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特開2023-168619ロックアウトシステムを備える取り外し可能な針アレイを備えたエレクトロポレーション装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168619
(43)【公開日】2023-11-24
(54)【発明の名称】ロックアウトシステムを備える取り外し可能な針アレイを備えたエレクトロポレーション装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/30 20060101AFI20231116BHJP
   A61N 1/04 20060101ALN20231116BHJP
【FI】
A61N1/30
A61N1/04
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023174243
(22)【出願日】2023-10-06
(62)【分割の表示】P 2021167980の分割
【原出願日】2016-12-30
(31)【優先権主張番号】62/272,758
(32)【優先日】2015-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】509320254
【氏名又は名称】イノビオ ファーマシューティカルズ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】アレハンドロ キャンピロ-アグスティ
(72)【発明者】
【氏名】エドゥアルド イー.ホー
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン ラベル
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン マスターソン
(72)【発明者】
【氏名】ビート スタデルマン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ケメアラー
(57)【要約】
【課題】ロックアウトシステムを備える取り外し可能な針アレイを備えたエレクトロポレーション装置の提供。
【解決手段】取り外し可能それに取り付けられる針アレイを備えたエレクトロポレーション装置であって、針アレイは、本体と、静止位置と1つまたは複数の作動位置との間で本体に対して可動な包囲部と、自動ロックアセンブリと、を有し、自動ロックアセンブリは、本体に対して包囲部が不動なロック構成と本体に対して包囲部が可動な非ロック構成との間で調整可能であり、静止位置から1つまたは複数の作動位置への、及び静止位置へ戻す包囲部の付勢が、非ロック構成からロック構成に自動ロックを調整する、エレクトロポレーション装置。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレクトロポレーション装置のための針アレイであって、
ロック面を備え、中心軸を画定する本体と、
静止位置と1つまたは複数の作動位置との間で前記本体に対して可動な包囲部と、
前記包囲部に結合され、かつ前記包囲部とともに可動である弾性体を含む自動ロックであって、前記自動ロックは、前記中心軸から半径方向外側に離間され、前記自動ロックは、前記本体に対して前記包囲部が不動であり、かつ、前記弾性体の近位端が偏向された、ロック構成と、前記本体に対して前記包囲部が可動な非ロック構成と、の間で調整可能であり、前記静止位置から前記1つまたは複数の作動位置への、及び前記静止位置へ戻す前記包囲部の付勢が、前記自動ロックを前記非ロック構成から前記ロック構成に調整し、前記自動ロックが非ロック構成からロック構成に調整されるとき、付勢力は、前記弾性体の近位端を、横方向に付勢し、前記弾性体は、前記ロック構成で前記ロック面に係合する、自動ロックと、を備える、
針アレイ。
【請求項2】
前記本体がそれに結合された1つまたは複数の電極を含む、請求項1に記載の針アレイ。
【請求項3】
前記包囲部が前記1つまたは複数の作動位置にあるときに前記1つまたは複数の電極の少なくとも一部が前記包囲部の外側に延びる、請求項2に記載の針アレイ。
【請求項4】
前記包囲部が前記静止位置にあるときに前記1つまたは複数の電極が前記包囲部内に配置される、請求項3に記載の針アレイ。
【請求項5】
前記本体がそれに結合された1つまたは複数の皮下注射針を含む、請求項1に記載の針アレイ。
【請求項6】
注射位置と後退位置との間で前記本体に対して可動な受容部を更に備え、前記受容部は、薬剤カートリッジを、内部に少なくとも部分的に受容するように寸法化された、請求項1に記載の針アレイ。
【請求項7】
前記受容部がそれから延びる皮下注射針を有し、前記薬剤カートリッジが前記受容部に挿入されるとき、前記皮下注射針は前記薬剤カートリッジと流体連通する、請求項6に記載の針アレイ。
【請求項8】
前記受容部が前記注射位置にあり、前記包囲部が前記1つまたは複数の作動位置にあるときに、前記皮下注射針の少なくとも一部が前記包囲部の外側に配置される、請求項7に記載の針アレイ。
【請求項9】
前記受容部が前記後退位置にあるときに、前記包囲部の位置に関係なく前記皮下注射針が前記包囲部内に配置される、請求項8に記載の針アレイ。
【請求項10】
前記薬剤カートリッジは、前記薬剤カートリッジ内に含まれる薬剤を患者へと注射させるために前記薬剤カートリッジ内に移動するように構成された注射ロッドを受容するように構成された、請求項6に記載の針アレイ。
【請求項11】
前記本体は、前記注射ロッドの解放部材と係合するように構成されたロック歯止めを備え、それにより、前記受容部が前記注射位置から前記後退位置へと移動するのを可能とする、請求項10に記載の針アレイ。
【請求項12】
前記本体及び前記受容部の一方に結合され、前記本体に対して前記受容部が固定されたロック位置と前記本体に対して前記受容部が可動な非ロック位置との間でそれに対して可動なロックピンをさらに備える、請求項10に記載の針アレイ。
【請求項13】
受容部が前記本体に対して所定の配置に配置されるときに前記ロックピンが前記ロック位置へ移動するように、前記ロックピンが前記ロック位置に付勢される、請求項12に記載の針アレイ。
【請求項14】
前記ロックピンが前記本体及び前記受容部の一方に結合され、前記本体及び前記受容部の他方がロック開口部を画定し、前記ロックピンが前記ロック開口部と軸方向に配列されるときに前記ロックピンが前記非ロック位置から前記ロック位置へと移動する、請求項12に記載の針アレイ。
【請求項15】
カートリッジロックをさらに備え、前記カートリッジロックは、前記薬剤カートリッジが前記受容部に挿入されるのを可能とするが、前記薬剤カートリッジが前記受容部から取り外されるのを防ぐ、請求項12に記載の針アレイ。
【請求項16】
前記弾性体の近位端は、前記自動ロックがロック構成にあるときに前記横方向に偏向され、かつ、前記弾性体の近位端は、前記自動ロックが非ロック構成にあるときに前記横方向とは反対の第2の横方向に偏向される、請求項1に記載の針アレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2015年12月30日に出願された米国仮特許出願第62/272,758号の優先権を主張する。上記の参照された出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、エレクトロポレーション装置における使用のための取り外し可能な針アレイに関し、より詳細には2つの、独立した針ロックアウト機構を有する取り外し可能な針アレイに関する。
【発明の概要】
【0003】
エレクトロポレーション治療、注射等のような最近の医療治療は、概して何らかの形式の針、電極、または他の形式の鋭利部の使用を必要とする。使用の間、これらのアイテムは、患者に接触し、または挿入され、アイテムを患者の組織及び体液で汚染させる。アイテムが患者から取り除かれた後、もはや使用されてなくても、それらは多くの安全上のリスクを臨床医及び患者に呈する。いくつかの安全上のリスクは、二次汚染、針刺し事故等を含み得る。
【0004】
更に、エレクトロポレーション処理は、異なる時間における異なる鋭利部の使用を必要とする。たとえば、皮下注射針は、目的の組織内へと薬剤を注射するために最初に必要とされ得るが、次いでエレクトロポレーション信号が施されるときには不要とされ得る。エレクトロポレーション処理のこれらの要素のため、要素(すなわち鋭利部)の様々なセット及びサブセットを互いに独立してロックアウトさせることが必要とされ得る。そのような機能はエレクトロポレーション処理の間の更なる制御及び柔軟性を提供するのみならず、それらは、もはや不要となるいかなる要素も安全にロックアウトされて目的の組織に接触することができないことを保証する、より安全な装置をも提供する。
【0005】
1つの態様において、エレクトロポレーション装置はハンドセットを含み、ハンドセットは、取付点を画定するハウジングと、ハウジング内に配置された信号発生器とを含む。エレクトロポレーション装置は、取り外し可能に取付点に結合可能であり、針アレイが取付点に結合されるときに信号発生器と電気通信する針アレイを更に含み、針アレイは、本体と、静止位置と1つまたは複数の作動位置との間で本体に対して可動な包囲部と、本体に対して包囲部が不動なロック構成と本体に対して包囲部が可動な非ロック構成との間で調整可能な自動ロックと、を含み、静止位置から1つまたは複数の作動位置への、及び静止位置へ戻す包囲部の付勢が、自動ロックを非ロック構成からロック構成に調整する。
【0006】
別の態様において、エレクトロポレーション装置は、取付点を画定するハウジングと、動力源と、動力源と電気通信する信号発生器と、を含むハンドセットを含む。エレクトロポレーション装置は、解放可能にハウジングの取付点に結合可能な針アレイを更に含み、針アレイが、本体と、本体に結合された1つまたは複数の電極と、静止位置と1つまたは複数の作動位置との間で本体に対して可動な包囲部であって包囲部が1つまたは複数の作動位置のそれぞれにあるときに1つまたは複数の電極の少なくとも一部が包囲部の外側に配置される包囲部と、注射位置と後退位置との間で本体に対して可動な受容部であってそれから延びる皮下注射針を有する受容部と、本体及び受容部の一方に結合され、本体に対して受容部が固定されたロック位置と本体に対して受容部が可動な非ロック位置との間でそれに対して可動なロックピンと、を含み、受容部が本体に対して所定の配置に配置されるときにロックピンがロック位置へ移動するように、ロックピンがロック位置へ付勢される。
【0007】
さらに別の態様において、エレクトロポレーション治療を行うためのエレクトロポレーションシステムは、ベースステーションと、取り外し可能にベースステーションに結合可能なハンドセットとを含む。ここにおいて、ハンドセットは、それに形成された取付部を有するハウジングと、ハウジング内に配置された動力源と、解放部材をそれに有する注射アセンブリとを含む。エレクトロポレーションシステムは、解放可能にハウジングの取付部に結合可能な針アレイを更に含み、針アレイは、本体と、本体に結合された1つまたは複数の電極と、静止位置と1つまたは複数の作動位置との間で本体に対して可動な包囲部であって、包囲部が1つまたは複数の作動位置にあるときに1つまたは複数の電極の少なくとも一部が露出される包囲部と、本体に対して包囲部が不動なロック構成と本体に対して包囲部が可動な非ロック構成との間で調整可能な自動ロックと、を含み、静止位置から1つまたは複数の作動位置への、及び静止位置へ戻す包囲部の付勢が、非ロック構成からロック構成に自動ロックを調整する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】エレクトロポレーションハンドセットの斜視図である。
図1a】ベースステーションに結合されたエレクトロポレーションハンドセットの斜視図である。
図2図1のエレクトロポレーションハンドセットの駆動アセンブリを示す。
図3】受容部を後退位置にしたアレイの斜視図である。
図4】中心軸に沿った図3のアレイの断面図である。
図5】中心軸に沿った図3のアレイの断面図である。
図6図3のアレイの背面図である。
図7図3のアレイの背面斜視図である。
図8】受容部を注射位置にしたアレイの背面斜視図である。
図9図8のアレイの断面図である。
図10図8のアレイの背面図である。
図11図8のアレイの分解立体図である。
図12】準備されていない構成で自動ロックアセンブリ示す、透明に示されたカバーを備える図8のアレイの斜視図である。
図13】準備された構成で自動ロックアセンブリを示す図12のアレイの斜視図である。
図14】ロック構成にある自動ロックを示す図12のアレイの斜視図である。
図15A】様々な構成の自動ロックを示す図12のアレイの上面図である。
図15B】様々な構成の自動ロックを示す図12のアレイの上面図である。
図15C】様々な構成の自動ロックを示す図12のアレイの上面図である。
図16】戻り止めの斜視図である。
図17】注射位置にある受容部の概略図である。
図18】後退位置にある受容部の概略図である。
図19図1のハンドセットの前面斜視図である。
図20図1のハンドセットのトグルの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
「薬剤(Agent)」は、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、小分子、またはそれらの任意の組み合わせを意味して良い。薬剤は、PCT/US2014/070188に説明されるような、抗体、そのフラグメント、その異形、またはそれらの組み合わせをコード化する組み換え核酸シーケンスであって良く、この公報は参照により本明細書に組み込まれる。「薬剤」は、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、小分子、またはそれらの任意の組み合わせを含む合成物を意味して良い。合成物は、PCT/US2014/070188に説明されるような、抗体、そのフラグメント、その異形、またはそれらの組み合わせをコード化する組み換え核酸シーケンスを含んで良く、この公報は参照により本明細書に組み込まれる。薬剤は、たとえば水または緩衝剤において編成されて良い。緩衝剤はたとえば生理食塩水クエン酸ナトリウム(SSC)またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)であって良い。緩衝剤のイオン含有量は、目的の組織内の導電性を増加させ、電流量を増加させ得る。編成されたポリヌクレオチドの濃度は、1μgから20mg/mlまでの間で良い。編成されたポリヌクレオチドの濃度は、たとえば1μg/ml、10μg/ml、25μg/ml、50μg/ml、100μg/ml、250μg/ml、500μg/ml、750μg/ml、1mg/ml、10mg/ml、15mg/ml、または20mg/mlであって良い。
【0010】
本明細書において用いられる「ペプチド」、「タンパク質」、または「ポリペプチド」は、アミノ酸のリンクされたシーケンスを意味し得るものであり、天然の、合成の、または天然及び合成の変更または組み合わせであり得る。
【0011】
本明細書において用いられたような「ポリヌクレオチド」または「オリゴヌクレオチド」または「核酸」は、共有結合された少なくとも2つのヌクレオチドを意味する。ポリヌクレオチドは、シングルストランドの、またはダブルストランドであり得るもので、またはダブルストランド及びシングルストランドシーケンスの両方の部分を含み得る。ポリヌクレオチドは、DNA、ゲノム及びcDNAの両方、RNA、または合成物であり得る。ポリヌクレオチドは、デオキシリボ及びリボヌクレオチドの組み合わせ、及びウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キサンチンヒポキサンチン、イソシトシン、イソグアニン、及び合成物または非天然で生成されるヌクレオチド及びヌクレオシドを含むベースの組み合わせを含み得る。ポリヌクレオチドは、ベクターであって良い。ポリヌクレオチドは、化学合成方法によって、または組み換え方法によって得られ得る。
【0012】
本明細書において用いられるような「ベクター」は、複製の複製起点を含む核酸シーケンスを意味する。ベクターは、ウイルスベクター、バクテリオファージ、細菌性人工染色体、または酵母人工染色体であり得る。ベクターは、DNAまたはRNAベクターであり得る。ベクターは自己複製染色体外ベクターであり得、好適にはDNAプラスミドである。
【0013】
本明細書において用いられるような「エレクトロポレーション」(「EP」)という語は、生体膜において可逆な微小経路(孔)を誘発する電子分野のパルスの使用に関し、それらの存在は、薬剤が細胞膜の一方の側から他方に通過するのを可能とする。
【0014】
本発明の取り外し可能な針アレイを備えたエレクトロポレーション装置は、向上した安全な予防措置も提供しつつ、治療を施す看護師、医師または専門家のためにさらなる使いやすさを提供する。安全性に関し、取り外し可能な針アレイは、患者に接触する全ての針及び他の表面を含む。アレイは、針及び電極が一度のみ露出されるロックアウトアセンブリも含む。そのように、アレイは一人より多くの患者には使用され得ず、それにより臨床医及び患者の両方への二次汚染を防ぐ。更に、針がアレイから再度露出される機能を制限することによって、針アレイは実質的に針刺し事故を防ぎ得る。更に、鋭利部の様々なサブセットを個別にロックアウトすることによって、それぞれのサブセットは、残りの鋭利部の使用に影響することなく目的の組織から取り外された後にロックアウトされ得る。
【0015】
本開示は、手動のエレクトロポレーションアセンブリ(EPアセンブリ)での使用のための取り外し可能な針アレイ22に関する。詳細には、EPアセンブリ10は、直接注射及びエレクトロポレーションの形式で患者に医療治療を施すための臨床及び商用環境の両方における使用のために操作され得る。EPアセンブリ10は、取り外し可能な針アレイ22が結合され得るハンドセット18と、ベースステーション12とを含む(図1a参照)。ベースステーション12は、テーブルまたは他の平面に概して配置され、ハンドセット18及びベースステーション12が接続または結合構成にあるときにハンドセット18の動力源24と電気通信して充電することができる。
【0016】
EPアセンブリ10のハンドセット18は、患者に医療治療を施すように操作可能である。ハンドセット18は、ハウジング26と、ハウジング26内に少なくとも部分的に配置された動力源24と、動力源24と電気通信する信号発生器28と、信号発生器28を選択的に起動するトリガー214と、駆動アセンブリ34とを含む。図示された構成において、ハウジング26は、アレイ22が取り付けられる取付部86を形成する。
【0017】
図1に示されるように、ハンドセット18のハウジング26は、それらの間に体積部36を形成するように共に結合された2つの半体または部材32から形成される。詳細には、部材32は、前端44と後端48を備える上部40と、上部40から遠位端56を形成するように延びるハンドル部52とを有するピストル形状を形成する。ハウジング26はピストル形状で示されるが、ハウジング26は他の形状を含んで良く、または異なる把持形式に適合することが理解される。
【0018】
図19に示されるように、ハウジング26の取付部86は、径方向外側に配置されて取付部86の外部表面に沿って軸方向に延びるリブ106を含む。リブ106は、実質的に断面において矩形であり、アレイ22のチャネル110(以下に説明)内に少なくとも部分的に受容されるように形状化される。リブ106は、取付部86においてアレイ22を適切に配向するようにチャネル110と共に動作するように構成される。
【0019】
図19に示されるように、ハンドセット18は、ハウジング26にそれぞれ統合されてアレイ22の構成に関する様々な形式の情報を収集して提供するように構成された複数のセンサ146、150も含む。
【0020】
図19に示されるように、ハンドセット18は、取付部86の先端縁の近位に配置されてアレイ22がそれに設置されたときに検出するように構成されたアレイセンサ146を含む。詳細には、アレイセンサ146は、アレイ22が取付部86に適切に設置されたことを示すアレイ22によって「covered-up(覆われた)」光学センサを含む。ハンドセット18は、取付部86のリブ106に配置されてアレイセンサ146の軸方向の後方に位置する包囲部センサ150を更に含む。使用の間、包囲部センサ150は、アレイ22に対して包囲部350の位置を検出するように構成される(以下で説明)。詳細には、包囲部センサ150は、やけど等をすることなく目的の組織への電流の適切な伝達を保証するために包囲部350が最小距離(すなわち、おおよそ5mmより大きい)後退したことを検証するように操作可能である。ハンドセット18は、深さリミッター186の位置を記録するように操作可能な一対の深さセンサ(図示せず)を更に含む。
【0021】
図2に示されるように、ハンドセット18の駆動アセンブリ34は、体積部36内に配置され、アレイ22を選択的に係合し、患者に薬剤を直接注射させるように操作可能である。駆動アセンブリ34は、モーター162と、モーター162によって駆動される注射ロッド158を含む。以下で説明されるように、モーター162は、駆動ギヤ166の回転の速度及び方向を指示する。駆動ギヤ166の回転は、次いで注射ロッド158に伝えられる。
【0022】
駆動アセンブリ34の注射ロッド158は、ハウジング26に対して往復可能な動作のために取り付けられた、細長く、実質的に円筒状のロッドである。注射ロッド158は、取付部と同軸に配置され、第1の方向Dにおいて、概してアレイ22へと取付部を同軸方向に移動させ良く(すなわち薬剤を施すため)、概してアレイ22の外方または離れて第2の方向Eへ移動させて良い(図2)。
【0023】
注射ロッド158は、接触端178から離間して配置され、アレイ22のロック歯止め182と係合するように構成された解放部材174を更に含む(以下で説明)。使用の間、解放部材174は、注射ロッド158の接触端178から離間して配置され、それに固定される。解放部材174は、薬剤が分注された後まで解放部材174がアレイ22のロック歯止め182に係合しないように、接触端178から所定の距離で配置される。別の構成において、解放部材174は、注射ロッド158から独立して制御されて良く、ハンドセット18が注射処理(図示せず)とは関係なくロック歯止め182を解放するのを可能とする。
【0024】
図19及び図20に示されるように、エレクトロポレーション装置のハンドセット18は、深さアセンブリ38を含む。より詳細には、ハンドセット18は、深さリミッター、または、ハウジング26に結合されてユーザーがアレイ22の最大注射深さを設定するのを可能とするように構成されたトグル186を含む。詳細には、トグル186は、複数の(すなわち3つの)深さ設定の間で調整可能であり、それらのそれぞれは、特定の目的の注射深さに対応する。図示された構成において、トグル186の位置は、エレクトロポレーション治療がその特定の患者のための適切な深さでなされるのを保証するように第1及び第2の深さセンサによって記録される。
【0025】
図20に示されるように、ハンドセット18のトグル186は、次いでそれぞれが異なる目的の注射深さ設定に対応する3つの明確な接触点194a、194b、194cを画定するカムまたは線形ランド面190を含む。使用の間、ユーザーは、異なる接触点194a、194b、194cがアレイ22の深さシャフト406と軸方向に配列されるように、ハウジング26に対してトグル186を動かして良い(すなわち、開口部200と配列される)。示された構成において、第1の接触点194aはおおよそ13mmの目的の注射深さを提供するように構成され、第2の接触点194bはおおよそ19mmの目的の注射深さを提供するように構成され、第3の接触点194cはおおよそ25mmの目的の注射深さを提供するように構成される。示された構成のトグル186は3つの接触点を含むが、より多いまたはより少ない接触点が使用されて良いことが理解される。更に、より繊細な調整のために連続して傾斜した表面が用いられて良い。
【0026】
更に、ハンドセット18またはベースステーション12は、限定されるものではないが、患者の体重、患者の身長、施されるエレクトロポレーションの形式、アレイの寸法、施される薬剤、及び注射部の配置等を含む様々な要因に基づいて所望の目的の注射深さを計算するためのコントローラ204を含んで良い。更に、コントローラ204は、少なくとも部分的に計算された目的の注射深さに基づいて操作エンベロープを設定しても良い。たとえば、装置は、可能な注射深さ設定(すなわち、エレクトロポレーション処理が生じるのが可能な設定)を計算された注射設定の特定の範囲内に制限して良い。これは、ユーザーがエレクトロポレーション治療を施す際にいくらかの柔軟変更性を有しつつ安全ではないとみなされ得る過度の変更を回避することを可能とする。
【0027】
図1、及び図3図11に示されるように、アレイ22は取り外し可能にハンドセット18に結合可能であり、二次汚染と針刺し事故を最小化するようにハンドセット18と患者との間で使い捨て可能な接合部を提供するように操作可能である。より詳細には、アレイ22はハンドセット18がエレクトロポレーションのために所定の薬剤で患者を直接注射して電気パルスを施すのを可能としつつ、いかなる針または電極もアレイ22から再露出するのを防ぐ一対の「ロックアウト」機構も有する必要な接触部を提供する。特に、アレイ22のロックアウト機構は、針及び/または電極の特定の区分、形式、またはグループがロックアウトされ得る一方で残りの針または電極がロックされずに使用可能であり得るように、互いに独立して操作可能である。別の構成において、ロックアウト機構は、第1のロックアウト機構が針または電極の一部を機能し得ない一方で、他の第1のロックアウト機構の条件に関係なく第2のロックアウトが全ての針または電極を機能し得ないように、「層」において操作可能であり得る。更に他の構成において、アレイ22はそれらのいくつかの組み合わせを含んで良い。EPアセンブリ10のアレイ22は、本体346と、本体346に移動可能に結合された包囲部350と、針アセンブリ354とを含む。
【0028】
アレイ22の本体346は、それを通して中心軸358を画定する実質的に円錐台形である。本体346は、ハンドセットハウジング26の前端54に対応するように寸法化される第1の端部366と第1の端部366に対抗する第2の端部370とを有する実質的に環状の外部壁362から形成される。本体346は、環状壁362に形成されて実質的に互いに対抗して配置された一対の開口部374(図3)も更に画定する。組み立てられたとき、それぞれの開口部374は取り出しボタン126の少なくとも一部をそれに受容するように寸法化されて形状化される(以下で説明)。
【0029】
アレイ22の本体346は、環状壁362に形成されて第1の端部366と第2の端部370との間で軸方向に延びるチャネル110も含む。組み立てられるとき、チャネル110は包囲部350の少なくとも一部をそれに受容するように寸法化されるが、それがそれと共に軸方向に摺動することを可能とする。アレイ22がハンドセット18に設置されるとき、チャネル110はハンドセット18(すなわちリブ46)の少なくとも一部をそれに受容する。アレイ22のチャネル110は、アレイ22がハンドセット18に対して適切に配向するのを支援する。
【0030】
図4図6に示されるように、アレイ22は、環状壁362の内側に配置されてそれに堅く結合されたサブフレーム378も含む。図示された構成において、サブフレーム378は、実質的に取付部の外径に対応する内径を画定する内部表面382を含む。アレイ22がハンドセット18に設置されるとき、取付部は少なくとも部分的にサブフレーム378内に受容される。そのように、サブフレーム378及び取付部は、アレイ22を取付部と同軸に配置する。
【0031】
サブフレーム378は、取付部86を選択的に係合してアレイ22をそれに固定するように構成された一対の取り出しボタン126も含む。それぞれの取り出しボタン126は、その中心近傍のサブフレーム378に枢動可能に結合され、第1の端部386と第1の端部386に対向する第2の端部390とを含む。図示された構成において、取り出しボタン126は、第1の端部386の径方向内側への付勢が第2の端部390を径方向外側に付勢させるようにサブフレーム378に取り付けられる。アレイ22が組み立てられるとき、取り出しボタン126の第1の端部386は、使用の間ユーザーがボタン126にアクセスし得るように、環状壁362の対応する開口部374内に少なくとも部分的に受容されるように構成される。
【0032】
図4に示されるように、アレイ22の包囲部350は、接触プレート394と、接触プレート394から開放端402を形成するように軸方向に延びる外部壁398とを有する実質的に円錐台形である。使用の間、包囲部350は接触プレート394が本体346の第2の端部370から第1の距離にある静止位置(図4)と、接触プレート394が少なくとも部分的に本体346に後退した1つまたは複数の作動位置(図13)との間で本体346に対して軸方向に可動である。使用の間、ユーザーは、接触プレート394を患者に対して(すなわち治療されるエリア内の彼らの肌に対して)配置し、これによりユーザーによってハンドセット18に付与される方向C(図1)における任意の力が包囲部350を本体346に対して静止位置から1つまたは複数の作動位置へと移動させる。静止位置から1つまたは複数の作動位置への(すなわち本体346への)包囲部350の移動は、針アセンブリ354の少なくとも一部を、接触プレート394を超えて延ばし、患者に侵入させる。詳細には、包囲部350が本体346の第2の端部370へ付勢される距離が大きくなるほど(すなわちより大きな力を方向Cにユーザーがハンドセット18に付与するほど)、より長く針アセンブリ354は接触プレート394を超えて延び、より深い注射深さを生じさせる。
【0033】
図示された構成において、包囲部350は、静止位置と3つの固有の作動位置との間で軸方向に可動である。詳細には、第1の作動位置は概してトグル186の第1の接触点194aに対応し、針アセンブリ354が接触プレート394を超えて13mm延びるのを可能とする。更に、第2の作動位置は、概してトグル186の第2の接触点194bに対応し、針アセンブリ354が接触プレート394を超えて19mm延びるのを可能とする。最後に、第3の作動位置は、概してトグル186の第3の接触点194cに対応し、針アセンブリ354が接触プレート394を超えて25mm延びるのを可能とする。
【0034】
アレイ22の包囲部350は、開放端402から遠位端410を形成するように軸方向に延びる深さシャフト406を更に含む。使用の間、深さシャフト406の遠位端410は、本体346の第1の端部366近傍に配置され、包囲部350が実質的に所望の注射深さに対応する作動位置に付勢されたときにハンドセット18の開口部200を通過し、トグル186のカム表面190に接触するように構成される。深さシャフト406は、本体346へと軸方向に包囲部350が移動し得る範囲を制限する、包囲部350のための停止部としても機能し得る。そのように、深さシャフト406とトグル186との間の接触点を変化させること(すなわち、トグル186の位置を調整することによって)で、ユーザーは、本体346に対していかに遠くへ包囲部350を移動させ得るかを変えることが可能となり、従って組織内への最大針穿通を制限し得る。
【0035】
包囲部350は、接触プレート394の中心近傍の注射開口部414も画定する。注射開口部414は針アセンブリ354の注射針418が治療のためそれを通して患者へと通るのを可能とするように寸法化される。図示された構成において、注射開口部414は受容するように寸法化された環状壁422によって接触プレート394の内側側部に配置されてシリンジプラグ426をそれに配置する。
【0036】
包囲部350は、接触プレート394において複数の電極開口部430も画定する。それぞれの電極開口部430は、対応する電極142の1つが(以下で説明)それを通して通過するのを可能とするように寸法化される。それぞれの電極開口部430は、対応する電極142が治療のため患者へと開口部430を通るのを直接支援するように実質的にテーパ状の断面を有する。図示された構成において、包囲部350は、注射開口部414(図3)に中心化された参照円に沿ってそれぞれ等しく離間された五つの(5)電極開口部430を含む。しかしながら、別の構成において、包囲部350は、四角形、三角形、及び楕円形等のような任意の数の電極アレイパターンにおいて1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12の電極開口部を含んで良い。
【0037】
包囲部350は、包囲部350と本体346との間で延び、包囲部350を静止位置へ付勢するように構成された引き戻しばね434を更に含む。図示された構成において、引き戻しばね434は、針アセンブリ354の不注意な露出を回避するのに十分な強度であるが、針アセンブリ354を露出させて患者に注射するための過度の力を要することを回避するように十分に弱い。
【0038】
図27図28に示されるように、針アセンブリ354は、アレイ22のサブフレーム378に堅く結合され、患者への注射のため、複数の針、特に注射針418と複数の電極142とを配向するように構成される。針アセンブリ354は、アレイ22のサブフレーム378に堅く結合される針本体438と、針本体438に結合される複数の電極142と、注射アセンブリ442とを含む。
【0039】
図4図5に示されるように、針本体438は、注射端部446と注射端部446に対向するローディング端部450とを有した実質的円筒形状である。アレイ22が組み立てられるとき、針本体438は、本体346の第2の端部370近傍に配置される注射端部446及び本体346の第1の端部366の近傍に配置されるローディング端部450と軸358で同軸に配置される。
【0040】
針本体438は、それを通して同軸方向に延びて注射端部446及びローディング端部450の両方で開放する内部チャネル454を画定する。内部チャネル454は、第1の径を画定するローディング端部450近傍の第1の部分458と、第1の径より小さい第2の径を画定する注射端部446近傍の第2の部分462とを含む。図示された構成において、内部チャネル454の第1の部分458は、注射アセンブリ442の少なくとも一部をそれに受容するように寸法化される(以下で説明)。
【0041】
針本体438は、ローディング端部450近傍に配置されて内部チャネル454の第1の部分458において注射アセンブリ442を選択的に保持するように構成されたロック歯止め182を更に含む。使用の間、ロック歯止め182は、歯止め182が注射アセンブリ442に接触するロック位置(図8)と歯止め182が注射アセンブリ442と接触しないロックされない位置(図6)との間で可動である。そのように、ロック歯止め182がロック位置にあるとき、注射アセンブリ442は、針本体438に対して軸方向に移動できない。対照的に、ロック歯止め182は、非ロック位置に動かされ、注射アセンブリ442は針本体438に対して軸方向に自由に移動する。
【0042】
針アセンブリ354のそれぞれの電極142は、針本体438に取り付けられて先端470を画定するように注射端部446から軸方向に延びる。使用の間、静止位置から作動位置への包囲部350の移動は、接触プレート394が患者に対して治療のために患者へ押圧されるときに、対応する電極開口部430を通してそれぞれの先端470を通過させる。
【0043】
それぞれの電極142は、先端470に対向する電極142から延びるリード474を更に含む。それぞれのリード474は、その対応する電極142と電気通信して、ローディング端部450近傍で電気的接触部138を形成するように針本体438を通過する。上述したように、アレイ22がハンドセット18に設置されるとき、アレイ22のそれぞれの電気的接触部138は、係合してハンドセット18、及び最終的には信号発生器28の対応する電気的接触部(図示せず)と電気的接続を形成するように構成される。
【0044】
アレイ22の針アセンブリ354は、第1の自動ロック機構494を更に含む。図12図15Cに示されるように、針アセンブリ354は、本体346に対して包囲部350の動作を制限するための自動ロック494を含む。より詳細には、自動ロック494は、包囲部350が所定の「起動点」を超えて付勢された後に包囲部350を静止位置(すなわち、針アセンブリ354が露出されない位置)でロックするように構成される。詳細には、一度包囲部350が所定の起動点を超えて付勢されると、自動ロック494が準備される。自動ロック494が準備された後、包囲部350の静止位置への任意の続く動作は、包囲部350を所定の位置でロックさせる。そのように、包囲部350は、本体346に対してもはや移動できず、針アセンブリ354は露出されない。
【0045】
自動ロック494はアレイ22を使い捨てに限定し、包囲部350がロックされて操作不能となる前にユーザーが治療のため針アセンブリ354を一度のみ露出させることを可能とする。全てにおいて、自動ロック494は二次汚染の機会または古いアレイ22もしくは薬剤カートリッジ498の不注意の再使用を最小化する。自動ロック494は、それが使用された後に注射針418または電極142が包囲部350から再び現れるのを不可能にすることによって、針刺し事故の機会を更に低減する。
【0046】
図12図16に示されるように、自動ロック494は、包囲部350に結合されて包囲部350と共に可動なばねのような戻り止め502と、アレイ22の本体346に対して固定されたロック表面506と、本体346に対して固定されて戻り止め502に選択的に係合するように構成された突出部510と、を含む。上述したように、自動ロック494は、一度それが所定の起動点を超えると、それが用いられた後に針アセンブリ352が包囲部350から再度現れるのを防ぐため、包囲部350を所定の位置でロックするように構成される。
【0047】
図16に示されるように、自動ロック494の戻り止め502は、包囲部350に堅く結合された第1の端部516と第1の端部516に対向し、ロック先端524を形成する第2の端部520とを有する実質的に弾性本体512を含む。戻り止め502の本体512は、実質的に弾性材料(すなわち、金属、及びプラスチック等)から形成され、本体512が柔軟になるのを可能とし、ロック先端524が第1の端部516に対して移動するのを許容する。使用の間、本体512は、ロック先端524が方向Fへ付勢されて少なくとも1つの突出部510及びロック表面506と係合するように構成される(図15A)。そのように、ロック先端524は、包囲部350がアレイ22の本体346に対して移動するときに、それぞれの面に沿って係合して移動する。図示された構成において、ロック先端524は、残りの戻り止め502にいかなるクリアランスまたは干渉問題も生じさせることなく、先端524が接触したままで突出部510及びロック表面506に沿って移動するように、残りの戻り止め502(図16)の下で延びる。
【0048】
自動ロック494のロック表面506は、アレイ22の本体346に対して固定され、本体346の第2の端部370の近傍に配置された第1の部分528と、第1の部分528から本体346の第1の端部366へ延びる第2の部分532とを含む。図15Aに示されるように、第1の部分528及び第2の部分532は、互いにオフセットされ(すなわち、軸358から異なる距離で配置される)、中間表面536をそれらの間に形成する。図示された構成において、中間表面536は、その戻り止め502のロック先端524の保持を支援するように、2つの部分528、532の間に「Z」形状を形成する。
【0049】
自動ロック494の突出部510は、アレイ22の本体346に対して固定されて接触表面540を画定する。突出部510は、ロック表面506から離れて配置され、戻り止め502のロック先端524を選択的に係合して本体512の付勢力に抗してロック表面506から離して先端524を配置するように構成される。突出部510の後縁544は、自動ロック494の起動点を画定する。更に後方(すなわち、本体346の第1の端部366へ)、には、後縁544が配置され、更に包囲部350は自動ロック494が準備される前に付勢されなければならない。使用の間、ロック先端524は、先端524が後縁544を超えて通過するまで突出部510の接触表面540に沿って移動し、そこでロック先端524は、突出部510から係合解除してロック表面506の第2の部分532へと係合するように付勢される。
【0050】
自動ロック494の操作中、戻り止め502のロック先端524は、最初に突出部510の接触表面540(図12及び図15A)を係合して先端524をロック表面506から離れた「準備されない」位置に配置する。準備されない位置において、ロック先端524は包囲部350の動作を制限することなく突出部510の接触表面540に沿って移動して良い(すなわち、包囲部は起動点の前に静止位置から任意の点に付勢されて再び戻り得る)。
【0051】
ユーザーがハンドセット18に対して方向Cに圧力を付与するとき、包囲部350は静止位置から作動位置へと付勢される。結果、戻り止め502の先端524は、突出部510の接触表面540に沿って後縁544へ移動し始める。先端524が後縁544に至るとき、包囲部350はその起動点に至る。このとき、先端524は、後縁544を通過し、突出部510から係合解除し、ロック表面506の第2の部分532との係合へと付勢され、それにより準備される(図13及び図15B)。一度準備されると、戻り止め502の先端524は、ロック表面506の第2の部分532と係合したままで、その長さに沿って前後に移動し続けることができる。
【0052】
ユーザーがハンドセット18から圧力を取り除くと、包囲部350は静止位置へ戻り始める。結果、戻り止め502の先端524は、ロック表面506の第2の部分532に沿って第1の部分528へ移動し始める。包囲部350が静止位置近傍にあるとき、先端524は第2の部分532との係合から外されて付勢され、ロック表面506の第1の部分528と係合し、包囲部350を所定の位置でロックさせる(図14及び図15C)。より詳細には、方向Cにハンドセット18に力を再度付与する任意の試みは先端524を中間表面506と係合させ、静止位置から離れるいかなる更なる移動も制限する。そのように、包囲部350は、本体346に対する移動を制限され、針アセンブリ354は再び露出され得ない。
【0053】
アレイ22での使用のため図示されたが、自動ロック494は、針及び電極のような鋭利部がそれらのアイテムへのアクセス及び使用の制限を実施される他の事例において実現されて良いことが理解される。
【0054】
アレイ22は、注射点のための独立した針制限及びロックアウトを更に含む。注射アセンブリ442は、薬剤が施された後に注射針418を患者から引き出すが、エレクトロポレーションによる継続する治療のため、電極142が患者に挿入されたままとなることを可能とする。注射アセンブリ442は、最初の注射が行われた後に二次汚染及び針刺し事故を制限するために、後退位置に注射針418をロックするように更に機能する。注射針ロックアウトは、自動ロック機構494とは独立して操作可能である。注射アセンブリ442は、受容部478と、それと共に移動するために受容部478に結合された注射針418とを含む。
【0055】
図示された構成において、受容部478は、実質的に円筒形状であり、配置されて内部チャネル454の第1の部分458内で、受容部478が針本体438の注射端部446近傍に配置される注射位置(図9)と、受容部478が針本体438の注射端部446から離れて配置される引き出し位置(図4)との間で軸方向に移動するように寸法化される。治療の間、注射及び引き出し位置の間の受容部478の移動は、注射針418を1つまたは複数の電極142(図9)の少なくとも一部との配列へ及び配列から移動させる。より詳細には、注射針418は、受容部478が注射位置に配置されるときに針418の先端482が実質的に1つまたは複数の電極142(図9)の少なくとも一部と配列されるように寸法化される。そのように、受容部478が注射位置にあるときに、針418の先端482は、包囲部350の位置によって、露出されるか、または覆われるかのいずれかであって良い(上述)。しかしながら、受容部478が引き出し位置にあるとき、針418の先端482は、包囲部350の位置にかかわらず露出されなくて良い。
【0056】
注射アセンブリ442の注射針418は、両端で傾斜した皮下注射針を含む。組み立てられるとき、針の第1の端部486は、受容部478の内側に配置され、それに挿入される薬剤カートリッジ498に穿孔するように構成される。更に、針418は、注射先端482を画定するように受容部478から軸方向に延びる。受容部478が注射位置にあるとき、静止位置から起動位置への包囲部350の移動は、針418の注射先端482に包囲部350の注射開口部414を通過させ、接触プレート394が患者へと患者に対して押圧されるとき、従ってカートリッジ498内に含まれる薬剤が施され得る。
【0057】
注射アセンブリ442は、内部チャネル454の第1の部分458に配置されて受容部478と針本体438との間で延びるばね490を更に含む。使用の間、ばね490は注射位置から離して引き出し位置へと受容部478を付勢する。図示された構成において、ばね490は、薬剤が施された後に注射針418を患者から引き出すように十分に強くなければならない。
【0058】
注射アセンブリ442は、受容部478内において、受容部478に対してロックピン492が針本体438のロック開口部493から取り外されて受容部478が針本体438に対して移動し得る非ロック位置(図17)と、ロックピン492がロック開口部493内に配置されて受容部478が針本体438に対して固定されるロック位置(図18)との間で可動に形成されたロックピン492を更に含む。使用の間、ロックピン492は、ロック開口部493がピン492と配列されるときに、ピン492がロック位置へと(すなわち、ロック開口部493へと)付勢されるように、ロック位置へ付勢される。ロックピン492が受容部478に形成され、ロック開口部493が針本体438に形成されて示されるが、ロックピン492は、針本体438に形成されつつロック開口部493が受容部478に形成されて良いことが理解される。
【0059】
注射針418を患者から引き出すため、ユーザーは、ハンドセット18を把持し、圧力を方向Cに付与し、接触プレート394を超えてそれぞれの電極142及び注射針418を患者へと通させる。ユーザーがハンドセット18に圧力を付与するときに、針本体438のロック歯止め182によってばね490の付勢力に対して受容部478が注射位置に維持されることに留意されたい。
【0060】
ユーザーがトリガー214を起動した後、ハンドセット18は注射ロッド158を方向Dに移動させて薬剤カートリッジ498のプランジャー522と接触させることによって注射処理を開始する。注射ロッド158は、方向D(図2)に移動し続けてカートリッジ498内に含まれる薬剤を注射針418によって患者へと注射させる。
【0061】
注射処理における所定の点において、注射ロッド158の解放部材174は、針本体438のロック歯止め182と接触する。注射ロッド158が方向Dへ移動し続けるとき、解放部材174は、ロック歯止め182をロック位置から非ロック位置へと付勢し、それにより受容部478を解放する。
【0062】
解放された後、ばね490によって提供される付勢力により、受容部478は注射位置から引き出し位置へと付勢されて注射針418の先端482を電極142とは別に患者から取り外させる。特に、受容部478は、注射ロッド158と共に引き出し位置へ引き出し、それに接触してそれに対して付勢されたままである。一度受容部478が引き出し位置に近づくと、ロック開口部493はロックピン492と共に配列される。一度配列されると、ロックピン492はロック開口部493及びロック位置に付勢される。そのように、受容部478は、針本体438に対して引き出し位置に固定される。この構成において、受容部478は、注射ロッド158からの付勢圧力により注射位置に戻され得ない。
【0063】
注射針418を引き出し、ハンドセット18は、次いで目的の組織の細胞にエレクトロポレーションを生じさせるように電極142を介して目的の組織に対してエレクトロポレーション信号を付与して良い。より詳細には、動力源24は、信号発生器28に電気的動力を提供し、これは、次いでアレイ22の電極142との電気通信を生じさせる。
【0064】
アレイ22での使用のため図示されるが、上述したような針の引き出し及びロックアウトは、針及び電極のような鋭利部が利用される他の事例において実現され得ることが理解される。
【0065】
図4に示されるように、受容部478は、取り外され得ないように注射アセンブリ442内でカートリッジ498を固定するためのカートリッジロック500を更に含む。より詳細には、カートリッジロック500は、カートリッジ498が所定の配置に至るまで(すなわち、針418に接触)カートリッジ498が受容部478内へと軸方向に挿入されてそのときにロック500がカートリッジ498を係合してその取り出しを制限することを可能とする、戻り止めを含む。カートリッジロック500は、任意の1つのカートリッジ498が一度のみ用いられ、針418によって汚染されたカートリッジ498が不注意に針418から取り外される状況を回避し得ることを保証する。
【0066】
詳細な態様の前述の記載は、本発明が属する技術分野内の知識を適用することによって他者が実施可能な程度に本発明の全特性を完全に明記したため、そのような特定の態様の様々な用途のために過度の実験を要することなく、本開示の全体コンセプトからの逸脱なく容易に変更、及び/または適合する。従って本明細書中で与えられる教示及び指示に基づき、このような適合及び修正が、開示された態様の同等のものの意味及び範囲内であることを意図する。本明細書の表現または専門用語は、説明の目的のためのものであり、本明細書の専門用語または表現が教示及び案内の観点から当業者に解釈されるように、限定するものではないことが理解される。
【0067】
本開示の幅及び範囲は、いかなる上述の例示的態様にも限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等の範囲によってのみ定義されるべきである。
【0068】
本出願に引用された全ての公報、特許、特許出願、及び/または他の文献は、参照によってそれらの全体がそれぞれの個別の公報、特許、特許出願、及び/または他の文献が全ての目的のために参照によって組み込まれるように個別に示されたのと同程度に全ての目的のために組み込まれる。
【0069】
完全性のため、本発明の様々な態様は、以下の番号を付与された条項に説明される。
【0070】
条項1。
取付点を画定するハウジングと
前記ハウジング内に配置された信号発生器と
を含むハンドセットと、
取り外し可能に前記取付点に結合可能であり、前記針アレイが前記取付点に結合されるときに前記信号発生器と電気通信する針アレイと、
を備えるエレクトロポレーション装置であって、前記針アレイが、
本体と、
静止位置と1つまたは複数の作動位置との間で前記本体に対して可動な包囲部と、
前記本体に対して前記包囲部が不動なロック構成と前記本体に対して前記包囲部が可動な非ロック構成との間で調整可能な自動ロックと、を含み、前記静止位置から前記1つまたは複数の作動位置への、及び前記静止位置へ戻す前記包囲部の付勢が、前記自動ロックを前記非ロック構成から前記ロック構成に調整する、前記エレクトロポレーション装置。
【0071】
条項2。
前記本体がそれに結合された1つまたは複数の電極を含む、条項1に記載のエレクトロポレーション装置。
【0072】
条項3。
前記本体がそれに結合された1つまたは複数の皮下注射針を含む、条項1に記載のエレクトロポレーション装置。
【0073】
条項4。
前記包囲部が前記1つまたは複数の作動位置にあるときに前記1つまたは複数の電極の少なくとも一部が前記包囲部の外側に延びる、条項2に記載のエレクトロポレーション装置。
【0074】
条項5。
前記包囲部が前記静止位置にあるときに前記1つまたは複数の電極が前記包囲部内に配置される、条項4に記載のエレクトロポレーション装置。
【0075】
条項6。
注射位置と後退位置との間で前記本体に対して可動な受容部を更に備え、前記受容部がそれから延びる皮下注射針を有する、条項1に記載のエレクトロポレーション装置。
【0076】
条項7。
前記受容部が前記注射位置にあり、前記包囲部が前記1つまたは複数の作動位置にあるときに、前記皮下注射針の少なくとも一部が前記包囲部の外側に配置される、条項6に記載のエレクトロポレーション装置。
【0077】
条項8。
前記受容部が前記後退位置にあるときに、前記包囲部の前記位置に関係なく前記皮下注射針が前記包囲部内に配置される、条項6に記載のエレクトロポレーション装置。
【0078】
条項9。
前記ハンドセットが駆動アセンブリを含む、条項6に記載のエレクトロポレーション装置。
【0079】
条項10。
前記受容部は、薬剤カートリッジをそれに少なくとも部分的に受容するように寸法化された、条項6に記載のエレクトロポレーション装置。
【0080】
条項11。
取付点を画定するハウジング、
動力源、及び
前記動力源と電気通信する信号発生器を
含むハンドセットと、
解放可能に前記ハウジングの前記取付点に結合可能な針アレイと、
を備えるエレクトロポレーション装置であって、前記針アレイが、
本体と、
前記本体に結合された1つまたは複数の電極と、
静止位置と1つまたは複数の作動位置との間で前記本体に対して可動な包囲部であって前記包囲部が前記1つまたは複数の作動位置のそれぞれにあるときに前記1つまたは複数の電極の少なくとも一部が前記包囲部の外側に配置される前記包囲部と、
注射位置と後退位置との間で前記本体に対して可動な受容部であってそれから延びる皮下注射針を有する前記受容部と、
前記本体及び前記受容部の一方に結合され、前記本体に対して前記受容部が固定されたロック位置と前記本体に対して前記受容部が可動な非ロック位置との間でそれに対して可動なロックピンと、を含み、受容部が前記本体に対して所定の配置に配置されるときに前記ロックピンが前記ロック位置へ移動するように、前記ロックピンが前記ロック位置に付勢される、前記エレクトロポレーション装置。
【0081】
条項12。
前記ロックピンが前記本体及び前記受容部の一方に結合され、前記本体及び前記受容部の他方がロック開口部を画定する、条項11に記載のエレクトロポレーション装置。
【0082】
条項13。
前記ロックピンが前記ロック開口部と軸方向に配列されるときに前記ロックピンが前記非ロック位置から前記ロック位置へと移動する、条項12に記載のエレクトロポレーション装置。
【0083】
条項14。
前記本体に対して前記包囲部が不動なロック構成と前記本体に対して前記包囲部が可動な非ロック構成との間で調整可能な自動ロックを更に備え、前記静止位置から前記1つまたは複数の作動位置への、及び前記静止位置へ戻す前記包囲部の付勢が、前記自動ロックを前記非ロック構成から前記ロック構成に調整する、条項11に記載のエレクトロポレーション装置。
【0084】
条項15。
前記ハウジングの前記取付点に前記針アレイが結合されるときに前記針アレイが前記信号発生器と電気通信する、条項11に記載のエレクトロポレーション装置。
【0085】
条項16。
前記受容部は、薬剤カートリッジの少なくとも一部をそれに受容するように寸法化され、前記受容部に挿入されるときに前記薬剤カートリッジが前記皮下注射針と流体連通する、条項11に記載のエレクトロポレーション装置。
【0086】
条項17。
カートリッジロックを更に備え、前記カートリッジロックは、前記薬剤カートリッジが前記受容部に挿入されるのを可能とするが、前記薬剤カートリッジが前記受容部から取り外されるのを防ぐ、条項16に記載のエレクトロポレーション装置。
【0087】
条項18。
前記本体は、前記受容部を前記注射位置に選択的に保持するように構成されたロック歯止めを含む、条項11に記載のエレクトロポレーション装置。
【0088】
条項19。
前記ハンドセットが駆動アセンブリを含み、前記駆動アセンブリは、前記ロック歯止めを係合し、前記受容部が前記注射位置から前記後退位置へと移動するのを可能とするように構成された解放部材を含む、条項18に記載のエレクトロポレーション装置。
【0089】
条項20。
エレクトロポレーション治療を行うためのエレクトロポレーションシステムであって、
ベースステーションと、
取り外し可能に前記ベースステーションに結合可能なハンドセットであって、それに形成された取付部を有するハウジングと
前記ハウジング内に配置された動力源と
解放部材をそれに有する注射アセンブリと
を含む前記ハンドセットと、
解放可能に前記ハウジングの前記取付部に結合可能な針アレイと、を備え、前記針アレイが、
本体と、
前記本体に結合された1つまたは複数の電極と、
静止位置と1つまたは複数の作動位置との間で前記本体に対して可動な包囲部であって前記包囲部が前記1つまたは複数の作動位置にあるときに前記1つまたは複数の電極の少なくとも一部が露出される前記包囲部と、
前記本体に対して前記包囲部が不動なロック構成と前記本体に対して前記包囲部が可動な非ロック構成との間で調整可能な自動ロックと、を含み、前記静止位置から前記1つまたは複数の作動位置への、及び前記静止位置へ戻す前記包囲部の付勢が、前記非ロック構成から前記ロック構成に前記自動ロックを調整する、前記エレクトロポレーションシステム。
図1
図1a
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図16
図17
図18
図19
図20
【手続補正書】
【提出日】2023-11-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレクトロポレーション装置のための針アレイであって、
ロック面を備え、中心軸を画定する本体と、
静止位置と1つまたは複数の作動位置との間で前記本体に対して可動な包囲部と、
前記包囲部に結合され、かつ前記包囲部とともに可動である弾性体を含む自動ロックであって、前記自動ロックは、前記中心軸から半径方向外側に離間され、前記自動ロックは、前記本体に対して前記包囲部が不動であり、かつ、前記弾性体の近位端が偏向された、ロック構成と、前記本体に対して前記包囲部が可動な非ロック構成と、の間で調整可能であり、前記静止位置から前記1つまたは複数の作動位置への、及び前記静止位置へ戻す前記包囲部の付勢が、前記自動ロックを前記非ロック構成から前記ロック構成に調整し、前記自動ロックが非ロック構成からロック構成に調整されるとき、付勢力は、前記弾性体の近位端を、横方向に付勢し、前記弾性体は、前記ロック構成で前記ロック面に係合する、自動ロックと、を備える、
針アレイ。