(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168675
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】運転評価システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20231121BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G07C5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079922
(22)【出願日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲浜▼田 純
【テーマコード(参考)】
3E138
5H181
【Fターム(参考)】
3E138AA07
3E138MA06
3E138MB02
3E138MB03
3E138MB10
3E138MB11
3E138MB12
3E138MD05
5H181AA15
5H181BB04
5H181BB12
5H181CC27
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF27
5H181MB02
(57)【要約】
【課題】運転評価を適正に行うことができる運転評価システムを提供する。
【解決手段】運転評価システム1は、取得部34と、評価部35とを備える。取得部34は、速度を制限したレーンを走行してゲートを通過した車両Vから自動的に料金を収受する自動料金収受所のレーンを車両Vが走行する際に減速した減速度を取得する。評価部35は、取得部34により取得した減速度に基づいて運転者を評価する。運転評価システム1は、例えば、車両VがレーンLに進入する進入速度と、車両VがゲートGを通過する通過速度とに基づいて減速度を演算する演算部33をさらに備える。評価部35は、演算部33により演算された減速度に加えてさらに、進入速度と通過速度とに基づいて運転者を評価する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
速度を制限したレーンを走行してゲートを通過した車両から自動的に料金を収受する自動料金収受所の前記レーンを前記車両が走行する際に減速した減速度を取得する取得部と、
前記取得部により取得した前記減速度に基づいて前記車両の運転者を評価する評価部と、を備えることを特徴とする運転評価システム。
【請求項2】
前記車両が前記レーンに進入する進入速度と、前記車両が前記ゲートを通過する通過速度とに基づいて前記減速度を演算する演算部をさらに備え、
前記評価部は、前記演算部により演算された前記減速度に加えてさらに、前記進入速度と前記通過速度とに基づいて前記運転者を評価する請求項1に記載の運転評価システム。
【請求項3】
前記評価部は、前記進入速度に基づいて前記運転者を評価した第1評価値、及び、前記通過速度に基づいて前記運転者を評価した第2評価値を演算し、前記第1評価値及び前記第2評価値の少なくとも一方を、前記減速度に基づいて補正する請求項2に記載の運転評価システム。
【請求項4】
前記評価部は、前記減速度が相対的に小さい場合、前記運転者を相対的に高く評価し、前記減速度が相対的に大きい場合、前記運転者を相対的に低く評価する請求項1~3のいずれか1項に記載の運転評価システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転評価システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転評価システムとして、例えば、特許文献1には、有料道路の利用時にETC路側機に無線で通信されるETC車載器と、自車両が運行した運行情報を記録するデジタル式運行記録計とを備える運行管理システムが記載されている。この運行管理システムは、デジタル式運行記録計が、ETC車載器から有料道路を利用したときの入口情報、出口情報、及び料金情報を表す有料道路運行情報を収集し、収集した有料道路運行情報の個々に収集時刻を対応させて記録することにより、有料道路の利用情報をデータベースに蓄積して管理する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の特許文献1に記載の運行管理システムは、例えば、運転者が有料道路でETCゲートを利用する場合、ETCレーンでは制限速度まで減速する必要があるが、運転者の中には制限速度を超えてETCレーンを走行する運転者が存在し、このような運転者にフィードバックするためにETCゲートを通過した際の運転評価を行うことが望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、運転評価を適正に行うことができる運転評価システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る運転評価システムは、速度を制限したレーンを走行してゲートを通過した車両から自動的に料金を収受する自動料金収受所の前記レーンを前記車両が走行する際に減速した減速度を取得する取得部と、前記取得部により取得した前記減速度に基づいて前記車両の運転者を評価する評価部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る運転評価システムは、レーンで減速した運転者に対して評価を相対的に高くすることができ、一方で、レーンで減速しなかった運転者に対して評価を相対的に低くすることができる。この結果、運転評価システムは、自動料金収受所を利用する運転者の運転評価を適正に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る運転評価システムの構成例を示す概略図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る運転評価システムの構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る運転評価システムの評価の具体例を示す概略図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る運転評価システムの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。更に、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0010】
〔実施形態〕
図面を参照しながら実施形態に係る運転評価システム1について説明する。運転評価システム1は、有料道路に設けられた自動料金収受所Pを利用する運転者の運転評価を行うものである。ここで、評価対象の運転者は、例えば、運送会社等に所属している運転者を想定している。自動料金収受所Pは、有料道路を走行する車両Vから自動的に料金を収受する場所であり、
図1に示すように、レーンLと、ゲートGとが設けられている。レーンLは、速度を20km/h以下に制限した車線であり、例えば、30m~40m程度の長さである。ゲートGは、レーンLの出口側に設けられ、レーンLをまたいで設置された門である。ゲートGには、ETC(Electronic Toll Collection)路側機Qが設けられている。ETC路側機Qは、車両Vに搭載された後述のETC車載器10との間で、有料道路を利用する運転者に対して料金決済する際に必要なETC情報(車両Vの情報、ETCカードの番号情報、入口料金所情報、出口料金所情報、通行料金情報等)を送受信する。運転評価システム1は、自動料金収受所Pを利用した運転者に対して運転評価をフィードバックすることで、運転者に安全運転を促すようにするものである。以下、運転評価システム1について詳細に説明する。
【0011】
運転評価システム1は、
図1、
図2に示すように、ETC車載器10と、運行記録装置20と、評価装置30とを備える。
【0012】
ETC車載器10は、車両Vに搭載され、ETC路側機Qとの間でETC情報(車両Vの情報、ETCカードの番号情報、入口料金所情報、出口料金所情報、通行料金情報等)を送受信するものである。ETC車載器10は、CPU、メモリを構成するROM、RAM及びインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路を含んで構成される。ETC車載器10は、例えば、記憶部11と、無線通信部12と、料金所情報取得部13とを備える。記憶部11、無線通信部12、及び、料金所情報取得部13は、相互に通信可能に接続されている。
【0013】
記憶部11は、メモリ等の記憶装置である。記憶部11は、ETC車載器10での各種処理に必要な条件や情報、ETC車載器10で実行する各種プログラムやアプリケーション、制御データ等が記憶されている。そして、記憶部11は、上述のETC情報が記憶される。
【0014】
無線通信部12は、ETC路側機Qと無線通信するものである。無線通信部12は、車両Vが有料道路の入口に設けられた自動料金収受所Pを走行する場合、入口の自動料金収受所Pに設けられたETC路側機Qから入口料金所情報等を受信する。また、無線通信部12は、車両Vが有料道路の出口に設けられた自動料金収受所Pを走行する場合、出口の自動料金収受所Pに設けられたETC路側機Qに、車両Vの情報、ETCカードの番号情報、入口料金所情報等を送信する。この場合、無線通信部12は、当該ETC路側機Qから出口料金所情報、通行料金情報を受信する。
【0015】
料金所情報取得部13は、料金所情報を取得するものである。料金所情報取得部13は、無線通信部12から入口料金所情報及び出口料金所情報を取得する。入口料金所情報には、入口の自動料金収受所Pを識別するための情報や、入口の自動料金収受所PのゲートGを通過した日時を表す情報が含まれる。ここで、入口の自動料金収受所PのゲートGを通過した日時は、例えば、入口の自動料金収受所Pに設けられたETC路側機Qから入口料金所情報を受信した日時である。出口料金所情報には、出口の自動料金収受所Pを識別するための情報や、出口の自動料金収受所PのゲートGを通過した日時を表す情報が含まれる。ここで、出口の自動料金収受所PのゲートGを通過した日時は、例えば、出口の自動料金収受所Pに設けられたETC路側機Qから出口料金所情報を受信した日時である。料金所情報取得部13は、取得した入口料金所情報及び出口料金所情報を記憶部11に記録する。
【0016】
次に、運行記録装置20について説明する。運行記録装置20は、いわゆるドライブレコーダーとデジタルタコグラフとを組みわせた装置である。運行記録装置20は、CPU、メモリを構成するROM、RAM及びインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路を含んで構成される。運行記録装置20は、ETC車載器10と通信可能に構成されている。運行記録装置20は、記憶部21と、加速度センサ22と、GPS(Global Positioning System)23と、SDカード24と、運行記録部25とを備える。記憶部21、加速度センサ22、GPS23、SDカード24、及び、運行記録部25は、相互に通信可能に接続されている。
【0017】
記憶部21は、メモリ等の記憶装置である。記憶部21は、運行記録装置20での各種処理に必要な条件や情報、運行記録装置20で実行する各種プログラムやアプリケーション、制御データ等が記憶されている。そして、記憶部21は、車両Vの加速度情報、車両Vの走行位置情報、車両Vの走行距離情報、車両Vの走行時間情報、車両Vの速度情報等が記憶される。
【0018】
加速度センサ22は、車両Vの加速度(減速度)を検出するものである。加速度センサ22は、例えば、バネと重りが一体化した物に加速度が加わった際の位置変化を測定するものである。位置変化の測定には、例えば、周波数の変化、静電容量の変化、ピエゾ効果による電気抵抗の変化等を測定するものがある。加速度センサ22は、検出した車両Vの加速度を表す加速度情報を記憶部21に記憶する。
【0019】
GPS23は、地球を回る衛星から発信される電波を利用して位置(緯度、経度、標高)を特定するものである。GPS23は、特定した車両Vの位置を表す位置情報を記憶部21に記憶する。
【0020】
SDカード24は、情報を記憶する不揮発性メモリカードである。SDカード24は、記憶部11及び記憶部21に記憶された情報を評価装置30に移行させる際に使用される。この場合、SDカード24は、例えば、記憶部11に記憶されたETC情報(車両Vの情報、入口料金所情報、出口料金所情報、通行料金情報等)、記憶部21に記憶された車両Vの加速度情報、車両Vの走行位置情報、車両Vの走行距離情報、車両Vの走行時間情報、車両Vの速度情報等が記憶される。
【0021】
運行記録部25は、車両Vにおける走行距離、走行時間、速度等を記録するものである。運行記録部25は、車両Vの走行距離を表す走行距離情報、車両Vの走行時間を表す走行時間情報、車両Vの速度を表す速度情報を記憶部21に記憶する。
【0022】
次に、評価装置30について説明する。評価装置30は、自動料金収受所Pを利用する運転者の運転評価を行うものである。評価装置30は、CPU、メモリを構成するROM、RAM及びインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路を含んで構成される。評価装置30は、記憶部31と、I/F部32と、演算部33と、取得部34と、評価部35とを備える。記憶部31、I/F部32、演算部33、取得部34、及び、評価部35は、相互に通信可能に接続されている。
【0023】
記憶部31は、メモリ等の記憶装置である。記憶部31は、評価装置30での各種処理に必要な条件や情報、評価装置30で実行する各種プログラムやアプリケーション、制御データ等が記憶されている。そして、記憶部31は、評価結果を表す評価結果情報が記憶される。
【0024】
I/F部32は、外部機器と接続されるインターフェースである。I/F部32は、用途に応じた様々なコネクタの形状や信号の形式に対応しており、例えば、SDカード24に記憶された情報を読み取り可能である。I/F部32は、例えば、SDカード24に記憶されたETC情報(車両Vの情報、入口料金所情報、出口料金所情報、通行料金情報等)、車両Vの加速度情報、車両Vの走行位置情報、車両Vの走行距離情報、車両Vの走行時間情報、車両Vの速度情報等を読み取り可能である。
【0025】
演算部33は、車両Vの減速度を演算するものである。演算部33は、例えば、車両VがレーンLに進入する進入速度と、車両VがゲートGを通過する通過速度とに基づいて減速度を演算する。演算部33は、例えば、SDカード24に記憶された入口料金所情報、出口料金所情報、車両Vの速度情報から、車両VがゲートGを通過する通過速度を取得する。入口料金所情報には、入口の自動料金収受所Pを識別するための情報や、入口の自動料金収受所PのゲートGを通過した日時を表す情報が含まれる。出口料金所情報には、出口の自動料金収受所Pを識別するための情報や、出口の自動料金収受所PのゲートGを通過した日時を表す情報が含まれる。演算部33は、ゲートGを通過した日時と、その時の車両Vの速度情報とに基づいて、車両VがゲートGを通過した通過地点D2の通過速度を取得する。また、演算部33は、ゲートGの通過地点D2を通過した時刻を一定時間さかのぼった時刻における車両Vの速度を、車両VがレーンLに進入した進入地点D1の進入速度として取得する。具体的には、演算部33は、車両Vの速度と走行時間とに基づいて、レーンLの進入地点D1を求め、この進入地点D1における車両Vの速度を進入速度として取得する。そして、演算部33は、車両VがレーンLに進入する進入速度と、車両VがゲートGを通過する通過速度と、車両VがレーンLに進入してからゲートGを通過するまでの通過時間とに基づいて減速度を演算する。具体的には、演算部33は、進入速度から通過速度を減算した値を通過時間で除算することで減速度を演算する。
【0026】
取得部34は、演算部33により演算された減速度、車両VがレーンLに進入する進入速度、及び、車両VがゲートGを通過する通過速度を取得するものである。取得部34は、取得した進入速度、通過速度、及び、減速度を評価部35に出力する。
【0027】
評価部35は、運転者の運転を評価するものである。評価部35は、例えば、進入速度、通過速度、及び、減速度に基づいて運転者の運転を評価する。具体的には、評価部35は、進入速度に基づいて運転者を評価した第1評価値、及び、通過速度に基づいて運転者を評価した第2評価値を演算する。評価部35は、例えば、進入速度が40km以下の場合には0点とし、41~45km/hの場合には-10点とし、46~50km/hの場合には-20点とし、51~55km/hの場合には-30点とし、60km以上の場合には-40点とする。このように、評価部35は、進入速度に基づいて運転者を評価した第1評価値(0点~-40点)を演算する。また、評価部35は、通過速度が20km以下の場合には0点とし、21~23km/hの場合には-10点とし、24~26km/hの場合には-20点とし、27~29km/hの場合には-30点とし、30km以上の場合には-40点とする。このように、評価部35は、通過速度に基づいて運転者を評価した第2評価値(0点~-40点)を演算する。そして、評価部35は、減速度に基づいて、第1評価値を補正する。この場合、評価部35は、例えば、第1評価値に対して、「c/13×α」を積算する。ここで、「c」は、減速度を表し、「α」は、調整用パラメータを表し、「13」は、予め定められたデフォルト値であり急な減速度を表す値である。調整用パラメータ「α」は、例えば、「0.5、0.75、1、1.25、1.5」の5つの設定値を用意しておき、「1」がデフォルトであり、減速度による補正を強くしたい場合には「1.25」、「1.5」を設定し、減速度による補正を弱くしたい場合には「0.5」、「0.75」を設定する。
【0028】
評価部35は、例えば、第1評価値が「-20点」であり、減速度「c」が「5」であり、調整用パラメータ「α」が「1」である場合、速度に基づいて補正された補正後の第1評価値は、「-8点」となる。また、評価部35は、例えば、第1評価値が上記と同じ「-20点」であり、減速度「c」が上記よりも大きい「13」であり、調整用パラメータ「α」が「1」である場合、速度に基づいて補正された補正後の第1評価値は、「-20点」となり、上記「-8点」よりも減点が大きくなり、評価が低くなる。このように、評価部35は、減速度が相対的に小さい場合、運転者を相対的に高く評価し、減速度が相対的に大きい場合、運転者を相対的に低く評価する。これは、評価部35は、レーンLにおいて急減速することが望ましくないためである。
【0029】
評価部35は、例えば、
図3に示すように、進入速度に基づいて運転者を評価した第1評価値(-20点)を減速度「c=5」で補正した補正後の第1評価値(-8点)と、通過速度に基づいて運転者を評価した第2評価値(-30点)とに基づいて、運転者の運転評価を「62点(100点満点)」とする。
【0030】
次に、運転評価システム1の動作例について説明する。運転評価システム1において、
図4に示すように、演算部33は、車両Vの減速度を演算する(ステップS1)。演算部33は、例えば、車両VがレーンLに進入する進入速度と、車両VがゲートGを通過する通過速度とに基づいて減速度を演算する。次に、取得部34は、演算部33により演算された減速度を取得する(ステップS2)。この例では、取得部34は、減速度に加えてさらに、車両VがレーンLに進入する進入速度、及び、車両VがゲートGを通過する通過速度も取得する。次に、評価部35は、進入速度、通過速度、及び、減速度に基づいて運転者の運転を評価する(ステップS3)。評価部35は、例えば、進入速度に基づいて運転者を評価した第1評価値、及び、通過速度に基づいて運転者を評価した第2評価値を演算する。そして、評価部35は、減速度に基づいて、第1評価値を補正し、補正後の第1評価値、及び、第2評価値に基づいて運転者の運転を評価する。
【0031】
以上のように、実施形態に係る運転評価システム1は、取得部34と、評価部35とを備える。取得部34は、速度を制限したレーンLを走行してゲートGを通過した車両Vから自動的に料金を収受する自動料金収受所PのレーンLを車両Vが走行する際に減速した減速度を取得する。評価部35は、取得部34により取得した減速度に基づいて車両Vの運転者を評価する。この構成により、運転評価システム1は、レーンLで減速した運転者に対して運転の評価を相対的に高くすることができ、一方で、レーンLで減速しなかった運転者に対して運転の評価を相対的に低くすることができる。この結果、運転評価システム1は、自動料金収受所Pを利用する運転者の運転評価を適正に行うことができる。そして、運転評価システム1は、運転の評価を運転者にフィードバックすることにより、運転者の安全意識の向上を図ることができる。また、運転評価システム1は、運転者毎の減速度から運転者毎のレーンLにおける減速に対する意識を把握して評価の対象とすることができる。
【0032】
運転評価システム1は、車両VがレーンLに進入する進入速度と、車両VがゲートGを通過する通過速度とに基づいて減速度を演算する演算部33をさらに備える。評価部35は、演算部33により演算された減速度に加えてさらに、進入速度と通過速度とに基づいて運転者を評価する。この構成により、運転評価システム1は、進入速度が相対的に遅い運転者に対して運転の評価を相対的に高くすることができ、一方で、進入速度が相対的に速い運転者に対して運転の評価を相対的に低くすることができる。また、運転評価システム1は、通過速度が相対的に遅い運転者に対して運転の評価を相対的に高くすることができ、一方で、通過速度が相対的に速い運転者に対して運転の評価を相対的に低くすることができる。
【0033】
運転評価システム1において、評価部35は、進入速度に基づいて運転者を評価した第1評価値、及び、通過速度に基づいて運転者を評価した第2評価値を演算し、第1評価値を減速度に基づいて補正する。この構成により、運転評価システム1は、進入速度が相対的に速い場合でもレーンLで減速を適正に行った運転者に対しては、評価を相対的に高くすることができる。
【0034】
運転評価システム1において、評価部35は、減速度が相対的に小さい場合、運転者を相対的に高く評価し、減速度が相対的に大きい場合、運転者を相対的に低く評価する。この構成により、運転評価システム1は、レーンLで急減速をした運転者の運転評価を低くすることができ、安全運転を促進することができる。
【0035】
なお、上記説明では、評価部35は、第1評価値を減速度に基づいて補正する例について説明したが、これに限定されず、例えば、第1評価値の代わりに第2評価値を減速度に基づいて補正してもよいし、また、第1評価値及び第2評価値の両方を減速度に基づいて補正してもよい。また、評価部35は、減速度を第1評価値、第2評価値を補正する補正係数として用いずに、減速度をその他の方法で用いて評価するようにしてもよい。
【0036】
運転評価システム1において、演算部33は、車両VがレーンLに進入する進入速度と、車両VがゲートGを通過する通過速度とに基づいて減速度を演算する例について説明したが、これに限定されない。例えば、運転評価システム1において、取得部34は、加速度センサ22により検出された減速度を取得してもよい。この場合、取得部34は、車両VがレーンLを走行した際の減速度を加速度センサ22から取得する。
【0037】
評価部35は、減速度が相対的に小さい場合、運転者を相対的に高く評価し、減速度が相対的に大きい場合、運転者を相対的に低く評価する例について説明したが、これに限定されない。
【0038】
運転評価システム1は、車両VがゲートGを通過した際に、通過速度に応じて報知するようにしてもよい。運転評価システム1は、例えば、通過速度が20km/h以下の場合には安全である旨を報知し、通過速度が21~25km/hの場合には注意喚起し、26km/h以上である場合には警告する。
【0039】
演算部33は、GPS23の位置情報から進入地点D1及び通過地点D2を取得し、取得した進入地点D1における進入速度、通過地点D2における通過速度を取得するようにしてもよい。
【0040】
運転評価システム1は、自動料金収受所Pを走行する場合に加えて、さらに他の走行区間の運転評価と組み合わせて評価してもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 運転評価システム
33 演算部
34 取得部
35 評価部
G ゲート
L レーン
P 自動料金収受所
V 車両