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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168705
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】演出装置およびこれを備えた遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20231121BHJP
【FI】
A63F5/04 603D
A63F5/04 540
A63F5/04 612
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079970
(22)【出願日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129012
【弁理士】
【氏名又は名称】元山 雅史
(72)【発明者】
【氏名】鷲見 昌昭
(72)【発明者】
【氏名】安田 英史
(72)【発明者】
【氏名】小野 貴広
(72)【発明者】
【氏名】阿形 剛宏
【テーマコード(参考)】
2C182
【Fターム(参考)】
2C182BA05
2C182CD17
2C182CD25
(57)【要約】
【課題】立体的で特長的な演出効果を得ることが可能な演出装置およびこれを備えた遊技機を提供する。
【解決手段】演出装置10は、リール13aと、モータ13eと、ルーレット板14cと、モータ14iと、LEDテープ14ba,14bbを備えている。リール13aは、略円筒形状を有し回転軸を中心にして回転するとともに、略円形の第1側面と、第1側面に対向配置された第2側面と、第1側面と第2側面とを接続する外周面とを有する。モータ13eは、リール13aを、略円筒形状の中心軸を中心に回転させる。ルーレット板14cは、第1側面側から見て、リール13aの内部に設けられ、ルーレット図柄が形成されている。モータ14iは、ルーレット板14cの中心を回転中心として回転させる。LEDテープ14ba,14bbは、リール13aに設けられており、光による演出を行う。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に設置される演出装置であって、
略円筒形状を有し回転軸を中心にして回転するとともに、略円形の第1側面と、前記第1側面に対向配置された第2側面と、前記第1側面と前記第2側面とを接続する外周面とを有する回転体と、
前記回転体を、前記略円筒形状の中心軸を中心に回転させる第1回転駆動部と、
前記第1側面側から見て、前記回転体の内部に設けられ、第1図柄が形成された円板状部材と、
前記円板状部材の中心を回転中心として回転させる第2回転駆動部と、
前記回転体に設けられており、光による演出を行う電飾部と、
を備えている演出装置。
【請求項2】
前記電飾部は、
所定の方向へ光を照射する第1光源部と、
前記第1光源部から照射された光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光を出射する出射面と、を有するとともに、前記円板状部材の前記第1図柄が形成された側に配置された導光板と、
を有している、
請求項1に記載の演出装置。
【請求項3】
前記遊技機の遊技状態に応じて、前記導光板の前記入射面への光の点灯/非点灯により、前記回転体の略円形の第1側面において複数の図柄の表示を切り替えるように、前記第1光源部を制御する第1表示制御部を、さらに備えている、
請求項2に記載の演出装置。
【請求項4】
前記第1表示制御部は、前記第1側面において、
前記導光板に対して光を照射するように前記第1光源部を制御すると、前記導光板に所定のパターンに沿って配列され前記第1光源部から前記入射面に発せられた光を所定の方向へ反射する複数のプリズムによって反射された光によって第2図柄が表示され、
前記導光板に対して光を照射しないように前記第1光源部を制御すると、前記導光板を透過して、前記導光板の背面側に配置された前記円板状部材の前記第1図柄が表示される、
請求項3に記載の演出装置。
【請求項5】
前記電飾部は、前記円板状部材の背面側に配置されており、前記円板状部材の一部に向かって光を照射する第2光源部を、さらに有しており、
前記円板状部材の一部の図柄を表示させるように、前記第2光源部を制御する第2表示制御部を、さらに備えている、
請求項4に記載の演出装置。
【請求項6】
前記第1表示制御部は、前記第1側面において、前記導光板に対して光を照射するように前記第1光源部を制御して、前記導光板に所定のパターンに沿って配列され前記第1光源部から前記入射面に発せられた光を所定の方向へ反射する複数のプリズムによって反射された光によって第2図柄が表示された状態で、
前記第2表示制御部が、前記円板状部材の一部の図柄を表示させるように前記第2光源部を制御すると、前記第2図柄の一部を透過して前記円板状部材の前記第1図柄の一部が前記第1側面において表示される、
請求項5に記載の演出装置。
【請求項7】
前記電飾部は、
前記円板状部材の前記第1図柄の表面に光を照射する第5光源部と、
前記第1表示制御部が前記第1側面において前記導光板に対して光を照射しないように前記第1光源部を制御して、前記導光板を透過して、前記導光板の背面側に配置された前記円板状部材の前記第1図柄が表示された状態で、前記第1図柄の表面に光を照射するように前記第5光源部を制御する第5表示制御部と、
をさらに有している、
請求項3に記載の演出装置。
【請求項8】
前記電飾部は、前記回転体の前記第2側面側に設けられ、所定の図柄が形成されており、前記第2側面からの光を遮断し、前記第1側面側からの光を透過させるデザインシートを、さらに有している、
請求項1から7のいずれか1項に記載の演出装置。
【請求項9】
前記電飾部は、前記第2側面側から見て、前記デザインシートの背面側に配置されており、前記デザインシート側からの光を反射する反射板を、さらに有している、
請求項8に記載の演出装置。
【請求項10】
前記電飾部は、前記回転体の内部において、前記デザインシートと前記反射板との間の空間に設けられており所望の方向へ光を照射する第3光源部と、
光の点灯および消灯を切り替えるように、前記第3光源部を制御する第3表示制御部と、
をさらに有している、
請求項9に記載の演出装置。
【請求項11】
前記反射板は、前記第3光源部から照射された光を、前記第2側面側へ反射させるとともに、
前記反射板によって反射された前記光は、前記第2側面側に設けられた前記デザインシートを透過する、
請求項10に記載の演出装置。
【請求項12】
前記電飾部は、前記回転体の内周面側から光を照射する第4光源部を、さらに有しており、
前記回転体の外周面において所定の図柄を表示させるように、前記第4光源部を制御する第4表示制御部を、
さらに備えている、
請求項1から7のいずれか1項に記載の演出装置。
【請求項13】
前記第1回転駆動部によって回転可能な状態で前記回転体を支持する土台部と、
略鉛直方向に沿って配置された回転軸を中心にして、前記土台部において支持された前記回転体を回転させる第3回転駆動部と、
をさらに備えている、
請求項1から7のいずれか1項に記載の演出装置。
【請求項14】
前記回転体は、略円筒形状の外周面に、大当たり抽選を行う第1抽選部を含む、
請求項1から7のいずれか1項に記載の演出装置。
【請求項15】
前記円板状部材の前記第1図柄は、大当たり抽選を行う第2抽選部を含む、
請求項1から7のいずれか1項に記載の演出装置。
【請求項16】
前記遊技機からの大当たり信号を受信すると、演出の内容を決定する抽選を行う演出抽選部を、さらに備えている、
請求項1から7のいずれか1項に記載の演出装置。
【請求項17】
請求項1から7のいずれか1項に記載の演出装置と、
前記演出装置が設置される筐体部と、
前記筐体部における正面に設けられており、遊技状態を示す表示部と、
前記筐体部の正面であって前記表示部の下部に設けられており、遊技者による操作入力が行われる操作デッキと、
を備えた遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、カジノ等の遊技施設に設置された遊技機に搭載される演出装置およびこれを備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カジノ等の遊技施設において、LED(Light Emitting Diode)等の光源を用いて演出を行う電飾装置が遊技機の周辺に設置されている。
例えば、特許文献1には、リンクシステムを構成するいずれかのスロットマシンが入賞すると、入賞したスロットマシンから設置されたトッパー装置へと入賞信号が送信され、入賞信号を受信したトッパー装置は、リンクされた他のトッパー装置に対して、スロットマシンが入賞したことを指示する演出信号を送信し、トッパー液晶パネルやLEDを用いて入賞したスロットマシンの位置を案内する演出を実行させるゲーミングマシンのトッパー装置について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-028132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のゲーミングマシンのトッパー装置では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示されたゲーミングマシンのトッパー装置に含まれる演出装置は、スロットマシン等の遊技機の上部に設置され、各種演出画面を表示する液晶パネルと、液晶パネルの周囲に設けられたLEDとを組み合わせて各種演出を行っているため、画一で平面的な演出になってしまうという課題があった。
【0005】
本発明の課題は、立体的で特長的な演出効果を得ることが可能な演出装置およびこれを備えた遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係る演出装置は、遊技機に設置される演出装置であって、回転体と、第1回転駆動部と、円板状部材と、第2回転駆動部と、電飾部と、を備えている。回転体は、略円筒形状を有し回転軸を中心にして回転するとともに、略円形の第1側面と、第1側面に対向配置された第2側面と、第1側面と第2側面とを接続する外周面とを有する。第1回転駆動部は、回転体を、略円筒形状の中心軸を中心に回転させる。円板状部材は、第1側面側から見て、回転体の内部に設けられ、第1図柄が形成されている。第2回転駆動部は、円板状部材の中心を回転中心として回転させる。電飾部は、回転体に設けられており、光による演出を行う。
【0007】
ここでは、例えば、カジノ等の遊技施設に設置された遊技機に搭載され各種演出を行う演出装置が、回転駆動される略円筒形状を有する回転体と、回転体の内部に設けられ回転駆動される円板状部材と、回転体に設けられ光の演出を行う電飾部とを備えている。
ここで、回転体は、例えば、外周面に大当たり抽選を行う絵柄、文字等が表示されており、遊技機の遊技状態に応じて回転駆動される。
【0008】
円板状部材は、例えば、ルーレットの絵柄等が表示されており、遊技機の遊技状態に応じて回転駆動される。
電飾部は、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の光源部を含み、回転体の内部に設けられており、回転体および/または円板状部材の一部または全体に対して光を照射して各種演出を行う。
これにより、回転体の回転、回転体の内部に設けられた円板状部材の回転、回転体に設けられた電飾部による光の演出を組み合わせることで、液晶表示パネル等を用いることなく、遊技機の遊技状態に合わせて多種多様な演出を実施することができる。
この結果、立体的で特長的な演出効果を得ることができる。
【0009】
第2の発明に係る演出装置は、第1の発明に係る演出装置であって、電飾部は、所定の方向へ光を照射する第1光源部と、第1光源部から照射された光が入射する入射面と、入射面から入射した光を出射する出射面と、を有するとともに、円板状部材の第1図柄が形成された側に配置された導光板と、を有している。
これにより、導光板の入射面に対して第1光源部から光を入射させることで導光板に所望の表示を行うとともに、第1光源部を非点灯とすることで、導光板を透過して、導光板の背面側に配置された円板状部材の第1図柄を表示させることができる。
【0010】
第3の発明に係る演出装置は、第2の発明に係る演出装置であって、遊技機の遊技状態に応じて、導光板の入射面への光の点灯/非点灯により、回転体の略円形の第1側面において複数の図柄の表示を切り替えるように、第1光源部を制御する第1表示制御部を、さらに備えている。
これにより、例えば、遊技機から大当たり等の遊技状態を示す信号を受信すると、導光板の入射面へ光を入射させるように第1光源部を制御することで、回転体の第1側面における表示を切り替えることができる。
【0011】
第4の発明に係る演出装置は、第3の発明に係る演出装置であって、第1表示制御部は、第1側面において、導光板に対して光を照射するように第1光源部を制御すると、導光板に所定のパターンに沿って配列され第1光源部から入射面に発せられた光を所定の方向へ反射する複数のプリズムによって反射された光によって第2図柄が表示され、導光板に対して光を照射しないように第1光源部を制御すると、導光板を透過して、導光板の背面側に配置された円板状部材の第1図柄が表示される。
【0012】
これにより、導光板の入射面に光を入射させることで、導光板に形成された複数のプリズムが導光板の内部において光を反射して、導光板の背面側に配置された円板状部材の第1図柄を隠しつつ所望の第2図柄を表示させることができる。そして、第1光源部を非点灯とすることで、導光板を透過して導光板の背面側に配置された円板状部材の第1図柄を表示させることができる。
【0013】
第5の発明に係る演出装置は、第4の発明に係る演出装置であって、電飾部は、円板状部材の背面側に配置されており、円板状部材の一部に向かって光を照射する第2光源部を、さらに有しており、円板状部材の一部の図柄を表示させるように、第2光源部を制御する第2表示制御部を、さらに備えている。
これにより、円板状部材の背面側に配置された第2光源部を、例えば、遊技機の遊技状態に応じて点灯させることで、円板状部材の一部を透過するように照射して、第1図柄の一部のみを目立たせるように表示することができる。
【0014】
第6の発明に係る演出装置は、第5の発明に係る演出装置であって、第1表示制御部は、第1側面において、導光板に対して光を照射するように第1光源部を制御して、導光板に所定のパターンに沿って配列され第1光源部から入射面に発せられた光を所定の方向へ反射する複数のプリズムによって反射された光によって第2図柄が表示された状態で、第2表示制御部が、円板状部材の一部の図柄を表示させるように第2光源部を制御すると、第2図柄の一部を透過して円板状部材の第1図柄の一部が第1側面において表示される。
これにより、導光板に光を入射して導光板に第2図柄を表示させた状態で、例えば、円板状部材の背面側に配置された第2光源部を第1光源部よりも強い光量で点灯させることで、円板状部材の一部を透過しつつ、導光板の第2図柄も透過して、第1図柄の一部のみを目立たせるように表示することができる。
【0015】
第7の発明に係る演出装置は、第3の発明に係る演出装置であって、電飾部は、円板状部材の第1図柄の表面に光を照射する第5光源部と、第1表示制御部が第1側面において導光板に対して光を照射しないように第1光源部を制御して、導光板を透過して、導光板の背面側に配置された円板状部材の第1図柄が表示された状態で、第1図柄の表面に光を照射するように第5光源部を制御する第5表示制御部と、をさらに有している。
これにより、第5光源部によって第1図柄の表面に光を照射することで、導光板に対して光を照射していない状態で、導光板を透過して、導光板の背面側に配置された円板状部材の第1図柄を視認しやすくすることができる。
【0016】
第8の発明に係る演出装置は、第1から第7の発明のいずれか1つに係る演出装置であって、電飾部は、回転体の第2側面側に設けられ、所定の図柄が形成されており、第2側面からの光を遮断し、第1側面側からの光を透過させるデザインシートを、さらに有している。
これにより、略円筒状の回転体における導光板等が配置された第1側面とは反対側の第2側面に、第2側面からの光を遮断し第1側面側からの光を透過させるハーフミラー機能を持つデザインシートを配置することで、第2側面側においても、第1面側とは異なる表示を行うことができる。
【0017】
第9の発明に係る演出装置は、第8の発明に係る演出装置であって、電飾部は、第2側面側から見て、デザインシートの背面側に配置されており、デザインシート側からの光を反射する反射板を、さらに有している。
これにより、ハーフミラー機能を持つデザインシートの背面側に、反射機能を持つ反射板を配置することで、デザインシートと反射板とを用いて無限鏡(infinity mirror)としての機能を持つ表示を行うことができる。
【0018】
第10の発明に係る演出装置は、第9の発明に係る演出装置であって、電飾部は、回転体の内部において、デザインシートと反射板との間の空間に設けられており所望の方向へ光を照射する第3光源部と、光の点灯および消灯を切り替えるように、第3光源部を制御する第3表示制御部と、をさらに有している。
これにより、デザインシートと反射板との間に配置された第3光源部から照射された光によって、第2側面側から見て奥行きのある表示を行うことができる。
【0019】
第11の発明に係る演出装置は、第10の発明に係る演出装置であって、反射板は、第3光源部から照射された光を、第2側面側へ反射させるとともに、反射板によって反射された光は、第2側面側に設けられたデザインシートを透過する。
これにより、第3光源部から照射される光は、反射板によって反射されるとともに、ハーフミラー機能を持つデザインシートを通じて第2側面から外部へ透過していくことで、第2側面側において無限鏡(infinity mirror)として演出効果を得ることができる。
【0020】
第12の発明に係る演出装置は、第1から第7の発明のいずれか1つに係る演出装置であって、電飾部は、回転体の内周面側から光を照射する第4光源部を、さらに有しており、回転体の外周面において所定の図柄を表示させるように、第4光源部を制御する第4表示制御部を、さらに備えている。
これにより、略円筒状の回転体の外周面に向かって第4光源部から光を照射することで、例えば、遊技機の遊技状態に応じて、回転体の外周面に所定の図柄を表示させることができる。
【0021】
第13の発明に係る演出装置は、第1から第7の発明のいずれか1つに係る演出装置であって、第1回転駆動部によって回転可能な状態で回転体を支持する土台部と、略鉛直方向に沿って配置された回転軸を中心にして、土台部において支持された回転体を回転させる第3回転駆動部と、をさらに備えている。
これにより、回転体を支持する土台部に対して回転体を回転させることで、例えば、遊技機の正面で遊技を行う遊技者に対して、回転体の第1側面、外周面、第2側面を向けるように、回転体の向きを切り替えることができる。
【0022】
第14の発明に係る演出装置は、第1から第7の発明のいずれか1つに係る演出装置であって、回転体は、略円筒形状の外周面に、大当たり抽選を行う第1抽選部を含む。
これにより、例えば、遊技機の遊技状態に応じて、略円筒状の回転体の外周面に設けられた第1抽選部において、大当たり抽選を行うことができる。
【0023】
第15の発明に係る演出装置は、第1から第7の発明のいずれか1つに係る演出装置であって、円板状部材の第1図柄は、大当たり抽選を行う第2抽選部を含む。
これにより、例えば、遊技機の遊技状態に応じて、円板状部材の表面に設けられたルーレット等の第2抽選部において、大当たり抽選を行うことができる。
【0024】
第16の発明に係る演出装置は、第1から第7の発明のいずれか1つに係る演出装置であって、遊技機からの大当たり信号を受信すると、演出の内容を決定する抽選を行う演出抽選部を、さらに備えている。
これにより、遊技機から大当たり信号を受信して、演出装置においてどのような演出を行うかを抽選によって決定することで、遊技内容に応じて演出装置において多種多様な演出を行うことができる。
【0025】
第17の発明に係る遊技機は、第1から第7の発明のいずれか1つに係る演出装置と、演出装置が設置される筐体部と、筐体部における正面に設けられており、遊技状態を示す表示部と、筐体部の正面であって表示部の下部に設けられており、遊技者による操作入力が行われる操作デッキと、を備えている。
これにより、遊技機の遊技状態に応じて立体的で多種多様な表示によって演出効果を高めることが可能な演出装置を搭載した遊技機を構成することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る演出装置によれば、立体的で特長的な演出効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態に係る演出装置を搭載した遊技機の構成を示す全体斜視図。
図2図1の演出装置の制御ブロック図。
図3】(a),(b),(c)は、図1の演出装置の向きを、無限鏡ユニット、リールの外周面、ルーレットユニットが、それぞれ正面を向くように切り替えた構成を示す斜視図。
図4】(a),(b),(c)は、図3(a),(b),(c)に対応する向きで配置された演出装置を拡大した斜視図。
図5図3(a),(b),(c)に示すように、演出装置の向きを切り替えるモータを示す部分断面図。
図6】(a)は、図1の演出装置を上面から見た部分断面図。(b)は、その側方から見た部分断面図。
図7図1の演出装置の分解斜視図。
図8図7の演出装置に含まれる無限鏡ユニットの分解斜視図。
図9】(a)は、無限鏡ユニット側の正面図。(b)は(a)のA-A線矢視断面図。
図10】(a)は、無限鏡ユニット側の表示として、LEDを消灯した状態を示す図。(b)は、無限鏡ユニット側の表示として、LEDを点灯させた状態を示す図。
図11図7の演出装置に含まれるリールユニットの分解斜視図。
図12図7の演出装置に含まれるルーレットユニットの分解斜視図。
図13図12のルーレットユニットのより詳細な構成を示す分解斜視図。
図14】(a)は、ルーレットユニット側の正面図。(b)は、B-B線矢視断面図。
図15】(a)は、ルーレットユニット側の表示として、導光板へ光を照射するLEDが消灯、ルーレット板の背面側のLEDが消灯した状態を示す図。(b)は、ルーレットユニット側の表示として、導光板へ光を照射するLEDが消灯、ルーレット板の背面側のLEDが点灯した状態を示す図。
図16】(a)は、ルーレットユニット側の表示として、導光板へ光を照射するLEDが点灯、ルーレット板の背面側のLEDが消灯した状態を示す図。(b)は、ルーレットユニット側の表示として、導光板へ光を照射するLEDが点灯、ルーレット板の背面側のLEDが点灯した状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の一実施形態に係る演出装置10およびこれを備えた遊技機20について、図1図16(b)を用いて説明すれば以下の通りである。
なお、本実施形態では、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0029】
また、出願人は、当業者が本発明を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
本実施形態に係る演出装置10は、図1に示すように、カジノ等の遊技施設に設置されたスロットマシン等の遊技機20の上部に搭載されている。そして、演出装置10は、遊技機20の遊技状態に応じて、電飾および回転による演出効果を発揮する。
【0030】
(1)遊技機20の構成
遊技機20は、図1に示すように、筐体部21と、操作デッキ22とを備えている。
筐体部21は、略直方体形状の部材であって、遊技者が着座する正面側に、遊技状態を表示する表示モニタ21aが設けられている。
表示モニタ21aは、例えば、遊技者の操作によって回転・停止する複数の図柄を表示しており、遊技者の操作によって停止したときの図柄の組み合わせによって役が決定する。これにより、遊技機20は、停止した図柄の組み合わせによって決定された役に応じて賞を付与する。
【0031】
操作デッキ22は、筐体部21の下部において遊技者側に突出するように設けられた部分の上面に設けられている。そして、操作デッキ22には、図1に示すように、LCD(Liquid Crystal Display)22aと、操作ボタン22bと、が設けられている。
LCD22aは、例えば、タッチパネル式の液晶表示装置であって、遊技機20をプレイ中の遊技者からの操作入力を受け付ける。本実施形態では、LCD22aには、例えば、スロットマシンをプレイする遊技者からのベット数の指定操作、抽選図柄の回転等の操作等が入力される。
【0032】
また、LCD22aは、操作デッキ22における右側に隣接配置された操作ボタン22bに対して近接する位置に配置されている。
操作ボタン22bは、遊技機20の操作デッキ22に含まれる遊技機用操作ボタンの一例であって、例えば、表示モニタ21aに表示されている抽選図柄の回転を開始させる際に、スロットマシンをプレイ中の遊技者によって押下される。
【0033】
(2)演出装置10の構成
本実施形態の演出装置10は、図1に示すように、スロットマシン等の遊技機20の筐体部21の上面に設置されている。そして、演出装置10は、遊技機20から信号(例えば、大当たり信号)を受信すると、図2に示す制御部16が、各構成部材に含まれる光源部やモータ13e,14i,15を制御する。より具体的には、演出装置10は、例えば、遊技機20から大当たり信号を受信すると、制御部16が、演出抽選部16bにおける抽選の結果に基づいて演出内容を決定する。そして、演出装置10は、記憶部16aに保存されたプログラムを読み込んで、決定された演出内容に応じて、各構成部材に含まれる光源部(LED(Light Emitting Diode)テープ11d,14ba,14bb、LED基板13b,14j)、モータ13e,14i,15を制御して、多種多様な演出を実施する。
【0034】
具体的には、演出装置10は、図3(a)、図3(b)および図3(c)に示すように、制御部16が、モータ(第3回転駆動部)15(図5参照)を制御して、遊技機20の筐体部21の上面において略鉛直方向に沿った回転軸を中心に回転し、その向きを切り替える。これにより、遊技機20においてプレイ中の遊技者に対して、例えば、そのときの遊技内容に応じて、演出装置10の正面(第2面)、背面(第1面)、側面(外周面)のうち、どの面を向けるかを切り替えることができる。
【0035】
また、演出装置10では、後述するリールユニット13に含まれるモータ13e(図6(b)参照)によって、リール13aを、略円筒状の中心軸を回転軸として回転駆動する。これにより、リールユニット13の回転による演出効果も得ることができる。
さらに、演出装置10では、後述するルーレットユニット14に含まれるモータ14i(図6(a)参照)によって、ルーレット板14cを回転駆動する。これにより、ルーレット板14cの回転および停止によって、ルーレットユニット14における大当たり抽選を実施することができる。
演出装置10は、図4(a)、図4(b)および図4(c)に示すように、無限鏡ユニット11、ベースユニット12、リールユニット13およびルーレットユニット14およびモータ15(図5参照)を備えている。
【0036】
(2-1)無限鏡ユニット11
無限鏡ユニット11は、無限鏡(infinity mirror)としての機能の有するユニットであって、図7に示すように、演出装置10を構成する部材のうち、最も正面(第2面)側に配置されている。
【0037】
無限鏡ユニット11は、図8に示すように、正面側から順に、デフューザ11a、デザインシート11b、カバー11c、LEDテープ(電飾部)11d、反射板11eおよびフレーム11fを有している。
デフューザ11aは、図8に示すように、光透過性を有する略円環状の部材であって、無限鏡ユニット11の正面側の外縁部分に配置されている。デフューザ11aは、LEDテープ11dに含まれるLED11daから照射された光によって点灯することで、光による演出効果を発揮する。
【0038】
デザインシート11bは、図8に示すように、無限鏡ユニット11の正面側の面を構成する略円形のシートであって、LEDテープ11dに含まれるLED11daが非点灯時に、無限鏡ユニット11の正面側に表示される文字等の絵柄が表示される。また、デザインシート11bは、正面側からの光を透過せず、LEDテープ11dや反射板11eが配置された背面側からの光を透過するハーフミラー機能を有している。
【0039】
カバー11cは、略円環状の部材であって、略円環状のLEDテープ11dの内周面側を覆うように配置される。そして、カバー11cは、略円環状のLEDテープ11dに含まれる複数のLED11daに対向する位置に、複数の開口穴11caを有している。
複数の開口穴11caは、図9(a)および図9(b)に示すように、LED11daから照射された光を、内周面側へ通過させる。
【0040】
LEDテープ(電飾部)11dは、リール13aの内部において、デザインシート11bと反射板11eとの間の空間に設けられており所望の方向へ光を照射する。LEDテープ11dは、無限鏡ユニット11の無限鏡としての演出を行う電飾部であって、テープ状の部材の表面に、所定の間隔で配置された複数のLED11daを有している。
LED(第3光源部)11daは、図9(a)および図9(b)に示すように、LEDテープ11dの幅方向において3つずつ配置されており、LEDテープ11dの長手方向において所定の間隔をあけて複数配置されている。これにより、LED11daは、無限鏡ユニット11による無限鏡としての演出を担う光源として使用される。
【0041】
反射板11eは、図8に示すように、デザインシート11bとの間に、LEDテープ11d等を挟み込むように配置されており、正面側において光を反射する。つまり、反射板11eは、LEDテープ11dに含まれるLED11daから照射された光を正面側に向かって反射する。
フレーム11fは、図8に示すように、有底の略円筒状の部材であって、図9(b)に示すように、無限鏡ユニット11の背面側の外縁部分に配置されており、その有底の略円筒状の底部分において背面側から反射板11e等を保持する。
【0042】
本実施形態の演出装置10では、正面側に配置された無限鏡ユニット11によって、様々な演出効果を得ることができる。
具体的には、LEDテープ11dのLED11daが非点灯の状態では、図10(a)に示すように、デザインシート11bに設けられた文字や図柄等を表示させる。
一方、LEDテープ11dのLED11daが点灯した状態では、ハーフミラー機能を有するデザインシート11bと反射板11eとによって、LED11daから照射された光を透過および反射する。これにより、図10(b)に示すように、無限鏡ユニット11の正面側から見て、正面側からみて奥行きがあるような光の演出を行うことができる。
【0043】
(2-2)ベースユニット12
ベースユニット12は、無限鏡ユニット11、リールユニット13およびルーレットユニット14がそれぞれ取り付けられる部材であって、図7に示すように、演出装置10を構成する部材のうち、リールユニット13とともに、無限鏡ユニット11とルーレットユニット14との間に挟み込まれるように配置されている。ベースユニット12は、略円筒状の本体部分を有しており、その内周面側に、回転可能な状態でリールユニット13が配置されている。そして、ベースユニット12は、その正面側に、無限鏡ユニット11が配置され、その背面側に、ルーレットユニット14が配置されている。
【0044】
ベースユニット12は、図7に示す土台部12aの上面側に配置されており、上述したモータ15によって、土台部12aに対して回転する。また、ベースユニット12は、光透過性を有する円筒状の部材であって、その内周面側において回転可能な状態でリールユニット13を内包している。
土台部12aは、図7に示すように、略円環状の部材であって、遊技機20の筐体部21の上面に取り付けられている。土台部12aは、その上面側において、ベースユニット12が回転可能な状態で配置されている。
【0045】
(2-3)リールユニット13
リールユニット13は図7に示すように、演出装置10を構成する部材のうち、ベースユニット12とともに、無限鏡ユニット11とルーレットユニット14との間に挟み込まれるように配置されている。
リールユニット13は、ベースユニット12の略円筒状の内周面側に配置されており、モータ13eによって回転駆動させることで、演出抽選部16bにおける抽選結果に従って、演出装置10側における大当たり抽選を行う。
【0046】
リールユニット13は、図11に示すように、リール(回転体、第1抽選部、筐体部)13a、LED基板(第4光源部、電飾部)13b、軸支部13c、ブラケット13d、モータ(第1回転駆動部)13eおよび回転軸13fを有している。
リール(回転体、第1抽選部、筐体部)13aは、図11に示すように、外周面に大当たり抽選を行う図柄が付された略円筒状の回転体であって、内周面側の空間に設けられたモータ13eによって回転駆動される。
【0047】
なお、リール13aの外周面に付された図柄は、“MAJOR”、“GRAND”、“SUPER GRAND”、“MINOR”等が含まれる。
LED基板(第4光源部、電飾部)13bは、図11に示すように、略円筒状のリール13aの内周面側に固定配置されており、リール13aの内周面側から光を照射する。LED基板13bから照射される光の範囲は、リール13aの外周面に付された大当たり抽選を行う図柄1つのサイズにほぼ一致する。これにより、リール13aの回転が停止した際に、LED基板13bによって光が照射されたリール13aの図柄を抽選結果とすることで、リールユニット13において大当たり抽選を行うことができる。
【0048】
軸支部13cは、図11に示すように、リール13aの側面に対して、複数のネジ13caを用いて固定されており、リール13aの回転中心を支持する。
ブラケット13dは、リール13aを回転駆動するモータ13eが取り付けられており、複数のネジ13daを用いて回転軸13fの端面に対して固定される。
モータ(第1回転駆動部)13eは、リール13aを回転駆動する回転駆動源であって、減速ギア(図示せず)等の複数のギアを介して、リール13aを回転させる。また、モータ13eは、制御部16によって、回転の開始・停止、回転速度、回転方向等が制御される。
回転軸13fは、図11に示すように、リール13aの回転中心となる略円筒状の部材であって、リール13aの内周面側に配置されている。回転軸13fは、ルーレットユニット14側のベース板14aに対して、複数のネジ13faによって固定される。
【0049】
(2-4)ルーレットユニット14
ルーレットユニット14は、図7に示すように、演出装置10を構成する部材のうち、最も背面(第1面)側に配置されている。そして、ルーレットユニット14は、演出装置10の背面側において、大当たり抽選、光や回転による各種演出を行う。
【0050】
ルーレットユニット14は、図12に示すように、ベース板14a、LEDテープ14ba,14bb、ルーレット板(円板状部材、第2抽選部)14c、スペーサ14d、導光板14e、スペーサ14f、透明カバー14g、デフューザ14hを有している。
ベース板14aは、図12に示すように、ルーレットユニット14の背面側を構成する略円筒状の部材であって、ルーレットユニット14の正面側に配置されたデフューザ14hとの間に、LEDテープ14ba,14bb、ルーレット板(円板状部材、第2抽選部)14c、スペーサ14d、導光板14e、スペーサ14fおよび透明カバー14gを保持する。
【0051】
また、ベース板14aは、図13に示すように、凹部14aa、ネジ穴14abおよびネジ穴14acを有している。
凹部14aaは、図13に示すように、ベース板14aの正面側において後述するLED基板14jが取り付けられる凹みであって、LED基板14jの大きさとほぼ一致するように形成されている。
【0052】
ネジ穴14abは、ベース板14aを貫通する貫通孔であって、図13に示すように、後述するモータ14iをベース板14aの背面側に固定するための複数のネジ14iaが螺合する。
ネジ穴14acは、図13に示すように、ベース板14aの正面側においてルーレット板14cを回転可能な状態で支持する軸支部14kを固定する複数のネジ14kaが螺合する。
【0053】
LEDテープ14ba,14bbは、図12に示すように、ルーレットユニット14における演出を行う電飾部であって、テープ状の部材の表面に、所定の間隔で配置された複数のLEDを有している。LEDテープ14ba,14bbは、略円筒状のベース板14aの内周面に貼り付けて円環状に固定されており、内径側に向かって光を照射する複数のLEDが所定の間隔で配置されている。
【0054】
LEDテープ14ba(第5光源部、電飾部)は、図14(a)および図14(b)に示すように、ルーレット板14cの外周側に略円環状に配置されており、ルーレット板14cのルーレット図柄の表面を明るく照らすように、例えば、白色光を照射する。これにより、ルーレットユニット14の正面側から見て、ルーレット板14cを見やすく表示することができる。
【0055】
LEDテープ14bb(第1光源部、電飾部)は、図14(a)および図14(b)に示すように、LEDテープ14baに隣接する正面側の位置に配置されており、後述する導光板14eの端面に対して光を照射する。これにより、LEDテープ14bbのLEDの点灯時には、導光板14eによる表示を行い、消灯時には、導光板14eを透過してその背面側に配置されたルーレット板14cを表示させるように、表示を切り替えることができる。
【0056】
ルーレット板14c(円板状部材、第2抽選部)は、図12および図13に示すように、正面側の表面にルーレット図柄が付された回転する円板状の部材であって、ルーレットユニット14における大当たり抽選を行う。ルーレット図柄としては、例えば、それぞれ扇形のエリアに付された“200”、“300”・・・“3000”等の数字や、“CHANCE”等の文字が含まれる。
【0057】
スペーサ14dは、図12に示すように、ルーレット板14cと導光板14eとの間に所定の隙間を形成するために設けられた略円環状の部材であって、ルーレット板14cと導光板14eとの間に配置されている。
導光板14eは、図12に示すように、ルーレットユニット14における光の演出を行う電飾部の一つを構成する略円板状の部材であって、LEDテープ14bbから照射された光が入射する端面(入射面)と、端面から入射した光を出射する正面(出射面)と、を有している。導光板14eは、ルーレット板14cのルーレット図柄が形成された正面側に配置されている。そして、導光板14eの端面に、LEDテープ14bbから光が入射すると、図12に示すように、導光板14eの内部に設けられた複数のプリズム(図示せず)による反射によって、導光板14eは正面側から見て所定の表示“BIGDORUM WHEEL”を表示する。
【0058】
このとき、導光板14eは、ルーレットユニット14を正面から見て、ルーレット板14cよりも前面側に配置されている。このため、導光板14eの端面にLEDテープ14bbから光が入射している状態では、ルーレット板14cのルーレット図柄は導光板14eによって隠され、導光板14eの図柄が表示される。一方、導光板14eの端面にLEDテープ14bbから光が入射していない状態では、導光板14eは光透過性を有しているため、背面側に配置されたルーレット板14cのルーレット図柄が表示される。
【0059】
このとき、ルーレット図柄の表面は、LEDテープ14baから照射される白色光によって明るく照らされているため、正面から見て、ルーレット図柄をはっきりと視認することができる。
なお、このような背面側に配置された図柄等の表示/非表示を切り替えるシャッターとしての機能を持つ導光板が、例えば、上述したリール13aの外周面に付された図柄の前面に1つずつ設けられた構成であってもよい。
【0060】
この場合には、抽選結果を示す位置にある導光板の入射面に光を入射させることなくほぼ透明な状態とすることで、抽選結果を表示することができるとともに、抽選結果を示す他の位置にある導光板については、入射面に光を入射させて出射面から光を出射させて背面側にあるリールの図柄を見えなくすることができる。
スペーサ14fは、図12に示すように、導光板14eの正面とデフューザ14hとの間に所定の隙間を形成するために設けられた略円環状の部材であって、導光板14eとデフューザ14hとの間に配置されている(図14(b)参照)。
【0061】
透明カバー14gは、図12に示すように、ルーレットユニット14における正面側を覆う透明な円形の板状部材であって、その外縁部分をデフューザ14hによって固定されている。
デフューザ14hは、図12に示すように、ルーレットユニット14における最も正面側に配置された光透過性を有する略円環状の部材であって、LEDから照射された光によって点灯することで、光による演出効果を発揮する。
【0062】
さらに、ルーレットユニット14は、図13に示すように、モータ(第2回転駆動部)14i、LED基板(電飾部)14j、軸支部14k、カバー14lおよび蓋14mを有している。
モータ14i(第2回転駆動部)は、ルーレット板14cを回転駆動するための回転駆動源であって、図13に示すように、ベース板14aの背面側に、複数のネジ14iaを用いて固定されている。また、モータ14iは、制御部16によって、回転の開始・停止、回転速度、回転方向等が制御される。
【0063】
LED基板(電飾部)14jは、図13に示すように、ベース板14aの正面側に形成された凹部14aaに取り付けられている。LED基板14jは、ベース板14aの正面側に配置されたルーレット板14cのルーレット図柄のうち、12時の方向に停止した一部の図柄に対してルーレット板14cの背面側から光を照射する複数のLED(第2光源部)14jaを有している。
【0064】
LED14jaは、図14(a)および図14(b)に示すように、ルーレット板14cの背面側に配置されており、ルーレット板14cのルーレット図柄の12時の方向に停止した図柄を照射するように光を照射する。
これにより、ルーレット板14cを回転させて停止した際に12時の方向に停止したルーレット図柄を抽選結果とすることができる。
【0065】
軸支部14kは、図13に示すように、ルーレット板14cを回転可能な状態で、ルーレット板14cの正面側からその中心部分を支持する部材であって、複数のネジ14kaがネジ穴14acに螺合することで、ベース板14a側に固定されている。
カバー14lは、図13に示すように、軸支部14kを覆うように取り付けられており、1つのネジ14laによって、軸支部14kに固定されている。
蓋14mは、図13に示すように、ルーレット板14cの中心軸を構成する部材のうち、最も正面側に配置されており、カバー14lのネジ14laの部分を覆うように取り付けられている。
【0066】
(2-5)モータ15
モータ15は、上述したように、演出装置10を遊技機20の筐体部21の上面において回転駆動する回転駆動源であって、図5に示すように、ベースユニット12の土台部12aの下面側に配置されている。モータ15は、演出装置10全体を、遊技機20の筐体部21の上面において回転させる。
【0067】
また、モータ15は、制御部16によって、回転の開始・停止、回転速度、回転方向等が制御される。
これにより、モータ15が、遊技機20をプレイ中の遊技者に対向する正面の位置に、無限鏡ユニット11を向けたり、その反対側のルーレットユニット14を向けたり、その側面のリールユニット13のリール13a側を向けたり、演出装置10の向きを切り替えることができる。
また、モータ15が連続的に演出装置10全体を回転させることで、無限鏡ユニット11による無限鏡としての演出、リールユニット13およびルーレットユニット14の回転および光の演出等の各種演出効果をさらに効果的に高めることができる。
【0068】
<制御部16による光の演出制御>
本実施形態の演出装置10では、図2に示すように、制御部16が、無限鏡ユニット11、ベースユニット12、リールユニット13およびルーレットユニット14に含まれる各光源(LED11da,14ja等)を制御して、光の演出を行う。
【0069】
具体的には、制御部16は、例えば、遊技機20の遊技状態(大当たり抽選の結果等)に応じて、導光板14eの入射面への光の点灯/非点灯により、リール13aの略円形の面において複数の図柄の表示を切り替えるように、LEDテープ14bbを制御する。
例えば、制御部16が、導光板14eに対して光を照射しないようにLEDテープ14bbを制御すると、図15(a)に示すように、導光板14eを透過して、導光板14eの背面側に配置されたルーレット板14cのルーレット図柄が表示される。
【0070】
このとき、LEDテープ14baがルーレット板14cの表面を白色光によって照明することで、ルーレットユニット14を正面側から見て、ルーレット板14cのルーレット図柄をはっきりと視認することができる。
また、このとき、制御部16は、ルーレット板14cのルーレット図柄の一部を抽選結果として表示させるように、LED基板14jのLED14jaを制御する。
【0071】
本実施形態では、ルーレットユニット14における抽選は、図15(b)に示すように、ルーレット板14cの12時の方向に停止した図柄が、背面側に配置されたLED基板14jのLED14jaによって照明されて、抽選結果として表示される。
一方、例えば、制御部16が、導光板14eに対して光を照射するようにLEDテープ14bbを制御すると、図16(a)に示すように、導光板14eに所定のパターンに沿って配列されLEDテープ14bbから入射面に発せられた光を所定の方向へ反射する複数のプリズムによって反射された光によって所定の図柄が表示される。
【0072】
これにより、導光板14eに所定のパターンに沿って配列されLEDテープ14bbから入射面に発せられた光を所定の方向へ反射する複数のプリズムによって反射された光によって、所定の図柄が表示される。そして、この状態で、制御部16が、ルーレット板14cのルーレット図柄の一部を表示させるようにLED基板14jのLED14jaを制御して、LEDテープ14bbから導光板14eに対して入射する光よりも大きい光量で光が照射される。
【0073】
これにより、図16(b)に示すように、所定の図柄の一部を透過してルーレット板14cのルーレット図柄の一部が表示される。よって、遊技機20の遊技者は、ルーレット板14cのルーレット図柄の一部の抽選結果を表示する部分のみが表示されるため、大当たり抽選時の遊技者のドキドキ感を高めることができる。
このとき、ルーレット板14cの回転中に、ルーレット板14cのルーレット図柄を表示したり隠したりするように、LEDテープ14bbから導光板14eの端面への光の点灯/消灯を切り替えるように制御されてもよい。
【0074】
これにより、遊技者は、より一層、ルーレットユニット14における抽選結果を待つ間のドキドキ感を増大させることができる。
さらに、制御部16は、ルーレットユニット14側の面において、導光板14eに対して光を照射しないようにLEDテープ14bbを制御することで、導光板14eを透過して、導光板14eの背面側に配置されたルーレット板14cのルーレット図柄が表示される。そして、制御部16は、この状態で、ルーレット図柄の表面に白色光を照射するように、LEDテープ14baを制御する。
【0075】
これにより、ルーレットユニット14側の面に表示されるルーレット板14cが明るく照明されるため、遊技機20をプレイ中の遊技者はルーレット板を見やすくなる。
また、制御部16は、無限鏡ユニット11において、無限鏡としての演出を行うために、LEDテープ11dのLED11daの点灯/消灯を制御する。
これにより、図10(a)に示すデザインシート11bに形成された図柄の表示と、図10(b)に示す無限鏡として奥行きがあるかのような光による表示と、を切り替えて演出効果を得ることができる。
【0076】
<主な特徴1>
本実施形態の演出装置10は、遊技機20に設置されており、リール13aと、モータ13eと、ルーレット板14cと、モータ14iと、LEDテープ14ba,14bbと、を備えている。リール13aは、略円筒形状を有し回転軸を中心にして回転するとともに、略円形の正面と、正面に対向配置された背面と、正面と背面とを接続する外周面とを有する。モータ13e、リール13aを、略円筒形状の中心軸を中心に回転させる。ルーレット板14cは、背面側から見て、リール13aの内部に設けられ、ルーレットの図柄が形成されている。モータ14iは、ルーレット板14cの中心を回転中心として回転させる。LEDテープ14ba,14bbは、リール13aに設けられており、光による演出を行う。
【0077】
これにより、リール13aの回転、リール13aの内部に設けられたルーレット板14cの回転、リール13aに設けられたLEDテープ14ba,14bbによる光の演出を組み合わせることで、液晶表示パネル等を用いることなく、遊技機20の遊技状態に合わせて多種多様な演出を実施することができる。
この結果、立体的で特長的な演出効果を得ることができる。
【0078】
<主な特徴2>
本実施形態の演出装置10は、遊技機20に設置されており、リール13aと、ルーレット板14cと、モータ14iと、LEDテープ14bbと、導光板14eと、制御部16と、を備えている。ルーレット板14cは、リール13aに設けられており、前面に第1図柄が形成されている。モータ14iは、ルーレット板14cの中心を回転中心として回転させる。LEDテープ14bbは、リール13aにおけるルーレット板14cの前面側に設けられており、所定の方向へ光を照射する。導光板14eは、リール13aにおけるルーレット板14cの前面側に設けられており、LEDテープ14bbから照射された光が入射する入射面と、入射面から入射した光を出射する出射面と、を有する。制御部16は、遊技機20の遊技状態に応じて、導光板14eの入射面への光の点灯/非点灯により、導光板14eによる表示とルーレット板14cのルーレット図柄の表示とを切り替えるように、LEDテープ14bbを制御する。
【0079】
ここでは、例えば、カジノ等の遊技施設に設置された遊技機20に搭載され各種演出を行う演出装置10において、ルーレット図柄が描かれたルーレット板14cの前面側に、LEDテープ14bbからの光が入射すると所望の表示を行う導光板14eが配置されており、遊技機20の遊技状態等の各種条件に応じて、導光板14eへの光の点灯/非点灯が切り替えられる。
【0080】
これにより、導光板14eの入射面に対してLEDテープ14bbから光を入射させることで導光板14eに所望の表示を行うとともに、LEDテープ14bbを非点灯とすることで、導光板14eを透過して、導光板14eの背面側に配置されたルーレット板14cのルーレット図柄を表示させることができる。
よって、LEDテープ14bbにおける光の点灯/非点灯を切り替えることで、導光板14eによる表示と、ルーレット板14cのルーレット図柄の表示とを切り替えることができる。
この結果、立体的で特長的な演出効果を得ることができる。
【0081】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、遊技機20からの大当たり信号を受信すると、制御部16の演出抽選部16bが、演出装置10においてどのような演出を行うかを決定し、その決定に基づいて、各光源部および各モータの制御を実施して、多種多様な演出効果を発揮する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、演出装置が遊技機の構成の1つとして搭載されており、遊技機側の制御部によって制御される構成であってもよい。
【0082】
(B)
上記実施形態では、演出装置10の制御部16が、LEDテープ11d,14ba,14bbおよびLED基板13b,14jの点灯/非点灯を制御する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、光源部ごとに別々の制御部が設けられた構成であってもよい。
【0083】
(C)
上記実施形態では、演出装置10の制御部16が、3つのモータ13e,14i,15を回転制御する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、モータごとに別々の制御部が設けられた構成であってもよい。
【0084】
(D)
上記実施形態では、略円筒状のリール(回転体)13aの外周面に大当たり抽選を行う図柄が表示されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、回転体の外周面には、大当たり抽選以外に、遊技者の遊技への没入感を高めるような図柄が表示されていてもよい。
【0085】
(E)
上記実施形態では、リール(回転体)13aの一方の側面に、回転駆動され大当たり抽選を行うルーレット板14cが設けられている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、ルーレット板の表面には、大当たり抽選以外に、遊技者の遊技への没入感を高めるような図柄が表示されていてもよい。
【0086】
(F)
上記実施形態では、リール(回転体)13aの他方の側面に、無限鏡ユニット11が配置された例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、回転体の側面に配置される電飾部としては、無限鏡ユニット以外の電飾機能を有する電飾ユニットであってもよい。
【0087】
(G)
上記実施形態では、無限鏡ユニット11のデザインシート11bに所定の文字“OMRON”と表示されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、デザインシートに表示される内容は、他の文字情報であってもよいし、図柄、画像等の他の表示内容であってもよい。
【0088】
(H)
上記実施形態では、演出装置10が搭載される遊技機として、スロットマシンを用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、演出装置が、スロットマシン以外のゲーミングマシンに対して搭載された構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明の演出装置は、立体的で特長的な演出効果を得ることができるという効果を奏することから、各種装置に搭載される演出装置として広く適用可能である。
【符号の説明】
【0090】
10 演出装置
11 無限鏡ユニット
11a デフューザ
11b デザインシート
11c カバー
11ca 開口穴
11d LEDテープ(電飾部)
11da LED(第3光源部)
11e 反射板
11f フレーム
12 ベースユニット
12a 土台部
13 リールユニット
13a リール(回転体、第1抽選部)
13b LED基板(第4光源部、電飾部)
13c 軸支部
13ca ネジ
13d ブラケット
13da ネジ
13e モータ(第1回転駆動部)
13f 回転軸
13fa ネジ
14 ルーレットユニット
14a ベース板
14aa 凹部
14ab ネジ穴
14ac ネジ穴
14ba LEDテープ(第5光源部、電飾部)
14bb LEDテープ(第1光源部、電飾部)
14c ルーレット板(円板状部材、第2抽選部)
14d スペーサ
14e 導光板
14f スペーサ
14g 透明カバー
14h デフューザ
14i モータ(第2回転駆動部)
14ia ネジ
14j LED基板(電飾部)
14ja LED(第2光源部)
14k 軸支部
14ka ネジ
14l カバー
14la ネジ
14m 蓋
15 モータ(第3回転駆動部)
16 制御部(第1・第2・第3・第4・第5表示制御部)
16a 記憶部
16b 演出抽選部
20 遊技機
21 筐体部
21a 表示モニタ(表示部)
22 操作デッキ
22a LCD(液晶表示パネル)
22b 操作ボタン
図1
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図3
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