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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168455
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023171739
(22)【出願日】2023-10-03
(62)【分割の表示】P 2022025194の分割
【原出願日】2017-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000144522
【氏名又は名称】株式会社三洋物産
(74)【代理人】
【識別番号】100143063
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 悟
(72)【発明者】
【氏名】升井 友貴
(72)【発明者】
【氏名】胡本 義宏
(72)【発明者】
【氏名】中村 圭志朗
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 賢
(57)【要約】
【課題】遊技機の管理を好適に行うことが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】MPU62には主側CPU63だけではなく管理用IC66が設けられている。主側CPU63は管理用IC66と電気的に接続されており、各入球検知センサの検知結果が主側CPU63から管理用IC66に送信される。この場合、各入球検知センサの検知結果はそれぞれ対応する信号経路を通じて管理用IC66に送信されるが、各入球検知センサと信号経路との対応関係は動作電力の供給開始時に主側CPU63から管理用IC66に供給される。管理用IC66は各入球検知センサの検知結果の情報を履歴情報として履歴用メモリ117に格納する。また、管理側CPU112は演算契機が発生した場合に履歴用メモリ117の履歴情報を利用して各種パラメータを演算する。履歴情報及び各種パラメータは読み取り用端子102を通じて外部出力される。
【選択図】 図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域を流下する遊技球が入球可能な所定入球手段と、
当該所定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する情報が特定記憶手段に記憶されるようにする特定記憶実行手段と、
前記所定入球手段に遊技球が入球したことに対応する情報が前記特定記憶手段に記憶されていることに基づいて、遊技者に特典が付与されるようにするための処理を実行する特典付与手段と、
を備えた遊技機において、
前記所定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段に実行されるようにし、前記所定入球手段への遊技球の入球個数又は入球頻度を当該遊技機又は遊技機外部の装置にて特定可能とする所定情報を備えていることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-009055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記例示等のような遊技機においては、遊技機の管理が好適に行われる必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
【0005】
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技機の管理を好適に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な所定入球手段と、
当該所定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する情報が特定記憶手段に記憶されるようにする特定記憶実行手段と、
前記所定入球手段に遊技球が入球したことに対応する情報が前記特定記憶手段に記憶されていることに基づいて、遊技者に特典が付与されるようにするための処理を実行する特典付与手段と、
を備えた遊技機において、
前記所定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段に実行されるようにし、前記所定入球手段への遊技球の入球個数又は入球頻度を当該遊技機又は遊技機外部の装置にて特定可能とする所定情報を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遊技機の管理を好適に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態におけるパチンコ機を示す斜視図である。
図2】パチンコ機の主要な構成を分解して示す斜視図である。
図3】遊技盤の構成を示す正面図である。
図4】(a)~(j)図柄表示装置の表示面における表示内容を説明するための説明図である。
図5】(a),(b)図柄表示装置の表示面における表示内容を説明するための説明図である。
図6】遊技領域を流下した遊技球の排出に関する構成を説明するための説明図である。
図7】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
図8】当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。
図9】(a)第1特図用の低確当否テーブルを説明するための説明図であり、(b)第1特図用の高確当否テーブルを説明するための説明図であり、(c)第2特図用の低確当否テーブルを説明するための説明図であり、(d)第2特図用の高確当否テーブルを説明するための説明図である。
図10】(a)第1特図用の振分テーブルを説明するための説明図であり、(b)第2特図用の振分テーブルを説明するための説明図である。
図11】主側CPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
図12】主側CPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
図13】主側CPUに入球検知センサの検知結果が入力されるようにする構成を説明するための説明図である。
図14】主側CPUにて実行される入球検知処理を示すフローチャートである。
図15】払出制御装置及び当該払出制御装置との間で通信を行う各種装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
図16】払出側CPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
図17】管理用ICの電気的構成を説明するためのブロック図である。
図18】管理側I/Fの入力ポートの構成を説明するための説明図である。
図19】対応関係用メモリの構成を説明するための説明図である。
図20】履歴用メモリの構成を説明するための説明図である。
図21】主側CPUにて実行される認識用処理を示すフローチャートである。
図22】管理側CPUにて実行される管理処理を示すフローチャートである。
図23】(a)~(d)第1~第15バッファと信号の種類との対応関係の情報が対応関係用メモリに格納される様子を示すタイムチャートである。
図24】主側CPUにて実行される管理用出力処理を示すフローチャートである。
図25】管理側CPUにて実行される履歴設定処理を示すフローチャートである。
図26】(a)~(e)履歴用メモリに履歴情報が格納されていく様子を示すタイムチャートである。
図27】主側CPUにて実行されるデータ出力用処理を示すフローチャートである。
図28】管理側CPUにて実行される外部出力用処理を示すフローチャートである。
図29】特電入賞装置が設けられた領域を拡大して示す遊技盤の正面図である。
図30】開閉部材の斜視図である。
図31】(a),(b)開閉部材により第4排出通路部の入口部が開閉される様子を示す通路形成体及び開閉部材の斜視図である。
図32】開閉部材及び特電用の駆動部の平面図である。
図33】(a),(b)図29のA-A線断面図である。
図34】(a)~(e)開閉実行モードにおいて第2作動口への入賞が発生する様子を示すタイムチャートである。
図35】(a),(b)開閉実行モードの実行態様を説明するための説明図である。
図36】(a1)~(b3)小当たり結果となったことを契機として実行される開閉実行モードの実行態様を説明するためのタイムチャートである。
図37】主側CPUにて実行される普図普電制御処理を示すフローチャートである。
図38】主側CPUにて実行される特図特電制御処理を示すフローチャートである。
図39】主側CPUにて実行される保留情報の取得処理を示すフローチャートである。
図40】主側CPUにて実行される特図変動開始処理を示すフローチャートである。
図41】主側CPUにて実行される特図確定中処理を示すフローチャートである。
図42】主側CPUにて実行される特電開始処理を示すフローチャートである。
図43】主側CPUにて実行される特電開放中処理を示すフローチャートである。
図44】主側CPUにて実行される特電閉鎖中処理を示すフローチャートである。
図45】主側CPUにて実行される特電終了処理を示すフローチャートである。
図46】第2の実施形態における管理側I/Fの入力ポートの構成を説明するための説明図である。
図47】主側CPUにて実行される認識用処理を示すフローチャートである。
図48】管理側CPUにて実行される管理処理を示すフローチャートである。
図49】(a)~(h)第1~第12バッファと信号の種類との対応関係の情報が対応関係用メモリに格納される様子を示すタイムチャートである。
図50】第3の実施形態における管理用ICの電気的構成を説明するためのブロック図である。
図51】管理側I/Fの入力ポートの構成を説明するための説明図である。
図52】主側CPUにて実行される停電情報記憶処理を示すフローチャートである。
図53】管理側CPUにて実行される停電対応処理を示すフローチャートである。
図54】管理側CPUにて実行される外部出力用処理を示すフローチャートである。
図55】第4の実施形態における管理側CPUにて実行される停電対応処理を示すフローチャートである。
図56】(a)第5の実施形態における主側CPUにて実行される契機特定処理を示すフローチャートであり、(b)管理側CPUにて実行される演算処理を示すフローチャートである。
図57】第6の実施形態における主側CPUにて実行される契機特定処理を示すフローチャートである。
図58】第7の実施形態における管理側CPUにて実行される演算処理を示すフローチャートである。
図59】第8の実施形態における管理側CPUにて実行される履歴設定処理を示すフローチャートである。
図60】第9の実施形態における履歴用メモリの構成を説明するための説明図である。
図61】管理側CPUにて実行される履歴設定処理を示すフローチャートである。
図62】第10の実施形態における主制御装置のMPUの電気的構成を説明するためのブロック図である。
図63】主側CPUにて実行される入球検知処理を示すフローチャートである。
図64】第11の実施形態における主制御装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
図65】管理側I/Fの入力ポートの構成を説明するための説明図である。
図66】履歴用メモリの構成を説明するための説明図である。
図67】管理側CPUにて実行される履歴設定処理を示すフローチャートである。
図68】管理側CPUにて実行される外部出力用処理を示すフローチャートである。
図69】主側CPUにて実行されるパラメータ管理処理を示すフローチャートである。
図70】第12の実施形態における各入球検知センサの検知結果を主側CPU及び管理用ICに送信する信号経路の構成を説明するためのブロック図である。
図71】(a1)~(c2)第13の実施形態における開閉実行モードの実行態様を説明するためのタイムチャートである。
図72】主側CPUにて実行される特電開始処理を示すフローチャートである。
図73】主側CPUにて実行される特電開放中処理を示すフローチャートである。
図74】主側CPUにて実行される特電閉鎖中処理を示すフローチャートである。
図75】第14の実施形態における遊技盤の正面図である。
図76】主側CPUにて実行される入球検知処理を示すフローチャートである。
図77】(a)~(e)開閉実行モードにおいて第1特別入球口又は第2特別入球口に遊技球が入球する様子を示すタイムチャートである。
図78】第15の実施形態における遊技盤の正面図である。
図79】(a),(b)図78のA-A線断面図である。
図80】(a)図78のB-B線断面図であり、(b)図78のA-A線断面図である。
図81】(a)第1特図用の低確当否テーブルを説明するための説明図であり、(b)第1特図用の高確当否テーブルを説明するための説明図であり、(c)第2特図用の低確当否テーブルを説明するための説明図であり、(d)第2特図用の高確当否テーブルを説明するための説明図である。
図82】(a),(b)開閉実行モードの実行態様を説明するための説明図である。
図83】主側CPUにて実行される特電用の開放設定処理を示すフローチャートである。
図84】第16の実施形態における遊技盤の正面図である。
図85】(a)主側CPUにて実行される特電用の開放設定処理を示すフローチャートであり、(b)主側CPUにて実行される特電用の閉鎖設定処理を示すフローチャートである。
図86】(a)~(d)第1特電入賞装置及び第2特電入賞装置が開閉される様子を示すタイムチャートである。
図87】第17の実施形態における特電入賞装置の構成を説明するための遊技盤の縦断面図である。
図88】主側CPUにて実行される流下阻止制御処理を示すフローチャートである。
図89】(a)~(d)各特電入賞装置の開閉状態と流下阻止部材の動作位置との関係を説明するためのタイムチャートである。
図90】(a)~(c)各特電入賞装置の開閉状態と流下阻止部材の動作位置との関係を説明するための説明図である。
図91】第18の実施形態における遊技盤の正面図である。
図92】主側CPUにて実行される普図側の保留情報の取得処理を示すフローチャートである。
図93】(a),(b)図柄表示装置の表示内容を説明するための説明図である。
図94】(a)~(e)普図側の保留情報が取得される様子を示すタイムチャートである。
図95】第19の実施形態における遊技盤の正面図である。
図96】(a),(b)図95のA-A線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の斜視図、図2はパチンコ機10の主要な構成を分解して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PA内の構成を省略している。
【0010】
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12と、を有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
【0011】
遊技機本体12は図2に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15と、を備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
【0012】
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
【0013】
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
【0014】
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
【0015】
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域PAが樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
【0016】
ここで、遊技盤24の構成を図3に基づいて説明する。図3は遊技盤24の正面図である。
【0017】
遊技盤24には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部25と外レール部26とが取り付けられており、これら内レール部25と外レール部26とにより誘導手段としての誘導レールが構成されている。樹脂ベース21において窓孔23の下方に取り付けられた遊技球発射機構27(図2参照)から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PAの上部に案内されるようになっている。
【0018】
ちなみに、遊技球発射機構27は、誘導レールに向けて延びる発射レール27aと、後述する上皿55aに貯留されている遊技球を発射レール27a上に供給する球送り装置27bと、発射レール27a上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド27cと、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置(又は操作ハンドル)28が回動操作されることによりソレノイド27cが駆動制御され、遊技球が発射される。
【0019】
遊技盤24には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34、スルーゲート35、可変表示ユニット36、特図ユニット37及び普図ユニット38等がそれぞれ設けられている。一般入賞口31は合計で4個設けられており、それ以外はそれぞれ1個ずつ設けられている。
【0020】
スルーゲート35への入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。一方、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への入球が発生すると、所定数の遊技球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、第1作動口33への1個の遊技球の入球が発生した場合又は第2作動口34への1個の遊技球の入球が発生した場合には、1個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への1個の遊技球の入球が発生した場合には、10個の賞球の払い出しが実行され、特電入賞装置32への1個の遊技球の入球が発生した場合には、15個の賞球の払い出しが実行される。
【0021】
なお、上記賞球個数は任意であり、例えば、第2作動口34の方が第1作動口33よりも賞球個数が少ない構成としてもよく、第2作動口34の方が第1作動口33よりも賞球個数が多い構成としてもよい。
【0022】
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口24aが設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口24aを通って遊技領域PAから排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘24bが植設されているとともに、風車等の各種部材が配設されている。
【0023】
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAの流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口24aへの遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
【0024】
可変表示ユニット36は、四角形状の表示面を有する図柄表示装置41を備えているとともに、当該図柄表示装置41の表示面の周縁を囲むようにしてセンターフレーム36aを備えている。センターフレーム36aにおいて図柄表示装置41の表示面の上辺部、左辺部及び右辺部に沿う部分が遊技盤24の盤面よりも前方に突出しているとともに、可変表示ユニット36が遊技領域PAの中央部分に設けられている。これにより、遊技領域PAは可変表示ユニット36の上方に位置する上側領域PA1と、可変表示ユニット36の左方に位置する左側領域PA2と、可変表示ユニット36の右方に位置する右側領域PA3と、可変表示ユニット36の下方に位置する下側領域PA4と、に区画されている。つまり、遊技領域PAに発射された遊技球は最初に上側領域PA1に到達することとなるが、当該上側領域PA1に到達した遊技球は、上側領域PA1→左側領域PA2→下側領域PA4の順に流下するか、又は上側領域PA1→右側領域PA3→下側領域PA4の順に流下し、左側領域PA2及び右側領域PA3のうち一方を流下する遊技球が他方を流下することはない。
【0025】
第1作動口33及び第2作動口34は、遊技領域PAにおいて可変表示ユニット36の下方の領域である下側領域PA4に設置されている。下側領域PA4は、遊技領域PAにおいて可変表示ユニット36の左方の領域である左側領域PA2とその下流にて連続しているとともに、遊技領域PAにおいて可変表示ユニット36の右方の領域である右側領域PA3とその下流にて連続している。したがって、遊技領域PAにおいて可変表示ユニット36の上方の領域である上側領域PA1のいずれの位置から流下し出した遊技球であっても、第1作動口33又は第2作動口34に到達し得る。例えば、最大操作量となるように発射操作装置28の回動操作が行われた場合であっても第1作動口33又は第2作動口34に遊技球が到達し得る。また、第1作動口33への入賞を狙って発射操作を行った場合、第1作動口33への入賞が発生し得るだけではなく第2作動口34への入賞が発生し得ることとなり、第2作動口34への入賞を狙って発射操作を行った場合、第2作動口34への入賞が発生し得るだけではなく第1作動口33への入賞が発生し得る。
【0026】
第1作動口33及び第2作動口34は、第1作動口33が上方及び第2作動口34が下方となるようにして縦方向に並設された状態で作動口装置としてユニット化されている。第1作動口33には当該第1作動口33への遊技球の入球頻度を相違させるための部材は設けられておらず、左側領域PA2を遊技球が流下する所定の態様で比較した場合における第1作動口33への遊技球の入球確率はいずれの遊技状態であっても同一である。したがって、遊技者は第1作動口33への遊技球の入球を狙った発射操作をいずれの状況であっても行うことが可能である。
【0027】
センターフレーム36aにおける図柄表示装置41の表示面の下方の部分である下枠部36bには、第1作動口33の上方において横方向に延在するようにしてステージ部36cが設けられており、可変表示ユニット36における図柄表示装置41の左方の部分である左枠部36dには可変表示ユニット36の左方の領域を流下する遊技球をステージ部36cに誘導することを可能とするワープ通路の入口部36eが形成されている。そして、ステージ部36cの横方向の中央部分は第1作動口33の鉛直上方に存在しており、当該中央部分にはステージ部36cの下方へと遊技球を自重により導出するための導出部36fが形成されている。この場合、ステージ部36cに導出された遊技球であって導出部36f以外の領域からステージ部36cの下方へと導出される遊技球は第1作動口33に入球しづらいが、導出部36fからステージ部36cの下方へと導出される遊技球は第1作動口33に高い確率で入球する。
【0028】
第2作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての普電役物34aが設けられている。普電役物34aの閉鎖状態では遊技球が第2作動口34に入賞できず、普電役物34aが開放状態となることで第2作動口34への入賞が可能となる。
【0029】
第2作動口34よりも遊技球の流下方向の上流側、より詳細には右側領域PA3に、スルーゲート35が設けられている。スルーゲート35は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート35に入賞した遊技球は入賞後に遊技領域PAを流下する。これにより、スルーゲート35に入賞した遊技球が第2作動口34へ入賞することが可能となっている。
【0030】
スルーゲート35への入賞に基づき第2作動口34の普電役物34aが閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、スルーゲート35への入賞をトリガとして内部抽選が行われるとともに、遊技領域PAにおいて遊技球が通過しない領域である右下の隅部に設けられた普図ユニット38の普図表示部38aにて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果が電役開放当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて普図表示部38aの変動表示が終了された場合に普電開放状態へ移行する。普電開放状態では、普電役物34aが所定の態様で開放状態となる。
【0031】
なお、普図表示部38aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、普図表示部38aにて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
【0032】
普図ユニット38において、普図表示部38aに隣接した位置には、普図保留表示部38bが設けられている。遊技球がスルーゲート35に入賞した個数は最大4個まで保留され、普図保留表示部38bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
【0033】
第1作動口33又は第2作動口34への入賞をトリガとして当たり抽選が行われる。そして、当該抽選結果は特図ユニット37及び可変表示ユニット36の図柄表示装置41における表示演出を通じて明示される。
【0034】
特図ユニット37について詳細には、特図ユニット37には第1特図表示部37aと第2特図表示部37bとが設けられている。第1特図表示部37aでは、第1作動口33への入賞をトリガとして当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。また、第2特図表示部37bでは、第2作動口34への入賞をトリガとして当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。なお、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bにて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
【0035】
特図ユニット37において、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bに隣接した位置には、第1特図保留表示部37c及び第2特図保留表示部37dが設けられている。遊技球が第1作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1特図保留表示部37cの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、遊技球が第2作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2特図保留表示部37dの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
【0036】
図柄表示装置41について詳細には、図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
【0037】
図柄表示装置41では、第1作動口33への入賞に基づき第1特図表示部37aにて絵柄の変動表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示が行われるとともに、第2作動口34への入賞に基づき第2特図表示部37bにて絵柄の変動表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示が行われる。なお、図柄表示装置41では、第1作動口33又は第2作動口34への入賞をトリガとした表示演出だけでなく、当たり当選となった後に移行する開閉実行モード中の表示演出などが行われる。
【0038】
図柄表示装置41にて図柄の変動表示が行われる場合の表示内容について、図4及び図5を参照して詳細に説明する。図4は図柄表示装置41にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図5は図柄表示装置41の表示面を示す図である。
【0039】
図4(a)~(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」~「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」~「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
【0040】
図5(a)に示すように、図柄表示装置41の表示面には、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1~Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」~「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
【0041】
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」~「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示面では、これら各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。
【0042】
図5(b)に示すように、表示面は、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示面には、図5(a)に示すように、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
【0043】
第1作動口33又は第2作動口34への入賞に基づいて表示面において図柄の変動表示が行われる場合には、各図柄列Z1~Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1~Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で終了される。また、図柄の変動表示が終了する場合、内部抽選の結果が後述する16R高確結果であった場合にはいずれかの有効ライン上に「7」図柄の組合せが形成され、内部抽選の結果が後述する2R高確結果、4R高確結果、6R高確結果及び10R高確結果のいずれかであった場合にはいずれかの有効ライン上に「7」図柄以外の同一の奇数図柄の組合せが形成され、内部抽選の結果が後述する2R低確結果、4R低確結果、6R低確結果、10R低確結果及び16R低確結果のいずれかであった場合にはいずれかの有効ライン上に同一の偶数図柄の組合せが形成され、内部抽選の結果が後述する第1小当たり結果、第2小当たり結果及び第3小当たり結果のいずれかであった場合にはいずれかの有効ライン上に同一図柄の組合せではなく且つリーチ図柄の組合せでもない所定の図柄の組合せ(例えば「3・4・1」)が形成される。
【0044】
なお、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、いずれかの特図表示部37a,37b及び図柄表示装置41にて表示が開始され、所定の結果を表示して終了されるまでが遊技回の1回に相当する。また、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
【0045】
第1作動口33への入賞に基づく当たり抽選にて大当たり当選となった場合には、特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。また、第2作動口34への入賞に基づく当たり抽選にて大当たり当選又は小当たり当選となった場合にも、特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。図3に示すように、特電入賞装置32は遊技領域PAにおいて右側領域PA3に設けられている。したがって、左側領域PA2を流下する遊技球は特電入賞装置32への入賞が不可であり、例えば最大操作量となるように発射操作装置28の回動操作が行われた場合などのように右側領域PA3を遊技球が流下するように発射操作が行われた場合に特電入賞装置32への入賞が可能となる。特電入賞装置32の構成については後に詳細に説明する。
【0046】
図6は、遊技領域PAを流下した遊技球の排出に関する構成を説明するための説明図である。
【0047】
既に説明したとおり、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びアウト口24aのいずれかに入球した遊技球は遊技領域PAから排出される。換言すれば、遊技球発射機構27から発射されて遊技領域PAに流入した遊技球は一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びアウト口24aのいずれかに入球することにより遊技領域PAから排出されることとなる。一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びアウト口24aのいずれかに入球した遊技球は遊技盤24の背面側に導かれる。
【0048】
遊技盤24の背面には、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びアウト口24aのそれぞれに対応させて排出通路部42~48が形成されている。排出通路部42~48に流入した遊技球はその流入した排出通路部42~48を流下することにより、遊技盤24の背面側において遊技盤24の下端部に導かれ図示しない排出球回収部にて回収される。そして、排出球回収部にて回収された遊技球は、遊技ホールにおいてパチンコ機10が設置された島設備の球循環装置に排出される。
【0049】
各排出通路部42~48には遊技球を検知するための各種検知センサ42a~48aが設けられている。これら排出通路部42~48及び検知センサ42a~48aについて以下に説明する。一般入賞口31は既に説明したとおり4個設けられているため、それら4個のそれぞれに対応させて排出通路部42~44が存在している。この場合、最も左の一般入賞口31に対応する第1排出通路部42及びその右隣りの一般入賞口31に対応する第2排出通路部43のそれぞれに対しては1個ずつ検知センサ42a,43aが設けられている。具体的には、第1排出通路部42の途中位置に検知範囲が存在するようにして第1入賞口検知センサ42aが設けられているとともに、第2排出通路部43の途中位置に検知範囲が存在するように第2入賞口検知センサ43aが設けられている。最も左の一般入賞口31に入球した遊技球は第1排出通路部42を通過する途中で第1入賞口検知センサ42aにて検知され、その右隣りの一般入賞口31に入球した遊技球は第2排出通路部43を通過する途中で第2入賞口検知センサ43aにて検知される。また、右側2個の一般入賞口31に対しては途中位置で合流するように形成された第3排出通路部44が設けられている。当該第3排出通路部44は、2個の一般入賞口31のそれぞれに対応する入口側領域を有しているとともに、それら入口側領域が途中で合流することで1個の出口側領域を有している。第3排出通路部44における出口側領域の途中位置に検知範囲が存在するように第3入賞口検知センサ44aが設けられている。右側2個のいずれかの一般入賞口31に入球した遊技球は第3排出通路部44を通過する途中で第3入賞口検知センサ44aにて検知される。
【0050】
特電入賞装置32に対応させて第4排出通路部45が存在している。第4排出通路部45の途中位置に検知範囲が存在するようにして特電検知センサ45aが設けられており、特電入賞装置32に入球した遊技球は第4排出通路部45を通過する途中で特電検知センサ45aにて検知される。第1作動口33に対応させて第5排出通路部46が存在している。第5排出通路部46の途中位置に検知範囲が存在するようにして第1作動口検知センサ46aが設けられており、第1作動口33に入球した遊技球は第5排出通路部46を通過する途中で第1作動口検知センサ46aにて検知される。第2作動口34に対応させて第6排出通路部47が存在している。第6排出通路部47の途中位置に検知範囲が存在するようにして第2作動口検知センサ47aが設けられており、第2作動口34に入球した遊技球は第6排出通路部47を通過する途中で第2作動口検知センサ47aにて検知される。アウト口24aに対応させて第7排出通路部48が存在している。第7排出通路部48の途中位置に検知範囲が存在するようにしてアウト口検知センサ48aが設けられており、アウト口24aに入球した遊技球は第7排出通路部48を通過する途中でアウト口検知センサ48aにて検知される。
【0051】
なお、各種検知センサ42a~48aのうちいずれか1個の検知センサ42a~48aにて検知対象となった遊技球は他の検知センサ42a~48aの検知対象となることはない。また、スルーゲート35に対してもゲート検知センサ49aが設けられており、遊技領域PAを流下する途中でスルーゲート35を通過する遊技球はゲート検知センサ49aにて検知される。
【0052】
各種検知センサ42a~49aとしては、いずれも電磁誘導型の近接センサが用いられているが、遊技球を個別に検知できるのであれば使用するセンサは任意である。また、各種検知センサ42a~49aは後述する主制御装置60と電気的に接続されており、各種検知センサ42a~49aの検知結果は主制御装置60に出力される。具体的には、各種検知センサ42a~49aは、遊技球を検知していない状況ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状況ではHIレベル信号を出力する。なお、これに限定されることはなくHI及びLOWの関係が逆であってもよい。
【0053】
図2に示すように、上記構成の遊技盤24が樹脂ベース21に取り付けられてなる内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域PAのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部51が形成されている。窓部51は、略楕円形状をなし、窓パネル52が嵌め込まれている。窓パネル52は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル52を通じて遊技領域PAを視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
【0054】
窓部51の上方には表示発光部53が設けられている。また、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部54が設けられている。また、窓部51の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部55と下側膨出部56とが上下に並設されている。上側膨出部55内側には上方に開口した上皿55aが設けられており、下側膨出部56内側には同じく上方に開口した下皿56aが設けられている。上皿55aは、後述する払出装置76より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構27側へ導くための機能を有する。また、下皿56aは、上皿55a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
【0055】
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
【0056】
図2に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置60が搭載されている。主制御装置60は主制御基板61が基板ボックス60aに収容されてなる。なお、基板ボックス60aに、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックス60aを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックス60aを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
【0057】
主制御装置60を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック72を備えており、当該裏パック72に払出機構部73及び制御装置集合ユニット74が取り付けられている。
【0058】
払出機構部73は、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク75と、当該タンク75に貯留された遊技球を払い出すための払出装置76と、を備えている。払出装置76より払い出された遊技球は、当該払出装置76の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿55a又は下皿56aに排出される。なお、払出機構部73には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
【0059】
制御装置集合ユニット74は、払出装置76を制御する機能を有する払出制御装置77と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射操作装置28の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源・発射制御装置78と、を備えている。これら払出制御装置77と電源・発射制御装置78とは、払出制御装置77がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
【0060】
<パチンコ機10の電気的構成>
図7は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
【0061】
主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61と、電源を監視する停電監視基板67と、を具備している。主制御基板61には、MPU62が搭載されている。MPU62には、制御部及び演算部を含む演算処理装置である主側CPU63の他に、主側ROM64、主側RAM65及び管理用IC66が内蔵されている。なお、MPU62には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
【0062】
主側ROM64は、NOR型フラッシュメモリ及びNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)であり、読み出し専用として利用される。主側ROM64は、主側CPU63により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
【0063】
主側RAM65は、SRAM及びDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)であり、読み書き両用として利用される。主側RAM65は、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に主側ROM64よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。主側RAM65は、主側ROM64内に記憶されている制御プログラムの実行に対して各種のデータなどを一時的に記憶する。
【0064】
管理用IC66は、主側CPU63から供給された情報に基づいて遊技領域PAにおける遊技球の入球態様を管理する管理装置である。詳細は後述するが、管理用IC66にて一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びアウト口24aへの遊技球の入球履歴が把握されるとともに、その把握された入球履歴に応じて一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への入球頻度が把握される。
【0065】
MPU62には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU62の入力側には主制御装置60に設けられた停電監視基板67及び払出制御装置77が接続されている。停電監視基板67には動作電力を供給する機能を有する電源・発射制御装置78が接続されており、MPU62には停電監視基板67を介して動作電力が供給される。
【0066】
MPU62の入力側には、各種入球検知センサ42a~49aといった各種センサが接続されている。各種入球検知センサ42a~49aは、既に説明したとおり、第1入賞口検知センサ42a、第2入賞口検知センサ43a、第3入賞口検知センサ44a、特電検知センサ45a、第1作動口検知センサ46a、第2作動口検知センサ47a、アウト口検知センサ48a及びゲート検知センサ49aである。これら入球検知センサ42a~49aの検知結果に基づいて、主側CPU63にて各入球部への入球判定が行われる。また、主側CPU63では第1作動口33への入賞に基づいて各種抽選が実行されるとともに第2作動口34への入賞に基づいて各種抽選が実行される。
【0067】
MPU62の出力側には、停電監視基板67、払出制御装置77及び音声発光制御装置81が接続されている。払出制御装置77には、例えば、上記入球部のうち入球の発生が遊技球の払い出しに対応する賞球対応入球部に遊技球が入球したことに基づいて賞球コマンドが出力される。音声発光制御装置81には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。
【0068】
MPU62の出力側には、特電入賞装置32の後述する開閉部材202を開閉動作させる特電用の駆動部32b、第2作動口34の普電役物34aを開閉動作させる普電用の駆動部34b、特図ユニット37及び普図ユニット38が接続されている。ちなみに、特図ユニット37には、第1特図表示部37a、第2特図表示部37b、第1特図保留表示部37c及び第2特図保留表示部37dが設けられているが、これらの全てがMPU62の出力側に接続されている。同様に、普図ユニット38には、普図表示部38a及び普図保留表示部38bが設けられているが、これらの全てがMPU62の出力側に接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU62は各種駆動部及び各種表示部の駆動制御を実行する。
【0069】
つまり、開閉実行モードにおいては特電入賞装置32が開閉されるように、主側CPU63において特電用の駆動部32bの駆動制御が実行される。また、普電役物34aの普電開放状態当選となった場合には、普電役物34aが開閉されるように、主側CPU63において普電用の駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、主側CPU63において特図表示部37aの表示制御が実行される。また、普電役物34aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、主側CPU63において普図表示部38aの表示制御が実行される。また、第1作動口33若しくは第2作動口34への入賞が発生した場合、又は特図表示部37a,37bにおいて変動表示が開始される場合に、主側CPU63において特図保留表示部37c,37dの表示制御が実行され、スルーゲート35への入賞が発生した場合、又は普図表示部38aにおいて変動表示が開始される場合に、主側CPU63において普図保留表示部38bの表示制御が実行される。
【0070】
停電監視基板67は、主制御基板61と電源・発射制御装置78とを中継し、電源・発射制御装置78から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置77は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置76により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
【0071】
電源・発射制御装置78は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板61や払出制御装置77等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、電源・発射制御装置78にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合であっても当該電断時用電源部から主制御装置60の主側RAM65及び払出制御装置77に記憶保持用の電力が供給される。また、電源・発射制御装置78は遊技球発射機構27の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構27は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
【0072】
音声発光制御装置81は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた表示発光部53及びスピーカ部54を駆動制御するとともに、表示制御装置82を制御するものである。表示制御装置82は、音声発光制御装置81から受信したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。
【0073】
<主側CPU63にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主側CPU63にて各種抽選を行うための電気的な構成について図8を用いて説明する。
【0074】
主側CPU63は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図表示部37a,37bの表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、普図表示部38aの表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図8に示すように、当たり発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図表示部37a,37b及び図柄表示装置41における変動表示期間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、第2作動口34の普電役物34aを普電開放状態とするか否かの抽選に使用する普電乱数カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は、主側RAM65の各種カウンタエリア65bに設けられている。
【0075】
各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後に「0」に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生した場合に、主側RAM65に取得情報記憶手段として設けられた特図保留エリア65aに格納される。特図保留エリア65aは、第1特図保留エリア85と、第2特図保留エリア86と、特図用の実行エリア87と、を備えている。
【0076】
第1特図保留エリア85は第1エリア85a、第2エリア85b、第3エリア85c及び第4エリア85dを備えており、第1作動口33への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が特図側の保留情報として、いずれかのエリア85a~85dに格納される。この場合、第1エリア85a~第4エリア85dには、第1作動口33への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア85a→第2エリア85b→第3エリア85c→第4エリア85dの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア85a~85dが設けられていることにより、第1作動口33への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。なお、第1特図保留エリア85において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
【0077】
第2特図保留エリア86は第1エリア86a、第2エリア86b、第3エリア86c及び第4エリア86dを備えており、第2作動口34への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が特図側の保留情報として、いずれかのエリア86a~86dに格納される。この場合、第1エリア86a~第4エリア86dには、第2作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア86a→第2エリア86b→第3エリア86c→第4エリア86dの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア86a~86dが設けられていることにより、第2作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。なお、第2特図保留エリア86において保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
【0078】
特図用の実行エリア87は、いずれかの特図表示部37a,37bにて変動表示を開始する際に、特図用の当否判定や振分判定などを行う対象の保留情報が格納されるエリアである。具体的には、第1特図表示部37aの変動表示を開始する際には、第1特図保留エリア85の第1エリア85aに格納された保留情報が特図用の実行エリア87に移動される。一方、第2特図表示部37bの変動表示を開始する際には、第2特図保留エリア86の第1エリア86aに格納された保留情報が特図用の実行エリア87に移動される。
【0079】
普電乱数カウンタC4に対応した情報は、スルーゲート35への入賞が発生した場合に、普図保留エリア65cに格納される。普図保留エリア65cは、第1エリア88a、第2エリア88b、第3エリア88c及び第4エリア88dを備えており、スルーゲート35への入賞履歴に合わせて、普電乱数カウンタC4の数値情報が普図側の保留情報として、いずれかのエリア88a~88dに格納される。この場合、第1エリア88a~第4エリア88dには、スルーゲート35への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア88a→第2エリア88b→第3エリア88c→第4エリア88dの順に数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリア88a~88dが設けられていることにより、スルーゲート35への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。なお、普図保留エリア65cにおいて保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。普図保留エリア65cには、普図用の実行エリア89が設けられている。普図用の実行エリア89は、普図表示部38aにて変動表示を開始する際に、普電開放抽選処理を行う対象の保留情報が格納されるエリアである。具体的には、普図表示部38aの変動表示を開始する際には、普図保留エリア65cの第1エリア88aに格納された保留情報が普図用の実行エリア89に移動される。
【0080】
上記各カウンタについて詳細に説明する。
【0081】
まず、普電乱数カウンタC4について説明する。普電乱数カウンタC4は、例えば、0~250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。普電乱数カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングで主側RAM65の普図保留エリア65cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された普電乱数カウンタC4の値によって普電役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
【0082】
本パチンコ機10ではサポートモードは1種類のみとなっている。したがって、普電乱数カウンタC4を用いた普電開放抽選処理にて普電開放状態当選となる確率及び普図表示部38aにて絵柄の変動表示が実行される場合における変動表示期間の決定態様は遊技状態に関係なく一定であるとともに、普電開放状態において普電役物34aが開放状態となる回数、普電役物34aの1回の開放期間及び普電開放状態において普電役物34aの開放状態が複数回発生する場合における1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖期間といった普電役物34aの駆動制御の実行態様も遊技状態に関係なく一定である。これにより、サポートモードの種類に応じて普図表示部38aの表示制御の態様及び普電役物34aの駆動制御の態様を変更する必要が生じないため、これらの制御を実行するためのプログラム容量及びデータ容量を抑えることが可能となる。なお、サポートモードが1種類のみであるため、本実施形態における通常遊技状態とは当否抽選モードが低確率モードである遊技状態であり、本実施形態における高確率状態とは当否抽選モードが高確率モードである遊技状態である。
【0083】
次に、当たり乱数カウンタC1について説明する。当たり乱数カウンタC1は、例えば0~599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで主側RAM65の特図保留エリア65aに格納される。そして、この格納された当たり乱数カウンタC1の値を利用して当否判定が行われる。
【0084】
当否判定に際して当選となる乱数の値は、主側ROM64に当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルには、当否結果として、大当たり結果と、小当たり結果と、外れ結果とが設定されている。大当たり結果は、特電入賞装置32が開閉制御される開閉実行モードへの移行契機となるとともに、当否抽選モードの移行契機となり得る当否結果である。小当たり結果は、特電入賞装置32が開閉制御される開閉実行モードへの移行契機となる一方、当否抽選モードの移行契機とならない当否結果である。外れ結果は、開閉実行モードへの移行契機とならずに、さらに当否抽選モードについても移行契機とならない当否結果である。
【0085】
大当たり結果となった場合に実行される開閉実行モードは、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行されるラウンド数規定モードである。ラウンド遊技とは、特電入賞装置32の開閉回数が上限回数となること、及び予め定められた上限個数の遊技球が特電入賞装置32に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。本実施形態では1回のラウンド遊技において特電入賞装置32の開閉が1回行われるとともに、各ラウンド遊技における開放継続期間が29秒に設定されている。また、特電入賞装置32への入賞上限個数は10個に設定されている。発射操作装置28が遊技者により操作されている状況では0.6秒に1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構27が駆動制御されるため、ラウンド遊技の開放継続期間は遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の入賞上限個数との積よりも長い時間に設定されていることとなる。よって、各ラウンド遊技において特電入賞装置32に入賞上限個数以上の遊技球が入賞することを期待することができる。また、ラウンド数規定モードにて実行されるラウンド遊技の回数は大当たり結果の種類によって相違している。
【0086】
小当たり結果となった場合に実行される開閉実行モードは、ラウンド遊技が設定されておらず、特電入賞装置32の開閉回数が上限回数となること、及び予め定められた上限個数の遊技球が特電入賞装置32に入賞することのいずれか一方の条件が満たされることに基づき終了する開閉数規定モードである。開閉数規定モードにおける特電入賞装置32の1回の開放回における開放継続期間は複数種類設定されている。これら開放継続期間はいずれも遊技球の発射周期(具体的には0.6秒)よりも長く設定されているが、遊技球の発射周期と入賞上限個数(具体的には10個)との積未満の期間と、遊技球の発射周期と入賞上限個数(具体的には10個)の積以上の期間とが存在している。小当たり結果となった場合に実行される開閉実行モードでは、大当たり結果となった場合に実行される開閉実行モードよりも少ない数ではあるが、遊技者の持ち球を増やすことが可能となる。
【0087】
当否テーブルとしては、図9(a)~図9(d)の説明図に示すように、第1作動口33への入賞に基づき第1特図保留エリア85に格納された第1保留情報の当否判定に際して使用される第1特図用の当否テーブルと、第2作動口34への入賞に基づき第2特図保留エリア86に格納された第2保留情報の当否判定に際して使用される第2特図用の当否テーブルと、が設定されている。さらに、第1特図用の当否テーブルには、低確当否テーブルと高確当否テーブルとが存在しており、同様に、第2特図用の当否テーブルにも、低確当否テーブルと高確当否テーブルとが存在している。つまり、本パチンコ機10は第1保留情報と第2保留情報とで異なる当否テーブルが参照されるとともに、いずれの場合であっても当否判定における当否抽選モードとして低確率モードと高確率モードとが存在している。
【0088】
各当否テーブルについて具体的に説明すると、第1特図用の低確当否テーブルは、図9(a)に示すように、大当たり結果となる乱数の値は2個(例えば「5」、「305」)であり、それ以外は外れ結果となる乱数の値である。つまり、当否抽選モードが低確率モードにて第1保留情報について当否判定が行われた場合、大当たり結果及び外れ結果のいずれかとなり得るものの小当たり結果となることはない。
【0089】
第1特図用の高確当否テーブルは、図9(b)に示すように、大当たり結果となる乱数の値の数は第1特図用の低確当否テーブルの場合よりも多く設定されており、具体的には20個である(例えば「5」、「34」、「65」、「130」、「163」、「192」、「220」、「245」、「276」、「305」、「334」、「365」、「392」、「420」、「470」、「495」、「520」、「558」、「575」、「599」)。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。それ以外の乱数の値は外れ結果となる乱数の値である。つまり、当否抽選モードが高確率モードにて第1保留情報について当否判定が行われた場合、大当たり結果及び外れ結果のいずれかとなるものの小当たり結果となることはない。
【0090】
第2特図用の低確当否テーブルにおいては、図9(c)に示すように、大当たり結果となる乱数の値は、第1特図用の低確当否テーブルの場合と同一である。一方、大当たり結果となる乱数以外の乱数の値は小当たり結果となる乱数の値である。つまり、当否抽選モードが低確率モードにて第2保留情報について当否判定処理が行われた場合、大当たり結果及び小当たり結果のいずれかとなる。また、小当たり結果として第1小当たり結果と、第2小当たり結果と、第3小当たり結果とが設定されている。第1小当たり結果と、第2小当たり結果と、第3小当たり結果とは、詳細は後述するが開閉実行モードの実行態様が相違している。また、これら第1~第3小当たり結果の当選確率は199/600でいずれも同一となっている。
【0091】
第2特図用の高確当否テーブルは、図9(d)に示すように、大当たり結果となる乱数の値は、第1特図用の高確当否テーブルの場合と同一である。しがって、当該大当たり結果となる乱数の値の数は、第2特図用の低確当否テーブルの場合よりも多い数となる。一方、大当たり結果となる乱数以外の乱数の値は小当たり結果となる乱数の値である。つまり、当否抽選モードが高確率モードにて第2保留情報について当否判定が行われた場合、大当たり結果及び小当たり結果のいずれかとなる。第2特図用の低確当否テーブルと同様に、小当たり結果として第1小当たり結果と、第2小当たり結果と、第3小当たり結果とが設定されている。これら第1~第3小当たり結果の当選確率は193/600又は194/600で略同一となっている。
【0092】
上記のように第2保留情報が当否判定の契機となった場合には小当たり結果が発生し得る構成とすることにより、第2作動口34への入賞が発生することにより小当たり結果に対応した開閉実行モードが発生し易くなる。そして、小当たり結果に対応した開閉実行モードが発生することにより遊技者は持ち球を若干増加させることが可能となる。
【0093】
なお、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たり結果となる確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意であり、また低確率モードである状況において大当たり結果となる当たり乱数カウンタC1の値群が、高確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群に一部のみが含まれている構成としてもよく、含まれていない構成としてもよい。
【0094】
大当たり種別カウンタC2は、0~29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで特図保留エリア65aに格納される。
【0095】
本パチンコ機10では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、開閉実行モードにおけるラウンド遊技の実行回数、及び開閉実行モード終了後の当否抽選手段における当否抽選モードという2つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
【0096】
図10(a)及び図10(b)の説明図に示すように、振分テーブルには、大当たり結果の種類として、2R低確結果と、2R高確結果と、4R低確結果と、4R高確結果と、6R低確結果と、6R高確結果と、10R低確結果と、10R高確結果と、16R低確結果と、16R高確結果とが設定されている。
【0097】
2R低確結果及び2R高確結果は開閉実行モードにおけるラウンド遊技の実行回数が2回となり、4R低確結果及び4R高確結果は開閉実行モードにおけるラウンド遊技の実行回数が4回となり、6R低確結果及び6R高確結果は開閉実行モードにおけるラウンド遊技の実行回数が6回となり、10R低確結果及び10R高確結果は開閉実行モードにおけるラウンド遊技の実行回数が10回となり、16R低確結果及び16R高確結果は開閉実行モードにおけるラウンド遊技の実行回数が16回となる。また、2R低確結果、4R低確結果、6R低確結果、10R低確結果及び16R低確結果は、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても低確率モードとなる。この低確率モードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。一方、2R高確結果、4R高確結果、6R高確結果、10R高確結果及び16R高確結果は、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても高確率モードとなる。この高確率モードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
【0098】
振分テーブルとしては、図10(a)及び図10(b)に示すように、第1作動口33への入賞に基づき取得された第1保留情報の振分判定に際して使用される第1特図用の振分テーブルと、第2作動口34への入賞に基づき取得された第2保留情報の振分判定に際して使用される第2特図用の振分テーブルと、が設定されている。
【0099】
各振分テーブルについて具体的に説明すると、第1特図用の振分テーブルは図10(a)に示すように、振分対象となる大当たり結果の種類として、2R低確結果、2R高確結果、4R低確結果、4R高確結果、6R低確結果、6R高確結果、10R低確結果、10R高確結果、16R低確結果及び16R高確結果が設定されている。第1特図用の振分テーブルでは、「0~1」が2R低確結果に対応しており、「2~5」が2R高確結果に対応しており、「6~7」が4R低確結果に対応しており、「8~11」が4R高確結果に対応しており、「12~13」が6R低確結果に対応しており、「14~17」が6R高確結果に対応しており、「18~19」が10R低確結果に対応しており、「20~23」が10R高確結果に対応しており、「24~25」が16R低確結果に対応しており、「26~29」が16R高確結果に対応している。この場合、2R低確結果、4R低確結果、6R低確結果、10R低確結果及び16R低確結果となる確率はそれぞれ約6.7%であり、2R高確結果、4R高確結果、6R高確結果、10R高確結果及び16R高確結果となる確率はそれぞれ約13%である。一方、第2特図用の振分テーブルは、図10(b)に示すように、振分対象となる大当たり結果の種類として、16R低確結果及び16R高確結果が設定されている。第2特図用の振分テーブルでは、「0~9」が16R低確結果に対応しており、「10~29」が16R高確結果に対応している。この場合、16R低確結果となる確率は約33%であり、この確率は第1特図用の振分テーブルにおいて2R低確結果、4R低確結果、6R低確結果、10R低確結果及び16R低確結果のいずれかが選択される確率と同一となっている。また、16R高確結果となる確率は約67%であり、この確率は第1特図用の振分テーブルにおいて2R高確結果、4R高確結果、6R高確結果、10R高確結果及び16R高確結果のいずれかが選択される確率と同一となっている。
【0100】
第1特図用の振分テーブルと第2特図用の振分テーブルとでは、大当たり当選となった場合において開閉実行モード後に高確率モードとなる確率が同一である。その一方、ラウンド遊技の平均実行回数は、第2特図用の振分テーブルの方が第1特図用の振分テーブルよりも多い。したがって、大当たり当選となった場合に選択され得る大当たり結果の種類としては、第1作動口33への入賞が発生して内部抽選が行われる場合よりも、第2作動口34への入賞が発生して内部抽選が行われる場合の方が遊技者にとって有利である。
【0101】
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、所定の大当たり結果となる遊技回では最終的な停止結果が付与対応結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄の変動表示が開始されてから停止結果が導出表示される前段階で、前記付与対応結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。なお、付与対応結果について具体的には、いずれかの有効ライン上に同一の数字が付された図柄の組合せが停止表示される。
【0102】
期待演出には、リーチ表示と、リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や付与対応結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
【0103】
リーチ表示には、図柄表示装置41の表示面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
【0104】
予告表示には、図柄表示装置41の表示面において図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示が行われる場合の方がリーチ表示が行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
【0105】
リーチ表示は、最終的に同一の図柄の組合せが停止表示される遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、小当たり結果に対応した遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行されない。また、外れ結果に対応した遊技回では、主側ROM64に記憶されたリーチ用テーブルを参照して所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
【0106】
一方、予告表示を行うか否かの決定は、主制御装置60において行うのではなく、音声発光制御装置81において行われる。この場合、音声発光制御装置81は、いずれかの大当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易いこと、及び出現率の低い予告表示が発生し易いことの少なくとも一方の条件を満たすように、予告表示用の抽選処理を実行する。ちなみに、この抽選結果は、図柄表示装置41にて遊技回用の演出が実行される場合に反映される。
【0107】
次に、変動種別カウンタCSについて説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図表示部37a,37bにおける変動表示期間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示期間とを主側CPU63において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは繰り返し更新され、特図表示部37a,37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して取得される。
【0108】
<主側CPU63の処理構成について>
次に、主側CPU63にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかる主側CPU63の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
【0109】
<メイン処理>
まず、図11のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
【0110】
まず電源投入ウェイト処理を実行する(ステップS101)。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてからウェイト用の所定時間(具体的には1sec)が経過するまで次の処理に進行することなく待機する。かかる電源投入ウェイト処理の実行期間において図柄表示装置41の動作開始及び初期設定が完了することとなる。その後、主側RAM65のアクセスを許可するとともに(ステップS102)、主側CPU63の内部機能レジスタの設定を行う(ステップS103)。
【0111】
その後、電源・発射制御装置78に設けられたRAM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し(ステップS104)、さらに主側RAM65の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS105)。また、チェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(ステップS106)、そのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する(ステップS107)。
【0112】
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、主側RAM65をクリアする。その後、ステップS109に進む。
【0113】
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といった主側RAM65の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態に対応したコマンドを音声発光制御装置81に送信する。また、ステップS109の処理を実行した後は、管理用IC66に各種情報を認識させるための認識用処理(ステップS110)、及びMPU62に接続された読み取り装置に各種データを出力するためのデータ出力用処理を実行する(ステップS111)。これら認識用処理及びデータ出力用処理の詳細については後に説明する。
【0114】
なお、主側CPU63はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、メイン処理が開始された段階においてはタイマ割込み処理の発生が禁止されている。このタイマ割込み処理の発生が禁止された状態はステップS111の処理が完了してステップS112の処理が実行される前のタイミングで解除され、タイマ割込み処理の実行が許可される。これにより、主側CPU63への動作電力の供給が開始された場合にはステップS111のデータ出力用処理が終了して、ステップS112の処理が開始される前の段階までタイマ割込み処理は実行されない。よって、当該状況となるまでは主側CPU63にて遊技を進行させるための処理が開始されないこととなる。
【0115】
その後、ステップS112~ステップS115の残余処理に進む。つまり、主側CPU63はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS112~ステップS115の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS112~ステップS115の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
【0116】
残余処理では、まずステップS112にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS113では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS114にて変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、主側RAM65の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS115にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS115の処理を実行したら、ステップS112に戻り、ステップS112~ステップS115の処理を繰り返す。
【0117】
<タイマ割込み処理>
次に、図12のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。タイマ割込み処理は定期的(例えば4msec周期)に実行される。
【0118】
まず停電情報記憶処理を実行する(ステップS201)。停電情報記憶処理では、停電監視基板67から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行した後に無限ループとなる。停電時処理では、主側RAM65の停電フラグに「1」をセットするとともに、チェックサムを算出しその算出したチェックサムを保存する。
【0119】
その後、抽選用乱数更新処理を実行する(ステップS202)。抽選用乱数更新処理では、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電乱数カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電乱数カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS203ではステップS113と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS204にてステップS114と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。
【0120】
その後、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する(ステップS205)。当該不正検知処理では、複数種類の事象の発生を監視し、所定の事象が発生していることを確認することで、主側RAM65に設けられた遊技停止用フラグに「1」をセットする。続くステップS206では、上記遊技停止用フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定する。ステップS206にて否定判定をした場合に、ステップS207以降の処理を実行する。
【0121】
ステップS207では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部32b,34bに行うための処理を実行する。例えば、特電入賞装置32を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には特電用の駆動部32bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2作動口34の普電役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には普電用の駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
【0122】
その後、読み込み処理を実行する(ステップS208)。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
【0123】
その後、入球検知処理を実行する(ステップS209)。当該入球検知処理では、各入球検知センサ42a~49aから受信している信号を読み込み、その読み込み結果に基づいて、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への入球の有無を特定する。なお、入球検知処理の詳細については後に説明する。
【0124】
その後、主側RAM65に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する(ステップS210)。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
【0125】
その後、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する(ステップS211)。発射操作装置28への発射操作が継続されている状況では、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。続くステップS212では、入力状態監視処理として、ステップS208の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入球検知センサ42a~49aの断線確認や、遊技機本体12や前扉枠14の開放確認を行う。
【0126】
その後、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行するとともに(ステップS213)、普図表示部38aの表示制御及び普電役物34aの駆動制御を行うための普図普電制御処理を実行する(ステップS214)。これら特図特電制御処理及び普図普電制御処理の処理内容については後に詳細に説明する。
【0127】
続くステップS215では、直前のステップS213及びステップS214の処理結果に基づいて、特図表示部37a,37bに係る保留情報の増減個数を特図保留表示部37c,37dに反映させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部38aに係る保留情報の増減個数を普図保留表示部38bに反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS215では、直前のステップS213及びステップS214の処理結果に基づいて、特図表示部37a,37bの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部38aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
【0128】
その後、払出制御装置77から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する(ステップS216)。また、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する(ステップS217)。また、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する(ステップS218)。その後、遊技領域PAにおける遊技球の入球結果に対応する情報を管理用IC66に出力するための管理用出力処理を実行する(ステップS219)。管理用出力処理の詳細については後に説明する。
【0129】
<入球検知処理>
次に、主側CPU63にて、各入球検知センサ42a~49aの検知結果に基づき、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びスルーゲート35への遊技球の入球の有無を特定するための構成について説明する。図13は主側CPU63に入球検知センサ42a~49aの検知結果が入力されるようにする構成を説明するための説明図である。
【0130】
主側CPU63には入力ポート63aが設けられている。入力ポート63aは、8種類の信号を同時に扱うことができるように8ビットのパラレルインターフェースとして構成されている。そして、各信号の電圧に応じて「0」又は「1」の情報が格納されるエリアが、各端子に1対1で対応させて設けられている。つまり、当該エリアとして、第0ビットD0~第7ビットD7を備えている。また、入力ポート63aには8種類を超える信号が入力されることとなるが、同時に入力される対象を8種類に制限するために、入力ポート63aへの入力対象となる信号群はドライバICによる切換制御を通じて切り換えられる。
【0131】
タイマ割込み処理(図12)の入球検知処理(ステップS209)では、入力ポート63aへの入力対象となる信号群が各入球検知センサ42a~49aからの信号群に設定される。かかる設定がなされた状況では、第0ビットD0は第1入賞口検知センサ42aからの検知信号に対応した情報が格納され、第1ビットD1は第2入賞口検知センサ43aからの検知信号に対応した情報が格納され、第2ビットD2は第3入賞口検知センサ44aからの検知信号に対応した情報が格納され、第3ビットD3は特電検知センサ45aからの検知信号に対応した情報が格納され、第4ビットD4は第1作動口検知センサ46aからの検知信号に対応した情報が格納され、第5ビットD5は第2作動口検知センサ47aからの検知信号に対応した情報が格納され、第6ビットD6はアウト口検知センサ48aからの検知信号に対応した情報が格納され、第7ビットD7はゲート検知センサ49aからの検知信号に対応した情報が格納される。
【0132】
上記各入球検知センサ42a~49aは、遊技球の通過を検知していない場合には検知信号として非検知中であることを示すLOWレベル信号を出力し、遊技球の通過を検知している場合には検知信号として検知中であることを示すHIレベル信号を出力する。そして、入力ポート63aではLOWレベル信号を受信している場合に該当するビットに対して「0」の情報を格納し、HIレベル信号を受信している場合に該当するビットに対して「1」の情報を格納する。つまり、入球検知センサ42a~49aにおいて遊技球の通過が検知されていない状況では該当するビットに対して非検知中を示す情報に対応した「0」の情報が格納され、遊技球の通過が検知されている状況では該当するビットに対して検知中を示す情報に対応した「1」の情報が格納される。
【0133】
図14はタイマ割込み処理(図12)のステップS209にて実行される入球検知処理を示すフローチャートである。
【0134】
第0ビットD0に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第1入賞口検知センサ42aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS301:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた第1出力フラグに「1」をセットするとともに(ステップS302)、主側RAM65に設けられた10個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS303)。第1出力フラグは、第1入賞口検知センサ42aにて1個の遊技球が検知されたことを示す情報出力を管理用IC66に対して実行すべきことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。10個賞球用カウンタは、10個の遊技球の払い出しを実行すべき回数を主側CPU63にて特定するためのカウンタである。10個賞球用カウンタの値が1以上である場合、タイマ割込み処理(図12)におけるステップS217の払出出力処理にて10個賞球コマンドを払出制御装置77に出力するとともに、10個賞球コマンドを1回出力した場合には10個賞球用カウンタの値を1減算する。払出制御装置77は10個賞球コマンドを受信した場合、10個の遊技球が払い出されるように払出装置76を駆動制御する。
【0135】
第1ビットD1に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第2入賞口検知センサ43aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS304:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた第2出力フラグに「1」をセットするとともに(ステップS305)、主側RAM65に設けられた10個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS306)。第2出力フラグは、第2入賞口検知センサ43aにて1個の遊技球が検知されたことを示す情報出力を管理用IC66に対して実行すべきことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。
【0136】
第2ビットD2に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第3入賞口検知センサ44aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS307:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた第3出力フラグに「1」をセットするとともに(ステップS308)、主側RAM65に設けられた10個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS309)。第3出力フラグは、第3入賞口検知センサ44aにて1個の遊技球が検知されたことを示す情報出力を管理用IC66に対して実行すべきことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。
【0137】
第3ビットD3に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、特電検知センサ45aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS310:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた特電入賞フラグに「1」をセットするとともに(ステップS311)、主側RAM65に設けられた第4出力フラグに「1」をセットし(ステップS312)、さらに主側RAM65に設けられた15個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS313)。特電入賞フラグは開閉実行モードにおいて特電入賞装置32に1個の遊技球が入球したことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。タイマ割込み処理(図12)の特図特電制御処理(ステップS213)では特電入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、特電入賞装置32への1個の遊技球の入球が発生したことを特定し、ラウンド遊技又は開閉実行モードにおける特電入賞装置32への残りの入球可能個数を1減算する。かかる入球可能個数を1減算する処理を実行した場合に特電入賞フラグを「0」クリアする。第4出力フラグは、特電検知センサ45aにて1個の遊技球が検知されたことを示す情報出力を管理用IC66に対して実行すべきことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。15個賞球用カウンタは、15個の遊技球の払い出しを実行すべき回数を主側CPU63にて特定するためのカウンタである。15個賞球用カウンタの値が1以上である場合、タイマ割込み処理(図12)におけるステップS217の払出出力処理にて15個賞球コマンドを払出制御装置77に出力するとともに、15個賞球コマンドを1回出力した場合には15個賞球用カウンタの値を1減算する。払出制御装置77は15個賞球コマンドを受信した場合、15個の遊技球が払い出されるように払出装置76を駆動制御する。
【0138】
第4ビットD4に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第1作動口検知センサ46aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS314:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた第1作動入賞フラグに「1」をセットするとともに(ステップS315)、主側RAM65に設けられた第5出力フラグに「1」をセットし(ステップS316)、さらに主側RAM65に設けられた1個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS317)。第1作動入賞フラグは第1作動口33に1個の遊技球が入球したことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。タイマ割込み処理(図12)の特図特電制御処理(ステップS213)では第1作動入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、特図保留エリア65aの保留用エリアREに格納されている保留情報の個数が上限個数である4個未満であることを条件として、保留情報を新たに格納する処理を実行する。特電特電制御処理(ステップS213)にて第1作動入賞フラグに「1」がセットされていることを確認し、その確認に対応する処理を実行した場合に第1作動入賞フラグを「0」クリアする。第5出力フラグは、第1作動口検知センサ46aにて1個の遊技球が検知されたことを示す情報出力を管理用IC66に対して実行すべきことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。1個賞球用カウンタは、1個の遊技球の払い出しを実行すべき回数を主側CPU63にて特定するためのカウンタである。1個賞球用カウンタの値が1以上である場合、タイマ割込み処理(図12)におけるステップS217の払出出力処理にて1個賞球コマンドを払出制御装置77に出力するとともに、1個賞球コマンドを1回出力した場合には1個賞球用カウンタの値を1減算する。払出制御装置77は1個賞球コマンドを受信した場合、1個の遊技球が払い出されるように払出装置76を駆動制御する。
【0139】
第5ビットD5に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第2作動口検知センサ47aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS318:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた第2作動入賞フラグに「1」をセットするとともに(ステップS319)、主側RAM65に設けられた第6出力フラグに「1」をセットし(ステップS320)、さらに主側RAM65に設けられた1個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS321)。第2作動入賞フラグは第2作動口34に1個の遊技球が入球したことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。タイマ割込み処理(図12)の特図特電制御処理(ステップS213)では第2作動入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、特図保留エリア65aの保留用エリアREに格納されている保留情報の個数が上限個数である4個未満であることを条件として、保留情報を新たに格納する処理を実行する。特電特電制御処理(ステップS213)にて第2作動入賞フラグに「1」がセットされていることを確認し、その確認に対応する処理を実行した場合に第2作動入賞フラグを「0」クリアする。第6出力フラグは、第2作動口検知センサ47aにて1個の遊技球が検知されたことを示す情報出力を管理用IC66に対して実行すべきことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。
【0140】
第6ビットD6に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、アウト口検知センサ48aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS322:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた第7出力フラグに「1」をセットする(ステップS323)。第7出力フラグは、アウト口検知センサ48aにて1個の遊技球が検知されたことを示す情報出力を管理用IC66に対して実行すべきことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。
【0141】
第7ビットD7に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、ゲート検知センサ49aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS324:YES)。この場合、主側RAM65に設けられたゲート入賞フラグに「1」をセットする(ステップS325)。ゲート入賞フラグはスルーゲート35に1個の遊技球が入球したことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。タイマ割込み処理(図12)の普図普電制御処理(ステップS214)ではゲート入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、普図保留エリア65cに格納されている普図側の保留情報の個数が上限個数である4個未満であることを条件として、現状の普電乱数カウンタC4の数値情報を普図側の保留情報として普図保留エリア65cに格納する処理を実行する。普図普電制御処理(ステップS214)にてゲート入賞フラグに「1」がセットされていることを確認し、その確認に対応する処理を実行した場合にゲート入賞フラグを「0」クリアする。
【0142】
なお、タイマ割込み処理(図12)は既に説明したとおり4msec周期で起動されるため、1個の入球検知センサ42a~49aにて1個の遊技球の検知が開始された場合、当該入球検知センサ42a~49aにてその1個の遊技球の検知を継続している状況において当該入球検知センサ42a~49aにて1個の遊技球が検知されたことの特定が主側CPU63にて行われる。したがって、第1~第7出力フラグはそれぞれ1個ずつ設けられていれば十分である。
【0143】
<遊技球の払い出しを行うための構成>
次に、払出制御装置77にて実行される処理内容について説明する。まず払出制御装置77及び当該払出制御装置77との間で通信を行う各種装置の電気的構成について、図15のブロック図を参照しながら説明する。
【0144】
払出制御装置77はMPU91を備えている。MPU91には、制御部及び演算部を含む演算処理装置である払出側CPU92の他に、払出側ROM93、払出側RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
【0145】
払出側ROM93は、NOR型フラッシュメモリ及びNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)であり、読み出し専用として利用される。払出側ROM93は、払出側CPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
【0146】
払出側RAM94は、SRAM及びDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)であり、読み書き両用として利用される。払出側RAM94は、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に払出側ROM93よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。払出側RAM94は、払出側ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行に対して各種のデータなどを一時的に記憶する。
【0147】
払出側CPU92は、主側CPU63と双方向通信を行うことが可能となっている。払出側CPU92は主側CPU63から賞球コマンドを受信することにより、その賞球コマンドに対応する個数の遊技球が払い出されるように払出装置76を駆動制御する。また、払出側CPU92は、遊技球の払い出しを正常に行うことが可能な状態であるか否かを監視し、正常に行うことが可能ではない状態であると特定した場合には払出側RAM94に未払出の賞球個数情報が記憶されている状況であっても払出装置76を停止させる。また、払出側CPU92は、このように正常に払い出しを行うことが可能ではない状態であることを示す払出制限コマンドを主側CPU63に送信する。主側CPU63は当該払出制限コマンドを受信した場合、遊技球の払い出しを正常に行うことが可能ではない状態であることを示す報知が図柄表示装置41、表示発光部53及びスピーカ部54にて実行されるように音声発光制御装置81に報知用コマンドを送信する。遊技球の払い出しを正常に行うことが可能ではない状態として、下皿56aが遊技球で満タンとなる満タン状態と、タンク75に遊技球が補充されていない球無状態と、払出装置76が正常に動作しない払出異常状態と、遊技機本体12が外枠11から開放された本体開放状態と、前扉枠14が内枠13から開放された前扉開放状態と、が存在している。
【0148】
払出装置76から下皿56aへと通じる遊技球通路の途中位置には図示しない満タン検知センサが設けられており、当該満タン検知センサの検知結果は払出側CPU92に入力される。払出側CPU92は、満タン検知センサにおいて遊技球が継続して検知された場合に満タン状態であると特定し、満タン検知センサにて遊技球が継続して検知される状態が解除された場合に満タン状態が解除されたと特定する。
【0149】
タンク75から払出装置76へと通じる遊技球通路の途中位置に図示しない球無検知センサが設けられており、当該球無検知センサの検知結果は払出側CPU92に入力される。払出側CPU92は、球無検知センサにおいて遊技球が継続して検知されない場合に球無状態であると特定し、球無検知センサにて遊技球が継続して検知されない状態が解除された場合に球無状態が解除されたと特定する。
【0150】
払出装置76には当該払出装置76から払い出される遊技球を検知するための図示しない払出検知センサが設けられており、当該払出検知センサの検知結果は払出側CPU92に入力される。払出側CPU92は、払出検知センサにて遊技球が検知された場合に払出装置76から1個の遊技球が払い出されたと特定する。また、払出側CPU92は、遊技球が払い出されるように払出装置76を駆動制御しているにも関わらず払出検知センサにて遊技球が継続して検知されない場合に払出異常状態であると特定し、払出検知センサにて遊技球が継続して検知されない状態が解除された場合に払出異常状態が解除されたと特定する。
【0151】
内枠13の前面部には前扉開放センサ95が設けられており(図2参照)、当該前扉開放センサ95の検知結果は払出側CPU92に入力される。この場合、内枠13に対して前扉枠14が閉鎖状態である場合に前扉開放センサ95は閉鎖検知信号を払出側CPU92に送信し、内枠13に対して前扉枠14が開放状態である場合に前扉開放センサ95は開放検知信号を払出側CPU92に送信する。払出側CPU92は、前扉開放センサ95から閉鎖検知信号を受信している場合に前扉枠14が閉鎖状態であると特定し、前扉開放センサ95から開放検知信号を受信している場合に前扉枠14が開放状態であると特定する。また、払出側CPU92は、前扉枠14が閉鎖状態から開放状態となったと特定したタイミングで主側CPU63に前扉開放コマンドを送信し、前扉枠14が開放状態から閉鎖状態となったと特定したタイミングで主側CPU63に前扉閉鎖コマンドを送信する。主側CPU63は、前扉開放コマンドを受信した場合に前扉枠14が開放状態となったと特定し、前扉閉鎖コマンドを受信した場合に前扉枠14が閉鎖状態となったと特定する。
【0152】
裏パックユニット15の前面部には本体開放センサ96が設けられており(図2参照)、当該本体開放センサ96の検知結果は払出側CPU92に入力される。この場合、外枠11に対して遊技機本体12が閉鎖状態である場合に本体開放センサ96は閉鎖検知信号を払出側CPU92に送信し、外枠11に対して遊技機本体12が開放状態である場合に本体開放センサ96は開放検知信号を払出側CPU92に送信する。払出側CPU92は、本体開放センサ96から閉鎖検知信号を受信している場合に遊技機本体12が閉鎖状態であると特定し、本体開放センサ96から開放検知信号を受信している場合に遊技機本体12が開放状態であると特定する。また、払出側CPU92は、遊技機本体12が閉鎖状態から開放状態となったと特定したタイミングで主側CPU63に本体開放コマンドを送信し、遊技機本体12が開放状態から閉鎖状態となったと特定したタイミングで主側CPU63に本体閉鎖コマンドを送信する。主側CPU63は、本体開放コマンドを受信した場合に遊技機本体12が開放状態となったと特定し、本体閉鎖コマンドを受信した場合に遊技機本体12が閉鎖状態となったと特定する。
【0153】
図16のタイムチャートを参照しながら、払出側CPU92にて実行されるタイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、予め定められた周期(例えば2msec)で繰り返し起動されるものである。
【0154】
まず満タン用処理を実行する(ステップS401)。満タン用処理では、既に説明したとおり満タン検知センサの検知結果に基づいて満タン状態であるか否かを特定し、満タン状態である場合には遊技球の払い出しを停止させるための処理を実行するとともに、満タン状態であることを示すコマンドを主側CPU63に送信する。また、満タン状態が解除された場合には遊技球の払い出しを可能とさせるための処理を実行するとともに、満タン状態が解除されたことを示すコマンドを主側CPU63に送信する。
【0155】
その後、球無用処理を実行する(ステップS402)。球無用処理では、既に説明したとおり球無検知センサの検知結果に基づいて球無状態であるか否かを特定し、球無状態である場合には遊技球の払い出しを停止させるための処理を実行するとともに、球無状態であることを示すコマンドを主側CPU63に送信する。また、球無状態が解除された場合には遊技球の払い出しを可能とさせるための処理を実行するとともに、球無状態が解除されたことを示すコマンドを主側CPU63に送信する。
【0156】
その後、払出異常監視処理を実行する(ステップS403)。払出異常監視処理では、既に説明したとおり払出検知センサの検知結果に基づいて払出異常状態であるか否かを特定し、払出異常状態である場合には遊技球の払い出しを停止させる処理を実行するとともに、払出異常状態であることを示すコマンドを主側CPU63に送信する。また、払出異常状態が解除された場合には遊技球の払い出しを可能とさせる処理を実行するとともに、払出異常状態が解除されたことを示すコマンドを主側CPU63に送信する。
【0157】
その後、前扉開放監視処理を実行する(ステップS404)。前扉開放監視処理では、既に説明したとおり前扉開放センサ95の検知結果に基づいて前扉枠14が開放状態であるか否かを特定し、前扉枠14が開放状態である場合には遊技球の払い出しを停止させる処理を実行するとともに、前扉開放コマンドを主側CPU63に送信する。また、前扉枠14が閉鎖された場合には遊技球の払い出しを可能とさせる処理を実行するとともに、前扉閉鎖コマンドを主側CPU63に送信する。
【0158】
その後、本体開放監視処理を実行する(ステップS405)。本体開放監視処理では、既に説明したとおり本体開放センサ96の検知結果に基づいて遊技機本体12が開放状態であるか否かを特定し、遊技機本体12が開放状態である場合には遊技球の払い出しを停止させる処理を実行するとともに、本体開放コマンドを主側CPU63に送信する。また、遊技機本体12が閉鎖された場合には遊技球の払い出しを可能とさせる処理を実行するとともに、本体閉鎖コマンドを主側CPU63に送信する。
【0159】
その後、コマンド読込処理を実行する(ステップS406)。当該コマンド読込処理では、主側CPU63が送信した賞球コマンドを読み込む処理を実行する。そして、その賞球コマンドを、払出側RAM94に格納する。そして、その受信した賞球コマンドに対応する個数を払出側RAM94における未払出の賞球個数情報に加算するための賞球設定処理を実行した後に(ステップS407)、払出装置76による遊技球の払い出しの実行制御を行うための払出制御処理を実行する(ステップS408)。払出制御処理では、払出側RAM94に記憶されている未払出の賞球個数情報が1以上の値である場合に払出装置76の駆動制御を行い、払出検知センサにて1個の遊技球を検知した場合に賞球個数情報の値を1減算する。そして、賞球個数情報の値が「0」となった場合には払出装置76の駆動制御を停止する。その後、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する(ステップS409)。
【0160】
<ホールコンピュータHCに外部出力するための構成>
次に、遊技ホールに設けられたホールコンピュータHCにパチンコ機10から情報を外部出力するための構成について説明する。
【0161】
図2に示すように、裏パックユニット15には外部端子板97が設けられている。外部端子板97には多数の外部端子が設けられており、一部の外部端子であって複数の外部端子が主側CPU63と電気的に接続されているとともに、一部の外部端子であって複数の外部端子が払出側CPU92と電気的に接続されている。このように主側CPU63及び払出側CPU92のそれぞれが外部端子板97と電気的に接続されていることにより、図15に示すように、主側CPU63及び払出側CPU92はホールコンピュータHCに情報を外部出力することが可能である。
【0162】
外部端子板97の1個の外部端子は前扉開放センサ95と電気的に接続されているとともに、外部端子板97の1個の外部端子は本体開放センサ96と電気的に接続されている。この電気的な接続の構成について詳細には、前扉開放センサ95から払出側CPU92に向けた信号経路の途中位置には信号中継基板98が設けられている。当該信号中継基板98には、前扉開放センサ95から払出側CPU92に向けた信号経路SL1から分岐させて分岐経路SL2が設けられている。そして、当該分岐経路SL2は外部端子板97における前扉開放用の外部端子に接続されている。したがって、前扉開放センサ95における検知結果に対応した電気信号は、払出側CPU92に入力されるだけでなく、外部端子板97における前扉開放用の外部端子にも入力される。これにより、払出側CPU92による制御を介することなく、前扉枠14が開放状態であるか否かを示す信号をホールコンピュータHCに外部出力することが可能となる。
【0163】
本体開放センサ96について詳細には、信号中継基板98には、本体開放センサ96から払出側CPU92に向けた信号経路SL3から分岐させて分岐経路SL4が設けられている。そして、当該分岐経路SL4は外部端子板97における本体開放用の外部端子に接続されている。したがって、本体開放センサ96における検知結果に対応した電気信号は、払出側CPU92に入力されるだけでなく、外部端子板97における本体開放用の外部端子にも入力される。これにより、払出側CPU92による制御を介することなく、遊技機本体12が開放状態であるか否かを示す信号をホールコンピュータHCに外部出力することが可能となる。
【0164】
次に、主側CPU63及び払出側CPU92からホールコンピュータHCに外部出力される情報の内容について説明する。まず主側CPU63からホールコンピュータHCに外部出力される情報の内容について説明する。
【0165】
主側CPU63はタイマ割込み処理(図12)における外部情報設定処理(ステップS218)にて、外部端子板97において主側CPU63に割り当てられている各外部端子への情報の出力設定を行う。主側CPU63から外部端子板97に出力される情報として、開閉実行モード中であることを示す情報と、当否抽選モードが高確率モード中であることを示す情報と、一の遊技回が終了したことを示す情報と、所定個数(例えば100個)の遊技球がアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかを通じて遊技領域PAから排出されたことを示す情報と、第1作動口33に遊技球が入球したことを示す情報と、第2作動口34に遊技球が入球したことを示す情報と、が含まれている。
【0166】
払出側CPU92はタイマ割込み処理(図16)における外部情報設定処理(ステップS409)にて、外部端子板97において払出側CPU92に割り当てられている各外部端子への情報の出力設定を行う。払出側CPU92から外部端子板97に出力される情報として、10個の遊技球の払い出しが行われたことを示す情報が含まれている。
【0167】
ホールコンピュータHCでは外部端子板97を通じてパチンコ機10から受信する各種情報に応じて、当該パチンコ機10における遊技球の払い出しの実行態様などを把握することが可能である。例えば、
・パチンコ機10の遊技領域PAから100個の遊技球が排出されるまでに発生した遊技球の払出個数の割合である出玉率
・開閉実行モード及び高確率モードではない通常遊技状態における出玉率(以下、この出玉率を「B」とする)
・開閉実行モードにおける出玉率
・高確率モードにおける出玉率
・パチンコ機10の遊技領域PAから100個の遊技球が排出されるまでに実行された遊技回の回数(以下、この割合を「S」とする)
・B-S×「第1作動口33及び第2作動口34への入賞に対する賞球個数」
・パチンコ機10の遊技領域PAから100個の遊技球が排出されるまでに発生した第1作動口33への遊技球の入球個数(以下、この割合を「S1」とする)
・パチンコ機10の遊技領域PAから100個の遊技球が排出されるまでに発生した第2作動口34への遊技球の入球個数(以下、この割合を「S2」とする)
・B-(S1×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+S2×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)
などが算出される。これにより、ホールコンピュータHCにおいてパチンコ機10の遊技領域PAにおける遊技球の入球態様を管理することが可能となる。なお、賞球個数とは対応する入球部に1個の遊技球が入球した場合に払い出される遊技球の個数のことである。
【0168】
<遊技球の入賞態様を管理するための構成>
次に、管理用IC66を利用して遊技球の入賞態様を管理するための構成について説明する。まず図17のブロック図を参照しながら、管理用IC66の電気的構成について説明する。
【0169】
既に説明したとおり主制御装置60のMPU62は、主側CPU63、主側ROM64、主側RAM65及び管理用IC66を備えている。また、MPU62は、これら以外にもI/F101及び読み取り用端子102を備えている。
【0170】
I/F101は、MPU62の外部の機器との間で信号を送受信するためのインターフェースである。I/F101は、内部バス103を介して主側CPU63と電気的に接続されている。I/F101の入力ポートを通じて各入球検知センサ42a~49aなどのセンサからの検知結果、及び払出側CPU92からのコマンドなどがMPU62に入力され、その入力された検知結果及びコマンドの内容に基づいて既に説明したとおり主側CPU63にて各種処理が実行される。また、主側CPU63にて各種処理が実行された結果、特電用の駆動部32bなどの機器へ信号出力が行われる場合には当該信号出力はI/F101の出力ポートを通じて行われるとともに、主側CPU63にて各種処理が実行された結果、払出側CPU92及び音声発光制御装置81へコマンド出力が行われる場合には当該コマンド出力はI/F101の出力ポートを通じて行われる。
【0171】
読み取り用端子102は、MPU62にパチンコ機10の外部の装置である読み取り装置を電気的に接続するための端子であり、MPU62の表面において接続用の端子部分が露出するようにして設けられている。但し、既に説明したとおりMPU62が搭載された主制御基板61は基板ボックス60aに収容されており、読み取り用端子102は主制御装置60の外部に露出しないように基板ボックス60aの壁部と対向している。したがって、読み取り用端子102に読み取り装置を電気的に接続するためには基板ボックス60aを開放させてMPU62を露出させる必要が生じる。これにより、読み取り用端子102への読み取り装置の電気的な接続が不正に行われてしまうことを阻止することが可能となる。なお、これに限定されることはなく、基板ボックス60aに読み取り用端子102を主制御装置60の外部に露出させるための開口部が形成されており、基板ボックス60aの破壊を要することなく読み取り用端子102への読み取り装置の電気的な接続を行うことが可能な構成としてもよい。
【0172】
管理用IC66は、管理側I/F111と、管理側CPU112と、管理側ROM113と、管理側RAM114と、RTC115と、対応関係用メモリ116と、履歴用メモリ117と、を備えている。これら各装置は管理用IC66に設けられた内部バス66aを通じて双方向通信可能に接続されている。
【0173】
管理側I/F111は、MPU62に内蔵された単方向通信用の信号経路群118を介して主側CPU63から各種信号を受信するとともに、MPU62に内蔵された単方向通信用の信号経路群119を介して読み取り用端子102に各種信号を送信するためのインターフェースである。主側CPU63からの各種信号は管理側I/F111の入力ポートに入力され、読み取り用端子102への各種信号は管理側I/F111の出力ポートから出力される。なお、主側CPU63はMPU62に内蔵された双方向通信用の信号経路群120を介して読み取り用端子102と電気的に接続されている。
【0174】
管理側CPU112は、制御部及び演算部を含む演算処理装置である。管理側ROM113は、NOR型フラッシュメモリ及びNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)であり、読み出し専用として利用される。管理側ROM113は、管理側CPU112により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。管理側RAM114は、SRAM及びDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)であり、読み書き両用として利用される。管理側RAM114は、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に管理側ROM113よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。管理側RAM114は管理側ROM113内に記憶されている制御プログラムの実行に対して各種のデータなどを一時的に記憶する。
【0175】
RTC115はリアルタイムクロックであり、年月日情報及び時刻情報を常時計測し、管理側CPU112からの指示に従い、その計測している年月日情報及び時刻情報を出力することが可能な構成である。なお、RTC115にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機10の電源遮断中においても年月日情報及び時刻情報を計測することが可能となっている。
【0176】
対応関係用メモリ116は、SRAM及びDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)であり、読み書き両用として利用される。対応関係用メモリ116は、管理側I/F111の入力ポート121に設けられた各バッファ122a~122pとそれらバッファ122a~122pに入力される信号の種類との対応関係の情報を記憶しておくために利用される。対応関係用メモリ116の内容の詳細については後に説明する。
【0177】
履歴用メモリ117は、NOR型フラッシュメモリ及びNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)であり、読み書き両用として利用される。履歴用メモリ117は、管理側I/F111を通じて主側CPU63から受信した遊技球の入球に関する情報を記憶しておくために利用される。履歴用メモリ117の内容の詳細については後に説明する。
【0178】
次に、管理側I/F111に設けられた入力ポート121の構成について説明する。図18は管理側I/F111の入力ポート121の構成を説明するための説明図である。
【0179】
入力ポート121には複数のバッファ122a~122pが設けられている。具体的には第1~第16バッファ122a~122pが設けられている。第1~第16バッファ122a~122pのそれぞれには信号経路118a~118pを通じて1種類の信号を入力可能となっており、第1~第16バッファ122a~122pのそれぞれは入力対象となっている信号がLOWレベルである場合に第1データとして「0」の情報が格納され、入力対象となっている信号がHIレベルである場合に第2データとして「1」の情報が格納される。なお、これらLOW及びHIと第1データ及び第2データとの関係が逆であってもよい。
【0180】
第1バッファ122aには第1入賞口検知センサ42aの検知結果に対応する第1信号が入力される。この場合、主側CPU63は第1入賞口検知センサ42aにて新たな遊技球が検知されていない状況ではLOWレベルの第1信号を出力し、第1入賞口検知センサ42aにて1個の遊技球が検知された場合に特定期間に亘ってHIレベルの第1信号を出力する。この特定期間は、第1バッファ122aにHIレベルの第1信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。
【0181】
第2バッファ122bには第2入賞口検知センサ43aの検知結果に対応する第2信号が入力される。この場合、主側CPU63は第2入賞口検知センサ43aにて新たな遊技球が検知されていない状況ではLOWレベルの第2信号を出力し、第2入賞口検知センサ43aにて1個の遊技球が検知された場合に特定期間に亘ってHIレベルの第2信号を出力する。この特定期間は、第2バッファ122bにHIレベルの第2信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。
【0182】
第3バッファ122cには第3入賞口検知センサ44aの検知結果に対応する第3信号が入力される。この場合、主側CPU63は第3入賞口検知センサ44aにて新たな遊技球が検知されていない状況ではLOWレベルの第3信号を出力し、第3入賞口検知センサ44aにて1個の遊技球が検知された場合に特定期間に亘ってHIレベルの第3信号を出力する。この特定期間は、第3バッファ122cにHIレベルの第3信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。
【0183】
第4バッファ122dには特電検知センサ45aの検知結果に対応する第4信号が入力される。この場合、主側CPU63は特電検知センサ45aにて新たな遊技球が検知されていない状況ではLOWレベルの第4信号を出力し、特電検知センサ45aにて1個の遊技球が検知された場合に特定期間に亘ってHIレベルの第4信号を出力する。この特定期間は、第4バッファ122dにHIレベルの第4信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。
【0184】
第5バッファ122eには第1作動口検知センサ46aの検知結果に対応する第5信号が入力される。この場合、主側CPU63は第1作動口検知センサ46aにて新たな遊技球が検知されていない状況ではLOWレベルの第5信号を出力し、第1作動口検知センサ46aにて1個の遊技球が検知された場合に特定期間に亘ってHIレベルの第5信号を出力する。この特定期間は、第5バッファ122eにHIレベルの第5信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。
【0185】
第6バッファ122fには第2作動口検知センサ47aの検知結果に対応する第6信号が入力される。この場合、主側CPU63は第2作動口検知センサ47aにて新たな遊技球が検知されていない状況ではLOWレベルの第6信号を出力し、第2作動口検知センサ47aにて1個の遊技球が検知された場合に特定期間に亘ってHIレベルの第6信号を出力する。この特定期間は、第6バッファ122fにHIレベルの第6信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。
【0186】
第7バッファ122gにはアウト口検知センサ48aの検知結果に対応する第7信号が入力される。この場合、主側CPU63はアウト口検知センサ48aにて新たな遊技球が検知されていない状況ではLOWレベルの第7信号を出力し、アウト口検知センサ48aにて1個の遊技球が検知された場合に特定期間に亘ってHIレベルの第7信号を出力する。この特定期間は、第7バッファ122gにHIレベルの第7信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。
【0187】
第8バッファ122hには開閉実行モードの期間中であるか否かに対応する第8信号が入力される。この場合、主側CPU63は開閉実行モードではない状況ではLOWレベルの第8信号を継続して出力し、開閉実行モードである状況ではHIレベルの第8信号を継続して出力する。
【0188】
第9バッファ122iには高確率モードの期間中であるか否かに対応する第9信号が入力される。この場合、主側CPU63は高確率モードではない状況ではLOWレベルの第9信号を継続して出力し、高確率モードである状況ではHIレベルの第9信号を継続して出力する。
【0189】
第10バッファ122jには前扉枠14が開放されている期間中であるか否かに対応する第10信号が入力される。この場合、主側CPU63は前扉枠14が閉鎖状態である状況ではLOWレベルの第10信号を継続して出力し、前扉枠14が開放状態である状況ではHIレベルの第10信号を継続して出力する。
【0190】
第16バッファ122pには履歴用メモリ117に格納された履歴情報を読み取り用端子102に出力する契機を管理側CPU112に認識させるための出力指示信号が入力される。この場合、主側CPU63は履歴情報を出力する必要がない状況ではLOWレベルの出力指示信号を出力し、履歴情報を出力する必要がある場合に特定期間に亘ってHIレベルの出力指示信号を出力する。この特定期間は、第16バッファ122pにHIレベルの出力指示信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。
【0191】
第11バッファ122k、第12バッファ122l、第13バッファ122m、第14バッファ122n及び第15バッファ122oは、主側CPU63からの信号を入力可能ではあるものの、本パチンコ機10では通常の信号が入力されないブランクとなっている。このように管理側I/F111の入力ポート121として本パチンコ機10において主側CPU63から管理用IC66に出力される信号の種類よりも多くの数のバッファ122a~122pが設けられていることにより、管理用IC66を本パチンコ機10とは異なる機種にも流用することが可能となる。これにより、管理用IC66の汎用性を高めることが可能となる。ちなみに、主側CPU63と第1~第16バッファ122a~122pのそれぞれとの間には第1~第16バッファ122a~122pに1対1で対応するように信号経路118a~118pが形成されているが、これに限定されることはなく、ブランク対象となるバッファ122k~122oとの間には信号経路118k~118oが形成されていない構成としてもよい。
【0192】
管理側I/F111の入力ポート121における第16バッファ122pに出力指示信号が入力されることは管理用IC66の設計段階において決定されており、主側CPU63からの指示を受けることなく、管理側CPU112は第16バッファ122pに出力指示信号が入力されることを特定可能となっている。一方、第1~第15バッファ122a~122oにどのような種類の信号が入力されるのかは管理用IC66の設計段階において決定されておらず、これら信号の種類は主側CPU63からの指示を受けることで管理側CPU112にて特定される。管理側CPU112におけるこれら信号の種類の特定は、詳細は後述するが、MPU62への動作電力の供給に伴い主側CPU63及び管理側CPU112において制御が開始された場合に主側CPU63から管理側CPU112に種類識別コマンドが送信されることにより行われる。この場合、種類識別コマンドにより提供された各種信号の種類の情報は対応関係用メモリ116に記憶され、動作電力が供給されている状況において各種信号の種類を管理側CPU112にて特定する場合には対応関係用メモリ116に記憶された情報が参照される。
【0193】
図19は対応関係用メモリ116の構成を説明するための説明図である。対応関係用メモリ116には、管理側I/F111の入力ポート121に設けられた第1~第15バッファ122a~122oに1対1で対応させて第1~第15対応関係エリア123a~123oが設けられている。
【0194】
第1対応関係エリア123aには第1バッファ122aに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、一般入賞口31であることを示す情報が格納される。また、第1対応関係エリア123aには一般入賞口31であることを示す情報とともに一般入賞口31に1個の遊技球が入球した場合に払い出される遊技球の個数の情報(10個)も格納される。第2対応関係エリア123bには第2バッファ122bに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、一般入賞口31であることを示す情報が格納される。また、第2対応関係エリア123bには一般入賞口31であることを示す情報とともに一般入賞口31に1個の遊技球が入球した場合に払い出される遊技球の個数の情報(10個)も格納される。第3対応関係エリア123cには第3バッファ122cに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、一般入賞口31であることを示す情報が格納される。また、第3対応関係エリア123cには一般入賞口31であることを示す情報とともに一般入賞口31に1個の遊技球が入球した場合に払い出される遊技球の個数の情報(10個)も格納される。
【0195】
第4対応関係エリア123dには第4バッファ122dに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、特電入賞装置32であることを示す情報が格納される。また、第4対応関係エリア123dには特電入賞装置32であることを示す情報とともに特電入賞装置32に1個の遊技球が入球した場合に払い出される遊技球の個数の情報(15個)も格納される。第5対応関係エリア123eには第5バッファ122eに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、第1作動口33であることを示す情報が格納される。また、第5対応関係エリア123eには第1作動口33であることを示す情報とともに第1作動口33に1個の遊技球が入球した場合に払い出される遊技球の個数の情報(1個)も格納される。第6対応関係エリア123fには第6バッファ122fに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、第2作動口34であることを示す情報が格納される。また、第6対応関係エリア123fには第2作動口34であることを示す情報とともに第2作動口34に1個の遊技球が入球した場合に払い出される遊技球の個数の情報(1個)も格納される。第7対応関係エリア123gには第7バッファ122gに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、アウト口24aであることを示す情報が格納される。
【0196】
第8対応関係エリア123hには第8バッファ122hに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、開閉実行モードであることを示す情報が格納される。第9対応関係エリア123iには第9バッファ122iに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、高確率モードであることを示す情報が格納される。第10対応関係エリア123jには第10バッファ122jに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、前扉枠14であることを示す情報が格納される。
【0197】
第11対応関係エリア123kには第11バッファ122kに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、いずれにも対応しないブランクであることを示す情報が格納される。第12対応関係エリア123lには第12バッファ122lに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、いずれにも対応しないブランクであることを示す情報が格納される。第13対応関係エリア123mには第13バッファ122mに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、いずれにも対応しないブランクであることを示す情報が格納される。第14対応関係エリア123nには第14バッファ122nに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、いずれにも対応しないブランクであることを示す情報が格納される。第15対応関係エリア123oには第15バッファ122oに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、いずれにも対応しないブランクであることを示す情報が格納される。
【0198】
上記のように第1~第15バッファ122a~122oにどのような種類の信号が入力されるのかが、主側CPU63からの指示を受けることで管理側CPU112にて特定される構成とすることで、管理用IC66を本パチンコ機10とは異なる機種にも流用することが可能となる。これにより、管理用IC66の汎用性を高めることが可能となる。
【0199】
また、第1~第15バッファ122a~122oに履歴情報の記憶に対応する信号出力を行う度にその信号の種類を認識させるための情報を出力するのではなく、事前に信号の種類を認識させるための情報を出力するとともにその出力された情報に基づき第1~第15バッファ122a~122oに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報が対応関係用メモリ116に格納される構成である。これにより、第1~第15バッファ122a~122oに履歴情報の記憶に対応する信号出力を行う度にその信号の種類を認識させるための情報が出力される構成に比べ、都度の信号出力に際して主側CPU63から管理側CPU112に出力される情報量を抑えることが可能となる。
【0200】
また、第1~第15バッファ122a~122oに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報の出力は、動作電力の供給開始時に行われる。これにより、本パチンコ機10にて遊技が開始される状況においては、第1~第15バッファ122a~122oに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定することが可能となる。
【0201】
また、第16バッファ122pに出力指示信号が入力されることの情報設定が管理用IC66の設計段階において行われている。これにより、本パチンコ機10に限らず管理用IC66を利用する他の機種のパチンコ機であっても確実に使用する出力指示信号については、第16バッファ122pに入力される信号の種類を特定するための処理を省略することが可能となる。よって、かかる信号の種類を特定するための処理の処理負荷を抑えることが可能となる。
【0202】
次に、管理用IC66の履歴用メモリ117について説明する。図20は履歴用メモリ117の構成を説明するための説明図である。
【0203】
履歴用メモリ117には、履歴情報を順次記憶するための履歴用エリア124が設けられている。履歴用エリア124には、複数のポインタ情報が連番で設定されているとともに、各ポインタ情報に1対1で対応させて履歴情報格納エリア125が設定されている。履歴情報格納エリア125には、RTC情報と対応関係情報との組合せを格納可能となっている。この場合、各履歴情報格納エリア125は2バイトのデータ容量となっており、RTC情報を格納するためのエリアとして1バイトのデータ容量が割り当てられており、対応関係情報を格納するためのエリアとして1バイトのデータ容量が割り当てられている。第1~第15バッファ122a~122o(本パチンコ機10の実際には第1~第10バッファ122a~122j)に入力されている信号に応じて対応関係情報を格納する必要が生じた場合には、まず現状の書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125のRTC情報を格納するためのエリアに、現状のRTC115において計測されている年月日情報及び時刻情報を格納する。その後、今回の情報格納契機となったバッファ122a~122oに対応する対応関係情報を対応関係用メモリ116における当該バッファ122a~122oに対応する対応関係エリア123a~123oから読み出し、その読み出した対応関係情報を現状の書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。
【0204】
履歴情報格納エリア125に格納される対応関係情報について具体的には、第1~第7バッファ122a~122gは既に説明したとおり入球検知センサ42a~48aの検知結果に対応する信号が入力されるため、対応関係用メモリ116における第1~第7対応関係エリア123a~123gには入球検知センサ42a~48aの種類に対応する情報が格納されている。より詳細には、入球検知センサ42a~48aのそれぞれに対応する入球部の種類に対応する情報が、第1~第7対応関係エリア123a~123gに格納されている。本パチンコ機10では既に説明したとおり第1~第3入賞口検知センサ42a~44aはいずれも一般入賞口31に入球した遊技球を検知するものであるため、これら第1~第3入賞口検知センサ42a~44aに対応する第1~第3対応関係エリア123a~123cにはいずれも一般入賞口31であることを示す情報が格納されている。また、第4対応関係エリア123dには特電入賞装置32であることを示す情報が格納されており、第5対応関係エリア123eには第1作動口33であることを示す情報が格納されており、第6対応関係エリア123fには第2作動口34であることを示す情報が格納されており、第7対応関係エリア123gにはアウト口24aであることを示す情報が格納されている。今回の情報格納契機となったバッファ122a~122oが第1~第7バッファ122a~122gのいずれかである場合には、そのバッファ122a~122gに対応する入球部の種類の情報が第1~第7対応関係エリア123a~123gのいずれかから読み出され、その読み出された入球部の種類の情報が履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアにそのまま格納される。
【0205】
一方、第8バッファ122hは開閉実行モード中であるか否かを示す信号が入力され、第9バッファ122iは高確率モード中であるか否かを示す信号が入力され、第10バッファ122jは前扉枠14が開放中であるか否かを示す信号が入力される。したがって、第8対応関係エリア123hには開閉実行モードであることを示す情報が格納され、第9対応関係エリア123iには高確率モードであることを示す情報が格納され、第10対応関係エリア123jには前扉枠14であることを示す情報が格納されている。
【0206】
主側CPU63は既に説明したとおり開閉実行モードではない状況ではLOWレベルの第8信号を継続して出力し、開閉実行モードである状況ではHIレベルの第8信号を継続して出力するため、管理側CPU112は第8信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合に開閉実行モードが開始されたと特定し、第8信号がHIレベルからLOWレベルに変化した場合に開閉実行モードが終了したと特定することが可能となる。そして、第8信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合、及びHIレベルからLOWレベルに変化した場合のいずれにおいても、管理側CPU112は履歴情報格納エリア125への対応関係情報の格納契機が発生したと特定する。つまり、第8信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合には、第8対応関係エリア123hから読み出した開閉実行モードであることを示す情報だけではなく開始情報も一緒に、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。また、第8信号がHIレベルからLOWレベルに変化した場合には、第8対応関係エリア123hから読み出した開閉実行モードであることを示す情報だけではなく終了情報も一緒に、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。
【0207】
主側CPU63は既に説明したとおり高確率モードではない状況ではLOWレベルの第9信号を継続して出力し、高確率モードである状況ではHIレベルの第9信号を継続して出力するため、管理側CPU112は第9信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合に高確率モードが開始されたと特定し、第9信号がHIレベルからLOWレベルに変化した場合に高確率モードが終了したと特定することが可能となる。そして、第9信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合、及びHIレベルからLOWレベルに変化した場合のいずれにおいても、管理側CPU112は履歴情報格納エリア125への対応関係情報の格納契機が発生したと特定する。つまり、第9信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合には、第9対応関係エリア123iから読み出した高確率モードであることを示す情報だけではなく開始情報も一緒に、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。また、第9信号がHIレベルからLOWレベルに変化した場合には、第9対応関係エリア123iから読み出した高確率モードであることを示す情報だけではなく終了情報も一緒に、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。
【0208】
主側CPU63は既に説明したとおり前扉枠14が閉鎖状態である状況ではLOWレベルの第10信号を継続して出力し、前扉枠14が開放状態である状況ではHIレベルの第10信号を継続して出力するため、管理側CPU112は第10信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合に前扉枠14が開放されたと特定し、第10信号がHIレベルからLOWレベルに変化した場合にが前扉枠14が閉鎖されたと特定することが可能となる。そして、第10信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合、及びHIレベルからLOWレベルに変化した場合のいずれにおいても、管理側CPU112は履歴情報格納エリア125への対応関係情報の格納契機が発生したと特定する。つまり、第10信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合には、第10対応関係エリア123jから読み出した前扉枠14であることを示す情報だけではなく開放開始情報も一緒に、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。また、第10信号がHIレベルからLOWレベルに変化した場合には、第10対応関係エリア123jから読み出した前扉枠14であることを示す情報だけではなく開放終了情報も一緒に、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。
【0209】
履歴情報格納エリア125は、仮に開店から閉店まで本パチンコ機10における遊技球の発射が継続される営業日が10日間連続したとしてもその間に発生した各履歴情報を全て記憶しておくことを可能とする数分設けられている。例えば1日に履歴情報が60000回発生するとした場合、600000個以上の履歴情報格納エリア125が設けられている。これにより、少なくとも10日間は全ての履歴情報を履歴用メモリ117において記憶保持することが可能である。
【0210】
履歴用メモリ117には履歴用エリア124とは別にポインタ用エリア126が設けられている。ポインタ用エリア126には、履歴用メモリ117において現状の書き込み対象となっているポインタ情報を管理側CPU112にて特定するための情報が格納されている。具体的には、パチンコ機10の出荷段階ではポインタ用エリア126には「0」のポインタ情報を書き込み対象に指定する情報が設定されている。そして、1個の履歴情報が履歴情報格納エリア125に新たに格納される度に、書き込み対象となるポインタ情報の値が1加算されるようにポインタ用エリア126の情報が更新される。最後の順番のポインタ情報が書き込み対象となり当該最後の順番のポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に履歴情報が格納された場合には、「0」のポインタ情報が書き込み対象となるようにポインタ用エリア126の情報が更新される。これにより、格納可能な履歴情報の個数を超えて履歴情報の格納契機が発生した場合には、古い履歴情報が格納されている履歴情報格納エリア125から順に新しい履歴情報に上書きされていくこととなる。
【0211】
また、読み取り装置による履歴用メモリ117からの履歴情報の読み取りが発生した場合には、履歴情報格納エリア125が全て「0」クリアされるとともに、「0」のポインタ情報が書き込み対象となるようにポインタ用エリア126の情報が更新される。これにより、一旦読み取り対象となった履歴情報が再度読み取り対象となってしまうことを阻止することが可能となる。
【0212】
次に、管理用IC66を利用して遊技球の入賞態様を管理するための具体的な処理構成について説明する。まず管理側I/F111の入力ポート121に設けられた第1~第15バッファ122a~122oと信号の種類との対応関係の情報を対応関係用メモリ116に格納するための処理構成について説明する。図21は主側CPU63にて実行される認識用処理を示すフローチャートである。なお、認識用処理はメイン処理(図11)におけるステップS110にて実行される。
【0213】
まず主側RAM65に設けられた認識用出力カウンタに「15」をセットする(ステップS501)。認識用出力カウンタは、管理側I/F111における入力ポート121の各バッファ122a~122pがいずれの種類の信号に対応しているのかを管理側CPU112に認識させるための情報出力の残りの必要回数を主側CPU63にて特定するためのカウンタである。既に説明したとおり第1~第15バッファ122a~122oの15個が信号の種類の認識対象となるため、認識用出力カウンタには「15」をセットする。
【0214】
その後、識別開始コマンドの出力処理を実行する(ステップS502)。主側CPU63は、第1~第15バッファ122a~122oがいずれの種類の信号に対応しているのかを管理側CPU112に認識させるために当該管理側CPU112に各種コマンドを出力する。このコマンド出力に際しては第1~第8バッファ122a~122hに入力される第1~第8信号が利用される。つまり、履歴情報の格納契機を管理側CPU112に指示するために利用される第1~第8信号(すなわち第1~第8信号経路118a~118h)を利用して、第1~第15バッファ122a~122oがいずれの種類の信号に対応しているのかを管理側CPU112に認識させるためのコマンド出力が行われる。これにより、当該コマンド出力を行うための信号経路を、第1~第16バッファ122a~122pに信号出力するための信号経路118a~118pとは別に設ける構成に比べて、信号経路の数を減らすことが可能となり構成を簡素化させることが可能となる。識別開始コマンドは8ビットのデータ容量となっており各ビットのデータがそれぞれ第1~第8信号として第1~第8バッファ122a~122hに入力される。また、識別開始コマンドの出力処理では、新たなコマンドを送信したことを管理側CPU112に認識させるために、識別開始コマンドの出力を開始するタイミングで第9信号の出力状態をHIレベルに切り換える。また、識別開始コマンドの出力期間及び第9信号の出力状態をHIレベルに維持する期間は、これら識別開始コマンド及び第9信号の出力状態を管理側CPU112にて認識するのに十分な期間に設定されている。識別開始コマンドを受信することにより、管理側CPU112は第1~第15バッファ122a~122oと信号の種類との対応関係の情報を対応関係用メモリ116に格納するための処理を開始すべきことを特定する。
【0215】
その後、主側RAM65の認識用出力カウンタの現状の値に対応する種類識別コマンドを主側ROM64から読み出す(ステップS503)。この場合、第1バッファ122aが最初に信号種類の設定対象となり、その後は第nバッファの次に第n+1バッファが信号種類の設定対象となるように、第1~第15バッファ122a~122oに対応する信号種類の認識設定が行われる。したがって、認識用出力カウンタが「15」~「13」であれば一般入賞口31であること及びその賞球個数を示す種類識別コマンドを読み出し、認識用出力カウンタが「12」であれば特電入賞装置32であること及びその賞球個数を示す種類識別コマンドを読み出し、認識用出力カウンタが「11」であれば第1作動口33であること及びその賞球個数を示す種類識別コマンドを読み出し、認識用出力カウンタが「10」であれば第2作動口34であること及びその賞球個数を示す種類識別コマンドを読み出し、認識用出力カウンタが「9」であればアウト口24aであることを示す種類識別コマンドを読み出し、認識用出力カウンタが「8」であれば開閉実行モードであることを示す種類識別コマンドを読み出し、認識用出力カウンタが「7」であれば高確率モードであることを示す種類識別コマンドを読み出し、認識用出力カウンタが「6」であれば前扉枠14であることを示す種類識別コマンドを読み出し、認識用出力カウンタが「5」~「1」であればブランクであることを示す種類識別コマンドを読み出す。
【0216】
その後、読み出した種類識別コマンドの出力処理を実行する(ステップS504)。種類識別コマンドは、識別開始コマンドと同様に8ビットのデータ容量となっており、各ビットのデータがそれぞれ第1~第8信号として第1~第8バッファ122a~122hに入力される。また、識別種類コマンドの出力処理では、新たなコマンドを送信したことを管理側CPU112に認識させるために、識別種類コマンドの出力を開始するタイミングで第9信号の出力状態をHIレベルに切り換える。また、識別種類コマンドの出力期間及び第9信号の出力状態をHIレベルに維持する期間は、これら識別種類コマンド及び第9信号の出力状態を管理側CPU112にて認識するのに十分な期間に設定されている。識別種類コマンドを受信することにより、管理側CPU112は第1~第15バッファ122a~122oのうち今回の設定対象となっているバッファに対応する対応関係エリア123a~123oに、その識別種類コマンドに対応する情報を格納する。
【0217】
その後、主側RAM65の認識用出力カウンタの値を1減算し(ステップS505)、その1減算後における認識用出力カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS506)。認識用出力カウンタの値が1以上である場合には(ステップS506:NO)、1減算後における認識用出力カウンタの値に対応する種類識別コマンドを出力するための処理を実行する(ステップS503及びステップS504)。
【0218】
一方、認識用出力カウンタの値が「0」である場合には(ステップS506:YES)、識別終了コマンドの出力処理を実行する(ステップS507)。識別終了コマンドは8ビットのデータ容量となっており、各ビットのデータがそれぞれ第1~第8信号として第1~第8バッファ122a~122hに入力される。また、識別終了コマンドの出力処理では、新たなコマンドを送信したことを管理側CPU112に認識させるために、識別終了コマンドの出力を開始するタイミングで第9信号の出力状態をHIレベルに切り換える。また、識別終了コマンドの出力期間及び第9信号の出力状態をHIレベルに維持する期間は、これら識別終了コマンド及び第9信号の出力状態を管理側CPU112にて認識するのに十分な期間に設定されている。識別終了コマンドを受信することにより、管理側CPU112は第1~第15バッファ122a~122oと信号の種類との対応関係の情報を対応関係用メモリ116に格納するための処理が完了したことを特定する。
【0219】
次に、管理側CPU112にて実行される管理処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。管理処理は、管理側CPU112への動作電力の供給が開始された場合に開始される。なお、管理側CPU112の処理速度は主側CPU63の処理速度よりも速い構成であり、主側CPU63において1回のタイマ割込み処理(図12)が開始されてから次回のタイマ割込み処理(図12)が開始されるまでに、管理処理におけるステップS606以降の処理の組合せが16回以上実行される。
【0220】
主側CPU63から識別開始コマンドを受信した場合(ステップS601:YES)、管理側RAM114に設けられた設定対象カウンタの値を「0」クリアする(ステップS602)。設定対象カウンタは、信号の種類の設定対象となっているバッファ122a~122oの種類を管理側CPU112にて特定するためのカウンタである。第1バッファ122aが最初に信号種類の設定対象となり、その後は第nバッファの次に第n+1バッファが信号種類の設定対象となる。
【0221】
その後、主側CPU63から種類識別コマンドを受信していることを条件として(ステップS603:YES)、対応関係設定処理を実行する(ステップS604)。対応関係設定処理では、対応関係用メモリ116の第1~第15対応関係エリア123a~123oのうち、管理側RAM114の設定対象カウンタにおける現状の値に対応する対応関係エリアに、今回受信した種類識別コマンドに設定されている信号種類の情報を格納する。その後、管理側RAM114の設定対象カウンタの値を1加算する(ステップS605)。
【0222】
ステップS603にて否定判定をした場合、又はステップS605の処理を実行した場合、主側CPU63から識別終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS606)。識別終了コマンドを受信していない場合(ステップS606:NO)、ステップS603に戻り、主側CPU63から種類識別コマンドを新たに受信することを条件として(ステップS603:YES)、ステップS604及びステップS605の処理を再度実行する。
【0223】
主側CPU63から識別終了コマンドを受信している場合(ステップS606:YES)、ステップS607及びステップS608の処理を繰り返し実行する。ステップS607では詳細は後述するが、主側CPU63から受信した信号の種類に対応する履歴情報を履歴用メモリ117に格納するための履歴設定処理を実行する。ステップS608では、詳細は後述するが、履歴用メモリ117に格納された履歴情報を読み取り用端子102に出力するための外部出力用処理を実行する。
【0224】
図23は第1~第15バッファ122a~122oとこれらバッファ122a~122oに入力される信号の種類との対応関係の情報が対応関係用メモリ116に格納される様子を示すタイムチャートである。図23(a)は第1~第8信号(すなわち第1~第8信号経路118a~118h)を利用して主側CPU63から管理側CPU112にコマンドが出力されている期間を示し、図23(b)は第9信号の出力状態がHIレベルとなっている期間を示し、図23(c)は第1~第15バッファ122a~122oとこれらバッファ122a~122oに入力される信号の種類との対応関係を識別するための処理が実行される識別状態の実行期間を示し、図23(d)は管理側CPU112にて対応関係設定処理(ステップS604)が実行されるタイミングを示す。
【0225】
主側CPU63及び管理側CPU112への動作電力の供給が開始されることで、t1のタイミングで図23(a)に示すように第1~第8信号を利用した識別開始コマンドの出力が開始される。また、当該t1のタイミングで図23(b)に示すように第9信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更される。その後、識別開始コマンドの出力が継続されている状況であるt2のタイミングで、図23(b)に示すように第9信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに変更される。管理側CPU112は第9信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに変更されたことを確認することで主側CPU63からコマンドが送信されていることを特定し、第1~第8バッファ122a~122hの情報を確認することで主側CPU63から受信しているコマンドの内容を把握する。この場合、識別開始コマンドを受信しているため、管理側CPU112は管理処理(図22)のステップS601にて肯定判定をすることで識別状態となる。その後、t3のタイミングで図23(a)に示すように識別開始コマンドの出力が停止される。
【0226】
その後、t4のタイミングで図23(a)に示すように第1~第8信号を利用した1個目の種類識別コマンドの出力が開始される。また、当該t4のタイミングで図23(b)に示すように第9信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更される。その後、種類識別コマンドの出力が継続されている状況であるt5のタイミングで、図23(b)に示すように第9信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに変更される。管理側CPU112は第9信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに変更されたことを確認することで主側CPU63からコマンドが送信されたことを特定し、第1~第8バッファ122a~122hの情報を確認することで主側CPU63から受信しているコマンドの内容を把握する。この場合、1個目の種類識別コマンドを受信しているため、管理側CPU112はt5のタイミングで図23(d)に示すように対応関係設定処理を実行する。当該対応関係設定処理では、対応関係用メモリ116の第1対応関係エリア123aに一般入賞口31であることを示す情報及びその賞球個数の情報を格納する。その後、t6のタイミングで図23(a)に示すように種類識別コマンドの出力が停止される。
【0227】
その後、t7のタイミング~t9のタイミング、t10のタイミング~t12のタイミング、t13のタイミング~t15のタイミング、及びt16のタイミング~t18のタイミングのそれぞれにおいて、t4のタイミング~t6のタイミングと同様に、主側CPU63から出力された種類識別コマンドに対応する対応関係設定処理が管理側CPU112にて実行される。この場合、t16のタイミング~t18のタイミングにおいて15個目の種類識別コマンドに対応する対応関係設定処理が完了する。
【0228】
その後、t19のタイミングで図23(a)に示すように第1~第8信号を利用した識別終了コマンドの出力が開始される。また、当該t19のタイミングで図23(b)に示すように第9信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更される。その後、識別終了コマンドの出力が継続されている状況であるt20のタイミングで、図23(b)に示すように第9信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに変更される。管理側CPU112は第9信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに変更されたことを確認することで主側CPU63からコマンドが送信されたことを特定し、第1~第8バッファ122a~122hの情報を確認することで主側CPU63から受信しているコマンドの内容を把握する。この場合、識別終了コマンドを受信しているため、t20のタイミングで図23(c)に示すように管理側CPU112の識別状態が終了する。その後、t21のタイミングで図23(a)に示すように識別終了コマンドの出力が停止される。
【0229】
上記のように第9信号を利用してコマンドが出力されている状況であるか否かを管理側CPU112に認識させる構成であることにより、履歴情報の格納契機を管理側CPU112に指示するために利用される第1~第8信号(すなわち第1~第8信号経路)を利用してコマンド出力が行われる構成であってもコマンドが出力されている状況であることを管理側CPU112に明確に認識させることが可能となる。
【0230】
次に、履歴情報を履歴用メモリ117に格納させるための処理構成について説明する。図24は主側CPU63にて実行される管理用出力処理を示すフローチャートである。なお、管理用出力処理はタイマ割込み処理(図12)におけるステップS219にて実行される。
【0231】
まず主側RAM65に設けられた管理対象カウンタに「10」をセットする(ステップS701)。管理対象カウンタは、今回の管理用出力処理において管理側CPU112への信号出力状態を変更すべきか否かの特定対象となっていない管理対象が存在しているか否かを主側CPU63にて特定するとともに、いずれの管理対象について管理側CPU112への信号出力状態を変更すべきか否かを主側CPU63にて特定するためのカウンタである。1回の管理用出力処理にて、管理側CPU112への信号出力状態を変更すべきか否かを主側CPU63にて特定する対象となる管理対象は、7個の入球検知センサ42a~48a、開閉実行モードの実行の有無、高確率モードの実行の有無、及び前扉枠14の開閉の有無の合計10個である。したがって、最初に管理対象カウンタに「10」をセットする。
【0232】
その後、現状の管理対象カウンタの値に対応する管理対象についての管理側CPU112への信号の出力状態がHIレベルであるか否かを判定する(ステップS702)。HIレベルではない場合(ステップS702:NO)、管理対象カウンタの値が4以上であるか否かを判定することで、管理対象カウンタの値に対応する管理対象が7個の入球検知センサ42a~48aのいずれかであるかを特定する(ステップS703)。
【0233】
ステップS703にて肯定判定をした場合、管理対象カウンタの値に対応する主側RAM65の出力フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS704)。具体的には、管理対象カウンタの値が「10」であり第1入賞口検知センサ42aに対応している場合には第1出力フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「9」であり第2入賞口検知センサ43aに対応している場合には第2出力フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「8」であり第3入賞口検知センサ44aに対応している場合には第3出力フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「7」であり特電検知センサ45aに対応している場合には第4出力フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「6」であり第1作動口検知センサ46aに対応している場合には第5出力フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「5」であり第2作動口検知センサ47aに対応している場合には第6出力フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「4」でありアウト口24aに対応している場合には第7出力フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。なお、これら第1~第7出力フラグには既に説明したとおり、入球検知処理(図14)にて「1」がセットされる。
【0234】
管理対象カウンタの値に対応する出力フラグに「1」がセットされている場合(ステップS704:YES)、第1~第7信号のうち管理対象カウンタの値に対応する信号の出力状態をHIレベルに設定する(ステップS705)。その後、管理対象カウンタの値に対応する出力フラグを「0」クリアする(ステップS706)。
【0235】
ステップS703にて否定判定をした場合、管理対象カウンタの値に対応する信号の出力状態をHIレベルに切り換える契機が発生したか否かを判定する(ステップS707)。具体的には、管理対象カウンタの値が「3」である場合には開閉実行モードへの移行が発生したか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「2」である場合には高確率モードへの移行が発生したか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「1」である場合には前扉枠14が開放状態となったか否かを判定する。ステップS707にて肯定判定をした場合には、管理対象カウンタの値に対応する信号の出力状態をHIレベルに設定する(ステップS708)。
【0236】
ステップS702にて肯定判定をした場合、管理対象カウンタの値に対応する信号の出力状態をLOWレベルに切り換える契機が発生したか否かを判定する(ステップS709)。具体的には、管理対象カウンタの値が4以上であり現状の管理対象がいずれかの入球検知センサ42a~48aである場合には、第1~第7信号のうち管理対象カウンタの値に対応する信号の出力状態をLOWレベルからHIレベルに切り換えてからHI出力継続期間(具体的には10msec)が経過したか否かを判定する。このHI出力継続期間は管理側CPU112において管理処理(図22)の履歴設定処理(ステップS607)の最長処理間隔よりも長い期間に設定されており、LOWレベルからHIレベルに切り換わった信号の出力状態を管理側CPU112にて確実に特定することが可能な期間となっている。また、管理対象カウンタの値が「3」であり現状の管理対象が開閉実行モードである場合には開閉実行モードが終了したか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「2」であり現状の管理対象が高確率モードである場合には高確率モードが終了したか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「1」であり現状の管理対象が前扉枠14である場合には前扉枠14が閉鎖状態であるか否かを判定する。管理対象カウンタの値に対応する信号の出力状態をLOWレベルに切り換える契機が発生している場合(ステップS709:YES)、管理対象カウンタの値に対応する信号の出力状態をLOWレベルに設定する(ステップS710)。
【0237】
ステップS704にて否定判定をした場合、ステップS706の処理を実行した場合、ステップS707にて否定判定をした場合、ステップS708の処理を実行した場合、ステップS709にて否定判定をした場合、又はステップS710の処理を実行した場合、主側RAM65の管理対象カウンタの値を1減算する(ステップS711)。そして、その1減算後における管理対象カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS712)。管理対象カウンタの値が1以上である場合には(ステップS712:NO)、新たな管理対象カウンタの値に対応する管理対象について、ステップS702以降の処理を実行する。
【0238】
次に、管理側CPU112にて実行される履歴設定処理について図25のフローチャートを参照しながら説明する。履歴設定処理は、管理処理(図22)のステップS607にて実行される。
【0239】
まず管理側RAM114に設けられた確認対象カウンタに、第1~第15バッファ122a~122oのうち管理側CPU112において確認対象となるバッファの数をセットする(ステップS801)。具体的には、対応関係用メモリ116における第1~第15対応関係エリア123a~123oのうちブランクであることを示す情報以外の情報が格納されている対応関係エリアの数を特定し、その特定した数の情報を確認対象カウンタにセットする。本パチンコ機10では既に説明したとおり第1~第10対応関係エリア123a~123jにブランクであることを示す情報以外の情報が格納されているため、ステップS801では確認対象カウンタに「10」をセットする。
【0240】
その後、第1~第15バッファ122a~122oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するバッファに格納されている数値情報が、「0」から「1」に変更されたか否かを確認することで、当該バッファへの主側CPU63からの入力信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられたか否かを判定する(ステップS802)。なお、確認対象カウンタの値が「n」である場合には第nバッファ122a~122oが数値情報の確認対象となる。例えば、確認対象カウンタの値が「10」であれば第10バッファ122jが数値情報の確認対象となり、確認対象カウンタの値が「5」であれば第5バッファ122eが数値情報の確認対象となる。
【0241】
ステップS802にて肯定判定をした場合には、RTC115から年月日情報及び時刻情報であるRTC情報を読み出す(ステップS803)。そして、履歴用メモリ117への書き込み処理を実行する(ステップS804)。当該書き込み処理では、履歴用メモリ117のポインタ用エリア126を参照することで現状の書き込み対象となっている履歴用エリア124のポインタ情報を特定し、その書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴用エリア124の履歴情報格納エリア125に、ステップS803にて読み出したRTC情報を書き込む。また、現状の確認対象カウンタの値に対応する対応関係エリア123a~123oから対応関係情報を読み出し、その対応関係情報を上記書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に書き込む。また、対応関係情報が、開閉実行モードであることを示す情報、高確率モードであることを示す情報、及び前扉枠14であることを示す情報のうちいずれかである場合には、上記書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に対応関係情報だけではなく開始情報を書き込む。なお、確認対象カウンタの値が「n」である場合には第n対応関係エリア123a~123oが対応関係情報の読み出し対象となる。例えば、確認対象カウンタの値が「10」であれば第10対応関係エリア123jが対応関係情報の読み出し対象となり、確認対象カウンタの値が「5」であれば第5対応関係エリア123eが対応関係情報の読み出し対象となる。
【0242】
上記のように書き込み処理が実行されることにより、確認対象カウンタの値がアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかである場合には、書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に、RTC情報と、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかであることを示す対応関係情報と、の組合せが履歴情報として記憶された状態となる。また、確認対象カウンタの値が開閉実行モード、高確率モード及び前扉枠14のいずれかである場合には、書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に、RTC情報と、開閉実行モード、高確率モード及び前扉枠14のうちいずれかであることを示す対応関係情報と、開始情報と、の組合せが履歴情報として記憶された状態となる。
【0243】
その後、対象ポインタの更新処理を実行する(ステップS805)。当該更新処理では、履歴用メモリ117のポインタ用エリア126に格納されている数値情報を読み出し1加算する。その1加算後におけるポインタ情報が履歴用エリア124におけるポインタ情報の最大値を超えたか否かを判定する。最大値を超えていない場合には1加算後におけるポインタ情報を新たな書き込み対象のポインタ情報としてポインタ用エリア126に上書きする。最大値を超えている場合には書き込み対象のポインタ情報が最初のポインタ情報となるようにポインタ用エリア126を「0」クリアする。
【0244】
ステップS802にて否定判定をした場合、又はステップS805の処理を実行した場合、現状の確認対象カウンタの値に対応する対応関係エリア123a~123oに、信号出力がLOWレベルに切り換えられたか否かを確認すべき対象となる対応関係情報が格納されているか否かを判定する(ステップS806)。具体的には、現状の確認対象カウンタの値が「8」~「10」である場合には対応する対応関係エリア123h~123jに、開閉実行モードであることを示す情報、高確率モードであることを示す情報、及び前扉枠14であることを示す情報のいずれかが格納されているため、ステップS806にて肯定判定をする。
【0245】
ステップS806にて肯定判定をした場合、第1~第15バッファ122a~122oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するバッファに格納されている数値情報が「1」から「0」に変更されたか否かを確認することで、当該バッファへの主側CPU63からの入力信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに切り換えられたか否かを判定する(ステップS807)。ステップS807にて肯定判定をした場合には、ステップS803と同様にRTC情報を読み出し(ステップS808)、さらに履歴用メモリ117への書き込み処理を実行する(ステップS809)。当該書き込み処理では、書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴用エリア124の履歴情報格納エリア125に、ステップS808にて読み出したRTC情報を書き込む。また、現状の確認対象カウンタの値に対応する対応関係エリア123a~123oから対応関係情報を読み出し、その対応関係情報を上記書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に書き込む。また、上記書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に対応関係情報だけではなく終了情報を書き込む。このように書き込み処理が実行されることにより、確認対象カウンタの値が開閉実行モード、高確率モード及び前扉枠14のいずれかである場合には、書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に、RTC情報と、開閉実行モード、高確率モード及び前扉枠14のうちいずれかであることを示す対応関係情報と、終了情報と、の組合せが履歴情報として記憶された状態となる。その後、ステップS805と同様に対象ポインタの更新処理を実行する(ステップS810)。
【0246】
ステップS806にて否定判定をした場合、ステップS807にて否定判定をした場合、又はステップS810の処理を実行した場合、管理側RAM114の確認対象カウンタの値を1減算する(ステップS811)。そして、その1減算後における確認対象カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS812)。確認対象カウンタの値が1以上である場合には(ステップS812:NO)、新たな確認対象カウンタの値に対応する確認対象について、ステップS802以降の処理を実行する。
【0247】
次に、履歴用メモリ117に履歴情報が格納されていく様子について、図26のタイムチャートを参照しながら説明する。図26(a)は第1~第7バッファ122a~122gのいずれかにHIレベルの信号が入力されている期間を示し、図26(b)は第8バッファ122hにHIレベルの信号が入力されている期間を示し、図26(c)は第9バッファ122iにHIレベルの信号が入力されている期間を示し、図26(d)は第10バッファ122jにHIレベルの信号が入力されている期間を示し、図26(e)は履歴用メモリ117への履歴情報の書き込みタイミングを示す。
【0248】
t1のタイミングで、図26(a)に示すように第1~第7バッファ122a~122gのいずれかに入力されている信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられる。したがって、当該t1のタイミングで図26(e)に示すように履歴用メモリ117に履歴情報が書き込まれる。その後、t2のタイミングで、図26(a)に示すようにt1のタイミングでHIレベルに切り換えられた信号がLOWレベルに切り換えられる。しかしながら、当該信号は第1~第7バッファ122a~122gのいずれかに入力されている信号であり、LOWレベルの切り換えが履歴情報の格納対象となっていないため、当該t2のタイミングでは図26(e)に示すように履歴情報の書き込みは実行されない。
【0249】
その後、t3のタイミング、t5のタイミング、t6のタイミング、t9のタイミング、t10のタイミング、t13のタイミング及びt14のタイミングのそれぞれにおいて、図26(a)に示すように、第1~第7バッファ122a~122gのいずれかに入力されている信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられる。したがって、これら各タイミングにおいて図26(e)に示すように履歴情報が書き込まれる。
【0250】
図26(b)に示すようにt4のタイミング~t7のタイミングに亘って、第8バッファ122hに入力されている信号の出力状態がHIレベルとなる。この第8バッファ122hは開閉実行モードの発生の有無に対応している。したがって、図26(e)に示すように第8バッファ122hに入力されている信号の出力状態がHIレベルに切り換わるタイミングであるt4のタイミング、及び当該信号の出力状態がLOWレベルに切り換わるタイミングであるt7のタイミングのそれぞれにおいて、履歴情報が書き込まれる。この場合、t4のタイミングで書き込まれる履歴情報には開始情報が含まれ、t7のタイミングで書き込まれる履歴情報には終了情報が含まれる。これにより、履歴用メモリ117の履歴情報を確認することで開閉実行モードの実行期間を把握することが可能となる。
【0251】
また、履歴用メモリ117には履歴情報が時間の経過の順に従って書き込まれる。したがって、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生したことを示す履歴情報が開閉実行モード中のものか否かを区別することが可能となる。また、履歴情報にはRTC情報が含まれるため、当該RTC情報を対比することによっても、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生したことを示す履歴情報が開閉実行モード中のものか否かを区別することが可能となる。
【0252】
図26(c)に示すようにt8のタイミング~t11のタイミングに亘って、第9バッファ122iに入力されている信号の出力状態がHIレベルとなる。この第9バッファ122iは高確率モードの発生の有無に対応している。したがって、図26(e)に示すように第9バッファ122iに入力されている信号の出力状態がHIレベルに切り換わるタイミングであるt8のタイミング、及び当該信号の出力状態がLOWレベルに切り換わるタイミングであるt11のタイミングのそれぞれにおいて、履歴情報が書き込まれる。この場合、t8のタイミングで書き込まれる履歴情報には開始情報が含まれ、t11のタイミングで書き込まれる履歴情報には終了情報が含まれる。これにより、履歴用メモリ117の履歴情報を確認することで高確率モードの実行期間を把握することが可能となる。
【0253】
また、履歴用メモリ117には履歴情報が時間の経過の順に従って書き込まれる。したがって、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生したことを示す履歴情報が高確率モード中のものか否かを区別することが可能となる。また、履歴情報にはRTC情報が含まれるため、当該RTC情報を対比することによっても、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生したことを示す履歴情報が高確率モード中のものか否かを区別することが可能となる。
【0254】
図26(d)に示すようにt12のタイミング~t15のタイミングに亘って、第10バッファ122jに入力されている信号の出力状態がHIレベルとなる。この第10バッファ122jは前扉枠14の開放の有無に対応している。したがって、図26(e)に示すように第10バッファ122jに入力されている信号の出力状態がHIレベルに切り換わるタイミングであるt12のタイミング、及び当該信号の出力状態がLOWレベルに切り換わるタイミングであるt15のタイミングのそれぞれにおいて、履歴情報が書き込まれる。この場合、t12のタイミングで書き込まれる履歴情報には開始情報が含まれ、t15のタイミングで書き込まれる履歴情報には終了情報が含まれる。これにより、履歴用メモリ117の履歴情報を確認することで前扉枠14が開放状態となっている期間を把握することが可能となる。
【0255】
また、履歴用メモリ117には履歴情報が時間の経過の順に従って書き込まれる。したがって、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生したことを示す履歴情報が前扉枠14の開放中のものか否かを区別することが可能となる。また、履歴情報にはRTC情報が含まれるため、当該RTC情報を対比することによっても、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生したことを示す履歴情報が前扉枠14の開放中のものか否かを区別することが可能となる。
【0256】
次に、MPU62の読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置に、履歴用メモリ117に記憶された履歴情報を出力するための処理構成について説明する。図27は主側CPU63にて実行されるデータ出力用処理を示すフローチャートである。なお、データ出力用処理はメイン処理(図11)におけるステップS111にて実行される。
【0257】
データ出力用処理では、まず読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続されていることを示す接続信号を、読み取り用端子102から受信しているか否かを判定する(ステップS901)。読み取り装置は、読み取り用端子102と電気的に接続されている場合に接続信号を出力する構成となっており、読み取り用端子102を通じて当該接続信号を受信している場合にステップS901にて肯定判定をする。
【0258】
ステップS901にて否定判定をした場合にはそのまま本データ出力用処理を終了する。この場合、データ出力用処理が実行されるようにするためにはMPU62への動作電力の供給が再度開始されるようにする必要がある。これにより、履歴情報の外部出力が行われるようにするためには、読み取り用端子102に読み取り装置を電気的に接続した状態でMPU62への動作電力の供給が開始されるようにする必要がある。MPU62への動作電力の供給の停止操作及び開始操作を行うための電源操作部は裏パックユニット15の背面に設けられているため、これら停止操作及び開始操作を行うためには外枠11に対して遊技機本体12を開放させて裏パックユニット15の背面を露出させる必要がある。このような事情において、履歴情報の外部出力が行われるようにするためには読み取り用端子102に読み取り装置を電気的に接続した状態でMPU62への動作電力の供給が開始されるようにする必要がある構成とすることで、履歴情報を読み取る操作を遊技ホールの管理者以外が行おうとしても、それを行いづらくさせることが可能となる。
【0259】
ステップS901にて肯定判定をした場合、読み取り用端子102から制御情報確認用の信号を受信しているか否かを判定することで、読み取り用端子102への読み取り装置の今回の接続が主側ROM64の制御情報(プログラム及びデータ)の確認に対応しているか否かを判定する(ステップS902)。読み取り装置は制御情報の確認及び履歴情報の確認の両方を行うことが可能な構成であり、読み取り装置に対する手動操作により制御情報の確認が選択されている場合には読み取り装置から制御情報確認用の信号が送信され、読み取り装置に対する手動操作により履歴情報の確認が選択されている場合には読み取り装置から履歴確認用の信号が送信される。なお、これに限定されることはなく、制御情報確認用の読み取り装置と履歴確認用の読み取り装置とが別である構成としてもよい。この場合、読み取り用端子102に制御情報確認用の読み取り装置が電気的に接続されている場合には当該読み取り装置から制御情報確認用の信号が送信され、読み取り用端子102に履歴確認用の読み取り装置が電気的に接続されている場合には当該読み取り装置から履歴確認用の信号が送信される。
【0260】
ステップS902にて肯定判定をした場合には、制御情報確認用の出力処理を実行する(ステップS903)。当該出力処理では、主側ROM64から制御情報としてプログラム及びデータを読み出し、その読み出した制御情報を読み取り用端子102に出力する。これにより、当該読み取り用端子102に電気的に接続されている読み取り装置において制御情報を読み取ることが可能となり、制御情報が正規のものであるか否か又は正常なものであるか否かの確認を行うことが可能となる。
【0261】
ステップS902にて否定判定をした場合には、管理側CPU112に出力指示信号を送信する(ステップS904)。具体的には、出力指示信号の出力状態をLOWレベルからHIレベルに切り換える。このHIレベルの出力状態は特定期間に亘って継続される。この特定期間は、第16バッファ122pにHIレベルの出力指示信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。出力指示信号の出力状態がHIレベルに切り換えられることにより、管理側CPU112において履歴情報を出力するための処理が実行される。当該処理については後に詳細に説明する。
【0262】
ステップS903の処理を実行した場合、又はステップS904の処理を実行した場合、読み取り用端子102への読み取り装置の電気的な接続が継続されているか否かを判定する(ステップS905)。継続されている場合には(ステップS905:YES)、そのままステップS905にて待機する。これにより、読み取り用端子102に対する読み取り装置の電気的な接続が解除されるまでは、データ出力用処理よりも後の実行順序に設定されている処理が実行されないようにすることが可能となる。読み取り用端子102への読み取り装置の電気的な接続が解除された場合(ステップS905:NO)、本データ出力用処理を終了する。
【0263】
次に、管理側CPU112にて実行される外部出力用処理について図28のフローチャートを参照しながら説明する。なお、外部出力用処理は、管理処理(図22)のステップS608にて実行される。
【0264】
主側CPU63から受信している出力指示信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられた場合(ステップS1001:YES)、ステップS1002以降の履歴情報を出力するための処理を実行する。具体的には、まず履歴用メモリ117の履歴用エリア124においてアウト口24aであることを示す対応関係情報が格納されている履歴情報格納エリア125の数をカウントすることで、アウト口24aへの入球個数を演算する(ステップS1002)。また、履歴用メモリ117の履歴用エリア124において一般入賞口31であることを示す対応関係情報が格納されている履歴情報格納エリア125の数をカウントすることで、一般入賞口31への入球個数を演算する(ステップS1003)。また、履歴用メモリ117の履歴用エリア124において特電入賞装置32であることを示す対応関係情報が格納されている履歴情報格納エリア125の数をカウントすることで、特電入賞装置32への入球個数を演算する(ステップS1004)。また、履歴用メモリ117の履歴用エリア124において第1作動口33であることを示す対応関係情報が格納されている履歴情報格納エリア125の数をカウントすることで、第1作動口33への入球個数を演算する(ステップS1005)。また、履歴用メモリ117の履歴用エリア124において第2作動口34であることを示す対応関係情報が格納されている履歴情報格納エリア125の数をカウントすることで、第2作動口34への入球個数を演算する(ステップS1006)。
【0265】
その後、履歴用メモリ117の履歴用エリア124において前扉枠14であることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、前扉枠14であることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との間の期間に存在している履歴情報格納エリア125を参照することで、前扉枠14が開放状態である状況で発生したアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれへの入球個数を演算する(ステップS1007)。履歴用メモリ117の履歴用エリア124において前扉枠14であることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、前扉枠14であることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との間の期間は、これら履歴情報格納エリア125に格納されているRTC情報から算出される。また、連番となるポインタ情報の全体において、前扉枠14であることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、前扉枠14であることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との区間が複数存在している場合にはその区間の合計分の各入球個数を演算する。また、前扉枠14であることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125が存在しているものの、当該履歴情報格納エリア125よりも後の時間に対応するRTC情報が格納されている履歴情報格納エリア125に前扉枠14であることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されていない場合、前扉枠14であることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125よりも後の時間に対応するRTC情報が格納されている履歴情報格納エリア125の履歴情報はいずれも前扉枠14が開放状態におけるものとして扱う。
【0266】
その後、ステップS1002~ステップS1007の演算結果を利用して各種パラメータを演算する(ステップS1008)。具体的には、まずステップS1002~ステップS1006のそれぞれで算出した入球個数から、ステップS1007にて算出した前扉枠14が開放中に発生した各入球個数を減算する。そして、その減算後における各入球個数を利用して以下のパラメータを演算する。なお、ステップS1002にて算出した入球個数に対するステップS1007にて算出したアウト口24aの入球個数の差を入球個数K1とし、ステップS1003にて算出した入球個数に対するステップS1007にて算出した一般入賞口31の入球個数の差を入球個数K2とし、ステップS1004にて算出した入球個数に対するステップS1007にて算出した特電入賞装置32の入球個数の差を入球個数K3とし、ステップS1005にて算出した入球個数に対するステップS1007にて算出した第1作動口33の入球個数の差を入球個数K4とし、ステップS1006にて算出した入球個数に対するステップS1007にて算出した第2作動口34の入球個数の差を入球個数K5とする。
・第1パラメータ:遊遊技球の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K1+K2+K3+K4+K5)の割合(以下、この割合を「D1」とする)
・第2パラメータ:一般入賞口31への遊技球の合計入球個数K2/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K1+K2+K3+K4+K5)の割合
・第3パラメータ:特電入賞装置32への遊技球の合計入球個数K3/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K1+K2+K3+K4+K5)の割合
・第4パラメータ:第1作動口33への遊技球の合計入球個数K4/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K1+K2+K3+K4+K5)の割合(以下、この割合を「D2」とする)
・第5パラメータ:第2作動口34への遊技球の合計入球個数K5/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K1+K2+K3+K4+K5)の割合(以下、この割合を「D3」とする)
・第6パラメータ:D1-(D2×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+D3×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)
・第7パラメータ:(K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/遊技球の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)の割合
・第8パラメータ:K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」/遊技球の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)の割合
その後、履歴用メモリ117の履歴用エリア124において最も古いRTC情報と最も新しいRTC情報とを利用して、今回演算の対象となった履歴情報が全て抽出されるまでに要した合計時間を演算する(ステップS1009)。そして、第1出力処理を実行する(ステップS1010)。第1出力処理では、履歴用メモリ117の履歴用エリア124に格納されている全ての履歴情報を順次、読み取り用端子102に出力する。また、ステップS1008にて演算した各種パラメータを順次、読み取り用端子102に出力するとともに、ステップS1009にて演算した合計時間を読み取り用端子102に出力する。これにより、読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置において、第1出力処理にて出力対象となった各情報が読み取られる。
【0267】
その後、履歴用メモリ117の履歴用エリア124において開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との間の期間に存在している履歴情報格納エリア125を参照することで、開閉実行モードである状況で発生したアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれへの入球個数を演算する(ステップS1011)。履歴用メモリ117の履歴用エリア124において開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との間の期間は、これら履歴情報格納エリア125に格納されているRTC情報から算出される。また、連番となるポインタ情報の全体において、開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との区間が複数存在している場合にはその区間の合計分の各入球個数を演算する。また、開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125が存在しているものの、当該履歴情報格納エリア125よりも後の時間に対応するRTC情報が格納されている履歴情報格納エリア125に開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されていない場合、開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125よりも後の時間に対応するRTC情報が格納されている履歴情報格納エリア125の履歴情報はいずれも開閉実行モードにおけるものとして扱う。
【0268】
その後、ステップS1011にて特定した開閉実行モードである期間のうち、前扉枠14が開放状態である状況で発生したアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれへの入球個数を演算する(ステップS1012)。これら入球個数の演算の方法は、ステップS1011にて特定した開閉実行モードである期間を前提とする点を除き、ステップS1007の場合と同様である。
【0269】
その後、ステップS1011及びステップS1012の演算結果を利用して各種パラメータを演算する(ステップS1013)。具体的には、まずステップS1011にて算出した各入球個数から、ステップS1012にて算出した前扉枠14が開放中に発生した各入球個数を減算する。そして、その減算後における各入球個数を利用して以下のパラメータを演算する。なお、ステップS1011にて算出したアウト口24aの入球個数に対するステップS1012にて算出したアウト口24aの入球個数の差を入球個数K11とし、ステップS1011にて算出した一般入賞口31の入球個数に対するステップS1012にて算出した一般入賞口31の入球個数の差を入球個数K12とし、ステップS1011にて算出した特電入賞装置32の入球個数に対するステップS1012にて算出した特電入賞装置32の入球個数の差を入球個数K13とし、ステップS1011にて算出した第1作動口33の入球個数に対するステップS1012にて算出した第1作動口33の入球個数の差を入球個数K14とし、ステップS1011にて算出した第2作動口34の入球個数に対するステップS1012にて算出した第2作動口34の入球個数の差を入球個数K15とする。
・第11パラメータ:遊技球の合計払出個数(K12×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K13×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K14×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K15×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K11+K12+K13+K14+K15)の割合(以下、この割合を「D11」とする)
・第12パラメータ:一般入賞口31への遊技球の合計入球個数K12/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K11+K12+K13+K14+K15)の割合
・第13パラメータ:特電入賞装置32への遊技球の合計入球個数K13/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K11+K12+K13+K14+K15)の割合
・第14パラメータ:第1作動口33への遊技球の合計入球個数K14/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K11+K12+K13+K14+K15)の割合(以下、この割合を「D12」とする)
・第15パラメータ:第2作動口34への遊技球の合計入球個数K15/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K11+K12+K13+K14+K15)の割合(以下、この割合を「D13」とする)
・第16パラメータ:D11-(D12×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+D13×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)
・第17パラメータ:(K13×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K15×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/遊技球の合計払出個数(K12×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K13×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K14×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K15×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)の割合
・第18パラメータ:K13×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」/遊技球の合計払出個数(K12×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K13×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K14×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K15×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)の割合
その後、第2出力処理を実行する(ステップS1014)。第2出力処理では、ステップS1013にて演算した各種パラメータを順次、読み取り用端子102に出力する。これにより、読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置において、第2出力処理にて出力対象となった各情報が読み取られる。
【0270】
その後、履歴用メモリ117の履歴用エリア124において高確率モードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、高確率モードであることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との間の期間に存在している履歴情報格納エリア125を参照することで、高確率モードである状況で発生したアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれへの入球個数を演算する(ステップS1015)。履歴用メモリ117の履歴用エリア124において高確率モードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、高確率モードであることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との間の期間は、これら履歴情報格納エリア125に格納されているRTC情報から算出される。また、連番となるポインタ情報の全体において、高確率モードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、高確率モードであることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との区間が複数存在している場合にはその区間の合計分の各入球個数を演算する。また、高確率モードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125が存在しているものの、当該履歴情報格納エリア125よりも後の時間に対応するRTC情報が格納されている履歴情報格納エリア125に高確率モードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されていない場合、高確率モードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125よりも後の時間に対応するRTC情報が格納されている履歴情報格納エリア125の履歴情報はいずれも高確率モードにおけるものとして扱う。
【0271】
その後、ステップS1015にて特定した高確率モードである期間のうち、前扉枠14が開放状態である状況で発生したアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれへの入球個数を演算する(ステップS1016)。これら入球個数の演算の方法は、ステップS1015にて特定した高確率モードである期間を前提とする点を除き、ステップS1007の場合と同様である。
【0272】
その後、ステップS1015及びステップS1016の演算結果を利用して各種パラメータを演算する(ステップS1017)。具体的には、まずステップS1015にて算出した各入球個数から、ステップS1016にて算出した前扉枠14が開放中に発生した各入球個数を減算する。そして、その減算後における各入球個数を利用して以下のパラメータを演算する。なお、ステップS1015にて算出したアウト口24aの入球個数に対するステップS1016にて算出したアウト口24aの入球個数の差を入球個数K21とし、ステップS1015にて算出した一般入賞口31の入球個数に対するステップS1016にて算出した一般入賞口31の入球個数の差を入球個数K22とし、ステップS1015にて算出した特電入賞装置32の入球個数に対するステップS1016にて算出した特電入賞装置32の入球個数の差を入球個数K23とし、ステップS1015にて算出した第1作動口33の入球個数に対するステップS1016にて算出した第1作動口33の入球個数の差を入球個数K24とし、ステップS1015にて算出した第2作動口34の入球個数に対するステップS1016にて算出した第2作動口34の入球個数の差を入球個数K25とする。
・第21パラメータ:遊技球の合計払出個数(K22×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K23×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K24×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K25×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K21+K22+K23+K24+K25)の割合(以下、この割合を「D11」とする)
・第22パラメータ:一般入賞口31への遊技球の合計入球個数K22/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K21+K22+K23+K24+K25)の割合
・第23パラメータ:特電入賞装置32への遊技球の合計入球個数K23/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K21+K22+K23+K24+K25)の割合
・第24パラメータ:第1作動口33への遊技球の合計入球個数K24/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K21+K22+K23+K24+K25)の割合(以下、この割合を「D22」とする)
・第25パラメータ:第2作動口34への遊技球の合計入球個数K25/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K21+K22+K23+K24+K25)の割合(以下、この割合を「D23」とする)
・第26パラメータ:D21-(D22×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+D23×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)
その後、第3出力処理を実行する(ステップS1018)。第3出力処理では、ステップS1017にて演算した各種パラメータを順次、読み取り用端子102に出力する。これにより、読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置において、第3出力処理にて出力対象となった各情報が読み取られる。その後、クリア処理を実行する(ステップS1019)。クリア処理では、履歴用メモリ117の履歴情報格納エリア125を全て「0」クリアするとともに、ポインタ用エリア126を「0」クリアする。これにより、履歴用エリア124が初期化された状態となる。
【0273】
<特電入賞装置32の構成>
次に、特電入賞装置32の構成について説明する。図29は特電入賞装置32が設けられた領域を拡大して示す遊技盤24の正面図である。
【0274】
特電入賞装置32は既に説明したとおり遊技領域PAの右側領域PA3に設けられている。この特電入賞装置32が設けられた位置は、右側領域PA3における縦方向の中間位置であり、その中間位置において特電入賞装置32はセンターフレーム36aにおける図柄表示装置41の表示面の右方の部分である右枠部36gから遊技領域PAの右端部分に亘って横方向に延在している。このように横方向に延在させて特電入賞装置32が設けられていることにより、右側領域PA3を流下する遊技球は特電入賞装置32が設けられた領域を確実に通過することとなる。
【0275】
特電入賞装置32は、第4排出通路部45の上流領域が形成された通路形成体201と、第4排出通路部45への遊技球の入球を阻止又は許容する開閉部材202と、開閉部材202の移動をガイドするガイド部材203と、を備えている。通路形成体201はセンターフレーム36aの右枠部36gに一体化されており、遊技盤24の盤面よりもパチンコ機10前方に突出している。通路形成体201の右壁部201aに入口部45bが存在するようにして第4排出通路部45の上流領域45cが通路形成体201に形成されている。
【0276】
第4排出通路部45の入口部45bは右方に向けて開放されており、右側領域PA3を流下する遊技球が入球可能となっている。第4排出通路部45の上流領域45cは入口部45bから続く領域においては左方に向けて下り傾斜となっているが、その下流側において、遊技盤24の背面側に遊技球を導出するように通路方向が変化するとともに遊技盤24の下方に遊技球を導出するように通路方向が変化している。そして、第4排出通路部45の上流領域45cの出口部は遊技盤24の背面側に存在しており、当該遊技盤24の背面側に設けられた第4排出通路部45の下流領域45dの入口部と接続されている。第4排出通路部45の下流領域45dは遊技盤24の下方に向けて鉛直方向に延びている。上記構成であることにより、第4排出通路部45に入球した遊技球は遊技盤24の背面側において当該遊技盤24の下方へと排出される。既に説明したとおり第4排出通路部45には第4排出通路部45に入球した遊技球(すなわち特電入賞装置32に入球した遊技球)を検知するための特電検知センサ45aが設けられているが、当該特電検知センサ45aは通路形成体201に設置されている。
【0277】
第4排出通路部45の入口部45bを開閉するように開閉部材202が設けられている。図30は開閉部材202の斜視図であり、図31は開閉部材202により第4排出通路部45の入口部45bが開閉される様子を示す通路形成体201及び開閉部材202の斜視図であり、図32は開閉部材202及び特電用の駆動部32bの平面図である。
【0278】
開閉部材202は、合成樹脂により形成されており、図30に示すように横長であってパチンコ機10の前後方向に所定の幅を有する外縁四角形状のベース部211と、当該ベース部211の横方向の一端側において縦方向に起立させて当該ベース部211に一体形成された阻止部212と、を備えている。ベース部211には当該ベース部211を縦方向に貫通する開口部213が形成されている。開口部213は横長の四角形状に形成されており、パチンコ機10前後方向の寸法は遊技球の直径よりも大きく、遊技球の直径の2倍よりも小さく設定されている。また、開口部213の横方向の寸法は遊技球の直径の複数倍以上に設定されており、具体的には遊技球の直径の5倍よりも大きく遊技球の直径の6倍よりも小さく設定されている。この開口部213が形成された位置はベース部211においてパチンコ機10後側に偏倚した位置ではあるもののベース部211における前後方向及び横方向のいずれにおいても途中位置となっており、ベース部211には開口部213の周囲に板状部が存在している。
【0279】
ベース部211において開口部213の左側の周縁部から上方に起立するようにして阻止部212が形成されている。阻止部212は板状に形成されており表裏一対の板面が横方向を向いている。阻止部212はその板面の面積が、図31(a)に示すように第4排出通路部45の入口部45bを遊技球の流入を阻止するように、より具体的には当該入口部45bを完全に閉鎖することが可能な大きさに設定されている。
【0280】
開閉部材202は、図29及び図31に示すように、パチンコ機10の前後方向にスライド移動可能な状態で通路形成体201及びガイド部材203のそれぞれに支持されている。詳細には、図29に示すようにガイド部材203は遊技領域PAの右端部分から通路形成体201の手前に亘って横方向に延在させて設けられている。通路形成体201及びガイド部材203は、遊技盤24をパチンコ機10前後方向に貫通するスライド貫通孔221を備えている。当該スライド貫通孔221は開閉部材202の正面視での外縁部分よりも一回り大きく形成されている。このスライド貫通孔221に開閉部材202が挿入されており、当該スライド貫通孔221に沿って開閉部材202がパチンコ機10前後方向にスライド移動可能となっている。
【0281】
スライド貫通孔221に挿入された状態において開閉部材202の阻止部212は、通路形成体201において第4排出通路部45の入口部45bが形成された右壁部201aの右側の板面と近い位置にて対峙することとなる。この右壁部201aの右側の板面と阻止部212との間の距離は遊技球の半径未満に設定されているが、阻止部212によって第4排出通路部45への遊技球の入球を阻止することが可能であればその距離は任意であり、さらに右壁部201aの右側の板面と阻止部212とが当接しており開閉部材202の移動に際して阻止部212が右壁部201aの右側の板面上を摺動する構成としてもよい。
【0282】
開閉部材202は、図31(a)に示すように阻止部212により第4排出通路部45の入口部45bが閉鎖される閉鎖位置と、図31(b)に示すように第4排出通路部45の入口部45bよりもパチンコ機10後側に阻止部212が移動し当該入口部45bが右方に向けて開放される開放位置とのそれぞれに移動可能となっている。また、図32に示すように、開閉部材202のパチンコ機10後側には開閉部材202をパチンコ機10前後方向にスライド移動させるための特電用の駆動部32bが設けられている。特電用の駆動部32bは電動アクチュエータであるソレノイドである。特電用の駆動部32bに主側CPU63から駆動信号が出力されていない非駆動状態においては、特電用の駆動部32bが有する付勢部材225の付勢力により特電用の駆動部32bの出力部226が突出位置に配置される。一方、特電用の駆動部32bに主側CPU63から駆動信号が出力されている駆動状態においては、出力部226に対してパチンコ機10後側へと引っ張る力が付与されることにより、出力部226が付勢部材225の付勢力に抗してパチンコ機10後側へと移動し後退位置に配置される。出力部226の先端は開閉部材202の後端部に接続されている。したがって、特電用の駆動部32bが非駆動状態であり出力部226が突出位置に配置されている場合には開閉部材202は図31(a)に示すように閉鎖位置に配置され、特電用の駆動部32bが駆動状態であり出力部226が後退位置に配置されている場合には開閉部材202は図31(b)に示すように開放位置に配置される。なお、特電用の駆動部32bはその本体部227が遊技盤24の背面側に存在しているとともに出力部226は開閉部材202の後端部に接続されているため、パチンコ機10前方から特電用の駆動部32bは視認不可となっている又は視認しづらくなっている。
【0283】
開閉部材202が閉鎖位置及び開放位置のそれぞれに配置されている状況における特電入賞装置32の様子について、図31(a)及び図31(b)に加え、図33(a)及び図33(b)を参照しながら説明する。図33(a)及び図33(b)は図29のA-A線断面図である。また、図31(a)及び図33(a)は開閉部材202が閉鎖位置に配置されている状態を示し、図31(b)及び図33(b)は開閉部材202が開放位置に配置されている状態を示す。まず開閉部材202が閉鎖位置に配置されている場合について説明する。
【0284】
開閉部材202が閉鎖位置に配置されている場合、図31(a)及び図33(a)に示すように第4排出通路部45の入口部45bは開閉部材202の阻止部212により閉鎖される。これにより、開閉部材202が閉鎖位置に配置されている場合には第4排出通路部45への遊技球の入球が阻止される。
【0285】
開閉部材202が閉鎖位置に配置されているか否かに関係なく、阻止部212の右方には既に説明したとおりベース部211の開口部213が存在している。また、ベース部211において開口部213よりもパチンコ機10前側の領域である誘導板部214は、開閉部材202が閉鎖位置に配置されている場合、その前側の先端部が前扉枠14の窓パネル52と近い位置にて対峙している。この誘導板部214の先端部と窓パネル52との間の距離は遊技球の半径未満となっている。これにより、開閉部材202が閉鎖位置に配置されている状態においては、誘導板部214の上に載った遊技球が誘導板部214の前側の先端部から下方に向けて流下しようとしてもそれが窓パネル52に阻止される。
【0286】
開閉部材202が閉鎖位置に配置されている状態において、誘導板部214の左側端部は通路形成体201において第4排出通路部45の入口部45bの下方の位置にて前後方向に延びるように形成されたスライド貫通孔221内に入り込んでいる。この場合に、誘導板部214の上面はパチンコ機10後側に向けて下り傾斜となっているとともに左方に向けて下り傾斜となっている。当該構成において、通路形成体201は遊技盤24の盤面よりもパチンコ機10前側に突出しており通路形成体201の前側の端部は前扉枠14の窓パネル52と近い位置にて対峙している。この通路形成体201の前側の端部と窓パネル52との間の距離は遊技球の半径未満となっている。これにより、開閉部材202が閉鎖位置に配置されている状態においては誘導板部214の左端部から当該誘導板部214の左方に遊技球が移動しようとしてもそれが通路形成体201により阻止される。そして、誘導板部214の上面は既に説明したとおり左方に向けて下り傾斜となっているだけではなく、パチンコ機10後側に向けて下り傾斜となっているため、開閉部材202が閉鎖位置に配置されている状態において誘導板部214の上に載った遊技球は自重により開口部213に向けて移動し開口部213内に流入することとなる。
【0287】
ここで、ガイド部材203は図33(a)に示すように、遊技盤24の盤面よりもパチンコ機10前方に突出するように設けられており、その前方に突出した部分は閉鎖位置に配置されている開閉部材202のベース部211に上方から対向している。この前方に突出した部分において右端側の受け部231を除いた左側領域232は、開閉部材202が閉鎖位置に配置されている状態においてベース部211の開口部213に沿って横方向に延在することとなるが、左側領域232のパチンコ機10前側への突出量はベース部211の開口部213が対向範囲に含まれない程度となっている。これにより、開閉部材202が閉鎖位置に配置されている状態において開口部213がガイド部材203によって塞がれてしまわないようになっている。また、左側領域232の前後方向寸法は遊技球の半径未満となっているため、左側領域232の上に遊技球が乗り上げることはない。
【0288】
一方、ガイド部材203において開閉部材202の開口部213よりも右側に存在している受け部231は、左側領域232よりもパチンコ機10前方に突出しており、その前方の先端部は前扉枠14の窓パネル52と近い位置にて対峙している。この受け部231の先端部と窓パネル52との間の距離は遊技球の半径未満となっている。これにより、受け部231の上に載った遊技球が受け部231の前方の先端部から下方に向けて流下しようとしてもそれが窓パネル52により阻止されることとなる。なお、受け部231は遊技盤24の右端部分に存在しているため、受け部231の上に載った遊技球が受け部231の右端部から下方に向けて流下しようとしてもそれが樹脂ベース21において遊技盤24の右方に設けられた部位により阻止されることとなる。
【0289】
受け部231の上面は、前後方向の寸法及び横方向の寸法が共に遊技球の直径よりも大きく設定されている。この場合、図33(a)に示すように受け部231の上面において前側領域233は、閉鎖位置に配置されている開閉部材202の開口部213よりもパチンコ機10前側に存在している。この前側領域233の左縁部には、前側領域233に載っている遊技球が当該前側領域233の左縁部から当該前側領域233の左方に落下することを阻止するための規制部234が一体形成されている。また、前側領域233はパチンコ機10後側に向けて下り傾斜となっている。したがって、受け部231の上面において前側領域233に載った遊技球は受け部231の上面における後側領域235に自重により移動することとなる。後側領域235は左方に向けて下り傾斜となっており、後側領域235の左端部から当該後側領域235の左方に遊技球が流下することを阻止する部位は存在していない。したがって、開閉部材202が閉鎖位置に配置されている場合に受け部231の上面における後側領域235の上に載った遊技球は自重により、開閉部材202の開口部213に向けて移動し開口部213内に流入することとなる。
【0290】
次に、開閉部材202が開放位置に配置されている場合について説明する。開閉部材202が開放位置に配置されている場合、図31(b)及び図33(b)に示すように第4排出通路部45の入口部45bは開閉部材202の阻止部212に閉鎖されることなく右方に向けて開放されている。これにより、第4排出通路部45への遊技球の入球が可能となる。
【0291】
開閉部材202が開放位置に配置されている場合、開閉部材202のベース部211における開口部213はその全体がスライド貫通孔221内に配置されることとなり、第4排出通路部45の入口部45bの右方には開閉部材202のベース部211における誘導板部214が存在することとなる。この場合、誘導板部214は、図33(b)に示すように第4排出通路部45の入口部45bと、ガイド部材203の受け部231における後側領域235との間に亘って横方向に延在することとなる。そして、既に説明したとおり受け部231の上面は当該後側領域235の左端部に向けて下り傾斜となっているため受け部231の上面に載った遊技球は自重により誘導板部214に向けて移動することとなるとともに、誘導板部214の上面は左方に向けて下り傾斜となっているため誘導板部214の上面に載った遊技球は自重により第4排出通路部45の入口部45bに向けて移動することとなる。つまり、開閉部材202が開放位置に配置されている状態においては、受け部231の上面又は誘導板部214の上面に載った遊技球が自重により第4排出通路部45の入口部45bに向けて移動し、当該入口部45bに入球することとなる。よって、開閉部材202が開放位置に配置されている場合には、第4排出通路部45の入口部45bへの遊技球の入球が可能となるだけではなく、第4排出通路部45の入口部45bへの遊技球の入球が開閉部材202によってガイドされることとなる。
【0292】
開閉部材202が開放位置に配置されている場合、開閉部材202が閉鎖位置に配置されている場合よりも開閉部材202がパチンコ機10後側に移動するため、誘導板部214の前側の先端部と窓パネル52との間の距離が広くなる。そして、この距離は遊技球の直径以上の距離となる。したがって、右側領域PA3において特電入賞装置32に向けて流下してきた遊技球の流下方向や流下の勢いによっては、誘導板部214と窓パネル52との間の空間に遊技球が入り込み、当該空間を流下することで特電入賞装置32の下方に遊技球が流下することも起こり得る。つまり、開閉部材202が開放位置に配置されている状況であっても、特電入賞装置32の位置に到達した遊技球が特電入賞装置32に入賞することなく特電入賞装置32の下方に流下していくことが起こり得る。但し、これに限定されることはなく、誘導板部214の前側端部の全体に亘って上方に突出した突状部を一体形成することで誘導板部214に載った遊技球が当該誘導板部214の前側端部から下方に向けて落下不可又は落下しづらい構成としてもよい。
【0293】
次に、図29を再度参照しながら、右側領域PA3における遊技球の流下態様を所定の態様とするための構成について説明する。
【0294】
右側領域PA3において特電入賞装置32よりも上流側には、右側領域PA3の上流側を流下する遊技球を、特電入賞装置32の右端側、より具体的にはガイド部材203の受け部231及びその周辺に誘導するための誘導手段が設けられている。当該誘導手段として、複数の釘24bによる誘導釘群241が設けられている。誘導釘群241は、センターフレーム36aの右枠部36gからガイド部材203の受け部231に向けて下り傾斜となる誘導部を生じさせるようにして複数の釘24bが右下がりに配列されていることで形成されている。この場合、誘導釘群241において左端に存在する釘24bと右枠部36gとの間の距離が遊技球の半径未満に設定されているとともに、誘導釘群241における隣り合う釘24b間の距離も遊技球の半径未満に設定されている。したがって、誘導釘群241上に到達した遊技球は当該誘導釘群241による誘導部により、ガイド部材203の受け部231に向けて誘導されることとなる。
【0295】
受け部231の上面に誘導された遊技球は、開閉部材202が閉鎖位置に配置されている場合には既に説明したとおり受け部231の上面によって開閉部材202のベース部211における開口部213に案内され当該開口部213に流入することとなる。したがって、開閉部材202が閉鎖位置に配置されている状況において右側領域PA3を流下して特電入賞装置32に到達した遊技球は、ベース部211の開口部213において受け部231寄りの領域に流入して特電入賞装置32の下方に向けて流下することとなる。
【0296】
ここで、既に説明したとおり右側領域PA3にはスルーゲート35が設けられているが、当該スルーゲート35は特電入賞装置32の下流側において特電入賞装置32の通路形成体201寄りに配置されている。また、特電入賞装置32とスルーゲート35との間には、特電入賞装置32の通路形成体201寄りの位置から特電入賞装置32の下方へと流下した遊技球のみがスルーゲート35に入球可能となるようにするための規制釘群242が設けられている。これにより、開閉部材202が閉鎖位置に配置されている状態において特電入賞装置32に到達した遊技球がスルーゲート35を通過することが阻止される。
【0297】
一方、開閉部材202が開放位置に配置されている場合には特電入賞装置32に到達した遊技球は、既に説明したとおりベース部211の誘導板部214上を第4排出通路部45の入口部45bに向けて流下することとなる。この場合に、誘導板部214上に載っている遊技球が第4排出通路部45の入口部45bに到達するまで開閉部材202の開放位置への配置が維持された場合には当該遊技球は当該入口部45bに入球することとなる。これに対して、入口部45bに到達する前の段階で開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動した場合には、その時点で誘導板部214上に載っている遊技球は誘導板部214のパチンコ機10前側の移動に追従してパチンコ機10前側に移動した後に、誘導板部214の上面の傾斜に沿ってベース部211の開口部213に誘導され、開口部213に流入することとなる。したがって、誘導板部214上における通路形成体201寄りの所定範囲Xに遊技球が存在している状態で開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動した場合には、その遊技球は通路形成体201寄りの位置にて特電入賞装置32の下方に向けて流下することとなりスルーゲート35を通過することとなる。そして、スルーゲート35を遊技球が通過することで普図側の保留情報が取得され、第2作動口34の普電役物34aを開放状態とする契機が発生することとなる。つまり、スルーゲート35への入球契機、すなわち第2作動口34の普電役物34aを開放状態とする契機は、開閉実行モードにおいてのみ発生することとなる。
【0298】
図34のタイムチャートを参照しながら、開閉実行モードにおいて第2作動口34への入賞が発生する様子について説明する。図34(a)は開閉実行モードの実行期間を示し、図34(b)は特電入賞装置32の開閉状態を示し、図34(c)はスルーゲート35への入賞が発生するタイミングを示し、図34(d)は第2作動口34の開放状態の実行期間を示し、図34(e)は第2作動口34への入賞が発生するタイミングを示す。なお、普電開放状態となった場合には第2作動口34の開放状態が複数回発生するが、図34においては説明の便宜上、第2作動口34の開放状態が1回のみ発生するものとして説明する。
【0299】
t1のタイミングで図34(a)に示すように開閉実行モードが開始される。当該開閉実行モードにおいて図34(b)に示すようにt2のタイミング~t3のタイミング、t7のタイミング~t9のタイミング、t13のタイミング~t15のタイミングの各期間などにおいてラウンド遊技が実行され、特電入賞装置32が開放状態となる。
【0300】
これら各ラウンド遊技のうちt2のタイミング~t3のタイミングのラウンド遊技及びt7のタイミング~t9のタイミングのラウンド遊技のそれぞれでは、特電入賞装置32が開放状態から閉鎖状態となるt3のタイミング及びt9のタイミングのそれぞれにおいて、特電入賞装置32の開閉部材202の誘導板部214上に遊技球が載っている。そして、t3のタイミング及びt9のタイミングのそれぞれで、開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動して特電入賞装置32が開放状態から閉鎖状態となった場合、その誘導板部214上に載っていた遊技球が開閉部材202の開口部213に落下する。当該落下した遊技球は、図34(c)に示すようにt4のタイミング及びt10のタイミングのそれぞれでスルーゲート35に入賞する。これにより、普図側の保留情報が取得され普図表示部38aにて絵柄の変動表示が開始される。そして、その絵柄の変動表示が終了されることで図34(d)に示すようにt5のタイミング~t8のタイミング及びt11のタイミング~t14のタイミングのそれぞれに亘って第2作動口34の普電役物34aが開放状態となる。既に説明したとおり右側領域PA3を流下する遊技球であっても第2作動口34が設けられた位置に到達可能であるため、特電入賞装置32に遊技球を入賞させようとして右側領域PA3に向けた遊技球の発射を継続させることにより、図34(e)に示すようにt6のタイミング及びt12のタイミングのそれぞれで第2作動口34への入賞が発生する。これにより、第2保留情報が取得される。開閉実行モードの実行中においては新たな遊技回の開始が阻止されるため、その取得された第2保留情報に対する当否判定処理の実行及び当該第2保留情報を契機とした遊技回の開始は、現状の開閉実行モードが終了した後に行われる。
【0301】
一方、t13のタイミング~t15のタイミングのラウンド遊技においては特電入賞装置32が開放状態から閉鎖状態となるt15のタイミングにおいて、特電入賞装置32の開閉部材202の誘導板部214上に遊技球が載っていない、又は当該誘導板部214上に遊技球が載っていたとしてもその遊技球がスルーゲート35に入球可能な位置に落下しない。したがって、当該ラウンド遊技の終了に対してスルーゲート35への入賞が発生しない。
【0302】
その後、図34(a)に示すようにt16のタイミングで開閉実行モードが発生する。当該開閉実行モードが終了したタイミングにおいて普図保留エリア65cに普図側の保留情報が保留記憶された状態となっている。これにより、開閉実行モードが終了した後のタイミングであるt17のタイミングで図34(d)に示すように第2作動口34の開放が開始され、この開放期間はt19のタイミングまで継続する。そして、この期間において左側領域PA2又は右側領域PA3を遊技球が流下するように発射操作が行われることで、t18のタイミングで図34(e)に示すように第2作動口34への入賞が発生する。この場合、この時点で第2特図保留エリア86に上限個数分の第2保留情報が保留記憶されていない場合には第2保留情報が新たに取得される。そして、当該第2保留情報は当否判定処理の実行対象となるとともに新たな遊技回の開始契機となる。
【0303】
<開閉実行モードの実行態様>
次に、開閉実行モードの実行態様について説明する。図35(a)及び図35(b)は開閉実行モードの実行態様を説明するための説明図である。
【0304】
既に説明したとおり本実施形態では大当たり結果として、2R低確結果、2R高確結果、4R低確結果、4R高確結果、6R低確結果、6R高確結果、10R低確結果、10R高確結果、16R低確結果及び16R高確結果が存在している。これら大当たり結果となった場合に発生する開閉実行モードはいずれも、図35(a)に示すように、各ラウンド遊技間のインターバル期間が3秒に設定されている。また、これら開閉実行モードはいずれも、各ラウンド遊技における特電入賞装置32への入賞上限個数が10個に設定されているとともに、各ラウンド遊技の開放継続期間が29秒に設定されている。そして、各ラウンド遊技ではそれぞれ特電入賞装置32の開閉が1回行われる。
【0305】
一方、これら開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数が相違している。具体的には、2R低確結果及び2R高確結果ではラウンド遊技の回数が2回に設定されており、4R低確結果及び4R高確結果ではラウンド遊技の回数が4回に設定されており、6R低確結果及び6R高確結果ではラウンド遊技の回数が6回に設定されており、10R低確結果及び10R高確結果ではラウンド遊技の回数が10回に設定されており、16R低確結果及び16R高確結果ではラウンド遊技の回数が16回に設定されている。ラウンド遊技の実行回数が多いほど1回の開閉実行モードにおける特電入賞装置32への入球個数が多くなるため、ラウンド遊技の実行回数が多い大当たり結果の方が遊技者にとって有利となる。
【0306】
また、ラウンド遊技の実行回数が多いほど特電入賞装置32の開閉部材202が開放位置と閉鎖位置との間でスライド移動する回数が多くなる。既に説明したとおり開閉部材202が開放位置から閉鎖位置にスライド移動するタイミングにおいて開閉部材202の誘導板部214上に載っていた遊技球がスルーゲート35に入賞し得る。したがって、開閉部材202が開放位置と閉鎖位置との間でスライド移動する回数が多いほど、スルーゲート35への入賞が発生する頻度が高くなり、スルーゲート35への入賞が発生することで第2作動口34の普電役物34aが開放状態となる契機が発生することとなる。そして、第2作動口34への入賞が発生することで取得された第2保留情報が当否判定処理の実行対象となった場合、大当たり結果及び小当たり結果のいずれかが発生するため、確実に開閉実行モードが発生することとなる。この点からも、ラウンド遊技の実行回数が多い大当たり結果の方が遊技者にとって有利となる。
【0307】
ラウンド遊技の実行回数が同一となる大当たり結果として、低確結果及び高確結果のそれぞれが設定されている。つまり、ラウンド遊技が2回実行される大当たり結果として2R低確結果と2R高確結果とが設定されている。また、ラウンド遊技が4回実行される大当たり結果として4R低確結果と4R高確結果とが設定されている。また、ラウンド遊技が6回実行される大当たり結果として6R低確結果と6R高確結果とが設定されている。また、ラウンド遊技が10回実行される大当たり結果として10R低確結果と10R高確結果とが設定されている。また、ラウンド遊技が16回実行される大当たり結果として16R低確結果と16R高確結果とが設定されている。これにより、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数が同一である大当たり結果として、開閉実行モード後の当否抽選モードが低確率モードとなる低確結果と、開閉実行モード後の当否抽選モードが高確率モードとなる高確結果とが存在することとなる。よって、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数については遊技者の利益度を同一としながら当否抽選モードの設定態様が相違する大当たり結果が存在することとなり、大当たり結果の種類に関して遊技者が期待する対象の種類が多くなる。
【0308】
既に説明したとおり本実施形態では小当たり結果として、第1小当たり結果、第2小当たり結果及び第3小当たり結果が存在している。これら小当たり結果となった場合に発生する開閉実行モードはいずれも、図35(b)に示すように、入賞上限個数が10個に設定されている。一方、開閉実行モードにおける特電入賞装置32の開放回数、及び各開放回における特電入賞装置32の開放継続期間は、各小当たり結果で相違している。
【0309】
図36は小当たり結果となったことを契機として実行される開閉実行モードの実行態様を説明するためのタイムチャートである。図36(a1)、図36(a2)及び図36(a3)は開閉実行モードの実行期間を示し、図36(b1)、図36(b2)及び図36(b3)は特電入賞装置32が開放状態となっている期間を示す。また、図36(a1)及び図36(b1)は第1小当たり結果となったことを契機として実行される開閉実行モードの実行態様を示し、図36(a2)及び図36(b2)は第2小当たり結果となったことを契機として実行される開閉実行モードの実行態様を示し、図36(a3)及び図36(b3)は第3小当たり結果となったことを契機として実行される開閉実行モードの実行態様を示す。
【0310】
第1小当たり結果の場合、図36(a1)に示すようにt1のタイミング~t4のタイミングに亘って開閉実行モードが実行される場合において、図36(b1)に示すようにt2のタイミング~t3のタイミングに亘って特電入賞装置32が1回のみ開放される。この1回の開放回における特電入賞装置32の開放継続期間は図35(b)に示すように10秒に設定されている。遊技球の発射周期は0.6秒であり、当該開閉実行モードにおける特電入賞装置32への遊技球の入賞上限個数は10個であるため、この開放継続期間は遊技球の発射周期と入賞上限個数との積よりも長い期間となる。
【0311】
第2小当たり結果の場合、図36(a2)に示すようにt1のタイミング~t20のタイミングに亘って開閉実行モードが実行される場合において、図36(b2)に示すようにt2のタイミング~t11のタイミング、t12のタイミング~t13のタイミング、t14のタイミング~t15のタイミング、t16のタイミング~t17のタイミング及びt18のタイミング~t19のタイミングのそれぞれに亘って特電入賞装置32が1回開放される。つまり、第2小当たり結果の場合、特電入賞装置32の開放回数は5回である。この各開放回における特電入賞装置32の開放継続期間は図35(b)に示すように2秒に設定されている。遊技球の発射周期は0.6秒であり、当該開閉実行モードにおける特電入賞装置32への遊技球の入賞上限個数は10個であるため、各開放回の開放継続期間は遊技球の発射周期と入賞上限個数との積よりも短い期間となる。但し、各開放回の合計の開放継続期間は遊技球の発射周期と入賞上限個数との積よりも長い期間となる。また、各開放回の合計の開放継続期間は、第1小当たり結果における開閉実行モードの1回の開放回の開放継続期間と等しい。
【0312】
第3小当たり結果の場合、図36(a3)に示すようにt1のタイミング~t40のタイミングに亘って開閉実行モードが実行される場合において、図36(b3)に示すようにt2のタイミング~t21のタイミング、t22のタイミング~t23のタイミング、t24のタイミング~t25のタイミング、t26のタイミング~t27のタイミング、t28のタイミング~t29のタイミング、t30のタイミング~t31のタイミング、t32のタイミング~t33のタイミング、t34のタイミング~t35のタイミング、t36のタイミング~t37のタイミング及びt38のタイミング~t39のタイミングのそれぞれに亘って特電入賞装置32が1回開放される。つまり、第3小当たり結果の場合、特電入賞装置32の開放回数は10回である。この各開放回における特電入賞装置32の開放継続期間は図35(b)に示すように1秒に設定されている。遊技球の発射周期は0.6秒であり、当該開閉実行モードにおける特電入賞装置32への遊技球の入賞上限個数は10個であるため、各開放回の開放継続期間は遊技球の発射周期と入賞上限個数との積よりも短い期間となる。但し、各開放回の合計の開放継続期間は遊技球の発射周期と入賞上限個数との積よりも長い期間となる。また、各開放回の合計の開放継続期間は、第1小当たり結果における開閉実行モードの1回の開放回の開放継続期間と等しいとともに、第2小当たり結果における各開放回の合計の開放継続期間と等しい。
【0313】
上記のとおり各小当たり結果の開閉実行モードは、開放回数が少ないほど各開放回の開放継続期間は長く設定されている。特電入賞装置32の1回の開放継続期間が長いほど特電入賞装置32への入賞が発生し易い。その一方、特電入賞装置32の開放回数が多いほど開閉部材202の誘導板部214上に遊技球が載っている状態で特電入賞装置32が開放状態から閉鎖状態となる機会が多く発生することとなるため、スルーゲート35への入賞が発生し易くなる。したがって、第1小当たり結果では特電入賞装置32への入賞が最も発生し易いもののスルーゲート35への入賞が最も発生しにくく、第3小当たり結果では特電入賞装置32への入賞が最も発生しにくいもののスルーゲート35への入賞が最も発生し易く、第2小当たり結果では特電入賞装置32への入賞及びスルーゲート35への入賞の両方が適度に発生し易い。これにより、特電入賞装置32への入賞の発生を期待する遊技者は第1小当たり結果を期待することとなり、スルーゲート35への入賞の発生を期待する遊技者は第3小当たり結果を期待することとなる。よって、遊技者が期待する対象を多様化させることが可能となる。また、第1小当たり結果、第2小当たり結果及び第3小当たり結果のいずれが発生したとしてもそれぞれにメリットが存在するため、各小当たり結果に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
【0314】
なお、第2小当たり結果及び第3小当たり結果の場合のいずれにおいても特電入賞装置32が複数回開放されることとなるが、各開放回のインターバル期間はいずれも3秒で同一となっている。また、開閉部材202が開放位置に配置されている期間が1秒経過することにより誘導板部214上における所定範囲Xに遊技球が到達し得る。
【0315】
<普図普電制御処理>
次に、第2作動口34を開放状態と閉鎖状態との間で切り換えるための処理構成、及び特電入賞装置32を開放状態と閉鎖状態との間で切り換えるための処理構成を説明する。まず第2作動口34を開放状態と閉鎖状態との間で切り換えるための処理構成について説明する。図37は主側CPU63にて実行される普図普電制御処理を示すフローチャートである。なお、普図普電制御処理はタイマ割込み処理(図12)のステップS214にて実行される。
【0316】
まず普図側の保留情報の取得処理を実行する(ステップS1101)。当該取得処理では、スルーゲート35への入賞が発生しており、さらに普図保留エリア65cに上限個数分の普図側の保留情報が取得されている状況ではない場合、普電乱数カウンタC4の数値情報を普図保留エリア65cに格納する。この場合、第1エリア88a→第2エリア88b→第3エリア88c→第4エリア88dの順序で普図側の保留情報が格納されるようにする。
【0317】
その後、主側RAM65に設けられた普図普電カウンタの数値情報を読み出すとともに(ステップS1102)、主側ROM64に設けられた普図普電アドレステーブルを読み出す(ステップS1103)。そして、普図普電アドレステーブルから普図普電カウンタの数値情報に対応した開始アドレスを取得し(ステップS1104)、その取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする(ステップS1105)。
【0318】
普図普電カウンタは、普図普電制御処理におけるステップS1106~ステップS1110の各処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側CPU63にて把握するためのカウンタであり、普図普電アドレステーブルには、普図普電カウンタの数値情報に対応させて、ステップS1106~ステップS1110の各処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。普図普電カウンタの値が「0」である場合にはステップS1106の普図変動開始処理にジャンプし、普図普電カウンタの値が「1」である場合にはステップS1107の普図変動中処理にジャンプし、普図普電カウンタの値が「2」である場合にはステップS1108の普図確定中処理にジャンプし、普図普電カウンタの値が「3」である場合にはステップS1109の普電開放中処理にジャンプし、普図普電カウンタの値が「4」である場合にはステップS1110の普電閉鎖中処理にジャンプする。
【0319】
ステップS1106の普図変動開始処理では、普図保留エリア65cに普図側の保留情報が保留記憶されていることを条件に、普図保留エリア65cに保留記憶されている普図側の保留情報をシフトする処理を実行する。具体的には、普図保留エリア65cの第1エリア88aに格納されている普図側の保留情報を普図用の実行エリア89にシフトし、その後に第2エリア88b→第1エリア88a、第3エリア88c→第2エリア88b、及び第4エリア88d→第3エリア88cとなるように普図側の保留情報をシフトする。そして、普図用の実行エリア89に新たににシフトされた普図側の保留情報を抽選値として普電開放抽選処理を実行する。本実施形態では既に説明したとおりサポートモードは1種類のみとなっている。したがって、普電開放抽選処理にて普電開放状態当選となる確率は、開閉実行モード中か否か、及び当否抽選モードが高確率モードであるか否かといった遊技状態に関係なく一定となっており、具体的には9/10の確率で普電開放状態当選となる。
【0320】
但し、これに限定されることはなく、普電開放状態当選となる確率がこれよりも高くてもよく低くてもよい。また、普電開放抽選処理が実行されるのではなく、1個の普図側の保留情報に対して普電開放状態が確実に1回発生する構成としてもよい。この場合、普電開放状態の発生頻度を高めることが可能となる。
【0321】
普図変動開始処理では普電開放抽選処理を実行した場合、普図表示部38aにおける絵柄の変動表示を開始させる処理を実行する。この場合に、普図表示部38aにて絵柄を変動表示させる変動表示期間の情報を主側RAM65に設けられた普図普電タイマカウンタにセットする。当該普図普電タイマカウンタにセットされた値はタイマ割込み処理(図12)のタイマ更新処理(ステップS210)が実行される度に1減算される。本実施形態では既に説明したとおりサポートモードは1種類のみとなっている。したがって、普図表示部38aにおける絵柄の変動表示の変動表示期間は、開閉実行モード中か否か、及び当否抽選モードが高確率モードであるか否かといった遊技状態に関係なく一定となっており、具体的には5秒に設定されている。そして、普図表示部38aにおける絵柄の変動表示を開始させた場合、普図普電カウンタの値を「0」から「1」に更新する。これにより、普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が普図変動中処理となる。
【0322】
但し、これに限定されることはなく、普図表示部38aにおける絵柄の変動表示の変動表示期間がこれよりも長くてもよく短くてもよい。また、普図表示部38aにおける絵柄の変動表示の変動表示期間が複数種類設定されており、実行対象となる変動表示期間が抽選により決定される構成としてもよい。また、普電開放抽選処理が実行されるのではなく、1個の普図側の保留情報に対して普電開放状態が確実に1回発生する構成においては、普図表示部38aにおける絵柄の変動表示が実行されることなく、普電開放状態ではない状況において普図側の保留情報が新たに取得された場合、又は普図側の保留情報が保留記憶されている状況において普電開放状態が終了した場合、その普図側の保留情報を実行契機とした新たな普電開放状態が開始される構成としてもよい。また、これとは逆に、1個の普図側の保留情報に対して普電開放状態が確実に1回発生する構成であっても普図表示部38aにおける絵柄の変動表示が実行され、その絵柄の変動表示の実行後に普電開放状態が開始される構成としてもよい。
【0323】
ステップS1107の普図変動中処理では、普図表示部38aにおける絵柄の表示を更新させるための処理を実行する。また、普図変動開始処理にて主側RAM65の普図普電タイマカウンタにセットした値が「0」となっている場合には、普図側の確定期間の情報を主側RAM65の普図普電タイマカウンタにセットするとともに、普図表示部38aにおける今回の絵柄の変動表示回の実行契機となった普電開放抽選処理の結果に対応する絵柄を普図表示部38aに表示させるための処理を実行する。そして、普図普電カウンタの値を「1」から「2」に更新する。これにより、普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が普図確定中処理となる。
【0324】
ステップS1108の普図確定中処理では、普図普電タイマカウンタの値が「0」となっている場合に、今回の絵柄の変動表示回の実行契機となった普電開放抽選処理の結果が普電開放状態当選であるか否かを判定する。普電開放状態当選ではない場合、普図普電カウンタの値を「0」クリアする。これにより、普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が普図変動開始処理となる。
【0325】
普電開放状態当選である場合、普電開放状態とするための処理を実行する。具体的には、主側RAM65に設けられた普電開放回数カウンタに「3」をセットする。普電開放回数カウンタは、普電開放状態において普電役物34aを開放状態とする残り回数を主側CPU63にて特定するためのカウンタである。また、普電役物34aを1回開放状態とする場合における開放継続期間(具体的には2秒)の数値情報を普図普電タイマカウンタにセットする。また、普電入賞カウンタに「10」をセットする。また、普電役物34aが開放状態となるように普電用の駆動部34bへの駆動信号の出力を開始する。普電入賞カウンタは、普電開放状態において第2作動口34に入賞可能な残りの遊技球を主側CPU63にて特定するためのカウンタであり、第2作動口34への入賞が発生する度に普電入賞カウンタの値は1減算される。そして、普電入賞カウンタの値が「0」となった場合にはその時点における普電役物34aの残りの開放回数及び残りの開放継続期間に関係なく、今回の普電開放状態を終了させる。その後、普図普電カウンタの値を「2」から「3」に更新する。これにより、普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が普電開放中処理となる。ここで、本実施形態では既に説明したとおりサポートモードは1種類のみとなっている。したがって、普電開放状態において普電役物34aが開放状態となる回数、普電役物34aを1回開放状態とする場合における開放継続期間、及び普電開放状態における第2作動口34への遊技球の入賞上限個数は、開閉実行モード中か否か、及び当否抽選モードが高確率モードであるか否かといった遊技状態に関係なく一定となっている。
【0326】
ステップS1109の普電開放中処理では、第2作動口34への入賞が発生している場合にその入賞個数に対応する値を主側RAM65の普電入賞カウンタの値から減算する。そして、普電入賞カウンタの値が「0」である場合には、普電開放回数カウンタの値を「0」クリアするとともに普図普電タイマカウンタの値を「0」クリアし、さらに普電用の駆動部34bへの駆動信号の出力を停止することで普電役物34aを閉鎖状態として、普図普電カウンタの値を「0」クリアする。これにより、普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が普図変動開始処理となる。また、普電入賞カウンタの値が「0」ではない場合であっても普図普電タイマカウンタの値が「0」である場合には、普電用の駆動部34bへの駆動信号の出力を停止することで普電役物34aを閉鎖状態とするとともに主側RAM65の普電開放回数カウンタの値を1減算する。そして、普電開放回数カウンタの値が「0」ではない場合には普電役物34aの閉鎖継続期間の数値情報を普図普電タイマカウンタにセットした後に普図普電カウンタの値を「3」から「4」に更新する。これにより、普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が普電閉鎖中処理となる。普電開放回数カウンタの値が「0」である場合には、普図普電タイマカウンタに値をセットすることなく普図普電カウンタの値を「0」クリアする。これにより、普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が普図変動開始処理となる。
【0327】
ステップS1110の普電閉鎖中処理では、普図普電タイマカウンタの値が「0」となっていることを条件として、普電用の駆動部34bへの駆動信号の出力を開始することで普電役物34aを開放状態とするとともに普電役物34aを1回開放状態とする場合における開放継続期間(具体的には2秒)の数値情報を普図普電タイマカウンタにセットする。そして、普図普電カウンタの値を「4」から「3」に更新する。これにより、普図普電制御処理の次回の処理回における実行対象の処理が普電開放中処理となる。
【0328】
以上のように普電普電制御処理が実行されることにより、スルーゲート35への入賞が発生することを契機として普図表示部38aにおいて絵柄の変動表示が行われる。そして、普電開放抽選処理において普電開放状態当選となった場合には第2作動口34の普電役物34aが開放状態となる普電開放状態となる。普電開放状態となり第2作動口34が開放状態となることで当該第2作動口34への遊技球の入賞が可能となり、第2作動口34に遊技球が入賞することで第2保留情報が第2特図保留エリア86に格納される。
【0329】
<特図特電制御処理>
次に、特電入賞装置32を開放状態と閉鎖状態との間で切り換えるための処理構成について説明する。図38は主側CPU63にて実行される特図特電制御処理を示すフローチャートである。なお、特図特電制御処理はタイマ割込み処理(図12)のステップS213にて実行される。
【0330】
まず保留情報の取得処理を実行する(ステップS1201)。保留情報の取得処理では、図39のフローチャートに示すように、第1作動口33への入賞が発生しており(ステップS1301:YES)、さらに第1特図保留エリア85に記憶されている第1保留情報の数が上限記憶数未満である場合(ステップS1302:YES)、第1保留情報を取得するための処理を実行する。なお、第1作動口33への入賞が発生しているか否かの判定は、主側RAM65の第1作動入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定することにより行われる。第1作動入賞フラグには既に説明したとおり入球検知処理(図14)のステップS315にて「1」がセットされる。また、ステップS1301にて肯定判定をした場合、第1作動入賞フラグを「0」クリアする。
【0331】
第1保留情報を取得するための処理では、まず第1特図保留エリア85に記憶されている未処理の第1保留情報の数を主側CPU63にて把握するために主側RAM65に設けられた第1特図保留カウンタの値を1加算する(ステップS1303)。ちなみに、当該第1特図保留カウンタの値に応じて、特図ユニット37における第1特図保留表示部37cの表示内容が調整される。これにより、第1特図保留表示部37cの表示内容が第1特図保留エリア85に格納されている第1保留情報の数に対応することとなる。その後、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1特図保留エリア85のうち最初の記憶エリア、すなわちステップS1303にて1加算した保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する(ステップS1304)。その後、第1保留コマンドを音声発光制御装置81に送信する(ステップS1305)。音声発光制御装置81は第1保留コマンドを受信した場合にはそれに対応したコマンドを表示制御装置82に送信する。図柄表示装置41では第1特図保留エリア85に格納されている第1保留情報の個数を報知するための画像表示が行われており、表示制御装置82は第1保留コマンドに対応するコマンドを受信することにより、当該画像表示の内容を第1保留情報の個数が1個増加したことに対応した内容に更新する。なお、第1保留情報を契機とした遊技回が開始される場合に当該画像表示の内容は第1保留情報の個数が1個減少したことに対応した内容に更新される。
【0332】
ステップS1301にて否定判定をした場合、ステップS1302にて否定判定をした場合、又はステップS1305の処理を実行した場合には、第2作動口34への入賞が発生しており(ステップS1306:YES)、さらに第2特図保留エリア86に記憶されている第2保留情報の数が上限記憶数未満であることを条件として(ステップS1307:YES)、第2保留情報を取得するための処理を実行する。なお、第2作動口34への入賞が発生しているか否かの判定は主側RAM65の第2作動入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定することにより行われる。第2作動入賞フラグには既に説明したとおり入球検知処理(図14)のステップS319にて「1」がセットされる。また、ステップS1306にて肯定判定をした場合、第2作動入賞フラグを「0」クリアする。
【0333】
第2保留情報を取得するための処理では、まず第2特図保留エリア86に記憶されている未処理の第2保留情報の数を主側CPU63にて把握するために主側RAM65に設けられた第2特図保留カウンタの値を1加算する(ステップS1308)。ちなみに、当該第2特図保留カウンタの値に応じて、特図ユニット37における第2特図保留表示部37dの表示内容が調整される。これにより、第2特図保留表示部37dの表示内容が第2特図保留エリア86に格納されている第2保留情報の数に対応することとなる。その後、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2特図保留エリア86のうち最初の記憶エリア、すなわちステップS1308にて1加算した保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する(ステップS1309)。その後、第2保留コマンドを音声発光制御装置81に送信する(ステップS1310)。音声発光制御装置81は第2保留コマンドを受信した場合にはそれに対応したコマンドを表示制御装置82に送信する。図柄表示装置41では第2特図保留エリア86に格納されている第2保留情報の個数を報知するための画像表示が行われており、表示制御装置82は第2保留コマンドに対応するコマンドを受信することにより、当該画像表示の内容を第2保留情報の個数が1個増加したことに対応した内容に更新する。なお、第2保留情報を契機とした遊技回が開始される場合に当該画像表示の内容は第2保留情報の個数が1個減少したことに対応した内容に更新される。
【0334】
保留情報の取得処理(ステップS1201)を実行した後は、主側RAM65に設けられた特図特電カウンタの数値情報を読み出すとともに(ステップS1202)、主側ROM64に設けられた特図特電アドレステーブルを読み出す(ステップS1203)。そして、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの数値情報に対応した開始アドレスを取得し(ステップS1204)、その取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする(ステップS1205)。
【0335】
特図特電カウンタは、特図特電制御処理におけるステップS1206~ステップS1212の各処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側CPU63にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、ステップS1206~ステップS1212の各処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。特図特電カウンタの値が「0」である場合にはステップS1206の特図変動開始処理にジャンプし、特図特電カウンタの値が「1」である場合にはステップS1207の特図変動中処理にジャンプし、特図特電カウンタの値が「2」である場合にはステップS1208の特図確定中処理にジャンプし、特図特電カウンタの値が「3」である場合にはステップS1209の特電開始処理にジャンプし、特図特電カウンタの値が「4」である場合にはステップS1210の特電開放中処理にジャンプし、特図特電カウンタの値が「5」である場合にはステップS1211の特電閉鎖中処理にジャンプし、特図特電カウンタの値が「6」である場合にはステップS1212の特電終了処理にジャンプする。以下、ステップS1206~ステップS1212の各処理について個別に説明する。
【0336】
<特図変動開始処理>
まずステップS1206の特図変動開始処理について、図39のフローチャートを参照しながら説明する。なお、特図変動開始処理は既に遊技回が実行されている状況及び開閉実行モードが実行されている状況においては実行されない。
【0337】
特図変動開始処理では、第2特図保留エリア86に第2保留情報が格納されておらず第1特図保留エリア85に第1保留情報が格納されている場合(ステップS1401:YES、ステップS1402:NO)、第1データ設定処理を実行する(ステップS1403)。第1データ設定処理では、第1特図保留エリア85の第1エリア85aに格納されたデータを特図用の実行エリア87に移動させる。その後、第1特図保留エリア85の記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1~第4エリア85a~85dに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリア85aのデータをクリアするとともに、第2エリア85b→第1エリア85a、第3エリア85c→第2エリア85b、第4エリア85d→第3エリア85cといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。その後、主側RAM65の第1特図保留カウンタの値を1減算する。これにより、特図ユニット37における第1特図保留表示部37cの表示内容が、第1保留情報が1個減少した内容に変更される。また、当該データ設定処理では、第1特図保留エリア85における第1保留情報が1個減少したことを示す第1減少時コマンドを音声発光制御装置81に送信する。音声発光制御装置81は第1減少時コマンドを受信した場合にはそれに対応したコマンドを表示制御装置82に送信する。図柄表示装置41では既に説明したとおり第1特図保留エリア85に格納されている第1保留情報の個数を報知するための画像表示が行われており、表示制御装置82は第1減少時コマンドに対応するコマンドを受信することにより、当該画像表示の内容を第1保留情報の個数が1個減少したことに対応した内容に更新する。
【0338】
一方、第2特図保留エリア86に第2保留情報が格納されている場合には(ステップS1401及びステップS1402:YES)、当該第2保留情報よりも先に取得された第1保留情報が第1特図保留エリア85に記憶されていたとしても、第2データ設定処理を実行する(ステップS1404)。第2データ設定処理では、第2特図保留エリア86の第1エリア86aに格納されたデータを特図用の実行エリア87に移動させる。その後、第2特図保留エリア86の記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1~第4エリア86a~86dに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリア86aのデータをクリアするとともに、第2エリア86b→第1エリア86a、第3エリア86c→第2エリア86b、第4エリア86d→第3エリア86cといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。その後、主側RAM65の第2特図保留カウンタの値を1減算する。これにより、特図ユニット37における第2特図保留表示部37dの表示内容が、第2保留情報が1個減少した内容に変更される。また、当該データ設定処理では、第2特図保留エリア86における第2保留情報が1個減少したことを示す第2減少時コマンドを音声発光制御装置81に送信する。音声発光制御装置81は第2減少時コマンドを受信した場合にはそれに対応したコマンドを表示制御装置82に送信する。図柄表示装置41では既に説明したとおり第2特図保留エリア86に格納されている第2保留情報の個数を報知するための画像表示が行われており、表示制御装置82は第2減少時コマンドに対応するコマンドを受信することにより、当該画像表示の内容を第2保留情報の個数が1個減少したことに対応した内容に更新する。
【0339】
ここで、上記のように第2保留情報が記憶されている場合には当該第2保留情報よりも先に取得された第1保留情報が記憶されていたとしても第2保留情報が特図用の実行エリア87へのシフト対象となる。これにより、第1保留情報よりも第2保留情報の方が、遊技回の開始対象として優先して消化されることとなる。
【0340】
ステップS1403又はステップS1404の処理を実行した場合、当否判定処理を実行する(ステップS1405)。当否判定処理では、当否抽選モードが低確率モードであって遊技回の開始対象が第1保留情報であれば第1特図用の低確当否テーブル(図9(a)参照)を主側ROM64から読み出し、当否抽選モードが高確率モードであって遊技回の開始対象が第1保留情報であれば第1特図用の高確当否テーブル(図9(b)参照)を主側ROM64から読み出し、当否抽選モードが低確率モードであって遊技回の開始対象が第2保留情報であれば第2特図用の低確当否テーブル(図9(c)参照)を主側ROM64から読み出し、当否抽選モードが高確率モードであって遊技回の開始対象が第2保留情報であれば第2特図用の高確当否テーブル(図9(d)参照)を主側ROM64から読み出す。当否テーブルを読み出した後は、特図用の実行エリア87に格納された保留情報から、当否判定用の情報すなわち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報を読み出し、その読み出した数値情報が上記当否テーブルにおいて大当たり結果として設定されている数値情報のいずれかと一致しているか否かを判定する。また、今回の遊技回の開始対象が第2保留情報である場合、大当たり結果として設定されている数値情報と一致していない場合には、上記当否テーブルにおいて第1小当たり結果、第2小当たり結果及び第3小当たり結果のそれぞれに対して設定されている数値情報のいずれかと上記当否判定用の情報が一致しているか否かを判定する。
【0341】
当否判定処理の結果が大当たり結果である場合(ステップS1406:YES)、振分判定処理を実行する(ステップS1407)。振分判定処理では、遊技回の開始対象が第1保留情報であれば第1特図用の振分テーブル(図10(a)参照)を主側ROM64から読み出し、遊技回の開始対象が第2保留情報であれば第2特図用の振分テーブル(図10(b)参照)を主側ROM64から読み出す。振分テーブルを読み出した後は、特図用の実行エリア87に格納された保留情報から、振分判定用の情報すなわち大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を読み出し、上記振分テーブルを参照することにより、その読み出した数値情報がいずれの種類の大当たり結果に対応しているのかを特定する。
【0342】
振分判定処理を実行した後は、当該振分判定処理にて特定した大当たり結果の種類に対応する主側RAM65のフラグに「1」をセットする(ステップS1408)。その後、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS1409)。具体的には、今回の遊技回の開始対象である特図表示部37a,37bに最終的に停止表示させる絵柄の停止態様の情報を、主側ROM64に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM65に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bに停止表示される絵柄の停止態様の種類が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されており、ステップS1409では、ステップS1408にて特定した大当たり結果の種類に応じた絵柄の停止態様の情報を主側RAM65に記憶する。なお、各大当たり結果に1対1で対応させて絵柄の停止態様が設定されていてもよく、少なくとも一部の大当たり結果に対して複数種類の絵柄の停止態様が設定されていてもよい。複数種類の絵柄の停止態様が設定されている大当たり結果について停止結果を選択する方法は任意であるが、例えば大当たり種別カウンタC2の値に応じて停止結果が選択される構成としてもよい。
【0343】
当否判定処理の結果が大当たり結果ではなくいずれかの小当たり結果である場合(ステップS1406:NO、ステップS1410:YES)、上記当否判定処理にて特定した小当たり結果の種類に対応する主側RAM65のフラグに「1」をセットする(ステップS1411)。その後、今回の遊技回の開始対象である第2特図表示部37bに最終的に停止表示させる絵柄の停止態様の情報を、主側ROM64に予め記憶されている小当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM65に記憶する。この小当たり結果用の停止結果テーブルには、第2特図表示部37bに停止表示される絵柄の停止態様の種類が、小当たり結果の種類毎に相違させて設定されており、ステップS1412では、ステップS1411にて特定した小当たり結果の種類に応じた絵柄の停止態様の情報を主側RAM65に記憶する。なお、各小当たり結果に1対1で対応させて絵柄の停止態様が設定されていてもよく、少なくとも一部の小当たり結果に対して複数種類の絵柄の停止態様が設定されていてもよい。複数種類の絵柄の停止態様が設定されている小当たり結果について停止結果を選択する方法は任意であるが、例えば当たり乱数カウンタC1の値に応じて停止結果が選択される構成としてもよい。また、ステップS1412にて選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
【0344】
当否判定処理の結果が大当たり結果及び小当たり結果のいずれでもない場合(ステップS1410:NO)、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する(ステップS1413)。具体的には、今回の遊技回において第1特図表示部37a又は第2特図表示部37bに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM64に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM65に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報及び小当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっており、さらに第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bにおいて共通の1種類となっている。
【0345】
ステップS1409、ステップS1412又はステップS1413の処理を実行した場合、変動表示期間の特定処理を実行する(ステップS1414)。当該特定処理では、変動種別カウンタCSの数値情報を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ演出が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の遊技回においていずれかの大当たり結果が発生する場合にはリーチ演出が発生すると判定する。また、今回の遊技回においていずれかの小当たり結果が発生する場合にはリーチ演出が発生しないと判定する。また、今回の遊技回において大当たり結果及び小当たり結果の両方が発生しない場合には、特図用の実行エリア87に格納されている保留情報におけるリーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合にリーチ演出が発生すると判定し、リーチ発生に対応した数値情報ではない場合にはリーチ演出が発生しないと判定する。
【0346】
リーチ演出が発生すると判定した場合には、主側ROM64に記憶されているリーチ発生用テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した変動表示期間の情報を取得し、その取得した変動表示期間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする。また、リーチ演出が発生しないと判定した場合には、主側ROM64に記憶されているリーチ非発生用テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した変動表示期間の情報を取得する。この場合、リーチ演出が発生する場合の変動表示期間の方が、リーチ演出が発生しない場合の変動表示期間よりも長い期間となるように各変動表示期間が設定されている。そして、その取得した変動表示期間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする。特図特電タイマカウンタにセットされた値はタイマ割込み処理(図12)のタイマ更新処理(ステップS210)が実行される度に1減算される。
【0347】
リーチ非発生時における変動表示期間は、第1特図保留エリア85又は第2特図保留エリア86に格納されている保留情報の数が多いほどその平均期間が短くなるように設定されている。また、当否抽選モードが高確率モードである状況においては当否抽選モードが低確率モードである状況よりも、第1特図保留エリア85又は第2特図保留エリア86に格納されている保留情報の数が同一である場合で比較して短い変動表示期間が選択され易くなるようにリーチ非発生時における変動表示期間が設定されている。
【0348】
また、小当たり結果である場合に選択される変動表示期間が大当たり結果である場合に選択される変動表示期間よりも短い構成としてもよく、小当たり結果である場合に選択される変動表示期間の平均値が大当たり結果である場合に選択される変動表示期間の平均値よりも短い構成としてもよい。この場合、第2保留情報が遊技回の開始対象となり小当たり結果が発生する場合における遊技回の消化スピードを速くすることが可能となる。
【0349】
ここで、当否抽選モードが低確率モードである状況において第2保留情報が遊技回の開始対象となった場合に選択される最大の変動表示期間は、当否抽選モードが低確率モードである状況において第1保留情報が遊技回の開始対象となった場合に選択される最大の変動表示期間以下の期間に設定されている。また、当否抽選モードが低確率モードである状況において第2保留情報が遊技回の開始対象となった場合であって大当たり結果とならない場合に選択される変動表示期間の平均期間は、当否抽選モードが低確率モードである状況において第1保留情報が遊技回の開始対象となった場合であって大当たり結果とならない場合に選択される変動表示期間の平均期間以下の期間に設定されている。これにより、低確率モードである状況において第2保留情報が遊技回の開始対象となった場合であっても遊技回の消化率が悪化しないようにすることが可能となる。但し、これに限定されることはなく、当否抽選モードが低確率モードである状況において第2保留情報が遊技回の開始対象となった場合であって大当たり結果とならない場合に選択される変動表示期間の平均期間は、当否抽選モードが低確率モードである状況において第1保留情報が遊技回の開始対象となった場合であって大当たり結果とならない場合に選択される変動表示期間の平均期間と同一又は略同一となるように設定されている構成としてもよい。この場合に略同一とは実際には平均期間は異なるもののその差を遊技者が認識できない程度が該当する。
【0350】
また、当否抽選モードが高確率モードである状況において第2保留情報が遊技回の開始対象となった場合であって大当たり結果とならない場合に選択される変動表示期間の平均期間は、当否抽選モードが高確率モードである状況において第1保留情報が遊技回の開始対象となった場合であって大当たり結果とならない場合に選択される変動表示期間の平均期間よりも短い期間に設定されている。これにより、高確率モードである状況において第2保留情報が遊技回の開始対象となった場合の遊技回の消化率を高確率モードである状況において第1保留情報が遊技回の開始対象となった場合の遊技回の消化率よりも高めることが可能となる。
【0351】
変動表示期間の特定処理を実行した後は、今回の開始対象となっている遊技回に対応する変動用コマンド及び種別コマンドを音声発光制御装置81に送信する(ステップS1415)。変動用コマンドには、ステップS1414にて特定された変動表示期間の情報が含まれるとともに開始対象となっている遊技回が第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうちいずれに対応しているのかを示す情報が含まれる。さらに、変動用コマンドには、リーチ演出を実行するか否かの情報が含まれる。種別コマンドには、今回の開始対象となっている遊技回が大当たり結果に対応しているか否かの情報が含まれるとともに、大当たり結果に対応している場合にはいずれの種類の大当たり結果であるかを示す情報が含まれる。また、種別コマンドには、今回の開始対象となっている遊技回が小当たり結果に対応しているか否かの情報が含まれるとともに、小当たり結果に対応している場合にはいずれの種類の小当たり結果であるかを示す情報が含まれる。
【0352】
その後、第1特図表示部37a及び第2特図表示部37bのうち今回の遊技回の開始対象となっている表示部において、絵柄の変動表示を開始させる(ステップS1416)。そして、特図特電カウンタの値を1加算する(ステップS1417)。特図変動開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「0」であるため、1加算されることで特図特電カウンタの値は特図変動中処理(ステップS1207)に対応する「1」となる。
【0353】
なお、音声発光制御装置81は変動用コマンド及び種別コマンドを受信した場合、それらコマンドに対応した遊技回用演出の実行内容を決定するための処理を実行する。そして、その処理結果に対応するテーブルに従って表示発光部53の発光制御及びスピーカ部54の音出力制御を実行する。これにより、今回の遊技回の変動表示期間に亘って表示発光部53における発光演出、及びスピーカ部54における音出力演出が実行される。また、音声発光制御装置81は今回決定した遊技回用演出の実行内容に対応するコマンドを表示制御装置82に送信する。表示制御装置82は当該コマンドを受信することにより、そのコマンドに対応するテーブルに従って図柄表示装置41の表示制御を実行する。これにより、今回の遊技回の変動表示期間に亘って図柄表示装置41における表示演出が実行される。
【0354】
この場合、今回の遊技回が16R高確結果である場合にはいずれかの有効ライン上に「7」図柄の組合せが停止表示される。また、今回の遊技回が2R高確結果、4R高確結果、6R高確結果及び10R高確結果のいずれかである場合にはいずれかの有効ライン上に「7」図柄以外の同一の奇数図柄の組合せが停止表示される。また、今回の遊技回が2R低確結果、4R低確結果、6R低確結果、10R低確結果及び16R低確結果のいずれかである場合にはいずれかの有効ライン上に同一の偶数図柄の組合せが停止表示される。また、今回の遊技回が第1小当たり結果、第2小当たり結果及び第3小当たり結果のいずれかである場合にはいずれかの有効ライン上に同一図柄の組合せではなく且つリーチ図柄の組合せでもない所定の図柄の組合せ(例えば「3・4・1」)が停止表示される。このように第1小当たり結果、第2小当たり結果及び第3小当たり結果のいずれであっても図柄表示装置41における遊技回用の演出において共通となる所定の図柄の組合せが停止表示されるようにすることにより、小当たり結果の発生を明示しつつ、第1小当たり結果、第2小当たり結果及び第3小当たり結果のうちいずれに対応しているのかを分かりづらくさせることが可能となる。よって、小当たり結果となった場合に発生する開閉実行モードへの注目度を高めることが可能となる。また、このように図柄表示装置41では第1小当たり結果、第2小当たり結果及び第3小当たり結果のいずれであっても共通となる所定の図柄の組合せが停止表示される構成において、第2特図表示部37bでは小当たり結果の種類に対応した絵柄が停止表示される。したがって、遊技ホールの管理者は第2特図表示部37bを目視確認するだけでいずれの種類の小当たり結果が発生したのかを特定することが可能となる。なお、これに限定されることはなく、図柄表示装置41においても小当たり結果の種類に対応する停止結果が表示される構成としてもよい。
【0355】
<特図変動中処理>
次に、特図特電制御処理(図38)のステップS1207にて実行される特図変動中処理について説明する。
【0356】
特図特電タイマカウンタの値が1以上であり今回の遊技回の変動表示期間が経過していない場合であって、今回の遊技回の実行対象となっている特図表示部37a,37bの表示内容の更新タイミングである場合、当該特図表示部37a,37bの表示内容を更新するためのデータ設定を行う。これにより、制御対象の特図表示部37a,37bにおける絵柄の表示内容が次の順番の表示内容に更新される。
【0357】
特図表示部37a,37bにおける絵柄の変動表示の開始時の態様、及び絵柄の変動表示の更新態様は、当否判定結果及び振分判定結果に関係なく一定の態様で行われるとともに、図柄表示装置41における遊技回用の演出の内容に関係なく一定の態様で行われる。例えば、所定の複数回の更新タイミングが発生することで絵柄の表示内容が1周するとともに表示順序が一定の順序である表示パターンが繰り返し行われ、変動表示期間が経過した場合には当該表示パターンのいずれの順序の表示が行われている状況であっても、その遊技回の開始時に決定された停止結果が表示される。これにより、特図表示部37a,37bを表示制御するための処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
【0358】
一方、特図特電タイマカウンタの値が「0」である場合、すなわち変動表示期間が経過している場合、最終停止コマンドを音声発光制御装置81に送信する。その後、遊技回の開始時に主側RAM65に記憶された特図表示部37a,37bの絵柄の停止態様の情報を読み出す。これにより、制御対象の特図表示部37a,37bにおいて今回の遊技回の遊技結果に対応する絵柄が表示された状態で絵柄の変動表示が停止される。その後、特図特電タイマカウンタに、最終停止期間(具体的には0.5sec)の情報をセットする。これにより、最終停止期間の計測が開始される。その後、特図特電カウンタの値を1加算する。特図変動中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「1」であるため、1加算されることで特図特電カウンタの値は特図確定中処理(ステップS1208)に対応する「2」となる。
【0359】
なお、音声発光制御装置81は最終停止コマンドを受信した場合、それに対応したコマンドを表示制御装置82に送信する。表示制御装置82は当該コマンドを受信した場合、今回の遊技回の停止結果に対応する図柄の組合せを最終停止期間に亘って図柄表示装置41にて確定表示させる。
【0360】
<特図確定中処理>
次に、特図特電制御処理(図38)のステップS1208にて実行される特図確定中処理について、図41のフローチャートを参照しながら説明する。
【0361】
特図特電タイマカウンタの値が「0」であり最終停止期間が経過している場合であって(ステップS1501:YES)、今回の遊技回の遊技結果が大当たり結果又は小当たり結果である場合(ステップS1502:YES)、特図特電カウンタの値を1加算する(ステップS1503)。特図確定中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「2」であるため、1加算されることで特図特電カウンタの値は特電開始処理(ステップS1209)に対応する「3」となる。一方、今回の遊技回の遊技結果が大当たり結果及び小当たり結果のいずれでもない場合(ステップS1502:NO)、特図特電カウンタの値を「0」クリアする(ステップS1504)。これにより、特図特電カウンタの値は特図変動開始処理(ステップS1206)に対応する「0」となる。
【0362】
<特電開始処理>
次に、特図特電制御処理(図38)のステップS1209にて実行される特電開始処理について、図42のフローチャートを参照しながら説明する。
【0363】
開閉実行モードのオープニング期間の開始前である場合(ステップS1601:YES)、今回の遊技結果が大当たり結果である場合には大当たり結果に対応したオープニング期間に対応する情報(具体的には5秒)を特図特電タイマカウンタにセットし、今回の遊技結果が小当たり結果である場合には小当たり結果に対応したオープニング期間に対応する情報(具体的には2秒)を特図特電タイマカウンタにセットする(ステップS1602)。その後、オープニングコマンドを音声発光制御装置81に送信する(ステップS1603)。これにより、オープニング期間に対応する演出が、図柄表示装置41、表示発光部53及びスピーカ部54において行われる。
【0364】
開閉実行モードのオープニング期間の開始後である場合(ステップS1601:NO)、特図特電タイマカウンタの値が「0」であること、すなわちオープニング期間が経過していることを条件として(ステップS1604:YES)、開閉回数の設定処理を実行する(ステップS1605)。この場合、今回の遊技結果が2R低確結果又は2R高確結果であれば主側RAM65に設けられた開閉回数カウンタに「2」をセットし、今回の遊技結果が4R低確結果又は4R高確結果であれば主側RAM65の開閉回数カウンタに「4」をセットし、今回の遊技結果が6R低確結果又は6R高確結果であれば主側RAM65の開閉回数カウンタに「6」をセットし、今回の遊技結果が10R低確結果又は10R高確結果であれば主側RAM65の開閉回数カウンタに「10」をセットし、今回の遊技結果が16R低確結果又は16R高確結果であれば主側RAM65の開閉回数カウンタに「16」をセットする。また、今回の遊技結果が第1小当たり結果であれば主側RAM65の開閉回数カウンタに「1」をセットし、今回の遊技結果が第2小当たり結果であれば主側RAM65の開閉回数カウンタに「5」をセットし、今回の遊技結果が第3小当たり結果であれば主側RAM65の開閉回数カウンタに「10」をセットする。開閉回数カウンタは、開閉実行モードにおいて特電入賞装置32を開閉させる残りの回数を主側CPU63にて特定するためのカウンタである。
【0365】
その後、開放継続期間の設定処理を実行する(ステップS1606)。当該設定処理では、今回の遊技結果がいずれかの大当たり結果である場合にはラウンド遊技の開放継続期間の情報(具体的には29秒)を特図特電タイマカウンタにセットする。また、当該設定処理では、今回の遊技結果が第1小当たり結果である場合には第1小当たり結果用の開放継続期間の情報(具体的には10秒)を特図特電タイマカウンタにセットし、今回の遊技結果が第2小当たり結果である場合には第2小当たり結果用の開放継続期間の情報(具体的には2秒)を特図特電タイマカウンタにセットし、今回の遊技結果が第3小当たり結果である場合には第3小当たり結果用の開放継続期間の情報(具体的には1秒)を特図特電タイマカウンタにセットする。
【0366】
その後、入賞上限個数の設定処理を実行する(ステップS1607)。当該設定処理では、今回の遊技結果がいずれの大当たり結果である場合及びいずれの小当たり結果である場合であっても、主側RAM65に設けられた入賞カウンタに「10」をセットする。入賞カウンタは、入賞上限個数の残り個数を主側CPU63にて特定するためのカウンタである。
【0367】
その後、特電用の開放設定処理を実行する(ステップS1608)。当該開放設定処理では、特電入賞装置32が開放状態になるようにするためのデータ設定を行う。これにより、特電入賞装置32が開放状態となる。その後、特図特電カウンタの値を1加算する(ステップS1609)。特電開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「3」であるため、1加算されることで特図特電カウンタの値は特電開放中処理(ステップS1210)に対応する「4」となる。
【0368】
<特電開放中処理>
次に、特図特電制御処理(図38)のステップS1210にて実行される特電開放中処理について、図43のフローチャートを参照しながら説明する。
【0369】
特図特電タイマカウンタの値が「0」である場合、すなわち開放継続期間が経過している場合(ステップS1701:YES)、主側RAM65の開閉回数カウンタの値を1減算する(ステップS1702)。その後、インターバル期間の情報(具体的には3秒)を特図特電タイマカウンタにセットする(ステップS1703)。また、特電用の閉鎖設定処理を実行する(ステップS1704)。当該閉鎖設定処理では、特電入賞装置32が閉鎖状態になるようにするためのデータ設定を行う。これにより、特電入賞装置32が閉鎖状態となる。そして、特図特電カウンタの値を1加算する(ステップS1705)。特電開放中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「4」であるため、1加算されることで特図特電カウンタの値は特電閉鎖中処理(ステップS1211)に対応する「5」となる。
【0370】
特図特電タイマカウンタの値が「0」ではない場合、すなわち開放継続期間が経過していない場合(ステップS1701:NO)、特電入賞装置32への入賞が発生しているか否かを判定する(ステップS1706)。なお、特電入賞装置32への入賞が発生しているか否かの判定は、主側RAM65の特電入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定することにより行われる。特電入賞フラグには既に説明したとおり入球検知処理(図14)のステップS311にて「1」がセットされる。また、ステップS1706にて肯定判定をした場合、特電入賞フラグを「0」クリアする。
【0371】
特電入賞装置32への入賞が発生している場合(ステップS1706:YES)、主側RAM65の入賞カウンタの値を1減算する(ステップS1707)。そして、その1減算後における入賞カウンタの値が「0」である場合(ステップS1708:YES)、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果がいずれかの大当たり結果である場合には(ステップS1709:NO)、既に説明したステップS1702~ステップS1705の処理を実行する。一方、入賞カウンタの値が「0」である場合であって(ステップS1708:YES)、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果がいずれかの小当たり結果である場合には(ステップS1709:YES)、主側RAM65の開閉回数カウンタの値を「0」クリアした後に(ステップS1710)、既に説明したステップS1704~ステップS1705の処理を実行する。
【0372】
<特電閉鎖中処理>
次に、特図特電制御処理(図38)のステップS1211にて実行される特電閉鎖中処理について、図44のフローチャートを参照しながら説明する。
【0373】
今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果がいずれかの小当たり結果である場合であって特電入賞装置32への入賞が発生している場合(ステップS1801:YES)、主側RAM65の入賞カウンタの値を1減算する(ステップS1802)。ステップS1801にて肯定判定をする場合とは、特電入賞装置32が開放状態から閉鎖状態となる直前に当該特電入賞装置32に入球した遊技球が特電検知センサ45aにて検知された場合である。1減算後における入賞カウンタの値が「0」である場合(ステップS1803:YES)、主側RAM65の開閉回数カウンタの値を「0」クリアする(ステップS1804)。
【0374】
特電閉鎖中処理では主側RAM65の開閉回数カウンタの値が「0」ではない場合(ステップS1805:NO)、特図特電タイマカウンタの値が「0」であるか否かを判定することで、インターバル期間が経過したか否かを判定する(ステップS1806)。インターバル期間が経過している場合(ステップS1806:YES)、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果がいずれかの大当たり結果であることを条件として(ステップS1807:YES)、入賞上限個数の設定処理を実行する(ステップS1808)。当該設定処理では、主側RAM65の入賞カウンタに「10」をセットする。
【0375】
ステップS1807にて否定判定をした場合、又はステップS1808の処理を実行した場合、開放継続期間の設定処理を実行する(ステップS1809)。当該設定処理では、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果がいずれかの大当たり結果である場合にはラウンド遊技の開放継続期間の情報(具体的には29秒)を特図特電タイマカウンタにセットする。また、当該設定処理では、今回の遊技結果が第2小当たり結果である場合には第2小当たり結果用の開放継続期間の情報(具体的には2秒)を特図特電タイマカウンタにセットし、今回の遊技結果が第3小当たり結果である場合には第3小当たり結果用の開放継続期間の情報(具体的には1秒)を特図特電タイマカウンタにセットする。
【0376】
その後、特電用の開放設定処理を実行する(ステップS1810)。当該開放設定処理では、特電入賞装置32が開放状態になるようにするためのデータ設定を行う。これにより、特電入賞装置32が開放状態となる。その後、特図特電カウンタの値を1減算する(ステップS1811)。特電閉鎖中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「5」であるため、1減算されることで特図特電カウンタの値は特電開放中処理(ステップS1210)に対応する「4」となる。
【0377】
一方、主側RAM65の開閉回数カウンタの値が「0」である場合(ステップS1805:YES)、エンディング期間のセット処理を実行する(ステップS1812)。この場合、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果が大当たり結果である場合には大当たり結果に対応したエンディング期間に対応する情報(具体的には5秒)を特図特電タイマカウンタにセットし、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果が小当たり結果である場合には小当たり結果に対応したエンディング期間に対応する情報(具体的には2秒)を特図特電タイマカウンタにセットする。その後、エンディングコマンドを音声発光制御装置81に送信する(ステップS1813)。これにより、エンディング期間に対応する演出が、図柄表示装置41、表示発光部53及びスピーカ部54において行われる。そして、特図特電カウンタの値を1加算する(ステップS1814)。特電閉鎖中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「5」であるため、1加算されることで特図特電カウンタの値は特電終了処理(ステップS1212)に対応する「6」となる。
【0378】
<特電終了処理>
次に、特図特電制御処理(図38)のステップS1212にて実行される特電終了処理について、図45のフローチャートを参照しながら説明する。
【0379】
特図特電タイマカウンタの値が「0」である場合、すなわちエンディング期間が経過している場合(ステップS1901:YES)、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果がいずれかの高確結果である場合には(ステップS1902及びステップS1903:YES)、主側RAM65に設けられた高確率フラグに「1」をセットする(ステップS1904)。高確率フラグは、当否抽選モードが高確率モード及び低確率モードのうちいずれであるのかを主側CPU63にて特定するためのフラグであり、高確率フラグの値が「1」である場合は高確率モードであり、高確率フラグの値が「0」である場合は低確率モードである。したがって、ステップS1904の処理が実行されることにより、今回の開閉実行モードの終了後における当否抽選モードは高確率モードとなる。また、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果がいずれかの低確結果である場合には(ステップS1902:YES、ステップS1903:NO)、主側RAM65の高確率フラグを「0」クリアする(ステップS1905)。これにより、今回の開閉実行モードの終了後における当否抽選モードが低確率モードとなる。
【0380】
一方、今回の開閉実行モードの契機となった遊技結果がいずれかの小当たり結果である場合には(ステップS1902:NO)、ステップS1904及びステップS1905のいずれの処理も実行しない。これにより、遊技結果がいずれかの小当たり結果となり開閉実行モードが発生したとしても、開閉実行モードの前後において当否抽選モードは変化しない。
【0381】
ステップS1902にて否定判定をした場合、ステップS1904の処理を実行した場合、又はステップS1905の処理を実行した場合、クリア処理を実行する(ステップS1906)。当該クリア処理では、今回の遊技回及び今回の開閉実行モードにおいて利用した各種フラグ及び各種カウンタを「0」クリアする。但し、主側RAM65の高確率フラグは、この「0」クリアの対象から除外される。その後、特図特電カウンタの値を「0」クリアする(ステップS1907)。これにより、特図特電カウンタの値は特図変動開始処理(ステップS1206)に対応する「0」となる。
【0382】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0383】
一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかに遊技球が入球した場合に遊技球が払い出されるため、遊技者はこれら入球部のいずれかに遊技球が入球することを期待しながら遊技を行うこととなる。当該構成において、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34(以下、履歴対象入球部ともいう)のいずれかへの遊技球の入球が発生した場合にはそれに対応する履歴情報が管理用IC66の履歴用メモリ117にて記憶されることとなる。これにより、各履歴対象入球部への遊技球の入球個数又は入球頻度を管理するための情報をパチンコ機10にて記憶保持することが可能となり、この管理されている情報を利用することで各履歴対象入球部への遊技球の入球態様の管理を適切に行うことが可能となる。また、履歴情報がパチンコ機10自身にて記憶保持されることにより、履歴情報への不正なアクセスや不正な改変を阻止することが可能となる。
【0384】
遊技領域PAから遊技球を排出させる全ての入球部が、履歴情報の記憶処理の実行対象となるとともに履歴情報を利用した管理の対象となる。これにより、任意の履歴対象入球部についての入球頻度を、履歴情報を利用して管理することが可能となる。また、遊技領域PAから排出される遊技球の個数に対する各履歴対象入球部への遊技球の入球個数の割合を、履歴情報を利用して管理することが可能となる。
【0385】
履歴情報には当該履歴情報を記憶させる契機となった履歴対象入球部に遊技球が入球したタイミングに対応する情報であるRTC情報が含まれている。これにより、履歴情報を利用することで、履歴対象入球部への遊技球の入球履歴を詳細に把握することが可能となる。
【0386】
履歴用メモリ117には、履歴対象入球部に遊技球が入球したことに対応する履歴情報だけではなく、開閉実行モード中であるか否かを示す履歴情報、高確率モード中であるか否かを示す履歴情報、及び前扉枠14が開放中であるか否かを示す履歴情報が記憶される。これにより、これら各状況であるか否かを区別して、履歴対象入球部への遊技球の入球態様を管理することが可能となる。
【0387】
履歴用メモリ117に格納された履歴情報を、パチンコ機10外部の装置である読み取り装置に出力することが可能である。これにより、読み取り装置にて履歴情報を読み取り、その読み取った履歴情報を利用して履歴対象入球部への遊技球の入球態様を分析することが可能となる。
【0388】
MPU62には読み取り用端子102が設けられており、当該読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置により主側ROM64からプログラムを読み出すことが可能である。これにより、プログラムが正常なものであるか否かを確認することが可能となる。当該構成において、プログラムを外部出力するための読み取り用端子102を利用して、履歴用メモリ117に記憶された履歴情報が外部出力される。これにより、構成が複雑化してしまうことを阻止しながら、履歴情報を外部出力することが可能となる。
【0389】
読み取り用端子102から出力すべき情報がプログラム及び履歴情報のうちいずれであるかを特定し、その特定結果に対応する側の情報が読み取り用端子102を通じて外部出力される。これにより、プログラムを外部出力するための読み取り用端子102を利用して履歴情報が外部出力される構成において、外部出力の対象となる情報がプログラム及び履歴情報のうちいずれであるのかがパチンコ機10側にて特定され、その特定された情報が外部出力される。よって、読み取り用端子102が兼用される構成であっても必要な情報のみを読み出すことが可能となる。
【0390】
読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置から受信する情報に基づき、当該読み取り用端子102から出力すべき情報がプログラム及び履歴情報のうちいずれの情報であるのかが特定される。これにより、外部出力の対象となる情報の選択に関する構成が複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
【0391】
プログラムを予め記憶する主側ROM64を有するMPU62が、管理用IC66及び読み取り用端子102を有する。これにより、読み取り用端子102に対する信号経路をMPU62内に集約することが可能となる。よって、読み取り用端子102への信号経路に対する不正なアクセスを行いづらくさせながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
【0392】
一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの遊技球の入球に基づき遊技球が払い出されるようにするための処理を実行する主側CPU63とは別に管理側CPU112が設けられており、当該管理側CPU112にて履歴用メモリ117に履歴情報が記憶されるようにするための処理が実行される。これにより、主側CPU63の処理負荷が極端に増加してしまわないようにしながら、各履歴対象入球部への遊技球の入球態様を管理することが可能となる。
【0393】
主側CPU63と管理側CPU112とがMPU62として同一のチップに設けられている。これにより、これら主側CPU63と管理側CPU112との間の通信経路への不正なアクセスを阻止することが可能となる。
【0394】
主側CPU63は各入球検知センサ42a~48aの検知結果に対応する情報を、入球検知センサ42a~48aのそれぞれに対応する信号経路を利用して、管理用IC66の入力ポート121の各バッファ122a~122gに送信する。これにより、主側CPU63から送信される情報の種類と各バッファ122a~122g(すなわち各信号経路)とが対応することとなり、管理側CPU112にて各情報の種類を区別するための構成を簡素化することが可能となる。
【0395】
主側CPU63は開閉実行モード中であるか否かに対応する情報、高確率モード中であるか否かに対応する情報、及び前扉枠14が開放中であるか否かに対応する情報を、これら各状況のそれぞれに対応する信号経路を利用して、管理用IC66の入力ポート121の各バッファ122h~122jに送信する。これにより、これら各状況に対応する情報の種類と各バッファ122h~122j(すなわち各信号経路)とが対応することとなり、管理側CPU112にて各情報の種類を区別するための構成を簡素化することが可能となる。
【0396】
主側CPU63は、各バッファ122a~122j(すなわち各信号経路118a~118j)がいずれの種類の情報に対応しているのかを示す対応関係情報を管理側CPU112に送信する。これにより、当該対応関係情報を管理用IC66において予め記憶しておく必要が生じない。よって、管理用IC66の汎用性を高めることが可能となる。
【0397】
主側CPU63への動作電力の供給が開始された場合に当該主側CPU63から管理用IC66に対応関係情報が送信される。これにより、履歴対象入球部への遊技球の入球が発生し得る状況においては、主側CPU63から送信される情報と履歴対象入球部との対応関係を管理用IC66にて特定可能となるようにすることが可能となる。
【0398】
履歴対象入球部への遊技球の入球の有無を示す情報を送信するための信号経路118a~118gを利用して、対応関係情報が主側CPU63から管理用IC66に送信される。これにより、対応関係情報を送信するための専用の信号経路を設ける構成に比べて通信に関する構成を簡素化することが可能となる。
【0399】
管理用IC66には対応関係用メモリ116が設けられており、主側CPU63から管理用IC66に送信された対応関係情報は対応関係用メモリ116にて記憶される。これにより、送信対象の情報に対応する履歴対象入球部を管理用IC66にて特定可能とする情報を、主側CPU63から各入球検知センサ42a~48aの検知結果の情報を送信する度に提供する必要がなくなる。よって、主側CPU63から送信される各入球検知センサ42a~48aの検知結果の情報の情報量を抑えることが可能となる。
【0400】
主側CPU63から管理用IC66に出力されている出力指示信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換わることにより、管理用IC66から読み取り用端子102への情報出力が行われる。この場合に、第16バッファ122pに対応する信号経路が出力指示信号に対応していることは、主側CPU63からの対応関係情報を受信しなくても管理側CPU112にて特定可能となっている。これにより、対応関係情報の送信に関する構成が極端に複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
【0401】
管理用IC66には、主側CPU63からの情報を受信することが可能なバッファ122a~122pとして、主側CPU63から管理用IC66に送信する必要がある情報の種類数よりも多い数のバッファが設けられている。これにより、パチンコ機10の機種に応じて当該情報の種類数が増減する場合であってもバッファ122a~122pに関する構成を変更することなく対応することが可能となる。よって、管理用IC66の汎用性を高めることが可能となる。
【0402】
管理用IC66から履歴情報が読み取り用端子102に送信される場合、当該履歴情報に対応する履歴対象入球部の種類を示す対応関係情報が各履歴情報に含まれている。これにより、読み取った履歴情報を利用して、各履歴対象入球部への遊技球の入球態様を特定することが可能となる。
【0403】
管理用IC66において、履歴用メモリ117に記憶された履歴情報を利用することにより、所定の期間における遊技領域PAの遊技球の入球態様に対応する各種パラメータ(第1~8,11~18,21~26パラメータ)が演算される。これにより、履歴情報を利用して演算した結果である各種パラメータを外部出力することが可能となる。
【0404】
前扉枠14が開放中である状況に対応する履歴情報を除外した状態で各種パラメータが演算される。これにより、前扉枠14が閉鎖状態である正常な状況における各種パラメータを導き出すことが可能となる。また、開閉実行モードである状況及び高確率モードである状況のそれぞれに対応した各種パラメータが演算される。これにより、各状況に応じた遊技球の入球態様を遊技ホールの管理者などが把握することが可能となる。
【0405】
各種パラメータが演算された場合、履歴用メモリ117のクリア処理が実行されることにより当該履歴用メモリ117が初期化される。これにより、履歴用メモリ117の記憶容量を超えてしまうほどの履歴情報が履歴用メモリ117への記憶対象となってしまい、本来なら記憶保持されるべき履歴情報が上書きによって消去されてしまうという事象を発生しづらくさせることが可能となる。
【0406】
各種パラメータを読み取り用端子102に出力する場合、履歴用メモリ117に記憶されている履歴情報も読み取り用端子102に出力される。これにより、各種パラメータを読み出して遊技領域PAにおける遊技球の入球態様を分析する場合に、各種パラメータだけではなく各種パラメータの演算の根拠となった履歴情報を参照することが可能となる。
【0407】
管理側CPU112は読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続されている場合に各種パラメータを演算する。これにより、各種パラメータを演算する頻度を少なくすることが可能となる。
【0408】
読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続されていることが主側CPU63にて特定され、当該主側CPU63から出力指示の情報が送信された場合に管理用IC66にて各種パラメータが演算され、その演算結果の各種パラメータなどが読み取り用端子102に出力される。これにより、主側CPU63からの指示に基づき、各種パラメータがパチンコ機10外部の読み取り装置に出力されるようにすることが可能となる。
【0409】
主側CPU63にて実行される動作電力の供給開始時の処理にて読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続されているか否かが特定され、読み取り装置が電気的に接続されていることが特定された場合に主側CPU63から管理用IC66に出力指示の情報が送信される。これにより、主側CPU63などにて動作電力の供給開始時の処理が実行されている状況において、すなわち主側CPU63にて遊技を進行させるための通常の処理が開始される前の状況において、各種パラメータの演算及びその演算結果の各種パラメータの外部出力が完了することとなる。よって、履歴対象入球部への遊技球の入球が発生し得る状況において各種パラメータの演算及びその演算結果の外部出力が行われないようにすることが可能となり、管理用IC66の処理負荷を軽減することが可能となる。
【0410】
第1作動口33や第2作動口34への遊技球の入球が発生した場合にそれに対応する外部出力が外部端子板97を通じて行われる構成において、履歴情報が履歴用メモリ117に記憶される。これにより、外部端子板97を通じて外部出力される情報を利用することで第1作動口33や第2作動口34への遊技球の入球個数及び入球頻度を簡易的に把握しながら、履歴用メモリ117に記憶された履歴情報を利用することで履歴対象入球部への遊技球の入球個数及び入球頻度を正確に把握することが可能となる。
【0411】
スルーゲート35は、開閉実行モードではない遊技状態においては遊技球の入球が制限されるとともに開閉実行モードにおいて遊技球の入球が可能となる位置に設けられている。これにより、開閉実行モードに移行することで特電入賞装置32の第4排出通路部45への遊技球の入球が可能となるだけではなく、スルーゲート35への遊技球の入球が可能となる。よって、開閉実行モードに移行することの利益を高めることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0412】
スルーゲート35への遊技球の入球が発生した場合には普図側の保留情報が取得され、普図側の保留情報が取得された場合には第2作動口34が高い確率で開放状態となる。そして、第2作動口34への遊技球の入球が発生した場合には大当たり結果及び小当たり結果のいずれかが発生することで開閉実行モードが発生する。つまり、開閉実行モードが発生することでスルーゲート35への遊技球の入球が可能となり、スルーゲート35に遊技球が入球することで開閉実行モードが再度発生し得る。これにより、開閉実行モードが連続して発生する状況を作り出すことが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0413】
スルーゲート35への遊技球の入球とは無関係に遊技球の入球が発生し得る第1作動口33に遊技球が入球することに基づいて、開閉実行モードが発生し得る。そして、上記のとおり開閉実行モードが発生することでスルーゲート35への遊技球の入球が可能となり当該スルーゲート35に遊技球が入球することで開閉実行モードが再度発生し得る。この場合、開閉実行モードではない状況においては第1作動口33への遊技球の入球に基づき開閉実行モードが開始されることを遊技者は期待することとなり、開閉実行モードにおいてはスルーゲート35への遊技球の入球に基づき開閉実行モードが連続して発生することを期待することとなる。
【0414】
第1作動口33に遊技球が入球した場合に開閉実行モードが発生する確率よりも、スルーゲート35に遊技球が入球した場合に開閉実行モードが発生する確率の方が高い。これにより、開閉実行モードにおいてスルーゲート35に遊技球が入球することに対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。
【0415】
スルーゲート35に遊技球が入球して普図側の保留情報が取得されたことに対してその後に開閉実行モードが発生する期待値は遊技状態に応じて変動しない。これにより、この期待値を遊技状態に応じて変動させる構成に比べて処理構成の簡素化を図ることができるとともに、当該期待値の管理を行い易くなる。但し、このように上記期待値が遊技状態に応じて変動しない構成においては遊技に抑揚を与えることが難しくなってしまう。これに対して、上記のとおり開閉実行モードにおいてスルーゲート35への遊技球の入球が可能となる構成であるため、普図側の保留情報が取得される機会に抑揚を与えることが可能となり、結果的に遊技に抑揚を与えることが可能となる。
【0416】
スルーゲート35に遊技球が入球することで第2作動口34への遊技球の入球が可能となり、第2作動口34に遊技球が入球することで開閉実行モードへの移行契機が発生する。これにより、開閉実行モードを連続して発生させるためには、開閉実行モードにおいてスルーゲート35に遊技球を入球させて、さらに第2作動口34に遊技球を入球させる必要が生じることとなる。よって、開閉実行モードの連続発生への不確実性が高まり、結果的に遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0417】
右側領域PA3を流下する又は流下した遊技球が入球可能な位置に、特電入賞装置32、第2作動口34及びスルーゲート35が設けられている。これにより、右側領域PA3を遊技球が流下するように例えば最大操作量で発射操作装置28を回動操作することにより、特電入賞装置32への入賞、第2作動口34への入賞、及びスルーゲート35への入賞をまとめて狙うことが可能となる。
【0418】
特電入賞装置32が開放状態及び閉鎖状態のうち一方から他方に切り換わる場合にスルーゲート35への遊技球の入球が可能となる構成である。これにより、この状態の切り換えタイミングに対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。よって、開閉実行モードにおいて遊技者が注目すべき対象を多様化させることが可能となり、開閉実行モード中における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、特電入賞装置32が開放状態及び閉鎖状態のうち一方から他方に切り換わるタイミングで遊技球の流入が可能となる位置にスルーゲート35が設けられている。これにより、特電入賞装置32に対するスルーゲート35の位置関係を上記のような関係とするだけで、上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
【0419】
特電入賞装置32の開閉部材202が開放位置及び閉鎖位置のうち一方から他方に移動する場合に開閉部材202の誘導板部214に載っていた遊技球がスルーゲート35に入球可能となる。これにより、開閉実行モードにおいて遊技者は特電入賞装置32の第4排出通路部45への遊技球の入球が発生するか否かにだけではなく、誘導板部214に遊技球が載っている状態で当該誘導板部214が開放位置及び閉鎖位置のうち一方から他方に移動するか否かに注目することとなり、開閉実行モード中における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0420】
特電入賞装置32が開放状態から閉鎖状態に切り換わるタイミングでスルーゲート35への遊技球の入球契機が発生することとなる。これにより、特電入賞装置32が開放状態である場合だけではなく閉鎖状態に切り換わったタイミングにおいても遊技者の注目度を高めることが可能となる。
【0421】
開閉部材202の誘導板部214は、当該誘導板部214に載った遊技球が誘導板部214に沿って左方に流下するように形成されている。そして、スルーゲート35は、誘導板部214の一部の範囲である所定範囲Xに遊技球が載っている状態において開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動した場合にその載っている遊技球が下方に落下することで入球可能となる位置に設けられている。この場合、スルーゲート35に遊技球が入球するためには開閉部材202が開放位置に配置されている状況において誘導板部214に遊技球が載っているだけではなく、その載っている遊技球が所定範囲Xに存在している絶妙のタイミングで、開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動する必要がある。これにより、誘導板部214に載っている遊技球の位置と開閉部材202の状態の切り換えタイミングとの関係に遊技者は注目することとなり、開閉実行モード中における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0422】
特電入賞装置32の上流側には右側領域PA3に流入した遊技球を開閉部材202の右端側に誘導する誘導釘群241が設けられている。そして、誘導板部214においてスルーゲート35への遊技球の入球を可能とする範囲である所定範囲Xは、開閉部材202の左端側に偏倚させて設定されている。これにより、スルーゲート35に遊技球が入球するためには、誘導板部214上を遊技球が流下している途中の絶妙なタイミングで開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動する必要がある。よって、誘導板部214上における遊技球の動きに遊技者は注目することとなり、開閉実行モード中における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0423】
また、特電入賞装置32において第4排出通路部45の入口部45bは、誘導板部214においてスルーゲート35への遊技球の入球を可能とする範囲である所定範囲Xよりも左方に存在している。これにより、誘導板部214上に載っているものの入口部45bに到達しなかった遊技球がスルーゲート35に入球することとなる。よって、誘導板部214上に載った遊技球が特電入賞装置32に入賞しなかったことに対する遊技者の不利益感を、逆に、スルーゲート35への入賞が発生することに対する利益感に変えることが可能となる。
【0424】
大当たり結果として例えば2R高確結果と16R高確結果とが含まれており、2R高確結果となったことを契機とした開閉実行モードと16R高確結果となったことを契機とした開閉実行モードとでスルーゲート35への遊技球の入球し易さが相違している。これにより、スルーゲート35への遊技球の入球を期待する遊技者はスルーゲート35への遊技球の入球が発生し易い開閉実行モードの発生を期待することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0425】
特電入賞装置32が開閉される場合にスルーゲート35への遊技球の入球が可能となる構成において、例えば2R高確結果となったことを契機とした開閉実行モードと16R高確結果となったことを契機とした開閉実行モードとで特電入賞装置32の開閉回数が相違している。これにより、特電入賞装置32への遊技球の入球の期待値が高くなる開閉実行モードにおいてスルーゲート35への遊技球の入球の期待値が高くなることとなる。よって、特電入賞装置32の開閉回数が多い開閉実行モードが発生することに対する遊技者の期待感をより高めることが可能となる。
【0426】
第2作動口34に遊技球が入球した場合には大当たり結果となり得るだけではなく小当たり結果となり得るとともに、小当たり結果となる確率の方が大当たり結果となる確率よりも高い。これにより、第2作動口34への遊技球の入球を発生させることにより、開閉実行モードが発生し易くなる。この場合に、第2作動口34が開放状態となる契機を生じさせるスルーゲート35への入球が所定状況において可能となる。これにより、第2作動口34への遊技球の入球を期待する遊技者は所定状況の発生を期待することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0427】
上記所定状況は開閉実行モードが実行されている状況である。これにより、既に説明したとおり開閉実行モードが1回発生した場合には当該開閉実行モードが連続して発生する状況を生じさせることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0428】
低確率モードにおいて第2作動口34への遊技球の入球に基づき実行された遊技回であって大当たり結果とならない遊技回の変動表示期間の平均期間が、低確率モードにおいて第1作動口33への遊技球の入球に基づき実行された遊技回であって大当たり結果とならない遊技回の変動表示期間の平均期間と同一、略同一又はそれ以下となる。これにより、前者の遊技回の消化率が後者の遊技回の消化率に対して極端に悪くなってしまわないようにすることが可能となる。但し、当該構成を備えるとともにスルーゲート35への遊技球の入球に対して第2作動口34が開放状態となる頻度が遊技状態に関係なく一定である構成を備えている場合、低確率モードにて第2作動口34への遊技球の入球を狙って遊技が行われることが想定される。これに対して、開閉実行モードではない状況ではスルーゲート35への遊技球の入球が不可となる。したがって、低確率モードでは第1作動口33への遊技球の入球を狙って遊技が行われるようにすることが可能となる。
【0429】
<第2の実施形態>
本実施形態では、管理側I/F111における入力ポート121の第1~第16バッファ122a~122pのうち、入力される信号の種類が管理用IC66の設計段階において決定されているバッファの種類が上記第1の実施形態と相違している。また、入力される信号の種類を管理側CPU112に特定させるために主側CPU63にて実行される処理構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0430】
図46は本実施形態における管理側I/F111の入力ポート121の構成を説明するための説明図である。
【0431】
第1~第7バッファ122a~122g及び第16バッファ122pには、上記第1の実施形態と同一の種類の信号が入力される。詳細には、第1バッファ122aには第1入賞口検知センサ42aの検知結果に対応する第1信号が入力され、第2バッファ122bには第2入賞口検知センサ43aの検知結果に対応する第2信号が入力され、第3バッファ122cには第3入賞口検知センサ44aの検知結果に対応する第3信号が入力され、第4バッファ122dには特電検知センサ45aの検知結果に対応する第4信号が入力され、第5バッファ122eには第1作動口検知センサ46aの検知結果に対応する第5信号が入力され、第6バッファ122fには第2作動口検知センサ47aの検知結果に対応する第6信号が入力され、第7バッファ122gにはアウト口検知センサ48aの検知結果に対応する第7信号が入力され、第16バッファ122pには出力指示信号が入力される。
【0432】
一方、上記第1の実施形態では開閉実行モードに対応する信号が第8信号として第8バッファ122hに入力され、高確率モードに対応する信号が第9信号として第9バッファ122iに入力され、前扉枠14に対応する信号が第10信号として第10バッファ122jに入力される構成としたが、本実施形態ではこれら信号の入力対象となるバッファが異なっている。具体的には、開閉実行モードに対応する信号は開閉実行モード中信号として第13バッファ122mに入力され、高確率モードに対応する信号は高確率モード中信号として第14バッファ122nに入力され、前扉枠14に対応する信号は扉開放中信号として第15バッファ122oに入力される。
【0433】
第13バッファ122mに開閉実行モード中信号が入力されること、第14バッファ122nに高確率モード中信号が入力されること、第15バッファ122oに扉開放中信号が入力されること、及び第16バッファ122pに出力指示信号が入力されることは管理用IC66の設計段階において決定されており、主側CPU63からの指示を受けることなく、管理側CPU112はこれら第13~第16バッファ122m~122pにそれぞれに対応する上記各信号が入力されることを特定可能となっている。一方、第1~第12バッファ122a~122lにどのような種類の信号が入力されるのかは管理用IC66の設計段階において決定されておらず、これら信号の種類は主側CPU63からの指示を受けることで管理側CPU112にて特定される。この信号の種類を特定するための処理は、上記第1の実施形態と同様に、主側CPU63及び管理側CPU112に動作電力の供給が開始された場合に実行される。
【0434】
図47は主側CPU63にて実行される本実施形態の認識用処理を示すフローチャートである。なお、認識用処理は上記第1の実施形態と同様にメイン処理(図11)におけるステップS110にて実行される。
【0435】
まず主側RAM65の認識用出力カウンタに、信号の種類の認識対象となる第1~第12バッファ122a~122lの数である「12」をセットする(ステップS2001)。その後、識別開始信号の出力処理を実行する(ステップS2002)。当該出力処理では、第1バッファ122aに入力される第1信号、第13バッファ122mに入力される開閉実行モード中信号、第14バッファ122nに入力される高確率モード中信号のそれぞれの出力状態をHIレベルに設定することで、識別開始信号の出力を開始する。これら信号をHIレベルに維持する期間は、これら信号の出力状態を管理側CPU112にて認識するのに十分な期間に設定されている。
【0436】
その後、主側RAM65の認識用出力カウンタの現状の値に対応する出力回数の情報を主側ROM64から読み出し、その読み出した出力回数の情報を主側RAM65に設けられた出力回数カウンタにセットする(ステップS2003)。出力回数カウンタは、種類識別用信号の出力回数を主側CPU63にて特定するためのカウンタである。
【0437】
本実施形態では、第1バッファ122a~第12バッファ122lに入力される信号の種類を管理側CPU112に認識させる場合、その信号の種類に対応する入球部に対して設定されている賞球個数と同一回数、種類識別用信号を出力する。管理側CPU112は第1バッファ122a~第12バッファ122lのそれぞれについて種類識別用信号を受信した回数に対応する情報を、対応関係用メモリ116の第1~第12対応関係エリア123a~123lに格納する。つまり、第1バッファ122a~第12バッファ122lに入力される信号の種類が、その信号の種類に対応する入球部に対して設定されている賞球個数として把握される。
【0438】
ステップS2003では、認識用出力カウンタの値が「12」、「11」及び「10」のいずれかである場合、一般入賞口31の賞球個数に対応する「10」を出力回数カウンタにセットする。また、認識用出力カウンタの値が「9」である場合、特電入賞装置32の賞球個数に対応する「15」を出力回数カウンタにセットする。また、認識用出力カウンタの値が「8」である場合、第1作動口33の賞球個数に対応する「1」を出力回数カウンタにセットする。また、認識用出力カウンタの値が「7」である場合、第2作動口34の賞球個数に対応する「1」を出力回数カウンタにセットする。また、認識用出力カウンタの値が「6」である場合、アウト口24aに対応しているものの当該アウト口24aに遊技球が入球したとしても遊技球の払い出しは実行されないため、出力回数カウンタに「0」をセットする。また、認識用出力カウンタの値が「5」~「1」のいずれかである場合、対応する入球部が存在しておらずブランクであるため、出力回数カウンタに「0」をセットする。
【0439】
その後、開始契機信号の出力処理を実行する(ステップS2004)。当該出力処理では、第1バッファ122aに入力される第1信号の出力状態をHIレベルに設定することで、開始契機信号の出力を開始する。第1信号をHIレベルに維持する期間は、第1信号の出力状態を管理側CPU112にて認識するのに十分な期間に設定されている。
【0440】
その後、主側RAM65の出力回数カウンタの値が「0」ではないことを条件として(ステップS2005:YES)、すなわちステップS2003にて1以上の値が出力回数カウンタにセットされたことを条件として、ステップS2006に進む。ステップS2006では、種類識別用信号の出力処理を実行する。当該出力処理では、第2バッファ122bに入力される第2信号の出力状態をHIレベルに設定することで、種類識別信号の出力を開始する。第2信号をHIレベルに維持する期間は、第2信号の出力状態を管理側CPU112にて認識するのに十分な期間に設定されている。
【0441】
その後、主側RAM65の出力回数カウンタの値を1減算し(ステップS2007)、その1減算後における出力回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS2008)。出力回数カウンタの値が1以上である場合には(ステップS2008:NO)、ステップS2006に戻る。
【0442】
ステップS2005にて肯定判定をした場合、又はステップS2008にて肯定判定をした場合、終了契機信号の出力処理を実行する(ステップS2009)。当該出力処理では、第3バッファ122cに入力される第3信号の出力状態をHIレベルに設定することで、終了契機信号の出力を開始する。第3信号をHIレベルに維持する期間は、第3信号の出力状態を管理側CPU112にて認識するのに十分な期間に設定されている。
【0443】
その後、主側RAM65の認識用出力カウンタの値を1減算し(ステップS2010)、その1減算後における認識用出力カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS2011)。認識用出力カウンタの値が1以上である場合には(ステップS2011:NO)、ステップS2003に戻り、1減算後における認識用出力カウンタの値に対応する信号の種類を認識させるための処理を実行する。
【0444】
一方、認識用出力カウンタの値が「0」である場合には(ステップS2011:YES)、識別終了信号の出力処理を実行する(ステップS2012)。当該出力処理では、第3バッファ122cに入力される第3信号、第13バッファ122mに入力される開閉実行モード中信号、第14バッファ122nに入力される高確率モード中信号のそれぞれの出力状態をHIレベルに設定することで、識別終了信号の出力を開始する。これら信号をHIレベルに維持する期間は、これら信号の出力状態を管理側CPU112にて認識するのに十分な期間に設定されている。
【0445】
次に、管理側CPU112にて実行される本実施形態における管理処理について、図48のフローチャートを参照しながら説明する。管理処理は、上記第1の実施形態と同様に管理側CPU112への動作電力の供給が開始された場合に開始される。
【0446】
主側CPU63からの識別開始信号の受信が終了した場合(ステップS2101:YES)、管理側RAM114の設定対象カウンタの値を「0」クリアする(ステップS2102)。その後、主側CPU63から開始契機信号を受信していることを条件として(ステップS2103:YES)、ステップS2104に進む。ステップS2104では、主側CPU63から種類識別用信号を受信しているか否かを判定する。種類識別用信号を受信している場合(ステップS2104:YES)、管理側RAM114に設けられた受信回数カウンタの値を1加算する(ステップS2105)。受信回数カウンタは、主側CPU63から種類識別用信号を受信した回数を管理側CPU112にて特定するためのカウンタである。なお、受信回数カウンタの値はステップS2103にて肯定判定をした場合に「0」クリアされる。
【0447】
ステップS2104にて否定判定をした場合、又はステップS2105の処理を実行した場合、主側CPU63から終了契機信号を受信しているか否かを判定する(ステップS2106)。終了契機信号を受信していない場合(ステップS2106:NO)、ステップS2104に戻り、終了契機信号を受信している場合(ステップS2106:YES)、対応関係設定処理を実行する(ステップS2107)。対応関係設定処理では、対応関係用メモリ116の第1~第12対応関係エリア123a~123lのうち、管理側RAM114の設定対象カウンタにおける現状の値に対応する対応関係エリアに、受信回数カウンタにセットされている値を格納する。この場合、第1対応関係エリア123a、第2対応関係エリア123b及び第3対応関係エリア123cには一般入賞口31の賞球個数に対応する「10」がセットされ、第4対応関係エリア123dには特電入賞装置32の賞球個数に対応する「15」がセットされ、第5対応関係エリア123eには第1作動口33の賞球個数に対応する「1」がセットされ、第6対応関係エリア123fには第2作動口34の賞球個数に対応する「1」がセットされる。また、第7~第12対応関係エリア123g~123lには「0」がセットされる。その後、管理側RAM114の設定対象カウンタの値を1加算する(ステップS2108)。
【0448】
ステップS2103にて否定判定をした場合、又はステップS2108の処理を実行した場合、主側CPU63からの識別終了信号の受信が終了したか否かを判定する(ステップS2109)。識別終了信号の受信が終了していない場合(ステップS2109:NO)、ステップS2103に戻り、主側CPU63から開始契機信号を受信することを条件として(ステップS2103:YES)、ステップS2104以降の処理を実行する。主側CPU63からの識別終了信号の受信が終了している場合(ステップS2109:YES)、ステップS2110の履歴設定処理及びステップS2111の外部出力用処理を繰り返し実行する。
【0449】
図49は第1~第12バッファ122a~122lとこれらバッファ122a~122lに入力される信号の種類との対応関係の情報が対応関係用メモリ116に格納される様子を示すタイムチャートである。図49(a)は第1信号の出力状態がHIレベルとなっている期間を示し、図49(b)は第2信号の出力状態がHIレベルとなっている期間を示し、図49(c)は第3信号の出力状態がHIレベルとなっている期間を示し、図49(d)は開閉実行モード中信号の出力状態がHIレベルとなっている期間を示し、図49(e)は高確率モード中信号の出力状態がHIレベルとなっている期間を示し、図49(f)は第1~第12バッファ122a~122lとこれらバッファ122a~122lに入力される信号の種類との対応関係を識別するための処理が実行される識別状態の実行期間を示し、図49(g)は管理側RAM114の受信回数カウンタの値が1加算されるタイミングを示し、図49(h)は管理側CPU112にて対応関係設定処理(ステップS2107)が実行されるタイミングを示す。
【0450】
主側CPU63及び管理側CPU112への動作電力の供給が開始されることで、t1のタイミングで、図49(a)、図49(d)及び図49(e)に示すように、第1信号、開閉実行モード中信号及び高確率モード中信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更される。これにより、主側CPU63から管理側CPU112への識別開始信号の出力が開始される。その後、t2のタイミングで、第1信号、開閉実行モード中信号及び高確率モード中信号の出力状態がHIレベルからLOWベルに変更される。これにより、主側CPU63から管理側CPU112への識別開始信号の出力が停止される。当該t2のタイミングで、管理側CPU112は管理処理(図48)のステップS2101にて肯定判定をすることで、図49(f)に示すように識別状態となる。
【0451】
その後、t3のタイミング~t4のタイミングに亘って図49(a)に示すように第1信号の出力状態がHIレベルに維持される。これにより、管理側CPU112に開始契機信号が出力された状態となる。そして、t5のタイミング~t7のタイミングに亘って図49(b)に示すように第2信号の出力状態がHIレベルに維持される。これにより、管理側CPU112に種類識別用信号が1回出力された状態となる。この場合、t6のタイミングで、図49(g)に示すように管理側RAM114の受信回数カウンタの値が1加算される。
【0452】
その後、t8のタイミング~t10のタイミングに亘って図49(c)に示すように第3信号の出力状態がHIレベルに維持される。これにより、管理側CPU112に終了契機信号が出力された状態となる。この場合、t9のタイミングで、図49(h)に示すように管理側CPU112にて対応関係設定処理が実行される。当該対応関係設定処理が実行されるタイミングでは受信回数カウンタの値が「1」となっているため、対応関係用メモリ116における今回の設定対象の対応関係エリア123a~123lに対応関係情報として「1」の情報を格納する。
【0453】
その後、t11のタイミング~t12のタイミングに亘って図49(a)に示すように第1信号の出力状態がHIレベルに維持される。これにより、管理側CPU112に開始契機信号が出力された状態となる。そして、t13のタイミング~t15のタイミング、t16のタイミング~t18のタイミング、t19のタイミング~t21のタイミング、及びt22のタイミング~t24のタイミングのそれぞれに亘って図49(b)に示すように第2信号の出力状態がHIレベルに維持される。これにより、管理側CPU112に種類識別用信号がそれぞれ1回出力された状態となる。この場合、t14のタイミング、t17のタイミング、t20のタイミング、t23のタイミングのそれぞれで、図49(g)に示すように管理側RAM114の受信回数カウンタの値が1加算される。
【0454】
その後、t25のタイミング~t27のタイミングに亘って図49(c)に示すように第3信号の出力状態がHIレベルに維持される。これにより、管理側CPU112に終了契機信号が出力された状態となる。この場合、t26のタイミングで、図49(h)に示すように管理側CPU112にて対応関係設定処理が実行される。当該対応関係設定処理が実行されるタイミングでは受信回数カウンタの値が「10」となっているため、対応関係用メモリ116における今回の設定対象の対応関係エリア123a~123lに対応関係情報として「10」の情報を格納する。
【0455】
その後、t28のタイミングで、図49(c)、図49(d)及び図49(e)に示すように、第3信号、開閉実行モード中信号及び高確率モード中信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更される。これにより、主側CPU63から管理側CPU112への識別終了信号の出力が開始される。その後、t29のタイミングで、第3信号、開閉実行モード中信号及び高確率モード中信号の出力状態がHIレベルからLOWベルに変更される。これにより、主側CPU63から管理側CPU112への識別終了信号の出力が停止される。当該t29のタイミングで、管理側CPU112は管理処理(図48)のステップS2109にて肯定判定をすることで、図49(f)に示すように識別状態が解除される。
【0456】
なお、本実施形態では対応関係情報として賞球個数の情報が格納されるため、履歴用メモリ117に格納される履歴情報にはその履歴情報の格納契機となった入球部に対応する賞球個数の情報が対応関係情報として含まれる。当該構成においては、賞球個数が同一である入球部が複数種類存在している場合、履歴情報においてそれら入球部を区別することができない。具体的には、第1作動口33と第2作動口34とは賞球個数がいずれも1個であるため、履歴情報において第1作動口33と第2作動口34とを区別することができない。このような事情において第1作動口33と第2作動口34との賞球個数を異ならせてもよい。これにより、本第2の実施形態のような履歴情報が格納される構成であっても、履歴情報において第1作動口33と第2作動口34とを区別することが可能となる。
【0457】
また、本実施形態では履歴設定処理のステップS801において管理側RAM114の確認対象カウンタに「15」をセットする。これにより、第1~第15バッファ122a~122oの全てが確認対象となる。
【0458】
以上詳述した本実施形態によれば、出力指示信号だけではなく、開閉実行モード中であるか否かに対応する情報、高確率モード中であるか否かに対応する情報、及び前扉枠14が開放中であるか否かに対応する情報についても、これら情報に対応する信号経路であることを主側CPU63からの対応関係情報を受信しなくても管理側CPU112にて特定可能となっている。この場合、各入球検知センサ42a~48aの検知結果に対応する情報のみが、各情報と各信号経路118a~118gとの対応関係を主側CPU63から管理側CPU112に認識させる必要がある情報となる。そして、対応関係情報を管理側CPU112に認識させる場合、各入球検知センサ42a~48aに対応する賞球個数と同一の数のパルス信号が第2信号を利用して主側CPU63から管理側CPU112に出力される。これにより、対応関係情報の送信に関する構成を簡素化することが可能となる。
【0459】
<第3の実施形態>
本実施形態では履歴情報を利用した各種パラメータの演算が実行される契機が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0460】
図50は本実施形態における管理用IC66の電気的構成を説明するためのブロック図である。管理用IC66には上記第1の実施形態と同様に管理側I/F111、管理側CPU112、管理側ROM113、管理側RAM114、RTC115、対応関係用メモリ116及び履歴用メモリ117が設けられている。これらの機能は上記第1の実施形態と同様である。
【0461】
管理用IC66には上記以外にも演算結果用メモリ131が設けられている。本実施形態では詳細は後述するように演算契機が発生した場合に、その時点で履歴用メモリ117に格納されている履歴情報を利用して管理側CPU112にて各種パラメータが演算される。そして、その演算された各種パラメータは演算結果用メモリ131に順次記憶される。演算結果用メモリ131に記憶された各種パラメータは、読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置に出力される。
【0462】
各種パラメータの演算契機は、読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続されるタイミングよりも前に発生する。これにより、各種パラメータを演算する時期と、読み取り装置に外部出力する時期とを異ならせることが可能となり、処理負荷を分散させることが可能となる。
【0463】
また、各種パラメータの演算結果を格納するための演算結果用メモリ131が設けられていることにより、1回の演算契機分の各種パラメータだけではなく、複数回の演算契機分の各種パラメータをまとめて記憶しておくことが可能となる。これにより、各回の演算契機において各種パラメータを算出するまでに要する時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0464】
図51は本実施形態における管理側I/F111の入力ポート121の構成を説明するための説明図である。
【0465】
第1~第10バッファ122a~122j及び第16バッファ122pには上記第1の実施形態と同一の種類の信号が入力される。詳細には、第1バッファ122aには第1入賞口検知センサ42aの検知結果に対応する第1信号が入力され、第2バッファ122bには第2入賞口検知センサ43aの検知結果に対応する第2信号が入力され、第3バッファ122cには第3入賞口検知センサ44aの検知結果に対応する第3信号が入力され、第4バッファ122dには特電検知センサ45aの検知結果に対応する第4信号が入力され、第5バッファ122eには第1作動口検知センサ46aの検知結果に対応する第5信号が入力され、第6バッファ122fには第2作動口検知センサ47aの検知結果に対応する第6信号が入力され、第7バッファ122gにはアウト口検知センサ48aの検知結果に対応する第7信号が入力され、第8バッファ122hには開閉実行モードに対応する信号が入力され、第9バッファ122iには高確率モードに対応する信号が入力され、第10バッファ122jには前扉枠14に対応する信号が入力され、第16バッファ122pには出力指示信号が入力される。
【0466】
本実施形態では、上記各種信号以外にも、第15バッファ122oに演算指示信号が入力される。演算指示信号は、各種パラメータの演算契機を管理側CPU112に提供するために主側CPU63から出力される信号である。第15バッファ122oに演算指示信号が入力されることは、第16バッファ122pに出力指示信号が入力されることと同様に、管理用IC66の設計段階において決定されており、主側CPU63からの指示を受けることなく、管理側CPU112はこれら第15~第16バッファ122o~122pにそれぞれに対応する上記各信号が入力されることを特定可能となっている。一方、第1~第14バッファ122a~122nにどのような種類の信号が入力されるのかは管理用IC66の設計段階において決定されておらず、これら信号の種類は主側CPU63からの指示を受けることで管理側CPU112にて特定される。この信号の種類を特定するための処理は、上記第1の実施形態と同様に、主側CPU63及び管理側CPU112に動作電力の供給が開始された場合に実行される。
【0467】
次に、演算契機の発生に対して管理側CPU112にて各種パラメータの演算が実行されるようにするための処理構成について説明する。図52は主側CPU63にて実行される停電情報記憶処理を示すフローチャートである。なお、停電情報記憶処理はタイマ割込み処理(図12)におけるステップS201にて実行される。
【0468】
停電情報記憶処理では、停電監視基板67から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信している場合(ステップS2201:YES)、演算指示信号の出力処理を実行する(ステップS2202)。当該出力処理では、管理側I/F111の入力ポート121における第15バッファ122oに入力される演算指示信号の出力状態が特定期間に亘ってHIレベルに維持されるようにする。この特定期間は演算指示信号の出力状態がHIレベルとなっていることを管理側CPU112にて認識するために十分な期間となっている。その後、ステップS2203にて停電時処理を実行した後に、無限ループとなり、主側CPU63への動作電力の供給が完全に停止されるまで待機する。停電時処理では、主側RAM65の停電フラグに「1」をセットするとともに、チェックサムを算出しその算出したチェックサムを保存する。
【0469】
図53は管理側CPU112にて実行される停電対応処理を示すフローチャートである。なお、停電対応処理は管理処理(図22)における外部出力用処理の後に実行される構成であり、管理処理では主側CPU63から識別終了コマンドを受信した後は(ステップS606:YES)、ステップS607の履歴設定処理、ステップS608の外部出力用処理、及び停電対応処理をこの順序で繰り返し実行する。
【0470】
停電対応処理では、主側CPU63から受信している演算指示信号の出力状態がHIレベルとなった場合(ステップS2301:YES)、ステップS2302~ステップS2306にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図28)のステップS1002~ステップS1006と同様に、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれに対する入球個数を演算する。また、ステップS2307にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図28)のステップS1007と同様に、前扉枠14が開放中の状況における各種入球個数を演算する。また、ステップS2308にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図28)のステップS1008と同様に、各種パラメータを演算し、ステップS2309にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図28)のステップS1009と同様に、合計時間を演算する。そして、ステップS2308の演算結果の情報及びステップS2309の演算結果の情報を演算結果用メモリ131に書き込む(ステップS2310)。この場合、演算結果用メモリ131に既に他の演算結果の情報が記憶されている場合には、その既に記憶されている演算結果の情報を上書きしてしまわないように演算結果の情報の書き込みを行う。また、RTC115から現状の年月日情報及び時刻情報を読み出し、その読み出した年月日情報と時刻情報とを今回書き込みを行った演算結果の情報に付随させる。これにより、今回書き込みを行った演算結果の情報が、いつのタイミングに対応したものであるかを特定することが可能となる。
【0471】
その後、ステップS2311にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図28)のステップS1011と同様に、開閉実行モード中の各種入球個数を演算し、ステップS2312にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図28)のステップS1012と同様に、開閉実行モード中であって前扉枠14が開放中の状況における各種入球個数を演算する。また、ステップS2313にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図28)のステップS1013と同様に、各種パラメータを演算する。そして、ステップS2314の演算結果の情報を演算結果用メモリ131に書き込む(ステップS2314)。この場合、演算結果用メモリ131に既に記憶されている他の演算結果の情報を上書きしてしまわないように演算結果の情報の書き込みを行う。また、RTC115から現状の年月日情報及び時刻情報を読み出し、その読み出した年月日情報と時刻情報とを今回書き込みを行った演算結果の情報に付随させる。これにより、今回書き込みを行った演算結果の情報が、いつのタイミングに対応したものであるかを特定することが可能となる。
【0472】
その後、ステップS2315にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図28)のステップS1015と同様に、高確率モード中の各種入球個数を演算し、ステップS2316にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図28)のステップS1016と同様に、高確率モード中であって前扉枠14が開放中の状況における各種入球個数を演算する。また、ステップS2317にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図28)のステップS1017と同様に、各種パラメータを演算する。そして、ステップS2317の演算結果の情報を演算結果用メモリ131に書き込む(ステップS2318)。この場合、演算結果用メモリ131に既に記憶されている他の演算結果の情報を上書きしてしまわないように演算結果の情報の書き込みを行う。また、RTC115から現状の年月日情報及び時刻情報を読み出し、その読み出した年月日情報と時刻情報とを今回書き込みを行った演算結果の情報に付随させる。これにより、今回書き込みを行った演算結果の情報が、いつのタイミングに対応したものであるかを特定することが可能となる。その後、無限ループとなり、管理側CPU112への動作電力の供給が完全に停止されるまで待機する。
【0473】
図54は管理側CPU112にて実行される外部出力用処理を示すフローチャートである。なお、外部出力用処理は管理処理(図22)のステップS608にて実行される。
【0474】
主側CPU63から出力指示信号の出力状態がHIレベルとなった場合(ステップS2401:YES)、演算結果の出力処理を実行する(ステップS2402)。当該出力処理では、演算結果用メモリ131に記憶されている各種演算結果を読み取り用端子102に出力する。これにより、読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置において、演算結果用メモリ131に記憶されている各種演算結果が読み取られる。この場合、演算結果用メモリ131に1回の演算契機の発生に対応する各種演算結果のみが記憶されている場合にはその1回の演算契機の発生に対応する各種演算結果のみが読み取り装置において読み取られ、演算結果用メモリ131に複数回の演算契機の発生に対応する各種演算結果が記憶されている場合にはそれら複数回の演算契機の発生に対応する各種演算結果が読み取り装置において読み取られる。
【0475】
その後、履歴情報の出力処理を実行する(ステップS2403)。当該出力処理では、履歴用メモリ117の履歴用エリア124に格納されている全ての履歴情報を順次、読み取り用端子102に出力する。これにより、読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置において、履歴用エリア124に格納されている各種履歴情報が読み取られる。このように各種演算結果だけではなく履歴情報も出力することで、各種演算結果に対する詳細な分析を読み取り装置を利用した作業者において行うことが可能となる。
【0476】
その後、クリア処理を実行する(ステップS2404)。クリア処理では、履歴用メモリ117の履歴情報格納エリア125を全て「0」クリアするとともに、ポインタ用エリア126を「0」クリアする。これにより、履歴用エリア124が初期化された状態となる。また、クリア処理では、演算結果用メモリ131の各エリアを全て「0」クリアする。これにより、演算結果用メモリ131が初期化された状態となる。
【0477】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0478】
主側CPU63への動作電力の供給が停止される場合に管理側CPU112にて各種パラメータが演算される。これにより、各営業日単位で各種パラメータを管理することが可能となる。
【0479】
主側CPU63において動作電力の供給が停止されることが特定された場合に演算指示信号の出力状態がHIレベルに変更されることにより、管理側CPU112にて各種パラメータが演算される。これにより、主側CPU63からの指示に基づき管理側CPU112にて各種パラメータが演算されるようにすることが可能となる。
【0480】
管理側CPU112にて演算された各種パラメータは演算結果用メモリ131に順次書き込まれていく。これにより、各種パラメータを管理用IC66にて蓄積していくことが可能となり、読み取り装置により各種パラメータを読み取る場合には、複数の営業日の各種パラメータをまとめて読み出すことが可能となる。
【0481】
演算結果用メモリ131に各種パラメータが書き込まれる場合、その各種パラメータが演算された時期を特定可能とする情報が当該各種パラメータに付随させて演算結果用メモリ131に書き込まれる。これにより、各種パラメータが演算された時期を把握しながら、各種パラメータ情報を分析することが可能となる。
【0482】
なお、演算契機が発生してそれに対する各種パラメータの演算結果が演算結果用メモリ131に書き込まれた場合には履歴用メモリ117を「0」クリアする構成としてもよい。これにより、記憶可能な上限数の履歴情報が既に履歴用メモリ117に記憶されている状況において新たな履歴情報が履歴用メモリ117への書き込み対象となってしまう事象が発生しづらくなる。
【0483】
また、読み取り装置に外部出力される対象の情報が演算結果用メモリ131に記憶されている各種パラメータの情報だけであり、履歴用メモリ117に記憶されている履歴情報は外部出力されない構成としてもよい。これにより、外部出力される情報量を抑えることが可能となる。
【0484】
<第4の実施形態>
本実施形態では管理側CPU112にて実行される停電対応処理の処理構成が上記第3の実施形態と相違している。以下、上記第3の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第3の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0485】
図55は本実施形態において管理側CPU112にて実行される停電対応処理を示すフローチャートである。
【0486】
主側CPU63から受信している演算指示信号の出力状態がHIレベルとなった場合(ステップS2501:YES)、各種演算処理を実行する(ステップS2502)。各種演算処理では、上記第3の実施形態における停電対応処理(図53)のステップS2302~ステップS2309、ステップS2311~ステップS2313、及びステップS2315~ステップS2317の各処理を実行する。
【0487】
その後、ステップS2502にて演算した各種パラメータのうち所定のパラメータが基準範囲であるか否かを判定する(ステップS2503)。具体的には、
・第7パラメータ:(K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/遊技球の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)の割合
・第8パラメータ:K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」/遊技球の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)の割合
の2つのパラメータが基準範囲であるか否かの判定対象のパラメータとして設定されている。そして、第7パラメータの値が0.7以下であって、第8パラメータの値が0.6以下である場合、所定のパラメータが基準範囲であるとしてステップS2503にて肯定判定をする。
【0488】
なお、所定のパラメータは第7パラメータ及び第8パラメータに限定されることはなく、これらに代えて又は加えて、他のパラメータが所定のパラメータとして設定されている構成としてもよい。例えば、
・第2パラメータ:一般入賞口31への遊技球の合計入球個数K2/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K1+K2+K3+K4+K5)の割合
が所定のパラメータとして設定されている構成としてもよい。この場合、例えば第2パラメータの値が0.1以上であって0.2以下である場合に、所定のパラメータが基準範囲であると判定される構成としてもよい。また、ステップS2503にて判定対象となる所定のパラメータのみがステップS2502の各種演算処理にて演算される構成としてもよい。
【0489】
所定のパラメータが基準範囲ではない場合(ステップS2503:NO)、ステップS2502にて演算した各種パラメータを演算結果用メモリ131に書き込む(ステップS2504)。この場合、演算結果用メモリ131に既に他の演算結果の情報が記憶されている場合には、その既に記憶されている演算結果の情報を上書きしてしまわないように演算結果の情報の書き込みを行う。また、RTC115から現状の年月日情報及び時刻情報を読み出し、その読み出した年月日情報と時刻情報とを今回書き込みを行った演算結果の情報に付随させる。これにより、今回書き込みを行った演算結果の情報が、いつのタイミングに対応したものであるかを特定することが可能となる。
【0490】
一方、所定のパラメータが基準範囲である場合(ステップS2503:YES)、ステップS2504の処理を実行しない。これにより、所定のパラメータが基準範囲ではない場合における各種パラメータのみが演算結果用メモリ131に書き込まれることとなる。よって、異常な状況が発生した場合にはその履歴を演算結果用メモリ131に残すようにしながら、演算結果用メモリ131として必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
【0491】
ステップS2503にて肯定判定をした場合、又はステップS2504の処理を実行した場合、履歴用メモリ117のクリア処理を実行する(ステップS2505)。当該クリア処理では、履歴用メモリ117の履歴情報格納エリア125を全て「0」クリアするとともに、ポインタ用エリア126を「0」クリアする。これにより、履歴用エリア124が初期化された状態となる。ステップS2505の処理を実行した後、無限ループとなり、管理側CPU112への動作電力の供給が完全に停止されるまで待機する。
【0492】
以上詳述した本実施形態によれば、演算された各種パラメータの内容が基準範囲に含まれるか否かが判定され、基準範囲に含まれると判定された各種パラメータのみが演算結果用メモリ131に書き込まれる。これにより、演算結果用メモリ131への記憶対象となる各種パラメータの量を抑えることが可能となり、演算結果用メモリ131において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
【0493】
<第5の実施形態>
本実施形態では、管理側CPU112にて各種パラメータの演算を実行させる演算契機の内容が上記第3の実施形態と相違している。以下、上記第3の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第3の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0494】
図56(a)は主側CPU63にて実行される契機特定処理を示すフローチャートである。なお、契機特定処理は管理用出力処理(図24)においてステップS712にて肯定判定をした場合の処理として実行される。
【0495】
アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの遊技球の入球が発生したか否かを判定する(ステップS2601)。ステップS2601にて肯定判定をした場合、主側RAM65に設けられた入球カウンタの加算処理を実行する(ステップS2602)。当該加算処理では、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生した遊技球の個数を、今回の処理回の管理用出力処理(図24)においてステップS705が実行された回数に基づき特定する。そして、その特定した遊技球の個数を、入球カウンタに加算する。
【0496】
その後、入球カウンタの値が契機基準個数である「500」以上となっているか否かを判定する(ステップS2603)。「500」以上である場合(ステップS2603:YES)、主側RAM65の入球カウンタの減算処理を実行する(ステップS2604)。当該減算処理では、入球カウンタの値を「500」減算する。その後、演算指示信号の出力処理を実行する(ステップS2605)。当該出力処理では、管理側I/F111の入力ポート121における第15バッファ122oに入力される演算指示信号の出力状態が特定期間に亘ってHIレベルに維持されるようにする。この特定期間は演算指示信号の出力状態がHIレベルとなっていることを管理側CPU112にて認識するために十分な期間となっている。
【0497】
図56(b)は管理側CPU112にて実行される演算処理を示すフローチャートである。なお、演算処理は上記第3の実施形態における停電対応処理の代わりに実行される処理である。したがって、演算処理は管理処理(図22)における外部出力用処理の後に実行される構成であり、管理処理では主側CPU63から識別終了コマンドを受信した後は(ステップS606:YES)、ステップS607の履歴設定処理、ステップS608の外部出力用処理、及び演算処理をこの順序で繰り返し実行する。
【0498】
主側CPU63から受信している演算指示信号の出力状態がHIレベルとなった場合(ステップS2701:YES)、各種演算処理を実行する(ステップS2702)。各種演算処理では、上記第3の実施形態における停電対応処理(図53)のステップS2302~ステップS2318と同一の処理を実行する。
【0499】
以上詳述した本実施形態によれば、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が契機基準個数以上となる度に、管理側CPU112にて各種パラメータが演算される。この場合、主側CPU63に動作電力が供給されている状況において繰り返し発生する演算契機が発生する度に各種パラメータが演算されるため、一営業日の範囲内において遊技領域PAにおける遊技球の入球態様を細かく管理することが可能となる。
【0500】
また、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が契機基準個数以上となったか否かに基づいて各種パラメータが演算される構成であるため、遊技が実行されていることを条件に各種パラメータが演算される。これにより、遊技が継続して実行されていない状況において無意味に各種パラメータの演算が行われてしまわないようにすることが可能となる。
【0501】
<第6の実施形態>
本実施形態では、管理側CPU112にて各種パラメータの演算を実行させる演算契機の内容が上記第5の実施形態と相違している。以下、上記第5の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第5の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0502】
図57は主側CPU63にて実行される契機特定処理を示すフローチャートである。なお、契機特定処理は管理用出力処理(図24)においてステップS712にて肯定判定をした場合の処理として実行される。
【0503】
アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの遊技球の入球が発生したか否かを判定する(ステップS2801)。ステップS2801にて否定判定をした場合、主側RAM65に設けられた継続カウンタの値を1加算する(ステップS2802)。継続カウンタは、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれにも遊技球が入球しない状態が継続している期間を主側CPU63にて特定するためのカウンタである。
【0504】
1加算後の継続カウンタの値が停止基準値以上である場合(ステップS2803:YES)、主側RAM65に設けられた時間計測フラグを「0」クリアする(ステップS2804)。アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれにも遊技球が入球しない状態が5秒継続した場合にステップS2803にて肯定判定をするように停止基準値が設定されている。また、時間計測フラグは、演算指示信号の出力状態をHIレベルに切り換えるタイミングを特定するための時間の計測を行うべきか否かを主側CPU63にて特定するためのフラグであり、時間計測フラグの値が「0」である場合には当該時間の計測を行わず、時間計測フラグの値が「1」である場合に当該時間の計測を行う。ステップS2801にて肯定判定をした場合には、時間計測フラグに「1」をセットする(ステップS2805)。
【0505】
ステップS2803にて否定判定をした場合、ステップS2804の処理を実行した場合、又はステップS2805の処理を実行した場合、主側RAM65の時間計測フラグに「1」がセットされていることを条件として(ステップS2806:YES)、主側RAM65に設けられた計測カウンタの値を1加算する(ステップS2807)。計測カウンタは、演算指示信号の出力状態をHIレベルに切り換えるタイミングを特定するための時間を計測するために利用されるカウンタである。
【0506】
1加算後の計測カウンタの値が指示基準値以上であるか否かを判定する(ステップS2808)。計測カウンタにおいて計測された時間が10時間となった場合にステップS2808にて肯定判定をするように指示基準値が設定されている。ステップS2808にて肯定判定をした場合、当該計測カウンタの値を「0」クリアするとともに(ステップS2809)、演算指示信号の出力処理を実行する(ステップS2810)。当該出力処理では、管理側I/F111の入力ポート121における第15バッファ122oに入力される演算指示信号の出力状態が特定期間に亘ってHIレベルに維持されるようにする。この特定期間は演算指示信号の出力状態がHIレベルとなっていることを管理側CPU112にて認識するために十分な期間となっている。
【0507】
以上詳述した本実施形態によれば、所定期間が経過する度に各種パラメータが演算される構成であるため、所定期間を調整するだけで各種パラメータの演算頻度を簡単に調整することが可能となる。この場合に、遊技が実行されていない状況においては所定期間の計測が停止され、遊技回が開始された場合に所定期間の計測が停止前の状態から再開される。これにより、遊技が実行されていない状況を各種パラメータの演算対象から除外することが可能となり、遊技が実行されている状況における各種パラメータを適切に導き出すことが可能となる。
【0508】
なお、所定期間が経過したか否かが計測カウンタを利用して計測される構成に代えて、RTC115を利用して計測される構成としてもよい。
【0509】
<第7の実施形態>
本実施形態では、管理側CPU112にて各種パラメータの演算を実行させる演算契機の内容が上記第1の実施形態と相違しているとともに、演算契機の発生の有無が主側CPU63にて特定されるのではなく管理側CPU112にて独自に行われる。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0510】
図58は管理側CPU112にて実行される演算処理を示すフローチャートである。なお、演算処理は履歴設定処理(図25)においてステップS812にて肯定判定をした場合に実行される。
【0511】
今回の処理回の履歴設定処理においてアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの遊技球の入球が発生したことに対応する履歴情報を履歴用メモリ117に格納したか否かを判定する(ステップS2901)。ステップS2901にて肯定判定をした場合、管理側RAM114に設けられた入球カウンタの加算処理を実行する(ステップS2902)。当該加算処理では、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生した遊技球の個数を、今回の処理回の履歴設定処理において遊技球の入球の発生に対応する履歴情報を格納した回数に基づき特定する。そして、その特定した遊技球の個数を入球カウンタに加算する。
【0512】
その後、入球カウンタの値が契機基準個数である「500」以上となっているか否かを判定する(ステップS2903)。「500」以上である場合(ステップS2903:YES)、主側RAM65の入球カウンタの減算処理を実行する(ステップS2904)。当該減算処理では、入球カウンタの値を「500」減算する。その後、各種演算処理を実行する(ステップS2905)。各種演算処理では、上記第3の実施形態における停電対応処理(図53)のステップS2302~ステップS2318と同一の処理を実行する。
【0513】
以上詳述した本実施形態によれば、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が契機基準個数以上となる度に、管理側CPU112にて各種パラメータが演算される。この場合、主側CPU63に動作電力が供給されている状況において繰り返し発生する演算契機が発生する度に各種パラメータが演算されるため、一営業日の範囲内において遊技領域PAにおける遊技球の入球態様を細かく管理することが可能となる。
【0514】
また、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が契機基準個数以上となったか否かに基づいて各種パラメータが演算される構成であるため、遊技が実行されていることを条件に各種パラメータが演算される。これにより、遊技が継続して実行されていない状況において無意味に各種パラメータの演算が行われてしまわないようにすることが可能となる。
【0515】
また、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が管理側CPU112にて計測され、当該合計個数が契機基準個数以上となったか否かの判定が管理側CPU112にて行われる。つまり、各種パラメータの演算契機が管理側CPU112にて独自に判断される。これにより、各種パラメータの演算契機を判断するための処理を主側CPU63にて実行する必要がないため、主側CPU63の処理負荷を軽減することが可能となる。
【0516】
<第8の実施形態>
本実施形態では管理側CPU112にて実行される履歴設定処理の処理構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0517】
本実施形態では上記第3の実施形態と同様に管理用IC66に演算結果用メモリ131が設けられている(図50参照)。管理側CPU112は演算契機が発生した場合、履歴用メモリ117に格納されている履歴情報を利用して各種パラメータを演算し、その演算結果の各種パラメータを演算結果用メモリ131に書き込む。また、本実施形態では開閉実行モードが開始されたことを示す信号と、開閉実行モードが終了したことを示す信号と、高確率モードが開始されたことを示す信号と、高確率モードが終了したことを示す信号と、前扉枠14の開放が開始されたことを示す信号と、前扉枠14の開放が終了したことを示す信号と、がそれぞれ個別に主側CPU63から管理用IC66に送信される。
【0518】
図59は管理側CPU112にて実行される本実施形態における履歴設定処理を示すフローチャートである。
【0519】
まず管理側RAM114の確認対象カウンタに、第1~第15バッファ122a~122oのうち管理側CPU112において確認対象となるバッファの数をセットする(ステップS3001)。具体的には、対応関係用メモリ116における第1~第15対応関係エリア123a~123oのうちブランクであることを示す情報以外の情報が格納されている対応関係エリアの数を特定し、その特定した数の情報を確認対象カウンタにセットする。本実施形態では第1~第7対応関係エリア123a~123gにいずれかの入球部に対応していることを示す情報が格納されており、第8対応関係エリア123hに開閉実行モードの開始に対応する情報が格納されており、第9対応関係エリア123iに開閉実行モードの終了に対応する情報が格納されており、第10対応関係エリア123jに高確率モードの開始に対応する情報が格納されており、第11対応関係エリア123kに高確率モードの終了に対応する情報が格納されており、第12対応関係エリア123lに前扉枠14の開放開始に対応する情報が格納されており、第13対応関係エリア123mに前扉枠14の開放終了に対応する情報が格納されている。したがって、ステップS3001では確認対象カウンタに「13」をセットする。
【0520】
その後、第1~第15バッファ122a~122oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するバッファに格納されている数値情報が、「0」から「1」に変更されたか否かを確認することで、当該バッファへの主側CPU63からの入力信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられたか否かを判定する(ステップS3002)。なお、確認対象カウンタの値が「n」である場合には第nバッファ122a~122oが数値情報の確認対象となる。例えば、確認対象カウンタの値が「10」であれば第10バッファ122jが数値情報の確認対象となり、確認対象カウンタの値が「5」であれば第5バッファ122eが数値情報の確認対象となる。
【0521】
ステップS3002にて肯定判定をした場合には、RTC115から年月日情報及び時刻情報であるRTC情報を読み出す(ステップS3003)。そして、履歴用メモリ117への書き込み処理を実行する(ステップS3004)。当該書き込み処理では、履歴用メモリ117のポインタ用エリア126を参照することで現状の書き込み対象となっている履歴用エリア124のポインタ情報を特定し、その書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴用エリア124の履歴情報格納エリア125に、ステップS3003にて読み出したRTC情報を書き込む。また、現状の確認対象カウンタの値に対応する対応関係エリア123a~123oから対応関係情報を読み出し、その対応関係情報を上記書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に書き込む。なお、確認対象カウンタの値が「n」である場合には第n対応関係エリア123a~123oが対応関係情報の読み出し対象となる。例えば、確認対象カウンタの値が「10」であれば第10対応関係エリア123jが対応関係情報の読み出し対象となり、確認対象カウンタの値が「5」であれば第5対応関係エリア123eが対応関係情報の読み出し対象となる。
【0522】
その後、対象ポインタの値を1加算する(ステップS3005)。具体的には、履歴用メモリ117のポインタ用エリア126に格納されている数値情報を読み出し、その数値情報を1加算する。そして、その1加算後におけるポインタ情報が、履歴用エリア124におけるポインタ情報の最大値を超えたか否かを判定する(ステップS3006)。
【0523】
最大値を超えている場合(ステップS3006:YES)、各種演算処理を実行する(ステップS3007)。各種演算処理では、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図28)のステップS1002~ステップS1009、ステップS1011~ステップS1013及びステップS1015~ステップS1017と同一の処理を実行する。そして、その演算結果の各種パラメータ及び合計時間の情報を演算結果用メモリ131に書き込む(ステップS3008)。この場合、演算結果用メモリ131に既に他の演算結果の情報が記憶されている場合には、その既に記憶されている演算結果の情報を上書きしてしまわないように演算結果の情報の書き込みを行う。また、RTC115から現状の年月日情報及び時刻情報を読み出し、その読み出した年月日情報と時刻情報とを今回書き込みを行った演算結果の情報に付随させる。これにより、今回書き込みを行った演算結果の情報が、いつのタイミングに対応したものであるかを特定することが可能となる。
【0524】
その後、状態情報の引き継ぎ処理を実行する(ステップS3009)。当該引き継ぎ処理では、履歴用メモリ117に格納されている履歴情報に基づき、現状が開閉実行モード中であるか否か、高確率モード中であるか否か、及び前扉枠14が開放中であるか否かを判定する。そして、それらの状態情報を管理側RAM114に書き込む。
【0525】
その後、履歴用メモリ117のクリア処理を実行する(ステップS3010)。当該クリア処理では、履歴用メモリ117の履歴情報格納エリア125を全て「0」クリアするとともに、ポインタ用エリア126を「0」クリアする。これにより、履歴用エリア124が初期化された状態となる。また、当該クリア処理を実行した後に、ステップS3009にて管理側RAM114に書き込んだ状態情報を読み出す。そして、開閉実行モード中であることを示す状態情報が記憶されている場合には開閉実行モード中であることを示す履歴情報を書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に書き込むとともに、書き込み対象となるポインタ情報を1加算する。また、高確率モード中であることを示す状態情報が記憶されている場合には高確率モード中であることを示す履歴情報を書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に書き込むとともに、書き込み対象となるポインタ情報を1加算する。また、前扉枠14が開放中であることを示す状態情報が格納されている場合には前扉枠14が開放中であることを示す履歴情報を書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に書き込むとともに、書き込み対象となるポインタ情報を1加算する。
【0526】
ステップS3002にて否定判定をした場合、ステップS3006にて否定判定をした場合、又はステップS3010の処理を実行した場合、管理側RAM114の確認対象カウンタの値を1減算する(ステップS3011)。そして、その1減算後における確認対象カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS3012)。確認対象カウンタの値が1以上である場合には(ステップS3012:NO)、新たな確認対象カウンタの値に対応する確認対象について、ステップS3002以降の処理を実行する。
【0527】
以上詳述した本実施形態によれば、履歴用メモリ117に記憶されている履歴情報が当該履歴用メモリ117に記憶可能な上限数を超える場合に各種パラメータが演算される。これにより、履歴用メモリ117に記憶可能な上限数を超えて履歴情報が記憶対象となってしまい各種パラメータの演算を正確に行えなくなってしまうという事態の発生を阻止することが可能となる。
【0528】
また、各種パラメータが演算された場合に履歴用メモリ117が初期化されて履歴情報が全て消去される。これにより、既に各種パラメータの演算対象となった履歴情報が、再度、各種パラメータの演算対象となってしまわないようにすることが可能となる。
【0529】
また、履歴用メモリ117が初期化された場合であっても状態情報の引き継ぎ処理が実行される。これにより、状態情報の管理を適切に行うことが可能となる。
【0530】
<第9の実施形態>
本実施形態では、履歴用メモリ117の構成及び管理側CPU112にて実行される履歴設定処理の処理構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0531】
図60は本実施形態における履歴用メモリ117の構成を説明するための説明図である。履歴用メモリ117には、合計用エリア141と、第1状態用エリア142と、第2状態用エリア143と、第3状態用エリア144と、が設けられている。これら各エリア141~144のそれぞれには、第1~第15カウンタ141a~141o,142a~142o,143a~143o,144a~144oが設けられている。各エリア141~144の第1カウンタ141a~144aには第1バッファ122aに入力される第1信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141~144の第2カウンタ141b~144bには第2バッファ122bに入力される第2信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141~144の第3カウンタ141c~144cには第3バッファ122cに入力される第3信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141~144の第4カウンタ141d~144dには第4バッファ122dに入力される第4信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141~144の第5カウンタ141e~144eには第5バッファ122eに入力される第5信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141~144の第6カウンタ141f~144fには第6バッファ122fに入力される第6信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141~144の第7カウンタ141g~144gには第7バッファ122gに入力される第7信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141~144の第8カウンタ141h~144hには第8バッファ122hに入力される第8信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141~144の第9カウンタ141i~144iには第9バッファ122iに入力される第9信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141~144の第10カウンタ141j~144jには第10バッファ122jに入力される第10信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141~144の第11カウンタ141k~144kには第11バッファ122kに入力される第11信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141~144の第12カウンタ141l~144lには第12バッファ122lに入力される第12信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141~144の第13カウンタ141m~144mには第13バッファ122mに入力される第13信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141~144の第14カウンタ141n~144nには第14バッファ122nに入力される第14信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア141~144の第15カウンタ141o~144oには第15バッファ122oに入力される第15信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。
【0532】
但し、第1~第15カウンタ141a~141o,142a~142o,143a~143o,144a~144oを用いた計測対象となるのは、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球結果に対応する信号が入力される第1~第7バッファ122a~122gである。したがって、開閉実行モード中であるか否か、高確率モード中であるか否か、前扉枠14が開放中であるか否かといった状態情報に対応する信号が入力される第8~第10バッファ122h~122jは、上記計測対象からは除外される。これら計測対象であるか否かの区別は対応関係用メモリ116の対応関係エリア123a~123oに記憶された対応関係情報に基づいて行われる。
【0533】
図61は管理側CPU112にて実行される本実施形態における履歴設定処理を示すフローチャートである。
【0534】
まず管理側RAM114の確認対象カウンタに、第1~第15バッファ122a~122oのうち管理側CPU112において確認対象となるバッファの数をセットする(ステップS3101)。具体的には、対応関係用メモリ116における第1~第15対応関係エリア123a~123oのうちブランクであることを示す情報以外の情報が格納されている対応関係エリアの数を特定し、その特定した数の情報を確認対象カウンタにセットする。本パチンコ機10では既に説明したとおり第1~第10対応関係エリア123a~123jにブランクであることを示す情報以外の情報が格納されているため、ステップS3101では確認対象カウンタに「10」をセットする。
【0535】
その後、現状の確認対象カウンタに対応するバッファ122a~122oが状態情報の信号が入力されるバッファであるか否かを判定する(ステップS3102)。具体的には、現状の確認対象カウンタの値に対応する対応関係エリア123a~123oに、対応関係情報として、開閉実行モードであることを示す情報、高確率モードであることを示す情報及び前扉枠14であることを示す情報のいずれかが格納されているか否かを判定する。
【0536】
ステップS3102にて肯定判定をした場合、状態情報の設定処理を実行する(ステップS3103)。当該設定処理では、開閉実行モード中か否かを示す第8信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換わった場合には開閉実行モード中であることを示す第1状態の情報を管理側RAM114に記憶し、当該第8信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに切り換わった場合には第1状態の情報を管理側RAM114から消去する。また、高確率モード中か否かを示す第9信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換わった場合には高確率モード中であることを示す第2状態の情報を管理側RAM114に記憶し、当該第9信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに切り換わった場合には第2状態の情報を管理側RAM114から消去する。また、前扉枠14が開放中か否かを示す第10信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換わった場合には前扉枠14が開放中であることを示す第3状態の情報を管理側RAM114に記憶し、当該第10信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに切り換わった場合には第3状態の情報を管理側RAM114から消去する。
【0537】
ステップS3102にて否定判定をした場合、第1~第15バッファ122a~122oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するバッファであって状態情報とは異なる情報の信号が入力されるバッファに格納されている数値情報が、「0」から「1」に変更されたか否かを確認することで、当該バッファへの主側CPU63からの入力信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられたか否かを判定する(ステップS3104)。ステップS3104にて肯定判定をした場合、対応する合計用のカウンタの加算処理を実行する(ステップS3105)。当該加算処理では、履歴用メモリ117の合計用エリア141における合計用の第1~第15カウンタ141a~141oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するカウンタの値を1加算する。例えば、確認対象カウンタの値が「5」であれば合計用の第5カウンタ141eが加算対象となり、確認対象カウンタの値が「1」であれば合計用の第1カウンタ141aが加算対象となる。
【0538】
その後、管理側RAM114の状態情報を参照することで第1状態であるか否か、すなわち開閉実行モード中であるか否かを判定する(ステップS3106)。第1状態である場合には(ステップS3106:YES)、対応する第1状態用のカウンタの加算処理を実行する(ステップS3107)。当該加算処理では、履歴用メモリ117の第1状態用エリア142における第1状態用の第1~第15カウンタ142a~142oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するカウンタの値を1加算する。例えば、確認対象カウンタの値が「5」であれば第1状態用の第5カウンタ142eが加算対象となり、確認対象カウンタの値が「1」であれば第1状態用の第1カウンタ142aが加算対象となる。
【0539】
その後、管理側RAM114の状態情報を参照することで第2状態であるか否か、すなわち高確率モード中であるか否かを判定する(ステップS3108)。第2状態である場合には(ステップS3108:YES)、対応する第2状態用のカウンタの加算処理を実行する(ステップS3109)。当該加算処理では、履歴用メモリ117の第2状態用エリア143における第2状態用の第1~第15カウンタ143a~143oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するカウンタの値を1加算する。例えば、確認対象カウンタの値が「5」であれば第2状態用の第5カウンタ143eが加算対象となり、確認対象カウンタの値が「1」であれば第2状態用の第1カウンタ143aが加算対象となる。
【0540】
その後、管理側RAM114の状態情報を参照することで第3状態であるか否か、すなわち前扉枠14が開放中であるか否かを判定する(ステップS3110)。第3状態である場合には(ステップS3110:YES)、対応する第3状態用のカウンタの加算処理を実行する(ステップS3111)。当該加算処理では、履歴用メモリ117の第3状態用エリア144における第3状態用の第1~第15カウンタ144a~144oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するカウンタの値を1加算する。例えば、確認対象カウンタの値が「5」であれば第3状態用の第5カウンタ144eが加算対象となり、確認対象カウンタの値が「1」であれば第3状態用の第1カウンタ144aが加算対象となる。
【0541】
ステップS3103の処理を実行した場合、ステップS3104にて否定判定をした場合、ステップS3110にて否定判定をした場合、又はステップS3111の処理を実行した場合、管理側RAM114の確認対象カウンタの値を1減算する(ステップS3112)。そして、その1減算後における確認対象カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS3113)。確認対象カウンタの値が1以上である場合には(ステップS3113:NO)、新たな確認対象カウンタの値に対応する確認対象について、ステップS3102以降の処理を実行する。
【0542】
上記のように履歴設定処理が実行されることにより、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への遊技球の入球履歴が、上記第1の実施形態のような履歴情報として記憶されるのではなく、各入球検知センサ42a~48aにて遊技球が検知された回数情報として記憶される。これにより、各履歴情報を個別に記憶していく構成に比べて、履歴用メモリ117において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
【0543】
このように各入球検知センサ42a~48aにて遊技球が検知された回数情報として記憶される構成であることにより、本実施形態における外部出力用処理(図28)ではステップS1002といったアウト口24aへの遊技球の入球個数を演算する処理、ステップS1004といった特電入賞装置32への遊技球の入球個数を演算する処理、ステップS1005といった第1作動口33への遊技球の入球個数を演算する処理、及びステップS1006といった第2作動口34への遊技球の入球個数を演算する処理が不要となる。これにより、各種パラメータを演算するための処理負荷を軽減することが可能となる。
【0544】
なお、ステップS1003といった一般入賞口31への遊技球の入球個数を演算する処理では、第1~第3カウンタ141a~141c,142a~142c,143a~143c,144a~144cがいずれも一般入賞口31に対応しているため、第1~第3カウンタ141a~141c,142a~142c,143a~143c,144a~144cの値を合計する処理を実行する必要がある。また、開閉実行モード中であって前扉枠14が開放中である状況において発生した入球個数を他の状況において発生した入球個数と区別することができない。したがって、本実施形態における外部出力用処理(図28)ではステップS1012の処理は実行されない。同様に、高確率モード中であって前扉枠14が開放中である状況において発生した入球個数を他の状況において発生した入球個数と区別することができない。したがって、本実施形態における外部出力用処理(図28)ではステップS1016の処理は実行されない。
【0545】
<第10の実施形態>
本実施形態では、履歴情報が格納される記憶手段が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0546】
図62は本実施形態におけるMPU62の電気的構成を説明するためのブロック図である。MPU62には上記第1の実施形態と同様に主側CPU63、主側ROM64、主側RAM65、管理用IC66、I/F101及び読み取り用端子102が設けられている。また、管理用IC66には上記第1の実施形態と同様に管理側I/F111、管理側CPU112、管理側ROM113及び管理側RAM114が設けられている。
【0547】
一方、本実施形態では管理用IC66には上記第1の実施形態と異なり、RTC115、対応関係用メモリ116及び履歴用メモリ117が設けられていない。その代わりに、管理用IC66には上記第3の実施形態と同様に演算結果用メモリ131が設けられている。管理用IC66にRTC115、対応関係用メモリ116及び履歴用メモリ117が設けられていないため、本実施形態では履歴情報が管理用IC66にて記憶されない。本実施形態ではアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への入球履歴は主側RAM65にて記憶される。つまり、主側CPU63においてプログラムを実行する場合に必要な情報が一時的に記憶されることとなる主側RAM65が、入球履歴を記憶するためのメモリとして兼用される。そして、管理用IC66は管理側I/F111を通じて主側RAM65にアクセス可能となっており、各種パラメータの演算契機が発生した場合には主側RAM65にアクセスして入球履歴を読み出し、その読み出した入球履歴を利用して各種パラメータを演算する。その演算された各種パラメータは演算結果用メモリ131に格納される。読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続された場合、演算結果用メモリ131から各種パラメータが読み取り装置に提供される一方、主側RAM65に記憶されている入球履歴は読み取り装置に提供されない。
【0548】
図63は主側CPU63にて実行される本実施形態における入球検知処理を示すフローチャートである。なお、入球検知処理はタイマ割込み処理(図12)のステップS209にて実行される。
【0549】
第0ビットD0に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第1入賞口検知センサ42aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS3201:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた一般入賞カウンタの値を1加算する(ステップS3202)。一般入賞カウンタは、一般入賞口31への入球個数を入球履歴として記憶するためのカウンタである。一般入賞カウンタの値は、読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続され、当該読み取り装置にて演算結果用メモリ131からの各種パラメータの読み取りが行われた場合に「0」クリアされる。ちなみに、主側RAM65にはMPU62への動作電力の供給が停止されている状況であってもバックアップ電力が供給されるため、パチンコ機10が電源遮断状態となったとしても一般入賞カウンタの値は記憶保持される。その後、主側RAM65の10個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS3203)。
【0550】
第1ビットD1に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第2入賞口検知センサ43aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS3204:YES)。この場合、主側RAM65の一般入賞カウンタの値を1加算する(ステップS3205)。その後、主側RAM65の10個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS3206)。
【0551】
第2ビットD2に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第3入賞口検知センサ44aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS3207:YES)。この場合、主側RAM65の一般入賞カウンタの値を1加算する(ステップS3208)。その後、主側RAM65の10個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS3209)。
【0552】
第3ビットD3に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、特電検知センサ45aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS3210:YES)。この場合、主側RAM65の特電入賞フラグに「1」をセットする(ステップS3211)。また、主側RAM65に設けられた特電入賞カウンタの値を1加算する(ステップS3212)。特電入賞カウンタは、特電入賞装置32への入球個数を入球履歴として記憶するためのカウンタである。特電入賞カウンタの値は、読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続され、当該読み取り装置にて演算結果用メモリ131からの各種パラメータの読み取りが行われた場合に「0」クリアされる。ちなみに、主側RAM65にはMPU62への動作電力の供給が停止されている状況であってもバックアップ電力が供給されるため、パチンコ機10が電源遮断状態となったとしても特電入賞カウンタの値は記憶保持される。その後、主側RAM65の15個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS3213)。
【0553】
第4ビットD4に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第1作動口検知センサ46aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS3214:YES)。この場合、主側RAM65の第1作動入賞フラグに「1」をセットする(ステップS3215)。また、主側RAM65に設けられた第1作動カウンタの値を1加算する(ステップS3216)。第1作動カウンタは、第1作動口33への入球個数を入球履歴として記憶するためのカウンタである。第1作動カウンタの値は、読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続され、当該読み取り装置にて演算結果用メモリ131からの各種パラメータの読み取りが行われた場合に「0」クリアされる。ちなみに、主側RAM65にはMPU62への動作電力の供給が停止されている状況であってもバックアップ電力が供給されるため、パチンコ機10が電源遮断状態となったとしても第1作動カウンタの値は記憶保持される。その後、主側RAM65の1個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS3217)。
【0554】
第5ビットD5に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第2作動口検知センサ47aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS3218:YES)。この場合、主側RAM65の第2作動入賞フラグに「1」をセットする(ステップS3219)。また、主側RAM65に設けられた第2作動カウンタの値を1加算する(ステップS3220)。第2作動カウンタは、第2作動口34への入球個数を入球履歴として記憶するためのカウンタである。第2作動カウンタの値は、読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続され、当該読み取り装置にて演算結果用メモリ131からの各種パラメータの読み取りが行われた場合に「0」クリアされる。ちなみに、主側RAM65にはMPU62への動作電力の供給が停止されている状況であってもバックアップ電力が供給されるため、パチンコ機10が電源遮断状態となったとしても第2作動カウンタの値は記憶保持される。その後、主側RAM65の1個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS3221)。
【0555】
第6ビットD6に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、アウト口検知センサ48aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS3222:YES)。この場合、主側RAM65に設けられたアウトカウンタの値を1加算する(ステップS3223)。アウトカウンタは、アウト口24aへの入球個数を入球履歴として記憶するためのカウンタである。アウトカウンタの値は、読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続され、当該読み取り装置にて演算結果用メモリ131からの各種パラメータの読み取りが行われた場合に「0」クリアされる。ちなみに、主側RAM65にはMPU62への動作電力の供給が停止されている状況であってもバックアップ電力が供給されるため、パチンコ機10が電源遮断状態となったとしてもアウトカウンタの値は記憶保持される。
【0556】
第7ビットD7に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、ゲート検知センサ49aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS3224:YES)。この場合、主側RAM65のゲート入賞フラグに「1」をセットする(ステップS3225)。
【0557】
上記のように入球検知処理が実行されることにより、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への入球履歴は各入球部への入球個数として主側RAM65に記憶される。これにより、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生する度に、主側CPU63から管理側CPU112に信号出力を行う必要がない。よって、主側CPU63から管理側CPU112に信号を出力するための構成を簡素化させることが可能となる。
【0558】
本実施形態では演算契機が発生した場合、管理側CPU112は、主側RAM65の一般入賞カウンタから一般入賞口31への入球個数を読み出し、主側RAM65の特電入賞カウンタから特電入賞装置32への入球個数を読み出し、主側RAM65の第1作動カウンタから第1作動口33への入球個数を読み出し、主側RAM65の第2作動カウンタから第2作動口34への入球個数を読み出し、主側RAM65のアウトカウンタからアウト口24aへの入球個数を読み出す。そして、それら読み出した各入球個数を利用して上記第1の実施形態にて説明した第1パラメータ~第8パラメータを演算する。但し、前扉枠14が開放中である場合における各入球個数と前扉枠14が閉鎖状態である場合における各入球個数とを区別した状態での各入球個数の計測は行われないため、前扉枠14が開放中である場合に発生した入球個数も含んだ状態で第1パラメータ~第8パラメータを演算する。また、開閉実行モード中における各入球個数及び高確率モード中における各入球個数も個別に計測されないため、上記第1の実施形態にて説明した第1パラメータ~第18パラメータ及び第21パラメータ~第26パラメータは演算されない。演算された第1パラメータ~第8パラメータは演算結果用メモリ131に書き込まれる。そして、読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続された場合に演算結果用メモリ131にその時点で書き込まれている全てのパラメータが読み取り装置に提供される。この際に演算結果用メモリ131は「0」クリアされる。
【0559】
なお、管理用IC66が主側RAM65に独自にアクセスするのではなく、主側RAM65に入球履歴として記憶されている各入球個数の情報が主側CPU63による転送制御により管理用IC66に送信される構成としてもよい。この場合、主側RAM65に主側CPU63と管理側CPU112とが同時にアクセスする事象を確実に阻止することが可能となる。
【0560】
<第11の実施形態>
本実施形態では主制御基板61の構成、主側CPU63から管理側CPU112に出力される信号の種類、及び各入球部への入球履歴の記憶の仕方が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0561】
図64は本実施形態における主制御基板61の電気的構成を説明するためのブロック図である。主制御基板61には上記第1の実施形態と同様にMPU62が搭載されている。MPU62には上記第1の実施形態と同様に主側CPU63、主側ROM64、主側RAM65、管理用IC66、I/F101及び読み取り用端子102が設けられている。また、管理用IC66には上記第1の実施形態と同様に管理側I/F111、管理側CPU112、管理側ROM113、管理側RAM114、対応関係用メモリ116及び履歴用メモリ117が設けられている。
【0562】
一方、本実施形態では管理用IC66には上記第1の実施形態と異なり、RTC115が設けられていない。また。主制御基板61にはMPU62以外にも報知用発光部151が設けられている。報知用発光部151は主側CPU63により直接的に発光制御される。主側CPU63は管理用IC66の履歴用メモリ117にアクセス可能となっており、履歴用メモリ117から読み出した各入球部への入球履歴の情報を利用して各種パラメータを演算する。そして、その演算した各種パラメータの内容に応じて報知用発光部151の発光状態を制御する。報知用発光部151は主制御装置60の基板ボックス60aの収容空間に収容されているが、基板ボックス60aが透明に形成されているとともに、報知用発光部151の発光状態を基板ボックス60aの外部から目視確認をすることが可能となるように報知用発光部151が設けられている。これにより、遊技機本体12を外枠11に対して開放させて主制御装置60を目視確認することが可能な状態とすることで、基板ボックス60aの開放作業を要することなく報知用発光部151の発光状態を目視確認することが可能となる。
【0563】
図65は本実施形態における管理側I/F111の入力ポート121の構成を説明するための説明図である。
【0564】
第1~第7バッファ122a~122g及び第16バッファ122pには上記第1の実施形態と同一の種類の信号が入力される。詳細には第1バッファ122aには第1入賞口検知センサ42aの検知結果に対応する第1信号が入力され、第2バッファ122bには第2入賞口検知センサ43aの検知結果に対応する第2信号が入力され、第3バッファ122cには第3入賞口検知センサ44aの検知結果に対応する第3信号が入力され、第4バッファ122dには特電検知センサ45aの検知結果に対応する第4信号が入力され、第5バッファ122eには第1作動口検知センサ46aの検知結果に対応する第5信号が入力され、第6バッファ122fには第2作動口検知センサ47aの検知結果に対応する第6信号が入力され、第7バッファ122gにはアウト口検知センサ48aの検知結果に対応する第7信号が入力され、第16バッファ122pには出力指示信号が入力される。
【0565】
一方、上記第1の実施形態では開閉実行モードに対応する信号が第8信号として第8バッファ122hに入力され、高確率モードに対応する信号が第9信号として第9バッファ122iに入力され、前扉枠14に対応する信号が第10信号として第10バッファ122jに入力される構成としたが、本実施形態ではこれら開閉実行モードに対応する信号、高確率モードに対応する信号、及び前扉枠14に対応する信号は入力ポート121に入力されない。つまり、第8~第15バッファ122h~122oには入球履歴に関する信号は入力されない。
【0566】
第1~第15バッファ122a~122oにどのような種類の信号が入力されるのかは管理用IC66の設計段階において決定されておらず、これら信号の種類は主側CPU63からの指示を受けることで管理側CPU112にて特定される。この信号の種類を特定するための処理は、上記第1の実施形態と同様に、主側CPU63及び管理側CPU112に動作電力の供給が開始された場合に実行される。一方、第16バッファ122pに出力指示信号が入力されることは管理用IC66の設計段階において決定されており、主側CPU63からの指示を受けることなく、管理側CPU112は当該第16バッファ122pに出力指示信号が入力されることを特定可能となっている。
【0567】
図66は本実施形態における履歴用メモリ117の構成を説明するための説明図である。履歴用メモリ117には、第1~第15バッファ用カウンタ152a~152oが設けられている。第1バッファ用カウンタ152aには第1バッファ122aに入力される第1信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第2バッファ用カウンタ152bには第2バッファ122bに入力される第2信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第3バッファ用カウンタ152cには第3バッファ122cに入力される第3信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第4バッファ用カウンタ152dには第4バッファ122dに入力される第4信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第5バッファ用カウンタ152eには第5バッファ122eに入力される第5信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第6バッファ用カウンタ152fには第6バッファ122fに入力される第6信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第7バッファ用カウンタ152gには第7バッファ122gに入力される第7信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第8バッファ用カウンタ152hには第8バッファ122hに入力される第8信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第9バッファ用カウンタ152iには第9バッファ122iに入力される第9信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第10バッファ用カウンタ152jには第10バッファ122jに入力される第10信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第11バッファ用カウンタ152kには第11バッファ122kに入力される第11信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第12バッファ用カウンタ152lには第12バッファ122lに入力される第12信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第13バッファ用カウンタ152mには第13バッファ122mに入力される第13信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第14バッファ用カウンタ152nには第14バッファ122nに入力される第14信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第15バッファ用カウンタ152oには第15バッファ122oに入力される第15信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。
【0568】
但し、第1~第15バッファ用カウンタ152a~152oを用いた計測対象となるのは、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球結果に対応する信号が入力される第1~第7バッファ122a~122gである。したがって、第8~第15バッファ122h~122oは、上記計測対象からは除外される。これら計測対象であるか否かの区別は対応関係用メモリ116の対応関係エリア123a~123oに記憶された対応関係情報に基づいて行われる。
【0569】
図67は管理側CPU112にて実行される履歴設定処理を示すフローチャートである。なお、履歴設定処理は、管理処理(図22)のステップS607にて実行される。
【0570】
まず管理側RAM114の確認対象カウンタに、第1~第15バッファ122a~122oのうち管理側CPU112において確認対象となるバッファの数をセットする(ステップS3301)。具体的には、対応関係用メモリ116における第1~第15対応関係エリア123a~123oのうちブランクであることを示す情報以外の情報が格納されている対応関係エリアの数を特定し、その特定した数の情報を確認対象カウンタにセットする。本パチンコ機10では既に説明したとおり第1~第7応関係エリア123a~123jにブランクであることを示す情報以外の情報が格納されているため、ステップS3301では確認対象カウンタに「7」をセットする。
【0571】
その後、第1~第15バッファ122a~122oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するバッファに格納されている数値情報が、「0」から「1」に変更されたか否かを確認することで、当該バッファへの主側CPU63からの入力信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられたか否かを判定する(ステップS3302)。なお、確認対象カウンタの値が「n」である場合には第nバッファ122a~122oが数値情報の確認対象となる。例えば、確認対象カウンタの値が「5」であれば第5バッファ122eが数値情報の確認対象となり、確認対象カウンタの値が「1」であれば第1バッファ122aが数値情報の確認対象となる。
【0572】
ステップS3302にて肯定判定をした場合、対応するバッファ用カウンタ152a~152oの加算処理を実行する(ステップS3303)。当該加算処理では、履歴用メモリ117の第1~第15バッファ用カウンタ152a~152oのカウンタのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するカウンタの値を1加算する。例えば、確認対象カウンタの値が「5」であれば第5バッファ用カウンタ152eが加算対象となり、確認対象カウンタの値が「1」であれば第1バッファ用カウンタ152aが加算対象となる。
【0573】
ステップS3302にて否定判定をした場合、又はステップS3303の処理を実行した場合、管理側RAM114の確認対象カウンタの値を1減算する(ステップS3304)。そして、その1減算後における確認対象カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS3305)。確認対象カウンタの値が1以上である場合には(ステップS3305:NO)、新たな確認対象カウンタの値に対応する確認対象について、ステップS3302以降の処理を実行する。
【0574】
上記のように履歴設定処理が実行されることにより、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への遊技球の入球履歴が、上記第1の実施形態のような履歴情報として記憶されるのではなく、各入球検知センサ42a~48aにて遊技球が検知された回数情報として記憶される。これにより、各履歴情報を個別に記憶していく構成に比べて、履歴用メモリ117において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
【0575】
図68は管理側CPU112にて実行される本実施形態における外部出力用処理を示すフローチャートである。なお、外部出力用処理は、管理処理(図22)のステップS608にて実行される。
【0576】
主側CPU63から受信している出力指示信号の出力状態がHIレベルとなった場合(ステップS3401:YES)、管理側RAM114に設けられた出力対象カウンタに、第1~第15バッファ用カウンタ152a~152oのうち管理側CPU112において回数情報の出力対象となるカウンタの数をセットする(ステップS3402)。具体的には、対応関係用メモリ116における第1~第15対応関係エリア123a~123oのうちブランクであることを示す情報以外の情報が格納されている対応関係エリアの数を特定し、その特定した数の情報を確認対象カウンタにセットする。本実施形態では既に説明したとおり第1~第7対応関係エリア123a~123gにブランクであることを示す情報以外の情報が格納されているため、ステップS3402では出力対象カウンタに「7」をセットする。
【0577】
その後、対応関係用メモリ116における第1~第15対応関係エリア123a~123oのうち現状の出力対象カウンタの値に対応するエリアに格納されている対応関係情報を読み出すとともに(ステップS3403)、履歴用メモリ117における第1~第15バッファ用カウンタ152a~152oのうち現状の出力対象カウンタの値に対応するカウンタに格納されている回数情報を読み出す(ステップS3404)。この場合、出力対象カウンタの値が「n」である場合には、第n対応関係エリア123a~123oが対応関係情報の読み出し対象となるとともに、第nバッファ用カウンタ152a~152oが回数情報の読み出し対象となる。例えば、出力対象カウンタの値が「5」であれば第5対応関係エリア123eが対応関係情報の読み出し対象となるとともに第5バッファ用カウンタ152eが回数情報の読み出し対象となり、出力対象カウンタの値が「1」であれば第1対応関係エリア123aが対応関係情報の読み出し対象となるとともに第1バッファ用カウンタ152aが回数情報の読み出し対象となる。
【0578】
その後、情報出力処理を実行する(ステップS3405)。情報出力処理では、ステップS3403にて読み出した対応関係情報とステップS3404にて読み出した回数情報との組合せを読み取り用端子102に出力する。これにより、読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置において、今回の出力対象となっている対応関係情報についての回数情報が読み取られる。
【0579】
その後、管理側RAM114の出力対象カウンタの値を1減算する(ステップS3406)。そして、その1減算後における出力対象カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS3407)。出力対象カウンタの値が1以上である場合には(ステップS3407:NO)、新たな出力対象カウンタの値に対応する出力対象について、ステップS3403以降の処理を実行する。なお、ステップS3407にて肯定判定をした場合に第1~第15バッファ用カウンタ152a~152oの値が「0」クリアされる。
【0580】
図69は主側CPU63にて実行されるパラメータ管理処理を示すフローチャートである。なお、パラメータ管理処理はタイマ割込み処理(図12)においてステップS219の管理用出力処理が実行された後に実行される。
【0581】
まず各種パラメータの演算契機が発生しているか否かを判定する(ステップS3501)。当該演算契機は、主側CPU63への動作電力の供給が開始されてから最初にパラメータ管理処理が実行される場合、及び第5の実施形態と同様にアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への遊技球の合計入球個数が契機基準個数である500個以上となる度に発生する。動作電力の供給が開始されてから最初にパラメータ管理処理が実行された場合が演算契機として設定されていることにより、パチンコ機10の電源を一旦OFFした後に再度ONすることで、各種パラメータの演算契機を簡単に発生させることが可能となる。そして、ステップS3501にて肯定判定をした場合には後述するように各種パラメータの演算結果に対応した報知が実行されるため、上記電源のOFF・ON操作を行うだけでそれまでの遊技領域PAにおける遊技球の入球態様を把握することが可能となる。また、遊技球の合計入球個数が契機基準個数である500個以上となる度に演算契機が発生する構成とすることで、遊技領域PAにおける遊技球の入球態様を細かく管理することが可能となる。
【0582】
演算契機が発生した場合(ステップS3501:YES)、履歴用メモリ117の第1~第15バッファ用カウンタ152a~152oのうち入球履歴の格納対象となっているカウンタから入球履歴を読み出す(ステップS3502)。具体的には、第1~第7バッファ用カウンタ152a~152gの数値情報を読み出す。この場合、主側CPU63は主側ROM64に記憶されているプログラム及びデータにより入球履歴の読み出し対象となるバッファ用カウンタ152a~152oを認識可能となっている。
【0583】
その後、各種演算処理を実行する(ステップS3503)。当該各種演算処理では、ステップS3502にて読み出した入球履歴、及びそれら入球履歴に対応する賞球個数の情報を利用して各種パラメータを演算する。主側CPU63は、主側ROM64に記憶されているプログラム及びデータにより、ステップS3502にて読み出した各入球履歴がアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のうちいずれに対応するしているのかを特定することが可能であるとともに、ステップS3502にて読み出した各入球履歴に対応する賞球個数の情報を特定することが可能である。
【0584】
ステップS3503にて演算される各種パラメータについて具体的には、
・第7パラメータ:(K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/遊技球の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)の割合
・第8パラメータ:K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」/遊技球の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)の割合
が演算される。
【0585】
その後、演算した各種パラメータが第1範囲であるか否かを判定する(ステップS3504)。第7パラメータの値が0.7以下であって、第8パラメータの値が0.6以下である場合、演算した各種パラメータが第1範囲であるとしてステップS3504にて肯定判定をする。ステップS3504にて肯定判定をした場合、第1報知状態の設定処理を実行する(ステップS3505)。当該設定処理では、第1報知状態となるように報知用発光部151を発光制御する。この場合、報知用発光部151は青色の発光状態となる。
【0586】
ステップS3504にて否定判定をした場合、演算した各種パラメータが第2範囲であるか否かを判定する(ステップS3506)。第7パラメータの値が0.7を超えていること、及び第8パラメータの値が0.6を超えていることのいずれか一方のみの条件が成立している場合、演算した各種パラメータが第2範囲であるとしてステップS3506にて肯定判定をする。ステップS3506にて肯定判定をした場合、第2報知状態の設定処理を実行する(ステップS3507)。当該設定処理では、第2報知状態となるように報知用発光部151を発光制御する。この場合、報知用発光部151は黄色の発光状態となる。
【0587】
ステップS3506にて否定判定をした場合、第7パラメータの値が0.7を超えているとともに第8パラメータの値が0.6を超えていることを意味する。この場合、第3報知状態の設定処理を実行する(ステップS3508)。当該設定処理では、第3報知状態となるように報知用発光部151を発光制御する。この場合、報知用発光部151は赤色の発光状態となる。
【0588】
ステップS3505、ステップS3507又はステップS3508にて設定された発光状態は、報知用発光部151に対する新たな報知状態の設定が行われるまで、又は報知用発光部151への動作電力の供給が停止されるまで継続する。また、報知用発光部151の報知状態は主側RAM65に記憶保持されるとともに主側RAM65にはバックアップ電力が供給されるため、主側CPU63への動作電力の供給が停止されて報知用発光部151が一旦消灯状態となったとしても、主側CPU63への動作電力の供給が再開された場合には主側RAM65に記憶されている報知状態の情報の種類に対応する発光状態となるように報知用発光部151の発光制御が実行される。
【0589】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0590】
アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への遊技球の入球履歴が、上記第1の実施形態のような履歴情報として記憶されるのではなく、各入球検知センサ42a~48aにて遊技球が検知された回数情報として記憶される。これにより、各履歴情報を個別に記憶していく構成に比べて、履歴用メモリ117において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
【0591】
管理側CPU112にて演算された各種パラメータに対応する内容を報知するための報知用発光部151が設けられている。これにより、各種パラメータに対応する内容がパチンコ機10自身にて報知されるため、遊技ホールの管理者などは履歴用メモリ117に格納された情報を読み出さなくても、遊技領域PAにおける遊技球の入球態様を把握することが可能となる。
【0592】
基板ボックス60aに収容された主制御基板61に、MPU62とともに報知用発光部151が設けられている。これにより、MPU62と報知用発光部151との間の通信経路に対する不正なアクセスを行いづらくさせることが可能となる。
【0593】
各種パラメータの演算及び報知用発光部151の発光制御は管理側CPU112ではなく主側CPU63にて実行される。これにより、報知用発光部151における報知内容の信頼性を高めることが可能となる。
【0594】
各種パラメータの演算結果が第1範囲に対応している場合に第1報知状態となり、各種パラメータの演算結果が第2範囲に対応している場合に第2報知状態となり、各種パラメータの演算結果が第1範囲及び第2範囲のいずれにも対応していない場合に第3報知状態となる。つまり、各種パラメータがそのまま報知されるのではなく、各種パラメータが含まれる範囲に対応する内容が報知される。これにより、報知用発光部151における報知パターンが多くなり過ぎないようにすることが可能となり、報知用発光部151を制御するための負荷を軽減することが可能となる。
【0595】
なお、主側CPU63への動作電力の供給が停止されている場合であっても報知用発光部151への電力供給が継続されることで主側CPU63への動作電力の供給が停止される直前における発光状態が維持される構成としてもよい。この場合、主側CPU63への動作電力の供給が停止された場合であっても報知用発光部151を確認することで、遊技領域PAにおける遊技球の入球態様を把握することが可能となる。
【0596】
また、当該構成に代えて、主側CPU63への動作電力の供給が停止された場合には報知用発光部151が消灯状態となるが主側CPU63への動作電力の供給が開始された場合には、動作電力の供給が停止される前に演算された各種パラメータの結果に対応する発光状態となるように報知用発光部151が発光制御される構成としてもよい。この場合、例えば遊技ホールにおいて営業開始前に報知用発光部151を確認することで、直前の営業日における遊技球の入球態様を把握することが可能となる。
【0597】
各種パラメータの演算結果を報知するための報知手段が報知用発光部151である構成に限定されることはなく、図柄表示装置41などといった表示面を有する表示装置であってもよく、スピーカ部54であってもよい。また、各種パラメータの演算結果に対応する信号が外部端子板97を通じて遊技ホールのホールコンピュータHCに外部出力される構成としてもよい。
【0598】
特図ユニット37の特図表示部37a又は普図ユニット38の普図表示部38aが報知用発光部151としての機能を兼用する構成としてもよい。例えば、MPU62への動作電力の供給が開始された場合に各種パラメータが演算され、その演算結果が上記実施形態のような第1範囲、第2範囲及びそれら以外のいずれに含まれるのかに応じて、動作電力の供給開始の直後において特図表示部37a又は普図表示部38aにて演算結果に対応する報知が実行される構成としてもよい。この場合、当該報知は、特図表示部37aにおける絵柄の変動表示の開始条件、又は普図表示部38aにおける絵柄の変動表示の開始条件が成立した場合に終了する構成としてもよく、これら絵柄の変動表示の開始条件が成立した場合に一旦中断され、絵柄の変動表示が終了した場合には再開される構成としてもよい。本構成によれば、遊技領域PAの遊技球の入球態様を報知するための報知手段として特図表示部37a又は普図表示部38aを兼用することが可能となる。
【0599】
報知用発光部151が遊技機本体12及び前扉枠14を閉鎖した状態においてパチンコ機10前方から視認可能となる位置に設けられている構成としてもよい。例えば、窓パネル52よりもパチンコ機10後方であって窓パネル52を通じてパチンコ機10前方から視認可能となる位置に報知用発光部151が設けられている構成としてもよい。この場合、遊技機本体12や前扉枠14の開放操作を要することなく、各種パラメータの演算結果に対応する報知内容を確認することが可能となる。
【0600】
<第12の実施形態>
本実施形態では、各入球結果の情報を管理用IC66に提供するための構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0601】
図70は各入球検知センサ42a~48aの検知結果が主側CPU63及び管理用IC66に入力されるようにするための信号経路の構成を説明するための説明図である。
【0602】
第1入賞口検知センサ42aの検知結果は第1信号経路SL11を通じて主側CPU63に入力される。また、第2入賞口検知センサ43aの検知結果は第2信号経路SL12を通じて主側CPU63に入力される。また、第3入賞口検知センサ44aの検知結果は第3信号経路SL13を通じて主側CPU63に入力される。また、特電検知センサ45aの検知結果は第4信号経路SL14を通じて主側CPU63に入力される。また、第1作動口検知センサ46aの検知結果は第5信号経路SL15を通じて主側CPU63に入力される。また、第2作動口検知センサ47aの検知結果は第6信号経路SL16を通じて主側CPU63に入力される。また、アウト口検知センサ48aの検知結果は第7信号経路SL17を通じて主側CPU63に入力される。
【0603】
第1信号経路SL11の途中位置から分岐させるようにして第1分岐経路SL21が形成されており、当該第1分岐経路SL21は管理用IC66と電気的に接続されている。また、第2信号経路SL12の途中位置から分岐させるようにして第2分岐経路SL22が形成されており、当該第2分岐経路SL22は管理用IC66と電気的に接続されている。また、第3信号経路SL13の途中位置から分岐させるようにして第3分岐経路SL23が形成されており、当該第3分岐経路SL23は管理用IC66と電気的に接続されている。また、第4信号経路SL14の途中位置から分岐させるようにして第4分岐経路SL24が形成されており、当該第4分岐経路SL24は管理用IC66と電気的に接続されている。また、第5信号経路SL15の途中位置から分岐させるようにして第5分岐経路SL25が形成されており、当該第5分岐経路SL25は管理用IC66と電気的に接続されている。また、第6信号経路SL16の途中位置から分岐させるようにして第6分岐経路SL26が形成されており、当該第6分岐経路SL26は管理用IC66と電気的に接続されている。また、第7信号経路SL17の途中位置から分岐させるようにして第7分岐経路SL27が形成されており、当該第7分岐経路SL27は管理用IC66と電気的に接続されている。
【0604】
上記構成であることにより、各入球検知センサ42a~48aの検知結果は主側CPU63による処理を介在させることなく管理用IC66に入力される。これにより、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34の各入球結果を管理側CPU112に認識させるための処理を主側CPU63にて実行する必要がなくなるため、主側CPU63の処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
【0605】
また、各信号経路SL11~SL17からの各分岐経路SL21~SL27の分岐箇所はMPU62内に存在している。これにより、当該分岐箇所及び各分岐経路SL21~SL27に対する外部からのアクセスを行いづらくさせることが可能となり、管理用IC66にのみ異常な入球結果を入力させる不正行為を阻止することが可能となる。
【0606】
<第13の実施形態>
本実施形態では低確結果の大当たり結果となった場合と高確結果の大当たり結果となった場合とで開閉実行モードの実行態様が相違している。以下、本実施形態における開閉実行モードの実行態様について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0607】
図71は本実施形態における開閉実行モードの実行態様を説明するためのタイムチャートである。図71(a1)及び図71(a2)は開閉実行モードの実行期間を示し、図71(b1)及び図71(b2)はラウンド遊技の実行期間を示し、図71(c1)及び図71(c2)は特電入賞装置32が開放状態となっている期間を示す。また、図71(a1)、図71(b1)及び図71(c1)は2R低確結果、4R低確結果、6R低確結果、10R低確結果及び16R低確結果である場合における開閉実行モードの実行態様を示し、図71(a2)、図71(b2)及び図71(c2)は2R高確結果、4R高確結果、6R高確結果、10R高確結果及び16R高確結果である場合における開閉実行モードの実行態様を示す。
【0608】
低確結果である場合における開閉実行モード、及び高確結果である場合における開閉実行モードのいずれであっても、t1のタイミングで図71(a1)及び図71(a2)に示すように開閉実行モードが開始され、t2のタイミング~t3のタイミングに亘って図71(b1)及び図71(b2)に示すように1回目のラウンド遊技が実行される。低確結果である場合における開閉実行モード及び高確結果である場合における開閉実行モードのいずれであっても最後の実行回のラウンド遊技以外は、各ラウンド遊技の実行態様は同一である。具体的には、図71(c1)及び図71(c2)に示すように各ラウンド遊技において特電入賞装置32が1回開放されるとともに、各ラウンド遊技における特電入賞装置32の開放継続期間は遊技球の発射周期(0.6秒)とラウンド遊技の入賞上限個数(10個)との積よりも長い期間である29秒に設定されている。
【0609】
その後、低確結果である場合における開閉実行モードでは、t4のタイミング~t5のタイミングに亘って図71(b1)に示すように最後の実行回のラウンド遊技が実行される。このラウンド遊技の実行態様は、それまでのラウンド遊技の実行態様と同一である。つまり、各ラウンド遊技において特電入賞装置32が1回開放されるとともに、各ラウンド遊技における特電入賞装置32の開放継続期間は遊技球の発射周期(0.6秒)とラウンド遊技の入賞上限個数(10個)との積よりも長い期間である29秒に設定されている。そして、t5のタイミング~t6のタイミングに亘ってエンディング期間が発生し、今回の開閉実行モードが終了する。
【0610】
高確結果である場合における開閉実行モードでは、t4のタイミング~t5のタイミングに亘って図71(b2)に示すように最後の実行回のラウンド遊技が実行されるが、当該ラウンド遊技では所定のインターバル期間を挟むようにして特電入賞装置32が複数回開閉される。具体的には、図71(c2)に示すように、t4のタイミング~t11のタイミング、t12のタイミング~t13のタイミング、t14のタイミング~t15のタイミング、t16のタイミング~t17のタイミング、t18のタイミング~t19のタイミング、及びt20のタイミング~t5のタイミングのそれぞれに亘って特電入賞装置32が開放される。そして、t5のタイミング~t6のタイミングに亘ってエンディング期間が発生し、今回の開閉実行モードが終了する。
【0611】
この場合、t4のタイミング~t11のタイミング、t12のタイミング~t13のタイミング、t14のタイミング~t15のタイミング、t16のタイミング~t17のタイミング、及びt18のタイミング~t19のタイミングでは、特電入賞装置32の開放継続期間は遊技球の発射周期(0.6秒)よりも長く、遊技球の発射周期(0.6秒)とラウンド遊技の入賞上限個数(10個)との積よりも短い期間に設定されており、具体的には1秒に設定されている。この相対的に短い開放継続期間においては特電入賞装置32への入賞個数は1個程度であり、特電入賞装置32への入賞が発生しないことも起こり得る。また、この相対的に短い開放継続期間による特電入賞装置32の開放は入賞上限個数の数よりも少ない5回であるため、相対的に短い開放継続期間による最後の開放回が終了するタイミングであるt19のタイミングにおいて、最後の実行回のラウンド遊技における入賞上限個数分の遊技球の入賞が特電入賞装置32に発生している可能性は低い。したがって、t20のタイミング以降の特電入賞装置32の開放は高い確率で発生する。
【0612】
また、相対的に短い開放継続期間は、特電入賞装置32の開閉部材202が開放位置に配置されている状況においてガイド部材203の受け部231から開閉部材202の誘導板部214の右端に供給された遊技球が、当該誘導板部214の所定範囲Xに到達し得る期間に設定されている。そして、この所定範囲Xに到達している遊技球は、その状況で開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動することで、開閉部材202の下方に落下してスルーゲート35に入賞し得る。これにより、相対的に短い開放継続期間による特電入賞装置32の開放回が終了する度にスルーゲート35への遊技球の入賞機会が発生することとなる。
【0613】
t20のタイミング~t5のタイミングにおける特電入賞装置32の開放継続期間は、上記相対的に短い開放継続期間よりも長い期間に設定されている。この相対的に長い開放継続期間は、遊技球の発射周期(0.6秒)とラウンド遊技の入賞上限個数(10個)との積以上の期間に設定されており、具体的には6秒に設定されている。この相対的に長い開放継続期間においては特電入賞装置32に入賞上限個数の遊技球の入賞が発生することが期待できる。また、上記相対的に短い開放継続期間による特電入賞装置32の開放回において当該特電入賞装置32への遊技球の入賞が発生している場合には、上記相対的に長い開放継続期間による特電入賞装置32の開放回の途中で、最終の実行回のラウンド遊技における特電入賞装置32への入賞個数が入賞上限個数に達する可能性が高くなる。
【0614】
高確結果である場合における開閉実行モードの最後の実行回のラウンド遊技では上記のとおり相対的に短い開放継続期間による特電入賞装置32の開放が5回行われた後に、相対的に長い開放継続期間による特電入賞装置32の開放が1回行われるが、これら各開放回の間には特電入賞装置32が閉鎖状態となるインターバル期間が存在している。つまり、図71(c2)に示すように、t11のタイミング~t12のタイミング、t13のタイミング~t14のタイミング、t15のタイミング~t16のタイミング、t17のタイミング~t18のタイミング、及びt19のタイミング~t20のタイミングに亘って特電入賞装置32が閉鎖状態に維持される。このインターバル期間はいずれも同一となっており、具体的には1秒に設定されている。
【0615】
上記のように最後の実行回のラウンド遊技において特電入賞装置32の開閉が複数回発生することにより、特電入賞装置32の開閉部材202の誘導板部214上に遊技球が載っている状況において当該開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動する機会が多く発生することとなる。これにより、高確結果である場合における開閉実行モードにおいてスルーゲート35への入賞が発生する機会を多く付与することが可能となる。また、低確結果に比べて高確結果となることの有利度を高めることが可能となる。
【0616】
また、最後の実行回のラウンド遊技における特電入賞装置32の複数回の開閉が相対的に短い開放継続期間により行われることにより、最後の実行回のラウンド遊技の継続期間が極端に長くなってしまわないようにすることが可能となる。また、相対的に短い開放継続期間による特電入賞装置32の開放回が全て完了する前に、最後のラウンド遊技における特電入賞装置32への遊技球の入賞個数が入賞上限個数に達してしまわないようにすることが可能となる。
【0617】
次に、上記のような開閉実行モードの実行態様を可能とする主側CPU63の処理構成について説明する。図72は本実施形態における特電開始処理を示すフローチャートである。なお、特電開始処理は特図特電制御処理(図38)のステップS1209にて実行される
ステップS3601~ステップS3603では上記第1の実施形態における特電開始処理(図42)のステップS1601~ステップS1603と同一の処理を実行する。開閉実行モードのオープニング期間が経過している場合(ステップS3604:YES)、ラウンド数の設定処理を実行する(ステップS3605)。ラウンド数の設定処理では、主側RAM65に設けられたラウンドカウンタに今回の開閉実行モードのラウンド数を設定する。ラウンドカウンタとは、今回の開閉実行モードのラウンド遊技の残り回数を主側CPU63にて特定するためのカウンタである。具体的には、2R低確結果又は2R高確結果であればラウンドカウンタに「2」をセットし、4R低確結果又は4R高確結果であればラウンドカウンタに「4」をセットし、6R低確結果又は6R高確結果であればラウンドカウンタに「6」をセットし、10R低確結果又は10R高確結果であればラウンドカウンタに「10」をセットし、16R低確結果又は16R高確結果であればラウンドカウンタに「16」をセットする。また、いずれかの小当たり結果であればラウンドカウンタの値を「0」クリアする。
【0618】
その後、開閉回数の設定処理を実行する(ステップS3606)。特電開始処理における開閉回数の設定処理では、いずれかの大当たり結果であれば最初の実行回のラウンド遊技における特電入賞装置32の開閉回数として主側RAM65の開閉回数カウンタに「1」をセットする。今回の遊技結果が第1小当たり結果であれば主側RAM65の開閉回数カウンタに「1」をセットし、今回の遊技結果が第2小当たり結果であれば主側RAM65の開閉回数カウンタに「5」をセットし、今回の遊技結果が第3小当たり結果であれば主側RAM65の開閉回数カウンタに「10」をセットする。その後、ステップS3607~ステップS3610にて、上記第1の実施形態における特電開始処理(図42)のステップS1606~ステップS1609と同一の処理を実行する。
【0619】
図73は本実施形態における特電開放中処理を示すフローチャートである。なお、特電開放中処理は特図特電制御処理(図38)のステップS1210にて実行される。
【0620】
特電入賞装置32への入賞が発生している場合(ステップS3701:YES)、主側RAM65の入賞カウンタの値を1減算する(ステップS3702)。そして、その1減算後における入賞カウンタの値が「0」である場合(ステップS3703:YES)、大当たり結果であれば今回のラウンド遊技を終了させる必要があり、小当たり結果であれば今回の開閉実行モードを終了させる必要がある。したがって、主側RAM65の開閉回数カウンタの値を「0」クリアする(ステップS3704)。
【0621】
その後、今回の開閉実行モードがいずれかの大当たり結果であることを条件として(ステップS3705:YES)、主側RAM65のラウンドカウンタの値を1減算する(ステップS3706)。そして、開閉回数の設定処理を実行する(ステップS3707)。当該設定処理では、現状のラウンドカウンタの値が「0」であれば主側RAM65の開閉回数カウンタへの値の設定を行わない。また、当該設定処理では、現状のラウンドカウンタの値が「1」であれば、今回の開閉実行モードの契機が低確結果である場合に主側RAM65の開閉回数カウンタに「1」をセットする一方、今回の開閉実行モードの契機が高確結果である場合には主側RAM65の開閉回数カウンタに「6」をセットする。また、当該設定処理では、現状のラウンドカウンタの値が2以上であれば主側RAM65の開閉回数カウンタに「1」をセットする。また、入賞上限個数の設定処理を実行する(ステップS3708)。当該設定処理では、現状のラウンドカウンタの値が「0」であれば主側RAM65の入賞カウンタへの値の設定を行わず、現状のラウンドカウンタの値が1以上であれば主側RAM65の入賞カウンタに新たなラウンド遊技の入賞上限個数として「10」をセットする。その後、ステップS3709~ステップS3711にて上記第1の実施形態における特電開放中処理(図43)のステップS1703~ステップS1705の処理を実行する。
【0622】
ステップS3701又はステップS3703にて否定判定をした場合、特図特電タイマカウンタの値が「0」となっているか否かを判定することで、特電入賞装置32の今回の開放回の開放継続期間が経過したか否かを判定する(ステップS3712)。ステップS3712にて肯定判定をした場合、主側RAM65の開閉回数カウンタの値を1減算する(ステップS3713)。そして、その1減算後における開閉回数カウンタの値が「0」であって(ステップS3714:YES)、今回の開閉実行モードの実行契機がいずれかの大当たり結果である場合(ステップS3715:YES)、主側RAM65のラウンドカウンタの値を1減算する(ステップS3716)。また、開閉回数の設定処理を実行する(ステップS3717)。当該設定処理では、現状のラウンドカウンタの値が「0」であれば主側RAM65の開閉回数カウンタへの値の設定を行わない。また、当該設定処理では、現状のラウンドカウンタの値が「1」であれば、今回の開閉実行モードの契機が低確結果である場合に主側RAM65の開閉回数カウンタに「1」をセットする一方、今回の開閉実行モードの契機が高確結果である場合には主側RAM65の開閉回数カウンタに「6」をセットする。また、当該設定処理では、現状のラウンドカウンタの値が2以上であれば主側RAM65の開閉回数カウンタに「1」をセットする。また、入賞上限個数の設定処理を実行する(ステップS3718)。当該設定処理では、現状のラウンドカウンタの値が「0」であれば主側RAM65の入賞カウンタへの値の設定を行わず、現状のラウンドカウンタの値が1以上であれば主側RAM65の入賞カウンタに新たなラウンド遊技の入賞上限個数として「10」をセットする。その後、ステップS3709~ステップS3711の処理を実行する。
【0623】
図74は本実施形態における特電閉鎖中処理を示すフローチャートである。なお、特電閉鎖中処理は特図特電制御処理(図38)のステップS1211にて実行される。
【0624】
ステップS3801~ステップS3804では上記第1の実施形態における特電閉鎖中処理(図44)のステップS1801~ステップS1804と同一の処理を実行する。ステップS3801にて否定判定をした場合、又はステップS3804の処理を実行した場合、主側RAM65のラウンドカウンタ及び主側RAM65の開閉回数カウンタの両方が「0」となっているか否かを判定する(ステップS3805)。ステップS3805にて否定判定をした場合、特図特電タイマカウンタの値が「0」となっているか否かを判定することで、インターバル期間が経過したか否かを判定する(ステップS3806)。インターバル期間が経過している場合(ステップS3806:YES)、開放継続期間の設定処理を実行する(ステップS3807)。当該設定処理では、今回の開閉実行モードの契機が第2小当たり結果であれば第2小当たり結果用の開放継続期間の情報(具体的には2秒)を特図特電タイマカウンタにセットし、今回の開閉実行モードの契機が第3小当たり結果であれば第3小当たり結果用の開放継続期間の情報(具体的には1秒)を特図特電タイマカウンタにセットする。また、当該設定処理では、今回の開閉実行モードの契機がいずれかの低確結果である場合には最長の開放継続期間の情報(具体的には29秒)を特図特電タイマカウンタにセットする。また、当該設定処理では、今回の開閉実行モードの契機がいずれかの高確結果であってラウンドカウンタの値が2以上であれば最長の開放継続期間の情報(具体的には29秒)を特図特電タイマカウンタにセットする。また、当該設定処理では、今回の開閉実行モードの契機がいずれかの高確結果であってラウンドカウンタの値が「1」であれば、主側RAM65の開閉回数カウンタの値が「6」~「2」の場合には相対的に短い開放継続期間の情報(具体的には1秒)を特図特電タイマカウンタにセットし、主側RAM65の開閉回数カウンタの値が「1」の場合には相対的に長い開放継続期間の情報(具体的には6秒)を特図特電タイマカウンタにセットする。
【0625】
その後、ステップS3808~ステップS3809にて、上記第1の実施形態における特電閉鎖中処理(図44)のステップS1810~ステップS1811と同一の処理を実行する。一方、ステップS3805にて肯定判定をした場合、ステップS3810~ステップS3812にて、上記第1の実施形態における特電閉鎖中処理(図44)のステップS1812~ステップS1814と同一の処理を実行する。
【0626】
以上詳述した本実施形態によれば、最後の実行回のラウンド遊技において特電入賞装置32の開閉が複数回発生することにより、特電入賞装置32の開閉部材202の誘導板部214上に遊技球が載っている状況において当該開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動する状況が多く発生することとなる。これにより、高確結果である場合における開閉実行モードにおいてスルーゲート35への入賞が発生する機会を多く付与することが可能となる。また、低確結果に比べて高確結果となることの有利度を高めることが可能となる。
【0627】
また、最後の実行回のラウンド遊技における前半側の開放回が相対的に短い開放継続期間を利用して行われることにより、最後の実行回のラウンド遊技の継続期間が極端に長くなってしまわないようにすることが可能となる。また、相対的に短い開放継続期間による特電入賞装置32の開放回が全て完了する前に、最後のラウンド遊技における特電入賞装置32への遊技球の入賞個数が入賞上限個数に達してしまわないようにすることが可能となる。
【0628】
高確結果となったことを契機とした開閉実行モードにおける最後の実行回のラウンド遊技において特電入賞装置32の最後の開放回の開放継続期間は、上記相対的に短い開放継続期間よりも長い期間に設定されている。この相対的に長い開放継続期間は、遊技球の発射周期(0.6秒)とラウンド遊技の入賞上限個数(10個)との積以上の期間に設定されており、具体的には6秒に設定されている。この相対的に長い開放継続期間においては特電入賞装置32に入賞上限個数の遊技球の入賞が発生することが期待できる。また、上記相対的に短い開放継続期間による特電入賞装置32の開放回において当該特電入賞装置32への遊技球の入賞が発生している場合には、上記相対的に長い開放継続期間による特電入賞装置32の開放回の途中で、最終の実行回のラウンド遊技における特電入賞装置32への入賞個数が入賞上限個数に達する可能性が高くなる。
【0629】
<第13の実施形態の別形態>
・特電入賞装置32の開放回が複数回発生するラウンド遊技は最後のラウンド遊技に限定されることはなく、最初のラウンド遊技であってもよく途中のラウンド遊技であってもよい。また、複数のラウンド遊技において特電入賞装置32の開放回が複数回発生する構成としてもよい。
【0630】
・一のラウンド遊技において相対的に短い開放継続期間の開放回が発生した後に相対的に長い開放継続期間の開放回が発生する構成に限定されることはなく、相対的に短い開放継続期間の開放回が複数回発生するのみであってもよい。
【0631】
・相対的に短い開放継続期間は、誘導板部214上においてスルーゲート35への入賞を可能とする位置への遊技球の到達は可能とするものの特電入賞装置32の入口部45bへの入球が不可又は難しい期間に設定されている構成としてもよい。この場合、特電入賞装置32の入口部45bへの入球が行いづらい状況においてスルーゲート35への入賞を可能とする状況を生じさせることが可能となる。なお、当該構成を一のラウンド遊技において複数回の開放回が発生する構成ではなく、一のラウンド遊技において1回の開放回のみが発生する構成に適用してもよい。
【0632】
<第14の実施形態>
上記第1の実施形態では特電入賞装置32の下方にスルーゲート35が設けられており、誘導板部214上に遊技球が載っている状況で開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動した場合にその遊技球がスルーゲート35に入賞し得る構成としたが、本実施形態では当該遊技球が入賞し得る対象がスルーゲート35以外の入球部となっている。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0633】
図75は本実施形態における遊技盤24の正面図である。
【0634】
上記第1の実施形態と同様に特電入賞装置32は遊技領域PAの右側領域PA3に設けられている。特電入賞装置32は上記第1の実施形態と同様に通路形成体201、開閉部材202及びガイド部材203を備えている。開閉部材202が閉鎖位置に配置されている場合には第4排出通路部45への遊技球の入球が不可となり、開閉部材202に形成された開口部213(図30参照)を通過することで特電入賞装置32の下方へ遊技球が流下することとなる。開閉部材202が開放位置に配置されている場合には開閉部材202の誘導板部214上に遊技球が載ることが可能となり、その誘導板部214上に載っている遊技球が第4排出通路部45に入球可能となる。また、右側領域PA3において特電入賞装置32の上流側には上記第1の実施形態と同様に誘導釘群241が設けられている。これにより、右側領域PA3を流下する遊技球は誘導釘群241により、ガイド部材203の受け部231に誘導される。そして、受け部231に誘導された遊技球は開閉部材202の右側端部に到達することとなる。
【0635】
右側領域PA3において特電入賞装置32の下方にはスルーゲート35は設けられていない。本実施形態ではスルーゲート35は遊技領域PAの左側領域PA2に設けられており、左側領域PA2を遊技球が流下することとなる同一の発射操作の態様で比較した場合に当該スルーゲート35への遊技球の入球頻度は遊技状態に関係なく一定となる。また、左側領域PA2を遊技球が流下するように発射操作を行った場合、第2作動口34が設けられた位置に遊技球が到達し得る。したがって、左側領域PA2を流下するように遊技球の発射操作が行われた場合には、スルーゲート35への入賞が可能となり、さらにスルーゲート35への入賞を契機として第2作動口34が開放状態となった場合には第2作動口34への入賞が可能となる。
【0636】
ちなみに、本実施形態では第2作動口34の普電役物34aの状態を制御するサポートモードとして低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されている。低頻度サポートモードでは普電役物34aが開放状態とならない又は普電役物34aが開放状態となる頻度が相対的に低く、高頻度サポートモードでは普電役物34aが開放状態となる頻度が相対的に高い。低確結果となった場合には開閉実行モードの終了後のサポートモードが低頻度サポートモードとなり、高確結果となった場合には開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる。
【0637】
右側領域PA3において特電入賞装置32の下方には第1特別入球口251及び第2特別入球口252が設けられている。これら第1特別入球口251及び第2特別入球口252は遊技球の入球入口となる開口部が鉛直上向きに開放させて設けられており、これら入球入口を直接的に開閉する部材は設けられていない。また、第1特別入球口251に入球した遊技球は遊技盤24の背面側に導出されることで遊技領域PAから排出されるとともに、第2特別入球口252に入球した遊技球は遊技盤24の背面側に導出されることで遊技領域PAから排出される。また、第1特別入球口251及び第2特別入球口252は第1特別入球口251が左側、第2特別入球口252が右側となるようにして横方向に並設されている。
【0638】
第1特別入球口251には当該第1特別入球口251に入球した遊技球を検知するための第1特別検知センサ251aが設けられており、第2特別入球口252には当該第2特別入球口252に入球した遊技球を検知するための第2特別検知センサ252aが設けられている。これら第1特別検知センサ251a及び第2特別検知センサ252aは主側CPU63と電気的に接続されている。
【0639】
図76は主側CPU63にて実行される入球検知処理を示すフローチャートである。なお、入球検処理はタイマ割込み処理(図12)のステップS209にて実行される。
【0640】
第1特別検知センサ251aにて1個の遊技球が検知された場合(ステップS3901:YES)、主側RAM65に設けられた10個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS3902)。10個賞球用カウンタは、10個の遊技球の払い出しを実行すべき回数を主側CPU63にて特定するためのカウンタである。10個賞球用カウンタの値が1以上である場合、タイマ割込み処理(図12)におけるステップS217の払出出力処理にて10個賞球コマンドを払出制御装置77に出力するとともに、10個賞球コマンドを1回出力した場合には10個賞球用カウンタの値を1減算する。払出制御装置77は10個賞球コマンドを受信した場合、10個の遊技球が払い出されるように払出装置76を駆動制御する。
【0641】
第2特別検知センサ252aにて1個の遊技球が検知された場合(ステップS3903:YES)、主側RAM65に設けられた5個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS3904)。5個賞球用カウンタは、5個の遊技球の払い出しを実行すべき回数を主側CPU63にて特定するためのカウンタである。5個賞球用カウンタの値が1以上である場合、タイマ割込み処理(図12)におけるステップS217の払出出力処理にて5個賞球コマンドを払出制御装置77に出力するとともに、5個賞球コマンドを1回出力した場合には5個賞球用カウンタの値を1減算する。払出制御装置77は5個賞球コマンドを受信した場合、5個の遊技球が払い出されるように払出装置76を駆動制御する。
【0642】
なお、入球検知処理ではその他の処理も実行する(ステップS3905)。その他の処理では上記第1の実施形態における入球検知処理(図14)のステップS301~ステップS325と同一の処理を実行する。
【0643】
遊技盤24の説明に戻り(図75)、第1特別入球口251は特電入賞装置32の下流側において特電入賞装置32の通路形成体201寄りに配置されている。また、特電入賞装置32の開閉部材202と第1特別入球口251との間には複数の釘24bにより第1誘導釘群253が設けられている。第1誘導釘群253は当該第1誘導釘群253よりも左方に存在している遊技球については第1特別入球口251への入球を可能とし、当該第1誘導釘群253よりも右方に存在している遊技球については第1特別入球口251への入球を不可とする。これにより、開閉部材202の誘導板部214上における通路形成体201寄りの第1範囲X1上に遊技球が存在している状況で開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動した場合にその遊技球が第1特別入球口251に入球可能となり、それ以外の遊技球は第1特別入球口251への入球が不可となる。
【0644】
第1範囲X1における誘導板部214上に沿った距離寸法は遊技球の直径よりも大きく設定されており、具体的には遊技球の直径の2倍となっている。但し、これに限定されることはなく第1範囲X1上における誘導板部214上に沿った距離寸法が遊技球の直径未満である構成としてもよく、遊技球の直径の2倍よりも大きい構成としてもよい。
【0645】
第2特別入球口252は特電入賞装置32の下流側において第1特別入球口251よりも右方ではあるものの開閉部材202の右端よりも左方に離間された位置に配置されている。また、特電入賞装置32の開閉部材202と第2特別入球口252との間には複数の釘24bにより第2誘導釘群254が設けられている。第2誘導釘群254は当該第2誘導釘群254よりも左方に存在している遊技球については第2特別入球口252への入球を可能とし、当該第2誘導釘群254よりも右方に存在している遊技球については第2特別入球口252への入球を不可とする。これにより、開閉部材202の誘導板部214上における中央寄りの第2範囲X2上に遊技球が存在している状況で開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動した場合にその遊技球が第2特別入球口252に入球可能となり、それ以外の遊技球は第2特別入球口252への入球が不可となる。この場合、開閉部材202の誘導板部214上における第2範囲X2よりも右方の位置に遊技球が存在している状況で開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動したとしても、その遊技球は第2特別入球口252に入球しない。また、開閉部材202が閉鎖位置に配置されている場合には第2範囲X2よりも右方の位置において遊技球が開閉部材202の開口部213を通過するため、当該遊技球は第2特別入球口252に入球しない。
【0646】
第2範囲X2における誘導板部214上に沿った距離寸法は遊技球の直径よりも大きく設定されており具体的には遊技球の直径の2.5倍となっている。但し、これに限定されることはなく第2範囲X2上における誘導板部214上に沿った距離寸法が遊技球の直径未満である構成としてもよく、遊技球の直径の2.5倍よりも大きい構成としてもよい。
【0647】
次に、開閉実行モードにおいて第1特別入球口251又は第2特別入球口252に遊技球が入球する様子について、図77のタイムチャートを参照しながら説明する。図77(a)は特電入賞装置32の開閉部材202が開放位置に配置されている期間を示し、図77(b)は開閉部材202の誘導板部214上における第1範囲X1に遊技球が存在している期間を示し、図77(c)は開閉部材202の誘導板部214上における第2範囲X2に遊技球が存在している期間を示し、図77(d)は第1特別入球口251に遊技球が入球するタイミングを示し、図77(e)は第2特別入球口252に遊技球が入球するタイミングを示す。
【0648】
まず第1特別入球口251に遊技球が入球する場合について説明する。t1のタイミングで図77(a)に示すように開閉部材202が開放位置に配置される。その後、t2のタイミング~t3のタイミングに亘って図77(c)に示すように誘導板部214上における第2範囲X2に遊技球が存在し、その遊技球がさらに誘導板部214上を流下することでt3のタイミング~t4のタイミングに亘って図77(b)に示すように誘導板部214上における第1範囲X1に遊技球が存在することとなる。そして、誘導板部214上における第1範囲X1に遊技球が存在している状況であるt4のタイミングで図77(a)に示すように開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動する。これにより、その遊技球はt5のタイミングで図77(d)に示すように第1特別入球口251に入球する。そして、第1特別入球口251に遊技球が入球することで10個の遊技球の払い出しが実行される。
【0649】
次に第2特別入球口252に遊技球が入球する場合について説明する。t6のタイミングで図77(a)に示すように開閉部材202が開放位置に配置される。その後、t7のタイミング~t8のタイミングに亘って図77(c)に示すように誘導板部214上における第2範囲X2に遊技球が存在することとなる。そして、誘導板部214上における第2範囲X2に遊技球が存在している状況であるt8のタイミングで図77(a)に示すように開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動する。これにより、その遊技球はt9のタイミングで図77(e)に示すように第2特別入球口252に入球する。そして、第2特別入球口252に遊技球が入球することで5個の遊技球の払い出しが実行される。
【0650】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0651】
開閉実行モードに移行することで特電入賞装置32への遊技球の入球が可能となるだけではなく、特別入球口251,252への遊技球の入球が可能となる。そして、特電入賞装置32に遊技球が入球した場合だけではなく特別入球口251,252に遊技球が入球した場合にも遊技球の払い出しが実行される。これにより、開閉実行モードにおいて払い出される遊技球の数を増やすことが可能となり、開閉実行モードの有利度を高めることが可能となる。
【0652】
特別入球口251,252は特電入賞装置32の下流側であって特電入賞装置32が開放状態及び閉鎖状態のうち一方から他方に切り換わるタイミングで遊技球の流入が可能となる位置に設けられている。これにより、特電入賞装置32の入球対象として漏れた遊技球が特別入球口251,252に入球し、特別入球口251,252に遊技球が入球することで遊技球の払い出しが実行されることとなる。よって、特電入賞装置32の入球対象から漏れた遊技球が発生したことに対する遊技者の不利益感を抑えることが可能となる。
【0653】
特電入賞装置32の開閉部材202が開放位置及び閉鎖位置のうち一方から他方に移動する場合に開閉部材202の誘導板部214に載っていた遊技球が特別入球口251,252に入球可能となる。これにより、開閉実行モードにおいて遊技者は特電入賞装置32の第4排出通路部45への遊技球の入球が発生するか否かにだけではなく、誘導板部214に遊技球が載っている状態で開閉部材202が開放位置及び閉鎖位置のうち一方から他方に移動するか否かに注目することとなり、開閉実行モード中における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0654】
特電入賞装置32が開放状態から閉鎖状態に切り換わるタイミングで特別入球口251,252への遊技球の入球契機が発生することとなる。これにより、特電入賞装置32が開放状態である場合だけではなく閉鎖状態に切り換わったタイミングにおいても遊技者の注目度を高めることが可能となる。
【0655】
開閉部材202の誘導板部214は、当該誘導板部214に載った遊技球が誘導板部214に沿って左方に流下するように形成されている。そして、特別入球口251,252は、誘導板部214の一部の範囲X1,X2に遊技球が載っている状態において開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動した場合にその載っている遊技球が下方に落下することで入球可能となる位置に設けられている。この場合、特別入球口251,252に遊技球が入球するためには開閉部材202が開放位置に配置されている状況において誘導板部214に遊技球が載っているだけではなく、その載っている遊技球が一部の範囲X1,X2に存在している絶妙のタイミングで、開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動する必要がある。これにより、誘導板部214に載っている遊技球の位置と開閉部材202の状態の切り換えタイミングとの関係に遊技者は注目することとなり、開閉実行モード中における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0656】
特電入賞装置32の上流側には右側領域PA3に流入した遊技球を開閉部材202の右端側に誘導する誘導釘群241が設けられている。そして、誘導板部214において特別入球口251,252への遊技球の入球を可能とする範囲X1,X2は、開閉部材202の左端側に偏倚させて設定されている。これにより、特別入球口251,252に遊技球が入球するためには、誘導板部214上を遊技球が流下している途中の絶妙なタイミングで開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動する必要がある。よって、誘導板部214上における遊技球の動きに遊技者は注目することとなり、開閉実行モード中における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0657】
また、特電入賞装置32において第4排出通路部45の入口部45bは、誘導板部214において特別入球口251,252への遊技球の入球を可能とする範囲X1,X2よりも左方に存在している。これにより、誘導板部214上に載っているものの入口部45bに到達しなかった遊技球が特別入球口251,252に入球することとなる。よって、誘導板部214上に載った遊技球が特電入賞装置32に入賞しなかったことに対する遊技者の不利益感を、逆に、特別入球口251,252への入賞が発生することに対する利益感に変えることが可能となる。
【0658】
開閉実行モードとなった場合に入球可能となる特別入球口251,252として第1特別入球口251と第2特別入球口252とが設けられており、第1特別入球口251に遊技球が入球した場合と第2特別入球口252に遊技球が入球した場合とで払出対象となる遊技球の数が相違している。そして、開閉実行モードにおいて第1条件が成立した場合に第1特別入球口251に遊技球が入球し、開閉実行モードにおいて第2条件が成立した場合に第2特別入球口252に遊技球が入球する。これにより、遊技者は開閉実行モードにおいて特別入球口251,252に遊技球が入球することに期待するだけではなく、遊技球の払出個数が多い側である第1特別入球口251に遊技球が入球することを期待することとなる。よって、開閉実行モード中における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0659】
第1特別入球口251は、誘導板部214における第1範囲X1に遊技球が載っている状態において開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動した場合に当該遊技球が入球可能となる位置に設けられている。また、第2特別入球口252は、誘導板部214における第2範囲X2に遊技球が載っている状態において開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動した場合に当該遊技球が入球可能となる位置に設けられている。これにより、第1範囲X1及び第2範囲X2のいずれかに遊技球が載っている状態において開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動することを期待するだけではなく、さらに第1範囲X1に遊技球が載っている状態において開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動することを期待することなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0660】
誘導釘群241が設けられていることにより右側領域PA3に流入した遊技球が開閉部材202の右端側に誘導される構成において、第2範囲X2は開閉部材202の横方向の中央側に設定されているとともに第1範囲X1は開閉部材202の左端側に偏倚させた位置に設定されている。さらに開閉部材202の左方に特電入賞装置32の入口部45bが存在している。これにより、誘導板部214上において特電入賞装置32の入口部45bに近い位置に存在している遊技球の方が払出個数の多い第1特別入球口251に入球し易くなる。この場合、特電入賞装置32の入口部45bに惜しくも遊技球が入球しなかったという不利益感が強くなる状況ほど遊技者にとっての利益が高くなるようにすることが可能となる。
【0661】
<第14の実施形態の別形態>
・第1特別入球口251及び第2特別入球口252のうち一方のみが設けられている構成としてもよい。また、第1特別入球口251及び第2特別入球口252に加えて第3特別入球口が設けられており、誘導板部214の第3範囲に遊技球が載っている状況で開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動した場合にその遊技球が第3特別入球口に入球する構成としてもよい。
【0662】
・第1特別入球口251及び第2特別入球口252のいずれに遊技球が入球したとしても遊技球の払い出しのみが実行される構成に限定されることはなく、例えば第1特別入球口251に遊技球が入球した場合には当否判定処理の契機となる第1保留情報又は第2保留情報が取得され、第2特別入球口252に遊技球が入球した場合には遊技球の払い出しが実行される構成としてもよい。この場合、第1特別入球口251に遊技球が入球した場合と第2特別入球口252に遊技球が入球した場合とで、異質の特典が付与されることとなる。
【0663】
また、例えば第1特別入球口251に遊技球が入球した場合には第1保留情報及び第2保留情報のうち一方が取得され、第2特別入球口252に遊技球が入球した場合には第1保留情報及び第2保留情報のうち他方が取得される構成としてもよい。これにより、いずれの特別入球口251,252に遊技球が入球したとしても当否判定処理の契機となる保留情報が取得されるものの、その取得される保留情報の種類が第1特別入球口251に遊技球が入球した場合と第2特別入球口252に遊技球が入球した場合とで相違している。
【0664】
また、例えば第1特別入球口251及び第2特別入球口252のいずれに遊技球が入球したとしても普図側の保留情報が取得されるものの、その取得された普図側の保留情報に対して第2作動口34が普電開放状態となる確率が相違している構成としてもよい。
【0665】
・第1範囲X1の方が第2範囲X2よりも狭い構成に限定されることはなく、第1範囲X1の横幅と第2範囲X2の横幅とが同一又は略同一である構成としてもよく、第1範囲X1の方が第2範囲X2よりも広い構成としてもよい。
【0666】
・特別入球口251,252に入球した遊技球は遊技盤24の背面側に導出される構成に限定されることはなく、特別入球口251,252がゲート状に設けられていることにより、特別入球口251,252に入球した遊技球はその後に遊技領域PAの流下を継続する構成としてもよい。これにより、下側領域PA4にまで遊技球が到達し易くなる。
【0667】
<第15の実施形態>
本実施形態では特電入賞装置32に代えて、第1特電入賞装置261と第2特電入賞装置262とが設けられている。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0668】
図78は本実施形態における遊技盤24の正面図である。
【0669】
遊技領域PAの右側領域PA3には特電入賞装置32に代えて、第1特電入賞装置261と第2特電入賞装置262とが設けられている。これら第1特電入賞装置261及び第2特電入賞装置262は第1特電入賞装置261が上側及び第2特電入賞装置262が下側となるようにして縦方向に並設されている。また、上記第1の実施形態では第2作動口34の普電役物34aを開放状態とする契機を生じさせる入球部としてスルーゲート35が設けられていたが、本実施形態では普電役物34aを開放状態とする契機を生じさせる入球部として第1スルーゲート263と第2スルーゲート264とが設けられている。第1スルーゲート263は第1特電入賞装置261の左方に設けられており、第2スルーゲート264は第2特電入賞装置262の左方に設けられている。
【0670】
第1特電入賞装置261の構成及び第1スルーゲート263の構成について図79(a)及び図79(b)を参照しながら説明する。図79(a)及び図79(b)は図78のA-A線断面図である。
【0671】
遊技盤24には当該遊技盤24を前後方向に貫通するようにして第1大入賞口265が形成されている。第1大入賞口265が形成された位置は、右側領域PA3において可変表示ユニット36寄りの位置ではあるものの第1スルーゲート263よりも右方の位置である。第1大入賞口265への遊技球の入球を阻止又は許容するように第1特電入賞装置261が設けられている。第1特電入賞装置261は第1大入賞口265の下方の位置にて遊技盤24を前後方向に貫通するようにして設けられた第1誘導板271を備えている。第1誘導板271は、図示しない駆動手段により駆動されることにより前後方向に移動可能に設けられており、遊技盤24の盤面からのパチンコ機10前側への突出量が最小となる阻止位置と、当該阻止位置よりもパチンコ機10前方にスライド移動した位置であって遊技盤24の盤面からのパチンコ機10前側への突出量が最大となる誘導位置との間で移動する。
【0672】
遊技盤24において第1誘導板271の右側端部の上方位置には第1球受け部272が設けられており、さらに右側領域PA3において第1特電入賞装置261の上方には上側領域PA1から右側領域PA3に流入した遊技球の全てを第1球受け部272に誘導するための第1誘導釘群267が設けられている(図78参照)。第1誘導釘群267は右方向に下り傾斜となるように複数の釘24bを配列することで形成されている。第1誘導釘群267により右側領域PA3に流入した遊技球は全て第1球受け部272に誘導される。第1球受け部272の前側端部と窓パネル52との間の距離寸法は遊技球の直径よりも大きい寸法に設定されている。また、第1球受け部272はその上面がパチンコ機10前側に向けて下り傾斜となっている。したがって、第1球受け部272の上面に到達した遊技球は自重によりパチンコ機10前側に向けて流下することとなる。
【0673】
第1誘導板271が阻止位置に配置されている場合、図79(a)に示すように、第1誘導板271の前側端部と窓パネル52との間の距離寸法は遊技球の直径よりも大きい寸法となる。そして、この阻止位置では第1誘導板271の前側端部は第1球受け部272の前側端部よりもパチンコ機10後側に存在している。したがって、第1誘導板271が阻止位置に配置されている状況で第1球受け部272の上面に到達した遊技球は基本的に第1球受け部272と窓パネル52との間の空間を通じて第1球受け部272の下方に落下することとなる。また、第1誘導釘群267により誘導された遊技球が第1球受け部272上で跳ねることにより阻止位置に配置されている第1誘導板271において遊技盤24の盤面よりもパチンコ機10前側に突出している領域の上面に載ることも想定される。これに対して、阻止位置に配置されている第1誘導板271において遊技盤24の盤面よりもパチンコ機10前側に突出している領域の上面はパチンコ機10前側に下り傾斜となっている。したがって、阻止位置に配置されている第1誘導板271の上面に遊技球が載ったとしても、その遊技球は第1大入賞口265及び第1スルーゲート263に入賞することなく第1誘導板271の前側端部と窓パネル52との間から第1誘導板271の下方に落下することとなる。上記構成であることにより、第1誘導板271が阻止位置に配置されている場合、第1大入賞口265への入賞の発生が阻止されるとともに第1スルーゲート263への入賞の発生が阻止される。
【0674】
第1誘導板271が誘導位置に配置されている場合、図79(b)に示すように、第1誘導板271の前側端部と窓パネル52との間の距離寸法は遊技球の半径よりも小さい寸法となる。そして、この誘導位置では第1誘導板271の前側端部は第1球受け部272の前側端部よりもパチンコ機10前側に存在している。したがって、第1誘導板271が誘導位置に配置されている状況で第1球受け部272の上面に到達した遊技球は第1誘導板271において遊技盤24の盤面よりもパチンコ機10前側に突出している領域の上面に載ることとなる。
【0675】
第1誘導板271において誘導位置に配置されている場合に遊技盤24の盤面よりもパチンコ機10前側に突出している突出領域273の上面には、当該上面の傾斜方向を変化させるための境界部274が形成されている。当該境界部274を境界として、突出領域273の上面は、第1球受け部272の前方に存在している第1誘導領域275と、第1誘導領域275の左方であって第1大入賞口265へと続く第2誘導領域276と、第1誘導領域275の左方及び第2誘導領域276の前方であって第1スルーゲート263へと続く第3誘導領域277と、に区画されている。第1誘導領域275の上面は左方に向けて下り傾斜となっている。また、第1誘導領域275の左端は第2誘導領域276の右端及び第3誘導領域277の右端の両方に接している。これにより、第1球受け部272から第1誘導領域275に誘導された遊技球は第2誘導領域276又は第3誘導領域277に自重により流下する。この場合に、第1誘導領域275の左端において第2誘導領域276の右端に接している範囲は第1誘導領域275の左端において第3誘導領域277の右端に接している範囲よりも広い。したがって、第1誘導領域275により誘導される遊技球は第3誘導領域277よりも第2誘導領域276に流入し易い。但し、第1誘導領域275により誘導される遊技球は所定の頻度(具体的には4個のうち1個)で第3誘導領域277に流入する。
【0676】
第2誘導領域276は当該第2誘導領域276の上面に載った遊技球を第1大入賞口265に誘導するように、その上面の傾斜方向が左後ろに向けて下り傾斜となっている。これにより、第2誘導領域276の上面に載った遊技球は第1大入賞口265に入賞し易い。第1大入賞口265に入賞した遊技球は、当該当該第1大入賞口265に対応させて設けられた図示しない検知センサにて検知される。この検知センサは主側CPU63と電気的に接続されており、主側CPU63は当該検知センサの検知結果に基づいて第1大入賞口265への入賞の有無を特定する。そして、第1大入賞口265が開放対象となっているラウンド遊技又は小当たり結果を契機とした開閉実行モードにおいては、第1大入賞口265に1個の遊技球が入球したことを特定した場合、主側RAM65の入賞カウンタの値を1減算する。入賞カウンタの値が「0」となった場合には上記第1の実施形態と同様に入賞上限個数分の入賞が発生したと特定し、ラウンド遊技又は小当たり結果を契機とした開閉実行モードを終了させる。
【0677】
第3誘導領域277は左方に向けて下り傾斜となっている。ここで、第1誘導板271が誘導位置に配置されている場合、横方向の位置において右側領域PA3の右側端部から第1スルーゲート263の右端の位置に亘って第1誘導板271が存在することとなる。また、既に説明したとおり誘導位置に配置されている第1誘導板271の前側端部と窓パネル52との間の距離寸法は遊技球の半径よりも小さい寸法となる。したがって、第3誘導領域277の上面に載った遊技球は途中で何らかの原因で第2誘導領域276に移動しない限り、第1スルーゲート263に向けて自重により流下し、当該第1スルーゲート263に入賞することとなる。第1スルーゲート263に入賞した遊技球は、当該第1スルーゲート263に対応させて設けられた図示しない検知センサにて検知される。この検知センサは主側CPU63と電気的に接続されており、主側CPU63は当該検知センサの検知結果に基づいて第1スルーゲート263への入賞の有無を特定する。そして、第1スルーゲート263に1個の遊技球が入球したことを特定した場合、普図保留エリア65cに上限個数の普図側の保留情報が記憶されていないことを条件として、普電乱数カウンタC4の数値情報を普図側の保留情報として普図保留エリア65cに記憶させる。
【0678】
上記構成であることにより、第1特電入賞装置261が制御対象となるラウンド遊技又は第1特電入賞装置261が制御対象となる小当たり結果を契機とした開閉実行モードでは、第1誘導板271が誘導位置に配置されている場合、右側領域PA3に流入した遊技球は第1大入賞口265及び第1スルーゲート263のいずれかに誘導され、第1大入賞口265及び第1スルーゲート263のいずれかへの入賞が確実に発生する。第1大入賞口265への入賞が発生した場合には上記第1の実施形態と同様に入賞上限個数の残り個数が1減算されるとともに特定個数である15個の遊技球の払い出しが実行される。第1スルーゲート263への入賞が発生した場合には普図側の保留情報の取得契機が発生する。これにより、第1特電入賞装置261が制御対象となった場合には遊技者は第1大入賞口265への入賞が発生することと第1スルーゲート263への入賞が発生することの両方を期待することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0679】
次に、第2特電入賞装置262の構成及び第2スルーゲート264の構成について図80(a)を参照しながら説明する。図80(a)は図78のB-B線断面図である。
【0680】
遊技盤24には当該遊技盤24を前後方向に貫通するようにして第2大入賞口266が形成されている。第2大入賞口266が形成された位置は、第1特電入賞装置261及び第1スルーゲート263よりも下方の位置であって第1大入賞口265の鉛直下方の位置である。また、この第2大入賞口266が形成された位置は、右側領域PA3において可変表示ユニット36寄りの位置ではあるものの第2スルーゲート264よりも右方の位置である。
【0681】
第2大入賞口266への遊技球の入球を阻止又は許容するように第2特電入賞装置262が設けられている。第2特電入賞装置262は第2大入賞口266の下方の位置にて遊技盤24を前後方向に貫通するようにして設けられた第2誘導板281を備えている。第2誘導板281は、図示しない駆動手段により駆動されることにより前後方向に移動可能に設けられており、遊技盤24の盤面からのパチンコ機10前側への突出量が最小となる阻止位置と、当該阻止位置よりもパチンコ機10前方にスライド移動した位置であって遊技盤24の盤面からのパチンコ機10前側への突出量が最大となる誘導位置との間で移動する。
【0682】
遊技盤24において第2誘導板281の右側端部の上方位置には第2球受け部282が設けられており、さらに右側領域PA3において第2特電入賞装置262の上方には、第1大入賞口265及び第1スルーゲート263に入賞することなく第1特電入賞装置261の下方に流入した遊技球の全てを第2球受け部282に誘導するための第2誘導釘群268が設けられている(図78参照)。第2誘導釘群268は右方向に下り傾斜となるように複数の釘24bを配列することで形成されている。右側領域PA3において第1特電入賞装置261の下方に流下した遊技球は、第2誘導釘群268により全て第2球受け部282に誘導される。第2球受け部282の前側端部と窓パネル52との間の距離寸法は遊技球の直径よりも大きい寸法に設定されている。また、第2球受け部282はその上面がパチンコ機10前側に向けて下り傾斜となっている。したがって、第2球受け部282の上面に到達した遊技球は自重によりパチンコ機10前側に向けて流下することとなる。
【0683】
第2誘導板281が阻止位置に配置されている場合、第1誘導板271と同様に、第2誘導板281の前側端部と窓パネル52との間の距離寸法は遊技球の直径よりも大きい寸法となる。そして、この阻止位置では第2誘導板281の前側端部は第2球受け部282の前側端部よりもパチンコ機10後側に存在している。したがって、第2誘導板281が阻止位置に配置されている状況で第2球受け部282の上面に到達した遊技球は基本的に第2球受け部282と窓パネル52との間の空間を通じて第2球受け部282の下方に落下することとなる。また、第2誘導釘群268により誘導された遊技球が第2球受け部282上で跳ねることにより阻止位置に配置されている第2誘導板281において遊技盤24の盤面よりもパチンコ機10前側に突出している領域の上面に載ることも想定される。これに対して、阻止位置に配置されている第2誘導板281において遊技盤24の盤面よりもパチンコ機10前側に突出している領域の上面はパチンコ機10前側に向けて下り傾斜となっている。したがって、阻止位置に配置されている第2誘導板281の上面に遊技球が載ったとしても、その遊技球は第2大入賞口266及び第2スルーゲート264に入賞することなく第2誘導板281の前側端部と窓パネル52との間から第2誘導板281の下方に落下することとなる。上記構成であることにより、第2誘導板281が阻止位置に配置されている場合、第2大入賞口266への入賞の発生が阻止されるとともに第2スルーゲート264への入賞の発生が阻止される。
【0684】
第2誘導板281が誘導位置に配置されている場合、図80(a)に示すように、第2誘導板281の前側端部と窓パネル52との間の距離寸法は遊技球の半径よりも小さい寸法となる。そして、この誘導位置では第2誘導板281の前側端部は第2球受け部282の前側端部よりもパチンコ機10前側に存在している。したがって、第2誘導板281が誘導位置に配置されている状況で第2球受け部282の上面に到達した遊技球は第2誘導板281において遊技盤24の盤面よりもパチンコ機10前側に突出している領域の上面に載ることとなる。
【0685】
第2誘導板281において誘導位置に配置されている場合に遊技盤24の盤面よりもパチンコ機10前側に突出している突出領域283の上面には、当該上面の傾斜方向を変化させるための境界部284が形成されている。当該境界部284を境界として、突出領域283の上面は、第2球受け部282の前方に存在している第1誘導領域285と、第1誘導領域285の左方であって第2大入賞口266へと続く第2誘導領域286と、第1誘導領域285の左方及び第2誘導領域286の前方であって第2スルーゲート264へと続く第3誘導領域287と、に区画されている。第1誘導領域285の上面は左方に向けて下り傾斜となっている。また、第1誘導領域285の左端は第2誘導領域286の右端及び第3誘導領域287の右端の両方に接している。これにより、第2球受け部282から第1誘導領域285に誘導された遊技球は第2誘導領域286又は第3誘導領域287に自重により流下する。この場合に、第1誘導領域285の左端において第2誘導領域286の右端に接している範囲は第1誘導領域285の左端において第3誘導領域287の右端に接している範囲よりも広い。したがって、第1誘導領域285により誘導される遊技球は第3誘導領域287よりも第2誘導領域286に流入し易い。但し、第1誘導領域285により誘導される遊技球は所定の頻度(例えば7個のうち1個)で第3誘導領域287に流入する。
【0686】
第2誘導領域286は当該第2誘導領域286の上面に載った遊技球を第2大入賞口266に誘導するように、その上面の傾斜方向が左後ろに向けて下り傾斜となっている。これにより、第2誘導領域286の上面に載った遊技球は第2大入賞口266に入賞し易い。第2大入賞口266に入賞した遊技球は、当該当該第2大入賞口266に対応させて設けられた図示しない検知センサにて検知される。この検知センサは主側CPU63と電気的に接続されており、主側CPU63は当該検知センサの検知結果に基づいて第2大入賞口266への入賞の有無を特定する。そして、第2大入賞口266が開放対象となっているラウンド遊技又は小当たり結果を契機とした開閉実行モードにおいては、第2大入賞口266に1個の遊技球が入球したことを特定した場合、主側RAM65の入賞カウンタの値を1減算する。入賞カウンタの値が「0」となった場合には上記第1の実施形態と同様に入賞上限個数分の入賞が発生したと特定し、ラウンド遊技又は小当たり結果を契機とした開閉実行モードを終了させる。
【0687】
第3誘導領域287は左方に向けて下り傾斜となっている。ここで、第2誘導板281が誘導位置に配置されている場合、横方向の位置において右側領域PA3の右側端部から第2スルーゲート264の右端の位置に亘って第2誘導板281が存在することとなる。また、既に説明したとおり誘導位置に配置されている第2誘導板281の前側端部と窓パネル52との間の距離寸法は遊技球の半径よりも小さい寸法となる。したがって、第3誘導領域287の上面に載った遊技球は途中で何らかの原因で第2誘導領域286に移動しない限り、第2スルーゲート264に向けて自重により流下し、当該第2スルーゲート264に入賞することとなる。第2スルーゲート264に入賞した遊技球は、当該第2スルーゲート264に対応させて設けられた図示しない検知センサにて検知される。この検知センサは主側CPU63と電気的に接続されており、主側CPU63は当該検知センサの検知結果に基づいて第2スルーゲート264への入賞の有無を特定する。そして、第2スルーゲート264に1個の遊技球が入球したことを特定した場合、普図保留エリア65cに上限個数の普図側の保留情報が記憶されていないことを条件として、普電乱数カウンタC4の数値情報を普図側の保留情報として普図保留エリア65cに記憶させる。
【0688】
上記構成であることにより、第2特電入賞装置262が制御対象となるラウンド遊技又は第2特電入賞装置262が制御対象となる小当たり結果を契機とした開閉実行モードでは、第2誘導板281が誘導位置に配置されている場合、右側領域PA3に流入した遊技球は第2大入賞口266及び第2スルーゲート264のいずれかに誘導され、第2大入賞口266及び第2スルーゲート264のいずれかへの入賞が確実に発生する。第2大入賞口266への入賞が発生した場合には上記第1の実施形態と同様に入賞上限個数の残り個数が1減算されるとともに特定個数である15個の遊技球の払い出しが実行される。第2スルーゲート264への入賞が発生した場合には普図側の保留情報の取得契機が発生する。これにより、第2特電入賞装置262が制御対象となった場合には遊技者は第2大入賞口266への入賞が発生することと第2スルーゲート264への入賞が発生することの両方を期待することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0689】
ここで、図80(a)及び図80(b)を参照しながら第1特電入賞装置261と第2特電入賞装置262とを比較する。図80(a)は既に説明したとおり図78のB-B線断面図であり第2誘導板281が誘導位置に配置されている場合における第2特電入賞装置262を示し、図80(b)は図78A-A線断面図であり第1誘導板271が誘導位置に配置されている場合における第1特電入賞装置261を示す。
【0690】
図80(a)及び図80(b)に示すように、第1誘導板271において第1誘導領域275の左端の寸法と第2誘導板281において第1誘導領域275の左端の寸法とは同一又は略同一となっている。この場合に、第1誘導板271において第1誘導領域275の左端の全体に対して第3誘導領域277の右端が接している範囲の割合は、第2誘導板281において第1誘導領域285の左端の全体に対して第3誘導領域287の右端が接している範囲の割合よりも大きくなっている。そして、当該構成との関係で、第1特電入賞装置261が開放状態となった場合(すなわち第1誘導板271が誘導位置に配置された場合)に第1誘導板271の上面に載った遊技球が第1スルーゲート263に誘導される確率は、第2特電入賞装置262が開放状態となった場合(すなわち第2誘導板281が誘導位置に配置された場合)に第2誘導板281の上面に載った遊技球が第2スルーゲート264に誘導される確率よりも高い。逆に、第1特電入賞装置261が開放状態となった場合(すなわち第1誘導板271が誘導位置に配置された場合)に第1誘導板271の上面に載った遊技球が第1大入賞口265に誘導される確率は、第2特電入賞装置262が開放状態となった場合(すなわち第2誘導板281が誘導位置に配置された場合)に第2誘導板281の上面に載った遊技球が第2大入賞口266に誘導される確率よりも低い。これにより、第1特電入賞装置261及び第2特電入賞装置262のうち制御対象となった特電入賞装置の種類に応じて、大入賞口265,266への入賞の発生し易さ及びスルーゲート263,264への入賞の発生し易さを相違させることが可能となる。
【0691】
既に説明したとおり第1特電入賞装置261の上方には第1誘導釘群267が設けられており、当該第1誘導釘群267は可変表示ユニット36の右端から第1球受け部272の手前に亘って延在している(図78参照)。これに対して、第1スルーゲート263は右側領域PA3において第1誘導釘群267の下方であって第1特電入賞装置261の左方の位置に設けられている。したがって、右側領域PA3を流入した遊技球は第1特電入賞装置261が設けられた領域を通過することなく第1スルーゲート263に入賞することはない。
【0692】
一方、第1特電入賞装置261と第2特電入賞装置262との間に設けられた第2誘導釘群268は第1特電入賞装置261の下方に流入した遊技球を第2球受け部282に誘導するように設けられているが、当該第2誘導釘群268は第1特電入賞装置261の左端よりも第1スルーゲート263側には入り込んでいない(図78参照)。そして、第1スルーゲート263の鉛直下方の位置に第2スルーゲート264が設けられているとともに、第1スルーゲート263は鉛直方向に貫通するゲート孔を遊技球が通過する構成となっている。したがって、第1スルーゲート263に入賞した遊技球は第2スルーゲート264にも入賞し得るとともに、それだけではなく第1スルーゲート263に入賞した遊技球は第2スルーゲート264に入賞し易い。1個の遊技球が第1スルーゲート263に入賞するとともに第2スルーゲート264に入賞した場合、普図保留エリア65cに上限個数の普図側の保留情報が取得されていないことを条件として普図側の保留情報が2個取得される。よって、この点からも第2特電入賞装置262が制御対象となる場合よりも第1特電入賞装置261が制御対象となった場合の方が、普図側の保留情報が取得され易い。
【0693】
次に、図81の説明図を参照しながら本実施形態における当否テーブルの内容について説明する。図81(a)は第1特図用の低確当否テーブルを示し、図81(b)は第1特図用の高確当否テーブルを示し、図81(c)は第2特図用の低確当否テーブルを示し、図81(d)は第2特図用の高確当否テーブルを示す。
【0694】
上記第1の実施形態と同様に第1特図用の当否テーブルとしては、図81(a)及び図81(b)に示すように第1特図用の低確当否テーブルと第1特図用の高確当否テーブルとが設けられている。これら第1特図用の低確当否テーブル及び第1特図用の高確当否テーブルには遊技結果として大当たり結果及び外れ結果のみが設定されており、第1特図用の高確当否テーブルの方が第1特図用の低確当否テーブルよりも大当たり結果が選択される確率が高く設定されている。
【0695】
上記第1の実施形態と同様に第2特図用の当否テーブルとしては、図81(c)及び図81(d)に示すように第2特図用の低確当否テーブルと第2特図用の高確当否テーブルとが設けられている。これら第2特図用の低確当否テーブル及び第2特図用の高確当否テーブルには遊技結果として大当たり結果と、第1小当たり結果と、第2小当たり結果と、が設定されている。大当たり結果が選択される確率は第2特図用の高確当否テーブルの方が第2特図用の低確当否テーブルよりも高く設定されている。一方、第1小当たり結果及び第2小当たり結果のいずれかが選択される確率は第2特図用の低確当否テーブルの方が第2特図用の高確当否テーブルよりも高く設定されている。
【0696】
次に、開閉実行モードの実行態様について説明する。図82(a)及び図82(b)は開閉実行モードの実行態様を説明するための説明図である。
【0697】
本実施形態においても上記第1の実施形態と同様に、大当たり結果として、図82(a)に示すように、2R低確結果、2R高確結果、4R低確結果、4R高確結果、6R低確結果、6R高確結果、10R低確結果、10R高確結果、16R低確結果及び16R高確結果が存在している。これら各大当たり結果となった場合における開閉実行モードのラウンド遊技の回数、ラウンド遊技の入賞上限個数、各ラウンド遊技の開放継続期間及びインターバル期間は上記第1の実施形態と同一となっている。一方、開閉実行モードにおいて制御対象となる特電入賞装置261,262の種類が大当たり結果の種類に応じて相違している。具体的には、2R高確結果、4R高確結果、6R高確結果、10R高確結果及び16R高確結果のいずれかを契機とした開閉実行モードでは各ラウンド遊技にて第1特電入賞装置261が制御対象となるのに対して、2R低確結果、4R低確結果、6R低確結果、10R低確結果及び16R低確結果のいずれかを契機とした開閉実行モードでは各ラウンド遊技にて第2特電入賞装置262が制御対象となる。これにより、高確結果となった方が低確結果となった場合よりも開閉実行モードにおいて普図側の保留情報が取得され易い。その一方、高確結果となった方が低確結果となった場合よりも開閉実行モードにおいて大入賞口265,266への入賞が発生しづらい。
【0698】
ここで、各ラウンド遊技の開放継続期間は29秒に設定されているとともに、各ラウンド遊技の入賞上限個数は10個に設定されている。この場合に、遊技球の発射周期は0.6秒であるため、各ラウンド遊技の開放継続期間が経過するまでに第1特電入賞装置261の位置に約48個の遊技球が供給され得る。これに対して、既に説明したとおり第1特電入賞装置261における第1誘導板271の第1誘導領域275に誘導される4個の遊技球のうち3個の遊技球が第1大入賞口265に入賞し1個の遊技球が第1スルーゲート263に入賞する。そうすると、48個のうちの3/4である36個は第1大入賞口265に誘導される計算となり、この個数は入賞上限個数よりも多い個数である。したがって、第1特電入賞装置261が制御対象となったとしても各ラウンド遊技において入賞上限個数の遊技球が第1大入賞口265に入賞し得る。ちなみに、各ラウンド遊技において特電入賞装置261,262の誘導板271,281が誘導位置に保持される期間は、球受け部272,282に到達した遊技球が対応するスルーゲート263,264に誘導される場合にその遊技球が球受け部272,282に到達してから誘導板271,281の左端から対応するスルーゲート263,264に向けて落下し出すまでに要する最短期間よりも長い期間に設定されている。
【0699】
既に説明したとおり本実施形態では小当たり結果として、図82(b)に示すように、第1小当たり結果と第2小当たり結果とが設定されている。これら小当たり結果となった場合における開閉実行モードの入賞上限個数、開放継続期間、開放回数及びインターバル期間はいずれも同一となっている。一方、開閉実行モードにおいて制御対象となる特電入賞装置261,262の種類が小当たり結果の種類に応じて相違している。具体的には、第1小当たり結果を契機とした開閉実行モードでは第1特電入賞装置261が制御対象となるのに対して、第2小当たり結果を契機とした開閉実行モードでは第2特電入賞装置262が制御対象となる。これにより、第1小当たり結果となった方が第2小当たり結果となった場合よりも開閉実行モードにおいて普図側の保留情報が取得され易い。その一方、第1小当たり結果となった方が第2小当たり結果となった場合よりも開閉実行モードにおいて大入賞口265,266への入賞が発生しづらい。ちなみに、小当たり結果を契機とした開閉実行モードの各開放回において特電入賞装置261,262の誘導板271,281が誘導位置に保持される期間は、球受け部272,282に到達した遊技球が対応するスルーゲート263,264に誘導される場合にその遊技球が球受け部272,282に到達してから誘導板271,281の左端から対応するスルーゲート263,264に向けて落下し出すまでに要する最短期間よりも長い期間に設定されている。
【0700】
図83は主側CPU63にて実行される特電用の開放設定処理を示すフローチャートである。なお、開放設定処理は、特電開始処理(図42)のステップS1608及び特電閉鎖中処理(図44)のステップS1810にて実行される。
【0701】
まず今回の制御対象が第1特電入賞装置261であるか否かを判定する(ステップS4001)。今回の開閉実行モードがいずれかの高確結果又は第1小当たり結果を契機としている場合には第1特電入賞装置261が制御対象であり、今回の開閉実行モードがいずれかの低確結果又は第2小当たり結果を契機としている場合には第2特電入賞装置262が制御対象である。
【0702】
ステップS4001にて肯定判定をした場合には第1特電入賞装置261の開放設定処理を実行する(ステップS4002)。具体的には、第1特電入賞装置261の第1誘導板271が誘導位置に配置されるように第1特電入賞装置261の駆動手段に駆動信号を送信する。一方、ステップS4001にて否定判定をした場合には第2特電入賞装置262の開放設定処理を実行する(ステップS4003)。具体的には、第2特電入賞装置262の第2誘導板281が誘導位置に配置されるように第2特電入賞装置262の駆動手段に駆動信号を送信する。これにより、開閉実行モードの契機となった大当たり結果又は小当たり結果に対応する特電入賞装置261,262が開放状態となる。
【0703】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0704】
特電入賞装置261,262が開放状態となっている場合にスルーゲート263,264への遊技球の入球が可能となるため、特電入賞装置261,262が開放状態となっている場合には遊技者は特電入賞装置261,262への入賞とスルーゲート263,264への入賞との両方を期待することとなる。よって、特電入賞装置261,262が開放状態となっている状況における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0705】
スルーゲート263,264は、誘導位置に配置されている誘導板271,272に載った遊技球であって当該誘導板271,272上において大入賞口265,266側とは異なる側に流下した遊技球が入球可能となる位置に設けられている。これにより、誘導板271,272に載った遊技球に対する遊技者の注目度を高めることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0706】
右側領域PA3に流入した遊技球は誘導釘群267,268により誘導板271,272の右端側に誘導される。この場合に、大入賞口265,266及びスルーゲート263,264は誘導板271,272の左側側に設けられている。これにより、誘導板271,272において遊技球が流下していく様子に遊技者を注目させることが可能となる。
【0707】
誘導板271,272においてスルーゲート263,264への遊技球の入球を可能とする領域は大入賞口265,266よりも左方、すなわち誘導板271,272上における遊技球の流下方向の先側に存在している。これにより、誘導板271,272に載った遊技球が大入賞口265,266に入賞しなかったことに対する遊技者の不利益感を、逆に、スルーゲート263,264への入賞が発生することに対する利益感に変えることが可能となる。
【0708】
特電入賞装置261,262として第1特電入賞装置261と第2特電入賞装置262とが設けられているとともに、スルーゲート263,264として第1スルーゲート263と第2スルーゲート264とが設けられている。そして、第1特電入賞装置261の第1誘導板271により誘導されることにより第1スルーゲート263への入賞が可能となり、第2特電入賞装置262の第2誘導板272により誘導されることにより第2スルーゲート264への入賞が可能となる。この場合、開閉実行モードにおいて開閉制御の実行対象となる特電入賞装置261,262の種類を相違させることで、特電入賞装置261,262及びスルーゲート263,264のそれぞれへの遊技球の入球割合を相違させることが可能となる。
【0709】
第1誘導板271に載った遊技球が第1スルーゲート263に入球する確率と、第2誘導板272に載った遊技球が第2スルーゲート264に入球する確率とが相違している。これにより、開閉制御の実行対象となる特電入賞装置261,262に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
【0710】
例えば2R低確結果と2R高確結果とで開閉実行モードにおいて開閉制御の実行対象となる特電入賞装置261,262の種類が相違している。これにより、開閉実行モードの実行契機となる遊技結果の種類に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
【0711】
第2スルーゲート264は第1スルーゲート263に対して遊技球の流下方向の下流側に存在している。これにより、第1特電入賞装置261が開閉制御の実行対象となった場合には第1スルーゲート263に遊技球が入球し得るだけではなく、第2スルーゲート264に遊技球が入球し得ることとなる。よって、普図側の保留情報が取得されることを期待する遊技者は、第1特電入賞装置261が開閉制御の実行対象となることを期待することとなる。
【0712】
第1スルーゲート263に遊技球が入球した場合及び第2スルーゲート264に遊技球が入球した場合のいずれであっても普図側の保留情報の取得という同一の特典が付与される。これにより、開閉制御の実行対象が第1特電入賞装置261及び第2特電入賞装置262のうちいずれとなったとしても遊技者が感じる不利益感を抑えることが可能となる。
【0713】
<第15の実施形態の別形態>
・一の開閉実行モードの途中で開閉制御の実行対象となる特電入賞装置261,262の種類が変更される構成としてもよい。これにより、開閉実行モードの途中で大入賞口265,266とスルーゲート263,264との入球期待度の割合を変更することが可能となる。
【0714】
・第1スルーゲート263に入球した遊技球が第2スルーゲート264に入球し得る構成に限定されることはなく、第1スルーゲート263に入球した遊技球が第2スルーゲート264に入球することが不可であり、第2スルーゲート264に入球した遊技球が第1スルーゲート263に入球することが不可である構成としてもよい。
【0715】
・大入賞口265,266を直接的に開閉する部材が設けられていない構成としたが、大入賞口265,266を直接的に開閉する部材が設けられている構成としてもよい。例えば第1誘導板271が阻止位置に配置されている場合に第1大入賞口265を前方から塞ぐように当該第1大入賞口265に対して近接した位置にて対峙し、第1誘導板271が誘導位置に配置されている場合には第1誘導板271上における第1大入賞口265又は第1スルーゲート263に向けた遊技球の流れを阻害しない位置となる部位が、第1誘導板271に設けられている構成としてもよい。この場合、第1誘導板271が阻止位置に配置されている状況において第1大入賞口265に遊技球が入球してしまうことを阻止することが可能となる。
【0716】
<第16の実施形態>
上記第1の実施形態では特電入賞装置32の下方にスルーゲート35が設けられており、誘導板部214上に遊技球が載っている状況で開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動した場合にその遊技球がスルーゲート35に入賞し得る構成としたが、本実施形態では特電入賞装置32の下方にスルーゲート35が設けられているのではなく2個の特電入賞装置32が上下に並設されている。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0717】
図84は本実施形態における遊技盤24の正面図である。
【0718】
本実施形態ではスルーゲート35は遊技領域PAの左側領域PA2に設けられており、左側領域PA2を遊技球が流下することとなる同一の発射操作の態様で比較した場合に当該スルーゲート35への遊技球の入球頻度は遊技状態に関係なく一定となる。また、左側領域PA2を遊技球が流下するように発射操作を行った場合、第2作動口34が設けられた位置に遊技球が到達し得る。したがって、左側領域PA2を流下するように遊技球の発射操作が行われた場合には、スルーゲート35への入賞が可能となり、さらにスルーゲート35への入賞を契機として第2作動口34が開放状態となった場合には第2作動口34への入賞が可能となる。
【0719】
ちなみに、本実施形態では第2作動口34の普電役物34aの状態を制御するサポートモードとして低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されている。低頻度サポートモードでは普電役物34aが開放状態とならない又は普電役物34aが開放状態となる頻度が相対的に低く、高頻度サポートモードでは普電役物34aが開放状態となる頻度が相対的に高い。低確結果となった場合には開閉実行モードの終了後のサポートモードが低頻度サポートモードとなり、高確結果となった場合には開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる。
【0720】
右側領域PA3には2個の特電入賞装置32が上下に並設されている。これら特電入賞装置32は上記第1の実施形態と同様に通路形成体201、開閉部材202及びガイド部材203を備えている。開閉部材202が閉鎖位置に配置されている場合には第4排出通路部45への遊技球の入球が不可となり、開閉部材202に形成された開口部213(図30参照)を通過することで特電入賞装置32の下方へ遊技球が流下することとなる。開閉部材202が開放位置に配置されている場合には開閉部材202の誘導板部214上に遊技球が載ることが可能となり、その誘導板部214上に載っている遊技球が第4排出通路部45に入球可能となる。なお、以下の説明では上側の特電入賞装置32を第1特電入賞装置291といい、下側の特電入賞装置32を第2特電入賞装置292という。
【0721】
第1特電入賞装置291は第2特電入賞装置292の上方において可変表示ユニット36の右端から遊技領域PAの右端に亘って延在している。右側領域PA3において第1特電入賞装置291の上流側には上記第1の実施形態と同様に誘導釘群241が設けられている。これにより、右側領域PA3を流下する遊技球は誘導釘群241により、第1特電入賞装置291におけるガイド部材203の受け部231に誘導される。そして、受け部231に誘導された遊技球は開閉部材202の右側端部に到達することとなる。この場合に、第1特電入賞装置291の開閉部材202が開放位置に配置されており第1特電入賞装置291が開放状態となっている場合には、右側領域PA3に流入した遊技球が第1特電入賞装置291の下方に流下することが基本的に阻止され、第1特電入賞装置291の開閉部材202が閉鎖位置に配置されており第1特電入賞装置291が閉鎖状態となっている場合には、右側領域PA3に流入した遊技球が第1特電入賞装置291の下方に流下することが許容される。
【0722】
第2特電入賞装置292は可変表示ユニット36の右端から遊技領域PAの右端に亘って延在している。右側領域PA3において第1特電入賞装置291と第2特電入賞装置292との間には下側誘導釘群293が設けられている。下側誘導釘群293は第1特電入賞装置291の下方に流入した遊技球を第2特電入賞装置292の右端側に誘導するように、第1特電入賞装置291の通路形成体201側から第2特電入賞装置292の右端側に亘って複数の釘24bを右下がりに配列することで形成されている。これにより、第1特電入賞装置291の下方に流入した遊技球は下側誘導釘群293により、第2特電入賞装置292におけるガイド部材203の受け部231に誘導される。そして、受け部231に誘導された遊技球は開閉部材202の右側端部に到達することとなる。この場合に、第2特電入賞装置292の開閉部材202が開放位置に配置されており第2特電入賞装置292が開放状態となっている場合には、右側領域PA3に流入した遊技球が第2特電入賞装置292の下方に流下することが基本的に阻止され、第2特電入賞装置292の開閉部材202が閉鎖位置に配置されており第2特電入賞装置292が閉鎖状態となっている場合には、右側領域PA3に流入した遊技球が第2特電入賞装置292の下方に流下することが許容される。
【0723】
図85(a)は主側CPU63にて実行される特電用の開放設定処理を示すフローチャートである。なお、特電用の開放設定処理は特電開始処理(図42)のステップS1608、及び特電閉鎖中処理(図44)のステップS1810にて実行される。
【0724】
特電用の開放設定処理ではまず第1特電入賞装置291の開放設定処理を実行する(ステップS4101)。当該開放設定処理では、第1特電入賞装置291が開放状態となるようにするためのデータ設定を行う。また、続けて第2特電入賞装置292の開放設定処理を実行する(ステップS4102)。当該開放設定処理では、第2特電入賞装置292が開放状態となるようにするためのデータ設定を行う。これにより、第1特電入賞装置291と第2特電入賞装置292とが同時又は略同時に開放状態となる。つまり、本実施形態では、大当たり結果を契機とした開閉実行モードであれば各ラウンド遊技の開始時に、小当たり結果を契機とした開閉実行モードであれば特電入賞装置291,292の各開放回の開始時に、第1特電入賞装置291及び第2特電入賞装置292の両方が開放状態となる。
【0725】
図85(b)は主側CPU63にて実行される特電用の閉鎖設定処理を示すフローチャートである。なお、特電用の閉鎖設定処理は特電開放中処理(図43)のステップS1704にて実行される。
【0726】
特電用の閉鎖設定処理ではまず第1特電入賞装置291の閉鎖設定処理を実行する(ステップS4201)。当該閉鎖設定処理では、第1特電入賞装置291が閉鎖状態となるようにするためのデータ設定を行う。また、続けて第2特電入賞装置292の閉鎖設定処理を実行する(ステップS4202)。当該閉鎖設定処理では、第2特電入賞装置292が閉鎖状態となるようにするためのデータ設定を行う。これにより、第1特電入賞装置291と第2特電入賞装置292とが同時又は略同時に閉鎖状態となる。つまり、本実施形態では、大当たり結果を契機とした開閉実行モードであれば各ラウンド遊技の終了時に、小当たり結果を契機とした開閉実行モードであれば特電入賞装置291,292の各開放回の終了時に、第1特電入賞装置291及び第2特電入賞装置292の両方が閉鎖状態となる。
【0727】
ちなみに、図示による説明は省略するが、特電開放中処理(図43)においては第1特電入賞装置291及び第2特電入賞装置292のいずれかに遊技球が入賞している場合にステップS1706にて肯定判定をする。この場合、第1特電入賞装置291と第2特電入賞装置292とに同時に入賞が発生している場合にはステップS1707にて入賞カウンタの値を2減算し、いずれか一方に入賞が発生している場合にはステップS1707にて入賞カウンタの値を1減算する。また、特電閉鎖中処理(図44)においては小当たり結果である場合であって第1特電入賞装置291及び第2特電入賞装置292のいずれかに遊技球が入賞している場合にステップS1801にて肯定判定をする。この場合、第1特電入賞装置291と第2特電入賞装置292とに同時に入賞が発生している場合にはステップS1802にて入賞カウンタの値を2減算し、いずれか一方に入賞が発生している場合にはステップS1802にて入賞カウンタの値を1減算する。
【0728】
次に、図86のタイムチャートを参照しながら第1特電入賞装置291及び第2特電入賞装置292が開閉される様子について説明する。図86(a)はラウンド遊技の実行期間を示し、図86(b)は第1特電入賞装置291が開放状態となっている期間を示し、図86(c)は第2特電入賞装置292が開放状態となっている期間を示し、図86(d)は第1特電入賞装置291の誘導板部214に載っている遊技球が第2特電入賞装置292の誘導板部214に到達するまでに要する期間として想定される最短期間を示す。
【0729】
図86(a)に示すように、t1のタイミング~t2のタイミング、t3のタイミング~t5のタイミング、及びt6のタイミング~t8のタイミングのそれぞれにおいてラウンド遊技が実行される。この場合、図86(b)及び図86(c)に示すように、t1のタイミング、t3のタイミング及びt6のタイミングのそれぞれにおいて第1特電入賞装置291及び第2特電入賞装置292の両方が同時に開放状態となり、t2のタイミング、t5のタイミング及びt8のタイミングのそれぞれにおいて第1特電入賞装置291及び第2特電入賞装置292の両方が同時に閉鎖状態となる。
【0730】
当該構成において、第1特電入賞装置291が閉鎖状態となるt2のタイミング及びt5のタイミングにて、第1特電入賞装置291の開閉部材202の誘導板部214に遊技球が載っていることが想定される。この遊技球は第1特電入賞装置291に入賞することなく下方に落下することとなる。この場合に、第1特電入賞装置291の誘導板部214に載っている遊技球が第2特電入賞装置292の誘導板部214に到達するまでに要する期間として想定される最短期間が、各特電入賞装置291,292の一の開放回と次の開放回との間のインターバル期間よりも長い期間となるように、第1特電入賞装置291と第2特電入賞装置292との間の距離が設定されている。また、既に説明したとおり第1特電入賞装置291と第2特電入賞装置292との間には下側誘導釘群293が設けられており、第1特電入賞装置291の下方に流入した遊技球は下側誘導釘群293上の傾斜を自重により下ることで第2特電入賞装置292の位置に到達する。これにより、第1特電入賞装置291の誘導板部214に載っている遊技球が第2特電入賞装置292の誘導板部214に到達するまでに要する期間は、遊技球が鉛直落下する場合よりも長期間化されている。
【0731】
上記構成であることにより、t2のタイミングで第1特電入賞装置291の誘導板部214から第2特電入賞装置292に向けて落下した遊技球は、図86(c)及び図86(d)に示すように、第2特電入賞装置292が再度開放状態となるt3のタイミングよりも後のタイミングであるt4のタイミングにて、第2特電入賞装置292に到達することとなる。また、t5のタイミングで第1特電入賞装置291の誘導板部214から第2特電入賞装置292に向けて落下した遊技球は、図86(c)及び図86(d)に示すように、第2特電入賞装置292が再度開放状態となるt6のタイミングよりも後のタイミングであるt7のタイミングにて、第2特電入賞装置292に到達することとなる。
【0732】
各ラウンド遊技において第1特電入賞装置291が閉鎖状態となる場合に第1特電入賞装置291の誘導板部214に載っている遊技球の数は最大で入賞上限個数よりも少ない2個程度である。したがって、第1特電入賞装置291から落下した遊技球が第2特電入賞装置292に入賞する前に当該第2特電入賞装置292が閉鎖状態となることはない。
【0733】
上記構成によれば、右側領域PA3に第1特電入賞装置291と第2特電入賞装置292とが縦方向に並設された構成において、開閉実行モードにおける各開放回にて第1特電入賞装置291及び第2特電入賞装置292の両方が開放状態となる期間が発生する。これにより、開放状態となっている第1特電入賞装置291に入り損ねた遊技球が、開放状態となっている第2特電入賞装置292に入球し得る。よって、開閉実行モードにおいて特電入賞装置291,292への入球漏れが発生しづらくなる。
【0734】
各開放回が終了するタイミングにおいて第1特電入賞装置291の位置に到達していたにも関わらず当該第1特電入賞装置291に入球することができなかった遊技球が、次の開放回において第2特電入賞装置292に入球し得るように、これら第1特電入賞装置291及び第2特電入賞装置292が設けられている。これにより、所定の開放回において第1特電入賞装置291に入球漏れした遊技球が次の開放回において第2特電入賞装置292に入球し得ることとなり、開閉実行モードにおいて特電入賞装置291,292への入球漏れが発生しづらくなる。
【0735】
一の開閉実行モードにおいて所定の開放回が終了してから次の開放回が開始されるまでの期間が、第1特電入賞装置291の位置から第2特電入賞装置292の位置に遊技球が到達するまでに要する期間よりも短い期間に設定されている。これにより、所定の開放回において第1特電入賞装置291に入球漏れした遊技球が次の開放回において第2特電入賞装置292に入球し得ることとなる。また、このような入球漏れを発生しづらくさせるための構成を、第1特電入賞装置291と第2特電入賞装置292との位置関係の調整によって実現することが可能となる。
【0736】
上記のような構成において、第1特電入賞装置291の開閉部材202が開放位置に配置されている場合には当該開閉部材202よりも下流側への遊技球の流入が阻止され、第2特電入賞装置292の開閉部材202が開放位置に配置されている場合には当該開閉部材202よりも下流側への遊技球の流入が阻止される。そして、各開放回が開始される場合には第1特電入賞装置291及び第2特電入賞装置292が同時に開放状態となり、各開放回が終了する場合には第1特電入賞装置291及び第2特電入賞装置292が同時に閉鎖状態となる。これにより、開閉実行モードにおいて特電入賞装置291,292に入賞することなくアウト口24aに排出されてしまう遊技球の個数を抑えることが可能となる。
【0737】
第1特電入賞装置291と第2特電入賞装置292とが同時に開放されて同時に閉鎖される構成である。これにより、これら特電入賞装置291,292を開閉制御するための処理負荷の増大を抑制しながら上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
【0738】
<第16の実施形態の別形態>
・第1特電入賞装置291と第2特電入賞装置292とが各開放回の開始時に同時に開放状態となる構成に限定されることはなく、開放状態となるタイミングが若干相違するものの見た目で区別しづらい程度に略同一である構成としてもよく、見た目で区別できる程度に開放状態となるタイミングが相違している構成としてもよい。当該構成において、第1特電入賞装置291に入球漏れした遊技球を第2特電入賞装置292に入球させるためには、第2特電入賞装置292が開放状態となるタイミングが、第1特電入賞装置291が開放状態となるタイミングよりも先であることが好ましい。
【0739】
・第1特電入賞装置291と第2特電入賞装置292とが各開放回の終了時に同時に閉鎖状態となる構成に限定されることはなく、閉鎖状態となるタイミングが若干相違するものの見た目で区別しづらい程度に略同一である構成としてもよく、見た目で区別できる程度に閉鎖状態となるタイミングが相違している構成としてもよい。
【0740】
・第1特電入賞装置291が開放状態である場合には右側領域PA3を流下する遊技球が第1特電入賞装置291よりも下流側に流下することが確実に阻止される構成としてもよい。例えば開閉部材202が、第15の実施形態における誘導板271,281と同様に、開口部213を有していない板形状であり、閉鎖位置に配置されている場合には開閉部材202が遊技盤24の盤面よりも後方に没した状態となり、開放位置に配置されている場合には遊技盤24の盤面から窓パネル52との間に亘って開閉部材202が存在する構成としてもよい。これにより、第1特電入賞装置291が開放状態から閉鎖状態に切り換わるタイミングにおいて開閉部材202上に載っている遊技球を除き、第1特電入賞装置291が開放状態となっている場合には右側領域PA3を流下する遊技球が確実に第1特電入賞装置291に入賞することとなる。
【0741】
また、当該構成に加えて又は代えて、第2特電入賞装置292が開放状態である場合には右側領域PA3を流下する遊技球が第2特電入賞装置292よりも下流側に流下することが確実に阻止される構成としてもよい。例えば開閉部材202が、第15の実施形態における誘導板271,281と同様に、開口部213を有していない板形状であり、閉鎖位置に配置されている場合には開閉部材202が遊技盤24の盤面よりも後方に没した状態となり、開放位置に配置されている場合には遊技盤24の盤面から窓パネル52との間に亘って開閉部材202が存在する構成としてもよい。これにより、第2特電入賞装置292が開放状態から閉鎖状態に切り換わるタイミングにおいて開閉部材202上に載っている遊技球を除き、第2特電入賞装置292が開放状態となっている場合には右側領域PA3を流下する遊技球が確実に第2特電入賞装置292に入賞することとなる。
【0742】
・第1特電入賞装置291と第2特電入賞装置292との間に下側誘導釘群293が設けられている構成に限定されることはなく、当該下側誘導釘群293が設けられていない構成としてもよい。この場合であっても、第1特電入賞装置291と第2特電入賞装置292との間の距離を、第1特電入賞装置291の位置から第2特電入賞装置292の位置に遊技球が到達するまでに要する最短期間の方が特電入賞装置291,292の各開放回のインターバル期間よりも長い期間となるように設定することにより、第1特電入賞装置291に入球漏れした遊技球を第2特電入賞装置292に入球させることが可能となる。
【0743】
<第17の実施形態>
本実施形態では開閉実行モードにおいて右側領域PA3を流下する遊技球の全てが特電入賞装置に入賞するようにするための構成が上記第16の実施形態と相違している。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第16の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。また本実施形態では小当たり結果は存在していない。
【0744】
図87は本実施形態における特電入賞装置301,302の構成を説明するための遊技盤24の縦断面図である。
【0745】
遊技盤24の右側領域PA3には第1特電入賞装置301と第2特電入賞装置302とが上下に並設されている。各特電入賞装置301,302は遊技球が入球可能な大入賞口301a,302aを備えているとともに当該大入賞口301a,302aを開閉する開閉扉301b,302bを備えている。開閉扉301b,302bは特電用の駆動部301c,302cに駆動されることにより開放位置と閉鎖位置との間で切り換え配置可能となっている。開閉扉301b,302bが閉鎖位置に配置されている場合には大入賞口301a,302aへの遊技球の入球が不可であり、開閉扉301b,302bが開放位置に配置されることにより大入賞口301a,302aへの遊技球の入球が可能となる。大入賞口301a,302aに入球した遊技球は検知センサ301d,302dにより検知される。本実施形態であっても上記第16の実施形態と同様にラウンド遊技の開始時には第1特電入賞装置301及び第2特電入賞装置302の両方が同時に開放状態となり、ラウンド遊技の終了時には第1特電入賞装置301及び第2特電入賞装置302の両方が同時に閉鎖状態となる。
【0746】
なお、本実施形態では図示は省略するが、第1特電入賞装置301が開放状態となっている場合には右側領域PA3に流入した遊技球が第1特電入賞装置301に確実に入賞するように右側領域PA3において第1特電入賞装置301よりも上流側の領域が設定されている。また、第1特電入賞装置301の下方に流下した遊技球はその時点で第2特電入賞装置302が開放状態となっている場合には第2特電入賞装置302に確実に入賞するように右側領域PA3において第1特電入賞装置301と第2特電入賞装置302との間の領域が設定されている。
【0747】
右側領域PA3において第1特電入賞装置301と第2特電入賞装置302との間には流下阻止部材303が設けられている。流下阻止部材303は阻止駆動部304により駆動されることにより遊技盤24の盤面よりも前方に突出しない退避位置と遊技盤24の盤面よりも前方に突出した阻止位置との間で移動可能となっている。流下阻止部材303が退避位置に配置されている場合には、第1特電入賞装置301の下方へと流下した遊技球は流下阻止部材303に邪魔されることなく第2特電入賞装置302の側へと流下する。一方、流下阻止部材303が阻止位置に配置されている場合には、第1特電入賞装置301の下方へと流下した遊技球は全て流下阻止部材303の上面に載り、第2特電入賞装置302の側へ流下することが阻止される。
【0748】
図88は主側CPU63にて実行される流下阻止制御処理を示すフローチャートである。なお、流下阻止制御処理は開閉実行モードにおいて繰り返し実行される。
【0749】
今回のラウンド遊技が最終回のラウンド遊技とは異なるラウンド遊技であって(ステップS4301:YES)、今回のラウンド遊技の開始タイミングから阻止開始期間(具体的には2秒)が経過している場合(ステップS4302:YES)、阻止開始用の駆動制御処理を実行する(ステップS4303)。これにより、流下阻止部材303が退避位置から阻止位置に配置される。なお、阻止開始期間は遊技球の発射周期(具体的には0.6秒)と各ラウンド遊技の入賞上限個数(具体的には10個)との積よりも短い期間に設定されているため、阻止開始期間が経過する前にラウンド遊技が終了してしまうことはない。
【0750】
ステップS4301にて否定判定をした場合、ステップS4302にて否定判定をした場合、又はステップS4303の処理を実行した場合、ラウンド遊技の開始タイミングから阻止終了期間(具体的には1秒)が経過しているか否かを判定する(ステップS4304)。ステップS4304にて肯定判定をした場合、阻止終了用の駆動制御処理を実行する(ステップS4305)。これにより、流下阻止部材303が阻止位置から退避位置に配置される。なお、阻止終了期間は阻止開始期間よりも短い期間に設定されている。
【0751】
次に、各特電入賞装置301,302の開閉状態と流下阻止部材303の動作位置との関係を説明する。図89は当該関係を説明するためのタイムチャートである。図89(a)はラウンド遊技の実行期間を示し、図89(b)は第1特電入賞装置301が開放状態となっている期間を示し、図89(c)は第2特電入賞装置302が開放状態となっている期間を示し、図89(d)は流下阻止部材303が阻止位置に配置されている期間を示す。また、図90(a)~図90(c)は各特電入賞装置301,302の開閉状態と流下阻止部材303の動作位置との関係を説明するための説明図である。なお、ラウンド遊技が3回発生する開閉実行モードの場合について説明する。
【0752】
図89(a)に示すようにt1のタイミングで最初のラウンド遊技が実行される。当該t1のタイミングで、図89(b)及び図89(c)に示すように、第1特電入賞装置301と第2特電入賞装置302とが同時に開放状態となる。この場合、図90(c)に示すように第1特電入賞装置301及び第2特電入賞装置302の両方が開放状態であり、流下阻止部材303が退避位置に配置された状態となる。
【0753】
最初のラウンド遊技が開始されたt1のタイミングから阻止開始期間が経過したタイミングであるt2のタイミングで、図89(d)に示すように流下阻止部材303が退避位置から阻止位置に配置される。この場合、図90(a)に示すように第1特電入賞装置301及び第2特電入賞装置302の両方が開放状態であり、流下阻止部材303が阻止位置に配置された状態となる。
【0754】
その後、t3のタイミングで図89(a)に示すように最初のラウンド遊技が終了する。当該t3のタイミングで、図89(b)及び図89(c)に示すように、第1特電入賞装置301と第2特電入賞装置302とが同時に閉鎖状態となる。但し、この状況であっても流下阻止部材303が阻止位置に配置された状態が維持される。したがって、図90(b)に示すように第1特電入賞装置301及び第2特電入賞装置302の両方が閉鎖状態であり、流下阻止部材303が阻止位置に配置された状態となる。これにより、第1特電入賞装置301が閉鎖状態となるタイミングで当該第1特電入賞装置301の前方を通過した遊技球やインターバル期間において第1特電入賞装置301の前方を通過した遊技球は、流下阻止部材303の上面に載った状態でそれ以上の流下が阻止される。
【0755】
その後、t4のタイミングで図89(a)に示すように次のラウンド遊技が開始されることで、当該t4のタイミングで図89(b)及び図89(c)に示すように第1特電入賞装置301と第2特電入賞装置302とが同時に開放状態となる。この場合、図90(a)に示すように第1特電入賞装置301及び第2特電入賞装置302の両方が開放状態であり、流下阻止部材303が阻止位置に配置された状態となる。
【0756】
その後、t5のタイミングでラウンド遊技が開始されてから阻止終了期間が経過することで、図89(d)に示すように流下阻止部材303が阻止位置から退避位置に配置される。この場合、図90(c)に示すように第1特電入賞装置301及び第2特電入賞装置302の両方が開放状態であり、流下阻止部材303が退避位置に配置された状態となる。これにより、流下阻止部材303の上面に載った遊技球は下方に向けた流下を開始し、その遊技球は全て第2特電入賞装置302に入賞する。
【0757】
その後、t6のタイミング~t9のタイミングにおいてt2のタイミング~t5のタイミングと同一の動作が繰り返される。そして、t10のタイミングで図89(a)に示すように最後のラウンド遊技が終了する。この場合、図89(b)及び図89(c)に示すように第1特電入賞装置301と第2特電入賞装置302とが同時に閉鎖状態となる。また、図89(d)に示すように流下阻止部材303は退避位置に配置されている。
【0758】
以上詳述した本実施形態によれば、第1特電入賞装置301への入球漏れが発生したとしてもその漏れた遊技球の下流側への流入が流下阻止部材303によって阻止される。そして、第2特電入賞装置302が開放状態となっている状況下において流下阻止部材303による阻止が解除されることにより、当該流下阻止部材303により下流側への流入が阻止されていた遊技球が第2特電入賞装置302に入球することとなる。よって、開閉実行モードにおける特電入賞装置301,302への入球漏れの発生を抑えることが可能となる。
【0759】
<第18の実施形態>
本実施形態では特電入賞装置32とスルーゲート35との組合せが設けられている位置が上記第1の実施形態と異なっている。また、普図側の保留情報の取得契機となる入球部がスルーゲート35以外にも設けられている。以下、上記第1の実施形態と相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0760】
図91は本実施形態における遊技盤24の正面図である。
【0761】
上記第1の実施形態では遊技領域PAの右側領域PA3に特電入賞装置32とスルーゲート35との組合せが設けられていたが、本実施形態では遊技領域PAの左側領域PA2に特電入賞装置32とスルーゲート35との組合せが設けられている。特電入賞装置32の構成は左右の位置関係が逆となっていることを除き、上記第1の実施形態と同一である。つまり、特電入賞装置32は左側領域PA2の縦方向の途中位置において左側領域PA2の左端からセンターフレーム36aの左端に亘って延在しており、第4排出通路部45が形成された通路形成体201はセンターフレーム36aの左枠部36dに設けられており、ガイド部材203の受け部231は左側領域PA2の左端に存在している。そして、開閉部材202の誘導板部214の上面は右方に向けて下り傾斜となっている。左側領域PA2を流下する遊技球はワープ通路の入口部36eに入球する遊技球を除き、特電入賞装置32が設けられた領域に到達することとなる。
【0762】
左側領域PA2において特電入賞装置32の上方には複数の釘24bが配列されていることにより誘導釘群241が設けられている。誘導釘群241は左側領域PA2に流入しワープ通路の入口部36eに入球しなかった遊技球を受け部231に誘導する。これにより、左側領域PA2を流下して特電入賞装置32に到達する遊技球はまず受け部231に誘導され、その後に開閉部材202における左端に到達することとなる。そして、開閉部材202が開放位置に配置されている場合には開閉部材202の誘導板部214の上面を右方に向けて下ることにより第4排出通路部45に入賞し得る。一方、開閉部材202が閉鎖位置に配置されている場合には開閉部材202の開口部213(図30参照)を通じて開閉部材202の下方に流下する。また、誘導板部214上に遊技球が載っている状態で開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動した場合にもその遊技球はその載っている位置から開閉部材202の下方に流下する。
【0763】
左側領域PA2において特電入賞装置32の下方であってセンターフレーム36a寄りの位置にはスルーゲート35が設けられている。また、特電入賞装置32とスルーゲート35との間には誘導板部214上における右寄りの所定範囲に存在していた遊技球をスルーゲート35に誘導するための規制釘群242が設けられている。これにより、誘導板部214上における右寄りの所定範囲に遊技球が存在している状況で開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動した場合には、その遊技球がスルーゲート35に入賞することとなる。そして、スルーゲート35への入賞が発生することで上記第1の実施形態と同様に、普図保留エリア65cに上限個数の普図側の保留情報が保留記憶されていないことを条件として普図側の保留情報が取得される。
【0764】
本実施形態では普図側の保留情報の取得契機となる入球部としてスルーゲート35以外にも突発用ゲート311が設けられている。突発用ゲート311は左側領域PA2において誘導釘群241よりも上方に設けられている。突発用ゲート311への入賞が発生した場合には、スルーゲート35への入賞が発生した場合と同様に、普図保留エリア65cに上限個数の普図側の保留情報が保留記憶されていないことを条件として普図側の保留情報が取得される。なお、突発用ゲート311はスルーゲート35と同様に縦方向に貫通する貫通ゲートを有しており入賞した遊技球がそのまま遊技領域PAの流下を継続する構成となっているが、これに限定されることはなく突発用ゲート311に入賞した遊技球は遊技盤24の背面側に排出される構成としてもよい。
【0765】
ここで、突発用ゲート311の上流側には突発用ゲート311への入賞を発生しづらくさせるための制限釘312が設けられている。制限釘312が設けられていることにより、左側領域PA2を流下する遊技球が突発用ゲート311に入賞する確率は、下側領域PA4に供給された遊技球が第1作動口33に入賞する確率よりも低い確率となっている。また、左側領域PA2を流下する遊技球が突発用ゲート311に入賞する確率は、左側領域PA2において特電入賞装置32の下方を流下する遊技球が一般入賞口31に入賞する確率よりも低い確率となっている。また、左側領域PA2を流下する遊技球が突発用ゲート311に入賞する確率は、特電入賞装置32が開放状態となっている場合に当該特電入賞装置32に遊技球が入賞する確率よりも低い確率となっているとともに、開閉実行モードにおいてスルーゲート35に遊技球が入賞する確率よりも低い確率となっている。また、左側領域PA2を流下する遊技球が突発用ゲート311に入賞する確率は、第2作動口34が開放状態となっている場合に当該第2作動口34に遊技球が入賞する確率よりも低い確率となっている。例えば左側領域PA2に1000個の遊技球が流入した場合に1個の遊技球が突発用ゲート311に入賞し得る確率となっている。
【0766】
ちなみに、本実施形態では普図側の保留情報が取得された場合、その普図側の保留情報を契機として普電開放状態が確実に発生する。つまり、スルーゲート35又は突発用ゲート311への入賞が発生して普図側の保留情報が取得された場合には、その後に確実に第2作動口34が開放状態となる。これにより、普図側の保留情報が取得されたことに対する有利度を高めることが可能となる。
【0767】
上記のように左側領域PA2に特電入賞装置32、スルーゲート35及び突発用ゲート311が設けられた構成であっても、左側領域PA2を流下する遊技球は特電入賞装置32に入賞しないことを条件として下側領域PA4に流入する。そして、下側領域PA4に流入した遊技球は、第1作動口33に入賞可能な位置に到達し得るとともに、第2作動口34が開放状態となっていれば当該第2作動口34に入賞可能な位置に到達し得る。また、一般入賞口31に入賞可能な位置にも到達し得る。これにより、左側領域PA2を流下するように遊技球の発射操作を継続することによって、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34、スルーゲート35及び突発用ゲート311の全てについて入賞を狙うことが可能となる。
【0768】
一方、右側領域PA3には釘24bは設けられているものの入球部は設けられていない。また、右側領域PA3を流下した遊技球は下側領域PA4に流入し、その流入した遊技球は、第1作動口33に入賞可能な位置に到達し得るとともに、第2作動口34が開放状態となっていれば当該第2作動口34に入賞可能な位置に到達し得る。この場合に、上記のとおり右側領域PA3に入球部が設けられていないこととの関係で、左側領域PA2を流下するように発射操作を行う場合よりも右側領域PA3を流下するように発射操作を行った場合の方が、開放状態となっている第2作動口34への入賞が発生し易い。これにより、例えば突発用ゲート311への入賞が発生して第2作動口34の開放状態が突然発生した場合には、右側領域PA3を流下するように遊技球の発射操作を行うことで、第2作動口34への入賞を発生させ易くすることが可能となる。
【0769】
図92は主側CPU63にて実行される普図側の保留情報の取得処理を示すフローチャートである。なお、普図側の保留情報の取得処理は普図普電制御処理(図37)におけるステップS1101にて実行される。
【0770】
スルーゲート35への入賞が発生しており(ステップS4401:YES)、さらに普図保留エリア65cに記憶されている普図側の保留情報の数が上限記憶数未満である場合(ステップS4402:YES)、普図保留エリア65cに記憶されている未処理の普図側の保留情報の数を主側CPU63にて把握するために主側RAM65に設けられた普図保留カウンタの値を1加算する(ステップS4403)。ちなみに、当該普図保留カウンタの値に応じて、普図ユニット38における普図保留表示部38bの表示内容が調整される。これにより、普図保留表示部38bの表示内容が普図保留エリア65cに格納されている普図側の保留情報の数に対応することとなる。その後、普電乱数カウンタC4の値を、普図保留エリア65cのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS4403にて1加算した保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する(ステップS4404)。
【0771】
その後、普図保留コマンドを音声発光制御装置81に送信する(ステップS4405)。音声発光制御装置81は普図保留コマンドを受信した場合にはそれに対応したコマンドを表示制御装置82に送信する。図柄表示装置41では普図保留エリア65cに格納されている普図側の保留情報の個数を報知するための画像表示が行われており、表示制御装置82は普図保留コマンドに対応するコマンドを受信することにより、当該画像表示の内容を普図側の保留情報の個数が1個増加したことに対応した内容に更新する。なお、普図側の保留情報を契機とした普図表示部38aにおける絵柄の変動表示が開始される場合に当該画像表示の内容は普図側の保留情報の個数が1個減少したことに対応した内容に更新される。
【0772】
図柄表示装置41の表示内容について図93(a)の説明図を参照しながら説明する。図柄表示装置41の表示面にはその下縁部に、第1特図保留エリア85に記憶されている第1保留情報の数を報知するための第1保留表示領域313と、第2特図保留エリア86に記憶されている第2保留情報の数を報知するための第2保留表示領域314とが設定されている。第1保留表示領域313には第1特図保留エリア85に記憶可能な第1保留情報の数と同数の単位表示領域が横方向に並設されており、第1保留情報の数が増加するに従って左側の単位表示領域から順に保留画像315が表示されていくとともに、第1保留情報の数が減少するに従って右側の単位表示領域から順に保留画像315が消去されていく。また、第2保留表示領域314には第2特図保留エリア86に記憶可能な第2保留情報の数と同数の単位表示領域が横方向に並設されており、第2保留情報の数が増加するに従って左側の単位表示領域から順に保留画像315が表示されていくとともに、第2保留情報の数が減少するに従って右側の単位表示領域から順に保留画像315が消去されていく。第1保留表示領域313が設定されていることにより、図柄表示装置41の表示内容を通じて第1保留情報の数を明確に把握することができるとともに、第2保留表示領域314が設定されていることにより、図柄表示装置41の表示内容を通じて第2保留情報の数を明確に把握することができる。
【0773】
図柄表示装置41の表示面にはその左上の隅角部に、普図保留エリア65cに記憶されている普図側の保留情報の数を報知するための普図保留表示領域316が設定されている。普図保留表示領域316には普図保留エリア65cに記憶可能な普図側の保留情報の数と同数の単位表示領域が横方向に並設されており、普図側の保留情報の数が増加するに従って左側の単位表示領域から順に保留画像315が表示されていくとともに、普図側の保留情報の数が減少するに従って右側の単位表示領域から順に保留画像315が消去されていく。普図保留表示領域316が設定されていることにより、図柄表示装置41の表示内容を通じて普図側の保留情報の数を明確に把握することができる。
【0774】
なお、表示制御装置82は、普図保留コマンドに対応するコマンドを受信した場合に普図保留表示領域316に表示する保留画像315の数を1個増加させる。また、表示制御装置82は、普図表示部38aにおける絵柄の変動表示を開始したことを示すコマンドが主側CPU63から音声発光制御装置81に送信されたことに基づき当該音声発光制御装置81から送信されるコマンドを受信した場合に普図保留表示領域316に表示されている保留画像315の数を1個減少させる。
【0775】
普図側の保留情報の取得処理(図92)の説明に戻り、ステップS4401にて否定判定をした場合、ステップS4402にて否定判定をした場合、又はステップS4405の処理を実行した場合には、突発用ゲート311への入賞が発生しており(ステップS4406:YES)、さらに普図保留エリア65cに記憶されている普図側の保留情報の数が上限記憶数未満であることを条件として(ステップS4407:YES)、主側RAM65の普図保留カウンタの値を1加算する(ステップS4408)。既に説明したとおり当該普図保留カウンタの値に応じて、普図ユニット38における普図保留表示部38bの表示内容が調整される。その後、普電乱数カウンタC4の値を、普図保留エリア65cのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS4408にて1加算した保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する(ステップS4409)。
【0776】
その後、現状が開閉実行モードである場合(ステップS4410:YES)、又は開閉実行モードではないものの主側RAM65の普図保留カウンタの値が2以上である場合、すなわち普図保留エリア65cに普図側の保留情報が2個以上記憶されている場合(ステップS4410及びステップS4411:NO)、普図保留コマンドを音声発光制御装置81に送信する(ステップS4412)。この場合における音声発光制御装置81及び表示制御装置82の処理内容はステップS4405にて普図保留コマンドを送信した場合と同様である。
【0777】
一方、現状が開閉実行モードではなく(ステップS4410:NO)、さらに主側RAM65の普図保留カウンタの値が「1」である場合、すなわち普図保留エリア65cに普図側の保留情報が1個のみ記憶されている場合(ステップS4411:YES)、突発保留コマンドを音声発光制御装置81に送信する(ステップS4413)。音声発光制御装置81は突発保留コマンドを受信した場合にはそれに対応したコマンドを表示制御装置82に送信する。表示制御装置82は当該コマンドを受信した場合、普図保留コマンドに対応するコマンドを受信した場合と同様に普図保留表示領域316の表示内容を更新する。また、表示制御装置82は突発コマンドに対応するコマンドを受信した場合、図93(b)の説明図に示すように、特別報知として図柄表示装置41の表示面に第2作動口34への入賞を狙った発射操作を行うことを促す特別報知画像317を表示させる。特別報知画像317が表示されることにより、遊技者は第2作動口34への入賞を狙った発射操作を行うこととなり、第2保留情報の取得契機を生じさせることが可能となる。
【0778】
表示制御装置82は遊技回用の演出を図柄表示装置41にて実行している状況において特別報知画像317を表示させるタイミングとなった場合、図柄表示装置41の表示面における右上の隅角部分に縮小表示領域318を設定し、その縮小表示領域318において遊技回用の演出を縮小表示させた状態で継続する。これにより、遊技回用の演出が実行されている状況で突発保留コマンドが主側CPU63から送信された場合であっても、特別報知画像317を所定のサイズで表示させることが可能となり、当該特別報知画像317を遊技者に認識させ易くすることが可能となる。
【0779】
次に、普図側の保留情報が取得される様子について図94のタイムチャートを参照しながら説明する。図94(a)は開閉実行モードの実行期間を示し、図94(b)は特電入賞装置32が開放状態となっている期間を示し、図94(c)はスルーゲート35への入賞の発生タイミングを示し、図94(d)は突発用ゲート311への入賞の発生タイミングを示し、図94(e)は普図側の保留情報が取得されるタイミングを示す。
【0780】
開閉実行モードが実行されていない状況であるt1のタイミングで図94(d)に示すように突発用ゲート311への入賞が発生する。これにより、当該t1のタイミングで図94(e)に示すように普図側の保留情報が取得される。この取得された普図側の保留情報を契機として第2作動口34が開放状態となり、この開放状態となっている第2作動口34への入賞に基づき取得された第2保留情報が遊技回の開始対象となるとともにその遊技回が終了することで、図94(a)に示すようにt2のタイミング~t9のタイミングに亘って第2小当たり結果を契機とした開閉実行モードが実行される。ここで、本実施形態では第2小当たり結果となった場合には特電入賞装置32の開放回数が2回に設定される。
【0781】
当該開閉実行モードでは図94(b)に示すようにt3のタイミング~t4のタイミング、及びt6のタイミング~t7のタイミングのそれぞれに亘って特電入賞装置32が開放状態となる。この場合、t4のタイミング及びt7のタイミングのそれぞれにおいて誘導板部214上に遊技球が載っている状態で開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動する。したがって、図94(c)に示すようにt5のタイミング及びt8のタイミングのそれぞれにおいてスルーゲート35への入賞が発生し、これらt5のタイミング及びt8のタイミングのそれぞれにおいて図94(e)に示すように普図側の保留情報が取得される。これにより、再び第2作動口34が開放状態となる契機が発生し、開放状態となっている第2作動口34への入賞が発生して第2保留情報が取得されることで、図94(a)に示すようにt10のタイミング~t16のタイミングに亘って再び第2小当たり結果を契機とした開閉実行モードが発生する。
【0782】
当該開閉実行モードでは、図94(b)に示すようにt11のタイミング~t12のタイミング、及びt13のタイミング~t14のタイミングのそれぞれに亘って特電入賞装置32が開放状態となる。また、t14のタイミングでは誘導板部214上に遊技球が載っている状態で開閉部材202が開放位置から閉鎖位置に移動する。したがって、図94(c)に示すようにt15のタイミングにおいてスルーゲート35への入賞が発生し、当該t15のタイミングにおいて図94(e)に示すように普図側の保留情報が取得される。これにより、再び第2作動口34が開放状態となる契機が発生し、開放状態となっている第2作動口34への入賞が発生して第2保留情報が取得されることで開閉実行モードが発生する。
【0783】
以上詳述した本実施形態によれば、上記第1の実施形態の効果に加えて以下の効果を奏することが可能である。
【0784】
開閉実行モードではない状況であっても突発用ゲート311に遊技球が入球することで普図側の保留情報が取得され第2作動口34が開放状態となり得る。そして、開放状態となった第2作動口34に遊技球が入球することに基づいて開閉実行モードに移行する。これにより、開閉実行モードだけではなく開閉実行モードにおいても第2作動口34への遊技球の入球に基づき開閉実行モードが発生する状況を生じさせることが可能となる。
【0785】
突発用ゲート311への遊技球の入球確率が、開閉実行モードにおけるスルーゲート35への遊技球の入球確率よりも低くなるように、突発用ゲート311の上流側に制限釘312が設けられている。これにより、開閉実行モードではない状況において突発用ゲート311への遊技球の入球に基づき開閉実行モードが発生する確率を低く抑えることが可能となる。よって、開閉実行モードではない状況において突発用ゲート311への遊技球の入球に基づき開閉実行モードへの移行が発生したことに対する遊技者の満足感を高めることが可能となる。
【0786】
また、突発用ゲート311への遊技球の入球確率が第1作動口33への遊技球の入球確率よりも低くなるように制限釘312が設けられている。この点からも、開閉実行モードではない状況において突発用ゲート311への遊技球の入球に基づき開閉実行モードへの移行が発生したことに対する遊技者の満足感を高めることが可能となる。
【0787】
突発用ゲート311への遊技球の入球が発生して普図側の保留情報が取得されることで第2作動口34が開放状態となる場合、それに対応する特別報知画像317が図柄表示装置41に表示される。これにより、せっかく突発用ゲート311への遊技球の入球が発生して第2作動口34が開放状態となったにも関わらず、それに気づかずに第2作動口34への遊技球の入球機会を消失させてしまうという事象を発生しづらくさせることが可能となる。
【0788】
開閉実行モードにおいてはスルーゲート35への遊技球の入球が可能となるため第2作動口34が開放状態となることに遊技者の意識が向いている可能性が高いが、開閉実行モードではない状況においてはスルーゲート35への遊技球の入球が発生しないため第2作動口34が開放状態となることに対する遊技者の意識が低い可能性がある。この場合に、開閉実行モードではな状況において突発用ゲート311に遊技球が入球して普図側の保留情報が取得された場合に特別報知画像317が表示されるため、当該状況において第2作動口34が開放状態となることに対して遊技者の意識を向けさせることが可能となる。また、第2作動口34が開放状態となることに遊技者の意識が向いている可能性が高い開閉実行モードにおいては特別報知画像317が表示されないようにすることにより、特別報知画像317の表示が遊技者にとって煩わしいものとなってしまわないようにすることが可能となる。
【0789】
普図側の保留情報が取得されていない状況において突発用ゲート311への遊技球の入球に基づき普図側の保留情報が取得された場合に特別報知画像317が表示される。これにより、第2作動口34が開放状態となることに対する遊技者の意識が低い状況において特別報知画像317が表示されるようにすることが可能となる。
【0790】
左側領域PA2を流下する遊技球又は流下した遊技球が入球可能となる領域に、特電入賞装置32、スルーゲート35及び突発用ゲート311が設けられている。これにより、同一の発射操作の態様によって特電入賞装置32、スルーゲート35及び突発用ゲート311への入賞を狙うことが可能となる。
【0791】
左側領域PA2を流下する遊技球よりも右側領域PA3を流下する遊技球の方が第2作動口34の位置に到達し易い。これにより、開閉実行モードではない状況において第2作動口34が開放状態となった場合には右側領域PA3を流下するように遊技球の発射操作を行うことで、第2作動口34への遊技球の入球が発生し易くなるようにすることが可能となる。
【0792】
<第18の実施形態の別形態>
・特電入賞装置32及びスルーゲート35の組合せと、突発用ゲート311とが、一方の入賞を狙うと他方の入賞を狙うことができない位置関係に設定されている構成としてもよい。例えば、特電入賞装置32及びスルーゲート35の組合せが左側領域PA2に設けられているとともに突発用ゲート311が右側領域PA3に設けられている構成としてもよく、特電入賞装置32及びスルーゲート35の組合せが右側領域PA3に設けられているとともに突発用ゲート311が左側領域PA2に設けられている構成としてもよい。
【0793】
・普図側の保留情報に対して第1の実施形態と同様に普電開放抽選処理が実行されて、普電開放状態当選となった場合に普電開放状態となり第2作動口34が開放状態となる構成としてもよい。この場合、突発用ゲート311に遊技球が入球したとしても第2作動口34が開放状態とならない状況が発生し得ることとなる。当該構成においてスルーゲート35に遊技球が入球したことに基づき取得される普図側の保留情報と突発用ゲート311に遊技球が入球したことに基づき取得される普図側の保留情報とを区別して扱うとともに、前者の普図側の保留情報と後者の普図側の保留情報とで普電開放抽選処理にて普電開放状態当選となる確率が相違している構成としてもよい。
【0794】
例えば突発用ゲート311に遊技球が入球したことに基づき取得された普図側の保留情報がスルーゲート35に遊技球が入球したことに基づき取得された普図側の保留情報よりも普電開放抽選処理にて普電開放状態当選となり易い構成としてもよい。これにより、突発用ゲート311に遊技球が入球したことに対する遊技者の満足感を高めることが可能となる。
【0795】
一方、突発用ゲート311に遊技球が入球したことに基づき取得された普図側の保留情報がスルーゲート35に遊技球が入球したことに基づき取得された普図側の保留情報よりも普電開放抽選処理にて普電開放状態当選となりにくい構成としてもよい。この場合、突発用ゲート311への遊技球の入球に対して普電開放状態となる確率が低くなるため、突発用ゲート311への遊技球の入球確率を低くしなくてもよい。
【0796】
・スルーゲート35に遊技球が入球したことに基づき取得される普図側の保留情報と突発用ゲート311に遊技球が入球したことに基づき取得される普図側の保留情報とを区別して扱うとともに、これら保留情報のうち一方は普電開放抽選処理が実行されることなく第2作動口34が普電開放状態となるとともに他方は普電開放抽選処理にて普電開放状態当選となることで第2作動口34が普電開放状態となる構成としてもよい。例えば突発用ゲート311に遊技球が入球したことに基づき取得された普図側の保留情報については普電開放抽選処理が実行されることなく第2作動口34が普電開放状態となるとともに、スルーゲート35に遊技球が入球したことに基づき取得された普図側の保留情報については普電開放抽選処理にて普電開放状態当選となることで第2作動口34が普電開放状態となる構成としてもよい。これにより、突発用ゲート311に遊技球が入球したことに対する遊技者の満足感を高めることが可能となる。
【0797】
・突発用ゲート311の入球確率が、一般入賞口31の入球確率、開放状態となっている特電入賞装置32の入球確率、第1作動口33の入球確率、第2作動口34の入球確率、及び開閉実行モードにおけるスルーゲート35への入球確率よりも低い構成に限定されることはなく、例えば突発用ゲート311の方が一般入賞口31よりも入球確率が高い構成としてもよい。また、突発用ゲート311の方が第1作動口33よりも入球確率が高い構成としてもよい。
【0798】
・突発用ゲート311に代えて、突発用第2作動口が設けられている構成としてもよい。この場合、突発用第2作動口には当該突発用第2作動口への遊技球の入球を阻止又は許容する開閉部材を設けないようにすることで、突発用第2作動口への遊技球の入球確率が遊技状態に応じて変動しない構成とするとともに、突発用第2作動口に遊技球が入球した場合には第2作動口34に遊技球が入球した場合と同様に第2保留情報が取得されるようにする。これにより、突発用第2作動口への遊技球の入球を契機として開閉実行モードが突然発生する状況を生じさせることが可能となる。
【0799】
また、当該構成において突発用第2作動口に遊技球が入球したことに基づき取得された第2保留情報を契機とした遊技回の平均の変動表示期間が、第2作動口34に遊技球が入球したことに基づき取得された第2保留情報を契機とした遊技回の平均の変動表示期間よりも短い構成としてもよい。これにより、突発用第2作動口に遊技球が入球してから開閉実行モードが開始されるまでに要する時間を短くすることが可能となる。
【0800】
<第19の実施形態>
本実施形態では特電入賞装置32に代えて、特電入賞装置321が設けられている。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0801】
図95は本実施形態における遊技盤24の正面図である。
【0802】
遊技領域PAの右側領域PA3には特電入賞装置32に代えて特電入賞装置321が設けられている。特電入賞装置321は右側領域PA3の縦方向の途中位置において横方向の全体に亘って設けられている。したがって、右側領域PA3を流下する遊技球は特電入賞装置321が設けられた領域を確実に通過することとなる。また、右側領域PA3における特電入賞装置321の下方であって可変表示ユニット36寄りの位置にスルーゲート35が設けられている。
【0803】
特電入賞装置321の構成について図96(a)及び図96(b)を参照しながら説明する。図96(a)及び図96(b)は図95のA-A線断面図である。
【0804】
遊技盤24には当該遊技盤24を前後方向に貫通するようにして大入賞口322が形成されている。大入賞口322が形成された位置は、右側領域PA3において可変表示ユニット36寄りの位置である。大入賞口322への遊技球の入球を阻止又は許容するように特電入賞装置321が設けられている。特電入賞装置321は大入賞口322の下方の位置にて遊技盤24を前後方向に貫通するようにして設けられた誘導板323を備えている。誘導板323は、図示しない駆動手段により駆動されることにより前後方向に移動可能に設けられており、遊技盤24の盤面からのパチンコ機10前側への突出量が最小となる阻止位置と、当該阻止位置よりもパチンコ機10前方にスライド移動した位置であって遊技盤24の盤面からのパチンコ機10前側への突出量が最大となる誘導位置との間で移動する。
【0805】
遊技盤24において誘導板323の右側端部の上方位置には球受け部324が設けられており、さらに右側領域PA3において特電入賞装置321の上方には上側領域PA1から右側領域PA3に流入した遊技球の全てを球受け部324に誘導するための誘導釘群241が設けられている(図95参照)。誘導釘群241は複数の釘24bを右方向に下り傾斜となるように配列することで形成されている。右側領域PA3に流入した遊技球は全て誘導釘群241により球受け部324に誘導される。球受け部324の前側端部と窓パネル52との間の距離寸法は遊技球の直径よりも大きい寸法に設定されている。また、球受け部324はその上面がパチンコ機10前側に向けて下り傾斜となっている。したがって、球受け部324の上面に到達した遊技球は自重によりパチンコ機10前側に向けて流下することとなる。
【0806】
誘導板323が阻止位置に配置されている場合、図96(a)に示すように、誘導板323の前側端部と窓パネル52との間の距離寸法は遊技球の直径よりも大きい寸法となる。そして、この阻止位置では誘導板323の前側端部は球受け部324の前側端部よりもパチンコ機10後側に存在している。したがって、誘導板323が阻止位置に配置されている状況で球受け部324の上面に到達した遊技球は基本的に球受け部324と窓パネル52との間の空間を通じて球受け部324の下方に落下することとなる。また、阻止位置に配置されている誘導板323における遊技盤24の盤面から前方への突出寸法は遊技球の半径未満となっている。したがって、誘導釘群241により誘導された遊技球が球受け部324上で跳ねることにより阻止位置に配置されている誘導板323側に向かったとしても誘導板323に載ることなく誘導板323と窓パネル52との間の空間を通じて誘導板323の下方に落下することとなる。上記構成であることにより、誘導板323が阻止位置に配置されている場合、大入賞口322への入賞の発生が阻止される。また、上記のとおりスルーゲート35は可変表示ユニット36寄りの位置に設けられており、その位置は球受け部324において跳ねた遊技球が到達しづらいように球受け部324に対して左方に離間させた位置となっている。したがって、誘導板323が阻止位置に配置されている場合、スルーゲート35への入賞の発生も阻止される。
【0807】
誘導板323が誘導位置に配置されている場合、図96(b)に示すように、誘導板323の前側端部と窓パネル52との間の距離寸法は遊技球の半径よりも小さい寸法となる。そして、この誘導位置では誘導板323の前側端部は球受け部324の前側端部よりもパチンコ機10前側に存在している。したがって、誘導板323が誘導位置に配置されている状況で球受け部324の上面に到達した遊技球は誘導板323において遊技盤24の盤面よりもパチンコ機10前側に突出している領域の上面に載ることとなる。
【0808】
誘導板323において誘導位置に配置されている場合に遊技盤24の盤面よりもパチンコ機10前側に突出している突出領域325の上面には、横方向の途中位置に2個の区画壁326,327が設けられている。これら区画壁326,327のうち右側に存在している第1区画壁326は誘導板323の前側端部からパチンコ機10後側に向けて延在しており、誘導板323が誘導位置に配置されている状況において第1区画壁326の後側端部と遊技盤24の盤面とは遊技球の直径よりも大きな寸法分、離間されている。また、左側に存在している第2区画壁327は誘導板323が誘導位置に配置されている状況において遊技盤24の盤面からパチンコ機10前側に向けて延在している。但し、第2区画壁327の前側端部は誘導板323の前側端部よりも遊技球の直径よりも大きな寸法分、パチンコ機10後側に存在している。このように第1区画壁326及び第2区画壁327が形成された構成において突出領域325の上面は、全体的に左方に向けて下り傾斜となっている。また、突出領域325の上面において球受け部324よりも左方であって第1区画壁326の位置まではパチンコ機10後側に向けて下り傾斜となり、第1区画壁326の位置から第2区画壁327の位置まではパチンコ機10前側に向けて下り傾斜となり、第2区画壁327の位置から大入賞口322の位置まではパチンコ機10後側に向けて下り傾斜となっている。つまり、突出領域325の上面は、誘導板323が誘導位置に配置されている状況において突出領域325の上面に載った遊技球が左方に向けて流下しながら、第1区画壁326と遊技盤24の盤面との間の空間、及び第2区画壁327と誘導板323の前側端部との間の空間を通るようにして前後方向に蛇行しながら流下するように傾斜付けがされている。
【0809】
なお、誘導板323が誘導位置に配置されている状況において誘導板323の前側端部と窓パネル52との間の距離は遊技球の半径未満となっているため、誘導板323が誘導位置に配置されている状況において突出領域325の上面に載っている遊技球が誘導板323の前側端部から誘導板323の下方に向けて落下してしまうことが窓パネル52によって阻止される。また、誘導板323の左側端部は可変表示ユニット36のセンターフレーム36aと近い位置にて対峙しており、これら誘導板323の左側端部とセンターフレーム36aとの間の距離は遊技球の半径未満となっている。したがって、誘導板323が誘導位置に配置されている状況において突出領域325の上面に載っている遊技球が誘導板323の左側端部から誘導板323の下方に向けて落下してしまうことがセンターフレーム36aによって阻止される。
【0810】
上記構成であることにより、誘導板323が誘導位置に配置されている場合、突出領域325上の蛇行通路に沿って遊技球が自重により突出領域325を流下することで、当該遊技球は大入賞口322に入球することとなる。大入賞口322に入賞した遊技球は、当該当該大入賞口322に対応させて設けられた図示しない検知センサにて検知される。この検知センサは主側CPU63と電気的に接続されており、主側CPU63は当該検知センサの検知結果に基づいて大入賞口322への入賞の有無を特定する。そして、大入賞口322が開放対象となっているラウンド遊技又は小当たり結果を契機とした開閉実行モードにおいては、大入賞口322に1個の遊技球が入球したことを特定した場合、主側RAM65の入賞カウンタの値を1減算する。入賞カウンタの値が「0」となった場合には上記第1の実施形態と同様に入賞上限個数分の入賞が発生したと特定し、ラウンド遊技又は小当たり結果を契機とした開閉実行モードを終了させる。
【0811】
誘導位置に配置されている誘導板323に遊技球が載っている状況において大入賞口322に入賞上限個数目の遊技球の入球が発生した場合、遊技球が載った状態で誘導板323が誘導位置から阻止位置に移動する。この場合、誘導板323に載っている遊技球は誘導板323のパチンコ機10後側に向けた移動に追従してパチンコ機10後側に向けて移動し、遊技盤24の盤面に前方から当接してそれ以上の後方への移動が阻止されることで最終的に誘導板323による下方からの受けがなくなり下方に向けて落下する。
【0812】
既に説明したとおり特電入賞装置321の下方にはスルーゲート35が設けられているが、スルーゲート35の位置は横方向の位置関係において誘導板323の第1区画壁326と第2区画壁327との間の領域と同じ位置となっている。また、特電入賞装置321とスルーゲート35との間には誘導板323の第1区画壁326と第2区画壁327との間の区画間領域Yに載っていた遊技球が誘導板323の許容位置から阻止位置への移動に伴い落下した場合にスルーゲート35に入賞するように、当該落下する遊技球をスルーゲート35に向けて誘導する規制釘群242が設けられている(図95参照)。これにより、区画間領域Yに遊技球が載っている状況で誘導板323が許容位置から阻止位置に移動した場合、スルーゲート35への入賞が発生する。ちなみに、区画間領域Yは球受け部324に対して、遊技球の直径よりも大きな寸法分、より詳細には遊技球の直径の3倍よりも大きな寸法分、左方に離間されている。したがって、誘導板323が阻止位置に配置されている状況において球受け部324に到達した遊技球がスルーゲート35に入賞してしまうことが阻止される。
【0813】
スルーゲート35に入賞した遊技球は、当該スルーゲート35に対応させて設けられた図示しない検知センサにて検知される。この検知センサは主側CPU63と電気的に接続されており、主側CPU63は当該検知センサの検知結果に基づいてスルーゲート35への入賞の有無を特定する。そして、スルーゲート35に1個の遊技球が入球したことを特定した場合、普図保留エリア65cに上限個数の普図側の保留情報が記憶されていないことを条件として、普電乱数カウンタC4の数値情報を普図側の保留情報として普図保留エリア65cに記憶させる。
【0814】
ここで、右側領域PA3を遊技球が流下することとなる同一の発射態様によって最短の発射周期(具体的には0.6秒)で遊技球が発射されている場合、誘導板323が誘導位置に配置されている状況において大入賞口322に入球した遊技球に対して次の発射順序の遊技球が区画間領域Yに存在している可能性が高くなるように、当該区画間領域Yの位置が設定されている。これにより、誘導位置に配置されている誘導板323に遊技球が載っている状況において大入賞口322に入賞上限個数目の遊技球の入球が発生した場合、その誘導板323に載っていた遊技球がスルーゲート35に入賞し易くなる。
【0815】
また、誘導板323の突出領域325に横方向に延びるだけでなく前後方向に蛇行する蛇行通路が形成されており、この蛇行通路において大入賞口322よりも上流側の位置に区画間領域Yが設定されている。これにより、誘導板323の横方向の寸法の増大化を抑制しながら、スルーゲート35への入賞を発生し易くする区画間領域Yを設定することが可能となる。
【0816】
<第19の実施形態の別形態>
・第1の実施形態における特電入賞装置32及びスルーゲート35の組合せと、第19の実施形態における特電入賞装置321及びスルーゲート35の組合せとが両方設けられており、開閉実行モードの実行契機となった遊技結果の種類に応じて開閉制御の実行対象となる特電入賞装置32,321の種類が変更される構成としてもよい。この場合、第19の実施形態における特電入賞装置321が開閉制御の実行対象となった方が、第1の実施形態における特電入賞装置32が開閉制御の実行対象となるよりも、スルーゲート35への入賞が発生し易くなるため、第19の実施形態における特電入賞装置321が開閉制御の実行対象となることを遊技者は期待することとなる。
【0817】
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
【0818】
(1)上記各実施形態ではアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34の全てが履歴情報(又は入球履歴)の格納対象となる構成としたが、これに限定されることはなく、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のうちの一部のみが履歴情報の格納対象となっている構成としてもよい。例えば、一般入賞口31、特電入賞装置32及び第2作動口34のみが履歴情報の格納対象となっている構成としてもよく、一般入賞口31のみが履歴情報の格納対象となっている構成としていもよい。この場合であっても、履歴情報の格納対象となっている入球部について所定の期間における遊技球の入球態様を把握することが可能となる。
【0819】
(2)上記各実施形態では第1入賞口検知センサ42a、第2入賞口検知センサ43a及び第3入賞口検知センサ44aのそれぞれに対応させて、遊技球の入球結果に対応する情報を送信するための信号経路118a~118cが設定されている構成としたが、これに限定されることはなく、同一種類の入球部についての入球結果に対応する情報は、同一種類の入球部が複数存在しているとともにそれに合わせて入球検知センサが複数存在している構成であっても、1種類の情報として送信される構成としてもよい。これにより、主側CPU63から管理用IC66に送信される情報の種類数を抑えることが可能となる。
【0820】
(3)第1の実施形態などでは主側CPU63から管理用IC66に送信される情報の種類と各バッファ122a~122oとの対応関係を示す対応関係情報が、主側CPU63から管理用IC66に送信される構成としたが、これに限定されることはなく、対応関係情報が管理用IC66において予め記憶されている構成としてもよい。この場合、対応関係情報を管理用IC66に認識させるための処理を実行する必要がなくなるため、主側CPU63の処理負荷を軽減することが可能となる。
【0821】
(4)第1の実施形態などでは主側CPU63から管理用IC66に送信される情報の種類と各バッファ122a~122oとの対応関係を示す対応関係情報の主側CPU63から管理用IC66への送信が、主側CPU63への動作電力の供給開始時に行われる構成としたが、これに限定されることはなく、例えば主側CPU63と管理用IC66とを双方向通信可能とし、管理用IC66から対応関係情報の送信を要求する信号を受信した場合に主側CPU63から管理用IC66に対応関係情報が送信される構成としてもよい。この場合、対応関係用メモリ116を不揮発性メモリとして設けるとともに読み書き両用として利用する構成とし、パチンコ機10の出荷後において主側CPU63から管理用IC66に提供された対応関係情報は主側CPU63への動作電力の供給が停止されたとしても対応関係用メモリ116に記憶保持される構成とする。これにより、対応関係情報が送信される頻度を少なくすることが可能となる。
【0822】
(5)第1の実施形態などでは主側CPU63から管理用IC66に送信される情報の種類と各バッファ122a~122oとの対応関係を示す対応関係情報の主側CPU63から管理用IC66への送信が、各入球検知センサ42a~48aの検知結果の情報を送信するための信号経路118a~118gを利用して行われる構成としたが、これに限定されることはなく、対応関係情報を主側CPU63から管理用IC66に送信するための専用の信号経路が設けられている構成としてもよい。これにより、管理用IC66は、いずれの種類の情報を主側CPU63から受信しているのかを、その情報を受信するバッファ122a~122oの種類によって把握することが可能となる。
【0823】
(6)第1の実施形態などでは主側CPU63から管理用IC66には情報が送信される一方、管理用IC66から主側CPU63に情報が送信されない構成としたが、これに限定されることはなく、管理用IC66から主側CPU63に情報が送信される構成としてもよい。例えば、履歴情報に基づいて管理側CPU112にて算出された各種パラメータが主側CPU63に送信される構成としてもよい。この場合、主側CPU63はその受信した各種パラメータの内容に対応する報知が行われるようにするために上記第11の実施形態と同様に報知手段の報知制御を直接的に実行する構成としてもよく、主側CPU63がその受信した各種パラメータの内容に対応するコマンドを音声発光制御装置81に送信することで、表示発光部53、スピーカ部54及び図柄表示装置41を利用して各種パラメータの内容に対応する報知が実行されるようにする構成としてもよい。
【0824】
(7)主側CPU63への動作電力の供給が開始された場合に、履歴用メモリ117に記憶された履歴情報に基づいて主側CPU63又は管理側CPU112にて各種パラメータが算出され、その算出した各種パラメータの内容が表示発光部53、スピーカ部54及び図柄表示装置41などを利用して報知される構成としてもよい。この場合、遊技ホールの営業開始時に直前の営業日における遊技領域PAの遊技球の入球態様が正常であったか否かを確認することが可能となる。
【0825】
(8)履歴用メモリ117に記憶された履歴情報に基づいて算出された各種パラメータが異常な結果である場合、禁止解除操作が行われるまでそのパチンコ機10にて遊技を開始することができない構成としてもよい。遊技を開始することができないようにする構成としては、例えば遊技球の発射が禁止される構成としてもよく、各入球検知センサ42a~49aが無効化される構成としてもよく、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生したとしても当否判定処理が実行されない構成としてもよい。また、禁止解除操作としては、RAM消去スイッチがON操作された状態でパチンコ機10の電源を再投入する操作としてもよく、遊技機本体12を外枠11に対して開放させた場合に操作可能となる操作手段の操作としてもよい。これにより、遊技領域PAの遊技球の入球態様が異常な態様である状況でそのまま遊技が行われてしまうことを阻止することが可能となる。
【0826】
(9)入球検知センサ42a~48aの検知結果に対応する履歴情報が履歴用メモリ117に記憶されるものの、その履歴情報を利用した各種パラメータの演算は主側CPU63及び管理側CPU112のいずれにおいても実行されない構成としてもよい。この場合、読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置にて履歴情報が読み取られ、当該読み取り作業の作業者によってその読み取った履歴情報を利用した各種パラメータの演算が実行される構成としてもよく、読み取り装置においてその読み取った履歴情報を利用した各種パラメータの演算が実行される構成としてもよい。この場合、主側CPU63及び管理側CPU112の処理負荷を軽減することが可能となる。
【0827】
(10)管理用IC66が設けられておらず、上記各実施形態における履歴情報の記憶処理を実行する機能及び各種パラメータを演算する機能を、主側CPU63が備えている構成としてもよく、払出側CPU92が備えている構成としてもよく、音声発光制御装置81が備えている構成としてもよい。これら機能を払出側CPU92又は音声発光制御装置81が備えている場合、各入球検知センサ42a~48aの検知結果の情報がその機能を備えている制御主体に対して主側CPU63から送信されることとなる。
【0828】
(11)管理用IC66には主側CPU63とは別電源が設けられており、主側CPU63への動作電力の供給が停止されたとしても、管理用IC66において履歴情報を利用した各種パラメータの演算や、履歴情報又は各種パラメータの情報出力を行うことが可能な構成としてもよい。これにより、主側CPU63への動作電力の供給が停止されている状況であっても、履歴情報や各種パラメータを読み取り装置にて読み取ることが可能となる。
【0829】
(12)主側ROM64からプログラムを読み取るために利用される読み取り用端子102が、履歴情報又は各種パラメータを読み取り装置にて読み取るために利用される端子として兼用される構成としたが、これに限定されることはなく、履歴情報又は各種パラメータを読み取り装置にて読み取るために利用される端子が、主側ROM64からプログラムを読み取るための読み取り用端子102とは別に設けられている構成としてもよい。この場合、履歴情報又は各種パラメータを読み取るために利用される端子は、MPU62に設けられていてもよく、主制御基板61におけるMPU62とは別の位置に設けられている構成としてもよい。
【0830】
(13)上記各実施形態における対応関係用メモリ116、履歴用メモリ117及び演算結果用メモリ131がフラッシュメモリなどの不揮発性記憶手段として設けられている構成に限定されることはなく、例えばこれらメモリ116,117,131のいずれかが情報の記憶保持に電力の供給を要する揮発性記憶手段として設けられており、そのメモリに対してバックアップ電力が供給されることで、主側CPU63への動作電力の供給が停止されたとしても情報が記憶保持される構成としてもよい。この場合、そのメモリに対して専用のバックアップ電力装置が設けられている構成としてもよく、主側RAM65にバックアップ電力を供給する電源・発射制御装置78からそのメモリにバックアップ電力が供給される構成としてもよい。
【0831】
(14)履歴情報を利用して各種パラメータが演算される構成に限定されることはなく、履歴情報は記憶保持されることなく、各入球検知センサ42a~48aのいずれかにて遊技球が新たに検知される度に各種パラメータが演算されて更新されていく構成としてもよい。この場合、各種パラメータの演算頻度が高くなるものの、任意のタイミングで各種パラメータを抽出することが可能となる。
【0832】
(15)管理用IC66が汎用CPUとして管理側CPU112を備え、管理側ROM113に記憶されたプログラム及びデータに基づき履歴情報の記憶処理や各種パラメータの演算処理を実行する構成に限定されることはなく、これら機能を有するように回路設計されたハード回路が管理用IC66に形成されている構成としてもよい。当該構成について具体的には、例えば上記第1の実施形態であれば当該ハード回路は、主側CPU63からいずれかの検知センサ42a~48aにて遊技球を検知したことを示す信号を受信した場合、その信号を受信したバッファに対応する対応関係情報が対応関係用メモリ116から履歴用メモリ117に記憶されるようにするとともに、その時点におけるRTC115の情報が履歴用メモリ117に記憶されるようにする。また、例えば上記第9の実施形態であれば当該ハード回路は、主側CPU63からいずれかの検知センサ42a~48aにて遊技球を検知したことを示す信号を受信した場合、その信号を受信したバッファに対応するカウンタの値が1加算されるようにする。また、当該ハード回路は、上記第1の実施形態などにおける演算契機が発生した場合にはその時点における履歴情報を利用して各種パラメータを演算する。また、当該ハード回路は、読み取り用端子102への外部出力契機が発生した場合には、演算結果である各種パラメータを外部出力するとともに履歴情報を外部出力する。
【0833】
(16)入球検知センサ42a~48aの検知結果の情報が履歴情報として記憶される構成に加えて又は代えて、開閉実行モードへの移行が発生したことが履歴情報として記憶される構成としてもよく、開閉実行モードへの移行タイミング及び終了タイミングが履歴情報として記憶される構成としてもよく、高頻度サポートモードへの移行が発生したことが履歴情報として記憶される構成としてもよく、所定の異常が発生したことが履歴情報として記憶される構成としてもよい。また、上記のような履歴情報を利用することにより開閉実行モードへの移行確率が演算される構成としてもよく、高頻度サポートモードへの移行確率が演算される構成としてもよく、所定の異常が発生する頻度が演算される構成としてもよい。そして、それら履歴情報や各種パラメータを読み取り装置により読み取り可能である構成としてもよい。
【0834】
(17)主側CPU63と管理用IC66とが別チップとして設けられている構成としてもよく、別基板として設けられている構成としてもよく、別の制御装置として設けられている構成としてもよい。
【0835】
(18)上記第1の実施形態などにおいて、アウト口24aへの遊技球の入球に関してはその入球個数が計測される一方、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34といった遊技球の賞球の払い出しや当否判定処理の契機となる特典契機入球部への入球に関してはRTC情報を含む履歴情報が格納される構成としてもよい。これにより、特典契機入球部への遊技球の入球履歴を抽出可能としながら、遊技球の総排出個数に対する各特典契機入球部への遊技球の入球頻度を算出することが可能となる。
【0836】
(19)履歴情報として残す対象として上記各実施形態におけるもの以外のものが含まれている構成としてもよい。例えば、下皿56aが満タン状態となったこと、満タン状態が開始されたタイミング及び満タン状態が解除されたタイミングの少なくともいずれかが履歴情報として記憶される構成としてもよく、タンク75が球無状態となったこと、球無状態が開始されたタイミング及び球無状態が解除されたタイミングの少なくともいずれかが履歴情報として記憶される構成としてもよく、払出装置76が異常状態となったこと、払出装置76の異常状態が開始されたタイミング及び払出装置76の異常状態が解除されたタイミングの少なくともいずれかが履歴情報として記憶される構成としてもよい。この場合、これら事象の発生頻度を把握することが可能となる。
【0837】
(20)上記第1の実施形態などでは管理側I/F111における入力ポート121の第16バッファ122pが出力指示信号に対応していることが管理用IC66の設計段階において予め設定されている構成としたが、これに限定されることはなく、第16バッファ122pが出力指示信号に対応していることも、主側CPU63から種類識別コマンドが送信されることにより、管理用IC66にて認識される構成としてもよい。この場合、各バッファ122a~122pとそれらバッファ122a~122pに入力される信号の種類との対応関係を管理用IC66に事前に設定しておく必要がなくなる。
【0838】
(21)前扉枠14が開放状態である状況で発生した所定の入球部への遊技球の入球個数が履歴情報として記憶されるとともに、その履歴情報を利用して把握した入球個数が読み取り装置に外部出力される構成としてもよい。これにより、前扉枠14が開放状態となっている状況において所定の入球部に入球した遊技球の個数を把握することが可能となり、不正の有無などを把握することが可能となる。また、前扉枠14が開放状態である状況で発生した所定の入球部への入球個数を所定の演算契機が発生した場合に演算し、その演算した入球個数が異常な個数である場合には異常報知が実行されるようにしてもよい。これにより、前扉枠14を不正に開放して所定の入球部に遊技球を入球させる不正行為に対処することが可能となる。
【0839】
(22)管理用IC66は正常に動作している場合には主側CPU63に正常動作信号を送信する構成としてもよい。この場合、管理用IC66が正常に動作しているか否かを主側CPU63にて監視することが可能となる。
【0840】
(23)上記第1の実施形態などにおいて管理側CPU112にて第1~第15バッファ122a~122oの確認処理を実行する順序が上記第1の実施形態などとは逆である構成としてもよい。この場合、主側CPU63にて各信号の出力状態の変更処理を実行する順序と、管理側CPU112にて各バッファ122a~122oの確認処理を実行する順序とが一致することとなる。
【0841】
(24)読み取り用端子102を利用して主側ROM64に記憶された情報を外部出力する場合、プログラム及びデータのうち一方を選択的に外部出力することが可能な構成としてもよく、所定のプログラムのみを外部出力することが可能な構成としてもよい。この場合、分析対象となる情報を読み取り装置にて選択的に読み取ることが可能となる。なお、情報を選択的に外部出力する構成としては、主側CPU63は読み取り用端子102を通じて読み取り装置から受信した選択情報から外部出力対象となる情報を選択し、その選択した情報を外部出力する構成が考えられる。
【0842】
(25)主側ROM64に記憶されたプログラムを外部出力するための読み取り用端子102を通じて外部出力する対象の別情報は履歴情報や各種パラメータに限定されることはなく、例えば異常が発生した場合にはその異常発生の履歴情報を記憶しておき、その記憶した履歴情報が読み取り用端子102を通じて外部出力される構成としてもよい。
【0843】
(26)アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれに対して個別に検知センサ42a~48aを設け、当該検知センサ42a~48aにて検知した遊技球の個数を合計することで遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数を把握する構成としたが、これに限定されることはなく、例えば遊技領域PAから排出された全ての遊技球が1個ずつ通過することとなる通路領域を設けるとともに当該通路領域を通過する遊技球を検知する排出検知センサを設ける構成としてもよい。この場合、当該排出検知センサの検知結果を利用することで遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数を把握することが可能となる。また、当該構成において上記各実施形態と同様に、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれの遊技球の入球個数を検知するための検知センサ42a~47aを設けることにより、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数に対する各入球部に入球した遊技球の個数の割合を演算することが可能となる。
【0844】
(27)上記第1の実施形態において特電入賞装置32の下流側にスルーゲート35が設けられているのではなく、特図側の保留情報の取得契機となる作動口が設けられている構成としてもよい。例えば普電役物34aが不具備であり遊技球の入球を直接的に阻止又は許容する部材が設けられていない作動口であって第2保留情報の取得契機となる作動口が設けられている構成としてもよい。この場合、開閉実行モードにおいて特電入賞装置32が開閉されることで第2保留情報の取得契機が発生することとなる。また、当該構成において第2保留情報が当否判定の対象となった場合には確実に開閉実行モードが発生する構成とすることで、開閉実行モードにおいて上記作動口に遊技球が入球した場合には確実に開閉実行モードが発生することとなる。これにより、開閉実行モードにおいて上記作動口に遊技球が入球することの重要性が高められる。なお、本構成を上記第1の実施形態以外の実施形態に対して適用してもよい。
【0845】
(28)上記第1の実施形態では特電入賞装置32の下流側にスルーゲート35を設けることで特電入賞装置32が開閉される場合にスルーゲート35への遊技球の入球が可能となる構成としたが、開閉実行モードにおいて遊技球の入球が可能となる入球部を設けるための構成はこれに限定されない。例えば、特電入賞装置32の特電開閉部材を第2作動口34の普電役物34aのような構成とし、この特電開閉部材が閉鎖位置から開放位置に配置されることで当該特電開閉部材の一部が所定の入球部の入球開閉部材を押圧し、当該入球開閉部材が閉鎖位置から開放位置に移動することで所定の入球部への遊技球の入球が可能となる構成としてもよい。この場合、特電開閉部材が開放位置から閉鎖位置に復帰した場合には特電開閉部材による入球開閉部材の押圧が解除されて、当該入球開閉部材が開放位置から閉鎖位置に復帰する構成とする。当該構成であっても開閉実行モードにおいて所定の入球部への遊技球の入球が可能となる。
【0846】
(29)特電入賞装置32が開閉されている状況ではない状況であっても遊技球が到達可能な位置であって特電入賞装置32を狙って発射操作を行った場合に遊技球が到達し得る位置にスルーゲート35を設けるとともに、当該スルーゲート35への遊技球の入球を阻止又は許容する電動式の開閉部材を設ける構成としてもよい。そして、開閉実行モードが開始された場合には当該電動式の開閉部材が一定の周期で、スルーゲート35への遊技球の入球を阻止する阻止位置とスルーゲート35への遊技球の入球を許容する許容位置との間で移動する構成とする。当該構成であっても開閉実行モードにおいてスルーゲート35への遊技球の入球が可能となる。なお、本構成を上記第1の実施形態以外の実施形態に対して適用してもよい。
【0847】
(30)上記第1の実施形態においてスルーゲート35に遊技球が入球して普図側の保留情報が取得された場合には確実に第2作動口34の普電開放状態が発生する構成としてもよい。なお、本構成を上記第1の実施形態以外の実施形態に対して適用してもよい。
【0848】
(31)上記第1の実施形態では特電入賞装置32が開放状態から閉鎖状態に切り換わる場合に誘導板部214に載っていた遊技球がスルーゲート35に入球可能である構成としたが、これに限定されることはなく特電入賞装置32が閉鎖状態から開放状態に切り換わる場合に誘導板部214に載っていた遊技球がスルーゲート35に入球可能である構成としてもよい。つまり、当該構成では特電入賞装置32が閉鎖状態である場合であっても当該特電入賞装置32への入賞は不可ではあるものの誘導板部214に遊技球が載り得る構成とし、当該誘導板部214に遊技球が載っている状況で特電入賞装置32が閉鎖状態から開放状態に切り換わった場合に当該遊技球がスルーゲート35に向けて落下し得る構成とする。この場合、特電入賞装置32が閉鎖状態である状況において誘導板部214に遊技球が載るか否かに遊技者は注目することとなり、特電入賞装置32が閉鎖状態である状況であっても特電入賞装置32への遊技者の注目度を高めることが可能となる。なお、本構成を上記第1の実施形態以外の実施形態に対して適用してもよい。
【0849】
(32)特電入賞装置32が閉鎖状態から開放状態に切り換わる場合に誘導板部214に載っていた遊技球がスルーゲート35に入球可能であるとともに、特電入賞装置32が開放状態から閉鎖状態に切り換わる場合に誘導板部214に載っていた遊技球がスルーゲート35に入球可能である構成としてもよい。これにより、特電入賞装置32の開放回の開始タイミング及び終了タイミングのそれぞれに遊技者を注目させることが可能となる。また、スルーゲート35に遊技球が入球する機会を多く発生させることが可能となる。なお、本構成を上記第1の実施形態以外の実施形態に対して適用してもよい。
【0850】
(33)上記第1の実施形態において特電入賞装置32が開放状態である場合には右側領域PA3を流下する遊技球が特電入賞装置32よりも下流側に流下することが確実に阻止される構成としてもよい。例えば開閉部材202が、第15の実施形態における誘導板271,281と同様に、開口部213を有していない板形状であり、閉鎖位置に配置されている場合には開閉部材202が遊技盤24の盤面よりも後方に没した状態となり、開放位置に配置されている場合には遊技盤24の盤面から窓パネル52との間に亘って開閉部材202が存在する構成としてもよい。これにより、特電入賞装置32が開放状態から閉鎖状態に切り換わるタイミングにおいて開閉部材202上に載っている遊技球を除き、特電入賞装置32が開放状態となっている場合には右側領域PA3を流下する遊技球が確実に特電入賞装置32に入賞することとなる。なお、本構成を上記第1の実施形態以外の実施形態に対して適用してもよい。
【0851】
(34)上記第1の実施形態ではスルーゲート35に遊技球が入球して普電開放状態となった場合には電動によって第2作動口34が開放状態となる構成としたが、これに限定されることはなく、例えばスルーゲート35に遊技球が入球した場合にはその入球した遊技球の押圧力を利用して機械的に連動することで第2作動口34が開放状態となり、第2作動口34に1個又は2個の遊技球が入球することで当該遊技球の押圧力を利用して機械的に連動することで第2作動口34が閉鎖状態に復帰する構成としてもよい。なお、本構成を上記第1の実施形態以外の実施形態に対して適用してもよい。
【0852】
(35)上記第1の実施形態ではスルーゲート35に入球した遊技球はその後、遊技領域PAの流下を継続する構成としたが、これに限定されることはなく、スルーゲート35に入球した遊技球は遊技盤24の背面側に導出されることで遊技領域PAから排出される構成としてもよい。なお、本構成を上記第1の実施形態以外の実施形態に対して適用してもよい。
【0853】
(36)上記第1の実施形態の特電入賞装置32の構成や上記第15の実施形態の特電入賞装置261,262の構成を第2作動口34に対して適用するとともに、当該第2作動口34が開閉される場合にのみ入球可能となる位置に所定の入球部を設ける構成としてもよい。この場合、当該所定の入球部を、遊技球の入球によって遊技球の払い出しが実行される入球部としてもよく、遊技球の入球によって特図側の保留情報又は普図側の保留情報が取得される入球部としてもよい。
【0854】
(37)開閉実行モードにおいては普図側の保留情報の消化が行われない構成としてもよい。これにより、開閉実行モードにおいて普図側の保留情報が取得されたことに対する第2作動口34の普電開放状態への移行が開閉実行モードの終了後に発生することとなるため、開閉実行モード後に第2作動口34への遊技球の入球を遊技者に狙わせることが可能となる。なお、本構成を上記第1の実施形態以外の実施形態に対して適用してもよい。
【0855】
(38)開閉実行モードであっても普図側の保留情報の消化が行われるものの開閉実行モードにおいて開始された普図表示部38aにおける絵柄の変動表示は開閉実行モードが終了するまで継続される構成としてもよい。この場合であっても、開閉実行モード後に第2作動口34への遊技球の入球を遊技者に狙わせることが可能となる。なお、本構成を上記第1の実施形態以外の実施形態に対して適用してもよい。
【0856】
(39)第2保留情報が当否判定処理の対象となった場合に大当たり結果及び小当たり結果だけではなく外れ結果となり得る構成としてもよい。また、第1保留情報が当否判定処理の対象となった場合であっても小当たり結果となり得る構成としてもよい。
【0857】
(40)普電役物34aによるサポートの態様が相互に異なるように複数種類のサポートモードが設定されている構成としてもよい。詳細には、サポートモードには、遊技領域PAに同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口34の普電役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
【0858】
高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、普電乱数カウンタC4を用いた普電開放抽選における普電開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、普電開放状態当選となった際に普電役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて普電開放状態当選となり普電役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間(すなわち、普図表示部38aにおける1回の表示継続時間)が短く設定されている。
【0859】
上記のとおり、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口34よりも第1作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口33よりも第2作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、第2作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
【0860】
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに普電開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば普電開放抽選における普電開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき普図表示部38aにて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組合せの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
【0861】
(41)特電入賞装置32が開放状態である場合には特電入賞装置32への遊技球の入球が可能であり特電入賞装置32が閉鎖状態である場合には特電入賞装置32への遊技球の入球が不可である構成に限定されることはなく、特電入賞装置32が閉鎖状態である場合であっても特電入賞装置32への遊技球の入球が可能であるものの開放状態である場合よりも特電入賞装置32への遊技球の入球が発生しづらい構成としてもよい。なお、本構成を上記第1の実施形態以外の実施形態に対して適用してもよい。
【0862】
(42)第2作動口34が開放状態である場合には第2作動口34への遊技球の入球が可能であり第2作動口34が閉鎖状態である場合には第2作動口34への遊技球の入球が不可である構成に限定されることはなく、第2作動口34が閉鎖状態である場合であっても第2作動口34への遊技球の入球が可能であるものの開放状態である場合よりも第2作動口34への遊技球の入球が発生しづらい構成としてもよい。なお、本構成を上記第1の実施形態以外の実施形態に対して適用してもよい。
【0863】
(43)遊技者がパチンコ機10に遊技球を補充することが不可であってパチンコ機10内において遊技球が循環するとともに、遊技者が使用可能な遊技球数の情報が記憶保持され、その記憶保持されている使用可能な遊技球数の情報の範囲内で遊技球の発射が可能となる構成に、上記各実施形態の構成を適用してもよい。
【0864】
(44)主制御装置60から送信されるコマンドに基づいて、音声発光制御装置81により表示制御装置82が制御される構成に代えて、主制御装置60から送信されるコマンドに基づいて、表示制御装置82が音声発光制御装置81を制御する構成としてもよい。また、音声発光制御装置81と表示制御装置82とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置60に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置60に集約されていてもよい。また、主制御装置60から音声発光制御装置81に送信されるコマンドの構成や、音声発光制御装置81から表示制御装置82に送信されるコマンドの構成も任意である。
【0865】
(45)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
【0866】
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
【0867】
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
【0868】
スロットマシンや、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機に本発明を適用する場合、例えばスタートレバーの操作に基づき1ゲームを開始する場合に実行された役の抽選処理の結果を履歴情報として記憶し、その履歴情報を利用して各役の実際の当選確率を演算する構成としてもよく、ボーナスゲームといった特別制御状態への移行が発生した場合にそれを履歴情報としえ記憶し、その履歴情報を利用して特別制御状態への実際の移行確率を演算する構成としてもよく、消化された総ゲーム数に対する特別制御状態の滞在ゲーム数の割合を演算する構成としてもよい。そして、それら履歴情報や各種パラメータを読み取り装置にて読み取り可能としたり、各種パラメータの演算結果に対応する報知が遊技機自身にて行われる構成としてもよい。
【0869】
(46)上記第1~第19の実施形態の特徴的な構成を任意の組合せで相互に適用してもよい。例えば、上記第1の実施形態の特徴的な構成と、上記第6の実施形態の特徴的な構成と、上記第12の実施形態の特徴的な構成とを組合せてもよく、上記第2の実施形態の特徴的な構成と、上記第4の実施形態の特徴的な構成と、上記第8の実施形態の特徴的な構成とを組合せてもよく、上記第1の実施形態の特徴的な構成と、上記第13の実施形態の特徴的な構成と、上記第14の実施形態の特徴的な構成とを組合せもよく、上記第1の実施形態の特徴的な構成と、上記第15の実施形態の特徴的な構成と、上記第19の実施形態の特徴的な構成とを組合せてもよい。また、上記第1~19の実施形態の特徴的な構成を所定の組合せで適用した構成に対して、上記別形態の構成を任意の組合せで適用してもよい。
【0870】
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0871】
<特徴A群>
特徴A1.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な所定入球手段(アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34)と、
当該所定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する情報が特定記憶手段(主側RAM65)に記憶されるようにする特定記憶実行手段(主側CPU63における入球検知処理を実行する機能)と、
前記所定入球手段に遊技球が入球したことに対応する情報が前記特定記憶手段に記憶されていることに基づいて、遊技者に特典が付与されるようにするための処理を実行する特典付与手段(主側CPU63におけるステップS217の処理を実行する機能、払出側CPU92におけるステップS408の処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記所定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段(第1~第9,第11~第12の実施形態では履歴用メモリ117、第10の実施形態では主側RAM65)に実行されるようにし、前記所定入球手段への遊技球の入球個数又は入球頻度を当該遊技機又は遊技機外部の装置にて特定可能とする所定情報(第1~第8,第12の実施形態では履歴情報、第9~第11の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにする所定記憶実行手段(第1~第9,第11~第12の実施形態では管理側CPU112における履歴設定処理を実行する機能、第10の実施形態では主側CPU63におけるステップS3202、ステップS3205、ステップS3208、ステップS3212、ステップS3216、ステップS3220及びステップS3223の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
【0872】
特徴A1によれば、所定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する情報が特定記憶手段に記憶され、当該情報が特定記憶手段に記憶されている場合に遊技者に特典が付与される。これにより、遊技者は所定入球手段に遊技球が入球することを期待しながら遊技を行うこととなる。当該構成において、所定入球手段に遊技球が入球した場合にはそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段に対して実行され、所定入球手段への遊技球の入球個数又は入球頻度を遊技機の制御手段又は遊技機外部の装置にて特定可能とする所定情報が所定記憶手段にて記憶されることとなる。これにより、所定入球手段への遊技球の入球個数又は入球頻度を管理するための情報を遊技機にて記憶保持することが可能となり、この管理されている情報を利用することで所定入球手段への遊技球の入球態様の管理を適切に行うことが可能となる。また、所定情報が遊技機自身にて記憶保持されることにより、所定情報への不正なアクセスや不正な改変を阻止することが可能となる。
【0873】
特徴A2.前記所定情報は、遊技者に特典を付与するための処理の実行契機とならないことを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
【0874】
特徴A2によれば、所定情報が遊技者に特典を付与するための処理の実行契機とならないことにより、所定入球手段への遊技球の入球態様の管理を適切に行うことを目的とした情報形態で所定情報を記憶保持することが可能となる。
【0875】
特徴A3.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な特定入球手段(アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34)を備え、
前記所定記憶実行手段は、前記特定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する情報の記憶が前記所定記憶手段に実行されるようにし、前記特定入球手段への遊技球の入球個数を当該遊技機の制御手段又は遊技機外部の装置にて特定可能とする特定情報(第1~第8,第12の実施形態では履歴情報、第9~第11の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにすることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
【0876】
特徴A3によれば、所定入球手段に対応する所定情報だけではなく特定入球手段に対応する特定情報も所定記憶手段に記憶される。これにより、所定入球手段への遊技球の入球態様の管理だけではなく特定入球手段への遊技球の入球態様の管理も行うことが可能となる。また、所定情報及び特定情報の両方を利用することにより、所定入球手段と特定入球手段との間の入球頻度の割合なども管理することが可能となる。
【0877】
特徴A4.前記所定入球手段を含めて、入球した遊技球を前記遊技領域から排出させる全ての入球手段が、遊技球の入球の発生に対応する情報の前記所定記憶手段への記憶対象となる入球手段であることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
【0878】
特徴A4によれば、遊技領域から遊技球を排出させる全ての入球手段が、所定記憶手段に記憶された情報を利用した管理の対象となることにより、任意の入球手段についての入球頻度を所定記憶手段に記憶されている情報を利用して管理することが可能となる。また、遊技領域から排出される遊技球の個数に対する所定入球手段への遊技球の入球個数の割合を、所定記憶手段に記憶されている情報を利用して管理することが可能となる。
【0879】
特徴A5.前記所定情報は、前記所定入球手段に遊技球が入球したタイミングに対応する情報を含んでいることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
【0880】
特徴A5によれば、所定入球手段に遊技球が入球したタイミングに対応する情報が所定情報に含まれていることにより、所定情報を利用することで、所定入球手段への遊技球の入球履歴を詳細に把握することが可能となる。
【0881】
特徴A6.前記所定情報は、前記所定入球手段に入球した遊技球の個数の計数情報であることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
【0882】
特徴A6によれば、所定情報が所定入球手段に入球した遊技球の個数の計数情報であることにより、所定情報の情報容量を抑えながら、所定入球手段への遊技球の入球態様の管理を行うことが可能となる。
【0883】
特徴A7.前記所定記憶実行手段は、前記所定入球手段への遊技球の入球が所定状況におけるものであるか否かを特定可能とする情報が前記所定記憶手段に記憶されるようにする手段(第1~第7の実施形態では管理側CPU112におけるステップS804及びステップS809の処理を実行する機能、第8の実施形態では管理側CPU112におけるステップS3004の処理を実行する機能、第9の実施形態では管理側CPU112におけるステップS3103の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
【0884】
特徴A7によれば、所定状況であるか否かを区別して所定入球手段への遊技球の入球態様を管理することが可能となる。
【0885】
特徴A8.前記所定記憶手段に記憶された情報を遊技機外部の装置に出力する外部出力手段(管理側CPU112における外部出力用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
【0886】
特徴A8によれば、所定記憶手段に記憶された情報を遊技機から読み取り、その読み取った情報を利用して所定入球手段への遊技球の入球態様を分析することが可能となる。
【0887】
特徴A9.情報出力部(読み取り用端子102)を利用して遊技機外部の装置に制御プログラムを出力するプログラム出力手段(主側CPU63におけるステップS903の処理を実行する機能)を備え、
前記外部出力手段は、前記情報出力部を利用して、前記所定記憶手段に記憶された情報を遊技機外部の装置に出力することを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
【0888】
特徴A9によれば、制御プログラムを外部出力するための情報出力部を利用して、所定記憶手段に記憶された情報を外部出力することが可能となる。これにより、構成が複雑化してしまうことを阻止しながら、所定記憶手段に記憶された情報を外部出力することが可能となる。
【0889】
特徴A10.前記情報出力部から出力すべき情報が前記所定記憶手段に記憶された情報及び前記制御プログラムのうちいずれであるかを特定し、その特定結果に対応する情報が出力されるようにする手段(主側CPU63におけるステップS902の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
【0890】
特徴A10によれば、制御プログラムを外部出力するための情報出力部を利用して、所定記憶手段に記憶された情報が外部出力される構成において、外部出力の対象となる情報が制御プログラム及び所定記憶手段に記憶された情報のうちいずれであるのかが遊技機側にて特定され、その特定された情報が外部出力される。これにより、情報出力部が兼用される構成であっても必要な情報のみを読み出すことが可能となる。
【0891】
特徴A11.前記特定記憶実行手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記所定記憶実行手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
【0892】
特徴A11によれば、特定記憶実行手段を有する第1制御手段とは別に設けられた第2制御手段が所定記憶実行手段を有していることにより、第1制御手段の処理負荷が極端に増加してしまわないようにしながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
【0893】
特徴A12.前記第1制御手段と前記第2制御手段とは同一のチップに設けられていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
【0894】
特徴A12によれば、第1制御手段と第2制御手段とが同一のチップに設けられていることにより、これら第1制御手段と第2制御手段との間の通信経路への不正なアクセスを阻止することが可能となる。
【0895】
特徴A13.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な特定入球手段(アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34)を備え、
前記所定記憶実行手段は、前記特定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する情報の記憶が前記所定記憶手段に実行されるようにすることで、前記特定入球手段への遊技球の入球個数又は入球頻度を当該遊技機の制御手段又は遊技機外部の装置にて特定可能とする特定情報(第1~第8,第12の実施形態では履歴情報、第9~第11の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにし、
前記第1制御手段は、
前記所定入球手段に遊技球が入球した場合に第1信号経路を利用して第1情報を前記第2制御手段に送信する第1送信手段(主側CPU63における第1~第7信号のいずれかを出力する機能)と、
前記特定入球手段に遊技球が入球した場合に第2信号経路を利用して第2情報を前記第2制御手段に送信する第2送信手段(主側CPU63における第1~第7信号のいずれかを出力する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A11又はA12に記載の遊技機。
【0896】
特徴A13によれば、所定入球手段に対応する所定情報だけではなく特定入球手段に対応する特定情報も所定記憶手段に記憶される。これにより、所定入球手段への遊技球の入球態様の管理だけではなく特定入球手段への遊技球の入球態様の管理も行うことが可能となる。また、所定情報及び特定情報の両方を利用することにより、所定入球手段と特定入球手段との間の入球頻度の割合なども管理することが可能となる。
【0897】
また、所定入球手段に遊技球が入球した場合には第1信号経路を利用して第1情報が第2制御手段に送信され、特定入球手段に遊技球が入球した場合には第2信号経路を利用して第2情報が第2制御手段に送信される。これにより、送信される情報の種類と信号経路とが対応することとなり、第2制御手段にて各情報の種類を区別するための構成を簡素化することが可能となる。
【0898】
特徴A14.前記第1制御手段は、所定状況であるか否かを前記第2制御手段にて特定可能とする特定用情報を、第3経路を利用して前記第2制御手段に送信する第3送信手段(第1,第3~第9,第12の実施形態では主側CPU63における第8~第10信号のいずれかを出力する機能、第2の実施形態では主側CPU63における開閉実行モード中信号、高頻度サポートモード中信号及び扉開放中信号のいずれかを出力する機能)を備えていることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
【0899】
特徴A14によれば、所定状況であるか否かを区別して所定入球手段への遊技球の入球態様及び特定入球手段への遊技球の入球態様を管理することが可能となる。また、所定状況であるか否かを特定可能とする特定用情報が第3経路を利用して第2制御手段に送信されるため、第2制御手段にて特定用情報を第1情報及び第2情報といった他の情報と区別するための構成を簡素化することが可能となる。
【0900】
特徴A15.前記第1制御手段は、前記第1情報が前記所定入球手段に対応しており、前記第2情報が前記特定入球手段に対応していることを示す識別情報を前記第2制御手段に送信する識別情報送信手段(主側CPU63における認識用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A13又はA14に記載の遊技機。
【0901】
特徴A15によれば、第1情報が所定入球手段に対応しており、第2情報が特定入球手段に対応していることを示す識別情報が第1制御手段から第2制御手段に送信されるため、これら情報の対応関係を第2制御手段において予め記憶しておく必要が生じない。これにより、第2制御手段の汎用性を高めることが可能となる。
【0902】
特徴A16.前記識別情報送信手段は、前記第1制御手段への動作電力の供給が開始された場合に前記識別情報を前記第2制御手段に送信することを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
【0903】
特徴A16によれば、第1制御手段への動作電力の供給が開始された場合に当該第1制御手段から第2制御手段に識別情報が送信されるため、所定入球手段及び特定入球手段への遊技球の入球が発生し得る状況においては、第1制御手段から送信される情報と入球手段との対応関係を第2制御手段にて特定可能となるようにすることが可能となる。
【0904】
特徴A17.前記識別情報送信手段は、前記第1信号経路及び前記第2信号経路のうち少なくとも一方を利用して前記識別情報を前記第2制御手段に送信することを特徴とする特徴A15又はA16に記載の遊技機。
【0905】
特徴A17によれば、識別情報は第1信号経路及び第2信号経路のうち少なくとも一方を利用して第2制御手段に送信されるため、識別情報を送信するための専用の信号経路を設ける構成に比べて通信に関する構成を簡素化することが可能となる。
【0906】
特徴A18.前記第2制御手段は、前記識別情報を受信した場合、前記第1情報が前記所定入球手段に対応しており前記第2情報が前記特定入球手段に対応していることを特定可能とする対応関係情報を対応関係記憶手段(対応関係用メモリ116)に記憶させる手段(管理側CPU112における対応関係設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A15乃至A17のいずれか1に記載の遊技機。
【0907】
特徴A18によれば、第1制御手段から送信される情報と入球手段との対応関係が第2制御手段において記憶される。これにより、送信対象の情報に対応する入球手段を第2制御手段にて特定可能とする情報を、第1制御手段から第1情報又は第2情報を送信する度に第2制御手段に提供する必要がなくなる。よって、第1情報及び第2情報の情報量を抑えることが可能となる。
【0908】
特徴A19.前記第1制御手段は、所定状況であるか否かを前記第2制御手段にて特定可能とする第3情報を、第3経路を利用して前記第2制御手段に送信する第3送信手段(第1,第3~第9,第12の実施形態では主側CPU63における第8~第10信号のいずれかを出力する機能、第2の実施形態では主側CPU63における開閉実行モード中信号、高頻度サポートモード中信号及び扉開放中信号のいずれかを出力する機能)を備え、
前記第2制御手段は、前記識別情報を受信しなくても、前記第3情報が前記所定状況であるか否かを特定可能とする情報であると認識可能であることを特徴とする特徴A15乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
【0909】
特徴A19によれば、所定状況であるか否かを区別して所定入球手段への遊技球の入球態様及び特定入球手段への遊技球の入球態様を管理することが可能となる。また、第3情報が所定状況であるか否かを特定可能とする情報であることは、第1制御手段からの識別情報を受信しなくても第2制御手段にて特定可能となっている。これにより、識別情報の情報形態が複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
【0910】
特徴A20.前記第2制御手段には、前記第1制御手段からの情報を受信することが可能な受信部として、前記第1制御手段から前記第2制御手段に送信する必要がある情報の種類数よりも多い数の受信部(バッファ122a~122p)が設けられていることを特徴とする特徴A13乃至A19のいずれか1に記載の遊技機。
【0911】
特徴A20によれば、第1制御手段から第2制御手段に送信する必要がある情報の種類数よりも多い数の受信部が第2制御手段に設けられていることにより、遊技機の機種に応じて当該情報の種類数が増減する場合であっても受信部に関する構成を変更することなく対応することが可能となる。よって、第2制御手段の汎用性を高めることが可能となる。
【0912】
特徴A21.前記所定記憶手段に記憶された前記所定情報と前記所定入球手段に対応していることを認識可能とさせる情報との組合せの情報を遊技機外部の装置に出力する第1外部出力手段(管理側CPU112における外部出力用処理を実行する機能)と、
前記所定記憶手段に記憶された前記特定情報と前記特定入球手段に対応していることを認識可能とさせる情報との組合せの情報を遊技機外部の装置に出力する第2外部出力手段(管理側CPU112における外部出力用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A13乃至A20のいずれか1に記載の遊技機。
【0913】
特徴A21によれば、所定記憶手段に記憶された情報を遊技機から読み取り、その読み取った情報を利用して所定入球手段への遊技球の入球態様及び特定入球手段への遊技球の入球態様を特定することが可能となる。また、当該外部出力が行われる場合、所定情報と所定入球手段に対応していることを認識可能とする情報との組合せの情報が外部出力されるとともに、特定情報と特定入球手段に対応していることを認識可能とする情報との組合せの情報が外部出力される。これにより、所定記憶手段から読み取った情報を利用して各入球態様を特定することが可能となる。
【0914】
特徴A22.前記所定情報を利用して、所定の期間における前記遊技領域の遊技球の入球態様に対応する態様情報を演算する情報演算手段(第1,第2,第6,第8,第9,第10,第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1008、ステップS1013及びステップS1017の処理を実行する機能、第3の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2308、ステップS2313及びステップS2317の処理を実行する機能、第4の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2502の処理を実行する機能、第5の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2702の処理を実行する機能、第7の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2905の処理を実行する機能、第11の実施形態では主側CPU63におけるステップS3503の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A21のいずれか1に記載の遊技機。
【0915】
特徴A22によれば、所定記憶手段に記憶された所定情報を利用して遊技球の入球態様に対応する態様情報が遊技機にて演算される。これにより、例えば遊技球の入球態様に対応する処理を遊技機自身にて行うことが可能となる、又は所定情報を利用して演算した結果である態様情報を外部出力することが可能となる。
【0916】
特徴A23.前記所定記憶実行手段は、前記所定入球手段への遊技球の入球が所定状況におけるものであるか否かを特定可能とする情報が前記所定記憶手段にされるようにする手段(第1~第7の実施形態では管理側CPU112におけるステップS804及びステップS809の処理を実行する機能、第8の実施形態では管理側CPU112におけるステップS3004の処理を実行する機能、第9の実施形態では管理側CPU112におけるステップS3103の処理を実行する機能)を備え、
前記情報演算手段は、前記所定状況における前記所定入球手段への遊技球の入球に対応する前記所定情報を抽出して又は除外して前記態様情報を演算する手段(第1,第2,第6,第8,第9,第10,第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1008、ステップS1013及びステップS1017の処理を実行する機能、第3の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2308、ステップS2313及びステップS2317の処理を実行する機能、第4の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2502の処理を実行する機能、第5の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2702の処理を実行する機能、第7の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2905の処理を実行する機能、第11の実施形態では主側CPU63におけるステップS3503の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A22に記載の遊技機。
【0917】
特徴A23によれば、所定状況であるか否かを区別して遊技球の入球態様に対応する態様情報を演算することが可能となる。
【0918】
特徴A24.前記情報演算手段により前記態様情報が演算された場合、前記所定記憶手段に記憶されている前記所定情報を消去する手段(第1,第2,第8,第9,第10,第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1019の処理を実行する機能、第4の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2505の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A22又はA23に記載の遊技機。
【0919】
特徴A24によれば、態様情報が演算された場合に所定記憶手段に記憶されている所定情報が消去されることにより、所定情報によって所定記憶手段の記憶容量を超えてしまうという事象を発生しづらくさせることが可能となる。
【0920】
特徴A25.前記情報演算手段により前記態様情報が演算されたとしても、当該態様情報を演算する場合に利用された前記所定情報が前記所定記憶手段に記憶された状態が維持されることを特徴とする特徴A22又はA23に記載の遊技機。
【0921】
特徴A25によれば、態様情報が演算されたとしても、当該態様情報を演算する場合に利用された所定情報が所定記憶手段に記憶保持されることにより、態様情報を読み出して遊技球の入球態様を分析する場合に、態様情報だけではなく、その態様情報の演算の根拠となった所定情報を参照することが可能となる。
【0922】
特徴A26.前記情報演算手段は、前記特定記憶実行手段を有する制御手段への動作電力の供給が停止される場合、又は前記特定記憶実行手段を有する制御手段への動作電力の供給が開始される場合に、前記態様情報を演算することを特徴とする特徴A22乃至A25のいずれか1に記載の遊技機。
【0923】
特徴A26によれば、制御手段への動作電力の供給が停止される場合又は制御手段への動作電力の供給が停止される場合に態様情報が演算されるため、各営業日単位で態様情報を管理することが可能となる。
【0924】
特徴A27.前記情報演算手段は、前記特定記憶実行手段を有する制御手段に動作電力が供給されている状況において繰り返し発生し得る演算契機が発生した場合に前記態様情報を演算することを特徴とする特徴A22乃至A26のいずれか1に記載の遊技機。
【0925】
特徴A27によれば、制御手段に動作電力が供給されている状況において繰り返し発生する演算契機が発生する度に態様情報が演算されるため、一営業日の範囲内において態様情報を細かく管理することが可能となる。
【0926】
特徴A28.前記情報演算手段は、期間計測手段(主側RAM65に設けられた計測カウンタ)により計測されている期間が所定期間となる度に前記態様情報を演算し、
前記期間計測手段は遊技が実行されていない状況において期間の計測を停止し、期間の計測を停止している状況において遊技が開始された場合に当該期間の計測を停止前の状態から再開することを特徴とする特徴A22乃至A27のいずれか1に記載の遊技機。
【0927】
特徴A28によれば、所定期間が経過する度に態様情報が演算される構成であるため、所定期間を調整するだけで態様情報の演算頻度を簡単に調整することが可能となる。この場合に、遊技が実行されていない状況においては所定期間の計測が停止され、遊技が開始された場合に所定期間の計測が停止前の状態から再開される。これにより、遊技が実行されていない状況を態様情報の演算対象から除外することが可能となり、遊技が実行されている状況における態様情報を適切に導き出すことが可能となる。
【0928】
特徴A29.前記情報演算手段により演算された前記態様情報を遊技機外部の装置に出力する外部出力手段(管理側CPU112における外部出力用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A22乃至A28のいずれか1に記載の遊技機。
【0929】
特徴A29によれば、態様情報が遊技機外部の装置に出力されることにより、遊技球の入球態様を簡単に把握することが可能となる。
【0930】
特徴A30.前記外部出力手段は、前記態様情報を前記遊技機外部の装置に出力する場合、前記所定情報を前記遊技機外部の装置に出力することを特徴とする特徴A29に記載の遊技機。
【0931】
特徴A30によれば、態様情報だけではなく所定情報も遊技機外部の装置に出力されることにより、態様情報を読み出して遊技球の入球態様を分析する場合に、態様情報だけではなく、その態様情報の演算の根拠となった所定情報を参照することが可能となる。
【0932】
特徴A31.前記特定記憶実行手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記外部出力手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備え、
前記外部出力手段は、前記第1制御手段から送信された出力指示情報を前記第2制御手段が受信した場合に前記態様情報を前記遊技機外部の装置に出力することを特徴とする特徴A29又はA30に記載の遊技機。
【0933】
特徴A31によれば、外部出力手段を有する第2制御手段を第1制御手段とは別に設けることにより第1制御手段の処理負荷を軽減させた構成において、第1制御手段からの指示に基づき態様情報が遊技機外部の装置に出力されるようにすることが可能となる。
【0934】
特徴A32.前記情報演算手段は、予め定められた演算契機が発生する度に前記態様情報を演算し、
前記情報演算手段により演算された前記態様情報を演算結果記憶手段(演算結果用メモリ131)に順次記憶させる結果記憶実行手段(第3の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2310、ステップS2314及びステップS2318の処理を実行する機能、第4の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2504の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A22乃至A31のいずれか1に記載の遊技機。
【0935】
特徴A32によれば、態様情報を遊技機にて蓄積していくことが可能となる。これにより、遊技球の入球態様を管理する場合に複数の態様情報をまとめて読み出すことが可能となる。
【0936】
特徴A33.前記結果記憶実行手段は、
前記態様情報が記憶対象情報であるか否かを判定する手段(管理側CPU112におけるステップS2503の処理を実行する機能)と、
前記態様情報が前記記憶対象情報である場合にその態様情報を前記演算結果記憶手段に記憶させる手段(管理側CPU112におけるステップS2504の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A32に記載の遊技機。
【0937】
特徴A33によれば、演算された結果の態様情報が記憶対象情報に該当する場合にその態様情報が演算結果記憶手段に記憶される。これにより、演算結果記憶手段への記憶対象となる態様情報を制限することが可能となり、演算結果記憶手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
【0938】
特徴A34.前記結果記憶実行手段は、前記態様情報が演算された時期を特定可能とする情報を当該態様情報に付随させて前記演算結果記憶手段に記憶させることを特徴とする特徴A32又はA33に記載の遊技機。
【0939】
特徴A34によれば、態様情報が演算された時期を特定可能とする情報が当該態様情報に付随することとなる。これにより、各態様情報が演算された時期を把握しながら、各態様情報を分析することが可能となる。
【0940】
特徴A35.前記特定記憶実行手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記情報演算手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備え、
前記情報演算手段は、前記第1制御手段から送信された演算契機情報を前記第2制御手段が受信した場合に前記態様情報を演算することを特徴とする特徴A22乃至A34のいずれか1に記載の遊技機。
【0941】
特徴A35によれば、情報演算手段を有する第2制御手段を第1制御手段とは別に設けることにより第1制御手段の処理負荷を軽減させた構成において、第1制御手段からの指示に基づき態様情報が第2制御手段にて演算されるようにすることが可能となる。
【0942】
特徴A36.前記態様情報に対応する内容を報知するように報知手段(報知用発光部151)を制御する報知制御手段(主側CPU63におけるステップS3505、ステップS3507及びステップS3508の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A22乃至A35のいずれか1に記載の遊技機。
【0943】
特徴A36によれば、態様情報に対応する内容が遊技機自身にて報知される。これにより、遊技ホールの管理者などは、態様情報を遊技機から読み出さなくても、遊技球の入球態様の管理結果を把握することが可能となる。
【0944】
特徴A37.前記報知制御手段が設けられた制御基板(主制御基板61)は基板ボックスに収容されており、
前記報知手段は、前記制御基板に設けられていることを特徴とする特徴A36に記載の遊技機。
【0945】
特徴A37によれば、報知制御手段と報知手段との間の通信経路に対する不正なアクセスを行いづらくさせることが可能となる。
【0946】
特徴A38.前記特定記憶実行手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記所定記憶実行手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備え、
前記第1制御手段は、前記情報演算手段及び前記報知制御手段を備えていることを特徴とする特徴A36又はA37に記載の遊技機。
【0947】
特徴A38によれば、所定記憶手段を有する第2制御手段を第1制御手段とは別に設けることにより第1制御手段の処理負荷を軽減させた構成において、態様情報を演算する機能及びその演算結果に対応する報知が実行されるようにするための機能を第1制御手段に集約することが可能となる。
【0948】
特徴A39.前記報知制御手段は、前記態様情報が第1範囲の情報である場合には第1報知が実行されるように前記報知手段を制御し、前記態様情報が第2範囲の情報である場合には第2報知が実行されるように前記報知手段を制御することを特徴とする特徴A36乃至A38のいずれか1に記載の遊技機。
【0949】
特徴A39によれば、態様情報がそのまま報知されるのではなく、態様情報が含まれる範囲に対応する内容が報知される。これにより、報知手段における報知パターンが多くなり過ぎないようにすることが可能となり、報知手段を制御するための負荷を軽減することが可能となる。
【0950】
特徴A40.前記所定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する対応情報を外部出力する手段(主側CPU63におけるステップS218の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A39のいずれか1に記載の遊技機。
【0951】
特徴A40によれば、所定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する対応情報が外部出力される構成において、所定情報が所定記憶手段に記憶される。これにより、対応情報を利用することで所定入球手段への遊技球の入球個数や入球頻度を簡易的に把握しながら、所定記憶手段に記憶された所定情報を利用することで所定入球手段への遊技球の入球個数や入球頻度を正確に把握することが可能となる。
【0952】
特徴A41.前記所定記憶実行手段又は前記第2制御手段は、専用回路として設けられていることを特徴とする特徴A1乃至A40のいずれか1に記載の遊技機。
【0953】
特徴A41によれば、所定記憶実行手段又は第2制御手段が専用回路として設けられた構成において既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
【0954】
なお、特徴A1~A41の構成に対して、特徴A1~A41、特徴B1~B20、特徴C1~C4、特徴D1~D10、特徴E1~E7、特徴F1~F45、特徴G1~G18、特徴H1~H8、特徴I1~I11、特徴J1~J9、特徴K1~K9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0955】
<特徴B群>
特徴B1.遊技の結果として所定事象が発生した場合にそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段(第1~第9,第11~第12の実施形態では履歴用メモリ117、第10の実施形態では主側RAM65)に実行されるようにすることで所定情報(第1~第8,第12の実施形態では履歴情報、第9~第11の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにする所定記憶実行手段(第1~第9,第11~第12の実施形態では管理側CPU112における履歴設定処理を実行する機能、第10の実施形態では主側CPU63におけるステップS3202、ステップS3205、ステップS3208、ステップS3212、ステップS3216、ステップS3220及びステップS3223の処理を実行する機能)と、
前記所定情報を利用して、所定の期間における遊技の結果に対応する態様情報を演算する情報演算手段(第1,第2,第6,第8,第9,第10,第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1008、ステップS1013及びステップS1017の処理を実行する機能、第3の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2308、ステップS2313及びステップS2317の処理を実行する機能、第4の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2502の処理を実行する機能、第5の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2702の処理を実行する機能、第7の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2905の処理を実行する機能、第11の実施形態では主側CPU63におけるステップS3503の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0956】
特徴B1によれば、所定事象が発生した場合にはそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段に対して実行され、所定情報が所定記憶手段にて記憶されることとなる。これにより、所定事象の発生回数又は発生頻度を管理するための情報を遊技機にて記憶保持することが可能となり、この管理されている情報を利用することで所定事象の発生態様の管理を適切に行うことが可能となる。また、所定情報が遊技機自身にて記憶保持されることにより、所定情報への不正なアクセスや不正な改変を阻止することが可能となる。
【0957】
また、所定記憶手段に記憶された所定情報を利用して、所定の期間における遊技の結果に対応する態様情報が遊技機にて演算される。これにより、例えば所定の期間における遊技の結果に対応する処理を遊技機自身にて行うことが可能となる、又は所定情報を利用して演算した結果である態様情報を外部出力することが可能となる。
【0958】
特徴B2.前記所定記憶実行手段は、前記所定事象の発生が所定状況におけるものであるか否かを特定可能とする情報が前記所定記憶手段にされるようにする手段(第1~第7の実施形態では管理側CPU112におけるステップS804及びステップS809の処理を実行する機能、第8の実施形態では管理側CPU112におけるステップS3004の処理を実行する機能、第9の実施形態では管理側CPU112におけるステップS3103の処理を実行する機能)を備え、
前記情報演算手段は、前記所定状況における前記所定事象の発生に対応する前記所定情報を抽出して又は除外して前記態様情報を演算する手段(第1,第2,第6,第8,第9,第10,第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1008、ステップS1013及びステップS1017の処理を実行する機能、第3の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2308、ステップS2313及びステップS2317の処理を実行する機能、第4の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2502の処理を実行する機能、第5の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2702の処理を実行する機能、第7の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2905の処理を実行する機能、第11の実施形態では主側CPU63におけるステップS3503の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
【0959】
特徴B2によれば、所定状況であるか否かを区別して、所定の期間における遊技の結果に対応する態様情報を演算することが可能となる。
【0960】
特徴B3.前記情報演算手段により前記態様情報が演算された場合、前記所定記憶手段に記憶されている前記所定情報を消去する手段(第1,第2,第8,第9,第10,第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1019の処理を実行する機能、第4の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2505の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
【0961】
特徴B3によれば、態様情報が演算された場合に所定記憶手段に記憶されている所定情報が消去されることにより、所定情報によって所定記憶手段の記憶容量を超えてしまうという事象を発生しづらくさせることが可能となる。
【0962】
特徴B4.前記情報演算手段により前記態様情報が演算されたとしても、当該態様情報を演算する場合に利用された前記所定情報が前記所定記憶手段に記憶された状態が維持されることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
【0963】
特徴B4によれば、態様情報が演算されたとしても、当該態様情報を演算する場合に利用された所定情報が所定記憶手段に記憶保持されることにより、態様情報を読み出して所定の期間における遊技の結果を分析する場合に、態様情報だけではなく、その態様情報の演算の根拠となった所定情報を参照することが可能となる。
【0964】
特徴B5.前記情報演算手段は、制御手段(MPU62)への動作電力の供給が停止される場合又は制御手段への動作電力の供給が開始される場合に前記態様情報を演算することを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
【0965】
特徴B5によれば、制御手段への動作電力の供給が停止される場合又は制御手段への動作電力の供給が開始される場合に態様情報が演算されるため、各営業日単位で態様情報を管理することが可能となる。
【0966】
特徴B6.前記情報演算手段は、制御手段(MPU62)に動作電力が供給されている状況において繰り返し発生し得る演算契機が発生した場合に前記態様情報を演算することを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
【0967】
特徴B6によれば、制御手段に動作電力が供給されている状況において繰り返し発生する演算契機が発生する度に態様情報が演算されるため、一営業日の範囲内において態様情報を細かく管理することが可能となる。
【0968】
特徴B7.前記情報演算手段は、期間計測手段(主側RAM65に設けられた計測カウンタ)により計測されている期間が所定期間となる度に前記態様情報を演算し、
前記期間計測手段は遊技が実行されていない状況において期間の計測を停止し、期間の計測を停止している状況において遊技が開始された場合に当該期間の計測を停止前の状態から再開することを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
【0969】
特徴B7によれば、所定期間が経過する度に態様情報が演算される構成であるため、所定期間を調整するだけで態様情報の演算頻度を簡単に調整することが可能となる。この場合に、遊技が実行されていない状況においては所定期間の計測が停止され、遊技が開始された場合に所定期間の計測が停止前の状態から再開される。これにより、遊技が実行されていない状況を態様情報の演算対象から除外することが可能となり、遊技が実行されている状況における態様情報を適切に導き出すことが可能となる。
【0970】
特徴B8.前記情報演算手段により演算された前記態様情報を遊技機外部の装置に出力する外部出力手段(管理側CPU112における外部出力用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
【0971】
特徴B8によれば、態様情報が遊技機外部の装置に出力されることにより、遊技球の入球態様を簡単に把握することが可能となる。
【0972】
特徴B9.前記外部出力手段は、前記態様情報を前記遊技機外部の装置に出力する場合、前記所定情報を前記遊技機外部の装置に出力することを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
【0973】
特徴B9によれば、態様情報だけではなく所定情報も遊技機外部の装置に出力されることにより、態様情報を読み出して遊技球の入球態様を分析する場合に、態様情報だけではなく、その態様情報の演算の根拠となった所定情報を参照することが可能となる。
【0974】
特徴B10.前記特定記憶実行手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記外部出力手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備え、
前記外部出力手段は、前記第1制御手段から送信された出力指示情報を前記第2制御手段が受信した場合に前記態様情報を前記遊技機外部の装置に出力することを特徴とする特徴B8又はB9に記載の遊技機。
【0975】
特徴B10によれば、外部出力手段を有する第2制御手段を第1制御手段とは別に設けることにより第1制御手段の処理負荷を軽減させた構成において、第1制御手段からの指示に基づき態様情報が遊技機外部の装置に出力されるようにすることが可能となる。
【0976】
特徴B11.前記情報演算手段は、予め定められた演算契機が発生する度に前記態様情報を演算し、
前記情報演算手段により演算された前記態様情報を演算結果記憶手段(演算結果用メモリ131)に順次記憶させる結果記憶実行手段(第3の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2310、ステップS2314及びステップS2318の処理を実行する機能、第4の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2504の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
【0977】
特徴B11によれば、態様情報を遊技機にて蓄積していくことが可能となる。これにより、所定の期間における遊技の結果の態様を管理する場合に複数の態様情報をまとめて読み出すことが可能となる。
【0978】
特徴B12.前記結果記憶実行手段は、前記態様情報が記憶対象情報である場合にその態様情報を前記演算結果記憶手段に記憶させる手段(管理側CPU112におけるステップS2504の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B11に記載の遊技機。
【0979】
特徴B12によれば、演算された結果の態様情報が記憶対象情報に該当する場合にその態様情報が演算結果記憶手段に記憶される。これにより、演算結果記憶手段への記憶対象となる態様情報を制限することが可能となり、演算結果記憶手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
【0980】
特徴B13.前記結果記憶実行手段は、前記態様情報が演算された時期を特定可能とする情報を当該態様情報に付随させて前記演算結果記憶手段に記憶させることを特徴とする特徴B11又はB12に記載の遊技機。
【0981】
特徴B13によれば、態様情報が演算された時期を特定可能とする情報が当該態様情報に付随することとなる。これにより、各態様情報が演算された時期を把握しながら、各態様情報を分析することが可能となる。
【0982】
特徴B14.前記特定記憶実行手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記情報演算手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備え、
前記情報演算手段は、前記第1制御手段から送信された演算契機情報を前記第2制御手段が受信した場合に前記態様情報を演算することを特徴とする特徴B1乃至B13のいずれか1に記載の遊技機。
【0983】
特徴B14によれば、情報演算手段を有する第2制御手段を第1制御手段とは別に設けることにより第1制御手段の処理負荷を軽減させた構成において、第1制御手段からの指示に基づき態様情報が第2制御手段にて演算されるようにすることが可能となる。
【0984】
特徴B15.前記態様情報に対応する内容を報知するように報知手段(報知用発光部151)を制御する報知制御手段(主側CPU63におけるステップS3505、ステップS3507及びステップS3508の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B14のいずれか1に記載の遊技機。
【0985】
特徴B15によれば、態様情報に対応する内容が遊技機自身にて報知される。これにより、遊技ホールの管理者などは、態様情報を遊技機から読み出さなくても、所定の期間における遊技の管理結果を把握することが可能となる。
【0986】
特徴B16.前記報知制御手段が設けられた制御基板(主制御基板61)は基板ボックスに収容されており、
前記報知手段は、前記制御基板に設けられていることを特徴とする特徴B15に記載の遊技機。
【0987】
特徴B16によれば、報知制御手段と報知手段との間の通信経路に対する不正なアクセスを行いづらくさせることが可能となる。
【0988】
特徴B17.前記情報演算手段及び前記報知制御手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記所定記憶実行手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備えていることを特徴とする特徴B15又はB16に記載の遊技機。
【0989】
特徴B17によれば、所定記憶手段を有する第2制御手段を第1制御手段とは別に設けることにより第1制御手段の処理負荷を軽減させた構成において、態様情報を演算する機能及びその演算結果に対応する報知が実行されるようにするための機能を第1制御手段に集約することが可能となる。
【0990】
特徴B18.前記報知制御手段は、前記態様情報が第1範囲の情報である場合には第1報知が実行されるように前記報知手段を制御し、前記態様情報が第2範囲の情報である場合には第2報知が実行されるように前記報知手段を制御することを特徴とする特徴B15乃至B17のいずれか1に記載の遊技機。
【0991】
特徴B18によれば、態様情報がそのまま報知されるのではなく、態様情報が含まれる範囲に対応する内容が報知される。これにより、報知手段における報知パターンが多くなり過ぎないようにすることが可能となり、報知手段を制御するための負荷を軽減することが可能となる。
【0992】
特徴B19.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な所定入球手段(アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34)と、
当該所定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段(第1~第9,第11~第12の実施形態では履歴用メモリ117、第10の実施形態では主側RAM65)に実行されるようにすることで所定情報(第1~第8,第12の実施形態では履歴情報、第9~第11の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにする所定記憶実行手段(第1~第9,第11~第12の実施形態では管理側CPU112における履歴設定処理を実行する機能、第10の実施形態では主側CPU63におけるステップS3202、ステップS3205、ステップS3208、ステップS3212、ステップS3216、ステップS3220及びステップS3223の処理を実行する機能)と、
前記所定情報を利用して、所定の期間における前記遊技領域の遊技球の入球態様に対応する態様情報を演算する情報演算手段(第1,第2,第6,第8,第9,第10,第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1008、ステップS1013及びステップS1017の処理を実行する機能、第3の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2308、ステップS2313及びステップS2317の処理を実行する機能、第4の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2502の処理を実行する機能、第5の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2702の処理を実行する機能、第7の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2905の処理を実行する機能、第11の実施形態では主側CPU63におけるステップS3503の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0993】
特徴B19によれば、所定入球手段に遊技球が入球した場合にはそれに対応する情報の記憶処理が所定記憶手段に対して実行され、所定情報が所定記憶手段にて記憶されることとなる。これにより、所定入球手段への遊技球の入球個数又は入球頻度を管理するための情報を遊技機にて記憶保持することが可能となり、この管理されている情報を利用することで所定入球手段への遊技球の入球態様の管理を適切に行うことが可能となる。また、所定情報が遊技機自身にて記憶保持されることにより、所定情報への不正なアクセスや不正な改変を阻止することが可能となる。
【0994】
また、所定記憶手段に記憶された所定情報を利用して遊技球の入球態様に対応する態様情報が遊技機にて演算される。これにより、例えば遊技球の入球態様に対応する処理を遊技機自身にて行うことが可能となる、又は所定情報を利用して演算した結果である態様情報を外部出力することが可能となる。
【0995】
特徴B20.前記所定記憶実行手段又は前記第2制御手段は、専用回路として設けられていることを特徴とする特徴B1乃至B19のいずれか1に記載の遊技機。
【0996】
特徴B20によれば、所定記憶実行手段又は第2制御手段が専用回路として設けられた構成において既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
【0997】
なお、特徴B1~B20の構成に対して、特徴A1~A41、特徴B1~B20、特徴C1~C4、特徴D1~D10、特徴E1~E7、特徴F1~F45、特徴G1~G18、特徴H1~H8、特徴I1~I11、特徴J1~J9、特徴K1~K9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0998】
<特徴C群>
特徴C1.情報出力部(読み取り用端子102)を利用して遊技機外部の装置に制御プログラムを出力するプログラム出力手段(主側CPU63におけるステップS903の処理を実行する機能)と、
前記情報出力部を利用して特別情報を出力する情報出力手段(管理側CPU112における外部出力用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0999】
特徴C1によれば、制御プログラムを外部出力するための情報出力部を利用して、特別情報を外部出力することが可能となる。これにより、構成が複雑化してしまうことを阻止しながら、特別情報を外部出力することが可能となる。
【1000】
特徴C2.前記情報出力部から出力すべき情報が前記特別情報及び前記制御プログラムのうちいずれであるかを特定し、その特定結果に対応する情報が出力されるようにする選択手段(主側CPU63におけるステップS902の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
【1001】
特徴C2によれば、制御プログラムを外部出力するための情報出力部を利用して、特別情報が外部出力される構成において、外部出力の対象となる情報が制御プログラム及び特別情報のうちいずれであるのかが遊技機側にて特定され、その特定された情報が外部出力される。これにより、情報出力部が兼用される構成であっても必要な情報のみを読み出すことが可能となる。
【1002】
特徴C3.前記選択手段は、前記情報出力部に電気的に接続された外部装置から受信する情報に基づいて、前記情報出力部から出力すべき情報が前記特別情報及び前記制御プログラムのうちいずれであるかを特定することを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
【1003】
特徴C3によれば、情報出力部に電気的に接続された外部装置から受信する情報に基づき、当該情報出力部から出力すべき情報がいずれの情報であるのかが特定される。これにより、出力対象となる情報の選択に関する構成が複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
【1004】
特徴C4.前記制御プログラムを予め記憶するプログラム記憶手段(主側ROM64)を有するチップ(MPU62)が、前記情報出力部及び前記情報出力手段を有していることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
【1005】
特徴C4によれば、情報出力部に対する信号経路をチップ内に集約することが可能となる。これにより、情報出力部に対する信号経路に対する不正なアクセスを行いづらくさせながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
【1006】
なお、特徴C1~C4の構成に対して、特徴A1~A41、特徴B1~B20、特徴C1~C4、特徴D1~D10、特徴E1~E7、特徴F1~F45、特徴G1~G18、特徴H1~H8、特徴I1~I11、特徴J1~J9、特徴K1~K9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【1007】
<特徴D群>
特徴D1.第1制御手段(主側CPU63)及び第2制御手段(管理側CPU112)を備え、
前記第1制御手段は、
所定事象が発生した場合に遊技者に特典が付与されるようにする特典付与手段(主側CPU63におけるステップS217の処理を実行する機能、払出側CPU92におけるステップS408の処理を実行する機能)と、
前記所定事象が発生した場合にそれに対応する所定事象情報を送信する情報送信手段(主側CPU63における管理用出力処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2制御手段は、前記所定事象情報を受信した場合にそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段(第1~第9,第11~第12の実施形態では履歴用メモリ117、第10の実施形態では主側RAM65)に実行されるようにすることで、前記所定事象の発生回数又は発生頻度を当該遊技機又は遊技機外部の装置にて特定可能とする所定情報(第1~第8,第12の実施形態では履歴情報、第9~第11の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにする所定記憶実行手段(第1~第9,第11~第12の実施形態では管理側CPU112における履歴設定処理を実行する機能、第10の実施形態では主側CPU63におけるステップS3202、ステップS3205、ステップS3208、ステップS3212、ステップS3216、ステップS3220及びステップS3223の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
【1008】
特徴D1によれば、所定事象が発生した場合に遊技者に特典が付与される。これにより、遊技者は所定事象が発生することを期待しながら遊技を行うこととなる。当該構成において、所定事象が発生した場合にはそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段に対して実行され、所定事象の発生回数又は発生頻度を遊技機又は遊技機外部の装置にて特定可能とする所定情報が所定記憶手段にて記憶されることとなる。これにより、所定事象の発生回数又は発生頻度を管理するための情報を遊技機にて記憶保持することが可能となり、この管理されている情報を利用することで所定事象の発生態様の管理を適切に行うことが可能となる。また、所定情報が遊技機自身にて記憶保持されることにより、所定情報への不正なアクセスや不正な改変を阻止することが可能となる。
【1009】
また、特典付与手段を有する第1制御手段とは別に設けられた第2制御手段が所定記憶実行手段を有していることにより、第1制御手段の処理負荷が極端に増加してしまわないようにしながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
【1010】
特徴D2.前記第1制御手段と前記第2制御手段とは同一のチップに設けられていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
【1011】
特徴D2によれば、第1制御手段と第2制御手段とが同一のチップに設けられていることにより、これら第1制御手段と第2制御手段との間の通信経路への不正なアクセスを阻止することが可能となる。
【1012】
特徴D3.前記所定記憶実行手段は、特定事象が発生した場合にそれに対応する情報の記憶処理を前記所定記憶手段に実行することで、前記特定事象の発生回数又は発生頻度を当該遊技機又は遊技機外部の装置にて特定可能とする特定情報(第1~第8,第12の実施形態では履歴情報、第9~第11の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにし、
前記第1制御手段は、
前記所定事象が発生した場合に第1信号経路を利用して第1情報を前記第2制御手段に送信する第1送信手段(主側CPU63における第1~第7信号のいずれかを出力する機能)と、
前記特定事象が発生した場合に第2信号経路を利用して第2情報を前記第2制御手段に送信する第2送信手段(主側CPU63における第1~第7信号のいずれかを出力する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
【1013】
特徴D3によれば、所定事象に対応する所定情報だけではなく特定事象に対応する特定情報も所定記憶手段に記憶される。これにより、所定事象の発生態様の管理だけではなく特定事象の発生態様の管理も行うことが可能となる。また、所定情報及び特定情報の両方を利用することにより、所定事象と特定事象との間の発生頻度の割合なども管理することが可能となる。
【1014】
また、所定事象が発生した場合には第1信号経路を利用して第1情報が第2制御手段に送信され、特定事象が発生した場合には第2信号経路を利用して第2情報が第2制御手段に送信される。これにより、送信される情報の種類と信号経路とが対応することとなり、第2制御手段にて各情報の種類を区別するための構成を簡素化することが可能となる。
【1015】
特徴D4.前記第1制御手段は、所定状況であるか否かを前記第2制御手段にて特定可能とする特定用情報を、第3経路を利用して前記第2制御手段に送信する第3送信手段(第1,第3~第9,第12の実施形態では主側CPU63における第8~第10信号のいずれかを出力する機能、第2の実施形態では主側CPU63における開閉実行モード中信号、高頻度サポートモード中信号及び扉開放中信号のいずれかを出力する機能)を備えていることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
【1016】
特徴D4によれば、所定状況であるか否かを区別して所定事象の発生態様及び特定事象の発生態様を管理することが可能となる。また、所定状況であるか否かを特定可能とする特定用情報が第3経路を利用して第2制御手段に送信されるため、第2制御手段にて特定用情報を第1情報及び第2情報といった他の情報と区別するための構成を簡素化することが可能となる。
【1017】
特徴D5.前記第1制御手段は、前記第1情報が前記所定事象に対応しており、前記第2情報が前記特定事象に対応していることを示す識別情報を前記第2制御手段に送信する識別情報送信手段(主側CPU63における認識用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D3又はD4に記載の遊技機。
【1018】
特徴D5によれば、第1情報が所定事象に対応しており、第2情報が特定事象に対応していることを示す識別情報が第1制御手段から第2制御手段に送信されるため、これら情報の対応関係を第2制御手段において予め記憶しておく必要が生じない。これにより、第2制御手段の汎用性を高めることが可能となる。
【1019】
特徴D6.前記識別情報送信手段は、前記第1制御手段への動作電力の供給が開始された場合に前記識別情報を前記第2制御手段に送信することを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
【1020】
特徴D6によれば、第1制御手段への動作電力の供給が開始された場合に当該第1制御手段から第2制御手段に識別情報が送信されるため、所定事象及び特定事象が発生し得る状況においては、第1制御手段から送信される情報と入球手段との対応関係を第2制御手段にて特定可能となるようにすることが可能となる。
【1021】
特徴D7.前記識別情報送信手段は、前記第1信号経路及び前記第2信号経路のうち少なくとも一方を利用して前記識別情報を前記第2制御手段に送信することを特徴とする特徴D5又はD6に記載の遊技機。
【1022】
特徴D7によれば、識別情報は第1信号経路及び第2信号経路のうち少なくとも一方を利用して第2制御手段に送信されるため、識別情報を送信するための専用の信号経路を設ける構成に比べて通信に関する構成を簡素化することが可能となる。
【1023】
特徴D8.前記第2制御手段は、前記識別情報を受信した場合、前記第1情報が前記所定事象に対応しており前記第2情報が前記特定事象に対応していることを特定可能とする対応関係情報を対応関係記憶手段(対応関係用メモリ116)に記憶させる手段(管理側CPU112における対応関係設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D5乃至D7のいずれか1に記載の遊技機。
【1024】
特徴D8によれば、第1制御手段から送信される情報と事象の種類との対応関係が第2制御手段において記憶される。これにより、送信対象の情報に対応する事象の種類を第2制御手段にて特定可能とする情報を、第1制御手段から第1情報又は第2情報を送信する度に第2制御手段に提供する必要がなくなる。よって、第1情報及び第2情報の情報量を抑えることが可能となる。
【1025】
特徴D9.前記第1制御手段は、所定状況であるか否かを前記第2制御手段にて特定可能とする第3情報を、第3経路を利用して前記第2制御手段に送信する第3送信手段(第1,第3~第9,第12の実施形態では主側CPU63における第8~第10信号のいずれかを出力する機能、第2の実施形態では主側CPU63における開閉実行モード中信号、高頻度サポートモード中信号及び扉開放中信号のいずれかを出力する機能)を備え、
前記第2制御手段は、前記識別情報を受信しなくても、前記第3情報が前記所定状況であるか否かを特定可能とする情報であると認識可能であることを特徴とする特徴D5乃至D8のいずれか1に記載の遊技機。
【1026】
特徴D9によれば、所定状況であるか否かを区別して所定事象の発生態様及び特定事象の発生態様を管理することが可能となる。また、第3情報が所定状況であるか否かを特定可能とする情報であることは、第1制御手段からの識別情報を受信しなくても第2制御手段にて特定可能となっている。これにより、識別情報の情報形態が複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
【1027】
特徴D10.前記第2制御手段は、専用回路として設けられていることを特徴とする特徴D1乃至D9のいずれか1に記載の遊技機。
【1028】
特徴D10によれば、第2制御手段が専用回路として設けられた構成において既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
【1029】
なお、特徴D1~D10の構成に対して、特徴A1~A41、特徴B1~B20、特徴C1~C4、特徴D1~D10、特徴E1~E7、特徴F1~F45、特徴G1~G18、特徴H1~H8、特徴I1~I11、特徴J1~J9、特徴K1~K9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【1030】
上記特徴A群、上記特徴B群、上記特徴C群及び上記特徴D群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
【1031】
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
【1032】
ここで、上記例示等のような遊技機においては、遊技機の管理が好適に行われる必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
【1033】
<特徴E群>
特徴E1.第1制御手段(主側CPU63)と、
当該第1制御手段から送信された情報を受信する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
第1事象が発生した場合に第1信号経路を利用して第1情報を前記第2制御手段に送信する第1送信手段(主側CPU63における第1~第7信号のいずれかを出力する機能)と、
第2事象が発生した場合に第2信号経路を利用して第2情報を前記第2制御手段に送信する第2送信手段(主側CPU63における第1~第7信号のいずれかを出力する機能)と、
前記第1情報が前記第1事象に対応しており、前記第2情報が前記第2事象に対応していることを示す識別情報を前記第2制御手段に送信する識別情報送信手段(主側CPU63における認識用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【1034】
特徴E1によれば、第1事象が発生した場合には第1信号経路を利用して第1情報が第2制御手段に送信され、第2事象が発生した場合には第2信号経路を利用して第2情報が第2制御手段に送信される。これにより、送信される情報の種類と信号経路とが対応することとなり、第2制御手段にて各情報の種類を区別するための構成を簡素化することが可能となる。
【1035】
また、第1情報が第1事象に対応しており、第2情報が第2事象に対応していることを示す識別情報が第1制御手段から第2制御手段に送信されるため、これら情報の対応関係を第2制御手段において予め記憶しておく必要が生じない。これにより、第2制御手段の汎用性を高めることが可能となる。
【1036】
特徴E2.前記識別情報送信手段は、前記第1制御手段への動作電力の供給が開始された場合に前記識別情報を前記第2制御手段に送信することを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
【1037】
特徴E2によれば、第1制御手段への動作電力の供給が開始された場合に当該第1制御手段から第2制御手段に識別情報が送信されるため、所定入球手段及び特定入球手段への遊技球の入球が発生し得る状況においては、第1制御手段から送信される情報と入球手段との対応関係を第2制御手段にて特定可能となるようにすることが可能となる。
【1038】
特徴E3.前記識別情報送信手段は、前記第1信号経路及び前記第2信号経路のうち少なくとも一方を利用して前記識別情報を前記第2制御手段に送信することを特徴とする特徴E1又はE2に記載の遊技機。
【1039】
特徴E3によれば、識別情報は第1信号経路及び第2信号経路のうち少なくとも一方を利用して第2制御手段に送信されるため、識別情報を送信するための専用の信号経路を設ける構成に比べて通信に関する構成を簡素化することが可能となる。
【1040】
特徴E4.前記第2制御手段は、前記識別情報を受信した場合、前記第1情報が前記第1事象に対応しており前記第2情報が前記第2事象に対応していることを特定可能とする対応関係情報を対応関係記憶手段(対応関係用メモリ116)に記憶させる手段(管理側CPU112における対応関係設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
【1041】
特徴E4によれば、第1制御手段から送信される情報と入球手段との対応関係が第2制御手段において記憶される。これにより、送信対象の情報に対応する事象を第2制御手段にて特定可能とする情報を、第1制御手段から第1情報又は第2情報を送信する度に第2制御手段に提供する必要がなくなる。よって、第1情報及び第2情報の情報量を抑えることが可能となる。
【1042】
特徴E5.前記第1制御手段は、所定状況であるか否かを前記第2制御手段にて特定可能とする第3情報を、第3経路を利用して前記第2制御手段に送信する第3送信手段(第1,第3~第9,第12の実施形態では主側CPU63における第8~第10信号のいずれかを出力する機能、第2の実施形態では主側CPU63における開閉実行モード中信号、高頻度サポートモード中信号及び扉開放中信号のいずれかを出力する機能)を備え、
前記第2制御手段は、前記識別情報を受信しなくても、前記第3情報が前記所定状況であるか否かを特定可能とする情報であると認識可能であることを特徴とする特徴E1乃至E4のいずれか1に記載の遊技機。
【1043】
特徴E5によれば、所定状況であるか否かを区別して第1事象の発生態様及び第2事象の発生態様を管理することが可能となる。また、第3情報が所定状況であるか否かを特定可能とする情報であることは、第1制御手段からの識別情報を受信しなくても第2制御手段にて特定可能となっている。これにより、識別情報の情報形態が複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
【1044】
特徴E6.前記第1制御手段から前記第2制御手段に情報を送信することが可能な信号経路として、前記第1制御手段から前記第2制御手段に送信する必要がある情報の種類数よりも多い数の信号経路が設けられていることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
【1045】
特徴E6によれば、第1制御手段から第2制御手段に送信する必要がある情報の種類数よりも多い数の信号経路が設けられていることにより、遊技機の機種に応じて当該情報の種類数が増減する場合であっても信号経路に関する構成を変更することなく対応することが可能となる。よって、第2制御手段の汎用性を高めることが可能となる。
【1046】
特徴E7.前記第2制御手段は、専用回路として設けられていることを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれか1に記載の遊技機。
【1047】
特徴E7によれば、第2制御手段が専用回路として設けられた構成において既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
【1048】
なお、特徴E1~E7の構成に対して、特徴A1~A41、特徴B1~B20、特徴C1~C4、特徴D1~D10、特徴E1~E7、特徴F1~F45、特徴G1~G18、特徴H1~H8、特徴I1~I11、特徴J1~J9、特徴K1~K9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【1049】
上記特徴E群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
【1050】
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
【1051】
ここで、上記例示等のような遊技機においては、通信に関する構成を好適なものとする必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
【1052】
<特徴F群>
特徴F1.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PA)に設けられ、遊技球の入球が可能又は遊技球が入球し易い第1状態と遊技球の入球が不可又は遊技球が入球しづらい第2状態とのそれぞれに切換可能に設けられた可変入球手段(第1~第14,第18の実施形態では特電入賞装置32、第15の実施形態では第1特電入賞装置261及び第2特電入賞装置262)と、
当該可変入球手段を前記第1状態とした後に前記第2状態とするための特別制御を実行する特別制御手段(主側CPU63における特電用の開放設定処理及び特電用の閉鎖設定処理を実行する機能)と、
前記特別制御が実行される特別制御状態(開閉実行モード)に遊技状態を移行させる移行手段(主側CPU63における特図確定中処理を実行する機能)と、
前記特別制御状態ではない所定の遊技状態においては遊技球の入球が制限され、前記特別制御状態において遊技球の入球が可能となる特別入球手段(第1~第13,第18の実施形態ではスルーゲート35、第14の実施形態では第1特別入球口251及び第2特別入球口252、第15の実施形態では第1スルーゲート263及び第2スルーゲート264)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【1053】
特徴F1によれば、遊技状態が特別制御状態に移行することで可変入球手段への遊技球の入球が可能となる又は入球し易くなるだけではなく、特別入球手段への遊技球の入球が可能となる。これにより、遊技状態が特別制御状態に移行することの利益を高めることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1054】
特徴F2.前記特別制御状態において所定条件が成立した場合に前記特別入球手段への遊技球の入球が可能となる構成であることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
【1055】
特徴F2によれば、遊技状態が特別制御状態に移行したとしても所定条件が成立しないと特別入球手段への遊技球の入球が発生しない。これにより、遊技者は特別制御状態において可変入球手段に遊技球が入球することとは別に所定条件が成立することを期待することとなり、特別制御状態における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1056】
特徴F3.前記特別入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記特別制御状態を発生させるために必要な少なくとも一の条件が成立することを特徴とする特徴F1又はF2に記載の遊技機。
【1057】
特徴F3によれば、特別制御状態が発生することで特別入球手段への遊技球の入球が可能となり、特別入球手段に遊技球が入球することで特別制御状態が再度発生し得る。これにより、特別制御状態が連続して発生する状況を作り出すことが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1058】
特徴F4.前記移行手段は、前記特別入球手段への遊技球の入球と無関係に前記特別制御状態を発生させる手段(主側CPU63における第1保留情報に対してステップS1405の当否判定処理を実行した結果として開閉実行モードに移行させる機能)を備えていることを特徴とする特徴F3に記載の遊技機。
【1059】
特徴F4によれば、特別入球手段への遊技球の入球が発生しなくても特別制御状態が発生し得る。そして、上記特徴F3の構成を備え、特別制御状態が発生することで特別入球手段への遊技球の入球が可能となり当該特別入球手段に遊技球が入球することで特別制御状態が再度発生し得る。この場合、特別制御状態ではない状況においては特別制御状態が開始されることを遊技者は期待することとなり、特別制御状態においては特別制御状態が連続して実行されることを期待することとなる。
【1060】
特徴F5.少なくとも前記所定の遊技状態において遊技球の入球が可能となる所定入球手段(第1作動口33)を備え、
前記特別入球手段への遊技球の入球が発生していなかたっとしても前記所定入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記特別制御状態を発生させるために必要な少なくとも一の条件が成立することを特徴とする特徴F3又はF4に記載の遊技機。
【1061】
特徴F5によれば、特別制御状態ではない所定の遊技状態においては所定入球手段に遊技球が入球することに基づき特別制御状態が発生し得る。そして、上記特徴F3の構成を備え、特別制御状態が発生することで特別入球手段への遊技球の入球が可能となり当該特別入球手段に遊技球が入球することで特別制御状態が再度発生し得る。この場合、特別制御状態ではない所定の遊技状態においては所定入球手段に遊技球が入球することを遊技者は期待することとなり、特別制御状態においては可変入球手段だけではなく特別入球手段に遊技球が入球することを遊技者は期待することとなる。
【1062】
特徴F6.前記所定入球手段に遊技球が入球したことに基づき前記特別制御状態が発生する確率よりも、前記特別入球手段に遊技球が入球したことに基づき前記特別制御状態が発生する確率の方が高いことを特徴とする特徴F5に記載の遊技機。
【1063】
特徴F6によれば、特別制御状態ではない所定の遊技状態において所定入球手段に遊技球が入球して特別制御状態が発生する確率よりも、特別制御状態において特別入球手段に遊技球が入球して特別制御状態が連続して発生する確率の方が高い。これにより、特別制御状態において特別入球手段に遊技球が入球することに対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。
【1064】
特徴F7.前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に特別契機情報を取得する手段(第1~第15の実施形態では主側CPU63におけるステップS1101の処理を実行する機能、第18の実施形態では主側CPU63におけるステップS4404の処理を実行する機能)を備え、
前記特別契機情報が取得されている場合に、前記特別制御状態を発生させるために必要な少なくとも一の条件が成立する構成であり、
前記特別契機情報が取得されたことに対してその後に前記特別制御状態が発生する期待値は遊技状態に応じて変動しないことを特徴とする特徴F3乃至F6のいずれか1に記載の遊技機。
【1065】
特徴F7によれば、特別契機情報が取得されたことに対してその後に特別制御状態が発生する期待値が遊技状態に応じて変動しないことにより、遊技状態に応じてその期待値を変動させる構成に比べて処理構成の簡素化を図ることができるとともに、当該期待値の管理を行い易くなる。但し、このように上記期待値が遊技状態に応じて変動しない構成においては遊技に抑揚を与えることが難しくなってしまう。これに対して、上記特徴F1の構成を備え、特別制御状態において特別入球手段への遊技球の入球が可能となる構成であるため、特別契機情報が取得される機会に抑揚を与えることが可能となり、結果的に遊技に抑揚を与えることが可能となる。
【1066】
特徴F8.前記特別入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技球の入球が可能となる契機入球手段(第2作動口34)を備え、
当該契機入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記特別制御状態への移行契機が発生することを特徴とする特徴F1乃至F7のいずれか1に記載の遊技機。
【1067】
特徴F8によれば、特別入球手段に遊技球が入球することで契機入球手段への遊技球の入球が可能となり、契機入球手段に遊技球が入球することで特別制御状態への移行契機が発生する。これにより、特別制御状態を連続して発生させるためには、特別制御状態において特別入球手段に遊技球を入球させて、さらに契機入球手段に遊技球を入球させる必要が生じることとなる。よって、特別制御状態の連続発生への不確実性が高まり、結果的に遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1068】
特徴F9.所定の態様で発射操作を行っている場合に遊技球が流下する領域に、前記可変入球手段、前記特別入球手段及び前記契機入球手段が設けられていることを特徴とする特徴F8に記載の遊技機。
【1069】
特徴F9によれば、所定の態様による発射操作を継続することにより、可変入球手段への遊技球の入球、特別入球手段への遊技球の入球、及び契機入球手段への遊技球の入球を狙うことが可能となる。
【1070】
特徴F10.前記特別入球手段に遊技球が入球したことを少なくとも一の条件として、前記契機入球手段を遊技球の入球が可能となる入球可能状態となるように制御する手段(主側CPU63におけるステップS1108~ステップS1110の処理を実行する機能)を備え、
前記特別入球手段への遊技球の入球に対して、前記契機入球手段が前記入球可能状態となる頻度は遊技状態に関係なく一定であることを特徴とする特徴F8又はF9に記載の遊技機。
【1071】
特徴F10によれば、特別入球手段への遊技球の入球に対して契機入球手段が入球可能状態となる頻度が遊技状態に関係なく一定であることにより、特別入球手段に遊技球が入球したことに対してその後に特別制御状態が発生する期待値が遊技状態に応じて変動しない。これにより、遊技状態に応じてその期待値を変動させる構成に比べて処理構成の簡素化を図ることができるとともに、当該期待値の管理を行い易くなる。但し、このように上記期待値が遊技状態に応じて変動しない構成においては遊技に抑揚を与えることが難しくなってしまう。これに対して、上記特徴F1の構成を備え、特別制御状態において特別入球手段への遊技球の入球が可能となる構成であるため、特別入球手段に遊技球が入球する機会に抑揚を与えることが可能となり、結果的に遊技に抑揚を与えることが可能となる。
【1072】
特徴F11.前記特別制御状態として、第1特別制御状態(例えば2R高確結果)と第2特別制御状態(例えば16R高確結果)とが含まれており、
前記第1特別制御状態と前記第2特別制御状態とで前記特別入球手段への遊技球の入球し易さが相違することを特徴とする特徴F1乃至F10のいずれか1に記載の遊技機。
【1073】
特徴F11によれば、第1特別制御状態と第2特別制御状態とで特別入球手段への遊技球の入球し易さが相違することにより、特別入球手段への遊技球の入球を期待する遊技者は特別入球手段への遊技球の入球が発生し易い特別制御状態の発生を期待することとなる。これにより、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1074】
特徴F12.前記可変入球手段が前記第1状態及び前記第2状態のうち一方から他方に切り換わる場合に前記特別入球手段への遊技球の入球が可能となる構成であり、
前記第1特別制御状態と前記第2特別制御状態とで前記特別制御が実行される回数が相違することを特徴とする特徴F11に記載の遊技機。
【1075】
特徴F12によれば、可変入球手段が第1状態及び第2状態のうち一方から他方に切り換わる場合に特別入球手段への遊技球の入球が可能となる構成であることにより、この状態の切り換えタイミングに対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。よって、特別制御状態において遊技者が注目すべき対象を多様化させることが可能となり、特別制御状態中における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1076】
この場合に、第1特別制御状態と第2特別制御状態とで可変入球手段における上記状態の切り換えの回数が相違している。これにより、第1特別制御状態と第2特別制御状態とで特別入球手段への遊技球の入球し易さが相違することとなり、特別入球手段への遊技球の入球を期待する遊技者は特別入球手段への遊技球の入球が発生し易い特別制御状態の発生を期待することとなる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1077】
特徴F13.前記可変入球手段が前記第1状態及び前記第2状態のうち一方から他方に切り換わる場合に前記特別入球手段への遊技球の入球が可能となる構成であり、
当該遊技機は、
前記特別制御状態において、前記特別制御が実行されるラウンド遊技を所定回数実行する手段(主側CPU63における特電開始処理、特電開放中処理及び特電閉鎖中処理を実行する機能)と、
一のラウンド遊技において前記可変入球手段に入球した遊技球の個数が所定個数となった場合、当該ラウンド遊技を終了させる手段(主側CPU63におけるステップS3703にて肯定判定をする機能)と、
所定のラウンド遊技において前記特別制御が複数回実行されるようにする複数回実行手段(主側CPU63におけるラウンドカウンタ=1の場合にステップS3707の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F12のいずれか1に記載の遊技機。
【1078】
特徴F13にいおれば、可変入球手段が第1状態及び第2状態のうち一方から他方に切り換わる場合に特別入球手段への遊技球の入球が可能となる構成であることにより、この状態の切り換えタイミングに対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。よって、特別制御状態において遊技者が注目すべき対象を多様化させることが可能となり、特別制御状態中における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1079】
この場合に、所定のラウンド遊技では可変入球手段における上記状態の切り換えが複数回発生する。これにより、ラウンド遊技として、特別入球手段への遊技球の入球が発生し易くなる所定のラウンド遊技を発生させることが可能となる。よって、遊技者は所定のラウンド遊技の発生を期待することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1080】
特徴F14.前記特別制御の実行態様として前記可変入球手段への遊技球の入球の期待度が相対的に高低となる高期待度態様と低期待度態様とが少なくとも設定されており、
前記複数回実行手段は、前記所定のラウンド遊技において前記低期待度態様となる前記特別制御が実行された後に前記高期待度態様となる前記特別制御が実行されるようにすることを特徴とする特徴F13に記載の遊技機。
【1081】
特徴F14によれば、所定のラウンド遊技においては低期待度態様となる特別制御が実行された後に高期待度態様となる特別制御が実行されるため、所定のラウンド遊技において可変入球手段における状態の切り換えが複数回発生することを担保しながら、当該所定のラウンド遊技において可変入球手段に複数の遊技球が入球し得るようにすることが可能となる。
【1082】
特徴F15.前記高期待度態様は、前記可変入球手段が前記第1状態となる上限期間が遊技球の発射周期と前記所定個数との積以上の期間となる態様であることを特徴とする特徴F14に記載の遊技機。
【1083】
特徴F15によれば、所定のラウンド遊技において可変入球手段における状態の切り換えが複数回発生することを担保しながら、当該所定のラウンド遊技において可変入球手段に所定個数の遊技球が入球し得るようにすることが可能となる。
【1084】
特徴F16.前記可変入球手段が前記第1状態及び前記第2状態のうち一方から他方に切り換わる場合に前記特別入球手段への遊技球の入球が可能となる構成であることを特徴とする特徴F1乃至F15のいずれか1に記載の遊技機。
【1085】
特徴F16によれば、可変入球手段が第1状態及び第2状態のうち一方から他方に切り換わる場合に特別入球手段への遊技球の入球が可能となる構成であることにより、この状態の切り換えタイミングに対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。よって、特別制御状態において遊技者が注目すべき対象を多様化させることが可能となり、特別制御状態中における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1086】
特徴F17.前記特別入球手段は前記可変入球手段に対して前記遊技領域における遊技球の流下方向の下流側であって、前記可変入球手段が前記第1状態及び前記第2状態のうち一方から他方に切り換わるタイミングで遊技球の流入が可能となる位置に設けられていることを特徴とする特徴F1乃至F16のいずれか1に記載の遊技機、。
【1087】
特徴F17によれば、可変入球手段が第1状態から第2状態のうち一方から他方に切り換わるタイミングで遊技球の流入が可能となる位置に特別入球手段が設けられていることにより、可変入球手段が第1状態及び第2状態のうち一方から他方に切り換わる場合に特別入球手段への遊技球の入球が可能となる。これにより、この状態の切り換えタイミングに対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。よって、特別制御状態において遊技者が注目すべき対象を多様化させることが可能となり、特別制御状態中における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。また、可変入球手段に対する特別入球手段の位置関係を上記のような関係とするだけで、上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
【1088】
特徴F18.前記可変入球手段は、当該可変入球手段が前記第1状態及び前記第2状態のうち一方の状態において第1対応状態となり当該可変入球手段よりも上流側から流下してきた遊技球が載った状態となることで当該遊技球が所定方向に流下することを阻止し、前記可変入球手段が前記第1状態及び前記第2状態のうち他方の状態において第2対応状態となることで当該遊技球が前記所定方向に流下することを可能とする変位部(誘導板部214)を有し、
前記特別入球手段は、前記変位部に遊技球が載っている状態において当該変位部が前記第1対応状態から前記第2対応状態に切り換わった場合に当該遊技球が前記所定方向に流下することで当該遊技球の流入が可能となる位置に設けられていることを特徴とする特徴F1乃至F17のいずれか1に記載の遊技機。
【1089】
特徴F18によれば、変位部が第1対応状態から第2対応状態に切り換わる場合に当該変位部に載っていた遊技球が特別入球手段に入球可能となる。これにより、特別制御状態において遊技者は可変入球手段への遊技球の入球が発生するか否かにだけではなく、変位部に遊技球が載っている状態で当該変位部が第1対応状態から第2対応状態に切り換わるか否かに注目することとなり、特別制御状態中における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1090】
特徴F19.前記一方の状態は前記可変入球手段の前記第1状態であり、前記他方の状態は前記可変入球手段の前記第2状態であることを特徴とする特徴F18に記載の遊技機。
【1091】
特徴F19によれば、可変入球手段が第1状態から第2状態に切り換わるタイミングで特別入球手段への遊技球の入球契機が発生することとなる。これにより、可変入球手段が第1状態である場合だけではなく第2状態に切り換わったタイミングにおいても遊技者の注目度を高めることが可能となる。
【1092】
特徴F20.前記変位部は、前記第1対応状態において当該変位部に載った遊技球が当該変位部に沿って特定方向に流下するように形成されており、
前記特別入球手段は、前記変位部の一部の範囲である所定範囲に遊技球が載っている状態において当該変位部が前記第1対応状態から前記第2対応状態に切り換わった場合に当該遊技球が前記所定方向に流下することで当該遊技球の流入が可能となる位置に設けられていることを特徴とする特徴F18又はF19に記載の遊技機。
【1093】
特徴F20によれば、特別入球手段への遊技球の入球が発生するためには、第1対応状態となっている変位部に遊技球が載っているだけではなく、その載っている遊技球が所定範囲に存在している絶妙のタイミングで、変位部が第1対応状態から第2対応状態に切り換わる必要がある。これにより、変位部に載っている遊技球の位置と変位部の状態の切り換えタイミングとの関係に遊技者は注目することとなり、特別制御状態中における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1094】
特徴F21.前記変位部よりも遊技球の流下方向の上流側には、前記遊技領域を流下する遊技球を前記変位部の特定範囲に向けて誘導する手段(誘導釘群241)を備え、
前記所定範囲は前記特定範囲に対して前記特定方向の側に存在していることを特徴とする特徴F20に記載の遊技機。
【1095】
特徴F21によれば、変位部において特別入球手段への入球を可能とする範囲である所定範囲が、変位部において最初に遊技球が到達することとなる特定範囲よりも、変位部上における遊技球の流下方向の先側に存在している。これにより、特別入球手段への遊技球の入球が発生するためには、変位部上を遊技球が流下している途中の絶妙なタイミングで、変位部が第1対応状態から第2対応状態に切り換わる必要がある。よって、変位部上における遊技球の動きに遊技者は注目することとなり、特別制御状態中における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1096】
特徴F22.前記一方の状態は前記可変入球手段の前記第1状態であり、前記他方の状態は前記可変入球手段の前記第2状態であり、
前記可変入球手段の入球部(入口部45b)は前記所定範囲に対して前記特定方向の側に存在していることを特徴とする特徴F21に記載の遊技機。
【1097】
特徴F22によれば、可変入球手段が第1状態から第2状態に切り換わるタイミングで特別入球手段への遊技球の入球契機が発生することとなる。これにより、可変入球手段が第1状態である場合だけではなく第2状態に切り換わったタイミングにおいても遊技者の注目度を高めることが可能となる。
【1098】
この場合に、可変入球手段の入球部は、変位部において特別入球手段への入球を可能とする範囲である所定範囲よりも、変位部上における遊技球の流下方向の先側に存在している。これにより、変位部上に載っているものの可変入球手段の入球部に到達しなかった遊技球が特別入球手段に入球することとなる。よって、変位部上に載った遊技球が可変入球手段に入球しなかったことに対する遊技者の不利益感を、逆に、特別入球手段への入球が発生することに対する利益感に変えることが可能となる。
【1099】
特徴F23.前記所定範囲は、前記特定範囲に所定の発射周期で遊技球が供給された場合において一の遊技球が前記入球部に到達したタイミングにおいてその次の発射順序の遊技球が存在している範囲に設定されていることを特徴とする特徴F22に記載の遊技機。
【1100】
特徴F23によれば、可変入球手段の入球部に遊技球が入球して変位部が第2対応状態に切り換わるタイミングにおいて当該変位部の所定範囲に遊技球が存在している可能性が高くなる。よって、変位部が第1対応状態から第2対応状態に変化した場合に特別入球手段への遊技球の入球が発生する可能性を高くすることが可能となる。
【1101】
特徴F24.前記特別入球手段として第1特別入球手段(第1特別入球口251)と第2特別入球手段(第2特別入球口252)とが設けられており、
当該遊技機は、前記第1特別入球手段に遊技球が入球した場合に第1利益を付与する手段(主側CPU63におけるステップS3902の処理を実行する機能)と、
前記第2特別入球手段に遊技球が入球した場合に第2利益を付与する手段(主側CPU63におけるステップS3904の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別制御状態において第1条件が成立した場合に前記第1特別入球手段への遊技球の入球が可能となり、
前記特別制御状態において第2条件が成立した場合に前記第2特別入球手段への遊技球の入球が可能となることを特徴とする特徴F1乃至F23のいずれか1に記載の遊技機。
【1102】
特徴F24によれば、特別制御状態において成立する条件が第1条件及び第2条件のいずれであるかによって入球対象となる特別入球手段が第1特別入球手段と第2特別入球手段とで相違することとなる。そして、第1特別入球手段に遊技球が入球した場合と第2特別入球手段に遊技球が入球した場合とで付与される利益が相違する。これにより、遊技者は、特別制御状態において第1条件及び第2条件のいずれかが成立することを期待するだけではなく、より利益の高い特別入球手段への遊技球の入球を可能とする条件が成立することを期待することとなる。よって、特別制御状態中における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1103】
特徴F25.前記可変入球手段は、当該可変入球手段が前記第1状態及び前記第2状態のうち一方の状態において第1対応状態となり当該可変入球手段よりも上流側から流下してきた遊技球が載った状態となることで当該遊技球が所定方向に流下することを阻止し、前記可変入球手段が前記第1状態及び前記第2状態のうち他方の状態において第2対応状態となることで当該遊技球が前記所定方向に流下することを可能とする変位部(誘導板部214)を有し、
前記変位部は、前記第1対応状態において当該変位部に載った遊技球が当該変位部に沿って特定方向に流下するように形成されており、
前記第1特別入球手段は、前記変位部の一部の範囲である第1所定範囲(第1範囲X1)に遊技球が載っている状態において当該変位部が前記第1対応状態から前記第2対応状態に切り換わった場合に当該遊技球が前記所定方向に流下することで当該遊技球の流入が可能となる位置に設けられており、
前記第2特別入球手段は、前記変位部の一部の範囲である第2所定範囲(第2範囲X2)に遊技球が載っている状態において当該変位部が前記第1対応状態から前記第2対応状態に切り換わった場合に当該遊技球が前記所定方向に流下することで当該遊技球の流入が可能となる位置に設けられていることを特徴とする特徴F24に記載の遊技機。
【1104】
特徴F25によれば、第1対応状態となっている変位部に遊技球が載っている場合、より利益の高い特別入球手段への入球を可能とする範囲に存在している状況で変位部が第1対応状態から第2対応状態に切り換わることを期待して、変位部に載っている遊技球の位置に注目することとなる。
【1105】
特徴F26.前記一方の状態は前記可変入球手段の前記第1状態であり、前記他方の状態は前記可変入球手段の前記第2状態であり、
前記第1特別入球手段に遊技球が入球した方が前記第2特別入球手段に遊技球が入球するよりも遊技者にとって有利であり、
前記変位部よりも遊技球の流下方向の上流側には、前記遊技領域を流下する遊技球を前記変位部の特定範囲に向けて誘導する手段(誘導釘群241)を備え、
前記第2所定範囲は前記特定範囲に対して前記特定方向の側に存在しており、
前記第1所定範囲は前記第2所定範囲に対して前記特定方向の側に存在しており、
前記可変入球手段の入球部は前記第1所定範囲に対して前記特定方向の側に存在していることを特徴とする特徴F25に記載の遊技機。
【1106】
特徴F26によれば、可変入球手段が第1状態から第2状態に切り換わるタイミングで特別入球手段への遊技球の入球契機が発生することとなる。これにより、可変入球手段が第1状態である場合だけではなく第2状態に切り換わったタイミングにおいても遊技者の注目度を高めることが可能となる。
【1107】
この場合に、変位部において第1特別入球手段への入球を可能とする範囲である第1所定範囲は変位部において第2特別入球手段への入球を可能とする範囲である第2所定範囲よりも変位部上における遊技球の流下方向の先側に存在しているとともに、可変入球手段の入球部は第1所定範囲よりも変位部上における遊技球の流下方向の先側に存在している。そして、第1特別入球手段に遊技球が入球した方が第2特別入球手段に遊技球が入球するよりも遊技者にとって有利である。そうすると、変位部上において可変入球手段の入球部に近い位置に存在している遊技球の方が遊技者にとって有利な第1特別入球手段に入球し易くなるため、可変入球手段の入球部に惜しくも遊技球が入球しなかったという不利益感が強くなる状況ほど遊技者にとっての利益が高くなるようにすることが可能となる。
【1108】
特徴F27.前記可変入球手段が前記第1状態となっている場合に前記特別入球手段への遊技球の入球が可能となる構成であることを特徴とする特徴F1乃至F26のいずれか1に記載の遊技機。
【1109】
特徴F27によれば、可変入球手段が第1状態となっている場合に特別入球手段への遊技球の入球が可能となるため、可変入球手段が第1状態となっている場合には遊技者は可変入球手段への遊技球の入球と特別入球手段への遊技球の入球との両方を期待することとなる。よって、可変入球手段が第1状態となっている状況における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1110】
特徴F28.前記可変入球手段は、
遊技球が入球可能な入球部(第1大入賞口265、第2大入賞口266)と、
上流側から流下してくる遊技球が載ることが可能であってその載っている遊技球を前記入球部に誘導することが可能な誘導状態、及び上流側から流下してくる遊技球を前記入球部に誘導しない非誘導状態のそれぞれに切り換え可能に設けられた誘導手段(第1誘導板271、第2誘導板281)と、
を備え、
前記誘導手段が前記誘導状態となることで前記可変入球手段が前記第1状態となり、前記誘導手段が前記非誘導状態となることで前記可変入球手段が前記第2状態となり、
前記誘導手段が前記誘導状態となっている場合に当該誘導手段に載った遊技球であって前記入球部とは異なる別領域に流下した遊技球が入球可能となる位置に前記特別入球手段が設けられていることを特徴とする特徴F1乃至F27のいずれか1に記載の遊技機。
【1111】
特徴F28によれば、誘導手段が誘導状態となることで可変入球手段が第1状態となっている場合には、誘導手段に載った遊技球が可変入球手段及び特別入球手段のいずれかに誘導される。これにより、誘導手段に載った遊技球に対する遊技者の注目度を高めることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1112】
特徴F29.前記誘導手段よりも遊技球の流下方向の上流側には、前記遊技領域を流下する遊技球を前記誘導手段の誘導開始範囲に向けて誘導する手段(第1誘導釘群267、第2誘導釘群268)を備え、
前記誘導手段は、前記誘導状態において当該誘導手段に載った遊技球が当該誘導手段に沿って所定誘導方向に流下するように形成されており、
前記入球部及び前記別領域は前記誘導開始範囲に対して前記所定誘導方向の側に存在していることを特徴とする特徴F28に記載の遊技機。
【1113】
特徴F29によれば、入球部及び別領域の両方が、誘導手段において最初に遊技球が到達することとなる誘導開始範囲よりも、誘導手段における遊技球の流下方向の先側に存在している。これにより、誘導手段において遊技球が流下していく様子に遊技者を注目させることが可能となる。
【1114】
特徴F30.前記別領域は前記入球部よりも前記所定誘導方向の側に存在していることを特徴とする特徴F29に記載の遊技機。
【1115】
特徴F30によれば、誘導状態となっている誘導手段に載ったものの入球部に入球することなく通過してしまった遊技球が特別入球手段に入球することとなる。これにより、誘導手段に載った遊技球が可変入球手段に入球しなかったことに対する遊技者の不利益感を、逆に、特別入球手段への入球が発生することに対する利益感に変えることが可能となる。
【1116】
特徴F31.前記可変入球手段として第1可変入球手段(第1特電入賞装置261)と第2可変入球手段(第2特電入賞装置262)とが設けられており、
前記特別入球手段として第1特別入球手段(第1スルーゲート263)と第2特別入球手段(第2スルーゲート264)とが設けられており、
前記第1可変入球手段の前記誘導手段である第1誘導手段(第1誘導板271)が前記誘導状態となっている場合に当該第1誘導手段に載った遊技球であって前記第1可変入球手段の前記入球部である第1入球部とは異なる第1別領域に流下した遊技球が入球可能となる位置に前記第1特別入球手段が設けられており、
前記第2可変入球手段の前記誘導手段である第2誘導手段(第2誘導板281)が前記誘導状態となっている場合に当該第2誘導手段に載った遊技球であって前記第2可変入球手段の前記入球部である第2入球部とは異なる第2別領域に流下した遊技球が入球可能となる位置に前記第2特別入球手段が設けられていることを特徴とする特徴F28乃至F30のいずれか1に記載の遊技機。
【1117】
特徴F31によれば、第1可変入球手段及び第1特別入球手段の組合せと、第2可変入球手段及び第2特別入球手段の組合せとが存在している。これにより、特別制御状態において特別制御の実行対象となる組合せの種類を相違させることで、可変入球手段及び特別入球手段のそれぞれへの遊技球の入球割合を相違させることが可能となる。
【1118】
特徴F32.前記誘導状態となっている前記第1誘導手段に載った遊技球が前記第1特別入球手段に入球する確率と、前記誘導状態となっている前記第2誘導手段に載った遊技球が前記第2特別入球手段に入球する確率とが相違していることを特徴とする特徴F31に記載の遊技機。
【1119】
特徴F32によれば、特別制御状態において特別制御の実行対象となる組合せの種類を相違させることで、特別入球手段への遊技球の入球確率を相違させることが可能となる。これにより、特別制御の実行対象に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
【1120】
特徴F33.前記特別制御状態として、第1特別制御状態(例えば2R低確結果)と第2特別制御状態(例えば2R高確結果)とが含まれており、
前記第1特別制御状態と前記第2特別制御状態とで、前記特別制御の実行対象となる前記可変入球手段の種類、又は前記特別制御の実行対象となる前記可変入球手段の選択態様が相違していることを特徴とする特徴F32に記載の遊技機。
【1121】
特徴F33によれば、特別制御状態の種類に応じて、特別入球手段への遊技球の入球確率を相違させることが可能となる。この場合、特別制御状態の種類に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
【1122】
特徴F34.前記第2特別入球手段は前記第1特別入球手段に対して遊技球の流下方向の下流側に設けられていることを特徴とする特徴F31乃至F33のいずれか1に記載の遊技機。
【1123】
特徴F34によれば、第2特別入球手段は第1特別入球手段に対して遊技球の流下方向の下流側に設けられているため、第1可変入球手段が特別制御の実行対象となった場合には第1特別入球手段に遊技球が入球し得るだけではなく、第2特別入球手段に遊技球が入球し得ることとなる。よって、遊技者は第1可変入球手段が特別制御の実行対象となることを期待することとなる。
【1124】
特徴F35.前記第1特別入球手段に遊技球が入球した場合、及び前記第2特別入球手段に遊技球が入球した場合のいずれであっても同一の特典が付与されることを特徴とする特徴F31乃至F34のいずれか1に記載の遊技機。
【1125】
特徴F35によれば、第1特別入球手段に遊技球が入球した場合及び第2特別入球手段に遊技球が入球した場合のいずれであっても同一の特典が付与されるため、特別制御の実行対象が第1可変入球手段及び第2可変入球手段のうちいずれとなったとしても遊技者が感じる不利益感を抑えることが可能となる。
【1126】
特徴F36.前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技者が使用可能な遊技球数を増加させ、前記特別入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技者が使用可能な遊技球数を増加させる手段(主側CPU63におけるステップS3902及びステップS3904の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F35のいずれか1に記載の遊技機。
【1127】
特徴F36によれば、可変入球手段に遊技球が入球した場合には遊技者が使用可能な遊技球数が増加するとともに、特別入球手段に遊技球が入球した場合にも遊技者が使用可能な遊技球数が増加する。そして、上記特徴F1の構成を備えていることにより、遊技状態が特別制御状態に移行することで可変入球手段への遊技球の入球が可能となる又は入球し易くなるだけではなく、特別入球手段への遊技球の入球が可能となる。よって、遊技者が使用可能な遊技球数の特別制御状態における増加量を多くすることが可能となり、特別制御状態における有利度を高めることが可能となる。
【1128】
特徴F37.少なくとも前記所定の遊技状態において遊技球の入球が可能となる取得対応入球手段(突発用ゲート311)と、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に特別契機情報を取得し、前記取得対応入球手段に遊技球が入球した場合に前記特別契機情報を取得する情報取得手段(主側CPU63における図92に示す普図側の保留情報の取得処理を実行する機能)と、
前記特別契機情報が取得されていることに基づいて遊技球の入球が可能な入球可能状態となる契機入球手段(第2作動口34)と、
を備え、
前記契機入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記特別制御状態への移行契機が発生することを特徴とする特徴F1乃至F36のいずれか1に記載の遊技機。
【1129】
特徴F37によれば、特別制御状態ではない所定の遊技状態であっても取得対応入球手段に遊技球が入球することで特別契機情報が取得され、特別契機情報が取得されたことで入球可能状態となった契機入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特別制御状態への移行契機が発生する。これにより、特別制御状態だけではなく所定の遊技状態においても、特別契機情報が取得されたことを契機として契機入球手段が入球可能状態となり、当該契機入球手段への遊技球の入球に基づき特別制御状態が発生する状況を生じさせることが可能となる。
【1130】
特徴F38.前記取得対応入球手段への遊技球の入球確率が、前記特別制御状態において前記特別入球手段に遊技球が入球する確率よりも低くなるようにする規制手段(制限釘312)を備えていることを特徴とする特徴F37に記載の遊技機。
【1131】
特徴F38によれば、所定の遊技状態において取得対応入球手段への遊技球の入球に基づき特別制御状態への移行が発生する確率を低く抑えることが可能となる。これにより、所定の遊技状態において取得対応入球手段への遊技球の入球に基づき特別制御状態への移行が発生したことに対する遊技者の満足感を高めることが可能となる。
【1132】
特徴F39.少なくとも前記所定の遊技状態において遊技球の入球が可能となる所定入球手段(第1作動口33)を備え、
当該所定入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記特別契機情報が取得されることなく前記特別制御状態への移行契機が発生し、
前記規制手段は、前記取得対応入球手段への遊技球の入球確率が、前記所定入球手段に遊技球が入球する確率よりも低くなるようにすることを特徴とする特徴F38に記載の遊技機。
【1133】
特徴F39によれば、所定の遊技状態において遊技球の入球が可能であって遊技球の入球の発生が特別制御状態への移行契機となる所定入球手段よりも取得対応入球手段の方が、遊技球の入球確率が低い。これにより、所定の遊技状態において取得対応入球手段への遊技球の入球に基づき特別制御状態への移行が発生したことに対する遊技者の満足感を高めることが可能となる。
【1134】
特徴F40.前記取得対応入球手段に遊技球が入球することで前記特別契機情報が取得されたことに基づいて前記契機入球手段が前記入球可能状態となる状況において、取得対応報知が実行されるようにする報知実行手段(主側CPU63におけるステップS4413の処理を実行する機能、表示制御装置82)を備えていることを特徴とする特徴F37乃至F39のいずれか1に記載の遊技機。
【1135】
特徴F40によれば、取得対応入球手段への遊技球の入球が発生して特別契機情報が取得されることで契機入球手段が入球可能状態となることを、取得対応報知の実行を通じて遊技者に報知することが可能となる。これにより、せっかく取得対応入球手段への遊技球の入球が発生して契機入球手段が入球可能状態となったにも関わらず、それに気づかずに契機入球手段への遊技球の入球機会を消失させてしまうという事象を発生しづらくさせることが可能となる。
【1136】
特徴F41.前記報知実行手段は、前記特別制御状態ではない状況において前記取得対応入球手段に遊技球が入球することで前記特別契機情報が取得されたことを条件として、前記取得対応報知が実行されるようにすることを特徴とする特徴F40に記載の遊技機。
【1137】
特別制御状態においては特別入球手段への遊技球の入球が可能となるため契機入球手段が入球可能状態となることに遊技者の意識が向いている可能性が高いが、特別制御状態ではない所定の遊技状態においては特別入球手段への遊技球の入球が発生しないため契機入球手段が入球可能状態となることに対する遊技者の意識が低い可能性がある。この場合に、特徴F41によれば、特別制御状態ではない状況において取得対応入球手段に遊技球が入球することで特別契機情報が取得された場合に取得対応報知が実行されるため、契機入球手段が入球可能状態となることに対して遊技者の意識を向けさせることが可能となる。また、契機入球手段が入球可能状態となることに遊技者の意識が向いている可能性が高い特別制御状態においては取得対応報知が実行されないようにすることにより、取得対応報知の実行が遊技者にとって煩わしいものとなってしまわないようにすることが可能となる。
【1138】
特徴F42.前記報知実行手段は、前記特別契機情報が取得されていない状況において前記取得対応入球手段に遊技球が入球することで前記特別契機情報が取得されたことを条件として、前記取得対応報知が実行されるようにすることを特徴とする特徴F40又はF41に記載の遊技機。
【1139】
特徴F42によれば、契機入球手段が入球可能状態となることに対する遊技者の意識が低い状況において取得対応報知が実行されるようにすることが可能となる。
【1140】
特徴F43.所定の態様で発射操作を行っている場合に遊技球が流下する領域に、前記可変入球手段、前記特別入球手段及び前記取得対応入球手段が設けられていることを特徴とする特徴F37乃至F42のいずれか1に記載の遊技機。
【1141】
特徴F43によれば、所定の態様による発射操作を継続することにより、可変入球手段への遊技球の入球、特別入球手段への遊技球の入球、及び取得対応入球手段への遊技球の入球を狙うことが可能となる。
【1142】
特徴F44.前記所定の態様で発射操作を行っている場合よりも特定の態様で発射操作を行っている場合の方が前記契機入球手段に遊技球が到達し易くなる位置に当該契機入球手段が設けられていることを特徴とする特徴F43に記載の遊技機。
【1143】
特徴F44によれば、特別制御状態ではない状況において契機入球手段が入球可能状態となった場合には特定の態様で発射操作を行うことで、当該契機入球手段への遊技球の入球が発生し易くなるようにすることが可能となる。
【1144】
特徴F45.前記特別入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技球の入球が可能となる契機入球手段(第2作動口34)と、
当該契機入球手段に遊技球が入球したことに基づいて付与判定を実行する付与判定手段(主側CPU63におけるステップS1405の処理を実行する機能)と、
前記付与判定の結果が第1付与対応結果となったことに基づいて、前記特別制御状態に移行させ、前記特別制御状態の終了後における遊技状態を当該特別制御状態の開始前の遊技状態とは異なる遊技状態とすることが可能な手段(主側CPU63におけるステップS1904及びステップS1905の処理を実行する機能)と、
前記付与判定の結果が第2付与対応結果となったことに基づいて、前記特別制御手段による前記特別制御が実行される所定遊技状態に移行させ、当該所定遊技状態の終了後における遊技状態は当該所定遊技状態が実行される前の遊技状態に維持させる手段(主側CPU63におけるステップS1902にて否定判定をする機能)と、
を備え、
前記付与判定の結果が前記第2付与対応結果となる確率の方が前記第1付与対応結果となる確率よりも高いことを特徴とする特徴F1乃至F44のいずれか1に記載の遊技機。
【1145】
特徴F45によれば、契機入球手段に遊技球が入球した場合には第1付与対応結果となり得るだけではなく第2付与対応結果となり得るとともに、第2付与対応結果となる確率の方が第1付与対応結果となる確率よりも高い。これにより、契機入球手段への遊技球の入球を発生させることにより、可変入球手段が第1状態になる機会を多く発生させることが可能となる。この場合に、上記特徴F1の構成を備え、特別制御状態において特別入球手段への遊技球の入球が可能となる構成であることにより、特別制御状態の発生を契機として、可変入球手段が第1状態になる機会が多くなる状況を生じさせることが可能となる。
【1146】
なお、特徴F1~F45の構成に対して、特徴A1~A41、特徴B1~B20、特徴C1~C4、特徴D1~D10、特徴E1~E7、特徴F1~F45、特徴G1~G18、特徴H1~H8、特徴I1~I11、特徴J1~J9、特徴K1~K9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【1147】
<特徴G群>
特徴G1.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PA)に設けられ、遊技球の入球が可能又は遊技球が入球し易い第1状態と遊技球の入球が不可又は遊技球が入球しづらい第2状態とのそれぞれに切換可能に設けられた可変入球手段(第1~第13,第18の実施形態では特電入賞装置32、第15の実施形態では第1特電入賞装置261及び第2特電入賞装置262)と、
当該可変入球手段を前記第1状態とした後に前記第2状態とするための特別制御を実行する特別制御手段(主側CPU63における特電用の開放設定処理及び特電用の閉鎖設定処理を実行する機能)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能である特別入球手段(第1~第13,第18の実施形態ではスルーゲート35、第15の実施形態では第1スルーゲート263及び第2スルーゲート264)と、
前記特別入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技球の入球が可能な入球可能状態となる契機入球手段(第2作動口34)と、
当該契機入球手段に遊技球が入球したことに基づいて付与判定を実行する付与判定手段(主側CPU63におけるステップS1405の処理を実行する機能)と、
前記付与判定の結果が第1付与対応結果となったことに基づいて、前記特別制御が実行される特別制御状態(大当たり結果となったことを契機とした開閉実行モード)に移行させ、当該特別制御状態の終了後における遊技状態を当該特別制御状態の開始前の遊技状態とは異なる遊技状態とすることが可能な手段(主側CPU63におけるステップS1904及びステップS1905の処理を実行する機能)と、
前記付与判定の結果が第2付与対応結果となったことに基づいて、前記特別制御手段による前記特別制御が実行される所定遊技状態(小当たり結果となったことを契機とした開閉実行モード)に移行させ、当該所定遊技状態の終了後における遊技状態は当該所定遊技状態が実行される前の遊技状態に維持させる手段(主側CPU63におけるステップS1902にて否定判定をする機能)と、
を備え、
前記付与判定において前記第2付与対応結果となる確率の方が前記第1付与対応結果となる確率よりも高い構成であり、
前記特別入球手段への遊技球の入球が所定状況において可能となる構成であることを特徴とする遊技機。
【1148】
特徴G1によれば、契機入球手段に遊技球が入球した場合には第1付与対応結果となり得るだけではなく第2付与対応結果となり得るとともに、第2付与対応結果となる確率の方が第1付与対応結果となる確率よりも高い。これにより、契機入球手段への遊技球の入球を発生させることにより、可変入球手段が第1状態になる機会を発生させることが可能となる。この場合に、契機入球手段が入球可能状態となる契機を生じさせる特別入球手段への入球が所定状況において可能となる。これにより、契機入球手段への遊技球の入球を期待する遊技者は、所定状況の発生を期待することとなる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1149】
特徴G2.前記特別入球手段への遊技球の入球に対して、前記契機入球手段が前記入球可能状態となる頻度は遊技状態に関係なく一定であることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
【1150】
特徴G2によれば、特別入球手段への遊技球の入球に対して契機入球手段が入球可能状態となる頻度が遊技状態に関係なく一定であることにより、特別入球手段に遊技球が入球したことに対してその後に特別制御が実行される状態が発生する期待値が遊技状態に応じて変動しない。これにより、遊技状態に応じてその期待値を変動させる構成に比べて処理構成の簡素化を図ることができるとともに、当該期待値の管理を行い易くなる。但し、このように上記期待値が遊技状態に応じて変動しない構成においては遊技に抑揚を与えることが難しくなってしまう。これに対して、上記特徴G1の構成を備え、所定状況において特別入球手段への遊技球の入球が可能となる構成であるため、特別入球手段に遊技球が入球する機会に抑揚を与えることが可能となり、結果的に遊技に抑揚を与えることが可能となる。
【1151】
特徴G3.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能である所定入球手段(第1作動口33)を備え、
前記付与判定手段は、前記契機入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記付与判定を実行し、前記所定入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記付与判定を実行し、
前記付与判定手段の付与判定が行われる状態として、前記付与判定において前記第1付与対応結果となる確率が相対的に高低となるように高確率状態と低確率状態とが設定されており、
当該遊技機は、前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、動作継続期間が経過した場合に当該遊技回用動作が終了するように遊技回実行手段を制御する遊技回制御手段(主側CPU63における特図変動開始処理、特図変動中処理及び特図確定中処理を実行する機能)と、
前記動作継続期間を決定する期間決定手段(主側CPU63におけるステップS1414の処理を実行する機能)と、
を備え、
当該期間決定手段は、前記低確率状態において前記契機入球手段への遊技球の入球に基づき実行された前記付与判定を契機とする前記遊技回用動作であって当該付与判定の結果が前記第1付与対応結果とならない場合における前記遊技回用動作の前記動作継続期間の平均期間が、前記低確率状態において前記所定入球手段への遊技球の入球に基づき実行された前記付与判定を契機とする前記遊技回用動作であって当該付与判定の結果が前記第1付与対応結果とならない場合における前記遊技回用動作の前記動作継続期間の平均期間と同一、略同一又はそれ以下となるようにする構成であり、
前記所定状況は、前記低確率状態において前記付与判定が行われる状況とは異なる状況であることを特徴とする特徴G2に記載の遊技機。
【1152】
特徴G3によれば、低確率状態において契機入球手段への遊技球の入球に基づき実行された付与判定を契機とする遊技回用動作であって当該付与判定の結果が第1付与対応結果とならない場合における遊技回用動作の動作継続期間の平均期間が、低確率状態において所定入球手段への遊技球の入球に基づき実行された付与判定を契機とする遊技回用動作であって当該付与判定の結果が第1付与対応結果とならない場合における遊技回用動作の動作継続期間の平均期間と同一、略同一又はそれ以下となる。これにより、前者の遊技回用動作の消化率が後者の遊技回用動作の消化率に対して極端に悪くなってしまわないようにすることが可能となる。但し、当該構成を備えるとともに特徴G2のように特別入球手段への遊技球の入球に対して契機入球手段が入球可能状態となる頻度が遊技状態に関係なく一定である構成を備えている場合、低確率状態にて契機入球手段への遊技球の入球を狙って遊技が行われることが想定される。これに対して、低確率状態において付与判定が行われる状況では特別入球手段への遊技球の入球が不可となる。したがって、低確率状態では所定入球手段への遊技球の入球を狙って遊技が行われるようにすることが可能となる。
【1153】
特徴G4.所定の態様で発射操作を行っている場合に遊技球が流下する領域に、前記可変入球手段、前記特別入球手段及び前記契機入球手段が設けられていることを特徴とする特徴G1乃至G3のいずれか1に記載の遊技機。
【1154】
特徴G4によれば、所定の態様による発射操作を継続することにより、可変入球手段への遊技球の入球、特別入球手段への遊技球の入球、及び契機入球手段への遊技球の入球を狙うことが可能となる。
【1155】
特徴G5.前記所定状況は、前記特別制御が実行される状態であることを特徴とする特徴G1乃至G4のいずれか1に記載の遊技機。
【1156】
特徴G5によれば、特別制御が実行される状態に移行することで可変入球手段への遊技球の入球が可能となる又は入球し易くなるだけではなく、特別入球手段への遊技球の入球が可能となる。これにより、特別制御が実行される状態に移行することの利益を高めることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1157】
特徴G6.前記特別制御が実行される状態において所定条件が成立した場合に前記特別入球手段への遊技球の入球が可能となる構成であることを特徴とする特徴G5に記載の遊技機。
【1158】
特徴G6によれば、特別制御が実行される状態に移行したとしても所定条件が成立しないと特別入球手段への遊技球の入球が発生しない。これにより、遊技者は特別制御が実行される状態において可変入球手段に遊技球が入球することとは別に所定条件が成立することを期待することとなり、特別制御が実行される状態における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1159】
特徴G7.前記特別制御状態と前記所定遊技状態とで前記特別入球手段への遊技球の入球し易さが相違することを特徴とする特徴G5又はG6に記載の遊技機。
【1160】
特徴G7によれば、特別制御状態と所定遊技状態とで特別入球手段への遊技球の入球し易さが相違することにより、特別入球手段への遊技球の入球を期待する遊技者は特別入球手段への遊技球の入球が発生し易い状態の発生を期待することとなる。これにより、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1161】
特徴G8.前記可変入球手段が前記第1状態及び前記第2状態のうち一方から他方に切り換わる場合に前記特別入球手段への遊技球の入球が可能となる構成であり、
前記特別制御状態と前記所定遊技状態とで前記特別制御が実行される回数が相違することを特徴とする特徴G7に記載の遊技機。
【1162】
特徴G8によれば、可変入球手段が第1状態及び第2状態のうち一方から他方に切り換わる場合に特別入球手段への遊技球の入球が可能となる構成であることにより、この状態の切り換えタイミングに対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。よって、特別制御が実行される状態において遊技者が注目すべき対象を多様化させることが可能となり、特別制御が実行される状態における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1163】
この場合に、特別制御状態と所定遊技状態とで可変入球手段における上記状態の切り換えの回数が相違している。これにより、特別制御状態と所定遊技状態とで特別入球手段への遊技球の入球し易さが相違することとなり、特別入球手段への遊技球の入球を期待する遊技者は特別入球手段への遊技球の入球が発生し易い特別制御の実行状態の発生を期待することとなる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1164】
特徴G9.第1対応状態となり上流側から流下してきた遊技球が載った状態となることで当該遊技球が所定方向に流下することを阻止し、第2対応状態となることで当該遊技球が前記所定方向に流下することを可能とする変位部(誘導板部214)を有し、
前記特別入球手段は、前記変位部に遊技球が載っている状態において当該変位部が前記第1対応状態から前記第2対応状態に切り換わった場合に当該遊技球が前記所定方向に流下することで当該遊技球の流入が可能となる位置に設けられていることを特徴とする特徴G1乃至G8のいずれか1に記載の遊技機。
【1165】
特徴G9によれば、変位部が第1対応状態から第2対応状態に切り換わる場合に当該変位部に載っていた遊技球が特別入球手段に入球可能となる。これにより、変位部に遊技球が載っている状態で当該変位部が第1対応状態から第2対応状態に切り換わるか否かに注目することとなり遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1166】
特徴G10.前記変位部は、前記第1対応状態において当該変位部に載った遊技球が当該変位部に沿って特定方向に流下するように形成されており、
前記特別入球手段は、前記変位部の一部の範囲である所定範囲に遊技球が載っている状態において当該変位部が前記第1対応状態から前記第2対応状態に切り換わった場合に当該遊技球が前記所定方向に流下することで当該遊技球の流入が可能となる位置に設けられていることを特徴とする特徴G9に記載の遊技機。
【1167】
特徴G10によれば、特別入球手段への遊技球の入球が発生するためには、第1対応状態となっている変位部に遊技球が載っているだけではなく、その載っている遊技球が所定範囲に存在している絶妙のタイミングで、変位部が第1対応状態から第2対応状態に切り換わる必要がある。これにより、変位部に載っている遊技球の位置と変位部の状態の切り換えタイミングとの関係に遊技者は注目することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1168】
特徴G11.前記変位部よりも遊技球の流下方向の上流側には、前記遊技領域を流下する遊技球を前記変位部の特定範囲に向けて誘導する手段(誘導釘群241)を備え、
前記所定範囲は前記特定範囲に対して前記特定方向の側に存在していることを特徴とする特徴G10に記載の遊技機。
【1169】
特徴G11によれば、変位部において特別入球手段への入球を可能とする範囲である所定範囲が、変位部において最初に遊技球が到達することとなる特定範囲よりも、変位部上における遊技球の流下方向の先側に存在している。これにより、特別入球手段への遊技球の入球が発生するためには、変位部上を遊技球が流下している途中の絶妙なタイミングで、変位部が第1対応状態から第2対応状態に切り換わる必要がある。よって、変位部上における遊技球の動きに遊技者は注目することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1170】
特徴G12.前記可変入球手段及びそれとは別の入球手段のうちいずれかである対象入球手段は、
遊技球が入球可能な入球部(第1大入賞口265、第2大入賞口266)と、
上流側から流下してくる遊技球が載ることが可能であってその載っている遊技球を前記入球部に誘導することが可能な誘導状態、及び上流側から流下してくる遊技球を前記入球部に誘導しない非誘導状態のそれぞれに切り換え可能に設けられた誘導手段(第1誘導板271、第2誘導板281)と、
を備え、
前記誘導手段が前記誘導状態となっている場合に当該誘導手段に載った遊技球であって前記入球部とは異なる別領域に流下した遊技球が入球可能となる位置に前記特別入球手段が設けられていることを特徴とする特徴G1乃至G11のいずれか1に記載の遊技機。
【1171】
特徴G12によれば、誘導手段が誘導状態となっている場合には、誘導手段に載った遊技球が対象入球手段の入球部及び特別入球手段のいずれかに誘導される。これにより、誘導手段に載った遊技球に対する遊技者の注目度を高めることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1172】
特徴G13.前記誘導手段よりも遊技球の流下方向の上流側には、前記遊技領域を流下する遊技球を前記誘導手段の誘導開始範囲に向けて誘導する手段(第1誘導釘群267、第2誘導釘群268)を備え、
前記誘導手段は、前記誘導状態において当該誘導手段に載った遊技球が当該誘導手段に沿って所定誘導方向に流下するように形成されており、
前記入球部及び前記別領域は前記誘導開始範囲に対して前記所定誘導方向の側に存在していることを特徴とする特徴G12に記載の遊技機。
【1173】
特徴G13によれば、入球部及び特別入球手段への入球を可能とする別領域の両方が、誘導手段において最初に遊技球が到達することとなる誘導開始範囲よりも、誘導手段における遊技球の流下方向の先側に存在している。これにより、誘導手段において遊技球が流下していく様子に遊技者を注目させることが可能となる。
【1174】
特徴G14.前記別領域は前記入球部よりも前記所定誘導方向の側に存在していることを特徴とする特徴G13に記載の遊技機。
【1175】
特徴G14によれば、誘導状態となっている誘導手段に載ったものの入球部に入球することなく通過してしまった遊技球が特別入球手段に入球することとなる。これにより、誘導手段に載った遊技球が入球部に入球しなかったことに対する遊技者の不利益感を、逆に、特別入球手段への入球が発生することに対する利益感に変えることが可能となる。
【1176】
特徴G15.前記対象入球手段として第1対象入球手段(第1特電入賞装置261)と第2対象入球手段(第2特電入賞装置262)とが設けられており、
前記特別入球手段として第1特別入球手段(第1スルーゲート263)と第2特別入球手段(第2スルーゲート264)とが設けられており、
前記第1対象入球手段の前記誘導手段である第1誘導手段(第1誘導板271)が前記誘導状態となっている場合に当該第1誘導手段に載った遊技球であって前記第1対象入球手段の前記入球部である第1入球部とは異なる第1別領域に流下した遊技球が入球可能となる位置に前記第1特別入球手段が設けられており、
前記第2対象入球手段の前記誘導手段である第2誘導手段(第2誘導板281)が前記誘導状態となっている場合に当該第2誘導手段に載った遊技球であって前記第2対象入球手段の前記入球部である第2入球部とは異なる第2別領域に流下した遊技球が入球可能となる位置に前記第2特別入球手段が設けられていることを特徴とする特徴G12乃至G14のいずれか1に記載の遊技機。
【1177】
特徴G15によれば、第1対象入球手段及び第1特別入球手段の組合せと、第2対象入球手段及び第2特別入球手段の組合せとが存在している。これにより、誘導制御が実行される状態において誘導制御の実行対象となる組合せの種類を相違させることで、対象入球手段及び特別入球手段のそれぞれへの遊技球の入球割合を相違させることが可能となる。
【1178】
特徴G16.前記誘導状態となっている前記第1誘導手段に載った遊技球が前記第1特別入球手段に入球する確率と、前記誘導状態となっている前記第2誘導手段に載った遊技球が前記第2特別入球手段に入球する確率とが相違していることを特徴とする特徴G15に記載の遊技機。
【1179】
特徴G16によれば、誘導制御が実行される状態において誘導制御の実行対象となる組合せの種類を相違させることで、特別入球手段への遊技球の入球確率を相違させることが可能となる。これにより、誘導制御の実行対象に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
【1180】
特徴G17.前記第2特別入球手段は前記第1特別入球手段に対して遊技球の流下方向の下流側に設けられていることを特徴とする特徴G15又はG16に記載の遊技機。
【1181】
特徴G17によれば、第2特別入球手段は第1特別入球手段に対して遊技球の流下方向の下流側に設けられているため、第1対象入球手段が特別制御の実行対象となった場合には第1特別入球手段に遊技球が入球し得るだけではなく、第2特別入球手段に遊技球が入球し得ることとなる。よって、遊技者は第1対象入球手段が誘導制御の実行対象となることを期待することとなる。
【1182】
特徴G18.前記第1特別入球手段に遊技球が入球した場合、及び前記第2特別入球手段に遊技球が入球した場合のいずれであっても同一の特典が付与されることを特徴とする特徴G15乃至G17のいずれか1に記載の遊技機。
【1183】
特徴G18によれば、第1特別入球手段に遊技球が入球した場合及び第2特別入球手段に遊技球が入球した場合のいずれであっても同一の特典が付与されるため、誘導制御の実行対象が第1対象入球手段及び第2対象入球手段のうちいずれとなったとしても遊技者が感じる不利益感を抑えることが可能となる。
【1184】
なお、特徴G1~G18の構成に対して、特徴A1~A41、特徴B1~B20、特徴C1~C4、特徴D1~D10、特徴E1~E7、特徴F1~F45、特徴G1~G18、特徴H1~H8、特徴I1~I11、特徴J1~J9、特徴K1~K9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【1185】
<特徴H群>
特徴H1.第1対応状態となり上流側から流下してきた遊技球が載った状態となることで当該遊技球が所定方向に流下することを阻止し、第2対応状態となることで当該遊技球が前記所定方向に流下することを可能とする変位部(誘導板部214)と、
前記変位部に遊技球が載っている状態において当該変位部が前記第1対応状態から前記第2対応状態に切り換わった場合に当該遊技球が前記所定方向に流下することで当該遊技球の流入が可能となる位置に設けられた特別入球手段(第1~第13,第18の実施形態ではスルーゲート35、第14の実施形態では第1特別入球口251及び第2特別入球口252、第15の実施形態では第1スルーゲート263及び第2スルーゲート264)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【1186】
特徴H1によれば、変位部が第1対応状態から第2対応状態に切り換わる場合に当該変位部に載っていた遊技球が特別入球手段に入球可能となる。これにより、遊技者は、変位部に遊技球が載っている状態で当該変位部が第1対応状態から第2対応状態に切り換わるか否かに注目することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1187】
特徴H2.前記変位部は、前記第1対応状態において当該変位部に載った遊技球が当該変位部に沿って特定方向に流下するように形成されており、
前記特別入球手段は、前記変位部の一部の範囲である所定範囲に遊技球が載っている状態において当該変位部が前記第1対応状態から前記第2対応状態に切り換わった場合に当該遊技球が前記所定方向に流下することで当該遊技球の流入が可能となる位置に設けられていることを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
【1188】
特徴H2によれば、特別入球手段への遊技球の入球が発生するためには、第1対応状態となっている変位部に遊技球が載っているだけではなく、その載っている遊技球が所定範囲に存在している絶妙のタイミングで、変位部が第1対応状態から第2対応状態に切り換わる必要がある。これにより、変位部に載っている遊技球の位置と変位部の状態の切り換えタイミングとの関係に遊技者は注目することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1189】
特徴H3.前記変位部よりも遊技球の流下方向の上流側には、遊技領域を流下する遊技球を前記変位部の特定範囲に向けて誘導する手段(誘導釘群241)を備え、
前記所定範囲は前記特定範囲に対して前記特定方向の側に存在していることを特徴とする特徴H2に記載の遊技機。
【1190】
特徴H3によれば、変位部において特別入球手段への入球を可能とする範囲である所定範囲が、変位部において最初に遊技球が到達することとなる特定範囲よりも、変位部上における遊技球の流下方向の先側に存在している。これにより、特別入球手段への遊技球の入球が発生するためには、変位部上を遊技球が流下している途中の絶妙なタイミングで、変位部が第1対応状態から第2対応状態に切り換わる必要がある。よって、変位部上における遊技球の動きに遊技者は注目することとなり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1191】
特徴H4.所定の入球部(入口部45b)は前記所定範囲に対して前記特定方向の側に存在していることを特徴とする特徴H3に記載の遊技機。
【1192】
特徴H4によれば、所定の入球部は、変位部において特別入球手段への入球を可能とする範囲である所定範囲よりも、変位部上における遊技球の流下方向の先側に存在している。これにより、変位部上に載っているものの所定の入球部に到達しなかった遊技球が特別入球手段に入球することとなる。よって、変位部上に載った遊技球が所定の入球部に入球しなかったことに対する遊技者の不利益感を、逆に、特別入球手段への入球が発生することに対する利益感に変えることが可能となる。
【1193】
特徴H5.前記所定範囲は、前記特定範囲に所定の発射周期で遊技球が供給された場合において一の遊技球が前記所定の入球部に到達したタイミングにおいてその次の発射順序の遊技球が存在している範囲に設定されていることを特徴とする特徴H4に記載の遊技機。
【1194】
特徴H5によれば、所定の入球部に遊技球が入球して変位部が第2対応状態に切り換わるタイミングにおいて当該変位部の所定範囲に遊技球が存在している可能性が高くなる。よって、変位部が第1対応状態から第2対応状態に変化した場合に特別入球手段への遊技球の入球が発生する可能性を高くすることが可能となる。
【1195】
特徴H6.前記特別入球手段として第1特別入球手段(第1特別入球口251)と第2特別入球手段(第2特別入球口252)とが設けられており、
当該遊技機は、前記第1特別入球手段に遊技球が入球した場合に第1利益を付与する手段(主側CPU63におけるステップS3902の処理を実行する機能)と、
前記第2特別入球手段に遊技球が入球した場合に第2利益を付与する手段(主側CPU63におけるステップS3904の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特別入球手段は、前記変位部の一部の範囲である第1所定範囲(第1範囲X1)に遊技球が載っている状態において当該変位部が前記第1対応状態から前記第2対応状態に切り換わった場合に当該遊技球が前記所定方向に流下することで当該遊技球の流入が可能となる位置に設けられており、
前記第2特別入球手段は、前記変位部の一部の範囲である第2所定範囲(第2範囲X2)に遊技球が載っている状態において当該変位部が前記第1対応状態から前記第2対応状態に切り換わった場合に当該遊技球が前記所定方向に流下することで当該遊技球の流入が可能となる位置に設けられていることを特徴とする特徴H1乃至H5のいずれか1に記載の遊技機。
【1196】
特徴H6によれば、第1対応状態となっている変位部に遊技球が載っている場合、より利益の高い特別入球手段への入球を可能とする範囲に存在している状況で変位部が第1対応状態から第2対応状態に切り換わることを期待して、変位部に載っている遊技球の位置に注目することとなる。
【1197】
特徴H7.前記変位部は、前記第1対応状態において当該変位部に載った遊技球が当該変位部に沿って特定方向に流下するように形成されており、
前記第1特別入球手段に遊技球が入球した方が前記第2特別入球手段に遊技球が入球するよりも遊技者にとって有利であり、
前記変位部よりも遊技球の流下方向の上流側には、遊技領域を流下する遊技球を前記変位部の特定範囲に向けて誘導する手段(誘導釘群241)を備え、
前記第2所定範囲は前記特定範囲に対して前記特定方向の側に存在しており、
前記第1所定範囲は前記第2所定範囲に対して前記特定方向の側に存在しており、
所定の入球部は前記第1所定範囲に対して前記特定方向の側に存在していることを特徴とする特徴H6に記載の遊技機。
【1198】
特徴H7によれば、変位部において第1特別入球手段への入球を可能とする範囲である第1所定範囲は変位部において第2特別入球手段への入球を可能とする範囲である第2所定範囲よりも変位部上における遊技球の流下方向の先側に存在しているとともに、所定の入球部は第1所定範囲よりも変位部上における遊技球の流下方向の先側に存在している。そして、第1特別入球手段に遊技球が入球した方が第2特別入球手段に遊技球が入球するよりも遊技者にとって有利である。そうすると、変位部上において所定の入球部に近い位置に存在している遊技球の方が遊技者にとって有利な第1特別入球手段に入球し易くなるため、所定の入球部に惜しくも遊技球が入球しなかったという不利益感が強くなる状況ほど遊技者にとっての利益が高くなるようにすることが可能となる。
【1199】
特徴H8.前記変位部の動作態様が複数種類設定されていることを特徴とする特徴H1乃至H7のいずれか1に記載の遊技機。
【1200】
特徴H8によれば、変位部の動作態様が複数種類設定されていることにより、特別入球手段への入球頻度が相違する複数種類の所定状況が存在することとなる。
【1201】
なお、特徴H1~H8の構成に対して、特徴A1~A41、特徴B1~B20、特徴C1~C4、特徴D1~D10、特徴E1~E7、特徴F1~F45、特徴G1~G18、特徴H1~H8、特徴I1~I11、特徴J1~J9、特徴K1~K9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【1202】
<特徴I群>
特徴I1.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PA)に設けられ、遊技球の入球が可能又は遊技球が入球し易い第1状態と遊技球の入球が不可又は遊技球が入球しづらい第2状態とのそれぞれに切換可能に設けられた可変入球手段(第1~第14,第18の実施形態では特電入賞装置32、第15の実施形態では第1特電入賞装置261及び第2特電入賞装置262)と、
当該可変入球手段を前記第1状態とした後に前記第2状態とするための特別制御を実行する特別制御手段(主側CPU63における特電用の開放設定処理及び特電用の閉鎖設定処理を実行する機能)と、
前記特別制御が実行される特別制御状態(開閉実行モード)に遊技状態を移行させる移行手段(主側CPU63における特図確定中処理を実行する機能)と、
前記特別制御状態ではない所定の遊技状態においては遊技球の入球が制限され、前記特別制御状態において遊技球の入球が可能となる特別入球手段(第1特別入球口251及び第2特別入球口252)と、
前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技者が使用可能な遊技球数を増加させ、前記特別入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技者が使用可能な遊技球数を増加させる手段(主側CPU63におけるステップS3902及びステップS3904の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【1203】
特徴I1によれば、遊技状態が特別制御状態に移行することで可変入球手段への遊技球の入球が可能となる又は入球し易くなるだけではなく、特別入球手段への遊技球の入球が可能となる。これにより、遊技状態が特別制御状態に移行することの利益を高めることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1204】
この場合に、可変入球手段に遊技球が入球した場合には遊技者が使用可能な遊技球数が増加するとともに、特別入球手段に遊技球が入球した場合にも遊技者が使用可能な遊技球数が増加する。そして、上記構成を備えていることにより、遊技状態が特別制御状態に移行することで可変入球手段への遊技球の入球が可能となる又は入球し易くなるだけではなく、特別入球手段への遊技球の入球が可能となる。よって、遊技者が使用可能な遊技球数の特別制御状態における増加量を多くすることが可能となり、特別制御状態における有利度を高めることが可能となる。
【1205】
特徴I2.前記特別入球手段は前記可変入球手段に対して前記遊技領域における遊技球の流下方向の下流側であって、前記可変入球手段が前記第1状態及び前記第2状態のうち一方から他方に切り換わるタイミングで遊技球の流入が可能となる位置に設けられていることを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
【1206】
特徴I2によれば、可変入球手段が第1状態及び第2状態のうち一方から他方に切り換わる場合に可変入球手段に入球しなかった遊技球が特別入球手段への入球が可能となる。これにより、可変入球手段の入球対象として漏れた遊技球が特別入球手段に入球し、特別入球手段に遊技球が入球することで使用可能な遊技球数が増加することとなり、可変入球手段の入球対象から漏れた遊技球が発生したことに対する遊技者の不利益感を抑えることが可能となる。
【1207】
特徴I3.前記可変入球手段は、当該可変入球手段が前記第1状態及び前記第2状態のうち一方の状態において第1対応状態となり当該可変入球手段よりも上流側から流下してきた遊技球が載った状態となることで当該遊技球が所定方向に流下することを阻止し、前記可変入球手段が前記第1状態及び前記第2状態のうち他方の状態において第2対応状態となることで当該遊技球が前記所定方向に流下することを可能とする変位部(誘導板部214)を有し、
前記特別入球手段は、前記変位部に遊技球が載っている状態において当該変位部が前記第1対応状態から前記第2対応状態に切り換わった場合に当該遊技球が前記所定方向に流下することで当該遊技球の流入が可能となる位置に設けられていることを特徴とする特徴I1又はI2に記載の遊技機。
【1208】
特徴I3によれば、変位部が第1対応状態から第2対応状態に切り換わる場合に当該変位部に載っていた遊技球が特別入球手段に入球可能となる。これにより、特別制御状態において遊技者は可変入球手段への遊技球の入球が発生するか否かにだけではなく、変位部に遊技球が載っている状態で当該変位部が第1対応状態から第2対応状態に切り換わるか否かに注目することとなり、特別制御状態中における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1209】
特徴I4.前記一方の状態は前記可変入球手段の前記第1状態であり、前記他方の状態は前記可変入球手段の前記第2状態であることを特徴とする特徴I3に記載の遊技機。
【1210】
特徴I4によれば、可変入球手段が第1状態から第2状態に切り換わるタイミングで特別入球手段への遊技球の入球契機が発生することとなる。これにより、可変入球手段が第1状態である場合だけではなく第2状態に切り換わったタイミングにおいても遊技者の注目度を高めることが可能となる。
【1211】
特徴I5.前記変位部は、前記第1対応状態において当該変位部に載った遊技球が当該変位部に沿って特定方向に流下するように形成されており、
前記特別入球手段は、前記変位部の一部の範囲である所定範囲に遊技球が載っている状態において当該変位部が前記第1対応状態から前記第2対応状態に切り換わった場合に当該遊技球が前記所定方向に流下することで当該遊技球の流入が可能となる位置に設けられていることを特徴とする特徴I3又はI4に記載の遊技機。
【1212】
特徴I5によれば、特別入球手段への遊技球の入球が発生するためには、第1対応状態となっている変位部に遊技球が載っているだけではなく、その載っている遊技球が所定範囲に存在している絶妙のタイミングで、変位部が第1対応状態から第2対応状態に切り換わる必要がある。これにより、変位部に載っている遊技球の位置と変位部の状態の切り換えタイミングとの関係に遊技者は注目することとなり、特別制御状態中における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1213】
特徴I6.前記変位部よりも遊技球の流下方向の上流側には、前記遊技領域を流下する遊技球を前記変位部の特定範囲に向けて誘導する手段(誘導釘群241)を備え、
前記所定範囲は前記特定範囲に対して前記特定方向の側に存在していることを特徴とする特徴I5に記載の遊技機。
【1214】
特徴I6によれば、変位部において特別入球手段への入球を可能とする範囲である所定範囲が、変位部において最初に遊技球が到達することとなる特定範囲よりも、変位部上における遊技球の流下方向の先側に存在している。これにより、特別入球手段への遊技球の入球が発生するためには、変位部上を遊技球が流下している途中の絶妙なタイミングで、変位部が第1対応状態から第2対応状態に切り換わる必要がある。よって、変位部上における遊技球の動きに遊技者は注目することとなり、特別制御状態中における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1215】
特徴I7.前記一方の状態は前記可変入球手段の前記第1状態であり、前記他方の状態は前記可変入球手段の前記第2状態であり、
前記可変入球手段の入球部(入口部45b)は前記所定範囲に対して前記特定方向の側に存在していることを特徴とする特徴I6に記載の遊技機。
【1216】
特徴I7によれば、可変入球手段が第1状態から第2状態に切り換わるタイミングで特別入球手段への遊技球の入球契機が発生することとなる。これにより、可変入球手段が第1状態である場合だけではなく第2状態に切り換わったタイミングにおいても遊技者の注目度を高めることが可能となる。
【1217】
この場合に、可変入球手段の入球部は、変位部において特別入球手段への入球を可能とする範囲である所定範囲よりも、変位部上における遊技球の流下方向の先側に存在している。これにより、変位部上に載っているものの可変入球手段の入球部に到達しなかった遊技球が特別入球手段に入球することとなる。よって、変位部上に載った遊技球が可変入球手段に入球しなかったことに対する遊技者の不利益感を、逆に、特別入球手段への入球が発生することに対する利益感に変えることが可能となる。
【1218】
特徴I8.前記所定範囲は、前記特定範囲に所定の発射周期で遊技球が供給された場合において一の遊技球が前記入球部に到達したタイミングにおいてその次の発射順序の遊技球が存在している範囲に設定されていることを特徴とする特徴I7に記載の遊技機。
【1219】
特徴I8によれば、可変入球手段の入球部に遊技球が入球して変位部が第2対応状態に切り換わるタイミングにおいて当該変位部の所定範囲に遊技球が存在している可能性が高くなる。よって、変位部が第1対応状態から第2対応状態に変化した場合に特別入球手段への遊技球の入球が発生する可能性を高くすることが可能となる。
【1220】
特徴I9.前記特別入球手段として第1特別入球手段(第1特別入球口251)と第2特別入球手段(第2特別入球口252)とが設けられており、
当該遊技機は、前記第1特別入球手段に遊技球が入球した場合に第1利益を付与する手段(主側CPU63におけるステップS3902の処理を実行する機能)と、
前記第2特別入球手段に遊技球が入球した場合に第2利益を付与する手段(主側CPU63におけるステップS3904の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別制御状態において第1条件が成立した場合に前記第1特別入球手段への遊技球の入球が可能となり、
前記特別制御状態において第2条件が成立した場合に前記第2特別入球手段への遊技球の入球が可能となることを特徴とする特徴I1乃至I8のいずれか1に記載の遊技機。
【1221】
特徴I9によれば、特別制御状態において成立する条件が第1条件及び第2条件のいずれであるかによって入球対象となる特別入球手段が第1特別入球手段と第2特別入球手段とで相違することとなる。そして、第1特別入球手段に遊技球が入球した場合と第2特別入球手段に遊技球が入球した場合とで付与される利益が相違する。これにより、遊技者は、特別制御状態において第1条件及び第2条件のいずれかが成立することを期待するだけではなく、より利益の高い特別入球手段への遊技球の入球を可能とする条件が成立することを期待することとなる。よって、特別制御状態中における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1222】
特徴I10.前記可変入球手段は、当該可変入球手段が前記第1状態及び前記第2状態のうち一方の状態において第1対応状態となり当該可変入球手段よりも上流側から流下してきた遊技球が載った状態となることで当該遊技球が所定方向に流下することを阻止し、前記可変入球手段が前記第1状態及び前記第2状態のうち他方の状態において第2対応状態となることで当該遊技球が前記所定方向に流下することを可能とする変位部(誘導板部214)を有し、
前記変位部は、前記第1対応状態において当該変位部に載った遊技球が当該変位部に沿って特定方向に流下するように形成されており、
前記第1特別入球手段は、前記変位部の一部の範囲である第1所定範囲(第1範囲X1)に遊技球が載っている状態において当該変位部が前記第1対応状態から前記第2対応状態に切り換わった場合に当該遊技球が前記所定方向に流下することで当該遊技球の流入が可能となる位置に設けられており、
前記第2特別入球手段は、前記変位部の一部の範囲である第2所定範囲(第2範囲X2)に遊技球が載っている状態において当該変位部が前記第1対応状態から前記第2対応状態に切り換わった場合に当該遊技球が前記所定方向に流下することで当該遊技球の流入が可能となる位置に設けられていることを特徴とする特徴I9に記載の遊技機。
【1223】
特徴I10によれば、第1対応状態となっている変位部に遊技球が載っている場合、より利益の高い特別入球手段への入球を可能とする範囲に存在している状況で変位部が第1対応状態から第2対応状態に切り換わることを期待して、変位部に載っている遊技球の位置に注目することとなる。
【1224】
特徴I11.前記一方の状態は前記可変入球手段の前記第1状態であり、前記他方の状態は前記可変入球手段の前記第2状態であり、
前記第1特別入球手段に遊技球が入球した方が前記第2特別入球手段に遊技球が入球するよりも遊技者にとって有利であり、
前記変位部よりも遊技球の流下方向の上流側には、前記遊技領域を流下する遊技球を前記変位部の特定範囲に向けて誘導する手段(誘導釘群241)を備え、
前記第2所定範囲は前記特定範囲に対して前記特定方向の側に存在しており、
前記第1所定範囲は前記第2所定範囲に対して前記特定方向の側に存在しており、
前記可変入球手段の入球部は前記第1所定範囲に対して前記特定方向の側に存在していることを特徴とする特徴I10に記載の遊技機。
【1225】
特徴I11によれば、可変入球手段が第1状態から第2状態に切り換わるタイミングで特別入球手段への遊技球の入球契機が発生することとなる。これにより、可変入球手段が第1状態である場合だけではなく第2状態に切り換わったタイミングにおいても遊技者の注目度を高めることが可能となる。
【1226】
この場合に、変位部において第1特別入球手段への入球を可能とする範囲である第1所定範囲は変位部において第2特別入球手段への入球を可能とする範囲である第2所定範囲よりも変位部上における遊技球の流下方向の先側に存在しているとともに、可変入球手段の入球部は第1所定範囲よりも変位部上における遊技球の流下方向の先側に存在している。そして、第1特別入球手段に遊技球が入球した方が第2特別入球手段に遊技球が入球するよりも遊技者にとって有利である。そうすると、変位部上において可変入球手段の入球部に近い位置に存在している遊技球の方が遊技者にとって有利な第1特別入球手段に入球し易くなるため、可変入球手段の入球部に惜しくも遊技球が入球しなかったという不利益感が強くなる状況ほど遊技者にとっての利益が高くなるようにすることが可能となる。
【1227】
なお、特徴I1~I11の構成に対して、特徴A1~A41、特徴B1~B20、特徴C1~C4、特徴D1~D10、特徴E1~E7、特徴F1~F45、特徴G1~G18、特徴H1~H8、特徴I1~I11、特徴J1~J9、特徴K1~K9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【1228】
<特徴J群>
特徴J1.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PA)に設けられ、遊技球の入球が可能又は遊技球が入球し易い第1状態と遊技球の入球が不可又は遊技球が入球しづらい第2状態とのそれぞれに切換可能に設けられた可変入球手段(第1~第14,第18の実施形態では特電入賞装置32、第15の実施形態では第1特電入賞装置261及び第2特電入賞装置262)と、
当該可変入球手段を前記第1状態とした後に前記第2状態とするための特別制御を実行する特別制御手段(主側CPU63における特電用の開放設定処理及び特電用の閉鎖設定処理を実行する機能)と、
前記特別制御が実行される特別制御状態(開閉実行モード)に遊技状態を移行させる移行手段(主側CPU63における特図確定中処理を実行する機能)と、
所定の遊技状態においては遊技球の入球が制限され、前記所定の遊技状態ではない遊技状態において遊技球の入球が可能となる特別入球手段(第1~第13,第18の実施形態ではスルーゲート35、第14の実施形態では第1特別入球口251及び第2特別入球口252、第15の実施形態では第1スルーゲート263及び第2スルーゲート264)と、
少なくとも前記所定の遊技状態において遊技球の入球が可能となる取得対応入球手段(突発用ゲート311)と、
前記特別入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技球の入球が可能な入球可能状態となり、前記取得対応入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技球の入球が可能な入球可能状態となる契機入球手段(第2作動口34)と、
を備え、
前記契機入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記特別制御状態への移行契機が発生することを特徴とする遊技機。
【1229】
特徴J1によれば、契機入球手段が入球可能状態となる契機を生じさせる特別入球手段への入球が所定の遊技状態ではない遊技状態において可能となる。これにより、契機入球手段への遊技球の入球を期待する遊技者は、所定の遊技状態ではない遊技状態の発生を期待することとなる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1230】
この場合に、所定の遊技状態であっても取得対応入球手段に遊技球が入球することに基づいて契機入球手段が入球可能となる。そして、入球可能状態となった契機入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特別制御状態への移行契機が発生する。これにより、所定の遊技状態ではない遊技状態だけではなく所定の遊技状態においても契機入球手段が入球可能状態となり、当該契機入球手段への遊技球の入球に基づき特別制御状態が発生する状況を生じさせることが可能となる。
【1231】
特徴J2.前記所定の遊技状態ではない遊技状態に、前記特別制御状態が含まれることを特徴とする特徴J1に記載の遊技機。
【1232】
特徴J2によれば、遊技状態が特別制御状態に移行することで可変入球手段への遊技球の入球が可能となる又は入球し易くなるだけではなく、特別入球手段への遊技球の入球が可能となる。これにより、遊技状態が特別制御状態に移行することの利益を高めることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【1233】
特徴J3.前記取得対応入球手段への遊技球の入球確率が、前記所定の遊技状態ではない遊技状態において前記特別入球手段に遊技球が入球する確率よりも低くなるようにする規制手段(制限釘312)を備えていることを特徴とする特徴J1又はJ2に記載の遊技機。
【1234】
特徴J3によれば、所定の遊技状態において取得対応入球手段への遊技球の入球に基づき特別制御状態への移行が発生する確率を低く抑えることが可能となる。これにより、所定の遊技状態において取得対応入球手段への遊技球の入球に基づき特別制御状態への移行が発生したことに対する遊技者の満足感を高めることが可能となる。
【1235】
特徴J4.少なくとも前記所定の遊技状態において遊技球の入球が可能となる所定入球手段(第1作動口33)を備え、
当該所定入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記特別制御状態への移行契機が発生し、
前記規制手段は、前記取得対応入球手段への遊技球の入球確率が、前記所定入球手段に遊技球が入球する確率よりも低くなるようにすることを特徴とする特徴J3に記載の遊技機。
【1236】
特徴J4によれば、所定の遊技状態において遊技球の入球が可能であって遊技球の入球の発生が特別制御状態への移行契機となる所定入球手段よりも、取得対応入球手段の方が、遊技球の入球確率が低い。これにより、所定の遊技状態において取得対応入球手段への遊技球の入球に基づき特別制御状態への移行が発生したことに対する遊技者の満足感を高めることが可能となる。
【1237】
特徴J5.前記取得対応入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記契機入球手段が前記入球可能状態となる状況において、取得対応報知が実行されるようにする報知実行手段(主側CPU63におけるステップS4413の処理を実行する機能、表示制御装置82)を備えていることを特徴とする特徴J1乃至J4のいずれか1に記載の遊技機。
【1238】
特徴J5によれば、取得対応入球手段への遊技球の入球が発生して契機入球手段が入球可能状態となることを、取得対応報知の実行を通じて遊技者に報知することが可能となる。これにより、せっかく取得対応入球手段への遊技球の入球が発生して契機入球手段が入球可能状態となったにも関わらず、それに気づかずに契機入球手段への遊技球の入球機会を消失させてしまうという事象を発生しづらくさせることが可能となる。
【1239】
特徴J6.前記報知実行手段は、前記所定の遊技状態において前記取得対応入球手段に遊技球が入球したことを条件として、前記取得対応報知が実行されるようにすることを特徴とする特徴J5に記載の遊技機。
【1240】
所定の遊技状態ではない遊技状態においては特別入球手段への遊技球の入球が可能となるため契機入球手段が入球可能状態となることに遊技者の意識が向いている可能性が高いが、所定の遊技状態においては特別入球手段への遊技球の入球が発生しないため契機入球手段が入球可能状態となることに対する遊技者の意識が低い可能性がある。この場合に、特徴J6によれば、所定の遊技状態において取得対応入球手段に遊技球が入球したことを条件として取得対応報知が実行されるため、契機入球手段が入球可能状態となることに対して遊技者の意識を向けさせることが可能となる。また、契機入球手段が入球可能状態となることに遊技者の意識が向いている可能性が高い所定の遊技状態ではない遊技状態においては取得対応報知が実行されないようにすることにより、取得対応報知の実行が遊技者にとって煩わしいものとなってしまわないようにすることが可能となる。
【1241】
特徴J7.前記特別入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特別契機情報を取得し、前記取得対応入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記特別契機情報を取得する手段を備え、
前記契機入球手段は前記特別契機情報が取得されたことに基づいて前記入球可能状態となる構成であり、
前記報知実行手段は、前記特別契機情報が取得されていない状況において前記取得対応入球手段に遊技球が入球することで前記特別契機情報が取得されたことを条件として、前記取得対応報知が実行されるようにすることを特徴とする特徴J5又はJ6に記載の遊技機。
【1242】
特徴J7によれば、契機入球手段が入球可能状態となることに対する遊技者の意識が低い状況において取得対応報知が実行されるようにすることが可能となる。
【1243】
特徴J8.所定の態様で発射操作を行っている場合に遊技球が流下する領域に、前記可変入球手段、前記特別入球手段及び前記取得対応入球手段が設けられていることを特徴とする特徴J1乃至J7のいずれか1に記載の遊技機。
【1244】
特徴J8によれば、所定の態様による発射操作を継続することにより、可変入球手段への遊技球の入球、特別入球手段への遊技球の入球、及び取得対応入球手段への遊技球の入球を狙うことが可能となる。
【1245】
特徴J9.前記所定の態様で発射操作を行っている場合よりも特定の態様で発射操作を行っている場合の方が前記契機入球手段に遊技球が到達し易くなる位置に当該契機入球手段が設けられていることを特徴とする特徴J8に記載の遊技機。
【1246】
特徴J9によれば、所定の遊技状態において契機入球手段が入球可能状態となった場合には特定の態様で発射操作を行うことで、当該契機入球手段への遊技球の入球が発生し易くなるようにすることが可能となる。
【1247】
なお、特徴J1~J9の構成に対して、特徴A1~A41、特徴B1~B20、特徴C1~C4、特徴D1~D10、特徴E1~E7、特徴F1~F45、特徴G1~G18、特徴H1~H8、特徴I1~I11、特徴J1~J9、特徴K1~K9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【1248】
上記特徴F群、上記特徴G群、上記特徴H群、上記特徴I群及び上記特徴J群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
【1249】
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシンなどが知られている。これらの遊技機では、所定の移行条件が成立したことに基づいて遊技状態を特別制御状態に移行させることで、遊技者に利益を付与する構成が知られている。
【1250】
パチンコ機について具体的には、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づく内部抽選にて当選結果となることで特別制御状態に移行する構成や、所定の入球部に遊技球が入球したことに基づき特別制御状態に移行する構成が知られている。そして、特別制御状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき遊技球が払い出されるようになっている。
【1251】
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
【1252】
<特徴K群>
特徴K1.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PA)に設けられ、遊技球の入球が可能又は遊技球が入球し易い第1状態と遊技球の入球が不可又は遊技球が入球しづらい第2状態とのそれぞれに切換可能に設けられた第1可変入球手段(第1特電入賞装置291)と、
当該第1可変入球手段の下流に設けられ、遊技球の入球が可能又は遊技球が入球し易い第1状態と遊技球の入球が不可又は遊技球が入球しづらい第2状態とのそれぞれに切換可能に設けられた第2可変入球手段(第2特電入賞装置292)と、
単位制御状態において前記第1可変入球手段及び前記第2可変入球手段の両方が前記第1状態となっている期間が生じるように制御する単位制御手段(主側CPU63における図85(a)に示す特電用の開放設定処理を実行する機能及び図85(b)に示す特電用の閉鎖設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【1253】
特徴K1によれば、単位制御状態において第1状態となっている第1可変入球手段に入り損ねた遊技球が、第1状態となっている第2可変入球手段に入球し得る。これにより、単位制御状態において可変入球手段に遊技球が入球し易くなる。
【1254】
特徴K2.前記単位制御状態が複数回実行される特別制御状態(開閉実行モード)に遊技状態を移行させる手段(主側CPU63における特図確定中処理を実行する機能)を備え、
一の実行回の前記単位制御状態が終了する場合に前記第1可変入球手段の位置から前記第2可変入球手段に向けて流下を開始した遊技球が次の実行回の前記単位制御状態において前記第1状態となっている前記第2可変入球手段に入球する構成であることを特徴とする特徴K1に記載の遊技機。
【1255】
特徴K2によれば、単位制御状態が終了するタイミングにおいて第1可変入球手段の位置に到達していたにも関わらず当該第1可変入球手段に入球することができなかった遊技球は次の実行回の単位制御状態において第2可変入球手段に入球する。これにより、特別制御状態において可変入球手段への遊技球の入球を狙って発射操作を行ったにも関わらず可変入球手段に入球しない遊技球の数を抑えることが可能となる。
【1256】
特徴K3.前記単位制御手段は、前記単位制御状態が開始される場合に前記第1可変入球手段及び前記第2可変入球手段の両方が前記第1状態となるように制御することを特徴とする特徴K1又はK2に記載の遊技機。
【1257】
特徴K3によれば、単位制御状態が開始される場合に第1可変入球手段及び第2可変入球手段の両方が第1状態となるように制御されることにより、これら可変入球手段が第1状態となるタイミングが個別に設定されている構成に比べて処理負荷を軽減することが可能となる。また、一の実行回の単位制御状態において第1可変入球手段に入球漏れした遊技球が次の実行回の単位制御状態において第2可変入球手段に入球し得ることとなる。
【1258】
特徴K4.前記単位制御手段は、前記単位制御状態が開始される場合に前記第1可変入球手段及び前記第2可変入球手段の両方が前記第1状態となり、前記単位制御状態が終了する場合に前記第1可変入球手段及び前記第2可変入球手段の両方が前記第2状態となるように制御することを特徴とする特徴K1乃至K3のいずれか1に記載の遊技機。
【1259】
特徴K4によれば、単位制御状態において各可変入球手段を制御するための処理負荷を軽減することが可能となる。また、本構成によれば単位制御状態において遊技球の入球対象となるのは基本的に第1可変入球手段としながら、一の実行回の単位制御状態において第1可変入球手段に入球漏れした遊技球が次の実行回の単位制御状態において第2可変入球手段に入球し得ることとなる。
【1260】
特徴K5.前記単位制御状態が複数回実行される特別制御状態に遊技状態を移行させる手段(主側CPU63における特図確定中処理を実行する機能)を備え、
前記特別制御状態において一の実行回の前記単位制御状態が終了してから次の実行回の前記単位制御状態が開始されるまでの期間が、前記第1可変入球手段の位置から前記第2可変入球手段の位置に遊技球が到達するまでに要する期間よりも短いことを特徴とする特徴K3又はK4に記載の遊技機。
【1261】
特徴K5によれば、一の実行回の単位制御状態において第1可変入球手段に入球漏れした遊技球が次の実行回の単位制御状態において第2可変入球手段に入球し得ることとなる。また、このような入球漏れを発生しづらくさせるための構成を、第1可変入球手段と第2可変入球手段との位置関係の調整によって実現することが可能となる。
【1262】
特徴K6.前記第1可変入球手段及び前記第2可変入球手段は所定の遊技領域を流下する遊技球が入球可能となる構成であり、
前記第1可変入球手段は、当該第1可変入球手段が前記第1状態である場合、前記所定の遊技領域を流下する遊技球が前記第1可変入球手段の入球部に誘導され、前記第2可変入球手段に向けて遊技球が流入することを阻止する第1変位部(第1特電入賞装置291の誘導板部214)を有していることを特徴とする特徴K5に記載の遊技機。
【1263】
特徴K6によれば、第1可変入球手段が第1状態である場合には第1可変入球手段への遊技球の入球漏れが発生しないようにすることができる。また、上記特徴K5の構成を備えていることにより仮に一の実行回の単位制御状態の終了タイミングにおいて第1可変入球手段への入球漏れが発生したとしても、その遊技球は第2可変入球手段に入球し易い。よって、特別制御状態における可変入球手段への入球漏れが発生しづらくなる。
【1264】
特徴K7.前記第2可変入球手段は、前記第2可変入球手段が前記第1状態である場合、前記所定の遊技領域を流下する遊技球であって前記第1可変入球手段の下流側に流入した遊技球が前記第2可変入球手段の入球部に誘導され、前記第2可変入球手段の下流側に遊技球が流入することを阻止する第2変位部(第2特電入賞装置292の誘導板部214)を有していることを特徴とする特徴K6に記載の遊技機。
【1265】
特徴K7によれば、仮に一の実行回の単位制御状態の終了タイミングにおいて第1可変入球手段への入球漏れが発生したとしても、その遊技球は第2可変入球手段に入球することとなる。
【1266】
特徴K8.前記第1可変入球手段よりも下流側であって前記第2可変入球手段よりも上流側に設けられ、上流側から流下してきた遊技球のさらなる下流側への流入を阻止する阻止状態と、当該遊技球のさらなる下流側への流入を阻止しない非阻止状態とのそれぞれに切換可能に設けられた阻止手段(流下阻止部材303)を備えていることを特徴とする特徴K1乃至K7のいずれか1に記載の遊技機。
【1267】
特徴K8によれば、第1可変入球手段への入球漏れが発生したとしてもその漏れた遊技球の下流側への流入を阻止手段によって阻止することが可能となる。そして、第2可変入球手段が第1状態となっている状況下において阻止手段が阻止状態から非阻止状態に切り換えられることにより、阻止状態により下流側への流入が阻止されている遊技球を第2可変入球手段に入球させることが可能となる。
【1268】
特徴K9.前記第1可変入球手段が前記第1状態から前記第2状態に切り換えられるタイミングよりも前のタイミングで前記阻止手段が前記阻止状態となるようにし、前記第2可変入球手段が前記第2状態から前記第1状態に切り換えられたタイミングよりも後のタイミングで前記阻止手段が前記非阻止状態となるようにする阻止制御手段(主側CPU63における流下阻止制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K8に記載の遊技機。
【1269】
特徴K9によれば、第1可変入球手段が第1状態から第2状態に切り換えられるタイミングよりも前のタイミングで阻止手段が阻止状態となっていることより、第1可変入球手段が第1状態から第2状態に切り換えられるタイミングで第1可変入球手段に対して入球漏れした遊技球のさらなる下流側への流入を阻止手段によって阻止することが可能となる。そして、第2可変入球手段が第2状態から第1状態に切り換えられたタイミングよりも後のタイミングで阻止手段が非阻止状態となることにより、阻止手段によって阻止された遊技球は第2可変入球手段に入球することとなる。よって、可変入球手段への入球漏れを阻止手段によって阻止することが可能となる。
【1270】
なお、特徴K1~K9の構成に対して、特徴A1~A41、特徴B1~B20、特徴C1~C4、特徴D1~D10、特徴E1~E7、特徴F1~F45、特徴G1~G18、特徴H1~H8、特徴I1~I11、特徴J1~J9、特徴K1~K9のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【1271】
上記特徴K群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
【1272】
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシンなどが知られている。これらの遊技機では、所定の移行条件が成立したことに基づいて遊技状態を特別制御状態に移行させることで、遊技者に利益を付与する構成が知られている。
【1273】
パチンコ機について具体的には、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づく内部抽選にて当選結果となることで特別制御状態に移行する構成や、所定の入球部に遊技球が入球したことに基づき特別制御状態に移行する構成が知られている。そして、特別制御状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき遊技球が払い出されるようになっている。
【1274】
ここで、上記例示等のような遊技機においては特別制御状態の実行態様を好適なものとする必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
【1275】
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
【1276】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
【1277】
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
【符号の説明】
【1278】
10…パチンコ機、32…特電入賞装置、33…第1作動口、34…第2作動口、35…スルーゲート、45b…入口部、63…主側CPU、82…表示制御装置、214…誘導板部、241…誘導釘群、251…第1特別入球口、252…第2特別入球口、261…第1特電入賞装置、262…第2特電入賞装置、263…第1スルーゲート、264…第2スルーゲート、265…第1大入賞口、266…第2大入賞口、267…第1誘導釘群、268…第2誘導釘群、271…第1誘導板、281…第2誘導板、291…第1特電入賞装置、292…第2特電入賞装置、303…流下阻止部材、311…突発用ゲート、312…制限釘、PA…遊技領域。
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