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特開2023-168495表示装置、表示方法、及び表示プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168495
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】表示装置、表示方法、及び表示プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
G06F3/01 510
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023172059
(22)【出願日】2023-10-03
(62)【分割の表示】P 2019174271の分割
【原出願日】2019-09-25
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(72)【発明者】
【氏名】清水 裕介
(72)【発明者】
【氏名】須山 明昇
(72)【発明者】
【氏名】高橋 真那夢
(57)【要約】
【課題】使用者の負担を低減することが可能な表示装置、表示方法、及び表示プログラム
を提供する。
【解決手段】表示装置は、表示部を有する本体部と、表示部に表示する映像を取得する映
像取得部と、取得した映像から所定のオブジェクトを抽出する映像解析部と、所定のオブ
ジェクトに対する好みを示す嗜好データを記憶する嗜好記憶部と、嗜好記憶部に記憶され
た嗜好データと、映像解析部が抽出したオブジェクトとの一致度合いを示す嗜好一致度を
求める演算部と、嗜好一致度に基づいて、所定のオブジェクトを所定の表示態様により表
示部に表示する表示制御部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を有する本体部が屋内に位置するか否かについての環境情報を検出する環境情報検出部と、
前記環境情報に応じて、ユーザが嗜好する要素を備えたオブジェクトを並べて表示する数を制御する表示制御部と、
を備えた制御装置。
【請求項2】
表示部を有する本体部が屋内に位置するか否かについての環境情報を検出する環境情報検出ステップと、
前記環境情報に応じて、ユーザが嗜好する要素を備えたオブジェクトを並べて表示する数を制御する表示制御ステップと、
を含む制御方法。
【請求項3】
表示部を有する本体部が屋内に位置するか否かについての環境情報を検出する環境情報検出ステップと、
前記環境情報に応じて、ユーザが嗜好する要素を備えたオブジェクトを並べて表示する数を制御する表示制御ステップと、
をコンピュータに実行させる制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示方法、及び表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
配信者側の配信装置と受信者側の受信装置との間を通信可能な状態とすることにより、
遠隔地の受信者に対して臨場感を感じられるように映像を配信する情報配信システムが知
られている(例えば、特許文献1参照)。このような情報配信システムでは、配信者が配
信装置として、例えばヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDと表記する)、スマー
トフォン等の表示部を有する表示装置を装着又は保持した状態で、遠隔地の受信者に対し
てショッピングを代行することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-259135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術では、ショッピングの代行者である表示装置の使用者(配信者)が、依頼者
(受信者)の好みに応じた商品の映像を受信者に提供する等、受信者の意に沿うように行
動することが求められる。そのため、使用者は依頼者と頻繁にコミュニケーションをとる
必要が生じ、負担が大きくなる場合がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、使用者の負担を低減することが可能な表
示装置、表示方法、及び表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る表示装置は、表示部を有する本体部と、前記表示部に表示する映像を取得
する映像取得部と、取得した前記映像から所定のオブジェクトを抽出する映像解析部と、
前記オブジェクトについての嗜好データを記憶する嗜好記憶部と、前記嗜好記憶部に記憶
された前記嗜好データに基づいて、前記映像解析部が抽出した前記オブジェクトの嗜好一
致度を求める演算部と、前記嗜好一致度に基づいて、前記オブジェクトの前記映像を所定
の表示態様により前記表示部に表示する表示制御部とを備える。
【0007】
本発明に係る表示方法は、本体部に設けられる表示部に表示する映像を取得することと
、取得した前記映像から所定のオブジェクトを抽出することと、前記オブジェクトについ
て予め記憶された嗜好データに基づいて、前記抽出されたオブジェクトの嗜好一致度を求
めることと、前記嗜好一致度に基づいて、前記オブジェクトの前記映像を所定の表示態様
により前記表示部に表示することとを含む。
【0008】
本発明に係る表示プログラムは、本体部に設けられる表示部に表示する映像を取得する
処理と、取得した前記映像から所定のオブジェクトを抽出する処理と、前記所定のオブジ
ェクトに対する好みを示す嗜好データと、前記抽出されたオブジェクトとの一致度合いを
示す嗜好一致度を求める処理と、前記嗜好一致度に基づいて、前記所定のオブジェクトを
所定の表示態様により前記表示部に表示する処理とをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、配信者の負担を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態に係る表示装置の一例を示す図である。
図2図2は、嗜好記憶部に記憶される嗜好データの一例を示す図である。
図3図3は、環境情報記憶部に記憶される環境情報の一例を示す図である。
図4図4は、表示装置の表示部における表示内容の一例を示す図である。
図5図5は、表示装置の表示部における表示内容の他の例を示す図である。
図6図6は、本実施形態に係る表示方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る表示装置、表示方法、及び表示プログラムの実施形態を図面に基づ
いて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下
記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に
同一のものが含まれる。
【0012】
図1は、本実施形態に係る表示装置100の一例を示す図である。図1に示すように、
表示装置100は、本体部10と、撮影部20と、制御装置30とを有する。本体部10
は、使用者が頭部に装着可能な装着機構を有する。本体部10は、表示部11を有する。
表示部11は、映像等の情報を表示可能である。本実施形態では、表示装置100の一例
として、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)装置が用いられる構成を説明する。この
場合、表示部11は、いわゆるVR(Virtual Reality)デバイス、AR
(Augmented Reality)グラス等のヘッドマウントディスプレイであり
、使用者が頭部に装着した状態で使用者の両眼を覆う位置に配置される。
【0013】
撮影部20は、本体部10に装着される。撮影部20としては、例えばカメラ等が用い
られる。撮影部20は、使用者が本体部10を頭部に装着した状態において、使用者目線
での映像を撮影することが可能である。撮影部20は、撮影した映像を制御装置30に送
信する。
【0014】
制御装置30は、CPU(Central Processing Unit)等の処
理装置と、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read
Only Memory)等の記憶装置を有する。制御装置30は、映像取得部31、
映像解析部32、演算部33、環境情報検出部34、表示制御部35、記憶部36、通信
部37を有する。
【0015】
映像取得部31は、撮影部20で撮影された映像を取得する。映像解析部32は、取得
した映像から所定のオブジェクトを抽出する。所定のオブジェクトとしては、例えば所定
の店舗で販売される商品等が挙げられる。映像解析部32は、取得した映像について画像
処理等を行うことにより、映像にオブジェクトが映っている場合、当該オブジェクトを抽
出することが可能である。なお、後述の記憶部36には、映像解析部32が画像処理にお
いて各種判定を行うためのデータ等が記憶される。
【0016】
オブジェクトは、1つ又は複数の要素を含む。例えば、オブジェクトが衣服である場合
を例に挙げて説明する。衣服は、ジャンル(ポロシャツ、Tシャツ、Yシャツ、ズボン、
等)、形状(全体の輪郭、各部:襟、袖、ボタン、ポケット等の形状)、寸法(全体の寸
法、各部:襟、袖等の寸法)、色彩又は模様、素材等の各種要素を有する。
【0017】
衣服を購入する場合、人によって又は購入時期等によって、オブジェクトの要素につい
ての嗜好が異なる。例えば、衣服の種類については、ポロシャツを好む人と、Tシャツを
好む人とが存在する。また、夏季には夏物の衣服が好まれやすく、冬季には冬物の衣服が
好まれやすい。本実施形態では、このようなオブジェクトの要素についての購入者(例え
ば、受信者)の嗜好(好み)を示す要素データが嗜好データとして記憶部36の嗜好記憶
部36aに記憶される。また、嗜好データとしては、オブジェクトの要素とは別個に設定
されるものであってもよい。例えば、購入者の前回の購入履歴に基づいて嗜好データが設
定されてもよい。また、購入者のスマートフォン等から情報を取得することで、例えばイ
ンターネットの閲覧履歴又は検索履歴等に基づいて嗜好データを設定することもできる。
【0018】
演算部33は、嗜好記憶部36aに記憶された嗜好データに基づいて、映像解析部32
が抽出したオブジェクトの嗜好一致度を求める。嗜好一致度は、抽出されたオブジェクト
と、嗜好データに示される嗜好との嗜好一致度を示す値である。演算部33は、嗜好一致
度を求める場合、抽出されたオブジェクトの要素と、記憶部36の嗜好記憶部36aに記
憶されるオブジェクトの要素についての要素データとの間の類似度に基づいてスコアを算
出し、スコアの合計に基づいて嗜好一致度を求める。例えば、スコアが高いほど、嗜好一
致度が高くなる。また、スコアが低いほど、嗜好一致度が低くなる。また、例えばオブジ
ェクトが衣服である場合、形状又は色等の要素は、オブジェクトを選択するにあたり重要
な要素であり、大きな影響力を持つ。このため、形状又は色等の要素の類似度については
、他の要素に比べて重み付けをしてスコアを算出することができる。また、演算部33は
、スコアが所定の閾値よりも高いか低いかの2段階で嗜好一致度を算出してもよい。
【0019】
環境情報検出部34は、本体部10の周囲の環境についての環境情報を検出する。環境
情報検出部34は、検出した環境情報を記憶部36の環境情報記憶部36bに記憶させる
。環境情報としては、例えば本体部10を装着する使用者の状態(移動中、移動停止中、
会話中等)、本体部10に装着される撮影部20の状態(カメラの画角等)、本体部10
が位置する場所(屋内、屋外、店内、店外等)、本体部10が店内に位置する場合の店内
の状況(商品との距離、商品の価格、商品の在庫等)、天候(天気、気温、湿度等)等が
挙げられる。なお、環境情報検出部34の具体的な構成について説明する。環境情報検出
部34は、GPSセンサを含み、位置情報を検出することで、使用者の状態(移動中、移
動停止中など)を示す環境情報を検出する。また、環境情報検出部34は、記憶部36に
記憶されたカメラの画角等の設定を読み出すことで、撮影部20の状態(カメラの画角等
)を示す環境情報を検出する。また、環境情報検出部34は、記憶部36に記憶された地
図情報を読出し、位置情報と地図情報とを対比することで本体部10が位置する場所(屋
内、屋外、店内、店外等)を検出する。もしくは、環境情報検出部34は、Wi-Fi(
登録商標)やBluetooth(登録商標)による電波を受信可能なアンテナモジュー
ルを含み、店舗などに設置された無線送信機からの電波を受信した場合には、本体部10
が位置する場所(屋内、店内等)を検出する。もしくは、環境情報検出部34は、映像取
得部31から撮影された映像を取得し、その映像から店舗を示すQRコード(登録商標)
が解析された場合には、本体部10が位置する場所(屋内、店内等)を検出する。さらに
、環境情報検出部34は、インターネットに接続可能なアンテナモジュールを含み、特定
のサーバからインターネットを介して店内の状況(商品との距離、商品の価格、商品の在
庫等)、天候(天気、気温、湿度等)等を示す環境情報を検出する。環境情報検出部34
は、上述の構成の全てを含んでもよく、一部だけを含んでもよい。
【0020】
表示制御部35は、表示部11の表示動作を制御する。表示制御部35は、映像取得部
31により取得された映像を表示部11に表示させる。また、表示制御部35は、演算部
33で算出される嗜好一致度に基づいて、オブジェクトの映像を所定の表示態様で表示部
11に表示する。所定の表示態様としては、他の領域に対して強調して表示する強調表示
等が挙げられる。例えば、オブジェクトの輪郭を強調する表示態様、オブジェクトに対し
てバウンディングボックスを表示する表示態様、オブジェクトを拡大して表示する表示態
様、オブジェクトに対するエフェクト(きらきら、オーラ等)を表示する表示態様、オブ
ジェクト以外の領域の視認性を低下させる表示態様、等が挙げられる。
【0021】
記憶部36は、各種情報を記憶する。記憶部36は、例えばハードディスクドライブ、
ソリッドステートドライブ等のストレージを有している。なお、記憶部36として、リム
ーバブルディスク等の外部記憶媒体が用いられてもよい。記憶部36は、制御装置30か
ら独立して設けられてもよい。記憶部36は、上記のように嗜好記憶部36a及び環境情
報記憶部36bを有する。
【0022】
嗜好記憶部36aは、オブジェクトの要素についての嗜好データを記憶する。図2は、
嗜好記憶部36aに記憶される嗜好データの一例を示す図である。図2に示すように、嗜
好記憶部36aには、オブジェクトの要素(ジャンル、形状、色等)と、ヨウ素の具体的
種類と、当該具体的種類についての係数とが対応付けて記憶される。係数は、嗜好一致度
を求める場合に、スコアを算出する際の重み付けの値である。係数は、対象者の嗜好に応
じて対象者毎に値が設定される。
【0023】
環境情報記憶部36bは、環境情報検出部34によって検出された環境情報を記憶する
図3は、環境情報記憶部36bに記憶される環境情報の一例を示す図である。図3に示
すように、環境情報記憶部36bは、検出された環境情報の具体的種類と、当該種類につ
いての環境情報とが対応付けて記憶される。
【0024】
また、記憶部36は、本体部10に設けられる表示部11に表示する映像を取得する処
理と、取得した映像から所定のオブジェクトを抽出する処理と、所定のオブジェクトに対
する好みを示す嗜好データと、抽出されたオブジェクトとの一致度合いを示す嗜好一致度
を求める処理と、嗜好一致度に基づいて、所定のオブジェクトを所定の表示態様により表
示部11に表示する処理とをコンピュータに実行させる表示プログラムを記憶する。
【0025】
通信部37は、不図示のネットワークを介して情報の通信が可能である。通信部37は
、有線及び無線のいずれの通信を行うものであってもよい。通信部37は、例えば情報と
して、映像取得部31により取得された映像、表示制御部35により所定の表示態様で表
示されるオブジェクトの映像等を送信することができる。
【0026】
本実施形態では、遠隔地にいる受信者(依頼者)の依頼により、使用者が実際の店舗に
おいて衣服(オブジェクト)のショッピングを代行する場合を例に挙げて説明する。受信
者側には、表示装置100の通信部37から送信される情報を受信可能な受信装置200
が設けられる。受信装置200は、不図示の表示部を有する。受信装置200は、通信部
37から送信される映像が表示部201に表示されるようになっている。受信者は、受信
装置200の表示部201を見ることにより、使用者と同様に、表示装置100の表示部
11に表示される映像、つまり、撮影部20により取得される映像及び所定の表示態様で
表示されるオブジェクトの映像を見ることができる。
【0027】
次に、上記のように構成された表示装置100の動作を説明する。使用者は、表示装置
100の本体部10を頭部に装着し、購入するオブジェクトを販売する店舗に行く。撮影
部20は、使用者目線の映像を撮影する。表示制御部35は、映像取得部31により取得
された映像を表示部11に表示させる。環境情報検出部34は、本体部10の周囲の環境
情報を取得し、環境情報を記憶部36の環境情報記憶部36bに記憶させる。なお、オブ
ジェクトに対する受信者の嗜好データは、予め記憶部36の嗜好記憶部36aに記憶して
おく。
【0028】
図4は、表示装置100の表示部11における表示内容の一例を示す図である。使用者
が屋外又は屋内を移動していることが環境情報検出部34により検出される場合、表示制
御部35は、購入目的となるオブジェクトのうち受信者が嗜好する要素を備えたオブジェ
クトの画像を表示部11に表示することができる。図4に示すように、表示制御部35は
、例えば表示部11の所定の表示領域12にオブジェクトの画像を示すことができる。な
お、図4では、オブジェクトの画像以外の映像については省略している。
【0029】
このとき、表示制御部35は、環境情報に応じて、表示部11に表示するオブジェクト
の数を調整することができる。例えば、表示制御部35は、撮影部20の画角が大きい場
合には表示数を多くし、画角が小さい場合には表示数を少なくする等、撮影部20の画角
の設定に応じてオブジェクトの表示数を調整することができる。また、例えば表示制御部
35は、本体部10が屋外に位置している場合にはオブジェクトの表示数を少なくし、屋
内に位置している場合にはオブジェクトの表示数を多くし、目的とするオブジェクトを販
売する店舗内に位置している場合にはオブジェクトの表示数を更に多くすることができる
。また、表示制御部35は、天気が悪い(雨、雪、強風等)場合には、天気が良い(晴れ
、曇等)場合に比べて、オブジェクトの表示数を少なくしてもよい。
【0030】
使用者が目的の店舗に入店した場合、環境情報検出部34は、本体部10の周囲の環境
情報を店外から店内へと変更する。環境情報が店内に変更された場合、表示制御部35は
、オブジェクトの表示態様を変更する。図5は、表示部11の表示内容の他の例を示す図
である。使用者が店舗内にいる状態において、表示制御部35は、図5に示すように、受
信者が嗜好するオブジェクトの表示領域12を拡大する。
【0031】
また、映像取得部31は、撮影部20で撮影された映像を取得する。映像解析部32は
、取得した映像から衣服のオブジェクトを抽出する。演算部33は、嗜好記憶部36aに
記憶された嗜好データに基づいて、映像解析部32が抽出したオブジェクトの嗜好一致度
を求める。演算部33は、例えば抽出されたオブジェクトのスコアを算出し、所定の閾値
よりも高い場合には嗜好一致度が高いと判定し、所定の閾値よりも低い場合には嗜好一致
度が低いと判定する。また、環境情報検出部34は、本体部10の周囲の環境についての
環境情報を検出し、検出した環境情報を記憶部36の環境情報記憶部36bに記憶させる
【0032】
表示制御部35は、演算部33で算出される嗜好一致度及び環境情報検出部34で検出
される環境情報に基づいて、オブジェクトの映像を所定の表示態様で表示部11に表示す
る。図5は、表示装置100の表示部11における表示内容の他の例を示す図である。図
5に示すように、表示制御部35は、映像解析部32が抽出したオブジェクトP1、P2
、P3をそれぞれ表示部11に表示することができる。このうち、例えば一致度が高いと
判定したオブジェクトP1については、他のオブジェクトP2、P3に比べて拡大して表
示してもよい。また、表示制御部35は、例えば一致度が最も高いオブジェクトP1を表
示領域13の中央に表示してもよい。また、表示制御部35は、一致度が低いと判定した
オブジェクトP3については、例えば全体に網掛け表示を行って視認性を低下させるよう
な表示態様としてもよい。オブジェクトの所定の表示形態については、上記に限定されず
、他の表示形態としてもよい。
【0033】
また、表示制御部35は、例えば店舗内において、一致度が高いと判定されたオブジェ
クトP1、P2について、当該オブジェクトP1、P2に対応する商品と本体部10との
距離が近づく場合に、距離が近づくにつれて表示の強調性を高める等の表示態様としても
よい。例えば、表示制御部35は、当該オブジェクトP1、P2に対応する商品が撮影さ
れた映像を解析し、数十秒間における撮影された商品の大きさの変化に基づいて、商品と
本体部10との距離が近づいているか否かを判定してもよい。
【0034】
また、環境情報検出部34は、例えばオブジェクトP1、P2に対応する商品の価格及
び在庫の少なくとも一方についての商品情報を店舗から取得してもよい。この場合、表示
制御部35は、当該商品情報に応じてオブジェクトP1、P2を強調表示することができ
る。表示制御部35は、例えばオブジェクトP1、P2に対応する商品の価格が割引価格
となっている場合に、当該オブジェクトP1、P2を強調表示してもよい。また、オブジ
ェクトP1、P2に対応する商品の在庫が残り少ない場合に、在庫が少ないことが判別可
能となるようにオブジェクトP1、P2を点滅させるなどの強調表示を行ってもよい。な
お、強調表示の態様は上記態様に限定されず、他の態様とすることが可能である。
【0035】
また、表示制御部35は、オブジェクトを表示部11に表示する場合、例えば本体部1
0が屋内に位置する場合には、本体部10が屋内に位置しない場合に比べて、表示するオ
ブジェクトの数を多くすることができる。このように、表示制御部35は、環境情報に応
じてオブジェクトの表示数を調整することができる。
【0036】
図6は、本実施形態に係る表示方法の一例を示すフローチャートである。図6に示すよ
うに、映像取得部31は、撮影部20で撮影される映像を取得する(ステップS10)。
表示制御部35は、取得した映像を表示部11に表示される。また、映像解析部32は、
取得した映像から所定のオブジェクトを抽出する(ステップS20)。ステップS20に
おいて、映像解析部32は、所定のオブジェクトごとに用意したテンプレートによりパタ
ーンマッチングなどの画像処理を行うことで、所定のオブジェクトを抽出することができ
る。なお、映像解析部32による所定のオブジェクトの抽出手法はこれに限定されず、種
々の画像処理手法を用いることができる。
【0037】
演算部33は、オブジェクトについて予め記憶部36の嗜好記憶部36aに記憶された
嗜好データに基づいて、上記の抽出されたオブジェクトの嗜好一致度を求める(ステップ
S30)。ステップS30において、演算部33は、オブジェクトの要素ごとに要素デー
タとの類似度に応じたスコアを算出し、スコアの総計に基づいて嗜好一致度を求める。
【0038】
表示制御部35は、求めた嗜好一致度に基づいて、オブジェクトの映像を所定の表示態
様により表示部11に表示する(ステップS40)。ステップS40において、表示制御
部35は、嗜好一致度に加えて、環境情報検出部34により取得される環境情報に基づい
てオブジェクトの映像の表示態様を設定してもよい。
【0039】
以上のように、本実施形態に係る表示装置100は、表示部11を有する本体部10と
、表示部11に表示する映像を取得する映像取得部31と、取得した映像から所定のオブ
ジェクトを抽出する映像解析部32と、所定のオブジェクトに対する好みを示す嗜好デー
タを記憶する嗜好記憶部36aと、嗜好記憶部36aに記憶された嗜好データと、映像解
析部32が抽出たオブジェクトとの一致度合いを示す嗜好一致度を求める演算部33と、
嗜好一致度に基づいて、所定のオブジェクトを所定の表示態様により表示部11に表示す
る表示制御部35とを備える。
【0040】
また、本実施形態に係る表示方法は、本体部10に設けられる表示部11に表示する映
像を取得することと、取得した映像から所定のオブジェクトを抽出することと、所定のオ
ブジェクトに対する好みを示す嗜好データと、抽出されたオブジェクトとの一致度合いを
示す嗜好一致度を求めることと、嗜好一致度に基づいて、所定のオブジェクトを所定の表
示態様により表示部11に表示することとを含む。
【0041】
また、本実施形態に係る表示プログラムは、本体部10に設けられる表示部11に表示
する映像を取得する処理と、取得した映像から所定のオブジェクトを抽出する処理と、所
定のオブジェクトに対する好みを示す嗜好データと、抽出されたオブジェクトとの一致度
合いを示す嗜好一致度を求める処理と、嗜好一致度に基づいて、所定のオブジェクトを所
定の表示態様により表示部11に表示する処理とをコンピュータに実行させる。
【0042】
本実施形態によれば、予め記憶された嗜好データに基づいて、抽出されたオブジェクト
の嗜好一致度を求め、求めた嗜好一致度に基づいてオブジェクトの映像を所定の表示態様
により表示部11に表示する。これにより、外部と頻繁なコミュニケーションをとらなく
ても、選択すべきオブジェクトを使用者に容易に把握させることができるため、使用者の
負担を低減することができる。
【0043】
本実施形態に係る表示装置100は、本体部10の周囲の環境についての環境情報を検
出する環境情報検出部34を更に備え、表示制御部35は、嗜好一致度と環境情報とに基
づいて表示態様を設定する。これにより、本体部10の周囲の環境に応じて柔軟に表示態
様を設定することができる。
【0044】
本実施形態に係る表示装置100において、環境情報は、本体部10が屋内に位置する
か否かについての情報を含み、表示制御部35は、本体部10が屋内に位置する場合、本
体部10が屋内に位置しない場合に比べて、表示するオブジェクトの数を多くする。これ
により、屋内に位置しない場合、つまり屋外に位置する場合において、表示するオブジェ
クトの数が少なくなるため、使用者の視界を確保できる。
【0045】
本実施形態に係る表示装置100において、オブジェクトは、所定の店舗で販売される
商品であり、環境情報は、本体部10が店舗内に位置するか否かについての情報を含む。
これにより、本体部10が店舗内に位置する場合と、店舗内に位置しない場合とで表示態
様を異なるように設定することができる。
【0046】
本実施形態に係る表示装置100において、環境情報は、本体部10とオブジェクトに
対応する商品との距離を含み、表示制御部35は、距離が近づくにつれてオブジェクトを
拡大表示させる。これにより、使用者に対して、オブジェクトに対応する商品に近づいて
いることを直感的に認識させることができる。
【0047】
本実施形態に係る表示装置100において、環境情報は、オブジェクトの価格及びオブ
ジェクトの在庫数の少なくとも一方についての商品情報を含み、表示制御部35は、商品
情報に応じた表示態様を設定する。これにより、使用者に商品情報を併せて認識させるこ
とができる。
【0048】
本実施形態に係る表示装置100において、嗜好データは、オブジェクトの要素ごとに
設定可能な要素データを含み、演算部33は、映像解析部32が抽出したオブジェクトの
要素と嗜好記憶部36aに記憶された要素データとの間の類似度に基づいてスコアを算出
し、スコアの合計に基づいて嗜好一致度を求める。これにより、嗜好一致度を高精度に求
めることができる。
【0049】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しな
い範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、オブジェクトとし
て衣服を例に挙げて説明したが、これに限定されず、他の種類の商品がオブジェクトであ
ってもよい。また、表示装置100としては、上記実施形態のHMD装置には限定されず
、例えばスマートフォン等、表示部を有する端末装置等であってもよい。
【符号の説明】
【0050】
P1,P2,P3…オブジェクト、10…本体部、11,201…表示部、12,13
…表示領域、20…撮影部、30…制御装置、31…映像取得部、32…映像解析部、3
3…演算部、34…環境情報検出部、35…表示制御部、36…記憶部、36a…嗜好記
憶部、36b…環境情報記憶部、37…通信部、100…表示装置、200…受信装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6