(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168584
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法及び情報提供用プログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20231116BHJP
【FI】
G01C21/36
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023173495
(22)【出願日】2023-10-05
(62)【分割の表示】P 2022509299の分割
【原出願日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】P 2020058576
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】福井 孝太郎
(72)【発明者】
【氏名】岩田 匡弘
(72)【発明者】
【氏名】飯野 慎一朗
(72)【発明者】
【氏名】和泉 将太
(72)【発明者】
【氏名】大沼 洋平
(57)【要約】
【課題】音声等による案内であっても、進入すべき道路への進入を容易化することが可能な情報提供装置等を提供する。
【解決手段】道路データ23a及び交差点データ23bをそれぞれ取得する経路探索部1と、取得された道路データ23a等に基づいて、幅の広い道路から幅の狭い道路への進入が容易となるように幅の広い道路を移動させるための容易化案内音声を、当該幅の広い道路を移動中に音により出力する案内音声生成部2と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1移動路の態様を示す第1態様情報と、第2移動路の態様を示す第2態様情報と、をそれぞれ取得する取得手段と、
前記取得された第1態様情報及び第2態様情報に基づいて、前記第1移動路から前記第2移動路への進入が容易となるように前記第1移動路を移動させるための案内情報を、当該第1移動路を移動中に音により出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、情報提供装置、情報提供方法及び情報提供用プログラムの技術分野に属する。より詳細には、車両等の移動体の移動を案内するための情報を提供する情報提供装置及び情報提供方法並びに当該情報提供装置用のプログラムの技術分野に属する。
背景技術
【0002】
上記移動体の移動を案内するナビゲーション装置として、近年、従来から一般化している移動体搭載型のナビゲーション装置に加えて、例えばスマートフォン等の携帯型端末装置を活用したナビゲーションシステムに関する研究/開発が活発化している。
【0003】
このとき、上記携帯型端末装置を活用する場合、それに備えられているディスプレイの大きさの制限等に起因して、案内音声を含む音を用いた案内が重要となってくる。このような背景に対応した先行技術を開示した文献としては、例えば下記特許文献1が挙げられる。この特許文献1に開示されている先行技術では、例えば案内対象たる交差点の道路構造と類似した道路構造を持った他の交差点を検出し、その旨を注意情報として音声案内する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている先行技術をもってしても、例えば、上記移動体が車両等であった場合であって、進入すべき道路への進入口の先に幹線道路があり、更に、進入すべき道路の幅が現在移動している道路の幅よりも狭い場合等においては、進入すべき道路への進入口を通り過ぎてしまう場合があるという問題点があった。
【0006】
そこで本願は、上記の問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、音声等による案内であっても、進入すべき道路への進入を容易化することが可能な情報提供装置及び情報提供方法並びに当該情報提供装置用のプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、第1移動路の態様を示す第1態様情報と、第2移動路の態様を示す第2態様情報と、をそれぞれ取得する取得手段と、前記取得された第1態様情報及び第2態様情報に基づいて、前記第1移動路から前記第2移動路への進入が容易となるように前記第1移動路を移動させるための案内情報を、当該第1移動路を移動中に音により出力する出力手段と、を備える。
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、取得手段と、出力手段と、を備える情報提供装置において実行される情報提供方法であって、第1移動路の態様を示す第1態様情報と、第2移動路の態様を示す第2態様情報と、を前記取得手段によりそれぞれ取得する取得工程と、前記取得された第1態様情報及び第2態様情報に基づいて、前記第1移動路から前記第2移動路への進入が容易となるように前記第1移動路を移動させるための案内情報を、当該第1移動路を移動中に前記出力手段により音により出力する出力工程と、を含む。
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項10に記載の発明は、コンピュータを、第1移動路の態様を示す第1態様情報と、第2移動路の態様を示す第2態様情報と、をそれぞれ取得する取得手段、及び、前記取得された第1態様情報及び第2態様情報に基づいて、前記第1移動路から前記第2移動路への進入が容易となるように前記第1移動路を移動させるための案内情報を、当該第1移動路を移動中に音により出力する出力手段、として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態の情報提供装置の概要構成を示すブロック図である。
【
図2】実施例のナビゲーションシステムの概要構成を示すブロック図である。
【
図3】実施例の端末装置等の概要構成を示すブロック図であり、(a)は当該端末装置の概要構成を示すブロック図であり、(b)は実施例のサーバの概要構成を示すブロック図であり、(c)は実施例の道路データ等の内容を例示する図である。
【
図4】実施例のナビゲーション処理を示すフローチャートである。
【
図5】実施例のナビゲーション処理を説明する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本願を実施するための形態について、
図1を用いて説明する。なお
図1は、実施形態の情報提供装置の概要構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、実施形態に係る情報提供装置Sは、取得手段1と、出力手段2と、を備えて構成されている。
【0013】
この構成において、取得手段1は、第1移動路の態様を示す第1態様情報と、第2移動路の態様を示す第2態様情報と、をそれぞれ取得する。
【0014】
そして、出力手段2は、取得手段1により取得された第1態様情報及び第2態様情報に基づいて、第1移動路から第2移動路への進入が容易となるように第1移動路を移動させるための案内情報を、当該第1移動路を移動中に音により出力する。
【0015】
以上説明したように、実施形態の情報提供装置Sの動作によれば、第1移動路から第2移動路への進入が容易となるように第1移動路を移動させるための案内情報を、第1態様情報及び第2態様情報に基づいて第1移動路を移動中に音により出力するので、音による案内によっても、第2移動路への進入を容易化することができる。
【実施例0016】
次に、上述した実施形態に対応する具体的な実施例について、
図2乃至
図5を用いて説明する。なお以下に説明する実施例は、インターネット等のネットワークを介して相互にデータの授受が可能に接続された端末装置とサーバとからなるナビゲーションシステムにおける音(音声)を用いた経路案内に本願を適用した場合の実施例である。
【0017】
また、
図2は実施例のナビゲーションシステムの概要構成を示すブロック図であり、
図3は実施例の端末装置等の概要構成を示すブロック図であり、
図4は実施例のナビゲーション処理を示すフローチャートであり、
図5は実施例のナビゲーション処理を説明する概念図である。このとき
図3では、
図1に示した実施形態に係る情報提供装置Sにおける各構成部材に対応する実施例の構成部材の一部について、当該情報提供装置Sにおける各構成部材と同一の部材番号を用いている。
【0018】
図2に示すように、実施例のナビゲーションシステムSSは、それぞれが移動体の一例としての車両の搭乗者(より具体的には、当該車両の運転者又は同乗者)により当該車両内で操作される一又は複数の端末装置T1、端末装置T2、端末装置T3、…、端末装置Tn(nは自然数)と、サーバSVと、端末装置T1、端末装置T2、端末装置T3、…、端末装置Tnと、サーバSVと、をデータの授受が可能に接続するインターネット等のネットワークNWと、により構成されている。なお以下の説明において、端末装置T1乃至端末装置Tnに共通の構成等を説明する場合、これらを纏めて「端末装置T」と称する。このとき、端末装置Tは、具体的には、例えばいわゆるスマートフォンや、タブレット型の端末装置として実現される。また、以下の説明では、端末装置Tを使用する搭乗者が車両に搭乗している場合について、実施例を説明する。
【0019】
この構成において、各端末装置Tは、それぞれ別個に、ネットワークNWを介してサーバSVとの間で種々のデータの授受を行い、各端末装置Tを使用する搭乗者に対する移動の案内を行う。このとき授受されるデータには、車両が移動すべき経路を探索するための探索データや、当該探索された経路に沿った移動を開始した後の案内用データが含まれる。更に、端末装置Tに備えられた表示用のディスプレイの大きさの制限や処理負荷の制限、又は画面注視を避けるため等により、ナビゲーションシステムSSにおける上記搭乗者に対する移動の案内は、主として音声又は音を用いて行われる。このため、サーバSVから各端末装置Tに送信される上記案内用データには、上記音声又は音による案内用の音声データが含まれている。なお以下の説明において、当該案内用の音声データを、単に「案内音声データ」と称する。
【0020】
次に、各端末装置T及びサーバSVの構成及び動作について、
図3を用いて説明する。先ず、
図3(a)に示すように、実施例の端末装置Tのそれぞれは、インターフェース5と、CPU、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等からなる処理部6と、揮発性領域及び不揮発性領域を含むメモリ7と、タッチパネル及び操作ボタン等からなる操作部8と、スピーカ9と、GPS(Global Positioning System)センサ及び/又は自立センサ等からなるセンサ部10と、液晶又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等からなるディスプレイ11と、により構成されている。また、処理部6は、経路探索部6aと、案内音声出力制御部6bと、を備えて構成されている。このとき、経路探索部6a及び案内音声出力制御部6bは、それぞれ、処理部6を構成する上記CPU等を含むハードウェアロジック回路により実現されるものであってもよいし、後述する実施例のナビゲーション処理のうち端末装置Tとしての処理を示すフローチャートに相当するプログラムを当該CPU等が読み出して実行することにより、ソフトウェア的に実現されるものであってもよい。
【0021】
以上の構成おいて、インターフェース5は、処理部6の制御の下、ネットワークNWを介したサーバSVとの間のデータの授受を制御する。一方、センサ部10は、上記GPSセンサ及び/又は自立センサ等を用いて、端末装置Tの現在位置や移動速度及び移動方向等(換言すれば、端末装置Tを操作する搭乗者又は当該搭乗者が搭乗している車両の現在位置や移動速度及び移動方向等)を示すセンサデータを生成し、処理部6に出力する。経路探索部6aは、処理部6の制御の下、上記センサデータ及び操作部8から入力された目的地データ(即ち、端末装置Tを操作する搭乗者が搭乗している車両が移動すべき目的地を示す目的地データ)を、探索用データとして、インターフェース5及びネットワークNWを介してサーバSVに送信する。その後経路探索部6aは、上記センサデータにより示される現在位置から上記目的地データにより示される目的地に至る経路の探索結果を示す経路データを、ネットワークNW及びインターフェース5を介して取得する。
【0022】
その後、処理部6は、取得した経路データを用いて、サーバSVとの間で上記案内用データ(その時点での上記センサデータを含む)の授受を行いつつ、上記探索された経路に沿った当該車両の移動を案内する。このとき、案内音声出力制御部6bは、ネットワークNW及びインターフェース5を介してサーバSVから取得した上記案内用データに含まれている上記案内音声データに対応する案内用の音声を、スピーカ9を介して上記搭乗者に対して出力(放音)する。
【0023】
これらと並行して、操作部8は、上記目的地を含む車両の案内に必要なデータの入力操作が当該操作部8において行われた場合に、当該入力操作に対応する操作信号(上記目的地データを含む)を生成して処理部6に送信する。これらにより処理部6は、上記経路探索部6a及び上記案内音声出力制御部6bを制御しつつ、実施例のナビゲーション処理のうち端末装置Tとしての処理を実行する。このとき処理部6は、当該処理に必要なデータをメモリ7に一時的又は不揮発的に記憶させつつ、当該処理を実行する。また、当該処理の実行結果としての案内画像等は、ディスプレイ11上に表示される。
【0024】
一方、
図3(b)に示すように、実施例のサーバSVは、インターフェース20と、CPU、RAM及びROM等を含む処理部21と、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等からなる記録部22と、により構成されている。また、処理部21は、経路設定部1と、案内音声生成部2と、を備えて構成されている。このとき、経路設定部1及び案内音声生成部2は、それぞれ、処理部21を構成する上記CPU等を含むハードウェアロジック回路により実現されるものであってもよいし、後述する実施例のナビゲーション処理のうちサーバSVとしての処理を示すフローチャートに相当するプログラムを当該CPU等が読み出して実行することにより、ソフトウェア的に実現されるものであってもよい。そして、上記経路探索部1が実施形態の取得手段1の一例に相当し、上記案内音声生成部2が実施形態の出力手段2の一例に相当する。また、
図3(b)において破線で示す通り、上記経路探索部1及び案内音声生成部2により、実施形態の情報提供装置Sの一例を構成している。
【0025】
以上の構成において、記録部22には、ネットワークNWを介してサーバSVに接続されている各端末装置Tそれぞれを使用する搭乗者が搭乗している各車両の移動の案内に必要な地図データや上記案内音声データ等のナビゲーション用データ23が、不揮発性に記録されている。そして、ナビゲーション用データ23の上記地図データには、
図3(b)に示すように、経路探索及び経路案内にそれぞれ用いられる道路データ23a及び交差点データ23bが含まれている。
【0026】
このとき、道路データ23aは、
図3(c)上に例示するように、上記地図データに含まれる道路ごとに、その位置を緯度データ及び経度データにより示す位置情報、その道幅(幅員)を例えばメートル単位で示す幅情報、及びそれを構成する車線の数等を示す車線情報等が、当該道路を他の道路から識別するための道路IDに関連付けて記録されたデータである。
【0027】
一方、交差点データ23bは、
図3(c)下に例示するように、上記地図データに含まれる交差点ごとに、その位置を緯度データ及び経度データにより示す位置情報及びその交差点で交差する各道路を示す道路ID等が、当該交差点を他の交差点から識別するための交差点IDに関連付けて記録されたデータである。
【0028】
他方、インターフェース20は、処理部21の制御の下、ネットワークNWを介した各端末装置Tとの間のデータの授受を制御する。また、経路設定部1は、処理部21の制御の下、いずれかの端末装置Tから取得された上記目的地データ及び上記センサデータに基づき、ナビゲーション用データ23を用いて、当該目的地データにより示される目的地に至る上記経路を探索し、その探索結果を示す上記経路データを、上記目的地データ及び上記センサデータを送信してきた端末装置Tに送信する。これにより、当該端末装置Tでは、上記経路データに基づいた経路の案内が行われる。
【0029】
そして、当該案内中において、案内音声生成部2は、当該経路上における案内タイミングに合わせて上記案内音声データを生成し、インターフェース20及びネットワークNWを介して、案内対象たる車両の搭乗者が使用する端末装置Tに送信する。これにより、当該案内音声データに対応する案内用の音声が、その端末措置Tのスピーカ9を介して上記搭乗者に対して出力(放音)される。
【0030】
次に、上述した構成及び機能を備える実施例のナビゲーションシステムにおいて実行される実施例のナビゲーション処理について、具体的に
図3乃至
図5を用いて説明する。
【0031】
実施例のナビゲーション処理は、例えば、移動の案内の対象たる車両(以下、単に「対象車両」と称する)に搭乗している搭乗者が使用する実施例の端末装置Tの操作部8において、当該対象車両の経路に沿った移動を案内すべき旨の案内指示操作等が実行されたときに開始される。なお以下の説明において、当該端末装置Tを適宜「対象の端末装置T」と称する。そして、対応するフローチャートを
図4に示すように、対象の端末装置Tの操作部8において当該案内指示操作が行われると、当該端末装置Tの処理部6の経路探索部6aは、サーバSVの経路探索部1との間で上記目的地データを含む上記探索用データ及び上記経路データの授受を行い、対象車両が移動すべき経路の探索を行う(ステップS1)。このときサーバSVの経路探索部1は、その時点でネットワークNWを介してサーバSVに接続されている端末装置Tのいずれかからの上記探索用データの送信を常に待機している。そして経路探索部1は、当該探索用データが対象の端末装置Tから送信されてきた場合、当該探索用データに含まれている目的地データ等に基づいた経路探索を行い、その探索結果としての上記経路データを、対象の端末装置Tの経路探索部6aにネットワークNWを介して送信する(ステップS15)。
【0032】
その後、対象の端末装置Tの操作部8における例えば移動を開始する旨の操作により経路に沿った移動の案内が開始されると、対象の端末装置Tの処理部6とサーバSVの処理部21とは、その時点での上記センサデータを含む上記案内用データのネットワークNWを介した授受を行いつつ、ステップS1及びステップS15で探索された経路に沿った案内を開始する(ステップS2、ステップS16)。
【0033】
一方、ステップS15で開始された経路の案内中(即ち、対象の端末装置Tを使用する搭乗者が搭乗している車両の移動中)において、サーバSVの案内音声生成部2は、設定された経路上において案内対象たる交差点があるか否かを監視している(ステップS17)。ステップS17の監視において、案内対象たる交差点がない場合(ステップS17:NO)、処理部21は後述するステップS20に移行する。一方ステップS17の監視において、案内対象の交差点がある場合(ステップS17:YES)、次に案内音声生成部2は、当該案内対象の交差点についての案内を音声により行うべきタイミングが到来したか否かを、上記案内用データに含まれている上記センサデータ(特に、対象の端末装置Tの上記現在位置を示すデータ)に基づいて判定する(ステップS18)。ここで、ステップS18における音声による案内のタイミングとしては、例えば、上記経路上において、上記ステップS17の監視で検出された案内対象の交差点の一つ手前にある交差点を通過した後(又はその通過の直後)タイミングが挙げられる。ステップ18の判定において、音声による案内のタイミングが到来していない場合(ステップS18:NO)、処理部21は後述するステップS20に移行する。
【0034】
他方、ステップS18の判定において、案内対象の交差点(ステップS17:YES参照)についての案内を音声により行うべきタイミングが到来した場合(ステップS18:YES)、案内音声生成部2は、当該交差点について案内すべき内容(例えば「次の○○交差点左折です。」等)を有する案内音声データを生成し、当該生成された案内音声データを、ネットワークNWを介して対象の端末装置Tに送信する(ステップS19)。このとき案内音声生成部2は、上記道路データ23a及び上記交差点データ23bを参照して、ステップS17の監視で検出された交差点を介して進入すべき道路の幅が、当該交差点に進入する前に移動している道路の幅より狭い場合、当該交差点を介して進入すべき道路への当該進入を容易化するための実施例の容易化案内音声データを生成し、上記案内音声データに加えて、ネットワークNWを介して対象の端末装置Tに送信する(ステップS19)。ここで、上記容易化案内音声データに相当する容易化案内音声としては、例えば、「次の○○交差点までゆっくり進んで下さい。」といった容易化案内音声や、「次の○○交差点は左(右)折です。左(右)側の車線を進んでください。」といった容易化案内音声が挙げられる。なお、これらの容易化案内音声は、いずれか一方でもよいし、両方に相当する容易化案内音声データが対象の端末装置Tに送信されてもよい。なお
図4においては、ステップS19で上記案内音声データのみが送信される場合と、上記容易化案内音声データが共に送信される場合とを合わせて「案内音声データ」、「案内音声データ送信(ステップS19)」及び「案内音声データ受信(ステップS3)」と示している。
【0035】
その後、処理部21は、対象車両がその目的地に到達した等の理由により、実施例のナビゲーション処理としての経路案内を終了するか否かを判定する(ステップS20)。ステップS20の判定において、当該経路案内を終了しない場合(ステップS20:NO)、処理部21は、上記ステップS17に戻って引き続き経路案内を行う。一方、ステップS20の判定において、当該経路案内を終了する場合(ステップS20:YES)、処理部21はそのまま当該経路案内を終了する。
【0036】
一方、対象の端末装置Tの案内音声出力制御部6bは、上記ステップ2で案内が開始された後は、サーバSVからの上記案内音声データ(又は、上記案内音声データ及び上記容易化案内音声データ。以下、「案内音声データ等」と称する)の送信を待機する(ステップS3)。ステップS3の待機において案内音声データ等が送信されてこない場合(ステップS3:NO)、対象の端末装置Tの処理部6は、後述するステップS5に移行する。
【0037】
他方、ステップS3の待機において、サーバSVからの当該案内音声データ等を受信した場合(ステップS3:YES)、対象の端末装置Tの案内音声出力制御部6bは、当該受信した案内音声データ等に相当する案内音声(又は案内音声及び容易化案内音声)を、スピーカ9を介して出力(放音)する(ステップS4)。その後、対象の端末装置Tの処理部6は、例えば上記ステップS20と同様の理由により実施例のナビゲーション処理としての経路案内を終了するか否かを判定する(ステップS5)。ステップS5の判定において、当該経路案内を終了しない場合(ステップS5:NO)、処理部6は上記ステップS3に戻って引き続き経路案内を行う。一方、ステップS5の判定において、当該経路案内を終了する場合(ステップS5:NO)、処理部6はそのまま当該経路案内を終了する。
【0038】
ここで、サーバSV及び対象の端末装置Tにおいて実施例のナビゲーション処理が実行された場合における案内音声等の出力(放音)について、具体的に
図5を用いて説明する。なお
図5は、実施例のナビゲーション処理の説明する概念図である。
【0039】
即ち
図5において、片側二車線の幹線道路R4に、片側二車線の道路R1が交差点CR1でT字形に交差しているとする。一方、当該道路R1は、交差点CR1に至るまでに、片側二車線の道路R2と交差点CR2で交差しており、更に対象車両Cの目的地Gに至る片側一車線の道路R3には、交差点CR3で道路R1から左折する必要があるとする。ここで、道路の幅については、道路R1の幅>道路R3の幅であるとする。そして、当該幅を示す情報は上記道路データ23aとしてサーバSVに予め記録されており、更に各交差点(交差点CR等)で交差する道路(道路R1等)を示す情報は、上記交差点データ23bとしてサーバSVに予め記録されているとする。
【0040】
上述したような
図5に例示する場合に、実施例のナビゲーション処理が実行されると、目的地Gに至る経路案内に沿って(
図4ステップS2及びステップS16参照)移動する対象車両Cが、交差点CR2手前の白抜き△マークの位置から、左折すべき交差点CR3の一つ手前の交差点CR2を通過後のハッチング△マークの位置まで移動したタイミングで(
図4ステップS18:YES参照)、
図5に例示する容易化案内音声を含む案内音声GVが、対象の端末装置Tのスピーカ9から出力(放音)される(
図4ステップS19及びステップS4参照)。これにより、対象の端末装置Tを使用する搭乗者は、幅の広い道路R1から幅の狭い道路R3に進入する場合であっても、道路R3への進入口を見落とすことなく、確実に当該道路R3に進入できることになる。
【0041】
以上説明したように、実施例に係るナビゲーション処理によれば、幅の広い道路から幅の狭い道路への進入が容易となるように移動させるための容易化案内音声を含む案内音声GVを、道路データ23a及び交差点データ23bに基づいて幅の広い道路を移動中に音により出力(放音)するので(
図4ステップS19及びステップS4参照)、音による案内によっても、幅の狭い道路への進入を容易化することができる。
【0042】
また、道路データ23aとして各道路の幅を示す情報が記録されており、これらを用いて容易化案内音声データが生成されるので、音による案内によっても、各道路の幅に応じて、幅の狭い道路への進入を容易化することができる。
【0043】
更に、
図5に例示するように、幅の広い道路から幅が狭い道路への案内時に容易化案内音声が出力(放音)されるので、音による案内によっても、幅が広い道路から幅の狭い道路への進入を容易化することができる。
【0044】
更にまた、幅の狭い道路への進入口の位置に到達するまでに速度を落とす旨の容易化案内音声が出力(放音)される場合は、音による案内によっても、幅の狭い道路への進入を確実に容易化することができる。
【0045】
また、幅の狭い道路へ進入する際に移動すべき車線へ車線変更する旨の容易化案内音声が出力(放音)される場合でも、幅の狭い道路への進入を確実に容易化することができる。
【0046】
更に、幅の狭い道路への進入口(例えば
図5に例示する交差点CR3)の位置に至る前の交差点CR2の位置を通過後に容易化案内音声を含む案内音声GVが出力(放音)される場合は、音による案内によっても、幅の狭い道路への進入を更に容易化することができる。
【0047】
また、上述した実施例のナビゲーション処理では、道路の幅の広狭に応じて容易化案内音声を出力(放音)させる構成としたが、これ以外に、進入すべき道路への進入口を現在移動中の道路から見た場合の視認性の良否に応じて、実施例の容易化案内音声を出力(放音)させるように構成してもよい。ここで、当該視認性の良否とは、例えば、ある交差点を経て進入すべき道路への当該交差点における進入口が、当該交差点の脇にある植生や大きな建物の影となって視認し難い場合には、当該視認性が悪いことになる。この場合には、実施例の交差点データ23bとして、その交差点で交差するいずれかの道路から見た他の道路の視認性の良否を予め記録しておき、案内すべき経路にその交差点において視認性が悪い道路へ進入する移動が含まれている場合、実施例の容易化案内音声を出力(放音)させるのが好適である。また、対象車両に、当該対象車両の周囲の状況を立体的に検出するセンサ(例えば、LiDAR(Light Detection and Ranging)システム等のセンサ)が備えられている場合には、当該センサによる検出結果に基づき、サーバSVにおいて、実施例の容易化案内音声を出力(放音)すべき交差点であるか否かを判定してもよい。
【0048】
上述したような、進入口の視認性の良否により容易化案内音声を出力(放音)するか否かを判定する場合であっても、音による案内によって、進入予定の道路への進入を容易化することができる。更に、当該進入口の視認性が悪い場合に容易化案内音声を出力(放音)する構成によれば、音による案内によって、視認性が悪い進入口の道路への進入を容易化することができる。
【0049】
更に、上述した実施例のナビゲーション処理では、案内対象たる交差点の監視(
図4ステップS17参照)及び当該案内対象の交差点についての案内のタイミングの到来の判定(
図4ステップS18参照)をサーバSVの処理部21において行うこととした。しかしながらこれ以外に、案内対象たる交差点の監視及び案内のタイミングの到来の判定を対象の端末装置Tにおいて行うように構成してもよい。この場合には、対象車両が移動する経路の探索のみを外部のサーバにおいて実行させるのが好ましい。この場合にも、実施例のナビゲーション処理と同様に、音による案内によっても、幅の狭い道路又はその道路への進入口の視認性が悪い道路への進入を容易化することができる。
【0050】
更にまた、上記幅情報の代わりに又はこれと組み合わせて、道路に設定されている制限速度(又は、いわゆるプローブ情報から得られる、その道路の平均速度)を利用して容易化案内音声を出力(放音)するように構成してもよい。より具体的には、制限速度が高く設定されている道路から低く設定されている道路に進入する場合には、その進入口を通り過ぎてしまう可能性が高いため、当該進入口の手前の位置で速度を落とす旨等の容易化案内音声を出力(放音)するように構成するのが好適である。
【0051】
また、
図4に示した各フローチャートにそれぞれ相当するプログラムを、光ディスク又はハードディスク等の記録媒体に記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して取得しておき、これらを汎用のマイクロコンピュータ等に読み出して実行することにより、当該マイクロコンピュータ等を実施例に係る処理部6又は処理部21として機能させることも可能である。