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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168580
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】精算装置及びその制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
G07G1/12 361D
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023173484
(22)【出願日】2023-10-05
(62)【分割の表示】P 2019171244の分割
【原出願日】2019-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】中園 健士
(72)【発明者】
【氏名】西田 真琴
(57)【要約】
【課題】免税措置の手続を簡略化し、業務担当者の負担軽減を図る。
【解決手段】精算装置は、取得手段と、報知手段と、を備える。取得手段は、取引にかかる商品のうち、一般物品に属する商品の税抜価格の合計である第1金額と、消耗品に属する商品の税抜価格の合計である第2金額とを取得する。報知手段は、第1金額と第2金額との合算金額が、一般物品を消耗品として取り扱う合算処理の免税対象となる要件を満足する場合に報知する。
【選択図】 図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引にかかる商品のうち、一般物品に属する商品の税抜価格の合計である第1金額と、消耗品に属する商品の税抜価格の合計である第2金額とを取得する取得手段と、
前記第1金額と前記第2金額との合算金額が、一般物品を消耗品として取り扱う合算処理の免税対象となる要件を満足する場合に報知する報知手段と、
を具備する精算装置。
【請求項2】
前記第1金額と前記第2金額との合算金額が前記合算処理の免税対象となる要件を満足する場合に、前記合算処理で免税精算を行うか否かを問合せる問合せ手段と、
前記問合せに対して前記合算処理で免税精算を行うことが選択された場合には、前記一般物品に対する税額と前記消耗品に対する税額とから免税金額を算出し、前記合算処理で免税精算を行わないことが選択された場合には、前記第1金額が一般物品に対する免税対象となる要件を満足する場合の前記一般物品に対する税額と、前記第2金額が消耗品に対する免税対象となる要件を満足する場合の前記消耗品に対する税額とから免税金額を算出して、その免税金額を精算する精算手段と、
をさらに具備する請求項1記載の精算装置。
【請求項3】
取引にかかる商品のデータを、一般物品に属する商品と消耗品に属する商品とで欄を分けて表示する表示手段、
をさらに具備し、
前記表示手段は、前記問合せに対して合算処理で免税精算を行うことが選択された場合には、一般物品に属する商品のデータを消耗品に属する商品のデータが表示される欄に表示する、請求項2記載の精算装置。
【請求項4】
前記問合せに対して合算処理で免税精算を行うことが選択されると、免税対象者が免税店で購入した全ての商品を特殊包装することを通知する通知手段、
をさらに具備する請求項2又は3記載の精算装置。
【請求項5】
免税対象者が免税店で購入した商品のデータを記録する票を出力する出力手段、
をさらに具備し、
前記出力手段は、前記問合せに対して合算処理で免税精算を行うことが選択されると、前記票に、合算処理で免税精算を行ったことを示す情報を出力する、請求項2記載の精算装置。
【請求項6】
取引にかかる商品のうち、一般物品に属する商品の合計である第1金額と、消耗品に属する商品の合計である第2金額とを取得する取得手段と、
前記第1金額と前記第2金額との合算金額が一般物品を消耗品として取り扱う合算処理の免税対象となる要件を満足する場合には、前記一般物品に対する税額と前記消耗品に対する税額とから前記合算処理による免税金額を算出して、その免税金額を精算する合算精算手段と、
を具備する精算装置。
【請求項7】
前記合算精算手段は、前記第1金額が前記一般物品に対する免税対象となる要件を満足せず、かつ、前記第2金額が前記消耗品に対する免税対象となる要件を満足しない場合で、前記第1金額と前記第2金額との合算金額が前記合算処理の免税対象となる要件を満足する場合に免税金額を精算する、請求項6記載の精算装置。
【請求項8】
精算装置のコンピュータに、
取引にかかる商品のうち、一般物品に属する商品の税抜価格の合計である第1金額と、消耗品に属する商品の税抜価格の合計である第2金額とを取得する機能と、
前記第1金額と前記第2金額との合算金額が、一般物品を消耗品として取り扱う合算処理の免税対象となる要件を満足する場合に報知する機能と、
を実現させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、精算装置及びコンピュータを当該精算装置として機能させるための制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般型消費税免税店の経営者が、外国人旅行者等の非居住者に対して一定の方法で物品を販売する場合には、その物品に賦課される物品税(消費税,酒税等)が免除される。例えば、家電製品、衣料品、宝飾品等のように通常生活の用に供せられる一般物品は、一人の非居住者に対して同じ店舗における一日の販売合計額が予め定められた金額(例えば5千円)以上という免税対象となる要件を満足した場合に免税される。飲食品、化粧品、医薬品等の消耗品は、一人の非居住者に対して同じ店舗における一日の販売合計額が予め定められた金額(例えば5千円から50万円)の範囲内であること、指定された方法による特殊包装がされていること、などの免税対象となる要件を満足した場合に免税される。
【0003】
ここで、同じ店舗とは、商店街、ショッピングセンター、テナントビル等の特定商業施設であってもよい。特定商業施設の場合、第三者である承認免税手続事業者がその施設内に免税手続カウンタを設置することで、手続委託型免税店による非居住者への物品販売に係る免税措置の手続を経営者に代わって行うことができる。
【0004】
このように、以前は、一般物品と消耗品とを個別に取り扱い、免税対象となる要件を判定していた。ところが昨今、法改正があり、一般物品であっても消耗品と同じように特殊包装を行った場合には消耗品の規定が適用され、一般物品と消耗品との合算金額が予め定められた金額(例えば5千円以上で50万円以下)であれば、免税対象となることとなった。その結果、例えば一般物品の販売合計額が3千円、消耗品の販売合計額が3千円であった場合、法改正以前は免税対象とはならなかったが、法改正後は免税対象となる。
【0005】
しかしながら、現状における免税手続のシステムでは、免税措置の業務担当者が一般物品の販売合計額と消耗品との販売合計額とを確認し、必要に応じて合算して、免税対象となる要件を満足するか否かを判定しなければならない。このため、業務担当者の負担が大きい上、合算処理の要件を見落としてしまって非居住者に対して不利益を与える懸念がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-058745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、免税措置の手続を簡略化でき、業務担当者の負担軽減の効果を奏し得る精算装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態において、精算装置は、取得手段と、報知手段と、を備える。取得手段は、取引にかかる商品のうち、一般物品に属する商品の税抜価格の合計である第1金額と、消耗品に属する商品の税抜価格の合計である第2金額とを取得する。報知手段は、第1金額と第2金額との合算金額が、一般物品を消耗品として取り扱う合算処理の免税対象となる要件を満足する場合に報知する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る免税処理システムの全体構成を示す模式図。
図2】精算端末の要部回路構成を示すブロック図。
図3】管理サーバの要部回路構成を示すブロック図。
図4】免税品データベースに保存される主要なデータ項目を示す模式図。
図5】購入者データファイルに保存される主要なデータ項目を表す模式図。
図6】一般物品購入レコード及び消耗品購入レコードに含まれるデータの構造を示す模式図。
図7】判定テーブルのデータ構造とそのデータ例とを示す模式図。
図8】精算端末のCPUが実行する制御処理の主要な手順を示す流れ図。
図9図8における免税判定処理の要部手順を示す流れ図。
図10図9における個別処理の要部手順を示す流れ図。
図11図9における合算処理の要部手順を示す流れ図。
図12】精算端末のタッチパネルに表示される報知・問合せ画像の一例を示す模式図。
図13】個別処理時に精算端末のタッチパネルに表示される精算画面の一例を示す模式図。
図14】合算処理時に精算端末のタッチパネルに表示される精算画面の一例を示す模式図。
図15】合算処理時に精算端末のタッチパネルに表示される特殊包装指示画像の一例を示す模式図。
図16】合算処理時に精算端末から発行される購入記録票の一例を示す模式図。
図17】免税判定処理の他の実施形態を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、精算装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施形態は、商店街、ショッピングセンター、テナントビル等の特定商業施設において、承認免税手続事業者によって運営される免税手続カウンタに設置される精算装置を例示する。
【0011】
図1は、免税処理システム1の全体構成を示す模式図である。免税処理システム1は、手続委託型の免税制度が適用される特定商業施設2(以下、施設2と称する)と、当該施設2の承認免税手続事業者又はこの事業者から委託を受けた企業体が管理するデータセンタ3との間で構築される。
【0012】
施設2は、商店街、ショッピングセンター、テナントビル等の店舗の集合体である。各店舗は、手続委託型の消費税免税店4(以下、免税店4と称する)として国等から認可されている。各免税店4では、それぞれ会計装置として、例えば先行技術文献に開示されている周知のPOS(Point Of Sales)端末40が稼働している。1店舗当たりにおけるPOS端末40の台数は、特に制限されるものではない。なお、施設2は、一般型の消費税免税店、すなわち1店舗だけの免税店であってもよい。
【0013】
施設2には、承認免税手続事業者によって管理される免税受付カウンタ5(以下、受付カウンタ5と称する)と免税手続カウンタ6(以下、手続カウンタ6と称する)とが設置されている。受付カウンタ5と手続カウンタ6とは、施設2内の別々の場所に設置されていてもよいし、同一の場所に設置されていてもよい。
【0014】
受付カウンタ5は、外国人旅行者等の非居住者が施設2内で買物をする前に、免税による物品の売買取引に必要な免税シートSの発行を受ける場所である。受付カウンタ5では、免税シートSを発行するための、例えば先行技術文献に開示されている周知の受付端末50が稼働している。免税シートSは、例えばレシート用紙に必要事項が印刷されたものである。なお、免税シートSの代わりに、情報を磁気的又は電気的に保持可能なカード媒体(磁気カード,ICカード等)を用いてもよい。
【0015】
手続カウンタ6は、施設2内の免税店4で買物をした非居住者である免税対象者が免税措置の手続を行う場所である。手続の業務には、免税対象者が免税店4で購入した物品に対して支払った物品税(消費税,酒税等)の返金業務、購入者誓約書、購入記録票、包装ラベル等の免税措置に必要な証書の発行業務、購入者誓約書の回収業務等がある。手続カウンタ6では、精算端末60が稼働している。精算端末60は、精算装置として機能する情報処理装置の一態様である。
【0016】
データセンタ3は、少なくとも1つの施設2に対し、その施設2での免税措置の手続に係るデータの管理及び免税措置の手続によって処理されたデータの保管を目的に設置されている。複数の施設2での免税措置の手続に係るデータの管理及び免税措置の手続によって処理されたデータの保管を、1つのデータセンタが兼用してもよい。データセンタ3では、免税措置の手続に係るデータ及び免税措置の手続によって処理されたデータを管理するための管理サーバ30が稼働している。
【0017】
免税処理システム1は、インターネット等のコンピュータネットワーク7(以下、ネットワーク7と称する)を含む。そしてこのネットワーク7で、施設2内の各POS端末40、受付端末50及び精算端末60と、データセンタ3内の管理サーバ30とを、双方向通信自在に接続することによって、免税処理システム1が構築されている。
【0018】
なお図1では、管理サーバ30をデータセンタ3に設けているが、管理サーバ30を施設2内に設け、施設2内のネットワークで接続することにより、免税処理システム1を構成してもよい。
【0019】
図2は、精算端末60の要部回路構成を示すブロック図である。精算端末60は、CPU(Central Processing Unit)601、ROM(Read Only Memory)602、RAM(Random Access Memory)603、補助記憶デバイス604、時計部605、通信インターフェース606、タッチパネル607、スキャナ608、カードリーダ609、プリンタインターフェース610及び2つの外部機器インターフェース611,612を搭載する。そして精算端末60は、CPU601と、ROM602、RAM603、補助記憶デバイス604、時計部605、通信インターフェース606、タッチパネル607、スキャナ608、カードリーダ609、プリンタインターフェース610及び外部機器インターフェース611,612とを、アドレスバス、データバス、制御信号線等のシステム伝送路613によって直接、又は入出力回路を介して間接的に接続している。CPU601、ROM602、RAM603及び補助記憶デバイス604がシステム伝送路613で接続されることにより、精算端末60のコンピュータが構成される。
【0020】
CPU601は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。CPU601は、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムに従って、精算端末60としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0021】
ROM602は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM602は、上記のオペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムを記憶する。ROM602は、CPU601が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを記憶する場合もある。
【0022】
RAM603は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM603は、CPU601が処理を実行する上で必要なデータを記憶する。またRAM603は、CPU601によって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用される。
【0023】
補助記憶デバイス604は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス604は、例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)などである。補助記憶デバイス604は、CPU601が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU601での処理によって生成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス604は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0024】
ROM602又は補助記憶デバイス604に記憶されるアプリケーションプログラムには、精算端末60で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムが含まれる。制御プログラムをROM602又は補助記憶デバイス604にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、ROM602又は補助記憶デバイス604にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0025】
時計部605は、精算端末60の時刻情報源として機能する。CPU601は、時計部605によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時間を計時する。
【0026】
通信インターフェース606は、ネットワーク7に接続される。通信インターフェース606は、ネットワーク7を介してデータセンタ3の管理サーバ30と予め設定されたプロトコルに従いデータ通信を行う。
【0027】
タッチパネル607は、表示デバイス及びタッチセンサを含む。表示デバイスは、その表示画面を、GUI画面などの任意の画面とする。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU601へと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
【0028】
スキャナ608は、バーコード、二次元データコード等のコードシンボルを光学的に読み取る。スキャナ608は、免税シートSに印刷されたバーコードの読取りに供される。
【0029】
カードリーダ609は、カード媒体に記録されたデータを読み取る。カード媒体が磁気カードの場合、カードリーダ609は磁気カードリーダである。カード媒体がICカードの場合、カードリーダ609はICカードリーダである。ICカードリーダは、接触タイプでもよいし、非接触タイプでもよい。カード媒体が磁気カードであれば、カードリーダ609は磁気カードリーダとなる。カード媒体CがICカードであれば、カードリーダ609はICカードリーダとなる。
【0030】
プリンタインターフェース610は、通信ケーブルを介して着脱自在に接続されるプリンタ61との間で、予め設定されたプロトコルに従いデータ通信を行う。プリンタ61は、購入記録票、包装ラベル等の証書の印刷に供される。この種のプリンタ61としては、サーマルプリンタ又はドットインパクトプリンタ等を適用できる。精算端末60を周知のPOS端末で構成し、このPOS端末に搭載されているレシートプリンタを、上記証書を印刷するためのプリンタとしてもよい。
【0031】
外部機器インターフェース611は、通信ケーブルを介して着脱自在に接続されるペンタブレット62との間で予め設定されたプロトコルに従いデータ通信を行う。ペンタブレット62は、板状のタブレット本体に対する電子ペンの位置をタブレット本体に内蔵したセンサで読み取るもので、電子ペンの軌跡を検出しユーザの書込み情報として電子的に取り込む検出デバイスである。ペンタブレット62としては、液晶ペンタブレット等の周知のものを適用できる。ペンタブレット62は、電子文書である購入者誓約書に購入者の電子署名(電子サイン)を記録するために供される。
【0032】
外部機器インターフェース612は、通信ケーブルを介して着脱自在に接続される出金機63との間で予め設定されたプロトコルに従いデータ通信を行う。出金機63は、紙幣及び硬貨の現金を金種別に収納したストッカと、出金データに応じた金額の現金をストッカから払出口に払い出す機構とを有する。出金機63は、施設2内の免税店4において税込み価格で免税品を購入し、手続カウンタ6で免税手続を終えた免税対象者に対して返金される免税対象額を出金する。出金機63は、POS端末と連動する周知の自動釣銭機であってもよい。また、出金機63の代わりに、現金を収納したドロワを接続し、このドロワをCPU601からの開放信号に応じて開放動作するように制御してもよい。この場合には、タッチパネル607に免税対象額を表示させることによって、手続カウンタ6の業務担当者が免税対象額に相当する現金をドロワから揃えて免税対象者に手渡すことになる。
【0033】
図3は、管理サーバ30の要部回路構成を示すブロック図である。管理サーバ30は、CPU301、ROM302、RAM303、補助記憶デバイス304、時計部305、通信インターフェース306及びLANインターフェース307を搭載する。そして管理サーバ30は、CPU301とROM302、RAM303、補助記憶デバイス304、時計部305、通信インターフェース306及びLANインターフェース307とを、アドレスバス、データバス、制御信号線等のシステム伝送路308によって直接、又は入出力回路を介して間接的に接続している。CPU301、ROM302、RAM303及び補助記憶デバイス304がシステム伝送路308で接続されることにより、管理サーバ30のコンピュータが構成される。
【0034】
CPU301は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。CPU301は、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムに従って、管理サーバ30としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0035】
ROM302は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM302は、上記のオペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムを記憶する。ROM302は、CPU301が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを記憶する場合もある。
【0036】
RAM303は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM303は、CPU301が処理を実行する上で必要なデータを記憶する。またRAM303は、CPU301によって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用される。
【0037】
補助記憶デバイス304は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス304は、例えばEEPROM、HDD、あるいはSSDなどである。補助記憶デバイス304は、CPU301が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU301での処理によって生成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス304は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0038】
ROM302又は補助記憶デバイス304に記憶されるアプリケーションプログラムには、管理サーバ30で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムが含まれる。制御プログラムをROM302又は補助記憶デバイス304にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、ROM302又は補助記憶デバイス304にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0039】
時計部305は、管理サーバ30の時刻情報源として機能する。CPU301は、時計部305によって計時される時刻情報を基に、現在の日付及び時間を計時する。
【0040】
通信インターフェース306は、ネットワーク7に接続される。通信インターフェース306は、ネットワーク7を介して受付端末50、POS端末40又は精算端末60との間で、それぞれ予め設定されたプロトコルに従いデータ通信を行う。
【0041】
LANインターフェース307は、データセンタ3内に形成されたLANに接続される。LANは、有線LANでもよいし、無線LANでもよい。
【0042】
かかる構成の管理サーバ30は、補助記憶デバイス304において、免税品データベース31と購入者データファイル32と判定テーブル33を記憶している。免税品データベース31は、各免税店4で免税対象者に対して物品税が免除されて販売される物品、いわゆる免税品に関するデータを保存する。
【0043】
免税品には、食料品、飲料類、薬品類、化粧品類等の消耗品と、消耗品以外の一般物品とがある。我が国では現在、消耗品については、同一の免税対象者に対する同一施設2内の免税店4での1日の販売合計額が5千円以上、50万円以下の範囲内の場合に免税対象となる。一方、一般物品については、同販売合計金額が5千円以上の場合に免税対象となる。また、一般物品の販売合計額と消耗品の販売合計額との合算金額が5千円以上、50万円以下の範囲内のときにも免税対象となる。ただし、この場合には、一般物品については消耗品と同様に特殊包装を行う必要がある。
【0044】
図4は、免税品データベース31に保存される主要なデータ項目を示す模式図である。図4に示すように、免税品データベース31には、店舗コード、商品コード、品目名、価格、消費税区分、免税区分の各項目を含む免税品レコードが免税品の数だけ保存されている。店舗コードは、免税店4を個々に識別するために免税店4毎に設定された一意のコードである。商品コードは、対応する店舗コードで識別される免税店4で販売される商品(免税品、非免税品を含む)を個々に識別するために商品毎に設定された一意のコードである。因みに、同一種類の商品に対する商品コードが各免税店4で共通であってもよいし、免税店4毎に異なっていてもよい。また、別種類の商品に対して異なる免税店4で同一の商品コードが付されることを妨げるものでもない。
【0045】
品目名は、対応する商品コードで識別される商品の名称である。価格は、対応する商品コードで識別される商品に対しての価格(税込価格又は税抜価格)である。因みに、同一種類の商品に対する品目名又は価格が各免税店4で共通であってもよいし、免税店4毎に異なっていてもよい。
【0046】
消費税区分は、対応する商品コードで識別される商品が税込で定義されるのか、税抜で定義されるのか、また消費税率がいくらで設定されているのかを区分けする情報である。消費税区分が税込を定義する区分の場合、価格は、税込価格である。そして、この税込価格と消費税率とから税抜価格及び消費税金額を算出可能である。消費税区分が税抜を定義する区分の場合、価格は、税抜価格である。そして、この税抜価格と消費税率とから税込価格及び消費税金額を算出可能である。因みに、同一種類の商品に対する消費税区分が各免税店4で共通であってもよいし、免税店4毎に異なっていてもよい。また、同一の免税店4で取り扱う各商品においても消費税区分が異なっていてもよい。
【0047】
免税区分は、対応する商品コードで識別される商品が消耗品として定義されるのか、消耗品以外の一般物品として定義されるのか、あるいは免税対象外として定義されるのかを区分けする情報である。例えば管理サーバ30のCPU301は、区分が“1”の場合、この区分に対応する商品は消耗品であると認識する。同様にCPU301は、区分が“2”の場合、この区分に対応する商品は一般物品であると認識し、区分が“3”の場合、この区分に対応する商品は免税対象外であると認識する。例えば、対応する商品コードで識別される商品が非課税の商品である場合には、区分“3”が設定される。
【0048】
購入者データファイル32は、免税店4で免税品を購入する意思を表した購入者、すなわち施設2の受付カウンタ5で免税シートSの発行を受けた免税対象者に関する種々のデータを保存する領域である。
【0049】
図5は、購入者データファイル32に保存される主要なデータ項目を表す模式図である。図5に示すように、購入者データファイル32には、購入者コード、非居住者データ、受付日時、精算日時、区分、一般物品購入レコード、消耗品購入レコード、一般物品合計及び消耗品合計の各データが保存される。
【0050】
購入者コードは、施設2の受付カウンタ5で免税シートSの発行を受けた免税対象者を個々に識別する一意のコードである。購入者コードは、例えば旅券番号と日時情報とから生成される。非居住者データは、対応する購入者コードで識別される免税対象者から提示された非居住者であることを証明する物に記載されている情報である。例えば、非居住者であることを証明する証明物が旅券(パスポート)の場合、旅券の種類、氏名、旅券番号、国籍、生年月日、性別、旅券の有効期限等が非居住者データに含まれる。受付日時は、対応する購入者コードで識別される免税対象者が、受付カウンタ5にて受付をした日時である。精算日時は、対応する購入者コードで識別される免税対象者が、手続カウンタ6にて免税対象者が免税店4で購入した物品に対して支払った消費税等の返金を受ける等の免税に関する精算、いわゆる免税精算を行った日時である。
【0051】
区分は、免税精算を個別処理で行ったか、合算処理で行ったかを識別するデータである。個別処理とは、一般物品の販売合計額又は消耗品の販売合計額で免税精算を行う処理を言う。合算処理とは、一般物品を消耗品として取り扱い、一般物品の販売合計額と消耗品の販売合計額との合算金額で免税精算を行う処理を言う。
【0052】
一般物品購入レコードは、対応する購入者コードで識別される免税対象者が各免税店4で購入した免税品のうち、一般物品の販売に関するデータを記録したものである。消耗品購入レコードは、同免税対象者が各免税店4で購入した免税品のうち、消耗品の販売に関するデータを記録したものである。一般物品購入レコード及び消耗品購入レコードは、共通のデータ構造を有しており、それぞれ免税品毎に作成される。一般物品合計は、対応する購入者コードで識別される免税対象者が各免税店4で購入した免税品のうち、一般物品の購入点数及び税抜価格をそれぞれ合計したものである。消耗品合計は、同免税対象者が各免税店4で購入した免税品のうち、消耗品の購入点数及び税抜価格をそれぞれ合計したものである。以下では、一般物品の税抜価格を合計した金額を一般物品合計額nと表す。また、消耗品の税抜価格を合計した金額を消耗品合計額mと表す。
【0053】
図6は、一般物品購入レコード及び消耗品購入レコードに含まれるデータの構造を示す模式図である。図6に示すように、一般物品購入レコード及び消耗品購入レコードには、店舗コード、商品コード、品目名、購入点数、価格、消費税金額等が含まれる。店舗コード、商品コード、品目名、購入点数については、前述したとおりである。価格は、税抜価格である。消費税金額は、対応する商品コードで識別される商品に対して賦課される消費税の金額である。
【0054】
図7は、判定テーブル33のデータ構造とそのデータ例とを示す模式図である。図7に示すように、判定テーブル33は、1から9までの連続番号にそれぞれ関連付けて、商品区分・金額エリアと、個別処理エリアと、合算処理エリアとを備えたデータテーブルである。そして、商品区分・金額エリアには、一般物品合計額nに対して免税対象となる要件の条件式データC1と、消耗品合計額mに対して免税対象となる要件の条件式データC2と、一般物品合計額nと消耗品合計額mとの合算金額(n+m)に対して免税対象となる要件の条件式データC3とが記述されている。個別処理エリアには、一般物品に関する個別処理フラグF1と消耗品に関する個別処理フラグF2とが記述されており、合算処理エリアには、合算処理フラグF3が記述されている。各処理フラグF1,F2,F3は、対応する処理が成立する場合に“1”となり、不成立の場合に“0”となる1ビットデータである。なお、各処理フラグF1,F2,F3は、対応する処理が成立する場合に“0”となり、不成立の場合に“1”となる1ビットデータであってもよい。
【0055】
具体的には、番号“1”に対しては、条件式データC1としては「n<N」が、条件式データC2としては「m<ML」が、条件式データC3としては「n+m<ML」がそれぞれ記述されている。ここで、「n<N」の“N”は、同一の免税対象者に対する同一施設2内の免税店4での1日の一般物品合計額nが免税対象となる最低額である。すなわち、わが国の現状では最低額Nは5,000円である。「m<ML」の“ML”は、同一の免税対象者に対する同一施設2内の免税店4での1日の消耗品の販売合計額が免税対象となる最低額である。すなわち、わが国の現状では最低額MLは5,000円である。一般物品合計額nが最低額N円に満たない場合、一般物品の個別処理では免税対象とはならない。したがって、個別処理フラグF1は“0”となる。同様に、消耗品合計額mが最低額ML円に満たない場合、消耗品の個別処理では免税対象とはならない。したがって、個別処理フラグF2は“0”となる。また、一般物品合計額nと消耗品合計額mとの合算金額(n+m)が最低額ML円に満たない場合も、免税対象とはならない。したがって、合算処理フラグF3も“0”となる。
【0056】
番号“2”に対しては、条件式データC1としては「n<N」が、条件式データC2としては「m<ML」が、条件式データC3としては「ML≦n+m」がそれぞれ記述されている。この場合、番号“1”の項で説明したように、個別処理フラグF1及び個別処理フラグF2は、いずれも“0”となる。一方、一般物品合計額nと消耗品合計額mとの合算金額(n+m)が最低額ML円以上の場合には、免税対象となる。したがって、合算処理フラグF3は“1”となる。
【0057】
番号“3”に対しては、条件式データC1としては「n<N」が、条件式データC2としては「ML≦m≦MH」が、条件式データC3としては「ML≦n+m≦MH」がそれぞれ記述されている。ここで、「ML≦n+m≦MH」の“MH”は、同一の免税対象者に対する同一施設2内の免税店4での1日の消耗品の販売合計額が免税対象となる最高額である。すなわち、わが国の現状では最高額MHは500,000円である。この場合、番号“1”の項で説明したように、個別処理フラグF1は“0”となる。一方、消耗品合計額mが最低額ML円から最高額MH円までの範囲内の場合、消耗品の個別処理では免税対象となる。したがって、個別処理フラグF2は“1”となる。また、一般物品合計額nと消耗品合計額mとの合算金額(n+m)が最低額ML円から最高額MH円までの範囲内の場合も、免税対象となる。したがって、合算処理フラグF3も“1”となる。
【0058】
番号“4”に対しては、条件式データC1としては「n<N」が、条件式データC2としては「ML≦m≦MH」が、条件式データC3としては「MH<n+m」がそれぞれ記述されている。この場合、番号“3”の項で説明したように、個別処理フラグF1は“0”となり、個別処理フラグF2は“1”となる。一方、一般物品合計額nと消耗品合計額mとの合算金額(n+m)が最高額MH円を超えた場合には、免税対象とならない。したがって、合算処理フラグF3は“0”となる。
【0059】
番号“5”に対しては、条件式データC1としては「n<N」が、条件式データC2としては「MH<m」が、条件式データC3としては「MH<n+m」がそれぞれ記述されている。この場合、番号“4”の項で説明したように、個別処理フラグF1は“0”となり、合算処理フラグF3も“0”となる。一方、消耗品合計額mが最高額MH円を超えると、消耗品の個別処理では免税対象とならない。したがって、個別処理フラグF2は“0”となる。
【0060】
番号“6”に対しては、条件式データC1としては「N≦n」が、条件式データC2としては「m<ML」が、条件式データC3としては「ML≦n+m」がそれぞれ記述されている。この場合、番号“2”の項で説明したように、個別処理フラグF2は“0”となり、合算処理フラグF3は“1”となる。一方、一般物品合計額nが最低額N円以上の場合には、一般物品の個別処理では免税対象とはなる。したがって、個別処理フラグF1は“1”となる。
【0061】
番号“7”に対しては、条件式データC1としては「N≦n」が、条件式データC2としては「ML≦m≦MH」が、条件式データC3としては「ML≦n+m≦MH」がそれぞれ記述されている。この場合、番号“6”の項で説明したように、個別処理フラグF1は“1”となる。また、番号“3”の項で説明したように、個別処理フラグF2は“1”となり、合算処理フラグF3も“1”となる。
【0062】
番号“8”に対しては、条件式データC1としては「N≦n」が、条件式データC2としては「ML≦m≦MH」が、条件式データC3としては「MH<n+m」がそれぞれ記述されている。この場合、番号“6”の項で説明したように、個別処理フラグF1は“1”となる。また、番号“4”の項で説明したように、個別処理フラグF2は“1”となり、合算処理フラグF3は“0”となる。
【0063】
番号“9”に対しては、条件式データC1としては「N≦n」が、条件式データC2としては「MH<m」が、条件式データC3としては「MH<n+m」がそれぞれ記述されている。この場合、番号“6”の項で説明したように、個別処理フラグF1は“1”となる。また、番号“5”の項で説明したように、個別処理フラグF2は“0”となり、合算処理フラグF3も“0”となる。
【0064】
かかるデータが設定された判定テーブル33は、ネットワーク7を介して精算端末60にダウンロードされて、精算端末60の補助記憶デバイス604にも保存されている。以下では、精算端末60にダウンロードされた判定テーブル33を判定テーブル33Dと称する。
【0065】
図8乃至図11は、精算端末60のCPU601が制御プログラムにしたがって実行する制御処理の主要な手順を示す流れ図である。図12図16は、精算端末60のタッチパネル607に表示される種々の画像又は画面の一例を示す模式図である。以下、各図を用いて、精算端末60の動作について説明する。なお、以下に説明する動作の内容は一例である。同様な結果が得られるのであればその手順などは特に限定されるものではない。
【0066】
はじめに、各免税店4での買物を終えた免税対象者は、手続カウンタ6に赴く。そして免税対象者は、免税措置を行う業務担当者に免税シートSを提示する。免税対象者から免税シートSの提示を受けた業務担当者は、精算端末60を起動させる。例えば精算端末60は、タッチパネル607がタッチ操作されると、起動する。精算端末60が起動すると、CPU601は、図8の流れ図に示す手順の処理、いわゆる精算処理を開始する。
【0067】
先ずCPU601は、ACT1として購入者コードを受け取る。具体的にはCPU601は、タッチパネル607に、「免税シートのバーコードをスキャニングしてください」等のガイダンスを表示させる。このガイダンスを確認した業務担当者は、免税対象者が提示した免税シートSのバーコードをスキャナ608で読み取らせる。スキャナ608によって免税シートSのバーコードが読み取られると、CPU601は、そのバーコードを解析して得られるコードを購入者コードとして受け取る。
【0068】
次いでCPU601は、ACT2として購入者コードを正当に受け取ることができたか否かを判定する。スキャナ608で読み取られたバーコードから得られたコードの体系が購入者コードの体系と異なる場合、CPU601は、購入者コードを受け取ることができなかったと判定する。購入者コードを受け取ることができなかった場合、CPU601は、ACT2においてNOと判定する。CPU601は、例えばタッチパネル607に、「購入者コードを読み取れませんでした」等のエラーメッセージを表示させて、精算処理を終了する。
【0069】
購入者コードを受け取ることができた場合には、CPU601は、ACT2においてYESと判定し、ACT3へと進む。CPU601は、ACT3として管理サーバ30に対して購入者データファイル32を要求する。具体的にはCPU601は、ACT1の処理で受け取った購入者コードを含む購入者データファイル32の問合せコマンドを生成し、管理サーバ30へと送信するように通信インターフェース606を制御する。この制御を受けて通信インターフェース606は、ネットワーク7を介して問合せコマンドを管理サーバ30に送信する。
【0070】
問合せコマンドを受信した管理サーバ30のCPU301は、そのコマンド中の購入者コードがセットされた購入者データファイル32を検索する。そして該当する購入者データファイル32を検出したならば、CPU301は、その購入者データファイル32を問合せコマンド送信元の精算端末60に宛てて、ネットワーク7を介して送信する。
【0071】
問合せコマンドを送信したCPU601は、ACT4として購入者データファイル32の応答有無を確認する。そして、購入者データファイル32の応答がなかった場合、CPU601は、ACT4においてNOと判定する。CPU601は、例えばタッチパネル607に、「購入者データを取得できませんでした」等のエラーメッセージを表示させて、精算処理を終了する。
【0072】
購入者データファイル32の応答があった場合には、CPU601は、ACT4においてYESと判定し、ACT5へと進む。CPU601は、ACT5としてその購入者データファイル32をRAM303のワークエリアに記憶する。そしてCPU601は、ACT6として後述の免税判定処理を実行して、精算処理を終了する。
【0073】
次に、免税判定処理について説明する。なお、以下では、ワークエリアに記憶した購入者データファイル32を購入者データファイル32Mと称する。
【0074】
図9は、免税判定処理の具体的な手順を示す流れ図である。免税判定処理に入ると、CPU601は、ACT11として購入者データファイル32Mに精算日時がセットされているか否かを確認する。精算日時がセットされていないと、購入者データファイル32Mに関してはまだ本日中の免税精算が実行されていない。この場合、CPU601は、ACT11においてNOと判定し、ACT12へと進む。CPU601は、ACT12として購入者データファイル32Mから一般物品合計額nと消耗品合計額mとを取得する。
【0075】
ここに、CPU601は、ACT12の処理を実行することで取得手段を構成する。具体的にはCPU601は、免税対象者が免税店で購入した商品のうち、一般物品に属する商品の合計である第1金額、すなわち一般物品合計額nと、消耗品に属する商品の合計である第2金額、すなわち消耗品合計額mとを取得する。
【0076】
ACT12の処理を終えると、CPU601は、ACT13として番号カウンタkを“0”にリセットする。番号カウンタkは、RAM603に形成されている。CPU601は、ACT14として番号カウンタkを“1”だけカウントアップする。そしてCPU601は、ACT15として判定テーブル33Dを参照して、番号カウンタkの番号に対応した条件式データC1,C2,C3を取得する。
【0077】
CPU601は、ACT16として購入者データファイル32Mから取得した一般物品合計額nと消耗品合計額mとが、条件式データC1,C2,C3を全て満足するか否かを確認する。ここで、少なくとも1つの条件式データを満足しない場合、CPU601は、ACT16においてNOと判定し、ACT14へと戻る。CPU601は、番号カウンタkをさらに“1”だけカウントアップする。そしてCPU601は、番号カウンタkの番号に対応した条件式データC1,C2,C3を取得し、一般物品合計額nと消耗品合計額mとが条件式データC1,C2,C3を全て満足するか否かを確認する。
【0078】
CPU601は、一般物品合計額nと消耗品合計額mとが条件式データC1,C2,C3を全て満足するまで、ACT14乃至ACT16の処理を繰り返す。そして条件式データC1,C2,C3を全て満足したならば、CPU601は、ACT16においてYESと判定し、ACT17へと進む。CPU601は、ACT17として番号カウンタkの番号に対応した合算処理フラグF3が“1”にセットされているか否かを確認する。合算処理フラグF3が“0”にリセットされていた場合、CPU601は、ACT17においてNOと判定し、ACT20へと進む。ACT20の処理については後述する。
【0079】
一方、合算処理フラグF3が“1”にセットされていた場合には、CPU601は、ACT17においてYESと判定し、ACT18へと進む。CPU601は、ACT18として報知・問合せの処理を実行する。具体的にはCPU601は、タッチパネル607に対し、報知・問合せ画像SC1(図12を参照)を表示する。
【0080】
図12は、報知・問合せ画像SC1の一例である。図12に示すように、報知・問合せ画像SC1には、一般物品合計額nと消耗品合計額mとの合算金額n+mが免税対象となる要件を満足することを報知するメッセージとして、例えば「一般物品と消耗品とを合算することで免税が可能です。」が表示される。また、合算処理で免税精算を行うか否かを問い合わせるためのメッセージとして、例えば「ただし、合算すると一般物品は消耗品と同等に取り扱われます。合算処理に切り替えますか?」が表示される。さらに、「はい」のタッチボタンBT1と、「いいえ」のタッチボタンBT2も表示される。
なお、ACT18においては、報知の処理を先に行い、その後に問合せの処理を行ってもよい。この場合、CPU601は、タッチパネル607に対し、報知・問合せ画像SC1(図12を参照)のうち、先ずは報知するメッセージを表示する。「はい」のタッチボタンBT1と、「いいえ」のタッチボタンBT2は表示しない。その後、CPU601は、画面の表示を切り替えて、問い合わせのメッセージとともに、「はい」のタッチボタンBT1と、「いいえ」のタッチボタンBT2を示した問合せ画像を表示すればよい。
【0081】
報知・問合せ画像SC1を確認した業務担当者は、免税対象者に対し、合算処理が可能であることを通知し、合算処理に切り替えるか否かを問い合わせる。ここで、免税対象者が、一般物品を消耗品のように特殊包装することを望まず、合算処理に切り替えることを拒否した場合には、業務担当者は、「いいえ」ボタンBT2にタッチする。一方、免税対象者が合算処理に切り替えることを承認した場合には、業務担当者は、「はい」ボタンBT1にタッチする。なお、ペンタブレット62の画面上に合算金額n+mが免税対象となる要件を満足することを報知するメッセージとともに、「はい」のタッチボタンと、「いいえ」のタッチボタンを表示させて、免税購入者自身に合算処理に切り替えるか否かを選択させてもよい。
【0082】
図9の説明に戻る。
報知・問合せ画像SC1の表示を制御したCPU601は、ACT19として合算処理が選択されたか否かを確認する。報知・問合せ画像SC1の「いいえ」ボタンBT2がタッチされたことを検知した場合、CPU601は、合算処理が選択されなかったと判定する。CPU601は、ACT19においてNOと判定し、ACT20へと進む。これに対し、報知・問合せ画像SC1の「はい」ボタンBT1がタッチされたことを検知した場合には、CPU601は、合算処理が選択されたと判定する。CPU601は、ACT19においてYESと判定し、ACT21へと進む。
【0083】
すなわちCPU601は、ACT17において合算処理フラグF3が“0”であることを確認するか、ACT19において合算処理が選択されなかったことを確認すると、ACT20へと進む。CPU601は、ACT20として個別処理を実行する。一方、ACT17において合算処理フラグF3が“1”であることを確認し、さらにACT19において合算処理が選択されたことを確認した場合には、CPU601は、ACT21へと進む。CPU601は、ACT21として合算処理を実行する。
【0084】
次に、個別処理と合算処理とについて説明する。
図10は、個別処理の具体的な手順を示す流れ図である。図10に示すように、CPU601は、個別処理に入ると、ACT31としてタッチパネル607に精算画面SC2(図13を参照)を表示する。
【0085】
図13は、個別処理における精算画面SC2の一例である。図13に示すように、精算画面SC2は、店舗名の表示エリアA1と、一般物品に関する情報の表示エリアA2と、消耗品に関する情報の表示エリアA3と、免税金額の表示エリアA4とを含む。そして、表示エリアA1には、免税対象者が買物を行った免税店4の名称が表示されている。
【0086】
表示エリアA2には、免税対象者が対応する店舗で購入した一般物品の購入点数、購入金額(税抜)及び消費税額と、各々の全店舗分の合計とが表示されている。また、全店舗における一般物品の合計購入金額(税抜)が一般物品に対する免税対象となる要件を満足しない場合に、合計購入金額(税抜)が免税範囲に未達であることを示すテキスト「免税範囲額未達」が表示される。
【0087】
表示エリアA3には、免税対象者が対応する店舗で購入した消耗品の購入点数、購入金額(税抜)及び消費税額と、各々の全店舗分の合計とが表示されている。また、全店舗における消耗品の合計購入金額(税抜)が消耗品に対する免税対象となる要件を満足しない場合に、合計購入金額(税抜)が免税範囲に未達であることを示すテキスト「免税範囲額未達」が表示される。
【0088】
因みに、図13の例の場合、一般物品の合計購入金額(税抜)は4,000円であるため、一般物品に対する免税対象となる要件を満足していない。また、消耗品の合計購入金額(税抜)は3,500円であるため、消耗品に対する免税対象となる要件を満足していない。よって、表示エリアA4の免税金額は0円である。
【0089】
図10の説明に戻る。
精算画面SC2の表示を制御したCPU601は、ACT32として番号カウンタkの番号に対応する個別処理フラグF1が“1”にセットされているか否かを確認する。個別処理フラグF1が“1”にセットされていない場合、CPU601は、ACT32においてNOと判定し、ACT33へと進む。CPU601は、ACT33として番号カウンタkの番号に対応する個別処理フラグF2が“1”にセットされているか否かを確認する。個別処理フラグF2も“1”にセットされていない場合、CPU601は、ACT33においてNOと判定し、ACT34へと進む。CPU601は、ACT34としてタッチパネル607に免税対象外であることを通知するためのメッセージ「例えば免税対象外です。」を表示させる。以上で、CPU601は個別処理を終了する。
【0090】
番号カウンタkの番号に対応する個別処理フラグF1が“1”にセットされている場合には、CPU601は、ACT32においてYESと判定し、ACT35へと進む。CPU601は、ACT35として一般物品に対する税額T1を取得する。具体的にはCPU601は、購入者データファイル32Mに記憶されている一般物品購入レコードの消費税金額の合計を税額T1として取得する。
【0091】
次いでCPU601は、ACT36として番号カウンタkの番号に対応する個別処理フラグF2が“1”にセットされているか否かを確認する。個別処理フラグF2が“1”にセットされていない場合、CPU601は、ACT36においてNOと判定し、ACT37の処理をスキップしてACT38へと進む。
【0092】
個別処理フラグF2が“1”にセットされていた場合には、CPU601は、ACT36においてYESと判定し、ACT37へと進む。CPU601は、ACT37として消耗品に対する税額T2を取得する。具体的にはCPU601は、購入者データファイル32Mに記憶されている消耗品購入レコードの消費税金額の合計を税額T2として取得する。そして、ACT37の処理を終えると、CPU601は、ACT38へと進む。
【0093】
一方、ACT33において、個別処理フラグF2が“1”にセットされていた場合にも、CPU601はYESと判定し、ACT37へと進む。そして、CPU601は、ACT37として消耗品に対する税額T2を取得したならば、ACT38へと進む。
【0094】
このように、CPU601は、番号カウンタkの番号に対応する個別処理フラグF1が“1”にセットされていた場合には一般物品に対する税額T1を取得し、番号カウンタkの番号に対応する個別処理フラグF2が“1”にセットされていた場合には消耗品に対する税額T2を取得する。そしてCPU601は、税額T1と税額T2との少なくとも一方を取得すると、ACT38としてその税額T1と税額T2とを合算して免税金額を算出する。ACT38において算出された免税金額は、精算画面SC2の表示エリアA4に表示される。
【0095】
業務担当者は、精算画面SC2の表示エリアA4に0円よりも大きい免税金額が表示された場合、免税対象であると判断する。免税対象である場合、業務担当者は、免税対象者にペンタブレット62への署名(電子サイン)を要求する。
【0096】
免税金額を算出したCPU601は、ACT39として電子サイン(電子署名)の入力を受け付ける。具体的にはCPU601は、外部機器インターフェース611を介してペンタブレット62からの筆跡データを取り込む。そしてCPU601は、この筆跡データを免税対象者である購入者による電子サインデータとしてワークエリアに記憶する。
【0097】
次いでCPU601は、ACT40として購入者データファイル32Mのデータに基づき購入者誓約書を作成する。購入者誓約書は、免税店4毎に作成する。
【0098】
購入者誓約書には、共通項目として、購入者(免税対象者)の氏名、国籍、生年月日、旅券番号、等が必要である。CPU601は、これらの情報を購入者データファイル32Mの非居住者データから得る。また、購入者誓約書には、共通項目として、購入の年月日が必要である。CPU601は、購入者データファイル32Mの受付日時データから購入の年月日を得る。あるいは、時計部605で計時されている日時データから購入の年月日を得てもよい。また、購入者誓約書には、共通項目として、免税店4を経営する事業者の氏名又は名称が必要である。精算端末60の補助記憶デバイス604には、各免税店4の店舗コードに関連付けてその免税店の事業者の氏名又は名称を設定したデータテーブルが保存されている。CPU601は、一般物品購入レコード及び消耗品購入レコードに含まれる各店舗コードをキーとして上記データテーブルから事業者の氏名又は名称を得る。
【0099】
一方、購入者誓約書には、一般物品として区分される全購入品の品目名、数量及び税抜価格とその税抜価格の合計とが必要である。CPU601は、これらの情報を購入者データファイル32Mの一般物品購入レコードと一般物品合計のデータとから得る。同様に、購入者誓約書には、消耗品として区分される全購入品の品目名、数量及び税抜価格とその税抜価格の合計とが必要である。CPU601は、これらの情報を購入者データファイル32Mの消耗品購入レコードと消耗品合計のデータとから得る。
【0100】
また、購入者誓約書には、共通項目として、購入者の署名が必要である。CPU601は、RAM603に記憶した電子サインのデータを購入者の署名として得る。
【0101】
また、精算端末60の補助記憶デバイス604には、免税店に対する誓約内容を母国語にて記録した購入者誓約書のレイアウトデータが保存されている。CPU601は、購入者データファイル32の一般物品購入レコード及び消耗品購入レコードに含まれる店舗コードの数だけ、購入者誓約書のレイアウトデータを得る。そしてCPU601は、レイアウトデータに、購入者データファイル32M等から取得した記録項目のデータをそれぞれ配置することで、免税店4別の購入者誓約書の電子データを完成させる。
【0102】
次いでCPU601は、ACT41として購入者データファイル32Mのデータを基に購入記録票等を発行する。購入記録票は、販売者の情報(氏名又は名称)と、購入者の情報(氏名、生年月日、旅券番号等)と、購入年月日と、購入商品に係る情報(品目名、税抜販売価格、販売点数、税抜合計金額等)と、注意事項とを記録したものである。このため、精算端末60の補助記憶デバイス604には、母国語にて注意事項を記録した購入記録票のレイアウトデータが保存されている。CPU601は、このレイアウトデータに、購入者データファイル32M等から取得した記録項目のデータを配置することで、購入記録票の印刷データを完成させる。そしてCPU601は、購入記録票の印刷データをプリンタ61へと出力することをプリンタインターフェース610に通知する。この通知を受けて、プリンタインターフェース610は、購入記録票の印刷データをプリンタ61に出力する。以上の処理により、プリンタ61が駆動し、購入記録票が印刷により発行される。
【0103】
購入者誓約書の作成及び購入記録票の発行を終えると、CPU601は、ACT42として返金処理を行う。具体的にはCPU601は、ACT38の処理で算出した免税金額の出金データを出金機63へと出力することを外部機器インターフェース612に通知する。この通知を受けて、外部機器インターフェース612は、出金データを出金機63に出力する。以上の処理により、出金機63が駆動し、免税金額相当の現金が返金額として払い出される。
【0104】
返金処理を終えると、CPU601は、ACT43として番号カウンタkの番号に対応する個別処理フラグF2が“1”にセットされているか否かを確認する。個別処理フラグF2が“1”にセットされている場合、CPU601は、ACT43においてYESと判定し、ACT44へと進む。CPU601は、ACT44として包装ラベルを発行する。包装ラベルは、特殊包装された消耗品に貼付されるラベルである。ラベルには、消耗品の品目及び数量のリスト等が印字されている。CPU601は、購入者データファイル32Mに記憶されている消耗品のデータを基に包装ラベルの印刷データを生成する。そしてCPU601は、この印刷データをプリンタ61へと出力することをプリンタインターフェース610に通知する。この通知を受けて、プリンタインターフェース610は、包装ラベルの印刷データをプリンタ61に出力する。以上の処理により、プリンタ61が駆動し、包装ラベルが印刷により発行される。
【0105】
包装ラベルの発行を終えると、CPU601は、ACT45へと進む。また、CPU601は、番号カウンタkの番号に対応する個別処理フラグF2が“1”にセットされていない場合には、ACT43においてNOと判定し、ACT44の処理をスキップしてACT45へと進む。
【0106】
CPU601は、ACT45として免税精算データを生成する。具体的にはCPU601は、図8のACT1の処理により取得した購入者コードに、時計部605で計時されている日時データ(精算日時)と、ACT40の処理で作成した購入者誓約書の電子データとを付して、免税精算データとする。こうして、免税精算データを生成したならば、CPU601は、ACT46として免税精算データを管理サーバ30へと送信するように通信インターフェース606を制御する。この制御により、通信インターフェース606は、ネットワーク7を介して免税精算データを管理サーバ30へと送信する。
【0107】
免税精算データを受信した管理サーバ30のCPU301は、当該免税精算データに含まれる購買者コードがセットされた購入者データファイル32に対し、精算日時を記述する。またCPU301は、当該購入者データファイル32の区分を、免税処理を個別処理で行ったことを示すデータとする。
【0108】
図11は、合算処理の具体的な手順を示す流れ図である。図11に示すように、CPU601は、合算処理に入ると、ACT51として購入者データファイル32Mに記憶されている一般物品購入レコードを消耗品購入レコードとして取り扱う。そしてCPU601は、ACT52としてタッチパネル607に精算画面SC3(図14を参照)を表示する。
【0109】
図14は、合算処理における精算画面SC3の一例である。図13に示すように、精算画面SC3のレイアウトは、個別処理における精算画面SC2と同じである。ただし、合算処理の場合には、一般物品購入レコードを消耗品購入レコードとして取り扱うため、個別処理では表示エリアA2に表示されるべき一般物品の購入点数、購入金額及び消費税額の各データが、表示エリアA3の同一項目のデータに合算されて表示される。
【0110】
図14の例は、個別処理では図13の精算画面SC2が表示される場合において、合算処理が選択された場合の精算画面SC3を示している。図14に示すように、精算画面SC3では、店舗AAAにおいて購入した一般物品のデータと、店舗CCCにおいて購入した一般物品のデータとが、いずれも同店舗の消耗品のデータと合算されている。その結果、消耗品の合計購入金額(税抜)が7500円となって、消耗品に対する免税対象となる要件を満足するため、表示エリアA3には、合計購入金額(税抜)が免税範囲に未達であることを示すテキスト「免税範囲額未達」が表示されない。
【0111】
図11の説明に戻る。
精算画面SC3の表示を制御したCPU601は、ACT53として免税金額を算出する。具体的にはCPU601は、購入者データファイル32Mに記憶されている一般物品購入レコードの消費税金額と消耗品購入レコードの消費税金額との合計金額を免税金額として算出する。算出された免税金額は、精算画面SC3の表示エリアA4に表示される。
【0112】
業務担当者は、精算画面SC3の表示エリアA4に0円よりも大きい免税金額が表示された場合、免税対象であると判断する。免税対象である場合、業務担当者は、免税対象者にペンタブレット62への署名(電子サイン)を要求する。
【0113】
免税金額を算出したCPU601は、ACT54乃至ACT57として、図10に示した個別処理のACT39乃至ACT42と同様の処理を実行する。すなわちCPU601は、ACT54として電子サイン(電子署名)の入力を受け付ける。そしてCPU601は、ACT55として購入者誓約書を作成する。このときCPU601は、購入者誓約書に対し、合算処理を行ったことを示す情報として、例えば「一般物品を消耗品として取り扱い、免税販売手続を実施」なるテキストを組み入れる。
【0114】
さらにCPU601は、ACT56として購入記録票等を発行する。この場合も、CPU601は、購入記録票に対し、合算処理を行ったことを示す情報として、例えば「一般物品を消耗品として取り扱い、免税販売手続を実施」なるテキストを組み入れる。
【0115】
その後、CPU601は、ACT57として返金処理を行う。そして返金処理を終えると、CP601は、ACT58として一般物品にも消耗品と同様に特殊包装することを指示するための指示画像SC4(図15を参照)をタッチパネル607に表示する。
【0116】
図15は、指示画像SC4の一例を示す。図15に示すように、指示画像SC4には、特殊包装することを指示するメッセージとして、例えば「全ての商品を消耗品と同様に特殊包装してください」が表示されている。また、確認のための「OK」ボタンBT3も表示されている。
【0117】
指示画像SC4を確認した業務担当者は、一般物品も消耗品と同様に特殊包装されているか否かを確認する。そして特殊包装されていたならば、OKボタンBT3にタッチする。特殊包装されていなければ、物品が消費されないように指定された方法で特殊包装をしてから、OKボタンBT3にタッチする。
【0118】
指示画像SC4の表示を制御したCPU601は、ACT59としてOKボタンBT3がタッチされるのを待ち受ける。OKボタンBT3がタッチされたことを検知すると、CPU601は、ACT59においてYESと判定し、ACT60へと進む。CPU601は、ACT60として包装ラベルの発行を制御する。
【0119】
次いでCPU601は、ACT61として免税精算データを生成する。そしてCPU601は、ACT62として免税精算データを管理サーバ30へと送信するように通信インターフェース606を制御する。この制御により、通信インターフェース606は、ネットワーク7を介して免税精算データを管理サーバ30へと送信する。
【0120】
免税精算データを受信した管理サーバ30においては、当該免税精算データに含まれる購買者コードがセットされた購入者データファイル32に対し、精算日時を記述する。またCPU301は、当該購入者データファイル32の区分を、免税処理を合算処理で行ったことを示すデータとする。
【0121】
図16は、合算処理における購入記録票PR1の一出力例である。図16に示すように、購入記録票PR1には、所轄税務署、購入者氏名、旅券などの種類、購入年月日などに加えて、消耗品として処理された物品の名称、単価、点数、金額等のデータが出力されている。因みに、合算処理の場合には、一般物品も消耗品として取り扱われるので、一般物品として処理された物品の名称、単価、点数、金額等のデータは出力されない。また購入記録票PR1には、合算処理を行ったことを示す情報として、例えば「一般物品を消耗品として取り扱い、免税販売手続を実施」なるテキストTX1も表示されている。同様なテキストTX1は、購入者誓約書にも出力されている。したがって、購入記録票PR1又は購入者誓約書を確認した者は、一般物品を消耗品として取り扱う合算処理が行われたことを容易に知ることができる。
【0122】
図9の説明に戻る。
ワークエリアに記憶した購入者データファイル32Mに精算日時がセットされていた場合、その購入者データファイル32Mに関して既に本日中に免税精算が実行されている。この場合、CPU601はACT11においてNOと判定し、ACT22へと進む。CPU601は、ACT22として購入者データファイル32Mにセットされている区分が、免税処理を合算処理で行ったことを示すデータであるか否かを確認する。区分が免税処理を合算処理で行ったことを示すデータでない場合、つまり免税処理を個別処理で行ったことを示すデータである場合には、CPU601は、ACT22においてNOと判定し、前述したACT12へと進む。そしてCPU601は、ACT12以降の処理を前述したのと同様に実行する。
【0123】
これに対し、区分が免税処理を合算処理で行ったことを示すデータである場合には、CPU601は、ACT22においてYESと判定し、ACT21へと進む。すなわちCPU601は、前述した合算処理を実行する。このように、本日中において、合算処理による免税精算が既に実施されていた免税対象者に対しては、自動的に合算処理によって免税金額が算出し直される。一方、個別処理による免税精算が既に実施されていた免税対象者に対しては、合算処理が可能であるか否かが判定される。そして、合算処理が可能である場合には、合算処理を行うか個別処理を行うかの選択が可能となり、選択された方法で免税精算が実施される。合算処理が不可能な場合には、個別処理によって免税精算が実施される。
【0124】
こうして、個別処理又は合算処理による免税精算が終了すると、CPU601は、免税判定処理を終了する。
【0125】
ここに、CPU601は、タッチパネル607と協働して、図9のACT18の処理を実行することにより、報知手段及び問合せ手段を構成する。すなわちCPU601は、一般物品合計額nである第1金額と、消耗品合計額mである第2金額との合算金額が、一般物品を消耗品として取り扱う合算処理の免税対象となる要件、すなわち条件式データC3を満足する場合に、報知・問合せ画像SC1の表示によって報知する。またCPU601は、第1金額と第2金額との合算金額が上記合算処理の免税対象となる要件を満足する場合に、報知・問合せ画像SC1の表示によって合算処理で免税精算を行うか否かを問合せる。
【0126】
そして、CPU601は、図9のACT19乃至ACT21の処理を実行することにより、精算手段を構成する。すなわちCPU601は、問合せに対して合算処理で免税精算を行うことが選択された場合には、一般物品に対する税額と消耗品に対する税額とから合算処理による免税金額を算出する。CPU601は、合算処理で免税精算を行わないことが選択された場合には、一般物品合計額nが一般物品に対する免税対象となる要件を満足する場合の一般物品に対する税額と、消耗品合計額mが消耗品に対する免税対象となる要件を満足する場合の消耗品に対する税額とから個別処理による免税金額を算出して、その免税金額を精算する。
【0127】
このように、本実施形態の精算端末60によれば、取引に係る商品、すなわち免税対象者が免税店で購入した商品のうち、一般物品合計額nと消耗品合計額mとの合算金額n+mが、消耗品の免税対象となる要件を満足する場合に、業務担当者に対して合算処理によって免税対象となる要件を満足することが報知される。したがって、業務担当者は、一般物品合計額nと消耗品合計額mとを合算して、免税対象となる要件を満足するか否かを判定する必要がなくなる。その結果、免税措置の手続を簡略化できるので、業務担当者の負担を軽減できる。また、合算処理の要件を見落としてしまって、免税対象者に対して不利益を与えるようなミスも未然に防止することができる。
【0128】
また、精算端末60によれば、一般物品合計額nと消耗品合計額mとの合算金額n+mが、消耗品の免税対象となる要件を満足する場合に、合算処理で免税精算を行うか否かの問合せが行われる。そして、合算処理で免税精算を行うことが選択された場合には、合算処理によって免税金額が精算される。個別処理で免税精算を行うことが選択された場合には、一般物品又は消耗品の個別処理によって免税金額が精算される。したがって、業務担当者は、問合せに対する選択操作を行うだけでよいので、この点からも業務担当者の負担を軽減できる効果を奏する。
【0129】
またCPU601は、タッチパネル607と協働して、図10のACT31及び図11のACT52の処理を実行することにより、表示手段を構成する。すなわちCPU601は、免税対象者が免税店で購入した商品のデータを、一般物品に属する商品と消耗品に属する商品とで欄を分けて表示することが可能な精算画面をタッチパネル607に表示する。そしてCPU601は、問合せに対して合算処理で免税精算を行うことが選択された場合には、一般物品に属する商品のデータを消耗品に属する商品のデータが表示される欄に表示する。
【0130】
したがって業務担当者は、精算画面SC2又はSC3を閲覧するだけで、個別処理によって算出された免税金額に対する購入商品の点数、金額及び消費税額、あるいは合算処理によって算出された免税金額に対する購入商品の点数、金額及び消費税額を容易に確認することができる。
【0131】
またCPU601は、タッチパネル607と協働して、図11のACT58の処理を実行することにより、通知手段を構成する。すなわちCPU601は、タッチパネル607に指示画像SC4を表示することによって、問合せに対して合算処理で免税精算を行うことが選択されると、免税対象者が免税店で購入した全ての商品を特殊包装することを通知する。
【0132】
したがって、業務担当者は、合算処理を選択した場合には、一般物品も含めてすべての物品を特殊包装しなければならないことを確実に確認することができる。
【0133】
またCPU601は、図10のACT40~ACT41及びACT45~ACT46の処理と、図11のACT55~ACT56及びACT61~ACT62の処理とを実行することにより、出力手段を構成する。すなわちCPU601は、免税対象者が免税店で購入した商品の内容を記録する票である購入者誓約書のデータを管理サーバ30へと出力し、同票である購入記録票のデータをプリンタ61へと出力する。そしてCPU601は、問合せに対して合算処理で免税精算を行うことが選択されると、購入者誓約書又は購入記録票に、合算処理を行ったことを示す情報として、例えば「一般物品を消耗品として取り扱い、免税販売手続を実施」なるテキストTX1を出力する。
【0134】
したがって、購入者誓約書又は購入記録票のデータから、誰もが合算処理を行ったことを容易に知ることができる。
【0135】
ところで、上記実施形態では、一般物品合計額nと消耗品合計額mとの合算金額が合算処理の免税対象となる要件を満足する場合に、合算処理で免税精算を行うか否かを問合せ、合算処理で免税精算を行うことが選択された場合に、一般物品に対する税額と消耗品に対する税額とから合算処理による免税金額を算出する場合を例示した。合算処理で免税精算を行うと、一般物品でも消耗品と同様に特殊包装が必要となる。このため、免税対象者に対して合算処理で免税精算を行うことか否かの選択を委ねるようにした。しかし、一般物品合計額nが一般物品に対する免税対象となる要件を満足せず、かつ、消耗品合計額mが消耗品に対する免税対象となる要件を満足しない場合でも、一般物品合計額nと消耗品合計額mとの合算金額が合算処理の免税対象となる要件を満足する場合、すなわち、判定テーブルの番号“2”に相当する場合には、合算処理が必須となる。その場合には、問合せをすることなく、合算処理で免税精算を行った方が効率が良い。
【0136】
図17は、免税判定処理の他の実施形態を示す流れ図である。当該免税判定処理が、図9に示して説明した免税判定処理と異なる点は、ACT17において、番号カウンタkの番号に対応した合算処理フラグF3が“1”にセットされていた後の処理である。すなわち、番号カウンタkの番号に対応した合算処理フラグF3が“1”にセットされていた場合、CPU601は、ACT17においてYESと判定し、ACT17aへと進む。CPU601は、ACT17aとして番号カウンタkの番号が“2”であるか否かを確認する。番号カウンタkの番号が“2”でない場合、CPU601は、ACT17aにおいてNOと判定し、ACT18へと進む。これに対し、番号カウンタkの番号が“2”である場合には、CPU601は、ACT17aにおいてYESと判定し、ACT18及びACT19の処理をスキップして、ACT21へと進む。すなわち、番号カウンタkの番号が“2”である場合には、CPU601は、報知及び問合せを行うことなく合算処理を実行する(合算精算手段)。
【0137】
このような実施形態の精算端末60であれば、無駄な問い合わせを不要にできるので、処理効率の向上を図ることができる。
【0138】
以上、免税措置の手続を簡略化でき、業務担当者の負担軽減、ミス防止等の効果を奏し得る精算装置の実施形態として、特定商業施設2の手続カウンタ6に設置される精算端末60について説明したが、精算装置の実施形態はこれに限定されるものではない。一般型消費税免税店に設置される精算装置であってもよい。
【0139】
また、例えば報知手段は、報知・問合せ画像SC1の表示による報知に限定されるものではない。表示ランプの点灯又は点滅、あるいは音声出力等によって報知してもよい。また、報知の対象は業務担当者に限定されるものではない。免税対象者に対して報知してもよい。
【0140】
問い合わせ手段についても同様である。すなわち、報知・問合せ画像SC1以外の方法で問い合わせを行ってもよい。また、問合せ対象は業務担当者に限定されず、免税対象者に対して問合せを行ってもよい。
【0141】
合算処理による免税金額の精算手順は、前記実施形態に限定されるものではない。要は、一般物品合計額nと消耗品合計額mとの合算金額が合算処理の免税対象となる要件を満足する場合には、合算処理によって免税金額を算出し、その免税金額を精算できればよい。電子サインの入力、購入者誓約書の作成、購入記録票の発行、包装ラベルの発行、免税精算データの作成及び送信等の処理は付加的な処理であり、必ずしも合算処理として必須のものではない。
なお、前記実施形態では、免税対象となる要件の金額として5,000円及び500,000円を示しているが、この金額は一例である。法改正等によって金額が変更された場合には、それに合わせて前記実施形態も金額を変更すればよい。
【0142】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0143】
1…免税処理システム、2…特定商業施設(施設)、3…データセンタ、4…消費税免税店(免税店)、5…免税受付カウンタ(受付カウンタ)、6…免税手続カウンタ(手続カウンタ)、7…コンピュータネットワーク(ネットワーク)、30…管理サーバ、31…免税品データベース、32…購入者データファイル、33…判定テーブル、40…POS端末、50…受付端末、60…精算端末、61…プリンタ、62…ペンタブレット、63…出金機、301,601…CPU、302,602…ROM、303,603…RAM、304,604…補助記憶デバイス、305,605…時計部、306,606…通信インターフェース、307…LANインターフェース、607…タッチパネル、608…スキャナ、609…カードリーダ、610…プリンタインターフェース、611,612…外部機器インターフェース。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17