(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023168706
(43)【公開日】2023-11-29
(54)【発明の名称】スクリュープレスおよびスクリュープレスの運転状態を判断する方法
(51)【国際特許分類】
B30B 9/16 20060101AFI20231121BHJP
C02F 11/125 20190101ALI20231121BHJP
B01D 29/17 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
B30B9/16 ZAB
C02F11/125
B01D29/30 501
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022079971
(22)【出願日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】591030651
【氏名又は名称】水ing株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100091498
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(72)【発明者】
【氏名】森本 雄也
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 晃人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 真祐子
(72)【発明者】
【氏名】島本 仙
【テーマコード(参考)】
4D059
4D116
【Fターム(参考)】
4D059AA03
4D059BE04
4D059BE15
4D059BE26
4D059CB06
4D059CB07
4D059EA20
4D116BB01
4D116BC27
4D116BC45
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4D116GG02
4D116KK04
4D116QA55C
4D116QA55F
4D116QC04A
4D116QC08A
4D116QC39
4D116VV12
(57)【要約】
【課題】スクリュープレスの運転状態を精度よく判断することができるスクリュープレスが提供される。
【解決手段】スクリュープレスSPは、液体含有物の、ろ過筒1に対する圧力を検出する複数の圧力センサ40を備えている。複数の圧力センサ40は、第1スクリューエリアPt、第2スクリューエリアPp、および切り替わりエリアPyのうちの少なくとも2つのエリアに配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体含有物が投入されるろ過筒と、
前記ろ過筒内に配置された、互いに独立して回転する第1スクリューおよび第2スクリューと、
前記液体含有物の、前記ろ過筒に対する圧力を検出する複数の圧力センサと、を備え、
前記ろ過筒のエリアを、前記第1スクリューが配置された第1スクリューエリアと、前記第2スクリューが配置された第2スクリューエリアと、前記第1スクリューエリアと前記第2スクリューエリアとの間の切り替わりエリアと、に区画した場合、前記複数の圧力センサは、前記第1スクリューエリア、前記第2スクリューエリア、および前記切り替わりエリアのうちの少なくとも2つのエリアに配置されている、スクリュープレス。
【請求項2】
前記複数の圧力センサのそれぞれは、前記第1スクリューエリア、前記第2スクリューエリア、および前記切り替わりエリアのそれぞれに配置されている、請求項1に記載のスクリュープレス。
【請求項3】
前記第1スクリューは、第1スクリュー羽根を有しており、
前記複数の圧力センサのいずれかは、前記切り替わりエリアに隣接する前記第1スクリュー羽根のピッチ以内の前記第1スクリューエリアに配置されている、請求項1または請求項2に記載のスクリュープレス。
【請求項4】
前記第2スクリューは、第2スクリュー羽根を有しており、
前記複数の圧力センサのいずれかは、前記切り替わりエリアに隣接する前記第2スクリュー羽根のピッチ以内の前記第2スクリューエリアに配置されている、請求項1または請求項2に記載のスクリュープレス。
【請求項5】
前記複数の圧力センサのいずれかは、前記ろ過筒の上流側端部に形成された、前記液体含有物の投入口に隣接する前記第1スクリューエリアに配置されている、請求項1または請求項2に記載のスクリュープレス。
【請求項6】
前記スクリュープレスは、前記複数の圧力センサの少なくとも1つを前記ろ過筒に取り付けるセンサ台座を備えており、
前記センサ台座は、前記ろ過筒の外面に固定されている、請求項1または請求項2に記載のスクリュープレス。
【請求項7】
前記センサ台座は、前記センサ台座に取り付けられる圧力センサのセンサ測定部が前記ろ過筒の内面から突出しない厚さを有している、請求項6に記載のスクリュープレス。
【請求項8】
液体含有物が投入されるろ過筒内に配置された、互いに独立して回転する第1スクリューおよび第2スクリューを備えるスクリュープレスの運転状態を判断する方法であって、
前記ろ過筒のエリアを、前記第1スクリューが配置された第1スクリューエリアと、前記第2スクリューが配置された第2スクリューエリアと、前記第1スクリューエリアと前記第2スクリューエリアとの間の切り替わりエリアと、に区画した場合、前記第1スクリューエリア、前記第2スクリューエリア、および前記切り替わりエリアのうちの少なくとも2つのエリアに配置された複数の圧力センサによって検出された信号に基づいて、前記液体含有物の、前記ろ過筒に対する圧力を測定し、
前記測定された圧力に基づいて、前記スクリュープレスの運転状態を判断する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリュープレスおよびスクリュープレスの運転状態を判断する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、上下水処理場、し尿処理場などの液体処理施設から排出される汚泥(液体含有物)を圧搾して、該汚泥から水を分離する(すなわち、脱水する)装置として、スクリュープレスが知られている。
【0003】
このスクリュープレスは、スクリーン(多孔板)から形成されたろ過筒と、ろ過筒の内部に配置されたスクリューと、を備える。スクリューは、ろ過筒に投入された汚泥を圧搾し、脱水する。脱水された汚泥(ケーキ)は、ろ過筒の排出側端部から排出される。ケーキは、その含水率ができる限り低下した状態で、ろ過筒の排出側端部から排出されることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ろ過筒に投入された汚泥の状態を判断する方法として、スクリューのトルクおよび電流値を測定することにより、汚泥の状態を判断する方法が考えられる。しかしながら、このような方法では、投入された汚泥の処理量により、スクリューの回転速度が変化し、これに伴い、スクリューのトルクおよび電流値も変化する。したがって、このような物理量(すなわち、トルクおよび電流値)のみに基づいてスクリュープレスの運転状態を判断することは困難である。さらにスクリューのトルクおよび電流値の変化量は小さいため、スクリュープレスの運転状態を精度よく判断することは困難である。
【0006】
そこで、本発明は、スクリュープレスの運転状態を精度よく判断することができるスクリュープレスと、スクリュープレスの運転状態を判断する方法と、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、液体含有物が投入されるろ過筒と、前記ろ過筒内に配置された、互いに独立して回転する第1スクリューおよび第2スクリューと、前記液体含有物の、前記ろ過筒に対する圧力を検出する複数の圧力センサと、を備えるスクリュープレスが提供される。前記ろ過筒のエリアを、前記第1スクリューが配置された第1スクリューエリアと、前記第2スクリューが配置された第2スクリューエリアと、前記第1スクリューエリアと前記第2スクリューエリアとの間の切り替わりエリアと、に区画した場合、前記複数の圧力センサは、前記第1スクリューエリア、前記第2スクリューエリア、および前記切り替わりエリアのうちの少なくとも2つのエリアに配置されている。
【0008】
一態様では、前記複数の圧力センサのそれぞれは、前記第1スクリューエリア、前記第2スクリューエリア、および前記切り替わりエリアのそれぞれに配置されている。
一態様では、前記第1スクリューは、第1スクリュー羽根を有しており、前記複数の圧力センサのいずれかは、前記切り替わりエリアに隣接する前記第1スクリュー羽根のピッチ以内の前記第1スクリューエリアに配置されている。
一態様では、前記第2スクリューは、第2スクリュー羽根を有しており、前記複数の圧力センサのいずれかは、前記切り替わりエリアに隣接する前記第2スクリュー羽根のピッチ以内の前記第2スクリューエリアに配置されている。
【0009】
一態様では、前記複数の圧力センサのいずれかは、前記ろ過筒の上流側端部に形成された、前記液体含有物の投入口に隣接する前記第1スクリューエリアに配置されている。
一態様では、前記スクリュープレスは、前記複数の圧力センサの少なくとも1つを前記ろ過筒に取り付けるセンサ台座を備えており、前記センサ台座は、前記ろ過筒の外面に固定されている。
一態様では、前記センサ台座は、前記センサ台座に取り付けられる圧力センサのセンサ測定部が前記ろ過筒の内面から突出しない厚さを有している。
【0010】
一態様では、液体含有物が投入されるろ過筒内に配置された、互いに独立して回転する第1スクリューおよび第2スクリューを備えるスクリュープレスの運転状態を判断する方法が提供される。スクリュープレスの運転状態を判断する方法は、前記ろ過筒のエリアを、前記第1スクリューが配置された第1スクリューエリアと、前記第2スクリューが配置された第2スクリューエリアと、前記第1スクリューエリアと前記第2スクリューエリアとの間の切り替わりエリアと、に区画した場合、前記第1スクリューエリア、前記第2スクリューエリア、および前記切り替わりエリアのうちの少なくとも2つのエリアに配置された複数の圧力センサによって検出された信号に基づいて、前記液体含有物の、前記ろ過筒に対する圧力を測定し、前記測定された圧力に基づいて、前記スクリュープレスの運転状態を判断する。
【発明の効果】
【0011】
スクリュープレスは、第1スクリューエリア、第2スクリューエリア、および切り替わりエリアのうちの少なくとも2つのエリアに配置された複数の圧力センサに基づいて、スクリュープレスの運転状態を判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】スクリュープレスの一実施形態を示す模式図である。
【
図2】第1スクリューエリアに配置された圧力センサを示す図である。
【
図3】第2スクリューエリアに配置された圧力センサを示す図である。
【
図4】
図4(a)および
図4(b)は、切り替わりエリアに配置された圧力センサを示す図である。
【
図5】第1スクリューエリアに配置された圧力センサを示す図である。
【
図6】スクリーンケーシングに取り付けられた圧力センサを示す図である。
【
図7】第2スクリューの他の実施形態を示す図である。
【
図8】スクリュープレスの運転時における汚泥の圧力の変化を示す図である。
【
図9】スクリュープレスの運転時における汚泥の圧力の変化を示す図である。
【
図10】スクリュープレスの運転時における汚泥の圧力の変化を示す図である。
【
図11】スクリュープレスの運転時における汚泥の圧力の変化を示す図である。
【
図12】汚泥の圧力と汚泥の含水率との相関関係を示す図である。
【
図13】スクリュープレスの運転状態に異常が発生した場合における圧力測定値の変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、スクリュープレスの一実施形態を示す模式図である。
図1に示すスクリュープレスSPは、円筒状のスクリーンケーシング(ろ過筒)1と、スクリーンケーシング1内で、スクリーンケーシング1と同心状に配置され、汚泥(液体含有物)を所定の移送方向Dに移送する第1スクリュー3および第2スクリュー4と、第1スクリュー3を回転させる第1回転機構7と、第1スクリュー3とは独立に第2スクリュー4を回転させる第2回転機構20と、を備えている。
【0014】
スクリーンケーシング1は、パンチングメタルなどのスクリーン(多孔板)から形成されており、外筒および内筒を有する二重構造を有している。スクリーンケーシング1の構造については、後述する。
【0015】
スクリーンケーシング1の上流側端部には、汚泥の投入口2が形成されている。投入口2からスクリーンケーシング1に投入された汚泥は、回転する第1スクリュー3および第2スクリュー4により、スクリーンケーシング1内で所定の移送方向Dに移送される。さらに、スクリュープレスSPは、第1回転機構7と第2回転機構20の動作を制御する制御部6を備えている。
【0016】
第2スクリュー4は、第1スクリュー3とは独立に回転可能なように、第1スクリュー3に連結されている。第1スクリュー3および第2スクリュー4は、スクリーンケーシング1および排出チャンバー33をそれぞれ貫通して延びている。排出チャンバー33は、スクリーンケーシング1に接続されている。この排出チャンバー33に、後述するプラグケーキがスクリーンケーシング1から排出される。第2スクリュー4の軸方向の長さは、第1スクリューの軸方向の長さよりも短い。
【0017】
第1スクリュー3は、汚泥の移送方向Dにおける下流側に向かってその径が徐々に大きくなる円錐台形状(テーパ形状)の第1スクリュー軸3Aと、第1スクリュー軸3Aの外面に固定された第1スクリュー羽根3Bと、を有している。第2スクリュー4は、円筒形状の第2スクリュー軸4Aと、第2スクリュー軸4Aの外面に固定された第2スクリュー羽根4Bと、を有している。第2スクリュー4は、汚泥の移送方向Dにおいて第1スクリュー3の下流側に配置されている。
【0018】
スクリーンケーシング1の上流側の端部は閉塞壁8によって密封されている。第1スクリュー軸3Aの一方の端部(移送方向Dにおける上流側端部)はこの閉塞壁8を貫通して延びている。この閉塞壁8には、閉塞壁8と第1スクリュー軸3Aとの間の隙間をシールする水封装置10が設置されている。閉塞壁8を貫通して延びる第1スクリュー軸3Aの上流側端部は、ベース(図示せず)に設置された軸受11,12により軸方向の移動を拘束されながら回転自在に支持されている。なお、軸受11,12の一方を省略することができる。
【0019】
第1スクリュー軸3Aの上流側端部は、第1スクリュー3を回転させるための第1回転機構7に連結されている。本実施形態では、第1回転機構7は、第1駆動機(例えば、電動機)14と、第1駆動機14の回転軸に固定されたスプロケット15と、第1スクリュー軸3Aに固定されたスプロケット16と、これらスプロケット15,16に巻きかけられたチェーン17と、を備える。
【0020】
スプロケット16は、上記軸受11,12の間に位置している。第1回転機構7の第1駆動機14を駆動すると、この第1駆動機14の回転軸に固定されたスプロケット15が回転し、チェーン17を介して第1スクリュー軸3Aに固定されたスプロケット16を回転させる。その結果、第1スクリュー3が第1回転機構7により回転させられる。第1駆動機14は、制御部6に接続され、制御部6は、第1駆動機14の動作を制御することができるように構成されている。
【0021】
図示はしないが、第1駆動機14の回転軸を、減速機を介して第1スクリュー軸3Aに連結してもよい。あるいは、第1駆動機14の回転軸を、直接第1スクリュー軸3Aに連結してもよい。
【0022】
第2スクリュー4の第2スクリュー軸4Aは、第1スクリュー軸3Aと同心状に配置される。第2スクリュー軸4Aの外径は第1スクリュー軸3Aの最大径と同一である。第2スクリュー軸4Aには、排出チャンバー33の内壁33Aを貫通して延びる縮径部4Fが形成されている。縮径部4Fを第2スクリュー軸4Aに形成することにより、第2スクリュー軸4Aには、その軸方向と垂直な壁面4Dが形成される。
【0023】
第2スクリュー軸4Aの上流側端部は、図示しないすべり軸受を介して第1スクリュー軸3Aに回転自在に支持され、第2スクリュー軸4Aの下流側端部は、ベース(図示せず)に設置された軸受22,23により軸方向の移動を拘束されながら回転自在に支持されている。なお、軸受23を省略することができる。
【0024】
第2スクリュー軸4Aの下流側端部は、第2スクリュー4を回転させるための第2回転機構20に連結されている。本実施形態では、第2回転機構20は、第2駆動機(例えば、電動機)24と、第2駆動機24の回転軸に固定されたスプロケット25と、第2スクリュー軸4Aに固定されたスプロケット26と、これらスプロケット25,26に巻きかけられたチェーン27と、を備える。
【0025】
スプロケット26は、軸受22,23の間の位置している。第2回転機構20の第2駆動機24を駆動すると、この第2駆動機24の回転軸に固定されたスプロケット25が回転し、チェーン27を介して第2スクリュー軸4Aに固定されたスプロケット26を回転させる。その結果、第2スクリュー4が第2回転機構20により回転させられる。
【0026】
第2駆動機24は、上記制御部6に接続される。第2駆動機24には、インバータ(図示せず)が内蔵されており、制御部6は、インバータを介して第2駆動機24の動作を制御することができるように構成されている。すなわち、制御部6は、インバータを介して第2駆動機24の回転速度および回転方向を制御することができる。第2駆動機24は、第2スクリュー4を第1スクリュー3とは独立して回転させることが可能である。なお、上記第1駆動機14も、該第1駆動機14の回転速度および回転方向を変更可能なインバータを内蔵していることが好ましい。
【0027】
図示はしないが、第2駆動機24の回転軸を、減速機を介して第2スクリュー軸4Aに連結してもよい。あるいは、第2駆動機24の回転軸を、直接第2スクリュー軸4Aに連結してもよい。
【0028】
第1スクリュー羽根3Bは、第1スクリュー軸3Aの軸方向に沿って螺旋状に延びており、第2スクリュー羽根4Bは、第2スクリュー軸4Aの軸方向に沿って螺旋状に延びている。第1スクリュー羽根3Bが固定されている第1スクリュー3の部分と、第2スクリュー羽根4Bが固定されている第2スクリュー4の部分を合計した長さは、スクリーンケーシング1の軸方向の長さと同一か、または長い。
【0029】
スクリーンケーシング1の内面(より具体的には、後述する内筒5B)と第1スクリュー羽根3Bとの間には微小な隙間が形成されており、第1スクリュー羽根3Bはスクリーンケーシング1に接触することなく回転することができるようになっている。同様に、スクリーンケーシング1の内面と第2スクリュー羽根4Bとの間には微小な隙間が形成されており、第2スクリュー羽根4Bはスクリーンケーシング1に接触することなく回転することができるようになっている。
【0030】
回転する第1スクリュー羽根3Bおよび第2スクリュー羽根4Bは、スクリーンケーシング1の上流側端部に形成された投入口2からスクリーンケーシング1に投入された汚泥を排出チャンバー33に向かって(すなわち、移送方向Dに)移送することができる。
【0031】
本実施形態では、第2スクリュー羽根4Bの巻き方向(すなわち、螺旋方向)は、第1スクリュー羽根3Bの巻き方向とは逆である。したがって、投入口2から投入された汚泥を、排出チャンバー33へ送り出すときは、
図1に示すように、第2スクリュー4を第1スクリュー3とは逆方向に回転させることになる。
【0032】
一実施形態では、第2スクリュー羽根4Bの巻き方向を、第1スクリュー羽根3Bの巻き方向と同一にしてもよい。この場合、投入口2から投入された汚泥を、排出チャンバー33へ送り出すときは、第2スクリュー4を第1スクリュー3と同方向に回転させることになる。
【0033】
図1に示すように、スクリーンケーシング1は、第1スクリュー3が配置された脱水領域1Aと、第2スクリュー4が配置されたプラグ形成領域1Bと、に分割される。脱水領域1Aで汚泥が移送される空間は、スクリーンケーシング1の内面と、第1スクリュー羽根3Bと、第1スクリュー軸3Aと、によって形成される。
【0034】
この移送空間の断面積は、
図1に示すように、汚泥の移送方向Dに沿って漸次減少する。したがって、投入口2から投入された汚泥がこの移送空間を第1スクリュー羽根3Bによって移送されるに従って、汚泥は圧搾され、脱水される。スクリーンケーシング1のスクリーン(多孔板)を通過したろ液は、スクリーンケーシング1の下方に配置されたろ液受け38によって回収される。ろ液受け38には、ドレイン39が接続されており、ろ液受け38によって回収されたろ液は、ドレイン39を介してスクリュープレスSPから排出される。
【0035】
プラグ形成領域1Bで汚泥が移送される空間は、スクリーンケーシング1の内面と、第2スクリュー羽根4Bと、第2スクリュー軸4Aと、によって形成される。
図1に示すように、この移送空間の断面積は一定である。プラグ形成領域1Bでは、脱水領域1Aで脱水された汚泥(すなわち、ケーキ)によって、プラグケーキが形成される。
【0036】
上述したように、第1スクリュー3および第2スクリュー4のトルクおよび電流値に基づいて、スクリュープレスSPの運転状態を精度よく判断することは困難である。そこで、本実施形態では、スクリュープレスSPは、汚泥の、スクリーンケーシング1に対する圧力を検出する複数の圧力センサ40(40A,40B,40C,40D)を備えている。
【0037】
複数の圧力センサ40のそれぞれは、制御部6に電気的に接続されている。したがって、制御部6は、複数の圧力センサ40のそれぞれから送られる信号に基づいて、汚泥の、スクリーンケーシング1に対する圧力を測定し、測定した圧力に基づいてスクリュープレスSP(より具体的には、第1スクリュー3および第2スクリュー4)の運転状態を判断するように構成されている。
【0038】
図1に示すように、スクリーンケーシング1は、第1スクリュー3が配置された第1スクリューエリアPtと、第2スクリュー4が配置された第2スクリューエリアPpと、第1スクリューエリアPtと第2スクリューエリアPpとの間の切り替わりエリアPyと、に区画される。
【0039】
図1に示す実施形態では、複数の圧力センサ40のそれぞれは、第1スクリューエリアPt、第2スクリューエリアPp、および切り替わりエリアPyのそれぞれに配置されている。より具体的には、圧力センサ40A,40Dは第1スクリューエリアPtに配置されており、圧力センサ40Bは第2スクリューエリアPpに配置されており、圧力センサ40Cは切り替わりエリアPyに配置されている。
【0040】
一実施形態では、スクリュープレスSPは、第1スクリューエリアPt、第2スクリューエリアPp、および切り替わりエリアPyのうちの少なくとも2つのエリアに配置された少なくとも2つの圧力センサ40を備えてもよい。このような構成においても、スクリュープレスSPは、その運転状態を判断することができる。
【0041】
第1の例として、圧力センサ40は、第1スクリューエリアPtと、第2スクリューエリアPp(または切り替わりエリアPy)と、に配置されてもよい。第2の例として、圧力センサ40は、第2スクリューエリアPpと、第1スクリューエリアPt(または切り替わりエリアPy)と、に配置されてもよい。第3の例として、圧力センサ40は、切り替わりエリアPyと、第1スクリューエリアPt(または第2スクリューエリアPp)と、に配置されてもよい。以下、圧力センサ40の取り付け位置の詳細について説明する。
【0042】
図2は、第1スクリューエリアに配置された圧力センサを示す図である。
図2に示すように、第1スクリューエリアPtに配置された圧力センサ40Aは、切り替わりエリアPyに隣接する第1スクリュー羽根3Bのピッチ(すなわち、1羽根ピッチ)P以内の第1スクリューエリアPtに配置されている。
【0043】
図3は、第2スクリューエリアに配置された圧力センサを示す図である。
図3に示すように、第2スクリューエリアPpに配置された圧力センサ40Bは、切り替わりエリアPyに隣接する第2スクリュー羽根4Bのピッチ(すなわち、1羽根ピッチ)P以内の第2スクリューエリアPpに配置されている。
【0044】
図4(a)および
図4(b)は、切り替わりエリアに配置された圧力センサを示す図である。
図4(a)に示すように、切り替わりエリアPyは、第1スクリュー3と第2スクリュー4との間の境界部分Bを含む一定の幅を有しており、圧力センサ40Cは、一定の幅を有する切り替わりエリアPyに配置されている。一実施形態では、切り替わりエリアPyの幅は、境界部分Bを基準として前後±100mmである。
【0045】
図4(b)に示すように、切り替わりエリアPyの幅はゼロであってもよい。この場合、切り替わりエリアPyは境界部分Bに相当し、圧力センサ40Cは境界部分Bに配置されている。
【0046】
図5は、第1スクリューエリアに配置された圧力センサを示す図である。
図5に示すように、圧力センサ40Dは、投入口2に隣接する第1スクリューエリアPtに配置されている。より具体的には、圧力センサ40Dは、第1スクリューエリアPtのうち、投入口2に隣接する所定の幅を有する投入口側エリアPzに配置されている。以下、圧力センサ40の取り付け構造について説明する。
【0047】
図6は、スクリーンケーシングに取り付けられた圧力センサを示す図である。
図6に示すように、スクリーンケーシング1は、複数の孔1aが形成された多孔板としての外筒5Aと、外筒5Aの内周面に固定された、複数の孔1bが形成された多孔板としての内筒5Bと、から構成された二重構造を有している。内筒5Bは汚泥に含まれる液体をろ過するために配置されており、外筒5Aは内筒5Bを補強するために配置されている。
【0048】
図6に示す実施形態では、スクリュープレスSPは、複数の圧力センサ40の少なくとも1つをスクリーンケーシング1に取り付けるセンサ台座50を備えている。センサ台座50は、スクリーンケーシング1の外面(すなわち、外筒5A)に固定されている。圧力センサ40は、汚泥の圧力を検出するための測定部41を有しており、測定部41は、センサ台座50に形成された開口51に挿入されている。開口51は、外筒5Aの孔1aと、内筒5Bに形成された、測定部41が挿入される挿入孔1cと、に連通している。
【0049】
汚泥の、スクリーンケーシング1に対する圧力をより正確に検出するために、複数の圧力センサ40(より具体的には、圧力センサ40A,40B,40C,40D)は、スクリーンケーシング1の上部(より具体的には、スクリーンケーシング1の最も高い位置)に配置されることが好ましい。
【0050】
圧力センサ40のスクリーンケーシング1への取り付けにより、圧力センサ40の測定部41がスクリーンケーシング1の内面(すなわち、内筒5B)から突出すると、測定部41がスクリュー羽根3B,4Bに接触したり、過度の圧力の作用に起因して圧力センサ40が故障するおそれがある。そこで、センサ台座50は、圧力センサ40の測定部41がスクリーンケーシング1の内面から突出しない厚さを有している。好ましくは、測定部41の先端は平坦形状を有している。一実施形態では、測定部41とスクリーンケーシング1の内面との間の隙間の大きさは、2~8mmである。
【0051】
その一方で、測定部41とスクリーンケーシング1の内面との間の隙間の大きさが大きいと、汚泥が圧力センサ40とスクリーンケーシング1の挿入孔1c(および孔1a)との間の隙間に詰まるおそれがある。そこで、望ましくは、圧力センサ40の測定部41はスクリーンケーシング1の内面と同一平面内に配置されている。
【0052】
本実施形態では、センサ台座50の厚さに応じて、測定部41のスクリーンケーシング1の内面に対する相対位置を調整することができる。したがって、測定部41とスクリーンケーシング1の内面とが同一平面内に配置されるように、センサ台座50の厚さを選択することができる。
【0053】
図7は、第2スクリューの他の実施形態を示す図である。上述した実施形態では、第2スクリュー4の第2スクリュー羽根4Bのピッチは汚泥の移送方向Dにおける上流側および下流側で同一である。
図7に示す実施形態では、第2スクリュー羽根4Bのピッチは、汚泥の移送方向Dにおける上流側および下流側で異なっている。より具体的には、第2スクリュー羽根4Bの上流側のピッチP1’は、第2スクリュー羽根4Bの下流側のピッチP1’’よりも大きい(すなわち、P1’>P1’’)。
【0054】
このように、上流側のピッチP1’を下流側のピッチP1’’よりも大きくすると、第1スクリュー3の回転により脱水領域1Aからプラグ形成領域1Bに移送されたケーキを、プラグ形成領域1Bに徐々に滞留させることができる。その結果、脱水領域1A内のケーキに加えられる背圧が急激に上昇しないので、脱水領域1A内のケーキが第1スクリュー3と供回りすることを効果的に防止することができる。以下、スクリュープレスSPの運転状態を判断する一例について説明する。
【0055】
図8乃至
図11は、スクリュープレスの運転時における汚泥の圧力の変化を示す図である。
図8乃至
図11において、横軸は時間を示しており、縦軸は圧力測定値を示している。
図8乃至
図11では、圧力センサ40Aによって検出された信号に基づいて測定された圧力値(すなわち、第1スクリューエリアPtにおける汚泥の、スクリーンケーシング1に対する圧力)と、圧力センサ40Bによって検出された信号に基づいて測定された圧力値(すなわち、第2スクリューエリアPpにおける汚泥の、スクリーンケーシング1に対する圧力)と、圧力センサ40Cによって検出された信号に基づいて測定された圧力値(すなわち、切り替わりエリアPyにおける汚泥の、スクリーンケーシング1に対する圧力)と、が表されている。
【0056】
図8乃至
図11に示すように、各圧力センサ40によって検出される信号(すなわち、汚泥の圧力測定値)は、第1スクリュー羽根3Bおよび第2スクリュー羽根4Bの回転に伴って周期的に変化する。回転するスクリュー羽根3B,4Bが圧力センサ40に近づくにつれて、圧力測定値が徐々に大きくなり、スクリュー羽根3B,4Bが圧力センサ40に最も近づくと圧力測定値はピークを示す。その後、スクリュー羽根3B,4Bが圧力センサ40から離れるにつれて、圧力測定値は徐々に低くなる。
【0057】
図12は、汚泥の圧力と汚泥の含水率との相関関係を示す図である。
図12において、横軸は含水率を示しており、縦軸は圧力を示している。
図12に示すように、汚泥の、スクリーンケーシング1に対する圧力と汚泥の含水率との間には、相関関係が存在しており、含水率が低下するほど、圧力が大きくなる。したがって、スクリュープレスSPは、含水率計などのセンサを追加することなく、汚泥の脱水状態を判断することができる。
【0058】
まず、制御部6は、第2スクリュー4を停止させた状態で、第1回転機構7を駆動させて第1スクリュー3を回転させる。次いで、投入口2(
図1参照)から汚泥をスクリーンケーシング1内に投入する。投入口2から投入された汚泥は、その場に滞ることなく、回転する第1スクリュー羽根3Bによって第2スクリュー4に向かって(すなわち、移送方向Dに)移送される。
【0059】
投入口2から投入された汚泥が増加すると、汚泥の増加に伴い、汚泥の、投入口2に隣接するスクリーンケーシング1に対する圧力は大きくなる。したがって、圧力センサ40Dを投入口2に隣接する投入口側エリアPzに配置することにより(
図5参照)、制御部6は、圧力センサ40Dによって検出された信号に基づいて、汚泥の、スクリーンケーシング1に対する圧力を測定することができる。
【0060】
本実施形態では、制御部6は、圧力センサ40Dによって検出された信号に基づく汚泥の圧力と投入口2に投入された汚泥の高さとの間の相関関係に関するデータを記憶している。したがって、制御部6は、圧力センサ40Dによって検出された信号に基づいて、投入口2に投入された汚泥の高さを測定することができる。制御部6は、測定された汚泥の高さが所定のしきい値に達した場合には、第1スクリュー3の回転速度を上げて、汚泥の移送速度を大きくしてもよく、または汚泥の投入を停止してもよい。
【0061】
図8に示すように、スクリュープレスSPの運転を開始した後、汚泥がスクリーンケーシング1に溜まり始めると、汚泥の圧力は上昇し始める。本実施形態では、第2スクリュー4を停止させた状態で第1スクリュー3を回転させているが、一実施形態では、第2スクリュー4を必ずしも停止させる必要はなく、第1スクリュー3および第2スクリュー4の回転速度が汚泥の投入量に対して相対的に小さい場合にも、汚泥の圧力は徐々に大きくなる。
【0062】
脱水領域1Aを移送されるに従って汚泥は圧搾され、汚泥に含まれる液体はスクリーンケーシング1によってろ過される。汚泥がスクリーンケーシング1の脱水領域1Aを移送される間に、汚泥は脱水されてケーキとなり、第2スクリュー4が配置されたプラグ形成領域1Bに送り込まれる。
【0063】
図9および
図10に示すように、汚泥の、スクリーンケーシング1内での脱水が進行するにつれ、圧力測定値のピークは徐々に大きくなり(
図9の矢印参照)、スクリュープレスSPの運転が安定すると、圧力測定値のピークも安定する(
図10の矢印参照)。
【0064】
運転当初は、第2スクリュー4は回転していない(または、低速で回転している)ので、プラグ形成領域1B内のケーキは排出チャンバー33に排出されず、プラグ形成領域1Bに滞留する。ケーキは第2スクリュー4上に徐々に蓄積され、脱水領域1Aからプラグ形成領域1Bに移送される汚泥(以下、「後続のケーキ」と呼ぶ)によって第2スクリュー羽根4Bに押し付けられる。
【0065】
プラグ形成領域1B内のケーキは、第2スクリュー羽根4Bによって移動を妨げられることで圧搾され、低含水率のケーキとなる。この低含水率のケーキが、後続のケーキの移動を妨げるプラグケーキを形成する。第2スクリュー軸4Aの周りに形成されたプラグケーキによって、後続のケーキには背圧が加えられ、後続のケーキはさらに圧搾される。プラグ形成領域1Bでプラグケーキから分離された液体は、ろ液受け38によって回収され、ドレイン39を介してスクリュープレスから排出される。
【0066】
プラグケーキを形成した後、制御部6は、第2回転機構20を駆動させて、第2スクリュー4を回転させる(または第2回転機構20を操作して、第2スクリュー4の回転速度を上げる)。第2スクリュー4を第1スクリュー3の回転方向とは逆方向に回転させることにより、プラグケーキは、少しずつ排出チャンバー33に送り出される(すなわち、排出される)。このように、プラグケーキの形成とプラグケーキの排出とが連続的に行なわれるので、常にプラグ形成領域1Bにプラグケーキが存在する状態で、スクリュープレスSPを運転することができる。
【0067】
図11に示すように、スクリュープレスSPの運転停止工程において、すなわち、汚泥の供給を停止すると、スクリーンケーシング1内のプラグケーキが排出され、圧力測定値のピークは徐々に小さくなる。制御部6は、圧力測定値のピークがなくなった時点(言い換えれば、所定時間あたりの圧力測定値の変化量が所定のしきい値よりも下回った時点)において、汚泥の、スクリーンケーシング1からの排出(吐出)を決定することができる。
【0068】
本実施形態によれば、制御部6は、スクリーンケーシング1の複数のエリアに配置された複数の圧力センサ40によって検出された信号に基づいて、スクリュープレスSPの運転状態を判断することができる。より具体的には、制御部6は、汚泥の脱水の進行状態と、汚泥の含水率の推定と、スクリーンケーシング1内の汚泥と第1スクリュー3および/または第2スクリュー4との供回りの発生と、のうちの少なくとも1つを精度よく判断することができる。
【0069】
例えば、第2スクリュー羽根4Bの上流側のピッチP1’が第2スクリュー羽根4Bの下流側のピッチP1’’よりも大きい構造を有するスクリュープレスSPにおいて(
図7参照)、スクリュープレスSPが正常に運転されている場合、第1スクリューエリアPt、第2スクリューエリアPp、および切り替わりエリアPyにおける圧力測定値のピークの関係性(正常な関係性)は次の通りである。
第2スクリューエリアPpの圧力測定値のピーク>切り替わりエリアPyの圧力測定値のピーク>第1スクリューエリアPtの圧力測定値のピーク
【0070】
スクリュープレスSPの運転状態に異常が発生している場合、上記複数のエリアにおける圧力測定値のピークの関係性(異常な関係性)の一例は次の通りである。
第2スクリューエリアPpの圧力測定値のピーク<切り替わりエリアPyの圧力測定値のピーク≦第1スクリューエリアPtの圧力測定値のピーク
【0071】
このように、複数のエリアにおける圧力測定値のピークの関係性が崩れている場合、第1スクリュー3の回転速度および第2スクリュー4の回転速度、これら回転速度の差分が適切でないと考えられる。上述したような異常な関係性が生じている場合、第2スクリュー4の回転速度が大きすぎるため、制御部6は、複数の圧力測定値のピークが正常な関係性になるように、第2スクリュー4の回転速度を小さくする。
【0072】
このように、本実施形態によれば、制御部6は、複数の圧力センサ40によって検出された信号に基づいて、スクリュー3,4の回転速度、およびこれら回転速度の差分が適切か否かを精度よく判断することができる。
【0073】
図13は、スクリュープレスの運転状態に異常が発生した場合における圧力測定値の変化を示す図である。
図13において、横軸は時間を示しており、縦軸は圧力測定値を示している。
図13に示すグラフでは、第1スクリューエリアPtの圧力測定値のピークが不規則に変化している。この場合には、スクリーンケーシング1内の汚泥が第1スクリュー3と供回りしている可能性が高い。したがって、制御部6は、第1スクリュー3の回転速度を大きくすることにより、汚泥の、第1スクリュー3との供回りを解消することができる。
【0074】
上述したように、制御部6は、圧力センサ40Dによって検出された信号に基づいて、投入口2に投入された汚泥の高さを測定することができる。第1スクリュー3および第2スクリュー4の回転速度が適切であるにもかかわらず、測定された汚泥の高さが異常に高い、もしくは上昇傾向にある場合には、汚泥の、第1スクリュー3との供回りに起因して、投入される汚泥の量が適切でない、もしくは供回りが発生して汚泥が適切に搬送されていないおそれがある。この場合、汚泥の投入量を減らす、もしくは第1スクリュー3の回転速度を上げることにより、汚泥の、第1スクリュー3との供回りを解消することができ、スクリュープレスSPの運転の最適化を実現することができる。このように、制御部6は、圧力センサ40Dによって検出された信号に基づいて、汚泥が第1スクリュー3と供回りしているか否かを判断することができる。
【0075】
上述したように、汚泥の、スクリーンケーシング1に対する圧力と汚泥の含水率との間には、相関関係が存在している(
図12参照)。したがって、制御部6は、過去のスクリュープレスSPの運転条件と比較して、圧力測定値のピークが十分に大きくない場合には、凝集工程(スクリュープレスSPにおける脱水工程の前工程)での汚泥の凝集不良や汚泥の供回りの発生を判断することができる。
【0076】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
【符号の説明】
【0077】
1 スクリーンケーシング
1a 孔
1b 孔
1c 挿入孔
2 投入口
3 第1スクリュー
3A 第1スクリュー軸
3B 第1スクリュー羽根
4 第2スクリュー
4A 第2スクリュー軸
4B 第2スクリュー羽根
4D 壁面
4F 縮径部
5A 外筒
5B 内筒
6 制御部
7 第1回転機構
8 閉塞壁
10 水封装置
11,12 軸受
14 第1駆動機
15,16 スプロケット
17 チェーン
20 第2回転機構
22,23 軸受
24 第2駆動機
25,26 スプロケット
27 チェーン
33 排出チャンバー
33A 内壁
38 ろ液受け
39 ドレイン
40(40A,40B,40C,40D) 圧力センサ
41 測定部
50 センサ台座
51 開口
SP スクリュープレス
Pt 第1スクリューエリア
Pp 第2スクリューエリア
Py 切り替わりエリア
Pz 投入口エリア
D 移送方向
1A 脱水領域
1B プラグ形成領域