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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168562
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】ハンドリングシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 43/08 20060101AFI20231116BHJP
   B65G 1/137 20060101ALN20231116BHJP
【FI】
B65G43/08 A
B65G1/137 A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023173231
(22)【出願日】2023-10-04
(62)【分割の表示】P 2020106132の分割
【原出願日】2020-06-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 昭人
(72)【発明者】
【氏名】小島 英昭
(57)【要約】
【課題】ロボットと作業者とを効率良く連携させる。
【解決手段】実施形態に係るハンドリングシステムは、複数種類の物品をハンドリングして処理をする。ハンドリングシステムは、第1搬送装置と、第2搬送装置と、制御装置とを備える。第1搬送装置は、ロボットが複数種類の物品のうちの処理の対象となる対象物品をハンドリングして処理をするための作業領域へと搬送する。第2搬送装置は、作業者が対象物品をハンドリングして処理をするための作業領域へと搬送する。制御装置は、過去において物品をロボットがハンドリングして処理をした結果に基づき生成された処理情報に従って、対象物品をロボットまたは作業者の何れにより処理をさせるか判断し、対象物品をロボットにより処理させると判断した場合には対象物品を第1搬送装置に送り、対象物品を作業者により処理させると判断した場合には対象物品を第2搬送装置に送るように制御する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の物品をハンドリングして処理をするハンドリングシステムであって、
ロボットが前記複数種類の物品のうちの処理の対象となる対象物品をハンドリングして処理をするための作業領域へと搬送する第1搬送装置と、
作業者が前記対象物品をハンドリングして処理をするための作業領域へと搬送する第2搬送装置と、
過去において物品を前記ロボットがハンドリングして処理をした結果に基づき生成された処理情報に従って、前記対象物品を前記ロボットまたは前記作業者の何れにより処理をさせるか判断し、前記対象物品を前記ロボットにより処理させると判断した場合には前記対象物品を前記第1搬送装置に送り、前記対象物品を前記作業者により処理させると判断した場合には前記対象物品を前記第2搬送装置に送るように動作する制御装置と、
を備えるハンドリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ハンドリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数種類の物品を扱うハンドリングシステムが知られている。例えば、複数種類の物品を搬送するコンベアと、エンドエフェクタの異なる複数のロボットを配置したハンドリングシステムが知られている。このようなハンドリングシステムにおいて、複数のロボットは、コンベアに沿って配置される。複数のロボットのそれぞれは、コンベアにより搬送された複数種類の物品のうち、自身が処理可能な物品をハンドリングし、ハンドリングした物品に対して所定の処理を行う。
【0003】
しかし、このようなハンドリングシステムは、取り扱う物品の種類が多い場合、複数種類の物品の全てロボットによりハンドリングさせることは困難である。例えば、特殊な形状または材質等の物品をハンドリングするロボットを配置させることは、エンドエフェクタおよびロボットハンド等の開発コストが高くなり、非効率である。従って、取り扱う物品の種類が多い場合、ハンドリングシステムは、作業者と連携して動作をする。作業者は、ロボットにより取り扱うことが困難な物品をハンドリングして処理を行う。
【0004】
しかし、汎用品および日用品を取り扱う物流倉庫等の現場は、取り扱う物品の種類の入れ替わりが多い。従って、このような現場に適用されるハンドリングシステムは、何れの物品がロボットにより取り扱うことができないかを判断することが困難である。このため、このような現場に適用されるハンドリングシステムは、ロボットと作業者とを効率良く連携させることが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-504333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、ロボットと作業者とを効率良く連携させることができるハンドリングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係るハンドリングシステムは、複数種類の物品をハンドリングして処理をする。前記ハンドリングシステムは、第1搬送装置と、第2搬送装置と、制御装置とを備える。前記第1搬送装置は、ロボットが前記複数種類の物品のうちの処理の対象となる対象物品をハンドリングして処理をするための作業領域へと搬送する。前記第2搬送装置は、作業者が前記対象物品をハンドリングして処理をするための作業領域へと搬送する。前記制御装置は、過去において物品を前記ロボットがハンドリングして処理をした結果に基づき生成された処理情報に従って、前記対象物品を前記ロボットまたは前記作業者の何れにより処理をさせるか判断し、前記対象物品を前記ロボットにより処理させると判断した場合には前記対象物品を前記第1搬送装置に送り、前記対象物品を前記作業者により処理させると判断した場合には前記対象物品を前記第2搬送装置に送るように制御する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係るハンドリングシステムを示す図。
図2】管理システムの機能構成を示す図。
図3】ロボットの構成の一例を示す図。
図4】エンドエフェクタ部の第1例を示す図。
図5】エンドエフェクタ部の第2例を示す図。
図6】エンドエフェクタ部の第3例を示す図。
図7】エンドエフェクタ部の第4例を示す図。
図8】ロボットコントローラの機能構成を示す図。
図9】物品処理システムを示す図。
図10】第1例に係る分配装置を示す図。
図11】第2例に係る分配装置を示す図。
図12】第3例に係る分配装置を示す図。
図13】第4例に係る分配装置を示す図。
図14】管理システムにより管理される情報の一例を示す図。
図15】対象物品に対する物品処理システムの処理の流れを示すフローチャート。
図16図15に続くフローチャート。
図17】入出荷システムを示す図。
図18】入出荷システムにおける入荷処理の流れを示す図。
図19】入出荷システムにおける出荷処理の流れを示す図。
図20】第1例に係る出荷システムを示す図。
図21】第1例に係る出荷システムにおける失敗時のコンテナの流れを示す図。
図22】第2例に係る出荷システムを示す図。
図23】第2例に係る出荷システムにおける失敗時のコンテナの流れを示す図。
図24】第3例に係る出荷システムを示す図。
図25】第3例に係る出荷作業者が処理を行う場合のコンテナの流れを示す図。
図26】第3例に係る出荷システムにおける失敗時のコンテナの流れを示す図。
図27】移動ロボットを用いた物品処理システムを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら実施形態について説明する。
【0010】
(ハンドリングシステム10)
図1は、実施形態に係るハンドリングシステム10を示す図である。ハンドリングシステム10は、複数種類の物品12のうちの処理対象となる対象物品14をロボット21または作業者23へと搬送し、ロボット21または作業者23により対象物品14をハンドリングさせて所定の処理を行わせる。
【0011】
ハンドリングシステム10は、搬送システム20と、1つまたは複数のロボット21と、1つまたは複数の端末装置22と、管理システム30と、外部システム32と、上位システム34とを備える。また、ハンドリングシステム10は、1人または複数の作業者23と連携して動作する。
【0012】
搬送システム20は、外部システム32から複数種類の物品12のうちの処理対象となる対象物品14を受け取り、受け取った対象物品14をロボット21の作業領域または作業者23の作業領域へと搬送する。搬送システム20は、複数のコンベア等を含むマテリアルハンドリング機器郡であってもよい。また、搬送システム20は、一部に移動ロボット24を含んでもよい。
【0013】
また、搬送システム20は、分配装置63を含む。分配装置63は、管理システム30からの制御に応じて、対象物品14をロボット21の作業領域、または、作業者23の作業領域の何れかに送る機構である。
【0014】
1つまたは複数のロボット21のそれぞれは、対象物品14が作業領域に搬送されてきた場合、搬送されてきた対象物品14をハンドリングして処理を行う。ハンドリングシステム10は、例えば複数種類のロボット21を備えており、異なる複数種類の物品12をハンドリングして処理することができる。例えば、ロボット21は、対象物品14に対して、ピッキング、箱詰め、荷降ろし、荷積み、開梱、検査および検品等の処理を行う。
【0015】
1つまたは複数の端末装置22のそれぞれは、何れかの作業者23により保持される。1人または複数の作業者23のそれぞれは、何れかの端末装置22を保持する。作業者23は、対象物品14が作業領域に搬送されてきた場合、搬送されてきた対象物品14をハンドリングして処理を行う。例えば、作業者23は、対象物品14に対して、ピッキング、箱詰め、荷降ろし、荷積み、開梱、検査および検品等の処理を行う。
【0016】
管理システム30は、コンピュータ等の情報処理装置である。管理システム30は、ネットワーク上のクラウドシステムであってもよいし、複数のコンピュータが連携して動作する装置であってもよい。管理システム30は、搬送システム20、ロボット21、端末装置22、および、外部システム32による、対象物品14の搬送および対象物品14に対する所定の処理を制御する。管理システム30は、上位システム34と情報のやり取り行い、上位システム34と連携して情報処理を行う。
【0017】
上位システム34は、コンピュータ等の情報処理装置である。上位システム34は、ネットワーク上のクラウドシステムであってもよいし、複数のコンピュータが連携して動作する装置であってもよい。上位システム34は、倉庫管理システム、在庫管理システムおよび輸送管理システム等であって、例えば、管理システム30の上位レイヤにおいて複数の物品12を保管、管理および搬送をするための情報処理を行う。
【0018】
外部システム32は、複数種類の物品12のうちの処理対象となる対象物品14を、搬送システム20に供給する。例えば、外部システム32は、複数種類の物品12を保管し、自動で入庫処理および出庫処理をする倉庫である。
【0019】
管理システム30は、機能ブロックとして、マスター部311と、データベース部312と、複数のスレーブ部313とを含む。
【0020】
マスター部311は、主に外部の機器、システムおよびデータベース部312とのインタフェースとなる。マスター部311は、搬送システム20による対象物品14の搬送の制御、および、搬送計画の最適化を行う。複数のスレーブ部313のそれぞれは、ロボット21および端末装置22等の、搬送システム20が備える機器と接続される。複数のスレーブ部313のそれぞれは、接続された機器を管理したり、接続された機器に指示を与えたり、接続された機器から作業状況を取得したりする。また、端末装置22に接続されたスレーブ部313は、作業者23に与える命令を端末装置22に表示させたり、作業者23により入力された情報を端末装置22から取得したり、端末装置22によりセンシングされた作業状況を端末装置22から取得したりする。
【0021】
ハンドリングシステム10にロボット21等の機器を追加したり、ハンドリングシステム10から機器を取り除いたりする場合、管理システム30は、対応するスレーブ部313を追加したり削除したりする。これにより、管理システム30は、マスター部311およびデータベース部312の変更を少なくすることができる。
【0022】
図2は、管理システム30の機能構成を示す図である。管理システム30は、機能構成として、データ管理部321と、データ解析部322と、オペレーション部323と、サービス-ユーザインタフェース部324と、業務管理部325と、SoS-API部326とを有する。
【0023】
データ管理部321は、データベース部312を管理する。データベース部312は、ロボット21および搬送システム20が処理する物品12の情報、ロボットデータ、エンドエフェクタデータ、および、稼働データ等を保存する。稼働データは、例えば、ロボット21の可動状況および物品12に対する処理結果等の運用中に発生する情報を含む。データ管理部321は、データベース部312からデータを取得したり、データベース部312により管理されているデータを更新したりする。
【0024】
データ解析部322は、データ管理部321から必要なデータを取得する。また、データ解析部322は、取得したデータに基づき、オペレーション部323において実行されるオペレーションに必要となる解析処理を実行する。
【0025】
オペレーション部323は、データ更新オペレーション、および、ロボット動作指令オペレーション等を実行する。データ更新オペレーションにおいて、オペレーション部323は、データ解析部322による解析結果に基づき、データベース部312に保存されたデータを取捨選択したり、複数のデータから新たなデータを生成したりする。ロボット動作指令オペレーションにおいて、オペレーション部323は、データ解析部322による解析結果に基づき、各ロボット21を制御したり、搬送システム20を制御したり、分配装置63を制御したりする。
【0026】
また、オペレーション部323は、対象物品14をロボット21へ搬送したり、対象物品14の種類に併せてロボット21のエンドエフェクタを交換したり、ロボット21に対して処理内容を指示したりする。また、対象物品14を作業者23へと搬送したり、作業者23が保持する端末装置22に対して処理内容を送信したりする。これにより、オペレーション部323は、ロボット21と作業者23とを効率良く連携させることができる。
【0027】
サービス-ユーザインタフェース部324は、ユーザインタフェースを通じて、データ管理部321により入出力させるデータを受け付ける。また、サービス-ユーザインタフェース部324は、データ解析部322による解析結果に基づき生成されたメンテナンス情報または現場改善情報を、外部装置に提供する。
【0028】
また、サービス-ユーザインタフェース部324は、データ管理部321およびデータ解析部322からの情報に基づき、ハンドリングシステム10におけるオペレーションの実行状態を視覚化して外部装置に提供してもよい。また、サービス-ユーザインタフェース部324は、遠隔地からの操作入力を受け付けてもよい。
【0029】
業務管理部325は、サービス-ユーザインタフェース部324により入出力されるデータおよびデータ管理部321により管理されるデータを用いて、CAE(Computer aided engineering)、PLM(Product Lifecycle Management)およびEAM(Enterprise Asset Management)等の機能を実行する。
【0030】
SoS-API部326(System of Systems Application Programing Interface)は、外部システム32および上位システム34に接続するためのインタフェースを提供する。例えば、SoS-API部326は、WMS(Warehouse Management System)、MES(Manufacturing Execution System)およびTMS(Transportation Management System)等を提供する。
【0031】
図3は、ロボット21の構成の一例を示す図である。図3に示すロボット21は、対象物品14を、物品コンテナから集荷コンテナに移し替える。すなわち、図3に示すロボット21は、物品コンテナから対象物品14を取り出し、取り出した対象物品14を集荷コンテナに入れる。また、図3に示すロボット21は、対象物品14を一時的に保持したり、対象物品14を箱に詰めたりすることもできる。
【0032】
ロボット21は、筐体411と、マニピュレータ412と、ロボットコントローラ413とを含む。
【0033】
筐体411は、マニピュレータ412を支持する。また、筐体411は、ロボットコントローラ413と接続される。また、筐体411は、各駆動部を動作させるための電源部、圧縮空気を貯めるボンベ、コンプレッサー、真空ポンプ、ユーザインタフェース等の外部インタフェース、並びに、ライトカーテンおよび衝突検知器等の安全機構等を含む。
【0034】
マニピュレータ412は、アーム部431と、エンドエフェクタ部432とを含む。アーム部431は、複数のサーボモータで駆動される多関節ロボットである。例えば、図3に示すアーム部431は、6軸の垂直多関節ロボットである。アーム部431は、例えば、多軸の垂直多関節ロボット、スカラロボットおよび直動ロボット等を組み合わせた構成であってもよい。エンドエフェクタ部432は、対象物品14を吸着したり、ジャミングしたり、挟み込んだり、多指機構により把持したりする機構である。
【0035】
ロボットコントローラ413は、筐体411に接続され、アーム部431およびエンドエフェクタ部432を制御する。ロボットコントローラ413は、管理システム30と接続され、管理システム30からの指示に応じて動作する。
【0036】
また、ロボット21は、物品コンテナ引込部441、集荷コンテナ引込部442、および、一時置場443をさらに含んでもよい。物品コンテナ引込部441は、搬送システム20から、対象物品14を収納した物品コンテナを作業領域に引き込む。また、物品コンテナ引込部441は、対象物品14が取り出された後の物品コンテナを搬送システム20に戻す。集荷コンテナ引込部442は、搬送システム20から、集荷コンテナを作業領域に引き込む。また、集荷コンテナ引込部442は、対象物品14が入れられた後の集荷コンテナを搬送システム20に戻す。一時置場443は、ロボット21が、物品コンテナから取り出した対象物品14を、集荷コンテナに入れる前に、一時的に対象物品14を置くための場所である。
【0037】
また、ロボット21は、センサ群を備えてもよい。センサ群に含まれるそれぞれのセンサは、例えば筐体411を介してロボットコントローラ413に接続される。ロボットコントローラ413は、センサ群により検出された情報に基づき、アーム部431、エンドエフェクタ部432、物品コンテナ引込部441および集荷コンテナ引込部442を制御する。また、ロボットコントローラ413は、センサ群により検出された情報を管理システム30に送信してもよい。
【0038】
図3の例においてセンサ群は、物品コンテナセンサ451、物品コンテナ重量計452、集荷コンテナセンサ453、集荷コンテナ重量計454、一時置場センサ455およびハンドリングセンサ456を含む。
【0039】
物品コンテナセンサ451は、物品コンテナ引込部441の上部に設けられる。物品コンテナセンサ451は、物品コンテナがロボット21の作業領域まで搬送されたか否かを検出したり、物品コンテナの内部状態を検出したりする。物品コンテナ重量計452は、物品コンテナ引込部441の下部に設けられる。物品コンテナ重量計452は、物品コンテナの重量を検出する。
【0040】
集荷コンテナセンサ453は、集荷コンテナ引込部442の上部に設けられる。集荷コンテナセンサ453は、集荷コンテナがロボット21の作業領域まで搬送されたか否かを検出したり、集荷コンテナの内部状態を検出したりする。集荷コンテナ重量計454は、集荷コンテナ引込部442の下部に設けられる。集荷コンテナ重量計454は、集荷コンテナの重量を検出する。
【0041】
一時置場センサ455は、一時置場443の上部に設けられる。一時置場センサ455は、対象物品14が一時置場443に載置されているか否かを検出したり、対象物品14の状態を検出したりする。
【0042】
ハンドリングセンサ456は、エンドエフェクタ部432が対象物品14をハンドリングしている状態において、対象物品14の状態を検出するためのセンサである。例えば、ハンドリングセンサ456は、対象物品14の姿勢等を検出する。
【0043】
物品コンテナセンサ451、集荷コンテナセンサ453、一時置場センサ455およびハンドリングセンサ456は、RGB画像カメラ、距離画像カメラ、レーザーレンジファインダ、LiDAR(Light Detection and Ranging)等の画像情報または3次元情報が取得可能なセンサである。
【0044】
図4は、エンドエフェクタ部432の第1例を示す図である。第1例に係るエンドエフェクタ部432は、吸着型エンドエフェクタである。第1例に係るエンドエフェクタ部432は、力センサ461と、吸着パッド462と、屈曲軸463とを含む。
【0045】
力センサ461は、アーム部431に接続する端部に設けられる。ロボットコントローラ413は、力センサ461により検出された信号に基づき、アーム部431およびエンドエフェクタ部432を制御する。
【0046】
吸着パッド462は、アーム部431とは反対側の端部に設けられる。吸着パッド462は、物体を吸着して保持する。これにより、ロボット21は、対象物品14をハンドリングすることができる。
【0047】
屈曲軸463は、アーム部431に接続する端部と、アーム部431とは反対側の端部との間に設けられる。ロボットコントローラ413は、屈曲軸463の角度を制御することにより、吸着パッド462の姿勢を調整する。これにより、ロボットコントローラ413は、吸着パッド462に確実に物体を保持させることができる。これにより、第1例に係るエンドエフェクタ部432は、対象物品14をハンドリングすることができる。
【0048】
図5は、エンドエフェクタ部432の第2例を示す図である。第2例に係るエンドエフェクタ部432は、挟持型エンドエフェクタである。第2例に係るエンドエフェクタ部432は、力センサ461と、把持機構464とを含む。把持機構464は、アーム部431とは反対側の端部に設けられる。把持機構464は、物体を把持して保持する。これにより、第2例に係るエンドエフェクタ部432は、対象物品14をハンドリングすることができる。
【0049】
図6は、エンドエフェクタ部432の第3例を示す図である。第3例に係るエンドエフェクタ部432は、吸着型エンドエフェクタである。第3例に係るエンドエフェクタ部432は、力センサ461と、吸着パッド462とを含む。第3例に係るエンドエフェクタ部432は、第1例と比較して、屈曲軸463を含まない構成である。このような第3例に係るエンドエフェクタ部432も、対象物品14をハンドリングすることができる。
【0050】
図7は、エンドエフェクタ部432の第4例を示す図である。第4例に係るエンドエフェクタ部432は、ハイブリッド型エンドエフェクタである。第4例に係るエンドエフェクタ部432は、力センサ461と、吸着パッド462と、把持機構464とを含む。第4例に係るエンドエフェクタ部432は、第1例から第3例と比較して、対象物品14をより多様な対象物品14をハンドリングすることができる。
【0051】
なお、エンドエフェクタ部432は、他の構成であってもよい。また、第1例から第4例に係るエンドエフェクタ部432は、吸着パッド462または把持機構464の大きさまたは数を変えてもよい。また、エンドエフェクタ部432は、様々な位置または姿勢で、吸着パッド462または把持機構464が設けられていてもよい。また、エンドエフェクタ部432は、接触センサ等の他の種類のセンサを含んでもよい。
【0052】
図8は、ロボットコントローラ413の機能構成を示す図である。ロボットコントローラ413は、プロセッサおよびメモリを含み、プログラムを実行する。これにより、ロボットコントローラ413は、図8に示すような機能を実現することができる。
【0053】
ロボットコントローラ413は、画像処理部471と、信号処理部472と、統合部473と、把持計画生成部474と、リリース計画生成部475と、動作計画生成部476と、ロボット制御部477と、周辺機器・I/O制御部478と、エラー検出部479と、学習制御部480と、内部データベース481とを含む。
【0054】
画像処理部471は、画像を取得するセンサから取得した情報に対して処理を実行して、動作計画の生成、動作制御、エラー検出および学習等に必要な情報を生成する。信号処理部472は、画像以外の情報を取得するセンサから取得した情報に対して処理を実行して、動作計画の生成、動作制御、エラー検出および学習等に必要な情報を生成する。
【0055】
統合部473は、管理システム30から入力された情報、ハンドリングシステム10の状態およびセンサ群から取得した情報に基づき、ロボット21の作業計画の生成、ロボット21の制御およびロボット21の管理を行う。
【0056】
把持計画生成部474は、マニピュレータ412による対象物品14の把持方法、把持時におけるマニピュレータ412の位置および姿勢、並びに、把持時における移動計画を算出する。把持時における移動計画は、周囲物体に干渉することなく、対象物品14を把持して移動させるためのマニピュレータ412の位置および姿勢の経路を表す。
【0057】
リリース計画生成部475は、把持した対象物品14を箱詰めしたり、対象物品14を他の物体に押し当てをしたりするためのマニピュレータ412の動作方法を示す設置方法、把持した対象物品14をリリースする方法、リリース時におけるマニピュレータ412の位置および姿勢、並びに、リリース時におおける移動計画を算出する。リリース時における移動計画は、周囲物体に干渉することなく、対象物品14をリリースして移動させるためのマニピュレータ412の位置および姿勢の経路を表す。
【0058】
動作計画生成部476は、移動計画に従って現在位置から把持位置またはリリース位置へと移動させるための、マニピュレータ412の駆動方法、速度および動作経路等を含むロボット動作情報を算出する。
【0059】
ロボット制御部477は、動作計画生成部476で生成されたロボット動作情報および統合部473からの動作切り替え指示等に従って、マニピュレータ412を含むロボット21を制御する。
【0060】
周辺機器・I/O制御部478は、物品コンテナ引込部441、集荷コンテナ引込部442、搬送用の昇降機器、安全ドア等の周辺機器、センサ群に含まれる各センサのオンオフ、並びに、照明のオンオフ等を制御する。
【0061】
エラー検出部479は、ロボット21の状態、作業計画の実施状態、駆動制御状態、対象物品14の把持、並びに、搬送状態等の観測結果に基づき、エラーを検知する。エラー検出部479は、例えば、力センサ461のセンサ値または力センサ461のセンサ値を手先座標に変換した値を、ローパスフィルタに通した値を取得し、取得した値が既定の値を超えた場合にエラーと判断する。これにより、ロボットコントローラ413は、エラーが発生した場合に、ロボット21に処理を中断させ、ロボット21にリカバリ動作をさせることができる。
【0062】
学習制御部480は、ロボットモデル学習、把持制御パラメータ学習、把持データベース学習およびエラー検知学習等を実行する。ロボットモデル学習は、例えば、マニピュレータ412の振動を抑制して動作精度を向上させるための学習である。把持制御パラメータ学習は、例えば、対象物品14の把持性能を向上させるための学習である。エラー検知学習は、例えば、作業計画の実施性能を向上のための学習である。学習制御部480は、例えば、力制御のパラメータを状況に合わせた最適な値とする。これにより、学習制御部480は、ロボット21に、少ない力で効率良く処理をさせることができる。
【0063】
内部データベース481は、ロボットデータベース、エンドエフェクタデータベース、物品データベース、把持データベース、および、環境データベース等を含む。
【0064】
ロボットデータベースは、ロボット21の構造、ロボット21の各部の寸法および重量、慣性モーメント、各駆動部の動作範囲、速度およびトルク性能等を含む。エンドエフェクタデータベースは、エンドエフェクタの機能、および、エンドエフェクタの把持の特性に関する情報等を含む。
【0065】
物品データベースは、対象物品14の名称、識別情報、カテゴリ、全面の画像情報、CADモデル情報、重量情報、および、把持時の特性情報等を格納する。把持時の特性情報は、例えば、柔らかい、壊れやすいまたは形が変わる等といった情報である。把持データベースは、エンドエフェクタの把持方法毎に、把持可能位置姿勢、把持のしやすさを表すスコア情報、把持時の押し込み可能量、把持判定のための判定閾値、および、エラー検知の為の判定閾値等を含む。把持方法は、吸着方式、平行二指方式、平行四指方式および多関節方式等である。
【0066】
環境データベースは、ロボット21に対応している作業台情報、ロボット21の動作範囲、および、周囲物体等を表す周囲環境情報を含む。内部データベース481は、管理システム30のデータ管理部321で管理されているデータベース部312の内容に従って、各データベースを逐次更新する。
【0067】
以上のようなハンドリングシステム10は、複数種類の物品12のうちの処理対象となる対象物品14をロボット21または作業者23へと搬送し、ロボット21または作業者23により対象物品14をハンドリングさせて所定の処理を行わせることができる。
【0068】
(物品処理システム50)
つぎに、物品処理システム50を説明する。物品処理システム50は、図1から図8まで説明したハンドリングシステム10の一例である。物品処理システム50の説明において、ハンドリングシステム10と略同一の機能および構成を有する構成要素について同一の参照符号を付して、相違点を除き重複する説明を適宜省略する。
【0069】
図9は、物品処理システム50を示す図である。物品処理システム50は、搬送システム20により対象物品14をロボット21または作業者23へと搬送し、ロボット21または作業者23により対象物品14をハンドリングさせる。そして、物品処理システム50は、ロボット21または作業者23により対象物品14に対して所定の処理を行わせる。
【0070】
物品処理システム50は、管理システム30と、保管装置51と、搬送システム20と、ロボット21と、端末装置22とを備える。また、物品処理システム50は、作業者23と連携して動作をする。なお、物品処理システム50は、複数のロボット21を備えてもよい。また、物品処理システム50は、複数の端末装置22を備え、複数の作業者23と連携して動作してもよい。
【0071】
管理システム30は、複数種類の物品12のうちの処理対象となる対象物品14を順次に指定する。例えば、管理システム30は、上位システム34から対象物品14を特定するデータを受け取り、受け取ったデータにより特定された種類の物品12を対象物品14として指定する。
【0072】
保管装置51は、外部システム32の一例である。保管装置51は、複数種類の物品12を保管する。保管装置51は、保管している複数種類の物品12のうち、管理システム30により指定された対象物品14を内部から出力して、搬送システム20に与える。
【0073】
搬送システム20は、保管装置51から出力された対象物品14を、ロボット21の作業領域または作業者23の作業領域へと搬送する。搬送システム20は、対象物品14をそのまま搬送してもよいし、保管箱であるコンテナに収納した状態またはトレーに載置した状態で対象物品14を搬送してもよい。
【0074】
ロボット21は、自身が処理を担当する対象物品14が、自身の作業領域に搬送されてきた場合、搬送されてきた対象物品14をハンドリングして、所定の処理を行う。ロボット21は、何れの対象物品14を担当するかについては、管理システム30から指示を受ける。ロボット21は、対象物品14に対して、所定の処理として、例えば、ピッキング、箱詰め、荷降ろし、荷積み、開梱、検査、検品、加工または組み立て等を実施する。
【0075】
ロボット21は、第1搬送装置61による搬送経路の近傍に配置される。物品処理システム50が複数のロボット21を備える場合、複数のロボット21は、第1搬送装置61の搬送経路に沿って配置される。
【0076】
また、物品処理システム50が複数のロボット21を備える場合、複数のロボット21は、それぞれが異なる種類であって、互いに異なる種類の対象物品14をハンドリングして所定の処理をすることができる。例えば、複数のロボット21のそれぞれは、ハンドリングすることができる対象物品14の重さ、サイズまたは材質が異なる。例えば、複数のロボット21は、互いに異なるエンドエフェクタを有する。例えば、複数のロボット21のうちの第1のロボット21-1は、吸着型エンドエフェクタを有する。また、複数のロボット21のうちの第2のロボット21-2は、挟持型エンドエフェクタを有する。また、複数のロボット21のうちの第3のロボット21-3は、ハイブリッド型エンドエフェクタを有する。これにより、物品処理システム50は、多種類の対象物品14をハンドリングして所定の処理を実行することができる。
【0077】
端末装置22は、作業者23により保持される。作業者23は、端末装置22を保持する。作業者23は、自身が担当する対象物品14が自身の作業領域に搬送されてきた場合、搬送されてきた対象物品14をハンドリングして、所定の処理を行う。作業者23は、対象物品14に対して、所定の処理として、例えば、開梱、梱包、加工または組み立て等を実施する。物品処理システム50が複数の作業者23と連携して動作する場合、複数の作業者23は、第2搬送装置62の搬送経路に沿って配置される。
【0078】
搬送システム20は、共通搬送装置60と、第1搬送装置61と、第2搬送装置62と、分配装置63と、センサシステム64と、分配制御装置65と、第3搬送装置67と、方向変更装置68と、方向制御装置69とを有する。
【0079】
共通搬送装置60は、保管装置51から出力された対象物品14を受け取り、搬送経路に沿って対象物品14を搬送する。共通搬送装置60は、一例として、コンベアである。共通搬送装置60は、保管装置51から複数の対象物品14が出力された場合、複数の対象物品14を所定間隔毎に一列に並べて搬送する。
【0080】
第1搬送装置61は、対象物品14をロボット21の作業領域へと搬送する。第1搬送装置61は、一例として、コンベアである。第1搬送装置61は、複数の対象物品14が出力された場合、複数の対象物品14を一列に並べて搬送する。物品処理システム50が複数のロボット21を備える場合、第1搬送装置61は、対象物品14を、複数のロボット21のそれぞれの作業領域の近傍を順次に通過するように搬送する。
【0081】
第2搬送装置62は、対象物品14を作業者23の作業領域へと搬送する。第2搬送装置62は、一例として、コンベアである。第2搬送装置62は、複数の対象物品14が出力された場合、複数の対象物品14を一列に並べて搬送する。作業者23は、第2搬送装置62による搬送経路の近傍に配置される。物品処理システム50が複数の作業者23と連携して動作する場合、第2搬送装置62は、対象物品14を、複数の作業者23のそれぞれの作業領域の近傍を順次に通過するように搬送する。
【0082】
分配装置63は、共通搬送装置60により搬送された対象物品14を、分配制御装置65による制御に応じて、第1搬送装置61または第2搬送装置62へと送る。分配装置63は、一例として、対象物品14を出力する位置を、分配制御装置65による制御に応じて切り替え可能なコンベアである。
【0083】
センサシステム64は、共通搬送装置60により搬送されている対象物品14に関する情報を検出する。センサシステム64は、複数種類のセンサを含んでもよい。センサシステム64は、検出した情報を管理システム30に与える。例えば、センサシステム64は、対象物品14の物品ID(identification)を検出する。例えば、センサシステム64は、対象物品14に印刷された物品IDを読み取るバーコードリーダまたは光文字認識装置であってもよい。センサシステム64は、対象物品14を収納するコンテナまたは対象物品14を載置するトレー等のIDを検出してもよい。例えば、センサシステム64は、対象物品14を撮像して、RGB画像またはデプス画像を生成してもよい。さらに、センサシステム64は、対象物品14の重さを測定してもよい。
【0084】
また、センサシステム64は、共通搬送装置60の上流側(例えば、保管装置51側)に設置されたセンサを含んでもよい。センサが上流側に配置されることで、管理システム30は、対象物品14を解析等のための時間を長くすることができる。これにより、管理システム30は、分配装置63の制御をより速いタイミングで開始することができ、共通搬送装置60での対象物品14の滞留を無くすることができる。
【0085】
分配制御装置65は、管理システム30からの指示に応じて、分配装置63の動作を制御する。
【0086】
第3搬送装置67は、第1搬送装置61により搬送されている対象物品14を、第2搬送装置62へと送る。第3搬送装置67は、一例として、コンベアである。なお、物品処理システム50は、複数の第3搬送装置67を備えてもよい。
【0087】
方向変更装置68は、第1搬送装置61による搬送経路の途中または最終段に設けられる。方向変更装置68は、通常時においては、第1搬送装置61により搬送されている対象物品14を、第1搬送装置61の搬送経路に沿って搬送されるように動作する。しかし、方向変更装置68は、方向制御装置69から変更指示を受けた場合、第1搬送装置61により搬送されている対象物品14を、第3搬送装置67へと送るように、第1搬送装置61の搬送経路を変更する。方向変更装置68は、一例として、対象物品14を出力する位置を、方向制御装置69による制御に応じて切り替え可能なコンベアである。
【0088】
なお、物品処理システム50が複数の第3搬送装置67を備える場合、物品処理システム50は、複数の方向変更装置68を備える。複数の方向変更装置68は、複数の第3搬送装置67に対して一対一で対応する。
【0089】
方向制御装置69は、管理システム30からの指示に応じて、方向変更装置68の動作を制御する。なお、物品処理システム50が複数の第3搬送装置67を備える場合、物品処理システム50は、複数の方向制御装置69を備える。複数の方向制御装置69は、複数の第3搬送装置67に対して一対一で対応している。
【0090】
管理システム30は、保管装置51から出力する対象物品14を管理する。管理システム30は、保管装置51から対象物品14が出力されるタイミング、および、対象物品14がロボット21または作業者23に到達するタイミングを管理する。
【0091】
さらに、管理システム30は、ロボット21が対象物品14をハンドリングして所定の処理をすることができるかどうかを判断する。ロボット21が対象物品14をハンドリングして所定の処理をすることができる場合、管理システム30は、保管装置51から出力された対象物品14を、処理を担当するロボット21の作業領域に搬送されるように、搬送システム20を制御する。ロボット21が対象物品14をハンドリングして所定の処理をすることができない場合、管理システム30は、保管装置51から出力された対象物品14を、処理を担当する作業者23の作業領域に搬送されるように、搬送システム20を制御する。このような制御をすることにより、管理システム30は、ロボット21と作業者23とを効率良く連携させることができる。
【0092】
また、ロボット21は、何らかのエラーが発生したり、対象物品14の状態または特性のばらつきの影響によりハンドリングができなかったりする。この場合、ロボット21は、対象物品14に対して所定の処理をすることができない。この場合、管理システム30は、ロボット21から通知を受けて、ロボット21により処理ができなかった対象物品14を、作業者23の作業領域に搬送させるように、搬送システム20を制御する。そして、管理システム30は、作業者23に、ロボット21により処理ができなかった対象物品14に対する処理を実行させる。これにより、管理システム30は、全ての種類の対象物品14を確実にハンドリングして所定の処理をさせることができる。
【0093】
また、第1搬送装置61および第2搬送装置62は、互いの搬送経路が平行となり、近傍に位置するように配置される。これにより、作業者23は、ロボット21の近傍で作業をすることができる。管理システム30は、複数のロボット21のうちの何れかのロボット21がエラーにより停止した場合、エラー等により停止したロボット21の近傍で作業している作業者23が保持する端末装置22に、リカバリの指示を送信する。これにより、作業者23は、停止したロボット21の状態を確認して、ロボット21を再起動等させることができる。
【0094】
また、物品処理システム50は、複数の対象物品14を収納したコンテナまたは複数の対象物品14を載置したトレーを搬送してもよい。この場合、ロボット21および作業者23は、複数の対象物品14を同時にハンドリングして所定の処理をすることができる。
【0095】
図10は、第1例に係る分配装置63を示す図である。第1例に係る分配装置63は、複数の第1ローラ71と、複数の第2ローラ72とを含む。複数の第1ローラ71のそれぞれは、第1方向(x方向)に対象物品14を搬送させるように回転する。複数の第2ローラ72のそれぞれは、第1方向に対して垂直な第2方向(y方向)に対象物品14を搬送させるように回転する。
【0096】
第1例において、複数の第1ローラ71および複数の第2ローラ72は、x方向に対して交互に配置される。第1例に係る複数の第1ローラ71は、第1モードにおいて、第2ローラ72よりも対象物品14との接触位置が高くなっている。従って、第1モードにおいて、第2ローラ72は、対象物品14に接触しない。これにより、第1モードにおいて、第1例に係る分配装置63は、対象物品14をx方向に搬送することができる。
【0097】
また、第1例に係る第1ローラ71および第2ローラ72は、第2モードにおいて、高さが同一となる。第1モードにおいて、第1ローラ71および第2ローラ72の両者は、対象物品14に接触する。これにより、分配装置63は、第2モードにおいて、対象物品14をx方向とy方向との間の所定の角度の方向に搬送することができる。このような第1例に係る分配装置63は、第1モードと第2モードとで、対象物品14をy方向の異なる位置から出力することができる。
【0098】
図11は、第2例に係る分配装置63を示す図である。第2例に係る分配装置63は、複数の第1ローラ71と、複数の規制部材73とを含む。
【0099】
第2例において、複数の第1ローラ71は、x方向に並んで配置される。複数の規制部材73のそれぞれは、隣接する2つの第1ローラ71の間に配置され、y方向に移動可能となっている。複数の規制部材73のそれぞれは、x方向に移動する対象物品14の移動を規制する。複数の規制部材73は、それぞれのy方向の位置が適切に設定されることにより、対象物品14がx方向に移動するに従って対象物品14をy方向にも移動させることができる。また、第2例に係る分配装置63は、第1モードと第2モードとで、複数の規制部材73のそれぞれのy方向の位置が変化する。これにより、第2例に係る分配装置63は、第1モードと第2モードとで、対象物品14をy方向の異なる位置から出力することができる。
【0100】
図12は、第3例に係る分配装置63を示す図である。第3例に係る分配装置63は、第1ローラ71と、回転台74とを含む。
【0101】
第1ローラ71は、上流側から入力された対象物品14を回転台74へと送る。回転台74は、x方向およびy方向に垂直な軸を中心に回転可能である。また、回転台74は、上面に複数のローラ75を含む。複数のローラ75は、回転台74内において対象物品14を所定方向に搬送させるように回転する。第3例に係る分配装置63は、第1モードと第2モードとで回転台74の回転位置が異なる。これにより、第3例に係る分配装置63は、第1モードと第2モードとで、対象物品14をy方向の異なる位置から出力することができる。
【0102】
図13は、第4例に係る分配装置63を示す図である。第4例に係る分配装置63は、複数の回転台74を含む。
【0103】
複数の回転台74は、x方向およびy方向に対して行列状に配置される。複数の回転台74のそれぞれは、上面にローラ75を含む。ローラ75は、回転台74内において対象物品14を所定方向に搬送させるように回転する。第4例に係る分配装置63は、第1モードと第2モードとで複数の回転台74のそれぞれの回転位置が異なる。これにより、第4例に係る分配装置63は、第1モードと第2モードとで、対象物品14をy方向の異なる位置から出力することができる。
【0104】
なお、物品処理システム50は、図10から図13に示した第1例から第4例に係る分配装置63を備えることができる。また、物品処理システム50は、第1例から第4例に係る分配装置63に代えて、対象物品14の大きさおよび素材等の特性に対応させた他の構成の分配装置63を備えてもよい。図9では二つの経路への分配の例を示しているが、3つ以上の経路に分配することで、さらに処理速度の速い物品処理システム50を構築することも可能である。この場合、図10から図13に示した第1例から第4例に係る分配装置63の切り替え角度や切り替え位置を3分割以上にすることにより、3つ以上の経路に分配することができる。また、複数の分配装置63を並べることにより、3つ以上の経路に分配することもできる。
【0105】
図14は、管理システム30により管理される情報の一例を示す図である。管理システム30は、物品12の種類毎に、図14に示すような登録情報および処理情報をデータベースにより管理する。
【0106】
登録情報は、物品12の種類毎に設定される。登録情報は、一例として、物品ID、アイテム番号、アイテム名称、SKU番号、SKU情報、カテゴリ、外形情報、物品重量、取扱い情報および説明情報を含む。
【0107】
物品IDは、物品12の種類毎に割り当てられた識別子である。なお、物品12の種類は、在庫管理の単位であるSKU(Stok Keeping Unit)であってもよい。
【0108】
アイテム番号は、アイテム毎に割り当てられた番号である。アイテムは、物品12の管理単位である。アイテム名称は、物品12のアイテムを表す名称である。
【0109】
SKU番号は、SKUを識別するために割り当てられた番号である。SKU情報は、物品12の色またはサイズ等のSKUの内容を示す情報である。カテゴリは、物品12の大カテゴリ(例えば、ハサミ、フライパンまたはTシャツ)を示す情報である。
【0110】
外形情報は、3辺の寸法等の物品12の外形サイズ等を示す情報である。物品重量は、物品12の重量を示す情報である。取扱い情報は、物品12が割れ物であるまたは物品12が危険物である等の、物品12の取扱いに関する注意情報である。説明情報は、物品12に関する簡単な説明を示す情報である。
【0111】
処理情報は、過去において、その物品12や物品12と同じ種類の物品、大きさやサイズ、梱包の有無や梱包の素材、物品そのもの素材等から分類された同じカテゴリの物品をロボット21がハンドリングして処理をした結果に基づき生成される情報である。この場合のハンドリングは、同じ環境でハンドリングが行われた場合だけでなく、違う作業場などの結果を流用したり、入荷時の処理の結果を出荷時に利用したり、ロボット開発時に工場でテストされた結果等を含む。なお、処理情報は、デフォルトにおいて、何らかの初期値が記述されていてもよい。管理システム30は、その物品12や同じ種類、同じカテゴリの物品をロボット21がハンドリングして処理した場合、処理情報を更新する。
【0112】
処理情報は、ハンドリング方法と、ロボットリストと、実績情報とを含む。
【0113】
ハンドリング方法は、物品12を作業者23により処理をさせるか、物品12をロボット21により処理をさせるかを示す情報である。また、物品12を作業者23またはロボット21の何れに処理させるかが未確定な場合には、未確定と記述される。
【0114】
ロボットリストは、物品12を処理可能なロボット21及びロボットが処理する際に適した把持方法や速度や把持力等の処理に係るパラメータを示したリストである。ここで、把持方法とは吸着や挟持など複数の種類の把持が可能なロボットの把持の種類を指定することや、同じ吸着でも利用する吸着パッドの数などの設定の違いを指定することなどを指す。実績情報は、ロボット21毎の、処理の経験の有無、処理の成功の数、および、処理の失敗の数を示す情報である。
【0115】
管理システム30は、保管装置51に新たな種類の物品12が保管される毎に、例えば上位システム34から必要な情報を取得して、登録情報および処理情報を生成して記憶する。また、管理システム30は、何れかの物品12をロボット21によりハンドリングをする毎に、処理情報を更新する。ここで、図14では、すべての物品の登録情報と処理情報が同じようにデータベースに保存される例を示したが、アイテムには登録情報だけが保存されており、別に保存されている種類やカテゴリごとの処理情報と紐づけをおこなって呼び出すことでも、処理情報を利用することができる。また、処理情報は、リストを列記する方法だけでなく、ニューラルネットワークなどのフィルタ構造をもった推定器または推定器のパラメータとしても保存することができる。このような推定器は、商品のカテゴリを入力すると、それに適した把持方法やその信頼性を出力することができるため、リストで列記された処理情報と同様に最適なハンドリング方法の選択に利用することができる。
【0116】
また、物品12をコンテナに収納したり、トレーに載置したりする場合、管理システム30は、コンテナまたはトレーのIDと物品IDとを紐づけて管理する。これにより、管理システム30は、コンテナまたはトレーのIDを検出することにより、コンテナに収納した物品12またはトレーに載置した物品12の種類を特定することができる。このように、データベースとして物品自体の特性を表す登録情報および物品を処理した際の情報である処理情報を保存しているため、管理システム30は、事前に適切なタイプのロボット、または作業者を選定できる。また、処理情報によって過去に処理を行っていたものや、過去に処理をおこなっているものと同一の種類やカテゴリの商品に対してより適したタイプのロボット、または作業者を選定することができる。この結果、ハンドリングシステム10は、より自動化率が高く、効率的な処理を実現することができる。
【0117】
図15は、対象物品14に対する、物品処理システム50の処理の流れを示すフローチャートである。図16は、図15に続くフローチャートである。物品処理システム50は、搬送システム20おいて搬送される対象物品14毎に、図15および図16に示す処理を実行する。
【0118】
物品処理システム50は、対象物品14が分配装置63に到達する前において、S11から処理を開始する。
【0119】
まず、S11において、管理システム30は、センサシステム64により検出された情報に基づき、対象物品14の物品IDを検出する。例えば、管理システム30は、センサシステム64から対象物品14に印刷された印刷情報を取得し、取得した情報に基づき物品IDを検出する。管理システム30は、対象物品14を収納するコンテナまたは対象物品14を載置するトレーのIDを取得し、コンテナまたはトレーのIDに紐づけられた物品IDを取得してもよい。また、管理システム30は、対象物品14を撮像した画像または対象物品14の重さ等をセンサシステム64から取得し、取得したこれらの情報に基づき画像認識および推定処理を行って、物品IDを検出してもよい。
【0120】
続いて、S12において、管理システム30は、検出した物品IDに紐づけられた物品情報および処理情報を取得する。物品情報および処理情報の一部が上位システム34に記憶されている場合には、管理システム30は、上位システム34から必要な情報を取得する。
【0121】
続いて、S13において、管理システム30は、取得した処理情報に含まれるハンドリング方法の項目を参照し、対象物品14のハンドリング方法が確定しているか否かを判断する。取得した処理情報に含まれるハンドリング方法の項目に作業者23またはロボット21が記述されている場合、管理システム30は、ハンドリング方法が確定していると判断する。取得した処理情報に含まれる項目に未確定と記述されている場合、管理システム30は、ハンドリング方法が確定していないと判断する。また、物品IDが検出できない場合、または、検出した物品IDに紐づけられた処理情報が存在しない場合、管理システム30は、ハンドリング方法が確定していないと判断する。また、ハンドリング方法の項目にロボット21が記述されている場合であっても、処理情報のロボットリストの項目に物品処理システム50が備えるロボット21が含まれない場合、管理システム30は、ハンドリング方法が確定していないと判断する。
【0122】
管理システム30は、対象物品14のハンドリング方法が確定している場合(S13のYes)、処理をS14に進める。管理システム30は、対象物品14のハンドリング方法が確定していない場合(S13のNo)、処理を図16のS31に進める。
【0123】
S14において、管理システム30は、ハンドリング方法がロボット21か否かを判断する。管理システム30は、ハンドリング方法がロボット21ではない場合、すなわち、ハンドリング方法が作業者23である場合(S14のNo)、処理をS15に進める。管理システム30は、ハンドリング方法がロボット21である場合(S14のYes)、処理をS17に進める。
【0124】
S15において、管理システム30は、対象物品14を第2搬送装置62へと送るように、分配制御装置65に指示を与える。分配制御装置65は、管理システム30から指示を受けると、対象物品14が分配装置63に到達したタイミングで、対象物品14が第2搬送装置62へと送られるように、分配装置63の搬送動作を制御する。そして、分配装置63は、分配制御装置65による制御に応じて、対象物品14を第2搬送装置62へと送る。これにより、作業者23によりハンドリングして処理がされる対象物品14は、分配装置63により、共通搬送装置60から第2搬送装置62へと送られる。
【0125】
S16において、管理システム30は、S11で検出した物品IDの対象物品14に対して所定の処理を行うように、作業者23が保持する端末装置22に指示を与える。なお、管理システム30は、複数の作業者23が存在する場合、担当する一人の作業者23を決定し、決定した作業者23が保持する端末装置22に指示を与える。指示を受けた端末装置22は、管理システム30から受けた指示内容を作業者23に対して表示する。指示内容が表示された端末装置22を保持する作業者23は、第2搬送装置62により搬送されている対象物品14をハンドリングし、ハンドリングした対象物品14に対して指示内容に従った処理を実行する。管理システム30は、S16の処理を終了した場合、処理を図16のS44に進める。
【0126】
S17において、管理システム30は、対象物品14を第1搬送装置61へと送るように、分配制御装置65に指示を与える。分配制御装置65は、管理システム30から指示を受けると、対象物品14が分配装置63に到達したタイミングで、対象物品14が第1搬送装置61へと送られるように、分配装置63の搬送動作を制御する。そして、分配装置63は、分配制御装置65による制御に応じて、対象物品14を第1搬送装置61へと送る。これにより、ロボット21によりハンドリングして処理がされる対象物品14は、分配装置63により、共通搬送装置60から第1搬送装置61へと送られる。
【0127】
続いて、S18において、管理システム30は、複数のロボット21のうち、対象物品14に対して所定の処理をさせるためのロボット21を選択する。例えば、管理システム30は、複数のロボット21のうち、処理情報のロボットリストの項目に含まれる何れか1つのロボット21を選択する。
【0128】
続いて、S19において、管理システム30は、対象物品14に対して所定の処理を行うように、S18で選択したロボット21に対して指示を与える。指示を受けたロボット21は、第1搬送装置61により搬送されている対象物品14をハンドリングし、ハンドリングした対象物品14に対して指示内容に従った処理を実行する。
【0129】
続いて、S20において、管理システム30は、ロボット21による対象物品14に対する処理が成功したか否かを判断する。処理が成功した場合(S20のYes)、管理システム30は、処理を図16のS44に進める。処理が失敗した場合(S20のNo)、管理システム30は、処理をS21に進める。
【0130】
S21において、管理システム30は、対象物品14に対して処理を行ったロボット21よりも下流に位置する方向変換器66を特定する。そして、管理システム30は、特定した方向変換器66を制御する方向制御装置69に対して、対象物品14を第3搬送装置67へと送るように指示を与える。
【0131】
方向制御装置69は、管理システム30から指示を受けると、対象物品14が方向変換器66に到達したタイミングで、対象物品14が第3搬送装置67へと送られるように、方向変換器66の搬送動作を制御する。方向制御装置69は、方向制御装置69から指示を受けた場合、対象物品14を第1搬送装置61から第3搬送装置67へと送る。従って、ロボット21により所定の処理がされなかった対象物品14は、第3搬送装置67へと送られる。そして、第3搬送装置67は、ロボット21により所定の処理がされなかった対象物品14を、第1搬送装置61から受け取って、第2搬送装置62へと送る。
【0132】
続いて、S22において、管理システム30は、対象物品14に対して所定の処理を行うように、作業者23が保持する端末装置22に指示を与える。なお、管理システム30は、複数の作業者23が存在する場合、対象物品14をハンドリング可能な位置に配置された作業者23をリカバリ担当に決定し、リカバリ担当に決定した作業者23が保持する端末装置22に指示を与える。例えば、管理システム30は、第3搬送装置67の出力端よりも下流側に位置する作業者23をリカバリ担当として決定する。指示を受けた端末装置22は、管理システム30から受けた指示内容を作業者23に対して表示する。指示内容が表示された端末装置22を保持する作業者23は、第2搬送装置62により搬送されている対象物品14をハンドリングし、ハンドリングした対象物品14に対して指示内容に従った処理を実行する。管理システム30は、S22の処理を終了した場合、処理を図16のS44に進める。
【0133】
一方、図16のS31において、管理システム30は、センサシステム64により検出された対象物品14についてのセンサ情報を取得する。例えば、管理システム30は、対象物品14を撮像したRGB画像またはデプス画像を取得する。また、管理システム30は、対象物品14の重さを表す重量情報を取得してもよい。なお、管理システム30は、S11で既に十分なセンサ情報を取得済みの場合には、S31の処理を実行しなくてもよい。
【0134】
続いて、S32において、管理システム30は、センサ情報および登録情報に基づき、適切なハンドリング方法を推定する。具体的には、管理システム30は、ロボット21または作業者23の何れにハンドリングして処理をするのが適切であるのかを推定する。また、管理システム30は、ロボット21によりハンドリングして処理をするのが適切であると推定する場合には、さらに、複数のロボット21のうち何れのロボット21によりハンドリングして処理をするのが適切であるのかを推定する。例えば、管理システム30は、対象物品14の形状および材質等に基づき、吸着型エンドエフェクタ、挟持型エンドエフェクタまたはハイブリッド型エンドエフェクタの何れがよいのか等を推定する。また、管理システム30は、さらに、推定結果の信頼度を生成する。
【0135】
例えば、管理システム30は、深層学習により訓練されたニューラルネットワークを含む推定器を用いて、適切なハンドリング方法を推定する。この場合、ニューラルネットワークは、過去において対象物品14をロボット21がハンドリングして処理をした結果に基づき、訓練がされている。このような推定器は、過去において、例えば、対象物品14とは異なる色であるが、同一の種類の物品12について、ロボット21により処理が成功している場合、高い信頼度でハンドリング方法を推定することができる。また、このような推定器は、過去において、対象物品14と近似した重量であり、カテゴリが同一である物品12について、ロボット21により処理が成功している場合、高い信頼度でハンドリング方法を推定することができる。
【0136】
続いて、S33において、管理システム30は、対象物品14をロボット21によりハンドリングして処理させるか否かを判断する。管理システム30は、適切なハンドリング方法として作業者23が推定された場合、対象物品14をロボット21によりハンドリングさせない、つまり、対象物品14を作業者23によりハンドリングして処理させる、と判断する(S33のNo)。さらに、管理システム30は、適切なハンドリング方法としてロボット21が推定された場合であっても、信頼度が予め定められた閾値より低い場合、対象物品14をロボット21によりハンドリングさせない、つまり、対象物品14を作業者23によりハンドリングして処理させる、と判断する(S33のNo)。管理システム30は、信頼度が予め定められた閾値以上で、適切なハンドリング方法としてロボット21が推定された場合、対象物品14をロボット21によりハンドリングして処理させる、と判断する(S33のYes)。
【0137】
管理システム30は、対象物品14を作業者23によりハンドリングして処理させると判断した場合(S33のNo)、処理をS34に進める。管理システム30は、対象物品14をロボット21によりハンドリングして処理させると判断した場合(S33のYes)、処理をS36に進める。
【0138】
S34において、管理システム30は、S15と同様の処理を実行する。これにより、作業者23によりハンドリングして処理がされる対象物品14は、分配装置63により、共通搬送装置60から第2搬送装置62へと送られる。
【0139】
続いて、S35において、管理システム30は、S16と同様の処理を実行する。これにより、作業者23は、第2搬送装置62により搬送されている対象物品14をハンドリングし、ハンドリングした対象物品14に対して指示内容に従った処理を実行する。そして、管理システム30は、S35の処理を終了した場合、処理をS44に進める。
【0140】
また、S36において、管理システム30は、S17と同様の処理を実行する。これにより、ロボット21によりハンドリングして処理がされる対象物品14は、分配装置63により、共通搬送装置60から第1搬送装置61へと送られる。
【0141】
続いて、S37において、管理システム30は、複数のロボット21のうち、対象物品14に対して所定の処理をさせるためのロボット21を選択する。例えば、管理システム30は、S32の推定結果に基づき、何れかのロボット21を選択する。
【0142】
続いて、S38において、管理システム30は、ロボット21による確実な制御が必要であるか否かを判断する。例えば、ロボット21は、対象物品14を通常通りハンドリングして処理をする通常動作モードと、通常動作モードよりも確実に対象物品14をハンドリングして処理をする安定動作モードで動作可能である。
【0143】
管理システム30は、対象物品14をロボット21によりハンドリングするか作業者23によりハンドリングするかを推定する推定処理の信頼度が所定値以下である場合、ロボット21による確実な制御が必要である、と判断する。また、例えば、管理システム30は、複数のロボット21のうちの何れのロボット21によりハンドリングさせるかを選択するための推定処理の信頼度が所定値以下である場合も、ロボット21による確実な制御が必要である、と判断する。すなわち、管理システム30は、対象物品14をロボット21によりハンドリングさせる場合であって、ロボット21によりハンドリングするか作業者23によりハンドリングするかの推定の信頼度が所定位置以下である場合、ロボット21を安定動作モードで動作させる。
【0144】
ロボット21による確実な制御が必要ではないと判断した場合(S38のNo)、管理システム30は、処理をS39に進める。ロボット21による確実な制御が必要であると判断した場合(S38のYes)、管理システム30は、処理をS40に進める。
【0145】
S39において、管理システム30は、S19と同様の処理を実行する。これにより、指示を受けたロボット21は、通常動作モードで、対象物品14をハンドリングし、ハンドリングした対象物品14に対して所定の処理をすることができる。管理システム30は、S39の処理を終えると、処理をS41に進める。
【0146】
S40において、管理システム30は、S37で選択したロボット21に対して、通常動作よりも確実な制御により、対象物品14に対して所定の処理を行うように指示を与える。このような指示を受けたロボット21は、安定動作モードで、対象物品14をハンドリングして所定の処理を行う。例えば、このような指示を受けたロボット21は、例えば、通常動作よりも遅い動作で所定の処理を行う。また、例えば、ロボット21は、力制御の判定閾値を通常動作より低くすることにより、対象物品14を破壊または変形しないように処理をしてもよい。また、例えば、ロボット21は、通常動作よりも、処理中における対象物品14の撮影回数を多くしもよい。
【0147】
これにより、ロボット21は、通常動作よりも、速度が遅くなったり、消費電力が多くなったりするが、成功率を向上させることができる。また、ロボット21は、安定動作モードでの動作に基づき、次に同一種類の対象物品14をハンドリングする場合の処理を学習してもよい。管理システム30は、S40の処理を終えると、処理をS41に進める。
【0148】
続いて、S41において、管理システム30は、ロボット21による対象物品14に対する処理が成功したか否かを判断する。処理が成功した場合(S40のYes)、管理システム30は、処理をS44に進める。処理が失敗した場合(S41のNo)、管理システム30は、処理をS42に進める。
【0149】
S42において、管理システム30は、S21と同様の処理を実行する。これにより、第3搬送装置67は、ロボット21により所定の処理がされなかった対象物品14を、第1搬送装置61から受け取って、第2搬送装置62へと送ることができる。
【0150】
続いて、S43において、管理システム30は、S22と同様の処理を実行する。これにより、作業者23は、ロボット21により所定の処理がされなかった対象物品14をハンドリングし、ハンドリングした対象物品14に対して指示内容に従った処理を実行することができる。管理システム30は、S43の処理を終了した場合、処理をS44に進める。
【0151】
S44において、管理システム30は、ロボット21による対象物品14に対する処理の内容および結果に基づき、対象物品14に対応する物品IDの処理情報を更新する。例えば、管理システム30は、ロボット21から送信された処理の内容および結果を受け取り、処理情報に含まれる実績情報を更新する。また、管理システム30は、作業者23による対象物品14に対する処理の内容および結果に基づき、対象物品14に対応する物品IDの処理情報を更新してもよい。この場合、作業者23は、端末装置22に処理の内容および結果を入力する。そして、管理システム30は、端末装置22から処理の内容および結果を受け取り、処理情報に含まれる実績情報を更新する。
【0152】
また、管理システム30は、実績情報の更新に応じて、処理情報に含まれるハンドリング方法およびロボットリストを更新してもよい。例えば、ハンドリング方法としてロボット21が記述されているに関わらず、処理の失敗の数が所定数以上となった場合、管理システム30は、ロボットリストから対応するロボット21を削除したり、ハンドリング方法を未確定に変更したりする。また、ハンドリング方法として未確定が記述されている状態で、処理の成功の数が所定数以上となった場合、管理システム30は、ロボットリストにそのロボット21を含め、ハンドリング方法をロボット21に変更してもよい。
【0153】
また、管理システム30は、ロボット21から送信された処理の内容および結果に基づき、ハンドリング方法を推定するための推定器および複数のロボット21のうちの何れのロボット21を選択するかを推定する推定器を学習処理により更新してもよい。これにより、管理システム30は、次回以降に同一種類の物品12が対象物品14となった場合に、ハンドリング方法の推定の信頼度、および、何れのロボット21を選択するかの推定の信頼度を向上させることができる。
【0154】
そして、管理システム30は、S44の処理を終えると、対象物品14についての本フローを終了する。
【0155】
以上のように、物品処理システム50は、対象物品14を搬送し、搬送されている対象物品14をロボット21または作業者23がハンドリングする。さらに、物品処理システム50は、ロボット21または作業者23が対象物品14に対して所定の処理を行う。そして、物品処理システム50は、過去において対象物品14をロボット21がハンドリングして処理をした結果に基づき生成された処理情報に従って、対象物品14をロボット21または作業者23の何れにより処理をさせるか判断する。また、処理情報を用いた判断や処理情報の更新は、処理全体の複数のステップで実施される。
【0156】
これにより、物品処理システム50は、作業者23による判断および処理の負担を減らしつつ、ロボット21と作業者23とを効率良く連携させることができる。また、物品処理システム50は、ロボット21がハンドリングする回数が増えるに従ってより確実に判断および処理を実行することができる。
【0157】
(入出荷システム80)
つぎに、入出荷システム80を説明する。入出荷システム80は、図1から図8まで説明したハンドリングシステム10の一例である。入出荷システム80の説明において、ハンドリングシステム10および図9に示した物品処理システム50と略同一の機能および構成を有する構成要素について同一の参照符号を付して、相違点を除き重複する説明を適宜省略する。
【0158】
図17は、入出荷システム80を示す図である。入出荷システム80は、物流センタ等に適用される。入出荷システム80は、複数種類の物品12を入荷して保管し、保管している複数種類の物品12のうちの出荷指示を受けた対象物品14を出荷する。
【0159】
入出荷システム80は、自動倉庫81と、出荷システム82と、入荷システム83と、管理システム30とを備える。
【0160】
自動倉庫81は、外部システム32の一例である。自動倉庫81は、複数の物品コンテナを保管する。複数の物品コンテナのそれぞれは、同一種類の1以上の物品12を収納する。自動倉庫81は、入荷した物品12を収納した物品コンテナを受け取り、クレーン等により内部における指定された箇所に物品コンテナを移動させて保管する。また、自動倉庫81は、出荷指示により指定された対象物品14を収納した物品コンテナをクレーン等により取り出し、外部へ出力する。
【0161】
出荷システム82は、出荷指示を受け取った場合に、自動倉庫81から出荷指示に示された対象物品14を収納した物品コンテナを受け取る。続いて、出荷システム82は、受け取った物品コンテナに収納された対象物品14を出荷指示に示された個数分取り出し、取り出した対象物品14を集荷コンテナに移し替える。そして、出荷システム82は、集荷コンテナに収納された対象物品14を出荷する処理をするとともに、物品コンテナを自動倉庫81に戻して再度保管させる。
【0162】
出荷システム82は、図9に示した物品処理システム50と略同一の構成を有する。ただし、出荷システム82は、物品処理システム50と比較して、第4搬送装置86をさらに有する。第4搬送装置86は、出荷する対象物品14を収納した集荷コンテナを搬送する。
【0163】
また、出荷システム82は、物品処理システム50におけるロボット21として、出荷ロボット87を有する。出荷ロボット87は、管理システム30による指示に応じて第1搬送装置61により搬送された物品コンテナから対象物品14を取り出し、取り出した対象物品14を集荷コンテナに入れる。
【0164】
また、出荷システム82は、物品処理システム50における端末装置22として、出荷端末装置88を有する。出荷システム82は、物品処理システム50における作業者23として、出荷作業者89と連携して動作する。出荷端末装置88は、管理システム30による出荷作業者89に対する指示を表示する。出荷作業者89は、出荷端末装置88に表示された指示に従って、第2搬送装置62により搬送された物品コンテナから対象物品14を取り出して、集荷コンテナに入れる。
【0165】
第1搬送装置61は、図9に示した物品処理システム50と略同一の動作をする。さらに、第1搬送装置61は、出荷ロボット87が対象物品14を取り出した後、物品コンテナを自動倉庫81に戻して、再入庫させる。第2搬送装置62は、図9に示した物品処理システム50と略同一の動作をする。さらに、第2搬送装置62は、出荷作業者89が対象物品14を取り出した後、物品コンテナを自動倉庫81に戻して、再入庫させる。
【0166】
入荷システム83は、入荷した物品12を受け取り、受け取った物品12に対して入荷処理および検品処理をする。そして、入荷システム83は、入荷処理および検品処理がされた物品12を物品コンテナに収納し、自動倉庫81に渡して保管をさせる。この場合、物品コンテナは、同一種類の1つまたは複数の物品12を収納する。
【0167】
入荷システム83は、検品ロボット91と、検品端末装置92と、検品搬送装置94と、入庫ロボット95と、入庫端末装置96と、入庫搬送装置98とを有する。また、入荷システム83は、検品作業者93および入庫作業者97と連携して動作する。
【0168】
検品ロボット91は、ロボット21の一例である。検品ロボット91は、管理システム30からの指示に応じて、入荷した物品12の入荷処理および検品処理の支援を行う。
【0169】
検品端末装置92は、端末装置22の一例である。検品端末装置92は、検品作業者93により保持される。検品端末装置92は、管理システム30から検品作業者93への指示を表示する。検品作業者93は、検品端末装置92に表示された指示に従い、検品ロボット91と連携して、入荷した物品12の入荷処理および検品処理をする。検品ロボット91および検品作業者93は、入荷処理および検品処理が完了した物品12を入荷コンテナに入れる。検品搬送装置94は、入荷処理および検品処理がされた物品12を収納した入荷コンテナを入庫ロボット95または入庫作業者97の作業領域に搬送する。
【0170】
入庫ロボット95は、入荷コンテナに収納された物品12を受け取り、物品コンテナに入れる。入庫端末装置96は、端末装置22の一例である。入庫端末装置96は、入庫作業者97により保持される。入庫端末装置96は、管理システム30から入庫作業者97への指示を表示する。入庫作業者97は、入庫端末装置96に表示された指示に従い、入荷コンテナに収納された物品12を物品コンテナに入れる。
【0171】
入庫搬送装置98は、物品12が収納された物品コンテナを自動倉庫81に搬送する。そして、自動倉庫81は、入庫搬送装置98から物品コンテナから受け取り、受け取った物品コンテナを内部に保管する。
【0172】
管理システム30は、自動倉庫81、出荷システム82および入荷システム83の動作を制御する。
【0173】
図18は、入出荷システム80における入荷処理の流れを示す図である。入出荷システム80は、新たな物品12が入荷された場合、図18に示す流れで処理を実行する。
【0174】
まず、S51において、検品作業者93は、入荷コンテナに収納された物品12を受け取り、入荷処理をする。例えば、検品作業者93は、入荷伝票と入荷した物品12とが一致するか、入荷した物品12に不良品が存在しないか等をチェックする。そして、検品作業者93は、入荷した物品12に関する情報を検品端末装置92に入力する。例えば、検品作業者93は、入荷した物品12の物品IDおよび個数等の付随情報を検品端末装置92に入力する。そして、管理システム30は、検品端末装置92から、入荷した物品12についての物品IDおよび付随情報等を受け取り、登録する。これにより、管理システム30は、適切な在庫管理および出荷管理をすることができる。
【0175】
続いて、S52において、検品作業者93は、検品処理を実行する。検品作業者93は、検品処理において、入荷した物品12を出荷ロボット87によりハンドリング可能であるかどうかをチェックする。また、検品作業者93は、検品処理において、入荷した物品12を出荷ロボット87によりハンドリング可能である場合、複数の出荷ロボット87のうちの何れの出荷ロボット87によりハンドリングすることが適しているかをチェックする。
【0176】
そして、検品作業者93は、検品端末装置92に対して、その物品12についてのハンドリング方法およびロボットリストを入力する。例えば、検品作業者93は、出荷ロボット87によりハンドリングができない場合には、ハンドリング方法に出荷作業者89を入力する。また、例えば、検品作業者93は、出荷ロボット87によりハンドリングができる場合には、ハンドリング方法に出荷ロボット87を入力し、ロボットリストにハンドリング可能な出荷ロボット87の種類を入力する。そして、管理システム30は、検品端末装置92から、入荷した物品12についてのハンドリング方法およびロボットリストを受け取り、入荷した物品12についての処理情報に登録する。これにより、管理システム30は、適切なハンドリング方法により物品12を出荷させることができる。
【0177】
ここで、検品作業者93は、検品ロボット91を用いて検品処理を実行する。例えば、検品ロボット91は、出荷ロボット87と同一である。検品作業者93は、入荷した物品12を検品ロボット91によりハンドリングさせることにより、入荷した物品12を出荷ロボット87によりハンドリング可能であるかどうかをチェックする。なお、検品ロボット91は、出荷ロボット87の一部分のみを有する構成であってもよい。例えば、検品ロボット91は、出荷ロボット87のマニピュレータ412の部分のみを有してもよいし、エンドエフェクタのみを有する構成であってもよいし、撮影台および撮影用センサのみを有する構成であってもよい。このように、入庫の検品時等に、処理情報の更新を行うことで、倉庫に保管するすべての物品に正確な処理情報を付与することが可能となり、出荷処理を効率的に実施することが可能となる。
【0178】
また、検品作業者93は、過去に同一または類似の物品12を入荷している場合には、同一または類似の物品12についての過去の検品処理の結果に基づき、処理情報を入力してもよい。また、検品作業者93は、検品ロボット91を用いて検品処理を実行するとともに、入荷した物品12の外形情報および物品重量を検出して、検品端末装置92に入力してもよい。この場合、管理システム30は、検品端末装置92から、入荷した物品12についての外形情報および物品重量を受け取り、入荷した物品12についての物品情報に登録する。
【0179】
続いて、S53において、検品搬送装置94は、入荷コンテナに収納された物品12を、入庫ロボット95または入庫作業者97の作業領域に搬送する。検品搬送装置94は、検品処理において入力されたハンドリング方法が出荷ロボット87である場合には、入荷された物品12を入庫ロボット95の作業領域に搬送する。検品搬送装置94は、検品処理において入力されたハンドリング方法が出荷作業者89である場合には、入荷された物品12を入庫作業者97の作業領域に搬送する。
【0180】
続いて、S54において、入庫ロボット95または入庫作業者97は、物品12を収納した入荷コンテナを受け取り、物品12を物品コンテナに移し替える。すなわち、入庫ロボット95または入庫作業者97は、入荷コンテナに収納された物品12を取り出し、取り出した物品12を物品コンテナに入れる。物品12を物品コンテナに入れた後、入庫ロボット95は、処理内容および処理結果を管理システム30に送信する。また、物品12を物品コンテナに入れた後、入庫作業者97は、入庫端末装置96に処理内容および処理結果を入力する。管理システム30は、入庫ロボット95または入庫端末装置96から処理内容および処理結果を受け取り、例えば、物品コンテナのIDと物品IDとの紐づけ情報および物品コンテナに収納されている物品12の数等を更新する。
【0181】
続いて、S55において、入庫搬送装置98は、物品12が収納された物品コンテナを自動倉庫81に搬送する。そして、S56において、自動倉庫81は、入庫搬送装置98から物品コンテナから受け取り、受け取った物品コンテナを内部に格納する。入出荷システム80は、S56の処理を終了すると、本フローを終了する。
【0182】
図19は、入出荷システム80における出荷処理の流れを示す図である。入出荷システム80は、上位システム34から出荷指示を受け取った場合、図19に示す流れで処理を実行する。
【0183】
まず、S61において、自動倉庫81は、対象物品14を収納した物品コンテナを出庫する。なお、異なる複数種類の対象物品14を出荷する出荷指示を受け取った場合、自動倉庫81は、複数種類の対象物品14のそれぞれについて物品コンテナを出庫する。
【0184】
続いて、S62において、搬送システム20は、自動倉庫81から出庫された物品コンテナを、出荷ロボット87または出荷作業者89の作業領域に搬送する。この場合、搬送システム20は、図9に示した物品処理システム50と同様に、物品コンテナを搬送する。
【0185】
続いて、S63において、出荷ロボット87または出荷作業者89は、出荷数分の対象物品14を物品コンテナから集荷コンテナに移し替える。すなわち、出荷ロボット87または出荷作業者89は、物品コンテナから出荷数分の対象物品14を取り出し、取り出した対象物品14を集荷コンテナに入れる。
【0186】
対象物品14を集荷コンテナに入れた後、出荷ロボット87は、図9に示した物品処理システム50のロボット21と同様に、処理内容および処理結果を管理システム30に送信する。また、対象物品14を物品コンテナに入れた後、出荷作業者89は、図9に示した物品処理システム50の作業者23と同様に、出荷端末装置88に処理内容および処理結果を入力する。管理システム30は、出荷ロボット87または出荷端末装置88から処理内容および処理結果を受け取り、図9に示した物品処理システム50と同様に、処理情報等を更新する。
【0187】
なお、S63において、出荷ロボット87が対象物品14の取り出しに失敗した場合、搬送システム20は、図9に示した物品処理システム50と同様に、出荷ロボット87が取り出しに失敗した対象物品14を収納する物品コンテナを、出荷作業者89の作業領域に搬送する。そして、出荷作業者89は、出荷ロボット87が取り出しに失敗した対象物品14を、物品コンテナから集荷コンテナに移し替える。
【0188】
続いて、S64において、搬送システム20は、第4搬送装置86は、対象物品14を収納した集荷コンテナを搬送して、出荷エリアへと出力する。また、S64と並行して、S65において、搬送システム20は、対象物品14を取り出した後の物品コンテナを自動倉庫81に搬送する。そして、S65に続いてS66において、自動倉庫81は、物品コンテナを受け取って、内部に再入庫する。入出荷システム80は、S64およびS66の処理を終了すると、本フローを終了する。
【0189】
なお、搬送システム20が備える第4搬送装置86は、物品コンテナが出荷ロボット87または出荷作業者89の作業領域に搬送されるタイミングに同期させて、集荷コンテナを出荷ロボット87または出荷作業者89の作業領域に搬送する。これにより、出荷ロボット87および出荷作業者89は、対象物品14を適切な出荷コンテナに入れることができる。
【0190】
また、異なる複数種類の対象物品14を出荷する出荷指示を受けた場合、管理システム30は、第4搬送装置86により、集荷コンテナを複数の出荷ロボット87のそれぞれおよび複数の出荷作業者89のそれぞれの作業領域に順次に搬送させる。これにより、入出荷システム80は、1つの集荷コンテナに、複数種類の対象物品14を収納させることができる。
【0191】
また、異なる複数種類の対象物品14を出荷する出荷指示を受けた場合、管理システム30は、出荷ロボット87または出荷作業者89の作業領域に集荷コンテナを留めた状態で、複数の物品コンテナを順次にその出荷ロボット87または出荷作業者89へと搬送させてもよい。これにより、入出荷システム80は、1つの集荷コンテナに、複数種類の対象物品14を収納させることができる。
【0192】
以上のように、入出荷システム80は、出荷ロボット87または出荷作業者89が、物品コンテナに収納された対象物品14を取り出して集荷コンテナに入れる処理を行う。これにより、入出荷システム80は、出荷ロボット87および出荷作業者89による判断および処理の負担を減らしつつ、出荷ロボット87と出荷作業者89とを効率良く連携させることができる。
【0193】
(出荷システム82の第1例)
図17に示す入出荷システム80に備えられる出荷システム82は、図20に示すような第1例の構成であってもよい。
【0194】
図20は、第1例に係る出荷システム82を示す図である。第1例に係る出荷システム82は、第4搬送装置86として、ロボット用の第4搬送装置86-1と、作業者用の第4搬送装置86-2とを備える。
【0195】
ロボット用の第4搬送装置86-1は、搬送経路が、第1搬送装置61の搬送経路の近傍であって平行となるように設けられる。出荷ロボット87は、第1搬送装置61とロボット用の第4搬送装置86-1との間に配置される。
【0196】
作業者用の第4搬送装置86-2は、搬送経路が、第2搬送装置62の搬送経路の近傍であって平行となるように設けられる。出荷作業者89は、第2搬送装置62と作業者用の第4搬送装置86-2との間に配置される。
【0197】
第1例において、第1搬送装置61は、ロボット用の物品コンテナ引込部112-1を有する。ロボット用の物品コンテナ引込部112-1は、メインの搬送経路から出荷ロボット87の作業領域へと物品コンテナを引き込み、さらに、作業領域からメイン搬送経路へと物品コンテナを戻す。ロボット用の物品コンテナ引込部112-1は、物品コンテナを出荷ロボット87の作業領域で一時的に滞留させることができる。
【0198】
第2搬送装置62は、作業者用の物品コンテナ引込部112-2を有する。作業者用の物品コンテナ引込部112-2は、メインの搬送経路から出荷作業者89の作業領域へと物品コンテナを引き込み、さらに、作業領域からメイン搬送経路へと物品コンテナを戻す。作業者用の物品コンテナ引込部112-2は、物品コンテナを出荷作業者89の作業領域で一時的に滞留させることができる。
【0199】
ロボット用の第4搬送装置86-1は、ロボット用の集荷コンテナ引込部114-1を有する。ロボット用の集荷コンテナ引込部114-1は、メインの搬送経路から出荷ロボット87の作業領域へと集荷コンテナを引き込み、さらに、作業領域からメイン搬送経路へと集荷コンテナを戻す。ロボット用の集荷コンテナ引込部114-1は、集荷コンテナを出荷ロボット87の作業領域で一時的に滞留させることができる。
【0200】
作業者用の第4搬送装置86-2は、作業者用の集荷コンテナ引込部114-2を有する。作業者用の集荷コンテナ引込部114-2は、メインの搬送経路から出荷作業者89の作業領域へと集荷コンテナを引き込み、さらに、作業領域からメイン搬送経路へと集荷コンテナを戻す。作業者用の集荷コンテナ引込部114-2は、集荷コンテナを出荷作業者89の作業領域で一時的に滞留させることができる。
【0201】
このように、第1搬送装置61および第2搬送装置62は、物品コンテナ引込部112を有するので、メインの搬送経路上に物品コンテナを滞留させないようにすることができる。また、第4搬送装置86は、集荷コンテナ引込部114を有するので、メインの搬送経路上に集荷コンテナを滞留させないようにすることができる。これにより、出荷ロボット87および出荷作業者89は、対象物品14を物品コンテナから集荷コンテナに確実に移し替えることができる。
【0202】
管理システム30は、物品コンテナおよび集荷コンテナのそれぞれの搬送経路上における移動位置を管理する。また、管理システム30は、対象物品14を収納した物品コンテナのIDと、対象物品14を収納する集荷コンテナのIDとを紐づけて管理する。そして、管理システム30は、紐づけられた物品コンテナおよび集荷コンテナが同一のタイミングで、出荷ロボット87または出荷作業者89の作業領域に到達するように、物品コンテナおよび集荷コンテナの投入タイミング等を制御する。
【0203】
出荷ロボット87および出荷作業者89は、管理システム30から、物品コンテナのIDおよび集荷コンテナのIDの組、および、移し替える対象物品14の個数等を含む作業指示を受け取る。そして、出荷ロボット87および出荷作業者89は、自身の作業領域に滞留している物品コンテナのIDおよび集荷コンテナのIDを確認して、指示されたIDの物品コンテナから指示された個数分の対象物品14を取り出し、指示されたIDの集荷コンテナに入れる。これにより、出荷システム82は、正確に出荷処理をすることができる。
【0204】
また、1つの集荷コンテナに複数の種類の対象物品14を収納する場合、管理システム30は、出荷ロボット87または出荷作業者89の作業領域に1つの集荷コンテナを滞留させた状態で、順次に異なる複数の物品コンテナを送る。出荷ロボット87または出荷作業者89は、順次に受け取った複数の物品コンテナのそれぞれから対象物品14を取り出し、自身の作業領域に滞留している集荷コンテナに入れる。これにより、出荷システム82は、1つの出荷先に、複数の種類の対象物品14を同時に送ることができる。
【0205】
また、1つの集荷コンテナに複数の種類の対象物品14を収納する場合、管理システム30は、集荷コンテナを、複数の出荷ロボット87または複数の出荷作業者89に順次に搬送してもよい。これにより、複数の出荷ロボット87のそれぞれまたは複数の出荷作業者89のそれぞれは、同一の集荷コンテナに対象物品14を入れることができる。このようにしても、出荷システム82は、1つの出荷先に、複数の種類の対象物品14を同時に送ることができる。
【0206】
図21は、第1例に係る出荷システム82における失敗時のコンテナの流れを示す図である。
【0207】
第1例に係る出荷システム82は、第3搬送装置67として、物品コンテナ用の第3搬送装置67-1と、集荷コンテナ用の第3搬送装置67-2とを備える。また、第1例に係る出荷システム82は、方向変更装置68として、物品コンテナ用の方向変更装置68-1と、集荷コンテナ用の方向変更装置68-2とを備える。
【0208】
物品コンテナ用の第3搬送装置67-1は、第1搬送装置61により搬送されていた物品コンテナを、第2搬送装置62へと送る。物品コンテナ用の方向変更装置68-1は、第1搬送装置61の搬送経路の途中または最終段に設けられる。物品コンテナ用の方向変更装置68-1は、出荷ロボット87が対象物品14に対する処理を失敗した場合に、対象物品14を収納した物品コンテナを、物品コンテナ用の第3搬送装置67-1へと送る。
【0209】
集荷コンテナ用の第3搬送装置67-2は、ロボット用の第4搬送装置86-1により搬送されていた集荷コンテナを、作業者用の第4搬送装置86-2へと送る。集荷コンテナ用の方向変更装置68-2は、ロボット用の第4搬送装置86-1の搬送経路の途中または最終段に設けられる。集荷コンテナ用の方向変更装置68-2は、出荷ロボット87が対象物品14に対する処理を失敗した場合に、対象物品14を収納する予定の集荷コンテナを、集荷コンテナ用の第3搬送装置67-2へと送る。
【0210】
管理システム30は、出荷ロボット87による処理が正常に完了しなかった場合またはエラーとなった場合、対象となる物品コンテナを第2搬送装置62へと送るように、物品コンテナ用の方向変更装置68-1を制御する。これとともに、管理システム30は、対象となる集荷コンテナを、作業者用の第4搬送装置86-2へと送るように、集荷コンテナ用の方向変更装置68-2を制御する。これにより、管理システム30は、出荷ロボット87による処理が失敗した場合であっても、互いに紐づけられた物品コンテナおよび集荷コンテナを、同一のタイミングで出荷作業者89の作業領域に送ることができる。
【0211】
また、出荷ロボット87が指定された個数より多くの対象物品14を集荷コンテナに入れてしまう失敗をした場合、出荷ロボット87は、管理システム30に通知する。管理システム30は、このような失敗があった場合、出荷作業者89に、集荷コンテナから指定された個数の対象物品14を取り出して、物品コンテナに戻す指示を与える。出荷作業者89は、管理システム30からの指示に応じて、出荷ロボット87から転送されてきた集荷コンテナから指定された個数の対象物品14を取り出して、出荷ロボット87から転送されてきた物品コンテナに戻す。これにより、出荷作業者89は、出荷ロボット87が指定された個数より多くの対象物品14を集荷コンテナに入れてしまった場合にリカバリをすることができる。
【0212】
(出荷システム82の第2例)
図22は、第2例に係る出荷システム82を示す図である。図17に示す入出荷システム80に備えられる出荷システム82は、図22に示すような第2例の構成であってもよい。
【0213】
第2例において、第1搬送装置61、第2搬送装置62および第4搬送装置86は、搬送経路が平行となるように設けられる。また、第2例において、第4搬送装置86は、第1搬送装置61と第2搬送装置62との間に設けられる。
【0214】
第2例において、出荷ロボット87は、第1搬送装置61と第4搬送装置86との間に配置される。第2例において、出荷作業者89は、第2搬送装置62と第4搬送装置86の間に配置される。
【0215】
また、第2例において、第1搬送装置61は、ロボット用の物品コンテナ引込部112-1を有する。第2例において、第2搬送装置62は、作業者用の物品コンテナ引込部112-2を有する。また、第2例において、第4搬送装置86は、ロボット用の集荷コンテナ引込部114-1および作業者用の集荷コンテナ引込部114-2を有する。
【0216】
第2例に係る第4搬送装置86は、出荷ロボット87および出荷作業者89の両者に集荷コンベアを送る。従って、管理システム30は、集荷コンベアを出荷ロボット87の作業領域に送った後、集荷コンベアを出荷作業者89の作業領域に送ることができる。これにより、第2例に係る出荷システム82は、出荷ロボット87および出荷作業者89の両者により、1つの集荷コンベアに異なる複数種類の対象物品14を入れることができる。
【0217】
図23は、第2例に係る出荷システム82における失敗時のコンテナの流れを示す図である。例えば1つの物品コンテナに収納された複数の対象物品14にばらつきがあり、出荷ロボット87が正常に動作を継続できない場合、出荷ロボット87は、処理を停止して管理システム30に、処理を停止したという内容の情報を送信する。管理システム30は、処理を停止したという内容の情報を受信した場合、以後の処理の計画を立て直し、立て直し後の計画に基づき全体を制御する。
【0218】
例えば、管理システム30は、収納された複数の対象物品14にばらつきのあった物品コンテナを、再度、第1搬送装置61に戻し、第3搬送装置67を経由して、第3搬送装置67の下流に位置してリカバリ対応を行う出荷作業者89の作業領域へと転送させる。さらに、管理システム30は、対応する集荷コンテナを、第4搬送装置86により、リカバリ対応を行う出荷作業者89の作業領域へと転送させる。そして、管理システム30は、出荷ロボット87では正常に完了しなかった処理を実行させるように、リカバリ対応を行う出荷作業者89に指示を与える。これにより、第2例に係る出荷システム82は、出荷ロボット87が正常に動作を継続できず処理を中断した場合であっても、出荷作業者89によりリカバリをさせることができる。
【0219】
(出荷システム82の第3例)
図24は、第3例に係る出荷システム82を示す図である。図17に示す入出荷システム80に備えられる出荷システム82は、図24に示すような第3例の構成であってもよい。
【0220】
第3例において、第4搬送装置86は、搬送経路が、共通搬送装置60の搬送経路の近傍であって平行となるように設けられる。第3例において、出荷ロボット87および出荷作業者89は、共通搬送装置60と第4搬送装置86との間の領域に配置される。また、出荷作業者89は、共通搬送装置60および第4搬送装置86の搬送経路における、出荷ロボット87より下流側に配置される。
【0221】
第3例に係る出荷システム82は、複数の出荷ロボット87および複数の出荷作業者89を有してもよい。この場合、複数の出荷ロボット87および複数の出荷作業者89は、共通搬送装置60および第4搬送装置86の搬送経路に沿って、一列に並んで配置される。
【0222】
また、共通搬送装置60は、ロボット用の物品コンテナ引込部112-1および作業者用の物品コンテナ引込部112-2を有する。ロボット用の物品コンテナ引込部112-1は、共通搬送装置60のメインの搬送経路から出荷ロボット87の作業領域へと物品コンテナを引き込み、さらに、作業領域からメイン搬送経路へと物品コンテナを戻す。作業者用の物品コンテナ引込部112-2は、共通搬送装置60のメインの搬送経路から出荷作業者89の作業領域へと物品コンテナを引き込み、さらに、作業領域からメイン搬送経路へと物品コンテナを戻す。
【0223】
すなわち、第3例において、ロボット用の物品コンテナ引込部112-1は、第1搬送装置61として機能する。また、第3例において、作業者用の物品コンテナ引込部112-2は、第2搬送装置62として機能する。
【0224】
第3例において、センサシステム64は、出荷ロボット87および出荷作業者89の作業領域より上流に配置される。管理システム30は、図9に示した物品処理システム50と同様に、センサシステム64から取得した情報に基づき、物品コンテナに収納されている対象物品14を出荷ロボット87によりハンドリングして処理をすることができるかどうかを判断する。
【0225】
対象物品14を出荷ロボット87によりハンドリングして処理をすることができる場合、管理システム30は、物品コンテナをロボット用の物品コンテナ引込部112-1(第1搬送装置61として機能)により、出荷ロボット87の作業領域へと引き込ませる。これとともに、管理システム30は、物品コンテナに紐づけられた集荷コンテナを、ロボット用の集荷コンテナ引込部114-1により、出荷ロボット87の作業領域へと引き込ませる。これにより、出荷ロボット87は、物品コンテナに収納された対象物品14を取り出して、集荷コンテナに入れることができる。
【0226】
図25は、第3例に係る出荷システム82における出荷作業者89が処理を行う場合の物品コンテナおよび集荷コンテナの流れを示す図である。
【0227】
対象物品14を出荷ロボット87によりハンドリングして処理をすることができない場合、管理システム30は、物品コンテナを作業者用の物品コンテナ引込部112-2(第2搬送装置62として機能)により、出荷作業者89の作業領域へと引き込ませる。また、管理システム30は、物品コンテナに紐づけられた集荷コンテナを、作業者用の集荷コンテナ引込部114-2により、出荷作業者89の作業領域へと引き込ませる。これにより、出荷作業者89は、物品コンテナに収納された対象物品14を取り出して、集荷コンテナに入れることができる。
【0228】
図26は、第3例に係る出荷システム82における失敗時のコンテナの流れを示す図である。
【0229】
出荷ロボット87による処理が正常に完了しなかった場合またはエラーとなった場合、管理システム30は、対象となる物品コンテナを共通搬送装置60のメインの搬送経路へと戻すように、ロボット用の物品コンテナ引込部112-1を制御する。これとともに、管理システム30は、対応する集荷コンテナを第4搬送装置86のメインの搬送経路へと戻すように、ロボット用の集荷コンテナ引込部114-1を制御する。
【0230】
続いて、管理システム30は、物品コンテナを共通搬送装置60の下流に搬送させる。これに同期して、管理システム30は、対応する集荷コンテナを第4搬送装置86の下流に搬送させる。
【0231】
そして、管理システム30は、物品コンテナを作業者用の物品コンテナ引込部112-2により、出荷作業者89の作業領域へと引き込ませる。また、管理システム30は、対応する集荷コンテナを、作業者用の集荷コンテナ引込部114-2により、出荷作業者89の作業領域へと引き込ませる。
【0232】
そして、管理システム30は、出荷ロボット87では正常に完了しなかった処理を実行させるように、出荷作業者89に指示を与える。これにより、第3例に係る出荷システム82は、出荷ロボット87により処理が失敗した場合であっても、出荷作業者89によりリカバリをさせることができる。
【0233】
(搬送システム20の変形例)
図27は、移動ロボット200を用いた物品処理システム50を示す図である。搬送システム20に含まれる共通搬送装置60、第1搬送装置61、第2搬送装置62および第3搬送装置67の少なくとも1つは、対象物品14を搬送する移動ロボット200を一部に含んでもよい。さらに、移動ロボット200は、管理システム30からの指示により分配装置63としても機能する。
【0234】
移動ロボット200は、対象物品14、または、対象物品14を収納した物品コンテナを保持した状態で移動することができる。管理システム30は、図9に示した物品処理システム50と同様に対象物品14を移動するように、複数の移動ロボット200のそれぞれの移動位置を制御する。すなわち、図27に示す物品処理システム50は、図9に示す物品処理システム50と同様に機能することができる。このように、物品処理システム50は、移動ロボット200により対象物品14を分配及び搬送することにより、ロボット21の台数および作業者23の人数が変更した場合、ロボット21および作業者23の配置が変更した場合等にも、コンベア等を新たに施設する必要が無い。従って、移動ロボット200により対象物品14を搬送する物品処理システム50は、管理システム30の制御プログラム等を更新するだけで、簡単にレイアウトの変更をすることができる。
【0235】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0236】
10 ハンドリングシステム
12 物品
14 対象物品
20 搬送システム
21 ロボット
22 端末装置
23 作業者
30 管理システム
32 外部システム
34 上位システム
50 物品処理システム
51 保管装置
60 共通搬送装置
61 第1搬送装置
62 第2搬送装置
63 分配装置
64 センサシステム
65 分配制御装置
67 第3搬送装置
68 方向変更装置
69 方向制御装置
80 入出荷システム
81 自動倉庫
82 出荷システム
86 第4搬送装置
87 出荷ロボット
88 出荷端末装置
89 出荷作業者
83 入荷システム
91 検品ロボット
92 検品端末装置
93 検品作業者
94 検品搬送装置
95 入庫ロボット
96 入庫端末装置
97 入庫作業者
98 入庫搬送装置
112 物品コンテナ引込部
114 集荷コンテナ引込部
200 移動ロボット
図1
図2
図3
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図5
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図27