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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168556
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】補助吸収体
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/505 20060101AFI20231116BHJP
   A61F 13/47 20060101ALI20231116BHJP
   A61F 13/56 20060101ALI20231116BHJP
【FI】
A61F13/505
A61F13/47 100
A61F13/56 110
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023172916
(22)【出願日】2023-10-04
(62)【分割の表示】P 2019115623の分割
【原出願日】2019-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】000110044
【氏名又は名称】株式会社リブドゥコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】受川 和雄
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 嶺
(57)【要約】
【課題】吸収性物品に取り付けて用いる補助吸収体であって、使用の際、吸収性物品の所望の位置に適切に取り付けることが容易な補助吸収体を提供する。
【解決手段】吸収性物品の肌面側に取り付けて用いられ、長手方向yと幅方向xとを有する補助吸収体1であって、吸収体3と、吸収体3の肌面側と外面側を覆う液透過性の被覆シート4とを有する本体部2と、本体部2の外面側に設けられた粘着部7と、粘着部7の外面側に、粘着部7を覆うように設けられた剥離シート8とを有し、被覆シート8は、吸収体3の肌面側に配された第1被覆シートと、吸収体3の外面側に配された第2被覆シートから構成され、第2被覆シートは、幅方向の両端部が吸収体3の幅方向の側縁に沿って折り返され、第1被覆シートの肌面側に接合され、剥離シート8は、長手方向yに延び、本体部2の長手方向yの少なくとも一方側の端縁より長手方向yの外方に延出している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品の肌面側に取り付けて用いられ、長手方向と幅方向とを有する補助吸収体であって、
吸収体と、前記吸収体の肌面側と外面側を覆う液透過性の被覆シートとを有する本体部と、
前記本体部の外面側に設けられた粘着部と、
前記粘着部の外面側に、前記粘着部を覆うように設けられた剥離シートとを有し、
前記被覆シートは、吸収体の肌面側に配された第1被覆シートと、吸収体の外面側に配された第2被覆シートから構成され、
第2被覆シートは、幅方向の両端部が吸収体の幅方向の側縁に沿って折り返され、第1被覆シートの肌面側に接合され、
第2被覆シートの第1被覆シートとの接合部は、長手方向の全体にわたって第2被覆シートの幅方向の両端縁から15mm以内の領域に設けられ、かつ第2被覆シートの幅方向の両端縁は第1被覆シートに対して非接合となっており、
前記剥離シートは、長手方向に延び、本体部の長手方向の少なくとも一方側の端縁より長手方向の外方に延出していることを特徴とする補助吸収体。
【請求項2】
前記剥離シートは、本体部の長手方向の両端縁より長手方向の外方に延出している請求項1に記載の補助吸収体。
【請求項3】
前記被覆シートは、吸収体の長手方向の両端縁より長手方向の外方に延出し、本体部の長手方向の両端部に、吸収体が存在しないマージン部が形成され、
前記粘着部は、吸収体と重なる位置に設けられ、マージン部を長手方向に2等分した外側半分の領域には設けられない請求項1または2に記載の補助吸収体。
【請求項4】
前記粘着部は、本体部の幅方向の中心線を含んで、長手方向に延びるように設けられている請求項1~3のいずれか一項に記載の補助吸収体。
【請求項5】
前記剥離シートは、本体部よりも幅方向に狭く形成されている請求項1~4のいずれか一項に記載の補助吸収体。
【請求項6】
前記剥離シートは、長手方向の一方側に設けられた第1剥離シートと長手方向の他方側に設けられた第2剥離シートから構成され、第1剥離シートが本体部の長手方向の一方側の端縁より長手方向の外方に延出し、第2剥離シートが本体部の長手方向の他方側の端縁より長手方向の外方に延出している請求項1~5のいずれか一項に記載の補助吸収体。
【請求項7】
前記剥離シートには、剥離シートを長手方向に2つに分離する切断可能線が設けられている請求項1~6のいずれか一項に記載の補助吸収体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿パッドや使い捨ておむつ等の吸収性物品と併用される補助吸収体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、吸収性物品の吸収能力を高めたり漏れ防止効果を高めるために、吸収性物品の肌面側に取り付けて用いる補助吸収体が知られている(例えば、特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-267145号公報
【特許文献2】特開2004-261442号公報
【特許文献3】特開2011-72612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
補助吸収体は、吸収性物品の肌面側に取り付けるために、外面側に粘着部が設けられる場合があり、補助吸収体の使用前は、粘着部が剥離シートで覆われていることが一般的である。このように構成された補助吸収体は、使用の際、吸収性物品の所望の位置に適切に取り付けることが望まれ、これにより、補助吸収体によって着用者から排泄された尿等が好適に吸収され、吸収能力を高めたり漏れ防止効果を高めることができる。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸収性物品に取り付けて用いる補助吸収体であって、使用の際、吸収性物品の所望の位置に適切に取り付けることが容易な補助吸収体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決することができた本発明の補助吸収体とは、吸収性物品の肌面側に取り付けて用いられ、長手方向と幅方向とを有する補助吸収体であって;吸収体と、吸収体の肌面側と外面側を覆う液透過性の被覆シートとを有する本体部と;本体部の外面側に設けられた粘着部と;粘着部の外面側に、粘着部を覆うように設けられた剥離シートとを有し;剥離シートは、長手方向に延び、本体部の長手方向の少なくとも一方側の端縁より長手方向の外方に延出しているところに特徴を有する。
【0007】
本発明の補助吸収体は、上記のように、粘着部を覆う剥離シートが、本体部の長手方向の少なくとも一方側の端縁より長手方向の外方に延出するように設けられている。そのため、補助吸収体を吸収性物品の肌面側に載置しておおよその取り付け位置を決めた後、その状態で剥離シートの長手方向の端縁を指で摘まんだり引っ掛けて剥離シートを剥がすことで、補助吸収体の位置を大きく動かすことなく、補助吸収体を、吸収性物品の肌面側の所望する位置に適切に取り付けることが容易になる。
【0008】
剥離シートは、本体部の長手方向の両端縁より長手方向の外方に延出していることが好ましい。これにより、補助吸収体の長手方向の一方側からも他方側からも剥離シートを簡単に剥がしやすくなり、補助吸収体の取り付け作業が容易になる。
【0009】
被覆シートは、吸収体の肌面側に配された第1被覆シートと、吸収体の外面側に配された第2被覆シートから構成され、第2被覆シートは、幅方向の両端部が吸収体の幅方向の側縁に沿って折り返され、第1被覆シートの肌面側に接合されていることが好ましい。このように被覆シートが構成されることにより、補助吸収体の幅方向の両端部に、被覆シートが吸収体よりも幅方向の外方に延出した部分が形成されず、補助吸収体の幅方向の側面からの尿等の吸収性能を向上させることができる。また、着用者から排泄された尿等が第1被覆シート上に排泄された際に、尿等が第1被覆シート上を幅方向に拡散しても、第2被覆シートによってさらに幅方向の外方に拡散することが防止され、より多くの尿等が補助吸収体によって好適に吸収されやすくなる。
【0010】
上記のように被覆シートが構成される場合、第2被覆シートの第1被覆シートとの接合部は、長手方向の全体にわたって第2被覆シートの幅方向の両端縁から15mm以内の領域に設けられ、かつ第2被覆シートの幅方向の両端縁は第1被覆シートに対して非接合となっていることが好ましい。この場合、第2被覆シートの幅方向の両側縁と第1被覆シートとの間に隙間が形成され、この隙間によって第1被覆シート上を幅方向に拡散した尿等が第2被覆シートを越えにくくなる。そのため、補助吸収体によって尿等がより好適に吸収されやすくなる。
【0011】
被覆シートは、吸収体の長手方向の両端縁より長手方向の外方に延出し、本体部の長手方向の両端部に、吸収体が存在しないマージン部が形成され、粘着部は、吸収体と重なる位置に設けられ、マージン部を長手方向に2等分した外側半分の領域には設けられないことが好ましい。このように粘着部が設けられることにより、剥離シートの長手方向の端縁を摘まんだり指で引っ掛けたりしやすくなり、剥離シートを剥がす作業が容易になる。
【0012】
粘着部は、本体部の幅方向の中心線を含んで、長手方向に延びるように設けられることが好ましい。このように粘着部が設けられていれば、着用者から排泄された尿等が補助吸収体に吸収された際に、本体部の幅方向の中央部に設けられた粘着部が不透液層として機能することにより、尿等が補助吸収体の厚み方向に速やかに透過しにくくなり、尿等が補助吸収体内で幅方向や長手方向に拡散しやすくなる。そのため、補助吸収体のより多くの部分が尿等の吸収に寄与しやすくなる。
【0013】
剥離シートは、本体部よりも幅方向に狭く形成されていることが好ましい。これにより、剥離シートを本体部から剥がす際に、片方の手で本体部を持ち、もう片方の手で剥離シートを摘まむことができ、剥離シートを剥がす作業が容易になる。
【0014】
剥離シートは、長手方向の一方側に設けられた第1剥離シートと長手方向の他方側に設けられた第2剥離シートから構成され、第1剥離シートが本体部の長手方向の一方側の端縁より長手方向の外方に延出し、第2剥離シートが本体部の長手方向の他方側の端縁より長手方向の外方に延出するように構成されていてもよい。このように第1剥離シートと第2剥離シートが設けられていれば、補助吸収体を吸収性物品の所望する位置に適切に取り付けることがさらに容易になる。すなわち、補助吸収体を吸収性物品の肌面側に載置しておおよその取り付け位置を決めた後、補助吸収体の長手方向の他方側を位置固定しながら第1剥離シートを剥がして、補助吸収体の長手方向の一方側を吸収性物品の肌面側に取り付け、さらに第2剥離シートを剥がして補助吸収体の長手方向の他方側を吸収性物品の肌面側に取り付けることで、補助吸収体を所望する位置により適切に取り付けることが容易になる。
【0015】
剥離シートには、剥離シートを長手方向に2つに分離する切断可能線が設けられていてもよい。この場合、剥離シートを切断可能線で切断することにより、長手方向の一方側と他方側にそれぞれ、第1剥離シートと第2剥離シートが形成されるものとなる。そのため、このように剥離シートが形成されていても、補助吸収体を所望する位置により適切に取り付けることが容易になる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の補助吸収体は、外面側に粘着部が設けられ、当該粘着部を覆う剥離シートが、本体部の長手方向の少なくとも一方側の端縁より長手方向の外方に延出するように設けられている。そのため、補助吸収体を吸収性物品の肌面側に載置しておおよその取り付け位置を決めた後、その状態で剥離シートの長手方向の端縁を指で摘まんだり引っ掛けて剥離シートを剥がすことで、補助吸収体の位置を大きく動かすことなく所望する位置に適切に取り付けることが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の補助吸収体の一例を表し、補助吸収体を肌面側から見た平面図を表す。
図2図1に示した補助吸収体を外面側から見た平面図を表す。
図3図1および図2に示した補助吸収体のIII-III断面図を表す。
図4】本発明の補助吸収体の吸収性物品への取り付け例を表し、吸収性物品の肌面側に補助吸収体が載置された状態を肌面側から見た平面図を表す。
図5図4に示した補助吸収体が取り付けられた吸収性物品のV-V断面図を表し、補助吸収体の剥離シートが剥がされて吸収性物品の肌面側に取り付けられた状態を表す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の補助吸収体は、吸収性物品に取り付けて用いるものであり、具体的には、使い捨ておむつや尿パッド等に取り付けて使用される。本発明の補助吸収体は、吸収性物品の肌面側に取り付けて用いられ、着用者から一時的に大量に排泄された尿等を吸収して尿等の横漏れ防止に寄与したり、吸収性物品の吸収容量を高めるために用いられる。
【0019】
補助吸収体は長手方向と幅方向を有する。補助吸収体は、通常、吸収性物品の前後方向と補助吸収体の長手方向とが略一致するように使用され、補助吸収体の長手方向が着用者の股間の前後方向に対応するように用いられる。補助吸収体の幅方向は、補助吸収体と同一面上にあり、長手方向に対して垂直な方向を意味する。また、長手方向と幅方向から形成される面に対して垂直な方向を厚み方向とする。補助吸収体は厚み方向に対して肌面側と外面側を有する。肌面側とは、補助吸収体を使用した際に着用者の肌に向く側を意味し、外面側とは、補助吸収体を使用した際に着用者とは反対側に向く側を意味する。
【0020】
補助吸収体は、吸収体と、吸収体の肌面側と外面側を覆う液透過性の被覆シートとを有する本体部を有する。本体部の形状は特に限定されない。本体部の形状としては、略長方形、長円形、砂時計形、羽子板形等が挙げられる。なお、補助吸収体の製造容易性の点から、本体部は略長方形に形成されることが好ましい。本体部は、幅方向よりも長手方向に長く形成されることが好ましく、例えば、本体部の長手方向の長さは幅方向の長さの2.0倍以上が好ましく、2.5倍以上がより好ましく、3.0倍以上がさらに好ましく、また5.0倍以下が好ましく、4.5倍以下がより好ましく、4.0倍以下がさらに好ましい。
【0021】
吸収体は、尿等の排泄物を吸収できる吸収性材料を含むものであれば特に限定されない。吸収体は、例えば、吸収性材料を所定形状に成形した成形体を吸収性コアとして有したり、当該吸収性コアを紙シート(例えば、ティッシュペーパーや薄葉紙)や液透過性不織布シート等の被覆シートで覆われて構成されてもよい。吸収性材料としては、例えば、パルプ繊維等の親水性繊維や、ポリアクリル酸系、ポリアスパラギン酸系、セルロース系、デンプン・アクリロニトリル系等の吸水性樹脂等が挙げられる。また、吸水性材料には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維や、PET等のポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の熱融着性繊維が含まれてもよい。これらの熱融着性繊維は、尿等との親和性を高めるために、界面活性剤等により親水化処理がされていてもよい。
【0022】
吸収性材料は、尿等の吸収速度を高める点から、親水性繊維を必須的に含むことが好ましい。従って、吸収体は、親水性繊維(特にパルプ繊維)の集合体から形成された吸収性コアを有することが好ましい。また、吸収容量を高める点からは、吸収性材料は吸水性樹脂を含むことが好ましく、従って、吸収性コアは吸水性樹脂を含む親水性繊維の集合体から形成されることがより好ましい。この場合、例えば、親水性繊維の集合体に吸水性樹脂を混合または散布したものを用いることが好ましい。
【0023】
吸収体の目付は、例えば100g/m2以上が好ましく、120g/m2以上がより好ましく、150g/m2以上がさらに好ましく、これにより補助吸収体の吸収容量を高める
ことができる。一方、補助吸収体が過度に嵩張らないようにする点から、吸収体の目付は例えば500g/m2以下が好ましく、400g/m2以下がより好ましく、300g/m2以下がさらに好ましい。
【0024】
被覆シートは液透過性であり、吸収体の肌面側と外面側の両面を覆うように設けられる。これにより、補助吸収体を吸収性物品の肌面側に取り付けて使用した際に、着用者から排泄された尿等を補助吸収体の肌面側から吸収することができるとともに、吸収性物品の肌面側に溢れた尿等も補助吸収体の外面側から吸収することができる。被覆シートは、吸収体の肌面側と外面側の全体を覆うように設けられることが好ましい。
【0025】
液透過性の被覆シートとしては、例えば、セルロース、レーヨン、コットン等の親水性繊維から形成された不織布や;ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布であって、疎水性繊維の表面が界面活性剤により親水化されたもの等を用いることができる。不織布としては、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、エアスルー不織布、メルトブロー不織布、エアレイド不織布、スパンレース不織布、SMS不織布等を用いることができる。また、液透過性の被覆シートとして、織布、編布、有孔プラスチックフィルム等を用いてもよい。
【0026】
被覆シートは、1枚のシートから構成されていてもよく、複数枚のシートから構成されていてもよい。例えば、被覆シートを1枚のシートから構成し、当該シートの幅方向の中央部を吸収体の外面側に位置させ、幅方向の両端部を吸収体の幅方向の側縁に沿って吸収体の肌面側に折り返して吸収体の肌面側に位置するようにし、肌面側に折り返された両端部どうしを接合することにより、本体部を形成してもよい。また、被覆シートを1枚のシートから構成し、当該シートの幅方向の中央部を吸収体の肌面側に位置させ、幅方向の両端部を吸収体の幅方向の側縁に沿って吸収体の外面側に折り返して吸収体の外面側に位置するようにし、外面側に折り返された両端部どうしを接合することにより、本体部を形成してもよい。あるいは、被覆シートを1枚のシートから構成し、当該シートを2つ折りしてその間に吸収体を配し、2つ折りされたシートの周縁部を互いに接合することにより、本体部を形成することもできる。
【0027】
被覆シートが複数枚のシートから構成される場合、被覆シートは、吸収体の肌面側に配された第1被覆シートと、吸収体の外面側に配された第2被覆シートから構成することができる。なお、第1被覆シートと第2被覆シートはいずれも液透過性であることが好ましい。この場合、第1被覆シートと第2被覆シートの間に吸収体を配し、第1被覆シートと第2被覆シートの周縁部を互いに接合することにより、本体部を形成することができる。また、第1被覆シートと第2被覆シートの間に吸収体を配し、第1被覆シートの幅方向の両端部を、吸収体の幅方向の側縁に沿って吸収体の外面側に折り返し、第2被覆シートに接合することにより、本体部を形成してもよい。あるいは、第1被覆シートと第2被覆シートの間に吸収体を配し、第2被覆シートの幅方向の両端部を、吸収体の幅方向の側縁に沿って吸収体の肌面側に折り返し、第1被覆シートに接合することにより、本体部を形成することもできる。
【0028】
なお、被覆シートは、吸収体の幅方向の側縁に沿って肌面側または外面側に折り返されていることが好ましい。これにより、補助吸収体の幅方向の両端部に、被覆シートが吸収体よりも幅方向の外方に延出した部分が形成されず、補助吸収体の幅方向の側面からの尿等の吸収性能を向上させることができる。また、補助吸収体を使用の際に、補助吸収体を吸収性物品の肌面側に取り付ける作業を行いやすくなるとともに、吸収体よりも幅方向の外方に延出した被覆シートの端縁が着用者の肌に当たることによって着用者が違和感を覚えることも起こらなくなる。
【0029】
一方、本体部の長手方向の両端部には、被覆シートどうしが吸収体を介さずに接合されたマージン部が形成されることが好ましい。すなわち、被覆シートは吸収体の長手方向の両端縁より長手方向の外方に延出し、本体部の長手方向の両端部に吸収体が存在しないマージン部が形成されることが好ましい。これにより、補助吸収体を吸収性物品の肌面側に取り付けたり、あるいは取り外したりする際に、補助吸収体の長手方向の両端部に形成されたマージン部を摘まむことで、補助吸収体の取り扱いが容易になる。本体部の長手方向の両端部に形成されるマージン部の長手方向の長さは、10mm以上が好ましく、15mm以上がより好ましく、また40mm以下が好ましく、30mm以下がより好ましい。
【0030】
本体部の外面側には粘着部が設けられる。補助吸収体は、粘着部が設けられることにより、吸収性物品に固定して使用することができる。粘着部は、具体的には、吸収体の外面側に位置する被覆シートの外面側に設けられる。
【0031】
粘着部の外面側には、粘着部を覆うように剥離シートが設けられる。剥離シートは粘着部に対して剥離可能に設けられ、補助吸収体を使用の際は、剥離シートを剥がすことにより粘着部が露出し、補助吸収体を吸収性物品の肌面側に取り付けることができる。剥離シートは、粘着部の全部を覆うように設けられる。
【0032】
粘着部は、粘着剤により形成されればよい。粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等を用いることができる。ゴム系粘着剤としては、例えば、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレン-ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)等が挙げられる。粘着剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0033】
粘着剤には、粘着付与剤、酸化防止剤、可塑剤、粘度調整剤等が含まれていてもよい。粘着付与剤としては従来公知のものを使用することができ、例えば、ジシクロペンタジエン樹脂、C5系またはC9系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂等を使用することができる。
【0034】
剥離シートは、例えば、プラスチックフィルムから構成したり、プラスチックフィルムを含む積層体(例えば、プラスチックフィルムに紙、不織布、織布または編布等が積層された積層体)を採用すればよい。後者の場合、プラスチックフィルムが粘着部との接触面となるように剥離シートが構成される。剥離シートは、基材に剥離加工を施したものを用いることもできる。剥離加工としては、基材にシリコーン樹脂を塗布しシリコーン樹脂層を設ける方法(シリコーン加工)が挙げられる。このとき、シリコーン樹脂が基材に染み込むのを防止するために、シリコーン樹脂と基材の間に目止め層を設けてもよい。目止め層は、例えば、ポリエチレンやポリビニルアルコールから構成される。基材に剥離加工を施す場合、製造容易性やコスト面から、基材として紙を用いることが好ましい。
【0035】
剥離シートは、長手方向に延び、本体部の長手方向の少なくとも一方側の端縁より長手方向の外方に延出するように設けられる。補助吸収体は、このように剥離シートが設けられることにより、補助吸収体を吸収性物品の所望の位置に適切に取り付けることが容易になる。具体的には、補助吸収体を吸収性物品の肌面側に載置しておおよその取り付け位置を決めた後、その状態で剥離シートの長手方向の端縁を指で摘まんだり引っ掛けて剥離シートを剥がすことで、補助吸収体の位置を大きく動かすことなく所望する位置に適切に取り付けることが可能となる。
【0036】
剥離シートは、本体部の長手方向の一方側と他方側の両端縁より長手方向の外方に延出していることが好ましい。これにより、補助吸収体の長手方向の一方側からも他方側からも剥離シートを剥がしやすくなり、補助吸収体の取り付け作業が容易になる。
【0037】
剥離シートは、本体部の長手方向の端縁より0.5mm以上長手方向の外方に延出していることが好ましく、1.0mm以上がより好ましい。このように剥離シートが設けられることにより、剥離シートの長手方向の端縁を摘まんだり指で引っ掛けたりしやすくなり、剥離シートを剥がす作業が容易になる。一方、補助吸収体の使用前に剥離シートが不用意に剥がれにくくする点から、剥離シートは、本体部の長手方向の端縁より5.0mm以下長手方向の外方に延在していることが好ましく、4.0mm以下がより好ましく、3.0mm以下がさらに好ましい。
【0038】
粘着部は、長手方向に連続的または断続的に延びるように設けられることが好ましい。このように粘着部が設けられることにより、剥離シートが本体部に安定して設置される。なお、粘着部が長手方向に断続的に設けられる場合、その断続部の長手方向の長さは15mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましく、5mm以下がさらに好ましい。
【0039】
粘着部は、吸収体と重なる位置に設けられることが好ましく、吸収体を長手方向に3等分して長手方向の一方側から第1部分と第2部分と第3部分とに区分したとき、少なくとも吸収体の第1部分と第3部分と重なる位置に粘着部が設けられることが好ましい。粘着部は、吸収体の第2部分と重なる位置に設けられても設けられなくてもよいが、吸収性物品の肌面側に補助吸収体を安定して取り付ける点から、粘着部は吸収体の第2部分と重なる位置にも設けられることが好ましい。
【0040】
粘着部は、吸収体の長手方向の両端縁から長手方向の内方に20mm以内の領域(より好ましくは15mm以内の領域)に設けられることが好ましい。このように粘着部が設けられることにより、剥離シートの長手方向の端部が本体部から過剰に浮くことなく、剥離シートが本体部に安定して設置される。また、補助吸収体を吸収性物品の肌面側に安定して取り付けることができる。もちろん、粘着部はそれよりも長手方向の内方部分に設けられてもよく、例えば粘着部は、吸収体の長手方向の両端縁から長手方向の内方に20mm以内の領域から吸収体の第2部分にかけて、連続的または断続的に設けられることが好ましい。
【0041】
本体部の長手方向の両端部に吸収体が存在しないマージン部が設けられる場合、粘着部は、マージン部を長手方向に2等分したときの外側半分の領域(すなわちマージン部の長手方向の端縁側半分の領域)には設けられないことが好ましい。このように粘着部が設けられることにより、剥離シートの長手方向の端縁を摘まんだり指で引っ掛けたりしやすくなり、剥離シートを剥がす作業が容易になる。
【0042】
粘着部の幅方向の長さは、本体部の幅方向の長さの60%以下であることが好ましく、50%以下がより好ましい。このように粘着部が設けられることにより、補助吸収体を吸収性物品の肌面側に取り付ける際に、本体部の粘着部以外の部分を持つことで、補助吸収体の取り付け作業が容易になる。一方、補助吸収体の吸収性物品の肌面側への接合力を確保する観点から、粘着部の幅方向の長さは、本体部の幅方向の長さの10%以上であることが好ましく、20%以上がより好ましい。
【0043】
粘着部は、本体部の幅方向の中心線を含んで、長手方向に延びるように設けられることが好ましい。このように粘着部が設けられていれば、着用者から排泄された尿等が補助吸収体に吸収された際に、本体部の幅方向の中央部に設けられた粘着部が不透液層として機能することにより、尿等が補助吸収体の厚み方向に速やかに透過しにくくなり、尿等が補助吸収体内で幅方向や長手方向に拡散しやすくなる。そのため、補助吸収体のより多くの部分が尿等の吸収に寄与しやすくなる。
【0044】
剥離シートは、本体部の幅方向の端縁より幅方向の外方に延在しないことが好ましく、本体部よりも幅方向に対して狭く形成されていることが好ましい。これにより、剥離シートを本体部から剥がす際に、片方の手で本体部を持ち、もう片方の手で剥離シートを摘まむことができ、剥離シートを剥がす作業が容易になる。剥離シートの幅方向の長さは、本体部の幅方向の長さの70%以下が好ましく、60%以下がより好ましい。
【0045】
剥離シートは、1つのみ設けられてもよく、2つ以上設けられてもよい。剥離シートは、例えば、幅方向に並んで2つ以上設けることができ、この場合、幅方向に並んで設けられた剥離シートは、互いに離隔して設けられてもよく、互いに接して設けられてもよく、一部が互いに重なるように設けられてもよい。この場合、粘着部は、長手方向に延びるように1つのみ設けてもよく、幅方向に並んで2つ以上設けてもよい。
【0046】
剥離シートは、長手方向に並んで2つ設けることもできる。この場合は、長手方向の一方側に第1剥離シートを設け、他方側に第2剥離シートを設け、第1剥離シートが本体部の長手方向の一方側の端縁より長手方向の外方に延出し、第2剥離シートが本体部の長手方向の他方側の端縁より長手方向の外方に延出するように設けることができる。第1剥離シートと第2剥離シートは、長手方向に互いに離隔して設けられてもよく、互いに接して設けられてもよく、一部が互いに重なるように設けられてもよい。このように第1剥離シートと第2剥離シートを設けることにより、補助吸収体を吸収性物品の所望する位置に適切に取り付けることがさらに容易になる。すなわち、補助吸収体を吸収性物品の肌面側に載置しておおよその取り付け位置を決めた後、補助吸収体の長手方向の他方側を位置固定しながら第1剥離シートを剥がして、補助吸収体の長手方向の一方側を吸収性物品の肌面側に取り付け、さらに第2剥離シートを剥がして補助吸収体の長手方向の他方側を吸収性物品の肌面側に取り付けることで、補助吸収体を所望する位置により適切に取り付けることが可能となる。
【0047】
剥離シートは、ミシン目等の切断可能線が設けられ、切断可能線で切断することにより長手方向に2つに分離するように形成されていてもよい。この場合、剥離シートを切断可能線で切断することにより、長手方向の一方側と他方側にそれぞれ第1剥離シートと第2剥離シートが形成されるものとなる。切断可能線は、幅方向に真っ直ぐ延びるように形成されていてもよく、斜めに延びるように形成されていてもよい。この場合、切断可能線と重なる位置には粘着部が設けられないことが好ましく、これにより剥離シートを長手方向の一方側または他方側から引っ張った際に、剥離シートを切断可能線で切断することが容易になる。
【0048】
次に本発明の補助吸収体の構成例を、図面を参照して説明する。図1図3は本発明の補助吸収体の一例を表し、図1は、補助吸収体を肌面側から見た平面図を表し、図2は、図1に示した補助吸収体を外面側から見た平面図を表し、図3は、図1および図2に示した補助吸収体のIII-III断面図を表す。図面では、矢印xが幅方向を表し、矢印yが長手方向を表し、矢印zが厚み方向を表す。なお、本発明は、図面に示した実施態様に限定されるものではない。
【0049】
補助吸収体1は、吸収体3が液透過性の被覆シート4で覆われて構成された本体部2と、本体部2の外面側に設けられた粘着部7と、粘着部7の外面側に、粘着部7を覆うように設けられた剥離シート8とを有する。剥離シート8は、長手方向yに延び、本体部2の長手方向yの両端縁より長手方向yの外方に延出している。図面に示した補助吸収体1では、粘着部7が、吸収体3と重なって、本体部2の幅方向xの中央部に、長手方向yに延びるように設けられており、剥離シート8は、本体部2の幅方向xの中央部に、粘着部7を覆うように、長手方向yに延びるように設けられている。補助吸収体1は、このように剥離シート8が設けられることにより、補助吸収体1を吸収性物品の所望の位置に適切に取り付けることが容易になる。これについて、図4および図5を参照して説明する。
【0050】
図4および図5には、補助吸収体の吸収性物品(テープタイプの使い捨ておむつ)への取り付け例を示した。図4には、剥離シート8が剥がされる前の補助吸収体1がテープタイプの使い捨ておむつ11の肌面側に載置された状態の平面図が示されており、図5には、剥離シート8が剥がされて粘着部7によって補助吸収体1が使い捨ておむつ11の肌面側に取り付けられた状態の断面図(図4におけるV-V断面)が示されている。
【0051】
使い捨ておむつ11は、トップシート12とバックシート13とこれらの間に配された吸収体14とを有する。トップシート12は、吸収性物品の着用の際に着用者側に位置するシートであり、液透過性であることが好ましい。トップシート12としては、親水性不織布や孔が形成されたプラスチックフィルム等を用いることができる。バックシート13は、吸収性物品の着用の際に着用者とは反対側、すなわち外側に位置するシートであり、液不透過性であることが好ましい。バックシート13としては、疎水性不織布、プラスチックフィルム、不織布とプラスチックフィルムとの積層体を用いることができる。吸収体14は、尿等の排泄物を吸収できる吸収性材料を含むものであれば特に限定されず、補助吸収体の吸収体の説明が参照される。
【0052】
トップシート12の幅方向の両側には、前後方向に延在する一対のサイドシート15が設けられている。サイドシート15はトップシート12に接合され、内方端に起立用弾性部材16が設けられている。サイドシート15は、起立用弾性部材16の収縮力によりサイドシート15の内方端が着用者の肌に向かって立ち上がり、これにより立ち上がりフラップが形成される。
【0053】
使い捨ておむつ11は、後側部の幅方向の両側に止着部材17が設けられ、前側部の外面側に止着対応部18が設けられている。止着部材17は基材シートに留め具(例えば、フック・ループ・ファスナーや粘着剤)が設けられて構成される。使い捨ておむつ11は、着用者の股間に当てて、止着部材17の留め具を止着対応部18に接合することで、パンツ形状に形成して装着することができる。
【0054】
使い捨ておむつ11の幅方向の両端部には、前後方向に延びる脚部弾性部材19が設けられることが好ましい。脚部弾性部材19により着用者の脚回りにギャザーが形成され、使い捨ておむつ11の脚回りのフィット性を高めることができる。使い捨ておむつ11はまた、前後方向の端部に幅方向に延びるウェスト弾性部材20が設けられることが好ましい。ウェスト弾性部材20により着用者の腰回りに沿ったウェストギャザーが形成され、腹部側や背中側からの尿等の漏れが防止される。
【0055】
図4に示されるように、補助吸収体1を使い捨ておむつ11の肌面側に取り付ける際は、まず補助吸収体1を使い捨ておむつ11の肌面側に載置して、おおよその取り付け位置を決める。図4に示した使い捨ておむつ11では、補助シート1は、左右のサイドシート15によって形成される立ち上がりフラップの間に配置する。その後、その状態で剥離シート8の端縁を指で摘まんだり引っ掛けて剥離シート8を剥がすことで、補助吸収体1の位置を大きく動かすことなく所望する位置に適切に取り付けることが可能となる。この際、補助吸収体1を使い捨ておむつ11の肌面側に載置した状態で、剥離シート8の端縁が補助吸収体1の本体部2からはみ出て存在するため、剥離シート8の端縁を摘まむことが容易になる。また、剥離シート8を目安にして補助シート1を使い捨ておむつ11の幅方向の真ん中に設置することが容易になる。
【0056】
図1および図2に示すように、吸収体3を包む被覆シート4は、吸収体3の長手方向yの両端縁より長手方向yの外方に延出し、本体部2の長手方向yの両端部に吸収体3が存在しないマージン部6が形成されることが好ましい。このようにマージン部6が設けられることにより、補助吸収体1を使い捨ておむつ11の肌面側に取り付けたり、あるいは取り外したりする際に、マージン部6を摘まむことで、補助吸収体1の取り扱いが容易になる。
【0057】
粘着部7は、吸収体3と重なる位置に設けられ、マージン部6を長手方向yに2等分したときの外側半分の領域には設けられないことが好ましい。このように粘着部7が設けられることにより、剥離シート8の長手方向yの端縁を摘まんだり指で引っ掛けたりしやすくなり、剥離シート8を剥がす作業が容易になる。図2では、粘着部7はマージン部6に全く設けられていないが、マージン部6を長手方向yに2等分したときの内側半分の領域に設けられていてもよい。
【0058】
剥離シート8は、本体部2よりも幅方向xに狭く形成されていることが好ましい。これにより、剥離シート8を本体部2から剥がす際に、片方の手で本体部2を持ち、もう片方の手で剥離シート8を摘まむことができ、剥離シート8を剥がす作業が容易になる。
【0059】
図3に示すように、被覆シート4は、吸収体3の肌面側に配された第1被覆シート4Aと、吸収体3の外面側に配された第2被覆シート4Bとから構成され、第2被覆シート4Bは、幅方向xの両端部が吸収体3の幅方向xの側縁に沿って折り返され、第1被覆シート4Aの肌面側に接合していることが好ましい。このように被覆シート4が構成されることにより、補助吸収体1の幅方向xの両端部において被覆シート4が吸収体3よりも幅方向xの外方に延出した部分が形成されず、補助吸収体1の幅方向xの側面からの尿等の吸収性能を向上させることができる。また、着用者から排泄された尿等が第1被覆シート4A上に排泄された際に、尿等が第1被覆シート4A上を幅方向xに拡散しても、第2被覆シート4Bによってさらに幅方向xの外方に拡散することが防止され、尿等が補助吸収体1によって好適に吸収されやすくなる。
【0060】
第2被覆シート4Bの第1被覆シート4Aとの接合部5は、長手方向yの全体にわたって第2被覆シート4Bの幅方向xの両端縁から15mm以内の領域に設けられ、かつ第2被覆シート4Bの幅方向xの両端縁は第1被覆シート4Aに対して非接合となっていることが好ましい。すなわち、第2被覆シート4Bの幅方向xの両端縁が第1被覆シート4Aに接着剤等で固定されず、自由端として存在していることが好ましい。この場合、第2被覆シート4Bの幅方向xの両側縁と第1被覆シート4Aとの間に隙間が形成され、この隙間によって第1被覆シート4A上を幅方向xに拡散した尿等が第2被覆シート4Bを越えにくくなる。そのため、補助吸収体1によって尿等がより好適に吸収されやすくなる。接合部5は、第2被覆シート4Bの幅方向xの両端縁から12mm以内の領域にあることがより好ましく、10mm以内の領域にあることがさらに好ましい。また、第2被覆シート4Bの接合部5よりも幅方向xの端縁側には弾性部材が設けられないことが好ましい。
【0061】
吸収体3の肌面側に折り返された第2被覆シート4Bの幅方向xの一方側の端縁と他方側の端縁は、幅方向xに20mm以上互いに離隔していることが好ましく、25mm以上離隔していることがより好ましく、30mm以上離隔していることがさらに好ましい。これにより、吸収体3の肌面側で第1被覆シート4Aが第2被覆シート4Bと重ならない部分の面積が確保され、第1被覆シート4A上に排泄された尿等が補助吸収体1によって速やかに吸収されやすくなる。
【0062】
粘着部7は、補助吸収体1の幅方向xの中心線を含んで、長手方向yに延びるように設けられることが好ましい。このように粘着部7が設けられることにより、図5に矢印で示されるように、着用者から排泄された尿等が補助吸収体1に一旦吸収された後、補助吸収体1内で幅方向xの中央部に設けられた粘着部7によって幅方向xや長手方向yに拡散し、補助吸収体1のより多くの部分が尿等の吸収に寄与するものとなる。この状態でさらに補助吸収体1に尿等が吸収されると、尿等が粘着部7の非存在部分から補助吸収体1からその下側に位置する使い捨ておむつ11に移動し、尿等が使い捨ておむつ11の吸収体13に吸収される。このように補助吸収体1を使い捨ておむつ11と併用することにより、尿等を一度に大量に吸収することが可能となる。
【符号の説明】
【0063】
1: 補助吸収体
2: 本体部
3: 吸収体
4: 被覆シート、4A:第1被覆シート、4B:第2被覆シート
5: 接合部
6: マージン部
7: 粘着部
8: 剥離シート
11: 使い捨ておむつ(吸収性物品)
図1
図2
図3
図4
図5