(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168697
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20231121BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
G08G1/16 D
G08G1/09 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079955
(22)【出願日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(72)【発明者】
【氏名】柴田 晃司
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA16
5H181BB04
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF27
5H181LL01
5H181LL04
5H181LL06
5H181LL14
(57)【要約】
【課題】定められた場所への停車を繰り返す車両の影響で起こり得るリスクを適切に回避すること。
【解決手段】本発明に係る情報処理装置は、特定の車両が停車する予定時刻が定められた停車場所のうち、自車両がこの先の所定期間内に通過すると予測される停車場所である予測停車場所における特定の車両の停車状況を推定する推定部と、自車両が予測停車場所を通過する際に特定の車両が停車されていると推定された場合には、予測停車場所を通過する際にリスクがある旨の通知の出力を自車両の走行状況に応じて制御する出力制御部とを有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の車両が停車する予定時刻が定められた停車場所のうち、自車両がこの先の所定期間内に通過すると予測される停車場所である予測停車場所における前記特定の車両の停車状況を推定する推定部と、
前記自車両が前記予測停車場所を通過する際に前記特定の車両が停車されていると推定された場合には、前記予測停車場所を通過する際にリスクがある旨の通知の出力を前記自車両の走行状況に応じて制御する出力制御部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記推定部は、自車両の現在位置での時刻である現在時刻と、前記予定時刻とに基づいて、自車両が前記予測停車場所を通過する際に前記予測停車場所に前記特定の車両が停車されているか否かを推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記出力制御部は、前記走行状況が所定の条件を満たすか否かに応じて、前記通知を制御する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記出力制御部は、前記予測停車場所が設置されている側の車線である設置車線と、自車両が走行している走行車線との関係性が所定の条件を満たすか否かに応じて、前記通知を制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記出力制御部は、前記設置車線、および、前記設置車線に対する対向車線の双方が片側一車線であり、自車両が当該対向車線を走行している場合には、前記通知が出力されるよう制御する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記出力制御部は、前記設置車線が片側一車線であり、前記設置車線に対する対向車線が片側二車線以上である場合には、当該対向車線のうちいずれの車線を自車両が走行しているかに応じて、前記通知の出力を制御する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記出力制御部は、片側二車線以上の前記対向車線のうち、前記設置車線に隣接する車線を自車両が走行している場合には、前記通知が出力されるよう制御する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記出力制御部は、片側二車線以上の前記対向車線のうち、前記設置車線に隣接しない車線を自車両が走行している場合には、前記通知が出力されないよう制御する
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記出力制御部は、前記設置車線が片側二車線以上であり、前記設置車線に対する対向車線を自車両が走行している場合には、当該対向車線のいずれの車線を自車両が走行しているかに拘わらず、前記通知が出力されないよう制御する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記出力制御部は、前記予測停車場所を含む所定範囲内に自車両が侵入するまでに自車両が進路を変更すると推定された場合には、前記通知が出力されないよう制御する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記出力制御部は、前記予測停車場所の方向に対する自車両の運転者の視野が所定範囲によりも狭められていると判定された場合には、前記走行状況が所定の条件を満たすか否かに応じて、前記通知を制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記出力制御部は、自車両が走行している道路が一車線である場合、または、一車線の当該道路の車線幅が所定値以下である場合には、前記通知が出力されるよう制御する
ことを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記出力制御部は、前記通知を出力させる場合には、自車両に関する所定の情報に応じて、出力タイミングをさらに制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記出力制御部は、前記所定の情報として、前記走行状況に応じて、前記出力タイミングを制御する
ことを特徴とする請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記出力制御部は、前記所定の情報として、自車両の周辺環境に応じて、前記出力タイミングを制御する
ことを特徴とする請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記出力制御部は、前記所定の情報として、自車両が属する車両区分、または、自車両のサイズ応じて、前記出力タイミングを制御する
ことを特徴とする請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項17】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
特定の車両が停車する予定時刻が定められた停車場所のうち、自車両がこの先の所定期間内に通過すると予測される停車場所である予測停車場所における前記特定の車両の停車状況を推定する推定工程と、
前記自車両が前記予測停車場所を通過する際に前記特定の車両が停車されていると推定された場合には、前記予測停車場所を通過する際にリスクがある旨の通知の出力を前記自車両の走行状況に応じて制御する出力制御工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項18】
特定の車両が停車する予定時刻が定められた停車場所のうち、自車両がこの先の所定期間内に通過すると予測される停車場所である予測停車場所における前記特定の車両の停車状況を推定する推定手順と、
前記自車両が前記予測停車場所を通過する際に前記特定の車両が停車されていると推定された場合には、前記予測停車場所を通過する際にリスクがある旨の通知の出力を前記自車両の走行状況に応じて制御する出力制御手順と
を情報処理装置に実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自車両の前方車両が停車したことを検知すると、対向車線を走行する対向車両の接近の有無に応じて、停車している前方車両の追い越しに関する通知を行う技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、路線バス等の特定の地域を運行する車両は、定められた場所への停車を繰り返すため、後続車両の運転者は前方の運行車両を追い越してしまいたいと考える場合がある。係る場合、後続車両の運転者は、追い越すことに意識が集中してしまいがちであり、対向車両の接近に関しては注意が散漫になってしまうことがある。
【0005】
このようなことから、対向車両の運転者側に、追い越し車両の可能性を事前に通知することで危険予測を誘導することができれば、注意が散漫になっている追い越す側の車両との衝突リスクを回避することができると考えられる。
【0006】
しかしながら、上記の従来技術は、追い越す側の車両、すなわち、停車を繰り返す運行車両によりストレスが高められている側の車両を対象とした通知であるため、通知が無視されていう恐れがある。このようなことから、上記の従来技術は、定められた場所への停車を繰り返す車両の影響で起こり得るリスクを適切に回避することができるとはいい難い。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、定められた場所への停車を繰り返す車両の影響で起こり得るリスクを適切に回避することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載された情報処理装置は、特定の車両が停車する予定時刻が定められた停車場所のうち、自車両がこの先の所定期間内に通過すると予測される停車場所である予測停車場所における前記特定の車両の停車状況を推定する推定部と、前記自車両が前記予測停車場所を通過する際に前記特定の車両が停車されていると推定された場合には、前記予測停車場所を通過する際にリスクがある旨の通知の出力を前記自車両の走行状況に応じて制御する出力制御部とを有する。
【0009】
請求項17に記載された情報処理方法は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、特定の車両が停車する予定時刻が定められた停車場所のうち、自車両がこの先の所定期間内に通過すると予測される停車場所である予測停車場所における前記特定の車両の停車状況を推定する推定工程と、前記自車両が前記予測停車場所を通過する際に前記特定の車両が停車されていると推定された場合には、前記予測停車場所を通過する際にリスクがある旨の通知の出力を前記自車両の走行状況に応じて制御する出力制御工程とを含む。
【0010】
請求項18に記載された情報処理プログラムは、特定の車両が停車する予定時刻が定められた停車場所のうち、自車両がこの先の所定期間内に通過すると予測される停車場所である予測停車場所における前記特定の車両の停車状況を推定する推定手順と、前記自車両が前記予測停車場所を通過する際に前記特定の車両が停車されていると推定された場合には、前記予測停車場所を通過する際にリスクがある旨の通知の出力を前記自車両の走行状況に応じて制御する出力制御手順とを情報処理装置に実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る出力制御処理の全体像を説明する図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る制御装置の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報処理システムで実現される推定処理手順を示すシーケンス図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る出力制御処理における具体的手法の一例(1)を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る出力制御処理における具体的手法の一例(2)を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る出力制御処理における具体的手法の一例(3)を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る出力制御処理における具体的手法の一例(4)を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る出力制御処理における具体的手法の一例(5)を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る出力制御処理における具体的手法の一例(6)を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る出力制御処理における具体的手法の一例(7)を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る出力制御処理における具体的手法の一例(8)を示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係る出力制御処理手順を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)の一例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0013】
〔1.システム構成〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理システムの構成を説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。
図1には、実施形態に係る情報処理システムの一例として、情報処理システム1が示される。実施形態に係る出力制御処理は、情報処理システム1において実現されてよい。
【0014】
図1に示すように、情報処理システム1は、制御装置10と、連携装置20と、情報処理装置100とを備えてよい。また、制御装置10と、連携装置20と、情報処理装置100とは、ネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続されてよい。また、
図1に示す情報処理システム1には、任意の数の制御装置10と、任意の数の連携装置20と、任意の数の情報処理装置100とが含まれてもよい。
【0015】
制御装置10は、時刻表が定められた場所に停車する特定の車両に関する制御処理を行う装置である。例えば、制御装置10は、時刻表が定められた場所に停車する特定の車両に関する情報を取得し、取得した情報を情報処理装置100に提供してよい。
【0016】
ここで、実施形態に係る特定の車両としては、時刻表に従って特定のエリア内のバス停を巡回する路線バス、時刻表に従って特定のエリア内のごみ集積場所を巡回するゴミ収集車、時刻表に従って特定の家庭を巡回する送迎バス、時刻表に従って特定の工事現場に物資を運搬する工事車両等が挙げられる。
【0017】
もちろん実施形態に係る特定の車両は、時刻表が定められた場所(上記例では、バス停、ゴミ集積場所、家庭、工事現場)を周回しながら運行する車両であればいかなる車両であってよく、また、輸送対象は人物に限定されない。
【0018】
連携装置20は、実施形態に係る出力制御処理に用いられる所定の情報を提供する装置である。
【0019】
例えば、連携装置20は、バス停等の時刻表が定められた停車場所の位置、交差点の位置、道路種別、車線幅(幅員)、リンク情報等の各種情報が記された地図情報を提供してよい。係る例では、連携装置20は、地図情報を取り扱う組織(例えば、地図情報の調査・制作・販売等を行う企業)に属していてよい。
【0020】
また、連携装置20は、停車場所ごとに当該停車場所に特定の車両が停車する予定時刻が一覧された時刻表情報を提供してよい。係る例では、連携装置20は、時刻表情報を取り扱う組織(例えば、バス会社)に属していてよい。
【0021】
情報処理装置100は、実施形態に係る出力制御処理を行う装置である。具体的には、情報処理装置100は、時刻表が定められた停車場所(バス停)を自車両が通過する際に、この停車場所に特定の車両(路線バス)が停車されていると推定された場合には、特定の車両の周辺物と、自車両との間にリスクがある旨の通知の出力を自車両の走行状況に応じて制御する。
【0022】
例えば、情報処理装置100は、特定の車両を追い越そうとする追い越し車両と、自車両との間に衝突リスクがある旨の通知を制御してよい。また、情報処理装置100は、特定の車両に乗車しようとする人物、あるいは、特定の車両から乗車してきた人物と、自車両との間に衝突リスクがある旨の通知を制御してもよい。
【0023】
なお、
図1に示すように、情報処理装置100は、車両VExに搭載されてよい。すなわち、情報処理装置100は、車載装置であってよい。係る例によれば、情報処理装置100目線では車両VExは自車両と解せる。
【0024】
また、情報処理装置100は、車両VExに内蔵あるいは積載される専用のナビゲーション装置であってよい。例えば、情報処理装置100は、ナビゲーション装置と、録画装置とで構成されてもよい。この一例として、情報処理装置100は、互いに独立したナビゲーション装置および録画装置が通信可能に接続された複合的な装置であってよい。他の例として、情報処理装置100は、ナビゲーション機能と、録画機能とを有する1つの装置であってもよい。
【0025】
また、情報処理装置100は、各種のセンサを備えていてよい。例えば、情報処理装置100は、カメラ、加速度センサ、ジャイロセンサ、GPSセンサ、気圧センサ等の各種センサを備えていてよい。このようなことから、情報処理装置100は、各種センサによって取得されたセンサ情報に基づいて、利用者(例えば、車両VExの運転者)の運転を支援するための対話や情報提供を行う機能も有してよい。
【0026】
また、情報処理装置100は、自装置に備えられるセンサだけでなく、安全走行システムとして、車両VEx自体に備えられるセンサが検知したセンサ情報も用いることができる。
【0027】
また、利用者は、日常的に使用している携帯型端末装置(例えば、スマートフォン、タブレット型端末、ノート型PC、デスクトップPC、PDA等)に所定のアプリケーションソフトウェアを導入することで、この携帯型端末装置を情報処理装置100と同様に動作させることができる。すなわち、利用者は、自身の携帯型端末装置を車載装置として代用することができる。このようなことから、利用者の所持する携帯型端末装置も実施形態に係る情報処理装置として解することができる。
【0028】
以下では、上述した特定の車両を「路線バス」、時刻表が定められた停車場所を「路線バス」用の「バス停」として、実施形態に係る出力制御処理を説明する。
【0029】
〔2.情報処理の全体像〕
ここからは、
図2を用いて、実施形態に係る出力制御処理の全体像を説明する。
図2では、車両VE1(車両VExの一例)を運転する運転者D1に対して、車両VE1に積載される情報処理装置100-1(情報処理装置100の一例)がリスク通知を行う場面が示される。
【0030】
まず、
図2(a)には、運転者D1から見た前方の様子が示される。より具体的には、
図2(a)には、車両VE1に対向するようにしてバスLV1が停車しているとともに、車両VE1がバスLV1を横切ろうと接近したところに、バスLV1に後続する車両SV1がバスLV1を追い越そうと突然出現した場面が示される。このような場面でのリスクについて
図2(b)を用いて説明する。
【0031】
例えば、車両SV1の運転者が、バスLV1を追い越すことに気を取られて、
図2(b)に示すように、車両SV1の進行方向前方に進んできてしまった場合、車両VE1と車両SV1とが衝突してしまう可能性が高まる。このような衝突リスクを回避するには、車両VE1側の運転者D1に対して、衝突リスクがある旨を通知することで徐行運転等を誘導することが効果的であると考えられる。
【0032】
そこで、情報処理装置100-1は、自車両すなわち車両VE1側の運転者D1に対して、バスLV1を追い越そうとする車両が存在する可能性があるため衝突リスクがある旨を事前に通知する。例えば、情報処理装置100-1は、バスLV1が停車しているバス停と、車両VE1との距離が一定距離以下に縮まる前(例えば、追い越し車両があったとしても運転者D1が余裕を持って対応出来得る距離間隔であるうちに)、衝突リスクがある旨を通知してよい。
【0033】
ここで、車両の運転においては、衝突等の何らかのリスクが常に潜んでいるといえる。このため発生し得るリスクに応じて逐一通知がなされてしまうことは運転の妨げになり好ましくない場合がある。このため、情報処理装置100-1は、車両VE1の走行状況に応じて、リスクがある旨の通知を制御してよい。
【0034】
例えば、情報処理装置100-1は、車両VE1が通過し得るバス停が設置されている側の車線である設置車線と車両VE1の走行車線との関係性が条件を満たすか否か、また、これらの車線の幅員が条件を満たすか否か等に応じて、リスクがある旨の通知を制御してよい。また、情報処理装置100-1は、車両VE1が通過し得るバス停の方向に対する運転者D1の視野に死角が存在するか否かに応じて、リスクがある旨の通知を制御してよい。
【0035】
また、情報処理装置100-1は、リスクがある旨の通知を出力するとなった場合には、車両VE1に関する各種情報に応じて、出力タイミングも制御してよい。
【0036】
上記のような出力制御処理の詳細については、
図6~
図13等で詳述する。
【0037】
なお、実施形態に係る出力制御処理では、車両VExが通過し得るバス停においてバスが停車されていると推定できさえすれば、このバス停において実際にバスが停車されているか否かは限定されない。また、実施形態に係る出力制御処理では、車両VExが通過し得るバス停においてバスが停車されていると推定できた場合において、そのバスに対して実際に後続車両が存在するか否かも限定されない。
【0038】
このようなことから、実施形態に係る出力制御処理では、例えば、物理的にバス停を検出する手段、物理的にバスを検出する手段、物理的に後続車両を検出する手段を必ずしも必要としない。すなわち、実施形態に係る出力制御処理は、車両VExが通過し得るバス停においてバスが停車している可能性、および、このバスに対する後続車両が存在するという可能性の元に行われる処理であり、車両VExが通過するバス停にバスが停車しており、このバスに対する後続車両が存在するという確証の元に行われる処理でなくてよい。
【0039】
また、情報処理装置100を利用者の近くでエッジ処理を行うエッジコンピュータとするなら、制御装置10や連携装置20は、例えば、クラウド側で処理を行うクラウドコンピュータであってよい。すなわち、制御装置10や連携装置20は、サーバ装置であってよい。
【0040】
〔3.制御装置の構成〕
ここからは、
図3を用いて、実施形態に係る制御装置10について説明する。
図3は、実施形態に係る制御装置10の構成例を示す図である。
図3に示すように、制御装置10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
【0041】
(通信部11について)
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、連携装置20や情報処理装置100との間で情報の送受信を行う。
【0042】
(記憶部12について)
記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部12は、地図情報記憶部12aと、時刻表情報記憶部12bとを有してよい。
【0043】
地図情報記憶部12aは、例えば、連携装置20から取得された地図情報を記憶してよい。また、係る地図情報は、例えば、バス停等の時刻表が定められた停車場所の位置、交差点の位置、道路種別、車線幅(幅員)、リンク情報等の道路における各種情報が記されたものであってよい。
【0044】
時刻表情報記憶部12bは、例えば、連携装置20から取得された時刻表情報を記憶してよい。また、係る時刻表情報は、停車場所ごとに当該停車場所に特定の車両が停車する予定時刻が一覧表示されたものであってよい。
【0045】
(制御部13について)
制御部13は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、制御装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、実施形態に係る情報処理プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部13は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0046】
図3に示すように、制御部13は、受付部13aと、取得部13bと、特定部13cと、送信部13dとを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部13の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部13が有する各処理部の接続関係は、
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0047】
(受付部13aについて)
受付部13aは、情報処理装置100から送信された情報を受け付けてよい。例えば、受付部13aは、情報処理装置100が自車両VExの現在位置を示す現在位置情報を送信した場合には、この現在位置情報を受け付けてよい。また、受付部13aは、自車両VExの現在位置での時刻を示す現在の時刻情報を送信した場合には、この現在の時刻情報を受け付けてよい。
【0048】
(取得部13bについて)
取得部13bは、車両VExが通過し得る停車場所における路線バス等の特定の車両の停車状況を推定するための推定処理に用いられる情報を取得してよい。例えば、取得部13bは、連携装置20から地図情報や時刻表情報を取得してよい。また、取得部13bは、地図情報については地図情報記憶部12aに格納し、時刻表情報については時刻表情報記憶部12bに格納してよい。
【0049】
(特定部13cについて)
特定部13cは、車両VE1に対応する所定範囲内に存在する停車場所を特定してよい。例えば、特定部13cは、車両VExの現在位置情報と、地図情報とに基づいて、車両VE1を中心とした所定範囲内にバス停が存在するか否かを判定し、バス停が存在すると判定できた場合には、このバス停の識別情報(例えば、名称等)を特定してよい。
【0050】
(送信部13dについて)
送信部13dは、車両VExが通過し得る停車場所における路線バス等の特定の車両の停車状況を推定するための推定処理に用いられる情報を情報処理装置100に送信してよい。例えば、送信部13dは、特定部13cにより特定された停車場所が設置されている位置を示す設置位置情報を情報処理装置100に送信してよい。また、送信部13dは、特定部13cにより特定された停車場所に対応する時刻表情報を情報処理装置100に送信してよい。
【0051】
〔4.情報処理装置の構成〕
ここからは、
図4を用いて、実施形態に係る情報処理装置100について説明する。
図4は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。
図4に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0052】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、制御装置10との間で情報の送受信を行う。
【0053】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、推定結果記憶部121と、通知情報記憶部122とを有してよい。
【0054】
推定結果記憶部121は、車両VExが通過し得る停車場所における路線バス等の特定の車両の停車状況を推定するための推定処理での推定結果を記憶してよい。
【0055】
通知情報記憶部122は、リスク通知として用いられるコンテンツを記憶してよい。例えば、通知情報記憶部122は、リスク種別に応じたコンテンツを記憶してよい。
【0056】
(制御部130について)
制御部130は、CPUやMPU等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、実施形態に係る情報処理プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0057】
図4に示すように、制御部130は、送信部131と、受付部132と、特定部133と、推定部134と、検出部135と、出力制御部136とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0058】
(送信部131について)
送信部131は、車両VExが通過し得る停車場所における路線バス等の特定の車両の停車状況を推定するための推定処理に用いられる情報を制御装置10に送信してよい。例えば、送信部131は、自車両VExの現在位置を示す現在位置情報を送信してよい。また、送信部131は、自車両VExの現在位置での時刻を示す現在の時刻情報を送信してよい。
【0059】
(受付部132について)
受付部132は、制御装置10から送信された情報を受け付けてよい。例えば、受付部132は、特定部13cにより特定された停車場所が設置されている位置を示す設置位置情報を受け付けてよい。また、受付部132は、特定部13cにより特定された停車場所に対応する時刻表情報を受け付けてよい。
【0060】
(特定部133について)
特定部133は、受付部132により受け付けられた設置位置情報に基づいて、自車両VExが通過し得る停車場所を予測停車場所として特定してよい。例えば、特定部133は、受付部132により受け付けられた設置位置情報で示される候補のバス停と、自車両VExの走行情報とに基づいて、候補のバス停の中からこの先の所定期間内に通過し得るバス停を予測バス停(予測停車場所の一例)として特定してよい。
【0061】
(推定部134について)
推定部134は、特定部133により特定された予測停車場所を自車両VExが通過する際に路線バス等の特定の車両が停車されているか否かを推定してよい。例えば、推定部134は、受付部132により受け付けられた時刻表情報のうち、特定部133により特定された予測バス停に対応する時刻表情報と、自車両VExの現在位置での時刻を示す現在の時刻情報とを比較することで、予測バス停を自車両VExが通過する際に、この予測バス停にバスが停車されているか否かを推定する。
【0062】
また、推定部134は、上記の推定処理による推定結果を推定結果記憶部121に格納してよい。
【0063】
(検出部135について)
検出部135は、自車両VExの走行状況を検出してよい。例えば、検出部135は、情報処理装置100が有するセンサや、自車両VExに搭載されるセンサにより取得されたセンサ情報に基づいて、走行状況を検出してよい。
【0064】
例えば、検出部135は、自車両VExの現在位置、自車両VExの進行方向、自車両VExが走行している道路に関する道路情報等の各種の走行情報を検出してよい。例えば、検出部135は、道路情報として、自車両VExが走行している道路の車線数、各車線の幅員、特定部133により特定された予測停車場が設置されている側の車線である設置車線と自車両VExの走行車線との関係性を検出してよい。
【0065】
例えば、検出部135は、設置車線の車線数と、設置車線に対する対向車線の車線数とに基づいて、設置車線と自車両VExの走行車線との関係性を検出してよい。例えば、検出部135は、設置車線が片側一車線であり、設置車線に対する対向車線も片側一車線以上である場合には、この対向車線が自車両VExの走行車線であることを検出してよい。また、検出部135は、設置車線が片側一車線であり、設置車線に対する対向車線が片側二車線以上である場合には、対向車線のうちいずれの車線を自車両VExが走行しているか走行車線を検出してよい。
【0066】
また、検出部135は、自車両VExの運転者の視野も検出してよい。また、検出部135は、地図情報を活用することで、自車両VExの周辺に存在するオブジェクト(例えば、住宅、マンション、店舗、ビル等の建造物や、バス停)も検出してよい。そして、検出部135は、検出した視野(視界)と、検出したオブジェクトとに基づいて、自車両VExの運転者の視野が、オブジェクトによって所定範囲より狭められているか否かを判定してよい。つまり、検出部135は、オブジェクトによって自車両VExの運転者の視野に死角が生じているか否かを判定してよい。
【0067】
また検出部135は、自車両VExの周辺環境として、例えば、天候、路面状況、明るさ等も検出してよい。
【0068】
(出力制御部136について)
出力制御部136は、自車両VExが予測停車場所を通過する際に特定の車両が停車されていると推定された場合には、予測停車場所を通過する際にリスクがある旨の通知の出力を自車両VExの走行状況に応じて制御する。
【0069】
例えば、出力制御部136は、走行状況が所定の条件を満たすか否かに応じて、通知を制御してよい。例えば、出力制御部136は、予測停車場所が設置されている側の車線である設置車線と、自車両が走行している走行車線との関係性が所定の条件を満たすか否かに応じて、通知を制御してよい。
【0070】
例えば、出力制御部136は、設置車線、および、設置車線に対する対向車線の双方が片側一車線であり、自車両VExがこの対向車線を走行している場合には、リスク通知が出力されるよう制御してよい。
【0071】
また、出力制御部136は、設置車線が片側一車線であり、設置車線に対する対向車線が片側二車線以上である場合には、対向車線のうちいずれの車線を自車両VExが走行しているかに応じて、リスク通知の出力を制御してよい。例えば、出力制御部136は、片側二車線以上の対向車線のうち、設置車線に隣接する車線を自車両VExが走行している場合には、リスク通知が出力されるよう制御してよい。一方、出力制御部136は、片側二車線以上の対向車線のうち、設置車線に隣接しない車線を自車両VExが走行している場合には、リスク通知が出力されないよう制御してよい。
【0072】
また、出力制御部136は、設置車線が片側二車線以上であり、設置車線に対する対向車線を自車両VExが走行している場合には、この対向車線の車線数に拘わらず、リスク通知が出力されないよう制御してよい。
【0073】
他の例として、出力制御部136は、設置車線に対する対向車線を自車両VExが走行している状態で、予測停車場所を含む所定範囲内に自車両が侵入するまでに自車両VExが進路を変更すると推定された場合には、リスク通知が出力されないよう制御してよい。
【0074】
また、出力制御部136は、予測停車場所の方向に対する自車両VExの運転者の視野が所定範囲によりも狭められていると判定された場合には、走行状況が所定の条件を満たすか否かに応じて、リスク通知を制御する。例えば、出力制御部136は、自車両VExが走行している道路が一車線である場合、または、当該道路の車線幅が所定値以下である場合には、リスク通知が出力されるよう制御してよい。
【0075】
また、出力制御部136は、リスク通知を出力させる場合には、自車両VExに関する所定の情報に応じて、出力タイミングをさらに制御してよい。
【0076】
例えば、出力制御部136は、所定の情報として、自車両VExの周辺環境(天候、路面状況、明るさ等)に応じて、出力タイミングを制御してよい。例えば、出力制御部136は、雨天により現在位置の路面が濡れている、あるいは、降雪により現在位置の路面が積雪(凍結)している場合には、通常よりリスク通知のタイミングを早めてよい。例えば、車両VExが予測停車場所の100m手前に差し掛かったタイミングでリスク通知することが予め決められていたとすると、出力制御部136は、自車両VExの現在位置の路面が濡れている、あるいは、降雪により現在位置の路面が積雪(凍結)している場合には、自車両VExが予測停車場所の150m手前に差し掛かったタイミングでリスク通知が出力されるよう制御してよい。
【0077】
他の例として、出力制御部136は、所定の情報として、自車両VExが属する車両区分(例えば、原動機付自転車、普通自動二輪車、大型自動二輪車、普通自動車等)、または、自車両VExのサイズ応じて、出力タイミングを制御してよい。例えば、車両VExが普通自動車であり、時速60kmで走行している場合には、車両VExが予測停車場所の100m手前に差し掛かったタイミングでリスク通知することが予め決められていたとする。このような例において、出力制御部136は、自車両VExが普通自動車よりもサイズの小さい普通自動二輪車であったとすると、自車両VExが予測停車場所の200m手前に差し掛かったタイミングでリスク通知が出力されるよう制御してよい。
【0078】
〔5.推定処理手順〕
次に、
図5を用いて、情報処理システム1で実現される推定処理の手順を説明する。
図5は、実施形態に係る情報処理システム1で実現される推定処理手順を示すシーケンス図である。なお、ここでいう推定処理とは、車両VExが通過し得る停車場所(予測停車場所)における特定の車両の停車状況を推定するための推定処理である。
【0079】
また、
図5では、運転者D1が運転する車両VE1に搭載される情報処理装置100-1と、制御装置10とを含む情報処理システム1の例を用いて、推定処理手順の一例を説明する。
【0080】
まず、情報処理装置100-1の送信部131は、自車両VE1の現在位置を示す現在位置情報と、現在位置での時刻を示す現在の時刻情報とを制御装置10にアップロードする(ステップS501)。
【0081】
制御装置10の受付部13aは、アップロードされた情報を受け付ける(ステップS502)。つまり、受付部13aは、現在位置情報と、現在の時刻情報とを受け付ける。
【0082】
次に、取得部13bは、バス停の位置、交差点の位置、道路種別、車線幅(幅員)、リンク情報等が記された地図情報を連携装置20から取得する(ステップS503)。
【0083】
次に、特定部13cは、車両VE1の現在位置情報と、地図情報とに基づいて、車両VE1を中心とした所定範囲内にバス停が存在するか否かを判定し、バス停が存在すると判定できた場合には、このバス停の識別情報(例えば、名称等)を特定する(ステップS504)。
【0084】
なお、特定部13cは、所定範囲内にバス停が存在しないと判定した場合には、推定処理を終了するよう情報処理装置100-1に指示してよい。また、情報処理装置100-1は、係る指示に応じて推定処理を終了した場合には、例えば、所定期間経過した後に再びステップS501からの処理を実行してよい。
【0085】
一方、取得部13bは、所定範囲内にバス停が存在することで、そのバス停がどのようなバス停であるか識別情報等が特定された場合には、特定されたバス停が設置されている位置を示す設置位置情報を取得する(ステップS505)。例えば、取得部13bは、特定されたバス停の識別情報と、地図情報とを照らし合わせることで、設置位置情報を取得してよい。
【0086】
また、取得部13bは、特定されたバス停に対応する時刻表情報と、現在の時刻情報とに基づいて、適切な範囲の時刻表情報を取得する(ステップS506)。例えば、取得部13bは、特定されたバス停に対応する時刻表情報のうち、現在の時刻情報が示す時刻よりも後の時刻(例えば、直近の時刻)に対応する所定時刻範囲分の時刻表情報を取得してよい。
【0087】
そして、送信部13dは、ステップS505で取得された設置位置情報と、ステップS506で取得された時刻表情報とを情報処理装置100-1に送信する(ステップS507)。
【0088】
情報処理装置100-1の受付部132は、設置位置情報と、時刻表情報とを受け付ける(ステップS508)。
【0089】
特定部133は、設置位置情報と、自車両VE1の走行情報とに基づいて、この先の所定期間内に通過し得るバス停を予測バス停として特定する(ステップS509)。例えば、特定部133は、設置位置情報で示される候補のバス停と、自車両VE1の走行情報とに基づいて、候補のバス停の中からこの先の所定期間内に自車両VE1が通過し得るバス停を検出し、検出したバス停を予測バス停として特定してよい。なお、ここでいう走行情報は、例えば、検出部135により検出されたものであってよい。
【0090】
次に、推定部134は、自車両VE1の走行情報と、現在の時刻情報とに基づき、自車両VE1が予測バス停を通過する時刻を推定し、推定した時刻でのバスの停車状況を推定する(ステップS510)。例えば、推定部134は、自車両VE1が予測バス停を通過し得る時刻と、予測バス停の時刻表情報(ステップS506で取得された時刻表情報のうち、予測バス停に対応する時刻表情報)とを比較することで、自車両VE1が予測バス停を通過し得る時刻において、予測バス停にバスが停車されているか否かを推定してよい。
【0091】
なお、推定部134は、予測バス停にバスが停車されていないと推定した場合には、ステップS511の出力制御処理を実行させることなく処理を終了してよい。また、係る場合、情報処理装置100-1は、例えば、所定期間経過した後に再びステップS501からの処理を実行してよい。
【0092】
一方、出力制御部136は、予測バス停にバスが停車されていると推定された場合には、予測バス停を自車両VE1が通過する際にリスクがある旨の通知であるリスク通知の出力を自車両VE1の走行状況に応じて制御する出力制御処理を実行する(ステップS511)。
【0093】
〔6.出力制御方法〕
次に、
図6~
図13を用いて、実施形態に係る出力制御処理の具体的な手法を説明する。
図6~
図13では、
図5のステップS311で行われる出力制御処理の例を用いて、出力制御方法の具体例を示す。
【0094】
〔6-1.出力制御方法(1)〕
まず、
図6を用いて、出力制御処理の一例を説明する。
図6は、実施形態に係る出力制御処理における具体的手法の一例(1)を示す図である。
【0095】
図6の例では、リスク通知を出力させる出力条件として、条件CD61と、条件CD62とが定められているものする。
図6に示すように、条件CD61では、車両VExが走行している道路にはセンターラインが「ない」こと(すなわち、車両VExが走行している道路は一車線であること)が出力条件として定義されている。
【0096】
また、条件CD62では、車両VExが走行している道路の幅員が「N(m)未満」であることが出力条件として定義されている。ここで、N(m)は、対向車両同士のすれ違いが困難であると考えられる程に狭い幅員を示す値であってよく、一例として、5.5(m)が挙げられる。
【0097】
図6には、センターラインのない道路RT1が示される。また、
図6には、道路RT1を車両VE1が走行している際に推定処理が行われたことで、予測バス停ST1が特定されたとともに、車両VE1が予測バス停ST1を通過する際において、予測バス停ST1にバスが停車されていると推定された場面が示される。出力制御部136は、このような場面において検出部135により検出された走行状況に基づいて、条件CD61およびCD62に双方が満たされているか否かを判定する。
【0098】
図6の例では、出力制御部136は、双方の条件が満たされると判定してよい。また、係る場合、出力制御部136は、例えば、予測バス停ST1に停車され得るバスLVxを追い越そうとする追い越し車両SVxとの間で衝突リスクがある旨の通知を自装置が有する出力手段(例えば、表示画面やスピーカー)から出力されるよう制御してよい。
【0099】
〔6-2.出力制御方法(2)〕
次に、
図7を用いて、出力制御処理の一例を説明する。
図7は、実施形態に係る出力制御処理における具体的手法の一例(2)を示す図である。
【0100】
図7の例では、リスク通知を出力させる出力条件として、条件CD71と、条件CD72と、条件CD73が定められているものする。
図7に示すように、条件CD71では、車両VExが走行している道路にはセンターラインが「ある」ことが出力条件として定義されている。
【0101】
また、条件CD72では、予測バス停が設置されている側の車線である設置車線の車線数が「一車線」であることが出力条件として定義されている。条件CD73では、車両VExの走行車線の車線数が「一車線」であることが出力条件として定義されている。
【0102】
図7には、センターラインCNで分けられた車線のうち、設置車線、および、設置車線に対向する対向車線ともに片側一車線の道路RT2が示される。また、
図7には、係る対向車線を車両VE1が走行している際に推定処理が行われたことで、予測バス停ST2が特定されたとともに、車両VE1が予測バス停ST2を通過する際において、予測バス停ST2にバスが停車されていると推定された場面が示される。出力制御部136は、このような場面において検出部135により検出された走行状況に基づいて、条件CD71~CD73の全てが満たされているか否かを判定する。
【0103】
図7の例では、出力制御部136は、条件CD71~CD73の全てが満たされると判定してよい。また、係る場合、出力制御部136は、例えば、予測バス停ST2に停車され得るバスLVxを追い越そうとする追い越し車両SVxとの間で衝突リスクがある旨の通知を自装置が有する出力手段から出力されるよう制御してよい。
【0104】
〔6-3.出力制御方法(3)〕
次に、
図8を用いて、出力制御処理の一例を説明する。
図8は、実施形態に係る出力制御処理における具体的手法の一例(3)を示す図である。
【0105】
図8の例では、リスク通知を出力させる出力条件として、条件CD81と、条件CD82と、条件CD83と、条件CD84とが定められているものする。
図8に示すように、条件CD81では、車両VExが走行している道路にはセンターラインが「ある」ことが出力条件として定義されている。
【0106】
また、条件CD82では、予測バス停が設置されている側の車線である設置車線の車線数が「一車線」であることが出力条件として定義されている。条件CD83では、車両VExの走行車線の車線数が「一車線」であることが出力条件として定義されている。
【0107】
条件CD84では、少なくとも設置車線の幅員が「N(m)未満」であることが出力条件として定義されている。ここで、N(m)は、前方車両を追い越す場合に車体の半分以上が対向車線側に出てしまうと考えられる程に狭い幅員を示す値であってよく、一例として、5.5(m)が挙げられる。
【0108】
ここで、まず、
図8(a)について説明する。
図8(a)には、センターラインCNで分けられた車線のうち、設置車線および対向車線ともに片側一車線の道路RT3が示される。また、
図8(a)には、係る対向車線を車両VE1が走行している際に推定処理が行われたことで、予測バス停ST3が特定されたとともに、車両VE1が予測バス停ST3を通過する際において、予測バス停ST3にバスが停車されていると推定された場面が示される。出力制御部136は、このような場面において検出部135により検出された走行状況に基づいて、条件CD81~CD84の全てが満たされているか否かを判定する。
【0109】
図8(a)の例では、出力制御部136は、条件CD81~CD84の全てが満たされると判定してよい。また、係る場合、出力制御部136は、例えば、予測バス停ST3に停車され得るバスLVxを追い越そうとする追い越し車両SVxとの間で衝突リスクがある旨の通知を自装置が有する出力手段から出力されるよう制御してよい。
【0110】
次に、
図8(b)について説明する。
図8(b)には、センターラインCNで分けられた車線のうち、設置車線および対向車線ともに片側一車線の道路RT4が示される。また、
図8(b)には、係る対向車線を車両VE1が走行している際に推定処理が行われたことで、予測バス停ST4が特定されたとともに、車両VE1が予測バス停ST4を通過する際において、予測バス停ST3にバスが停車されていると推定された場面が示される。出力制御部136は、このような場面において検出部135により検出された走行状況に基づいて、条件CD81~CD84の全てが満たされているか否かを判定する。
【0111】
例えば、
図8(b)の設置車線の幅員は、
図8(a)の設置車線の幅員と比較して広く、「N(m)以上」であったとする。係る場合、出力制御部136は、
図8(b)に示すように、条件CD84が満たされていないと判定してよい。このように、条件CD81~CD84の全てが満たされていない場合には、出力制御部136は、リスク通知を出力させなくてよい。
【0112】
〔6-4.出力制御方法(4)〕
次に、
図9を用いて、出力制御処理の一例を説明する。
図9は、実施形態に係る出力制御処理における具体的手法の一例(4)を示す図である。
【0113】
図9の例では、リスク通知を出力させる出力条件として、条件CD91と、条件CD92と、条件CD93と、条件CD94とが定められているものする。
図9に示すように、条件CD91では、車両VExが走行している道路にはセンターラインが「ある」ことが出力条件として定義されている。
【0114】
また、条件CD92では、予測バス停が設置されている側の車線である設置車線の車線数が「一車線」であることが出力条件として定義されている。条件CD93では、設置車線に対する対向車線の車線数が「二車線以上」であることが出力条件として定義されている。
【0115】
また、条件CD94では、対向車線のうち車両VExの走行車線が、設置車線に隣接する車線であることが出力条件として定義されている。
【0116】
ここで、まず、
図9(a)について説明する。
図9(a)には、センターラインCNで分けられた車線のうち、設置車線が片側一車線、対向車線が片側二車線の道路RT5が示される。また、
図9(a)には、対向車線のうち設置車線に隣接する側の車線を車両VE1が走行している際に推定処理が行われたことで、予測バス停ST5が特定されたとともに、車両VE1が予測バス停ST5を通過する際において、予測バス停ST5にバスが停車されていると推定された場面が示される。出力制御部136は、このような場面において検出部135により検出された走行状況に基づいて、条件CD91~CD94の全てが満たされているか否かを判定する。
【0117】
図9(a)の例では、出力制御部136は、条件CD91~CD94の全てが満たされると判定してよい。また、係る場合、出力制御部136は、例えば、予測バス停ST5に停車され得るバスLVxを追い越そうとする追い越し車両SVxとの間で衝突リスクがある旨の通知を自装置が有する出力手段から出力されるよう制御してよい。
【0118】
次に、
図9(b)について説明する。
図9(b)には、センターラインCNで分けられた車線のうち、設置車線が片側一車線、対向車線が片側二車線の道路RT6が示される。また、
図9(b)には、対向車線のうち設置車線に隣接しない側の車線を車両VE1が走行している際に推定処理が行われたことで、予測バス停ST6が特定されたとともに、車両VE1が予測バス停ST6を通過する際において、予測バス停ST6にバスが停車されていると推定された場面が示される。出力制御部136は、このような場面において検出部135により検出された走行状況に基づいて、条件CD91~CD94の全てが満たされているか否かを判定する。
【0119】
図9(b)の例では、出力制御部136は、条件CD94が満たされていないと判定してよい。このように、条件CD91~CD94の全てが満たされていない場合には、出力制御部136は、リスク通知を出力させなくてよい。
【0120】
〔6-5.出力制御方法(5)〕
次に、
図10を用いて、出力制御処理の一例を説明する。
図10は、実施形態に係る出力制御処理における具体的手法の一例(5)を示す図である。
【0121】
図10の例では、リスク通知を出力させる出力条件として、条件CD101と、条件CD102と、条件CD103と、条件CD104と、条件CD105とが定められているものする。
図9に示すように、条件CD101では、車両VExが走行している道路にはセンターラインが「ある」ことが出力条件として定義されている。
【0122】
また、条件CD102では、予測バス停が設置されている側の車線である設置車線の車線数が「一車線」であることが出力条件として定義されている。条件CD103では、設置車線に対する対向車線の車線数が「二車線以上」であることが出力条件として定義されている。
【0123】
また、条件CD104では、対向車線のうち車両VExの走行車線が、設置車線に隣接する車線であることが出力条件として定義されている。条件CD105では、少なくとも設置車線の幅員が「N(m)未満」であることが出力条件として定義されている。ここで、N(m)は、前方車両を追い越す場合に車体の半分以上が対向車線側に出てしまうと考えられる程に狭い幅員を示す値であってよく、一例として、5.5(m)が挙げられる。
【0124】
ここで、まず、
図10(a)について説明する。
図10(a)には、センターラインCNで分けられた車線のうち、設置車線が片側一車線、対向車線が片側二車線の道路RT7が示される。また、
図10(a)には、対向車線のうち設置車線に隣接する側の車線を車両VE1が走行している際に推定処理が行われたことで、予測バス停ST7が特定されたとともに、車両VE1が予測バス停ST7を通過する際において、予測バス停ST7にバスが停車されていると推定された場面が示される。出力制御部136は、このような場面において検出部135により検出された走行状況に基づいて、条件CD101~CD105の全てが満たされているか否かを判定する。
【0125】
図10(a)の例では、出力制御部136は、条件CD101~CD105の全てが満たされると判定してよい。また、係る場合、出力制御部136は、例えば、予測バス停ST7に停車され得るバスLVxを追い越そうとする追い越し車両SVxとの間で衝突リスクがある旨の通知を自装置が有する出力手段から出力されるよう制御してよい。
【0126】
次に、
図10(b)について説明する。
図10(b)には、センターラインCNで分けられた車線のうち、設置車線が片側一車線、対向車線が片側二車線の道路RT8が示される。また、
図10(b)でも、対向車線のうち設置車線に隣接する側の車線を車両VE1が走行している際に推定処理が行われたことで、予測バス停ST8が特定されたとともに、車両VE1が予測バス停ST8を通過する際において、予測バス停ST8にバスが停車されていると推定された場面が示される。出力制御部136は、このような場面において検出部135により検出された走行状況に基づいて、条件CD101~CD105の全てが満たされているか否かを判定する。
【0127】
例えば、
図10(b)の設置車線の幅員は、
図10(a)の設置車線の幅員と比較して広く、「N(m)以上」であったとする。係る場合、出力制御部136は、
図10(b)に示すように、条件CD105が満たされていないと判定してよい。このように、条件CD101~CD105の全てが満たされていない場合には、出力制御部136は、リスク通知を出力させなくてよい。
【0128】
〔6-6.出力制御方法(6)〕
例えば、出力制御部136は、予測バス停が設置されている側の車線である設置車線が片側二車線以上であり、設置車線に対する対向車線を自車両VExが走行している場合には、当該対向車線のいずれの車線を自車両VE1が走行しているかに拘わらず、リスク通知を出力させなくてよい。この点について
図11を用いて説明する。
図11は、実施形態に係る出力制御処理における具体的手法の一例(6)を示す図である。
【0129】
図11には、センターラインCNで分けられた車線のうち、設置車線が片側二車線、対向車線が片側一車線の道路RT9が示される。また、
図11には、係る対向車線を車両VE1が走行している際に推定処理が行われたことで、予測バス停ST9が特定されたとともに、車両VE1が予測バス停ST9を通過する際において、予測バス停ST9にバスが停車されていると推定された場面が示される。
【0130】
このように、予測バス停ST9が設置されている側の車線である設置車線が片側二車線であり、対向車線を車両VE1が走行している場合には、出力制御部136は、これまで
図6~
図10で説明したいずれの出力条件も満たされないと判定してよく、したがって、リスク通知を出力させなくてよい。
【0131】
〔6-7.出力制御方法(7)〕
また、出力制御部136は、予測バス停を含む所定範囲内に自車両VE1が侵入するまでに自車両VE1が進路を変更すると推定された場合には、リスク通知を出力させなくてよい。この点について
図12を用いて説明する。
図12は、実施形態に係る出力制御処理における具体的手法の一例(7)を示す図である。
【0132】
図12には、センターラインのない道路RT10が示される。また、
図12には、道路RT10を車両VE1が走行している際に推定処理が行われたことで、予測バス停ST10が特定されたとともに、車両VE1が予測バス停ST10を通過する際において、予測バス停ST10にバスが停車されていると推定された場面が示される。
【0133】
ここで、出力制御部136は、予測バス停の位置を中心とする半径X(m)のエリアARxに自車両VE1が侵入した場合に、車両VE1が予測バス停を通過すると判断し、リスク通知を行うものであるとする。係る場合、出力制御部136は、
図12の例では、予測バス停ST10の位置を中心とする半径X(m)のエリアAR10に自車両VE1が侵入するまでに自車両VE1が進路を変更するか否かを推定してよい。
【0134】
例えば、出力制御部136は、自車両VE1の走行履歴、目的地に対する案内経路の更新履歴、自車両VE1内での会話内容等に基づいて、運転者D1によって進路が変更されるか否かを推定してよい。一例として、出力制御部136は、エリアAR10に侵入するまでに自車両VE1が道路RT10とは異なる道路を通行するか否かを推定してよい。より具体的には、出力制御部136は、エリアAR10に侵入するまでに自車両VE1が左折(または右折)するか否かを推定してよい。
【0135】
図12は、出力制御部136が、エリアAR10に侵入するまでに自車両VE1が左折すると推定した例が示される。係る場合、出力制御部136は、リスク通知を出力させなくてよい。
【0136】
〔6-8.出力制御方法(8)〕
また、出力制御部136は、予測バス停の方向に対する自車両VE1の運転者D1の視野が所定範囲によりも狭められていると判定された場合には、自車両VE1走行状況が出力条件を満たすか否かに応じて、リスク通知を制御してよい。この点について、
図13を用いて説明する。
図13は、実施形態に係る出力制御処理における具体的手法の一例(8)を示す図である。
【0137】
図13の例では、リスク通知を出力させる出力条件として、条件CD131が定められているものする。
図13に示すように、条件CD131では、センターラインが「ない」道路から交差点に接近時、バス停方向に死角が「ある」ことが出力条件として定義されている。
【0138】
ここで、まず、
図13(a)について説明する。
図13(a)には、センターラインのない道路RT111と、センターラインCNを有する道路RT112とが交わる交差点CR11が示される。また、
図13(a)には、道路RT111を車両VE1が走行している際に推定処理が行われたことで、予測バス停ST11が特定されたとともに、車両VE1が予測バス停ST11を通過する際において、予測バス停ST11にバスが停車されていると推定された場面が示される。
【0139】
出力制御部136は、このような場面において検出部135により検出された情報に基づいて、条件CD113が満たされているか否かを判定する。
【0140】
図13(a)の例では、検出部135は、自車両VE1の運転者D1の視野を検出するとともに、地図情報を活用することで、自車両VE1の周辺に存在する建造物OBを検出している。係る例では、検出部135は、運転者D1の視野と、建造物OBとに基づいて、運転者D1の視野が建造物OBよって狭められていると判定してよい。つまり、検出部135は、建造物OBによって運転者D1の視野に死角が生じていると判定してよい。
【0141】
さらに、
図13(a)の例では、検出部135は、地図情報を活用することで、自車両VE1の進行方向に交差点CR11を検出することで、自車両VE1が交差点CR11に侵入すると予測してよい。
【0142】
このように、出力制御部136は、予測バス停ST11を通過するために自車両VE1がセンターラインのない道路RT111から交差点CR11に侵入すると予測された際に、運転者D1に死角が生じると判定された場合には、条件CD131が満たされると判定してよい。また、係る場合、出力制御部136は、例えば、予測バス停ST11に停車され得るバスLVxを追い越して、交差点CR11から道路RT111側へと進入してきた車両SVxとの間で衝突リスクがある旨の通知を自装置が有する出力手段から出力されるよう制御してよい。
【0143】
次に、
図13(b)について説明する。
図13(b)には、センターラインCNを有する道路RT121と、センターラインCNを有する道路RT122とが交わる交差点CR12が示される。また、
図13(b)には、道路RT121を車両VE1が走行している際に推定処理が行われたことで、予測バス停ST12が特定されたとともに、車両VE1が予測バス停ST12を通過する際において、予測バス停ST12にバスが停車されていると推定された場面が示される。
【0144】
出力制御部136は、このような場面において検出部135により検出された情報に基づいて、条件CD113が満たされているか否かを判定する。
【0145】
図13(b)の例でも、検出部135は、自車両VE1の運転者D1の視野を検出するとともに、地図情報を活用することで、自車両VE1の周辺に存在する建造物OBを検出している。係る例では、検出部135は、運転者D1の視野と、建造物OBとに基づいて、運転者D1の視野が建造物OBによって狭められていると判定してよい。つまり、検出部135は、建造物OBによって運転者D1の視野に死角が生じていると判定してよい。
【0146】
さらに、
図13(b)の例では、検出部135は、地図情報を活用することで、自車両VE1の進行方向に交差点CR12を検出することで、自車両VE1が交差点CR12に侵入すると予測してよい。
【0147】
ここで、
図13(a)とは異なり、出力制御部136は、予測バス停ST12を通過するために自車両VE1がセンターラインのある道路RT121から交差点CR11に侵入すると予測された際に、運転者D1に死角が生じると判定された
図13(b)の例では、条件CD131が満たされないと判定してよい。このように、条件CD131が満たされていない場合には、出力制御部136は、リスク通知を出力させなくてよい。また、係る出力制御は、予測バス停ST12に停車され得るバスLVxを追い越して、交差点CR12から道路RT121側へと進入してきた車両SVxが存在したとしても、車両SVxと車両VE1とは走行車線が異なることから衝突のリスクが無いことに基づく処理といえる。
【0148】
なお、
図13の例では、検出部135が、自車両VExの運転者の視野を検出し、検出した視野と、地図情報とに基づいて、死角の有無を判定する例を示した。しかしながら、検出部135は、必ずしも自車両VExの運転者の視野を検出する必要はなく、地図情報だけで死角の有無を判定してもよい。例えば、検出部135は、OSM(Open Street Map)に含まれるウェイ(例えば、閉じたウェイ)だけを活用して死角の有無を判定してもよい。係る構成によれば、運転者の視野を検出するための特殊な検出装置が不要となるため、実施形態に係るリスク通知を適用できるシチュエーションを増やすことができるようになる。
【0149】
〔7.出力制御処理手順〕
続いて、
図14を用いて、実施形態に係る出力制御処理の手順について説明する。
図14は、実施形態に係る出力制御処理手順を示すフローチャートである。
【0150】
まず、推定部134は、予測バス停を自車両VExが通過する際に、予測バス停にバスが停車されているか否かを推定する(ステップS1401)。例えば、推定部134は、自車両VE1が予測バス停を通過すると推定される時刻と、予測バス停の時刻表情報とを比較することで、この時刻において、予測バス停にバスが停車されているか否かを推定してよい。
【0151】
推定部134は、予測バス停にバスが停車されていないと推定した場合には(ステップS1401;No)、予測バス停にバスが停車されていると推定できるまで待機する。
【0152】
一方、出力制御部136は、予測バス停にバスが停車されていると推定した場合には(ステップS1401;Yes)、
図6~
図13で説明した各種出力条件を自車両VExが満たしているか否かを判定する(ステップS1402)。
【0153】
出力制御部136は、出力条件の1つでも満たされていない場合には(ステップS1402;No)、処理を終了してよい。
【0154】
一方、出力制御部136は、出力条件の全てが満たされている場合には(ステップS1402;Yes)、自車両VExに関する所定の情報に応じて、リスク通知を出力させる出力タイミングを制御する(ステップS1403)。例えば、出力制御部136は、自車両VExの周辺環境(天候、路面状況、明るさ等)に応じて、出力タイミングを制御してよい。他の例として、出力制御部136は、自車両VExが属する車両区分(例えば、原動機付自転車、普通自動二輪車、大型自動二輪車、普通自動車等)、または、自車両VExのサイズ応じて、出力タイミングを制御してよい。
【0155】
また、出力制御部136は、自車両VExに関する所定の情報に応じて、リスク通知の出力レベルを決定する(ステップS1404)。例えば、出力制御部136は、所定の情報として、自車両VExの周辺環境(天候、路面状況、明るさ等)に応じて、出力レベルを決定してよい。例えば、出力制御部136は、悪天候により自車両VExの運転者がリスク通知を聞き取りにくいと推定される場合には、出力レベルとして音量レベルを基準値より高めてよい。
【0156】
他の例として、出力制御部136は、自車両VExが属する車両区分(例えば、原動機付自転車、普通自動二輪車、大型自動二輪車、普通自動車等)、または、自車両VExのサイズ応じて、出力レベルを決定してよい。例えば、出力制御部136は、自車両VExが普通自動二輪車であることにより自車両VExの運転者がリスク通知を聞き取りにくいと推定される場合には、出力レベルとして音量レベルを基準値より高めてよい。
【0157】
そして、出力制御部136は、ステップS1403で制御した出力タイミングにおいて、ステップS1404で決定した出力レベルのリスク通知を出力させる(ステップS1405)。
【0158】
〔8.限定解除〕
【0159】
情報処理装置100は、自車両VExに備えられた撮像手段によって取得された撮像画像に基づいて、予測停車場所において実際に特定の車両が停車されているか否かを検出してよく、特定の車両を検出できた場合には、出力条件に応じた出力制御処理を行ってもよい。また、情報処理装置100は、係る撮像画像に基づいて、特定の車両に対する後続車両や、特定の車両に乗り降りする人物も検出してよく、これらの周辺物を検出できた場合には、出力条件に応じた出力制御処理を行ってもよい。
【0160】
また、上述した実施形態では、制御装置10と、情報処理装置100との間で情報の送受信が行われることで、実施形態に係る情報処理が実現される例を示した。しかしながら、実施形態に係る情報処理は、エッジ側すなわち車載装置に相当する情報処理装置100のみで実現されてもよい。
【0161】
一方、制御装置10と、情報処理装置100との間で実施形態に係る情報処理が実現される場合、予測停車場所における特定の車両の停車状況を推定するまでの処理が制御装置10側で行われ、情報処理装置100は、出力条件が満たされているか否かに応じた出力制御処理のみ行う構成が採用されてもよい。
【0162】
〔9.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る制御装置10および情報処理装置100は、例えば、
図15に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報処理装置100を例に説明する。
図15は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0163】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0164】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0165】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0166】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0167】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0168】
〔10.その他〕
また、上記各実施形態において説明した処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0169】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0170】
また、上記各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0171】
〔11.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0172】
1 情報処理システム
10 制御装置
20 連携装置
100 情報処理装置
120 記憶部
121 推定結果記憶部
122 通知情報記憶部
130 制御部
131 送信部
132 受付部
133 特定部
134 推定部
135 検出部
136 出力制御部