ1160である。モータアセンブリ1160は、モータ1162、プラネタリギヤ1164、シャフト1166及び駆動ギヤ1168を備える。ギヤは、ナイフバー1145を駆動するように動作可能に連結されてもよい(
図46)。一態様では、駆動ギヤ1168又はシャフト1166は、
図50に関して記載された回転駆動機構1170に動作可能に連結されて、遠位ヘッド回転、関節接合及びジョー閉鎖を駆動する。
【0204】
図50は、本開示の一態様による、モータ駆動回路1165の図である。モータ駆動回路1165は、本明細書に記載の外科用器具1100、1150で使用され得る、モータMを駆動するのに適している。モータMは、4つのスイッチS
1~S
4を含むHブリッジによって駆動される。スイッチS
1~S
4は、一般に、MOSFETスイッチなどの固体スイッチである。モータMを一方向に回動させるために、2つのスイッチS
1、S
4をオンにし、他の2つのスイッチS
3、S
1をオフにする。モータMの方向を反転させるために、スイッチS
1~S
4の状態を反転させ、それによりスイッチS
1、S
4をオフにし、他の2つのスイッチS
3、S
1をオンにする。電流感知回路をモータ駆動回路1165内に配置して、モータ電流i
1a、i
2a、i
1b、i
2bを感知することができる。
【0205】
図51は、本開示の一態様による、遠位ヘッド回転、関節接合及びジョー閉鎖を駆動するための回転駆動機構1170を示す。回転駆動機構1170は、モータアセンブリ1160に動作可能に連結された一次回転駆動シャフト1172を有する。一次回転駆動シャフト1172は、シャフトアセンブリ1110の外管1144内に位置するクラッチ機構により、少なくとも2つの独立した作動機構(第1、第2、両方、どちらもない)に選択的に連結可能である。一次回転駆動シャフト1172は、シャフト機能が回転駆動シャフト1172に独立して連結されることを可能にする独立クラッチに連結されている。例えば、関節接合クラッチ1174は、関節接合部1130の関節接合軸1175を中心にシャフトアセンブリ1110を関節接合させるように係合する。遠位ヘッド回転クラッチ1178は、遠位回転部1134を回転させるように係合され、ジョー閉鎖クラッチ1179は、エンドエフェクタ1112のジョー部材1114a、1114bを閉じるように係合される。ナイフは、ナイフ駆動ロッド1145によって進退される。回転機構の全て又はいずれかの組み合わせは、いつでも連結することができるか、又はどれも連結することができない。
【0206】
一態様では、微小電気クラッチ構成は、ピボット1138及び関節接合軸1175を中心とした遠位回転部1134の回転及び関節接合部1130の関節接合を可能にする。一態様では、フェロ流体クラッチは、流体ポンプを介してクラッチを一次回転駆動シャフト1172に連結する。クラッチフェロ流体は、ナイフ駆動ロッド1145の周りに被包された電気コイル1181、1183、1185によって起動される。コイル1181、1183、1185の他の端部を、3つの別個の制御回路に接続して、クラッチ1174、1178、1179を独立して作動させる。動作時に、コイル1181、1183、1185が通電されていないときには、クラッチ1174、1178、1179が係合解除され、関節接合、回転、又はジョー運動がない。
【0207】
関節接合クラッチ1174が、コイル1181に通電することによって係合され、遠位ヘッド回転クラッチ1178及びジョー閉鎖クラッチ1179が、コイル1183、1185を非通電することによって係合解除されるとき、ギヤ1180は、一次回転駆動シャフト1172に機械的に連結されて関節接合部1130を関節接合する。図示した配向では、一次回転駆動シャフト1172が時計回りに回転すると、ギヤ1180は時計方向に回転し、シャフトは関節接合軸1175を中心に右方向に関節接合し、また一次回転駆動シャフト1172が半時計回りに回転すると、ギヤ1180は反時計回りに回転し、シャフトは関節接合軸1175を中心に左方向に関節接合する。左右の関節接合は、外科用器具1100、1150の配向に依存することが理解されるであろう。
【0208】
関節接合クラッチ1174及びジョー閉鎖クラッチ1179が、コイル1181、1185を非通電することによって係合解除され、かつ遠位ヘッド回転クラッチ1178が、コイル1183に通電することによって係合されると、一次回転駆動シャフト1172は、遠位回転部1134を同じ回転方向に回転させる。コイル1183が通電されると、遠位ヘッド回転クラッチ1178は、一次回転駆動シャフト1172を遠位回転部1134と係合させる。したがって、遠位回転部1134は、一次回転駆動シャフト1172と共に回転する。
【0209】
関節接合クラッチ1174及び遠位ヘッド回転クラッチ1178が、コイル1181、1183を非通電することによって係合解除され、かつジョー閉鎖クラッチ1179が、コイル1185を通電することによって係合されると、ジョー部材1114a、114bは、一次回転駆動シャフト1172の回転に依存して開閉することができる。コイル1185が通電されると、ジョー閉鎖クラッチ1179は、一次回転駆動シャフト1172の方向に定位置で回転する、捕捉内ねじ付き駆動部材1186に係合する。捕捉内ねじ付き駆動部材1186は、内ねじ付き表面を含む、外ねじ付き駆動部材1188と螺合している外ねじを含む。一次回転駆動シャフト1172が時計回りに回転すると、捕捉内ねじ付き駆動部材1186に螺合している外ねじ付き駆動部材1188は、近位方向1187に駆動されてジョー部材1114a、1114bを閉じる。一次回転駆動シャフト1172が反時計回りに回転すると、捕捉内ねじ付き駆動部材1186に螺合している外ねじ付き駆動部材1188は、遠位方向1189に駆動されてジョー部材1114a、1114bを開く。
【0210】
図52は、本開示の一態様による、開放構成で示されるジョー部材を有するエンドエフェクタアセンブリの拡大された左斜視図である。
図53は、本開示の一態様による、
図52のエンドエフェクタアセンブリの拡大された右側面図である。ここで
図52及び
図53を参照すると、組織を近似するための開放位置にあるエンドエフェクタ1112の拡大されたビューが示される。ジョー部材1114、1114bは、一般に対称であり、協働してピボットピン1136を中心とした容易な回転を可能にして組織の封止及び分割をもたらす。結果として、かつ特に明記しない限り、本明細書ではジョー部材1114a及びそれに関連する動作特徴部のみが詳細に記載されるが、理解され得るように、これらの特徴部の多くが、他のジョー部材1114bに同様に適用する。
【0211】
ジョー部材1114aはまた、ジョーハウジング1115a、絶縁基板又は絶縁体1117a、及び導電表面1116aを含む。絶縁体1117aは、導電性封止面1116aに確実に係合するように構成されている。これは、鍛造することによって、オーバーモールドによって、鍛造された導電性封止プレートをオーバーモールドすることによって、及び/又は金属射出成形封止プレートをオーバーモールドすることによって達成され得る。これらの製造技術は、絶縁体1117aによって囲まれた導電表面1116aを有する電極を製造する。
【0212】
上述のように、ジョー部材1114aは、同様の素子を含み、ジョーハウジング1115b、絶縁体1117b及び絶縁体1117bに確実に係合するよう寸法決めされた導電表面1116bを含む。導電表面1116b及び絶縁体1117bは、組立時に、ナイフブレード1123の往復運動のために定義された長手方向に配向されたナイフチャネル1113を形成する。ナイフチャネル1113は、所定の切断面に沿ってナイフブレード1123の長手方向の往復運動を容易にし、形成された組織封止に沿って組織を効果的かつ正確に分離する。図示しないが、ジョー部材1114aは、ナイフチャネル1113と協働して、組織を通るナイフの並進を容易にするナイフチャネルも含むことができる。
【0213】
ジョー部材1114a、1114bは、電気外科エネルギーを組織を通して効果的に伝達して組織封止を形成するように、互いに電気的に隔離されている。導電表面1116a、1116bはまた、エンドエフェクタ1112及び外管1144の残りの作動構成要素から隔離されている。複数のストップ部材を用いて、導電表面1116a、1116bの間の間隙距離を調整して、正確で一貫した信頼性の高い組織封止を確実にすることができる。
【0214】
電池アセンブリ1106の構造的かつ機能的態様は、
図1、
図2及び
図16~
図24に関して記載される外科用器具100の電池アセンブリ106のものと同様であり、
図20~
図24に関して記載される電池回路を含む。したがって、開示の簡潔性及び明確性のために、そのような電池アセンブリ106の構造的かつ機能的態様は、参照により本明細書に組み込まれ、ここでは繰り返さない。更に、RF発生器回路の構造的かつ機能的態様は、
図34~
図37に関して記載される外科用器具500、600について記載されるRF発生器回路のものと同様である。したがって、開示の簡潔性及び明確性のために、そのようなRF発生器回路の構造的かつ機能的態様は、参照により本明細書に組み込まれ、ここでは繰り返さない。更に、外科用器具1100は、
図12~
図15に関して記載される電池及び制御回路を含み、例えば、
図14に関して記載される制御回路210及び
図15に関して記載される電気回路300を含む。したがって、開示の簡潔性及び明確性のために、
図12~
図15に関して記載される回路の説明は、参照により本明細書に組み込まれ、ここでは繰り返さない。
【0215】
切断機構と、シャフトの長手方向軸から離れてエンドエフェクタを偏向するように動作可能な関節接合部とを備える電気外科用器具に関するより詳細な説明については、米国特許第9,028,478号及び米国特許第9,113,907号(各々が参照により本明細書に組み込まれる)が参照される。
【0216】
図54は、本開示の一態様による、遠位関節接合を有するモジュール電池式手持ち型電気外科用器具1200を示す。外科用器具1200は、ハンドルアセンブリ1202、ナイフ駆動アセンブリ1204、電池アセンブリ1206、シャフトアセンブリ1210及びエンドエフェクタ1212を備える。エンドエフェクタ1212は、その遠位端に固着された対向関係の一対のジョー部材1214a、1214bを備える。エンドエフェクタ1212は、関節接合及び回転するように構成される。
図55は、本開示の一態様による、
図54に示す外科用器具1200の分解図である。組織を封止及び切断するための外科用器具1200と共に使用するためのエンドエフェクタ1212は、対向関係であり、互いに対して移動可能であり、それらの間に組織を把持する一対のジョー部材1214a、1214bを含む。いずれかのジョー部材1214a、1214bは、電気外科用エネルギー源(RF源)に接続するように適合されたジョーハウジング及び導電表面1216a、1216b、例えば、電極を含み得、それにより導電表面は、その間に保持された組織を通して電気外科用エネルギーを導電して組織封止をもたらすことができる。ジョー部材1214a、1214b及び導電表面1216a、1216bは、その中で定義され、かつナイフ駆動アセンブリ1204に接続されたナイフ駆動ロッド1245に連通するその長さに沿って延在するチャネルを含む。ナイフ1274(
図60~
図61)は、チャネルに沿って並進及び往復運動して、ジョー部材1214a、1214bの間に把持された組織を切断するように構成されている。ナイフは、Iビーム構成を有し、それによりナイフ1274がチャネルを通って前進すると、ジョー部材1214a、1214bが一緒に近づく。一態様では、導電表面1216a、1216bが、互いに対してオフセットされる。ナイフ1274は、鋭利な遠位端を含む。
【0217】
図54~
図55に示す外科用器具のハンドルアセンブリ1202は、モータアセンブリ1260及びナイフ駆動アセンブリ1204を備える。一態様では、ディスプレイアセンブリは、ハウジング1248に設けられてもよい。ディスプレイアセンブリは、例えば、ハンドルアセンブリ1202のハウジング1248部分に取り外し可能に接続可能なLCDディスプレイなどのディスプレイを備えてもよい。LCDディスプレイは、他のパラメータの中でも特に、組織の厚さ、封止の状態、切断の状態、組織厚さ、組織インピーダンス、実行中のアルゴリズム、電池容量などの外科手技パラメータの視覚ディスプレイを提供する。ここで
図54~
図55を参照すると、外科用器具1200は、高周波(RF)電流及びナイフ1274(
図60~
図61)を使用して、生体組織上で外科的凝固/切断処置を行い、高周波電流を用いて生体組織上で外科的凝固処置を行うように構成されている。高周波(RF)電流は、独立して又はアルゴリズム若しくはユーザ入力制御と組み合わせて適用され得る。ナイフ駆動アセンブリ1204、電池アセンブリ1206及びシャフトアセンブリ1210は、ハンドルアセンブリ1202に取り外し可能に接続可能なモジュール構成要素である。モータアセンブリ1240は、ハンドルアセンブリ1202内に位置してもよい。RF発生器及びモータ駆動回路は、
図34~
図37及び
図50に関して記載され、例えば、ハウジング1248内に位置している。ハウジング1248は、ハウジング1276内に配置された回路及び機構にアクセスするための取り外し可能なカバープレート1248を含む。ナイフ駆動アセンブリ1204は、ハンドルアセンブリ1202及びスイッチ部1220に動作可能に連結され、ナイフ1274を活性化及び駆動するためのギヤ及びリンクを含む。より詳細には、ナイフ1274はIビーム構成を有する。
【0218】
シャフトアセンブリ1210は、外管1244、ナイフ駆動ロッド1245及び内管(図示せず)を備えている。シャフトアセンブリ1210は、関節接合部1230を備える。エンドエフェクタ1212は、一対のジョー部材1214a、1214bと、そのジョー部材1214a、1214bに形成されたチャネルと往復動するように構成されナイフ1274とを備える。一態様では、ナイフ1274は、モータによって駆動されてもよい。ジョー部材1214a、1214bは、そのジョー部材1214a、1214bの間に把持された組織に高周波電流を送達するために、RF発生器回路に連結された導電表面1216a、1216bを含む。ジョー部材1214a、1214bは、ピボットピン1235を中心に枢動的に回転可能であり、ジョー部材1214a、1214bの間に組織を把持する。ジョー部材1214a、1214bは、トリガ1208に動作可能に連結され、それによりトリガ1208を握るとジョー部材1214a、1214bの一方又は両方が閉じて組織を把持し、トリガ1208を解放するとジョー部材1214a、1214bが開いて組織を解放する。例示的な例では、一方のジョー部材1214aは、他方のジョー部材1214bに対して移動可能である。他の態様では、両方のジョー部材1214a、1214bは、互いに対して移動可能であり得る。別の態様では、歪ゲージ又は圧力センサなどの力センサは、トリガ1208に連結され、ユーザによってトリガ1208に加えられる力を測定することができる。別の態様では、歪ゲージ又は圧力センサなどの力センサが、スイッチ部1220の第1及び第2のスイッチ1221a、1221bボタンに連結されてもよく、それにより変位強度が、ユーザによってスイッチ部1220の第1及び第2のスイッチ1221a、1221bボタンに加えられ得た力に対応する。
【0219】
ジョー部材1214aは、トリガ1208に動作可能に連結され、それによりトリガ1208を握ったときに、ジョー部材1214aが閉じて組織を把持し、トリガ1208を解放したときに、ジョー部材1214aが開いて組織を解放する。1段トリガ構成では、トリガ1208を握ってジョー部材1214aを閉じ、一旦ジョー部材1214aが閉じると、スイッチ部1220の第1のスイッチ1221aを起動して、RF発生器に通電して組織を封止する。組織を封止した後に、スイッチ部1220の第2のスイッチ1221bを起動して、ナイフを前進させて組織を切断する。様々な態様では、トリガ1208は、2段又は多段トリガであってよい。2段トリガ構成では、第1段の間、ジョー部材1214aを閉じる途中でトリガ1208を握り、第2段の間、RF発生器回路に通電して組織を封止する途中でトリガ1208を握る。組織を封止した後に、スイッチ1221a、1221bのうちの1つ起動して、ナイフを前進させて組織を切断する。組織を切断した後、トリガ1208を解放することによってジョー部材1214aを開き、組織を解放する。
【0220】
シャフトアセンブリ1210は、シャフトアセンブリ1210の長手軸「A」から離れてエンドエフェクタ1212を偏向させるように動作可能な関節接合部1230を含む。ダイヤル1232a、1232bは、細長いシャフトアセンブリ1210の遠位端で関節接合部1230を、長手方向軸A-Aに対して様々な関節接合配向に枢動させるように動作可能である。より具体的には、関節接合ダイヤル1232a、1232bは、下でより詳細に記載されるように、シャフトアセンブリ1210の関節接合部1230と動作的に連通している、複数のケーブル又は腱に動作可能に連結する。1つの関節接合ダイヤル1232aは、矢印「C1」によって示されるように、第1の平面、例えば垂直平面に枢動運動を誘導するように、矢印「C0」の方向に回転され得る。同様に、別の関節接合ダイヤル1232bは、矢印「D1」によって示されるように、第2の平面、例えば水平平面に枢動運動を誘導するように、矢印「D0」の方向に回転され得る。関節接合ダイヤル1232a、1232bの、矢印「C0」又は「D0」のいずれかの方向の回転は、関節接合部1230を中心としてシャフトアセンブリ1210を枢動又は関節接合する腱をもたらす。
【0221】
電池アセンブリ1206は、電気コネクタ1231によってハンドルアセンブリ1202に電気的に接続される。ハンドルアセンブリ1202は、スイッチ部1220が設けられている。第1のスイッチ1221a及び第2のスイッチ1221bは、スイッチ部1220内に設けられている。RF発生器は、第1のスイッチ1221aを作動させることによって通電され、ナイフ1274は、第2のスイッチ1221bを作動させることによってモータアセンブリ1240に通電することにより起動され得る。したがって、第1のスイッチ1221aは、RF回路に通電して、組織を通して高周波電流を駆動して封止を形成し、第2のスイッチ1221bは、モータに通電して、ナイフ1274を駆動して組織を切断する。他の態様では、ナイフ1274は、2段トリガ1208構成を使用して手動で発射されてもよい。電池アセンブリ1206の構造的かつ機能的な態様は、
図1、
図2及び
図16~
図24に関して記載された外科用器具100のための電池アセンブリ106のものと同様である。したがって、開示の簡潔性及び明確性のために、そのような電池アセンブリ106の構造的かつ機能的態様は、参照により本明細書に組み込まれ、ここでは繰り返さない。
【0222】
回転ノブ1218は、シャフトアセンブリ1210に動作可能に連結される。矢印1226によって示される方向に±360°の回転ノブ1218の回転は、外管1244を矢印1228のそれぞれの方向に±360°回転させる。エンドエフェクタ1212は、制御ボタンの作動が、矢印C1及びD1によって示される一方向にエンドエフェクタ1212を関節接合するように、制御ボタンによって関節接合されてもよい。更に、外管1244は、例えば、5mm~10mmの範囲の直径D3を有し得る。
【0223】
図56は、本開示の一態様による、電気的接続を含む、
図54に示す関節接合の拡大領域詳細図である。
図57は、本開示の一態様による、電気的接続を含む、
図56に示す関節接合の拡大領域詳細図である。ここで
図56~
図57を参照すると、それぞれ近位端と遠位端1222の間にシャフトアセンブリ1210上に作動可能に配設されるか、又は連結された関節接合部1230が示されている。
図56~
図57に示した態様では、関節接合部1230は、複数の関節接合リンク1233(リンク1233)によって定義される。リンク1233は、シャフトアセンブリ1210を、水平又は垂直平面のいずれかにおいて、長手方向軸「A-A]にわたって横方向に関節接合するように構成される。
図54を参照されたい。例示的な目的のために、水平平面にわたって関節接合されたシャフトアセンブリ1210を示す。
【0224】
リンク1233は、そのリンクを通して駆動機構、例えば駆動ロッドを受容するように構成された、リンクを通る中心環1238を集合的に定義する。理解され得るように、中心環1238の構成は、駆動ロッドが通る適切な隙間を提供する。中心環1238は、シャフトアセンブリ1210が非関節接合構成にあるとき、長手方向軸「A-A」に平行な、中心環を通る軸「B-B」を定義する。
図54を参照されたい。
【0225】
図56~
図57を引き続き参照して、リンク1233は、腱1234を介して関節接合ダイヤル1232a、1232bに動作可能に連結されている。例示的な目的のために、4つの腱1234が示されている。腱1234は、ステンレス鋼ワイヤ又は張力をリンク1233の最遠位リンクに伝送するために好適な他の材料で構成することができる。構成材料にかかわらず、腱1234は、その腱1234の長さにわたって増幅されるばね率を呈し、したがって腱1234は、外部負荷が細長いシャフトアセンブリ1210に加えられたときに伸張する傾向にあり得る。この伸張傾向は、例えば、外科医によって開始される関節接合ダイヤル1232a、1232bの対応する移動なしに、細長いシャフトアセンブリ1210の遠位端1222の配向の意図しない変化に関連付けられ得る。
【0226】
腱1234は、関節接合ダイヤル1232a、1232bが回転されると、腱1234を作動させる、例えば腱1234を「引っ張る」ように構成された関節接合ダイヤル1232a、1232bに動作可能に連結する。複数の腱1234は、1つ又は2つ以上の好適な連結方法を介してリンク1233に動作可能に連結される。より具体的には、リンク1233は、その中に定義された対応する複数の第1の開口又はボア1236aを含み(4つのボア1236aが代表図に示される)、これらはリンク1233に沿って放射状に配設され、共通の軸に沿って中心に配列されている。
図56を参照されたい。複数のボア1236aのボアは、腱1234を受容するように構成される。腱1234の遠位端は、好適な方法、例えば、上記の連結方法のうちの1つ又は2つ以上によって、リンク1233の最遠位のリンクに動作可能に連結される。
【0227】
図56~
図57を引き続き参照すると、リンク1233は、第2の複数のボア1236bを含む(4つのボア1236bは、
図56において最も良く見られるように、代表図に示される)。ボア1236bは、複数の導電リード1237(4本の導電リード1237が代表図に示される)の対応する導電リードを受容するように構成される。導電リード1237は、第2の複数のボア1236b内で第1の状態と第2の状態との間で遷移するように構成される。導電リード1237の遷移を容易にするために、ボア1236bは、導電リード1237が第1の状態にあるとき、導電リード1237の直径よりも大きい直径を含む。
【0228】
外科用器具1220は、複数の導電リード1237に電圧及び電流を選択的に誘導するように構成された電気回路を含み、それにより導電リード1237が第1の状態から第2の状態に遷移する。このため、発生器Gは、適切な割合の電圧電位Eoを提供する。電圧は、導電リード1237に電圧が誘導され、導電リードを通って電流が流れる。導電リード1237を通って流れる電流は、導電リード1237を第1の状態(
図56)から第2の状態(
図57)に遷移させる。第2の状態では、導電リード1237は、
図57において最も良く見られるように、導電リード1237と対応するボア1236bとの間に締まり嵌めを提供する。
【0229】
図58は、本開示の一態様による、
図54の外科用器具1200のシャフトアセンブリ1210、エンドエフェクタ1212及び切断部材1254の構成要素の斜視図を示す。
図59は、本開示の一態様による、関節接合の第2段にある関節接合部を示す。ここで
図58~
図59を参照すると、1つの関節接合バンド1256aは、セパレータ1261の片側凹部に摺動可能に配設されるが、第2の関節接合バンド1256b(
図59)は、セパレータ1261の反対側凹部に摺動可能に配設される。切断部材ドライバ管は、ドライバブロック1258を長手方向に駆動するように長手方向に移動可能であり、それにより切断部材1254を長手方向に移動させる。側方凹部は、関節接合バンド1256a、1256bとの接触表面積を低減するように構成された長手方向に延在する溝を含み、これにより、セパレータ1261と関節接合バンド1256a、1256bの間の摩擦を低減する。セパレータ1261はまた、低摩擦材料で形成することができ、かつ/又は摩擦を低減するための表面処理を含み得る。関節接合バンド1256a、1256bは、関節接合部1230を通って、シャフトアセンブリ1210の長さに沿って長手方向に延在している。1つの関節接合バンド1256aの遠位端1252は、アンカーポイントにおいてエンドエフェクタ1212の近位部分1250の片側に固定される。第2の関節接合バンド1256bの遠位端1262は、アンカーポイントにおいてエンドエフェクタ1212の近位部分1250の反対側に固定される。回転関節接合ノブは、関節接合バンド1256aを遠位方向に選択的に前進させると同時に、第2の関節接合バンド1256bを近位に後退させるように動作可能であり、逆もまた同様である。この対向する並進は、関節接合部1230を屈曲させ、それによりエンドエフェクタ1212を関節接合させることが理解されるべきである。特に、エンドエフェクタ1212は、関節接合バンド1256a、1256bが近位に後退されている方に向かって偏向し、関節接合バンド1256a、1256bが遠位に前進されている方から離れて偏向する。
【0230】
図58~
図59を引き続き参照すると、相互作用して関節接合部1230を屈曲させ、エンドエフェクタ1212を関節接合させる、上記の構成要素のうちのいくつかが示されている。
図58では、関節接合1230は、直線構成にある。次いで、関節接合ダイヤル1232a、1232b(
図54~
図55)のうちの1つを回転させて、リードスクリューを近位に並進させ、別のリードスクリューを遠位に前進させる。1つのリードスクリューの近位並進が、関節接合バンド1256bを近位に引き、これが関節接合部1230を
図59に示すように曲げ始める。関節接合部1230のこの曲げが、他の関節接合バンド1256aを遠位に引く。関節接合ダイヤル1232a、1232bの回転に応じたリードスクリューの遠位前進が、関節接合バンド1256a及び駆動部材を遠位に前進可能にする。いくつかの他のバージョンでは、リードスクリューの遠位前進は、駆動部材及び関節接合バンド1256aを遠位に能動的に駆動する。ユーザが、関節接合ダイヤル1232a、1232bのうちの1つを回転させ続けると、上記の相互作用が同じように継続し、その結果、
図59に示すように関節接合部1230の更なる曲げを生じる。関節接合ダイヤル1232a、1232bを逆方向に回転させることにより、関節接合部1230が矯正され、また反対方向の更なる回転により、関節接合部1230が逆方向に屈曲することが理解されるべきである。
【0231】
図60は、本開示の一態様による、開放構成にある
図54~
図59の装置のエンドエフェクタ1212の斜視図を示す。本実施例のエンドエフェクタ1212は、一対のジョー部材1214a、1214bを備える。本実施例では、1つのジョー部材1214bは、シャフトアセンブリに対して固定されているが、他のジョー部材1214aは、シャフトアセンブリに対して、他のジョー部材1214bに向かって、及びそれから離れて枢動する。いくつかのバージョンでは、ロッド又はケーブルなどのアクチュエータは、シースを通して延在し、枢動連結具において1つのジョー部材1214aと接合されてもよく、それによりシャフトアセンブリを通るアクチュエータロッド/ケーブルなどの長手方向移動は、シャフトアセンブリに対して、及び第2のジョー部材1214bに対して、ジョー部材1214aの枢動を提供する。当然のことながら、ジョー部材1214a、1214bは、代わりに、任意の他の好適な種類の移動を有してもよく、また任意の他の好適な方法で作動されてもよい。単なる例として、ジョー部材1214a、1214bは、発射ビーム1266の長手方向並進によって作動され、したがって閉鎖することができ、それによりいくつかのバージョンでは、アクチュエータロッド/ケーブルなどを単に排除することができる。1つのジョー部材1214aの上側は、複数の歯セレーション1272を含む。他のジョー部材1214bの下側は、必ずしも組織を引き裂くことなく、エンドエフェクタ1212のジョー部材1214a、1214bの間に捕捉された組織の把持を強化するためにセレーション1272と入れ子になっている相補的セレーション1277を含み得ることが理解されるべきである。
【0232】
図61は、本開示の一態様による、閉鎖構成にあり、かつブレード1274が遠位位置にある
図60のエンドエフェクタ1212の断面端面図を示す。ここで
図60~
図61を参照すると、一方のジョー部材1214aは、長手方向に延在する細長いスロット1268を定義するが、他方のジョー部材1214bはまた、長手方向に延在する細長いスロット1270を定義する。加えて、一方のジョー部材1214aの下側は、導電表面1216aを提示するが、他方のジョー部材1214bの上側は、別の導電表面1216bを提示する。導電表面1216a、1216bは、シャフトアセンブリの長さに沿って延在する1つ又は2つ以上の導電体(図示せず)を介して、電源1278及びコントローラ1280と連通している。電源1278は、第1の極性でRFエネルギーを第1の導電表面1216bに送達し、かつ第2の(逆の)極性で第2の導電表面1216aに送達するように動作可能であり、それによりRF電流は、導電表面1216a、1216bの間に流れ、またそれによりジョー部材1214a、1214bの間に捕捉された組織を通って流れる。いくつかのバージョンでは、発射ビーム1266は、ジョー部材1214a、1214bの間に捕捉されたバイポーラRFエネルギーを送達するために、導電表面1216a、1216b(例えば、接地帰路として)と協働する導電体として機能する。電源1278は、本明細書に引用される1つ又は2つ以上の参考文献に記載されるように、ないしは別の方法で、外科用器具1200の外部にあり得るか、又は外科用器具1200と(例えば、ハンドルアセンブリ1202などにおいて)一体であってもよい。コントローラ1280は、電源1278から導電表面1216a、1216bへの電力の送達を規制する。コントローラ1280はまた、外科用器具1200の外部にあり得るか、又は本明細書に引用される1つ又は2つ以上の参考文献に記載されるように、ないしは別の方法で、外科用器具1200と(例えば、ハンドルアセンブリ1202などにおいて)一体であってもよい。導電表面1216a、1216bは、種々の代替位置、構成及び関係で提供され得ることも理解されるべきである。
【0233】
依然として
図60~
図61を参照して、本実施例の外科用器具1200は、エンドエフェクタ1212の長さの一部に沿って長手方向に移動可能である、発射ビーム1266を含む。発射ビーム1266は、シャフトアセンブリ1210内で同軸的に位置決めされ、シャフトアセンブリ1210の長さに沿って延在し、かつシャフトアセンブリ1210内で長手方向に並進するが(本実施例では、関節接合部1230を含む)、発射ビーム12660及びシャフトアセンブリ1210が、任意の他の好適な関係を有してもよいことを理解されたい。発射ビーム1266は、鋭利な遠位端を有するナイフ1274、上部フランジ1281及び下部フランジ1282を含む。
図61に最も良く見られるように、ナイフ1274は、ジョー部材1214a、1214bのスロット1268、1270を通して延在し、上フランジ1281は、凹部1284内でジョー部材1214aの上に位置し、下フランジ1282は、凹部1286内でジョー部材1214bの下に位置している。ナイフ1274及びフランジ1281、1282の構成は、発射ビーム1266の遠位端において「I-ビーム」型の断面を提供する。本実施例では、フランジ1281、1282は、発射ビーム1266の長さの僅かな部分のみに沿って長手方向に延在するが、フランジ1281、1282は、発射ビーム1266の任意の好適な長さに沿って長手方向に延在していてもよいことを理解されたい。加えて、フランジ1281、1282は、ジョー部材1214a、1214bの外側に沿って位置決めされているが、フランジ1281、1282は、代替として、ジョー部材1214a、1214b内に形成された対応するスロット内に配設されていてもよい。例えば、ジョー部材1214a、1214bは、「T」形状のスロットを定義することができ、ナイフ1274の一部は、「T」形状のスロットの1つの垂直部分に配設され、フランジ1281、1282は、「T」形状のスロットの水平部分に配設されている。本明細書の教示を考慮することで、様々な他の好適な構成及び関係が、当業者に明らかになるであろう。単なる例として、エンドエフェクタ1212は、導電表面1216a、1216bに隣接して、及び/又は他の場所に位置する、1つ又は2つ以上の正の温度係数(PTC)サーミスタ本体1288、1290(例えば、PTCポリマーなど)を含んでもよい。
【0234】
電池アセンブリ1206の構造的かつ機能的態様は、
図1、
図2、及び
図16~
図24に関して記載される外科用器具100の電池アセンブリ106のものと同様であり、
図20~
図24に関して記載される電池回路を含む。したがって、開示の簡潔性及び明確性のために、そのような電池アセンブリ106の構造的かつ機能的態様は、参照により本明細書に組み込まれ、ここでは繰り返さない。更に、RF発生器回路の構造的かつ機能的態様は、
図34~
図37に関して記載される外科用器具500、600について記載されるRF発生器回路のものと同様である。したがって、開示の簡潔性及び明確性のために、そのようなRF発生器回路の構造的かつ機能的態様は、参照により本明細書に組み込まれ、ここでは繰り返さない。更に、外科用器具1200は、
図12~
図15に関して記載される電池及び制御回路を含み、例えば、
図14に関して記載される制御回路210及び
図15に関して記載される電気回路300を含む。したがって、開示の簡潔性及び明確性のために、
図12~
図15に関して記載される回路の説明は、参照により本明細書に組み込まれ、ここでは繰り返さない。
【0235】
切断機構と、シャフトの長手方向軸から離れてエンドエフェクタを偏向するように動作可能な関節接合部とを備える電気外科用器具に関するより詳細な説明については、米国公開第2013/0023868号(参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0236】
本明細書に記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれかを、モータ又は他の電動装置を含むように修正して、そうでなければ手動で移動される構成要素を駆動することができることも理解されたい。そのような修正の様々な例は、米国公開第2012/0116379号及び米国公開第2016/0256184号に記載されており、各々が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書の教示を考慮することで、モータ又は他の電動装置が本明細書の任意の装置に組み込まれ得る、様々な他の好適な方法が、当業者に明らかになるであろう。
【0237】
図11~
図15、
図20~
図24、
図34~
図37、及び
図50に関して記載される回路は、単独で、又は本明細書に記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれかと組み合わせて動作するように構成され得ることも理解されたい。
【0238】
図62~
図70は、
図1~
図61に関して記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれか1つと共に動作するように構成された様々な回路を説明する。ここで
図62を参照すると、本開示の一態様による、外科用器具の制御回路1300の構成要素が示される。制御回路1300は、揮発性メモリ1304に連結されたプロセッサ1302、1つ又は2つ以上のセンサ1306、不揮発性メモリ1308及び電池1310を備える。一態様では、外科用器具は、制御回路1300を収容し、かつ電力保存モードを実装するための汎用的な制御を含む、ハンドルハウジングを備えることができる。いくつかの態様では、プロセッサ1302は、1つ又は2つ以上の2次プロセッサを含む外科用器具の一次プロセッサであってよい。いくつかの態様では、プロセッサ1302は、電池1310内に格納されてもよい。このプロセッサ1302は、制御プログラム又は他のソフトウェアモジュールなどの機械実行可能な命令を実行することによって、外科用器具の様々な動作及び機能を制御するように構成されている。例えば、プロセッサ1302によるエネルギーモダリティ制御プログラムの実行は、外科用器具を使用する外科医によって患者組織に印加される特定のタイプのエネルギーの選択を可能にする。外科用器具は、外科用器具のハンドル上に位置するエネルギーモダリティアクチュエータを備えてよい。アクチュエータは、スライダ、トグルスイッチ、セグメント化瞬間接触スイッチ、又はいくつかの他のタイプのアクチュエータであってもよい。エネルギーモダリティアクチュエータの作動により、プロセッサ1302は、選択されたタイプのエネルギーに対応するエネルギーモダリティを起動する。このタイプのエネルギーは、超音波、RF、又は超音波エネルギー及びRFエネルギーの組み合わせであり得る。様々な態様では、一般に、プロセッサ1302は、
図63に示されるように、外科用器具の複数の回路セグメントに電気的に連結され、通電及び非通電シーケンスに従って、回路セグメントを起動又は停止する。
【0239】
ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ1304は、プロセッサ1302が動作中の間、例えばプロセッサ1302が制御プログラム又はソフトウェアモジュールを実行するとき、選択された制御プログラム又は他のソフトウェアモジュールを一時的に記憶する。1つ又は2つ以上のセンサ1306は、力センサ、温度センサ、電流センサ又は運動センサを含むことができる。いくつかの態様では、1つ又は2つ以上のセンサ1306は、シャフト、エンドエフェクタ、電池若しくはハンドル、又はそれらの任意の組み合わせ若しくは部分的組み合わせに位置し得る。1つ又は2つ以上のセンサ1306は、
図1~
図61に関して記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれかの1つの動作、例えばエンドエフェクタのジョーにより把持される組織の存在又はモータにより加えられる力に関連するデータを伝送する。一態様では、1つ又は2つ以上のセンサ1306は、安全性チェック及び電源オンセルフテスト(Power On Self Test、POST)に基づいて、回路セグメントの機能又は動作を検証する加速度計を含むことができる。制御プログラム又は他のソフトウェアモジュールなどの機械実行可能な命令は、不揮発性メモリ1308に記憶される。例えば、不揮発性メモリ1308は、ベーシック・インプット/アウトプット・システム(Basic Input/Output System、BIOS)プログラムを記憶する。不揮発性メモリ1308は、読み出し専用メモリ、消去可能プログラマブルROM(erasable programmable ROM、EPROM)、EEPROM、フラッシュメモリ、又はいくつかの他のタイプの不揮発性メモリ装置であってもよい。制御プログラムの様々な例は、米国公開第2015/0272578号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。電池1310は、電流を発生させる電源電圧を提供することによって、外科用器具に電力供給する。電池1310は、
図63に示したモータ制御回路セグメント1428を含むことができる。
【0240】
一態様では、プロセッサ1302は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、プロセッサ1302は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られている、TMS570及びRM4xなど、2つのマイクロコントローラ系ファミリーを含む安全プロセッサとして実装され得る。それにもかかわらず、マイクロコントローラ及び安全プロセッサに好適な他の置換品も制限なく用いることができる。一態様では、安全プロセッサは、拡張性がある性能、接続性及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全特性を提供するために、中でも特に、IEC 61508及びISO 26262の安全限界用途向けに特異的に構成されてもよい。
【0241】
特定の態様では、プロセッサ1302は、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってもよい。少なくとも一例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、製品データシートから容易に入手可能な他の機構の中でも特に、最大40MHz、256KBの単一サイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリと、40MHz超の性能を改善するためのプリフェッチバッファと、32KBの単一サイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)と、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み取り専用メモリ(ROM)と、2KBの電気的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)と、1つ又は2つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュールと、1つ又は2つ以上の直交エンコーダ入力(QEDアナログと、12個のアナログ入力チャネルを備えた、1つ又は2つ以上の12ビットアナログデジタル変換器(ADC)と、を備えたARM Cortex-M4Fプロセッサコアである。他のプロセッサが容易に代用されてもよく、したがって、本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
【0242】
図63は、本開示の一態様による、複数の独立して動作する回路セグメント1402、1414、1416、1420、1424、1428、1434、1440を含む、セグメント化回路1401のシステム
図1400である。セグメント化回路1401の複数の回路セグメントの回路セグメントは、1つ又は2つ以上の回路と、1つ又は2つ以上のメモリ装置に記憶された1つ又は2つ以上の機械実行可能命令のセットとを含む。回路セグメントの1つ又は2つ以上の回路は、1つ又は2つ以上の有線又は無線接続媒体を通して電気通信のために連結される。複数の回路セグメントは、スリープモード、スタンバイモード及び動作モードを含む3つのモードの間で遷移するように構成される。
【0243】
一態様では、複数の回路セグメント1402、1414、1416、1420、1424、1428、1434、1440は、第1にスタンバイモードで開始し、第2にスリープモードに遷移し、第3に動作モードへ遷移する。しかしながら、他の態様では、複数の回路セグメントは、3つのモードのうちのいずれか1つから、3つのモードのうちの任意の他の1つに遷移することができる。例えば、複数の回路セグメントは、スタンバイモードから動作モードに直接遷移することができる。個々の回路セグメントは、機械実行可能命令のプロセッサ1302による実行に基づいて、電圧制御回路1408によって特定の状態に置かれ得る。これらの状態は、非通電状態、低エネルギー状態及び通電状態を含む。非通電状態はスリープモードに対応し、低エネルギー状態はスタンバイモードに対応し、通電状態は動作モードに対応する。低エネルギー状態への遷移は、例えば、ポテンショメータの使用によって実現することができる。
【0244】
一態様では、複数の回路セグメント1402、1414、1416、1420、1424、1428、1434、1440は、通電シーケンスに従ってスリープモード又はスタンバイモードから動作モードに遷移することができる。複数の回路セグメントはまた、非通電シーケンスに従って動作モードからスタンバイモード又はスリープモードに遷移することができる。通電シーケンス及び非通電シーケンスは異なっていてもよい。いくつかの態様では、複数の回路セグメントの回路セグメントのサブセットのみに通電することを含む。いくつかの態様では、複数の回路セグメントの回路セグメントのサブセットのみに非通電することを含む。
【0245】
図63におけるシステム
図1400に戻って参照すると、セグメント化回路1401は、遷移回路セグメント1402、プロセッサ回路セグメント1414、ハンドル回路セグメント1416、通信回路セグメント1420、ディスプレイ回路セグメント1424、モータ制御回路セグメント1428、エネルギー処理回路セグメント1434及びシャフト回路セグメント1440を含む、複数の回路セグメントを備える。遷移回路セグメントは、ウェイクアップ回路1404、ブースト電流回路1406、電圧制御回路1408、安全コントローラ1410及びPOSTコントローラ1412を備える。遷移回路セグメント1402は、非通電及び通電シーケンス、安全検出プロトコル並びにPOSTを実装するように構成される。
【0246】
いくつかの態様では、ウェイクアップ回路1404は、加速度計ボタンセンサ1405を含む。態様では、遷移回路セグメント1402は、通電状態にあるように構成されるが、セグメント化回路1401の複数の回路セグメントの他の回路セグメントは、低エネルギー状態、非通電状態又は通電状態にあるように構成される。加速度計ボタンセンサ1405は、
図1~
図61に関して本明細書に記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれか1つの移動又は加速を監視することができる。例えば、移動は、外科用器具の配向又は回転の変化であり得る。外科用器具は、例えば、外科用器具のユーザによって、3次元ユークリッド空間に対して任意の方向に移動することができる。加速度計ボタンセンサ1405が移動又は加速を感知すると、加速度計ボタンセンサ1405は、電圧制御回路1408に信号を送り、電圧制御回路1408がプロセッサ回路セグメント1414に電圧を印加して、プロセッサ1302及び揮発性メモリ1304を通電状態に遷移させる。態様では、プロセッサ1302及び揮発性メモリ1304は、電圧制御回路1409がプロセッサ1302及び揮発性メモリ1304に電圧を印加する前に、通電状態にある。動作モードでは、プロセッサ1302は、通電シーケンス又は非通電シーケンスを開始することができる。様々な態様では、加速度計ボタンセンサ1405はまた、プロセッサ1302に信号を送り、プロセッサ1302に通電シーケンス又は非通電シーケンスを開始させることができる。いくつかの態様では、プロセッサ1302は、個々の回路セグメントの大部分が低エネルギー状態又は非通電状態にあるときに、通電シーケンスを開始する。他の態様では、プロセッサ1302は、個々の回路セグメントの大部分が通電状態にあるときに、非通電シーケンスを開始する。
【0247】
追加として又は代替として、加速度計ボタンセンサ1405は、外科用器具の所定の近傍内の外部移動を感知することができる。例えば、加速度計ボタンセンサ1405は、所定の近傍内でユーザの手を動かすことにより、
図1~
図61に関して本明細書に記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれかをユーザに感知させることができる。加速度計ボタンセンサ1405が、この外部移動を感知すると、加速度計ボタンセンサ1405は、前述のように、電圧制御回路1408に信号を送り、かつプロセッサ1302に信号を送ることができる。送られた信号を受信した後、プロセッサ1302は、通電シーケンス又は非通電シーケンスを開始して、1つ又は2つ以上の回路セグメントを3つのモード間で遷移させることができる。態様では、電圧制御回路1408に送られた信号は、プロセッサ1302が動作モードにあることを検証するために送られる。いくつかの態様では、加速度計ボタンセンサ1405は、外科用器具が落下したときを感知し、感知された落下に基づいてプロセッサ1302に信号を送ることができる。例えば、信号は、個々の回路セグメントの動作におけるエラーを示すことができる。1つ又は2つ以上のセンサ1306は、影響された個々の回路セグメントの損傷又は誤動作を感知することができる。感知された損傷又は誤動作に基づいて、POSTコントローラ1412は、対応する個々の回路セグメントのPOSTを実施することができる。
【0248】
通電シーケンス又は非通電シーケンスは、加速度計ボタンセンサ1405に基づいて定義されてもよい。例えば、加速度計ボタンセンサ1405は、複数の回路セグメントの特定の回路セグメントの選択を示す、特定の運動又は運動のシーケンスを感知することができる。感知された運動又は一連の感知された運動に基づいて、加速度計ボタンセンサ1405は、プロセッサ1302が通電状態にあるときに、複数の回路セグメントのうちの1つ又は2つ以上の回路セグメントの指示を含む信号を、プロセッサ1302に送信することができる。この信号に基づいて、プロセッサ1302は、選択された1つ又は2つ以上の回路セグメントを含む通電シーケンスを決定する。追加として又は代替として、
図1~
図61に関して本明細書に記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれか1つのユーザは、多くの回路セグメント及びその順序を選択して、外科用器具のグラフィックユーザインターフェース(graphical user interface、GUI)との相互作用に基づいて、通電シーケンス又は非通電シーケンスを定義することができる。
【0249】
様々な態様では、加速度計ボタンセンサ1405は、
図1~
図61に関して本明細書に記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれか1つの移動、又は所定の閾値を上回る所定の近傍内の外部移動を検出したときにのみ、電圧制御回路1408に信号を送り、かつプロセッサ1302に信号を送ることができる。例えば、移動が5秒以上感知された場合、又は外科用器具が13センチメートル以上(5インチ以上)移動された場合にのみ、信号を送ることができる。他の態様では、加速度計ボタンセンサ1405は、加速度計ボタンセンサ1405が、外科用器具の振動移動を検出したときにのみ、電圧制御回路1408に信号を送り、かつプロセッサ1302に信号を送ることができる。所定の閾値は、外科用器具の回路セグメントの不用意な遷移を低減する。前述のように、遷移は、通電シーケンスに従う動作モードへの遷移、非通電シーケンスに従う低エネルギーモードへの遷移又は非通電シーケンスに従うスリープモードへの遷移を含むことができる。いくつかの態様では、外科用器具は、外科用器具のユーザによって作動され得るアクチュエータを備える。この作動は、加速度計ボタンセンサ1405によって感知される。アクチュエータは、スライダ、トグルスイッチ、又は瞬間接触スイッチであってもよい。感知された作動に基づいて、加速度計ボタンセンサ1405は、電圧制御回路1408に信号を送り、かつプロセッサ1302に信号を送ることができる。
【0250】
ブースト電流回路1406は、電池1310に連結されている。ブースト電流回路1406は、リレーやトランジスタなどの電流増幅器であり、個々の回路セグメントの電流の大きさを増幅するように構成されている。電流の初期の大きさは、電池1310によってセグメント化回路1401に提供される電源電圧に対応する。好適なリレーは、ソレノイドを含む。好適なトランジスタは、電界効果トランジスタ(FET)、MOSFET及びバイポーラ接合トランジスタ(bipolar junction transistor、BJT)を含む。ブースト電流回路1406は、
図1~
図61に関して記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれか1つの銅さ中により多くの電流ドローを必要とする、個々の回路セグメント又は回路に対応する電流の大きさ増幅させることができる。例えば、モータ制御回路セグメント1428に対する電流の増加は、外科用器具のモータがより多くの入力電力を必要とするときに提供され得る。個々の回路セグメントに提供される電流の増加は、別の回路セグメント又は回路セグメントの対応する電流の減少を引き起こすことができる。追加として又は代替として、電流の増加は、電池1310と共に動作する追加の電圧源によって提供される電圧に対応することができる。
【0251】
電圧制御回路1408は、電池1310に連結されている。電圧制御回路1408は、複数の回路セグメントに電圧を提供するか、又はそれらから電圧を除去するように構成される。電圧制御回路1408はまた、セグメント化回路1401の複数の回路セグメントに提供される電圧を増加又は低減するように構成される。様々な態様では、電圧制御回路1408は、入力を選択するマルチプレクサ(MUX)などの組み合わせ論理回路、複数の電子スイッチ及び複数の電圧変換器を備える。複数の電子スイッチの電子スイッチは、開放構成と閉鎖構成との間で切り換えて、個々の回路セグメントを電池1310に接続するか、又は接続を切るように構成されてもよい。複数の電子スイッチは、トランジスタなどの固体装置、又は中でも特に、無線スイッチ、超音波スイッチ、加速度計、慣性センサなどの他のタイプのスイッチをであってもよい。組み合わせ論理回路は、開放構成に切り換えて、対応する回路セグメントへの電圧の印加を可能にするために、個々の電子スイッチを選択するように構成されている。組み合わせ論理回路はまた、閉鎖構成に切り換えて、対応する回路セグメントからの電圧の除去を可能にするために、個々の電子スイッチを選択するように構成されている。複数の個々の電子スイッチを選択することにより、組み合わせ論理回路は、非通電シーケンス又は通電シーケンスを実装することができる。複数の電圧変換器は、複数の回路セグメントに昇圧電圧又は降圧電圧を提供することができる。電圧制御回路1408はまた、
図62に示すように、マイクロプロセッサ及びメモリ装置を含んでもよい。
【0252】
安全コントローラ1410は、回路セグメントの安全チェックを実施するように構成されている。いくつかの態様では、安全コントローラ1410は、1つ又は2つ以上の個々の回路セグメントが動作モードにあるとき、安全チェックを実施する。安全チェックは、回路セグメントの機能又は動作に任意のエラー又は欠陥があるかどうかを決定するために実施されてもよい。安全コントローラ1410は、複数の回路セグメントのうちの1つ又は2つ以上のパラメータを監視してもよい。安全コントローラ1410は、1つ又は2つ以上のパラメータを既定のパラメータと比較することによって、複数の回路セグメントの同一性及び動作を検証することができる。例えば、RFエネルギーモダリティが選択されると、安全コントローラ1410は、シャフトの関節接合パラメータが既定の関節接合パラメータに一致していることを検証し、
図1~
図61に関して記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれか1つのRFエネルギーモダリティの動作を検証することができる。いくつかの態様では、安全コントローラ1410は、センサ1306によって、故障を検出するために外科用器具の1つ又は2つ以上の特性の間の所定の関係を監視してもよい。1つ又は2つ以上の特性が所定の関係に不一致であるときに、障害が生じ得る。安全コントローラ1410が、障害が存在するか、エラーが存在するか又は複数の回路セグメントの一部の動作が検証されなかったと判断したとき、安全コントローラ1410は、その故障、エラー又は検証失敗が発生した特定の回路セグメントの動作を防止するか又は無効にする。
【0253】
POSTコントローラ1412は、複数の回路セグメントの適正動作を検証するためのPOSTを実施する。いくつかの態様では、POSTは、個々の回路セグメントに電圧を印加して個々の回路セグメントをスタンバイモード又はスリープモードから動作モードに遷移させる電圧制御回路1408の前に、複数の回路セグメントの個々の回路セグメントに対して実施される。個々の回路セグメントがPOSTを通過しない場合、特定の回路セグメントは、スタンバイモード又はスリープモードから動作モードに遷移しない。ハンドル回路セグメント1416のPOSTは、例えば、ハンドル制御センサ1418が、
図1~
図61に関して記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれか1つのハンドル制御の作動を感知するかどうかを試験することを含み得る。いくつかの態様では、POSTコントローラ1412は、加速度計ボタンセンサ1405に信号を送り、個々の回路セグメントの動作をポストの一部として検証することができる。例えば、信号を受信した後、加速度計ボタンセンサ1405は、外科用器具のユーザに、外科用器具を複数の検証位置に移動させて、外科用器具の動作を確認するように促すことができる。加速度計ボタンセンサ1405はまた、POSTの一部としての回路セグメントの出力又は回路セグメントの回路を監視してもよい。例えば、加速度計ボタンセンサ1405は、モータ1432によって生成された増分モータパルスを感知して、動作を検証することができる。モータ制御回路1430のモータコントローラを使用して、モータ1432を制御して増分モータパルスを生成することができる。
【0254】
様々な態様では、
図1~
図61に関して記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれか1つは、使用され得る追加の加速度計ボタンセンサを備えてもよい。POSTコントローラ1412はまた、電圧制御回路1408のメモリ装置に記憶されている制御プログラムを実行してもよい。制御プログラムは、POSTコントローラ1412に、複数の回路セグメントから一致する暗号化パラメータを要求する信号を送信させることができる。個々の回路セグメントから一致した暗号化パラメータを受信することの失敗は、対応する回路セグメントが破損又は誤動作していることをPOSTコントローラ1412に示す。いくつかの態様では、POSTコントローラ1412が、プロセッサ1302が破損又は誤動作しているというPOSTに基づいて判断する場合、POSTコントローラ1412は、1つ又は2つ以上の二次プロセッサに信号を送り、1つ又は2つ以上の二次プロセッサに、プロセッサ1302が実施することができない重要な機能を実施させることができる。いくつかの態様では、POSTコントローラ1412が、1つ又は2つ以上の回路セグメントが適切に動作していないというPOSTに基づいて判断する場合、POSTコントローラ1412は、POSTに失敗したか、又は適切に動作していない回路セグメントをロックアウトしながら、適切に動作する回路セグメントの低減した性能モードを開始することができる。ロックアウトした回路セグメントは、スタンバイモード又はスリープモードの回路セグメントと同様に機能することができる。
【0255】
プロセッサ回路セグメント1414は、
図62を参照して記載されるプロセッサ1302及び揮発性メモリ1304を備えている。このプロセッサ1302は、通電又は非通電シーケンスを開始するよう構成されている。通電シーケンスを開始するために、プロセッサ1302は、電圧制御回路1408に通電信号を送信して、電圧制御回路1408に、通電シーケンスに従って複数の回路セグメント又は複数の回路セグメントのサブセットに電圧を印加させる。非通電シーケンスを開始するために、プロセッサ1302は、電圧制御回路1408に非通電信号を送信して、電圧制御回路1408に、非通電シーケンスに従って複数の回路セグメント又は複数の回路セグメントのサブセットから電圧を除去させる。
【0256】
ハンドル回路セグメント1416は、ハンドル制御センサ1418を備える。ハンドル制御センサ1418は、
図1~
図61に関して本明細書に記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれか1つの1つ又は2つ以上のハンドル制御の作動を感知することができる。様々な態様では、1つ又は2つ以上のハンドル制御は、クランプ制御、解除ボタン、関節接合スイッチ、エネルギー起動ボタン、及び/又は任意の他の適切なハンドル制御を含む。ユーザは、エネルギー起動ボタンを起動して、RFエネルギーモード、超音波エネルギーモード、又はRFエネルギーモード及び超音波エネルギーモードの組み合わせを選択することができる。ハンドル制御センサ1418はまた、外科用器具へのモジュールハンドルの取設を容易にすることができる。例えば、ハンドル制御センサ1418は、外科用器具へのモジュールハンドルの適正な取設を感知して、外科用器具のユーザに感知した取設を示すことができる。LCDディスプレイ1426は、感知された取設のグラフィック表示を提供することができる。いくつかの態様では、ハンドル制御センサ1418は、1つ又は2つ以上のハンドル制御の作動を感知する。感知された作動に基づいて、プロセッサ1302は、通電シーケンス又は非通電シーケンスのいずれかを開始することができる。
【0257】
通信回路セグメント1420は、通信回路1422を備えている。通信回路1422は、複数の回路セグメントの個々の回路セグメント間の信号通信を容易にするための通信インターフェースを含む。いくつかの態様では、通信回路1422は、電気的に通信するために、
図1~
図61に関して本明細書に記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれか1つのモジュール構成要素のための経路を提供する。例えば、モジュールシャフト及びモジュール変換器は、外科用器具のハンドルに一緒に取設されたとき、通信回路1422を介して制御プログラムをハンドルにアップロードすることができる。
【0258】
ディスプレイ回路セグメント1424は、LCDディスプレイ1426を備えている。LCDディスプレイ1426は、液晶ディスプレイスクリーン、LEDインジケータなどを備えることができる。いくつかの態様では、LCDディスプレイ1426は、有機発光ダイオード(organic light-emitting diode、OLED)スクリーンである。ディスプレイ226は、
図1~
図61に関して本明細書に記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれか1つに配置され得るか、埋め込まれ得るか、又は遠隔に位置し得る。例えば、ディスプレイ226は、外科用器具のハンドル上に配置され得る。ディスプレイ226は、ユーザに感覚フィードバックを提供するように構成される。様々な態様では、LCDディスプレイ1426は、バックライトを更に備える。いくつかの態様では、外科用器具はまた、スピーカ又はブザーなどの可聴フィードバック装置と、触覚アクチュエータなどの触覚フィードバック装置とを備えることができる。
【0259】
モータ制御回路セグメント1428は、モータ1432に連結されたモータ制御回路1430を備える。モータ1432は、ドライバ及びFETなどのトランジスタによってプロセッサ1302に連結されている。様々な態様では、モータ制御回路1430は、プロセッサ1302と信号通信するモータ電流センサを含み、プロセッサ1302へのモータの電流ドローの測定を示す信号を提供する。プロセッサは、ディスプレイ226に信号を送信する。ディスプレイ226は、この信号を受信し、モータ1432の電流ドローの測定値を表示する。プロセッサ1302は、信号を使用して、例えば、モータ1432の電流ドローが許容範囲内に存在することを監視し、電流ドローを複数の回路セグメントの1つ又は2つ以上のパラメータと比較し、患者処置部位の1つ又は2つ以上のパラメータを決定することができる。様々な態様では、モータ制御回路1430は、モータの動作を制御するモータコントローラを備える。例えば、モータ制御回路1430は、例えばモータ1432の速度、トルク及び加速度を調整することによって、様々なモータパラメータを制御する。この調整は、モータ電流センサにより測定されたモータ1432を通る電流に基づいて行われる。
【0260】
様々な態様では、モータ制御回路1430は、モータ1432によって生成される力及びトルクを測定する力センサを備える。モータ1432は、
図1~
図61に関して本明細書に記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれか1つの機構を作動させるように構成される。例えば、モータ1432は、クランプ、回転及び関節接合の機能性を実現するために、外科用器具のシャフトの作動を制御するように構成される。例えば、モータ1432は、外科用器具のジョーとのクランプ運動を実現するためにシャフトを作動させることができる。モータコントローラは、ジョーによってクランプされた材料が、組織又は金属であるかどうかを決定することができる。モータコントローラはまた、ジョーが材料をクランプする程度を決定してもよい。例えば、モータコントローラは、感知されたモータ電流又はモータ電圧の誘導体に基づいて、ジョーの開閉の程度を決定することができる。いくつかの態様では、モータ1432は、変換器を作動させて、変換器がハンドルにトルクを印加するようにするか、又は外科用器具の関節接合を制御するように構成される。モータ電流センサは、モータコントローラと相互作用して、モータ電流制限を設定することができる。電流が既定の閾値制限を満たす場合、モータコントローラは、モータ制御動作の対応する変更を開始する。例えば、モータ電流制限を超えると、モータコントローラにモータの電流ドローを低減させる。
【0261】
エネルギー処置回路セグメント1434は、RF増幅器及び安全回路1436と、超音波信号発生器回路1438とを含み、
図1~
図61に関して記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれか1つのエネルギーモジュール機能を実装する。様々な態様では、RF増幅器及び安全回路1436は、RF信号を生成することによって外科用器具のRFモダリティを制御するように構成される。超音波信号発生器回路1438は、超音波信号を生成することによって超音波エネルギーモダリティを制御するように構成される。RF増幅器及び安全回路1436並びに超音波信号発生器回路1438は、組み合わせRF及び超音波エネルギーモダリティの制御と共に動作することができる。
【0262】
シャフト回路セグメント1440は、シャフトモジュールコントローラ1442、モジュール制御アクチュエータ1444、1つ又は2つ以上のエンドエフェクタセンサ1446及び不揮発性メモリ1448を備える。シャフトモジュールコントローラ1442は、プロセッサ1302によって実行される制御プログラムを含む複数のシャフトモジュールを制御するように構成される。複数のシャフトモジュールは、超音波、組み合わせ超音波及びRF、RF I-ブレード並びにRF対向可能なジョーなどのシャフトモダリティを実装する。シャフトモジュールコントローラ1442は、プロセッサ1302を実行するための対応するシャフトモジュールを選択することによって、シャフトモダリティを選択することができる。モジュール制御アクチュエータ1444は、選択されたシャフトモダリティに従ってシャフトを作動させるように構成される。作動が開始された後、シャフトは、選択されたシャフトモダリティ及び選択されたエンドエフェクタモダリティに固有の1つ又は2つ以上のパラメータ、ルーチン又はプログラムに従ってエンドエフェクタを関節接合する。エンドエフェクタに位置する1つ又は2つ以上のエンドエフェクタセンサ1446は、力センサ、温度センサ、電流センサ又は運動センサを含むことができる。1つ又は2つ以上のエンドエフェクタセンサ1446は、エンドエフェクタによって実装されたエネルギーモダリティに基づいて、エンドエフェクタの1つ又は2つ以上の動作に関するデータを送信する。様々な態様では、エネルギーモデルは、超音波エネルギーモダリティ、RFエネルギーモダリティ又は超音波エネルギーモダリティ及びRFエネルギーモダリティとの組み合わせを含む。不揮発性メモリ1448は、シャフト制御プログラムを記憶する。制御プログラムは、シャフトに固有の1つ又は2つ以上のパラメータ、ルーチン又はプログラムを含む。様々な態様では、不揮発性メモリ1448は、ROM、EPROM、EEPROM、又はフラッシュメモリであってもよい。不揮発性メモリ1448は、
図1~
図61に関して本明細書に記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれか1つの選択されたシャフトに対応するシャフトモジュールを記憶する。シャフトモジュールは、動作中に使用される外科用器具シャフトに応じて、シャフトモジュールコントローラ1442によって不揮発性メモリ1448内で変更又はアップグレードされてもよい。
【0263】
図64は、本明細書に記載される特徴部のうちの多くを含むか又は実装することができる、
図1~
図61に関して本明細書に記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれか1つと共に使用するためのフィードバックシステムを含む、外科用器具1500の一態様の図を示す。例えば、一態様では、外科用器具1500は、外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれか1つに類似し得るか又は代表的であってもよい。外科用器具1500は、発生器1502を含むことができる。外科用器具1500はまた、臨床医がトリガ1510を動作させるときに起動され得る、エンドエフェクタ1506を含み得る。様々な態様では、エンドエフェクタ1506は、超音波振動を送達して、生体組織に対して外科的凝固/切断処置を行うための超音波ブレードを含むことができる。他の態様では、エンドエフェクタ1506は、生体組織に対して外科的凝固又は焼灼処置を行うために電気外科用高周波電流エネルギー源に連結された導電性素子、及び生体組織に対して切断処置を行うための鋭利な端部を有する機械的ナイフ又は超音波ブレードのいずれかを含み得る。トリガ1510が作動されると、力センサ1512は、トリガ1510に加えられる力の量を示す信号を生成してもよい。力センサ1512に加えて、又はその代わりに、外科用器具1500は、トリガ1510の位置(例えば、どれだけ遠くでトリガが押下されたか、又は他の方法で作動されたか)を示す信号を生成し得る、位置センサ1513を含むことができる。一態様では、位置センサ1513は、上記の外管状シースと共に位置決めされたセンサ、又は上記の外管状シース内に位置する往復運動管状作動部材であってもよい。一態様では、センサは、磁場に応答してその出力電圧を変化させるホール効果センサ又は任意の適切な変換器であってもよい。ホール効果センサは、近接スイッチング、位置決め、速度検出及び電流感知用途に使用することができる。一態様では、ホール効果センサは、アナログ変換器として動作し、電圧を直接戻す。既知の磁界により、ホールプレートからの距離を決定することができる。
【0264】
制御回路1508は、センサ1512及び/又は1513からの信号を受信することができる。制御回路1508は、任意の好適なアナログ又はデジタル回路構成要素を含み得る。制御回路1508はまた、発生器1502及び/又は変換器1504と通信して、エンドエフェクタ1506に送達される電力、及び/又はトリガ1510により加えられる力に基づいてエンドエフェクタ1506の発生器レベル若しくは超音波ブレード振幅、及び/又はトリガ1510の位置、及び/又は上記の外管状シース56内に位置する往復運動管状作動部材58に対する上記の外管状シースの位置(例えば、ホール効果センサ及び磁石の組み合わせによって測定される)を変調することができる。例えば、より多くの力がトリガ1510に加えられると、より多くの電力及び/又はより高い超音波ブレード振幅がエンドエフェクタ1506に送達され得る。様々な態様によれば、力センサ1512は、マルチポジションスイッチによって交換されてもよい。
【0265】
様々な態様によれば、エンドエフェクタ1506は、例えば、
図1~
図5に対して上記のものなどのクランプ又はクランプ機構を含むことができる。トリガ1510が最初に作動されると、クランプ機構は閉じて、クランプアームとエンドエフェクタ1506との間に組織をクランプすることができる。トリガに加えられる力が増加すると(例えば、力センサ1512によって感知される)、制御回路1508は、変換器1504によってエンドエフェクタ1506に送達される電力及び/又はエンドエフェクタ1506においてもたらされる発生器レベル若しくは超音波ブレード振幅を増大させることができる。一態様では、位置センサ1513によって感知されるトリガ位置、又は位置センサ1513によって(例えば、ホール効果センサを用いて)感知されるクランプ若しくはクランプアーム位置は、制御回路1508によって使用されて、エンドエフェクタ1506の電力及び/又は振幅を設定することができる。例えば、トリガが完全に作動された位置に向かって更に移動されるか、又はクランプ若しくはクランプアームが超音波ブレード(又はエンドエフェクタ1506)に向かって更に移動すると、エンドエフェクタ1506の電力及び/又は振幅を増大させることができる。
【0266】
様々な態様によれば、外科用器具1500はまた、エンドエフェクタ1506に送達される電力の量を示すために、1つ又は2つ以上のフィードバック装置を含むことができる。例えば、スピーカ1514は、エンドエフェクタの電力を示す信号を発することができる。様々な態様によれば、スピーカ1514は、一連のパルス音を発してよく、その音の周波数は、電力を示す。スピーカ1514に加えて、又はその代わりに、外科用器具1500は、視覚ディスプレイ1516を含むことができる。視覚ディスプレイ1516は、任意の好適な方法に従ってエンドエフェクタ電力を示し得る。例えば、視覚ディスプレイ1516は、一連のLEDを含んでもよく、エンドエフェクタ電力は、照明されたLEDの数によって示される。スピーカ1514及び/又は視覚ディスプレイ1516は、制御回路1508によって駆動されてもよい。様々な態様によれば、外科用器具1500は、トリガ1510に接続されたラチェット装置(図示せず)を含むことができる。より多くの力がトリガ1510に加えられると、このラチェット装置は可聴音を生成することができ、エンドエフェクタ電力の間接的指示を提供する。外科用器具1500は、安全性を高めることができる他の特徴部を含むことができる。例えば、制御回路1508は、所定の閾値を超えてエンドエフェクタ1506に電力が送達されることを防止するように構成されてもよい。また、制御回路1508は、エンドエフェクタ電力の変化が(例えば、スピーカ1514又は視覚ディスプレイ1516によって)指示された時刻と、エンドエフェクタ電力の変化が送達された時刻との間に遅延を設けることができる。このようにして、臨床医は、エンドエフェクタ1506に送達される超音波電力のレベルが変化しそうであるという十分な警告を有することができる。
【0267】
一態様では、
図1~
図61に関して記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれか1つの超音波又は高周波電流発生器は、所望の、ルックアップテーブルに記憶された所定の数の位相点を使用して波形をデジタル化するように、電気信号波形をデジタル的に生成するように構成されてもよい。メモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmble gate array、FPGA)、又は任意の好適な不揮発性メモリで定義されたテーブル内に、位相点を記憶させてよい。
図65は、電気信号波形のための複数の波形を発生させるように構成された、直接デジタル合成(DDS)回路1600などのデジタル合成回路のための、基本的アーキテクチャの一態様を示す。発生器ソフトウェア及びデジタル制御は、FPGAに指示を出して、ルックアップテーブル1604内のアドレスを走査してよく、電力増幅器に給電するDAC回路1608へと変化するデジタル入力値を順次提供する。アドレスは、目的の周波数に従って走査されてよい。そのようなルックアップテーブル1604を使用することは、組織内、又は変換器、RF電極、複数の変換器内へ同時に、複数のRF電極内へ同時に、又はRF及び超音波器具の組み合わせ内へと供給され得る、様々なタイプの波形を発生させることを可能にする。更に、複数の波形を表す複数のルックアップテーブル1604を作成し、記憶し、発生器から組織に適用することができる。
【0268】
波形信号は、超音波変換器及び/若しくはRF電極、又はそれらの複数(例えば、2つ又はそれ以上の超音波変換器及び/又は2つ又はそれ以上のRF電極)の出力電流、出力電圧、又は出力電力のうち、少なくとも1つを制御するように構成されてよい。なお、外科用器具が超音波コンポーネントを具備するところで、波形信号は、少なくとも1つの外科用器具の超音波変換器の少なくとも2つの振動モードを駆動させるように構成されてよい。したがって、発生器は、波形信号を少なくとも1つの外科用器具へと提供するように構成されてよく、信号は、テーブル内の複数の波形の少なくとも1つの波形に応答する。なお、2つの外科用器具に提供される波形信号は、2つ又はそれ以上の波形を含んでよい。テーブルは複数の波形に関係した情報を含んでよく、またテーブルは発生器内に格納されてよい。一態様又は一実施例では、テーブルは、直接デジタル合成テーブルであってよく、発生器のFPGA内に格納されてよい。テーブルは、いずれにしても、波形をカテゴリー化するのに便利であることより、アドレス指定されてよい。一態様によれば、直接デジタル合成テーブルであり得るテーブルは、波形信号の周波数に従ってアドレス指定される。更に、複数の波形に関係した情報は、デジタル情報としてテーブル内に記憶されてよい。
【0269】
アナログ電気信号波形は、超音波変換器及び/若しくはRF電極、又はそれらの複数(例えば、2つ又はそれ以上の超音波変換器及び/又は2つ又はそれ以上のRF電極)の出力電流、出力電圧、又は出力電力のうち、少なくとも1つを制御するように構成されてよい。なお、外科用器具が超音波コンポーネントを具備するところで、アナログ電気信号波形は、少なくとも1つの外科用器具の超音波変換器の少なくとも2つの振動モードを駆動させるように構成されてよい。したがって、発生器回路は、アナログ電気信号波形を少なくとも1つの外科用器具へと提供するように構成されてよく、アナログ電気信号波形は、ルックアップテーブル1604内に記憶された複数の波形の少なくとも1つの波形に対応する。なお、2つの外科用器具に提供されるアナログ電気信号波形は、2つ又はそれ以上の波形を含んでよい。ルックアップテーブル1604は、複数の波形に関連した情報を含んでよく、またルックアップテーブル1604は、発生器回路又は外科用器具内のいずれかに記憶されてよい。一態様又は一実施例では、ルックアップテーブル1604は、直接デジタル合成テーブルであってよく、発生器回路又は外科用器具のFPGA内に記憶されてよい。ルックアップテーブル1604は、波形をカテゴリー化するために便利である任意の方法によってアドレス指定されてよい。一態様によれば、直接デジタル合成テーブルであり得るルックアップテーブル1604は、所望のアナログ電気信号波形の周波数に従ってアドレス指定される。更に、複数の波形に関連した情報は、デジタル情報としてルックアップテーブル1604内に記憶されてよい。
【0270】
計装システム及び通信システムにおけるデジタル技術の広範な使用を伴い、基準周波数から複数の周波数を発生させるデジタル的制御法が発展し、また直接デジタル合成と呼ばれている。基本アーキテクチャを
図65に示す。この簡略化したブロック図では、DDS回路は、発生器回路のプロセッサ、コントローラ又は論理回路に、及び
図1~
図61に関して本明細書に記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれか1つの発生器回路に位置するメモリ回路に連結される。DDS回路1600は、アドレスカウンタ1602、ルックアップテーブル1604、レジスタ1606、DAC回路1608及びフィルタ1612を備える。安定クロックf
cは、アドレスカウンタ1602により受信され、またレジスタ1606は、正弦波(又は他の任意の波形)のサイクルの1つ又は2つ以上の整数を、ルックアップテーブル1604内に記憶する、プログラマブル読出し専用メモリ(PROM)を駆動する。アドレスカウンタ1602が、メモリ位置を介して段階状となるため、ルックアップテーブル1604内に記憶された値は、DAC回路1608に連結されたレジスタ1606に書き込まれる。ルックアップテーブル1604のメモリ位置における信号の対応するデジタル振幅は、アナログ出力信号1610を順次発生させるDAC回路1608を駆動する。アナログ出力信号1610のスペクトル純度は、主としてDAC回路1608により決定される。位相雑音は、基本的に基準クロックf
cのものである。DAC回路1608から出力される第1のアナログ出力信号1610は、フィルタ1612によりフィルタされ、またフィルタ1612により出力される第2のアナログ出力信号1614は、発生器の出力に連結された出力を有する増幅器へと提供される。第2のアナログ出力信号は、周波数f
outを有する。
【0271】
DDS回路1600は、サンプリングされたデータシステムであるため、量子化雑音、エイリアシング、フィルタリングなどのサンプリングに伴う問題を考慮しなければならない。例えば、位相ロックループ(phase-locked-loop、PLL)ベースのシンセサイザ出力の高次高調波がフィルタされ得るのに対して、DAC回路1608出力周波数の高次高調波は、ナイキスト帯域幅へと折り返し、それらを非フィルタ性にする。ルックアップテーブル1604は、整数のサイクルに関する信号データを含む。最終出力周波数foutは、基準クロック周波数fcを変更することで、又はPROMを再プログラミングすることによって変更することができる。
【0272】
DDS回路1600は、複数のルックアップテーブル1604を含んでよく、ルックアップテーブル1604は、所定のサンプル数により表される波形を記憶し、サンプルは、所定の波形形状を定義する。したがって、独自の形状を有する複数の波形は、複数のルックアップテーブル1604内に記憶され、器具設定又は組織フィードバックに基づいて異なる組織処置を提供することができる。波形の例としては、表面組織凝固のための高い波高率のRF電気信号波形、より深い組織貫通のための低い波高率のRF電気信号波形、及び効果的な修正凝固を促進する電気信号波形が挙げられる。一態様では、DDS回路1600は、複数の波形ルックアップテーブル1604を作成することができ、また組織処置手技の間(例えば、ユーザ入力又はセンサ入力に基づいた「オンザフライ」又は実質実時間にて)、所望の組織効果及び/又は組織フィードバックに基づいて、別個のルックアップテーブル1604内に記憶された異なる波形の間で切り替えを行うことができる。したがって、波形との間の切り替えは、例えば、組織インピーダンス及びその他の要素に基づくことができる。他の態様では、ルックアップテーブル1604は、組織内へと送達されるサイクル当たりの電力を最大化するよう形成される電気信号波形(すなわち、台形波又は方形波)を記憶することができる。他の態様では、ルックアップテーブル1604は、RF及び超音波駆動信号を送達しながら、
図1~
図61に関して本明細書に記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれか1つの多機能外科用器具によって、それらが最大電力送達を行うように同期した波形を記憶することができる。更に他の態様では、ルックアップテーブル1604は、超音波周波数ロックを維持しながら、電気信号波形を記憶して、超音波及びRF治療用、並びに/又は治療量以下のエネルギーを同時に駆動させることができる。異なる器具及びそれらの組織効果に特異的なカスタム波形は、発生器回路の不揮発性メモリ内、又は
図1~
図61に関して本明細書に記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれか1つの不揮発性メモリ(例えば、EEPROM)内に記憶され得、また多機能外科用器具を発生器回路へと接続する際に取り込まれ得る。多くの高波高率「凝固」波形に使用される場合の、指数関数的に減衰する正弦波形の例を、
図67に示す。
【0273】
DDS回路1600のよりフレキシブルで効果的な実装では、数値制御発振器(Numerically Controlled Oscillator、NCO)と呼ばれるデジタル回路を用いる。DDS回路1700などの、よりフレキシブルで効果的なデジタル合成回路のブロック図を、
図66に示す。この簡略化したブロック図では、DDS回路1700は、発生器のプロセッサ、コントローラ、又は論理回路に、及び発生器又は
図1~
図61に関して本明細書に記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれかに位置するメモリ回路に連結される。DDS回路1700は、負荷レジスタ1702、並列デルタ位相レジスタ1704、加算器回路1716、位相レジスタ1708、ルックアップテーブル1710(位相-振幅変換器)、DAC回路1712、及びフィルタ1714を備える。加算器回路1716及び位相レジスタ1708aは、位相アキュムレータ1706の一部を形成する。クロック信号f
cは、位相レジスタ1708及びDAC回路1712に適用される。負荷レジスタ1702は、基準クロック周波数f
cの小数部としての出力周波数を特定するチューニングワードを受信する。負荷レジスタ1702の出力は、チューニングワードMと共に、並列デルタ位相レジスタ1704に提供される。
【0274】
DDS回路1700は、クロック周波数fcを発生させるサンプルクロック、位相アキュムレータ1706、及びルックアップテーブル1710(例えば、位相-振幅変換器)を含む。位相アキュムレータ1706の容量は、クロックサイクルfc毎に一度更新される。位相アキュムレータ1706が更新されると、並列デルタ位相レジスタ1704内に記憶されたデジタル数Mは、加算器回路1716により位相レジスタ1708内の数に加算される。並列デルタ位相レジスタ1704内の数は、00...01であること、また位相アキュムレータ1706の初期の容量は、00...00であると想定する。位相アキュムレータ1706は、クロックサイクル毎に00...01により更新される。位相アキュムレータ1706が32-ビット幅である場合、位相アキュムレータ1706が00...00へと戻るまでに232クロックサイクル(40億を超える)が必要とされ、サイクルが繰り返される。
【0275】
位相アキュムレータ1706の短縮出力1718は、位相-振幅変換器のルックアップテーブル1710へと提供され、またルックアップテーブル1710の出力はDAC回路1712に連結されている。位相アキュムレータ1706の短縮出力1718は、正弦(又は余弦)ルックアップテーブルへのアドレスとして役立つ。ルックアップテーブル内のアドレスは、正弦波における0°~360°の位相点に対応する。ルックアップテーブル1710は、1つの完全な余弦波のサイクルの、対応するデジタル振幅情報を含む。ルックアップテーブル1710は、したがって、位相アキュムレータ1706からデジタル振幅ワードへと位相情報をマップし、DAC回路1712を順次駆動させる。DAC回路の出力は、第1のアナログ信号1720であり、またフィルタ1714によりフィルタされる。フィルタ1714の出力は、発生器回路の出力に連結された電力増幅器へと提供される、第2のアナログ信号1722である。
【0276】
一態様では、デジタル化され得る波形が、256(28)~281、474、976、710、656(248)の範囲(表1に示すように、nは正の整数である)の任意の好適な2n位相点の数であるにもかかわらず、電気信号波形を1024(210)位相点へとデジタル化してよい。電気信号波形はAn(θn)として表されてよく、点nにおける正規化された振幅Anは位相角θnにより表され、点nにおける位相点と呼ばれている。個別の位相点nの数は、DDS回路1700(同様に、
図65に示すDDS回路1600)のチューニング分解能を決定する。
【0277】
【0278】
発生器回路アルゴリズム及びデジタル制御回路は、ルックアップテーブル1710内のアドレスを走査し、フィルタ1714及び電力増幅器に給電するDAC回路1712に、変化するデジタル入力値を順次提供する。アドレスは、目的の周波数に従って走査されてよい。ルックアップテーブルを使用することで、DAC回路1712によりアナログ出力信号へと変換させることができ、フィルタ1714によりフィルタされ、発生器回路の出力に連結した電力増幅器により増幅され、またRFエネルギーの形態で組織へと電力を供給する又は超音波変換器へとエネルギーを供給し、かつ熱の形態でエネルギーを組織へと送達する超音波振動の形態で組織に適用される、様々な種類の形状を発生させることが可能である。増幅器の出力は、例えば、単一のRF電極、同時に複数のRF電極、単一の超音波変換器、同時に複数の超音波変換器又はRF変換器及び超音波変換器の組み合わせに適用することができる。更に、複数の波形テーブルを作成し、記憶して、発生器回路から組織に適用することができる。
【0279】
図65に戻って参照すると、n=32及びM=1の場合、位相アキュムレータ1706は、それがオーバフロー及び再始動する前に、232の可能な出力を通して段階状になる。対応する出力波周波数は、232で除算された入力クロック周波数に等しい。M=2である場合、次に、位相レジスタ1708は高速のままで2回「ロールオーバ」し、かつ出力周波数が倍増する。これは、以下のように一般化され得る。
【0280】
n-ビットを蓄積するように構成された位相アキュムレータ1706に関しては(nは、一般にほとんどのDDSシステムで24~32の範囲であるが、前述したように、nは広範囲の選択肢から選択されてよい)、2nの可能な位相点が存在する。デルタ位相レジスタにおけるデジタルワードMは、位相アキュムレータがクロックサイクル毎に増分する量を表す。fcがクロック周波数である場合、次に、出力正弦波の周波数は、以下に等しい。
【0281】
【0282】
等式1は、DDS「同調式」として知られている。システムの周波数分解能は、
【0283】
【数9】
に等しいことに留意されたい。n=32では、分解能は40億における一部よりも高い。DDS回路1700の一態様では、例えば、位相アキュムレータ1706以外の全てのビットがルックアップテーブル1710に伝えられるとは限らないが、切り捨てられ、最初の13~15の最大有効ビット(MSB)のみが残される。これはルックアップテーブル1710のサイズを低減し、また周波数分解能に影響を及ぼさない。位相の切り捨ては、少量だが許容できる位相雑音の量のみを最終出力に追加する。
【0284】
電気信号波形は、所定周波数における電流、電圧、又は電力により特徴づけられてよい。更に、
図1~
図61に関して本明細書に記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれか1つが、超音波構成要素を含む場合、電気信号波形は、少なくとも1つの外科用器具の超音波変換器の少なくとも2つの振動モードを駆動するように構成されてもよい。したがって、発生器回路は、電気信号波形を少なくとも1つの外科用器具に提供するように構成されてよく、電気信号波形は、ルックアップテーブル1710(又は、
図65のルックアップテーブル1604)内に記憶された所定の波形を特徴とする。なお、電気信号波形は、2つ又はそれ以上の波形の組み合わせであってよい。ルックアップテーブル1710は、複数の波形に関係した情報を含んでよい。一態様又は一実施例では、ルックアップテーブル1710はDDS回路1700により生成されてよく、また直接デジタル合成テーブルと呼ばれることもある。DDSは、オンボードメモリにおける大きな反復波形の第1記憶動作により、作動する。波形(正弦、三角形、方形、任意)のサイクルは、テーブル1に示すように、所定の数の位相点によって表され、メモリに記憶され得る。一度波形がメモリ内部に記憶されると、非常に正確な周波数にて波形が発生され得る。直接デジタル合成テーブルは、発生器回路の不揮発性メモリ内に記憶され得、かつ/又は発生器回路内のFPGA回路と共に実装され得る。ルックアップテーブル1710は、波形をカテゴリー化するのに便利である任意の好適な技術により、アドレス指定されてよい。一態様によれば、ルックアップテーブル1710は、電気信号波形の周波数に従ってアドレス指定される。更に、複数の波形に関係した情報は、メモリ内のデジタル情報として、又はルックアップテーブル1710の一部として記憶されてよい。
【0285】
一態様では、発生器回路は、電気信号波形を少なくとも2つの外科用器具へと同時に提供するように構成されてよい。発生器回路はまた、発生器回路の単一の出力チャネルを介して、2つの外科用器具へと同時に電気信号波形(2つ又はそれ以上の波形によって特徴付けられ得る)を提供するように構成されてもよい。例えば、一態様では、電気信号波形は、超音波変換器を駆動する第1の電気信号(例えば、超音波駆動信号)、第2のRF駆動信号及び/又はそれらの組み合わせを含む。更に、電気信号波形は、複数の超音波駆動信号、複数のRF駆動信号、並びに/又は複数の超音波駆動信号及びRF駆動信号の組み合わせを含んでよい。
【0286】
更に、本開示による発生器回路の動作方法は、電気信号波形を発生させること、及び発生した電気信号波形を、
図1~
図61に関して本明細書に記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれか1つに提供することを含み、電気信号波形を発生させることは、メモリから電気信号波形に関係した情報を受信することを含む。発生した電気信号波形は、少なくとも1つの波形を含む。更に、発生した電気信号波形を少なくとも1つの外科用器具へと提供することは、電気信号波形を少なくとも2つの外科用器具へと同時に提供することを含む。
【0287】
本明細書に記載される発生器回路は、様々な種類の直接デジタル合成テーブルの生成を可能にし得る。発生器回路により発生する、種々の組織の処置に好適なRF/電気外科用信号の波形の例としては、高波高率を伴うRF信号(RFモードで表面凝固に使用され得る)、低波高率を伴うRF信号(より深い組織貫通のために使用され得る)及び効率的な修正凝固を促進する波形が挙げられる。発生器回路はまた、直接デジタル合成ルックアップテーブル1710を用いて複数の波形を発生させることができ、また動作中に、所望の組織効果に基づいた特定の波形の間で切り替えることができる。切り替えは、組織インピーダンス及び/又はその他の要素に基づいてよい。
【0288】
従来の正弦/余弦波形に加えて、発生器回路は、サイクル毎の組織への電力を最大化する波形(複数可)(すなわち、台形波又は方形波)を発生させるように構成されてよい。発生器回路が、RF信号及び超音波信号を同時に駆動することを可能にする回路トポロジーを含むのであるならば、発生器回路は、RF信号及び超音波信号を同時に駆動する場合に、負荷へと送達される電力を最大化するように、また超音波周波数ロックを維持するように同期される波形(複数可)を提供することができる。更に、機器固有のカスタム波形形状及びその組織効果は、不揮発性メモリ(NVM)又は機器EEPROMに記憶することができ、
図1~
図61に関して本明細書に記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれか1つを発生器回路に接続する際に取り込むことができる。
【0289】
DDS回路1700は、複数のルックアップテーブル1604を備えてよく、ルックアップテーブル1710は、所定数の位相点(サンプルと呼ばれる場合もある)により表される波形を記憶し、位相点は所定の波形形状を定義する。したがって、独自の形状を有する複数の波形は、複数のルックアップテーブル1710内に記憶され、器具設定又は組織フィードバックに基づいて異なる組織処置を提供することができる。波形の例としては、表面組織凝固のための高い波高率のRF電気信号波形、より深い組織貫通のための低い波高率のRF電気信号波形、及び効果的な修正凝固を促進する電気信号波形が挙げられる。一態様では、DDS回路1700は、複数の波形ルックアップテーブル1710を作成することができ、また組織処置手技の間(例えば、「動作中」又はユーザ入力若しくはセンサ入力に基づく仮想実時間にて)、所望の組織効果及び/又は組織フィードバックに基づいて、異なるルックアップテーブル1710内に記憶された異なる波形との間で切り替えを行うことができる。したがって、波形との間の切り替えは、例えば、組織インピーダンス及びその他の要素に基づくことができる。他の態様では、ルックアップテーブル1710は、サイクル毎に組織内へと送達される電力を最大化するよう形成される電気信号波形(すなわち、台形波又は方形波)を記憶することができる。他の態様では、ルックアップテーブル1710は、RF及び超音波駆動信号を送達するときに、
図1~
図61に関して本明細書に記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のうちのいずれか1つによる電力送達を最大にするように同期された波形を記憶することができる。更に他の態様では、ルックアップテーブル1710は、超音波周波数ロックを維持しながら、電気信号波形を記憶して、超音波及びRF治療用、並びに/又は治療量以下のエネルギーを同時に駆動することができる。一般に、出力波形は、正弦波、余弦波、脈波、方形波などの形態であってもよい。それにもかかわらず、異なる器具及びそれらの組織効果に特有のより複雑なカスタム波形は、発生器回路の不揮発性メモリ内、又は外科用器具の不揮発性メモリ(例えば、EEPROM)内に記憶することができ、また外科用器具を発生器回路に接続する際に取り込まれ得る。カスタム波形の一例は、
図67に示すように、多くの高波高率「凝固」波形に使用される場合の、指数関数的に減衰する正弦波形である。
【0290】
図67は、アナログ波形1804(比較目的のために、離散時間デジタル電気信号波形1800に重ね合わされて示される)の本開示の一態様による、離散時間デジタル電気信号波形1800の1サイクルを示す。水平軸は、時間(t)を表し、縦軸はデジタル位相点を表す。デジタル電気信号波形1800は、例えば、所望のアナログ波形1804のデジタル離散時間バージョンである。デジタル電気信号波形1800は、1サイクル又は期間T
0にわたるクロックサイクルT
clk毎の振幅を表す、振幅位相点1802を記憶することにより発生する。デジタル電気信号波形1800は、任意の好適なデジタル処理回路により、1期間T
0にわたって発生する。振幅位相点は、メモリ回路内に記憶されたデジタルワードである。
図65、
図66に示す実施例では、デジタルワードは、26又は64ビットの分解能を伴う、振幅位相点を記憶することができる6ビットワードである。
図65、
図66に示す実施例は、例証目的のためのものであり、また実際の実装では分解能はより高くあり得ることが理解されるであろう。1サイクルT
0にわたるデジタル振幅位相点1802は、例えば、
図65及び
図66に関して記載されるように、ルックアップテーブル1604、1710内のストリングワードのストリングとして、メモリ内に記憶される。アナログバージョンのアナログ波形1804を発生させるために、振幅位相点1802は、クロックサイクルT
clk毎に0~T
0でメモリから順番に読み取られ、かつ同様に
図65、
図66に関して記載されているDAC回路1608、1712によって変換される。追加のサイクルは、所望され得るだけ多くのサイクル又は期間にわたって0~T
0で、デジタル電気信号波形1800の振幅位相点1802を繰り返し読み取ることによって発生させることができる。平滑アナログバージョンのアナログ波形1804は、フィルタ1612、1714(
図65、
図66)によってDAC回路1608、1712の出力をフィルタリングすることにより達成される。フィルタされたアナログ出力信号1614、1722(
図65及び
図66)は、電力増幅器の入力に適用される。
【0291】
一態様では、
図68Aに示すように、回路1900は、少なくとも1つのメモリ回路1904に連結された1つ又は2つ以上のプロセッサ1902(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ)を含むコントローラを備えることができる。少なくとも1つのメモリ回路1904は、プロセッサ1902によって実行されるとき、プロセッサ1902に、本明細書に記載されるアルゴリズム、プロセス又は技術のうちのいずれかを実装する機械命令を実行させる、機械実行可能命令を記憶する。
【0292】
プロセッサ1902は、当該技術分野で知られている多数のシングル又はマルチコアプロセッサのうち任意の1つであってもよい。メモリ回路1904は、揮発性及び不揮発性の記憶媒体を含むことができる。一態様では、
図68Aに示すように、プロセッサ1902は、命令処理ユニット1906及び演算ユニット1908を含むことができる。命令処理ユニットは、1つのメモリ回路1904から命令を受信するように構成されてもよい。
【0293】
一態様では、回路1910は、
図68Bに示されるように、本明細書に記載されるアルゴリズム、プロセス又は技術のうちのいずれかを実装するように構成された、組み合わせ論理回路1912を含む有限状態マシンを備えることができる。一態様では、回路1920は、
図68Cに示されるように、順序論理回路を含む有限状態マシンを備えることができる。順序論理回路1920は、例えば、組み合わせ論理回路1912及び少なくとも1つのメモリ回路1914を含むことができる。少なくとも1つのメモリ回路1914は、
図68Cに示されるように、有限状態マシンの現在の状態を記憶することができる。順序論理回路1920又は組み合わせ論理回路1912は、本明細書に記載されるアルゴリズム、プロセス又は技術のうちのいずれかを実装するように構成され得る。ある特定の例では、順序論理回路1920は、同期又は非同期であってもよい。
【0294】
他の態様では、回路は、本明細書に記載されるアルゴリズム、プロセス又は技術のうちのいずれかを実装するために、プロセッサ1902及び有限状態マシンの組み合わせを含んでもよい。他の態様では、有限状態マシンは、組み合わせ論理回路1910及び順序論理回路1920の組み合わせを含むことができる。
【0295】
図69は、本開示の一態様による、モータ制御機能を有する外科用器具の様々な構成要素の回路1925の概略図である。様々な態様では、
図1~
図68Cに関して本明細書に記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200は、外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200に関連する様々な動作を実施するために、シャフト及び/又はギヤ構成要素を駆動するように構成された駆動機構1930を含むことができる。一態様では、駆動機構1930 160は、例えばハンドルハウジングに対して長手方向軸を中心として、
図1、
図20、
図40、
図41、
図45、
図54に関して記載されるようにエンドエフェクタ112、512、1000、1112、1212を回転させるように構成された回転駆動トレイン1932を含む。駆動機構1930は、ジョー部材を閉じてエンドエフェクタによって組織を把持するように構成された閉鎖駆動トレイン1934を更に含む。更に、駆動機構1930は、エンドエフェクタのI-ビームナイフを発射して、エンドエフェクタにより把持された組織を切断するように構成された発射駆動トレイン1936を含む。
【0296】
駆動機構1930は、外科用器具のハンドルアセンブリ内に位置することができるセレクタギヤボックスアセンブリ1938を含む。セレクタギヤボックスアセンブリ1938に近位には、駆動トレイン1932、1934、1936のうちの1つを任意の第2のモータ1944及びモータ駆動回路1946(第2のモータ1944及びモータ駆動回路1946が任意の構成要素であることを示すように破線で示される)の入力駆動構成要素と係合するように選択的に位置決めするために、セレクタギヤボックスアセンブリ1938内でギヤ要素を選択的に移動させるように機能する、第1のモータ1942を含む機能選択モジュールがある。
【0297】
依然として
図69を参照して、モータ1942、1944は、モータ制御回路1946、1948にそれぞれ連結され、これらは電源1950からモータ1942、1944への電気エネルギーの流れを含む、モータ1942、1944の動作を制御するように構成されている。電源1950は、DC電池(例えば、再充電可能なリードベース、ニッケルベース、リチウムイオンベースの電池など)又は外科用器具に電気エネルギーを提供するために好適な任意の他の電源であってよい。
【0298】
外科用器具は、マイクロコントローラ1952(「コントローラ」)を更に含む。ある特定の例では、コントローラ1952は、マイクロプロセッサ1954(「プロセッサ」)と、1つ又は2つ以上のコンピュータ可読媒体又はメモリユニット1956(「メモリ」)とを含んでもよい。ある特定の例では、メモリ1956は、様々なプログラム命令を記憶してもよく、それが実行されると、プロセッサ1954に、本明細書に記載される複数の機能及び/又は計算を実施させることができる。電源1950は、例えば、コントローラ1952に電力を供給するように構成することができる。
【0299】
プロセッサ1954は、モータ制御回路1946と連通している。更に、メモリ1956は、ユーザ入力1958又はフィードバック要素1960に応答してプロセッサ1954によって実行されたとき、モータ制御回路1946にモータ1942を動機づけさせて少なくとも1つの回転運動を発生させ、セレクタギヤボックスアセンブリ1938内のギヤ要素を選択的に移動させて、駆動トレイン1932、1934、1936のうちの1つを第2のモータ1944の入力駆動構成要素と係合するように選択的に位置決めすることができる、プログラム命令を記憶することができる。更に、プロセッサ1954は、モータ制御回路1948と連通し得る。メモリ1956はまた、ユーザ入力1958に応答してプロセッサ1954によって実行されたとき、モータ制御回路1948にモータ1944を刺激させて、少なくとも1つの回転運動を発生させ、例えば、第2のモータ1948の入力駆動構成要素と係合された駆動トレインを駆動することができる、プログラム命令を記憶することができる。
【0300】
コントローラ1952及び/又は本開示の他のコントローラは、集積型及び/若しくは離散的なハードウェア要素、ソフトウェア要素、並びに/又は両方の組み合わせを使用して実装されてもよい。集積型ハードウェア要素の例としては、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、ASIC、PLD、DSP、FPGA、論理ゲート、レジスタ、半導体素子、チップ、マイクロチップ、チップセット、マイクロコントローラ、システムオンチップ(system on a chip、SoC)、及び/又はシングルインラインパッケージ(single in-line package、SIP)が挙げられ得る。離散的なハードウェア要素の例としては、論理ゲート、電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、抵抗、コンデンサ、インダクタ、及び/若しくはリレーなど、回路並びに/又は回路素子が挙げられ得る。ある特定の例では、コントローラ1952は、例えば、1つ又は2つ以上の基板上に離散的及び集積型の回路素子又は構成要素を含むハイブリッド回路を含んでもよい。
【0301】
ある特定の例では、コントローラ1952及び/又は本開示の他のコントローラは、例えば、Texas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってもよい。特定の例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、容易に利用可能な他の特性の中でも特に、最大40MHz、256KBの単一サイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリと、40MHz超の性能を改善するプリフェッチバッファと、32KBの単一サイクルSRAMと、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROMと、2KBのEEPROMと、1つ又は2つ以上のPWMモジュールと、1つ又は2つ以上のQEIアナログと、12のアナログ入力チャネルを備えた1つ又は2つ以上の12ビットADCとを備える、ARM Cortex-M4Fプロセッサコアである。他のマイクロコントローラが、本開示と共に使用するために容易に代用され得る。したがって、本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
【0302】
様々な例では、本明細書に記載される様々な工程のうちの1つ又は2つ以上は、組み合わせ論理回路又は順序論理回路のいずれかを含む有限状態マシンによって実施可能であり、組み合わせ論理回路又は順序論理回路のいずれかが、少なくとも1つのメモリ回路に連結される。少なくとも1つのメモリ回路は、有限状態マシンの現在の状態を記憶する。組み合わせ又は順序論理回路は、有限状態マシンをこれらの工程に供するように構成される。順序論理回路は、同期又は非同期であってもよい。他の例では、本明細書に記載される様々な工程のうちの1つ又は2つ以上は、例えば、プロセッサ1958と有限状態マシンとの組み合わせを含む回路によって実施され得る。
【0303】
様々な例では、適切な機能を保証するために外科用器具の機能の状態を評価することが可能であることが有利であり得る。例えば、上で説明されるように、外科用器具の様々な動作を実施するために様々なモータ、ドライブトレイン及び/又はギヤ構成要素を含むように構成された駆動機構が、経時的に摩耗することは可能である。これは、通常の使用を通じて起こり得るが、いくつかの例では、駆動機構は、悪用条件に起因してより早く摩耗し得る。ある特定の例では、外科用器具は、駆動機構及びその様々な構成要素の状態、例えば、劣化を決定するために自己評価を実施するように構成することができる。
【0304】
例えば、自己診断を使用して、外科用器具が再滅菌前にその機能を実施することが可能である場合、又は構成要素のうちのいくつかを交換及び/又は修復すべきときを決定することができる。回転駆動トレイン1932、閉鎖駆動トレイン1934及び/又は発射駆動トレイン1936を含むが、これらに限定されない駆動機構及びその構成要素の評価は、様々な方法で達成することができる。予測された性能からのずれの大きさを使用して、感知された故障の可能性及びそのような故障の重度を決定することができる。繰り返し可能に予測可能なイベントの周期的解析、予想される閾値を超えるピーク又はドロップ及び故障の幅を含む、いくつかのメトリックが使用され得る。
【0305】
様々な例では、適切に機能する駆動機構又はその構成要素のうちの1つ又は2つ以上の特徴的波形を用いて、駆動機構又はその構成要素のうちの1つ又は2つ以上の状態を評価することができる。1つ又は2つ以上の振動センサは、適切に機能する駆動機構又はその構成要素のうちの1つ又は2つ以上に対して配置して、適切に機能する駆動機構又はその構成要素のうちの1つ又は2つ以上の動作中に起こる様々な振動を記録することができる。記録された振動を用いて、特徴的な波形を生成することができる。将来の波形を特徴的な波形と比較して、駆動機構及びその構成要素の状態を評価することができる。
【0306】
依然として
図69を参照して、外科用器具1930は、駆動トレイン1932、1934、1936のうちの1つ又は2つ以上の、1つ又は2つ以上の可聴出力を記録及び分析するように構成された駆動トレイン故障検出モジュール1962を含む。プロセッサ1954は、モジュール1962と連通し得るか、又は他の方法で制御することができる。下でより詳細に記載されるように、モジュール1962は、回路、ハードウェア、コンピュータ可読媒体(例えば、メモリ1956)を含むコンピュータプログラム製品などの様々な手段として具現化することができ、処理装置(例えば、プロセッサ1954)によって実行可能な記憶コンピュータ可読プログラム命令、又はそれらのいくつかの組み合わせを記憶する。いくつかの態様では、プロセッサ36は、モジュール1962を含み得るか、又は他の方法で制御することができる。
【0307】
図70は、本開示の一態様による、ハンドルアセンブリの内部を示すように取り外し可能なサービスパネル1972が取り除かれた、ハンドルアセンブリ1970を示す。取り外し可能なサービスパネル1972又は取り外し可能なサービスカバーはまた、強度のための補強リブ1990を含む。取り外し可能なサービスパネル1972は、取り外し可能なサービスパネル1972をハンドルハウジング1974に取り外し可能に取設するために、ハンドルハウジング1974上で複数の締結具1988と嵌合する複数の締結具1986を含む。一態様では、取り外し可能なサービスパネル1972内の締結具1988は、第1の磁石セットを含み、ハンドルハウジング1974は、サービスパネル1972をハンドルハウジング1974に磁気的に係止する第2の磁石セットを含む。一態様では、第1及び第2の磁石セット6112a、6112bは、希土類永久磁石である。
【0308】
図70では、取り外し可能なサービスパネル1972がハンドルハウジング1974から取り外され、電池アセンブリ又は可撓性回路をハンドルハウジング1974に電気的に連結するための、モータ1976及び電気接点1984などの外科用器具の電気的及び機械的構成要素の位置が示されている。モータ1976及び電気接点1984もまた、ハンドルハウジング1974から取り外し可能である。ハンドルアセンブリ1970はまた、各々がハンドルハウジング1974から取り外し可能なトリガ1982及び作動スイッチ1980を備える。前述のように、取り外し可能なトリガ1982は、ジョー部材を閉じ、ナイフを発射し、超音波変換器を起動し、高周波電流を起動し、かつ/又はジョー部材を開くための複数段階の動作を有することができる。作動スイッチ1980は、例えばジョー部材を閉じ、ナイフを発射し、超音波変換器を起動し、高周波電流を起動し、かつ/又はジョー部材を開くなどの異なる機能を起動するために、複数のスイッチに置き換えられてもよい。
図70に示すように、ハンドルアセンブリ1970は、ハンドルアセンブリ1970をシャフトアセンブリに電気的に連結するための電気接点1978を含み、電気接点1978は、ハンドルハウジング1974から取り外し可能である。ハンドルハウジング1974はまた、本明細書で前述されるように、取り外し可能な超音波変換器アセンブリ、超音波変換器、超音波変換器駆動回路、高周波電流駆動回路及び/又はディスプレイアセンブリを受容するための空間を定義する。
【0309】
図71~
図81は、インピーダンス、モータからの電流、ジョー間隙感知、組織圧縮、温度などに基づいて、組織の厚さ及び/又は種類を含む、
図1~
図70に関して本明細書に記載される外科用器具100、480、500、600、1100、1150、1200のパラメータの感知された/計算された測定値に自動的に基づいて、高周波(例えば、RF)、超音波又は高周波電流及び超音波エネルギーモダリティの組み合わせなどのエネルギーモダリティの間の切り替えを対象とする、本開示の一態様を示す。第1の部分は、エネルギーモダリティの変更が、組織パラメータ(インピーダンス、モータからの電流、ジョー間隙感知、組織圧縮、温度)のうちの少なくとも2つの測定値の組み合わせによる組織の厚さの測定値に基づいて行われる、例示的なシステムを説明する。一態様では、インピーダンス、力及び速度/変位を測定して、コンボ超音波/RF装置のエネルギーモダリティを制御する。力の測定を使用して、使用可能なエネルギーモダリティの種類を決定し、かつユーザが必要に応じて超音波/RFコンボ装置において選択的に切り替えることができるタイミングを示す。これを達成するための1つの技術は、超音波、RF又は両方のエネルギーモードを指示するために、モータ電流の勾配を利用することによるものである。別の選択肢は、測定可能な組織特性の変化率を使用して、使用可能なエネルギーモダリティ(RF若しくは超音波)又は特定のエネルギーモダリティを使用して、サイクルのどこで開始又は停止するかを決定する。同様に、インピーダンスの勾配を利用して、超音波、RF又は両方のエネルギーモードを指示することができる。
【0310】
エネルギーモダリティの制御を達成するための別の技術は、装置のトリガ又はクランプアームに取設されたロータリーエンコーダによる組織間隙の感知、又は組織厚さを測定してエネルギーモードのモダリティ決定を設定することによるものである。このシナリオでは、より広い間隙は、タッチアップ又は減量機能が必要とされることを示し、狭い間隙は、容器封止モードを示す。更に、適用可能な最大電力は、インピーダンスバスタブの上昇部分のみに影響を及ぼすために、測定されたインピーダンスの勾配及び強度に基づいて変更され得る。
【0311】
エネルギーモダリティの制御を達成するための更に別の技術は、組織の厚さを示し、使用可能なエネルギーモダリティの選択肢を定義し、かつ/又は既定のレベルに基づいたエネルギー適用レベル又はモードの切り替えを開始する、モータ電流閾値を介したものである。例えば、特定のモータ制御は、組織パラメータに基づき得る。一例として、待機及びエネルギープロファイルの変更は、異なる組織特性及び種類を感知することに起因して行われ得る。又はモータ付き装置閉鎖のためにモータ電流を増加させ、したがって超音波のインピーダンス曲線の端部における力を増加させ、かつ切断をきれいに仕上げるための閉鎖力を増加させる、モータ制御回路を用いることができる。これらの実施形態の多くは、組織測定を使用して行われてもよいが、代替の実施形態は、何らかの形態の力変換器を直接介してクランプアームに対する力を測定することである。組織の種類、厚さ及び他のパラメータを測定するいくつかの方法は、閉鎖の一部として感知する組織厚さを含む。これは、時間を予め定義し、ナイフ又は閉鎖システムが予め定義された開始時間間隔内に達し得る変位を測定して、遭遇した組織の厚さ及び圧縮性を決定することによって、又は一定の力レベルを予め定義し、その力が予め定義された速度若しくは加速度でその力に到達するのに必要な時間を決定することによって行われ得る。
【0312】
エネルギーモダリティの制御を達成するための別の方法は、インピーダンス測定及び力又は速度の測定値を使用して、組織の密度、導電性及び力耐性を相関させ、組織の種類及び厚さ、並びに前進速度、待機又はエネルギー密度に影響を及ぼすべき任意の不規則性を決定することによるものである。エンドエフェクタのジョー部材が、短絡を引き起こす可能性のあるもの(例えば、ステープル、クリップなど)の上で閉じるかどうかを決定するために、モータ力閉鎖測定の組み合わせを使用することもまた、モータ閉鎖力を、大きなバイトのより軟質組織と、より小さいバイトのより硬質組織とを区別するために、ジョー部材のどれだけが充填されているかを感知するセグメント化屈曲力センサと組み合わせることと同様に企図される。例えば、モータは、ジョー部材内に組織又は金属があるかどうかを決定するための新しい方法を可能にする。
【0313】
図71は、組織の厚さに基づいて待機時間を決定することのグラフィック表示3700である。第1のグラフ3702は、組織インピーダンスZ対時間(t)を表し、ここでは、水平軸は時間(t)を表し、垂直軸は組織インピーダンスZを表している。第2のグラフ3704は、間隙距離の変化Δgap対時間(t)を表し、ここでは、水平軸は時間(t)を表し、垂直軸は組織間隙における変化Δgapを表している。第3のグラフ3706は、力F対時間(t)を表し、ここで水平軸は時間(t)を表し、垂直軸は力Fを表している。組織に加えられる一定の力F及びインピーダンスZ照合は、待機期間、エネルギーモダリティ(例えば、RF及び超音波)、並びにモータ制御パラメータを定義する。一度の変位は、速度を提供する。3つのグラフ3702、3704、3706を参照して、インピーダンス感知エネルギーは、第1の期間中に印加され、薄い腸間膜組織(実線)、中程度の厚さの血管組織(破線)又は厚い子宮/腸組織(鎖線)などの組織の種類を決定する。
【0314】
例として薄い腸間膜組織(実線)を使用して、第3のグラフ3706に示すように、クランプアームは、最初に、それが第1の時間t1又はその付近で一定の力3724に達するまでゼロから上昇する力を加える。第1及び第2のグラフ3702、3704に示すように、クランプ力が腸間膜組織に加えられる時間から第1の時間t1までに、間隙距離Δgap曲線3712は減少し、組織インピーダンス3718もまた、第1の時間t1に達するまで減少する。第1の時間t1から、短い待機期間3728が適用され、その後、処置エネルギー、例えばRFが、tE1において腸間膜組織に印加される。処置エネルギーは、第2の期間3710に印加され、その後、組織は、切断動作の準備が整い得る。
【0315】
第1及び第2のグラフ3702、3704に示すように、中間厚血管組織(破線)についても同様の動作を実施する。しかしながら、処置エネルギーが、tE2において組織に印加される前に、中間待機期間3730が適用される。
【0316】
第1及び第2のグラフ3702、3704に示すように、厚い子宮/腸組織(鎖線)についても同様の動作を実施する。しかしながら、処置エネルギーが、tE3において組織に印加される前に、長い待機期間3726が適用される。
【0317】
したがって、組織の厚さに基づいて異なる待機期間が適用され得る。組織の厚さは、一定の力に達する前に、異なる間隙距離挙動又はインピーダンス挙動に基づいて決定することができる。例えば、第2のグラフ3704に示すように、一定の力に達したときに到達する最小隙間距離、すなわち小間隙、中間隙又は大間隙に応じて、組織が、それぞれ薄い組織、中程度の厚さの組織又は厚い組織として決定される。第1のグラフ3702に示すように、一定の力に達したときに到達する最小インピーダンス、例えば小インピーダンス、中インピーダンス又は大インピーダンスに応じて、組織が、それぞれ薄い組織、中程度の厚さの組織又は厚い組織として決定される。
【0318】
代替として、第2のグラフ3704に示すように、薄い組織は、相対的に急峻な間隙距離勾配を有し、中程度の厚さの組織は、中間間隙距離勾配を有し、厚い組織は、相対的に平坦な間隙距離勾配を有する。第1のグラフ3702に示すように、薄い組織は、比較的平坦なインピーダンス勾配を有し、中程度の厚さ及び厚い組織は、相対的に急峻なインピーダンス勾配を有する。したがって、組織の厚さを決定することができる。
【0319】
組織の厚さは、
図72を参照して次のように決定することもできる。
図72は、薄い、中程度の厚さ、及び厚い組織の種類に関する、力対時間のグラフ3800である。水平軸は時間(t)を表し、垂直軸は、クランプアームにより組織に加えられた力(F)を表す。グラフ3800は、3つの曲線を描写しており、1つは薄い組織3802についてのもので、実線で示されており、1つは中程度の厚さの組織3804についてのもので、鎖線で示されており、もう1つは厚い組織3806についてのもので、破線で示されている。グラフ3800は、遅延エネルギーモード及び他の制御パラメータを制御するために、組織間隙に代わる手段として、事前設定された力に達するために必要とされる時間の測定を描写する。したがって、厚い組織3806の事前設定された力3808に至るまでの時間はt1aであり、中程度の厚さの組織3804の事前設定された力3808に至るまでの時間はt1bであり、薄い組織3802の事前設定された力3808に至るまでの時間はt1cである。
【0320】
力が事前設定された力3808に達すると、エネルギーが組織に印加される。薄い組織3802の場合、事前設定されたt1cに至るまでの時間は、0.5秒超であり、その後、RFエネルギーが、約1~3秒の通電期間で印加される。厚い組織3806の場合、事前設定されたt1aに至るまでの時間は、0.5秒未満であり、その後、RFエネルギーが、約5~9秒の通電期間で印加される。中程度の厚さの組織3804の場合、事前設定されたt1bに至るまでの時間は、約0.5秒であり、その後、RFエネルギーが、約3~5秒の通電期間で印加される。これらの特定の期間は、本開示の範囲から逸脱することなく調整されてもよい。
【0321】
あるいは、一定の力3808を既定する代わりに、期間を既定してもよい。既定の期間の後に到達した力、間隙距離又はインピーダンスを測定することができ、組織の厚さを決定するために使用することができる。
【0322】
上記の例で参照される間隙距離は、手術装置のエンドエフェクタの2つのジョーの間の間隙距離であってもよい。上述のように、間隙距離は、ジョーの一方又は両方に取設されたロータリーエンコーダで測定され得るか、又はジョーを動作させるために使用されるトリガに取設され得る。
【0323】
上記の例で参照される力は、組織上のジョーの一方又は両方によって加えられる力であってよい。上述のように、ジョーを駆動するモータの電流を使用して、力を測定してもよい。あるいは、力変換器を使用して、力を直接測定してもよい。
【0324】
上記の例で参照されるインピーダンスは、組織を横切るジョー間のインピーダンスであってもよい。インピーダンスは、従来の電気技術を使用して測定することができる。
【0325】
図73は、異なる組織の種類の、モータ電流I
モータ対時間tのグラフ3900である。ここで、モータ電流I
モータは、ジョーの一方又は両方が組織に加える力の尺度であってもよい。実線で示す第1の曲線3910は、厚い組織のモータ電流対時間の曲線である。破線で示す第2の曲線3920は、薄い組織のモータ電流対時間の曲線である。第1の曲線3910の第1の部分3912によって示されるように、モータ電流I
モータは最初に増加する。その後、第1の曲線3910の第2の部分3914(影付き領域)によって示されるように、超音波エネルギーが印加され、モータ電流I
モータは急激に減少する。モータ電流が閾値3930以下に減少した場合、又は閾値3930を下回る特定の量又は特定の割合3932に達した場合、エネルギーが超音波からRFに切り換えられる。切り替えは、モータ電流の勾配が比較的平坦になるときにも起こり得る。第1の曲線3910の第3の部分3916によって示されるように、RFエネルギーが印加され、モータ電流I
モータは緩やかに減少する。一方、薄い組織の第2の曲線3920に示すように、モータ電流I
モータは、閾値3930を超えて増加することがなく、したがって超音波エネルギーは印加されない。
【0326】
図74は、インピーダンスバスタブのグラフィック描写である(例えば、組織インピーダンス対時間は、最初に減少し、安定し、最後に増加する。またこの曲線は、バスタブ形状に類似する)。グラフ4000は、3つのグラフ4002、4004、4006を含み、第1のグラフ4002は、RF電力(P)、RF電圧(V
RF)、及びRF電流(I
RF)対組織インピーダンス(Z)を表し、第2のグラフ4004及び第3のグラフ4006は、組織インピーダンス(Z)対時間(t)を表す。第1のグラフ4002は、厚い組織のインピーダンス範囲4010及び薄い組織のインピーダンス範囲4012の電力(P)の印加を示す。組織インピーダンスZが増加すると、電流I
RFは減少し、電圧V
RFは増加する。電力Pは、最大電力出力4008に達するまで増加する。RF電力Pが、例えばインピーダンス範囲4010に示されるように十分に高くない場合、RFエネルギーは、組織を処置するために十分ではなく、したがって代わりに超音波エネルギーが印加される。
【0327】
第2のグラフ4004は、測定された組織インピーダンスZ対時間(t)を表す。組織インピーダンス閾値限界4020は、RFエネルギーモダリティと超音波エネルギーモダリティとの間で切り替えるための交差限界である。例えば、第3のグラフ4006に示すように、RFエネルギーは、組織インピーダンスが組織インピーダンス閾値限界4020を上回っている間に印加され、超音波エネルギー4024は、組織インピーダンスが組織インピーダンス閾値限界4020を下回っている間に印加される。したがって、第2のグラフ4004に戻って参照すると、薄い組織の曲線4016の組織インピーダンスは、組織インピーダンス閾値限界4020を上回ったままであるため、RFエネルギーモダリティのみが組織に適用される。他方では、厚い組織曲線418の場合、RFエネルギーモダリティは、組織インピーダンスが組織インピーダンス閾値限界4020を上回っている間に厚い組織に印加され、超音波エネルギーは、組織インピーダンスが組織インピーダンス閾値限界4020を下回ったときに組織に印加される。
【0328】
したがって、組織インピーダンスが組織インピーダンス閾値限界4020を下回ったときに、エネルギーモダリティは、RFから超音波に切り替わり、故にRF電力Pは低く、また組織インピーダンスが組織インピーダンス閾値限界4020を上回ったときに、エネルギーモダリティは超音波からRFに切り替わり、故にRF電力Pは十分に高い。第3のグラフ4006に示すように、インピーダンスが閾値限界4020を超える特定の量又は特定の割合に達すると、超音波からRFへの切り替えが起こるように設定されてもよい。
【0329】
組織に適用される圧縮に関連するモータの電流、速度又はトルクの測定を使用して、組織に印加される処置エネルギーの制御をトリガするインピーダンス閾値を変更することができる。
図75は、連続性、温度、圧力などの二次組織パラメータの測定に起因するエネルギー切り替え閾値の調整の一態様を描写するグラフ4100を示す。グラフ4100の水平軸は時間(t)であり、垂直軸は組織インピーダンス(Z)である。曲線4112は、異なるエネルギーモダリティが組織に適用されたときの、時間(t)にわたる組織インピーダンス(Z)の変化を表す。例えば、閾値は、ジョーの全ての部分に組織が存在するか、又はジョーの一部のみに存在するかに応じて調整することができる。したがって、組織が特定のセグメント(ゾーン)内に位置すると、発生器の制御回路は、それに応じて閾値を調整する。組織存在のセグメント化測定については、
図80に関する下記考察を参照する。
【0330】
図75に示すように、
図74を参照して記載される例と同様に、曲線4112は、3つの別個の部分4106、4108、4110を含む。曲線4112の第1の部分4106は、組織インピーダンスが調整された閾値4104を下回るまで、RFエネルギーが組織に印加される時間を表す。その点4114において、組織に適用されるエネルギーモダリティは、RFエネルギーから超音波エネルギーに変更される。次いで、超音波エネルギーが第2の部分4108に印加される。
【0331】
この概念の更に別の実施形態により、減量又は凝固を適用するか否かを決定するために、力によって測定される厚さ又は力/位置勾配に基づいて、RF信号において波形が変化し得る。例えば、正弦波又は方形波を使用して組織を予熱し、高電圧ピーク波を使用して組織を凝固させる。
【0332】
本開示の態様によれば、組織短絡状態を検出することができる。エンドエフェクタ内の金属(ステープル又はクリップなど)の検出は、短絡を介して電流を発散させ、RF治療又は感知信号を無効にする、エンドエフェクタ内の短絡を回避する。ステープルなどの金属の小片は、それを通して治療用RF電流が流れると、非常に高温になり得る。これは、組織に望ましくない効果をもたらす。振動する超音波ブレードと接触する金属は、共振したままのブレードによる合併症を引き起こし、ブレード又は金属片を損傷させる可能性があり得る。ジョー内の金属は、クランプされた装置の場合、振動するブレードに対向するパッドを損傷し得る。金属は、閉じようとする間に構成要素の過剰ストレスに起因して、閉鎖機構を損傷し得る。金属は、金属に接触するように強制され得るか、又はそれを切断しようとするナイフブレードを損傷し得る。
【0333】
モータを使用することによって、ジョーが(およそ)どのように開閉されるかが分かる。ジョーが開いている場合、ジョーが開閉される状態は、種々の異なる方法で特定され得、それはエンコーダカウント、モータに向かう電流、モータ電圧の低下などであり得る。これは、モータ電流又はモータ電圧のいずれかの誘導体を見ることによって更に精練される。RFエネルギーから計算されたインピーダンスが、ある特定の閾値を下回ると決定された場合、短絡が検出される。ケーブル及び器具設計に起因して、この正確な値が変化する。インピーダンスがこの閾値を下回るか、又はその付近である場合、以下のうちのいずれかが短絡の検出を補助することができる。
【0334】
エンコーダカウント-ジョーが依然として開いている場合、これは組織が存在することを暗示する。インピーダンスが閾値以下である場合、これは全てのエネルギーが金属を通ることを示す。
【0335】
モータ電流-モータがその移動の終了を未だに検出しておらず、高負荷を経験している場合、電流は増加する(これは力決定/計算の方法である)。電流が最大まで増加すると、これはインピーダンス測定と連結され、金属片がジョー内にあることを示し得る。金属ステープルを切断する方が、任意の組織の種類で行うよりも多くの力を要する。低インピーダンス(閾値以下)の高電流は、短絡の可能性を暗示する。
【0336】
モータ電圧-モータ電流の例に類似する。モータ電流が高くなり、エンコーダカウントが減速すると、電圧は減少する。これにより、インピーダンスに連結されたモータ電圧が、短絡を暗示し得ることは可能である。
【0337】
モータ電流の誘導体-これは、電流の傾向を示し、以前の性能に基づいて、電流が増加するか、又は減少するかをより速く予測する。電流の誘導体が、より多くの電流がモータに向かっており、インピーダンスが低いことを示す場合、短絡の可能性がある。
【0338】
モータ電圧の誘導体-これは、電流の傾向を示し、以前の性能に基づいて、電圧が増加するか、又は減少するかをより速く予測する。電圧の誘導体が、モータに向かう電圧が低く、インピーダンスが低いことを示す場合、短絡の可能性がある。
【0339】
上記の組み合わせが企図される。要約すると、下記の条件のうちのいずれかを監視することにより、短絡等式が強化され得る。
エンコーダカウント+インピーダンス
エンコーダカウント+モータ電流+インピーダンス
エンコーダカウント+モータ電流+モータ電圧+インピーダンス
エンコーダカウント+モータ電流の誘導体+モータ電流+インピーダンス
エンコーダカウント+モータ電圧の誘導体+モータ電流+インピーダンス
モータ電流+インピーダンス
モータ電圧+インピーダンス
モータ電流の誘導体+インピーダンス
モータ電圧の誘導体+インピーダンス
エンコーダカウント+モータ電圧+インピーダンス
エンコーダカウント+モータ電流の誘導体+モータ電圧+インピーダンス
エンコーダカウント+モータ電圧の誘導体+モータ電圧+インピーダンス
エンコーダカウント+モータ電流の誘導体+インピーダンス
エンコーダカウント+モータ電流の誘導体+モータ電圧+モータ電流+インピーダンス
エンコーダカウント+モータ電圧の誘導体+インピーダンス
エンコーダカウント+モータ電圧の誘導体+モータ電圧+モータ電流+インピーダンス
エンコーダカウント+モータ電圧の誘導体+モータ電流の誘導体+モータ電圧+モータ電流+インピーダンス
【0340】
5つの別個の条件が存在することは特筆に値する。これは、5つの異なる条件に対する連結インピーダンス測定に基づく、短絡検出の25=32の異なる組み合わせを暗示する。
【0341】
図76は、本開示の態様による、測定された組織特性に基づく、無線周波数エネルギー又は超音波処置エネルギーの選択的印加を示すプロセス4200の図である。1つ又は2つ以上のパラメータ、例えばインピーダンス、間隙距離、力、温度又はそれらの誘導体を測定し得る4210。測定された1つ又は2つ以上のパラメータに基づいて、1つ又は2つ以上の組織特性、例えば厚さ、圧縮率又は短絡条件が決定され得る4220。エネルギー印加のコントローラは、1つ又は2つ以上の組織特性に少なくとも部分的に基づいて、1回目のRF又は超音波エネルギーの印加を開始し得る4230。任意に、コントローラは、1つ又は2つ以上の組織特性に少なくとも部分的に基づいて、2回目にRFエネルギーと超音波エネルギーとの間で切り替え得る4240。パラメータの測定4210及び組織特性の決定4220は、エネルギーの印加4230、4240中に起こってもよく、必ずしもエネルギーの印加4230、4240に選好する必要がないことに留意されたい。
【0342】
本開示の態様によれば、特定のエネルギー制御アルゴリズムを用いることができる。例えば、エネルギー起動制御ボタン上で入力されたユーザの力の測定を利用することができる。ユーザ制御ボタンは、装置がオン/オフ閾値を設定すると共に、ボタンの劣化及びユーザの強度を感知することを可能にする、連続測定ボタン感知を含むことができる。技術が起動する既定の力閾値を有する連続信号(割り込み/接触信号ではない)を与える、力容量性又は抵抗性接触を使用してもよく、別個の閾値は停止を意味し、上記の別の強度閾値が起動し、より高い所望のエネルギーレベルの必要性を示す。この一実施形態では、より高いエネルギーレベルは、両方のエネルギーモダリティを同時に起動する要望を示し得る。
【0343】
追加として又は代替として、エネルギー起動ボタン上のホールセンサ又は他の変位ベースのセンサを利用して、既定の起動位置及び異なるエネルギー停止閾値を有するボタンの連続的な変位を得ることもできる。更に別の実施形態では、制御プロセッサは、ボタンの使用を手技及び合間の手技で監視し、ボタン出力の特定のパラメータを記録することにより、閾値を調整してセンサ摩耗及び劣化を補償させ、故にその耐用寿命を延ばす。
【0344】
一態様では、RF又は超音波エネルギーは、特定の時間にコントローラによって終端されてもよい。いくつかの例では、RFエネルギーは、組織が乾燥しすぎているために、超音波エネルギーの印加が遅すぎて切断を行うことができない点まで、組織を乾燥させることができる。このタイプのイベントについて、コントローラは、特定の組織インピーダンスが満たされるとRFエネルギーを終了させ、封止及び切断が完了するまで超音波エネルギーのみを印加するように前進するように構成することができる。完全性のために、本開示はまた、RFエネルギーを終了させる前に、超音波エネルギーを終了させて組織を封止することを企図する。したがって、RFエネルギーと超音波エネルギーとの間の切り替えに加えて、本開示は、RF及び超音波エネルギーの両方を同時に組織に印加して、封止及び切断を同時に達成することを企図する。他の態様では、本開示は、RFエネルギー及び超音波エネルギーの両方を同時に組織に印加し、次に、所定の時間にRFエネルギーを終了させることを企図する。これは、例えば、組織を切断するために超音波エネルギーの印加を無効にする点まで組織を乾燥させることを防止するのに有利であり得る。更に別の態様では、RFエネルギーの強度は、治療レベルから、封止プロセス中の感知に好適な非治療レベルまで低下され、これが所望される場合に、組織に対するRF治療効果を及ぼすことなく、RF感知を用いて組織インピーダンスを測定することができる。
【0345】
図77は、トリガボタン変位とセンサ出力との間の関係を描写するグラフ4300である。垂直軸4370は、トリガボタンの変位を表す。トリガボタンは、例えば、ハンドルアセンブリ又はモジュールに位置していてもよく、ユーザによってRF及び/又は超音波エネルギーの印加を制御するために使用される。水平軸4380は、変位センサ、例えばホールセンサの出力を表す。影付きゾーン4350、4360は、境界ゾーン外を表す。
図77の曲線4310に示すように、センサ出力は、ボタン変位にほぼ比例する。第1のゾーン4320は、「オフ」ゾーンであリ得、ボタン変位は小さく、エネルギーが印加されない。第2のゾーン4330は、「オン」ゾーンであり得、ボタン変位は中程度であり、エネルギーが印加される。第3のゾーン4340は、「高」ゾーンであり得、ボタン変位は大きく、高強度のエネルギーが印加される。あるいは、第3のゾーン4340は、「ハイブリッド」ゾーンであり得、RFエネルギーと超音波エネルギーの両方が印加される。センサ出力の範囲は、12Vとして示されるが、任意の適切な電圧範囲が使用されてもよい。
【0346】
図78は、トリガボタン変位とセンサ出力との間の異常な関係を描写するグラフ4400である。縦軸4470は、トリガボタンの変位を表す。水平軸4480は、変位センサの出力を表す。第1の曲線4410は、トリガボタン変位とセンサ出力との間の正常な関係を表す。第2の曲線4420は、トリガボタン変位とセンサ出力との間の異常な関係を表し、ボタンが下まで押されたとき、センサ出力はその最大値に達しない。第3の曲線4430は、トリガボタン変位とセンサ出力との間の別の異常な関係を表し、ボタンが半押しされただけでセンサ出力が最大値に達する。これらの異常状況は、整備又は滅菌中に検出することができ、ボタン摩耗又は損傷を示すことができる。これらの異常状況を検出すると、センサは、摩耗又は損傷を補償するために再較正され得る。
【0347】
図79は、トリガボタン変位とセンサ出力との間の許容される関係を描写するグラフA900である。垂直軸4570は、トリガボタンの変位を表す。水平軸4580は、変位センサの出力を表す。第1の曲線4510は、トリガボタン変位とセンサ出力との間の製造されたとおりの関係を表す。第2の曲線4515は、老化によるトリガボタン変位とセンサ出力との間の変化した関係を表す。この関係は、ユーザが3つのゾーン4520、4530、4540を更に起動することができるため、許容される。
【0348】
別の実施形態は、フレックス回路内の他のローカルセンサを使用して、電力出力を減衰させるか、又は電力を別の電極へと再指向することによって、RF電力の局所的な影響を可能にする。例えば、特定のセグメント化電極対内の温度の局所的な測定を使用して、電極対の各側面に使用可能な電力の平衡に影響を与える。力の局所的測定は、より重い負荷をかけた電極対により多くの電力を指向する。
【0349】
図80は、左から右にセグメント化されたフレキシブル回路4600の一態様を示す。左から右にセグメント化されたフレキシブル回路4600は、左から右にセグメント化されたフレキシブル回路4600の左側の複数のセグメントL1~L5及び左から右にセグメント化されたフレキシブル回路4600の右側の複数のセグメントR1~R5を含む。セグメントL1~L5及びR1~R5は各々、各セグメントL1~L5及びR1~R5内の組織パラメータを局所的に感知するために、温度センサ及び/又は力センサを含む。左から右にセグメント化されたフレキシブル回路4600は、セグメントL1~L5及びR1~R5の各々の内部で局所的に感知された組織パラメータに基づいて、RF処置エネルギーに影響を及ぼすように構成されている。
【0350】
図81は、フレキシブル回路A1100内に埋め込まれたRF電極及びデータセンサを含むフレキシブル回路の一態様の断面図である。フレキシブル回路4700は、金属などの導電性材料から作製される、RFクランプアームA1102の右又は左部分に取り付けられ得る。RFクランプアーム4702の下に、下向き(垂直)の力/圧力センサ4706a、4706bが、ラミネート層4704の下に埋め込まれている。横力/圧力センサ4708は、下向き(垂直)の力/圧力センサ4706a、4706b層の下に位置し、温度センサ4710は、横力/圧力センサ4708の下に位置する。電極4712は、発生器に電気的に連結され、RFエネルギーを組織4714に印加するように構成されており、温度センサ4710の下に位置する。
【0351】
図82は、本開示の一態様による、ジョー部材6202、フレキシブル回路6204a、6204b及び各フレキシブル回路6204a、6204b上に設けられたセグメント化電極6206a、6206bを備えるエンドエフェクタ6200の断面図である。
図83は、本開示の一態様による、
図82に示すエンドエフェクタ6200の詳細図である。前述のように、シャフト上にのみ位置する専用のシャフトアセンブリ制御を有する外科用器具の一次ハンドル組立ハウジングに汎用の制御を提供するのに有利であり得る。例えば、RF機器は、関節接合ボタンと共に遠位ヘッド回転電子回転シャフト制御を含み得るが、一次ハンドルは、エネルギー起動制御及びジョー部材クランプ/アンクランプトリガ制御を含む。更に、センサ及びエンドエフェクタ測定要素を用いることができる。器具がジョー部材内のどこに組織が存在するかを感知することを可能にする、セグメント化電極を用いることができる。そのようなシステムはまた、複数の組織パラメータを感知し、電極を内蔵する非対称フレキシブル回路電極と、超音波ブレードに対する圧力を測定するための圧力素子とを使用することもできる。これらのシステムはまた、コンボ装置が、フレックス電極スタック内に積層された2つの電極の各々に組み込まれたセンサを有することを可能にする、フレックス電極を用いてもよい。
【0352】
ここで
図82及び
図83を参照して、エンドエフェクタ6200は、ジョー部材6202、フレキシブル回路6204a、6204b及び各フレキシブル回路6204a、6204b上に設けられたセグメント化電極6206a、6206bを備える。各セグメント化電極6206a、6206bは、いくつかのセグメントを含む。図に示すように、第1のセグメント化電極6206aは、第1及び第2のセグメント化電極セグメント6208a、6208bを含み、第2のセグメント化電極6206bは、第1及び第2のセグメント化電極セグメント6210a、6210bを含む。特に
図83に示すように、ジョー部材6202は、金属製であり、熱を伝導してジョー部材6202の冷却を維持する。フレキシブル回路6204a、6204bの各々は、金属又は他の導電体材料からなる導電性素子6214a、6214bを備え、電気絶縁性積層体6216によって金属製ジョー部材6202から電気的に絶縁されている。導電性素子6214a、6214bは、
図30~
図44に関して本明細書に記載される組み合わせ超音波/電気外科用器具500、600、700のうちのいずれか1つのシャフトアセンブリ、ハンドルアセンブリ、変換器アセンブリ又は電池アセンブリのうちのいずれかに位置する電気回路に連結される。
【0353】
図84Aは、本開示の一態様による、ジョー部材6302と超音波ブレード6306との間に組織が位置しない状態で、回転可能なジョー部材6302、フレキシブル回路6304及びジョー部材に対して垂直方向に位置決めされた超音波ブレード6306を備える、エンドエフェクタ6300の断面図である。
図84Bは、本開示の一態様による、ジョー部材6302と超音波ブレード6306との間に組織6308が位置する、
図84Aに示すエンドエフェクタ6300の断面図である。超音波ブレード6306は、組織切開を強化するためのサイドローブ部6310a、6310bと、組織封止を強化するための均一な部分6312a、6312bとを備える。
図84A及び
図84Bに示す垂直配向で、超音波ブレード6308は、組織切開のために構成されている。
【0354】
図85Aは、本開示の一態様による、ジョー部材6302と超音波ブレード6306との間に組織が位置しない状態で、回転可能なジョー部材6302、フレキシブル回路6304及びジョー部材6302に対して水平方向に位置決めされた超音波ブレード6306を備える、
図84A及び
図84Bに示すエンドエフェクタ6300の断面図である。
図84Bは、本開示の一態様による、ジョー部材6302と超音波ブレード6306との間に組織6308が位置する、
図84Aに示すエンドエフェクタ6300の断面図である。
図85A及び
図85Bに示す水平配向で、超音波ブレード6308は、組織封止(例えば、焼灼)のために構成されている。
【0355】
図84A~
図85Bを参照して、フレキシブル回路6304は、ジョー部材6302と超音波ブレード6306との間に挟持された組織6308に高周波(例えば、RF)電流を送達するように構成された電極を含む。一態様では、
図82~
図83及び
図86~
図93に関して本明細書に記載されるセグメント化電極であり得る。フレキシブル回路6304は、
図33~
図37に関して示される高周波(例えば、RF)電流駆動回路702に連結されている。図示した例では、フレキシブル回路電極6304は、高周波(例えば、RF)電流エネルギー源の正極に連結され、超音波ブレード6306は、高周波(例えば、RF)電流エネルギー源の負(例えば、戻り)極に連結される。いくつかの構成では、正極及び負極は、フレキシブル回路6304の電極が、負極に連結され、超音波ブレード6306が、正極に連結されるように反転されてもよいことが理解されよう。超音波ブレード6306は、
図4~
図9に関して示すように、超音波変換器130、130’に音響連結されている。動作時に、高周波(例えば、RF)電流を用いて、組織6308を封止し、超音波ブレード6306を使用し、超音波振動を用いて組織を切開する。
【0356】
図784、
図84B、
図85A及び
図85Bに示した例では、ジョー部材6302は、固定超音波ブレード6306を中心として回転可能である。ジョー部材6302は、超音波ブレード6306に対して90°回転してもよい。別の態様では、ジョー部材6302は、超音波ブレード6306に対して360°以上回転してもよい。様々な他の態様では、超音波ブレード6306は、固定ジョー部材6302を中心として回転可能である。超音波ブレード6306は、ジョー部材6302に対して90°回転することができる。別の態様では、超音波ブレード6306は、ジョー部材6302に対して360°以上回転することができる。
【0357】
ここで
図86を参照して、エンドエフェクタ6400は、ジョー部材6402上に位置するRFデータセンサ6406、6408a、6408bを備える。エンドエフェクタ6400は、ジョー部材6402と、超音波ブレード6404とを備える。ジョー部材6402は、ジョー部材6402と超音波ブレード6404との間に位置する組織6410を把持して示されている。第1のセンサ6406は、ジョー部材6402の中央部に位置する。第2及び第3のセンサ6408a、6408bは、ジョー部材6402の外側部分に位置する。センサ6406、6408a、6408bは、ジョー部材6402に固定的に取り付けられるように構成されたフレキシブル回路6412(
図87でより具体的に示す)と一体的に取り付けられるか、又は形成される。
【0358】
エンドエフェクタ6400は、
図30~
図44に関して本明細書に記載される外科用器具500、600、700の例示的なエンドエフェクタである。センサ6406、6408a、6408bは、例えば、回路6550、6570(
図96~
図97)などのインターフェース回路を介して、制御回路210(
図14)、1300(
図62)、1400(
図63)、1500(
図64)などの制御回路に電気的に接続されている。センサ6406、6408a、6408bは、電池によって電力供給され、センサ6406、6408a、6408bによって生成された信号は、制御回路のアナログ及び/又はデジタル処理回路に提供される。
【0359】
一態様では、第1のセンサ6406は、ジョー部材6402によって組織6410に加えられた垂直力F
3を測定するための力センサである。第2及び第3のセンサ6408a、6408bは、組織6410にRFエネルギーを印加し、他のパラメータの中でも特に、組織インピーダンス、下向きの力F
1、横力F
2及び温度を測定するために、1つ又は2つ以上の素子を含む。電極6409a、6409bは、電気回路702(
図34)などのエネルギー源に電気的に連結され、RFエネルギーを組織6410に印加する。一態様では、第1のセンサ6406と、第2及び第3のセンサ6408a、6408bとは、力又は単位面積当たりの力を測定するための歪ゲージである。下向きの力F
1、横向きの力F
2及び垂直力F
3の測定値は、力センサ6406、6408a、6408bが作用している表面積を決定することによって、圧力に容易に変換され得ることが理解されよう。更に、本明細書に詳細に記載するように、フレキシブル回路6412は、フレキシブル回路6412の1つ又は2つ以上の層内に埋め込まれた温度センサを備えてもよい。1つ又は2つ以上の温度センサは、対称的に又は非対称的に配置されてもよく、超音波駆動回路177及びRF駆動回路702の制御回路に組織6410の温度フィードバックを提供してもよい。
【0360】
図87は、センサ6406、6408a、6408bが、フレキシブル回路6412に取り付けられ得るか、又はそれと一体に形成され得る、
図86に示したフレキシブル回路6412の一態様を示す。フレキシブル回路6412は、ジョー部材6402に固定的に取設されるように構成されている。
図87に詳細に示すように、非対称型温度センサ6414a、6414bは、フレキシブル回路6412に取り付けられ、組織6410(
図86)の温度を測定することを可能にする。
【0361】
図88は、
図87に示されるフレキシブル回路6412の断面図である。フレキシブル回路6412は、複数の層を含み、ジョー部材6402に固定的に取設される。フレキシブル回路6412の最上層は、電極6409aであり、電気回路702(
図34)などの電源に電気的に連結され、RFエネルギーを組織6410(
図86)に印加する。電気絶縁層6418は、電極6409a層の下に設けられ、センサ6414a、6406、6408aを電極6409aから電気的に絶縁する。温度センサ6414aは、電気絶縁層6418の下に配設される。第1の力(圧力)センサ6406は、温度センサ6414aを収容する層の下に、かつ圧縮層6420の上に位置する。第2の力(圧力)センサ6408aは、圧縮層6420の下に、かつジョー部材6402フレームの上に位置する。
【0362】
図89は、エンドエフェクタのジョー部材6434に固定的に取設されるように構成されたセグメント化フレキシブル回路6430の一態様を示す。セグメント化フレキシブル回路6430は、局所的な組織制御を提供するために、個々のアドレス可能なセンサを含む遠位セグメント6432aと、外側セグメント6432b、6432cとを備える。セグメント6432a、6432b、6432cは、セグメント6432a、6432b、6432cの各々の内部に位置する個々のセンサに基づいて、組織を処置するために、また組織パラメータを測定するために個々にアドレス可能である。セグメント化フレキシブル回路6430のセグメント6432a、6432b、6432cは、ジョー部材6434に取り付けられ、また電気回路702(
図34)などのエネルギー源に、導電性素子6436を介して電気的に連結される。ホール効果センサ6438又は任意の好適な磁気センサが、ジョー部材6434の遠位端に位置する。ホール効果センサ6438は、ジョー部材6434によって定義された開口(そうでなければ、
図91に詳細に示される、組織間隙と称され得る)の測定値を提供するために、磁石と共に動作する。
【0363】
図90は、エンドエフェクタのジョー部材6444に取り付けるように構成されたセグメント化フレキシブル回路6440の一態様を示す。セグメント化フレキシブル回路6580は、組織制御のために、個々のアドレス可能なセンサを含む遠位セグメント6442aと、外側セグメント6442b、6442cとを備える。セグメント6442a、6442b、6442cは、組織を処置するために、またセグメント6442a、6442b、6442cの各々の内部に位置する個々のセンサを読み取るために、個々にアドレス可能である。セグメント化フレキシブル回路6440のセグメント6442a、6442b、6442cは、ジョー部材6444に取り付けられ、また電気回路702(
図34)などのエネルギー源に、導電性素子6446を介して電気的に連結される。ホール効果センサ6448又は他の好適な磁気センサが、ジョー部材6444の遠位端に設けられている。ホール効果センサ6448は、
図91に詳細に示されるエンドエフェクタのジョー部材6444によって定義された開口又は組織間隙の測定値を提供するために、磁石と共に動作する。更に、複数の外側部非対称型温度センサ6450a、6450bは、セグメント化フレキシブル回路6440上に取り付けられるか、形式上それと一体化され、組織温度フィードバックを超音波駆動回路177及びRF駆動回路702の制御回路に提供する。
【0364】
図91は、組織間隙G
Tを測定するように構成されたエンドエフェクタ6460の一態様を示す。エンドエフェクタ6460は、ジョー部材6462とジョー部材6444とを備える。
図90に記載されるフレキシブル回路6440は、ジョー部材6444に取り付けられている。フレキシブル回路6440は、組織間隙G
Tを測定するために、ジョー部材6462に取り付けられた磁石6464と動作するホール効果センサ6448を備える。この技術は、ジョー部材6444とジョー部材6462との間に定義された開口を測定するために用いられ得る。ジョー部材6462は、超音波ブレードであってもよい。
【0365】
図92は、
図80に示すセグメント化フレキシブル回路6468を含むエンドエフェクタ6470の一態様を示す。エンドエフェクタ6470は、ジョー部材6472及び超音波ブレード6474を備える。セグメント化フレキシブル回路6468は、ジョー部材6472に取り付けられている。セグメント1~5の内部に配設されたセンサは各々、ジョー部材6472と超音波ブレード6474との間に位置決めされた組織の存在を検出し、組織ゾーン1~5を表すように構成されている。
図92に示した構成において、エンドエフェクタ6470は、ジョー部材6472と超音波ブレード6474との間に組織を受け取るか、又は把持する準備ができている開放位置で示されている。
【0366】
図93は、ジョー部材6472と超音波ブレード6474との間に組織6476を把持しているジョー部材6472と共に、
図92に示すエンドエフェクタ6470を示す。
図93に示すように、組織6476は、セグメント1~3の間に位置決めされ、組織ゾーン1~3を表す。したがって、組織6476は、セグメント1~3内のセンサによって検出され、組織の不在(空の場合)は、セグメント4~5によって部分6478で検出される。特定のセグメント1~3及び4~5内にそれぞれ位置する組織6476の有無に関する情報は、制御回路210(
図14)、1300(
図62)、1400(
図63)、1500(
図64)などの制御回路に、例えば、回路6550、6570(
図96~
図97)などのインターフェース回路を介して伝達される。制御回路は、組織6476が検出された場合、セグメント1~3のみに通電するように構成されており、組織が検出されていない場合、セグメント4~5には通電しない。セグメント1~5は、ある特定のセグメント1~5内に位置する組織の組織パラメータを測定するための任意の好適な温度、力/圧力、及び/又はホール効果磁気センサと、ある特定のセグメント1~5内に位置する組織にRFエネルギーを送達するための電極とを収容してもよいことが理解されよう。
【0367】
図94は、局所的に感知された組織のパラメータに基づいてエンドエフェクタの右側及び左側によって印加されたエネルギーのグラフ6480を示す。本明細書で論じられるように、エンドエフェクタのジョー部材は、ジョー部材の右側及び左側に沿って、中でも特に、温度センサ、力/圧力センサ、ホール効果センサを備えてもよい。したがって、RFエネルギーは、クランプジョーと超音波ブレードとの間に位置付けられた組織に選択的に印加され得る。上部のグラフ6482は、局所的に感知された組織パラメータに基づいて、ジョー部材の右側セグメントに印加された電力P
R対時間(t)を描写する。これにより、制御回路210(
図14)、1300(
図62)、1400(
図63)、1500(
図64)などの制御回路が、例えば回路6550、6570(
図96~
図97)などのインターフェース回路を介して、感知された組織パラメータを測定し、ジョー部材の右側セグメントに電力P
Rを印加するように構成される。RF駆動回路702(
図34)は、右側セグメントを介して初期電力レベルP
1を組織に送達し、次いで1つ又は2つ以上のセグメントにおける組織パラメータ(例えば、温度、力/圧力、厚さ)の局所的な感知に基づいて、電力レベルをP
2まで低下させる。底部のグラフ6484は、局所的に感知された組織パラメータに基づいて、ジョー部材の左側セグメントに印加された電力P
Lに対する時間(t)を描写する。RF駆動回路702は、左側セグメントを介してP
1の初期電力レベルを組織に送達し、次いで組織パラメータ(温度、力/圧力、厚さ)の局所的な感知に基づいて、電力レベルをP
3まで上昇させる。底部グラフ6484に描写するように、RF駆動回路702は、組織パラメータ(例えば、温度、力/圧力、厚さ)の感知に基づいて、送達されたエネルギーP
3を再調整するように構成されている。
【0368】
図95は、ジョー部材と超音波ブレードとの間に位置する組織に加えられた力又は圧力を感知するように構成されたエンドエフェクタ6530の一態様の断面図である。エンドエフェクタ6530は、クランプジョー6532と、ジョー部材6532に固定的に取り付けられたフレキシブル回路6534とを備える。ジョー部材6532は、力F
1及びF
2を、可変密度及び厚さの組織6536に加え、これらの力は、フレキシブル回路6534の異なる層に位置する第1及び第2の力/圧力センサ6538、6540によって測定され得る。圧縮層6542は、第1及び第2の力/圧力センサ6538、6540の間に挟まれている。電極6544は、組織に接触するフレキシブル回路6534の外側部分上に位置する。本明細書に記載したように、フレキシブル回路6534の他の層は、温度センサ、厚さセンサなどの追加のセンサを備えてもよい。
【0369】
図96~
図97は、信号層のフレキシブル回路、センサ配線及びRFエネルギー駆動回路の様々な概略図を示す。
図96は、フレキシブル回路6550の信号層の一態様の概略図である。フレキシブル回路6550は、複数の層を含む(例えば、約4つ~約6つ)。1つの層は、集積回路に電力を供給し、別の層は接地を有するであろう。2つの追加の層は、RF電力RF1及びRF2を別々に運ぶであろう。アナログマルチプレクサスイッチ6552は、SCL-C/SDA-Cインターフェースチャネルを介して制御回路210(
図14)にインターフェースで接続するようにI
2Cバスを介して制御可能な8つの双方向並進スイッチを有する。SCL/SDA上流対は、8つの下流対又はチャネルに広がる。任意の個々のSCn/SDnチャネル又はチャネルの組み合わせは、プログラマブル制御レジスタの内容によって、選択され、決定され得る。6つの下流センサがあり、ジョー部材の各側に3つある。第1の側6554aは、第1の熱電対6556a、第1の圧力センサ6558a及び第1のホール効果センサ6560aを備える。第2の側6554bは、第2の熱電対6556b、第2の圧力センサ6558b、及び第2のホール効果センサ6560bを備える。
図97は、スイッチ6552に対する
図96に示すフレキシブル回路6550のセンサ配線の概略
図6570である。
【0370】
図98Aは、ジョー部材6672及び超音波ブレード6674を備えるエンドエフェクタ6670を例示し、ジョー部材6672が電極6676を含む。エンドエフェクタ6670は、
図30~
図44に関して本明細書に記載される外科用器具の組み合わせ超音波/電気外科用器具500、600、700のうちの1つに用いることができ、この組み合わせ超音波/電気外科用器具500、600、700は、例えば、組織の厚さ及び/又は種類を暗示する、とりわけインピーダンス、モータからの電流、ジョー部材間隙、組織圧迫、温度などの装置パラメータの感知/計算された測定値に基づいて、RF、超音波及び組み合わせRF/超音波エネルギーを自動的に切り替えるように構成される。
図984Aを参照すると、エンドエフェクタ6670は、圧縮、切断又はステープル留めの前に、医師によって組織6678を取り巻くように位置決めされてよい。
図98Aに示すように、エンドエフェクタ6670を使用する準備をしている間、組織に圧縮が加えられなくてもよい。
図98Aに示すように、組織6678は、ジョー部材6672と超音波ブレード6674との間で圧縮下にはない。
【0371】
ここで
図98Bを参照すると、外科用器具のハンドル上のトリガを係合させることによって、医師は、エンドエフェクタ6670を使用して組織6678を圧縮してもよい。一態様では、組織6678は、
図98Bに示すように、その最大閾値まで圧縮されてもよい。
図98Aに示すように、組織6678は、ジョー部材6672と超音波ブレード6674との間で最大圧縮下にある。
【0372】
図99Aを参照すると、様々な力が、エンドエフェクタ6670によって組織6678に適用されてよい。例えば、組織6678がエンドエフェクタ6670のジョー部材6672と超音波ブレード6674との間で圧縮されると、それによって垂直力F1及びF2が加えられてもよい。ここで
図99Bを参照すると、エンドエフェクタ6670によって圧縮されると、様々な斜め方向及び/又は横方向の力も組織6678に加えられ得ることが示される。例えば、力F3が加えられてもよい。組み合わせ超音波/電気外科用器具500、600、700(
図30~
図44)を動作させる目的のために、エンドエフェクタによって組織に適用されている様々な形態の圧縮を感知又は計算することが望ましいことがある。例えば、垂直方向又は横方向の圧縮の理解は、エンドエフェクタがステープル動作をより精密又は正確に適用することを可能にし得るか、又は外科用器具をより適切又は安全に使用することができるような外科用器具の情報をオペレータに与え得る。
【0373】
一形態では、歪ゲージを用いて、
図98A~
図98B及び
図99A~
図99Bに示すエンドエフェクタにより組織6678に加えられた力を測定することができる。歪ゲージは、エンドエフェクタ6670に連結され、エンドエフェクタ6670により処置される組織6678に及ぼす力を測定することができる。ここでまた
図100を参照すると、
図100に示す態様では、組織6678に加えられた力を測定するためのシステム6680は、例えば、マイクロ歪ゲージなどの歪ゲージセンサ6682を備え、組織の圧縮の指標であり得る、クランピング動作中に
図99A~
図99Bのジョー部材6672などのエンドエフェクタのジョー部材に及ぼされた、例えば歪みの振幅などのエンドエフェクタ6670の1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成されている。測定された歪みは、デジタル信号に変換され、マイクロコントローラ6688のプロセッサ6690に提供される。負荷センサ6684は、エンドエフェクタ6670のジョー部材6672と超音波ブレード6674との間に捕捉された組織6678を切断するように超音波ブレード6674を動作させるための力を測定することができる。磁界センサ6686は、捕捉された組織6678の厚さを測定するために用いることができる。磁界センサ6686の測定値もまた、デジタル信号に変換され、プロセッサ6690に提供される。
【0374】
上記に加えて、フィードバックインジケータ6694もまた、マイクロコントローラ6688と通信するように構成され得る。一態様では、フィードバックインジケータ6694は、組み合わせ超音波/電気外科用器具500、600、700(
図30~
図44)のハンドル内に配設され得る。あるいは、フィードバックインジケータ6694は、例えば、外科用器具のシャフトアセンブリ内に配設することができる。任意の事象において、マイクロコントローラ6688は、フィードバックインジケータ6694を用いて、外科用器具のオペレータに、例えば、エンドエフェクタに組織をきつく固定させるために使用される、発射トリガの選択された位置などの手動入力の妥当性に関するフィードバックを提供することができる。そのためには、マイクロコントローラ6688は、ジョー部材6672及び/又は発射トリガの選択された位置を評価し得る。センサ6682、6684、6686によってそれぞれ測定される、組織6678の圧縮、組織6678の厚さ、及び/又は組織上のエンドエフェクタ6670を閉じるために必要とされる力は、発射トリガの選択された位置及び/又はエンドエフェクタの速度の対応する値を特徴付けるために、マイクロコントローラ6688によって使用することができる。一例では、メモリ6692は、評価においてマイクロコントローラ6688によって用いることができる技術、等式及び/又はルックアップテーブルを記憶することができる。
【0375】
本明細書で開示した器具の諸態様は、1回の使用後に処分するように設計することもできるし、複数回使用するように設計することもできる。様々な態様は、いずれの場合も、少なくとも1回の使用後に再使用のために再調整されてもよい。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含み得る。具体的には、装置の態様は、分解されてもよく、また、装置の任意の数の特定の部品又は部材を任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外してもよい。特定の部品を洗浄及び/又は交換した後、装置の態様は、再調整用の施設において又は外科手技の直前に外科チームによって、その後の使用のために再組立してもよい。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を使用できる点を認識するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本出願の範囲内にある。
【0376】
単なる例として、本明細書に記載される態様は、手術前に処理されてもよい。まず、新品又は使用済みの器具を入手し、必要に応じて洗浄することができる。次いで器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、γ線、X線、又は高エネルギー電子などの容器を透過し得る放射線野に置くことができる。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、医療施設で開けられるまで、器具を滅菌状態に保つことができる。装置はまた、β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、技術分野で既知の任意のその他の技術を用いて滅菌され得る。
【0377】
上述の説明において様々な詳細が記載されてきたが、電気信号波形及び外科用器具をデジタル的に生成するための発生器を動作させる技術の様々な態様が、これらの特定の詳細なしに実行され得ることが理解されよう。本明細書に記載される要素(例えば、動作)、装置、目的及びそれらに伴う考察は、構想を明らかにするための例として使用され、様々な構成の修正が想到されることが、当業者には認識されるであろう。その結果として、本明細書で使用されるとき、説明した特定の例及びそれらに伴う考察は、より一般的な種類を代表することを意図したものである。一般に、特定の代表例を用いることは、その種類を代表することを意図したものであり、また、特定の要素(例えば、動作)、装置、及び目的を含めないことは、限定と見なされるべきではない。
【0378】
いくつかの形態が例示され説明されてきたが、添付の特許請求の範囲をそのような詳述に制限又は限定することは、本出願人が意図するところではない。多数の修正、変形、変化、置換、組み合わせ及びこれらの形態の等価物を実装することができ、本開示の範囲から逸脱することなく当業者により想到されるであろう。更に、記述する形態に関連した各要素の構造は、その要素によって実施される機能を提供するための技術として代替的に説明することができる。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の説明文及び添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、組み合わせ、及び変形を、開示される形態の範囲に含まれるものとして網羅することを意図としたものである点を理解されたい。添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、変形、変化、置換、修正及び等価物を網羅することを意図する。
【0379】
本開示の簡潔性及び明白性のために、前述の開示の選択された態様は、詳細ではなくブロック図形態で示されてきた。本明細書に提供される詳細な説明の一部は、1つ又は2つ以上のコンピュータメモリ又は1つ又は2つ以上のデータ記憶装置(例えば、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(Compact Disc、CD)、デジタルビデオディスク(Digital Video Disk、DVD)、又はデジタルテープ)に記憶されるデータ上で動作する命令に関して提示され得る。そのような説明及び表現は、当業者によって、自身の仕事の内容を当該技術分野の他者に説明及び伝達するために使用されているものである。一般に、アルゴリズムとは、所望の結果につながる工程の自己無撞着シーケンスを指し、「工程」とは、必ずしも必要ではないが、記憶、伝達、複合、比較及び別様に動作されることが可能な電気又は磁気信号の形態をとることができる物理量及び/又は論理状態の動作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などで参照することが一般的な扱い方である。これらの及び類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、また単に、これらの量及び/又は状態に適用される便利なラベルである。
【0380】
別段の明確な定めがない限り、前述の開示から明らかなように、前述の開示全体を通じて、「処理する」又は「計算する」又は「算出する」又は「決定する」又は「表示する」などの用語を使用する議論は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又はそのような情報記憶、伝送若しくは表示装置内で物理量として同様に表現される他のデータへと操作し変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算装置の動作及び処理を指していることが理解されよう。
【0381】
一般的な意味で、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は共同して実装することができる、本明細書で説明する様々な態様を、様々な種類の「電気回路」から構成されるものと見なすことができることを、当業者には理解されよう。その結果として、本明細書で使用されるとき、「電気回路」は、限定するものではないが、少なくとも1つの個々の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの専用集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムで構成された汎用コンピューティングデバイス(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムで構成された汎用コンピュータ、又は、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムで構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリデバイスを形成する(例えばランダムアクセスメモリを形成する)電気回路、及び/又は、通信装置(例えばモデム、通信スイッチ又は光学的-電気的設備)を形成する電気回路を含む。本明細書で述べた主題は、アナログ若しくはデジタルの形式又はそれらのいくつかの組み合わせで実現されてもよいことを、当業者には理解されよう。
【0382】
上記の詳細な説明は、ブロック図、フローチャート、及び/又は実施例を用いて装置及び/又はプロセスの様々な形態について記載してきた。そのようなブロック図、フローチャート及び/又は実施例が、1つ又は2つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、当業者に理解されたいこととして、そのようなブロック図、フローチャート及び/又は実施例に含まれる各機能及び/又は動作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの事実上任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は共同に実装することができる。一形態では、本明細書に記載される主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、又は他の集積型形式で実装され得る。しかしながら、当業者に理解されたいこととして、その全部か一部かを問わず、本明細書で開示される形態のいくつかの態様は、1つ又は2つ以上のコンピュータ上で稼働する1つ又は2つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1つ又は2つ以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして)、1つ又は2つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして(例えば、1つ又は2つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、あるいは、それらの実質的に任意の組み合わせとして、集積回路において等価に実現され得、また、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれる。更に、当業者に明らかとなることとして、本明細書に記載した主題の機構は、多様な形式で1つ又は2つ以上のプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載した主題の具体的な形態は、配布を実際に行うために使用される信号搬送媒体の特定の種類にかかわらず用いられる。信号搬送媒体の例としては、記録可能型の媒体、例えば、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、コンピュータメモリなど、ならびに伝送型の媒体、例えば、デジタル及び/又はアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンク(例えば、送信機、受信機、送信ロジック、受信ロジックなど)など)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0383】
いくつかの例では、1つ又は2つ以上の要素は、「連結された」及び「接続された」という表現を、それらの派生語と共に使用して記載されることがある。これらの用語は、互いに同義語であることは意図されないことを理解されたい。例えば、いくつかの態様は、2つ又はそれ以上の要素が互いに直接物理的又は電気的に接触していることを示すため、「接続された」という用語を使用して記載されることがある。別の例では、いくつかの態様は、2つ又はそれ以上の要素が直接物理的又は電気的に接触していることを示すため、「連結された」という用語を使用して記載されることがある。しかしながら、「連結された」という用語はまた、2つ又はそれ以上の要素が互いに直接接触はしないが、依然として互いに協働又は相互作用することを意味することがある。異なる他の構成要素内に含まれるか、又は接続される異なる構成要素の描写されたアーキテクチャは単なる例であり、それが同じ機能性を実現する多くの他のアーキテクチャが実装され得ることが分かる。構想の意味で、同じ機能性を達成する要素の任意の配置は、所望の機能性が達成されるように効果的に「関連付け」られる。したがって、特定の機能性を達成するように組み合わされた本明細書での任意の2つの要素は、アーキテクチャ又は中間要素にかかわらず、所望の機能性が達成されるように互いと「関連付け」られていると見なすことができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの要素はまた、所望の機能性を達成するように互いに「動作可能に接続」又は「動作可能に連結」されているものと見なすことができ、そのように関連付けることが可能な任意の2つの要素はまた、所望の機能性を達成するように互いに「動作可能に連結可能」であると見なすことができる。動作可能に連結可能な特定の例としては、物理的に嵌合可能かつ/若しくは物理的に相互作用する構成要素、及び/又は無線相互作用性かつ/若しくは無線相互作用性構成要素、及び/又は電気的相互作用性構成要素、及び/又は光学的相互作用性構成要素、及び/又は光学的相互作用性構成要素が挙げられるが、これらに限定されない。
【0384】
場合によっては、1つ又は2つ以上の要素が、本明細書において、「ように構成される」、「ように構成可能である」、「ように動作可能である/動作する」、「適合される(adapted)/適合可能である」、「ことが可能である」、「ように適合可能である/適合される(conformed)」などと呼ばれることがある。当業者は、「ように構成される」は一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の要素及び/又は非アクティブ状態の要素及び/又はスタンバイ状態の要素を包含し得ることを理解するであろう。
【0385】
本開示の特定の態様が図示され記載されてきたが、本明細書の教示に基づいて、本明細書に記載される主題及びそのより広範な態様から逸脱することなく、変更及び修正が行われてもよく、したがって添付の特許請求の範囲は、全てのかかる変更及び修正を、本明細書に記載される主題の真の範囲内にあるものとして、その範囲内に包含するものであることが、当業者には明白となるであろう。一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して「開放的」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「~を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「~を含むが、それらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことが、当業者には理解されるであろう。更に、導入されたクレーム記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は当該クレーム中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ又は2つ以上の(one or more)」という導入句を、クレーム記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によってクレーム記載を導入した場合に、たとえ同一のクレーム内に「1つ又は2つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、かかる導入されたクレーム記載を含むいかなる特定のクレームも、かかる記載事項を1つのみ含むクレームに限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ又は2つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用してクレーム記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
【0386】
更に、導入されたクレーム記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、通常、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ若しくはそれ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。「A、B、又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ又はそれ以上の選択的な用語を表すあらゆる選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、説明文内であろうと、請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されるであろう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されるであろう。
【0387】
添付の特許請求の範囲に関して言えば、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な動作上の流れがシーケンスの形で提示されているが、様々な動作は、例示した以外の順序で行われてもよく、又は同時に行われてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「~に応答する」、「~に関連する」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
【0388】
「一態様」、「態様」、「一形態」又は「形態」と言う場合、その態様に関して記載される特定の特徴部、構造又は特性が少なくとも1つの態様に含まれるものであることを意味する点は特筆に値する。したがって、本明細書の全体を通じて様々な場所に見られる「一態様では」、「態様では」、「一形態では」、又は「形態では」なる語句は、必ずしも全てが同じ態様を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又は2つ以上の態様において任意の適当な形で組み合わせることができる。
【0389】
本明細書における実質的に全ての複数形及び/又は単数形の用語の使用に関して、当業者であれば、文脈及び/又は用法に則して複数形から単数形に、及び/又は単数形から複数形に読み替えることができる。様々な単数形/複数形の置換えは、簡潔にするため、本明細書では明示的には記述されない。
【0390】
特定の場合には、コンポーネントが領域の外に位置している場合であっても、システム又は方法の使用がその領域で起こってもよい。例えば、分散コンピューティングの文脈において、システムの一部分が領域の外に位置している可能性があっても(例えば、継電器、サーバ、プロセッサ信号搬送媒体、送信コンピュータ、受信コンピュータなどが領域の外に位置している)、分散コンピューティングシステムの使用はその領域で起こってもよい。
【0391】
システム又は方法のコンポーネントが領域の外に位置し、かつ/又はその外で使用される場合であっても、システム又は方法の売買は同様にその領域で起こってもよい。更に、1つの領域で方法を実行するためにシステムの少なくとも一部分を実現することは、システムを別の領域で使用することを排除しない。
【0392】
全ての上述した米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、本明細書で引用された及び/若しくは任意の出願データシートに列挙された非特許刊行物又は任意のその他の開示文献は、本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。したがって、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に援用されるいかなる矛盾する記載にも優先するものとする。参照により本明細書に援用されるものとするが、現行の定義、見解、又は本開示に記載されたその他の開示内容と矛盾する、任意の文献、又はそれらの部分は、援用文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ援用されるものとする。
【0393】
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利益が記載されてきた。1つ又は2つ以上の形態の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ又は2つ以上の形態は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な形態を様々な修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用できるようにするために、選択され記載されたものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
【0394】
本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の付番された項目において説明される:
【0395】
本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の付番された項目において説明される:
1.外科用器具であって、シャフト及びそのシャフトの遠位端に連結されたエンドエフェクタを含むシャフトアセンブリであって、エンドエフェクタが、閉鎖位置と開放位置との間で枢動するように構成された第1のジョー及び第2のジョーを含む、シャフトアセンブリと、シャフトの近位端に連結されたハンドルアセンブリであって、ユーザによって押されたときに変位するように構成されたボタンを含む、ハンドルアセンブリと、ハンドルアセンブリに連結された電池アセンブリと、ボタンの変位又は強度を測定するように構成されたセンサと、電池アセンブリによって通電され、組織に無線周波数(RF)エネルギーを印加するように構成されたRFエネルギー出力と、電池アセンブリによって通電され、組織に超音波エネルギーを印加するように構成された超音波エネルギー出力と、コントローラであって、センサによって測定された変位又は強度が第1の閾値を上回るが第1の閾値より高い第2の閾値を下回るときに、RFエネルギー出力を制御してRFエネルギーを低レベルで印加するか、又は超音波エネルギー出力を制御して超音波エネルギーを低レベルで印加し、かつセンサによって測定された変位又は強度が第2の閾値を上回るときに、RFエネルギー出力を制御してRFエネルギーを高レベルで印加するか、又は超音波エネルギー出力を制御して超音波エネルギーを高レベルで印加するように構成されたコントローラと、を備える、外科用器具。
2.センサが、ホールセンサである、項目1に記載の外科用器具。
3.センサが、ボタンに加えられた力を測定するように構成され、ボタンの変位又は強度が、ボタンに加えられた力である、項目1又は2に記載の外科用器具。
4.センサの出力が、ボタンの変位又は強度に実質的に比例するように、外科用器具が製造された後に、センサが較正されるように構成されている、項目1~3のいずれか1つに記載の外科用器具。
5.ボタンの変位又は強度が最大に達していないときに、センサの出力が最大に達する場合に、センサが較正されるように構成されている、項目4に記載の外科用器具。
6.センサの出力が最大に達していないときに、ボタンの変位又は強度が最大に達する場合に、センサが較正されるように構成されている、項目4に記載の外科用器具。
7.外科用器具であって、シャフト及びそのシャフトの遠位端に連結されたエンドエフェクタを含むシャフトアセンブリであって、エンドエフェクタが、閉鎖位置と開放位置との間で枢動するように構成された第1のジョー及び第2のジョーを含む、シャフトアセンブリと、シャフトの近位端に連結されたハンドルアセンブリであって、ユーザによって押されたときに変位するように構成されたボタンを含む、ハンドルアセンブリと、ハンドルアセンブリに連結された電池アセンブリと、ボタンの変位又は強度を測定するように構成されたセンサと、電池アセンブリによって通電され、組織に無線周波数(RF)エネルギーを印加するように構成されたRFエネルギー出力と、電池アセンブリによって通電され、組織に超音波エネルギーを印加するように構成された超音波エネルギー出力と、コントローラであって、センサによって測定された変位又は強度が第1の閾値を上回るが第1の閾値より高い第2の閾値を下回るときに、RFエネルギー出力を制御してRFエネルギーを印加するか、又は超音波エネルギー出力を制御して超音波エネルギーを印加し、かつセンサによって測定された変位又は強度が第2の閾値を上回るときに、RFエネルギー出力を制御してRFエネルギーを印加し、超音波エネルギー出力を制御して超音波エネルギーを印加するように構成されたコントローラと、を備える、外科用器具。
8.センサが、ホールセンサである、項目7に記載の外科用器具。
9.センサの出力が、ボタンの変位又は強度に実質的に比例するように、外科用器具が製造された後に、センサが較正されるように構成されている、項目7又は8に記載の外科用器具。
10.センサの出力が、ボタンの変位又は強度に実質的に比例するように、外科用器具が製造された後に、センサが較正されるように構成されている、項目9に記載の外科用器具。
11.センサの出力が最大に達していないときに、ボタンの変位又は強度が最大に達する場合に、センサが較正されるように構成されている、項目9に記載の外科用器具。
12.外科用器具であって、シャフト及びそのシャフトの遠位端に連結されたエンドエフェクタを含むシャフトアセンブリであって、エンドエフェクタが、閉鎖位置と開放位置との間で枢動するように構成された第1のジョー及び第2のジョーを含み、第1又は第2のジョーが、第1の位置で組織特性を測定するように構成された第1のセンサと、第2の位置で組織特性を測定するように構成された第2のセンサと、を備える、シャフトアセンブリと、シャフトの近位端に連結されたハンドルアセンブリと、ハンドルアセンブリに連結された電池アセンブリと、電池アセンブリによって通電され、組織に無線周波数(RF)エネルギーを印加するように構成されたRFエネルギー出力と、電池アセンブリによって通電され、組織に超音波エネルギーを印加するように構成された超音波エネルギー出力と、第1の位置及び第2の位置で測定された組織特性に少なくとも部分的に基づいて、RFエネルギー出力を制御してRFエネルギーを印加するか、又は超音波エネルギー出力を制御して超音波エネルギーを印加するように構成されたコントローラと、を備える、外科用器具。
13.第1及び第2のセンサが、垂直圧センサである、項目12に記載の外科用器具。
14.コントローラが、センサ出力の高い位置で高エネルギーを印加し、かつセンサ出力の低い位置で低エネルギーを印加するように更に構成されている、項目13に記載の外科用器具。
15.第1及び第2のセンサが、横方向圧センサである、項目12~14のいずれか1つに記載の外科用器具。
16.第1及び第2のセンサが、温度センサである、項目12~15のいずれか1つに記載の外科用器具。
17.第1及び第2のセンサが、第1の位置及び第2の位置における組織の有無を感知するように構成されている、項目12~16のいずれか1つに記載の外科用器具。
18.コントローラが、第1のインピーダンス閾値であって、第1の位置及び第2の位置の両方に組織が存在するとき、第1のインピーダンス閾値を下回るとRFエネルギーが超音波エネルギーに切り替えられる、第1のインピーダンス閾値を設定し、かつ第2のインピーダンス閾値であって、第1の位置及び第2の位置の一方のみに組織が存在するとき、第2のインピーダンス閾値を下回るとRFエネルギーが超音波エネルギーに切り替えられる、第2のインピーダンス閾値を設定するように更に構成され、第1及び第2のインピーダンス閾値が異なる、項目16に記載の外科用器具。
19.コントローラが、第1の位置及び第2の位置の両方に組織が存在するとき、エネルギーの印加を制御するために使用される第1の力閾値を設定し、かつ第1の位置及び第2の位置の一方のみに組織が存在するとき、エネルギーの印加を制御するために使用される第2の力閾値を設定するように更に構成され、第1及び第2の力閾値が異なる、項目17又は18に記載の外科用器具。
20.コントローラが、組織が存在する位置にエネルギーを印加し、かつ組織が存在しない位置にエネルギーを印加しないように更に構成されている、項目17に記載の外科用器具。
【0396】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
シャフト及び前記シャフトの遠位端に連結されたエンドエフェクタを含むシャフトアセンブリであって、前記エンドエフェクタが、閉鎖位置と開放位置との間で枢動するように構成された第1のジョー及び第2のジョーを含む、シャフトアセンブリと、
前記シャフトの近位端に連結されたハンドルアセンブリであって、ユーザによって押されたときに変位するように構成されたボタンを含む、ハンドルアセンブリと、
前記ハンドルアセンブリに連結された電池アセンブリと、
前記ボタンの変位又は強度を測定するように構成されたセンサと、
前記電池アセンブリによって通電され、組織に無線周波数(RF)エネルギーを印加するように構成されたRFエネルギー出力と、
前記電池アセンブリによって通電され、前記組織に超音波エネルギーを印加するように構成された超音波エネルギー出力と、
コントローラであって、
前記センサによって測定された前記変位又は強度が第1の閾値を上回るが前記第1の閾値より高い第2の閾値を下回るときに、前記RFエネルギー出力を制御してRFエネルギーを低レベルで印加するか、又は前記超音波エネルギー出力を制御して超音波エネルギーを低レベルで印加し、かつ
前記センサによって測定された前記変位又は強度が前記第2の閾値を上回るときに、前記RFエネルギー出力を制御してRFエネルギーを高レベルで印加するか、又は前記超音波エネルギー出力を制御して超音波エネルギーを高レベルで印加するように構成されたコントローラと、を備える、外科用器具。
(2) 前記センサが、ホールセンサである、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記センサが、前記ボタンに加えられた力を測定するように構成され、前記ボタンの前記変位又は強度が、前記ボタンに加えられた力である、実施態様1に記載の外科用器具。
(4) 前記センサの出力が前記ボタンの前記変位又は強度に実質的に比例するように、前記外科用器具が製造された後に、前記センサが較正されるように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(5) 前記ボタンの前記変位又は強度が最大に達していないときに前記センサの前記出力が最大に達する場合に、前記センサが較正されるように構成されている、実施態様4に記載の外科用器具。
【0397】
(6) 前記センサの前記出力が最大に達していないときに前記ボタンの前記変位又は強度が最大に達する場合に、前記センサが較正されるように構成されている、実施態様4に記載の外科用器具。
(7) 外科用器具であって、
シャフト及び前記シャフトの遠位端に連結されたエンドエフェクタを含むシャフトアセンブリであって、前記エンドエフェクタが、閉鎖位置と開放位置との間で枢動するように構成された第1のジョー及び第2のジョーを含む、シャフトアセンブリと、
前記シャフトの近位端に連結されたハンドルアセンブリであって、ユーザによって押されたときに変位するように構成されたボタンを含む、ハンドルアセンブリと、
前記ハンドルアセンブリに連結された電池アセンブリと、
前記ボタンの変位又は強度を測定するように構成されたセンサと、
前記電池アセンブリによって通電され、組織に無線周波数(RF)エネルギーを印加するように構成されたRFエネルギー出力と、
前記電池アセンブリによって通電され、前記組織に超音波エネルギーを印加するように構成された超音波エネルギー出力と、
コントローラであって、
前記センサによって測定された前記変位又は強度が第1の閾値を上回るが前記第1の閾値より高い第2の閾値を下回るときに、前記RFエネルギー出力を制御してRFエネルギーを印加するか、又は前記超音波エネルギー出力を制御して超音波エネルギーを印加し、かつ
前記センサによって測定された前記変位又は強度が前記第2の閾値を上回るときに、前記RFエネルギー出力を制御してRFエネルギーを印加し、前記超音波エネルギー出力を制御して超音波エネルギーを印加するように構成されたコントローラと、を備える、外科用器具。
(8) 前記センサが、ホールセンサである、実施態様7に記載の外科用器具。
(9) 前記センサの出力が前記ボタンの前記変位又は強度に実質的に比例するように、前記外科用器具が製造された後に、前記センサが較正されるように構成されている、実施態様7に記載の外科用器具。
(10) 前記ボタンの前記変位又は強度が最大に達していないときに前記センサの前記出力が最大に達する場合に、前記センサが較正されるように構成されている、実施態様9に記載の外科用器具。
【0398】
(11) 前記センサの前記出力が最大に達していないときに前記ボタンの前記変位又は強度が最大に達する場合に、前記センサが較正されるように構成されている、実施態様9に記載の外科用器具。
(12) 外科用器具であって、
シャフト及び前記シャフトの遠位端に連結されたエンドエフェクタを含むシャフトアセンブリであって、前記エンドエフェクタが、閉鎖位置と開放位置との間で枢動するように構成された第1のジョー及び第2のジョーを含み、前記第1又は第2のジョーが、
第1の位置で組織特性を測定するように構成された第1のセンサと、
第2の位置で前記組織特性を測定するように構成された第2のセンサと、を備える、シャフトアセンブリと、
前記シャフトの近位端に連結されたハンドルアセンブリと、
前記ハンドルアセンブリに連結された電池アセンブリと、
前記電池アセンブリによって通電され、組織に無線周波数(RF)エネルギーを印加するように構成されたRFエネルギー出力と、
前記電池アセンブリによって通電され、前記組織に超音波エネルギーを印加するように構成された超音波エネルギー出力と、
前記第1の位置及び前記第2の位置で測定された前記組織特性に少なくとも部分的に基づいて、前記RFエネルギー出力を制御してRFエネルギーを印加するか、又は前記超音波エネルギー出力を制御して超音波エネルギーを印加するように構成されたコントローラと、を備える、外科用器具。
(13) 前記第1及び第2のセンサが、垂直圧センサである、実施態様12に記載の外科用器具。
(14) 前記コントローラが、
センサ出力の高い位置で高エネルギーを印加し、かつ
センサ出力の低い位置で低エネルギーを印加するように更に構成されている、実施態様13に記載の外科用器具。
(15) 前記第1及び第2のセンサが、横方向圧センサである、実施態様12に記載の外科用器具。
【0399】
(16) 前記第1及び第2のセンサが、温度センサである、実施態様12に記載の外科用器具。
(17) 前記第1及び第2のセンサが、前記第1の位置及び前記第2の位置における組織の有無を感知するように構成されている、実施態様12に記載の外科用器具。
(18) 前記コントローラが、
第1のインピーダンス閾値であって、前記第1の位置及び前記第2の位置の両方に組織が存在するとき、前記第1のインピーダンス閾値を下回るとRFエネルギーが超音波エネルギーに切り替えられる、第1のインピーダンス閾値を設定し、かつ
第2のインピーダンス閾値であって、前記第1の位置及び前記第2の位置の一方のみに組織が存在するとき、前記第2のインピーダンス閾値を下回るとRFエネルギーが超音波エネルギーに切り替えられる、第2のインピーダンス閾値を設定するように更に構成され、前記第1及び第2のインピーダンス閾値が異なる、実施態様17に記載の外科用器具。
(19) 前記コントローラが、
前記第1の位置及び前記第2の位置の両方に組織が存在するとき、エネルギーの印加を制御するために使用される第1の力閾値を設定し、かつ
前記第1の位置及び前記第2の位置の一方のみに組織が存在するとき、エネルギーの印加を制御するために使用される第2の力閾値を設定するように更に構成され、前記第1及び第2の力閾値が異なる、実施態様17に記載の外科用器具。
(20) 前記コントローラが、
組織が存在する位置にエネルギーを印加し、かつ
組織が存在しない位置にエネルギーを印加しないように更に構成されている、実施態様17に記載の外科用器具。