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特開2023-168663送金システムを利用したチャージ・決済システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168663
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】送金システムを利用したチャージ・決済システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/28 20120101AFI20231121BHJP
【FI】
G06Q20/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079896
(22)【出願日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】597111590
【氏名又は名称】株式会社 横浜銀行
(71)【出願人】
【識別番号】506324024
【氏名又は名称】アララ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島山 幸晴
(72)【発明者】
【氏名】河原 孝尚
(72)【発明者】
【氏名】楠木 康弘
(72)【発明者】
【氏名】山田 恵
(72)【発明者】
【氏名】河原 隆史
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA14
5L055AA54
(57)【要約】      (修正有)
【課題】プリペイド型電子マネーなどにより決済をする送金システムを利用したチャージ・決済システムを提供する。
【解決手段】決済システムと、送金システムと、利用者側金融機関と、事業者側金融機関と、利用者端末と、店舗端末とを備えるプリペイド型電子マネーシステムであって、利用者端末は、決済システムに対してプリペイドへのチャージ申請に関するリクエストを送信し、決済システムは、利用者側金融機関から送金システムに送金を依頼し、送金システムは、利用者側金融機関に利用者口座から送金システムへの送金を指示し、利用者側金融機関は、利用者口座から送金システムへ出金し、事業者側金融機関は、出金額を送金システムを介して事業者口座に送金して決済システムにチャージ完了を通知する。決済システムは、利用者端末にチャージ完了を通知し、利用者端末が店舗端末で決済する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリペイド型電子マネーにより決済をするシステムであって、
決済システムと、送金システムと、利用者側金融機関と、事業者側金融機関と、利用者端末と、店舗端末とを備え、
前記システムは、
利用者端末が決済システムに対して指定額のチャージ申請に関するリクエストを送信するステップと、
決済システムが、利用者側金融機関から送金システムに指定額の送金を依頼するステップと、
送金システムが、利用者側金融機関に利用者口座から送金システムへ指定額の送金を指示するステップと、
利用者側金融機関が、利用者口座から送金システムへ指定額を出金するステップと、
事業者側金融機関が、送金システムを介して事業者口座に指定額を送金するステップと、
事業者側金融機関が、利用者端末に対して指定額のチャージ完了を通知するステップと、
決済システムが、利用者端末に指定額のチャージ完了を通知するステップと、
を含むシステム。
【請求項2】
前記決済システムは、前記利用者端末からチャージ申請を受信すると、前記利用者端末からの識別子に対応する前記利用者口座を抽出し、前記送金システムに送金を指示する信号を送信し、送金完了の信号を受信すると、前記事業者口座の入金額を確認して、チャージ完了通知を前記利用者端末に送信する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記送金システムは、前記決済システムからの送金指示信号を受信すると、前記送金指示信号に基づいて、前記利用者口座から、送金専用ネットワークを介して前記送金システムの仮受口座に送金するように、利用者口座の属する金融機関に指示し、
前記仮受口座への振り込みがあると、前記送金専用ネットワークを介して前記事業者口座に送金するとともに、前記決済システムにチェージ完了信号を送信する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記決済システムは、前記事業者口座への入金額に応じて、前記利用者端末の独自バリューを増加し、
前記店舗端末からの決済金額情報に基づいて、前記独自バリューを減少する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記利用者端末が前記店舗端末で決済するステップを更に含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
ポイントにより決済をする方法であって、
利用者端末が決済システムに対してチャージ申請に関するリクエストを送信するステップと、
決済システムが、利用者側金融機関から送金システムに送金を依頼するステップと、
送金システムが、利用者側金融機関に利用者口座から送金システムへの送金を指示するステップと、
利用者側金融機関が、利用者口座から送金システムへの出金をするステップと、
事業者側金融機関が、出金額を送金システムを介して事業者口座に送金するステップと、
事業者側金融機関が、利用者端末に対してチャージ完了を通知するステップと、
決済システムが、利用者端末にチャージ完了を通知するステップと、
利用者端末が店舗端末で決済するステップと、
を含む方法。
【請求項7】
ポイントにより決済をするプログラムであって、
利用者端末が決済システムに対してチャージ申請に関するリクエストを送信するステップと、
決済システムが、利用者側金融機関から送金システムに送金を依頼するステップと、
送金システムが、利用者側金融機関に利用者口座から送金システムへの送金を指示するステップと、
利用者側金融機関が、利用者口座から送金システムへの出金をするステップと、
事業者側金融機関が、出金額を送金システムを介して事業者口座に送金するステップと、
事業者側金融機関が、利用者端末に対してチャージ完了を通知するステップと、
決済システムが、利用者端末にチャージ完了を通知するステップと、
利用者端末が店舗端末で決済するステップと、
を含むプログラム。
【請求項8】
代替通貨により決済をするシステムであって、
決済システムと、送金システムと、利用者側金融機関と、事業者側金融機関と、利用者端末と、店舗端末とを備え、
前記システムは、
利用者端末が決済システムに対してチャージ申請に関するリクエストを送信するステップと、
決済システムが、利用者側金融機関から送金システムに送金を依頼するステップと、
送金システムが、利用者側金融機関に利用者口座から送金システムへの送金を指示するステップと、
利用者側金融機関が、利用者口座から送金システムへの出金をするステップと、
事業者側金融機関が、出金額を送金システムを介して事業者口座に送金するステップと、
事業者側金融機関が、利用者端末に対してチャージ完了を通知するステップと、
決済システムが、利用者端末にチャージ完了を通知するステップと、
を含むシステム。
【請求項9】
デビット型即時口座引き落としにより決済をするシステムであって、
決済システムと、送金システムと、利用者側金融機関と、事業者側金融機関と、利用者端末と、店舗端末とを備え、
前記システムは、
利用者端末が決済システムに対して口座引き落とし申請に関するリクエストを送信するステップと、
決済システムが、利用者側金融機関から送金システムに送金を依頼するステップと、
送金システムが、利用者側金融機関に利用者口座から送金システムへの送金を指示するステップと、
利用者側金融機関が、利用者口座から送金システムへの出金をするステップと、
事業者側金融機関が、出金額を送金システムを介して事業者口座に送金するステップと、
事業者側金融機関が、利用者端末に対してチャージ完了を通知するステップと、
決済システムが、利用者端末に口座引き落とし完了を通知するステップと、
を含むシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送金システムと店舗決済システムを組み合わせることで、プリペイド型電子マネーへのチャージから店頭決済までの利便性を向上するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
店頭で商品やサービスを購入する際には、現金払いやクレジットカードの他に電子マネーやポイントなどの代替通貨など様々な決済方法が存在するが、銀行振込(金融機関口座からの支払い)による決済も利用されている。
【0003】
金融機関口座からの支払いによる店頭決済の現状のフローの一例は、以下である。
(1)店頭で商品を購入し、振込支払を伝える。
(2)店員は振込先を購入者に伝える。
(3)購入者はスマートフォン等で振込手続きする。
(4)店員は端末機等で顧客の振込入金を確認し、決済完了となる。
【0004】
通信販売やネット販売では「金融機関口座からの支払い」が一般的に利用されているが、「金融機関口座からの支払い」を店頭決済で実施しようとした場合、いくつかの課題があり、普及しているとは言えない。
【0005】
例えば、振込での決済の場合は、金融機関のアプリケーションで行うことになるため、利用者が金融機関所定の振込手数料を負担する必要がある。
【0006】
また、リアルタイム口座振替などの口座振替系のサービスを利用する場合は、株式会社NTTデータが提供するクレジットカードなどを用いた収納代行のサービスであるCAFIS(Credit And Finance Information Switching system)、JCN(JAPAN CARD NETWORK)といった共同センターを介した取引になる。しかしながら、このような共同センターを利用することにより、システム全体が複雑になりやすい。また、共同センター利用料がコストに転化されるので、例えば、購入者に振込手数料が都度発生したりする。また、共同センターが利用できない時間帯(金融機関の振込時間外)は、利用者が支払い手続きをできない。
【0007】
さらに、共同センターとの接続はAPIに対応していないため、専用のアプリケーションまたは専用端末を新たに開発して、アプリケーション上に利用者の口座へ請求データを送金する機能を搭載する必要がある。そのため、専用アプリケーションの開発負荷が大きくなり、そのコストが金融機関、利用者、店舗などに転化される。
【0008】
ここで、プリペイド型電子マネーのシステムや銀行決済のシステムに関しては、特許文献1や特許文献2のような先行技術が存在する。
【0009】
特許文献1では、プリペイド型電子マネーの管理装置、管理方法、管理システムが開示されている。ただし、プリペイド型電子マネーのチャージから決済までの利便性まで向上させることまでは考慮されていない。
【0010】
特許文献2では、全国銀行資金決済ネットワークを経由して、第1の金融機関が保有する個人又は組織の第1ユーザに関する預金口座から、個人又は組織の第2ユーザのデジタルウォレットへ資金を移動させる送金方法が開示されている。ただし、プリペイド型電子マネーのチャージから決済の利便性を向上させることまでは検討されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2019-159484号公報
【特許文献2】特許第6908251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の一態様によると、金融機関からの送金を利用してプリペイド型電子マネーをチャージすることにより、決済の利便性を高めるシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によると、
プリペイド型電子マネーにより決済をするシステムであって、
決済システムと、送金システムと、利用者側金融機関と、事業者側金融機関と、利用者端末と、店舗端末とを備え、
前記システムは、
利用者端末が決済システムに対してチャージ申請に関するリクエストを送信するステップと、
決済システムが、利用者側金融機関から送金システムに送金を依頼するステップと、
送金システムが、利用者側金融機関に利用者口座から送金システムへの送金を指示するステップと、
利用者側金融機関が、利用者口座から送金システムへの出金をするステップと、
事業者側金融機関が、出金額を送金システムを介して事業者口座に送金するステップと、
事業者側金融機関が、利用者端末に対してチャージ完了を通知するステップと、
決済システムが、利用者端末にチャージ完了を通知するステップと、
利用者端末が店舗端末で決済するステップと、
を含むシステムが提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様によれば、振込(送金)ではすでにAPI対応した金融機関共通の基盤があるため、アプリケーションの開発負担が少なく、共同センター設備を経由しないため、決済あたりの単価を大幅におさえることができる。
【0015】
金融機関が構築しているAPIを活用した「送金システム」と、「決済システム」を組み合わせることで、金融機関の口座と店頭決済を連携し、システム全体の構成が複雑になることを避けることができ、運営費用が安価な決済インフラが構築できる。
【0016】
本発明の他の目的、特徴及び利点は添付図面に関する以下の本発明の実施例の記載から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施例によるプリペイド型電子マネーシステムの一例を示す。
図2】本発明の一実施例によるプリペイド型電子マネーシステムの情報処理の一例を示す。
図3】本発明の一実施例による決済システムのブロック図の一例を示す。
図4】本発明の一実施例による決済システムの情報処理の一例を示す。
図5】本発明の一実施例による決済システムの情報処理で使用するデータ構造の一例を示す。
図6】本発明の一実施例による送金システムのブロック図の一例を示す。
図7】本発明の一実施例による送金システムの情報処理の一例を示す。
図8】本発明の一実施例による送金システムの情報処理で使用するデータ構造の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の一実施例によるシステムの一例を示す。
【0019】
本実施例のプリペイド型電子マネーシステム1000は、利用者端末100、決済システム200、送金システム300、利用者側金融機関400、事業者側金融機関500、店舗端末600、ネットワーク700を含む。
【0020】
利用者端末100は、店舗端末を介して決済を行うための決済デバイスである。決済デバイスは、カード(利用者の識別情報が含まれた物理的な媒体)、モバイル(アプリケーションがインストールされたスマートフォンなど)、生体(指紋や顔などにより利用者を識別できる部位)等、特に限定されない。
【0021】
決済システム200は、プリペイド型電子マネーのチャージや決済などを情報する手段である。
【0022】
送金システム300は、利用者口座から事業者口座への送金を支援する手段である。
【0023】
利用者側金融機関400は、利用者端末を使用する利用者の金融口座を有する金融機関である。
【0024】
事業者側金融機関500は、店舗端末を使用する事業者の金融口座を有する金融機関である。
【0025】
店舗端末600は、店舗に設置されている決済を行う手段である。また、プリペイドカードのような決済手段および当該決済手段に紐づく利用者識別子の発行も行い、発行された利用者識別子を、決済システムに送信する。なお、店舗端末以外の端末などの別の手段が利用者識別子を発行してもよい。また、利用者識別子は、決済手段を識別できる識別子でもよい。
【0026】
ネットワーク700は、利用者端末100、決済システム200、送金システム300、利用者側金融機関400、事業者側金融機関500、店舗端末600を電磁的に接続する手段であり、有線や無線でもよく、専用線やインターネットでもよい。また、ネットワーク700には、複数のネットワークが混在してもよく、例えば、全国銀行資金決済ネットワークのような送金専用の(仮想)ネットワークと、汎用のインターネットとが含まれていてもよい。
【0027】
図2は、本発明の一実施例によるシステムの情報処理の一例を示す。
(1)利用者が利用者端末を介してプリペイドへのチャージ申請をする。
(2)決済システム経由で送金システムに送金を依頼する。
(3)送金システムは利用者側金融機関に送金を指示する。
(4)利用者側金融機関は利用者口座を確認する。
(5)利用者側金融機関は利用者の口座から出金する。
(6)利用者側金融機関は出金額を送金システムに送金する。
(7)送金システムは出金額を事業者側金融機関に送金する。
(8)事業者側金融機関は事業者口座に入金する。
(9)決済システムにチャージ完了を通知する。
(10)利用者にチャージ完了を通知する。
(11)利用者は店舗で決済する。
【0028】
図3は、本発明の一実施例による決済システム200のブロック図の一例を示す。
【0029】
本実施例の決済システム200は、利用者情報処理部210、事業者情報処理部220、プリペイド型電子マネー処理部230、利用者情報記憶手段240、事業者情報記憶手段250、プリペイド型電子マネー情報記憶手段260、制御手段270、インターフェイス手段280を備える。
【0030】
利用者情報処理部210は、利用者情報に関する情報処理を実行する。
【0031】
事業者情報処理部220は、事業者情報に関する情報処理を実行する。
【0032】
プリペイド型電子マネー処理部230は、利用者が保有するプリペイド型電子マネーの増減に関する情報処理を実行する。
【0033】
利用者情報記憶手段240は、利用者の識別子や利用者が利用する金融口座を記憶する。
【0034】
事業者情報記憶手段250は、事業者の識別子や事業者が利用する金融口座を記憶する。
【0035】
プリペイド型電子マネー情報記憶手段260は、利用者が保有するプリペイド型電子マネーを記憶する。
【0036】
制御手段270は、決済システムの各部および各記憶手段を制御する。制御手段は、プロセッサなどでもよい。
【0037】
インターフェイス手段280は、ネットワーク700を介して外部と信号やデータを送受信する。
【0038】
図4は、本発明の一実施例による決済システムの情報処理の一例を示す。
【0039】
S410において、決済システムは、利用者端末からチャージ申請信号を受信する。チャージ申請信号には、例えば、利用者端末に付与されている利用者識別子、チャージしたい金額、チャージしたいプリペイドの種類が含まれる。チャージ手数料が発生する場合、決済システムは、差引すべき手数料額、チャージすべき金額も計算する。
【0040】
S420において、利用者識別子に対応する利用者口座を抽出する。チャージしたい金額に対応する事業者口座を事業者情報記憶手段から抽出する。
【0041】
S430において、全国銀行資金決済ネットワークなどの送金専用ネットワークを介して送金システムに送金を指示する送金指示信号を送信する。送金指示信号には、例えば、利用者口座、事業者口座、送金の金額が含まれる。なお、送金専用ネットワークに接続可能な金融機関は、銀行だけでなく、信用金庫、信用組合、労働金庫、農業協同組合なども含まれる。
【0042】
S440において、送金完了の信号を受信すると、事業者口座の入金額を確認する。
【0043】
S450において、決済システムは、入金額が正しいことを確認した場合には、事業者口座への入金額に応じて、利用者識別子に対応するバリュー残高を増加する。
【0044】
S460において、チャージ完了通知を利用者端末に送信する。チャージ完了通知には、例えば、チャージされた金額である。なお、S450において、入金ができなかった場合には、バリュー残高の増加は行わずに、入金エラーなどの通知を利用者端末に送信する。
【0045】
S460の後は、店舗端末からの決済金額情報に基づいて、利用者識別子に基づく独自バリューを減少する情報処理が実行されてもよい。また、チャージをしなくても支払い相当額の残高を保有している場合は、S410-S460の処理を経ずに、店舗端末からの決済金額情報に基づいて、利用者識別子に基づくプリペイド残高を減少する情報処理が実行されてもよい。
【0046】
図5は、本発明の一実施例による決済システムの情報処理で使用するデータ構造の一例を示す。
【0047】
図5(A)は、利用者情報に関するデータ構造の一例である。
【0048】
本実施例のデータ構造は、利用者識別子510、利用者口座520、プリペイド残高530、更新日540から構成される。
【0049】
利用者識別子510は、利用者端末(または利用者端末上で使用するアプリケーション)に付与された固有の識別子である。
【0050】
利用者口座520は、利用者がバリューをチャージするときに、入金をするために指定した金融口座である。
【0051】
現在バリュー残高530は、利用者が現在保有するバリュー残高を示す。
【0052】
更新日540は、現在保有するバリュー残高の更新日を示す。例えば、チャージによりバリュー残高が増加した時や、店舗決済によりバリュー残高が減少した時に、その日付を更新する。
【0053】
図5(B)は、図5(A)の変形例であり、利用者が有するバリュー利用履歴に関するデータ構造の一例である。
【0054】
利用者識別子510は、利用者端末(または利用者端末上で使用するアプリケーション)に付与された固有の識別子である。
【0055】
現在バリュー残高530は、店舗決済によりバリュー残高が減少したときに、減少後のバリュー残高を示す。
【0056】
利用日(更新日)540は、店舗決済によりバリュー残高が減少した時に更新する。
【0057】
利用者バリュー残高550は、利用者が利用者識別子に基づいて決済時に減少するバリュー残高を示す。
【0058】
利用店舗識別子560は、利用者が利用者識別子に基づいて決済を行なった店舗端末の識別子を示す。
【0059】
図6は、本発明の一実施例による送金システム300のブロック図の一例を示す。
【0060】
本実施例の送金システム300は、入金処理部310、入金判定処理部320、入金記憶手段330、制御手段340、インターフェイス手段350を備える。
【0061】
入金処理部310は、利用者側金融機関からの送金を一時的に受け取る金融口座(本実施例では、仮受口座と称する)に関する処理を実行する。なお、借受口座(図示せず)は、任意の金融機関に開設されている金融口座であり、例えば、送金システムを管理する事業者名義の金融口座でもよい。また、借受口座から、事業者側金融機関の金融口座に送金する処理も実行する。
【0062】
入金判定処理部320は、利用者口座からの入金が完了したか、入金できなかった(エラー)を判定する。また、判定結果を送金システムに送信する処理を実行する。
【0063】
入金記憶手段330は、利用者口座、事業者口座、入金額の情報を記憶する。
【0064】
制御手段340は、決済システムの各部および各記憶手段を制御する。制御手段は、プロセッサなどでもよい。
【0065】
インターフェイス手段350は、ネットワーク700を介して外部と信号やデータを送受信する。
【0066】
図7は、本発明の一実施例による送金システムの情報処理の一例を示す。
【0067】
S710において、前記送金システムは、前記決済システムからの送金指示信号を受信する。
【0068】
S720において、前記送金指示信号に基づいて、利用者口座から、全国銀行資金決済ネットワークなどの送金専用ネットワークを介して前記送金システムが管理する仮受口座に送金するように、利用者口座の属する利用者側金融機関に指示する。
【0069】
S730において、前記仮受口座への振り込みがあると、前記事業者口座に送金する。
【0070】
S740において、前記決済システムにチェージ完了信号を送信する。利用者口座の残高が、利用者が希望する残高に相当する金額に満たず、利用者口座から出金できなかった場合は、エラー(残高不足)を送信する。
【0071】
図8は、本発明の一実施例による送金システムの情報処理で使用するデータ構造の一例を示す。
【0072】
本実施例のデータ構造は、利用者口座810、事業者口座820、入金額830、入金結果840からなる。
【0073】
利用者口座810は、利用者が保有する金融口座であり、プリペイド型電子マネーをチャージするときに、プリペイド型電子マネーに相当する金額を出金するための金融口座である。
【0074】
事業者口座820は、事業者が保有する金融口座であり、プリペイド型電子マネーに相当する金額を入金するための金融口座である。
【0075】
入金額830は、決済システムから指定された入金額を示す。
【0076】
入金結果840は、利用者口座から借受口座への入金ができたか否かを示す。
【0077】
追加的な実施例として、チャージや決済のときに、チャージ額または決済額に基づいて更にチャージ額を追加してもよい。
【0078】
本実施例の変形例として、本実施例の決済システムと送金システムが一体として構成されてもよく、また、本発明をコンピュータで利用可能なプログラムにより実現してもよい。
【0079】
本実施例では、前払い(利用者端末からの申請による都度チャージ)を例示したが、別の実施例として、後払いや即時払いにも対応可能である。
【0080】
後払いの場合は、例えば、決済システムが、所定期間における利用者の利用履歴(図5のBを参照)の合計額を計算して、所定日に、利用者口座から事業者口座へ送金するように送金システムに指示する情報処理を実行すればよい。
【0081】
即時払いの場合は、例えば、決済システムが、決済端末で決済された金額を、利用者端末および/店舗端末から取得して、利用者口座から事業者口座へ送金するように送金システムに指示する情報処理を実行すればよい。
【0082】
本実施例では、利用者端末からの申請による都度チャージを例示したが、別の実施例として、オートチャージも対応可能である。その場合には、利用者の独自バリューが所定の値を下回ったときに、利用者が利用者端末上で予め設定した金額を、決済システムが、利用者口座から事業者口座へ送金するように送金システムに指示する情報処理を実行すればよい。また、利用者が利用者端末上で予め設定した日付(例えば、毎月15日)に、利用者が予め設定した金額を、決済システムが、利用者口座から事業者口座へ送金するように送金システムに指示する情報処理を実行すればよい。
【0083】
本実施例では、プリペイド型電子マネーを用いてチャージから決済までの手法を示したが、本実施例では、プリペイド型電子マネー以外の代替通貨でも適用可能であり、例えば、地域通貨や、企業独自のハウス電子マネーでもよく、クレジットカードのポイントや現金ポイントでもよい。また、代替通貨と法定通貨とを併用して決済できるように構成されてもよい。その場合は、代替通貨のみを本実施例により決済してもよい。
【0084】
本実施例で説明する各処理部や各記憶手段は、説明の便宜上、個別の存在するものとして記載したが、各処理部は、制御手段が代替してもよく、また、各記憶手段は、ひとつまたは複数の一次または二次記憶装置が代替してもよい。
【0085】
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0086】
プリペイド電子マネーシステム1000、利用者端末100、決済システム200、送金システム300、利用者側金融機関400、事業者側金融機関500、店舗端末600、ネットワーク700
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8